TRPGリプレイ ゆうやけこやけ 第七話『さくら咲く頃』の三(終)


語り手
【霧雨の森】
語り手
桜の樹の下で、飲めや、唄えや。
早すぎた桜が望んだのは、なによりも、その笑い声。
 
語り手
さて皆さま準備OKですかなー?
テン
はーい
花子
yeah
ソーヤ
いえーい!
シェリー
は~い
テン
宴会宴会
語り手
シーンは山の上に到着したところから始まります。時は夕方。登場・変身をどうぞ。
テン
変身は今のところ良いかな
テン_のふしぎを+14して(ふしぎ:10->24)
テン_の想いを+19して(想い:8->27)
おいらオニ丸出しでいるよ
花子
ふーむ
一応参道で人の行き来はあるんだよね?
語り手
お寺からは少し離れて、時は夕方。桜の樹の間を分け入ってしまえば、人目はありません。
シェリー
シェリー_のふしぎを+13して(ふしぎ:20->33)
シェリー_の想いを+13して(想い:13->26)
シェリー_のふしぎを+4して(ふしぎ:33->37)
ん?まちがえた
へらします 完全変身。
シェリー_のふしぎを-8して(ふしぎ:37->29)
ソーヤ
ソーヤ_の想いを+13して(想い:4->17)
ソーヤ_のふしぎを+15して(ふしぎ:15->30)
で、想い4をコストに完全変身。
ソーヤ_の想いを-4して(想い:17->13)
花子
花子_のふしぎを+18して(ふしぎ:18->36)
花子_の想いを+13して(想い:17->30)
ふしぎ4つかって完全変身
花子_のふしぎを-4して(ふしぎ:36->32)
テン
そういえば、私からのつながりが皆3になったので、減算必要なくなっております。今更だけどね
ソーヤ
わーい!
語り手
OK。
夕焼けに黒く佇む桜の木々には、灯りもない。
まだようやく咲き始めた桜の樹のあいま、彼女は長い影を引いて、ひとりで佇んでいた。
遠く、街を見下ろしながら。
テン
そのそばで一方的に喋りかけるオニがいることだろう
語り手
テンくんが喋りかけてくれるなら、その声を聞いて彼女は振り返る。
花子
「オッス、サクラ」
テン
「おっっせぇ」
花子
「真打は遅れて登場するものッス」
語り手
そして振り返ったさき、テンくんと皆の姿を認めて、ぱっと表情を明るくすることだろう。
「みんな……、ありがとう」 
彼女はゆるやかに、あなたたちに手を振る。
シェリー
「おくれてごめんね!」
ソーヤ
「来たよ!」
笑顔を浮かべて手を振りかえす。
語り手
「嬉しい……。ね、ね、場所空いてるから、好きな所に座って」
花子
「ほいじゃ、遠慮なく」
平らなところを探して、レジャーシートを広げる。
テン
少し離れたところにあぐらをかこう
ソーヤ
どさくさに紛れて桜の少女の目の前を陣取ろう。
語り手
ちょっと照れくさそうな様子で、ソーヤくんと向き合う。
レジャーシートがぱっと夕闇に広がった。
花子
真ん中に餃子のお重を置き、トートバッグから紙皿やら割りばしやらフォークやら
シェリー
それのお手伝い。
ソーヤ
一緒に手伝います。
花子
シェリーと二人で、てきぱきと宴の準備を進めて行く。
テン
手伝いはせずに延々とさくらちゃんに話しかけてるね
花子
「サクラはドリンクは何が良いッスか?白酒、老酒、日本酒もあるッスよ。ワンカップッスけど」
語り手
「えっと、えっと、じゃあ老酒が飲んでみたいな。飲んだこと、なくて」
花子
サクラのオーダーに、うきうきとプラコップに琥珀色の液体を注いでいる。
語り手
テンくんは何を話してくれているんだろう?
延々と話しかけてくれるテンくんに、彼女は嬉しそうに言葉を返している。
テン
肉を粉砕して粘土みたいにこねて泥団子みたいに固めたヤツを火に放り込んだヤツが今日のご飯なんだぞ、意味分かんねぇよな! って
ソーヤ
餃子の事かー!
ソーヤ
言い回しが面白かったので夢
テン
「ギョ ギョ ギョージャ」
語り手
「もしかして、ギョーザ?」
ソーヤ
「餃子な」
「そうそれ!」
テン
「ギョージャって言ってたろ」とプンスカしてる。
花子
「しかも焼き餃子ッス」
シェリー
「ぎょーざ、おいしいよ? あついけど」首をかしげる
テン
シェリーに「あつい?」と意味が分かっていなさそうな顔で問いかける。
シェリー
説明が……できない……!の顔。 ハフハフする!くらいの語彙しかない。
テン
シェリーが変顔になっちゃってるのを笑っている。
シェリー
テンくんが笑っているのを見たら嬉しいのでまたぱあーと笑う。皆がえがおなのはよいことなの。
テン
今更思ったけどテンって焼いたモノ調理したモノ食べてないんならシェリー以上に猫舌の可能性があったな。
語り手
確かに。
アチッ!! ってなる
テン
うーん。今更だ。
ソーヤ
でもちょっとかわいいって思ってしまいました
テン
「ああ、クチの中が痛いアレのことか……あつい」
語り手
「この中に入ってるの?」 お重をわくわくしながら眺めている。始まる前からテンションが上がってきているようだ。
ソーヤ
「うん、そうだよ。楽しみだね」目の前の少女が可愛いからかちょっと頬が緩む。
テン
「しかも作りすぎたってさー。へへっ、時間ばっかりかかってやんの」
花子
「おっ、いよいよお披露目といくッスか」
早くも半分かた空いた老酒のコップをシートの上に置き、お重のフタに手をかける。
語り手
「いっぱいあるのね?」 コップを受け取った手もそのままに、じーっとお重を眺めている。
花子
「では、とくと御覧じろ……ッス!」
大げさな身振りで引き揚げられたフタの下から、黒と紅の漆の色彩の中、餃子の白と茶が華のごとく並ぶ。
語り手
「わぁ……!」
シェリー
「じゃーん!」
花子
「サクラの花見も良いッスけど、色気より食い気とも言うッスからねー。こっちでも花見、用意したッスよ」
テン
上手いこといいやがってぇ
花子
そして、と続け
一段目のお重を引き上げ、二段目を露わにする。
そこには、不揃いな餃子たちが並ぶ。
語り手
「かわいい! これ、もしかして、みんなで作ってくれたの?」
シェリー
「捏ねた!」( ・`ω・´)ドヤ
ソーヤ
「手伝った!」どや。
テン
「見てた」
花子
「みんなで一緒に、餃子、拵えたッスよ」
シェリー
「花子ちゃんがね、じゅーってやったり……えっと……折り紙みたいなことしたり」
花子
「テンは食材を提供してくれたッス」
ソーヤ
「なんか大きな肉だったよな」
シェリー
そういえば牡丹肉餃子
ソーヤ
せやせや。
シェリー
テンくんかわいいな フフ
シェリー
「とにかくね、みんなでつくったんだよ~!」
語り手
「みんなで作ってきてくれた餃子なんて、初めて見たなぁ……」
もう食べるのが待ちきれない様子。
花子
「それじゃ、今度は上の花見、しながら
いよいよいただくとするッスかねー」
語り手
「うん!」
ソーヤ
「おー!」
花子
みんなには甘酒やお茶、ジュース配っておいて
ソーヤ
ジュースに手を伸ばす。
花子
「それでは、皆さま」
老酒のプラコップを掲げ
シェリー
掲げるまねっこ
ソーヤ
胸の前でコップを持つよ。
語り手
ぐいっ! と掲げて。
花子
「お疲れっしたーー!かんぱーい」
ソーヤ
「かんぱーい!」
テン
渡されたコップを上げてみた
語り手
「かんぱーーーーい!」
さて、いざ宴となるわけですが…… ここで【すごいふしぎ】のルール紹介を。
ソーヤ
シェリー
すごいふしぎ!
語り手
ルールブックP78(ゆうやけこやけ)。残ったふしぎ・想いを使うことで、何かを作ったり、残したり、ふしぎなことを起こしたりできます。
つまり、持っている技の内容によらず、みんなで協力して何かでかい演出ができますよ、というものですね。
もちろん、自分の持っている技を使ってもかまいません。
テン
〈百鬼夜行〉で見物人増やしてやろうかな……
花子
すごいふしぎで、寝ているみんなを起こすか
ソーヤ
桜の精をもうしばらく長く起してあげたいなぁ。
テン
そうだねー、長持ちさせてあげたい
シェリー
お花見の日まで咲く桜にしてあげたいね
ニュースにもなってきっともっとたくさんのひとがきてくれるぞ
テン
あとはまあそれとは別途、今回の夜桜をもっと賑やかにしたいので〈百鬼夜行〉で周囲のもののけ集めたいな。
ソーヤ
子供達に今年の桜すごいらしいぜ!って〈ちゅうちゅう〉使用するってことしか思い浮かばない。
シェリー
シェリーができるのはえっと〈おともだち〉かな。
テン
散らない桜 は天変地異の域なのかなぁ
語り手
天変地異というより、桜の精にみんなでちょっとだけ力を与える、という感じかな?
ソーヤ
ですかねぇ。
シェリー
ですねえ。
テン
それなら我々の不思議でもなんとかなるかな? 
花子
植物活力液を
語り手
個別にふしぎを使った後の残りでも、それくらいなら問題ありません。>力を与える
個別にふしぎ使う方は、個々でふしぎを消費ののち、いろいろ呼んで盛り上げちゃってください。
あ、あと、この「すごいふしぎ」では「想い」も一緒につかえます。
テン
〈百鬼夜行〉 は参加するものたちが半分の力で能力を使えるので
まず〈百鬼夜行〉にみんなを巻き込んだ上でやったらいいかな
シェリー
街中の猫、呼んでやりますよ!
ソーヤ
あっ、これネームドPCにしか使えない>ちゅうちゅう
花子
〈百鬼夜行〉〈百鬼夜行〉を重ねるとどうなるんだ
テン
千鬼夜行
語り手
データ的には重複しませんが、すごい百鬼夜行になる。>重ねると
テン
山中お祭りだ
ソーヤ
スゴイ
桜のお祭りできるかもしれない
語り手
〈ちゅうちゅう〉ですが、演出的に使っても構いませんよ。
ソーヤ
わーい!
ありがとうございます。では使用。
テン
あ、まずですね
ソーヤ
テン
〈百鬼夜行〉をオニ二人で発動させまして
花子
オーガという意味での鬼と、屍鬼という意味での鬼をダブルで行列させる
テン
後の皆様「ふしぎ」半分で思う存分力を使っていただいて
余った力を全部桜にあげたらいいんじゃないかな
花子
お寺近いし、墓石の下から出てきたりせんかな
テン
それもご愛敬よ
お盆はまだかなw
花子
春の彼岸で
テン
桜観たい人はちょっとおいでって
シェリー
さすがに墓石の下から出てきたらびっくりするよ
テン
こちらは山の獣や妖怪に呼びかけよう「早めに騒ぎたいヤツ来い!」って
……あっ
ふしぎが足りないw
語り手
おうふw
テン
よし花子任せた
花子
じゃぁ、こっちが先に〈百鬼夜行〉使うか
テン
そっちに乗っかろう
ソーヤ
おぉ~
花子
もう使っちゃっていいのかな?
語り手
どうぞどうぞ。ふしぎの消費をお願いします。
花子
花子_のふしぎを-30して(ふしぎ:32->2)

語り手
【朱雀の謡】
花子
ことん、と何度目か空になったプラカップをシートの上に置き、
「それにしても、自分らだけだとさびしーッスね」
ソーヤ
「ん…そうだな。もう少し人がいてにぎわってたらいいんだけど」
花子
赤みが差し、とろんとした座った目で辺りをぐり、と見渡し、つぶやく。
「人、人ね……」
少し考えてから、
「んじゃ、呼ぶッスか。テキトーに」
シェリー
「おともだち、よぶ?」
ソーヤ
「俺も自分の子供とか近所の子供呼ぶか」
シェリー
……自分の子供!?(二度見)
ソーヤ
ねずみですもの
シェリー
それはそうなんですが。
花子
ねずみ講
ソーヤ
デフォルト能力でこだくさんがあるんでねずみ=そういうことかなと
テン
意外な事実
花子
「いいッスか、自分もあまり面しらねー連中なんスけど」
サクラと皆に酒くさい息で尋ねる。
ソーヤ
「俺は構わないぜ」
ソーダ水をちみちみと飲んでる。
語り手
うん、と彼女は顔をほの赤くして、嬉しそうにうなずく。
花子
「んじゃ」
と立ち上がり、
花子
おっと、メインはこっちだ
テン
花子さん酔ってるぅ
花子
ジャージの肩口をぐ、と掴むや、それをばっさぁ、と脱ぎ捨てる。
下から現れるのは、血のように赤い衣装、血の気の引いた青白い肌。
らんらんと輝く瞳を怪しく光らせる、人型の怪の姿。
「一番、花子!芸やらしていただきます!」
どこからか取り出した手鐘を振りかざし、叫び、鳴らす。
語り手
コップを置いて、ぱちぱちぱち! と拍手。「いいぞー!」という掛け声は、花見客ゆずりだろうか。
花子
ちりりりりりりん、というやや甲高い連続する音。
語り手
音は高く、澄んだ春の空気の中へ響いていく。
花子
「大家起来!大家聚集!」(みんなおきろー、みんなあつまれー)
語り手
…わ、ざわ、ざわざわ。
お寺の建物の影の暗いところ、街灯がつく直前の薄暗い参道、夕闇に沈んでいく空の向こう、いまだ眠る桜の木々の葉のあいだ。
ひとつ、ふたつ、応える声。気配。
テン
無心に餃子を頬張っていたテンは顔を上げます。
花子
「只是今晚的节日~」
(今夜一晩かぎりのお祭りだよ)
より遠く、より広く聞こえるように、唄うように、舞うようにあちら、こちらへと鐘を向けて鳴らし続ける。
語り手
惹かれるように、呼ばれるように。木々の間をすりぬけてくる鬼らの提灯。
花子
「昨天死的人」
ちりりりり
「很久以前去世的人」
ちりりりり
「大家聚集」
(昨日死んだ人も、昔死んだ人も、みんな集まれ~)
テン
その鈴の音に心を高揚させながら。その音にもはや自分が呼ばれていると気づかぬまま。
「なにお、おいらの方が呼べるぞ!」
テン_のふしぎを-15して(ふしぎ:24->9)
吠え立てる声も鈴の音に合わせて歌うかのよう。乗せられて舞手の一人となる。
【百鬼夜行】
語り手
「祭りだと」「花見かえ」「まだ早い」「いいんや、嘘っぱちだろう」「だが」「楽しそうだ」「そぉれ!」
テン
「山の奴ら、川の奴ら、騒ぎたいヤツはみんな来い!」
※百鬼夜行発動中は「ふしぎ」の消費が半分になります。
語り手
河童。屍人。幽霊。破れ傘。九十九。天邪鬼。犬に。草までも。声を、舞を聞きつけて、踊れ踊れやとばかりにやってくる。
ソーヤ
つまり今1/4のコストでできるってことですか?
語り手
あ、重複は無しの1/2でお願いします。
テン
そこまではたぶん許可されてないけどw
花子
そこはねw
ソーヤ
なるほどな(納得)
語り手
さて、猫は鼠は、その一団の中にいるだろうか?
ソーヤ
ちゅうちゅうと鳴いて参加する。
テン
百鬼夜行は効果でかいだけに消費も大きいな
語り手
効果でかいし、起きることとしてもド派手ですしね。
テン
まさか発動できないとは思わなんだw
シェリー
おひまなオトモダチよんじゃいましょ。14だから1/2で7かな。
シェリー_のふしぎを-7して(ふしぎ:29->22)
ソーヤ
今年の桜は凄いらしい、と子供達に教えながら回る。〈ちゅうちゅう〉使用しよ。
ふしぎ4使用。
ソーヤ_のふしぎを-4して(ふしぎ:30->26)
シェリー
夕飯時で暇な飼いねこ、おなかのへった野良ねこ。好奇心と遊び心と、おいしいものがたべたい!の気持ちで集えねこ。
ソーヤ
今は嘘だけど、すごい不思議を使用すれば真になるよね!
テン
すっごい桜になるよ
語り手
にゃあにゃあ。ちゅうちゅう。にゃあにゃあ。ちゅうちゅう。猫も鼠も、好奇心とおいしいもののにおいに誘われて、寺の軒下から、辺りの家々から。
シェリー
ちゅうちゅうで集めたねずみがおともだちで集めたねこに追いかけ回されないといいな……
花子
そしてそれを生肉を求める亡者が追い……
テン
地獄絵図じゃないですかヤダー
シェリー
食物連鎖起こさないで
ソーヤ
地獄絵図…
テン
そこは「ゆうこや」世界だから大丈夫さ! 
語り手
そこは「宴会だから」できっと大丈夫。
シェリー
ゆうこや、やさしい世界
語り手
辺りに声が、影が、楽しそうな浮かれ騒ぎが満ち満ちて。桜は目を回しそうになりながら、楽しい楽しいと笑っている。
「すごい、すごい、こんなすごいお祭り、初めて見た!」
テン
さーて私が出せるのは24点だ
あ、違うわ。36点だ
ソーヤ
36点出せる
間違えた。39点だ。
花子
ふしぎはもう2しか残ってないな
テン
花子さん、想いも出せるよ
語り手
「すごいふしぎ」は想いも使えます。
花子
なら32いけるな
シェリー
22点出せます
想いなら26!
ソーヤ
シェリーさんは計48かな?
テン
155出るね
花子
結構あるね
シェリー
ぜんぶもってけ~
テン
高揚した気分をそのまま「持ってけー!」ってぶん投げる
花子
どこまでいけるかな
寝てる桜も全部起こして、桜シーズン終わるまで咲きほこらせる?
シェリー
山全体で狂い咲き、好き
テン
計155だよ
語り手
155!街全体の都市伝説か、新しい樹をひとつ作ってしまえるくらいですな。寝てる桜たちを起こして、初夏まで咲かせるくらいは余裕かも。
テン
よーしみんな起きろ起きろー
ソーヤ
初夏まで咲かせるのいいなぁ。起きろ~!
花子
では集まったみんなの陽気で、起こしてしまおう
テン
「観客がこんだけいるのに桜これっぽっちじゃ足んねぇぞ」
花子
「来吧,这是一个节日」
(さぁさぁ、お祭りだよー)
テン
「みんな起きろ起きろ!」
語り手
宴や宴、飲めや、歌えや! 眠っていた桜たちが、そわそわとさざめき始める。
花子
「如果你睡过头,你会输
(ねこけていると損するよー)
テン
「起きろ起きろねぼすけども! 祭りだ、宴会だ!」
語り手
「えっ、お祭り?」「春?」「もう?」「早くない?」「でも、声がするわ」「歌が」「酒の匂いよ」「花見だわ」「祭りよ」
ほろり、ほろり。ひとつひとつ蕾がほころび、開き、開き。
ソーヤ
「もうすぐ春だからな!乗り遅れないで!」
シェリー
おじいちゃんがよく歌っていた歌謡曲でも歌いましょう
語り手
「まあ、歌よ」「カラオケかしら?」「懐かしい歌だわ」ざわざわ、そわそわ、そわそわ。
気がつけば辺りは満開の桜でいっぱい。鬼たちがともす灯りでいっぱい。
やんや、やんや、賑やかな夕桜の祭り。
その真ん中で彼女は手を上げて、杯を掲げて、くるくる踊って、楽しそうに笑って、あっ、酒を落としそうになって、あぶないあぶない。
桜の精たちがひとり、またひとりと、その踊りに加わる。
輪になって踊り始める桜たち。
テン
「けけっ、人間どもびっくりすんだろうな!」
語り手
一緒に踊りましょう、と、彼女と桜たちが、あなたたちに手を伸ばす。
テンくん、あなたにも。ソーヤくんにも、シェリーちゃんにも、花子さんにも。
テン
一瞬そっぽをむきかけるが……
まあ、いいか! 今日は特別いい気分だ。
下手くそな足取りで踊りに加わる。
花子
酒と陽気にあてられて、上機嫌で踊りに加わる。
人のそれよりはるかに強い力で、ついつい相手を文字通り振り回してしまいそうになりながら
語り手
ぐるんぐるん! 振り回されても、桜たちは楽しそう。振り回しあったり、くるりと一回転。
花子
なんだか遠い昔、どこかでこうして桃の花たちと舞い、遊んでいたような気がする。
がそんな記憶の欠片も、陽気に溶けてどこかへ飛び去ってしまう。
ソーヤ
穏やかな陽気の中、踊りましょう。春はもう目前だ。
テン
宴会で首落とされた奴もいるって? 気にしない気にしない。
驚くニンゲンたちの顔を想像すると笑えて笑えて。
なんだかもっと違うもののような気もするけど、とにかく楽しい。
ソーヤ
隣を見れば首が危うい人をみてぎょっとするかもしれない。
だが、そんなことも穏やかな陽気が包み込む。
シェリー
酒天童子……
酒呑童子。
ソーヤ
可愛いね…酒呑童子…。
語り手
満開の桜に包まれて、今ここに、春が来る。
……次第に、その熱気も少しずつ緩やかになってくる。
宴の終わりが、近づいているのだ。
どこからともなく。誰にともなく、宴の終わりを、離されてゆく手のひとつひとつが、知っていく。
シェリー
「いつまでも“きょう”ではいられないものね」
ソーヤ
「…かなしいね」
花子
「祭てのは、最後に残ったこの一味があるから、良いんスよ」
テン
ションボリするふたりに馬鹿にするように
「また来年やりゃいいだろ、ばっ……」
かじゃねぇの、はなんとなく口の中に納めた。
シェリー
「来年」
ソーヤ
「また、来年があるもんな…」変化じゃなかったら来年はなかったかもしれない
シェリー
「テンくんは来年もいっしょにおはなみしてくれるのね!」少ししゅんとしていた顔はぱあっと明るくなる。
テン
あっ。
しまった という顔をする。
シェリー
きらきらした瞳。
ソーヤ
このコンビ可愛くて胸がくるしい
テン
「来年の事を話すと笑うぞ。おいらが」
何故かそういう事になっているらしい。
ソーヤ
「?」
「鬼だもんな!」
語り手
「ふふっ、楽しかった」 桜の精たちがひとり、またひとりと消えていって、最後に残った彼女が、ふわりと笑う。
「ねえ、また来年も、遊んでくれる?」 テンくんの眼をまっすぐに見つめて、彼女が微笑む。
テン
うぐ。
ソーヤ
「俺も!俺も遊ぶ!」
シェリー
ほ~ら女の子(?)ふたりにきらきら見られているのだわよ
テン
「ここに飽きてなきゃ
来てやってもいいぜ」
ソーヤ
珍しく素直だな、って顔してる。
シェリー
「やったー!」くらえ猫ハグ。
「またオイシイものつくろうね!」
テン
シェリーのハグに目を白黒させている。
テン
「あまのじゃく」になんて仕打ちだ! 
ただのツンデレになってしまうじゃないか。
ソーヤ
かわいいよ!!!!!!!!
可愛いからおっけーおっけー!
ゆうこやは可愛いことやるシステムな面もあるから!!!
シェリー
カ~~~ワイイネエ~~~~
テン
それもこれも宴の参加者になっている効果さー
ソーヤ
微笑ましい目で見守りたい人生だったね…。
グッ(可愛くて胸を押さえる音)
語り手
「……嬉しい」 みんなの言葉をそっと抱くように、ゆるやかに微笑む。
花子
では、そこで
「……てか、ッスな」
と、つの間に戻ったものか、元のジャージ姿、表情の薄い花子が割り込む。
シェリー
「?」
語り手
【夢物語】
花子
「また来年と言わずとも、向こうンヵ月は祭、できそうッスけどね」
周囲に先溢れる桜を見渡し、肩をすくめる。
テン
おっそうだな
ソーヤ
「…もう少し、桜長く続きそうだもんな」そうだな。
シェリー
「そうなの?」
花子
「その気なら、それこそ毎日でも」
「来年のことを考えるのは、それからでも良いんじゃないッスかね?」
ソーヤ
「その間、毎日遊びに行くか!」
テン
毎日こんな騒がしいのは勘弁だ、なんて文句を言いながらも少し嬉しそう。
語り手
この思い出を、来年までそっと抱いていくつもりだったのだろう。えっ? と、彼女がぱちくりと瞬きする。
テン
いいとこ持って行きおった
花子
「せっかく、サクラの友達にも会えたことッスし」
言い、表情の薄い顔で微笑む。
シェリー
「お顔どうしたの?」
花子
「ん?」
シェリー
疲れたのかなって顔をしている。まだ元気な若い猫です。
花子
「いやぁ、久しぶりにハジけられたんで、姐さんちょっとお疲れ気味ッスかね?」
ソーヤ
「テン、また美味しい肉持ってきてくれよ!」餃子が美味しかったらしい。
テン
「毎日あんなの捕れるか。山のヤツに怒鳴られるっつーの」
ソーヤ
「ちぇ」
「…月1だったら?」
花子
「んじゃ、次は川のもので攻めるッスかね」
ソーヤ
「それだ!」
テン
「……なるほど」二人の言葉に真剣に考え込む。
「鮎でも狙うか」
ソーヤ
「塩焼き!!!」
テン
お疲れ花子さんを追求してあげる人がシェリーしかいないw
語り手
「明日」の話をしはじめるみんなの間で、えっ? えっ? と彼女はまごまごしている。
花子
「イイッスねー。そいじゃ自分は、甘露煮でも拵えるッスかね」
「サクラは、次は何が食べたいッスか?」
そんな戸惑いを意に介さず、けろりと尋ねる。
語り手
「えっ?? えっ、あっ、じゃあ、唐揚げ……」
テン
「カラゲ?」
花子
「油淋鶏ッスね、了解ッス」
シェリー
「花子ちゃん、花子ちゃん」てまねき
花子
「ん」
「どしたッスか、シェリー」
シェリー
「おつかれさま!」猫なかまに貰ったさくらボンボンキャンディーをおくちにえいっ。
花子
唐突に口の中に飴玉を放り込まれ、ぱちくり。
テン
変な顔を指さして笑っている。
花子
口中に広がる甘み。
シェリー
「おいしい?」首をかしげる。
花子
笑う小鬼。
皆が笑い、微笑んでいるその光景と、じんわりとどこかにしみてゆくその味に、
ふわりと、心が軽くなった気がした。
「ん……」
「んまいッス」
にこりと、笑った。
シェリー
「よかった!今日はかえろっか」花子さんの頭なでなで……
花子
「よっしゃ」
なんだか気恥ずかしい気持ちをごまかすように、気合を一つ入れ、
シェリーを抱え上げると、肩車。
「んじゃ、今日のところはお暇するッスかね」
シェリー
「わー」肩車出来る大きさか!?(人間の姿13歳!)
テン
オニは力持ちだから大丈夫さきっと! 
花子
おっと、13歳
そう、ちからもちある
花子170あるから、大丈夫だろう、たぶん
ソーヤ
「おじゃましました!またあした!」
語り手
「う……うん。また、明日」 戸惑いながらも、手を振る。
テン
宴が終わってから、なんだかぽかっと穴が開いた気分になっている。しかし悪い気分ではない。
これが何なのかはよく分からないが、明日も来たら分かるだろうか。
テンはさくらに見えるように乱暴に腕を突き上げて、そのまま走り去ってゆく。
シェリー
「またあしたね!」肩車されつつ腕ぶんぶん
花子
真上で腕ぶんぶんされ、おっとと、とよろめき
「サクラ、春はまだ始まったばかりッスよ!また明日!」
語り手
また明日! と手を振り返して。
本日はここで以上です。

語り手
【霧雨の森】
シェリー
すごいふしぎしにきました。
語り手
すごいふしぎしてって
ソーヤ
yatta
こんばんみ
語り手
こんばんみ!
花子ニキだいじょぶかしら
ソーヤ
シンパイ
語り手
スゴイ=シンパイ
シェリー
大丈夫かしら……
語り手
お二人の姿が見えないな……
どどんとふ
「テン」がログインしました。
語り手
お、いらっしゃいませ
テン
遅刻ごめんなさい! 
語り手
いえいえ!
シェリー
大丈夫ですか!
テン
大丈夫です 花子も来ます
ソーヤ
よかったよかった
語り手
はーい、お待ちしてます よかったよかった
どどんとふ
「花子」がログインしました。
語り手
いらっしゃいませ! では時間押してますのではじめまーす
花子
大変失礼いたしました

語り手
【What】
語り手
前回のゆうこや:
 ── ゆうやけこやけで、またあした。
 
 
というわけで、最終回!にございます。
テン
ぱちぱち
ソーヤ
888
語り手
まず、幕間処理をお願いします。
花子
よし
ソーヤとサクラを4にしよう
つながり上昇、花子_の夢を-16(夢:16->0)
ソーヤ
ヤター
テン
花子とさくらをそれぞれ上昇……
テン_の夢を-13減らす(夢:19->6)
うーん、残念ここまでか
語り手
こちらは夢を25消費し、サクラから全員へのつながりを2に、テンくんへのつながりを3に上げます。
テンくん、ずっと横で話していてくれたから。
夢28 → 3。
ソーヤ
こちらは花子さんとテンくんを4に上げる。夢を-16消費。
ソーヤ_の夢を-16減らす(夢:16->0)
花子
わっほわっほ
テン
ありがとうござりまする
シェリー
花子さんを4点に(-8)、桜の精を3点に(-5)……
あとどうしようかな……。
あ、普通にそーやも4点にできるのか。
シェリー_の夢を-21減らす(夢:25->4)
花子
アリガトウゴザイマース
ソーヤ
わーい!
ありがとうございます

語り手
では、次のシーン。時間帯ですが、その日の夜にしますか? 次の日にしますか?
すごいふしぎ」をいつ・どこで実行したいかに合わせて時間帯・場所を決めます。
花子
夜の時間帯でないと、あの騒ぎはやばかったように思える
テン
夜のうちに馬鹿騒ぎして、人が朝に気づけばいいんじゃないかな
花子
なので、つぐのひが良いのではないかな
シェリー
朝日で山が照らされた時にふわーっと白いの
ソーヤ
一日オールしよ。
テン
夕方に四人でキャッキャして、夜にもっと賑やかにしようぜーってなる感じで
花子
だねー
語り手
では、時間帯は「朝」。登場処理をお願いします。
テン
そうだな、あの宴の直後なら鬼の姿のままだ
テン_の想いを-4して(想い:27->23)
テン_のふしぎを+16して(ふしぎ:9->25)
テン_の想いを+17して(想い:23->40)
すごい不思議使った分減らしてないな
花子
花子_の想いを-8して(想い:30->22)
完全変身
花子_のふしぎを+18して(ふしぎ:2->20)
花子_の想いを+17して(想い:22->39)
ソーヤ
人間になるかぁ。
ソーヤ_のふしぎを+18して(ふしぎ:26->44)
ソーヤ_の想いを+15して(想い:13->28)
想いをコストに完全変身。
シェリー
シェリー_のふしぎを+18して(ふしぎ:22->40)
ソーヤ
8点消費します。
ソーヤ_のふしぎを-8して(ふしぎ:44->36)
ちゃうねん
シェリー
すまない、シェリーへの値もういっかい皆言うてもらえます?
ソーヤ
僕は現在3!
語り手
さくらからは「2」。>シェリーさん
ソーヤ
まあふしぎでいいか…。
語り手
あ、おばあちゃんからの1もあるか。
シェリー
花子さんとテンくんからは4ずつだった記憶があるのでー えー
花子
シェリーへは4
テン
ザッツライ4です
テン
すごい不思議使った分減らして良いかな? 
シェリー
街からのを含めて15かな?
シェリー_の想いを+15して(想い:26->41)
ソーヤ
かな?
シェリー
シェリー_の想いを-26して(想い:41->15)
シェリー_のふしぎを-22して(ふしぎ:40->18)
これはすごいふしぎぶん。
語り手
すごいふしぎで消費した分を減らして、合計いくつ使ったのか宣言をお願いします。
テン
えーと私は
テン_のふしぎを-20して(ふしぎ:25->5)
ん、違うか
テン_のふしぎを-10して(ふしぎ:25->15)
テン_の想いを-15して(想い:40->25)
テン_のふしぎを-10して(ふしぎ:15->5)
あーもうぐちゃぐちゃだよ
テン_の想いを-10して(想い:25->15)
シェリー
シェリー_のふしぎを-8して(ふしぎ:18->10)
で、これは変身分。
48点提出しました~
花子
15つかっとこうか
花子_のふしぎを-15して(ふしぎ:20->5)
ソーヤ
想い16点ぶん、想い18点ぶん出しておきます。えーっと、計34かな。
ソーヤ_の想いを-16して(想い:28->12)
ソーヤ_の想いを-2して(想い:12->10)
ソーヤ
ソーヤ_のふしぎを-16して(ふしぎ:26->10)
語り手
15+48+34+…テンくんの分はいくつ?
テン
ごめん数値からやり直す
不思議9 想い27使う
その後の登場を行う
テン_のふしぎを+16して(ふしぎ:0->16)
テン_の想いを+17して(想い:0->17)
テン_の想いを-4して(想い:17->13)
おっけ
よって36点ね
語り手
15+48+34+36=133点ですな。OK。
テン
前回私計算間違えてたかな? 

語り手
──次の朝。
宴の夜が終わった後の山は、どこかしんみりとしている。
まだ冷たい朝の空気が、桜並木の間を通り過ぎていく。
帳を上げるように射してくる朝の光が、辺りを黄金に染める。
花子
ゴミ拾いをしつつ、時折身を起こして伸び。
口から吐かれる息は白くなることはない
テン
今日はどこの魚を捕りに行こうか。満開の桜の枝に座って少し眠そうにしている。
ソーヤ
すやすやと美味しいものの夢を見ている。おなかすいた。
シェリー
ゴミ拾いのお手伝い。時々くしゃみ。
花子
来ていたジャージを脱いで、シェリーの肩に掛けてやる
シェリー
「あ、ありがとう花子ちゃ っくし」
花子
くしゃみしてるシェリーにちゃんとジャージを着せてやり、ジッパーまでしっかりと上げてやったあとで
語り手
全員に確認なんですが、「すごいふしぎ」は前回使った扱い? それとも、これから使う?
シェリー
これから使うならまだもうちょっとひねり出せますが(点
テン
宴会で使ったんだから前回でいいんじゃないかな? 
花子
そうだねぇ
ソーヤ
じゃあ前回で。
語り手
OK。では、衰えないまま、満開に咲き誇る桜の木々の間で、サクラが朝の光を浴びて佇んでいる。
花子
あれ、サクラの姿は無し?
テン
桜の下にいるのでは
花子
あ、そうか
失礼
シェリー
「朝日の下だとこうみえるんだねー」お姉ちゃんだ……
ソーヤ
美少女だ…。
「んー…おはよ」
花子
「ゆうべはおたのしみだったッスね」
サクラに声を掛ける。
語り手
サクラは不思議そうに、自分の手を見ている。
「あ……、おはよう」
花子
「おはよーッス」
ソーヤ
「不思議そうにして、どうしたの?」寝ぼけ眼で聞く。
シェリー
「おはよー!どうしたの?」
語り手
「あ、ううん…… その、……もう散るかなって、思ってたから」
テン
「気合入ってんじゃねぇか」
大あくびをしながら言う。
花子
「残念だったッスね、アンタのお楽しみはこれからッス」
にやりと笑う
ソーヤ
「大丈夫だよ」へにゃりと笑う。
シェリー
「きれいなままだよ?」首をかしげる。
ソーヤ
花子_のふしぎを+18して(ふしぎ:5->23)
花子
ふしぎパワーが流れ込んでくる!
ソーヤ
花子_のふしぎを-18して(ふしぎ:23->5)
花子
ふしぎパワーが抜けてゆく!
ソーヤ
失礼しました。
頭がぼけてる!しゃきっとしてきます。
語り手
きれい、と言われて、サクラはちょっと照れた様子。
ソーヤ
「かわいい」かわいい。
語り手
「いつまで、こうしていられるかな」
花子
「さぁ?」
肩をすくめる。
ソーヤ
「わかんないけど、長く続いて欲しいよね」
花子
「でもま、疲れたら眠れば良いんスよ」
「んで、また来年起きたら良いッス」
語り手
「寝て起きたら、また遊びに来てくれる?」
シェリー
「もちろんよ」
ソーヤ
「遊びに行くよ!」
花子
「頼まれなくても、花見にかこつけて酒呑みにくるッスよ」
テン
「そーそー、気が向いたらな」
語り手
「ふふ、ありがとう。……疲れるまで一杯遊んで、疲れたら寝るね」
シェリー
「うん、楽しく季節を巡ることが出来たらいいね」
花子
「そうするのが良いッス。みんなそうして過ごして、で、また起きたら楽しくみんなで遊ぶッスよ」
シェリー
「秋や冬にあったこと、たくさん聞いて欲しいし!」
語り手
「うん!」
語り手
「秋や冬のことかあ…… いいな、聞いてみたい。桜はみんな、寝てるから」
テン
「たまにゃあ夜更かししたっていいだろ……夜更かし? っていうのか」
ソーヤ
「そうだね…」
シェリー
初夏だとギリギリ起きてるさくらいるからね……
「花子ちゃん、花子ちゃん」
「しゃしんって花子ちゃんはとれる?」
ソーヤくんが充電してるアレ。
花子
そういえば、スマホ持ってた(ゆうこやにあるまじき行い)
語り手
花子さんおとな3あるもんな。>スマホ
花子
「撮れるッスよ!」
シェリー
「じゃあとろうよ!きっときれいだよ」
「秋や冬もとったら、さくらさんたちも見れるし」
花子
懐から、八卦鏡のステッカー貼ったスマホを取り出す。
語り手
花子さんのスマホを不思議そうに覗き込むサクラ。
花子
「良いッスねー」
シェリー
念写的なソレで撮影していると思っている節
テン
手鏡かな? と思っている。
花子
周囲をえーと、と見渡して
シェリー
ソーヤくんがいつも近くでカラカラやってるやつ(認識)
花子
適当な木の枝を見つけて、そこへスマホを置く。
画角を調整して、タイマーの設定をちょこちょこして……
「んじゃ、撮るッスよー。準備は良いッスか?」
テン
写真の隅っこに入るくらいの木の上でのぞき込んでる。
ソーヤ
画面見てるとちょっとだけ頭痛いのでちょいちょい魂抜けてたらすみません(最終回にあるまじきやつ)
卓はすすめていただいて構いませんので…。すみません…。
語り手
あらら、画面の輝度を下げてみてはどうですか?>ソーヤさん
ソーヤ
下げ方が…判らない……。
下げれた!!!
シェリー
えら
語り手
えらい!
ソーヤ
やったー
眼精疲労から解き放たれました!ありがとうございます!
すっごい快適。
花子
「せーの」
シャッターをタップして、慌てて皆のところへ戻ってくる。
語り手
サクラは不思議そうにしながらも、シェリーちゃんの横あたりに並ぶ。
花子
サクラの肩にぐい、と腕を回し、シェリーの方へその身体を押し付けつつ。ぼーっとしてるソーヤを強引に自分たちの前に。
シェリー
「??」おとなしくされるがまま。
テン
??? 身を乗り出してのぞき込む。
語り手
「きゃっ」
花子
「さぁ、ご一緒にー」
「イー、アル、サン……茄子(チェズ)!」
ソーヤ
ふにゃふにゃしたまま写り込む。
花子
サクラの肩越しにピースサインしつつ。
シェリー
「ちぇず?」これは口が『う』にならない?
語り手
「ちぇーず?」
花子
say,cheese
に音を充ててるのさ
テン
「ちず?」
ソーヤ
「チーズ食べたい」
花子
チェ、のとこで映ろうね
語り手
サクラはハイチーズ、を聞いたことがあるのか、なんだかごっちゃになってる。
花子
みんなで変や顔で写るのも一興
ソーヤ
楽しいね。
テン
ものすごくいぶかしげな顔で写るな。
花子
やがて、ぱしゃり、と音が一つ鳴るだろう。
語り手
ぱしゃり。スマホの人工的なシャッター音がひとつ。
テン
!? 
樹からずりおちそうになる。
シェリー
なんかよく人間からする音だ!!!!!!(猫)
ソーヤ
魂がとられると噂の!
花子
では、スマホを改めに行こう。
いや、ここはアレか、映像作品的にこのままスタッフロールに入る流れか?
テン
コナミワイワイワールド的なヤツ
語り手
お、それいいですな。
スマホの小さな画面の中に、めいめいの格好をした四人と、サクラの姿。
その後ろに、さりげなくピースをしている桜の精たちが写り込んでいた。
花子
アニメ映画によくあるやつ
語り手
さてこの後ですが、後日談したいとか、何か希望はありますか?
テン
私はいつも通りだから魚とったどーで終わるかな。一瞬もらえればいいですよん。
花子
同じく、日常を描いたりして、OKな感じ
ソーヤ
こちらも同じくです
シェリー
シェリーは…… 一瞬もらえたらそれで!
(ちょっと日常とは違いますが)
語り手
分かりました。では、その後……。 テンくん>シェリーちゃん>ソーヤくん>花子さんの順でいきましょうか。
ソーヤ
わーい
花子
大トリ!
テン
ほーい

語り手
いつもの山の中。遠くに、咲き誇る桜が見えるだろう。
テン
おっ、もう良い感じかな
では
語り手
どうぞどうぞ
テン
川の中、山猫のようにじっと息を潜めて……
きらりと輝く鱗に狙いを定め、さっと手を出す。
力任せの一撃は川を乱しただけで、魚はすいすいと泳いでいってしまった。
「あーくそ、面倒臭ぇ!」
語り手
魚と一緒に、何かがあっかんべしながら水の中を通り過ぎていった。よくあることだ。
テン
力任せに岩をぶったたけば簡単に気絶した魚が捕れるはずだが、それをやったら河童どもに怒られ投げられえらい目に遭ったのだ。
「こんなちっぽけなヤツじゃあ、馬鹿にされそうだな……」
ガンガンやって手に入れた魚の残りがそこそこの量はあるが……テンは中で一番小さな魚をつまみ上げる。
「こいつは……シェリーのヤツにやるか……猫は魚好きだっていうし……」
シェリー
優しいな?????
ソーヤ
かわいいぞ
テン
でもきっとシェリーさんのお好みには合わないんじゃないかなと思ったり。
シェリー
とってきてくれたものはそれだけでごちそうになるのよ
テン
「宴会か……へへっ」
誰一人聞いていないところでは気持ち悪いほどに素直なテンであった。
「魚も焼くのかな。どうやるんだろうな」
めちゃくちゃ雑なつくりの魚籠に魚を詰め込み、街への道を悠々と下ってゆく。
その足取りは空へ向かうかというほど軽いのだった。
テン
ちょっと長くなっちゃった
花子
小魚花生でも作ろうか

語り手
一方、話に出たシェリーちゃん。
シェリー
実はまだ山にいたりします。
語り手
満開の桜、ひらひらと桜の花びらが落ちてくる。
シェリー
「ねえ、ねえ。きれいに落ちたさくら、ないかしら」
「お花を見せたいひとがいるの。でも、そのひとはここに来られないから……」
シェリー
桜は枝バキィッすると死んでしまうからな……
語り手
サクラがそっと出てきて、一緒に探してくれる。
鳥がつついたのか、綺麗な形で落ちた桜がいくつか見つかった。
シェリー
「ありがとう、きっとこれでお花見が出来るはずなの」
きれいな形で落ちた桜を宝物のように抱いて、探すのを手伝ってくれた桜たちには深くお辞儀をして。
語り手
「ううん、その人にも見てもらえたら嬉しいな」
シェリー
「うん!きっと喜んでくれると思う」
「それじゃあ、またね」
手をふって山をおりて。向かうのは桜咲く山からは遠くにあるところ。いわゆる霊園。
ひとつの十字架の前に桜の花を数個並べて、『あのね、今年はこんなお花見をしたの』と長い間おしゃべりをして。
ひとここちついたところでさわさわと揺れる風に顔を上げて「またね、おじいさん」と声をかけて、おばあちゃんと花子ちゃんとソーヤくんのところへ向かいましょう。
思い出したのよ。おじいさんが押し花が好きだったこと。だから、桜のしおりをつくりましょう!
……なんてこと提案するかもしれない。
語り手
柔らかな風が、シェリーの毛皮を軽く揺らした。
シェリー
以上です~~~ 長なった
テン
かわいい
ソーヤ
かわいい
テン
押し花いいなー
ソーヤ
和む。
花子
よい

語り手
では、続いてソーヤくん。
ソーヤ
ローカルニュース捏造していいですか?
語り手
お、いいですよ。どうぞどうぞ。
ソーヤ
あれから数日後。早咲きしてもなお、長続きしている桜はローカルニュースの話題の的だろう。
編み物をしながらニュースを聞き流しているおばあちゃんの横で、大福もちみたいに丸まっているハムスターが一匹。
ローカルニュースを向日葵の種を齧りながら一生懸命見ている。
語り手
桜が、オーバーに驚くリポーターの後ろで鮮やかに咲き誇っている。
おばあちゃんは編み物をしながら、いつものようにテレビの声を聞き流している。
ソーヤ
「シェリーと花子とは見たけど、おばあちゃんとも一緒に見たいな」と、おばあちゃんに聞こえるか聞こえないか判らないぐらいの声で言う。
もぐもぐ。
聞こえなかったら聞こえなかったで良いのだ。ただ、そうなればいいなと願望を胸に秘めて、ハムスターは頬袋に向日葵の種を詰め込んだ。
現場からは以上です。
語り手
聞こえなかったのか、おばあちゃんは静かに編み物を続けていた。
シェリー
おばあちゃんの足腰的にどうなのかねえ……
ソーヤ
それはちょっと思っちゃうね…。
テン
連れてけば良いだけなら怪力がココに。
瞬間けもの8パワーで何とか。

語り手
最後、花子さん。
花子
ほい
昼下がりの雑貨屋、その店先で箒で適当に地面を掻いている。
時折訪れる日用品を買いに来た住人の相手を適当にしつつ、過ごしている。
語り手
偶にお客がやってきて、日用品を何やらかんやらと買っていく。
花子
「ありゃーとッシたー」
店の中、その奥からはワイドショーの声。
テレビのそばでは、店主の老婆とハムスターがのんびりと過ごしているはずだ。
なんとなく掃除の真似事も飽きて、伸びを一つ。
「うぃぃ~~~~~ったったったぁ」
と、伸ばされた腰が痛むフリ。
実際には痛みなどはなく。
バイトの終わりまで、あとどのくらいかな、と思いジャージのポケットからスマホを取り出す。
待ち受けには、あの日皆で撮った写真。
語り手
満開の桜の下で、写真の中におさまった五人。
花子
皆で交わした会話を思い出し、ふと己の手のひらを眺めてから、そっとその両手で己の頬に触れた。
冷たい。
脈も感じない、その肌に、ため息を一つ。
「みんなそうして過ごすって……」
「それは、生きているみんなだからこそ、だよねぇ」
「生きているんだか、死んでいるんだか、自分が何者かもわからない私が、何言っちゃってるんだか」
シェリー
喜怒哀楽が発生すれば医学科学的にはともかく生きてるのよッ
ソーヤ
そうだよっ!
でも悩むのすごいエモい
テン
テンなら、「生きてるヤツと死んでるヤツどっか違うのか?」って訊くね。
ソーヤ
それだよ……。
花子
この町へやってきて、友人も増えた。
でも、それに比例して、孤独感、に似た何かも増した気がする。
いつか、自分は全てを思い出すだろうか。
いや、その前にある日突然に死を思い出して、朽ち果てるのだろうか。
「イヤだな、それは」
もうしばらく、私は自分のままでいたい。
みんなが呼ぶ、『花子』でいたい。
「来年……か」
今はせめて、それまで。
語り手
ひらりと、どこからか桜の花びらが落ちてきたような、そんな気がした。
花子
その気配に、ふと、顔を上げた。
「あー、いかん。いかんッスね」
「病は気から!花子さんはそんなことでヘコんだりはしないッスよ!」
「さぁ、仕事仕事!花子さんは今日も元気に労働に励むのでした!」
無理やりに物思いを振り切り、箒を振り回し始めた。
せめて、また桜の舞う、その季節まで。
語り手
【転換】
花子
この穏やかな日々が続くことを願いながら。
テン
花子さんに何かあったら我々が「すごいふしぎ」で呼び戻すよ
花子
おすまい
語り手
BGMの切り替えタイミングを間違えた顔
花子
いいのよ「
語り手
【霧雨の森】
語り手
── ゆうやけこやけ、おしまい。
 
ありがとうございました!
花子
お疲れ様でした!
テン
お疲れ様でした
ソーヤ
お疲れ様でした
シェリー
お疲れ様でした!


コメント By.

ゆうやけこやけ

第一~二話『龍の眠る滝』『ともだち』
第三話『ふしぎなともだち』
第四~六話『ふたりのかげ』『たそがれのまど』『とびらをひらいて』
第七話 『さくら咲く頃』
第八話 『ふたりの娘』
第九話『みあげればそこに』
第十話『旅するゆうこや』 1 2 3 4 5 6
番外 こどもとTRPG 準備 『まいご』 『たからもの』 『化けニャン』

これは『インコグ・ラボ』が権利を有する『ふしぎもののけRPGゆうやけこやけ』の二次創作物です。