高瀬川の和樹
よいしょ
シャーリー
よいしょ
シロ
城だぞ!
でーーーん!
風馬
こらしょ
うーん、キャッスル
シロ
王王!
高瀬川の和樹
キャッソォ
築守茉麻
「王を呼んだか!」
風馬
中国語の犬の鳴き声ってなんだろ?
シャーリー
王?
シロ
汪汪(wang1 wang1)
だってさ
風馬
わんわんだ!
シャーリー
わんわんお
シロ
ちなみに猫は
咪咪、喵喵 / ミーミー、ミャオミャオ
だそうで。
そうだ私の指に変な黒いのが付いたんだ
とってぇぇぇぇ!
シャーリー
にゃーん
築守茉麻
その黒いのは徐々に全身に広がり、クロになったのでした
高瀬川の和樹
シロ、すみだらけになるのまき
シャーリー
こわ
シャドーハウスになっちゃう
クロ
じゃあ佐倉張りに邪悪な顔で笑う。
「この墨で足跡つけちゃえ……」

築守茉麻
というわけで、前回はそんなところでした
シロの目の前には壺がある……けれど、何かしますか?
シロ
よくわかんないしこわいから、みんなのとこに戻る。
で、変な黒いのが!って騒ぐ。
風馬
トイレがまん
シロ
トイレは忘れちゃったね。
風馬
「どうした?くろいの?」
シロ
指を見せて、「これ!!!」って。
多分墨なんて見たことないから、怖い。
高瀬川の和樹
「どうした、虫でも出…… あ?」それを見てみます。
シロ
ぴとって和樹の顔につける。
シャーリー
「……これは?」
風馬
「土でよごれたのか?」
高瀬川の和樹
和樹にはそれはなにに見えますか?
シロ
「ちがうの! トイレじゃないとこにでぇっかいツボがあって」
「こーんなでかいの!」
築守茉麻
壁などに擦り付けられたシロの指は、掠れながらもまだ少し黒いものが付いています
匂いを嗅ぐなら、土のような香りがします
シャーリー
「ん……?」
シロ
「そのなかに、いっぱいはいってるんだけど、なかになにもみえないの!!」
「えと、えと、ほら、みずってのぞくとなかがみえたり」
「じぶんのかおうつったり!!」
「しないの! くろいの!」
シロ
異常性、これで伝わるのかなぁ。
シャーリー
語り手、今日は王になってます。
シロ
王王!!
語り手
王のままだった

シャーリー
「……?」よくわからない、という顔。
「……黒い……ですか?」
どういうことなんでしょう?という顔で和樹さんの方を見る。
シロ
のぞき込んでて変な感じしたりしました?
ただ何も見えなかっただけかな?
語り手
そうですねー
高瀬川の和樹
和樹にはそれは墨に見えますか? 別なものに見える?>語り手王
語り手王
和樹なら、その土のような匂いと色から、墨であることがわかるでしょう
高瀬川の和樹
「こりゃあ…… 墨か? そりゃまた、でけぇ墨壺もあったもんだな」
シャーリー
「……すみ?」
高瀬川の和樹
「あぁ、墨さ。筆…… まとまった形の毛に吸わせて、紙の上を辿って字を書くもんだ」
風馬
「ああ、字を書く道具か」
ゆり
「古書の修復とかに使うんじゃないの?」
語り手王
あと、シロはへんげで6出せば、もう一つ変な体験をしたでしょう
シロ
ん、今出して良いの?
語り手王
いいですよ
シロ
じゃあ「おもい」3消費で6出すよ。
語り手王
では、シロは物置から飛び出すときに、何か人の声を聞いたような気がします
シロ
ふむふむ。どんな? 人数とか、声の感じとか。
語り手王
正しい数字までは分かりませんが、何人かの人のものであったように思えます
シロ
「なんかツボのほうからこえがきこえたよ」
語り手王
囁き声のようでした
シロ
「いっぱいのひとがこしょこしょしゃべるみたいなこえ」
「ここ、あのひとしかいないんじゃなかったのかな」
風馬
「声?あわゆきか?」
シロ
「ちがうぞ」
高瀬川の和樹
「人の声?」
シロ
「ひとのこえ、のようなきはするけど、よくわかんない」
「だれもいないへやで、いっぱいのひとのこえ……」
シャーリー
「……?」小首をかしげる。
シロ
「おバケか?」
シャーリー
「お化け……?」
ゆり
「やめてよ、怪談の季節じゃないわよ」
シロ
「……」
高瀬川の和樹
「妙なもんだな。まぁ俺らもお化けみてぇなもんだが、そういう節のお化けじゃねぇだろう」
シャーリー
「不思議ですね……」
風馬
「探しに行くか?オレたちみたいに動けなくなったのかもしれない」
シロ
「といれいくのわすれてた……」
「といれいきたい」
「こわいからついてきて!!!」
シャーリー
「……扉の前で……待ってましょうか?」
高瀬川の和樹
「あぁ、行こうか?」
シロ
「うん」
半泣き。
シャーリー
じゃあシロちゃんとトイレ行きます。
ゆり
「お子ちゃまねぇ」
風馬
「……おばけ」
高瀬川の和樹
「おう。俺もまぁ、さっきがさっきだ。色々と気になるもんでな」一緒についていきます。
シャーリー
「怖いときはお互い様ですよ……」ふふ、と短く笑う。
なんか違う気がするけどまぁええか!
シロ
だって「こわがり」持ちなんだもーん。
シャーリーの後ろに隠れていく。
語り手
みんなでゾロゾロと?
高瀬川の和樹
和樹とシャーリーとシロかな?

語り手
では、みんなが廊下へと出て、トイレの方へと歩いて行くと
淡雪
ちょうど、淡雪が件の物置の扉の前にいました
物置の扉にかちゃり、と鍵を掛け、振り返ります
高瀬川の和樹
「よう」一礼。
シロ
「あれ」
「あーちゃんだ」
シャーリー
「……どうも……」
「こんにちは……」
淡雪
「あら。みなさまお揃いで」
にこりと微笑んで、鍵を帯にしまいます
ちり、と小さな鈴の音がしました
シロ
あの特製キーホルダーかな?
リアルで欲しい。
淡雪
ミニチュアの本がついてるやつです
シロ
「といれかとおもったんだ、ごめんなさい」
色々先回り。
高瀬川の和樹
「おう。便所はこっちで合ってるか?」
淡雪
「構いませんのよ?ええ。おトイレでしたら、こちら」
つ、と物置の反対側の扉を示します
シロ
「おかたさまのゆーとーりだったのに」
トイレにぴゅーっと駆けてく。
ちびきつねさま
「わたし?」
高瀬川の和樹
「ありがとよ。なんで子供にとって便所ってのは怖ぇんだろうな」
淡雪
「一人きりになってしまう場所、だからでしょうか」
シロ
淡雪さん、今おひとりですか?
シャーリー
「夜は暗いですし……」
淡雪
「それと、人がいるところと比べて、いくらか明かりの乏しいところだからではないでしょうか」
高瀬川の和樹
「ああ、成程。一人で静かで暗くて…… ついでに言うと、寒い。そりゃ無理もねえか」
淡雪
「特に、昔は家の外にあることも多かったようですし、色々なものが見えたり聞こえたりして、それが人々の想像を掻き立てた……のだとか」
シャーリー
ポンキッキーズの花子さんを見た後はくっそトイレ行きたくなかったの思い出した。
風馬
トイレの花子さん懐かしい
シャーリー
死ぬほど怖かった……。
風馬
妹と学校の怪談の映画を見に行って妹が怖がって途中抜けした思い出

シロ
トイレから悲鳴が聞こえた。
淡雪
「あら」
高瀬川の和樹
「おぉい、どうした」
シロ
「おばけかとおもったら、かげだった!!!」
淡雪
「あらあら」
口元に手を当てて、くすくすと笑います
桃色の唇に、白い指が映えます
高瀬川の和樹
「あーあー。お化けは俺らが追い払っちゃるから、早く済ませちまえ」
シャーリー
「そうですよ……」
シロ
手を洗ったら黒いのとれるかな?
語り手
シロの指先から、黒い汚れが溶けて流れて行きます
指紋の間に少しだけ残っていますが
シロ
シロが青髯っていう絵本を知っていたら一生懸命ゴシゴシしてたところだけど。
手を洗うなんて習慣ないから、適当だよ。
淡雪
「ああ、そうそう」
待っていると、淡雪が手を小さく打ち
高瀬川の和樹
「ん?」
淡雪
扉に鍵をかけるために足元に置いていたポットを手に取ります
「お待たせいたしました。お湯です」
高瀬川の和樹
「おお、すまんなあ。助かるぜ」
淡雪
「いえいえ。お役に立てたら良いのですが」
シロ
そうそう、熱湯をゆりさんに飲ませるんだった。
ゆり
死ぬわ
シロ
死んじゃうかー。
高瀬川の和樹
語弊
シロ
じゃあ手をびっちょびちょにしたままのシロが出てきます。
手についてたスミは半分くらいは落ちたかな?
シャーリー
「おかえりなさい……」
シロ
「ただいまぁ」
ゆり
「ちょっと、ちゃんと拭いて来なさいよ、ばっちぃわねぇ」
高瀬川の和樹
「ああ、そういやぁさ、謝らなきゃなんねぇんだ。こいつが墨に悪戯しちまったみてぇで、すまんかった。派手にやってなきゃいいんだが」と、淡雪に。
淡雪
「あらあら」
シロ
「スミついちゃった」
もしかしたら壁とかに点々と付いているかも。
シャーリー
「……あら」
「手を……洗いに行きますか……?」
シロ
「てはいまあらったぞ!!(ドヤァ)」
シロ
コドモに手が汚いから洗いに行け、と言うと、「今洗ったから大丈夫!」と手の甲真っ黒でドヤ顔するのである。
シャーリー
かわいい
淡雪
「……大丈夫ですわ」
言って、袂から懐紙を取って、シロの手を拭ってあげます
僅かに残っていた墨は、淡雪が一撫でするだけで、綺麗に消えていました
高瀬川の和樹
「ありがとうよ、世話かけてすまんな」

風馬
「みんなトイレ長いな……」きつねさまだっこ
ちびきつねさま
「だいぶん、我慢していたようだからねぇ」
風馬に抱っこされて、後ろ足としっぽをたらーんとしたちびぎつねさま
シロ
そういやお留守番だった。
我慢していたら長いって理屈はおかしい!
語り手
単純に貯水量は増えるのだから、おかしくはない

シロ
「ありがと」
シャーリー
「良かった……」
シロ
「すごい、きれいになった!」
高瀬川の和樹
その様子をちらりと見る。
語り手
様子を見ていた和樹は、シロの爪や指紋にまで染み込んでいた墨がすっかり無くなっていることに気づきます
高瀬川の和樹
「……おお、綺麗になったな」
懐紙でひと撫でしただけで? そんな訳がない、と分かる。やはり、何かある。
シロ
「わー、まっしろ!!」
淡雪
「うふふ、よかったですわねぇ」
シロ
「ありがと!!」
シャーリー
「良かったですね……」にこ……。
淡雪
「みなさま、ご用はお済み?」
シャーリー
「……おばけ……」
シロ
「もしかしてここのほんって、ぜんぶあーちゃんがかいたのか?」
「すみいっぱいあったから」
淡雪
「いえいえ。わたくしはただの古書店の主。自ら本を書くようなことは致しませんわ」
シロ
「あと、ここおばけいる?」
淡雪
「ええ、おりますわ」
シロ
ここにはおばけしかいない!!
風馬
お前がおばけなんだよぉ!
シャーリー
そうだね!?
シロ
「えぇっ!?」怯えてシャーリーの後ろに隠れる。
「こわい……」
シャーリー
こちらもそれを聞いてちょっとだけフリーズ。
淡雪
「古い古いご本の山に囲まれた白髪の鬼婆が、悪い子を本の中に閉じ込めてしまいますの」
両手をぐわ、と広げてシロに覆いかぶさるようにして、凄む
高瀬川の和樹
「おお、そりゃあこわいこわい」
シロ
ピャッ!
シャーリーの服の中に潜ってガクブルしてる。
淡雪
「うふふ。さ、みなさま、怖い鬼婆が出る前に、お出になられませ」
シャーリー
「……ぴぃ……」
シロ
「いっぱいのひとがごにょごにょいうおばけもいる……」
「こわいぃー……」
シャーリー
「おばけ……怖いです……」
高瀬川の和樹
「おう、そうだそうだ。湯が冷めちまわぁな」
シロ
「はやくかえろ……」
「……ほんのなかのしらがのおにばばこわいぃ……」
気付いてない。
シャーリー
「帰りましょ……」
ふえぇ……。
怖い……。
シャーリー
CVが今のジャイアンの悪魔なら怖くないのに!!!
語り手
でもそいつ軽々に裏切るじゃん
シャーリー
そうですね……。
淡雪
「店先まで、お送りしますわ」
高瀬川の和樹
「おう、今回はなにからなにまで世話になった」
淡雪
「いえいえ。また落ち着かれましたら、ぜひ今度はご本を買いに来てくださいましな」
高瀬川の和樹
「ああ、その時はぜひ。ああそうだ、看板撮っていいかい? メモ代わりにさ」
淡雪
「ええ。どうぞ」
シロ
三人が待ってる部屋に飛び込んだら、服から飛び出してコロコロ転がりながら
「ふーちゃんお方様!! おばけがいるからはやくかえろ!」と。
風馬
「おーい、おいていくな」withおきつねさま
高瀬川の和樹
では看板と店の写真をスマホでぱちり。
「わりぃ、待たせたな。淡雪さんが居てさ、ちぃと話してたんだ」
淡雪
「風馬さん、お狐さま、お待たせをいたしました」
ちびきつねさま
ぷらんぷらん
風馬
(きつねのしっぽって筆みたいだな……)
ちびきつねさま
しっぽゆらゆら
シャーリー
ゆらゆら~
風馬
墨壺にべちゃあ
シロ
残念シロは筆という物を知らなかった!
ちびきつねさま
エクストリーム書道
高瀬川の和樹
「……さぁて、どう攻めたもんかねぇ」
シャーリー
「おばけですか……?」
風馬
「おばけいたか?」
シロ
「えとね、ほんのなかにね、しろいかみの……」
「……」あれっ?
淡雪
「また雪がひどくなります前に、お発ちなさいませ」
風馬
「わかった……ありがとう」
ぺこり
淡雪
「いいえ、どういたしまして」
シロ
何かを思い出しかけたままフリーズしております。このままみんなについてく。
高瀬川の和樹
「今度はゆっくり本を見繕いてぇもんだ」
風馬
「にわとりがかいてある本がいいな」
淡雪
「ええ。その折はぜひに」
「にわとりさんが主人公のご本もございますよ。いずれまた、その時に」
シャーリー
「お世話になりました……」シロちゃんを抱きしめて去ろうかな。
シャーリー
あの、シロちゃんさえよければあれやりたい。ペットの飼い主がやるように抱き上げてるペットの片足だけ持ち上げてバイバイってやるやつ。ペットじゃないけど>表
シロ
いいよw
今フリーズしてるから好きにして
シャーリー
ありがとうございます!
淡雪
淡雪は、店先に立って、みんなを見送ります
「お気をつけて。またの機会を楽しみに」
シャーリー
じゃあシロちゃんの片手を上げてバイバイ、と手を振らせる。
風馬
「またな」おきつねさまで真似しよう
淡雪
淡雪は微笑んで、それに手を振り返します
ちびきつねさま
ばいばい
高瀬川の和樹
「ゆりよう、クーラント溶けそうか?」
ゆり
「どうかしらねぇ。五分五分ってとこかしら」
和樹に。
高瀬川の和樹
「五分五分かよ。これで出せなかったら座りが悪い所じゃねぇな」
「……まぁ、それはそれで、かもしれんがね」
ゆり
「最悪は、カップ麺の自販機のお湯を借りましょ」
高瀬川の和樹
「ああ成程……」
語り手
などと話しながら、みんなは雪の中を難儀しながら車のところへと戻って来ました
風馬
「くるまの上に、四角い雪がのってる」
ゆり
「いやぁねぇ。サスが傷んでなきゃいいけど」
シャーリー
「あらあら……」
シャーリー
ダルマ
高瀬川の和樹
「また盛大に積もっちまったなぁ……」
「とりあえず、今後どう攻めるにしろ、冬靴とLLCと雪除けは必須だな」
ゆり
「全くね……さて、エンジンルームを……。げ、ヒンジも凍ってるわね」
シャーリー
「……」困っちゃった……。
高瀬川の和樹
「うげ。ったく低温ってのは怖ぇな」
ゆり
「まぁ、このくらい大丈夫よ。ケアしとくから、あんたたちはお店の中で適当にしてなさいよ。寒いでしょ」
高瀬川の和樹
「あいよ。何か手は要るか?」
ゆり
「手は自前ので足りてるわ」
「あ、でも終わった時のために、あったかいコーヒー、買っといてよね」
高瀬川の和樹
「あいよ。終わりそうなら言ってくれ、今買ったら温くなる」
シャーリー
せんせぇトイレ!
高瀬川の和樹
先生はトイレの花子さん
シロ
何の授業を
シャーリー
……歴史?

シロ
「……あーちゃんじゃないか?」
「おにばばってあーちゃんだ!!」
ちびきつねさま
「おにばば?」
シロ
「あーちゃんだ!!! だまされた!!! だま……してない?」
「こしょてんにおばけがいるのかってきいたら」
風馬
「きょうはなんかヘンだぞシロ……」
ゆり
「はいはい。お店の中で温まってらっしゃいな」
シロ
じゃあ古書店の鬼婆について熱弁カクシカしながら店に入る。
高瀬川の和樹
「まぁ、この件に何か絡んじゃあいるだろうよ。いるだろうが、彼女が雪を降らせてるってんなら、ああやって追い出そうとはしねぇだろ」
そんなシロに考え込みながら真面目に返答する和樹。
風馬
「追い出す?家にいれてくれたぞ」
シロ
「んーーーーー」
高瀬川の和樹
「ああ、難儀してる所を拾ってくれたし、家に泊めてくれた。だが、こうも見えたろう。雪がひどくならんうちに── 雪のことを突っ込んだりせず、早々に出ていった方がいい、ってな」
シャーリー
「うん……?」
シロ
「このユキ、ヘンなのかな」
シャーリー
「うん……」
風馬
「雪はよくわからない」
高瀬川の和樹
「そこまではまだ分からんな。ただの雪じゃねぇんじゃねぇか、と思っちまう所だが、確証が無い」
シロ
「ヘンなユキでキーちゃんのおとーさんこまってないかな」
高瀬川の和樹
「……分からん。連絡でも取れりゃいいんだが、出て長ぇからな……」悔しそうに。
ゆりの作業が終わりそうなら珈琲買っておきます。
先に買っておくと MILD HOT (ぬるーい) になっちゃいそうなので……

語り手
さて
みんなが、そんな風に話していると
淡雪という女の人がどんな人なんだろう……
みんなが考え込んで静かになった時
何やら、お店の奥から物音が聞こえて来ました
シャーリー
おやまぁ。
風馬
「音がする」
シロ
おばけ!?
語り手
そして、何やら話し声が
風馬
「人がいるのか?」すたすたとそちらに行ってみよう
風馬
そこにはしゃべる自販機(DyD○)が!
高瀬川の和樹
珈琲をテーブルに置いて、声のする方を覗いてみる。
シャーリー
こちらもちらっと覗きましょう。
語り手
では、みんながそちらへと気を向けますと
語り手
「……ツヅミちゃん、あった?大根の葉っぱあった?」
語り手
「ううん、葉っぱは無いみたい……て、ちょっとハルちゃん、くっついてブルブルしないで、あたしまでブルブルしちゃう」
語り手
「しょしょしょしょうがないよ。寒いんだもん」
高瀬川の和樹
おっ
また振動する兎になってる
風馬
「なんだ?こっちは畑があるのか?」
高瀬川の和樹
「畑ぇ? こんな所に畑はねぇだろう」
語り手
「ええと、ツクハちゃんが言ってたのは、たしかこれとこれと……これ。……このくらいでいいかな?」
風馬
声の主を探して店の奥にいきます
語り手
「ははは早く帰ろうよぅ。淡雪さんに見つかったら大変」
語り手
「わかったから、ブルブルしないでぇ」
高瀬川の和樹
その言葉を聞いて眼を瞬かせる。
シャーリー
振動してるなぁ。
風馬
「あわゆき?あわゆきなら家だぞ」
シャーリー
「……?」
高瀬川の和樹
こちらも店の奥へ向かいます。
シロ
「だれ?」
語り手
などと話しながら、みんながそちらへと向かうと―――
うさみみ
ばったり。
たぬき
ばったり
風馬
ばったり
シャーリー
ばったり。
語り手
二人の女の子と鉢合わせしました
風馬
「コケ……?」
シロ
「だれぇぇぇぇぇ」
シャーリー
「誰ですか……?」
うさみみ
「う、うわわわわわわ」
ウサギの耳を生やした女の子は、まる耳のはえた女の子の腕にしがみついて、見てわかるくらい震え始めました
風馬
「どうした?」
「あわゆきならいないぞ」
たぬき
「わわわわわわわ」
まる耳の子は、その震えに揺さぶられて、口元にくわえたパンを危うく落としそうになっていました
シャーリー
何で震えてるの???
高瀬川の和樹
「ああうん、驚かしてすまんな。突き出す気はねぇからわけを聞かせてくれ。淡雪のことがこっちも気になってんだ」なだめるように。
シロ
「ヒエェェェェェ」こちらもつられて振動。
うさみみ
「うわーーーーー!淡雪さんの知り合いだぁーーー!」
たぬき
「ハルちゃん、ダッシュ!」
シロ
淡雪何したの
風馬
「きのうあったぞ」
語り手
その一言と共に、二人は回れ右をして、みんなが入ってきた入口とは別の扉から、飛び出していってしまいます
その両手に、ビニール袋いっぱいに食べ物と飲み物を詰め込んで。
高瀬川の和樹
「待った待った! だから突き出す気はねぇよ!」
「誰か捕まえてくれ!!」
風馬
「かけっこか?シロー!」
シロ
「わんっ!」
かけっこときいてだまっちゃおれねぇ!
高瀬川の和樹
語り手、室内だし寒くない扱いで《つかまえる》は使える?
《さむがり》:寒いところでふしぎが使えない
語り手
なるほど
では、そうだなぁ
シャーリー
淡雪さんにここにいるってばれそうだぞ!?この鳥おしゃべりだからな!?
シロ
つかまえられないようなら転ばせちゃう。
シャーリー
ごめん、間違えてBGM停止ボタン押してしまった
語り手
貴様か!
シャーリー
犯人は私です
シロ
即自白
めでたしめでたし
シャーリー
たまにやるんだよなぁ……。
シロ
あとは宴会やってるそんなミステリー

語り手
和樹は、腕をにょん、と伸ばし
二人にあと少し、というところで、ガラリとまる耳の女の子が開いた扉から吹き込む寒風に、曝されました
高瀬川の和樹
「──さっっっぶ!!」
シャーリー
「ひぇ……っ……」
語り手
するすると縮こまるように戻ってしまう和樹の腕
高瀬川の和樹
「寒ぃ…… ああくそ、結局なんなんだ」
シロ
《すってんころり》《おくりあし》しようか。
語り手
※このシステム、カラミティルージュがない
シロ
あー、そんな感じか? じゃあ普通に追いかけようか?
語り手
では、シロが飛び出してゆくなら
シロ
「わんわんっ!」
まてーるぱーん
うさみみ
「あああああ淡雪さんに捕まったら、ドロドロに溶かされちゃう!」
シロ
やっぱり《おくりあし》するわw
語り手
という『恐ろしい』言葉が聞こえて来ました
シロ
あ、なるほど。術どころじゃなくなるね。
「とかされる!?」
風馬
「とかされる?」追いかけようとしてはたと止まる
語り手
※語り手の鮮やかな手製カラミティルージュをご覧ください
シロ
オミゴト
その場にポテリと落ちて、とぼとぼ戻る。
語り手
女の子たちは、ほうほうの体でお店から飛び出すと、走っていってしまいました
シャーリー
とぼ……。
風馬
「へんなやつだ」
シロ
「あーちゃんにとかされるって」
高瀬川の和樹
「また気になる発言残していきやがって。っくしゅ、寒ぃ」とりあえず入り口閉める。寒い。
シロ
「とけるの? とけるの???」
「あのくろいの!?」
ちびきつねさま
「それは穏やかではないねぇ」
風馬
「あ、そうか」
「あいつらもゆきおんなか?」
シロ
「ううん、ミミついてた」
風馬
「せっかにもついてたぞ?」(それは人間のみみ
シロ
ソダネー
シャーリー
「ミミ……?」
シロ
「こんなの!」
風馬
「うさぎみたいな耳だったな」
シロ
「おばけだ……」
語り手
和樹が寒さに苦労して扉を閉めて、ほっとしたところで
今度はみんなが入って来た扉が、がらら、と開きました
風馬
「戻ってきた?」
語り手
再び寒い風が入り込んできます
ゆり
「うう~~、寒い寒い寒い」
両手を擦り合わせながら、ゆりが入って来ました
風馬
「なんだゆりか」
ゆり
「なんだとは何よ、なんだとは」
風馬
「とける耳がついた2人をみなかったか?」
ゆり
「何……それ」
シロ
混ざってる混ざってる
風馬
ニホンゴムズカシイネ
シャーリー
溶ける耳ってなんだろう……。
シロ
今まだ雪降ってる?
語り手
昨夜のような重たいものではないですが、少し降っています
シロ
速く追いかけないと足跡消えちゃうなぁ
高瀬川の和樹
「よう、一悶着あったがコーヒーあるぜ」缶コーヒーをパス。
ゆり
「おっ、サンキュー」
両手でキャッチ
「はぁぁ、体が溶けてく~」
その温かさを両手で楽しみながら、顔を綻ばせます
「てか、一悶着って何よ。揉めてたの?アンタたち」
風馬
「人がいたんだ。でも逃げた」
高瀬川の和樹
「それがな」かくかくしかじか
「そういや、あいつら何を漁ってたんだ」店の奥を確認してみます。>語り手
シロ
「とけるって。あーちゃんにとかされるって」
ゆり
「はぁ?何言ってんの」
語り手
和樹が奥を覗き込むと
そこは、倉庫でした
でも、棚などに収められていた箱はひっくり返され、中身がちらほらと散らばっています
シャーリー
倉庫。
語り手
おにぎりやパン、カップ麺などなど
風馬
「物置だ」
シロ
「ごはんだ!!」
シャーリー
「ごはん……」
ゆり
「取ったらダメよ。泥棒じゃない」
風馬
「この店のだな」
ゆり
「ていうか、何なの、この有様は……その子たちが、取っていったってわけ?」
風馬
「大根の葉っぱ探してたぞ?」
ゆり
「そんなものがこんなとこにあるわけないじゃないの……」
風馬
「そうだな。畑じゃないとな」
高瀬川の和樹
「見た感じな。ただ、ツクハって奴に言われて何か探してるようでもあった。あと警察に、じゃなくて、淡雪に、捕まるっつってたのも気になる」
ゆり
「淡雪さんに?」
高瀬川の和樹
「ああ」
語り手
扉を見ると、無理やり壊したように取っ手が壊れています
シャーリー
なんだって~~~!!?
風馬
「ドア壊れてる」
高瀬川の和樹
「それで話を聞こうとしたんだが、逃げられちまってな」
シャーリー
「……壊れてますね……」
シロ
「ドロボーか!」
ゆり
「うう~ん」
「もう一度、戻って淡雪さんに通報してもらう?」
シャーリー
「でも可哀想な気も……」
高瀬川の和樹
「いや。通報は自力でやるさ。あいつがどう絡んでんのか見えねぇからな」
というわけでスマホでこう、警察に通報します。
ゆり
「和樹まで、そんな……」
風馬
「和樹」通報をとめます
高瀬川の和樹
「あん?」
風馬
「ゆりもだめなんじゃないのか?くるまのなかで聞いた気がするぞ」
ゆり
「うっ!」
「そ、そ、そうよ!警察はまずいわ警察は」
シロ
そもそも警察にかかるかな?
風馬
かからない気がするけどw
高瀬川の和樹
「あー…… まぁそうだな…… 突っ込まれたらゆりの件がバレるわな」
シャーリー
確かに。
高瀬川の和樹
「店には悪ぃが、見んかったことにしとくか……」
シャーリー
「そうしましょう……」
高瀬川の和樹
「まぁそれに、一般市民としての社会通念や正義感はともかく、あいつらがとっつかまっちゃ話が聞けねぇしな」
ゆり
「でも、それなら」
「その子たちを追いかけないといけないわね」
「あ、いえ追いかけなくてもいいんだけど」
シロ
「足跡きえちゃうぞ!」
ゆり
「いずれにしても、人を探さないとならないわ」
風馬
「そうだな」
高瀬川の和樹
「ああ。一先ずあいつら追いかける、ってことでいいか、ゆり、みんな?」
「ちと寄り道にはなっちまうがな」
ゆり
「……お湯も足りなかったしね」
シャーリー
「はい……」
シロ
「……」
「コワイ」
風馬
「シロ?」
シャーリー
「シロちゃん……」頭なでなでしよう。
シロ
でもみんな行くなら、残されるのも怖いからついてく。
シャーリー
「怖いときは……おめめふさいであげるので……」
シロ
「うん……」
語り手
では、みんなはお店を出ました
小粒の雪が、少しの風に吹かれながら降っています
剥き出しのほっぺや、耳がチリチリと痛むくらいの寒さの中
みんなは歩きます
高瀬川の和樹
寒い、と声を出すのも寒く、心の中でだけ寒いと呟く。
語り手
二人が通った跡でしょうか
雪で覆われた道には、二筋の窪みがずっと続き
その時々に、何かが落ちていました
シロ
「つめたいぃー」
でも変身とくと雪に埋まっちゃうから寒いのガマン。
風馬
「風が固いな」
高瀬川の和樹
「よく走るもんだ…… 寒ぃ」
語り手
それは、パンやおにぎり
よほど慌てていたのか、袋に穴が開いていたのか
風馬
「食べ物が落ちてる」
高瀬川の和樹
「ヘンゼルとグレーテルかよ」
シャーリー
「(ヘンゼルとグレーテルってなんなんでしょう……?)」
シロ
拾いながら歩く。
高瀬川の和樹
・ヘンゼルとグレーテル
・一般市民としての社会通念や正義感はさておいて
ほんともののけとは何だったのか
風馬
人間力の高い河童
ゆり
「ねぇ」
高瀬川の和樹
「あん?」
ゆり
「変じゃない?」
高瀬川の和樹
「変?」
ゆり
ゆりは、少し高いところを指差しました
シャーリー
上を見る。
高瀬川の和樹
髪にかぶさってくる雪を払いながら、つられるようにそちらを見る。
ゆり
そこには、標識のような柱にくっついた下向きの赤白しましまの矢印が、下を向いていました
「あれ、北国とか雪のふかいところでよく見るやつよ」
風馬
「なんだあれ?」
シロ
「やじるしだ」
「あそこのしたに、なにかうまってるのか?」
ゆり
「違うわよ。歩道、人の歩く所と車の通るところが、雪で隠れてもわかるように、置いてあるのよ」
風馬
「そうか……真っ白だもんな」
ゆり
「あたしたちが今歩いているのは……」
矢印の右側
足元を見下ろすゆり
そこにも、みんなの足元にも、深い雪が積もっていました
シロ
「くるまのみち?」
ゆり
ゆりは頷きます
シロ
「ゆきのなかじゃひとのみちもくるまのみちもおなじだよぅ」
除雪が入ってないなんてヘンとか分からんモノノケ
高瀬川の和樹
「そうなるな。つか、この状態じゃ車も通れやせんのじゃねぇか」
ゆり
「普通は、違うのよ」
高瀬川の和樹
「除雪車来てねぇのか?」
ゆり
「そんなわけないでしょ。普通だったら、いの1番に除雪されるわよ。それでなくても、車が通っていれば、自然と雪はのけられるし」
高瀬川の和樹
「だよな。だとすりゃ、確かに変だな……」
風馬
便利な矢印だなあって思ってる
ゆり
「……嫌な感じだわ」
「風馬。そこの家のインターホン。鳴らしてみなさいよ」
指先で、ちょうど風馬の目の前の家を指さします
風馬
「わかった」
ピンポーン
シロ
異能を使ったピンポンダッシュがココに!
異能(変身)
風馬
「こけ……んにちは」
シャーリー
「……?」
語り手
ピンポーン、という音が、2、3度繰り返して小さく聞こえました
でも、誰の声も聞こえて来ません
風馬
「ゆり、るすだぞ」
ゆり
「……」
高瀬川の和樹
「……」
シロ
「るすかー」
高瀬川の和樹
「他の家もやるか?」
ゆり
「……そうね」
シャーリー
「なんで……ですか……?」
シロ
「ん? なんで??」
言いながら隣の家の玄関入ってピンポーン
風馬
「人を探すか?」ピンポーン@次の家
「………いないな」
語り手
シロが押した家も、風馬が鳴らした家も、誰も出て来ませんでした
シロ
「とーみんしてるのかな」
高瀬川の和樹
「ゆり」説明を促す。
ゆり
「アンタたち、ここに来てから、その子たちと淡雪以外に誰か見かけた?」
「走ってる車を見た?」
風馬
「みてない」
高瀬川の和樹
「人間は冬眠しねぇよ。誰もが誰も留守ってことも、そうない」言いながら、思い出してみる。
語り手
見かけたことは、ありません
そういえば、昨晩鹿角に入ってから、ずっと
高瀬川の和樹
「……ここに来てから、もう普通じゃなかった、ってことかよ、くそ」
「……何が起きてんだ、鹿角に……」
語り手
それに
ゆり
「静かすぎるしね」
シロ
「え……」
「みんな、とけたの?」
風馬
「あ、とりはいたぞ」
シャーリー
「います……」
風馬
「シャーリーよりでかいやつだ」
高瀬川の和樹
「ぞっとさせんない。隠されてるか別の世界か、せめてそれくらいだと思っておきてぇね」
シロ
なんとビーストバインドの世界に迷い込んでしまったのだ。
シャーリー
「……一体……ここはどこなんでしょう……」
語り手
しん、と雪に音が吸われた静けさがみんなを包み込みます
聞こえるのは、自分とみんなの息の音ばかり
ちびきつねさま
「……歩こう」
「ここでこうしていては、凍えてしまうよ」
シロ
「……」
シャーリーにひっつく。
風馬
「そうだな、おいかけないと逃げられる」
ゆり
「……そうね。少なくとも、淡雪さん以外に動く人はいるなら、会ってみないと」
シロ
「もーやだぁ」
シクシク
シャーリー
シロちゃんの手を握る。
「よしよし……大丈夫……」
シロ
シクシク。シャーリーに手を引かれてついてく。
高瀬川の和樹
「ああ……、そうだな。雪の中を、ただただ、どこまでも、どこまでも……、か。美しい情景過ぎて寒気がするね」
語り手
再び、歩き始めます
真っ白に染まった世界に、白い息をこぼしながら
雪を踏む音と、不安と緊張に上がる息の音を聞きながら

語り手
―――というところで、今日は〆ます
シロ
おつかれさまー
風馬
お疲れ様でした!
高瀬川の和樹
お疲れさまでした! ミステリアス!
シャーリー
お疲れ様でした!
俺たちはミステリアス!(この町の方がずっとミステリアスです)
語り手
不思議で少し不気味な鹿角

ゆうやけこやけ

第一~二話『龍の眠る滝』『ともだち』
第三話『ふしぎなともだち』
第四~六話『ふたりのかげ』『たそがれのまど』『とびらをひらいて』
第七話 『さくら咲く頃』
第八話 『ふたりの娘』
第九話『みあげればそこに』
第十話『旅するゆうこや』 1 2 3 4 5 6
番外 こどもとTRPG 準備 『まいご』 『たからもの』 『化けニャン』

これは『インコグ・ラボ』が権利を有する『ふしぎもののけRPGゆうやけこやけ』の二次創作物です。