【♪風の生まれる場所】
語り手
お話は、一度すごく遠いところへと飛びます。
一振りと一匹と一羽がのんびりと暮らす、その場所とは違う どこか。
いね
どこかとおく
みき
どこかとおくだ
語り手
ビロードの暗幕のような暗い空間に、ビーズを散らしたような銀の砂つぶが無数に浮かぶ、上も下も無い場所。
強く輝くとても大きな光の塊が尾を引いて走っておりました。
いね
うちゅうだ!
みき
すごい!
ななくさ
すごい!
語り手
よく見れば―――このような場所で誰が見ることがあるのかはわかりませんが―――その光の塊には、真ん中に鈍く赤く輝く一回り小さな光があり、その周囲を眩く輝く銀の光が包み込むように覆っていることが判るでしょう。
光の塊はやがて瑞々しく青く輝く玉の様な星に辿り着きます。
ななくさ
まさに僕の地球を守って状態。
いね
懐かしいな!
ななくさ
本編は冒頭しか読んでません。
いね
見事なまでの恋愛殺伐ストーリーだよ。
面白いけどね → ぼく地球
ななくさ
いつか読んでみたいです。ぼく地球

語り手
その姿は、日の光を照り返す美しい海のようでした。
その宝玉を掠めて走り去る。
まっすぐに駆けていた、その光の塊がしかし、その一部が突然ゆがみはがれ落ちてしまったのです。
それはまるで、この星の美しさに後ろ髪を引かれた光の塊の一部が、引力に惹かれてしまったようでもありました。
光の塊の残りは、失われた一部を気にかけるように尾を引きながらも、星の上を駆け抜けて行きます。
はがれ落ちた小さな光は―――
透けるように青い美しい星へと落ちていったのです。
みき
童話的で綺麗な表現だ
いね
迷い子が降りてきた
語り手
※ここから先、しばらくはオープニングなので、登場処理とかは無しで良いです
※つまりこのシーンでふしぎも想いも発生しないってことだぜ、ヒャハーー
ななくさ
ひゃっほー!

【♪桜吹雪】
語り手
そして、舞台は変わって、ある一軒のお宅。
「さぁー、いよいよ奇跡の天体ショーまでいよいよ秒読みとなりました! 奇跡の軌道を描いて私たちの星、地球を掠め、去るこの星は、かつて伝説とも語られていた幻の惑星になぞらえて【ニビル】とも呼ばれています……」
※いよいよといよいよで、いよいよがカブってしまった……
いね
よいよいよいよい
えらやっちゃえらやっちゃ
ななくさ
えんやこらさっさ
語り手
ふかふかのカーペットの上で、夕食後の余韻に浸っていたななくさの耳に、興奮気味の声が飛び込んでくる。
それが【てれび】という箱の中に住む、(もしかしたら)あやかしの声であることを、ななくさは知っている。
いね
てれぴんだ!
語り手
ななくさを養ってくれている老夫婦は、【てれび】というこれまた不思議な薄い板に写った、動く絵を見ながららじおの声にも耳を傾けている。
二人も少し興奮気味だ。
いね
お、さすがにブラウン管じゃなかった。
ななくさ
「(あやかしでござる! あやかしでござる!)」わふわふ。
語り手
「お手すきの方は、ぜひ窓や外に出て空を見上げてみてください! もしかしたら、ご自身の目でこの奇跡を見ることができるかもしれませんよ!」
そういえば、ななくさの家のこの部屋にも、庭に面した大きな窓がある。
てか、勝手にななくさを座敷犬にしてしまった……
ななくさ
奇跡、奇跡とはどういうものなのか? 窓のほうを見上げる。
語り手
果たして窓の向こう、黒い夜空には、いつもの銀の砂を蒔いたような星達の中、ひときわ大きく輝くほうきのような形の星が現れていた。
そしてシーンはがらりと飛ぶ―――
ななくさ
ぴゅーん。

語り手
「皆様の奇跡の瞬間に、この彗星のように前向きで疾走感あふれる、この曲をお送りします!」
【♪Yeah! Yeah! Yeah!】
みき
Yaeh?
語り手
ヤエー
語り手
三木は、いつものようにショウウィンドウ越しに夜空を眺めているだろう。
店の奥からは、聞いているのか流しているだけなのかはわからないが、店番の老人が流すラジオの音楽が聞こえてくる。
何やら今夜は【奇跡の天体ショー】とやらがあるらしい。
眺める夜空には、ちょうど大きく輝く星が姿を現したところだ。
みき
ラジオの音に耳をかたむけながら、ぼんやりと夜空を眺めている。
そういえば、自分が生まれるまえに大騒ぎがあったと、どこかで聞いた気がする。
大きく輝くほうき星を見上げながら、そんなことを思い出していた。
語り手
しばらく眺めていると、突然変化が現れた。
星が二つに割れたのだ。
いね
※始まる前に語り手から、今流行の映画観たらシナリオとかぶりすぎてて噴いた、という話がありました。
語り手
ラジオの音楽に混ざり、慌てた声が聞こえてくる。
どうにも異常な出来事が起きているらしいことは伝わってくるだろう。
みき
「(増えた)」 星は増えたりするんだろうか。慌てた声に耳を傾ける。
語り手
慌てる声は、そのあまりのあわてようのためか、まるで意味を為さない。
更に割れた星の、その小さな方は、気のせいだろうか徐々に大きさを増しているような気が―――
みき
胸騒ぎがする。なにかあるのだろうか。
いね
『先生、これは予測の範囲内の出来事ですか?』
『……この軌道は……(ガタッ)』
『先生? 先生!?』
語り手
※ちがいます
そして更に舞台は飛ぶ―――

語り手
風波市の北西部、住宅街のはずれにあるちょっとした森。
【奇跡の天体ショー】の騒ぎは、いつもは静かなこの森にも訪れていた。
いねの寝床もあるこの森に、無論、人間の扱うラジオの音などは聞こえてはこないが、夜空に現れた大きく輝く星の光は、森の暗さをそぎ落とす。
いね
あれ、もう朝? なわけないかー
まぶしいー
ねむいー
語り手
しかも、今やその星は二つに割れ、その内の小さな方は、更に輝きを強めながらぐんぐんと大きさを増してゆくのだ。
いね
周りで仲間が騒いでるので空を見ます。
「ピョエー」
語り手
既に真昼のように明るくなってしまった森の中を、数は少ないながらも恐慌した動物たちが駆け回り、騒々しい。
しかしどれだけ騒ごうとも、光は確実にこちらへと向かってくる。
いね
なんだろなんだろ、なんだかわかんないけど逃げよう
あ、イタッ、樹に頭をぶつけた。
語り手
やがて、その光はいねたちの頭の上スレスレをおそろしい速さで駆け抜けると、山肌へとぶつかり―――ひときわ強い光を放ち、消えた。
いね
なんだろねーなんだろねー こわいねー お月様落ちてきたのかなぁ
仲間とザワザワします。
語り手
強烈な光が、ほんの一瞬だけ 巨大な四角い影を浮かび上がらせたのを、いねは確かに見た。
しかし、その後はいつもと変わらぬ暗闇がその視界を奪いつくしてしまったので、詳しいことはきっと判らないだろう。
いね
暗くなった。ん、じゃあきっと終わった。寝よう。眠いし。
目も見えなくなっちゃったし。
わし『とりめ』なんじゃ。
ななくさ
かわいい>とりめ
みき
いねちゃんの挙動が動物らしくてかわいい
【♪山間を渡る風】
語り手
暗くなった森の中に、人間達の街のざわめきがかすかに聞こえてくるが、やがて全て静かになっていった。
つい今しがたまで、混乱に混乱を掛け合わせたような調子でがなり立てていた、ななくさと三木の聞くラジオの音は、気がつくと静まり返っており、しばしの時間のあと、
「……え、えーと……というわけで、お届けした曲はandropの【Yeah!Yeah!Yeah!】でした……」
なんだかぼんやりとした人間の声だけがぽつりと聞こえてきた。
その夜に起きたことは、これまた奇妙なことにそれだけだった。
いね
良かった、大地に空いた大穴はなかったんだ。
語り手
【シーン終了】

語り手
※かけっこOP終わり
翌朝。
いつもの住宅街の公園。
ななくさ
朝だよ!
語り手
※二和の神社みたいに、勝手にみんなが自然に集まる場所として公園を想定してるんだけど、いいかな?
いね
OKです
公園にはごはんがいっぱい! そして人もいっぱいだからカラスがあんまり来ないし、私的に良い場所です。
ななくさ
大丈夫です。
みき
OKですぞー
語り手
では、朝の公園としましょう。
時間は午前8時くらい。
登校する学生や、お仕事に向かう人たちが途切れた頃、という感じ。
みき
なるほど。
いね
ねぶそくー
語り手
その時間、この場所に誰かいるかな?
ななくさ
ふむふむ。
いね
ああん、いつも朝早く来てパンくずまいてくれるおじーちゃんの朝食タイムに遅刻しちゃった……
ションボリしつつ樹に止まっています。
みき
では登場しましょう。昨日のことがあるから、町の様子が気になっているはず。
語り手
登場される方は、ふしぎと想いの処理をお願いしますね
みき
シーン登場:みき のふしぎを+4した
シーン登場:みき の想いを+4した
いね
ふしぎ 4 想い+4
ななくさ
シーン登場してななくさ のふしぎを+4しました。
シーン登場してななくさ の想いを+4しました。
語り手
また、登場する際の形態について、しかるべく消費をお願いします。
住宅街の公園ですが、
その中心の広場は住宅からは距離が遠く、またこの時間のため人目はあまりありません
だからこその、【みんな】の社交場なのかもしれない。
ななくさ
ご主人の帽子をこっそり借りて、耳と尻尾だけ出した状態で変身したいです。
いね
私はまだトリです。
でもみんなが来たなら半分変身しようかな
コストは6ね?
ななくさ
ほけんじょっていう概念が怖いので。
語り手
6だね
>半分変身
保健所を怖れるわんこの習性に。
ななくさ
こちらはコスト4ですかね? 耳と尻尾出してますし。
語り手
ですな
ななくさ
では、ふしぎと想いを2点払います。
みき
今の時間なら人目はない、はず、きっと……。半分変身して出ていきます。ふしぎ・想いから3ずつ支払います。
語り手
みきくんの半分変身って、指が刃物だったりするのか……(ごくり
みき
大変そうだけどシザーハンズなんじゃないかな…… 真鍮色の目に白銀の髪、途中から尖った刃になった爪は革の手袋でかくします。
なお、革手袋と帽子は古道具屋から借りてきました。こんなことに使ってごめんね、革手袋くん。
いね
ふしぎ2、想い4で変身します。ちっちゃい翼と長いポニテからつながった尾羽と足のかぎ爪はご愛敬なのよ。
語り手
ああ、いねも4でいいか
いね
いーかげん変身だなw
いね
想い4で。
語り手
ちなみに、道すがらなんらかの情報の獲得を望む方は、おとな か けもので判定をお願いします。
目標4.
いね
けもの2でピヨピヨします。
ななくさ
けものに想い1のせて4にします。
みき
おとなに想い1をのせて4にします。
いね
空腹のあまりいつの間にかごはんドコー? に質問が化けました。
ななくさ
食べれる雑草を後で探そうね。あっしは犬だからそういうのに詳しいんだ。
語り手
それって整腸作用があって、食べたあとにゲロゲロする草じゃないのか……>わんこ観点
いね
雑草じゃなくて虫がいいー
ななくさ
虫は専門外でござるよ!
いね
「あとニンゲン状態で虫食べるとじゃりじゃりして気持ち悪いからやっぱりパンがいいー」
語り手
では、けもので判定した人は道すがらすれ違った学生たちや大人のひとたちが、昨日の【天体ショー】のことを誰もがしきりに口にしていたことを知ります。
あまり数は多くないですが、星がこのあたりに落ちてきたことを見たひとの話も聞こえるでしょう。
ただし「まさかねー」といった感じで、それ自体はさほど大きなことにはなっていないようです。
ななくさ
ほうほう。
語り手
おとなで判定した方は
街なかのテレビや、落ちているスポーツ新聞などから、
「突然砕けた彗星! 破片が地上に!?」
「大気との摩擦で燃え尽きたとの見解」
などの人間社会での【天体ショー】の顛末についての情報が得られます。
みき
しなしなになったスポーツ新聞を拾い上げる。美熟女ホットライン…… ちがう。

語り手
おっ、今回のむっつり枠はみきくんか? >美熟女
いね
付喪神少年はそういう方向に走るお約束なのか?
みき
し、しのぶくんとかぶってしまう!
しのぶ
「えっきし! ……うーん、風邪かな……? 誰かがウワサ……いや、まさかね」
みき
もっと 何だかわかってない顔 方面にいくか、若いのうホッホッホ方面にいくかでまだ迷ってる
ななくさ
若いのうのほうに一票入れます(たぶんそういうシステムではないけれども!)
みき
一票いただいたQ!

語り手
星が砕け、地上に落ちてきたことは把握していても、被害も無かったことから、不思議な事件として扱われている程度で、あくまで彗星が割れたという予想外の天体ショーで盛り上がっていることだけが判ります。
みき
彗星が砕けた、という記述に、星が増えたあの光景を思い出す。
語り手
そういった情報を耳目にはさみつつ、みんなは公園にやってきました。
いね
「あのピカピカのせいでご飯食べられなかったのー」
勝手にプンスカしております。
ななくさ
「昨日の夜、奇跡がどうとかあやかし(アナウンサー)達が大騒ぎしてたでござるな……」
みき
「あっ、おはよう。ピカピカって、昨日のおおきな星のことですか?」
いね
「ピカピカでしかくいの。お星さまなの? すっごい明るかったからお月様が落ちてきたんだと思ったの」
「お月様もお星さまもしかくくないよね?」
みき
三木は「四角い影」を見ていますか? >語り手
語り手
三木はお店のショーウィンドウからだったので、残念ながら見てはいないですね。
※しかくい、のが森の中にあった、にんげんたちが昔につくった大きな【はこ】であることは、いねには判っていていいです。
いね
「ああ、えっと、しかくいのの近くに落ちたからかな?」
みき
「しかくい? もっと教えてくれますか? ぼく、そこまでちゃんと見られてないんです」
「ぼくは、お店で寝ていたから」
ななくさ
「おはようでござるよ」ちょっと遅れて会話に入っていきます。
みき
「おはよう」
手袋をつけた手を振る。
いね
「わーいおはよう」
モフる。
ななくさ
尻尾をもふられて嫌な気はしない様子。
語り手
みきも”その手で”モフる>ギャーー
ななくさ
ななくさの自慢のしっぽが! ちゃんとトリミングもされているのに!
みき
だ、大丈夫手袋をつけているよ! 大き目の厚手のにしたよ!
いね
「えっとね……なんの話だっけ」
「えっと、そうそう、あっちのねぐらの森のむこうの、昔からある四角いののところに落ちたの」
「すっごく明るいのがどかーんって」
「おかげで朝ごはん食べられなかったの」
語り手
※語り手註:どかーんという音はしませんでした。ねんのため。
いね
どかーん、という印象を受けたの。
『とりあたま』ではなくとも所詮はトリなのよ!
こども4だしな!
語り手
ょぅι゛ょの限界
みき
「燃えたりしなかったですか?」
いね
「燃えて……ないよ?」
ななくさ
「それは大変でござるな……」朝ごはん食べれなかったのは大変だ。
みき
「それは災難でしたね。おひるごはんがおいしくなりますよ、そのぶん」
いね
かわりにななくさの耳をはむはむするの。
ななくさ
「ひょえっ!?」変な声が出るよ!
語り手
鳥形態ならともかく、人型ではむられたら、よだれでベッチャベチャになったね。
いね
「……しっぱい。」
みき
「あの、おいしいんですか?」
いね
「あんまり」
みき
「あんまり……」 一緒に残念そうな顔をした。
ななくさ
「……お婿に行けないでござる……」去勢済みだけど。
語り手
沖縄にあるというミミガーという食べ物のことを連想……したかどうかは定かではない
みき
「えっと、そうじゃなくて。しかくいののところに落ちたんですよね?」
「なら、まだそこに星があるんでしょうか?」
いね
「ああー……そっかぁ」
みき
どこかそわそわして、少し尖った耳をぴこぴこさせている。
「見に行ってみませんか?」
ななくさ
「みき殿は賢いのである。見に行ってみるでござる」しっぽぶんぶん。
いね
「あんみんぼうがいの、えーと、こうぎをしにいくの」
いね
ああ、むつかしい言葉使うとルークとかぶるからやめようw
いね
「いくいくー♪ 面白そう!」
みき
「ふふっ、ありがとうございます」 ちょっと嬉しそう。
語り手
では、みんなで森の中の学校を目指すということで?

いね
季節はいつ?
語り手
冬です。
埼玉西部とはいえ、秩父や長瀞などの山間部からは距離があるため、まだ雪などはありません。
いね
カキもミカンもない……しょんぼり
みき
食欲の秋からは遠かった。
いね
すきっ腹抱えて出発。
道すがら虫とって食べよう
ななくさ
食欲の秋なんてなかったんだ……。
語り手
まぁ、道中のコンビニで【燃料】を買っていってもいいのよ。
(先立つものがあれば)
いね
自販機の下とか釣銭のところでピカピカしたもの拾うこともあるけど、そんなに集めてないなー
ななくさ
先立つものなんてないです。清く正しい犬なので。
みき
刃物に先立つものはないが、たぶん減る腹もない。たまに拾うものは交番に届けているのでやっぱりない。
いね
カラスならきっと金持ち
語り手
ピカピカを集めて巣に蓄えている、カラスの御大将とかに何かと引き換えに頼み込めば、いくらか分けてもらえるかもしれんな
いね
カラスは天敵だよぅ
語り手
【シーン終了】

【♪Ex Industry – 癒しのとき】
語り手
※シーン変わりましたので、登場処理もお願いいたします
みき
シーン登場:みき のふしぎを+4した
シーン登場:みき の想いを+4した
いね
シーン登場 いね のふしぎを+4した
シーン登場 いね の想いを+4した
ななくさ
シーン登場してななくさ のふしぎを+4しました。
シーン登場してななくさ の想いを+4しました。
みき
半分変身状態のままです。コストは6かな・
いね
翼と尾と爪出しっぱなしで4。
語り手
まだ昼前なので、6ですね
みき
では、ふしぎと想いから3ずつ。
ななくさ
ふしぎとおもいから4点払います。耳は相変わらず帽子で隠してる。
いや、2点だ。すみません。
語り手
ともあれ
住宅街からその森へは、みんなの徒歩でなら30分ほどでしょうか。
かつて、しかくいはこが学校として機能していた頃ならばいざ知らず、すでに一足も遠のいたその森。
二次開発からもすっかりと取り残され、もはや【うっそうとした】といった体です。
緑地、として存続されているといえば聞こえは良いものの、ロクに手入れもされていない林道と遊歩道が残るだけです。
いね
いつもよりよく転びながらゆきます。
ななくさ
よくこけるいねちゃんを見かねて手を取りましょう。
いね
「ありがとー」
ななくさ
「こけて怪我とかしないか心配でござるからな」
いね
ではななくさの帽子に時々イタズラしてる。
ななくさ
帽子はいたずらされつつもご主人様のなので失くさないように
死守していますね。
みき
手を取っているのをちょっと寂しそうに見ています。手袋があるとはいえ、やっぱり触れるのはためらってしまう。
語り手
かつてにんげんのこどもたちが通ったであろう、アスファルトは割れ、雑草に侵食された林道が森の中へ続いています。
みき
そうだ、と思いついて前に立ちます。手袋を脱いで、歩きにくそうな下生えをちょちょいと刈っていきましょう。
いね
「わぁ、すごいね! すごいすごい」
みき
「えっ、何かありましたか?」 後ろからの歓声に気づいて振り向く。
ななくさ
「すごいでござる!」きらきらと関心を向ける。
語り手
時代劇の影響を強く受けたななくさの目に、刃物のあやかしであるみきは特別なものに映りそうだなー
いね
「手で草きれるなんてすごいね!」
みき
「えっ? ああ、その、手をつなげないから、かわりに…… ありがとう」 ちょっと顔を赤くして、てれてれ。
いね
「あっ、いもむし!」
刈られた草の中にごはんをみつけてご満悦。
ななくさ
「すぱっ! って! まさに手刀でござる!」たぶん本来の意味は分かってない。
「いやー……やっぱり刀はいいでござるなぁ。しんせんぐみ……」きらきらとした目でみきくんを見ている。
いね
「新鮮グミ?」
ななくさ
「しんせんぐみっていう、人の集まりがあったのでござるよ」
雑な説明。時代劇は好きだが、深いところまではよくわかってないらしい。
みき
「揃いの羽織を着て、刀を持って…… 最後の侍、だなんて言われたらしいですよ」
「あんまり、よく知らないんですけどね」
ななくさ
「最後の侍……! さすが、かっこいいでござる……」
みき
「あと、たぶん、グミとは関係ないです」
いね
「そうなんだぁ(わかってない)」

語り手
そうこうしつつ進むみんな。
やがて錆び錆びの鎖でがんじがらめにされた、同じく錆び錆びの門扉と、あちこちと石材がはがれおちた門柱が現れた。
掛けられた、欠けて磨り減った看板には【風波市立第2小学校】の文字が辛うじて読める。
その向こうには、先日にみきが南の学校で見たような、大きく広い庭があり―――
【♪染み入る恐怖】
語り手
そして、問題の四角い建物がうずくまっていた。
随所にひびが走り、黒いしみが垂れるその建物は、なんともいえない威圧感をたたえていた。
いね
蜘蛛やミミズが゛いっぱいいそうでワクワク。でも暗いとよく見えない。
ななくさ
漢字って読めるのかな……?
語り手
ななくさとみきは読めてもいいんじゃないかな?
いね
読めるわけがない。
語り手
一番読めるのはみきかも?
おとな一番高いし
ななくさ
おとな2なんですよね。
みき
漢字が読めないと自分の商標と材質銘が読めないので、そこは読めたいところ。
なお柄に商標、刃の峰側に材質製法が刻まれています。
いね
たまに公園に落ちているおやつやパンの袋の『パン』や
『よっちゃんいか』とかは読めるよ!
あとM(マクドナルド)。
ななくさ
低~中学年で習う漢字だったら読めるかな? って感じかなぁ。
みき
「よっちゃんいか」食べていいんだろうか>いねちゃん
いね
どうだろう、ミミズみたいな感じで食べられないかなw
みき
「なんだか、すごく古びていますね……」 錆びた鎖と門扉を見て、うわぁ痛そう、って顔をする。
語り手
みんながこれまで歩いてきた林道を挟み、見下ろすように茂る常緑樹の森も、なんだか妙な迫力を持って迫ってくる。
もともと森やその暗闇ですごすことのおおい、いねはなんとも思わないかもしれないが、人間の間で暮らすななくさとみきは、何か思うところはあるかもしれない。
みきはむしろ、打ち捨てられた【もの】であるこれらに対して、憐憫のようなものを感じるか。
みき
そうですな、どこか寂しそうに見ています。
自分自身も時代の向こうへ去りつつある道具なので。
ななくさ
「……あやかしの箱で言ってたでござる。主君がたまに怖い(ホラー)番組見るでござる。人の居ない学校は怖いでござる」ぷるぷる。
ななくさは恐怖を抱いてますね。
みき
「だいじょうぶですか?」 ななくささんに手を伸ばそうとして躊躇。心配そうに声をかける。
ななくさ
「だ、いじょうぶじゃないでござる……」やや逃げ腰。ホラーは怖い。
みき
「帰りますか? 送りましょうか……?」
いね
じゃあ普通にパタパタ塀を飛び越えてさっさと先に進もうとします。
ななくさ
「あの子を置いて帰るのは忍びない。ので頑張ってみるでござる……」震えながら。
語り手
先に進む前に
いね
ハーイ
ななくさ
はい。
語り手
本日最後の判定として、けもので判定をお願いします。
目標値は6
みき
けものは1しかない。任せた。
いね
けもの2!
ななくさ
想い3つぎ込んでけものを6にします。
語り手
では、警戒していつもよりも鋭敏になっていた、ななくさのけものレーダーに反応。
みき
ぴこーん! >レーダー
ななくさ
ぴこーん!
語り手
その建物にはいくつもの窓が開いており、くらーい闇をのぞかせているのだが。
その中の一つから、何か見られているなーと感じ、そちらへ視線をやると、その闇の中かららんらんと輝く二つの大きな目がこちらを伺っているのが見えた……ような気がした!
みき
目の前の三木は、「さっぱり気づいていない」という顔をしている。
いね
普通にパタパタ飛び上がろうとしております。
語り手
といったところで、本日のゆうこやお開き!

【♪風の生まれる場所】
ななくさ
やっぱりホラーだ!
いね
ほらー
みき
お疲れさまでした!
ななくさ
お疲れ様でした!
いね
おつかれさまでした!
語り手
おつかれさまー
語り手
毎度【いね】が【いぬ】に空目して、ななくさとどっちがどっちかごちゃごちゃになる。
いね
いぬじゃないのいねなの
ななくさ
両方食べれるところがポイントですな(?)

【♪風の生まれる場所】
みき
本日の卓のおともは赤穂でゲットした備前焼(のコップ)
語り手
つまりSAKE
みき
残念ながら(?)中に入っているのは酒でなく茶ァです。
語り手
茶ァ!

語り手
前回のゆうこや
その名の通り、静かな風が渡る風波市。
空で割れた星が降って来たのを見た仲良しの3人は、星を見ようとある廃校を訪れたのでした。

【♪染み入る恐怖】
いね
本日もよく染みております
語り手
みんなの前には、朽ちた門柱、錆びた門扉、その向こうには雑草が侵食を始めた校庭。
更にその向こうには傷んだ校舎が建っています。
ななくさは前回、その中の窓の一つに【らんらんと光る大きな目】を見た気がしました。
といったところで、シーン仕切りなおしで登場処理お願いします
ななくさ
シーン登場してななくさ のふしぎを+4しました。
シーン登場してななくさ の想いを+4しました。
みき
シーン登場:みき のふしぎを+4した
シーン登場:みき の想いを+4した
いね
登場処理で各+4しまっす(手動)
みき
では、改めて半分変身状態になります。ふしぎ2点・想い2点を消費。
ななくさ
で、ふしぎと想い2点払って半分人間に変身します。
いね
各2ずつで半分変身
語り手
OK
みき
この序盤のふしぎ・想いのぎりぎりな感じ、ルーク(猫)がいかに楽だったか思い知る
非変身状態でそもそも意思疎通できないし、完全変身しないと人前に出られたものじゃないものな……
いね
ホンモノのふしぎなひとは大変だなぁ
こっちゃ気楽なことりです
ななくさ
雪女に比べてわんこの楽さよ……。
みき
もののけは大変ですなァ。
いね
デスナァ

語り手
ひとまず、状況としてはそんな感じ。
門の周囲は金網が巡らせてあるだけなので、侵入しようと思えば簡単に侵入できるでしょう。
ななくさ
びくびくと震えながらおそるおそる足を踏み入れます。
みき
では、人がいないか中の様子を伺ってから侵入しましょう。
人がいたらびっくりさせちゃうの。
いね
わーい。ぱたぱたー
腕に生えた翼で飛び越えちゃおうとします。
他の人がどうやって入るか? 知らないよ。
語り手
地元の子供らがたまに【おばけ学校】の見学に来るものの、中にまで入ろうという勇者はほとんどいないらしく、人の気配も人の痕跡もほとんどありません。
風波市自体もそんなに有名な町ではないので、県外からゆーちゅーばーが心霊スポット探索に来るといったこともありません。
みき
それなら安心だ。金網を斬るほど強い刃ではないので、金網の錆びてるところをちょいちょいと広げて入る感じでしょうか。
語り手
破れているところはないので、乗り越える感じかな
ななくさ
「よいしょ……っと」乗り越えますね。
語り手
子供サイズのきみたちなら、容易につま先をつっこんでよじ登ることはできそうだ
みき
おっと、なるほど。では よいしょ っと乗り越えましょう。
いね
中にすたっと降りて、みんなまだかな? と振り返ります。
「はやくはやく♪ いこうよいこうよ♪」
語り手
がしゃがしゃぎしぎしと、静かな森の空気に雑音がひびく。
学校の中の【なにか】に聞こえていなければいいけれど。
どどんとふ
「ななくさ」がログインしました。
いね
ななくさくんだから平気よ>なにか
みき
ななくさくんだったのか
語り手
一足先に校舎にもぐりこんでいたななくさ
いね
自作自演だったのさ!
ななくさ
>ログイン芸<
いね
さすがだ……

語り手
さて、雑草の生える校庭に入りました。
かつて使われていた頃のまま放置され、雨によってかたまってしまったことで今も残る白線が、随所に走っています。
みき
「……すっかり、草だらけですね」 しゅん、と少しさみしそうにしている。
語り手
ここから見えるのは、校舎と屋外のプール、体育館。
どこから探検してみようか。
ななくさ
「怖いでござるよ……」
みき
「怖い、ですか?」
「怖いものとしたら、なにがいるんでしょうか」
いね
そもそも鈍い我々、中に何かいるって情報知らないからね!
ななくさ
「あやかしの類がいるに決まってるでござろう!?」ほら、廃墟の学校なんてホラーの定番だから……。
いね
「そうなの?」
「えーと、あやかしって怖いの? 羽根むしられちゃう?」
みき
「あっ、知っていますよ。トイレのドアを開けると女の子がいて…… とか、道の向こうからわたしきれい? とか……」
少し声をひそめて語りだす。
「鳥の羽をむしる怪談っていうのは、聞いたことがないです……」
いね
「女の子トイレに女の子がいるのは普通だし、女の人がおしゃれ気にするのは当たり前なのにこわいの? へんなの」
みき
「……そういえばトイレの花子さんって、男の子のトイレにも出るんでしょうか?」 どうでもいいことが気になったらしい。
いね
むしろいろいろな漫画のおかげで男のトイレにしか出ない変なイメージがある、いねの中の人。
ななくさ
「そうそう! それでござる!」みきくんのほうを向きながら。
「12段しかない階段が13段あったりとか!」あんまり怖くないのは気のせいです。
いね
一番実害がない奴だw
みき
「13段目を踏むとあの世につれていかれてしまうってお話ですね」 実害を追加した。
ななくさ
「……ぴえぇ……」しゃがみこんで震えだす15歳(人間の姿)
みき
「あっ、ああ、ごめんなさい! 怖がらせちゃいましたか?」
「学校のことを思い出したから、嬉しくて……」 すみません、としゃがみこんで、ななくさくんと視線を合わせよう。
ななくさ
「……大丈夫、大丈夫でござる……」
みき
たぶん、みきは怪談コワイがよくわかってない。自分も十分怪談に出られるし。
いね
みきがそういう存在だなんてアタマありません。
怖いものの話してるのにみきくんがその怖いものだなんて方には考えが向かないな。
ななくさ
みきくんは友人なのでそんな恐れてはないイメージ。でもホラーはだめ。
いね
「んー」
理解力が追い付かない。
「ななくさくん、だいじょうぶ?」
「こわいのいないよ、ほら」
って指さしたら怖いのが出るお約束なんか知らない。
ななくさ
「怖いの……いないでござるか?」
語り手
じゃぁ、そこでけもので3判定
あ、3と5が目標値
3と5、それぞれで情報が変わります。
みき
うーん、けものは1しかないのでお二人に任せたいのですが、いけそうですか?。
ななくさ
んーじゃあ想いを2点使用しますね。けものの素が3なので。
いね
わたしのけものも確か2か1だなぁ
みき
いねちゃん2ですな。
いね
じゃあお任せしよう。
語り手
おk、ななくさの5だけね
ななくさ
想いがすっからかんだけどもってけドロボー!
語り手
では、いねがほら、と指差した方向を反射的に見たななくさの目に、四角い闇がわだかまる窓の奥を、白い影がさささーっと滑って行くのが見えた。
更にその方向から、ぱたん……ぱたんぱたん、と何かの音が聞こえてくることに気付いた。
ななくさ
「ぴえぇぇぇぇぇぇぇええぇぇ!?」すごい勢いで後ろにあとあとずさる。
あとあとずさるじゃないね! あとずさります!
語り手
いっぱいいっぱいのななくさ
みき
「うわっ!? な、何かいたんですか?」 ななくさくんのリアクションに驚いた。
いね
「ピョ?」
ななくさのびっくりにちょっと驚いた。
ななくさ
「な、なんかきこえるでござるよぉぉ!?」
「しかも、窓の奥に、白い影も見えたでござる!」
みき
「白い影? 犬とか、じゃないですよね。だれか、いるのかな……」 落ち着かなさそうにそわそわする。
いね
「ん? んんん? なにも見えないよぉ」
ななくさ
「……」恐る恐る、白い影のほうに近づいてみます。
語り手
ちなみに、音について聞いた二人も、継続的に聞こえてくる音に気付いて良いです
いね
「あ、ほんとだ。ぱたぱたしてる」
「んーと、カラス?」
みき
足音のような音? 衣擦れ? それとも何かたたく音のような? >ぱたぱた
語り手
何か板のようなものを継続的に軽く叩いているような音。
足音……に聞こえなくも無い
ちなみに、影が見えたのは2階の窓。
音は今もそちらの方から響いている……
ななくさ
2階ならあとでいいかな。
みき
「カラスとか普通の幽霊とか、脅かすのが好きなあやかしさんとかだったらいいんだけど……」 不安そう。
いね
「見つかったらたべられちゃうやつ?」
ちょっと不安になってきた。
みき
「それは困りますね。鳥さんをたべちゃうあやかしはだめです」 真顔。
いね
「だめなの」
みき
「だめです。たべちゃうのはいたずらが過ぎます」
ななくさ
「ダメでござるよ」
語り手
夜の闇の中で、ぎらぎらと瞳を輝かせてほうほうと嗤うフクロウの影がいねの頭の中に。
いね
「イヤなの怖いの。食べるのは好きだけど食べられるのはイヤなのー」
ななくさ
「あっしは食べてもおいしくないでござる。成犬であるが故に」
みき
「子犬ならおいしいんですか……?」
ななくさ
「……仔犬でも、ダメでござるな……」
仔犬は美味しいって聞いたことがあるようなないような。
語り手
中国には香肉(しゃんろう)という食材があってね。
ななくさ
ほう。

いね
2階の窓覗き込んでみようかなー
「今は昼だからフクロウさんは寝てるはずなの。ダイジョウブなはずなの」
舞い上がって2階の窓からこっそり中観てよいですか?
語り手
覗き込むのは、ななくさが指摘した窓?
いね
そうね。怖いから横からこそーっと。
窓の高さまで飛び上がって、横の窓あたりからそーっと見ます。
変身解除した方が小さくてばれづらいかな?
語り手
そのあたりの判断はお任せします
いね
いや、そんな賢しいこと考えられません。そのまま見ますね!
語り手
では、へんげで判定をお願いします。
目標値はあえて伝えません。
いね
そんなもの1だよ。
では3つぎ込んで4にしておこう。
いねにしてはめっちゃ集中した。
語り手
いねのイメージだと、集中のあまり窓にべたっと顔を押し付けてはりついて覗き込んでる感じがするんだけどw
いね
なんだとぅw
ななくさ
かわいい! かわいい! >いねちゃん
いね
がんばって真っ赤な顔してほっぺ膨らませて窓の中ガン見してるよ!
怖いのいたら飛んで逃げるもん! って。
みき
かわいい!
語り手
では、いねは窓を覗き込みました。
窓の中は暗く、なかなか奥まで見ることは難しかったのですが、一生懸命ないねが顔を押し付けんばかりに窓に近づいて凝視していたため、ぼんやりと様子を伺うことができます。
いね
暗いなら私何も見えないんだけど、見えても大丈夫?w
語り手
明るさの落差があって、ガラスに反射しているだけなので、大丈夫
ななくさ
うっすらと見えたのかな?
語り手
中には―――
真っ白い肌の人が、生首が、たくさんこちらを見つめていました!
いね
「キョ!? ピョピヨ!! ピー」
ぽとっ
ななくさ
びっくり判定入らない? 大丈夫?
いね
自主的にびっくりくらってしまったw
語り手
むしろ先の判定でびっくり判定も兼ねていたのでw
そして落ちる間際、
いねはその白い人の群の中で、同じく白い何かが光る目をらんらんと輝かせていたのを見ました。
いね
よし、二人のところへポトリと落ちる。
語り手
二人のトコまで飛んでくのかw
ななくさ
慌てて受け止めようとします。
みき
「あぶないっ!?」 いねちゃんが落ちてきたのにびっくり。体で受け止めようとします。
ななくさ
「これ知ってるでござる! 国民的アニメの一シーンでござるな!?」親方! 空から女の子が!
いね
じゃあななくさくんの目の前で小鳥に戻って小鳥語でまくしたてます。
「ピヨピヨピヨピヨ」
ななくさ
もとい小鳥が!
みき
「あの、落ち着いて、なにかあったんですか?」 会話を試みるが小鳥語はわからない。
ななくさ
「……わふ!」小鳥語わかんない!
いね
さんざん騒いだ後で半分変身に戻って「なの!」と話を終わります。
ななくさ
「ござるな!」
いね
「かえろ?」
ななくさ
「帰るでござるな!」
語り手
再変身のコストはまけておいてやろうw
いね
わーい
みき
か、かわいい!
ななくさ
これが……ときめき!

みき
「……あの、もう一回おねがいできますか?」
「なのしかわかりませんでした」 こてん、と首をかしげる。
いね
「なんでいまのでわかんないの!」
みき
「すみません! もう一回だけ!」
いね
「えっとね、えっとね」
「首だけがいっぱいと、こわい目がみえたの」
ななくさ
「ぴぇっ!?」
いね
「かえろ?」
みき
「首がいっぱいと、目」
「……星とはなんだか関係ないですね……?」 はて、と首をひねる。
ななくさ
「……そうでござるな……もともと関係ないのではなかろうか?」とつられて首をひねる。
みき
「かもしれないです。元からここにいたのかも」
語り手
ぱたん。ぱたんぱたん。ぱたん。
首をひねるきみたちのすぐそばで、先ほどの音が聞こえた。
いね
ナンカキタ
ななくさ
「ぴえっ」
語り手
件の窓に近づいたことで、どうやら音の源にも近づいていたようだ。
音は窓とは関係なく、きみたちと同じ高さ、見ればこの建物にある大きな玄関? のあたりから聞こえてくるようだった。
いね
ななくさくんの後ろに隠れよう。
ななくさ
「やだ、いやでござる。もう一回びーふじゃーきー食べたいでござる」みきくんの後ろで震えながら隠れてます。
語り手
ドラクエ的陣形
いね
みきくんゆうしゃだ
みき
「それなら、騒がせてしまったかもしれないですね」 ななくさくんの前に立って、玄関のほうを見てみましょう。何かいる?
語り手
特に何かがいる、ということはない。
しかし視界の中で何かが動いている。
みき
「すみません、ここに星が落ちてきませんでしたか?」 何か動いている方に向けて声をかけてみます。反応やいかに?
語り手
返事は無い。
玄関の扉は全体が大きなガラスでできていたのだが、その一枚の下側が一箇所割れてしまっており、そこをふさぐように内側から板が据えられている。
どうやらそれがはずれ、吹き込む風に煽られることで、動き、音を出していたようだ。
道理で返事はないはずだ。
みき
「あれ、」
ななくさ
それは後ろの二人も気づきますか?
語り手
二人も気付いて良いですよー
時折板が煽られてのぞく穴は大きく、みんなくらいなら潜り抜けることもできそうだ。
ななくさ
「どうかしたで……ござるか……?」タネに気づいても怯えながら。
みき
「いねさん、ななくささん、誰もいないですよ。板の音だったようです」
いね
「なーんだ」
ななくさ
「よかったでござる……」ほっ。
みき
でも生首は気のせいじゃないよなぁ、と内心思っている。
ななくさ
生首? そんなものは気のせいだろう。おそらく。
いね
音のことが解決したから首のことは忘れた。
語り手
THEバードヘッド
いね
とりあたま持ちみたいな言動させてるな!
一応とりあたま技能はもってないのよ!

いね
みきくんの背が輝いて見える。
ななくさ
すごくお兄さんらしい……
いね
「そうそう、お星さま探しに来たんだった」
みき
「あ。ここ、入れそうですよ」 板を押して穴を二人に示します。
語り手
おっと、板の目の前まで近づくのなら、おとな3で判定
いね
おとな持ってる人ー
ななくさ
任せた!
おとな2ですが想いがもうないでござる!
みき
任せられた! おとな3で判定します。
語り手
OK、ってみきくんは素で3か
みき
です。>素
語り手
OK
ではみきくんは板を押し開けた時にすぐに気付く
その入り口の前には、うっすらとすなぼこりが積もっているのだけれど、その上に足跡がいくつか見える。
足跡はおそらく全て同じもので、靴のような足型だ。
みき
足跡に気づいて地面を見下ろす。どんな靴? がっこうにいる子供たちのうわばきに似てる?
語り手
うわばきとは違うように思える。
サイズはみんなと同じくらい。
うわばきのようなシンプルなものとは違って、もう少し凝った形のソールパターン
ななくさ
変化かな……? 違うかな?
みき
「……だれか、先に来てるかもしれません。こども、かも」 砂埃の上の足跡を指さして、またもそわそわし始める。
ななくさ
「……こどもがいるのでござるか?」
いね
「ヒトがいるの?」
パンとか持ってないかなぁ、おやつ食べたりしてないかなぁ、などと考えてしまうな。
相手が人間だと警戒心が抜け落ちるハクセキレイ。
ほんっと逃げないよね……
みき
「わからないです。ぼくたちみたいなものかもしれないけど、足跡はひとのに見えます」
「埃の上についてるから、むかしのものじゃないと思います」
「……あの、先に行ってもらっても、いいですか? ぼく、後ろからついていきます」 隊列変更を要求。
相手が人間だと びっくりさせちゃうかも! と及び腰になる刃物。
ななくさ
「わかったでござるよ。……怖いけど、先陣を切らせていただくでござる」
いね
おっ、オトコノコ!
ななくさ
ひゅー!
みき
「ありがとう」
いね
「じゃあ、にばーん」
みき
ななくさくんかっこいい!
ななくさ
ありがとうございます!
いねちゃんを守ってあげたいからね! しょうがないね!
いね
本当は先に行こうって打っていたところだったの。

【♪黎明】
語り手
板を押し開け、ケガをしないように気をつけてガラスの穴をくぐる。
そこは、小さなサイズの棚が壁のようにいくつも組みあがった、不思議な空間だった。
みきならわかるだろう。
そこはにんげんのこどもたちがこの学校に入るときに靴を履き替える、下駄箱の並ぶ、昇降口とよばれる場所だった。
しかし、そこには人の姿はすでに無く、誰かの忘れ物だろうか、片側だけのうわばきが転がり、錆びた傘が傘たてに残るだけだ。
壁にかけられた時計も、でたらめな時刻を指し示したまま、凍り付いていた。
いね
「わー、巣箱がいっぱい!」
みき
「巣箱じゃなくて、靴をいれる箱ですよ」
ななくさ
「靴を……裸足で駆け回っていたのでござるか?」
みき
「いえ、部屋の中のための靴を履くんです。裸足だと、画鋲を踏んじゃったりしてあぶないですよ」
ななくさ
「がびょう……なんか痛そうなのは、わかったでござる」
いね
ニンゲンのヒナがいっぱいいた、ニンゲンの巣みたいなものなんだな、きっと。
みき
錆びた傘を手に取って開いてみます。
語り手
傘はさび付き硬く、少し力を加えたところで、びっ、と音がしてビニールが少し裂けてしまった。
みき
寂しそうに傘を傘立てに戻す。
いね
「ふーん、いっぱいいたんだねぇ」
みき
「ええ、いっぱいいました。ここにも、きっと」
語り手
コンクリートとリノリウムに覆われた石室の中は、心なしか外よりも冷え、みんなの白い息が凍りついたような空間に溶けてゆく。
いね
「さむい……」
ななくさにはりつく。鳥は低温に弱い。
ななくさ
「尻尾が暖かいでござるよ」といねちゃんに。
いね
「ありがとう」
しっぽ、つかんだら痛そうなので軽く手を触れさせよう。
みき
「……寒い、ですね。奥にはいってみましょうか。立ち止まってたら、寒いから」
いね
「うん」
「いってみよ。えーと……おほしさま。そう、おほしさま探しに」
ななくさ
「そうでござるな……」
語り手
表で付着したと思われるすなぼこりを落としてゆく足跡は、その言葉を肯定するかのように、奥へと続いている―――。
といったところで、本日はこのあたりにしておきましょうか。

ゆうやけこやけ

第一~二話『龍の眠る滝』『ともだち』
第三話『ふしぎなともだち』
第四~六話『ふたりのかげ』『たそがれのまど』『とびらをひらいて』
第七話 『さくら咲く頃』
第八話 『ふたりの娘』
第九話『みあげればそこに』
第十話『旅するゆうこや』 1 2 3 4 5 6
番外 こどもとTRPG 準備 『まいご』 『たからもの』 『化けニャン』

これは『インコグ・ラボ』が権利を有する『ふしぎもののけRPGゆうやけこやけ』の二次創作物です。