※今回のログ整理および注釈は高瀬川の和樹さんに手伝っていただきました。ありがとー!
こんばんは
赤嶺 アンリ
よいしょ
高瀬川の和樹
間違えた! こんばんは
岩崎 和生
しゅ
白岡 久喜
こんばんは
衛藤ゆき
御主人様こちらではありませんわ
白岡 久喜
なんじゃ、さよか
語り手
と言うわけでこんばんは
風馬
こけこっこ
GM
ちこくちこくー
シロ
ハッ
GMに変化していたのはわたしです
風馬
きのこっこ
高瀬川の和樹
間違えてGMあるいはKPで入ってくると誰だかわからない現象
シロ
くそぉ、名前ミスはほとんどしないのがウリなのに
語り手
高瀬川の和樹
へちま
語り手
シャーリーはまだかな
高瀬川の和樹
かな?
風馬
メンバーリストにはおるんじゃが
語り手
じゃぁ青森にもう一泊してくかー
シャーリー
います
高瀬川の和樹
風馬
親方! 空から鳥が!
語り手
から揚げ?!
シャーリー
心臓がちょっと止まりかけたので(ゲームのデータ消したかと思った)
高瀬川の和樹
ひぇ それは危ない
シャーリー
怖かった
発狂しかけた
語り手
何のデータだろう
シャーリー
ソシャゲの音ゲーっすね。スマホの容量やべーやでって忠告受けたので
語り手
ソシャゲか
シロ
ソシャゲのデータってそんな簡単に消せるの?
シャーリー
メールのデータ削除しよって思ったらメール使いたかったら容量空けなと言われ
なんか……キャッシュクリアの横にあって……。
風馬
ワンタップで亡き者に
シャーリー
ツータップですね……。
シロ
お気をつけなさって。

語り手
一晩明けて
昨日は、あの後みんなで打ち上げとかなんとかで
ねぶたのあったテントの中でご飯を食べたり、お酒を飲んだり
キャンピングカーへと戻ったのは、だいぶん夜も更けてからでした
語り手
じゃぁ夜パムにしておこう
背景が緑のライトに照らされたアスパムになる。
風馬
すごく、グリーンです……
シロ
スギか? スギなのか??
シャーリー
メロンみたいだなぁ。
シロ
夜行性の子供はげんき!!
高瀬川の和樹
「はぁー、いいねぇいいねぇ」
上機嫌で車へ戻る。ああ、いい夜だ。
風馬
「うわ、和樹まっすぐ歩かないと危ないぞ」
シロ
その足元でドキドキスラロームしてる。
風馬
千鳥足vsすねこすり
シロ
転ばせたら負け!!
高瀬川の和樹
「おっと、悪い悪い。まっすぐ歩いてんだけどなぁ、道がまっすぐ進みやがらんのよ」絵に描いたような千鳥足で、機嫌よくよろよろ歩く。
ゆり
「あんた、調子に乗って飲み過ぎなのよ」
言って笑うゆりも、足元がおぼつきません
高瀬川の和樹
「そうかぁ? そんなに呑んだ覚えはねぇんだけどなぁ。だってよお、あんなに美味いんだぜ酒がよ」
ゆり
「青森は、意外に米所でもあるのよ、これが」
風馬
「こめどころ」
高瀬川の和樹
「本当に美味ぇ酒だった。最高の夜よ」ゆりの語りを聞いているようないないような。
ゆり
うふふふふ、と笑うゆりの顔は、ゆりというより桃の花といった風情に赤らんでいます
高瀬川の和樹
「ぉあっと」やっぱり聞いていないような。
ゆり
「まぁ、テントの中で酔い潰れてる連中よりは、歩いて帰れるだけ、こっちのがマシだわよ」
語り手
みんなの中で、特におじいさんは、それはもうひどく酔っ払ってしまって
一郎さんも一緒になって酔っ払いながら
最後には、寝ているのか起きているのかわからなくなってしまったお爺さんが、むにゃむにゃと一郎さんを夢の中でただただぶつぶつと自慢の孫だなんだ、と褒めちぎるような
それを聞いて、いたたまれないような、誇らしいような、恥ずかしいような顔の一郎さんの顔が印象的でした
高瀬川の和樹
ああ、よかったなあ、よかったなあ、いい夜だ、いいもん見せてもらった、曖昧になる語尾でひたすらそんなことを繰り返していたような気がする。
この夜の酒が美味すぎて、つい呑んでしまったのだ。
こんな夜の酒は、もう二度とないだろうから。
風馬
「じーちゃんも一郎も昼間よりもっと何言ってるのかわからなかったぞ」
シロ
「よかったなーーーー!」
風馬
「よかったならよかった!」
シロ
「おじさんかえれたし、イチはほめられたし、さいんもらえたし、かっこよかったし。
 よかったのかたまりだなーーーー!」
ゆり
「そうねぇ……」
シャーリー
「本当に……」
ゆり
「……」
ゆりは、もう車通りもほとんどなくなった交差点を渡る横断歩道の真ん中で、ふと足を止めました
高瀬川の和樹
「おぉっと」ごちん。ゆりの背中にぶつかる。
ゆり
「わぁっ」
高瀬川の和樹
「どしたぁ、ゆり」
シロ
おっとっと。足下でダンゴになる。
ゆり
「気をつけて歩きなさいよ……」
言いながら、視線を通りの向こう側へとやります
高瀬川の和樹
「おん?」酒に腫れた眼でそちらを見やる。
風馬
「だからまっすぐ……なんだ?」
ゆり
そちらには、通りの奥に見える青森駅
そして、視線を翻すと、そちらにはアスパム
「なんでもないわ。
 ただ、旅ってやっぱりいいものだな、って思っただけよ」
シャーリー
「……そうですね」
高瀬川の和樹
「なんだぁ、今更。全く同感だがね」
シロ
「つぎはどこいくんだ!?」
シロ
どんどんあたらしいとこ行きたいお子様+道の怪
語り手
昔ながら、みんなは知らないかもしれない、昭和の頃の面影を残す青森駅と、鋭角なアスパムのシルエット
風馬
「しらないものがいっぱいだ」
ちびきつねさま
「次は……そうだねぇ」
言って、コンパスを覗き込むちびぎつねさま
高瀬川の和樹
「あぁ、そうだな。知らん物が一杯だ。なんど旅をしても、度ごとに知らん物を見る。
 いいもんだなぁ」
ゆり
「あんたたち、この旅が終わっても、たまにでいいから、またここに来るのよ。
 二和にも、鹿角にもね」
シャーリー
「……ええ。
 …………でも……。
 寒いところは……実は苦手で……」
ゆり
「人に化けてたら、着込めるでしょ。
 飛んでばかりいないで、たまには自分の足で旅してみなさいよ」
高瀬川の和樹
「そうさなぁ。再び来たいと、初めて思うよ。なんど旅をしても、そんなこたぁなかったのにな。これが縁を繋いだってやつだろうなあ」
風馬
「何言ってるんだ? ゆりがいないと来れないぞ」
ゆり
「来れるわよ」
シロ
「いつでもあんないできるぞ」ドヤッ
なおどれくらい日数がかかるかはしらん
シャーリー
「……ちゅん……」いうて渡り鳥だしなぁ、と思うリーさんであった。
風馬
埼玉-青森徒歩
シロ
どこにでも行けるが、時間がかからないとは言ってない。
高瀬川の和樹
「まあまあ。寒ぃなら風馬のポケットにでも入ってりゃなんとかならあ。
 それが皆で旅をするってこったからよう」
ゆり
「そうよ。
 今度はちゃんと、自分の足で、会いに来なさい」
ちびきつねさま
「ええとね……うわぁぁ」
シロ
「なんだ?」
風馬
「シロがあんない、どうした?」
ゆり
コンパスを覗き込んでいたちびぎつねさまを担ぎ上げ
「ほら、どうせ発つなら明日なんだから、そんなのは後にしなさい、後に」
ゆりが摘み上げただけでした
シロ
なーんだ
シャーリー
うーん、鳥の本懐は飛ぶことだと思ってしまう私が……。
シロ
じぶんのあしで は鳥の場合 じぶんの翼で と解釈してええんでないかい
高瀬川の和樹
ええんでないかい
シャーリー
やった~~~!!!
ゆり
「さっさと戻って、休むわよー」
シロ
「もっどるー」
こんどはゆりの足でスラロームしつつついてく。
ゆり
「ちょっと、踏んづけられても知らないわよ」
言いながら、ゆりも笑いながら
語り手
そして、みんなはキャンピングカーへ戻って休むのでした
シャーリー
ひねててすまない……。
風馬
ひねぽんって鳥皮で
播州名物。ひね鶏の皮をポン酢で…… おっと、やめておこう。
シロ
要は「用事があるから」とか「やむをえず」じゃなくて「会いたいから」「行きたいから」って理由で旅行しようよって話よな
語り手
そう言うこと
高瀬川の和樹
あとは縁を一度きりで終わらせるんじゃないよ、ってことかなとも思ってた
語り手
今度は連れられてじゃなくて、自分でね
そうそう
高瀬川の和樹
和樹の旅は人間の隣にはいても人間と同じ場所にはいない、いつも一度きりの旅の仲ばかりだったから、和樹にとってもちょっと新鮮
シロ
というわけで徒歩で北海道まで行こうぜ! てくてく!
和樹の《みずのみち》もあるし、会いに行くのは意外と簡単
風馬
SLEEP MODE
シロ
スヤァ
さすがに疲れたから寝る
シャーリー
スヤァ……。
語り手
朝。
風馬
ガラガラ……ガチャン
タッタッタッタ……
「こけこっこー!」
高瀬川の和樹
「っだぁ」寝台から転げ落ちる
「っでぇ、寝かせろ!」
風馬
大丈夫車の外だから!
ゆり
「外でやるようになったのは、及第点だけどね……」
ちょっとぼさぼさの髪の頭を掻きながら、ゆりも起き出します
シロ
ムニャァ
高瀬川の和樹
「夜行性の河童にやさしい時間にしてくれ……、いでぇ」二日酔いの頭を抱えて寝台に戻る。
語り手
そんなこんな
軽めの朝食を終えて、そろそろ出発の時間……
そうみんなが新たな旅立ちへ向けてそわそわし始めた頃
一郎
「おぉーい!」
一郎さんが、何やら箱を持って現れました
シロ
「わんわん!!」
高瀬川の和樹
「おお、昨日ぶり!」
シロ
「イチがきたぞー」
一郎
「えがった、まだいだんだな」
風馬
「おはよう!」
一郎
「おう、おはようさん!」
高瀬川の和樹
「ああ、そろそろ出るかって所だった。おはようさん」
シャーリー
「……おはよう……ございます……」
シロ
会話に不便かなと思ったので化けよう。
よいしょ
「イチいっぱいほめられたか? おはよう!!」
一郎
「褒められた……てか、わっきゃまだまだだどしゃべるごどがわがったはんでな。
 これからも修行っこがっぱすねばまいねさ」
高瀬川の和樹
「そうかぁ。また来るからさ、そん時ゃもっとすげぇの、楽しみにしてるよ」
シャーリー
「そうですね……」
一郎
「ああよ!」
シロ
「あいかわらずいってることがむつかしいぞ……」
でもなんか笑顔だから、いいこと言ってるんだろうなと思って満足。
一郎
「まだ来年もねぶたッコさ、拵えるはんでな。
 おめんどもまた来てけろじゃ」
風馬
「そうか、またつくるんだな」
シャーリー
「はい……」
シロ
「うん!!!」
一郎
そう、少し笑いあってから
「あ、そんだ」
思い出したように
「この車ッコ、冷蔵庫も付いでらんだべ?」
高瀬川の和樹
「ん? ああ」
ゆり
「ええ、あるわよ」
シャーリー
「ついてた……筈です……」
一郎
「ほいだば、これ持っでけじゃ」
抱えていた箱を差し出します
高瀬川の和樹
「こいつは?」
一郎
それは、発泡スチロールの一抱えほどの箱でした
シロ
「なーになーに?」
風馬
「でかいな!」
シロ
「シロいな!!」
シャーリー
「大きいですね……?」
一郎
「今日、アウガで買って来だんだ」
みんなの前で、蓋を開けて見ると
そこには、たくさんのお魚や干物、筋子などがたくさん詰まっていました
なかには『ねぶた漬け』と書かれた箱もいくつか
シャーリー
「……!?」
高瀬川の和樹
「おおお!」
その中身を見て、思わず歓声を上げる。
シロ
「おおー」
ゆり
「うわぁぁ! 私もアウガに寄っていきたかったのよぉ!」
風馬
「おいしそうなものがたくさんだな!」
高瀬川の和樹
「こいつは、ありがてぇなぁ。旅の空でも、ここを思い出せる」そう、目を細める。
一郎
「おめんどには、たげお世話になったべ?」
高瀬川の和樹
「はは、気にせんでいいのに。だが、嬉しいや。
 ありがとう」
一郎
「なも足りねくれだげどね」
シャーリー
「そうですね……。
 その心遣いが……嬉しいです……」
シロ
「ありがとぉー!」
一郎
「お礼ッコしゃべんねばなんねのは、わじゃ」
再び蓋をして、それを和樹に差し出します
高瀬川の和樹
大事そうに、箱を受け取る。
ああ、一度一度に背負うものが増えていく旅ってのも、いいもんだ。
風馬
「おれいっこなのか、ありがとう!」※お礼の言い合いと解釈
一郎
「ああ、ありがとじゃ」
風馬にしっかりとお礼を更にお返しして
「まだ、旅続けらんだべ?」
高瀬川の和樹
「ああ、そのつもりだ」
一郎
「……気ぃつけでな」
シロ
「うん!!」
シャーリー
「……はい!」
高瀬川の和樹
「ああ。壮健で」
一郎
「ああ! おめんども元気で。
 青森は遠ぇばって、必ずまだ来てけろじゃ。
 またな!」
シロ
「またくるぞ!!」
高瀬川の和樹
「ああ、必ず!」
シャーリー
「また来ます……!」
シロ
「イチもじーちゃんとなかよくしろよな!!」
高瀬川の和樹
必ず。
これまで旅の後に、そんな重さを背負ったことはなかった。

思うまま、風の吹くまま、出て行けば忘れるような旅だった。
ああ、こういうのも、いいもんだなあ。
語り手
別れを惜しみながら、みんなはキャンピングカーへと乗り込み
それぞれに着席してシートベルトを締めると
みんなの心は、少し後ろ髪を引かれながらも、前へと向かってゆくかもしれません
高瀬川の和樹
「ようし、行くぜ」あの小箱からリキッドを取り出すと、VAPEを咥え、いつものバニラの香りを漂わせて。
運転席につけば、前へ行く気分になる。
一郎
「またな!」
一郎さんが、外で両手を振って、みんなを見送ります
高瀬川の和樹
運転席から、軽く手を振った。
風馬
「おじさんたちによろしくなー」
シャーリー
こちらも一生懸命見えなくなるまで手を振る。
一郎
風馬の言葉に、片手を一つあげ
やがて、遠ざかってゆくキャンピングカーを見送りながら
シロ
外見て尻尾振ってる。
一郎
「おがすな連中であったげ……最高だったな」
穏やかな表情で一つ、つぶやくのでした

シロ
「つぎはどこいくんだ!?」
地図を肉球でペタペタ
語り手
走り出した車は、街を離れ
少しやまの方へと走ってゆきます
その途中
シロ
ひっっさしぶりの曲だ
ゆり
「ああー! 三内丸山遺跡よ! ちょっと! 寄っていきなさいよ!」
シロ
「さんない??」
高瀬川の和樹
「うおっ、何だ何だ」
シャーリー
花粉 酷い どうして
シロ
生きているからさ……
シャーリー
つら
風馬
「まるやま?」
シャーリー
「さん……?」
ちびきつねさま
「ううん……でも、だいぶん長居してしまったからねぇ」
シロ
北海道で数ヶ月過ごして何を今更ー
シャーリー
「……ちょっとした寄り道……くらいなら……」
シロ
「なんかおもしろいとこなのか??」
高瀬川の和樹
「次来た時に寄りゃあいいんじゃねぇか。遺跡は逃げねぇだろうよ」機嫌良さそうにハンドルを握りながら、そんなことを言う。
シロ
「そうかぁー。じゃあおぼえとかないとなー」
風馬
「そうか、次はここにくるのか」
高瀬川の和樹
「ああ、次はここに来るのよ。今回逢った連中を訪ねてなあ、ひとつひとつ回ろうぜ」
シャーリー
「はい……」
ゆり
「古代のロマンが……縄文の遺跡が……」
窓に張り付きながら、未練がましく見送るゆりをよそに
シロ
ゆりさんの割と珍しい表情?
語り手
そうかも>表情
シロ
記憶にないヤツだから新作かなと思った。
シャーリー
八戸だ。
語り手
車は、やがて青森のインターチェンジを抜け
再び高速道路へと乗り出します
シャーリー
青森、遠いなぁ……。
高瀬川の和樹
「……縄文時代ねぇ。淡雪さんなら見た事ありそうだな」
ゆり
「そりゃ、あのお婆さんなら、リアルで見たこともあるんでしょーよ……」
ぶつぶつと恨みがましくつぶやくゆり
シロ
「ゆーちゃんだっておばーちゃんじゃないか」
風馬
「あ、シロ」
ゆり
「やめてよ、私まだ5分の1も生きてないわよ!」
風馬
ごぶんのいち
シロ
「……あ。こーゆーのよくないのか??」
風馬の反応に首をかしげる。
「でりかしってむつかしいな」
高瀬川の和樹
「ゆりが気にしいなんだよ」高速道路の向こうに見える空を見やりながら、からからと笑う。
シャーリー
「……難しいです……」
ゆり
「あんたねぇ、もうちょっと乙女心ってのを理解しなさいよ。だからいつまで経っても独り身なのよぅ!」
風馬
「そうだぞ、ゆりはとしの話と大きさの話をしたら怒るぞ」
ゆり
「風馬、あんたねぇぇぇぇ!」
高瀬川の和樹
「あっはっは」
ゆり
シートベルトを外して、とうとう後ろの方にまで飛び込むゆり
シロ
「ほんとだおこった!!」
シャーリー
「でも……私も年齢の話はちょっとされたくない……かも……」
ゆり
「ほら見なさい、あんたたち、もうちょっと婦女子の心をねぇ」
高瀬川の和樹
「はいはーい」
シャーリー
小さくてもいつかは私も同じぐらいになるんだと思ったら気にする子、居ると思う。
風馬
同じくらい(千数百歳)
風馬
「でもシロは怒らないぞ」
シロ
シロに取ってみればみんな トシウエ だもんねー
シャーリー
乙女に年齢の話は良くないですよ! めっ!
語り手
などとにぎやかにしながら
キャンピングカーは軽快に道路を走ります

語り手
カーナビゲーションからは、時折
『秋田県に入りました』
『山形県に入りました』
などといった声が聞こえてきます
風馬
「ここはあきたけんって町なのか」
高瀬川の和樹
「秋田県は、県だなぁ。青森県、とかと同じよ。いくつかの町を束ねた大きな呼び方よ」
風馬
「まちがあつまると名前が変わるのか……」
シロ
「アキタ?
 アキてないぞ」
ゆり
「全くもう……」
ちびきつねさま
そんな中
ちびぎつねさまだけが、難しそうな顔で、コンパスを眺めています
高瀬川の和樹
「おう。いろんな町があるから、どの名前を取っていいか分からんだろ。だから別に名前をつけるのよ……っと、お方様、どうした? 見つからんか?」
ちびきつねさま
「うーん……。
 それがね、昨日の夜まで、時折大きな反応が見えたのだけれど。
 今は、静かなものなんだ」
シャーリー
「……とりあえず向かっても……いい気が……」
ちびきつねさま
「ううん」
シロ
「ふーん?」
ちびきつねさま
首を傾げるちびぎつねさま
高瀬川の和樹
「ううん、ねぶたの反応を間違って受け取ったとかじゃねえよな?」
ちびきつねさま
「いや、あの御祭りはすでに終わったから、流石にそれは……」
ゆり
「まぁ、いいじゃないの。
 これまで割と移動移動で、ハードな道ゆきだったんだもの。
 しばらくはのんびり、でもいいじゃない?」
言いながら、ゆりはテレビのリモコンを手に取り、テレビへ向けます
語り手
映し出されるのは、いろんな人が面白おかしく話している、いわゆるバラエティ番組と言われるような
そんな賑やかな番組
シロ
「てれぴん!」
高瀬川の和樹
「お、ここまで来るとバラエティの顔ぶれも違うねぇ」
ゆり
「そうそう。これも旅の醍醐味よねぇ」
シャーリー
「薔薇……得手……?」
シロ
そのへんの差はシロにはわからんな!!
ゆり
「東京と違って、動きのない、ご当地CMとか!」
シロ
音質の良くない音と静止画のCM
シャーリー
クセになりますよね。
高瀬川の和樹
「ああ、分かる。現地のスーパーで買い物したり、宿でテレビ見たりさあ。食堂でそこのラジオ流れてたり」
シャーリー
「薔薇……しーえむ……」
風馬
「しらない歌だな」
ゆり
「あんたたち、もうちょっと現代語の勉強しなさいよー?」
なんて、ご無体なことを言いながら、ようやく落ち着いたゆりがソファに身を委ねていると
語り手
ピンポンパンポーン
不意の音がテレビから
高瀬川の和樹
「おっと」地震速報か。
語り手
そして、画面はガラッと変わり、難しい顔のおじさんが大写しになりました
シロ
「ん、なんだ??
 おとくじょーほーは??」
シャーリー
「……?」
語り手
画面には『巨大生物出現』の文字が流れ
おじさんが緊張した顔で
『緊急速報をお伝えします。長野県山中で、再び、巨大な生物が現れました』
と早口に繰り返しました
高瀬川の和樹
もしかして:ウルトラマン回
風馬
がっずぃーら!?
高瀬川の和樹
「あ?」
シャーリー
「……なんですかね……」
ゆり
「ちょっと、何よぅ! 今でてた化粧品気になってたのに!」
風馬
「きんきゅう?」
高瀬川の和樹
「あぁ? 何言ってんだ」
シロ
「きょだいせーぶつ?」
語り手
ぽちぽちとゆりがリモコンでチャンネルを変えますが、どこへ行っても、同じ情報が流れます
風馬
「かわらないな」
ゆり
「あー……。
 なんか、前もニュースあったわよね、こんなの」
シロ
「ヨーカイか?」
高瀬川の和樹
「あん? そうなのか?」
言いながら記憶をたぐってみる。
シャーリー
「……そうですっけ……?」
何も思い出せない。
シロ
シロはしらんな!!
語り手
人の世界の情報に触れることの多い和樹は
少し前に、そんなニュースが流れたことがあったように思います
確かその時には、地球を掠めて飛んでゆく、ある彗星の話題で日本中のニュースが持ちきりであったような
空気がなくなる
シロ
いね「いつかって、いつなの!!」
風馬
自転車のチューブ買わなきゃ
高瀬川の和樹
いいかげん懐かしすぎて大丈夫? 通用する? >チューブ
シロ
何秒持つっていうか臭そう。
ていうかそもそも吸える構造じゃな……
あの頃は浮き輪とかなかったのかな
風馬
当時のガバガバチューブなら
シロ
ああ、なるほど。
風馬
1910年のは風馬ぎりぎり知らないな……
自転車のチューブ……1910年、ハレー彗星最接近時のドタバタにまつわる話。

語り手
やがて画面が変わると、そこは、どこかの山
緑に覆われた山腹で、人型の何かがのしのしと歩いている様が映し出されます
シロ
「!?」
語り手
それはのんびりと歩いているようにも見えましたが
高瀬川の和樹
「……そういやぁ……、あったな。SNSのヨタ話ならともかく、現代日本で何を真顔でって思ったもんだが。
おいおい、何だこりゃあ、狐狸どもの仕業にしちゃあ、目立ちすぎじゃねえかい」
語り手
その足元などに走る道路や、建物から考えると、よほど大きなものであるように思えます
シャーリー
何が起こってるんだろう……?
シロ
椅子の下に逃げる。
風馬
「おばけか……?」
語り手
『本日未明、長野県浅間山山麓にて、未確認の巨大生物が観測されました』
おじさんの声が聞こえます
高瀬川の和樹
「そういやぁ、お方様。昨日の夜まで反応してた、っつってたな」
ちびきつねさま
「ああ、うん……」
流石のちびぎつねさまも、ぼんやりとそれを眺めています
高瀬川の和樹
「もしかして、もしかしてだがよ、あれじゃあねえのか……」
ちびきつねさま
「いや、でも……ほら」
見せてくれるコンパスは、かすかに揺れているだけ
「少しは反応しているみたいだけれど……」
語り手
そして、和樹はもう一つ思い出しました
確か、あの時
こうしたニュースが流れた後、画面の向こうで
もう一つの、異常が大写しに映し出されたような……
高瀬川の和樹
「彗星……、人型生物……、ああくそ、何だったか」思い出そうとする。
高瀬川の和樹
この辺、丁度みき(※肥後守の付喪)が自分を長野県へ郵送しようとしていた頃かな
みき、いね……ゆうやけこやけ「ふしぎなともだち」を参照だ!
語り手
テレビでは
『みなさま、ご覧いただけますでしょうか』
風馬
「みてるぞ」
語り手
『本日未明、浅間山麓に現れた巨大な人型生物は、木々を踏み倒しながら、ゆっくりと、ゆっくりと、えー、民家のある方へと、えー、時速60kmほどで、えー、進んでおります』
空からそれを見下ろす画面の映像と共に、慌てたようなおじさんが捲し立てます
高瀬川の和樹
電車(新快速除く)並の速度のゆっくり
シロ
「あんなのまちにきたら、いえとかつぶれちゃうぞ」
語り手
そして、和樹は思い出しました
『このまま、市街地へと踏み込んだ場合、相当な被害が―――あっ、あれは、なんだーーーー!?』
そう、おじさんが叫んだ時、前にも同じようなことがあった時には、確か。
高瀬川の和樹
「──そうだ。
 あん時ぁ、確か──」
語り手
不意に、光が輝くと
木々の中から、銀色の巨人が現れました
街へと進む巨人と同じほどの背丈の巨人は、
『俺は、ウルトラマン・ユニティ! 絆の力で、この星を守る!』
そう叫ぶや、巨人に躍りかかるのでした
シロ
そっち……
風馬
ウルトラマンきちゃった
高瀬川の和樹
きちゃった
シロ
「なななななになにあれだいだらぼち?」
高瀬川の和樹
「マジかよ」真顔。
風馬
「だいだらぼっちか、はじめてみたな」
シャーリー
「……」上に乗っかれないかな……。
高瀬川の和樹
「そうだよそうだよ、見たよこれ。まさかガチだとは思わんだろうよ。いつもの偽ニュースだと思って流したよ」
ゆり
「……今日、土曜の朝じゃないわよね」
高瀬川の和樹
「土曜の朝でもニチアサでもねーでーす。何だよこれ。
 怪獣映画好きの狐狸の仕業じゃねぇんだぞ。何だこれ」
風馬
「うるとら……?」
風馬
彼もマレビト扱いなんだろうか
シロ
マレビトだったような気がするな
高瀬川の和樹
だったと思う
語り手
マレビトですね
高瀬川の和樹
「ちと物怪にしちゃド派手すぎねぇかおい」
和樹にSANチェック。
風馬
「けんかしてるのか?」
シロ
「ヒェェェェェェ」
高瀬川の和樹
「たぶん。
 ケンカかバトルか戦闘かしらんが、たぶんそうきっとそうメイビーそう」
シャーリー
ニチアサ……。
あ、そうか。風馬さんいなかったころか。
シロ
そうなの
風馬
ダイダラボッチははじめてみたなあって顔
ちびきつねさま
「うわ、うわわわ?!」
みんなの後ろで、ちびぎつねさまが声をあげます
高瀬川の和樹
「どうしたお方様ぁ」
ちびきつねさま
「羅盤が、羅盤が
 ものすごい反応を……」
シロ
「なになになにごと!???!?」
ちびきつねさま
ほら、と見せるコンパスの針は、これまで見たことのないほどにぐるぐると回っていました
高瀬川の和樹
「ああーマジかよ本当にこれかよ。あに考えてんだよ神様? この国の神様はド派手な奇跡ぶっぱする役目じゃねぇだろおい?」
シロ
とうとう宇宙の力まで借りることになるのかぁ
とうかっき町どうなっちゃうの。
風馬
スペースとうかっき町に
風馬
「あれ、かみさまなのか……?」
シャーリー
「わかりません……」
ゆり
「でもほら、ダイダラボッチとか、大国主とか。
 あんな感じだったんじゃないの?」
シロ
「あとから来たのなんかかっこいいな」(少しサニティした)
高瀬川の和樹
「あんなド派手なダイダラボッチがいてたまるか」
シャーリー
本当に そうで
高瀬川の和樹
前作(ふしぎなともだち)では何の疑いも持たなかったのに、和樹が変に大人なせいで発狂してしまった
語り手
画面では、二人の巨人が殴ったり、蹴ったりと、大立ち回りを演じています
やがて
画面には『しばらくお待ちください』という文字と絵本のような穏やかな絵が映し出されました
不意に訪れた、静かな時間
車内には、時折道路の継ぎ目を抜ける、がたん、がたん、という音が響きます
シロ
「えええー、つづき!! つづきは!!!」
「どうなってるんだ! あとからきたやつかったのか?
 つづきはーーーー!?」
シロ
シロは完全にニチアサ観てる子供になってる。
風馬
「……いくのか?」
シャーリー
「行かなきゃ……?」
ゆり
「……うん、まぁ
 とりあえず、行くしか……ないんじゃないの?」
高瀬川の和樹
「行くか。行くしかねぇだろ。反応してんだろ?」その声は乾いている。
ちびきつねさま
「うん……まぁ……」
流石のちびぎつねさまも、ぼんやりと呟きます
風馬
「けんかするかみさまはイヤだな……」
シロ
この世界にウルトラマンっていう創作あるの?
語り手
映像作品として、仮面ライダーとかウルトラマンとかは存在しません
シロ
巻き添えでライダーが消えた。
高瀬川の和樹
「あーーーもう俺の考えてた現代が崩れそうだよ、最近。案外もののけ連中逃げ隠れ! 物怖じ! 境界維持! しねぇなおい!」
ゆり
「まぁ、6000年越しの文字妖が出て来た時点で、ねぇ」
高瀬川の和樹
「そりゃそうだが、淡雪さんこんなド派手なことしねぇじゃんよ」
高瀬川の和樹
久しぶりにひとりビーストバインドする和樹
風馬
「たつみみたいだな」
シャーリー
「そうですね……」
高瀬川の和樹
「たつみでもニュースにのっかりゃしねぇよ」
ゆり
「よく考えたら、あれもよくニュースにならなかったものよね。
 まぁ、あたしたちが仕込んだんだけれども」
高瀬川の和樹
「まぁ、あんときゃ俺達が仕込んだしな。その前は、あいつ昼に姿見せなかったし。見たやつがいても気のせいだと思ったに違いねぇ。
俺が思ってた俺達と人間の距離って、そんなもんだったろ」
「それがさあ。俺の頭がパンペンポロピレしそう」
シロ
「どうなったんだよ! はやくいこう!!!
 いくのーーーー!」
高瀬川の和樹
「あーもういいや、行こうぜ。俺も何がなんなのか気になってきた」
ちびきつねさま
「うん……それじゃ、とりあえず信濃に向かうということで……」
シロ
「ツヅキーーー!」
コロコロコロコロコロコロ
風馬
「シロ、続きはあそこに見に行こう」
シロ
「いくーーーーーー!」
シャーリー
「私も……」
ゆり
「流石に、これだけ派手にやられるとねぇ」
高瀬川の和樹
「だろぉー?」
ゆり
「でもさ、和樹」
高瀬川の和樹
「おう」
ゆり
「なんかこう、針が振り切れたっていうか。
 逆に変に冷静になってるあたしがいるんだけど。なにこれこわい」
高瀬川の和樹
「お前も十分動転してるってこった」乾いた声で笑う。
そして、久しぶりにSNSを開いて、『イミフなう』と一言だけ書き込む。
シロ
イミフなう
高瀬川の和樹
和樹、心の叫び
語り手
和樹が覗き込んだSNSでは、問答無用でハッシュタグ:ウルトラマンがトレンド入りしていました
高瀬川の和樹
「そりゃそうだわな」
語り手
そして、キャンピングカーは一路、南下するのでした

語り手
というわけで、青森編一巻の終わりです
風馬
お疲れ様でした!!
シロ
おおー
おつかれさまーーーーー!
高瀬川の和樹
お疲れ様でした!
和樹の常識の上を事態が高笑いを上げながら飛び去っていく あれ? もののけ一行のはずが現代人がいるぞ?
語り手
気にしてはいけない
いいね?
シロ
人間だ、人間がいるぞ! かこめー!
風馬
来年の一郎さんはウルトラネブタ
高瀬川の和樹
ウルトラネブタ似合いそうで笑う
シロ
戦ってたしな。
シャーリー
じわ
語り手
もうあるんだよなぁ……
シャーリー
お疲れ様でした!
シロ
確かに巨大で迫力と言えばぴったりな題材だな、ウルトラマン。
語り手
みなさまお待たせしました、ウルトラマン回です
高瀬川の和樹
いえーーーい
PLはみきが郵送されて登場してくるのかどうかが気になっている
語り手
どうですかなーーーー
風馬
しゅわっち!
シャーリー
グリッドマン回はないんですか?!
語り手
グリッドマン回だと、みんなもれなくコンピュータ技能80位必要だけど、大丈夫?
シロ
ゆうこやだともののけしか参加できなくなりそう
高瀬川の和樹
電霊系のもののけを用意しないと
コピーAIとかそういうやつ
シロ
助けてネミッサ
語り手
電霊:あのサメとクモ
シロ
そっちかー。あいつら引っかき回すだけ引っかき回して放置していなくなりそうなんだもんなー
高瀬川の和樹
それは確かに 厄介者サイドだ
シロ
飽きた って消えそう。
高瀬川の和樹
わかる
電霊:あのサメとクモ……真・女神転生TRPGで出てきた厄介な電霊たちのこと。
ニチアサ
シャーリー
ニチアサ、中の人がハマってしまったせいで反応してしまう。
シロ
ニチアサたまに凄まじく面白いのがあるので侮れない。
シャーリー
戦隊が今アツい
シロ
戦隊ならちょい古いけどタイムレンジャーとかゴーバスターズが推し。
シャーリー
ガオレンジャー好きだったなぁ。
シロ
ああー、あれも面白かったな。
シャーリー
タイムレンジャーは当時難しかったから今見ると変わりそう。
語り手
あれは大人こそ楽しめる
ゴーバスターズもだけど
シロ
ちなみにどちらも小林靖子作品だった。
シャーリー
あ、タイムレンジャー靖子にゃんなんだ。
語り手
靖子にゃんと三陸は信じられる
はっきりわかんだね
シャーリー
OPがくっそかっこいいイメージが先行してた>タイムレンジャー
シロ
思わずどちらもボックス買いをした。
シャーリー
靖子にゃんなら今はトッキュウみたい。
シロ
トッキュウも面白いね……
シャーリー
あのOP大好きで…… >グリッドマン
ただ最大のネタバレを聞いたうえでまだ見れてない……。見たい……。
語り手
あー
あのネタバレ踏んじゃうと厳しいな
それは心底お気の毒
シャーリー
あれ聞いてあ、面白そうって思ったから大丈夫。
いえーい!(聞かなかった方がより面白かっただろうけどまぁ)
シロ
実はちゃんと観られてないトッキュウ
語り手
大人なら楽しめるからみんな仮面ライダー555見ようぜ
シャーリー
初心者ならWじゃないですか? 今。
語り手
Wは全年齢いけますし
シャーリー
あー、確かに。
あるいはドンブラザーズ……?
シロ
ドンブラは噂だけ聞いて気にはなったけど、ここ数年ニチアサ観てないのよねー
語り手
みんなが『地獄はやさしい』に行く、って聞くたびに

『さぁ……地獄を楽しみな(親指くるん)』
ってやりたくなる
シロ
大丈夫、私も毎回言いたくなっているのを我慢してるから。
シャーリー
ファイズの脚本家のはず。
語り手
そうなんだよ
ドンブラは井上敏樹なんだよ
シャーリー
面白かったですよ。
語り手
でもそれだけに 「おめでとう! 物語はハッピーエンド! ただしお前は死ぬ!」
(首が折れる音)
って出そうで怖くて
シャーリー
どうでしょうねぇ? ふふ。
でも面白かったんで見てほしいです。


ゆうやけこやけ

第一~二話『龍の眠る滝』『ともだち』
第三話『ふしぎなともだち』
第四~六話『ふたりのかげ』『たそがれのまど』『とびらをひらいて』
第七話 『さくら咲く頃』
第八話 『ふたりの娘』
第九話『みあげればそこに』
第十話『旅するゆうこや』 1 2 3 4 5 6
番外 こどもとTRPG 準備 『まいご』 『たからもの』 『化けニャン』

これは『インコグ・ラボ』が権利を有する『ふしぎもののけRPGゆうやけこやけ』の二次創作物です。