佐倉 光
部屋の前の床に這いつくばって物音を探ろう。
息を止めて少しでも体の震えを止めようと努力する。
KP
〈聞き耳〉で判定。

この辺の「部屋の探索」以外の〈聞き耳〉判定の類は、すべて禁断症状の悪化は発生しません。
牧志 浩太
牧志はあなたが〈聞き耳〉を立てる間に、廊下から誰か来ないか、部屋から誰か出てこないか見張っている。
佐倉 光
1d100 69〈聞き耳〉 悪化一段階 Sasa 1d100→ 25→成功
KP
室内から声や物音は感じられない。
佐倉 光
では扉を開けて、中の様子を見て安全そうなら、牧志の腕を軽く叩いてすぐ中へ。
KP
室内は、誰かが生活する部屋のように見えた。

寝床に机、その上に小さな本棚。机の上には細々とした小物。衣装入れ。
寝床と机が二つある所から、ここには二人が住んでいるらしい。

誰かのいる様子はない。
牧志 浩太
牧志は合図にすぐ頷いて、室内に身を滑らせる。
佐倉 光
では、二人で手分けして部屋の中を探索しよう。
KP
衣装入れに入っていた着替えは、この階を歩いていた二人組のものと同じ衣装に見える。
白い衣装の隅に、黒い蓮の模様が入っている。
KP
〈隠す〉〈目星〉など、雑多な場所から有用な物を見つけ出すのに適切な技能いずれか1つで判定。
佐倉 光
1d100 88〈目星〉-10 Sasa 1d100→ 49→成功
牧志 浩太
1d100 89〈目星〉 Sasa 1d100→ 47→成功
▼メモ書き
雑多な趣味の本の合間に、メモ書きのようなものを見つけた。
 ・団長の身辺のお世話をすること
 ・お部屋の合鍵はなくさないこと
 ・お眠りのときは起こさないこと
 ・開/閉扉の呪文は団長が管理なさっていること ※要時のため
 ・代理人たちには一日に一度、神より賜りたる水を差し上げること ※一週間水を差し上げないと効果が抜けてしまう
 ・水は丁重に保管すること ※大量に無駄にすると神のお怒りを買う
……と書かれている。
佐倉 光
「とりあえず一週間水断ちすりゃいいみたいだな」
牧志 浩太
「ああ。
とりあえず……、このまま脱出しても何とかなりそう、ってのは分かった。それは希望だ」
佐倉 光
「簡単なのは倉庫の水を全部破棄することだけど、それで俺たちが神の怒りとやらをかってもつまらないな」
水を捨てる、か。
佐倉 光
捨てることを考えた途端、迷いが生じた。
後回しにしよう。
行動するのはまだだ。
牧志 浩太
牧志はさりげなく「水」の破棄に言及することを避けた。
彼の唇がひくつく。彼も恐らく、「水」の喪失を恐れている。
牧志 浩太
「佐倉さん、これ!」
KP
牧志が見つけたのは、寝床の枕の下にあった何かの鍵だ。
▼鍵
あなた達の牢にかけられていた南京錠の鍵穴よりは大きく、部屋の鍵くらいの大きさに見える。
佐倉 光
「これが団長の部屋の鍵、か?
ここには少なくとも三人いるんだな」
牧志 浩太
「みたいだな。
その団長と、あいつら。
四階もある所からして、それだけじゃないかもしれないけど」
佐倉 光
「階段側の部屋に人間がいる以上、あの部屋を調べることを考えてみる必要があるかな……」
佐倉 光
「中に人間がいそうかだけ調べよう」

鍵には手を付けずに部屋を出て、金属扉の前で〈聞き耳〉を立てます。
KP
部屋を出ようとすると、廊下の向こうから足音がした。

マイナス補正無しの【幸運】で判定。
あなたと牧志のどちらかが成功すればよい。
佐倉 光
1d100 75【幸運】 Sasa 1d100→ 67→成功
牧志 浩太
1d100 60【幸運】 Sasa 1d100→ 11→成功
KP
扉を開けようとした直前に、こちらへ向かってくる足音に気づいた!
佐倉 光
扉に触れずに振り返る。
この部屋に隠れられそうな場所はある?
KP
隠れられそうなのは机の陰か、寝床の間に屈んで身を隠すくらいだ。
牧志 浩太
あなたが振り返ったのを見て、牧志は机の陰へ飛び込む。
佐倉 光
できる限り足を忍ばせ、寝台の間に隠れつつ耳を澄ませる。
佐倉 光
誤魔化すことはできるけど、ここで見つかると色々面倒が予想されるからなぁー
KP
……彼らは室内の侵入者に気づかなかったようだ。
扉を開けることなく前を通り過ぎ、
向かいの部屋を軽くノックする。

「また眠っておられるよ」
「仕方ない、後にするか。
起こしたら怒られるもんな」

あなた達が今いる部屋の、隣の部屋の扉が開いた。
彼らはその部屋に入っていったようだ。
佐倉 光
「…………」
チャンスだ。
佐倉 光
無言でさっき二人がいた方の階段横の部屋の方を親指で指し、立ち上がる。
KP
立ち上がろうとしたその時、ぞわりと背筋を蠢く感覚が撫でた。
背骨の周りをぞろぞろと蟲が這っている。項をしきりに蟲が噛んでいる。
▼禁断症状悪化
2段階目:技能値 合計-20%
皮膚の中を蟲が這い回る感覚がする。
佐倉 光
くそ、気持ち悪いな……
早いところ動かないと、調べるどころじゃなくなっちまう。
無意識のうちに腕をこすりそうになるのを押さえながら、足早に階段横の部屋に移動しよう。
一応〈聞き耳〉は立てる。
KP
あなた達は彼らが室内にいる間に、階段横の部屋へと素早く移動することができた。
佐倉 光
思い切って扉を開け、中に入り込む。
KP
……室内に人の姿はない。

先程見ていた資料室と同様、室内には棚があり、ずらりと古めかしい書物が並べられていた。
しかしここには、先程の部屋にあったファイルの類はない。
引き出しのない机が一つある。
机の前には黒い蓮の模様を描いた布が掲げられ、何も書かれていないホワイトボードが一つある。

「何かを学ぶ部屋」といった趣を醸し出している。
牧志 浩太
「何だここ、勉強部屋か……?」
佐倉 光
「見るなら書物だな。急いで調べよう」
ホワイトボードが裏のあるタイプなら裏も覗き込む。
書物調査だ!
KP
ホワイトボードには、ローブを着た人間のような絵の顔から、長い鼻が伸びている奇妙な絵が描かれていた。
あなた達はその絵に、怖気とともに奇妙な既視感を覚える。

何かこれはひどく恐ろしく……、それでいて親しみのあるものだ。
その親しみの理由を、あなた達は分からない。

裏側には何も書かれていない。
KP
書物を詳しく調べるなら、〈図書館〉で判定。
また、〈クトゥルフ神話〉で判定して成功すると別情報が出る。(禁断症状の悪化は1段階分だけ)
佐倉 光
1d100 41 〈クトゥルフ神話〉 Sasa 1d100→ 29→成功
あ、悪化してるから21で失敗か。
KP
悪化してるから失敗ですね。
佐倉 光
1d100 55 〈図書館〉 Sasa 1d100→ 60→失敗
牧志 浩太
1d100 26 〈クトゥルフ神話〉 Sasa 1d100→ 83→失敗
1d100 65 〈図書館〉 Sasa 1d100→ 5→決定的成功クリティカル)!
佐倉 光
さっすが
KP
お、クリティカルか。
では、牧志はこの部屋での禁断症状悪化が発生しない。
佐倉 光
「あーくそ、集中できねぇ……」
体のあちこちを好き勝手這い回る虫が、今にも皮膚を突き破って出てきそうな気がする。
どうにも気が気じゃなくて文字に集中できない。
佐倉 光
「なんか、気になるんだけどな……」
牧志 浩太
牧志はそこに集められた書物の置かれ方や背表紙、表紙の様子を次々と探っては、中から一冊の本を抜き出した。
牧志 浩太
「この本が一番読まれてるみたいなんだ」
あなたの前でそれを開く。
▼神
鬱蒼とした深い霧の奥に座すエメラルドの神は、世の汎ゆる理を得んと願う人の愚を叶えて下さる。

その一文で始まるそれは、何か複数の書物を繋ぎ合わせたような読みづらさのある本だった。

その本に描かれている「神」は黒い蓮の上に座し、僧侶めいた緑の衣装の中から、鰭のような巨大な耳とのたうつ長い鼻をこちらへ伸ばしていた。

その鼻孔が大きく広がり、こちらに開かれている。
鼻の内側の蠢く無数の牙のある吸盤のような粘膜の赤さが鮮やかに描き出されており、強い怖気を覚えるだろう。

しかし、あなた達は同時に、それに強い親しみと渇きを覚えた。

その内側に満たされている粘液から、あの「水」の匂いがするのだ。

本が匂うわけがない。
だというのに「水」の匂いはどんどんと強まり、鼻腔から脳を埋め尽くしていく。
本の絵の背景で極彩色の雲が渦巻き始める。強い親しみと魅力をそこに感じる。

喉が渇く。渇く。「水」が欲しい。そこに行きたい!
KP
二人とも【POW】×5で判定。
マイナス補正なし。
これはいつもの「水」強制摂取ロールとは別です。
みず
佐倉 光
ハナミズじゃないですかやーだー
KP
ハナミズでした ばっちい
佐倉 光
に、人間のハナミズ(保湿兼 毒物や老廃物の除去水)とは違うかもしれませんし!!
KP
そ、そうですね中に牙あるしどっちかというと口っぽいし!(?)
佐倉 光
涎じゃんやーだー
体液って基本嫌だよな!!
KP
ですね!!
佐倉 光
いやいやいやあくまで黒い蓮から生成しているだけで、これイメージイラストですよね!?
とりあえずここの狂信者共に水を飲ませればいいのかなぁ、と思っていたりする今日この頃です。
KP
基本脱出するだけで逃げられはするのですが、それ以上のことをする方法はいくつか考えてあります。
考えているもの以外でも行けそうならもちろんOK。
佐倉 光
あえて探してまで悪意を持って蹴落とすようなことは危険が増えるだけだししないけどー、
目の前に手段があればやるかもねぇー。

佐倉 光
「これか!」
情報を得ようと文字を追い絵を目にする。
途端、脳味噌の中で恐怖と嫌悪感と極彩色の雲と親しみと渇望が弾けた。
佐倉 光
「みず……」
ひりひりと喉が痛み、舌が口蓋に貼り付いた。
1d100 75 【POW】 Sasa 1d100→ 52→成功
牧志 浩太
1d100 60 【POW】 Sasa 1d100→ 26→成功
牧志 浩太
「あ、ああ、みず、あううう」
KP
あなた達はどうにか、「水」欲しさに我を忘れて本を齧ることは避けられた。
しかしもしも目の前に「これ」を見せられたら、今の自分たちは歓喜と共に飛び込んでしまうかもしれない……。

自らの末路を思い浮かべれば、それさえも歓喜に染まりそうになるのが、何よりも恐るべきことだろう。

SANチェック成功時減少 1D3失敗時減少 1D4+1》。
牧志 浩太
1d100 52 《SANチェック》 Sasa 1d100→ 59→失敗
1d4+1 Sasa 1d4+1→ 3+1→合計4
SAN 52 → 48
佐倉 光
1d100 58 《SANチェック》 Sasa 1d100→ 17→成功
1d3 Sasa 1d3→3
SAN 58 → 55
佐倉 光
「ああ、くそっ」
本を閉じて頭から今見たものを追い出そうとする。
佐倉 光
どうして追い出す必要がある?
俺たちはあそこへ行く。行って水をいただくんだ。
佐倉 光
「違う。ここから出る。
アレに溺れていたら、俺たちは生け贄として使い潰されるだけなんだ」
牧志 浩太
「ああ、そうだよ、そうだ。
違う。そんなものいらない。
そうだ。溺れてたら、あいつらの道具にされるだけだ」
佐倉 光
素晴らしいことじゃないか。幸せと歓喜が待っている。
佐倉 光
「そんなの俺じゃねぇ、生きてもいねぇ!」

自分が、そんなふざけた立場になることを望んでいるなどということが、一番許しがたく恐ろしいことだ。
佐倉 光
「牧志、外に人がいなければさっきのエレベーターのあるあたり、調べよう」
相棒に声をかけたのは、牧志の強い意思を見たかったからかも知れない。
牧志 浩太
「ああ、帰るんだ。帰るんだよ。
俺達、帰……、」

牧志は強く拳を握り、顔を上げた。
あなたの腕を叩いて、その目をはっきりと見返し、
牧志 浩太
叩かれた感触に、皮膚の中で暴れる耐え難いうねりが重なった。

牧志の声が歪む。
いや。
「帰るんだ」と力強く言ったはずの声に、耳を掻き回すノイズが重なる。
牧志 浩太
「帰る?」
牧志 浩太
「帰るだって?」
牧志 浩太
「帰れるのか?」
KP
ノイズの奥で何者かの囀りが、牧志の声が、わらう、わらう、わらう。
▼禁断症状の悪化
牧志:クリティカルにより悪化なし
佐倉さん:3段階目 技能値 合計-30%
絶えず傍らの相手の声で自分を罵る幻聴が聞こえる。
知っている人の幻覚を見る。
悪化
KP
もしかして:禁断症状悪化のタイミングが悪い
ごめんな佐倉さん。
佐倉 光
禁断症状一番軽かったのに、神の情報に釣られちゃったかなぁ。
KP
かなぁ。
ここで牧志の方がつられるとは。
佐倉 光
佐倉 我は強いが、何故か支配系の状態異常にやられがち
牧志 意思は強いが、状況にすぐ適応してしまいがち
二人とも割と危ういな!?
KP
危ういですね??
佐倉さん、我は強くて意志力も強いけど、その我の前提を書き換えられてしまうと弱い印象

※以前の時は折れるまで入念にやられたからしょうがない

佐倉 光
「…………!」
佐倉 光
「またか……ちくしょう」
歯ぎしりをして、長く息を吐く。
牧志の口元をじっと見て、それが幻であると確かめる。

本来なら確かめる必要などない。
しかし、今の自分はそれを信じてしまうかも知れない。
少しでも迷いが生じるようなことは排除しておくべきだ。
佐倉 光
「……行こう」
牧志 浩太
牧志の口元を見ようとした、その視界が羽音を立てて揺れた。
目の中に蟲が棲んでいる。
牧志 浩太
「帰る? 帰りたい? 本当に?
……本当に?」
牧志 浩太
「だって、佐倉さん、」
こんな所帰るべきじゃなかったって、一度思ったもんな。

牧志の声は耳元で楽しそうに嘲った。
KP
進もうとした所で、
KP
▼強制摂取【POW】ロール
二人とも、【POW】×5で判定。
マイナス補正は適用しない。
佐倉 光
1d100 75 【POW】 Sasa 1d100→ 18→成功
牧志 浩太
1d100 60 【POW】 Sasa 1d100→ 85→失敗
佐倉 光
「ッアァアア」
言葉にならない怒りの唸りを上げながら瞼を掻いた。
KP
あなたは怒りの声を上げ、纏わりついてくる幻を払う、払う、払う。
ひっきりなしに「水」へ向こうとする思考を払い、瞼の痛みが少し、正気を取り戻させてくれる。

そして相棒の力強い眼の色を、目の前に求めようとした。
牧志 浩太
そこに彼の姿はなかった。
佐倉 光
「牧志? おい?」
彼の姿を探す。
牧志 浩太
見回すと、彼の後ろ姿が見えた。

ふらつきながら扉に手をかけ、無防備に開いていた。
喘ぐように息をついて、見ているのは階段の方向だった。
牧志 浩太
「そうだ、帰る、帰る……、帰るんだ……」
帰る、帰る、と虚ろな目で呟きながら、部屋の外へ出ようとしていた。
牧志 浩太
「帰って、シローと、みんなと一緒に、みず、」
保ち続けていた彼の意志も、あなたが幻に囚われていた一瞬に、途切れてしまったらしかった。
KP
▼あなたは彼を制止することもできるし、しないこともできる。
佐倉 光
腕を掴む。
一緒に行こうと誘いかける牧志の声を払い除け問う。
佐倉 光
「壁を調べるんだよな?
分かってるよな?」
牧志 浩太
「壁……」
振り返った眼が繰り返し揺れながら、少しずつ焦点を合わせようとしている。
牧志 浩太
「壁の中に、水が……あるんだっけ?」
佐倉 光
「違う、エレベーターだ。
乗れば脱出できるかもしれない。
うまくいけば解毒剤なんかもあるかもしれない」
牧志 浩太
「エレベーター……、エレベーターに乗って水?」
牧志 浩太
「いや、うう、違うな、違う」
はっと、牧志の眼に一瞬光が戻った。
あなたの腕を掴む。首を振り、本来の意思を取り戻そうとする。
牧志 浩太
「違う、乗って脱出して、水が」
牧志 浩太
「水で、水、」
牧志 浩太
「違う、壁を調べてエレベーターを見つけて、水が」
絶えず意識に割り込んでくるらしい言葉を振り払おうと、あなたの腕を掴んだまま牧志はもがく。
佐倉 光
俺も平気なわけじゃないからあんまり連呼されるとなぁ。
牧志 浩太
「ごめん、違う、違うんだ、水がんむ」

耐えていた意志が一度途切れてしまったせいだろうか。
あなたの呼びかけで我に返りはしたものの、「水」が意識に割り込んで口に出てしまうようだ。
佐倉 光
「分かった、壁を2箇所調べたら帰って休もう。あと2箇所だけだ」
牧志をなだめる。

全身のむず痒さと、幻覚の牧志がひたすらぶつけてくる悪意は、幻とわかっていてもそれなりに辛い。
それくらい調べた頃には俺も帰りたくなっているだろうから。
牧志 浩太
「んん」
牧志は自分の口を手で塞いで、こくこくと頷く。
佐倉 光
水水言われたせいで喉の痛みが耐え難くなってきた。
急いで移動しよう。
佐倉 光
このフロア人がいるし、あまりごたつきたくはない。

佐倉 光
まず廊下に出て人の気配がないことを確認してからこのフロアの壁を調べる。
KP
幸い、廊下に人の気配はない。
視界にちらつくのは知った人の姿だけで、あの二人組や「団長」が出てくる様子はない。
隣でそれなりに騒いだ気はするが、もしかして、こういうことも珍しくはなく、気にするまでもないということなのだろうか。
KP
エレベーターのマークがあったはずの場所は、見た所ただの土壁にしか見えない。
扉の存在を前提に探すなら、〈目星〉または〈隠す〉のいずれかで判定。(禁断症状の悪化は無し)
佐倉 光
あの骨のヤツもこうやってうろついたってことなのかな。
佐倉 光
「このあたりだな。辛いかも知れないけど、一緒に見てくれ。
正直俺、目がかすんでて自信ねぇよ」
牧志 浩太
「ん」
牧志は口を塞いだまま頷き、壁と向き合う。
1d100 78〈目星〉 Sasa 1d100→ 15→成功
佐倉 光
1d100 68〈目星〉 Sasa 1d100→ 10→成功
佐倉 光
大事な情報だから二人とも頑張った
牧志 浩太
「ん」
牧志が壁の一ヶ所を指さしたのと、あなたがそこに目を留めたのは、ほぼ同時だった。
KP
土壁の繊維や石に隠されているが、僅かに上から下へ継ぎ目が走っている。
しかし、ボタンの類は見当たらない。こちらから開けるものではないようだ。
佐倉 光
「下も調べよう。あとは……登りの扉だな」
階段の方へ行く。

そういや、穴は貫通していなかったんだから、ここをうろついた生け贄がいたとするなら、扉が開放されてたってことか?
牧志 浩太
「ん」

KP
上へ続く階段は、変わらず光り輝く糸のようなもので封じられている。
佐倉 光
糸は網のように張り巡らせられている? それとも触れずに通る努力ができそうな感じ?
KP
糸は扉を閉じるような形で絡められている。
扉を開くなら、この糸を切ることになるだろう。
佐倉 光
ああー、なるほど。通ればバレるわけだ。
佐倉 光
「ここにいる奴ら、上に行かないのかな」
佐倉 光
「いや、下が最下層なら、下にエレベーターの入り口がある可能性が高いな」
階段降りて、壁調べよう。
佐倉 光
壁の調査では症状悪化しないのでしょうか?
KP
壁の調査など、部屋の調査以外では症状悪化しない。
「部屋を調べる」のはそれなりに色々な内容を含むため、そこそこ時間が掛かるという解釈です。
KP
地下牢のある地下四階は、降りてきてみるとどこか、じっとりとした湿り気を感じるようでもある。
生活感のあった先程の階層に比べ、そこには重い静けさが満ちている。
……そして、漂う「水」の甘い匂い。
牧志 浩太
牧志は口を塞ぐのをやめ、鼻を塞いで浅く息をついた。
KP
先程と同じ位置の壁を調べるなら、当たりがついているため、〈目星〉または〈隠す〉+15%で判定。
佐倉 光
1d100 83〈目星〉 Sasa 1d100→ 78→成功
牧志 浩太
1d100 94〈目星〉 Sasa 1d100→ 25→成功
佐倉 光
なるべく鼻で呼吸しないようにしつつ、壁に触れて調べる。
考えてはいけない、と考えると背後のあの部屋のことを思い出してしまうので、
できるかぎり目の前のことに集中しよう。
KP
分かっていれば、見つけるのは少し容易くなる。
そこにも、ぴったり同じ位置に継ぎ目があった。
ボタンの類がないことまで同じだ。
牧志 浩太
「ないな、み……、ボタン。
こっちからは、使わないのかな」
佐倉 光
「もっと下がある……ってことか?」
佐倉 光
「しかし、まいったな。こっから先はある程度危険を冒す必要がある。
階段を登るか、あの部屋に入るかだ……
眠っているからって、入室してもバレない、なんてのは楽観的すぎるだろうな……」
佐倉 光
そういや、ここから上に行く扉の鍵って、あの部屋にあった鍵と合いそうなサイズに見えるかな。
佐倉 光
「あそこにあった鍵が、階段の扉か金属扉の鍵か、確かめておけば良かったな……」
KP
ここから上に行く扉の鍵は、上から閂をかけてあり、上からしか開けられないようになっている。
上から見た分には、大きさが合いそうには見えなかった。
佐倉 光
もう一部屋くらい調べてみたいけど、あの金属扉に手を出すのは怖いからなー。
今日は終わりにして、思い切って明日上のフロア狙ってみるか。
脱出バレるの怖がって上調べないでいたら結局生け贄として使い潰されちゃうからな。
怒ると怖いボスってどんなヤツなんだろーなー
ここらで思い切った事しないと進めない!
思い切ったコトするなら万全にしておきたい!

というわけで今回は帰ろう、という予定!
牧志 浩太
「あの調子ならバレても水が……、違う、誤魔化しが利くかも、なんてのは、それこそ楽観的すぎるな……、」
あなたの呟きに応えて牧志は呻いた。
佐倉 光
また目が覚めて頭がはっきりする保証などない。
奴らが気紛れに鍵を丈夫なものに変えるかも知れない。
あの穴がバレて塞がれるかもしれない。
それでも……

通路の向こうをよぎった緋寒とこっちに手を振る深山を視界から追い出す。

まともに捜し物もできない、いつ叫び出すか分からないような状態で隠密行動などできはしない。
佐倉 光
「ひとつやってみたいことがあってさ……一度戻ろう」
牢の方を指す。
牧志 浩太
「やってみたいこと? 分かった、あっちで話そう」
牢を視界に捉えたとき、牧志の眼がはっと輝いた。
それを打ち消すように何度も首を振る。
牧志 浩太
「くそ、違う、戻りたいんじゃない……、戻るだけだ」
佐倉 光
まずは牢に戻って食事や排泄など、必要なことを済ませてしまおう。
そういえば日数カウントもだ。適当な惣菜を配置して数える。
佐倉 光
水タンクなり何なり外して持って行って少量の水を確保しておいて、
探索中に辛くなったらそれを舐める。

いやー、管理者なしでそんな都合のいいことできないだろうなぁ。
それができるようなら中毒者の人そんなに苦しまないよ。コーヒーとはワケが違うんだ。
KP
なるほどー。歯止め……、効かないでしょうねぇ。
でもやる分には面白いシーン見られそう。

佐倉 光
「正直俺も、『やってみたいこと』がただの欲なんじゃないかって気もするし、
実際目にしたときにそう都合良く歯止めをかけられるのかって懸念はあるよ。
もしかしたらアレには致死量みたいな物があって、
俺たちが余分に摂取したらもう二度と目が覚めなくなって死ぬのかも知れない」
佐倉 光
「…………」
やってみたいこと、を確認して、万一可能だった場合。
悪くすると俺たちは二度と自分たちで考えて動くことができなくなるかも知れない。
これは確かめるべき事なんだろうか。
俺は、自分の理性ってものを過剰評価しているんじゃないだろうか。

理性ってものは常に、自分の利を都合良く引き寄せるためにある。
俺は冷静に考えているようで、破滅に招かれているんじゃないだろうか。

こうしている間にも、体の中を虫が這い回り、牢の外で波照間さんやラミアが呼んでいる。
お前は間違っていない、そうすべきだと牧志が囁いている。
牧志 浩太
牧志の声は内容を聞く前に、それいいな、そうしよう、と笑った。
やはりその声は牧志などではなく、あなたの頭の中の囁きに過ぎないのだ。
佐倉 光
「あの部屋で、少量の水が確保できそうか試してみる。

そもそも確保は無理かも知れない。
確保ができるなら、余分な量摂取しても俺たちは死なないんじゃないかと思う……
少なくとも奴らの不都合にはならない。
そうなるようなら牢の鍵なんか即直されてる。

それなら、試してみる価値はあるかと思っているんだ。
ここから先、できるだけ長く探索するのに、あれが使えないかって」
牧志 浩太
「み、ず……、
そうか、確保しておいて、我を失わない程度に飲みながら行ければ……」

本物の牧志はごくりと唾を飲んだ。
躊躇いながら、ひとつひとつ考えを組み立てる。
牧志 浩太
「それ、に。
自分たちであれを持っておければ、「水」のためにあいつらに従うことを、覚えなくて済むかもしれない」

指を折り、黙りながら、その考えが間違っていないかもしれないことを行きつ戻りつ確かめる。
牧志 浩太
「自分が見てるもの、考えてることが信用ならないって、辛いな。

でも、確実なことなんてない。
そろそろ危険を冒さなきゃ、何もできそうになくなってきた。

それなら……、それなら、試す価値は、ある、よな。
あいつらだって、俺達を無駄に死なせたくはないはず、なんだ」
佐倉 光
「……よし」
何がよし、なんだ。
牧志を共犯者にできたことか?

アレが飲みたいのは事実だ。
それとは別に、役立ちそうだというのも事実だ、そうだろう?
そして、考えが正しいかどうかは試してみないと分からない。
牧志が言うとおり、危険を冒さなければ進めない段階に来ている。
佐倉 光
水のタンクを外せるようなら外して、牢を出て倉庫に向かう。
KP
飲み水の瓶がひやりとして感じたのは、気のせいではないだろう。

檻から差し入れられる程度のただの瓶だ、持ち出す手を阻むものはない。
KP
このつまらない瓶に、これからあの素晴らしい「水」を満たす。
それを持ち歩く。いつでも飲める。
KP
……本当にあなた達は、飲みたいという欲以外の何かを、ちゃんと考えられているのだろうか?

コメント By.佐倉 光
刻々と時は迫ってくる。
この「みず」がどういったものなのかを知ってもやはり、渇望は止まらない。

プレイ日:2025年4月14日 ~ 2025年12月15日

作者名: 闇司祭ファラリス

配布・販売サイト: 光を溶かす水(オリジナルシナリオ)

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【クトゥルフ神話TRPG】
本作は、「 株式会社アークライト  」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。

Call of Cthulhu is copyright ©1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc.
Call of Cthulhu is a registered trademark of Chaosium Inc.
PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION 「クトゥルフ神話TRPG」



TRPGリプレイ【置】CoC【タイマン限2】収録シナリオ『Look,LOOK Everyone!』 佐倉&牧志 1

「お、佐倉さん」
「よう、東浪……見るなっ」

TRPGリプレイ【置】 CoC『ラストバンケット』牧志&佐倉 1

仕方ないだろ。魔界で風呂に入ってたら突然人間とコンニチワなんて想定外!

TRPGリプレイ【置】CoC『せんたく』 牧志&佐倉 1

「もし、辛いことを洗ってしまえるとしたら、どうする?」
「あまりに酷い記憶なら忘れてもいいと思うぜ、たまには……」


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