語り手
前回のゆうこやー
おほしさまを探しに廃校を訪れたみんなは、校舎の中に見え隠れする怪しい気配に少し腰が引けながらも、破れていた昇降口から中へもぐりこんだのでした。
先客のものとおぼしき足跡は校舎の中へと続いているのでした。

【♪黎明】
語り手
みんなは時が止まってしまったかのような、ひとが作り出した石室の中にいます。
みきくん情報では、ここは昇降口と言うらしい。
砂埃いろの足跡は、校舎の中へと続いている―――。
みき
「みんなここから、校舎のなかに入るんです」
ななくさ
恐る恐る、昇降口に踏み入れてみます。
みき
ななくささんの後ろについて入ります。
いね
「おほしさまあるかなぁ?」
みきくんとななくさくんについていきます。
みき
「上から落ちてきたんだから、上のほうにあるんでしょうか?」
ななくさ
「上にあるかもしれないでござるな。行ってみるでござるよ
いね
「静かだねぇ」
みき
というわけで、階段を探そうと思います。
語り手
昇降口の正面には、ちょうど昇り階段がある。
みき
足跡はどちらに向かっていますか?
語り手
足跡は、一階の奥へ向かう足跡と、逆にこちらへと歩いてきた足跡の二種類がこの場から確認できます。
向かう方は濃く、戻ってくる方はだいぶん薄くなっています。
みき
それらは同じ靴のようですか?
語り手
行くものも戻ってきているものも、同じ模様に見えます。
いね
砂のついた靴を履いた人が、中に入って、出て行った形跡がある、ということかな。
語り手
なので、みんなの足跡も、新しい足跡として残りつつある
みき
それっぽいですな。
語り手
ちなみに、出て行ったかどうかは足跡からは不明。
戻ってきている足跡は、この昇降口前まで戻ってきた時点でかなり薄くなり、やがて消えてしまっているからです。
※念のための確認だけど、靴は履いてゆく?
ななくさ
靴は履いていきます。足けがしたら散歩できない!
みき
砂埃がすごいようなので、履いていきます。靴底に砂や泥がついていれば、払ってから入ります。
語り手
ああ、
【砂埃の上についた足跡】ではなく、【靴に付着した砂埃が落ちることで残った足跡】なので、校舎内に砂埃の堆積はほとんどありません、
砂埃は昇降口の扉の前に吹き溜まっていたものです。
みき
あ、そうなのか。
ななくさ
ふむ……。
みき
では、靴を脱いでいきます。余計な足跡をこさえても困るので。
ななくさ
みきくんが脱ぐんだったら脱ごうかな……。
いね
んじゃ私も靴ぬいで、それ持ってちょこちょこと歩いてゆこう。
みき
「あぶないかもしれませんけど、靴、脱いでいきますね。ぼくらの足跡がついちゃうから」 と、お二人に理由を言っておきましょうか。
いね
「はだしの方が歩きやすいし、石ころとかなさそうだもんね」
みき
「そうですね」
ななくさ
「そうでござるな。安心安全でござる」
いね
「とうめいなやつ割れたりしてないかな」
「あれね、痛いの。割れてなくても痛いけど」
前に窓にぶつかったことがあるの……嘴すっごく痛いの。
みき
割れたりしてないかな、に頷いて。
「足元に気をつけましょうか。窓のそばに寄るときには、とくに注意してください」
ななくさ
「わかったでござる」窓の外に近づかなければ何にも問題はないな!
語り手
半分変身だと、足は鳥足だったり肉球ついてたりするのかな
いね
カッチャカッチャと
語り手
ちなみに見える範囲で、窓が割れたりしている様子はありません。
みき
案外朽ちてないのね。
語り手
ですな、コンクリート造ですし、ほんの10年ほどなので。
みき
もっと廃墟メントしている感じのものを想像していた。>表
ななくさ
案外新しい建物だった。
語り手
郊外の木造校舎ではなく、ニュータウン造成されたころのものなので、そこまで古くはないのですね。
いね
ちょっと眠っていただけなのですね。

みき
「……足跡、むこうへ行ってますね。階段じゃなくて、あっちに星があるのかな」
足跡の向かうほうを指さして。
ななくさ
「向こうへ向かってみるでござるよ」
いね
「たんさくたんさくー」
語り手
指の向かう先は、薄暗く寒々しいリノリウム張りの廊下が続いている。
ななくさ
「……! この空間は……!?」廊下を見ながら、思わず走りたくなる。
みき
「え、わっ? なにかあったんですか?」
いね
廊下に、走ることもが人とぶつかる絵が貼ってある。
ななくさ
「この広い空間は素敵でござる! どこまでも走れるでござる!」足跡を追いながら。
「散歩道もこんな感じであってほしいと思うで候!」
みき
ああ…… と納得。
いね
ぶつかって遊ぶための空間なのかなぁ、とポスターを見て思いつつてってけ走るよ。
語り手
一番手前にある教室の上に掛けられたプレートには、【理科室】とあるのがみきにはわかるだろう。
左手には、先に触れた階段。
みき
理科室のプレートを目にとめつつ、そのまま足跡を追います。
ななくさ
なにも考えずぴゅーと漢字の羅列を通り過ぎていく。
いね
「どこ見てもおなじにみえるねー」
語り手
足跡は更にその先へと続いている
更にいくつかの教室【理科準備室】【職員室】などの前を通り抜ける。
扉に備えられた小窓の中からは、人体模型とか骨格標本とか、いかにもなものが見えたり。
いね
よくホラーやなんかで廃校にいろいろ実験道具とか人体模型とか残ってる描写があるけど、よほどの事情でもない限り回収されるよね? と思ってしまうw
語り手
公立ならほっとかれそう
みき
どうなんでしょうね? 人体模型は高価そうだから持ち出すかもしれませんが、小物は置いてかれそう。
いね
人体模型は100万単位するからなぁ。
ななくさ
ひぇ……(高い)
語り手
私立だと明確な資産だから回収されそうだけど、公立って廃校になっても学校自体の登録解除は後回しにされてそうで、備品も釣られて一緒に放置されていそうな

語り手
やがて足跡は、一つのドアの前で止まり、その中へ消えている。
そのドアはこれまでの木製の引き戸ではなく、重厚な金属製のものだ。
みき
プレートには何と書かれていますか? >ドア
語り手
掛けられたプレートは【放送室】
ちなみに足跡はそれまでの教室にも出たり入ったりはしている
正確には、足跡は放送室に入ったあと、また出てきて、ここから折り返して昇降口に戻ったようだ
みき
「放送室」 思わずそのまま口に出す。
ななくさ
放送室。
いね
「ほーそーしつ?」
ななくさ
「およ? ここで止まってる」
いね
「たんけんのもくてきちだ!」
「ほーそーしつさんの巣……じゃなかった、家?」
みき
「放送室。学校の…… みんなに教えたいことをしゃべったりする部屋です」
「ここから喋ると、学校中に届くんですよ」 そう語る口調は、少し楽しそうだ。
いね
「ふぅん?」
(そんなのみんなにちょっと話すだけで森中に届くけどなぁ)と思う【おしゃべり】。
ななくさ
「たのしそうでござるな……」ほわわーんと空想する。
いね
「ここの扉すっごく重そうだね」
ななくさ
「なんでこんなに重そうなんでござるか?」
いね
「あまのいわとってやつ。きっとそう」
みき
なんだか違うような……? と思いつつ訂正はしない。
ななくさ
「あまてらすでござるな! もののけの箱で予習はばっちりでござる」
みき
扉に手をかけて、開けようと試みます。ちょっとガリガリいうかもしれないけどきにしない。
いね
じゃあ手伝う。あんまり役に立たないけど。
「ドアってー、カラスは入れないけど、開けるの、たいへんだね……」
巣についてればいいのにな、とちょっと思ったけど思い直した。
ななくさ
手伝います。
語り手
取っ手に手を掛けて下に力をいれると、一瞬の抵抗の後、がこん、と音を立てて押し下げられた。
同時に、ぼふ、という空気が流れる音と共にドアが内側へ少し開いた。
みんなは知らないかも知れないが、放送室という設備に求められる気密性はまだ無事のようだ。
みき
さすがに気密性のことまでは知らなさそうだなぁ。
ななくさ
気密性? なにそれ? って感じですね。
おや? とドアのほうを見る。人が出てくる気配とかないかな?
語り手
特に誰が出てくるということは無い。
気密保持のために、ばねの力で内側へ少しドアが引っ張られていただけのようだ。
もちろんみんながそれを知らないかもしれないけれど。
隙間からのぞく部屋の中は暗い。
みき
「…… だれもいませんね?」 はて、誰かが押さえていた気がしたのに。と不思議そうに首をかしげる。
ななくさ
そっといねちゃんの手を取りましょう。たぶん【とりめ】でしょうし。
いね
何も見えない……
みき
ななくささんジェントルゥ!
いね
「ありがとー」
にぱっとななくさくんに笑いかけます。
ななくさ
お兄さんぶりたいお年頃!
ななくさ
「どういたしましてでござる」
可愛いけど見えない……!
みき
「誰か、だれかいますか?」 小さく声をかけてみましょう。>中
語り手
返答は無い。
いね
「誰もいないのかな?」
語り手
半開きのドア。
押し開くなら、そのいかにも重たそうなドアは意外なほど簡単に開けることができる。
いね
「みきくん、何か見える?」
みき
「いえ、暗くて……」 もっと大きくドアをあけてみましょう。
ななくさ
おぉー! さっすが!
そわそわとドアの開くところを見ている。
「なにか見えたでござるか?」
語り手
ドアは自重でするすると勝手に開き、やがて開ききったところで壁に当たって少し跳ね返った。
静かな静かな建物の中に、どん、という重い音が響いた。
みき
「わっ」 反動でしりもちついた。
ななくさ
「!? 大丈夫でござるか?」といねちゃんと手をつないでないほうの手を伸ばしましょう。
みき
「あっ、ありがとう、ございます」 手を取ろうとして、はっと気づいて手を引っ込める。
そのまま自分で起き上がります。
語り手
中を覗き込むと、やはりたいそう暗く、しかしその部屋の奥に縦に細長い光が見えた。
みきならば、それが窓に掛けられた分厚いカーテンの隙間から漏れる外光であると気付くことができるでしょう。
特にだれかれかの気配などは無いように見えます。
みき
ではカーテンを開けてみる。
語り手
奥へと進み、カーテンを引き開けると、かすかなほこりが浮き上がり、差し込んできた陽光の形に舞う。
冬のこの時期、傾きの早い陽光はすでに茜色になりつつあった。
いね
「見えるようになった!」

ななくさ
(語り手に夢って投げてよかったですっけ?)
語り手
OKですぞ
語り手も夢消費して、NPCのつながり上げるからね
ななくさ
埃の描写に謎の感動を覚えたのがこちらのPLです。
GMに夢を渡しときます、
いね
埃に渡される夢。
一応NPCごとの管理だから、この夢は自由ポイントってことでいいのだろうかw
語り手
ああ、そうかw
じゃぁ自由ポインツとしていただいておくw

ななくさ
「そろそろ帰らないと……」若干の焦りを感じ始めます。
ほぼチョーカーと化している首輪をちゃらちゃら指で弄びますね。
いね
「もう帰らないと、帰れなくなっちゃう……」
語り手
照らされた室内には、いくつもの四角い箱―――機械がつまったラックが点在し、その足元には白い布がいくつもわだかまっていた。
これまでにいくつかの教室を覗き込んできたみんななら、それが保管のために設備に掛けられた白い布であることがわかるでしょう。
みき
室内に足跡はありますか?
語り手
足跡は、何者かが部屋の中を縦横に動き回っていたことをうかがわせます。
みき
特にどこかに集中しているとか、どれかの設備に近寄っているとかいうことはありますか?
語り手
部屋の中の様々な機械に対して、なにがしかの操作を行っていたものと推測はできるでしょう。
いね
通電してるのかな?
語り手
真っ先にマイクの取り付けられた操作盤に向かい、それから様々なボタン、レバーなどを触ったりしたり、電源を確かめようとしていたのだろうことが、みきには判ります。
生きている機械特有の、各部に灯る光などは見えません。
おそらく、電気は通っていないのでしょう。
みき
では、その操作盤に向かって、スイッチらしきものがあればさわってみましょう。
「放送、しようとしてたのかな。だれも、いないのに」
語り手
触ってみても、機械はだんまりのままです。
様々なところに、ほんのかすかに積もったほこりがぬぐわれたようなあとがあります。
おそらく、その誰かさんが触れた指のあとでしょう。
指のあと、はずされた布、足跡。
これまでに一番にぎやかな痕跡がそこにありましたが、それ以上のものはこの部屋には無さそうです。
ななくさ
「……なんで放送しようとしたのでござろうな……?」
いね
「誰に何を言いたかったのかなぁ」
「ほかの部屋にも入ってたよね? 何か見たいものでもあったのかな?」
みき
「ぼくらみたいに、何かを探してたのかもしれません」
ななくさ
「それかもしれないでござるな……」あるいは放送室が目的の場所かもしれない。
みき
「……戻りましょうか。帰りに、ほかの部屋にも寄ってみましょう」
いね
「うん、でも……はやく帰りたいなぁ」
ななくさ
「あっしもでござる……」
みき
「そうか、もう、暗くなりますもんね」 よいこはかえるじかんが近い。
語り手
※きみたちにとって無意味な価値観かもしれないけれど、一応現在は15時過ぎたくらいということで。
昇降口へと戻る。
その途中、先刻は素通りした部屋の中ものぞいてみたが、特に大きな痕跡は無かった。
職員室の中、打ち捨てられたいくつかの書面が手にとられたような痕跡があったくらいだ。
ただ一点、理科準備室にあった人体模型と骨格標本だけは白い布が取り外され、近寄ってみるならば一部が少しだけ壊れていることに気付くことができたでしょう。
みき
「お星さま、見つかりませんでしたね」 少し肩を落として。
いね
「夜になったら光るかもしれないね。おほしさま」
ななくさ
「残念だったでござるな」
みき
「ええ……」
「……あの……、」
ななくさ
「ん?」
みき
「あした、また来てみませんか? 今度こそ、上のほうを、さがしてみたいんです」
ななくさ
「大丈夫でござるよ! 上も探索するでござる」
いね
「うえ?」
なんか嫌なことがあったような気がしたけど、うーん、忘れた。
ななくさ
「……ホラーは怖いけど」
いね
「じゃあ続きは明日だね」
みき
「……ありがとうございます!」 ぱっと顔を明るくする。
ななくさ
「そうでござるな!」
みき
「こんどは、ぼくが前に立ちますよ。だれも、いないみたいですし」
いね
「おなかすいたなぁ……」
みきくんの後をふらふらーっとついていきます。
語り手
昇降口から外へと出る。
みき
先頭に立って校内から退却ー。
ななくさ
エスケープトゥスクール!
語り手
校庭は沈む夕日が落とす校舎の大きな影に飲まれ、すっかり薄暗くなっていた。
いね
「みえないよぅ」
ななくさくんの手をぎゅーっと握ってます。
ななくさ
「ほら、こっちでござるよ」手を取って町のほうに向かいます。
みき
ななくささんが先程からすごくジェントル!
いね
完全に人間に変身したら鳥目じゃなくなるのかなぁ。
いね
さかんにおっとっとおっとっとしつつ歩いてゆきます。
語り手
短い時間で去ってしまう、久方ぶりに訪れた来客の背中に落ち込んでいるかのように影を落としている校舎を後に、みんなはそれぞれのねぐらへと帰ってゆきました。

【♪桜吹雪】
ななくさ
シーン登場してななくさ のふしぎを+4しました。
シーン登場してななくさ の想いを+4しました。
語り手
薄暗い街の街灯にぽつぽつと灯りが灯り始めるころ、ななくさはようやく家へと帰り着きました。
いね
森で二人と別れて巣に戻るかな?
みき
気にはなるけど、急ぐ必要があるでなし、今日はそのまま帰宅かな。
語り手
特に同行したり行動を起こすのでなければ、みきといねはそのままご帰宅ですな
※ななくさの家は、アレか、やはりドアにわんこ専用ドアがついてるのかな
それとも、中から開けてもらうのだろうか
ななくさ
犬に戻って、しれっとおうちに帰ろうとします。
外に犬小屋でもあるんじゃないですかね? あるいは中から開けてもらう家だと思います。
語り手
では、庭に置かれた犬小屋へと帰りついた。
窓からは暖かな明かりが漏れており、その中には人の気配。
いつもはきみが帰宅すれば、おかえりなさいと老婦人が声をかけてくれるが、今日はお出迎えが無い。
ななくさ
尻尾をぶんぶん振って人の気配を迎えます。
「わふっ」
語り手
窓に近づくのなら、きみが一番大好きな二人の姿が中に見えるでしょう。
ななくさ
きゅーん、きゅーんと外から鳴いてみます。
語り手
その声に、しかし二人は振り返りません。
ななくさ
かりかり、と窓をたたいて、それでもだめだったらちょっと悲しみますね。
語り手
老人は難しい顔で、大きなかばんにいくつもの洋服や小物を押し込んでおり、婦人もそれを少し不安げに見ています。
みき
んん、不穏of不穏。
いね
「りこんのききってやつなの。たぶんそう」
語り手
やがて荷造りが終わったのでしょうか、老人はかばんを手に取り、玄関のほうへと向かいます。
婦人もそれに続きます。
ななくさ
「(どうしたんでござろう……あっしは置いて行かれるのでござるか……?)」
二人についていきます。
語り手
ななくさが玄関の前に回りこんでしばらく待っていると、やがてドアが開き、老人が出てきます。
「それじゃぁ、留守を頼むよ。3、4日ほどで戻るからね」
ななくさ
くぅーん……と一鳴き。
せめて、せめてかりかりだけでも補充していってくださいよぉ!
いね
「ぷちいえでってやつだったの。たぶんそう」
語り手
婦人を振り返り、そう告げた老人はそこでようやくななくさに気付き、険しかった顔をいくらか和らげます。
ななくさ
よかった……あっし役にたってるでござる……(錯覚)
語り手
「おや 七草、ようやくお散歩からお帰りかい? すまないが私が留守の間、家内と家のことをよろしく頼むぞ」
ななくさ
「わふっ!」
肯定。
語り手
そう言って、ななくさの顔のおにくと毛皮をもふもふともみしだきます。
ななくさ
あぁ……幸せでござるぅ……。

いね
「ちゅうけんいちたりない」
なんか私はテキトーなことを言うキャラばっかりやっている気がするぞ。
みき
テキトーなことばっかり言うの楽しいからしょうがない。(テキトーなことばっかり言うルークより)
いね
デスヨネ!
ななくさ
わかる。エアコンは素晴らしい(雪花)
いね
デスヨネ!!

語り手
「こんな時間から急なお呼び出しだなんて……。慌しいですねぇ」
サンダルをつっかけた婦人が、そんな老人の背中に声をかけます。
「なに、こんなロートルを呼び出すくらいだ、どうせ大した用事ではなかろうさ。不肖の弟子たちが、老師に久方ぶりに尻の一つも叩いてもらろう、とでもいうのだろうさ」
ななくさ
そういえばご主人様ってどんな仕事をしてるんですか?
いね
何の先生なんだろうなぁ。
語り手
ななくさは詳しいことはわからないでしょうが、かつては大きな学校の先生として【てんもんがく】とかいうお星様のことやらを教えていた、らしいです。
落ち着かない様子の婦人に、安心させるかのようにそう言い、老人は立ち上がりました。
ちょうどそのとき、家の前に自動車が一台止まりました。
ななくさ
見知らぬ車を警戒して吠えますね。ここはあっしのテリトリーだ。
語り手
それが【タクシー】という自動車であることを、たまにそれに乗せられて動物病院にお注射されに行っていたななくさは思い出します。
ななくさ
恐怖を思い出して家の中に引きこもろうとする。あっしを止めないでくれ。
「(予防接種は嫌でござる)」
語り手
「それでは、行ってくるよ」
最後に短く告げて、老人がその自動車に乗り込むと、しっぽを丸めたななくさと婦人を残して自動車は走り去りました。
ななくさ
恐怖の乗り物を見送ります。
語り手
婦人もしばらくそれを見送っていましたが、やがて一つ小さく息をつくと、家の中に戻―――ろうとして、不意に思いついたようにななくさを振り返り
「……ななくさちゃん、お母さん今日はちょっとさびしいから、一緒に寝てくれる?」
と苦笑気味につぶやき、家の中へと招きます。
ななくさ
「……わふっ!」一緒に寝ようね!
おふとんあったかいでござる。すごいでござる。
語り手
そしてその夜、ななくさは久しぶりにあたたかく柔らかなおふとんで眠りに付いたのでした。
ななくさ
ふかふかでござる! ふわふわでござる! あたたかいでござる!!!

【♪蛍火の里】
語り手
さて、翌日。
いつもの時間、いつもの場所(公園)。
みんなはここに再び集まった(……ってことでいいのかな?)
9時くらいだっけか。
みき
こちらはそれで問題ありまセーン。
いね
ふー、おなかいっぱーい。
シーン登場。いね の想いを+4し、(想い:2->6)になった。
シーン登場。いね のふしぎを+4し、(ふしぎ:7->11)になった。
みき
シーン登場:みき のふしぎを+4した
シーン登場:みき の想いを+4した
語り手
というか、そうだね、特に何か用事が無ければいきなり学校の前でも良いね。
公園で集まって、もうここまでやって来ました、って感じでも。
いね
ではまたいい加減変身で4消費。
足が逆に曲がってる? 気にしなーい。
ななくさ
こちらもふわっとした変身でふしぎ4点消費。
みき
またも半分変身状態で登場します。ふしぎ2点、想い2点を消費。
いね
「今日もたんけんなの!」
ななくさ
「探検でござる!」
語り手
朝日に照らされる校舎は、昨日よりはいくらか不気味さが和らいでいるように見える。
みき
「おはようございます」
語り手
さて、今日はどういう風にアプローチしようか。
ななくさ
「どこを見て回るでござるか?」
いね
二階かな?
正直、四角い影が見えたんだから星は外に落ちた気はするけど。
みき
声出してコーゼ。>いねちゃん
いね
わかったよ!
「えっとねー、なんか思い出したんだけどね?」
みき
「上に上がってみましょう。上のほうに落ちて…… 思い出した?」
いね
「おほしさま落ちたとき、四角いのどーんって見えたのね?」
「でも壊れてないんだよね?」
「中にどーんしたんなら、もっと壊れててもいいと思うんだよね?」
「昨日ガラスとかわれてなかったよね???」
みき
「もしかして、外に落ちた?」
いね
「うーん? そうかも」
みき
「じゃあ、昨日のはむだあしだったんですね……」
いね
「ごめんね」
みき
「いえ、こちらこそ」
ななくさ
「無駄足ってことが分かっただけでも良かったでござるな! 成果が得られたでござる!」
みき
「そうですね!」 と、笑ってみせます。>ななくささん
ななくさ
みきくん大人だなぁ……。
いね
「じゃあ、えっと……こっちかなぁ?」
校舎の、自分の巣と逆の方を指さす。
語り手
そちらは、小高い山になっています。
みきや、てれぴんを知っているななくさは気付いてもOKですが、例えば特になぎ倒された木々であるとか、穴であるとかのすぐにわかるような痕跡は見えません。
ななくさ
痕跡がないよ!
みき
「星が落ちたー、って感じのあとはないですね……」
いね
「そっかぁ……」

いね
【みつけた】使えるかなぁ?
残念、1足りない。
ななくさ
ですね……。
語り手
惜しい
あー
救済措置っぽくなるけど、さっきもいくつか幕間を挟んだので、夢でつながり伸ばしたりしておけば、このシーンの登場のとこで想い増やせないかな? w
いね
幕間処理全然してなかったからね。
ななくさ
SOREDA
みき
そういえば全然してなかったな幕間処理。
いね
それじゃ、お二人に2ずつのばして3にしようか。20消費。
みき
こちらからもやっていいかな? 夢を20消費し、お二人へのつながりを3にします。いねちゃんへのつながりは属性変更しないとな。
いね
私も変更しないとか。
みき
愛情に変更します。そんなに 意味深 なものではないけど。
ななくさ
じゃあ、いねちゃんは3に伸ばしてみきくんは2に伸ばして15消費します。
いね
ななくさくんへの好意を信頼に変更しましょう
みき
幕間処理したぶんの差分を追加しておきます。
シーン登場:みき のふしぎを+4した
シーン登場:みき の想いを+3した
いね
シーン登場。いね のふしぎを+4し、(ふしぎ:9->13)になった。
シーン登場。いね の想いを+2し、(想い:4->6)になった。
ななくさ
シーン登場してななくさ のふしぎを+3しました。
シーン登場してななくさ の想いを+4しました。

いね
では【みつけた】を使います。
語り手
どうぞ。
【さがすもの】を宣言お願いします
いね
むろん、『おほしさま』と言いたいところですが、『何か変わったこと、不自然なこと』とします。
語り手
問題の山については、やはり特に大きな変化は見られませんでした。
逆に、あれだけの大きさのものが落ちたのですから、それが不自然と言えなくもないでしょう。
いね
「なんでだろうね、何もないみたい? おほしさまがおっこちたなら、もっと何かありそうなのに」
語り手
もう一つ、
校庭に足を踏み入れたところから山の方へと目をやると、自然と昨日忍び込んだ昇降口も目に入るのですが、そこに明らかな変化が。
【♪静寂】
語り手
みんなが忍び込んだ昨日の窓ガラスに開いた穴ですが、そこがふさがれています。
いや、昨日の時点で粗末な板一枚でふさがれてはいたのですが、そこが更にいくつもの板で乱雑にふさがれているのが見えます。
内側から。
昨日の時点から明らかに板の枚数が増えていることと、その雑なふさぎ方から、すぐに気付けたのでしょう。
※窓ガラスの穴=昇降口のドアは全面ガラス張りですが、そこに開いた穴、ってことで。
いね
「っと、あれー? あれ、あんなの、昨日あったっけ?」
みんなに分かるように指さして騒ぎます
「あそこあそこ。昨日はいったとこ」
みき
「あれ、塞がれていますね。大人の人が来て、塞いでいったんでしょうか……」
ううん、とすこし困ったような顔をする。
いね
「よるに? なんでだろ」
みき
「ぼくらが入ったのが、ばれたのかもしれません」
ななくさ
「……?」ご主人様のにおいがしないものか。
語り手
では、そこで本日最後に。
けもの4で判定してください。
いね
けものはないよぅ
みき
任せた!
ななくさ
想いを一点足します。
3+1でけもの4で判定します。
語り手
では成功したななくさだけ。
またもななくさだけ。
なんとなくにおいを探して鼻をひくつかせていたななくさは、昨日と同じようにやはり何者かの視線を感じました。
そして、そちらへ目をやれば、窓の向こうかららんらんと光る目が……。
ってところで、今日は閉じましょう。
ななくさ
ひえ……
いね
おじいちゃんだよ大丈夫だよ!

【♪風の生まれる場所】
語り手
お待たせをいたしまし
前回のゆうこや
日没のため、一日目のアタックを諦めた一同。
みき
日が落ちるのは早い。
語り手
日を改めて、再度のアタックのために学校を再訪したところでした。
一方ななくさのご主人のところでは、何やら穏やかではない出来事がおこっていそうで……?
こんなところでした。
語り手
そして2度目のアタックのため学校の前に立つみんなを、またも光る大きな目が見つめているのでした
みき
わんわんお!

語り手
ひとまず、登場処理からお願いします
みき
シーン登場:みき のふしぎを+8した
シーン登場:みき の想いを+7した
ななくさ
シーン登場してななくさのふしぎを+7しました。
ななくさ の想いを+8した
いね
シーン登場。いね の想いを+8し、(想い:6->14)になった。
シーン登場。いね のふしぎを+8し、(ふしぎ:3->11)になった。
みき
現在値が出るのいいなぁ、こっちも追加しよう(ログにのこるし)
ななくさ
私も追加してみます!(ログに残るの大事!)

語り手
さて、
一行の前には今日も廃校舎が。
朝日の中の廃校は、いくぶん不気味さが和らいだように見えます。
みき
窓の向こうのシャイニングアイズについては、ななくささんだけが気づいたんでしたっけか? >語り手
語り手
です。
ななくさくんだけが、光る目を見ました
場所は、ちょうど昨日いねが覗き込んで落下した教室です。
白い首とかがあるとかなんとか。
ななくさ
「ぴゃああああああああ!?」
みき
「うわあああああ!?」 ※声に驚いた
いね
「うぴゃあぁぁぁぁ!?」
みき
「って、どうしたんですか?」
ななくさ
「光ってる目があったでござる」
「あれはなんでござるか……!?」
いね
思い出しちゃった。
みき
「光ってる、目? ねこでしょうか?」
いね
ねこ! それはイカン。
ななくさ
「ねこでござるか……驚愕したでござるよ……」
語り手
※ネコなんかよりよっぽど大きな目に見えました
ななくさ
「……ねこでござる、うん」言い聞かせる。
「……あれはねこ、あれはねこ……」自己暗示。
みき
※ネコバスかも
「……だいじょうぶですか? 帰りますか?」 心配そうにななくさくんの顔を覗き込むよ。
ななくさ
「……帰らない、でござる」
いね
「いやっ、二つお星さまが並んでただけかもしれない!」
「えっと、そんな気がする! きっとそう! そうだといいな!」
ななくさ
「そうでござるな!」希望的観測。
「あれは二つの星……そう、双子の星でござるな……!」
語り手
なんとなく、出鼻をくじかれた三人の間を、冷たい風が吹き抜けてゆく……
みき
「行きましょうか」
いね
「い、いきましょうか」
ななくさ
「いくでござる」
語り手
午前9時くらいでしょうか。
現在位置、校庭
校舎に入るなら、ぱっと見る分には正面にある東西と中央にある昇降口3つ。
うち、西側のものから中に入りました。
まんなかと東側の昇降口は、じょうぶそうなガラスがしっかりとはまっています。
みき
開いてないならば、前回と同じく西側から入ります。
いね
なんとなく静かに歩く。
ななくさ
差し足忍び足で進みます。
語り手
試してみるなら、まんなかと東側の昇降口にはしっかりとカギが掛けられている事がわかります。
ななくさ
ほう。
語り手
西側の昇降口のガラスの穴には、
内側から張られた板が、昨日風で煽られていたのがウソであるかのようにしっかりとふさぎあげています。
でも、内側から貼り付けられているだけなので、例えば蹴っ飛ばしたりしたら、開いちゃうかも……?
みき
「大人の人が来たんでしょうか」 そーっと力を入れて丁重に破ろうと試みます。
いね
「今もいるのかな?」
語り手
端材のような粗末なベニヤの板は、いかにも間に合わせで貼り付けたようなものです。
みき
「もしかしたら、誰かが夜に見回りとかをしてるのかもしれません」
「今は…… いないといいんですけど」
語り手
みきが少しずつ力を加えてゆくと、ぎしぎしと音を立てながら奥へ歪んでゆき―――
ばりん!!!
という音と共に二つに割れてしまいました。
いね
「ピョッ!?」
ななくさ
「わふっ!?」
びっくり!
みき
「あっ」
語り手
穴は開きましたが、くぐる時にささくれに注意しないといけないかも。
みき
「すみません、割れてしまいました」 見つかったら怒られそうだ。こころもち背中を丸めて中へ入ります。
ななくさ
「トゲがささったら痛いでござる」背中を丸めながら気を付けて入る。
いね
「ささったら抜いてあげるよー」
こちらもそろーっと入ります。
ななくさ
「ありがとう、いね殿」

【♪黎明】
語り手
シーンが切り替わります。
昇降口の中は、昨日と同じように冷えて固まった時間が溜まっています。
いね
いね のふしぎを+8(ふしぎ:11->19)
いね の想いを+8(想い:14->22)
みき
シーン登場:みき のふしぎを+8した:(ふしぎ:14->22)
シーン登場:みき の想いを+7した:(想い:15->22)
ななくさ
シーン登場してななくさ のふしぎを+7しました。(ふしぎ:16->23)
シーン登場してななくさ の想いを+8しました。(想い:15->23)
みき
あ、前のシーンで変身のコストを支払っていなかった。支払っておきます。
いね
ああ、そういえば。私も2回分払わないと。
みき
ふしぎから4消費して18 → 14。
いね
変身で4ずつ減少ー
ななくさ
あ、自分もです。
みき
で、今シーンの分、改めてふしぎと想いから2ずつ消費、両方20になります。
ななくさ
変身でふしぎと想い4ずつ減らしますね。
語り手
てことは、みんな完全人間形態?
ななくさ
いえ、尻尾と耳は出してます。
昼ですよね?
みき
2シーン分まとめて払っているから、半分変身ですな。
いね
私も両腕から翼出てます。
語り手
ああ、そうか2シーン分か
失礼

語り手
皆がくぐった足元には、ベニヤの端材のもっと小さい破片や、使い切ったガムテープの芯などがころがっています。
みき
そしてガムテ芯は昨日はなかったものかな?
語り手
ベニヤの破片もガムテも、昨日はありませんでした
いね
「お星さま、おとなのひとが持ってここに入っちゃったのかな?」
みき
「かもしれませんね。それか、こどもが入ってないかと見回りにきたのかも」
いね
とりあえず、二階か放送室かな?
みき
放送室は一度行っていますし、二階かな?
いね
「こここここ こわくなんか ないよ」
ななくさ
いねちゃんの頭をそっとなでる。
いね
ほわー あったかい
みき
中の人は光る目が見えた教室が気になる、みきは上へ上へと昇るかまえ
いね
よいと思います!
語り手
昇降口の正面にある階段は、踊り場にある窓からの光で、照らされています。
いね
ちょっと元気出たので階段を下からのぞき込む。
みき
「お星さま…… どこにもないとしたら、誰かが持っていった」
いね
「そうかも」
ななくさ
「……だれが持って行ったんでござろう?」
みき
「わかりません……」
「今のところ、だれかがいそうなのは、二人が何かを見た教室でしょうか?」
ななくさ
「そこに行ってみるでござる」
いね
「お星さまが目なのかもしれないし、目がお星さまかもしれないけど」
みき
「反対されるかと思いました」 ちょっとびっくりした顔で。
いね
「怖いのやだから、怖くないように見に行くの」
「ここで帰っちゃったら、ずっと怖いまんまなの」
みき
「怖いのやだから…… かっこいいですね、それ」 微笑む。
いね
「こわいゆめみるのやなの」
ななくさ
「そうでござるな、いね殿の意見に賛成でござる」
「あっしも怖いままは嫌でござるよ」
いねちゃん可愛いかよ~!
語り手
階段にも、上がっていった踊り場にも、姿は見えません。
ただ光の中にかすかなホコリが舞っています
階段は折り返して二階に上がってゆくようで、二階までは見えません。
みき
「行ってみましょう」
語り手
では上がってゆく?
みき
光る眼が見えた教室を目指して上がります。
いね
さっきはあんなこと言ったけど、みきくんななくさくんの後ろに隠れていくからねw
みき
かわいいな!
いね
わーい

語り手
二階に上がりきると、そこはいくつもの教室が並ぶ廊下でした。
外から見た感じだと……この階段の正面の教室から数えて、3つ目かな?
手前の教室には
【社会科資料室】
【準備室】
のプレート
ななくさ
「……!」廊下を見て、走り出したくなるのをうずうずしながら探索だ。
みき
3つ目の教室には?
語り手
そして3つめには……
【美術室】
ななくさ
美術室!
みき
目が動く絵画とかありそう。
いね
呪いの石膏像も捨てがたいぞ!
語り手
読むことも、その意味も、みきだけが知ることができるでしょう
みき
プレートを見上げて、なんとなく彫刻刀のことを思い出した。彼らはお仲間だったが喋ってはくれなかった。
いね
「くび……」
思い出しちゃった。
ななくさ
いねちゃんの頭をぽんぽんしようね……。
語り手
それぞれの教室の扉は全て引き戸で、閉まっています。
一階の教室はカギがかかっていなかったけれど、ここはどうだろう
いね
中は見えない?
語り手
扉には、その上部に小さな窓が。
ななくさ
いねちゃんが鳥になると見れますかね?
語り手
教室の廊下側の壁の上にも、窓が並んでいる。
ななくさ
普通に見える感じかな?
語り手
みんなの身長だと高くて見えないかも。
いねならば飛び上がれば覗きこめるかもしれない
いね
腕ぱたぱたさせてちょっと浮いて見よう。
よいしょよいしょ
けものフレンズ的にふわーっと浮ければスマートなんだけどね。
語り手
中には、やはりいくつもの白い首、一階の教室でもあった白い布がかけられた何か、木組みの置物などが見て取れました。
ななくさ
石膏像だ!
いね
「うう、えっとね、白いくびとね、白い布かかったやつとね、なんか木のやつがある」
「すごく顔色悪いよ。まっしろだよ。髪まで真っ白だよ」
「こわいもの見たのかな」
ななくさ
「白い、首……
みき
「白い首。たぶんですけど、つくりものですよ、それ」
語り手
そうだね、みきにはそれが何か想像がつくかもしれない
ななくさ
「えっ!?」
いね
「ピョ?」
みき
「こどもたちが、それを見ながら絵を描いてたんです。だから、絵を描くためのつくりものじゃ、ないでしょうか」
いね
「首の絵をかくの?」
みき
「首じゃなくて、顔の絵を描くんですよ」
ななくさ
「顔の絵……?」
みき
「全身を描くのはたいへんでしょう?」
ななくさ
「『ちちのひ』や『ははのひ』に使う首でござるか?」
いね
「『ちちのひ』と『ははのひ』に首つかうの?」
みき
「お父さんやお母さんの顔を描くのになら、使うかもしれませんね」
語り手
もしかしたら、光る目もちちのひやははのひに使うのだろうか。
ななくさ
「よく子供たちが顔を描いてるでござる。家に飾ってあるでござる」
いね
言われてみれば急にあの怖かった首から一気に生々しさが消えてしまった気がする。
「ふーん……そっかぁ」
みき
だとすると、光る目はなんだろう? と考える。
いね
「じゃあさじゃあさ、白い布がかかってるやつと、木のなにかも、絵を描くためのなんかなのかな?」
みき
「だと思います。ここは美術室、絵を描いたり物をつくったりする部屋ですから」
ななくさ
「なるほど!」

いね
「中には今は誰もいなかったような気がするし、もっとよく見てみようよ」
みき
「ええ、そうしましょう」 戸をあけて中へ入ろうとします。
ななくさ
「おーぷん! でござる!」
語り手
がらら。
一階の教室はいくらか渋かった引き戸も、ここはすんなりと開いた。
ななくさ
誰かはいったのかな?
語り手
全開となった扉から、中を見渡すことができます。
いね
「わぁー、へんなのがいっぱい!」
と、駆け込みます。
ななくさ
「面白いでござるな!」いねちゃんと一緒に駆け込みます。
きゃっきゃ!
「あっ、ボールでござる! キャッチボールしたいでござる!」
いね
「これ。止まり木かな?」
語り手
みきには、いねが言う木組みが【イーゼル】という道具であることがわかるでしょう。
みき
「これは、絵を架ける台ですね。これに絵を描く板をのせて、絵を描くんですよ」
いね
「へー、へー、みきくんは本当に物知りだなぁ」
ななくさ
「みき殿は本当にすごいでござるな!」
みき
「長生きしてますから」 ちょっと照れ照れ。
語り手
いくつもの白い顔、壁にかけられた絵が立ち並ぶ教室の中に、白い布がいくつかあり、陰になっています。
みき
光りそうなものはあるかな?
語り手
一見して、光りそうなものは見当たりません。
強いていうなら天井の蛍光灯があるけれど、今は光っていません

いね
じゃあ布の下覗いてみよう。
下には何があるのかなっと。
語り手
布をめくり上げる?
いね
おう! ばさぁっと景気よく行きましょう。
語り手
では、白い布に近づいたいねは、けもの4で判定を。
いね
けもの2だが……まあ、成功しておこうか。
いね の想いを-2(想い:18->16)
語り手
では、
白い布に近づいたいね。
いね
チャッカチャッカと爪音を立てつつ。
語り手
ちょうどきみたちと同じくらいの背たけのそろ白い布の端をつかみ、いきおいよく取り去ろうとした、その時。
【♪狂える詩人】
いね
ほのぼのあったかと正反対のBGMが!
ななくさ
ウワアアアアア
語り手
いねの顔の目の前、白い布の向こうで握りこぶしほどもありそうな大きな光がびかっと光りました!
いね
「ピョ!?」
ななくさ
「ぴえぇぇぇぇぇ!?」
語り手
次の瞬間、白い布の両脇がぶわぁ、と持ち上がり、いねにいどみかかるように広がりました。
みき
「! どうしました?」
いねちゃんのいるほうへ駆け寄りましょう。
語り手
らんらんと光る二つの目と、白い布のような身体。
てれび、を知っているななくさは、それがいわゆる【オバケ】のように見えたでしょう。
いね
布はいじゃっていいかな?
ななくさ
いいとおもいます!
いね
「ピヨォォォォ!?」
びっくりしたので、布の端っこ持ったままずざざざざとさがりますよ。
みき
持ったままがポイントですな。
いね
そのまま転んで布に絡まりますよ。
「イヤァァァ食べないでぇぇぇ!?」
語り手
「デァーーッ」
オバケらしからぬ気合のこもった声と共に、引き下がるその勢いと共に、白い布オバケもいねに襲い掛からんと突進してきます!
みき
なんかもうデァ―――ッの時点で夢あげたい>オバケ
いね
そうねw
みき
誰か判明したら全力で夢をなげるかまえ
みき
その様子はさすがにこちらからもわかるかな?
語り手
もちろんわかります
ななくさ
「おばけ! おばけでござる!」
みき
「なにものですか!」 いねちゃんを庇おうと躍り出ます。
語り手
いねとオバケは、その白い布ごと、いっしょくたになってからまります
周りのふたりには、まるでいねがおばけに取り込まれてしまったように見えたことでしょう。
ななくさ
「不届き者! あっしが成敗してくれる!」
足は震えています。
いね
じたばたじたばた
みき
おっと、一足遅かった。一緒に巻き込まれるかな。
ななくさ
孤立奮闘かな?
語り手
では、2人とおばけ一匹で白い一塊に。
みき
「うわっ!?」
いね
目をつむったまま、それと知らずにみきくんをぽかぽか叩いてます。
みき
「いたたた、な、なにものですか! 名を名乗りなさい!」 いねちゃんに叩かれてるとは知らずに声を張り上げる。
語り手
「ダーッ」
「ジェァーッ」
やたら威勢の良い掛け声をあげて、白い布の中でおばけもいねとみきをばしばしと叩いています。
ななくさ
「わぁぁぁ!? あっしが成敗するでござるから! 観念するでござるよー!」
布をばっさばっさとする。
可愛い予感を察知。
みき
もう可愛い気配しか察知してない

語り手
ではななくさが必死にばさばさと布を引っ張った結果。
2人は布の中から転がり出たことにしましょう。
いね
目がまわるの~
みき
「わぷっ」ゴロンゴロンゴロン。
2人の他に転がり出てくるものはあるかな?
語り手
そうだね、
もうひとつ、白い布から転がり出てきたものがありました。
ななくさ
どんな子だろう?
語り手
転がるいねとみきには咄嗟にはわからなかったでしょうが、ななくさにはそれがよく見えました。
いね
「あたまぐるぐるー」
みき
「うう、頭が回る……」
語り手
それは―――
全身銀色の肌をした、みんなと同じくらいの背たけの【ひと(?)】でした。
ななくさ
「……だれ?」きょとんと素直に思ったことを尋ねる。
語り手
銀色の肌のあちこちには、鮮やかな赤と青のラインが走り、胸にはまばゆく青く輝く石のようなもの。
そしてその顔は―――大きくらんらんと光る二つの目(?)が。
ななくさがてれびで見た、【りとるのーずぐれい】とか【うちゅうじん】を思い起こさせるものでした。
みき
まれびとだー!
ななくさ
あ、あれ!? PLそれ知ってるよ!
うるとらなまんっぽい気がする!
いね
ウルトラマンってこの世界にあるのかな?
語り手
そういうテレビ番組は存在しないということで。w
いね
了解w
ななくさ
はーい! w

ななくさ
「……あ、あ……!」
「うちゅーじんでござる!」
みき
その声に気づいて、よいしょっと身を起こす。
近所の子供か、そこいらの幽霊やあやかしのようなものを想像していたので、目をまるくする。
いね
「うちゅー?」
みき
「あなた……は?」
「このあたりでは、見ない顔ですが……」
語り手
同様に身を起こした【うちゅうじん】は、背後に立っていたななくさ、起き上がってきた二人に対して、
「ヘァッ」
油断なく身構えます。
いね
「ねぇ、これも見て絵を描くやつ? じゃない? みたい?」
みき
「いえ、こんな人形はふつうありません。それに、このひとは動いていますから、人形ではないみたいです」
ななくさ
「わー! うちゅーじんって初めて見た! すごいでござるな!」
みき
「うちゅうじん…… お星さま…… もしかして、あなたが落ちてきたお星さまなのですか?」 と、うちゅうじん? に話しかけてみます。
語り手
「デァ、シェェァ!」
問うみきに対して油断無く身構えながら、声をあげる【うちゅうじん】
いね
【やすらぎ】をかまそうかなぁw
へこんでるわけじゃないから効かないかな。
ななくさ
ん、ではこちらも印象判定のときに<なつく>使おうかなぁ。
みき
ダァシェイリェス?
赤いボディにクリーム色の顔したうちゅうじんなのだろうか。
いね
「すごいねー! すごいねー! で、うちゅじんってなに?」
ななくさ
「空から来た人でござる!」ぴっと人差し指を上に上げる。
いね
「おそら! ……つばさないよ?」
じろじろとうちゅうじんさんを見ます。
みき
「つばさがない代わりに、彼らは空を飛ぶ車を持ってるらしいですよ」
「すごいですよね」
いね
「翼ないのに飛ぶのかー! すごいねー!」
ななくさ
「ふわぁぁ……空を飛びたいでござる!」
いね
「こんにちは!!」
みき
やすらいだりなついたりする特技はないなぁ。両手を広げてケンカする意図のないことをしめします。

語り手
しばらく、気合の入った声をあげていた【うちゅうじん】は、自分に対してまるで警戒していない3人に、
少し怪訝な(?)表情してから、ふと何か思いついたように手をぽん、と叩きました。
【♪Honky Tonk】
語り手
『なにがこんにちはだコノヤロー! 誰だオマエラ! 』
指をさしつつ、聞こえてきたその声は、不思議なことにみんなの頭の中に直接響いたようでした。
いね
「怒ってるよ!!」
みきくんの後ろにヒュッと引っ込みます。
ななくさ
「あっしはななくさでござるよ! うちゅうーじん殿!」きらきらとした瞳で。
「あやかしの箱で見たことはあるけど、本物にあったのは初めてでござる! 嬉しいでござる!」
みき
「あっ、話してくれましたね。ぼくたちは、この近くに住む……ええと…… げんじゅうみんです。あなたと争う意図はありません」
語り手
『ていうか、誰がうちゅうじんだコノヤロー! テメエらこそドコ星人だコラ!』
『怪獣か?怪獣だな!?』
いね
「口わるーい」
さて、空飛ぶ車ってどれだろう。じろじろ。
みき
「ぼくたちは、地球人です。ぼくたちは自分をそう言います」
いね
「ちきゅーじん」
腕ばさばささせながら。
みき
「怪獣ではありません。でっかくないし火をふきません」
語り手
『原住民だと! ウソつけ、テメェらみたいな原生生物、この星にいるなんて聞いてねぇぞ!』
そんな彼が指差すのは、みんなのしっぽだったり、翼だったり。
ななくさ
では、人間形態を解除して普通の犬に戻ります。
語り手
『ウワーッ化けやがった! ケムールか!? ケムール人なんだな!? 』
何か意味があるのか、慌てた風に両腕をクロスさせてみんなを威嚇します。
ななくさ
「わふっ!」近づいてってすりすりとしますね。
いね
【けむーり】って何だろうな? とちょっと思った。けむいのやだもんね?
みき
みきは…… 銀色仲間で許されないかな?
「あの、ぼくたちはあなたと争う意図はありません」 困ったように繰り返します。
ななくさ
「くぅーん」
みき
「ので、落ち着いてください」
いね
「翼だめなの? こわいの? えっと……」
「あったかいよー」
【やすらぎ】を使うべく近寄りますね!
語り手
では、よけられないようにけもので判定しましょうか
いね
けもの2だよん。
3ほど積んで5としますかな。
いね の想いを-3(想い:14->11)
ななくさ
しっぽふりふりしながら、てぽてぽと近づいていきます。
語り手
『近寄るな、近寄るんじゃねぇ! 』
クロスさせた両腕をななくさとみきに向けて気を取られているので、けもの3でいいやw
みき
みきは威嚇されてちょっとしょんぼりしている。
ななくさ
有名人にあうと興奮するよね……状態。
いね
そうかw いや、じゃあ余った分で全力で抱き着きます。ほーらふかふかだよー
【やすらぎ】
いね のふしぎを-6(ふしぎ:15->9)
語り手
『ウワ―――ッ……あっ、やわらかい……』
不意をつかれて一瞬身構えたうちゅうじんは、いねの羽毛とななくさの柔肉につつまれて、ほんわりしたようです。
いね
「ほらっ、翼もいいでしょ! ね!」
と謎の主張。
語り手
『ああ……ああ……』
ふわふわと頷くうちゅうじん。
ななくさ
「くぅーん」どさくさに紛れてすりすりとしている。

みき
では、彼(?)がほんわりしたところで「おとな」でアピールしましょう。 「落ち着いていただけましたか? ぼくたちはあなたと争いません」
ななくさ
こちらは「けもの」でアピール。
いね
全力の【こども】4でアピール。
語り手
みきのおとな、には【対抗】で
けものには【愛情】
いね
カワイイと思ってしまったらしいw
語り手
こどもにも【愛情】だ
こちらからは、全部【へんげ】でいくことになりそうだなw
いね
憧れか尊敬ね。
ななくさ
テレビの中で見た存在だから【憧れ】かなぁ。
いね
【尊敬】だなー。翼ないのに飛べるのすごい! 見たい!
みき
ではこちらからは「尊敬」を。尊敬というか、対等に尊重するようなイメージで。
いね
強さは1でよい?
語り手
1です
『争うつもりの無い連中が、あっやわらかい なんで二日も続けて あっふかふか こそこそ忍び込んでくるんだよもっふもふ!』
ななくさ
それでですね、<なつく>を使います。
語り手
それは文句なくいただきますね
ななくさ
うちゅーじんさんの想いを1上げときますね。コストに想い4を消費。
「くぅん!」

みき
「ここに星が落ちてきたのを見つけて、探しに来ていたんです。あなたがいたとは知らなくて」 へにょりと眉を下げて。
「あなたの住処を侵すつもりはなかったのです。すみません」 あたまさげよう。
ななくさ
「わんっ!」その言葉に同意。
いね
「お星さま! さがしてるの!」
語り手
『星だと……? 』
またも怪訝な(?)表情でつぶやくうちゅうじん。
しかしややあって、
『あっ』
と何か思いついたような声が皆の頭の中に響きました。
みき
「あっ?」 頭の中に声は響く感覚はふしぎだ。思わずつられて繰り返す。
ななくさ
「?」
いね
「そうだ、もしかしておほしさま持ってる?」
語り手
『いや、持っているっていうか……なんていうか』
なにやらもにょもにょとみんなの頭の中でぶつぶつするうちゅうじん。
【♪STOP】
語り手
その時。
ぴこーん
ぴこーん
ぴこーん
突然、場違いなほど澄んだ機械のような音が聞こえてきました。
いね
カラータイマーが点滅し始めた!
ななくさ
3分しか活動できぬぞ!
いね
「んん……?」
みき
「わっ?」
ななくさ
ん?
語り手
胴体に張り付いていたいねの顔の目の前で、つい今しがたまで青い光を放っていた石が、打って変わって不安を煽るような赤色にぴかぴかとし始めたのです。
『あっ! あっ! 』
途端に慌て始めるうちゅうじん。
いね
いやん眩しい。
「どうしたの??」
みき
「どうしましたか?」
語り手
『ちくしょう、やっぱダメだぁぁぁぁぁぁぁ! 』
みんなの問いかけに答える暇もなく、うちゅうじんはみんなの頭の中で大きく叫ぶと、突然全身から光を放ち―――
いね
「ピヨ!?」
「目が、めがあぁぁぁ!」
語り手
光が落ち着き、眩んでしまったみんなの目がようやく見えるようになった時。
みき
「えっ、あっ?」
ななくさ
おっ
「!」
語り手
どこから現れたのか、そこには呆然とした一人の男の子が立っていたのでした。
全裸で。
いね
いやん。
みき
あら。とりあえず、そこらへんに落ちているであろう布を差し出しましょう。
【♪Yeah! Yeah! Yeah!】
語り手
てなあたりで、今日はこのへんにしときましょう

ゆうやけこやけ

第一~二話『龍の眠る滝』『ともだち』
第三話『ふしぎなともだち』
第四~六話『ふたりのかげ』『たそがれのまど』『とびらをひらいて』
第七話 『さくら咲く頃』
第八話 『ふたりの娘』
第九話『みあげればそこに』
第十話『旅するゆうこや』 1 2 3 4 5 6
番外 こどもとTRPG 準備 『まいご』 『たからもの』 『化けニャン』

これは『インコグ・ラボ』が権利を有する『ふしぎもののけRPGゆうやけこやけ』の二次創作物です。