【♪風の生まれる場所】
語り手
前回のゆうこや

なんかBGMに異常発生
ななくさ
あら
みき
あら
いね
Dropboxが共有の仕様変更するよーって言ってたのに、修正忘れてたんじゃよ。
みき
あぁ、なるほど。
語り手
まぁいいや、とりあえず前回のゆうこや
みき
突然のッ! うちゅうじん!! <前回のゆうこや
語り手
【急報】流れ星を追いかけてウルトラマンに出会うの巻
ななくさ
うるとらまーん!

語り手
みんなの前には、みきが咄嗟に引っ掛けてくれた白布を纏った少年がいる。
ツンツン赤毛髪の、いかにもナマイキそうな顔した少年。
みき
「目がちかちかします・・・ いったい、何が?」
ななくさ
「きゅーん」
語り手
「くっそー……やっぱり2分ももたねぇなー」
さきほどまでと異なり、今度は少年の口から直接声が聞こえます。
いね
「あっ、なんかふつうになった」
みき
「へんげしていたのかもしれません。変化があまり保たない子なのかも」
ななくさ
「わふっ」なるほど、といった風に尻尾を立てる。
いね
「なんでなんで? 今のなに?」
語り手
「なんでもなにも、ディファレータ光線が弱すぎんだよ、この星」
みき
「光線?」はて、と目を瞬かせる。
ななくさ
ディファレータ光線。
語り手
なんでなんで? と聞かれて答える少年の話をまとめると
・彼の本当の姿が先ほどまでのうちゅうじんとしての姿で、本来は純粋なエネルギーの塊のような存在であること。
・でもその状態ではエネルギーをたくさん使ってしまうので、長い間その体でいることはできない。
・エネルギーがなくなってしまうと、物質として安定した仮の肉の体になってしまう。
ぺらぺっらとむつかしい言い回しも多々でてきたので、みんながちゃんと理解できたかは疑問だ。
みき
「ううん、それは大変ですね。短い時間しかもとの姿にへんげできないなんて」 へにょん。
語り手
「まったくだぜ。こんな有様じゃ、この星の重力圏から離脱することもできねぇ……うう、早く帰らねぇと、また先輩にどやされる……」
青い顔で頭を抱える少年、
いね
「まいごだ!」
ななくさ
安心させるように宇宙人の少年をぺろぺろしときますね。

いね
「よくわかんないけど、おなかすいたってことかな?」
語り手
「おなかがすく……? なんだそりゃ」
ななくさ
いねちゃんの近くで尻尾振ってます。
いね
「んー? おなかすかないの? 何か食べないと、おなかがぐ~ってなって、力が出なくなって、そのうちおなかが痛くなってきて、何も考えられなくなって……」
ぶるっと震えます。
語り手
「なんだと?」
いねの説明に、怪訝な顔をする少年。
次の瞬間、どぎゅるるるるる……というへんな音が教室に響いた。
そのとたん、おなかを抑えてうずくまる。
いね
「あっ、それそれ。おなかすいたよって合図」
みき
ふふっ、と少し笑った。 「おなか、すいたんですね」
語り手
「なにやら腹が気持ち悪いと思ったら、これがそうなのか……? 俺はてっきり未開星の病原体に感染でもしたものとばかり……」
ななくさ
どう見ても空腹です。
いね
「食べないと死んじゃうから、大変」
野生のトリ的には割とリアルな問題なので!
みき
「あなたは、もとの姿ではおなかがすかないんですか?」
語り手
「無いな。そもそもそういった生理的な反応そのものが無いからな」
ななくさ
「(なるほどでござる)」
語り手
「飛べない、体はもろい、なんだか知らんがおなかがすく? だったか? まったく不便極まりないぜ」
みき
「そうなんですね。でも、楽しいこともありますよ。おなかがすいたら、食べればおいしいがあって、おなかいっぱいがあります」
ちょっと憧れを滲ませて、言う。
語り手
「おいしい? おなかいっぱい? でもその代わりこのなんとも気持ち悪い【おなかがすく】もあるんだろ? んなもん不便じゃねぇか」

いね
エネルギーが足りないという状態が空腹という形で表れているのか、それとも本当に腹がすいているのかそこが問題だ!
みき
刃物はごはん食べないという前提でお送りしておりますが、語り手と認識が違ったらサッとなかったことにします。>表
いね
みきくんは食べないイメージだなぁ。
必要ないけどお付き合いはできる的な。
ななくさ
私も同じいっめじです。
語り手
しのぶもだけど、元が器物のあやかしは、食べなくても飢えることはないのではないでしょうか。
ただ肉の体を持っているので、味わうことはできる、という
みき
なるほど、ではその方針でいきまっす。
味わうことはできるけど、【おなかがすく】 はないんだろうなぁ。
語り手
その代わり、本身が必要とするケアを怠ると、大変な目にあうんだろうな、とも。
そうそう
みき
錆びさせたり研がなかったりすると大変なんでしょうな。
いね
研がないと調子が悪くなるのかな。
ななくさ
身体が重くなるのかな?
みき
なりそう。>重く それか人の体のほうにも錆びみたいなのが浮いてきたり。
いね
蟲にとりつかれた人みたいだ。
みき
そのイメージよいですな>蟲に
語り手
人間体でも酸性の強い雨を浴びてほっとくと、人間が風邪ひく以上に体調くずしたりとか。
みき
ですなぁ。塩水もきらいそう。
いね
傘やレインコートが欠かせないなぁ。
海に遊びには行けないなw
語り手
チタン焼結して、錆に強くなったみきくんMk-Ⅱで出撃だ!

いね
「今日はおべんとあるよ!」
得意げにパンを差し出します。
本当はそのへんで捕まえたミミズとか渡そうかと思ったけど、話がややこしくなるだけなので都合よくパンを発生させましたw
普段は虫で足りるからパンにはこだわってない!
「はんぶんあげる!」
小さなロールパンを半分にちぎって、かなり考えて迷ってから大きいほうあげます。
語り手
「なんだこのふわふわしたの……どうすりゃいいんだ」
いね
訊かれる前に自分の口にパン突っ込んで至福の表情でもぐもぐします。
で、もいっこ取り出して二つに割って、ななくさくんとみきくんにも差し出します。
ななくさ
くぅん! と一鳴きしてから、もぐもぐ食べ始めます。
人間に戻ったらちゃんとお礼言うんだ……。
みき
ありがとうと微笑んでから、いただきます。
語り手
少年はしばらくその様子をうさんくさげに見ていましたが、そのふわふわしたものの様子を改めようと顔に近づけた瞬間、どうにもたまらずといった感じに、口にひょいと入れてしまいました。
「もが、もが……なんだ、なんだこりゃ……なんだこりゃー!」
あっちょんぶりけする少年。
ななくさ
おいしいじゃろ?
いね
おいしいじゃろ?
みき
おいしいじゃろ?
いね
自分の分しか持ってこなかったからそれぞれほんの一口分だけどね!
語り手
「おいしい……? いや、よくわかんねぇけど……おい、オマエ! もっと無ぇのか! これはその……改めて検証を行う必要がある!」
いね
「えー、無いよぅ。ヒトじゃないからお金とかないもん」
じゃあこのパンはどうしたのかって? コンビニの廃棄品かな!
語り手
「なん……だと……ぐっ!」
絶望の表情から、一転再びおなかをおさえてうずくまる少年。
「くそ、さっきの【おなかがすいた】症状が加速している……! オマエ、まさか俺に毒を……」
「中毒性の高い麻薬のようなものだったのか……くそ、俺としたことが」
とかぶつぶつうめいている
いね
「どく? 毒じゃないよ。そんな怖いものじゃなくて、えーと、だいじなものだよ」
「もっとほしいの?」
ななくさ
奥方だったら何か作ってくれるかもしれないな、と思った。
みき
「うーん…… パン屋さんに頼んでみたら、みみくらいくれるかもしれませんけど」
ななくさ
うーん。ななくさの家に行ったら何か作ってもらえないかなぁ。
あるいはパン屋のおっちゃんの元。
語り手
※そうだなー
※おとなで2もあれば、どこかごはんありつけそうなところ思いついても良いことにしようか。
ななくさ

みきくーん!
いね
困ったときのみき先生。
みき
おっ。ではおとな3でごはんを貰えそうな場所について考えます。
いね
こども4を使って判定します! 「えーとね、スーパーのししょくひん!」
ななくさ
けもの3「この木の実とかこの草は食べれるでござるよ!」
語り手
では、みきの知っているところということで、なじみのパン屋さんや、駄菓子屋さんなどであれば、例えばパンの耳やちょっとしたお菓子程度ならお願いすれば譲ってもらえるかもなー、というのを思いつきます。
ななくさ
やさしいせかい。
語り手
あと、多少のほんの小銭程度のお金であれば、みきくんは持っていても良いことにしましょう。
いねとななくさは、お金という概念そのものがあまりピンとこないので、彼らなりの【お宝】はどこかに隠していても、人間世界でなにがしかと交換することは難しいでしょう
ななくさ
はーい!
語り手
ななくさはお金のつもりで【こども銀行券】とか集めていそう
みき
「そうだ、パン屋さんに行けば、あまったパンとかもらえるかもしれません。あと、もんじゃ焼きのはしきれとか」
ななくさ
「(人間にならねば)」ぐぅぅ。
いね
ひたすらななくさくんをモフモフしています。
みき
「もっと欲しいなら、いっしょに来ませんか? さしさわりがあるなら…… その…… ここに持ってきても、いいですけど」
できれば一緒に遊びたい気持ちで、ちょっともじもじしている。
語り手
「……」
なおも疑わし気にみんなを見やったあとで
「いいだろう。だが、俺をだましたりできると思っているなら、やめたほうがいいぞ」
言って、どこから取り出したか、白布の下から銀色に光るものをちらつかせます。
てれびに親しんでいるななくさは、それがSF映画とかに出てくる【こうせんじゅう】みたいだなー、と思うかも。
ななくさ
「(あっ、あれかっこいいやつでござる)」
いね
「おなかがすくとイライラするもんね」
銀色のものについてはきれいだな、と思っただけ。
語り手
では、みんなで町におりつということでいいかな?
ななくさ
おりましょう
みき
おりましょう。
いね
ごーごー
語り手
少年は白布纏ったローマ人みたいな恰好だけど。
まぁ、子供なら問題ないな
みき
服はちょっともってないなぁ。
いね
服はちょっとね。

【♪桜吹雪】
語り手
4人に人数の増えた一行は、廃校をあとにして町へと降りてきました。
シーンが変わりますので、処理をお願いします。
幕間処理でつながり伸ばす処理も、あれば併せてどうぞ
いね
じゃあ根性入れて変身度あげとかないと。
時間は何時頃?
語り手
そうだなー、
お昼くらいかな
ななくさ
宇宙人へのつながり上げておきます。
夢を5消費。
みき
お、ではうちゅうじんくんへのつながりをあげよう。夢を5消費します。
(12 → 7)
いね
私もうちゅうじん……
名前聞いてなかったな。
語り手
そういえば名前も聞かれていなかったなw
いね
ともあれ5消費で上げておく。
語り手
いねにパンもらったから、いねへの感情を上げておこう
いね
あと8消費してななくさくんへのつながりも……あっ、たりない。
やっぱりそれは次回で。
みき
シーン登場:みき のふしぎを+10した:(ふしぎ:20->30)
シーン登場:みき の想いを+8した:(想い:20->28)
ななくさ
シーン登場してななくさ のふしぎを+9しました。(ふしぎ:19->28)
シーン登場してななくさ の想いを+9しました。(想い:15->24)
いね
いね の想いを+10(想い:11->21)
いね のふしぎを+10(ふしぎ:9->19)
ななくさ
ふしぎ4消費して人間体になります。尻尾はアクセサリーで通します。
いね
あいむあぱーふぇくとひゅーまん!
いね の想いを-8(想い:21->13)
みき
で、ふしぎ4・想い4消費して完全変身しましょう。ふしぎ30 → 26、想い28 → 24。

みき
自分の両手をぐっぱ、ぐっぱ、とやって、爪が尖っていないこと、切れないことを確認している。
語り手
街のお店があるあたりまで降りてくると、ちょうどお昼のため、いろんなお店や家からおいしそうなにおいが漂ってきます。
「なんだこのニオイは……ぐっ、【おなかがすいた】症状が加速している」
いね
「そういえば、何て呼べばいいの? なまえは?」
うちゅうじんくんに訊いてみます。
語り手
「俺か……俺は、ユニティ。ウルトラマン=ユニティだ」
ななくさ
「ユニティ殿」
いね
「ゆうてい! しってる!」(NG)
語り手
レトロゲーに造詣の深い鳥
いね
「ユニてーくん」
語り手
「ユニティ、だ。妙な発音をするな」
いね
「ユイティーくん……むずかしい……」
みき
「よろしくお願いします、ユニティ、さん。三木定駒と申します。みき、と呼んでください」
語り手
「みき、か。わかった。ま、短いつきあいだろうが覚えといてやるよ」
いね
「わたしはね、いねだよ! 河合いね!」
語り手
「かわいいね……偽名か?」
いね
「名前だよぅ」
ほっぺ膨らませます。
ななくさ
「あっしはななくさでござる。よろしくお頼み申し上げる」
語り手
「ななくさ……まぁ、よろしくな」
ななくさ
「よろしくでござる!」尻尾が感情と連動してぶんぶんと振られています。
語り手
「それで、どこに向かっているんだ?」
みき
「いつも、お手伝いをしているパン屋さんです。お手伝いのお礼に、何かいただけないかと思って」
いね
「みんなでお手伝い?」
みき
「それでもいいかもしれません」
ななくさ
「お手伝いするでござる!」
いね
「やるやるー! おしごと、あるかな?」
そんなまたわき道にそれそうな話をふってしまったけど、本編進まなくて困るようならさらっと流してね!
語り手
「この惑星では高度な経済活動があると聞いていたんだが……この街では物々交換が行われているのか?」
お手伝い=労働の対価に何かをもらう、というみきの発言に怪訝な表情のユニティ。
ななくさ
「こうどなけいざいかつどう?」
いね
「ユニテイーくんも難しい言葉をしってるんだね。すごいなぁ」(尊敬のまなざし)
何を言っているのかはさっぱりわからない!
語り手
「自分たちが所属している社会のことも知らねぇのかよ……」
ななくさ
「しょぞく? しゃかい? 難しいでござるな」眉間にしわを寄せながら。
語り手
「ああ、まぁそれはいいや。とにかく労働の対価にさっきの【ぱん】てのをもらえるんだな? そこに行けば」
みき
さすがにみきもちょっと困った顔をして、うなずく。
語り手
「だったら早く行こうじゃねぇか。早急に追加検証が必要なんだからな!」
いね
「ついかけんしょーって、おなかがすいたって意味なのかぁ……」
今度、仲間の前で使ってみよう、そう思ったいねなのであった。

語り手
そんなこんなで、しばらく歩いてゆけば程なく、みきくん馴染みのパンやさんが見えてまいります。
ななくさ
「ごはんでござるな!」
いね
手伝えそうなことといえば、掃除とか、ごみひろいとか?
みき
「こんにちはー」パン屋さんの店主に向かって手を振って挨拶。
ななくさ
「こんにちはでござる」
いね
「こんにちはっ!」
あっ、試食品がでてる。でもあれはこどもが勝手に食べたらいけないもの……
ななくさ
大人のための試食品でござった……!
語り手
「おや、みきくんじゃないか。どうしたんだい、おおぜいお友達もつれて。今日はお客さんかい?」
カウンターの向こうで見慣れたおじさんがにこやかに出迎えてくれます。
みき
お客さんかい? と言われて、ううん、と手元の小銭を思い出す。だいたい何かもらってばかりだ。悩む。
いね
「パンをもらいに……じゃなかった、おてつだいしにきました!」
ななくさ
「そうでござる! お手伝いさせてくださいでござる!」
みき
しかし、この小銭は【だいじなとき】 に使うものなのだ。意を決して顔を上げ、ようとしたらいねちゃんに先陣を切られていた。
いね
あっ、ごめんね。
みき
いいんですぜ。
「あは、実は友達がおなかすいたって言いだして…… その、お手伝いするから、パンのみみとか貰えないでしょうか?」
語り手
「……ぷっ」
突然のアルバイトの申し入れに、しばらくぽかんとしていたおじさんだったが、みきの言葉を聞いて小さく噴き出した。
みき
「なんだかいじきたなくて、すみません……」
語り手
「あっはっは、なるほどなぁそいつは大変だ。そうだな、そういうことなら少し手伝ってもらおうか。ちょうどこれからお客さんも大勢来られる時間だ」
みき
「ありがとうございます!」
ななくさ
「恩に着るでござるよ!」
いね
「ありがとう!」
お外で売り子やるかw
ななくさ
ですねw
語り手
「それじゃ、さっそくお手伝いしてもらおうかな。ちょうどこないだの社会科見学の時に使った君たちくらいの子用の制服があるから、ちゃんとみだしなみをきっちりしてね」
ユニティは服を手に入れた!
いね
なるほどなー
「お着換え! お着換え!」
ななくさ
「身だしなみ」なんとなく察したことがある。
……4点払ったら完全に人間になることできないかな?
語り手
今からでもどうぞー
ななくさ
ふしぎと想いを2点ずつ払います。
みき
「はい!」 ユニティくんは服を着られそうかな?
いね
そんな概念もなさそうよね
語り手
そりゃもう、きみたちの恰好を見て見様見真似するけど、さっそく袖に足を通そうとしているよ。
みき
ならば、それを止めて着付けてあげましょう。
語り手
「し、知っていたぞ、このくらい! ……で、これはどうするんだ」
ぶつくさ言いながらみきくんに手伝ってもらって、なんとか着替え終わる。

いね
ユニティくんはスッポンポン助だったの?
語り手
そうだよ、布の下はね
いね
こどもでよかった!
ななくさ
大人だったらえらいこっちゃ
語り手
テルマエ技師なら問題ない
まぁ、劇の衣装かなーとか思われてたに違いない
いね
ななくさくんもしっぽふりふりしてたしね。

いね
「みんな似合うね!」
ななくさ
「そうでござるな!」
語り手
ユニティくんは、棚に並んだパンをいろいろとじーっと観察しています。
いね
じゅーるるぅ♪
ななくさ
中にソーセージの入ってるパンを美味しそうでござるなーって目で見ています。
語り手
「パンにはいろいろな種類がある……なるほど。そしてこの【円】というのが貨幣単位……」
とかぶつぶつ言っている。
いね
「アンパン食パン アンパン食パン クリームパン クリームパン♪」
るんるん歌っています。
いね
フレール・ジャックの節で歌おう!
語り手
やがて、お客さんもちらほらとやってき始めます。
いね
「いらっしゃいませー おいしいパン― いかがですかーっ」
外で呼び込みしてます。
みき
では店内で店員をやりましょうか。
語り手
「あら? 今日はかわいい店員さんがいるのね。社会科見学?」
いね
「おてつだいです!」 胸を張ります。
語り手
「あらそうなのー。じゃぁお願いしようかしらね。あれと、これと、それと……」
「あれ、今日はまだバゲット出てないのかー」
などなど。
ななくさ
おぉ。
語り手
お仕事としては品出しや、お客さんの呼び込みかな? 
あとはたまにおじさん監督のもとお会計とか。
みき
「すみません、今日はまだなんです。もうすこしお待ちください」 品出しとかお会計とか、ちょっと大変そうなところをやってるかな。
語り手
そうだね、優先的にいつも手伝ってもらって勝手のわかるみきくんにはその辺りが自然と任される。
ななくさ
呼び込み手伝ってますね。
お会計!
いね
【おしゃべり】をここぞと活かして、食べたいパンのことを情感たっぷりに売り文句にのせます。
いね
「ふわっふわの食パン! 甘いチョコパン! たまごサンド! 食べたいなぁ! いかがですか!」
で、最後自分で言ってておやっ? と思う。
ななくさ
「あんぱんもあんがしっかり入ってて美味しいって奥方も言ってたでござる!」正直。
語り手
かわいい店員さんのセールストークもあって、お客さんもついつい余分に買ってしまう感じだ。
パンはどんどんと売れてゆき、レジをみきに任せておじさんも次々新しいパンを焼いてゆく。
いね
ユニティくんは何やってるんだろう。
語り手
ユニティくんは、最初こそ品出しばかりやっていたけれど、目ざとく耳ざとくみんなの売り込みを取り込んで、気が付くと積極的にお客さんにパンを進めています。
いね
有能!
ななくさ
おお、すごい!
みき
そんなユニティくんの様子をみて、すごいなぁ、と純粋に尊敬。
語り手
その辺り、かなりそつなくこなしている感じは、同じく日ごろお手伝いをしているみきくんは驚くかもしれない。
まぁ、一応高度文化圏の出身で、いろいろな星々を渡るウルトラ警備隊ならではの生活力、といったところなんだよきっと。
みき
「(あの子は、かしこい)」 ちょっと迷子の面倒を見るような気持でいたみきは、少し考えを改めた。
ななくさ
「ユニティ殿は器用でござるな」
語り手
「ま、仕事がら商売の真似事もたまーにだがやったことあるしな」
クールに答えているフリだが、褒められて少し照れたようにも見えるユニティ。
ななくさ
さっすがぁ!
いね
ところでいねが知った秘密はつながりのある人にはばれちゃうんだよね。
パン屋さんとつながりをつくらないようにしないと、ユニティくんのことを盛大にしゃべってしまうな!
……信じてくれるかどうか? 知らん。
語り手
たぶん、そういうごっこ遊びなのかー、で済むから大丈夫だw
いね
じゃあ今RPでやっとくかw
いね
「だってうちゅーから来たんだもんね! すごいんだもんね!」
ななくさ
「うちゅーは広いでござる! さすがでござる!」宇宙が広い情報はテレビから得ました。
語り手
「ああ、まぁな……これくらい簡単なもんだぜ」
腰に手を当て鼻の下をこすりながら、答えるユニティの頬は少し赤い。
ななくさ
ユニティくんかわいいね!?
いね
かわいいな!
語り手
「そうかぁ、宇宙人にウチのパンを売ってもらえるなんて光栄だなぁ。キミ、今度ぜひ宇宙のお仲間にも宣伝しておいておくれよ?」
言って朗らかに笑うおじさん。
いね
おじさんノリがいいな!
ななくさ
このパン屋さんがウルトラマンの中で流行すると思うと胸が熱くなりますね。
語り手
オーブことクレナイ・ガイさんあたりは喜んで来店しそうだ
いね
そのうち敵対する宇宙人たちもこのパン屋に現れるようになり、このあたりの銀河は非戦闘宙域に指定されたのでした。

語り手
お客さんの足も少し落ち着くころ。気が付けばお店の外は朱色に染まり……だんだんと暗くなってきました。
ななくさ
「……そろそろ家に帰らないと、奥方が心配するかもしれないでござるな」
語り手
「やぁ、みんな、今日はもういいよおつかれさまー」
さすがにへとへとになってきていたみんなに、おじさんが声をかけます。
みき
額の汗をぬぐって、はぁ、と一息つく。
いね
「さんどいっちどーなつ さんどいっちどーなつ」 少しうつろな目で歌ってます。おなかすいた。
ななくさ
「お疲れ様でござる」どことなく瞳から生気が抜け落ちている気がする。
いね
「おてつだいってたいへんだなぁ」
「いつもやってるみきくんはすごいなぁ」
ななくさ
「本当、みき殿はすごく立派でござるな……」
語り手
「いやぁ、おかげさまで今日はいつもの倍は売れてしまったな。明日の仕込みの分も使っちゃったから、こりゃ今日は徹夜で仕込みせんといけないな!」
言って、わははと笑うおじさん。
いね
おじさん嬉しそうで良かった。
ななくさ
「ユニティ殿も、さすがの手つきでござった」
語り手
「そうそう、忘れちゃいけないな。これ、今日のお手当」
おじさんは、いくつもの袋を取り出してみんなに分けてくれます。
「ほとんど売れちゃったけど、いくつか取りおいておいたんだ。ちょっと時間たっちゃってて申し訳ないけど」
ななくさ
ありがとうおじさん。
みき
「ふふっ、みんなのおかげです。おじさん、ありがとうございます!」
いね
「わーい、たべたーい!」
ななくさ
「ありがたく頂戴するでござるよ」わーい!
いね
おなかがすきすぎて袖から羽がちょっぴり出てる。
みき
ちょっぴり出てる羽をささっとなおしてあげよう。
いね
「……あっ、ありがとう」
みきくんの後ろに隠れて気合を入れなおしておこう。
みき
「わぁ、たくさん! ありがとうございます」
語り手
「いいんだよー。ああそれと、これもね」
おじさんはコックスーツのポケットから白いポチ袋を取り出して、みんなに手渡します。
中には、500円玉が一枚ずつ。
ななくさ
「ありがとうでござる!」
いね
「あっ、すごい。これおかね? すごい!」
ななくさ
「お金でござるな。キラキラしててきれいでござる」
みき
「わぁ!」
語り手
「ほんとはもっとあげるべきなんだろうけど、それもちょっといやらしいかと思ってねぇ。まぁ足りない分はさっきのパンでひとつ許しておくれよ」
苦笑するおじさん。
みき
「いえ、ありがとうございます。パン、おいしくいただきますね!」
語り手
「ありがとう、みきくん。またお手伝い、よろしくね」
いね
いきなり押しかけて、しっかり給料いただいてしまった!
ななくさ
優しいおじさん。
ななくさ
「パンだけでも嬉しいのに、お金まで貰ってもいいんでござるか……!?」
語り手
「もちろんだよ、みんなしっかりお仕事してくれたんだからね」
いね
「ありがとうー! これで、おかいもの? できるんだっけ?」
語り手
「無駄遣いは、しないようにね」
いね
「うん、わかった!」(わかってない)
語り手
それぞれににこにことおじさんは語り、
「さぁ、遅くなっちゃったからね。みんなまっすぐおうちに帰るんだよ?」
ななくさ
「はーいでござる!」
みき
「はい!」
いね
「はぁい!」
【♪風の生まれる場所】
語り手
「おっさん、その……ありがとう。悪いな」
パンの袋とポチ袋をしばらくじっと見ていたユニティは、みんなで店をあとにする、その間際で一言だけ、おじさんに告げました
それに無言で親指を立てて返すおじさん。
みき
そんな様子を見てそっと微笑む。かしこい彼に【おれい】の概念は伝わっただろうか。

語り手
えーと
10分か。
ななくさ
ですね。
語り手
よし、ここまでにしよう
いね
横道に牽引しまくってスマンカッタ
語り手
キャラが生き生きするためのそれは、横道とは言わないのだ
ななくさ
いねちゃんは可愛い(確信)
みき
いねちゃんはとてもかわいい。
いね
ありがとう!!
ユニティ君はまたすっぽんぽんに逆戻りかな。
語り手
ああ、服はそうだなー
「もしよかったら記念にあげるよ。どうせずっと置いていても仕方ないから、処分しようと思ってたところだからね。またお手伝いしてもらえることがあったら、またそれを着てお願いするよ」
とおじさんにこにこ。
ななくさ
おじさんいい人だなぁ。
いね
おじさんに夢をフルスイングでぶん投げておきますね。
語り手
おじさんがたくましく育ってゆく
てな感じで!
今日のゆうこやはここまでー

【♪風の生まれる場所】
語り手
前回のゆうこや
いね
ゆうこや!
ななくさ
ゆうこや!
語り手
腹をすかせたうちゅうじん【ユニティ】のために、みんなでパン屋さんのお手伝いをした。
そのお礼にたくさんのパンとお金もちょっとだけもらった。
あと服。
いね
服重要。
みき
ふく社会的にとってもだいじね。
ななくさ
大事ですよ。

語り手
さて、ちょっと中途半端なとこだったんだけど、シーンはまだちょっとだけ続くんじゃ。
パン屋さんをあとにして、みんなの帰り道。
時間はもうゆうやけこやけから夜に変わろうかという時間。
そろそろ今日はさよならの時間だ。
いね
うう、そろそろ目が見えなくなっちゃう。街灯伝って帰らなきゃ。
「ゆにてーくん、がっこうに帰るの?」
みき
「もう、こんな時間になったんですね。……ユニティさん、あなたはまた、あの学校に?」
ななくさ
「学校に帰るのでござるか?」
語り手
「……ん? あ、ああ、そうだな」
ぼうっと手の中のポチ袋を見ながら歩いていたユニティは、三方からとつぜん同時に尋ねられて、ちょっとのけぞる。
「ま、そうだな。他に行くところもねぇし。現地通貨も持ち合わせはないしな」
いね
「近くまでだったら一緒にいこー」
ねむねむと目をこすりつつ。
語り手
「ああ、かまわないぜ」
みき
「それで、あの…… 明日もまた、行ってもいいですか?」
いね
「明日もあそぼー」
ななくさ
「一緒に楽しむでござるよ!」
みき
「遊びに、では、ないけど、力になりたいんです。かえりみちさがしの」
「あっ……これは、ぼくの、勝手なおもいなんですけれど。みんなもいっしょかどうかは、わからないんですけど」
ななくさ
「遊ぶのではないのでござるか!? ……しかし、あっしはみき殿の意見に賛成でござるよ」
いね
「ああ、そっかぁ……ゆにてーくん帰るんだっけ」
「さがしものなら得意なの―! でも夜はだめなの。ねんねするの」
「かえりみち? 見つかったら遊ぶの!」
語り手
「……」
その申し出に、ユニティはなんだかとまどったような、おどろいたような、ふしぎそうな、そんな顔でみんなの顔を見返しました。
「ふん、なんだよ、お前らヒマなのか? ま、俺のジャマをしないんなら、別にいいぜ。それくらい」
ふいっと視線をそらして口をとがらせる少年。
みき
「ありがとう、ございます。……ひま、なのかもしれません。一緒に、遊びたいだけかも」
「ぼくにも、よくわからないんです」
語り手
「自分で自分がわからないとか、不思議なやつだなぁ、オマエ」
みき
「そうかもしれません」
語り手
そんなことを話しながら歩いていると、気が付けば街のはずれ。
ここから先は、またあのうっそうとした森が広がっている。
ななくさとみきはここから少し折り返して帰らなければなりません。
ななくさ
「……ここでお別れでござるな」
みき
「……ぼく、家がこっちなんです。また明日、ですね」
少し名残惜しそうに、そう微笑む。
ななくさ
「あっしも奥方がまってるでござるよ」しゅんっとした顔で。
語り手
「……ああ、ま、せいぜい気を付けて帰れよ」
いね
「ふぁい、また……あしたね~」
「あしたもあそぼ~」
語り手
「寄り道すんなよ」
いね
「すんなよ~」
ななくさ
「寄り道しないでござるよ! 奥方とじゃーきーの為なら一生懸命帰るでござる!」
語り手
「ヘンなとこに近寄るなよ」
いね
「なよ~」
語り手
「妙なの出たら逃げろよ」
みき
「わかりました」
語り手
えーっと、それから……、と何やら難しい顔でうなるユニティ。
ななくさ
「(……ユニティ殿は、親御さんでござったか)」
いね
「あはは、なんかにんげんのおとーさんみたい」
みき
「ふふ。いいですね、お父さん」
語り手
「ふざけんな、俺はお前らの保護者じゃねぇぞ! だいたい、お前らがひょろひょろ頼りなさすぎるんだ! 俺にヘンに気を遣わせるんじゃねぇ!」
顔を真っ赤にしてがなる。
いね
|д゚)b グッ!
語り手
といったところで。
ユニティの正面にいるみんなは、あることに気が付きます。
ななくさ
いね
私はユニティ君の横で眠気と戦っています。
語り手
ユニティは今もこども用のコックスーツ着ているのですが、その腰のあたりが、なんだかぼんやり光っています。
みき
おや? その光に目をとめましょう。何が光っているのだろう。
ななくさ
ぴかぴか光ってるものは気になります。なんだろう?
語り手
そこには昼間学校で彼がちらつかせていた【こうせんじゅう】が差されていて、その中頃のあたり、その内側から光が漏れているように見えます。
ユニティは気づいてないみたい
ななくさ
「ゆにてぃ殿、なんか光っているでござる」腰のあたりを指さしながら。
語り手
「だいたいだな、おまえら……ん?」
ななくさに指摘され、視線を落とすユニティ。
「お? おお? おおおおおおおおおお?」
その目がみるみる見開かれてゆきます。
いね
「ふわ?」
語り手
慌てて腰から【こうせんじゅう】を抜き取り手元でなにやらかちゃかちゃと操作すると、ちょうど光が漏れていたあたりから【こうせんじゅう】がぱかっ、と二つに割れました。
いね
これだけ明るかったらみえるなぁ……
みき
「割れた!」 驚いた。
ななくさ
「……!? 割れた!? 割れたでござるか!?」
いね
ランチャーみたいに中折れしたのか、ヒラキになったのか。
語り手
※ランチャーだね
ななくさ
ランチャー
いね
しばらくおもちゃの水鉄砲がヒラキになったようなイメージで想像してたわ
語り手
手に持ったままそれをひっくり返してかたかたと振ると、その中から小さな黒い筒が3本、まぶしく輝く筒が1本、滑り出てきました。
先ほどの光は、この光だったようです。
いね
うおまぶしっ
目をシパシパさせて、「それなに?」と指さします。
語り手
ユニティはその輝く1本を大事そうにつまみあげ、ため息をひとつつきました。
「これは、俺の力の源だ。これが無いと、俺は元の姿に戻れない」
「今まで、何をしても変わらなかったのに……。なんで突然……」
みき
「これが……、力の源。きれい、ですね」
いね
懲りずに「それなぁに?」と訊きます。
語り手
「……人の話はちゃんと聞いてろよ」
いねをうんざりとにらみながら。
いね
いね的には具体的になんなのか訊きたかったんだけど、なんで怒られたのかよくわかんなかった言葉足らず。
「今は光ってるから、元の姿にもどれるの?」
ななくさ
「……どうなんでござろうな?」
語り手
「いや。まだ1本だけだからな。あと3本」
ななくさ
「三本光ったら、元に戻れるんでござるか?」
語り手
「そうだ。この星の重力圏からも離脱できる」
みき
「どうして光るようになったのか、わからないんですね。……三本光ったら、帰れる」
いね
「でんち入れたら光る?」
語り手
「ガキのおもちゃじゃねぇんだぞ」
いね
いねに電池という概念があること自体すごいかもしれない!
みき
いねちゃんにでんちという概念があることにちょっとびっくりした
祭りの日にみんなが光る棒とか振り回してたのを見たのだろうか。
ななくさ
可愛い……。
いね
きっとコドモが動かないおもちゃに「でんちいれて!」とか言ってるのを聞いていただけで、電池が何なのかわかっていないと思う!

語り手
「わからねぇなぁ……」
「体感だが、ディファレータ光線の被爆量もそう変わってないように思えるし……」
みき
「では、どうして光ったのかさがすことが、ぼくたちの目的ですね」
ななくさ
「んー。いささか難しそうでござる。でもやればできるのでござるな!」
いね
「ひかるりゆうを探すのか―。ちょっと目で探すのはむずかしいなぁ」
ちょっとしょんぼり。
語り手
「そう、だな……お前らのっていうか、俺のっていうか……まぁ、なんだ。手伝うってんなら、手伝わせてやってもいいぜ」
みき
「ありがとうございます。 ……これまで、と今日とで変わったことって、なんでしょうね」
いね
「ぱんたべた……おとうさんになった……」
「……わかんない!」
みき
「ぼくたちがあなたと会ったときには、光っていませんでしたよね……?」と言いながら思い出そうと試みます>語り手
「パンを食べた。街の人と会って話をした……」
語り手
そうだなー、では【おとな】で判定どうぞ
目標値は3
みき
お、では【おとな】3で。
語り手
そうか、初期値3なんだったw
みき
そうなのです。
ななくさ
まかせたー!
いね
NPCなのにPC並みに夢があるユニティくんなにげにすごい。
ななくさ
可愛いから……。
語り手
じゃぁ彼がちらつかせていた時、その【こうせんじゅう】に光はありませんでした。
明るい昼間ではあったけれど、これだけの光なら気づかなかったはずはないでしょう、。
「これまでと今日で違ったこと……」
「今日だけで色々あったからなぁ。調べるのも結構大変だぜ、これ」
さっきまで嬉しそうに輝いていた彼の顔が、少しだけ曇る。
みき
「うん、光っていなかった。だから、ぼくたちと全然関係ない、天気みたいなことが理由でなければ、今日なにかしたことが理由なんです」
「……とりあえず、明日もまた一緒に遊んでみませんか?」
「そうしたら、なにか、それが光るようなことが、その中にあるかも」
ななくさ
「一緒に遊んだら何かわかるかもしれないでござるな!」
「……空腹が満たされたからでござろうか……? 謎が謎を呼ぶでござる……」
語り手
彼は、ううーん、と腕組みをしてしばらく唸り、
「し、しかたねぇなぁ、それなら遊んでやらんでもない」
いね
「やったー」
ななくさ
「よかったでござるな!」
語り手
「だ、だからな、今日はもう遅いからさっさと帰るんだぞ! 家の人が心配するだろうが!」
みき
「はい、お父さん」 ちょっと茶目っ気。
語り手
「だから俺はお前らの保護者じゃねぇって!」
ななくさ
「……あっしも、父上と呼ぶべきでござるか?」
語り手
「この現地言語の古語は理解できてねぇが、それぜったい【保護者】の異音語だろ」
いね
「ぱぱ。なの」
ななくさ
「父上。あっし、本日のところは失礼致したく候」
みき
「空腹、もしかしたらそうかもしれませんよ。食事はぼくたちの[エネルギー]だって、聞いたことがあります」
いね
「たべもの、大事なの」
語り手
「【おなかがすいた現象】か、確かに、いまは回復しているな」
いね
「おなかいっぱいでしあわせなのー」
語り手
「よし、じゃぁ明日はもっと【しょくじ】させてみろ」
いね
「あしたもみんなでごはん!」
ななくさ
「了解でござる」手をひらひらとさせながら。
みき
「今日、お小遣いをもらいましたから、今度はおやつを買いにいけますね」
ななくさ
「おやつ! じゃーきー! じゃーきー食べたい!」
語り手
「【おやつ】? なんだかわからねぇが、じゃぁそれだ」
盛り上がる4人の間を、少し夜気に湿った風が通り抜けてゆく……
いね
「さむい。かえる……」
みき
「さて、ほんとうに、そろそろ帰らないといけませんね」
「お休みなさい。よい夢を」
ななくさ
「よいゆめを! でござる」
語り手
「おう、しっかり体を休めるんだぞ」
そして、みんなそれぞれのねぐらに帰ってゆくのでした
……かな?
いね
でした。
ななくさ
帰りました。
みき
ですな。父親でなければ[おにいちゃん]のような、彼との会話をちょっとくすぐったく思いながら。
いね
スヤスヤ。
【♪STOP】

【♪桜吹雪】
語り手
翌朝です。
まずはみなさん、幕間処理を。
ユニティはみんなへのつながりを1ずつアップ
みきへ2、ななくさへ2、いねに3となります
みき
お、ありがとう。
ななくさ
ありがとうございます!
いね
ユニティ君へのつながりを3に。
夢を5消費して15になります。
むー、仲間へのつながりは1足りない。
ななくさくんへの感情を4にしておこう。
7残ります。
みき
こちらも、ユニティくんへのつながりを3にあげましょう。夢を5消費し、16になります。
あ、点数を勘違いしてた。いねちゃん・ななくさくんへの感情を4にあげます。16点消費してちょうど0。
ななくさ
お、ありがとうございます。こちらはいねちゃんとユニティくんへの感情を3に上げときます。
10点消費で残りが5ですな。
みき
シーン登場:みき のふしぎを+13した:(ふしぎ:26->39)
いね
いね のふしぎを+12(ふしぎ:19->31)
いね の想いを+13(想い:13->26)
みき
あ、いかん間違えて登場処理までやってしまった。次シーン状況によっては出ない可能性があるのか。
いね
あ、そうか。
みき
フライングなのでふしぎは26に戻しておきます。
語り手
ああ、朝の学校にみんなが来るところからなので、登場でOKだと思います
みき
お、では改めて登場処理。
シーン登場:みき のふしぎを+13した:(ふしぎ:26->39)
シーン登場:みき の想いを+9した:(想い:24->33)
いね
では今日はみきくんの肩にのっかっています。
(変身なし)
私は話がまとまったら変身するよー
ななくさ
シーン登場してななくさ のふしぎを+11しました。(ふしぎ:22->33)
シーン登場してななくさ の想いを+11しました。(想い:22->33)
こちらはふしぎと想いを2点消費して半分人間の姿になります。
迷子犬として通報されたら大変だ。
語り手
ななくさは、半分のままでOK?
ななくさ
色々ごまかします。大丈夫です!
語り手
ほい
みき
[遊びに行く]のが目的なので、ふしぎを6、想いを2消費して完全な人間の姿になっておきます。
ななくさくんと違って色々誤魔化しにくい半変身形態をしているもので。
いね
しざーはんず
みき
しざーはんず。
語り手
了解

語り手
では場面解説だけ。
っても、要は朝の廃校にみんなしてやってきた、ってとこなんだけどね。
清々しい朝の空気が、廃校を囲む雑木林から漏れ出てきます。
朝もやの湿気に、土と緑の香りが混じり漂っています。
目の前には少し見慣れてきた、朽ちた門扉
いね
ピヨピヨキョキョにぎやかに何やらしゃべってます。
ななくさ
いねちゃん見てると微笑ましい気持ちになっちゃうなぁ……。
いね
話引っ張る気が全くなくひたすらコドモとして遊んでいるだけだけどね!
ななくさ
「朝の空気は素晴らしいでござる……」
みき
「いい朝ですね」
肩にとまっているいねちゃんを時折なでなでしています。
いね
みきくんになでなでされるなんてレアな状況だ!
胸毛をほっぺにすりすりしております。
みき
完全な人間の形になれているので、ちょっと表情が晴れやかだ。
ななくさ
ちょっと羨ましそうにその姿を見ている……。
いね
羨ましいのはどっちなんだろうかw
ななくさ
みきくんが! うらやましい!
いね
後でモフモフアタックをかましてやろうっ
ななくさ
やったー!
いね
鳥語で『ゆにてーくん おーはーよー』を言う。
語り手
さて、そんなこんなでみんなが門を越えるか越えないか、といったあたりで、
「おぅ! 来やがったな!」
建物のコンクリートや校庭の地面に少し反響して聞こえるほどの大声が聞こえてきました。
見れば、昨日彼と出会った美術室の窓が開き、ユニティが顔をのぞかせています。
みき
「おはようございます!」 顔を上げて、あらん限りの声でお返事。
ななくさ
「いい朝でござるな!」声を張り上げながら。
語り手
「でけぇ声出すなよ! 他の現地人に聞かれたら面倒だろうが!」
負けないほどの大声で叫び返し、彼はとぅっ、と掛け声ひとつ、窓から飛び降りました。
いね
「ピヨ!」
すごいや! びっくりしてみきくんの肩から落っこちかけました。
語り手
そのまま身軽に校庭に見事な着地を決めると、のしのしとみんなの方へ歩いてきます。
怪訝な顔をする彼の服装は、着なおしたのか、なんとも独特な着こなしのコックスーツ。
「おし、んじゃぁ行くか!」
鼻息荒く、拳を掌に打ち付けていい音を響かせます。
みき
「はい!」
ななくさ
「おー」
いね
「ピヨ!」
ななくさ
「……ユニティ殿……! はいゆー殿みたいでござる……」ユニティくんの方をきらきらとした目で見る。
語り手
「廃油?」
いね
Hi! you!
ななくさ
「はいゆー殿は、高く飛んだり、銃を打ったりする事ができる人々の事でござるよ!」
俳優です。
いね
なるほどつまりヒーローだな。
みき
ヒーローだな。
ななくさ
ヒーローです!
語り手
「ほう、この星の特殊部隊か何かか」
いね
舞台で特殊なことをします。
ななくさ
「それはまたあやかし達の箱でたまに見る……じえーたい……? ってものらしいのでござるよ。難しいでござるな」
語り手
「ふーん……まぁいいや。で、どこいったら【おかし】を【しょくじ】できるんだ」
ななくさ
みきくんの方をチラッと見ます。
みき
商店街に駄菓子屋さんとかある? >語り手
語り手
商店街のはずれ、どちらかというと住宅街の方に一軒、おじいさんが経営している駄菓子屋があります。
みき
「商店街、あのパン屋さんみたいな色々なお店があるところなんですけど、そこにお菓子屋さんもあります」
「そこで、お菓子を買いましょう。おもちゃも売ってますよ」
いね
くるんとみきの肩からおりて完全変身。
いね のふしぎを-4(ふしぎ:31->27)
いね の想いを-4(想い:26->22)
「おかしたべるー!!」
「おかね、あるもんね!」
みき
へんしんの理由がかわいいなぁもう。
いね
ありがとうw
ななくさ
「お菓子!」
語り手
彼は変化するいねの姿にうわぁ、と一つ声をあげ、
「おどかすなよ! どうやってその質量を調整してるんだ、まったく」
いね
ん? と首をかしげる。
「ゆにてーくんも変身できるんだよね? ……とにかくおでかけおでかけー!」
ななくさ
「あっしもおやつ楽しみなので尻尾を隠すでござるよ!」とさらにふしぎと想いを-2して完全に人間になります。
いね
モフモフしっぽがなくなってちょっと残念。
ななくさ
衛生面にも気を配れる殿方でありたい。
いね
モフモフな殿方も素敵だけれど、気づかいできる殿方も素敵だ。
語り手
「俺のはもともと活性の高い、励起されたエネルギーを相転移させてるだけだ! 安定した物質のお前らの肉体が……ああ、もういいや、とにかく行こうぜ」
ななくさ
「おー!」
語り手
そんなこんなで出発?
ななくさ
ですな!
いね
みき
ですな!
語り手
では、シーンは特に切り替えずに移動します。
ちょっと変わった4人組は、廃校を後にして、ぞろぞろと人気もはけた住宅街を通り、やがて目的の駄菓子屋へとたどり着きました。

【♪龍宮】
語り手
昔ながらの木造の家が立ち並ぶ一角。
いかにも民家の軒先といった風の駄菓子屋さんです。
もともとは庭だったのかもしれませんが、塀や垣根も取り払われた土がむき出しのちょっとした小広場の向こうの縁側の上に、色とりどりのお菓子ケースが並んでいます。
いね
昨日のパン屋さんの話やらおやつおいしい話やら途切れずに話し続けています。
みき
駄菓子屋のおじいちゃんはいるかな?
ななくさ
夢いっぱいになるところだ!
いね
ドリームランドだ!
語り手
中をのぞくと、暗い店内に裸電球が一つぶら下がり、その弱弱しい光がなんだか余計にその暗さを引き立てているような気がしてきます。
菓子棚の間の狭い通路の奥、その行き止まりの小さな小机の向こうに、一部の新聞が開かれており、時折その新聞がめくられる音が店内に響きます。
新聞を読んでいるであろう人物は、その陰に隠れてしまって見えませんが、ちょくちょく遊びにくることもあるみんなならば、それこそが店主のおじいさんとわかるでしょう。
みき
では、駄菓子屋のおじいさんに「おはようございます!」と元気に挨拶しましょう。明朗な挨拶は警戒心を削ぐのだ。
いね
「こんにちは!」
ななくさ
「こんにちはでござる!」みきくんにならって元気な挨拶を!
語り手
大きな明るい声に、かさり、と音を立てて新聞を繰る動きが止まります。
ややあって、ほんのわずか新聞が横へずれると、果たしてその向こうから眼鏡をかけた小柄なおじいさんが、その目だけをのぞかせました。
「……いらっしゃい」
対照的にささやくような小さな声でそう告げると、おじいさんは再び新聞の向こうに隠れてしましました。
このお店に来たことがあるならわかるでしょうが、ここのおじいさんはいつもこんな感じで、常連のこどもたちからは、その様子から【岩じじい】【岩じい】などと呼ばれているとか。
静かで薄暗い店内には、岩じいとどちらが歳をとっているかもわからない古い時計が時間を刻む音が響いています。
みき
その古い時計に、どこか共感のような、憧れのような視線をのぞかせて。
いね
「今日は! おかいものに! きました!!」
えっへんと胸を張ろう。
それから店の中の夢あふれる世界を見渡そう。
語り手
いねのその声に、岩じいは再び新聞からちらりと目をのぞかせましたが、でもそれだけでまた新聞の向こうに隠れてしまいます。
店の中は、色とりどりの包装のお菓子、おもちゃが棚の上や柱の上にちりばめられ、さながら駄菓子の密林といった風です。
ななくさ
周囲をきょろきょろした後、ガムに夢中になっています。
語り手
新聞越しに見えているわけでもないだろうに、それでも岩じいはななくさの様子に声をかけます。
「……笛ガムは5円、フェニックスガムは10円……」
ななくさ
「ふぇにっくすガム! ……どんな味なんでござろうか……!」ごくり
いね
「そのガム、鳥が入ってるの?」
こわごわのぞき込みます。
みき
「ふふ、鳥は入ってないですよ」
ななくさ
「なにが入ってるんでござろうか……?」
いね
うぐいすもちも怖いものだと思っているいねでした。
語り手
銀紙で包まれた上から、コミカルなクジャクのような鳥のイラストが描かれた色紙が巻かれた、ほんの小さなガムです。
色紙の裏には迷路が書かれていて、ゴールにたどり着くことができたら、もう一個同じガムと交換してもらえます。
ななくさ
「……これは……買わねば損でござる」ガムにすっかり夢中。
きゃー! 買う!
みき
ユニティくんはどんな様子かな?
語り手
ユニティは、いろいろなものを見て、腕組みしたり、顎に手をあてて唸ったりしています。
「これが【お菓子】か……」
ポリエチレン製の飛行機模型を手に取って、生唾を飲み込んでいます。
みき
「あっ、それは食べ物じゃなくておもちゃです」 と、ぱたぱた駆けていって、ひこうき模型を指して説明。
語り手
「そうなのか? 一見見分けがつかんな」
などと恐ろしいことを言っています。
ななくさ
「ユニティ殿、このガムすごいでござる! ふぇにっくすでござる!」興奮気味にガムをユニティくんに見せつけようかな。
語り手
「ふぇにっくす……がむ……? それも【おかし】なのか?」
ななくさ
「お菓子でござる!」
みき
「こういうのがお菓子です。食事でもありますけど、【おなかいっぱい】より、【おいしい】 を楽しむための食べ物なんですよ」 そこらへんの…… そうですな、コーンポタージュのスナックを手に取って説明しましょうか。
ななくさ
「食感も軽くてふわふわで美味しいでござる」
みき
「これはガムで、噛んで【おいしい】 を楽しんだあとは、そのものは食べないんです」 フェニックスガムがちょうど近くに来たようだ。説明しよう。
パッケージに入ってるとわかりにくいかなあ、なんて顔をしている。
ななくさ
コーンポタージュのスナックは無いのかなぁ……。
いね
ある と言った者勝ちだ!
ななくさ
こっそりとコーンポタージュのスナックもカートにインしています。
……明日コーンポタージュのスナック買おう……。
語り手
などと、妙なやりとりをする珍客の様子に、ふと気が付けば岩じいが新聞の陰からこちらをうかがっていました。
「食べない、のか? それじゃぁ【おなかいっぱい】にならないじゃないか? 何かエネルギー的なものを摂取するのか」
かわいらしいとうもろこしのキャラクターが描かれた袋と、先の小さな色紙の菓子を手に、首をかしげるユニティでありました。
不思議な時間と空気が流れるお店、ちょっと普通とちがうお客。
風波市の一角に、今日も緩やかな風が吹いていました。
といったところで、今日はこの辺にしておこうか。
ななくさ
はーい!
みき
ですな。微笑ましいのであった……
ななくさ
お疲れ様でした! お菓子が食べたくなる卓でしたね。
語り手
駄菓子はたまに食べるとおいしい
みき
ですな! >お菓子が

【♪龍宮】
語り手
前回のゆうこや
駄菓子屋さんに来たよの巻
ユニティにいろいろな駄菓子を教えてあげているところでしたね
みんなの前には、地味なものから派手なものまで、文字通り色とりどりの駄菓子や玩具が並んでいます。
いね
こちらも初めてで目をキラキラさせています。
みき
微笑ましげにいねちゃんの様子をながめています。
「あなたの故郷には、娯楽というものはないですか?」と、不思議そうにしていたユニティくんに聞いてみよう。
ななくさ
「美味しいものを食べて幸せーとかはなさそうでござるしなぁ」
語り手
みんなから教えられたコンポタスナックやフェニックスガムを手に、その裏に書かれた成分表示をしげしげと眺めていたユニティは、不意に尋ねられて、少し考えたあと、
「娯楽……知識や概念では知っているが……。こういった、資源を消費するようなものはあまり存在しないな」
「惑星が滅んだ後、俺たちは宇宙の資源をいたずらに消費しないように進化をした、らしいからな」
ななくさ
「……しげんを……ろうひ?」
みき
「無駄遣いするってことです」 補足。
ななくさ
「むだづかい。美味しいものを食べるということは、無駄遣いでござるか?」
いね
ポン菓子に夢中になりつつ、「無駄なんかじゃないよー」
語り手
「……よくわからねぇ」
ぽつりと呟く。
みき
「無駄だというひともいますし、それこそが…… ええと…… ああ。【人生の目的なのだ】。 そんなふうに言うひともいます」
「なぜなら生きることは大いなる無駄なのだから。 ……たのしければいいんじゃないかって、ぼくは思いますけどね」
ななくさ
「なんか、ご主人みたいなことを言うでござるなぁ。みき殿は。なんか難しいことを言ってるでござる」悪気はない。
いね
「生きるの、たのしいよ」
「ごはんもおいしいし、みんなと遊べるよ」
ななくさ
「ごはん美味しいでござる! おやつもおいしい!」
語り手
「生きるのが、楽しい……」
ななくさ
「楽しいでござるよ!」
語り手
みんながそうやって話していると、いつの間にカウンターを離れたのでしょうか。ふと気づけばうしろに岩じいが立っていました。
ななくさ
おろ? という顔をしながら後ろを振り向きます。
みき
おや? ななくささんの挙動に気が付いて後ろを向く。
いね
もぐもぐもぐもぐ
ななくさ
ひたすら食べるいねちゃん可愛い……。
語り手
「……」
岩じいは怒っているでもなく、ただ真っ白な表情でみんなを見ていましたが、不意にユニティの手からコンポタスナックを取り上げてしまいました。
「あ」
と思わずユニティの口から小さく漏れました。
みき
驚いた。ちょっと目を白黒させる。
ななくさ
突然のことに驚いたそぶりを見せる。
語り手
岩じいはそれから名前の通り岩のように暫くむっつりと黙ったあと、
突然、その袋をばりっ、と開けてしまいました。
いね
もぐもぐ……ん?(やっと気づいた)
ななくさ
はらはらしながら様子を見守る。
語り手
大きく開かれたその袋から、まさしくコーンポタージュスープのような香りが漏れましたが、それをそれとして気づくことができたのは、みきだけかもしれません。
そして岩じいは無言でその袋をユニティに突き出しました。
「食えば、わかる」
ぶっきらぼうにそう告げると、岩じいはあっけにとられたようなユニティの手に袋を押し付けると、またカウンターへふとふとと歩き去ってしまいます。
いね
おじいちゃんに つ夢
ななくさ
私も投げたい!  っ「夢」
はじめてのスナック編。
みき
い、岩じいに夢をなげたい
語り手
新しいキャラがイニシアティブ表にぞくぞくと増えてしまうw
いね
語り手あてでいいと思うなw
語り手
「四の五のと小僧どもが小難しいことこねまわすモンじゃないよ、まったく」
とか
「最近の子供ってのは理屈っぽくていけないね、まったく」
などという声がぶつくさと聞こえてきたような気がしました。
みき
「ふふっ、そうですね。食べてみればわかる、その通りです」
語り手
岩じいの背中と、手の中のコンポタスナック、そしてみきの顔を交互に暫く見ていたユニティでしたが、思い切ったように一つ、スナックをつまみとると、口に運びました。
静かで薄暗い店内に、さくさくと音が響きます。
ななくさ
「どうでござるか? どうでござるか?」
語り手
「ん、ああ……嫌いじゃぁ、ない」
そんな変な感想を変か顔でつぶやくユニティでしたが、手は早くも二つ目を取り出そうとしています。
ななくさ
「おいしいでござろう!」謎のしてやったり顔。
語り手
さくさく。
「おいしい……。これがおいしいのか」
「昨日のパン、とは違うけれど、これも悪くないかもな」
みき
コンポタスナック食べたくなる卓だ
語り手
「いろいろなおいしいがある、か。なるほどな」
ななくさ
私も今そう思ってます……。オナカスイタ。
語り手
さくさく、がさごそ、さくさく、と音が続きます。
いね
「みんなで食べると、おいしいよね! こうかんこしようよ」
別のおやつのトレーに『ポン』をひとつかみ盛って差し出します
「そっちもすごくおいしそうなの」
みき
「そうですね、交換しましょうよ。【おいしい】 は分け合えますよ」
ななくさ
「じゃあ、ガムの他にも何かみんなで食べれそうなものをあっしは探してくるでござる!」
語り手
言われ、新たにつまみとったスナックを暫く惜しそうに見ていたユニティですが、やがてトレーの上の白い菓子に興味をひかれたのか、その一つをトレーに乗せると、代わりにポンをつまみ上げると、やはりしげしげとそれを眺めたあと、口に放り込みました。
「なんか、パンに似てるような……でも、やっぱり違うな」
でも、その表情は和らいでいます。
「……コーンポタージュスナックは30円」
新聞の向こうから、ぶっきらぼうな声が聞こえます。
いね
「ゆにてーくん、おかねまだある?」
語り手
「ええと、貨幣は……今のおかし、の分を支払うからあと……470円あるな」
地球の文化圏は10進法だったよな、などとぶつぶつ呟きながら。
「あと、食うならちゃんと金払ってからにしれ」
新聞がかさりと動き、陰から鋭い目がいねをにらみました。
いね
「あっ、そっか。えーと……」
どれが何円かわからない。
みき
いねちゃんの分のおかねを数えてあげよう。
いね
「ありがとう」
ななくさ
「……たしか、えーっと……何円が何色でござったか……」
みき
……ななくささんのも何だか不安げだ。横からちょっとだけ教えてあげる。
語り手
「銅の貨幣が、たしか10円、ニッケルと鉄の合金の貨幣が100円と、穴あきが50円、だったはずだ、ななくさ」
いね
「あっ、なにこれ穴が開いてる。なんか刺さったのかな?」
と五円をつまみながら。
語り手
「黄銅の穴あきは5円だぞ、いね」
みき
ななくささんに教えようとしていたら、ユニティくんが教えてくれるのに気づいて口を閉ざしていねちゃんの方へ。
「ほかのと間違えないように、穴があいてるんですよ」
いね
「わあ、すごいね! 向こうが見えるよ!」
と硬貨をのぞき込んでいます。
ななくさ
「にっける? どう? 穴あきだけはわかったでござる!」
みき
たぶん。とさいごに付け足す。
ななくさ
「これが50円でござるか!」銀色の穴の開いた金属を見ながら。
いね
で、穴越しにおじいちゃんを見てまだお金払ってないことを思い出したので、『ポン』二個分のお金をみきくんに訊いて払います。
で、いそいそと二袋目に突入します。
語り手
「そうだ、ちゃんとここに現地語で【50】と書いてあるだろう」
よく見ろ、とななくさの手の中の50円を指で指すユニティ。
ななくさ
「本当でござる! はいそさえてぃでござるな!」ハイソサエティの意味はわかっていません。
いね
「はいそさえてー」
「これ、『もじ』なんだねぇ。知らなかった」
語り手
「小銭、まだあるなら、菓子ばかり食べてないで遊んでけ。駄菓子は体に良かないぞ」
各々からの支払いを受け取りながら、やはり怒ってでもいるかのような声で、岩じいがつぶやきます。
目でちらりと見やる先には、めんこやベーゴマなどの玩具が積まれた棚。
ななくさ
「あれはなんでござるか?」
めんこやベーゴマの方を向きながら。
みき
「おもちゃですよ。遊ぶものです」
いね
「あそぶ!」
語り手
ユニティも興味を持ったのか、そちらへなんとなく向かいます。
みきにはわかるでしょうが、カラフルなめんこには子供たちに人気のある【ばけものウォッチ】とかいうアニメのイラストが描かれています。
ベーゴマは昔も今も変わらず、飾り気のない鉛の塊です。
みき
うーん、としばらく考えて、手に持ってまねをしながら軽く遊び方を話す。
語り手
「最近の子供はめんこもベーゴマも知らないんだから、まったく」
気が付けばまたいつの間にか岩じいがみんなの後ろに立っており、やっぱりぶつくさと言いながら縁台の下からめんこを戦わせる土俵や、油缶に布を張っただけのベーゴマの土俵を引きずり出してきます。
みき
「土俵だ! ありがとうございます」
語り手
そうか、みきくんなら遊び方もわかるな
みき
あ、やりすぎだったらストォップをかけてください。>みきの知識
語り手
いやいや、全然OKだと思います
ななくさ
「さすがみき殿、詳しいでござるな!」
みき
みきの眼はちょっと輝いている。めんこやベーゴマで【ともだち】と一緒に遊びたかった。
語り手
「ふん」
みきの言葉に、しかし岩じいはつまらなそうに鼻を鳴らすと、棚のめんこやベーゴマを取り出すと、またもばりばりと封を開けてしまいます。
みき
差し出がましいことをしたかな? ちょっと眉を下げて岩じいの表情を見上げる。
語り手
そして無造作にそれらをみんなに手渡し、最後に不安げなみきにも押し付けるように手渡すと、
「教えてやんな」
とだけ告げて、またカウンターへと戻ってしまいます。
「昔は知ってる兄貴分がみんなに教えてやったもんだ、まったく」
なんてぶつくさ呟きながら。
みき
ちょっと不安げに岩じいの顔を見てから、「わかりました」とうなずく。
語り手
まぁ、岩じいはいつもこんな感じですから、きっと大丈夫ですよ。
だから岩じい、なんて呼ばれているんです。
いね
「ありがとー」
ニコニコしてぺこり。
ぺこりはおじいちゃんにね!
ななくさ
「ありがとうでござる!」岩じいに一礼。
語り手
「ふん。めんこは50円、ベーゴマは60円……」
みんなのお礼に新聞の向こうから返ってくるのはそんな声だけですけどね。
みき
岩じいにひとつ頭を下げて、封を開けられためんこやベーゴマを手に取る。
いね
「みきくん教えてー」
ななくさ
「あっしも! 教えてほしいでござる!」
いね
「ゆにてーくんはどれにする?」
語り手
「ええと……どれがいいんだ?」
迷いながら、みきに問うユニティ。
みき
「いろんな柄がありますけど、好きなやつを選ぶといいと思います。やってみてから、どれがいいかわかるものですし」
語り手
「そうか……じゃぁ、俺はこいつにするか」
言って、キラキラした一枚を手にとる。
いね
「これがいい!」
と、ばけものウォッチの『トリオンナ』を。親近感覚えてしまった。
ななくさ
「……これでござろうか?」テレビで見たような気がする、猫の絵が描いてあるものを手に取ります。
いね
「あっ、なんかみきくんみたいでかっこいい」
と『カミキリ』の絵をみきくんに。
語り手
両手が糸切り鋏になっているオバケの絵が描かれていますな。
みき
「えっ、かっこいいですか? ……かっこいい、か。ふふ、ありがとうございます」
その『カミキリ』が描かれためんこを手に取る。
ななくさ
「おお、本当でござる! やっぱりかっこいいでござるな……」
いね
『ばけものウォッチ』のカミキリは、「髪を切りにいかないとなぁ」と言いながらも放置している人の頭髪を勝手にカットし、
いつの間にかヘアスタイルをかっこよくしてしまう恐ろしいカリスマ美容師妖怪なのだ!
みき
キャーカッコイー!
ななくさ
かっこいい!!!
いね
たぶんななくさには『シッペイタロー』、ユニティくんには『あだむすきー』のカードとか押し付けてる。
語り手
そんなこんなで、みき先生のめんこ教室、ベーゴマ教室が始まる感じかな。
みき
ですな。
いねちゃんななくさくんにはじっくり最初から、ユニティくんには簡潔に。ややこしい話はまだしないよ。
いね
相手に合わせた的確な説明だ!
ななくさ
本当だ!
語り手
だんだんと遊び方やコツのようなものがわかってきて、おたがいに勝ったり負けたりしながら、みんなで遊ぶ。
いね
ユニティ君はあっという間に効率よく相手をひっくり返すすべを身に付けていそうだw
ななくさ
器用そうだもの……。
いね
そして彼が大人になったある日、板状の宇宙人をこらしめる時にその技術が役に立ち、それによりひとつの星が守られたらしい(嘘)
語り手
相手のバリアに自分のバリアたたきつけてひっくり返すのか。
いね
攻撃的バリアの使い手になるのかw
五歳児の力と理解力ではまだちょっと勝てないので、とりあえず相手にぶつけたら喜んでいるいねである。

語り手
それからしばらくすると、やにわに賑やかな声と駆け足の足音が聞こえてきました。
ななくさ
他の子供たちも来たのかな?
いね
ヒトのヒナだぁ。
語り手
「あー、ノドかわいたー!」
「俺、今日は炭酸系にすっかなー」
「昨日おこづかいもらったからさ、今日はトリメン食っちゃおうかな!」
なんて声と共に、こどもたちの一団がやってきました。
みき
めんこで遊びながら、こんにちはー、なんて手を振りましょう。>こどもたち
語り手
普段あまり見かけないみんなの姿に気付くと、ほんのちょっと戸惑ったような顔をした子供たちも、みきに元気よく声をかけられると、
「こんにちは!」
「こんちゃーす」
なんてあいさつを返し、なんとなくみんなの方をちらちらと見ながら、子供たちは店の中に入ってゆきます。
いね
「こんにちはー」
ななくさ
「こんにちはでござる!」
語り手
「誰? どこの学校?」
「知らねー」
「誰かの妹?」
とかいう声も聞こえてきます。
もちろん、あいさつされるとちゃんとあいさつが返ってきます。
やがて店内からは
「岩じい、俺ヴァンタ!」
「俺、レタス太郎!」
なんて声も聞こえてきて、それに岩じいがつまらなそうに答えているのが聞こえます。
みき
知らない顔だけどいつのまにか平和に紛れている、そんな物の怪でありたい。
いね
ありたい。
ななくさ
ありたい。
いね
おかし食べたい。
語り手
そしてみんながまためんこ遊びをしていると、その輪の後ろからにぎやかな声がかけられることでしょう。
「すげぇ、それ【ばけものキラ】じゃん!」
「本当だ、【事故猫】もあるぜ!」
なんて。
さっきまでのなんとなくよそよそしい雰囲気はどこへやら、いつの間にか店の外にお菓子や飲み物を大量に抱えた子供たちは、みんなが遊ぶめんこ台の中に散らばるめんこに視線が釘付けです。
みき
めんこの遊び方は知っていても、ばけものウォッチのレア度についての知識は…… あるんだろうか? <みき
語り手
さすがに具体的なレア度まではわからないかもw
でも、キラキラしたものの価値が高い、くらいは知っているかもしれませんね。
しかし判定全然はさまないGMだな、俺
(白目
みき
ではちょっと目を白黒させたのち、ああ、と思いあたって、めんこには珍しいものを集めるような遊び方もあるんだという話をみんなにします。
語り手
「そう、なのか……。コレクションアイテム、なるほどな」
みき
そして、やってきた子供たちには「いっしょに遊びますか?」 って誘ってみましょう。
ななくさ
「遊びたいでござるよ!」
いね
「あそぼー!!」
語り手
「いいぜ! 俺の第六天魔王の力、見せてやる!」
ポッケからみんなのめんこよりも一回り大きいなめんこを取り出すと、鼻息も荒く土俵の前に出てくる子供。
「うおー、またカッチンのノブナガかよ、ロウ塗ったりしてメチャ強化されてっから、強いんだぜおまえら!」
「いいなー、俺も岩じいにめんこ強化のしかた教えてもらおう!」
なんて周りの子供たちも興奮したり。
いね
「つよいの?」
なんか怖そうな人が描かれてるめんこが出てきたなぁ。とか思っている。
ななくさ
「色々な方法で強くできるのでござるなぁ!」めんこってすごいや! って思ってる。
みき
「すごい! 強いんですね! よおし、やりますよ!」 腕まくりして『カミキリ』を取り出す。
一緒に遊んでくれる! うれしい! と顔に書いてある。
はしゃぎ方がちょっとわざとらしいのは愛嬌である。
語り手
そして掛け声一閃、ぱしーんという快音が空に響くのでした。

【♪風の生まれる場所】
語り手
それから何戦もの激闘が終わる頃。
どこからか【ゆうやけこやけ】のメロディが聞こえてきました。
いね
「あっ、暗くなってきたの。帰らないとなの」
ななくさ
「……もう、帰る時間でござるか……」
「奥……いや、お母さんが心配するでござる」
みき
案外白熱してしまっていたりして、わざとらしかったはしゃぎ方はすっかり素になり。
ゆうやけこやけのメロディにも、なんだか気が付かなかったりする。
いね
みきくんがなんか『こどもみたいだなぁ』と思って、『あれっ、みきくんってこどもじゃなかったんだっけ??』と混乱している。
語り手
「やべぇ、チャイムだ!」
子供らの一人も慌てた声を上げます。
ななくさ
みきくんの肩をぽんっっと叩きましょう。現実に戻すようで気が引けるけれども。
みき
「はわっ!?」
本気で驚いた顔。
いね
そんな二人を見て、いつもと逆だなぁ、としげしげ。
ななくさ
「そろそろ、暗くなってくるでござるよ」
みき
「え、あ。もうそんな時間だったんですね」
「今日は、ありがとう」 と、一緒に遊んでいた子供たちにぺこりと会釈。
いね
「明日も遊ぼうねー!!」
と、みんなに手を振ります。
ななくさ
「楽しかったでござる!」嬉しそうな笑顔で。
みき
「あっ、そうだ、明日も遊びましょう! たの、楽しかったです!」 ちょっと顔を赤くして、一緒に対戦していてくれた子にぶんぶんと手を振る。
語り手
「おぅ、またバトろうぜ!」
「今度、トレードしようぜ! 俺、キラのダブりとかあるからよ!」
額に汗を浮かべた子供たちの顔も晴れやかです。
「……さっさと帰れ」
そしてそんなみんなの後ろに、また岩じい。
いね
明るくて安全なうちに家に戻って美味い飯を食え(意訳)
語り手
「遊んでばかりいないで、勉強もせんと、まったく」
ぶつぶつと岩じい。
ななくさ
「では、また明日でござるな!」
みき
「はい!」
語り手
「また明日な!」
「ほなさいならー」
TVの芸人のまねをしておどける子供たち。
いね
「ばいばーい」
「ほなさいならー」
意味も分からないけどまねっこ。
みき
「さようならー!」
ななくさ
「さようなら!」

語り手
風の渡る町が夕焼けの茜色に染まる中、みんなと子供たちは判れて帰り道をたどります。
いね
「ゆにてーくんゆにてーくん、明日は何して遊ぶ?」
何のために遊んでたかなんてとうぜん覚えてないよ!
語り手
「……え? あ、ああ……遊ぶ、か。そうだな、うーん」
手の中でキラキラと夕日を反射するめんこをぼんやりとみていたユニティは、その声に慌てて考え始めます。
「めんこは……その、悪くなかったな」
「もう一回やってみてもいい」
ななくさ
「明日もめんこでござるな!」
いね
「ベーゴマもやるぅ!」
今日は回せなくてひたすらぶん投げていました。
みき
「めんこで遊んだあとは、紙飛行機とか、かけっこなんかもいいですね」
模型飛行機? 資金不足である。
さきほどの興奮が少し落ち着いて、ちょっといつものみきに戻ってきたものの、まだ目がきらきらしている。
ななくさ
「かけっこ! かけっこ好きでござる!」犬だもの!
いね
「飛ぶのなら負けないけど、かけっこはダメなの……」
語り手
「色々あるんだな……」
戸惑ったような表情のユニティ。
でもそんな彼の瞳も、みんなと同じく額の汗や手の中のめんこのように、少しきらきらしていました。
では、最後の最後に、まるでとってつけたかのようにこども3で判定をどうぞ
いね
素で4あるぜ!
語り手
タカイ!
ななくさ
たかい!
いね
それ以外が壊滅的なんだけどね!
語り手
じゃぁいねはすぐにわかります。
みき
少ないけどここは成功したいぜ! 想いを2消費してこどもを1 → 3に。
想い31 → 29。
語り手
あ、じゃぁみきくんも気づきます!
ななくさ
あ、じゃあ私も成功したい!
想いを1消費してこどもを3にします!
語り手
そんなユニティの腰のあたりが、ぼんやりと光っていることに。
じゃぁ、みんなして夕焼けの中、それに負けないように穏やかに光るそれに気づきました。
みき
「あ、」 気づいたものの、一瞬言いよどむ。
あれが全部集まったら、彼は──
いね
「きらきらしてる! きらきら!!」
「ええと、あれ、ゆにてーくんの、あれが!」
ななくさ
「ほんとでござる!」
みき
そんな風によどんでいる間に、いねちゃんがさくっと口に出した。
いね
躊躇いなく口にするいねは、それが何を意味するのかよくわかっていない。
よくわかんないけど集まったらゆにてーくんが喜ぶものだったと思う。だから嬉しい。
みき
みきは先ほどのめんこ勝負で一時的に童心が、あっぷ! していたものの、【おとな】 も高いのでいらん気が回ってしまうのです。
語り手
こどもとおとなの狭間で揺れるみきくんとうとい
語り手
「え? あ!」
言われて、慌ててそれを手に取り、中身を確かめるユニティ。
果たしてその中には、昨日のものに加えてさらに一つ、輝きを取り戻した筒があったのです。
ななくさ
おぉ!
語り手
「また、一本……。なんで急に……」
戸惑いながらも、ユニティは少しほっとしたような顔。
いね
「やったー、良かったね!」
みき
「やっぱり、昨日や今日に遊んだ中に、なにかがあったんですね」 口にするその声は、少し寂しそうにも聞こえる。
ななくさ
「……うーん、わからんでござるなぁ」
語り手
「そういうこと、なのか? ……ん、みき、どうかしたか?」
みき
「えっ?」 不思議そうにユニティの顔を見返す。
※半分無自覚らしい。
語り手
「いや、なんか……疲労か? 元気が無いぞ」
ななくさ
「おや? みき殿大丈夫でござるか?」
心配そうに、おでこに手を当てますね。
みき
ちょっとくすぐったそうにしている。
「そう…… ですか? いっぱい遊んだから、疲れたのかもしれませんね」
いね
「つかれちゃった?」
ななくさ
「お疲れでござるか……日の光を浴びるとつかれるでござるな」
語り手
「そういえば、俺もなんか体がだるいな。物理的な身体はやっぱり不便なもんなんだな」
とりあえず彼はそれで納得したようです。
いね
「帰ってねようよー」
眠そうに眼をゴシゴシしています。
ななくさ
「寝るでござる。健康な体は睡眠からでござる」
みき
「そうですね、また明日遊びましょう」
ななくさ
「遊ぶでござるよ! また明日!」
【♪STOP】
ななくさ
二人にてを振ります。
語り手
「ああ、そうだな、また明日」
少しずつ、みんなのお話は進んで行きます。
それがどのように閉じるのかは関係なく。
なんとなく、胸のなかにまで吹き込んでくるような風を感じながら、風波市のゆうやけこやけは過ぎ、一日は終わってゆくのでした。
おちまい

ゆうやけこやけ

第一~二話『龍の眠る滝』『ともだち』
第三話『ふしぎなともだち』
第四~六話『ふたりのかげ』『たそがれのまど』『とびらをひらいて』
第七話 『さくら咲く頃』
第八話 『ふたりの娘』
第九話『みあげればそこに』
第十話『旅するゆうこや』 1 2 3 4 5 6
番外 こどもとTRPG 準備 『まいご』 『たからもの』 『化けニャン』

これは『インコグ・ラボ』が権利を有する『ふしぎもののけRPGゆうやけこやけ』の二次創作物です。