語り手
前回までのゆうこや
不思議なものが見えるという二人の少年。まさと と しげる。
二人の性格はだいぶ違うようです。
真実の世界が見えているのは果たしてどちらなのでしょうか。
そして噂の血塗られた人食いバイク・吸血桜・ヌメヌメ竜は実在するのでしょうか。
【♪桜吹雪】
語り手
そいじゃはじめまーす
ルーク
はぁーい
雪花
はい。
語り手
ひとまず子供たちは三々五々帰ってゆきますが、夜にかけてなんかやっておきたいこととか訊いておきたいこととかありますン?
しのぶ
まだ他の子供らはいるのかな?
語り手
何人かは残っています。
女の子が二人、カタヌキしてます。
雪花
楽しそう(こなみ)
ルーク
おやかわいい。
語り手
あとは、古い10円ゲームに熱中してるオトコノコ。
ルーク
とくにないかな。
雪花
同じくー。
語り手
とくになかったらぼちぼち夜が更けてゆく。つるべ落とし。
ひゅーん。
しのぶ
まぁしのぶは呆けてるし、チョコバーのどにつまらせてるし、悶絶してる
語り手
引きずってるw
ルーク
しのぶくんwww
しのぶ
川の向こうでおじいちゃん(カワサキ マッハH2)が手を振っているのが見える
語り手
しっかりするんだw
さて、魂抜けかけているしのぶをよそに翌日!
朝方謎のバイク様のものが町をふらふら移動しているのを見た人がいるとかいないとか。
しのぶ
ばいくさま

ルーク
「にゃっぷい。びみょーにさむいのです」
しのぶ
「だいぶ落ち葉もたまりましたし、あとで焚き火しますから、お芋でも焼きましょうか」
語り手
落ち葉たき!
ルーク
「おいも!! いもあん!」目をキラキラさせる。
雪花
「あっ、おいも! おいもいいね!」ぴょんぴょんと跳ねる。
しのぶ
根っこ切ったとこから、しっかり蜜が染みた厳選芋を抱えて戻ってくる
雪花
「ふぁぁ……キラキラしてる……おいしそう……!」芋テロ。
しのぶ
背後には【境内火気厳禁】の看板
語り手
ちなみに落ち葉を集める熊手にも「火気厳禁」って筆字で書いてある。
しのぶ
境内でいつも内燃機関搭載した鉄馬で走り回ってるから問題はないな
語り手
そういう問題だろうか……
ルーク
かきげんきん。牡蠣を焼いてはいけないということだろうか。
しのぶ
むしろ牡蠣を食べてはいけないということでは

しのぶ
タンサンフレークうめぇ
ルーク
うまいじゃろうまいじゃろ
あれは牛乳をかけると最強
雪花
あれはおいしい。
しのぶ
牛乳は明日の朝食時に試してみる予定
朝はフルグラ食べるのでちょうどよい
雪花
牛乳有りの方が美味しかったですよ。ふふ。
ふふふ……あ、銀座マロンも美味しかったです。
しのぶ
それはよかった!
瀬戸内レモンイカ天とフレークもうんまい
ルーク
イカ天あれくせになるお味ですな
雪花
イカ天今度食べよう。私は心にそう誓った。
しのぶ
手が止まらんくなりますぜ

語り手
さて……へんげで判定してください。目標値7。
しのぶ
では想いから4、ふしぎから3つかって、へんげ7で判定
あ、ふしぎから、2だ
雪花
あ、私も想いを4はらいます。
ルーク
複数人で判定して意味があることなら、こちらも想いを4使います。
語り手
みんな手堅いな。
失敗してもイインダヨ!
全員成功です。
全員ふと、視線を感じた気がしました。
あの桜の木のあたりからですね。
しのぶ
落ち葉の中に芋をしのばせながら、なんとはなしにそちらを見てみる
ルーク
なんだろう? 見返しましょう。なにものだ。
雪花
では、そちらの方をみます。よだれを垂らしながら。
しのぶ
凍てついてそうなよだれ
語り手
コワイ
雪花
じゅるり。
語り手
では、桜の木の下でいきなり三人に見つめられて思わず跳ね上がっているまさとくんがおります。
「わわっ?」
こてん、と後ろにひっくり返ります。
ルーク
「あっ、こんばんはなのですー」 ぶんぶんとてをふりましょう。
雪花
「あ、まさとくんだ! 一緒に芋食べようよ!」
しのぶ
「なんだ、まさとくんじゃないですか。こんばんは」
「これからお芋焼くんですよ、良かったらご一緒にいかがですか?」
にっこり
語り手
「こんばんは」
若干ばつが悪そうに愛想笑いをしています。
「お芋いいな……うん……でもやめときます……」
しのぶ
「そうですか? 蜜たっぷりであまーいですよ?」
ルーク
「えっ、やめちゃうのです? 蜜たっぷりなのに。キラキラ光って金色ほくほく」
雪花
「そうそう! おいしいよ! 温まるよ!」
語り手
ごくん、と生唾をのんだ音が聞こえた気がします。
「う、ううん、……そんな気分じゃないや」
んじゃここで【観察】したい人は
おとな・けもの で判定してくださいな。
5くらいでいいかな。
しのぶ
おとなぢからで見抜く。
想い3消費で5
ルーク
では、けもので。想い4消費します。
なけなしの嗅覚(普段はあんころもちに使われている)を振り絞って観察だ。
雪花
今回は見送ります。
語り手
ではしのぶは「こやつ何か隠しておるな」とピンときます。
ルークの嗅覚には「さっきまであの【友達】と一緒にいたんじゃないかな」という雑多なにおいが飛び込んできますよ。
雪花
なんにも気付かなかったよ!
しのぶ
「……そうですか。でも、今境内にいるのはボクたちだけですから。気兼ねしないで良いんですよ? 気が向いたら、ご一緒しましょうね」
気遣うような、ちょっと寂しいような顔で微笑む。
無理強いはしないし、無理には聞かない。
語り手
「う、うん、今の時間は晩御飯に響くからだめだよってママに言われてるから」
ルーク
「……なんだかいやなことがあったのです? あのね、お芋食べる元気なかったら、おはなしだけでも聞くのです。それか、おにごっこして遊ぶのです」
ルークはそこまでおとなではなかった。
語り手
「うん……ありがとう。おにごっこは、今度にするよ」
雪花
「えっ!? なにか嫌なことあったの!?」
「今度一緒に何か食べよ? 落ち込んだときこそ、元気に食べ物を食べるべきだよ」
語り手
「……」
雪花の言葉にあからさまに反応して身をこわばらせます。
ルーク
「食べるはひとをよくするって書くのです。おいしいもの! だいじ!」
雪花
「困ったときはまたおいで。しのぶくんが美味しいお芋を準備してくれてるよ!」しのぶくん任せた!
しのぶ
「……」
まさとくんのお相手は、素直な対応ができるお二人にまかせて、焚き火をかき回している……

って打っていたとこだったのに!
じゃぁねー、うんとねー
語り手
しのぶには、何か言いたいことが喉の奥を突っついているのに言葉にならない、そんな複雑な感じが伝わってきました。
オットナー
しのぶ
適当な木の棒で、焚き火をかき回す。
やがて灰と燃え残りの落ち葉の中から転げ出てきた、燕脂色の芋を、着火剤代わりに使っていた新聞紙に3本ほど包む。
まさとへと近寄ると、手を取り芋をしっかりと抱かせる。
ルーク
行動で示すしのぶくんかっくいい
ルーク
「むむ、こうどうでしめすいけめん」
語り手
芋を受け取ったまさとは、しばらく立ち尽くしていました。
ほかほかと上がる湯気の向こうで、そのかたくなな表情までもがホカホカに温められてゆくようでした。
しのぶ
「これ、もし良かったらお母さんと召し上がってください」
「ボクたちは、このくらいの時間、いつもここに居ますから。またいつでも来てくださいね。そして、またおしゃべりして、遊びにきてください」
いつでも良いですから、と微笑んで、芋を抱くまさとの腕をぽんぽんと叩く。
芋の暖かさが少しでも気持ちに染みてくれればよいな
語り手
まさとの目から大粒の涙があふれだしました。
「ありがとう……」
雪花
「なるほど、世界よ。これがイケメンだ」納得。
何もしてないのに真顔でうんうんと唸る。
ルーク
しのぶくんのまねをして、無言でハンカチを差し出そう。
しのぶ
「いえいえ」
ただ微笑んで、狩衣の袖で涙をぬぐってやる
語り手
えぐえぐと泣きじゃくりながら、ルークが差し出してくれたハンカチで顔を拭きます。
しのぶ
あ、ハンカチのほうが早かった!
語り手
ちなみに雪花はそんなまさとの様子を興味津々で覗き込んでいる、半透明の赤子の姿を見ることでしょう。
狩衣っぽいの着てる。
雪花
「……?」目をごしごし。
ルークちゃんの服の裾をひっぱり、赤子の方を指さします。ルークちゃんにもこれで見えないかな?
語り手
まさとはしばらく泣いた後で、「だって、あいつらがさ……」とぽつりとつぶやきます。
「あいつらがさ……僕の話を、聞かないからさ……」
「あいつらが悪いんだよ」
しのぶ
アタマぽんぽんしながら背中さすって、ただ吐き出させてやろう。
さぁ、お兄さんの胸でお泣き
語り手
「行っちゃ駄目だよって言ってくれてるのに、信じてくれないからっ」
「とうめいのひとが教えてくれたのに」
しのぶ
「とうめいの……ひと?」
ルーク
「行っちゃ駄目? 駄目って、なにかあぶないことがあるのです?」
「きんきゅうじたいのにおいがするのです」
裾を引かれて、赤子の姿を目にとめながら。
しのぶ
>>EMERGENCY<<
しのぶ
という表記をバックにルークのアタマの上でパトランプが回っている光景が目に浮かんだ。
>きんきゅうじたい
BEEP!BEEP!
語り手
「とうめいでびしょびしょのひとが」
「こっから先行ったらしぬよって」
「言ってたんだよっ」
「なのにあいつらっ」

【♪STOP】
しのぶ
怪談の気配
語り手
「うそつきの言うことなんか信じられないって」
「行っちゃったんだよ!」
「どうしたらいいか、わかんなくってっ」
しのぶ
しのぶの顔に緊張が走るーーー
語り手
まさとはそこまで吐き出すと、大声で泣きだします。
雪花
黙って背中を撫でます。ちょっとでも楽になってくれるといいな。
しのぶ
まさとの背中をさすってやりながら、雪花とルークに目配せ
雪花
みんなでさする、このスタイル嫌いじゃない。
ルーク
「あのね、あのね、言ってくれてありがとうなのです」 目くばせをうけてうなずく。
語り手
「どうしよう、本当に死んじゃったら、僕のせいだ」
しのぶ
「そんなことはありませんよ」
「まさとくんは、ちゃんと皆に教えてあげたのでしょう? そして、ボクたちにも伝えてにきてくれた」
ルーク
「まさとくんはじぶんのぎむをはたしてるのです。それに、こうやっておしえてくれたのです」
雪花
「うんうん、教えてくれてありがとう」
語り手
ぽたぽたと黒いシミが地面に広がってゆきます。
しのぶ
「そして、大丈夫。こう見えてボクも神職の端くれです。宮司さんもいますし、あとはボクたちに任せてください。お友達はきっとお連れしますから」
ルーク
「あのね、あといっこだけ教えてほしいのです。そのこたちは、どこにいっちゃったのです? どこからさきが、だめなやつだったのです?」
語り手
「ええと、ええと……フッシー……」
しのぶ
ヒャッハー!
語り手
泣きすぎてのどが詰まってまともに言葉にならないようです。
「フッシー」
「みに、いくって」
「ふた……この」
「あっち……の……」
しのぶ
「二羽湖ですね?」
語り手
ひっくひっくやりながら頷きます。
雪花
「……うん、うん。大丈夫だよ。なんとかなるよ」柔らかな髪の毛を撫でる。
ルーク
「ありがとうなのです。それだけわかればこっちのもの」
語り手
なおも何か言おうとしているようにも見えますが、もうまともに言葉になりません。
あれだ、止めようと一生懸命になればなるほど駄目になるやつだ。
時間がたてば落ち着くでしょうが。
雪花
泣き止むまで頭を撫でたいです。時間が許せば。
しのぶ
じゃぁ、ここは雪花ちゃんにまかせて、しのぶとルークで湖行きますか?
ルーク
そうですな、先行しましょう。その前に、駐在さんなりおとうさんなりに「子供が数人湖を見に行ったが、あそこは危険らしいと聞いた」 ということを、可能なら「電話で」連絡しておきます。神社のやつかりよう。
直接言うと止められるので、電話で伝えてトンズラだ。
語り手
電話なら前回借りたしなんとかなるでしょう。
しのぶ
青年団を狩り出そう
では、
ルークが電話してる間に、社殿から本身を出して来よう
ルーク用のネコミミインテーク付きのメットも一緒に
ルーク
か、かわいいな! >ねこみみメット
必要に応じてネコミミを展開させると空気抵抗が増大してブレーキの役目を果たすのだろうか
雪花
ほほう。
こいつぁすごいや。
ルーク
思った以上に猫だった
語り手
するとおじーちゃんが「おや、しのぶ、整備はおとといやったばかりじゃなかったかね?」と顔を出します。
しのぶ
「あ、ああ、えっと……。チェーンのシールにオイルが馴染んだ頃だと思うので……。回してオイル巡らせておこうかなって……」
指をもじもじしながら。
雪花
おじーちゃんに夢を渡しておきます。
語り手
ありがとうw
「……変な噂にならないように、しておくれよ」
しのぶ
「大丈夫ですよ! なったこともないですよ!」
語り手
『なったこともない』という言葉には長い眉毛をぴくんと上げて、軽い溜息をつくオジーちゃんであった。
自覚ない!
しのぶ
しのぶの迷彩効果には、本人の中で大変高い評価を受けています

ルーク
可能なら駐在さんに電話しましょう。
語り手
駐在さんは「むむむ」と唸って、「分かった、友達のことは心配しないで早く帰んなさいよ」といいます。
「明るく見えてもすぐ暗くなって危ないから、あとは任せなさい」
「誰が行ったかは分かるかね?」
しのぶ
メンバーその1ムカつくメガネ
……以下数名
雪花
(名前忘れてた)
語り手
一応コマ置いてあるからっ
しのぶ
宮本茂
雪花
ニンテンドーのお偉いさんだ!
語り手
※ちがいます。
ルーク
「あのねあのね、しげるくんたちが行っちゃったのです」
たいへん! たいへん! と電話口で無意味に手をぱたぱたさせる。
語り手
「ふむふむ、しげる、と……加賀見さんのところか……」
「ほかの子の名前はわかるかな?」
ぶっちゃけモブではあるけども。
しのぶ
・園田一郎(そのたいちろう)
・藻部敬二(もぶけいじ)
・駅素虎三(えきすとらぞう)
語り手
わかんないということでいいかなっ
ルーク
「わかんないのです…… でも、しげるくんと一緒にいたお友達のみんななのです」
語り手
「わかった、後は任せて帰るんだよ」
「知らせてくれてありがとう」
ルーク
「はいなのです、ありがとうございますっ」
雪花
ルークちゃんは良い子だなぁ……(しみじみ)
語り手
電話は切れました。
ルーク
「ふぅ」
しのぶ
じゃぁ電話から戻ってきたルークに、ネコメットを放って、狩衣の肩のとこつかんで引っ張って、こうばっさー! と脱ぎ捨てると、フルフェイスメットとライダースーツに身を包んだ痩身が現れる、的なアレでヒトツ。
ルーク
「じゃあ早速行くのです。しんでもじこせきにんだけど、しんだらゆざめ? ねざめ? が悪いのです」 ネコメットをもごもごと装着しながら。

【♪静寂】
しのぶ
ライダーズシートにまたがると同時に、キーもイグニションスイッチも押していないのに、エンジンが始動する。
キーをイグニションまで回してから、スイッチ押すとエンジンかかるんだよ
雪花
なるほど……。
しのぶ
セルモーター搭載されてない車種(SR400とか)だと、今でもキック始動だけどね
雪花
「二人とも、いってらっしゃーい! 気を付けてね!」手を振る。
語り手
いまだにヒックヒックと肩を震わせながら、まさとはふたりを見送ります。
ルーク
「はーい!」 手を振り返して前を向き、ハンドルを握る。
語り手
普通に走ってゆく?
しのぶ
いや、彼らの視界から消えたら、そらのみち使おうかと。
語り手
そうですね、ぶっちゃけバイクじゃ無理な感じの道です。
しのぶ
軽くパワーリフトしつつ急加速で出発。
ルークのネコ反射神経なら振り落とされたりはしないだろうという信頼感
語り手
さて、では一度シーン閉じまする
ルーク
はーい
雪花
はい。
しのぶ
はーい
語り手
夕暮れの道をカラスに紛れて空へと駆け上がったバイク。
日は沈み、一番星が輝き始めています。
かつての参道は発掘作業のため歩きやすく整備されており、二和の滝があった場所までは普通に車で入ってゆけるようになっています。
湖はさらにその上流。発掘現場からは少し離れています。
発掘現場は明るく照らされていますが、少し山を奥へ入るとやはり真っ暗。
ルーク
「えまーじぇんしー! なのです!」 駆けてゆくバイクと少女。
しのぶ
「白バイさんのパトランプ、ボクもつけてみたいなぁ」
二和の滝は、その湖から流れ出しているの?
語り手
流れ出していた、というのが正しいですね。どちらも今はほぼ存在しないのですから。
しのぶ
そうか、湖いまは涸れているのか
語り手
そういうこと。
かつての滝は崩れ落ちて、川はほんの少し湿りけを帯びている程度のものです。
しのぶ
湖はぬかるんだ状態? 沼か湿地みたいになっている?
語り手
上空から見下ろすと、くろぐろと泥がたまっているような状態です。
ところどころに泥水が溜まっているようですね。
しのぶ
じゃぁ、表面上は【普通のバイク】に見えるように、そのぬかるんだ地面スレスレのとこをそらのみちで走り続けようか
ドラえもん的なアレ
語り手
姑息なw
雪花
しのぶくんのDEXは18ぐらいあるのか……!?
しのぶ
封印されし左眼(ハイビーム)も点灯して、メガネどもを探そう
ルーク
走りながら状況を確認します。人影や動くものの影はありますか? 誰かの声は聞こえる?
語り手
ではけもので8判定っ
雪花
がんばれー!
しのぶ
けものは高いぞ
ふしぎ4つかって8
まかされた
しのぶのけだものぢから
語り手
ではかつての川岸乾いたところに、オヤツの空き袋が落ちています。
あといくつかの棒キャンデーのハズレ棒。
しのぶ
光輪の中に浮かび上がる銀を前に、足、もとい車輪を止める
語り手
棄てられたのか落とされたのかは定かではないけれど、まだ新しいです。
ルーク
「むむっ、彼らの痕跡を発見なのです?」
しのぶ
「そうみたいですね……こんなところにゴミなんて捨てて、もう……」
足跡とかないかな
語り手
近くに小さな足跡を発見しました。
しのぶ
ではギアを1速い入れて、低速でそれを追跡してみよう

語り手
しばらく行ったところに、男の子が二人座り込んでいるのが見えました。
メガネはかけていません。
しのぶ
ではその前まで移動して……しゃべるワケにはいかないので、ルークにまかせるw
語り手
「ああっ、人だ!」
「よかったー」
ルーク
「はい、人なのです。こんな暗いとこで迷子なのです?」と、彼らに呼びかけましょう。
憔悴しているようなら手持ちのうめジャムなどを分け与えます。
語り手
ひとりは半泣き、ひとりはにっこりと笑いながら口々に道に迷ったとか懐中電灯落としたとかなんかに足ひっかけられたとか騒ぎます。
雪花
可愛そうなモブ……。
語り手
「やっぱさー、まさとの言う通りだったんだよー」
「しげるのやつ死んじゃったんじゃない」
「そんなわけないよぉぉぉぉ、デタラメ言うなよー!」と半泣きの子が叫びます。
しのぶ
パニックしてそうなので、沈める目的で強めに一回、空ぶかししてやろう。
語り手
エンジンのうなりに、二人は声をあげます。
しのぶ
足付かないけど、直立してるんだな、このバイクw
ルーク
「あのね、ルークはみんなを探しに来たのです」 二人が声を上げたところで、にっこり、にんまり? 笑ってみせましょう。
「だから、大丈夫なのです。しげるくんがどこまでいったか教えてほしいのです」
語り手
ルークって外見年齢いくつだっけ。
ルーク
八歳ですね。
語り手
バイクに乗っている……八歳児?
「お前バイクに乗ってきたの?」と元気そうな方。「大人の人は?」
ルーク
「あとから来るのです。このこはかりものです」
しのぶ
今度は小さく唸る
返事するかのように。
語り手
「ふーん?」 なんだか腑に落ちないな、というような顔をしながらも。
「しげるのやつ、俺たちをおくびょうだってバカにして、あっちに行った」
と、湖の方を指さします。
しのぶ
とりあえず、彼らを岸へ退避させて捜索続行かな?
ルーク
「二人のほかにはしげるくんだけなのです?」
語り手
「そうだよ。ほかみんな帰った」
「ねえねえカッちゃん、そのバイク、人食いバイクかもぉぉ」
半泣きの子が首をブンブン降りながら丸聞こえの声で言います。
しのぶ
7千回転くらいまで上げてやろうか
ルーク
「ん、わかったのです。ありがとうなのd…… 人よりあんころもちのほうがおいしいから食べないのです」
語り手
「あんなの嘘に決まってんじゃん。お化けなんかいるわけないだろ」
「あいつ嘘つきだもん」
しのぶ
というより、ご神体のバイク知らんのかこいつらw
メガネの評価が安定して低いようで何より
語り手
ご神体イコールお化けバイクってことになってんじゃないの?
しのぶ
そこまでいっちゃってんのかー
荒魂鎮めてる神社だったのか
語り手
そんな話してなかったっけw
ルーク
ともあれ、彼らを二人で帰れるところまで送り届けて探索続行かな?
しのぶ
湖の周りに遊歩道とか、周遊道路とかあるなら、そこまで連れてけばあとは大人が見つけてくれるだろう
語り手
「あいつ作り話ばっかりしてるから。大体今回のだって嘘に決まってるのに意地になりやがって、人のことバカバカ言ってるけどバカはあいつだよ」
雪花
子供の世界怖い。
しのぶ
(なんだか、あのメガネくんも色々ありそうですね)
語り手
「じゃあなんできたのさー」
「あいつをあいつのネタでびびらせたら面白いかなって」
二人はわいわい言っています。その合間に二人に礼を言って、町の方へ歩いてゆきました。
ルーク
では探索続行、というところで以上かな。
語り手
いじょう!
しのぶ
おk

雪花
お疲れ様でしたー。
語り手
雪花に戻れなかった……ッ!
しのぶ
あれ
ルーク
おつかれさまでした!
語り手
こんな暗い話でいいのカシラ
しのぶ
そういえば、この湖のシーンは、さっきのとこから一度切れてるのかな?
語り手
つづいてるyo
でも次回初めでまた切るyo


コメント By.

ゆうやけこやけ

第一~二話『龍の眠る滝』『ともだち』
第三話『ふしぎなともだち』
第四~六話『ふたりのかげ』『たそがれのまど』『とびらをひらいて』
第七話 『さくら咲く頃』
第八話 『ふたりの娘』
第九話『みあげればそこに』
第十話『旅するゆうこや』 1 2 3 4 5 6
番外 こどもとTRPG 準備 『まいご』 『たからもの』 『化けニャン』

これは『インコグ・ラボ』が権利を有する『ふしぎもののけRPGゆうやけこやけ』の二次創作物です。