TRPGリプレイ ゆうやけこやけ 第十四話『旅するゆうこや』軽井沢(風波) 一


※今回のログ整理および注釈は高瀬川の和樹さんに手伝っていただきました。ありがとー!
こんばんは
高瀬川の和樹
スコーン(こんばんは)
白岡 久喜
こんばんは!
語り手
遅くなりました
高瀬川の和樹
いえいえ
風馬
コッコ
高瀬川の和樹
コココッコー
シロ
いるよー
岩崎 和生
いまzす
シャーリー
います!!!!!!!!!!!!!!!!
風馬
人間!?
語り手
かずお
シャーリー
探索者のことは置いといてもらって
語り手
ではでは

語り手
キャンピングカーは、軽快に高速道路を走ります
シロ
フンフン鼻歌歌いながら外見てる。
語り手
とはいえ、その重さから同じく高速道路を走る車からはのんびりとしたスピードで
一番左側の車線を、何台もの車に追い越されながら
高瀬川の和樹
「おっと、登坂車線」
語り手
キャビンの中には、車としては広い空間に響く走行音と、時折道路の継ぎ目を越える音が定期的に響きます
注意していないと、ついうとうととしてしまいそうな、時間が流れます
ゆり
「流石にこればっかりはねぇ。まさかクレソンにターボ積むわけにもいかないし」
風馬
「だいだらぼっちのいるまちか……どんなとこなんだ」
ゆり
「ええと、軽井沢だったわよね……」
ゆりがスマホを取り出して、画面に指を走らせます
シャーリー
「かるいざわ……」
風馬
「かるいのか?」
シャーリー
「……おもいざわ……?」
シロ
「かるいんだぞおもくないぞ」
高瀬川の和樹
「そりゃあな。あんまり早く着いちまうと俺の心の整理がつかんし、逆にいいんじゃねえか」
ゆり
「そうは言うけどねぇ」

語り手
ただいまの時間は朝、ですが
変身コストはサービスとさせていただきます
お好みの姿でお乗りください
シャーリー
では鳥で。
風馬
完全変身!
高瀬川の和樹
同じく完全変身。
登場ふしおもは頂けるんでしょうか? そちらも導入扱いで無し?
語り手
ふしおも、差し上げます
高瀬川の和樹
ありがとうございます
シロ
わんわん!
system
[ 高瀬川の和樹 ] ふしぎ : 0 → 6
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system
[ シロ ] ふしぎ : 0 → 6
[ シロ ] おもい : 0 → 6
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[ シャーリー ] ふしぎ : 0 → 6
[ シャーリー ] おもい : 0 → 6
語り手
ゆりの存在ブーストが地味に効く
高瀬川の和樹
で、時間の分だけおもいから4消費します。
語り手
変身コストはサービスでいいですよ
シャーリー
折角だからコンパクトな姿で居たい(ひねくれもの)

語り手
ではでは改めまして
ゆり
「そうは言ってもねぇ」
のんびりで良い、という和樹の言葉に、ゆりが難しそうな顔をします
「青森から……軽井沢、でしょ……?」
スマホを指で叩きながら
やがて
「うわぁ」
と声を漏らします
高瀬川の和樹
「……。
 またえれぇ距離だな」
シャーリー
「……ちゅん」
鳥は飛ぶから地面を走る距離のことなど判らぬ。
風馬
「遠いのか?」
シャーリー
よくわかんない、という顔をしている。
高瀬川の和樹
「おう、遠い。そりゃもう遠い。日本の半分くらい遠い」
ゆり
「そうねぇ、9時間はかかるわねぇ」
シロ
「くじかん!!」
シャーリー
「くじかん……?」
ゆり
「しかもナビでこの時間だから、まぁ、ざっと……半日は見た方がいいんじゃないかしら」
風馬
「ふねみたいだな……」
シロ
「はんにち!!」
高瀬川の和樹
「おう。休憩も要るしな。またえれぇことになってきたな……」
ゆり
「これ、突貫で行ったら、和樹のお皿が乾いちゃうかもしれないわね」
高瀬川の和樹
「おいおい、勘弁してくれよ」
シロ
「くるまといっしょにはしっちゃだめかー?」
ちびきつねさま
「他の車も走っているから、踏んづけられてしまうよ」シロに
シロ
「ふまれるのはやだなぁ!」
高瀬川の和樹
「違う車になって飛ばしてく、っつっても、その分俺の骨が折れるしなぁ……」
ゆり
「そうねぇ」
風馬
「オレが手伝おうか?」なお
ゆり
「あんたは車の運転は真似できても、交通の流れとかわからないでしょ。危ないからダメよ」
シャーリー
「あぶない……ですか……」
高瀬川の和樹
「せめて普通の乗用車になるか? 荷物が難儀だが、まあ乗らんでもなかろう」
ゆり
「うーん……。
 いえ、止しましょう。荷物のこと考えたら、ミニバンがせいぜいでしょうし、それなら時間はそんなに大きく変わらないわよ。しかも疲労は余計に大きくなるし」
高瀬川の和樹
「そうか。覚悟決めてくしかねぇな」
津軽せんべいとくんぺん
高瀬川の和樹
関係ないんですが近所のスーパーの全国フェアで津軽せんべいなるものが売ってて、ほどよい甘みで生地が香ばしくてこれがおいしい
ゆり
ピーナッツ入ったやつ?
高瀬川の和樹
そうそう
シャーリー
ほほう
ゆり
あれはうまい
味噌味でね
シロ
そこに水飴を盛って食べるのだ。
高瀬川の和樹
あら~~水飴は残念ながら売ってなかった
シロ
津軽センベイはゴマも美味しい。
高瀬川の和樹
ごま入りとピーナッツ入りの詰め合わせでした
シロ
話していたら食べたくなってしまったではないか!!
(たまにスーパーで見かけると買ってしまう)
高瀬川の和樹
はっはっは
シャーリー
おいしそうだけど見たことないなぁ。
津軽せんべい・南部水飴……ピーナツとゴマが一般的な青森名産のせんべい。ピーナツ味は生地も甘く、ごま味はあっさり系。これによく練った麦芽水飴を挟んで食べると美味しい。
高瀬川の和樹
津軽せんべいとくんぺんが手元に揃っていて、南北ピーナッツ揃いの趣
シロ
うぐぐぐ、おいしそう
風馬
それってカロリーが……
高瀬川の和樹
ばれたか……(せんべいはともかく、くんぺんのカロリーよ)
シャーリー
くんぺん?
高瀬川の和樹
小麦粉と卵でできたまんじゅうにピーナツバターといりごま入れて、ちょっと塩味きかせた焼き菓子です おいしい なおカロリー>くんぺん
シロ
やめろぉぉ
シャーリー
あぁ~なるほど
くんぺん(こんぺん)……石垣島銘菓。似た生地で中に餡が入っていないのが「たんなふぁくるー」。どちらも美味しいが、素朴な見た目に反してヘビー級。

シロ
「たいへんなんだなー」
ゆり
「ちょっと待ってね……」
ゆりはおでこに指を当てて目を閉じ、何かを念じると
「……とりあえず、クルコンだけ生やしたわ。ちょっとでも疲れの蓄積は軽くなるでしょ」
語り手
気がつくと、ハンドルから生えるレバーが一本、増えています
高瀬川の和樹
「おう、助かるぜ。
 あるとねえとじゃ大違いだからな、長時間だと」
ゆり
「そうねぇ」
シロ
便利ィ
いっそオート運転生やせないのかなと思ったら、それはつまりゆりさんが運転すると言う事に……?
風馬
テスラにキャブコン出してもらうしか
ゆり
「本当なら日産のプロパイロット2.0とか付けたいところだけど」
高瀬川の和樹
「ど?」
ゆり
「流石に、根っこから駆動系に影響がある部分を走行中に変えるのは怖いからやめとくわ」
高瀬川の和樹
「そうさな。どっかで休憩入れるから、余裕があったらそん時に検討してくれ」
シャーリー
車のこと、よくわかんない(PLも)
ゆり
「まぁ、カムロードはトヨタだからね……期待はしないことね。
 えーと、それで道順なんだけど」
切り替えるようにして、ゆりがセンターシートの背もたれを畳んだ置き台に、高速道路地図を開いて置きます
高瀬川の和樹
「おう」
シャーリー
「……はい……」
ゆり
「とりあえず、東北自動車道をずーーーーっと南下して
 岩舟JCTで、北関東道」
高瀬川の和樹
「ここまでずーーーーーーーっと南下か、気が遠くなるな」
ゆり
「まだまだ続くわよ。
 そこから高崎JCTで関越に入ってーーー
 藤岡JCTで上信越。
 で、ようやく、碓氷軽井沢で降りる感じね」
シロ
「とーーーーいのか」
ゆり
「だいぶね」
高瀬川の和樹
「とおーーーーーーいな」
シャーリー
「……???」ぐるぐるおめめ。
「よくわかりません……」
シロ
「げーむしようげーむ。ばばぬき!!」
多分ババ抜き以上のルールは覚えられない。
シャーリー
「……します……」
ゆり
「ていうか、これもう二和のすぐ近くまで行く感じになるわね」
シャーリー
「……また恐竜見に行くんです……?」
高瀬川の和樹
「おう、時間かかるから遊んでるといいぜ。ほんっとに行って帰ってだなぁ」
ゆり
「神様任せの旅とはいえ、これでまた次は北に戻れ、って言われたら、流石に温厚な私もキレるわよ」
高瀬川の和樹
「っと、絶対ぇ降り損ねるからナビに入れとかにゃあな」目的地をナビに入力。
北へ。
シロ
別卓だけと釧路に戻るんだよなぁ。
シロ、和樹、風馬、語り手のPLは後にクトゥルフで釧路観光シナリオのテストプレイを行う予定が入っている。
シャーリー
ふふwww
高瀬川の和樹
なんですよねぇ。まあ戻る人は違うPCですし
風馬
おっとキャラつくらねば
シャーリー
たのしんでください(いつかやりたいです)
シロ
正式に出た時に一回回そうー。

風馬
「しのぶたちの近くなのか」ちょっと嬉しそう
ゆり
「流石にのんびり寄ってくのは難しいけどね」
シロ
「あそびにいけるか!?」
ゆり
「顔くらい見せてく?」
※語り手はどちらでもOKです
 寄ってゆくなら、ノーコストでおしゃべりタイムくらい生やします
シャーリー
「……見たい……です……」
風馬
お、半年、いや1年近いぶり?
シロ
もう一年くらい経ってそうだもんね。
ゆり
北海道でだいぶのんびりした
高瀬川の和樹
「時間は取れんが、休憩がてらに軽く車を回すかね。どうせ休憩入れにゃ尻が破けるんだ」
シロ
「おしりさけちゃう!?」
高瀬川の和樹
「裂けちゃう。裂けんでも石になる」
シロ
「イシ!?」
シャーリー
「ぢゅっ……!?」変な音を珍しく出す。
シロ
一年も旅してりゃ、いいかげん和樹のこんな言い回しにも慣れてそうだけどね。
まあたぶん、すぐ忘れて毎回驚いてるんだろう。
高瀬川の和樹
「おう。石じゃねぇーが石みたいに固くなっちまうのよ。ずっと座ってると肉が強張って、血が通わなくなっちまうからな」
ゆり
「エコノミー症候群には気をつけないとね」
シロ
エコノミー症候群にかかる河童。
風馬
お湯につけたらもどらないかな
高瀬川の和樹
救急車で運ばれる河童はちょっと大変なことになる
ゆり
「それじゃ、さっきのルート一部変更で、関越に入ったら北上して渋川伊香保ね。……本当にまるっきり一周してきた感じねぇ。
 いずれにせよ、和樹」
高瀬川の和樹
「おう」
ゆり
「大変だろうけれど、頼んだわ」
高瀬川の和樹
「あいよ。任された」

語り手
キャンピングカーは走り続けます
途中、トイレ休憩などは入れながらですが、それでも和樹は段々疲れで頭がぼうっとしてくることでしょう
高瀬川の和樹
「やべぇな、ちと疲れてきた」眉間を揉みながら。
シロ
「ずーーーーーーーっとだもんな。石になってないか?」
シャーリー
「……なりました……」
高瀬川の和樹
「尻はまだ大丈夫そうだが、目の周りが石になりそうだ」
シロ
ビクビクしながらのぞき込んで、まだそうなっていないことにほっとする。
ゆり
「サポートはあたしがするから、あんたたちは適度に昼寝したりして、休みなさいよ?」
その様子に吹き出しながら、ゆり
シャーリー
じゃああの、ドリンクホルダーのところにすっぽりと嵌って寝てます。本物のツバメが嵌るかは知らんけど。
すぷー……。
シロ
カワイイ
シロ
なんか子供の頃、人が石化するっていう現象に凄まじい恐怖と興味を持ってたなぁ。
人が変貌するって恐ろし楽しい。
風馬
TFっていいよね……
高瀬川の和樹
わかる(人外化好き)

語り手
和樹は、その疲れから、もうだいぶ走ったことが体感としてわかるでしょう
もう随分と、東京の方へと近づいたのではないでしょうか
風馬
時々窓を開けたりしながら景色をみてる
語り手
和樹が目元をもみながら運転をしている様子を見ながら
ゆり
ふと、ゆりが、はっとした顔をします
「いい? 和樹。こっから向こう15分、あんたは前だけ見てなさいよ。絶対に道路左側見たらダメだからね!」
慌てたように。
高瀬川の和樹
「あ?
 左側ぁ? 何の話だ」
風馬
「なんだ……?」
シロ
「??」
シャーリー
何が起こるんだ……?
ゆり
その左側から、声をかけているのがゆりなのですが。
高瀬川の和樹
思わずそっちを見る。
語り手
では、前方にも注意を払いながらそちらを見た、和樹
もう、随分と走り、もうすぐ分岐点にも到達するだろう
これだけの疲労で、苦労してここまで運転してきたんだ
間違い無いだろう

そう思っていた和樹の視界に
一枚の看板が。
[ 東京 – 340km – 中間地点 – 340km – 青森 ]
の看板が映し出される。
高瀬川の和樹
「はぁーーーー!?
 マジかよ……」ぐったり。
ゆり
「だから、言ったのよ……。左側は見るな、って……」
高瀬川の和樹
「やっぱ車で行くもんじゃねぇや、この道。やべぇ、一気に疲れが来た。石になりそうだ」
シャーリー
和樹さんやっぱり人間……?
シロ
もう思考の土台が人間だな。
高瀬川の和樹
人間と触れ合い過ぎて、触れあってきた人間達から言動や思考が影響を受けちゃってるのかもしれない。
シャーリー
「すぷー……」
風馬
「あの絵がどうかしたのか?」
ゆり
「わかる、わかるわ、和樹。
 東北道を走る者、そのすべての心をへし折ってきた、魔の看板。それが、あれなのよ……」
高瀬川の和樹
「人間ゴールが近いと思やぁ頑張れるもんなんだよ。もうすぐ、もうすぐって思ってそうじゃなかったら、心が折れる。
人間? 人間じゃねぇな。なんでもいいや」
シロ
「あんまりこわくないな」なんでがっくりしてるんだろ? って首をかしげている。
www
風馬
「かわって字だな、川にかえりたくなったか?」
高瀬川の和樹
「ちょっと川に帰ってゆっくりしたい気分だな。まぁー、うん、しゃあねえや。もうちっと頑張るか」
ゆり
「次のSAで、少し長めに休みましょ……」
高瀬川の和樹
「おう、そうする」
シロ
《みずのみち》でふたわにわーぷして、そこから車で行けば……
高瀬川の和樹
残念ながら、ふしぎが、足りない。
シャーリー
かなしいね。
シロ
かなしいね
実感
語り手
※東北道を走るからには、この看板ネタをやりたかった語り手です
シロ
リアルの絶望だもんな。
高瀬川の和樹
なるほどなーってなりましたね
語り手
これほんとに心折れるのよ……
設置したやつの悪意半端ない
風馬
絶望の中間地点
シロ
悪意……なのかな?

語り手
それから更に、時間を掛けて
ようやく、変わり映えのない景色の向こうから、以前に見たことのある緑色の看板が見えてくる頃には、もうすっかり夕方でした
シロ
「アキタ」
高瀬川の和樹
「おれも」
風馬
「そうか? ずっと違う山だったぞ」
シロ
風馬君の視点がイイネ
ゆり
「流石に腰が……アタタタ」
シャーリー
「んん……ラーメン……」すー……。
シロ
「はしれないのヤーダー」
高瀬川の和樹
「もうはしるのやーだー。
 でもがんばるー」
ゆり
「もうすわってるのやーだー」
高瀬川の和樹
「おれもー」
シロ
www
シャーリー
疲れたな―って思うとすやすやねんねしてるので勝ち組。

語り手
それぞれに不満を漏らしながら、それでもいつか過ごした温泉街に辿り着く頃には、もう夜
風馬
「ふたわだ!」
高瀬川の和樹
「はーーー、着いた! あぁ、こうやって見ると懐かしく思うもんだなあ」
ゆり
「伊香保温泉よ……。二和はもうちょい先」
シャーリー
「……あ……着きました……?
 ……寝てました……」
高瀬川の和樹
「おう、前に寄った温泉街あったろ。あそこだ」
風馬
「ここはまだちがうのか。
 覚えてるぞ」
シロ
「イカァー」
ゆり
「今日は……というか、今日も、というか……ここで一泊した方がいいわねぇ。二和に着く頃にはだいぶ遅くなっちゃうわ」
高瀬川の和樹
「だな。っつか、目の前の風景見たら一泊したくてたまらんよ、俺は」
ゆり
「今回は車中泊しないわよ。絶対温泉旅館に泊まるわ。
 誰が何と言おうと!」
高瀬川の和樹
「おう! 勿論だ!」
シャーリー
「そうですね……」まだちょっと意識がふわふわしてる。
頼りない羽ばたきで風馬くんのポケットにシュウウウ……。
シロ
「オンセン!!!!
 オフロ!!!!!」
ちびきつねさま
「シロはすっかりお風呂が好きになったようだねぇ」
シロ
「オフロきもちいい!!!」
風馬
「シャーリーもいっしょにでかいお風呂に入るか」ダメです
ゆり
「ダメよ」 ピシャリ
風馬
「ダメなのか?」
ゆり
「当たり前でしょ」
シャーリー
「おふろ……」
駄目だなぁ。

語り手
そして、みんなはまたあの大きなお風呂に浸かってのんびりしていると
また、山の方から動物の唸り声のような音が、聞こえてきたり
それは、いつか聞いたことがあるような、そんな音でした
高瀬川の和樹
温泉入りてぇー
シロ
入りたいナァー
語り手
入りたいなぁ
シャーリー
どちらかといえば助手席に座ってドライブしたい欲が湧いた(免許持ってない)
高瀬川の和樹
「ぷくぷく……」全力でリラックスしている。
シロ
「あ~またはしってる~」
風馬
「元気そうだな」
ゆり
「相変わらず、好きなのねぇ」
高瀬川の和樹
「また走ってんのかねぇ。今度はタツミと一緒に」
シャーリー
「良かったです……」
ゆり
お風呂の壁越しに、そんな風にお話ししながら
シロ
壁越し会話だった。
風馬
風流!
語り手
お風呂から上がったみんなは、もうクタクタで
その日は、柔らかなお布団に入った途端、あっという間に寝てしまうのでした
高瀬川の和樹
「すやぁ……」
風馬
「………」
シロ
スヤリ
シャーリー
すや……。

語り手
風馬
「こけこっこー!」
シロ
「うーん」
シャーリー
おはようございます!!!
ゆり
「うぅん……。まぁ、今日は割と早起きできるわ……」
語り手
いつもよりも早く寝たみんなは、いつもより少しだけ早起きでした
高瀬川の和樹
「ってて、腰が痛ぇ」
風馬
「どうした、ぶつけたか?」
ゆり
「昨日売店で湿布買っといたから、はっときなさいよ」
風馬
「うわ、臭い布だ……」
シロ
「くさーーーい」
シャーリー
「!」しゅっとどこか逃げようとする。
高瀬川の和樹
「おう、ありがとよ。ぶつけちゃねぇけど、ずっと座ってると肉が強張って痛むのよ。人の形ってのは、腰に重さがかかるようにできてっからな」
ありがたく湿布を貼る。
シロ
こしを だいじに
ゆり
「あたしも、流石に足腰に来てるわ……だいぶ長いこと走ったからね」
シロ
「はしってないのにつかれたぞ……」
語り手
朝のお風呂もいただいて、お部屋に運んでもらった朝ごはんのお魚や海苔、納豆などを食べながら、そんな風に話していると
なんとなく付けていたテレビから、ピンポンパンポーン、という音
高瀬川の和樹
「おん」つられるようにそちらを見る。
風馬
「あの音だ」
シャーリー
テレビに意識を向ける。
語り手
そちらを見ると、さっきまでのんびりとにこやかにお話をしていたスタジオから画面が切り替わり、どこかの山の風景が映りました
そして、そこをのしのしと歩く、ずんぐりむっくりとしたトカゲのような姿
シロ
「で、でた! でたぞ!!」
シャーリー
「わぁ……!」
語り手
『えー、みなさま、ご覧いただけますでしょうか。えー、つい、30分ほど前、また、怪獣が、えー、浅間山麓に現れました』
男の人の、慌てたような声が聞こえます
風馬
「でかいやつだ!」
シロ
「かいじゅ!?」
高瀬川の和樹
「出やがったな。……何事も二度目んなると何だか慣れちまうな。画面越しってのもあるだろうが」
シャーリー
「ですね……」
シロ
「でかいじゅ!!」
語り手
『先日に見られたものと違う姿の、えー、怪獣が、ゆっくりとではありますが、えー確実に、えー、歩を進めている状況です』
『先日の時は、えー、あのすぐ後にですね、えー、銀色の……』
と、そこまで言った時、怪獣から少し離れたところ、緑の森に覆われたところから、ぴかっと何かが光りました
シロ
「キタアァァァァァ!?」
風馬
「だいだらぼっち!!」
語り手
そして、そう思った次の瞬間には、あの銀色の巨人が立っていたのです
『現れました! また、現れました! 銀色の巨人です! みなさま、ご覧いただいておりますでしょうか!』
『少し前、群馬県は風波市にも現れたものと同じ姿をした、あの巨人、ウルトラマンと自ら名乗る彼は、果たして何者なのでしょうか──』
シロ
「ギンだいだらぼち!!」
シャーリー
「金のだいだらぼっちも……!?」
シロ
衝撃がリアルで伝わってきたりはしてないかな。
語り手
『いずれにせよ、彼はこれまでにも、幾度か未確認生物を撃退してきたことで知られています──』
『おそらく、今回もきっと──』
男の人が、何かを期待するように、明るい声で叫びます
シロ
「きっとーーー!」
風馬
おかしいなさっきからとてもゆうこやとは思えないBGMが
シロ
フシギダネ
ゆり
「なんかもう、私たちのアイデンティティとか、そういうのがすっかり霞んじゃうわね」
高瀬川の和樹
「おう」真顔で画面を見たまま。
風馬
「あれだけでかいと隠れられないよな」
シャーリー
「ちゅん」肯定。
語り手
画面の向こうでは、森の中で身構えたまま怪獣と睨み合うウルトラマン
しかし、この間見たように、すぐに殴りかかったりはせず、ジリジリと間合いをとりながら、様子を見ているような様子です
高瀬川の和樹
「あいつ、何もんなんだよ。そうだよ、あのトカゲが敵だか何だかで、そいつを撃退して人間を守ってる、ように見える。
だが、そんな事あるかよ。じゃあ、あれは何をしてるんだ。何が動いてる」
前回よりは冷静になったのか、ぶつぶつと独り言で考えをまとめている。
ゆり
「考えたってわかるもんじゃないでしょ……」
ゆりは諦めたような、呆れたような顔で、お新香を齧っています
高瀬川の和樹
「考えたって分からんが、考えずにゃあ居られねえんだよ」
語り手
『……? どうしたのでしょうか? ウルトラマン、先程から全く動きません』
『いつもでしたら、すぐに攻撃に出ていたはずなのですが──』
シロ
「だいだらぼちどうした?
 おなかすいたか??」
シャーリー
「ちゅん……?」
語り手
すると、怪獣が少し歩みを進め
次の瞬間、ばちばちという音と共に、引っかかった電線を電信柱ごと引き抜いてしまいます
『ああっ、送電線が!』
高瀬川の和樹
「うわっ、おい」
風馬
「まちを壊してるのか」
シロ
「こわすのだめなんだぞ!!」
語り手
『ええ、今入って参りました情報によりますと、怪獣のもう目と鼻の先には、別荘地が点在しているということで』
『このまま、怪獣が進行しますと、決して軽いものではない被害が生じる恐れが……!』
男の人が、焦ったように声を上げます
シャーリー
「……!」
シロ
「とまれよぉー! ころべー!」
シロ
転んだらそれはそれで被害が……
シャーリー
それなんですよね
語り手
画面の中、ウルトラマンは、何かに気づいたように自分の後ろの下、森の方を見やります
そこには、家でしょうか
森の中に幾つかの屋根がのぞいています
それを確認したのか、怪獣と睨み合っていたウルトラマンはとうとう動き出します
でも、それはパンチやキックなどのような攻撃ではなく
シャーリー
ビームか!?
語り手
怪獣に正面から組み付くようにして、そのあゆみを押し留めようとするかのようなものでした
怪獣は、背の高さこそウルトラマンより低いものでしたが、その体はとても大きく
阻むウルトラマンごと、ずい、ずい、と押し始めます
風馬
「なんだ、すもうか?」
シャーリー
「プロ……?」
シロ
さすがに彼の戦い方の変化については気づけない……!
ゆり
「ちょっとちょっと、何をのんびりやってんのよ。もっとこう、どか! ばき! みたいなのでやっつけるんじゃないの?」
気がつくと、ゆりもお箸を握りしめたまま、テレビに向かって身を乗り出していました
高瀬川の和樹
「何だ……?」
いつの間にか、画面に見入っている。
シロ
どか! ばき!!!
興奮してキックしたりしようとして、足下にあったティッシュ箱を踏み潰す。
「あっ。ごめんなさい」
高瀬川の和樹
ティッシュ箱はなおしといてあげる。
シャーリー
やさしい
語り手
ウルトラマンと怪獣は、なおも押し合いを続け
やがて、ぴこーん、ぴこーんというどこか、軽快な音が聞こえてきました
そして、怪獣の頭に押し当てられたウルトラマンの胸、そこに張り付いていた青く光ってたはずの石が、今度は赤く光ったり消えたりし始めます
シャーリー
3分経った!
風馬
「何の音だ……?」
シロ
「かっぷらーめんつくるみたいなおとがきこえる」
語り手
『何の音でしょうか……どうしたのでしょうか、ウルトラマン!』
そして、なおもしばらく押し合ってから
行く道を止められた怪獣が怒ったのか、大きく頭を跳ね上げると
ウルトラマンの大きな身体が、ぶわ、と浮き上がり、そのまま森の近くの大きな山肌に叩きつけられてしまいました
ウルトラマンは、叩きつけられた後、少し痛そうにもがいていましたが
シロ
「やられてるぞ!!」
語り手
やがて、現れた時と同じように強い光を出すと、気がつくと消えてしまったのでした
風馬
「あ。逃げた」
ゆり
「ちょっと……! 消えちゃったわよ」
高瀬川の和樹
「消えちまった!? じゃあおい、あのトカゲ」
シロ
「やられた!?」
シャーリー
「えっ……!?」
語り手
『ああっ!? ウルトラマンが!?』
慌てる男の人の声の向こう、森の中でしばらくその様子を見ていた怪獣は
やがて、興味を無くしたようにそちらを見るのをやめると
ウルトラマンをやっつけたことに満足したのか、それとも疲れてしまったのでしょうか
地面に大きな穴を掘りながら、こちらも消えて行ったのでした

シロ
「アワワワワ」
風馬
「あいつモグラだったのか」
シロ
「いなくなってよかった」
高瀬川の和樹
「はぁー……、どうなるかと思ったぜ。モグラったってあの大きさじゃ、山の主よかずっとでけぇぞ。
 何が起きてんだか……」
語り手
なんとなく、しん、とした旅館の部屋の中、男の人も黙ってしまったテレビからは、ヘリコプターの音だけが聞こえていました
シロ
興奮冷めやらぬ様子でへこんだ跡のあるティッシュ箱をツンツンしてる。
語り手
そして、気がつくと、この間と同じように
『しばらくお待ちください』の字がテレビに映されて
しばらくすると、コマーシャルが始まりました
シャーリー
「しばらくお……?」
シロ
「……」
シャーリー
「あ……ポポポポーン……」古いな……。
ゆり
「ねぇ……」
高瀬川の和樹
「おう」
ゆり
「行くの? これから、あそこに」
なんとなく、緊張した面持ちでゆりがつぶやきます
シロ
「……」
風馬
「土の中にはいけないけど、だいだらぼっちは探せるんじゃないか?」
高瀬川の和樹
「言わんとするこたぁ分かるよ。怪獣と巨人がドンパチやってるとこに向かって、巻き込まれたら俺達なんざペチャンコだ」
シロ
「……」
ゆり
「そうよ。せめて、もうちょっと落ち着いてから、ねぇ」
シロ
「……?」
箱ツンツン
ちびきつねさま
「怖い話だけれど」
シャーリー
「…………。
 行くの怖いです……」
風馬
「シャーリーは飛べるから踏まれないだろ……」
シロ
「……あそっか。
 おうちがぐしゃーってなるとこだったんだ。
 どかばきってやったらこうなるから、やらなかったんだ」
潰れたティッシュ箱をドヤ顔でポスポス叩く。
ちびきつねさま
「なるほど……そういうことなのかねぇ」
高瀬川の和樹
「ああ、成程な…… 好き勝手やれるトカゲよか、その意味じゃあ分が悪いってことか」
ゆり
「でも、こないだ出てきた時は、容赦なくどついてたわよ?」
高瀬川の和樹
「家を巻き込みそうだったんじゃねぇのか。今回は」
シロ
今回はシン・ウルトラマンとかメビウス形式なの!?
シャーリー
!?
シャーリー
「でもみんなが踏まれるのは怖いじゃないですか……」
ゆり
「そういうことなのかしらねぇ……」
シロ
「やさしーんだな、ギンのだいだらぼち」
高瀬川の和樹
「で、よ。じゃあこのまま、無かったことにして他所行くか?
あいつらがもしよ、なんしかかんしかの神様だったとして、お方様なら話せるかもしれんが、それでも?」
「俺ぁどうしていいか分からんよ」
ちびきつねさま
「うぅん……」
シロ
「でもやられちゃったぞ」
ちびきつねさま
「神気はすごいものだったけれどね」
シャーリー
「……ちゅん……」悩む素振り。
ちびきつねさま
「でも、あの、うるとらまん? は、神出鬼没なのだろう?
 もしかしたら、次に会うことができるのは、いつになるか……。
 とはいえ
 皆の安全が何より大事だ。無理はしてはいけないよ」
そう、ちびぎつねさまが言った時
「うわ、うわわわわ」
畳の上で、慌て出しました
高瀬川の和樹
「どうした、お方様」
風馬
「きつね!」
ちびきつねさま
「ああ、いや、大丈夫。ちょっと、また地面が強く揺れたのでね」
もちろん、みんなのところは揺れてはいません
風馬
「……?」
高瀬川の和樹
「揺れた? お方様、それって今か? 俺ん所は揺れんかったぞ」
語り手
きっと、お狐様がいる藤葛木の方で、また地震があったのでしょう
シロ
「……」
ちびきつねさま
「ああ、うん。大丈夫。こちらの話だよ」
高瀬川の和樹
「……なあ、お方様。今の所、他に神様の宛てぁあるのか?」
ちびきつねさま
「……」
ちびぎつねさまが見下ろすコンパスは、ウルトラマンが姿を消してから、すっかりと静かになってしまっています
シロ
「あのかいじゅーが、お方様のヤマででたらどーするんだ?」
風馬
「それは困るぞ」
高瀬川の和樹
「ねえなら行ってみようぜ。あんなよく分からん連中でも、力になって貰える可能性があるなら……、まあ、もちろん、巻き込まれんように気をつけてだけどな」
ちびきつねさま
「でもね、和樹」
高瀬川の和樹
「おう」
ちびきつねさま
「きっと、無理をしてはいけないよ」
お狐様は、要石を失い、地震にさらされる藤葛木にあって、なおみんなのことを案じるように言いました
高瀬川の和樹
ゆうこやのみんなはヒーローではないし、事態解決する義理も力もないけど、
でも「寝覚めが悪い」ということを知っている程度には人間で、ただの人間とは言えない程度に異質なので、結果として困る和樹
シャーリー
「…………」
シロ
どうしてか、あのギンの巨人と、お方様が重なってしまうのでした。
ちびきつねさま
「もしかしたら、他にも神様はおいでになるかもしれないのだから」
高瀬川の和樹
「……分かってるよ。分かってるさ。無鉄砲出来る程には子供じゃねぇ。
 だから、困ってんだ」
語り手
テレビから、ぴこぴこ、っという音
風馬
「なんだ?」
語り手
画面の上には、地震速報、という文字
『午前8時30分頃、埼玉県西部で震度5弱の地震がありました。各地の震度は以下の通りです――』
シロ
「……」
語り手
みんなの心の天秤をツンツンする語り手
高瀬川の和樹
これはよいツンツン
シロ
「いこーよ」
シャーリー
「……シロちゃん……
 ……行きましょう……」
高瀬川の和樹
「でも俺はさあ、ぺしゃんこにはなりたくねえけどさぁ。全部失っちまってから、ああすりゃよかったなんて言うのも、やなんだよ。
 それなら、やれるだけなんかやってから、もっとああすりゃよかったの方が、幾分かましだよ」
シロ
「そうだぞ!!」
風馬
「……あのでかいのがまちをこわすからだいだらぼっちが困るんだよな?」
高瀬川の和樹
「ああ、見た感じそう見える」
シロ
「でっかいのでたらがんばってころばせる!!!」
シロ
実際怪獣にすってんころりは効くのかどうか。
ゆり
「転ばせたら、余計危ないかもしれないじゃない」
シロ
「んー……まよわせる? でもやまがぐちゃぐちゃになっちゃうな」
語り手
大量投入されたふしぎに不可能はないことは、ご存知の通り
風馬
「たつみにきこう、少し似てる」※怒られそう
高瀬川の和樹
「タツミに? ああ、案外名案かもな。どうせ行こうと思ってたし」
シャーリー
「賛成です……」
そうね、恐竜だし……。
ゆり
「……ですってよ、狐。
 例え、難しいことかもしれなくても、結局前を向いちゃうんだから。あんたの教育の賜物かしらね」
そう、ゆりはチビぎつねさまを見て微笑みました
ちびきつねさま
ちびぎつねさまは、少しの間、目を閉じて、尻尾をゆら、ゆらと揺らします
何かを迷うように、してから
「……わかったよ」
目を開いて、みんなの顔を順番に見つめました
「ありがとう、藤葛木の子供たち」
高瀬川の和樹
「ああ、こちらこそ。心配かけてすまんな、お方様。なあに、ちと物見遊山に行くだけよ。やれるこたぁやるが無理はしない。それでいい」
シロ
「みにいく!!」
シャーリー
「見に行きましょう……」
風馬
「聞いてみないとわからないしな」
ちびきつねさま
「……うん。でもけっして無茶だけはしないでおくれ。私も、皆も、いつだって帰りを待っているのだからね」
そう言って、狐の顔で小さく微笑みました

語り手
と言ったところで、本日締めます
シロ
おつかれさまー!
風馬
お疲れ様!
高瀬川の和樹
お疲れ様でした!
シャーリー
お疲れ様でした~!
高瀬川の和樹
これはスタンスが問われるいい会話
シロ
いきなりのピンチだ。ゆにてーくんはまたションボリしてるのか!?
語り手
どうかなー


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ゆうやけこやけ

第一~二話『龍の眠る滝』『ともだち』
第三話『ふしぎなともだち』
第四~六話『ふたりのかげ』『たそがれのまど』『とびらをひらいて』
第七話 『さくら咲く頃』
第八話 『ふたりの娘』
第九話『みあげればそこに』
第十話『旅するゆうこや』 1 2 3 4 5 6
番外 こどもとTRPG 準備 『まいご』 『たからもの』 『化けニャン』

これは『インコグ・ラボ』が権利を有する『ふしぎもののけRPGゆうやけこやけ』の二次創作物です。