語り手
前回、みんなは鹿角で何が起きたか、何が起きているのかを聞きました
淡雪がこの町の人やもののけを全て墨に溶かしてしまったのです
シロ
ひどいやつ!!
語り手
狐の女の子ツクハは、風馬たちの見たいとに触れると、淡雪に墨にされると言いました
一体、なぜそのようなことをするのでしょう
ストーブに柔らかく暖められているはずの保健室が、少し冷えたように感じました
シャーリー
わかんないなぁ。
シロ
「じゃあ、あーちゃんをやっつければいいのか?」
とりあえず転ばせればいいと思ってる。
風馬
転ばせマシーン
ツクハ
「そうだな、あやつを調伏せねばなるまい」
風馬
「……あわゆきに聞きに行こう」
ニハル
「お話しに行ったら、溶かされちゃうよ」
風馬
「でも、平気だったぞ」
シロ
「……すみのこときいたとき、ちょっとこわかった」
風馬
「シロ……」
「でも、なんでそんなことするんだ」
シャーリー
「わかんない……です……」
高瀬川の和樹
すう、と深く息を吸う。空気が冷たくて少し胸が冷えた。
「二人とも待て待て。風馬、いきなり話に行って平気じゃなかったらどうすんだ。ツクハだったな、調伏ったって手がねえんだろう」
「状況を整理しようぜ。綴だったか、あんたにも話が聞きたい」
「あと、あの糸のこともな」
「わ、わたしは、お役に立てますかどうか……」
ツクハ
「糸については、心当たりがある」
高瀬川の和樹
「ほう」
シャーリー
「うん……?」
シロ
「しってるのか?」
ツクハ
「かつて、この地で一体の式神を神上がらせたことがある、と言ったな」
高瀬川の和樹
「ああ」
ツクハ
「その折の式神が、蜘蛛神だった」
風馬
「くも、がみ?」
高瀬川の和樹
「……ほう」
ツクハ
「その折にも、その蜘蛛神が鹿角中に糸を張り巡らせ、多くのもののけから精を吸い上げ、貪っておったのだ」
シロ
「たべるのか……」
こわい。
高瀬川の和樹
「そりゃあまた剣呑なこったな。そん時はどうしたんだ?」
ツクハ
「この地には霊穴があってな」
「その力を借りて、蜘蛛めを神上がらせた」
シャーリー
「……」
高瀬川の和樹
端的過ぎてエモ要素が消えちゃったよツクハちゃん
シロ
ツクハにエモを求めるのが間違っている。
ツクハ
ツクハの視点からすると、割とこんな感じなのかと思ってさw
ツヅミ
「ちょっとかわいそうな子だったんだよね」
高瀬川の和樹
「かわいそう?」
ツヅミ
たぬきがフォローするから、待っててw
高瀬川の和樹
ツヅミちゃんエモ補完ありがとな
シロ
やさしいたぬきちゃん
ツクハはあの時結構いっぱいいっぱいだったしというかいなかったし。
ツヅミ
「ずーーーーーっと昔に死んじゃってたご主人の命令を、一人でずっと守り続けてたんだよ」
「その穴を守るんだ、ってさ」
ニハル
「ハルはただただ怖かったけどね」
シロ
ぷるぷるしてる……
ツヅミ
「で、あわゆきとか、みずきさんたちが、それはかわいそうだから、って」
シャーリー
「……確かに……」
ツヅミ
「解いて、この町を守る神さまにしちゃおう、って」
シロ
「かみさまってそんなかんたんにつくれるのか!?」
「(お方様もそうやってたすけてあげられたんじゃないのか?)」
シャーリー
「……そんなに簡単に……作れないと思います……」
ツクハ
「かの霊穴から溢れ出る霊力と……あとは、集ったもののけたちの神通力でな」
シロ
「……(あのこわいいとがカミサマ!?)」
風馬
「くもが、町を守る神様になったなら、なんで糸でみんなをとかすんだ」
ニハル
「わかんないよー……。またお腹が減ったのかな?」
高瀬川の和樹
「その話なら、淡雪に恩があんのはまぁ分かる。だが、そりゃあ親父たちにも同じだ。あぁ、風馬の言う通りだ。なんで淡雪に組したか、そこが引っかかる」
ツヅミ
「あわゆきが、すごく大きな力を使って蜘蛛の子を助けてくれたからかな?」
シロ
「かみさまってはなせないのか?」
「(しーちゃん(しのぶ)は、はなしてたぞ!)」
ツクハ
「……そうだな」
シャーリー
「……うん?」
ツクハ
「先だっての件では、神上がらせるだけでは済まなかった」
ツクハ
「長くあって、守り続けたこの土地に、定着をさせてやろうという話になってな。……何より、守られてきた住人たちに忘れられるのでは忍びないと」
「……つくづく、甘い話ではあるが、この地に古来よりあった神であるとして、祭り上げることとなったのだ」
シロ
「めちゃくちゃやってる……」たぶん。
ツクハ
「うむ、滅茶苦茶も良いところだ」
高瀬川の和樹
「またえれぇ話だな。そんな大それたことやってたのか、親父とそいつらは……」
シロ
「きーちゃんのとーちゃんすごいな……」
ツクハ
「そうだ。お前の父、瑞樹は一晩で堂を一つ拵えてな。蜘蛛めの社として」
シロ
いとちゃんも裏切者扱いなわけね。
好意なしに纏められるとすげーやっばい話ね。
シャーリー
「すごいですね……」
風馬
「和樹の親がつくった?」
シロ
「きーちゃんのとーちゃんもカミサマかなにか?」
ツクハ
「だが、例え立派な社があったとて、ついぞ今し方生まれたばかりの神を、住人が神として受け入れられると思うか?」
風馬
「……?」
高瀬川の和樹
「まぁ、いきなりやって来てはいそうですかたぁならんな。都会ならまだしも」
ツクハ
「そうだ。何より、縁起も何も無いわけだからな」
シャーリー
「……」
シロ
(うまれたばかりのカミサマはすっごいたいへんそうだったな……)
と、とあるバイクを思い出したりしている。
高瀬川の和樹
「まさか、淡雪はその縁起を拵えたのか」
ツクハ
「……」
和樹に頷きます
風馬
「えんぎ、なんだそれは」
シャーリー
「なりきる……的な……?」
風馬
それは演技>シャーリー
シャーリー
ツッコミありがと♡
高瀬川の和樹
シャーリーにツッコミいれる余裕がない。
シロ
つっこめるわけがない。
ゆり
「そこの土地の神様が、なぜそこにいることになったのか、を伝える物語よ」
シロ
「それならわかる!!」
高瀬川の和樹
「そうか、歴史は文字だ。文字に依ったこの世の中じゃ、人ひとりが覚えきれんものを後に伝えるのは文字だけだ」はっ、と顔を上げる。
ツクハ
「あやつは、太古からこれまでの縁起を全て物語として編み上げてな。……この町の住人全てにそれを溶かし込んだのだ」
シャーリー
「なるほど……?」わかったようなわからないような!
シロ
「……とかす?」
高瀬川の和樹
「……途方もねぇ話だな。神をひとつこさえ上げたようなもんじゃねぇか」
ツクハ
「そうだ」
ニハル
「淡雪さん、疲れちゃったのか、それからしばらくどっか行っちゃってたね」
シロ
「かみさまよりすごいことやってないか?」
シャーリー
「……確かに……?」
ちびきつねさま
「ううん……途方もない話だねぇ」
シロ
「いなかったカミサマをみんなにしんじてもらうために、ムカシをつくっちゃったってことだろ?」
珍しくシロさんの理解が早い。
ツクハ
「そうだ」
高瀬川の和樹
「あぁ、そうだ。……下手すると世界だって編めるんじゃねぇか、あいつぁ」
シャーリー
「ううん……」
編集って怖いねぇ!?
高瀬川の和樹
「……蜘蛛神は淡雪に恩がある。淡雪は途方もねぇことをやらかして、そんで疲れた。……クソ、筋は通るな」
ツクハ
「蜘蛛が淡雪に与する所以は、おそらくここだろう」
シロ
はっ、この世界も微妙にメガテンとリンクしてる!?
好き勝手弄れる世界に迷い込んじゃった我々!
高瀬川の和樹
でも淡雪がやってるのはどっちかというと大リセット
シャーリー
全てを壊し全てを繋げってコト!?
風馬
「そんなのへんだ」
「神様を信じてもらう本をつくって人に読んでもらったのに、なんでまた人をとかすんだ」
シロ
「それにきーちゃんのとーちゃんは、しりあいか、ともだちなんだろ?」
「なんでとかすんだよぅ」
シャーリー
「確かに……」
ニハル
「……」
ツヅミ
「……」
ツクハ
「何か、『箍が外れる』ようなことがあったのだろう」
シャーリー
「……」
シャーリー
《心理学》してぇ(システムが違います)
シャーリー
(でもどっちにしろシャーリーの心理学は初期値っぽい気がする)
高瀬川の和樹
(ぽい)
シロ
このシステムで心理学って、どのぱらめーたーでもいけると思うんだよね
ツクハ
そうだね
シャーリー
確かにそれはそうですね。
シロ
あとは「語り手お願い!」ってやって「いいよ」って言ってもらえれば。
ねこがいれば《こころのぞき》があるんだけどね。アメちゃんも墨だろうなぁ。

シャーリー
ちょっとけものの勘で黙ってる二人が何を考えてるか察せられませんかね?
ツクハ
黙ってる二人というのは、ポンウサコンビ?
シャーリー
ですです。
ぽんうさ
シャーリー
ポンポポン
語り手
では、いずれかの能力値で、そうだな4くらいでいいか
シャーリー
ではおもい1消費してけものを4にします。
[ シャーリー ] おもい : 16 → 15
語り手
けもので判定ですので……そうだな
シャーリー
唸れ!勘!
語り手
その二人は、怒りが前に出ているツクハと違って、どちらかというと悲しいという気持ちの方が強いように思えます
シロ
ションモリ
シャーリー
しょもしょも
語り手
これまでに怖がってばかりだったニハルですら、悲しそうな顔をしているように思えました
シャーリー
まぁしょうがないよなぁ……って顔をしてます。

風馬
「やっぱりあわゆきに聞かなきゃ、ほんとに、そんなことしたのかって」
ツクハ
「好きにしろ……と言いたいところだが」
「それは、困る」
風馬
「どうしてだ?お前たちのことは内緒にするぞ」
ツクハ
「我らのことなど、とうに知られているだろう」
風馬
「コケ……?」
ツクハ
「そうではなく、我らはあやつを調伏せねばならん」
「今一度、この地の霊穴の力に依ってな。そのためには、一人でも多くのもののけの力が必要なのだ」
高瀬川の和樹
「成程な……、さっき出てきた霊穴、か」
シロ
「かみさまつくっちゃったあなか……(あなにおとせばいいのか?)」
ツクハ
「霊穴の力あらば、少ないもののけの力であっても、膨らませてあやつを調伏するくらいはできるはず」
風馬
「……ちょうぶくって、なんだ」
ゆり
「やっつける、ってことよ」
風馬
「いやだ」
ツクハ
「なんだと!」
シロ
「……」
あーちゃんはこわいけど、さいしょはやさしかったよな……
高瀬川の和樹
「まあまあ、待て待て。まだ一人話を聞いとらん」
「……綴、だったな。お前はどう思う。淡雪のことだ。さっきは睨んじまって悪かった、思う所を教えてくれ」

「遠慮はいい。お前の立場で聞きたい」
「あ……」
綴は、言われてツクハの顔をチラリと見ます
ツクハ
「……」
ツクハは、綴から顔をツンと逸らしました
シャーリー
これが……大人の力……?
風馬
ナイスフォロー!
シロ
「(めのまえで、おかーちゃんをやっつけるっていわれたら、やっぱ、やだよな)」
シロ
シロって両親いるのか?
高瀬川の和樹
すねこすりの両親とは
風馬
ひじこすり、ひざこすり…
シロ
ひざはやめてっ
ゾワゾワするんだよぅ
シャーリー
鬼太郎にも目玉のおやじいるからきっといるはず!知らんけど。
風馬
鬼太郎のお母さんは幽霊なのに病死
シャーリー
そうなんですか!?
風馬
お父さんも目玉以外溶けてあんなんなったはずやで!
シロ
おかーさんが幽霊族で、おとーさんが妖怪だったな。
夫婦そろって病気で死んだけど、墓の下で生まれる息子が心配だから目玉だけに乗り移って墓場で誕生を見届けたとゆー壮絶な第一話。
シャーリー
ひえっ
語り手
生まれてすぐのそん時に、鬼太郎は墓石の角に左目ぶつけて潰してしまったんで、親父はそこに住むことにしたんだぜ
シャーリー
水木御大の死生観すごいなぁ……。
シロ
アニメの明るい鬼太郎さんからは想像もつかないよな……
シャーリー
平成初期のはアニメも結構怖かった記憶……
シロ
一番最近やってたやつなんかは結構初期の泥臭さ怖さもあって良かったなー
シャーリー
へぇ!!!
シロ
ヒロイックな回も怖い回もあって良い。
風馬
墓場鬼太郎ですね!
シャーリー
水木先生はエッセイしか読んでないからちょっと気になるけど怖いんですよねぇ!!!(ホラー苦手)
シロ
怖くないヒーロー鬼太郎なら第四期あたりだろーか。
シャーリー
猫娘が可愛い時期でしたっけ
シロ
美少女猫娘が出てくる奴は、怖い回はちゃんと怖いシーズン。
幽霊列車とかガチホラー。

「……えっと」
拒絶はされなかったのを肯定と思ったのか、綴はおずおずと口を開きました
「お母さまは、いつも、いつも、人が楽しそうにお話したり、お手紙を書いたりしているのが、本当に好きでした」
「最近は、パソコンや携帯電話を使う人が増えて、お手紙を書く人も少なくなったけれど、一生懸命苦手なパソコンを勉強して、皆さんのやりとりをにこにこして眺めているのが好きでした」
「……たまに、鋭い言葉のやり取りに、悲しそうな顔をすることもありましたけれど」
風馬
意外とハイテク
「お母さまは、人のことが大好きなんです」
「……だから」
「……えっと」
「お母さまが、なんでこんなことをしているのか、はわたしにもわかりません」
「でも、人のことが嫌いになって、とか。そういうことでは絶対にない、って……わたしは、思います」
シャーリー
「……何かある……ってことですか……?」
「はい。絶対に、何か理由があるはずです」
そこで、強く頷きました
高瀬川の和樹
「ありがとよ。……」なにごとか考え込んでいる。
ツクハ
「理由なぞ、どうでもいい」
「今はあやつをさっさと調伏するべきだ」
シロ
「なんで?」
ツクハ
「このままあやつを放っておけば、この町だけでなく、いずれこの蝦夷地」
ニハル
「今はほっかいどーって言うんだって」
シャーリー
「ほっかいどー……」
ツクハ
「……蝦夷地だけでなく、この国全てに、その脅威が及ぶやもしれんのだぞ」
風馬
どっかで聞いたなときつねをチラ
シロ
さっきのでっかいきつねとかな。
ちびきつねさま
「?」
ちびぎつねさまは可愛らしく小首を傾げている
風馬
「りゆうがわからないなら、やっつけない」
高瀬川の和樹
「ツクハ」ふっと低い声。
ツクハ
風馬の言葉に、かっと頭に血が上ったように毛を逆立てたツクハは、
「……なんだ」
こちらも低い声で和樹に答えました
高瀬川の和樹
「勝算はあるか。そんだけ大それた相手に、霊穴の力と俺達の力がありゃあ、確実にやれると思うか。今を逃せば後はないか」
風馬
「和樹……やっつけるのか?」真意がわかってないのでショック
ツクハ
「……できる!かつては七福の神を呼び込んだこともできたのだ。いかに太古から生きる大妖とて、調伏消滅させられよう」
「そして、これ以上我らが疲弊すれば、それすらも叶わなくなるが道理!」
シロ
七福神呼び込むとかなにやってんの??? あったねそんなこと。
シロ
こわいやつだしやっつけていいの?? でも……って思ってる。
ツクハちゃんおかーさんも溶かされてるだろうしな
ツクハ
そうなんですよ
シャーリー
わぁ……。
シロ
つまりはツヅミのおとーさんも。戻ってこなかったって言ってたね、そういえば。
当然ニハルは優しい飼い主さんや友達も全部。

ツクハ
「……貴様も肉親を殺された身であろう。イヤとは言うまいな?」
和樹を睨みつけるように
ニハル
「……」
ツヅミ
「……」
語り手
ニハルとツヅミも、辛そうに顔を伏せます
シャーリー
「……」
人間になりまぁす!
おもい4ふしぎ2消費して6点はらいます!
しれっとツヅミちゃんに近づく。
ツヅミちゃんの頭いいこいいこしようねぇ。
「……」よしよし。
ツヅミ
「あ……」
「ありがと……」
シャーリーに頭を撫でられて、俯きました
高瀬川の和樹
「だがそいつは、俺らに隙を見せた。少なくとも、俺のこたぁ脅威と分かったはずだ。そりゃ許せねぇよ。だが、裏を取り、訳をほぐせば、そりゃあ付け入る隙になる」
「俺ぁ、焦りたかない」
ツクハ
「何を悠長な……」
高瀬川の和樹
「慎重と言ってくれよ。臆病なんだ、俺ぁ」
ツクハ
「……」
もう一度、ぎっと和樹を睨みつけます
風馬
「ほんとうに、あわゆきがやったのなら、もとに戻してもらうように頼んでみる」
ツクハ
「……なるほど。次第を知って、1番に飛び出したお父上とは、性根がいささか違うようだ」
睨みつけたまま、ツクハは棘のある言葉で和樹を責めました
ニハル
「でも、淡雪さんならできるだろうし、この雪のせいでみんな町から出られなくなっちゃったからね」
高瀬川の和樹
「そうだろうな。都会の情報戦に慣れすぎたのよ。おちおち相撲もとれやしねえ」
ツクハ
「腑抜けめ。河童が尻子玉を抜かれたとは、笑えぬ冗談だ」
「ツクハちゃん……。そんな言い方……」
シャーリー
oh……
シロ
「こわいけど、かみさまにお方様をたすけてもらわないといけないんだよ」
「かみさまをやっつけちゃったら、お方様もたいへんになっちゃう」
ちびきつねさま
「わたしの事情は、ひとまず置いておこう。部外者である私たちが、勝手な都合で嘴を差し込むことはできまいよ」
シロ
「このゆきって、あーちゃんがふらせてるのか?」
ニハル
「淡雪さんが降らせてるのかはわからないけど……」
高瀬川の和樹
「……ああそうだ、淡雪は俺らを町から出そうとした。部外者を巻き込みたかぁなかったのか、俺らが事情を知りゃ牙を剥くかも…… いや、それならあん時やれたはずだ」
ゆり
「結局、そこなのよねぇ」
「悪いわね、部外者だけど口を挟ませてもらうわ」
「ていうか、もう思いっきり巻き込まれてるようなものだしね」
風馬
「ゆり、ケガが治るまで走ったらダメだ」
ゆり
「風馬、ありがとう。でも、頭に血が上ったこの子たちにただ喋らせていても、もう埒が開かないわよ」
シャーリー
「(たち……?)」
高瀬川の和樹
「すまんな、ゆり」
ゆり
「いいのよ。あんたも、相手は小さい女の子なんだから、大人の余裕で少し柔らかく当たってあげなさいな」
和樹だって、父親が犠牲になっている、でも、ゆりは敢えて、和樹にそう言いました
高瀬川の和樹
「悪い悪い」目に鋭い光を湛えたまま、あえて軽い調子でゆりに手を振る。
ゆり
それに頷きを返し
そして、柏手を一つ
「さ、少しは建設的な話をしましょ。頭を使って、少し冷やしましょう」
シャーリー
「……はい」
高瀬川の和樹
「賛成。話を進めにゃあな」
ツクハ
ツクハは、腕組みのまま鼻を鳴らしてつん、とそっぽを向きました、が、これ以上噛みつこうとはしないようです
ゆり
「事実としては、和樹の言うとおり。あたしたちは淡雪さんから見逃されたわ」
「……なんでかしらね?」
シロ
「えっと……この町には、ここにいるヤツしかいないのか? あとはあーちゃんだけしかいないのか?」
シロ
学校霊のみんなも溶かされちゃったのかな?
綴はいるけど。
大変だ、七不思議が一不思議になってしまった!
シャーリー
大変だ~~~!!!
ニハル
「ごはん探しに町には何度も出かけているけど、まだ誰にも会ったことがないよ……」
風馬
「道にも、誰もいなかった」
高瀬川の和樹
「ああ、そうだ。この町に入ってからな」
シロ
「えっと……すみつぼがいっぱいだったとか」
どうだったかな?
語り手
墨つぼにはなみなみと墨が入っていましたね
シロはもしかしたら思い出すかもしれませんが、あの物置には他にも同じくらい大きな壺があったような……
シロ
「うーん、あのつぼ、まだはいりそうだったかも」
ゆり
「この町の人は、みんな、もののけも含めて墨にされてしまった」
シロ
墨にしない理由
もういらない
もうできない
やったらふつごうがある
高瀬川の和樹
・部外者は墨にできない可能性
シロ
墨にする理由
そのすがたでなんかをかいひする
なんかにつかう
そもそもこの地方が全部つくりもの
それは……さすがに。
シャーリー
なるほどなぁ。
街の人たちを守ってる……?
シロ
この吹雪から守ろうとしている可能性? はあるかと思うけど……
ツクハたちに事情も話さずにやっちゃう理由が分からん。
シャーリー
なんか神様案件かも?
シロ
やることであーちゃんに負担がかかることで、事情話したら止められちゃうからって可能性もあるけど、それで邪魔されたら意味ないしな?
無理矢理神様の記憶を書き込んだことで、この町の人に不具合出ちゃった?
シャーリー
なんか神話レベルでやべぇことが起きてそれを止めるのが役割……?とか考えるけどそれはそれでメガテンとかクトゥルフか?って疑う私も。
風馬
不具合が起きたのでアバターごと回収しますね
シャーリー
回収されちゃう!
シロ
大丈夫? にしかぜニキのシナリオだよ? ウルトラマンとか出るよ?
高瀬川の和樹
メタ読みとしてニキのシナリオだしでかい話は普通にありそうってかぶったわ
語り手
でっかいことはいいことだ(ただし話は長くなる)
高瀬川の和樹
そういうの嫌いじゃない

ゆり
「あたしたちは、見逃された。その違いは、一体何?」
ゆりは、顎に指を当てて考え込みます
シャーリー
「……なんでしょう……」
高瀬川の和樹
「見逃したのか、出来んかったのか……」
ゆり
「でも一方で、早く立ち去れ、とも言われた」
シャーリー
「……?」
高瀬川の和樹
「ああ。あからさまに俺達を外に出したがってた」
シャーリー
「どういう……ことなんでしょう……」
ゆり
「まぁ、これは単に、誰もいない町にいたところで凍えるだけだから、かもしれないけれど」
風馬
ふと、ツクハ達の方を見る
ツクハ
「……?なんだ」
風馬
「……おまえたちも、あわゆきが作った神様の本を読んだのか?」
ツクハ
「本を読んだ、というか、あれは町の皆の意識、記憶に刷り込んだのだ。『昔から、そうした神がここで祀られていた、その神がこの地を守護していた』という縁起をな」
「我らは、その一件ですでに顛末を知っていたからな。敢えて刷り込まれた、と言うことはないが……。まぁ、その縁起を知るものであるのは同じだな」
高瀬川の和樹
「……ん? 本? 淡雪んとこ泊まった時、本がどうとか言ってなかったか」
「俺ぁ寝てたが」
ゆり
「そういえば、何か話してたわね」
シャーリー
せんせーといれー
高瀬川の和樹
先生はトイレじゃありません どうぞ
シャーリー
いってきます
語り手
専制トイレ
高瀬川の和樹
トイレいっこしかないの?>専制トイレ

ゆり
「あんたたち、読み聞かせてもらっていたんじゃないの?」
シャーリー、シロ、風馬に
シロ
「えーと」
「ゆきのえほんだ」
「まちじゅうまっしろになっちゃうけど、おとなはきにしないんだ」
語り手
よくご存知で!
>本の内容
シロ
「こどもはゆきのなかで、ほかのほんのヤツらとあそぶんだ」
今調べてきたんだよ
語り手
思い出す判定とか挟んで内容に触れようとしてたけど、それでOKです
シロ
お話は、ある町に雪が降ってきて、
いつしかそれは街をすっかりと白く染め上げ、それに興味を示さない大人を置いて、はしゃぐ子供たちと、他の物語の登場人物たちが遊ぶ、といった内容でした
なぞらえ、かぁ
他の物語なんだな我ら。
シャーリー
たっだいまー
元気な人間が帰ってきたよー!
語り手
ユリ・シュルヴィッツの「ゆき」です
シャーリー
ゆき
シロ
こどもたちはさっぱりはしゃいでないけどな。
高瀬川の和樹
はー 実在BOOKなんだ
シャーリー
読んだことのない絵本だ。
シロ
なんか伏線になってそうだなぁと思ったからなんとなく覚えてはいた。
シャーリー
おぉ~
高瀬川の和樹
すごい
和樹はPCが爆睡していた

高瀬川の和樹
「関係ないかもはしれんが、ちと意味深だな……」
ゆり
「なんだか、今のこの町みたいな話ね」
風馬
「まださいごまでよんでないな……」
シロ
「そうだぞ! さいごのとこよんでない!」
ここの図書室にあったりするんじゃないのー綴ちゃん!
「つづき! きになる!!!」
お時間だからって中断されて大変憤慨した。
「ええっと……」
綴は、言われて自分の着物を見下ろします
いくつもの数字ーーー書架番号と、本の題名などがいくつも流れて行きます
シャーリー
絵本の話をされると絵本読みたいって思っちゃう。
シロ
くそぉ、思いついてもPCが知らないことについてはなかなか限界があるぜぃ。
高瀬川の和樹
雑談窓で他の人に思考注入して言ってもらうとか。
前作知識がらみはどうしようもないけど
シロ
じぶんたちが異邦人だから絵本の状況に当てはまる、くらいは言えるだろうけど
前作知識はさすがにアカン

高瀬川の和樹
「……そういや、とっかかりは俺らが雪で立往生して、淡雪に助けられたことだったな。淡雪はなんで、俺らを態々助けた? 町ん中に居たら巻き込まれるからか? 町ん中に居てもらっちゃあ都合が悪いのか?」
ゆり
「助けようとして、のことだとしたら……巻き込まれることを心配して、なのかしらね」
シロ
「えっと、ゆき! ゆきってほん!!」
「ゆき……ゆき……絵本……」
やがて、一つの文字と数字が流れてきて、ぴたりと止まりました
「あ!ありました!」
「ユリ・シュルヴィッツ、作・絵『ゆき』」
シロ
「あっ、それそれ」
高瀬川の和樹
「おお。あるもんだな」
シロ
マザーグースの世界から飛び出てきた登場人物と遊ぶ話なんだな。
シャーリー
へぇ~~!!!
シロ
読んだことないけど、きっとハンプティ・ダンプティさんがこけて割れてるね(断言)
シャーリー
ソロモン・グランディさんが最終的には死んでるかもしれない。
風馬
ハンプティさん中まで凍れば割れないかもしれん
シャーリー
おやすみの日に生まれた子供が愛されてるかもしれないし!
シロ
やっぱりクックロビンさんは死んでるの?(怖)
シャーリー
誰が殺したクックロビン……。
高瀬川の和樹
その書き方だと脳内が常春の国になっていけない(古)>クックロビン
シロ
なにその糸目の人がいそうな国
しかし「ゆき」って絵本読んだことないから、そのえほんになぞらえたら何が起きそうなの? とかぜんっぜんわかんない。
シャーリー
我も我も
シロ
こどもはゆきがふってほしくて、おとなはふってほしくないみたい。

「こちらですね。確かに、この学校の図書館に蔵書されています」
「内容は……ごめんなさい、新刊でしたので、わたしもまだ読んでいなくて……」
風馬
「この家にもあるのか」
シロ
「あるのか!」
シャーリー
「じゃあ……読んでみます……?」
高瀬川の和樹
「ああ。見てみるか、手掛かりになるかもしれん…… 糸に触れちゃならねえんだったな?」
ニハル
「そうだよ、糸に触ると淡雪さんが飛んできて墨にされちゃうよ」
シロ
「……あれ、いとにさわるとあーちゃんがくるのか」
「はなしたいならさわればよべるんだな」
高瀬川の和樹
「鳴子かよ」
ニハル
「墨にされちゃうよぉ」
思わずツヅミに縋り付くニハル
ツヅミ
「はははははハルちゃん、ブルブルが、ブルブルがあたしにもぉ!」
語り手
小刻みに震えるニハルに釣られて、ツヅミもブルブルと震えています
シャーリー
「ほよ……」ツヅミちゃんにくっついてみよう。
ブルブルしはじめる。
語り手
では、シャーリーも釣られてブルブル
シロ
「えと、よみたい。さがす」
風馬
「いとに触らなければいいんだな?オレたちが探しに行くか?」
ツクハ
「なんだと? 絵本など読んでいる場合か」
シロ
「だって、えっと、きになるんだもん!!!」
理由をうまく説明できない幼児。
ツクハ
「絵本が手がかりになるとでも言うのか?馬鹿馬鹿しい」
シロ
「なんかね、なんかね、えーと……にてる!」
ゆり
「そうね、似ているわ」
高瀬川の和樹
「まぁ、カリカリすんな。当たれるものは当たりてぇのよ」
ツクハ
「……」
ツクハは、また腕組みで顔をツンと逸らしました
その仕草は、確かに狐らしくも見えました
ゆり
「それじゃ、みんなは図書室に行くのね?」
シャーリー
「行きます……」
風馬
「……ここにいとはでないか?」
ツクハ
「……いつ、どこに湧き出るかなど、わからん」
ゆり
「そう言うことらしいわ。でもあたしは足がこんなだし、留守番してるわよ」
高瀬川の和樹
「行く…… と言いてぇが、包帯替えにゃあな。俺はここでゆりを見てる、頼むぜ。風馬、淡雪のやつが出てきても不用意に近づくなよ」
風馬
「……そうか、和樹がいるなら大丈夫だな」
シロ
「いってくる!」
風馬のまわりではねる。
高瀬川の和樹
「ああ。こっちは任せろ」
ゆり
和樹のその言葉に、ゆりは少しだけホッとしたような顔をしました
ツクハ
「……くだらん。だが、戦力がこれ以上失われるのもつまらん。私が同道してやろう」
シャーリー
「ツヅミさんとニハルさんは……どうします……?」
ツヅミ
「あたしも行くよ。糸は何度も見てるし、みんなより早く気付けるかもしれないし」
ニハル
「えぇ~~~。ツクハちゃんとツヅミちゃんも行くなら、ハルも行く……」
ちびきつねさま
「わたしも、ここで居残りをしようかね」
ちびきつねさま
「みんな、気をつけて行ってくるんだよ」
風馬
「ああ」
シャーリー
「はい……」
シロ
「いってくるっ!」
語り手
風馬、シロ、シャーリー、そしてツクハたちは、図書室を目指すのでした
シャーリー
かわいい
シロ
この絵本、わんこも出てくるんだけど……
わんこは溶けちゃってるんだっけ。
シャーリー
わんわん!?
風馬
犬は喜び庭駆け溶ける!
シャーリー
やめろやめろ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
カイトくん!!!!!!!!!!!!
シロ
いちおうキツネはイヌ科だな。
語り手
なんならたぬきも
シロ
ネコ目イヌ科タヌキ属

語り手
と言ったところで今日は〆
風馬
お疲れ様でした!
シロ
〆鯖
シャーリー
お疲れ様でしたー!
シロ
おつかれさまー
高瀬川の和樹
お疲れさまでした!

ゆうやけこやけ

第一~二話『龍の眠る滝』『ともだち』
第三話『ふしぎなともだち』
第四~六話『ふたりのかげ』『たそがれのまど』『とびらをひらいて』
第七話 『さくら咲く頃』
第八話 『ふたりの娘』
第九話『みあげればそこに』
第十話『旅するゆうこや』 1 2 3 4 5 6
番外 こどもとTRPG 準備 『まいご』 『たからもの』 『化けニャン』

これは『インコグ・ラボ』が権利を有する『ふしぎもののけRPGゆうやけこやけ』の二次創作物です。