こんばんは
シロ
キタヨー
高瀬川の和樹
キターヨ
シロ
語り手いちもと違う環境で始めようとしているからちょっと待ってください
高瀬川の和樹
おっと出先かしら はーい、ごゆっくり
シロ
出先と言えば出先(自宅)
風馬
ちこくちこくーまにあった
高瀬川の和樹
おおっと(クリスマスケーキをくわえて角を曲がる)
シロ
ビシャアする!
じゃあ私はチキンくわえて家を出る。
……シュトーレンにしとこうね……。
語り手
これでいけるかな
高瀬川の和樹
チキンがクリーム塗れにっ
お、こんばんは
語り手
ちょっと今日はニューデバイスのchromebookなので
色々不都合がありそう
とりあえず始めましょう
お待たせしました
風馬
くろーむ
語り手
早めに飯食っていつもの環境に戻るようにしまーす
高瀬川の和樹
飯食べてから開始でもいいんですヨ
語り手
そしたら23時開始とかになっちゃうんでぇ

語り手
というわけで、前回はゆりと風馬の心温まるシーンでした
そして明かされたゆりの真実
高瀬川の和樹
衝撃の事実が明らかになったところでしたね
シロ
度肝を抜かれるシーンでした。
風馬
和樹たちのところに合流します
語り手
これからシーンは夜となって、皆さんお山の方へ行くことになると思うのですが、それまでにやっておきたいこと、話しておきたいことなどありましたら
シロ
ひとまずはないかなー
高瀬川の和樹
それぞれ情報共有かな
風馬
エイリアン以外は共有します
シロ
「かえるところがない」あたりは?
高瀬川の和樹
市長のことについて話すことはできたが、おじさん達は引っ越すことも考えていそうだという辺りを共有。
風馬
じゃあ、残された私はどうすればのところを共有かな
シロ
「でも。
みんなでいっしょだったらさみしくないし。
タブン」
それじゃ駄目な理由が良く分かんない。
語り手
ゆりは藤葛木と直接の結びつきがないから、今回の要石作りには本格的な参加ができなくて、一人取り残されちゃう形になりますからねぇ
シロ
要はまだ「つながり」がないんだね。
高瀬川の和樹
「……そうか……」
風馬の話を聞いて、唸る。
「あいつ、お方様とそんなに長ぇ付き合いだったんだなあ」
シロ
「おばーちゃん?」
高瀬川の和樹
「だな」
シロ
「ソッカー」
語り手
まぁそれだけでなく、ともだちのみんなが自由利かなくなっちゃうのがね、モヤモヤしちゃって
シロ
「ながーくいきてるから、むずかしいことばっかりいうし、かんがえてるんだな」
高瀬川の和樹
「ああ。俺と同じかもな、難しい言葉や心を抱えすぎてんだ。
見た出来事が多すぎんのよ」
シロ
「よくおぼえてられるなぁ。あたしすぐわすれちゃうのに」
高瀬川の和樹
「忘れることもできねぇ程、積み重なった物が多いんだろう。うまく剥がれてくれねぇんだ」
風馬
「ゆりがおこったままだとこまるな」
高瀬川の和樹
「……そりゃあ、俺達が同じ事しようとしたら、怒るわなあ。
ゆりのやつ、置いてかれた方なんだ」
シロ
「いっしょにいるのに?」
高瀬川の和樹
「そうさ。お方様のやつ、ゆりのきもちを置いてっちまったんだ」
語り手
長生きということは、それだけ色々と『置いてかれた』ってことでもありますからな
シロ
「キモチか」
高瀬川の和樹
「ああ。
ああ。怒ったままじゃ困るよ。喧嘩別れしたまんまなんて、後味悪すぎらぁ」
シロ
「カミサマになるって、きえちゃうわけじゃないんだろ?」
どうしてそれで「おいていかれた」になるんだろうな、と首をひねる。
風馬
「あやまってもダメだっていってたぞ」
シロ
「ゆーちゃんおこりんぼだ」
高瀬川の和樹
「そうさなぁ。友達がつらい目に遭ってたらつらいだろ? つらくなくしたいだろ?」
シロ
「うん」
高瀬川の和樹
「心配するよな?」
風馬
「そうだな」
シロ
「する」
高瀬川の和樹
「つらいだろうに、つらくない顔してたら、もっと心配になるよな?」
シロ
「うん、しんぱい」
高瀬川の和樹
「こっからは想像なんだけどさ。
つらいし心配だって言ったのに、それを全部聞いてないふりされたら、ちょっとくやしいよな」
シロ
「……うん」
むずかしいけど。
風馬
「……そうか」
高瀬川の和樹
「そういうのも、ちょっとあんじゃねぇかなぁって思うよ。
人のためにつらい思いしてんの見て、当人は納得してても、はたから見ててつらいし、心配だ。
その気持ちの持っていき所がねぇ、っていうかさ」
シロ
「ありがと、っていえばよかった」
風馬
「ありがとうなのか?」
高瀬川の和樹
「どうだろうな、何がよかったのかは分かんねぇ。
単にそういう気持ちをもっと話せばよかったのかもしれねぇし、話したけどそうなったのかもしれねぇ」
シロ
「うーん。むつかしい。でもはなせばよかった?」
高瀬川の和樹
「例えば、どうして人のためにつらい思いをするのかって気持ちや、つらい思いしてるの見てたら心配だって気持ちとかをさ。

あー、悪ぃ、整理できてねぇな。そん時何をどれくらい話して、どうなったのか知ってるわけじゃねぇから、想像なんだ。あくまで。
俺が考えるようなことくらい、もうやったかもしれんしさ」
シロ
「あたしね、おやまをまもりたいんだ」
風馬
「……じしんはとめたいぞ」
シロ
「お方様にわらってほしいんだ。
おばあちゃんたちも、しょんぼりしなくてすむようにしたいんだ」
風馬
「……きつねが。
きつねが、きえないようにできないのか?」
シロ
「うーん……あのね、ねぶたつくったら。
むかしのひとがいたんだよね」
風馬
「そうか、かわりのからだがあればいいのか。
シロはかしこいな!」
シロ
「へへ、そーでしょ」
でーん、とそびえ立って輝くお方様の図を思い描く。
なかなか素敵だ。
「オニのかいじゅーのヒトみたいにさ」
風馬
年に1回会えるお方様に
お狐さま
こっちなのか
ちびきつねさま
こっちなのか
風馬
ちびだと金魚サイズに
シロ
あー。シロ的には微妙だな。長いこと一緒にいたのはチビの方だからイメージがそっちになっちゃったかも。

高瀬川の和樹
「ふうむ、そうだな。お方様のことが頭から抜けてたが、まだ諦めるような時間じゃねぇや」
風馬
オレたちが自由に動けるほどの神力が足りなくても、お方様1人に写し身とかりそめの寿命くらいは渡せるかもしれない
シロ
今までのお返しをするのもアリだなぁ。
高瀬川の和樹
「あいつだってお社をちゃんと移設してくれるっていうし、それでもういっぺん体を作って、またみんなが信じてくれたら、それこそどうにかなんねぇかな」
シロ
かわりにゆーちゃんと外で色々見て、おみやげをもってくること!!
風馬
街の人に狐のねぶた作ってもらうとかね
ああでも時間ねえやオレたちが作るか
シロ
つくるかー! 旅の間に稼いだ【おもいで】を使って!
語り手
あの時一番出来が良いの作ったのシロだったっけ
シロ
えっへん!
そうだっけ? さすがに忘れちゃったな。
高瀬川の和樹
だった気がする?
風馬
そのはず!
シロ
ヨリシロ作りは任せてくださいよォ
ロコン作ろうロコン
語り手
任天堂法務部がアップを始めました
風馬
パルワールドにしよう
語り手
皆さんのお話が落ち着いたら夜のお山のシーンにチェイングしますね

高瀬川の和樹
「……いくら町のみんながいたって、お土産話があったって、もう二度と外に出ることも、旅することもできねぇんだ。
そりゃ、辛くねぇわけがないよな。しんどくねぇふりしててもしんどいよな。
でも、それ以上に、この町のみんなやお山を守りたいんだ。
だから、そうすんだよな」
シロ
「でもさでもさ、そとにでられなくなっても」
高瀬川の和樹
「おう」
シロ
「ケータイ とかさ、 テレピン とかさ。
スマホ とかあるし、それではなせるよね」
語り手
ゆりからの旅先レポートが!
高瀬川の和樹
「そうそう。お方様の頃よりか、ずっとやりようがあると俺は思ってるよ」
シロ
道は電波にも乗っているんだよ
高瀬川の和樹
「外へ出られなくたって、集まって遊ぶことだってできるんだ。
なんとでもならぁさ、きっと」

シロ
関東と関西でTRPGできらぁね
高瀬川の和樹
そうそう
最終話だからせっかくなのでメタを乗せるぜ
シロ
ぶっちゃけシロはヒトのスネをこすっていれば幸せなので、自分が外に出なくても、外から人が来るようになればそれで満足。
風馬
屋根のてっぺんより広い面積を動き回れるのになんの不満があるのか
高瀬川の和樹
そう、風馬くんそもそも動かない風見鶏だよなっていうソレよ

風馬
「シロ、いそいでねぶたをつくろう!」
シロ
「うん!」
語り手
町のはずれのホームセンターでなら、今からでも竹ひごとか買いに行けるかもしれませんね
高瀬川の和樹
「外れの方でよきゃ、買えそうな場所がまだ動いてんな」
シロ
この状況で、ゆりにお金くださいって言いに行くw
高瀬川の和樹
なんなら車もゆりだ
風馬
まぁ《みずのみち》でもいけるでしょうけども
語り手
小さいねぶた作る材料費は持っているとし、そこまでなら急いで歩いていけば充分間に合うものとしますw
シロ
わぁい
風馬
はーいw
シロ
「あたしねー、おこづかいまだもってんだ」
ドヤァ
風馬
「オレもすこしあるぞ」
高瀬川の和樹
「えーっと待て待て、お、ちょっとなら残額あるな。行ける行ける。
ねぶたの作り方、っと……」
風馬
充分間に合うとしても走るぜ!
シロ
いそいでいく!!
語り手
では、みんなはお小遣いを出し合って、急いでホームセンターで材料を買い
あの時のことを思い出しながら、力を合わせてちびぎつねさまの金魚ねぶたを作り上げることでしょう
シロ
ヨイショヨイショ
語り手
そして、その時のことや、旅の間の色々な場所でのことなど、釣られるように思い出し、それらについてお話をしながら
やがて、ねぶたが出来上がる頃には、ずいぶんと日は傾いておりました
高瀬川の和樹
おおーーーーー
風馬
けっこうでかい!
風馬
「できたか!?」
シロ
「でーきたぁ!」
高瀬川の和樹
「できた!」
シロ
「のり、かわいたかな?」
高瀬川の和樹
「おおー、お方様だなぁ」
シロ
しっぽふやしたよ。
おおいほうがえらいんだって、ツクハツーちゃんがいってた。
語り手
のりが少しでも早く乾くように、風に当てながら、工事現場のフェンスの脇を潜り抜けてお山へ登っていると
地震のためか、崩れてしまった地面のために開いた木立の間から、藤葛木の町を見渡すことができました
お日様は、山の影のすぐ上から、沈み際の最後の明るい一筋でそれを照らしています
みんなが、旅に出る前にそれぞれに暮らしたり遊んだり、くつろいでいた場所が、一望できます
高瀬川の和樹
「ああ……、綺麗だなぁ」
見る影もなく崩れてしまった光景だというのに、思わずそんな声が出る。
風馬
「……きつねのやまだ、かえってきた!」
シロ
「ふわー、ひろい」
語り手
地震で崩れたり、少し土や木が取り除かれているために、お社があった場所への道も覚束ない感じではありましたが
やがて、境内の入口に立っていた石の鳥居が、寝かされている、ちょっとした広場の入口にたどり着きました
綺麗な形で倒れている鳥居は、地震で倒れてしまったのではなく、危ないからと人の手できれいに寝かせてあったのかもしれません
高瀬川の和樹
「ああ、確かにこうして見ると結構綺麗に寝かせてあんなぁ。
慌てる前に、いっぺんここまで来りゃあよかった」
シロ
「たおれちゃったわけじゃなかったのか?」
風馬
「よかった、こわれてないな」
ゆり
その広場の片隅、やはり見晴らしがよくなり、町を見下ろすことのできる場所で、桜色の着物をゆうやけこやけの朱色に染めて、ゆりが立っていました。
ゆりは、ちら、と山道を登って来たみんなを見やり
「来たわね」
とだけ言って、また町の方へと目を戻しました
高瀬川の和樹
「よう」
風馬
「きたぞ」
シロ
得意げにねぶたを捧げ持つようにして境内に入る。
ゆり
「何よ、それ」
シロ
「お方様つくったー!」
高瀬川の和樹
「ニューお方様よ」
風馬
「ねぶただぞ!」
ゆり
「そんなの作って、どうしようっていうの」
シロ
「お方様がこれにはいってー、ゆーちゃんとたびにでる!
りょこう? うん、そうそうそれ」
高瀬川の和樹
「俺達が自由に動ける程のパワーはなくても、神力の端切れでお方様にかりそめの寿命と現身くらい用意できねぇか、って話をしてたのよ」
シロ
「いっしょならさみしくない。ゆーちゃんとお方様、ここにはきーちゃんとふーちゃん」
ねっ!!!!!(圧)
風馬
「そうだぞ、みんないるんだぞ」
シロ
しーちゃんもきっと一緒に旅してくれるよ。
時々戻ってきてさ。
ゆり
「……!」
ゆりは、少し、はっとした顔をしてから
俯いて、
着物の袖の先で、ぐっと握った手を振るわせて
「本当に、バカじゃないの……」
小さく、呟きました
シロ
「ばかじゃないもん。いっぱいかんがえたもん」
風馬
「そうだぞ、シロがかしこかったんだぞ」
延長
ゆり
あ、本日ですが、24時30分までご延長って可能ですか?
風馬
こちらはOKですが和樹の体調どうかな
高瀬川の和樹
大丈夫ですぞ~
シロ
ok
ゆり
ありがとうございます
和樹くん、ご無理なさらず
高瀬川の和樹
ありがとうございます
シロ
体調悪いのか。お大事に。
高瀬川の和樹
突然気温が下がったと思ったら突然ぶり返してしまいまして
ゆり
おお、お大事になされませ
今年の風邪は質が悪い

ゆり
「そんな……
そんなことじゃないでしょうが!」
そう、ゆりが大きな声を出したところで
お狐さま
「やぁ」
不意に、穏やかな声が
広場の奥の方から聞こえてくるのでした
風馬
「きつね!」
シロ
「お方様ぁ!」
声がした方に走っていく。
高瀬川の和樹
「お方様! お方様じゃねぇか!」
思わず駆け寄ってしまい、つまずきそうになる。
お狐さま
「すまないねぇ、みんな。旅の疲れもあっただろうに、出迎えもせず」
お狐さまは、旅立ちの前の時と同じように、穏やかな笑顔で、みんなを迎え
シロの頭を撫で、和樹に手を差し出します
「風馬も、初めてのことで大変だったろう、おかえり」
高瀬川の和樹
「おっと、悪ぃ。ありがと」その手を取って立ち上がる。
「あぁ……、久しぶりだなぁ……」
シロ
その膝に飛び込む。
立ってるならスネ、座ってるなら足の上に。
風馬
「かえったらいえがなくなってびっくりしたぞ」
お狐さま
お狐さまは、シロがこすりまわりやすいように、自然に足を開いてやります
シロ
わーい
お狐さま
「ああ……。もう少し私の力が続けばねぇ。地をもう少し抑えてやれたのだけれど」
高瀬川の和樹
「今の今までで十分だよ。それよか、疲れてんのに来てくれてありがとう」
シロ
「よかったーよかったーあいたかったよお方様」
お狐さま
「礼を言われるような筋道ではないよ。皆私が好きでやったことさ」
風馬
「それじゃだめなんだぞ」
お狐さま
「そうか……風馬、少し背も伸びたようだねぇ」
語り手
そう、お狐さまが風馬の頭をそっと撫でていると、じゃり、という小さな音
ゆり
それは、みんなと同じように、それでも少しだけ離れて近づいたゆりの足音でした
お狐さま
「ゆり……
いきなり呼び出して、みんなの案内から、旅の足まで、面倒をかけてしまったね。
ありがと……」
ゆり
言い終わらぬうちに
「そんなことはいいから、話しなさいよ。全部。
のんびりした様子で誤魔化すんじゃぁないわ。何が必要で、何が起きるのか。全部。
こいつらのトボけた頭でも、ことの重大さがわかるように、今度は全部! しっかり! 伝えなさいよ!」
刺々しい言葉を、ゆりはお狐さまにぶつけました
風馬
ひどいいわれようである
シロ
である
お狐さま
「……そうだね。
すまない、ゆり」
ゆり
お狐さまが、困ったように眉尻を下げると、ゆりは鼻を鳴らしてそっぽを向いてしまいます
お狐さま
「……みんな」
高瀬川の和樹
「おう」
お狐さま
お狐さまは、みんなの顔を見渡し
シロや風馬の視線にも合うようにか、ゆったりと腰を少し折ると
「聡い皆のことだ。大方のところは、聞いていることだろうね。
そして、ゆりや皆の様子から見るに、私がここにあった由も、聞いたのだろう?」
シロ
「タブン」
高瀬川の和樹
「あぁそうだよ。悲しくならぁ、俺達なんにも気づいてなかったんだ」
ゆり
「それは、こいつが言わなかっただけよ」
お狐さま
「……ああ。
そうだね、ゆりの言う通りさ。
本当はね、皆。
もう少しだけ、旅を続けたかったんだよ」
シロ
「うん」
お狐さま
「そうして、方々の神々と充分に結縁し、御魂を分けていただくことで、今一度、私を要石とすることができたんだ。
けれど、本当にすまない。
かつての要石と信仰を失ってしまった私は、もう……」
言いながら、お狐さまは本当に申し訳なさそうに項垂れます
風馬
「きつね、まちのみんなはきつねのことおぼえてるぞ。
いえもこわしたんじゃなくて、あたらしくつくるんだぞ。
ああ、かなめいしもつくらないとな」
お狐さま
「そう、なのかい?」
風馬
「ああ」
お狐さま
「話を急いてはいけないよ。よくお聞き。……いや、よくお考え」
風馬
聞く姿勢に戻る
シロ
足元で丸くなったまま見上げる。
お狐さま
「新たな要石を築くことはできるだろう。それは、皆が頑張って神々とのご縁を結んできてくれたおかげだ。
けれどね」
お狐さまは、怒った顔で自分を見やるゆりの顔を見てから
もう一度、みんなの顔を見渡し

「それは、皆自身をこの地に縛ることになる。皆自身が要石となって、この地を鎮めるということだ。
もう二度と、この地を離れることは許されない。
私が、幾百年ここにいたように。

だから、よぅくお考え。
この地が、再び揺れるようになってからの、住まう者たちの恐れの声は、今の私にも聞こえてきている。
この地を離れるという者もあるのだろう。この藤葛木は、なくなってしまうのかもしれない。
その地のために、皆が縛られる必要は、無いのだよ」
シロ
「みんなでかんがえたもん。いっぱいいっぱい」
風馬
「オレたちのまちは、ここだ。
こどもがおおきくなって、つよいいえをつくれるようになった。
なまずもいるぞ、とうかっきは、なくならない」
お狐さま
「……」
シロ
「道はねー。
とおくにいくのにもつかうけど。
かえってくるのにもつかうんだよ」
高瀬川の和樹
「そうかもな。引っ越しする連中もいる。それでいいと思ってるさ。住みゃあそこが都だ。
まぁでも、この場所ならまた誰か住むんじゃねぇの。ここ利便いいし」
お狐さま
「皆……」
お狐さまは、小さく、みんなを呼んで
顔を俯かせたその肩は、少し、震えているようでした
風馬
「それだけじゃないぞ。
シロ、きつねにもみせないと」
シロ
「うん!!」
ねぶたを「ジャーン!」してドヤァします。
お狐さま
「これは……
ひょっとして、私かい?」
シロ
「つくった!!!」
風馬
「つくったぞ!」
シロ
「いっぱいいっぱいねがいをこめたら、ずっとむかしのひとでもここにいるんだろ!」
高瀬川の和樹
「いいだろ。お社に設置しようぜ」
シロ
「なかからっぽだからいっぱいはいるな!! おねがい!」
お狐さま
お狐さまは、震える白い指先で、それに
つ、と触れ
「ありがとう……」
その白い面に、一筋、滴が流れました
シロ
おもいでをミッチミチに詰めよう。
高瀬川の和樹
詰めよう詰めよう
語り手
その時です
ゆり
「……バッカじゃないの!?」
ゆりの大きな声が、響きました
シロ
ピャッ
ゆり
「そんな……そんなねぇ……!」
その肩は、ぶるぶると震え、同じく震えようとする唇を時折噛み締め、
「そんなの、意味無いのよ!」
風馬
「うわ」
高瀬川の和樹
「ぬぉ」
シロ
コワイ
シロ
割と平行線なんだけどどーしよーねー
お狐さま
「……ゆり、皆がいっしょうけんめいに拵えて……」
思わず立ち上がったお狐さまが、ゆりを少し咎めるようにして、近付いた時
語り手
ぱぁん、という乾いた音が響きました
ゆり
ゆりの平手が、お狐さまの頬を打ったのです
語り手
その勢いに、お狐さまの手からねぶたが転げ落ち、地面にかさりと小さな音を立てました
ゆり
途端、力んだ拍子か、留めていた滴がゆりの両目からあふれ出します
「消えんのよ、そいつは! 何したって!
写し身も作れない! もうねぶたがあったって、無理!」
風馬
ちひろはじまっちゃった
ゆり
「出涸らしになったこいつには、もうなにも残ってないの!
なんで、全部言わないのよ!」
ゆり
「残されてくこいつらくらいには、言いなさいよ! 自分はもういなくなるんだ、死ぬんだって!」
風馬
「ちがうぞ!」突然叫ぶ
ゆり
「何が違うのよ!」
風馬
「きつねには、ゆりがいる、オレたちも、まちのみんなもだ!
みえないけど、あるぞ!」
シロ
だからこそねぶたをつくるし、だからこそここを守りたいんだよ
前回から、風馬が「いと」に言及してるの、イイんですわ
ゆり
「いなくなったら、終わりよ!
一緒に笑うことも、旅をすることも、泣くことだって……
あんたたちだって、そうよ!
ねぇ、風馬、あんた言ったじゃない。
色んな風を感じてみたいって。
シロ、言ったじゃない。いろんなちるちるがある、って。他にもいっぱいあるのよ。
和樹、あんた言ったじゃない。旅はいい、って」
高瀬川の和樹
「おうよ」
ゆり
「あたし、もっとあんたたちと一緒にいたいのよ! ワガママだけど言うわ! あんたたちと一緒にいて、楽しかった! まだ色々なところに行って、色々なものを見せて、色々な話がしたいのよ!」
シロ
「いなくなったら、はなれたらおわりなんて、さみしーこというなよ」
ゆり
子供のように、両手を振り回して、みんなに声と想いをぶつけます
「ずっと渦が巻いてる、すごい海があるのよ。
大昔に噴火して、そのあとが残ってる火山もあるのよ」
シロ
「ものしりだ」
ゆり
「そうよ! 私が見た、全部を、あんたたちと一緒に見て、もう一度感動したい!
あんたたちがここから動けなくなったら、あたし、また一人じゃないの……
狐もいなくなって……」
段々と感情に言葉がついてゆかなくなったゆりは、両手で顔を覆います
風馬
「ひとりじゃないぞ」
高瀬川の和樹
「……ゆり……」
ゆり
「こんな、人間もいなくなるかもしれない土地に残って、何をするってのよ……
いいじゃない、なんで、自分を犠牲にして……なんで、あたしを一人にするの」
シロ
でもここでカミサマにならなかったら、結局ゆりさんを置いて消えるとかするんじゃないかなぁ。
そういう意味ではゆりさんの哀しみってどうしようもないんではという気もすんのねー
カミサマになった方が長く友達でいられるぞ!
風馬
まぁ最悪磐長さんちで厄介になれば……
風馬
「いっしょにたびをして、いろんなところでともだちができたぞ。
ゆりは、ずっとオレたちのともだちじゃないのか」
ゆり
「友達よ! だから、あたし……」
風馬
「しゃべりたかったら、でんわすればいい。たびにつかれたら、かえってくればいい」
シロ
「ぎせーじゃないぞ。したいからするんだぞ。
でもゆーちゃんにもまたあいたいから、あそびにきてほしい!!」
お狐さま
「……」
シロ
「で、おみやげ!! ほしい!!!」
高瀬川の和樹
「……犠牲じゃねぇよ、ゆり。そりゃあ俺だって、そうしなくてここを守る方法があんなら、そうしてぇさ。
でも俺達になら守れるっていうから、そうすんだよ」
お狐さま
「皆……」
風馬
「きつね、なくな。おまえもしなない」
お狐さま
「……ありがとう、風馬」
お狐さま
「そう、だね」
お狐さまは、白い頬の片方を赤く染めた顔で、それでもいつものように微笑みました
シロ
2つの問題がゴチャゴチャになってんのよね。
いや、みっつかな。
ゆりの孤独
お方様の消滅
土地神継続
高瀬川の和樹
・ゆりのきもち
・お方様の消滅
・土地の地震

ですなぁ
お狐さま
「私は、それが良いと思って、お前には全てを語らなかった。……それは、本当に私の弱さから出た、要らぬ勝手な優しさ、のつもりだったかもしれない。
それについては、今ではもう、詫びることしかできない。
けれどね。
皆は、お前がこの旅に連れてくれたおかげで、驚くくらいしなやかに、強くなった」
おそいじかん
高瀬川の和樹
ところでいい所なのですが、仕事の関係上1:15くらいには終わって頂けると助かります
お狐さま
おぅふ
高瀬川の和樹
流石に1:30突破しちゃうと歯磨きして寝たら2時近くになっちゃう
お狐さま
ここで切りましょう
さすがに25時オーバーは申し訳ありませんでした
高瀬川の和樹
いえいえ
すげーーいい所なんですが、どうしても明日仕事なるものがありまして
お狐さま
お狐さまのお話は次回へ続く!
高瀬川の和樹
仕事さえなければッッッ
語り手
ゆりびんたできっときゃよかった
シロ
ありがとうございましたー
風馬
お疲れ様でした!
高瀬川の和樹
ありがとうございました!


コメント By.シロ
ずっと大人として皆を見守ってくれたゆりが感情を露わにする。
彼女の想いともののけたちの想い。通じ合うことはないのだろうか。

ゆうやけこやけ

第一~二話『龍の眠る滝』『ともだち』
第三話『ふしぎなともだち』
第四~六話『ふたりのかげ』『たそがれのまど』『とびらをひらいて』
第七話 『さくら咲く頃』
第八話 『ふたりの娘』
第九話『みあげればそこに』
第十話『旅するゆうこや』 1 2 3 4 5 6
番外 こどもとTRPG 準備 『まいご』 『たからもの』 『化けニャン』

これは『インコグ・ラボ』が権利を有する『ふしぎもののけRPGゆうやけこやけ』の二次創作物です。