KP
はっと、目を、開く。

開いてしまった。
あなたは手を糸に縛られたまま、地下牢の寝床に横たわっている。
身体はうっすらと痛む。喉がひりひりと渇く。
落ちてきてしまったことが悲しくてならず、同時に強い恐怖をもたらした。

何か大きくて恐ろしいものが、あなた達を見ている。
舌なめずりをしながら。
流れてくる餌をいまかと待っている。
KP
二人とも《SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1D2》。
佐倉 光
1d100 55 Sasa 1d100→95
1d2 Sasa 1d2→1
SAN 55 → 54
牧志 浩太
1d100 47 《SANチェック》 Sasa 1d100→ 28→成功
▼4日目
すべての技能値マイナス補正、禁断症状の悪化が0段階目(補正なし、症状なし)に戻る。
佐倉 光
目覚めて、体が動かない! という事実にまず恐慌に陥った。
視界に蛇の顔を探し、体が溶ける恐怖に怯え、押し殺したような悲鳴を上げる。
呼吸は浅く速く、じたばたと床で暴れる。
KP
手の拘束以外は解かれているようだった。
視界に蛇の顔はなく、悲鳴を上げるあなたの背を弱々しい手が撫でた。

帰りたい。
欲が喉を焼いた。
あの素晴らしい光の中へ帰りたい。
佐倉 光
喉の奥が水を求めてひくひくと震えた。
乾く。
お守りに手をやりたくとも手は動かない。
誰かの優しい手の感覚がゆっくりと目を覚まさせる。
ここは牢屋で、自由を奪う場所ではある。
しかし今俺の思考はある程度は自由だ。

隣にいる人の姿を確認する。
牧志 浩太
「う……、あ……、う」

隣で渇きに震えながらあなたの背を撫でているのは、夢の中であなたが見てしまった誰かだった。

彼を見てしまったために、あなたはこんな苦しい所に落ちたのだ。
牧志 浩太
「佐倉……、さん。
よかった、目が覚めた、んだな」

牧志だ。
彼の拘束は解かれている。
牧志
佐倉 光
毎回牧志が覚醒に関わってるのは意味があるのか、それとも単に隣にいるからなのか。
KP
実は夢の中で隻眼牧志が「だめだー! 戻れ佐倉さん!」しています。
佐倉 光
ああーーーー! なるほど!!
KP
はっきりとは見えないものの、それが夢に反映されてああなってる。

佐倉 光
一瞬、恨みがましいような感情が浮かんだ。
お前があの幸せな場所から引きずり下ろしたんだ。
折角いい夢をみていたのに。
佐倉 光
しかし同時に、彼に救われたのだ、ということも理解する。
佐倉 光
「ああ、また助けられたな。悪い……」
喉の渇きに、けほけほ、と軽く咳き込んだ。
牧志 浩太
「俺が? ああ、そうなのかもな……、」
KP
頭の奥が痺れている。
喉を焼く「水」への欲は、あそこへ行きたい、帰りたい、という具体的な感情の形を取りかけている。
牧志 浩太
牧志の眼にも同じ色が燃えかけていた。
互いに、呑まれかけている。
牧志 浩太
「その糸は外してくれてないんだな」
それを自覚してか、牧志は先のことに話を移す。
佐倉 光
「これじゃ何もできないな。
悪いけど、様子が変わってないか調べてもらえるか?」
部屋の中の物など。
鍵なんかの自分で見られるものは見るけど。
牧志 浩太
「ああ」
KP
牧志が調べた所によると、便所も含めて室内はひととおり清掃されている。

寝床の布は替えられており、食事はまた先日同様に届けられている。

牢に鍵はかかっていない。
それ以外は、特に差は……、
牧志 浩太
「いや、ちょっと待った。
身体が拭き清められてる。
俺達、それにも気づかなかったのか?」
KP
……夢を見ている間にそうされたというのだろうか?
佐倉 光
「あの時間は何をされても分からない、ということか」
牧志 浩太
「そういうことだな……。
何されてるか分かったものじゃない」
佐倉 光
「体が綺麗になったのはいいけど、
知らないヤツになで回されたと考えると吐き気がするな」
佐倉 光
思わず頭を探って、触り慣れた縫い跡とは別に頭に細工された痕跡はないか探す。
牧志 浩太
それを見て、牧志も身体を確認する。
KP
あなたの頭にも、牧志の身体にも細工の跡は見当たらない。
手を縛られているせいで大層やりにくい……。
佐倉 光
あと昨日食事とれてないし、食べてから出たほうが良さそうだ。
佐倉 光
「悪いけど、食事を手伝ってもらえないかな」
牧志 浩太
食事は牧志が食べさせてくれる。
佐倉 光
「気を取り直して、出かけよう」
佐倉 光
外に出ない契約? あんなの無効だ無効。ただの脅迫じゃねぇか。
牧志 浩太
「ああ」
牧志は頷いて、牢の扉を開ける。

KP
地下四階に相変わらず人の姿はなく、あの穴も開いたままだ。
佐倉 光
「当たり前だけど、見つかるとやべぇな」
今までのルートで地下2階まで行けるか確認だけしよう。
牧志 浩太
「だな。人の動きを見て行かないと」
佐倉 光
「見張りのローブかぶってたら誤魔化せねぇかな」
見た目って今の自分たちの格好と同じなんだっけ?
KP
彼らは、今の自分たちとあまり変わらない格好をしていた。
佐倉 光
そうすると、着替えを見てもあまり意味はないかな……上に行こうとすると縛られるみたいだし。
KP
地下三階の廊下に今の所人の姿はなく、地下二階へ続く階段まで問題なく辿り着ける。
▼プレイヤー向け説明
地下二階を再度探索する場合、人の存在が大体分かっているため、人を避けて探索することができる。
KP
地下二階へ続く扉は閉じている。
あなたに絡みついているはずの光る糸は、最初と変わらず扉にも絡みついている。
佐倉 光
光る糸に近づく。
佐倉 光
「こいつ、警報にもなるみたいだから、牧志に巻き付かれると厄介だ」
縛られた手で何とか引っ張れないか、口でくわえて千切れないか試してみる。動くなら逃げる。
KP
口で咥えてちぎろうとすると、口の中に絡みつこうとしてくる。気色悪い。
縛られた手に力を込めると少し動くが、外せるほどではない。
牧志 浩太
「厄介すぎるな、それ。
何かに引っ掛けてちぎる……、と、佐倉さんの首が絞まるかもしれない。

あれ解除する方法を探すか……、
何か投げて、絡みつかせてる間に通るか、
酷いこと言うけど、もう一回佐倉さんに絡ませて通るか」
佐倉 光
「何かに絡めるか……」
見張りの私室に今人はいそうかな。
KP
おっと、どの部屋のことを指してますか? >見張りの部屋?
地下三階の二人組の部屋かな。
地下二階は一人一部屋、地下三階は二人で一部屋でした。
佐倉 光
ローブがあった部屋かな。
椅子などの適当な家具確保+あわよくばローブになんか仕掛けないかなって。
KP
なるほど。
改めて〈聞き耳〉で判定。
佐倉 光
1d100 79〈聞き耳〉 Sasa 1d100→ 88→失敗
佐倉 光
「駄目だ、うまく姿勢が……牧志、頼む」
牧志 浩太
では、交代して牧志が中の様子を窺う。
1d100 98〈聞き耳〉 Sasa 1d100→ 2→決定的成功クリティカル)!
牧志 浩太
「いない。横の部屋にもいないな」
牧志は隣の部屋の物音まで探り、扉を開いてあなたを中に導く。
佐倉 光
「こいつらのローブがエレベーターの鍵になっているなんて事はないかな」
ただの布のローブに見える? 何かついていたり入っていたりはしない?

あとは部屋に犠牲にできそうな家具はないかな。
牧志 浩太
牧志が中を探ってみるが、気になるといえば、隅に入っている黒い蓮の模様くらいだ。

よく見ると、あなた達の服にも同じ模様が入っている。
この模様が鍵だ、というわけではなさそうだ。
KP
椅子や机ならある。
佐倉 光
「椅子を持って行って、それが身代わりにならないか試してみようぜ」
牧志 浩太
「だな。やってみよう」
佐倉 光
牧志の前に椅子を抱えて立っていれば身代わりになれるかな。
簡単に手放せる状態で持てるならこちらが、
無理そうなら俺自身が盾になろうかな。
牧志が捕らえられるのは避けたい。
KP
あなたは手を縛られているため、椅子を持つなら縛られた腕に挟むか、脚で挟み込む形になるだろう。
うまく手放せるかどうかは微妙な所だ。
佐倉 光
じゃあ牧志には片手で椅子を持ちながら糸に手を出してもらいつつ、椅子と俺でガードしよう。
糸が動いたら警告を出す。
椅子ごと俺がぐるぐる巻きにされたら、動きにくいなんてもんじゃない。
KP
そこまでやるなら、〈回避〉の代わりに佐倉さん、【DEX】×5で判定。

成功すれば椅子を盾にできる。
失敗したら佐倉さんが巻きつかれる。
佐倉 光
okそのプランで行こう。
何とかエレベーターを使えるようにしないと話にならない。
最悪下の見張りを拘束して、そいつらから使う情報を聞き出す必要がありそうだ。

そういえば見張りの部屋に水差しはある?
KP
水差しか。ある。
佐倉 光
後で使うかも知れないし、場所を覚えておこう。
では椅子を持って階段に向かう。
牧志 浩太
牧志は身構え、相談した通りの位置につく。
KP
牧志が扉に手をかけた途端、糸が鎌首をもたげ、蠢き始めた!
佐倉 光
「来るぞ!」
牧志 浩太
「ああ!」
KP
佐倉さん、【DEX】×5で判定!
佐倉 光
1d100 45 Sasa 1d100→ 29→成功
KP
糸が椅子に絡みつく!
あなたは素早く椅子を手放し、牧志は上へ駆け出す。
糸の絡みついた椅子が、階段の下へ倒れる。

あなたは、椅子を盾に糸から逃れることに成功した!
相変わらず手は縛られているが、それ以上は縛られずに済んだ。

KP
ここは地下二階。
▼プレイヤー向け説明
地下二階を再度探索する場合、人の存在が大体分かっているため、人を避けて探索することができる。

室内探索中に突然人と遭遇するイベントは発生しない。
佐倉 光
では人を避けながら調べられる近い部屋から調べていこう。
特別なことがなければ、上、左、右の順で。
KP
上の部屋の中にいた人間が湯を浴びに出るのを、あなた達はじっと待つ。
KP
室内の様子は、先程の部屋と少しだけ違った。

寝床、机、漫画本の詰まった本棚、机の上にタブレット、細々とした小物に衣装入れがあるのは似ている。

しかし机の前に、壁に作りつけられたキーケースのようなものがある。
KP
詳しく調べるなら、〈目星〉〈隠す〉〈人類学〉またはタブレットに対して〈コンピューター〉など、
誰かの居室を調査するのにふさわしい技能、いずれか一つで判定。

どれで判定しても情報は同一。
佐倉 光
うーーん。
〈コンピューター〉したいところだけど手がな。
〈目星〉だな。
1d100 98〈目星〉 Sasa 1d100→ 21→成功
牧志 浩太
1d100 99〈目星〉 Sasa 1d100→ 59→成功
KP
本棚は漫画本ばかりだったが、
本の間に、キーケースの鍵が挟まれているのを見つけた。
牧志 浩太
牧志が鍵を開くと、エレベーターの操作パネルが中から出てきた。
ここからエレベーターを制御するようになっているらしい。
KP
タブレットには娯楽用の動画コンテンツが入っていた。
ネットには繋がっておらず、そもそもその機能もないものらしい。

少し調べると、エレベーターの使い方が出てくる。

一度行き先を入力すると、「荷物」を積み込む程度の時間は扉が開いていること。

各階の扉の横にあるマイクでこの部屋と通話できること、が書かれている。
佐倉 光
鍵はここから動かせる? 持って歩ける?
キーケースに操作パネルが入っていて、作り付けられている、のかな?
KP
キーケースの中に操作パネルが作りつけられている。

エレベーターはこの部屋から操作するか、マイクでこの部屋と通話して操作してもらうかしかできないということですね。
佐倉 光
なるほど了解。
▼禁断症状悪化
1段階目 技能値 合計-10%
指先が震え、細かい作業に困難を覚える。つま先が震え、脚に力を込めにくくなる。
視線が震え、物が見づらくなる。
佐倉 光
「これだ!」
喜びのあまり手が震えた。
違う。
これは禁断症状だ。
佐倉 光
「くそ、手が震えてきた。急ごう」

チャンスを待って次の部屋へ移動する。
牧志 浩太
「ああ」

KP
左側の部屋は、植物への愛を感じさせる様相になっていた。

壁には草花を描いたタペストリーが飾られ、
本棚には植物図鑑やガーデニングの本が一杯に詰まっている。

タブレットはなく、机の上には地下でも育つ青白い草花の鉢植えが並んでいる。

如雨露やスコップなど、植物の世話をするための道具が所狭しと並んでいる。
KP
詳しく調べるなら、〈目星〉〈隠す〉〈人類学〉など、
誰かの居室を調査するのにふさわしい技能、いずれか一つで判定。
どれで判定しても情報は同一。

また、〈植物に関する技能〉で判定して成功すると、別情報がある。
佐倉 光
植物か。スマホでもあればなぁー。
〈博物学〉はお持ちではない。
1d100 88〈目星〉
1d100 10〈博物学〉
〈生物学〉ならちょっとあるんだけどね。
そしてダイスの結果が来なーい
KP
〈生物学〉はちょっと違うかなぁ。
1d100 99〈目星〉
1d100 10〈博物学〉
こなーい。
KP
あー、でも〈生物学〉でもいいかな、これ。
〈生物学〉で振り直して頂いてもOKです。
佐倉 光
あれ、ダメージ受けてるよな。
〈博物学〉そもそも無理だ。
KP
おっと、本当だ。失礼しました。>無理

今調べたら〈生物学〉は植物学や遺伝学などを含むそうなので、〈生物学〉でもOKです。
佐倉 光
1d100 88〈目星〉
佐倉 光 - 今日 18:31
CCB<=98-10〈目星〉 (1D100<=88) > 91 > 失敗

佐倉 光 - 今日 18:32
CCB<=14-10〈生物学〉 (1D100<=4) > 99 > 致命的失敗
逆奇跡起きた
牧志 浩太
おおっと
牧志 浩太 - 今日 18:33
CCB<=89〈目星〉 (1D100<=89) > 39 > 成功
牧志 浩太
「これ……、どこの鍵だ?」
鉢植えの間を探していた牧志が、大事そうに隠された一本の鍵を見つける。
佐倉 光
「鍵か。あの金属扉の鍵か、扉の鍵か」
▼禁断症状の悪化
2段階目:技能値 合計-20%
皮膚の中を蟲が這い回る感覚がする。
▼禁断症状の悪化(佐倉さんのみ)
3段階目:技能値 合計-30%
絶えず傍らの相手の声で自分を罵る幻聴が聞こえる。
知っている人の幻覚を見る。知っている人が助けに来る幻を見る。
牧志 浩太
「……佐倉さんほんと調子出ないな。
実は外に出たくない? 一緒に戻ろうか?」
牧志は手の中で鍵をもてあそびながら、やさしげな口調で言う。
佐倉 光
「まだ戻らねぇ……ああ、牧志じゃないのか」

鍵はどんなサイズ? 今まで見た錠前や鍵穴に入りそうなサイズはあるかな。

そろそろ危ういな。波照間さんたちが見え始める頃だ。
後せいぜい一カ所ってところか。
牧志 浩太
「また幻が見え始めてるのか……、

あの金属扉の鍵って可能性はなくはないけど、
あのメモや話してた内容からして、金属扉の鍵は地下三階の部屋にあった鍵だろうな」
佐倉 光
「これで見つかった鍵は二つか。上のフロアの鍵かな、これは」
牧志 浩太
「だろうな。

気になってたのがさ、さっきから変な教団らしい施設ってあんまりないだろ。
礼拝堂とか、そういうの。
そういうのの鍵かもしれない」
佐倉 光
「確かにな。ここは神の餌を飼う施設みたいだ。
上に祭壇みたいなのがあるのかもしれない。
あるならアレの生産施設も」
KP
鍵は見た感じ、部屋の扉の鍵だ。

キーケースの鍵とは大きさが異なる。牢の南京錠の鍵でもない。

よく見ると、鍵に何か黒い模様が描かれている。
黒い……、蓮、だろうか?
佐倉 光
「蓮か……これだけ厳重に隠してあるんだ、大事なものなんだろうな。覚えておこう」

佐倉 光
次は右側の部屋へ。
KP
右の部屋は、前に入った時とそんなに様子は変わらない。

部屋に入られたのがイヤだったのか、着替えは放り出されていないし、タブレットは裏返されている。
KP
詳しく調べるなら、〈目星〉〈隠す〉〈人類学〉など、
誰かの居室を調査するのにふさわしい技能、いずれか一つで判定。
どれで判定しても情報は同一。
佐倉 光
「あの女の部屋かー。
少し綺麗になってるな」
牧志 浩太
「部屋に入られたのが嫌だったんだろうな。
間違ってないんだけど、そういう態度取られると複雑」
佐倉 光
1d100 68〈目星〉
佐倉 光 - 今日 21:39
CCB<=68〈目星〉 (1D100<=68) > 40 > 成功
牧志 浩太
牧志 浩太 - 今日 21:51
CCB<=79〈目星〉 (1D100<=79) > 37 > 成功
KP
粗削りな彫像は、ローブを着た曖昧な人影の形をしていた。
ローブの顔の暗闇から、足元までつく長い鼻が出ているのを見ると、何となく……、じわりと脳の奥から、好感のような感情が滲み出た。
佐倉 光
これは。あの存在だ……
佐倉 光
……この感情は、正しいか?
KP
タブレットのOSとアプリ一覧から当たりをつけて素早く探すと、いくつかのメモを見つける。
「ここの奴ら、対抗勢力がどーのとか言って地図に名前書かないからめんどくさい。

うろついてる薬チューにたまに部屋漁られるのもめんどくさ。縛っとけばいいのに。あんまりキツイことするとケンコーに悪いんだって」
佐倉 光
「なるほど、あまり派手なことをしなければ俺たち、あまり酷い扱いは受けずに済むのは間違いないみたいだ」
牧志 浩太
「みたいだな。
それなりに大事な道具だからこそ、殺したり健康を損なわせるわけにいかない、って所か」
「リフトの管理は見張りがやってる。部屋はリフトの横。上に出る度あいつに言うのめんどくさい。

横に住んでる子は、植物の世話が得意。たまに執着強くて怖い。
あの子も蓮にアタマやられてんじゃないの?」
佐倉 光
「横にいる奴も俺たちと同じ症状だったりするのかな。
というかこの『蓮』ってのが元凶か?」
牧志 浩太
「俺達と同じ症状にされて、ずっと蓮を世話してるのかもしれないんだな。

……話してみたいけど、正直そんな余裕ないな。
外に出たい、って思ってれば仲間に引き入れられるかもしれないけど」
佐倉 光
「リフト管理はあの部屋でやるしかないみたいだな。
しかし間違いなく上に行けるわけだ」
牧志 浩太
「ああ、リフトがあれば上に行ける。
大体分かったことの裏付けが取れた……、う……、」
牧志 浩太
「ごめん、また聞きづらくなってきた。
他人を連れ出そうなんてお人好し過ぎだ、って言ってるのは佐倉さん? じゃないよな?」
佐倉 光
「ああ、それは俺じゃない。が、仲間にできるかどうかはあまり期待しない方がいいと思うぜ……」
▼禁断症状の悪化
3段階目:技能値 合計-30%
絶えず傍らの相手の声で自分を罵る幻聴が聞こえる。
知っている人の幻覚を見る。知っている人が助けに来る幻を見る。
▼禁断症状の悪化(佐倉さんのみ)
4段階目;技能値 合計-40%
激しい不安、「水」がないと身体がばらばらに崩壊する恐怖に襲われる。
佐倉 光
「体に痛みが出てきた。そろそろ限界が近い。
また見つかる前に戻った方がいい。
なんだよ今度はハヤミさんか……珍しい人が出てくるもんだな」
そろそろ戻ろう、と提案する。
牧志 浩太
「そうだな……、そうしよう。
ああ、分かってる。普通に考えたら、さっきみたいに人を呼ばれておしまいだしな」
牧志 浩太
「戻るか」
牧志 浩太
「もうちょっとだ……、もうちょっと。
もうちょっとしたら、外に出られるかもしれない。

だから、万全の状態で上に上がりたい。
だよな。……だよな?」
牧志は確かめるように、時折腕をふらつかせながら、あなたの腕を握る。
牧志 浩太
「そうだな、戻れば水が貰えるもんな?
うまく言うな、佐倉さん」
牧志の楽しそうな声が後に続いた。
佐倉 光
「そうだよ水貰えるんだよ。欲しいってのは嘘じゃないぜ。
だけどそれは溺れたいからってだけじゃない。だろ……」
押し込めても仕方ない。
体が求めている。それを押し込めるだけではいずれ弾けるかも知れない。
佐倉 光
「戻ろう。明日はリフトを試す」
軋んでずきずきと痛む体をひきずるように来た道を戻る。
与えられた時間の半分が終わった。
猶予はもうない。
だが焦ればまた捕まる危険を冒すことになる。
佐倉 光
俺たちを飼っている奴らが、壁の穴を塞いだり、牢にもっと丈夫な鍵をつけようなんて思いつかないことを願うしかない。
牧志 浩太
「ああ、戻ろう。明日は上に出てみるんだ」
KP
下へ戻るあなた達の道を阻む者はいなかった。
誰かがあなた達の姿を見ていたような気がしたが、ただの幻かもしれなかった。
佐倉 光
いっそあの倉庫に行って飲んでやろうか、なんて思わなくもなかったが、
翌日に何が起きたかを考えるともう一度溺れる気にはなれない……。
意思が続く限りは牢の中で牧志の悪意やもう何十と見た波照間さんたちを見てすごそう。
ああ、喉が渇いた……
KP
牢へ戻れば水が貰える、あなたの身体は自然とそれを覚えかけていた。

KP
扉を閉じると、ひとりでに膝を折りそうになる。
何も考える必要のなくなった思考が「水」を待つことで満たされていく。

あなた達はただ単純に飼われているのかもしれなかった。
出口のない場所で、あと数日の「散歩」をしているに過ぎないのかもしれなかった。
佐倉 光
みず、飲みたい。
いつ来てくれるんだろう。
近くの部屋にあったはずで、牧志が呼んでる。
だけどここにいなきゃ。いいこにしていなきゃ……
だんだん思考が溶けてゆく。体の痛みと耳を叩く騒音は絶えがたくなってゆく。
牧志 浩太
みず、みず、みず。
呼ぶ声はやがて溶け、みず、みずを、と叫ぶ声だけになっていく。

近くの部屋にあったはずなのに、無様な同居人は閂の開け方もわからなくなってしまったみたいで、ひたすら扉を揺すっている。
KP
「いい子だ」
……歪む視界の向こうで、誰かがささやく。
ずっと、ずっと待ちわびた声だ。
佐倉 光
いい子にしてましたよ。みずをください。
嬉しさに笑って這い寄り、顔を格子に寄せる。
手が自由だったら全身で乞うのに、腕は括られて慈悲を願うこともできない。
佐倉 光
「みずを……」
その手が触れるのをひたすらに待つ。
KP
「いい子だ」
声はあなたの頭をやさしく撫でる。
それだけで自然と顎が開く。

開かれた口の中に、「水」が滴り落ちた瞬間、視界が光に満ちた。

脳の奥が歓喜に痺れる。
あらゆる苦痛がなくなる。
全身が快感にわななく。

あなたの全身に、筋肉に、骨に、神経細胞のひとつひとつに、その歓びが失いがたい記憶として刻まれていく。
KP
全身の骨がじゅうと灼ける音を立てた。
顕になったあなたの骨に、黒い蓮の模様が刻まれていく。

その感覚が身を震わせるほどに心地よく、あなたは全身でその刻印を歓迎してしまう。
佐倉 光
嬉しい。嬉しい。

にっこり微笑みながら刻まれてゆく。

いつかどこかでそんなされこうべを見た気がした。
あれは祝福だったのだ。
かのものに近づくための聖なるしるしだったのだ。
KP
あなたのすぐ間近に、あの大いなるものがいた。
長くのたうつ鼻が、すぐ近くであなたの匂いを嗅いでいる。

あなたは頭の上から流れ落ちる「水」を浴び、身体を芳しい流れに浸して、「それ」に相応しい供物へと清められていく。
佐倉 光
それはこの上もない喜びで、身が震えるほどの光栄である。
かの方に気に入られるよう、根本から作り替えられてゆくのを嬉しく思う。
今度こそ迎え入れてもらえるのだろうか?
KP
うねる長い鼻が、少しずつ近づいてくる。
あなたを迎え入れるように、どこからか聴き取り難い大きな声が轟き──

その鼻腔が、ぐばりと大きく開いた。

あなたはその動きに驚いてしまう。
驚いた瞬間、ぐらりとバランスを崩し、また落下が始まる。

驚いてしまったのが、いけなかったのだ。
あなたはどこまでもどこまでも落ちていく。

いい子でいなくてはならなかったのに。
いい子でいなかったから、落ちてしまう。

落ちてしまう。
落ちて、しまう……。
佐倉 光
ああ、あぁぁ。

遠ざかる長い鼻に手を伸ばす。
急速に堕ちてゆく。
佐倉 光
そこにいさせてください
KP
願っても、願ってもあなたは落ちてゆく。
手を伸ばして、掴んだ。
牧志 浩太
「うぁ、っ」
掴んだのは牧志の腕だった。

KP
そこは変わらず、地下牢の中。
寝床の上でぼんやりと天井を眺めていた牧志が、あなたに手を掴まれて少し驚いた。
KP
大きく恐ろしいものに、あなたは危うく喰われる所だった。
心臓がまだばくばくと鳴っている。

だというのに、もう少しで迎えてもらえたのに、という悲しみの余韻が満ちている。

食べられたいのか、食べられたくないのか、頭の中が混乱している。
外に出たい? いい子でいたい?
外に出たかった……、なぜ?

大きく恐ろしい何かが、こちらを見ている。
恐ろしいのに、脳が痺れるほどの好感を覚える。

あなたは危うくなりかけている。
そんな危機感が骨を疼かせた。
KP
SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1D2》。
牧志 浩太
1d100 47 《SANチェック》 Sasa 1d100→ 48→失敗
1d2 Sasa 1d2→2
SAN 47 → 45
佐倉 光
1d100 55 《SANチェック》 Sasa 1d100→ 33→成功
▼5日目
すべての技能値マイナス補正、禁断症状の悪化が0段階目(補正なし、症状なし)に戻る。
ひどいはなし
この頃、ログをChatGPTさんに見て貰って分析してもらう、なんて遊びしていました。
基本くすぐったいくらいに褒めてくれるもんだから気分が上がります。
まあ最もらしいこと言っているように見えて適当なことも多いので、ほどほどに、という感じですけども。
佐倉 光
ChatGPTさんに、佐倉の人間性は理性であると評価されていて
では今の理性を踏みにじって自ら求めるようにさせるヤク中話って最悪ですよね。
誰だこのシナリオ書いたの。ひどいなぁ。
KP
最悪ですね。しかも理性を踏みにじられていると分かっているのに、理性で判断しても自分から求めるようにさせられる。ひどいはなしだ。
佐倉 光
これは完全に理解者による犯行ですよ警部!
KP
てへ(第四の壁の向こうに隠れる)
佐倉 光
あとラヴァルとエリザが「クトゥルフ神話的に、最も神への無礼な行為」と評価されてたのも面白かったなぁ。
それって今回の奴らにも当てはまりますよねぇぇぇ
KP
当てはまりますねぇええ。
詳しくは終了後ですが、実は彼らの信仰はちょっとゴニョニョな所があったりします。

佐倉 光
「…………」
佐倉 光
「っ!?」
反射的に牧志を掴んでいた。
※手はまだ縛られているんだろうか。
KP
手を伸ばして気づく。
腕を縛る糸が外されている。
これも、「健康に悪いから」ということなのだろうか。
佐倉 光
酷い悪夢を速い呼吸で追い出そうというようにぜえぜえと喉を鳴らす。
あれは恐ろしいものだった。
近づいてはならないものだった。
そんなものに惹かれて、内に印を刻まれていた。
牧志 浩太
「あ……、うう。おれ、戻ってきちゃったのか」
牧志 浩太
「違う、戻ってこられた?」
ああ、うう、と牧志は身を起こしながら、数度呻く。
その眼の中で不安定に焦点が結ばれては外れる。
佐倉 光
「ああ、そうだ、戻ってこられた、正気に戻れたんだよ、俺たち。
あっちに行っちゃいけないんだ。
食われるわけには行かない」
牧志に、同時に自分に語りかける。
早く動かなければ、あの幻覚や幻聴が襲ってくる前に。
KP
戻れた、戻れたんだ。
行ってはいけない。
そう自身に言い聞かせる度に、あの素晴らしい光景が瞼の裏にちらついた。

どうして行ってはいけないのか、わからなくなりそうになる。
何度思い出しても、瞼の裏に満ちる光景は輝いている。
牧志 浩太
「う、うう……、そうだ、そうだった。
俺達、食べられそうになってたんだ。だよな」
牧志は首を振り、身を起こす。
牧志 浩太
「帰るんだ」
佐倉 光
「そうだ、忘れちゃいけない……
どんなにあの夢がよく見えたって、ただの蟻地獄なんだ」
佐倉 光
「今日は上を目指す」
佐倉 光
「できれば解毒の方法を知りたいけどな。
このままじゃ俺たち外に出られないし、出ても帰ってきそうだ」
強い意思、なんてもので抵抗できないのはもう痛いほど。文字通り骨身にしみて知っている
牧志 浩太
「解毒方法か、知りたいな。
こいつらだってうまく利用してるつもりなら、制御方法くらい持ってるって思いたい所だ」
牧志 浩太
「よし、行くぞ。
今日こそ、上を目指すんだ」
牧志は確かめるようにあなたの自由になった手を取り、宣言する。
佐倉 光
「ああ、脱出だ」
その宣言に手と言葉を重ねる。
いつも通り、鍵が外れているか、階段横の穴が使えるかを確認する。
行き交う人間の隙を突いて、椅子などを身代わりにして地下二階に向かうことを試みる。
佐倉 光
団長の部屋、気になるが、今は入っても大丈夫という保証がない。

KP
牢の鍵はもうかけるつもりもないのか、かかっていないままだ。
階段横の穴も塞がれていない。

身代わりにしたはずの椅子はなくなっていたが、隙を狙えば容易に持ち出せる。
KP
椅子を盾にするなら、実行する方が【DEX】×5で判定。
牧志 浩太
「佐倉さん、今度は俺がやろうか」
扉に絡まる糸を見て、しばし迷ってから牧志は口にする。
佐倉 光
「なんかあった時、抵抗できるのは牧志の方だろ。
俺は、多少手足やられていても、静かに行動するのは多少経験がある。
俺がやるよ」
佐倉 光
【DEX】高いのこっちだし、なんかあった時【STR】で対抗できるのは牧志の方だからさ!
牧志 浩太
「そっか、そうだな。……佐倉さん、頼む」
佐倉 光
大丈夫。上手くやればいける。
椅子をかざして生け贄にする態勢になりつつ、扉に手を出す!
1d100 45 【DEX】 Sasa 1d100→ 3→決定的成功クリティカル)!
佐倉 光
ワァイ
KP
襲いかかる光る糸に、あなたは的確に椅子を振る!

糸はみるみるうちに椅子に絡みつき、あなた達はその間に素早く扉を潜り抜けることができる。
殆ど時間をかけずに糸をいなすことができた。
KP
▼扉を抜けるのに時間がかからなかったとして、次の1部屋探索時に二人とも禁断症状が悪化しないとする。
牧志 浩太
「すごいな。佐倉さんに任せてよかった」
佐倉 光
「だろ!」
親指を立てて見せ、素早く上へ。
まずはあの蓮の鍵を確保だ。
KP
暫く様子を窺うと、部屋の主は如雨露を持ち、リフトに乗って上へ向かった。

同じ形のものが二本あった黒い蓮の鍵が、一本だけになっている……。
使用中なのだろうか?
牧志 浩太
「上のどこかの鍵、で合ってるみたいだな」
佐倉 光
「そうすると、部屋で鉢合わせる可能性があるか。
慎重にやらないとな……」
リフトの管理人部屋が無人になるのを待とう。
佐倉 光
「一度上に行ったらいつでも戻れるってわけに行かないか……
一人ここに残るべきかな」
危険な賭だ。ここにいなければリフトを動かせないし、そうすると部屋の主と鉢合わせする可能性が高い。
だからって外にいると呼ばれても分からない。
佐倉 光
「二人で行くか。一気に出られるって可能性に賭けよう」
牧志 浩太
「ああ、賭けよう。
……今日が五日目としたら、もう言うほど余裕ないしな」
牧志 浩太
「最悪、戻りたければ上で鉢合わせすれば戻れるけど、そうしたら一気に牢へ逆戻りだな」
KP
タイミングを伺えば、リフトの管理人がタオルを持って浴室へ向かうのが見えた。
風呂に入るのなら、暫くは戻ってこないだろう。
佐倉 光
よし、行くぞ。
リフト管理人の部屋に入り込み、管理パネルを操作。
操作法は分かるだろうか。
KP
管理パネルは通話用のマイクと、行き先の階数、1、2、3、4だけがあるシンプルなものだ。
1、が地下一階なのだろう。
リフトの現在地などを表示する仕組みはないらしい。
大体通話でなんとかする運用だ。
佐倉 光
「あぶねー機械だな。事故るぞこんなの」
2を押してみる。
これ中に人がいたらどうするんだ。
KP
微かな振動と共に、僅かな縦線だけのあった場所が開いた。
中には、薄い石張りの四角い空間が覗いている。
牧志 浩太
「こんな雑な機械しか上に上がる道がないとか、事故もそうだし、故障したらどうするんだこれ」
佐倉 光
「壊していくなりすれば足止めができるかー。
それも手かな?」
佐倉 光
「まあ下手なことをして、利用価値なしで処分されてもまずいから、最後の手段だけどな」
リフトの中をのぞく。
KP
リフトの中は空の四角い空間だ。
……これはどうやって整備するのだろうか?

もしかすると、更に探せば何か整備用の開閉スイッチなどが見つかるのかもしれないが、すぐには見当たらない。
佐倉 光
「まいったな。これ一人残らないと動かせないぞ」
リフト内に通信設備はありそう?
KP
見ていると、リフトはしばらく開いた後、扉を閉じる。
リフト内にも小さなボタンと、マイクらしいものがある。
これが通信設備だろうか。
牧志 浩太
「いや……、これ、もしかして。閉じるはともかく、開くボタンがないよな?」
ふと、牧志が操作パネルの「1」のボタンを押した。
リフトは地下二階に留まったまま、再び口を開ける。
しばらく開いたままになってから、扉を閉じて動作音を響かせた。
牧志 浩太
「分かりにくい。
今いる所で扉を開くのと、行き先に向かうの両方を兼ねてるんだ。
ほんとよく事故ってないな、これ」
佐倉 光
「下で一人で居る時に、心臓発作でも脳卒中でも起こしたら確定で死ぬな。おっかねー」
佐倉 光
「大体あんな危険なのがあるフロアで……」
佐倉 光
「給水設備乗っ取れねーかな」
ブツブツ言いながら地下一階へ。

コメント By.佐倉 光
強い意思で抵抗する。言うのは簡単なことだ。
しかし既に「求めるようにされてしまっている」体は、抗えない。

プレイ日:2025年4月19日 ~ 2025年12月15日

作者名: 闇司祭ファラリス

配布・販売サイト: 光を溶かす水(オリジナルシナリオ)

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