こんばんは
高瀬川の和樹
エホッホエホッホ
風馬
コッココッコ
春日 晴姫
います
語り手
こんばんは
シロ
来ました
高瀬川の和樹
こんばんは!
シロ
こんばんは!
風馬
巫女がいる!
シャーリー
ちゅん
風馬

語り手
前回、とりあえず蜘蛛神にお願いするところまで進みましたが
具体的に、どういったふしぎを引き起こすのか
その辺りがまだ未決定でしたね
なにしよう?
高瀬川の和樹
ですなですな
語り手
出だしから何ですが、まずはその辺りを決めてしまって、ザザーっと進めましょう
風馬
ざざー
高瀬川の和樹
ズゾゾー
シロ
えーっと、ほんにんの力だけじゃ木雨のまわりだけでも冬を保つのには足りないから、神様の力もお借りしよう……ってことであってる?
語り手
整理しますと、淡雪がこしらえた細雪が降る傘だけでは足りないという話でした
風馬
傘をスーパー傘にする?
シロ
というか傘はプレゼン用で本命はマフラーだよね?
風馬
あー、冷凍庫もびっくりの保温力……
高瀬川の和樹
マフラーか花だと印象的
シロ
全部使っちゃえばいーんじゃないかな
高瀬川の和樹
賛成ン 咲ちゃんとの思い出と木雨の心をもって神様の力を借りよう
シャーリー
いいと思います!
語り手
今回も長丁場なだけあって、ふしぎは結構なポイントが貯まっていますね
マフラー、押し花、傘を強化すると言う感じですかな
高瀬川の和樹
ですな なんならマフラーは糸でできているし丁度いい感じ
風馬
お、確かに
語り手
OKです
では、供出するポイントを決定しましょう
シャーリー
おもいも出せますっけ?
語り手
ぶっちゃけ、皆さんがお持ちのふしぎであれば、なんでもできちゃうんですが
風馬
どれくらい必要だろうね
語り手
ふしぎだけだね
そうですね100点あれば、まず間違いなく問題なく

追加分はオプションです
高瀬川の和樹
オプションって言われると積みたくなりますな
とはいえ何かまだおまけ要素があるかもしれないし、とりあえずこちらは40点供出かな?
シャーリー
じゃあこちらは30を
語り手
色々オプションありますねぇ
シャーリー
いや、20で。
風馬
ではこちらは20供出しつつ
<ふしぎのしな>で40に倍増
語り手
メタいこと言ってしまえば、ここでの大量放出で後はもうおまけですね
シロ
じゃあどーんと50点くらいだそうかー
高瀬川の和樹
お、じゃあ何か演出に使えたらうれしいなを除いて50点出す
語り手
何か追加でやってみたいことあれば、それでも良いですし
シロ
ついでに木雨ちゃんの心を溶かしたい。
風馬
シロがふしぎタンクになっとる
高瀬川の和樹
ことあるごとにありとあらゆる挙動がかわいいんだもんシロ
シャーリー
わかる~
風馬
それな
シロ
遊んでるだけで夢がふえる!! なんか申し訳ない有り難い。
風馬
合計160かな
語り手
160かな
ですね
では

語り手
雲の切間から降りてくる、光の糸は、緩やかに風にたなびくように
ふわふわ、きらきらとしながらも、ゆっくりとみんなの方へと降ってきます
シロ
「うわー、きらきらー!」
木雨
「光の、糸……」
木雨が眩しそうに空を見上げます
シャーリー
「雪……?」
木雨
「そうだ、あの時も、こんな風に糸が降りてきた……」
風馬
「きれいないとだ……」
語り手
糸は、気がつけば幾本も、あたりを漂い
みんなを柔らかな光で包み込みます
その一本一本は、みんなの顔や手に触れて、そこからさらに漂いながら、木雨へと
シャーリー
「雪みたいで……素敵です……」
「きれいな糸……」
シロ
「にゃっ?」
高瀬川の和樹
「ああ……、こんなに、優しい糸、意図だったんだな……」
「最初から何も、誰も悪かぁなかった。掛け違え、擦れ違っただけだった。ずっと、自分にそう言い聞かせてきたが」
「ようやく、腑に落ちたぜ」
シャーリー
お洒落だなぁ
語り手
やがて、空から垂れた糸は、木雨へとつながります
木雨
木雨が、ゆっくりと手を差し出して、その糸に触れます
その時、糸がつないだみんなの中に、胸の奥がじわりと、ほんの少し疼くような、そんな痛みが伝わってきました
穏やかな、寂しさ
小さな古い社の境内で、雪だるまが一つ
風馬
「………」
高瀬川の和樹
「ああ、そうだな、淋しかったな」
シロ
なんだかしょんぼりしてしまう。
木雨
「そうか……」
「寂しかったのは、私、だったんだ……」
糸を掴んで、項垂れる木雨
「ごめんな……咲……」
「ううん」
首を振り、咲は木雨とつながった糸を胸に抱き締めました
シロ
「いまならほんとのおねがいできるぞ」
「うそのおねがいじゃなくて、ほんとにしたいことゆえばいいんだぞ」
「おねがい……」
シャーリー
「お願いは……なんですか……」
木雨
「おねがい……」
「私は……」
高瀬川の和樹
「ああ、そうだな」
「本当のお願い事を見つけるってのは、存外むつかしいもんだ。そうだなあ」
せちがらいたとえ
高瀬川の和樹
顧客が本当に求めていたもの
シロ
そうだねぇ
食事が多すぎる ではなくて、 味を改善して欲しかった みたいなやつだ
高瀬川の和樹
和樹「ですから表面的な要望ではなく真のユーザーニーズを」
シャーリー
ほわわ……
シロ
それを掴むのがなかなかに難しいのでございますねぇ
高瀬川の和樹
のでございますわねぇ

木雨
「私は」
「私は、咲と一緒にいたい」
「春が来ても、夏が来ても、秋が来て、また冬が来るまで」
「咲と、友達でいたい……!」
シャーリー
にっこりとしながら聞いている。
シロ
「うん!」
「私も、木雨とずっと、お友達でいたい……!」
「だから、神さま」
木雨
「神さま」
咲と木雨
『おねがいします』
高瀬川の和樹
あ~~~~~~ 二人の声が唱和するの最高にいい
せちがらいはなしから少女たちの美しいシーンに戻ろう
シロ
「おねがいします!!」
ワンテンポ遅れておいのり。
高瀬川の和樹
「お願い、します」目を閉じ、手を合わせ、祈る。どうかこの願いがまっすぐに繋がりますように。
シャーリー
「……おねがいします……」
風馬
「おねがいだ」
ゆり
「お願いっ」
ちびきつねさま
「畏み畏み……」
風馬
拝み奉りまうす
語り手
木雨とみんなをつないだ糸は、きらきらとした光を、波のように光り
シロ
きっとおとーさんたちのとこにも糸が繋がってみんなのお願いを集めてるとこだ
語り手
それは、一度雲の上へと寄せてから
今度は大きな光のうねりとなって、また地上へと返ってくるのでした
その向こうには、もっともっとたくさんの糸を、
ここだけではない、どこかへつながったたくさんの糸を
一生懸命にたぐる、大きな糸の姿が垣間見えました
高瀬川の和樹
「はは、手繰ってらぁ。懸命に、懸命に」
シロ
「おぉーい、がんばれーーー、カミサマーーー!」
シャーリー
「……神様……」
語り手
光の糸は、いえ
光の大波は、地上へと降りてくると、みんなを、そして咲と、木雨まで大きく包み込み
気がつけば、そこは橙色のゆうやけこやけのススキの原
その中で、波は撫で愛しむように、木雨の体全部を洗い
そして次に気がついた時
そこには、雪などどこにもない、木の展望台と緑の湿原が広がっていました
シロ
「……わぁ!? シロくない!?」
風馬
「ゆきが……とけた?」
語り手
空にあったはずの灰色の厚い雲は消え、青空が広がり、どこかから暖かな風が吹いてきます
シロ
「わぁぁぁぁぁあったかぁぁぁい!」
高瀬川の和樹
「おお、おお、こりゃあ見事なもんだなあ。やっぱ夏がなけりゃ、やってらんねぇよ」久しぶりの緑と陽光に、寒がりな河童は歓声を上げる。
「おお、そうだ、木雨」振り返る。
木雨
「あ……」
同じように気がついた木雨は、不意に呼ばれて和樹を見ます
風馬
「とけてないな」
シャーリー
「溶けてないですね……」
木雨
「私……溶けていない……」
高瀬川の和樹
「……よう、木雨。これが春だ。案外、悪くねぇだろ?」
喜びのあまり言い間違えたのを誤魔化しながら、ニッと笑う。
木雨
「ああ……」
木雨は、眩しそうに空を見上げました
そこには、暖かなお日様がさんさんと光を投げかけていました
「すごく、暖かい……」
首元のマフラーに手をやり
「咲がくれた、マフラーも……」
シロ
木雨の足下をくるくる回りながら溶けてないか確認。
木雨
シロが木雨の足元を駆けると、時々ヒヤリとした空気を感じますが、決して溶けてはいないようでした
シロ
「ひんやりしてるけど、とけてない!!!」
「……木雨!」
咲が駆け寄り、木雨の手を取ります
「あはは、木雨の手、冷たい!」
木雨
ちょっとだけびっくりしたような顔の木雨は、でもすぐにちょっとだけ恥ずかしそうに笑うと
「……雪だるまなんだから、しょうがないだろ」
そう言って、咲の手を握り返しました
高瀬川の和樹
「もう少ししたら夏が来る。そうしたら涼ませて貰えるかもな」
「あ、それ良いかも!木雨、そうしたら一緒にアイスを食べよう」
木雨
「アイス……?」
シャーリー
「アイス……」食べたい……。
風馬
「つめたくてあまいぞ」
「うん。とっても美味しいし、きっと木雨も気にいるよ!」
高瀬川の和樹
「ああ、いいな」
「でも、夏が来るまでまだまだ時間があるから……」
「ずっと、一緒にいようね!」
言って、咲は少しだけ涙目で笑うのでした
菓子テロ
高瀬川の和樹
アイス!
シロ
アイス食べたいなぁ
シャーリー
食べたい
シロ
ソーダアイスモグモグ
シャーリー
ハートフル……。
静まれ邪な心
高瀬川の和樹
パリパリバーモグモグ

語り手
気がつけば、あれだけたくさんあった糸はどこにも無く
釧路湿原の展望台には、暖かな風が吹き
緑の中の片隅に、小さな白い花が二輪、揺れていました
高瀬川の和樹
「お? あれじゃねえのか。あの花」
シロ
「しろいやつだ」
「あっ」
風馬
「花がさいたな」
シャーリー
「……本当ですね……」
良かったなぁ……。
「見られたね、木雨。一緒に」
高瀬川の和樹
「ああ、そうだ」
はっと気がついて、空を見上げて再び手を合わせる。手を合わせたまま、深く頭を下げる。
シャーリー
「どうしました……?」
高瀬川の和樹
「神様よう、ありがとうな!」
シャーリー
「あ……!」
「ありがとうございます……!」
ゆり
「ああ、そうだわね」
風馬
「くもー!ありがとうー!」
ゆり
「ありがとうございますっ」
ゆりも手を合わせて頭を下げました
シロ
「あーりーがーとーーーー!」
ちびきつねさま
「おや」
不意に、ちびぎつねさまが声を上げました
シロ
「にゃ?」
高瀬川の和樹
「おん?」
シャーリー
「……?」
ちびきつねさま
背中の巻物をおろしてくるくると紐解くと
この間の二和の二人の神さまの名前の横に
『ヤオシケプカムイ』
と言うお名前と、蜘蛛の巣を意匠化したような判子が押されていました
名前
シロ
あのひとになっちゃったのか、いとちゃん!
シャーリー
!?
ヤオシケプカムイ……アイヌに伝わる蜘蛛の女神。「網を編むカムイ」の意。

シロ
「おなまえついた!」
風馬
「つながったのか、くもと」
高瀬川の和樹
「おお、そりゃあ助かる」
シャーリー
「名前……」
ちびきつねさま
「これはこれは」
「返す返すもありがたいことだねぇ」
言って、もう一度くるくると巻き、2度頭を下げてから背負いました
木雨
木雨は、押し花を手にしばらく白い花を眺めてから、
その押し花をもう一度懐に大切そうにしまいました
ゆり
「それじゃ、一件落着ってことで……そろそろ町に帰りましょうよ」
「なんか、周りが温かくなったせいか、今になってさっきの寒さが来たわ」
両肩を抱いて、ブルっと震えました
シャーリー
「……はい……」
風馬
「……ひろいな、ここは」
高瀬川の和樹
「そうさなあ、戻らなんだら心配もかけ……っぷし」
「いかん、寒ぃ」
シロ
「わぁい、かえるぅ!」
雪がなくなり走りやすくなった地面をトコトコ走り回る。
ちびきつねさま
「道もよく見えるようになったことだし、シロ、もう一度頼めるかい?」
ノーコストでいいよ
シロ
「はーーーい」
シャーリー
「……帰りましょう……」
帰ろうね……。
シロ
「みんなでかえるー!」
声とともにエンレイソウが道のように並んで一斉に咲き始める。
高瀬川の和樹
「ああ、帰るか!」
風馬
「こんどは走って帰ろう」
シロ
先頭を誇らしげに走るよ。
語り手
シロが敷いた白い花の道を通って、みんなは風のように町へと帰るのでした
シャーリー
帰ろう……。
シロぢゃんぎゃわいいねぇ

語り手
気がつけば、そこは元の淡雪の古書店の前
シャーリー
「……戻ってきました……」
風馬
「かえったぞ!」
カイト
「あっ」
高瀬川の和樹
「おう、戻ったぜ、親父ぃ! みんな!」
ツヅミ
「みんな帰ってきたー!」
シロ
「ただいまぁぁぁぁ!」
語り手
町の空もすっかりと青空
先ほどの展望台ほどではないですが、雪もその辺りに残っている程で
暖かな空気が漂っていました
ツクハ
「無事に帰ったか」
語り手
「おぅ、どうやら、こなしたみたいだなぁ」
高瀬川の和樹
「おう、なんとかな。正直、一時はどうなるかと思ったがよ」
語り手
「ああ。お前らがキッチリやってくれたのは、こっちでもわかったぜ」
風馬
「ツクハ、ささめとケンカしたらだめだぞ」
木雨
「……」
ツクハ
「私がそんな分別なしに見えるか?」
シロ
「けんかしそう」
ツクハ
「言いたいことはそれこそ雪の積もるが如くあるが、その程度、弁えているわ」
風馬
「あわゆきとケンカしてたぞ?」
シャーリー
「平和に行きましょう……」
シロ
なんだかんだいろいろやらかすもんツクハちゃん。
高瀬川の和樹
「まあまあ。雪も解けたんだ、水に流そうや」
ニハル
「そうだよー、せっかく春も来たんだし」
シロ
「あ、そーだ! スミは?」
風馬
「あわゆき」
語り手
「おう、それなら」
瑞樹が後ろを振り返ります
高瀬川の和樹
「っ、そうだ、淡雪!」
「お前、無茶してねぇだろうな」
淡雪
「はい……。えっ、無茶、ですか?」
少しだけ驚いたような顔
風馬
「そうだぞ、スミから戻すのは疲れるんじゃないのか?」
シロ
「てつだえるなら、てつだうぞ!!」
ぐたいてきにはふしぎ25ぶんなら!!
シャーリー
「……私も……」
ふしぎあんまり供出できないけど!
淡雪
「あ……」
語り手
くくっ、と瑞樹が小さく笑います
高瀬川の和樹
「なんだよ親父、訳知り顔しやがって」
語り手
「淡雪よぅ、見抜かれてんぜ、お前」
「ああ、こいつ、やたらと背負い込んで気張りやがるからな」
「どうせ、また手前のせいだなんだ、っつって、大仕事背負い込んで消えちまうつもりだったろ?」
淡雪
「それは……」
「わたくしは、それだけのことをしてしまいました」
シャーリー
「……めっ……」
風馬
「きえるのか?ダメだ」
シロ
「こまったら、てつだってっていえばいいんだぞ!!」
カイト
「そうだそうだ!」
シャーリー
「そうですよ……手伝えるんですから……」
カイト
「さいしょっから言ってくれてれば、おれだって噛みついたりしなかったぞ!お母さんにも怒られちゃうし」
「私も、お手伝いしますから……。絶対、だめです。そんなこと」
高瀬川の和樹
「そうだそうだ、お前文字だろうに。文字がなんで出来たかっつったら、」
「一人でできんことを、皆で背負うためだろうに」
淡雪
淡雪は、その言葉にはっと顔を上げました
語り手
ひゅう、と瑞樹が口笛一つ
「なんだよ、手前言いやがるなぁ、おい」
高瀬川の和樹
「まぁな、たまには決めさせろや」
語り手
和樹の背中を、水掻きのついた手で軽く叩き
「ってことだ。残念だったな、淡雪。お前は一仕事終えたら居残りだってよ」
シロ
ひとともののけの狭間にいる和樹だから言えることだなって思える。
風馬
「みんなで手伝うんだぞ」
シロ
「そうだぞ!!」
ニハル
「え~~~~?ハルつかれたぁ」
風馬
「……そうか」ニハルの手をとる
ニハル
「わ、わ、なに?」
風馬
「じゃあオレはみんなを手伝うぞ」
〈がらくた行列〉>1場面の間、行列に参加するもののけは特技を半分のコストで使える。
全員スキル使い放題!
シロ
おおー!
ツヅミ
「ハルちゃん、後であの美味しい草貰えるかもよ」
高瀬川の和樹
「お、いいね。親父ん時の行列の再来かぁ」
ニハル
「……やる!」
淡雪
淡雪は、みんなのその様子に、ほぅ、と小さく息を吐いて
「……わかりました。それでは、皆さまお手伝いを頂けますか?」
と微笑みました
シロ
導きと転ばせと迷わせは今回役に立つか分かんないけど、てつだう。
シャーリー
「はい……」鳥、何ができるだろう。
高瀬川の和樹
「おうよ、任せねぇ」
淡雪
淡雪は、庭へと運び出した墨つぼの前で、たすきで袖をまとめると
「それでは。町の皆さまをお戻しします」
「墨が町の家々へと届きますように、皆さまのお力をお貸しください」
シロ
「まよわずとどきますように」
おいのり。
シャーリー
「……はい!」
風馬
「なんでもするぞ」
てつだう
シロ
町中を目覚めさせる鶏の声だ
風馬
かっぱっぱ~
シロ
かっぱなの!?
シャーリー
かっぱっぱ~!
高瀬川の和樹
「おう!」
墨液の作り方は知っている。煤に膠を混ぜて固めたものを、水で延べて作るのだ。
ならば、水の道に墨を導くことも、できるだろう。

ということで、〈みずのみち〉 超拡大解釈して墨を飛ばします。
できる?>語り手
語り手
できますね!
高瀬川の和樹
やったぜ! ありがとうございます!

淡雪
淡雪がつぼの前で、柏手を一つ
ピンとしたその音が周囲を清めると、その真ん中で墨が盛り上がり
真っ黒な水球はふわふわと、屋根より高く浮かんで行き
「お帰りなさい」
その言葉と共に合掌を解くと、墨はパッと弾けるように爆ぜて、町中へと散ってゆきます
シロ
「わぁぁぁぁ! くろー!」
高瀬川の和樹
「それじゃあ、いっちょ飛ばすか。ショドー!ワザマエ!ゴウランガ! ってな!」
語り手
「なんだよ、そりゃぁ」
怪訝な顔の瑞樹も続きます
シロ
「わざまえー!」
ってなんだろ?
語り手
墨は、黒い蜘蛛の糸のように鹿角の町の空へと広がり
風のように走るシロに導かれて
シャーリーが運ぶ風に乗せられて
風は、風馬の読む先に導かれて
和樹と瑞樹の水芸に誘われて
木雨の冷えた空気に形を保ったまま
みんなの力によって、鹿角の家々の中へと飛び込んで行きました
ショドー!ワザマエ!ゴウランガ!
高瀬川の和樹
Twitterやってるし知ってるかなって。
シロ
知ってそう。
忍殺語。時と場所とカラテをわきまえて使おう。
高瀬川の和樹
あ~~~~~
やっぱりこのお話とこの面子 好き~~~~~~~~~
好き~~~~~~~~~~~~
風馬
みんなやさしい!!!
シャーリー
優しい世界……
高瀬川の和樹
和樹と瑞樹の親子コンボめっちゃいい感じ
これできるの嬉しい

語り手
そして
つぼの中身がすっかりときれいに空っぽになってから
少しして
高瀬川の和樹
「おうおう、きれいになったな。うっかりハエとか混じっとらんよな?」
シロ
大事故だ……
語り手
雪と氷に閉じ込められて、耳が痛いほどしんとしていた町の中から、
がやがや
ざわざわ
人たちの気配と音が聞こえて来始めるのでした
シロ
「ふわー。ぜんぜんべつのばしょみたいになったなぁー」
風馬
「まちになった!」
淡雪
「……ふう」
一つ、淡雪は大きな息をつき
「……終わりましたわ」
高瀬川の和樹
「お疲れさん、やっぱこうでなけりゃなあ」
風馬
「ありがとう」
シロ
「ありがとーーーーー!」
シャーリー
「……ありがとう……ございます……」
淡雪
「皆様がお力を貸してくださったので、町の方々はこれまで眠っていたことも忘れて、普段通りの生活ができるよう、少しだけ思い出に手を加えさせていただきました」
シャーリー
happy……
シロ
「めでたしめでたしだ!」
ニハル
「ちかれた~~~」
ツクハ
「まったく、毎度毎度なんでこんな大事になるんだ」
原因
シロ
なんでだろねぇ
高瀬川の和樹
もしかして:霊穴
シロ
管理の方にもっとしっかりしていただかないとぉー
管理は人間のお仕事なのでぇー
もっとがんばっていただかないとぉー

シロ
「ふー。さすがにーちかれたなー」
ツヅミ
「おなかすいたね」
高瀬川の和樹
「おいおい、言われると腹が減るじゃねぇか」
「折角だし、全員で飯にでもするか?」
シャーリー
「します……」
淡雪
淡雪がくすりと笑います
シロ
「わぁいごはんごはんー」
淡雪
「そうですわね……。お陰様で、まだ元気はございますし」
「せめてものお礼に、皆さまにささやかですがご馳走をいたしますわね」
風馬
「だいじょうぶか?」
淡雪
「ええ。もちろん」
風馬に微笑みます
風馬
「あっちに食べ物売ってる場所もあるぞ?」※自販機
シロ
「ちるちる!!!」
シャーリー
「……ラーメン……」
ニハル
「パンはもういいよ~」
淡雪
「まぁまぁ」
「少しだけお時間をくださいな。腕によりを掛けて、お料理をお作りしますから」
シャーリー
「手伝います……」
風馬
「オレもだ」
高瀬川の和樹
「俺も。折角だし、わいわい言いながら作ろうぜ」
「あ、母さま、私も」
シロ
「おてつだい?」
運搬くらいなら何とか!
ゆり
「ただ待つと言うのも何だから、あたしも手伝うわ」
風馬
「ゆり料理できるのか?」風馬はできない
ゆり
「あったりまえでしょうが。作れるわよ、湯豆腐とか」
ちびきつねさま
「ゆり、湯豆腐はお湯で煮るだけじゃないのだよ」
シロ
すごいのかすごくないのかよくわかんないやつだとおもったら、すごくないほうだったらしい。
風馬
カップ麺作れるやつだった
ゆり
「は?何よそれ、聞いてないわよ」
シャーリー
かわいい
語り手
などなどと
みんなで賑やかに、賑やかに
ご飯をたくさん拵えて
狭いお店と食堂にいっぱいに並べて
みんなは、美味しいご飯に舌鼓を打つのでした
シャーリー
おいしい~!
シロ
「おぉいしー!」
風馬
「うまいな」
高瀬川の和樹
「うん、美味い」噛みしめるように、ひとくち、ひとくち。
シャーリー
「美味しいです……」
語り手
あの、寒くて暗い町の片隅で
静けさの中で震えながら、冷えたおにぎりを食べた時間は、
暖かな灯りとご飯と、みんなの笑顔の中で
いつしか、溶けて消えてしまってゆくのでした
高瀬川の和樹
「……ああ、いいなあ。旅に出るのが、少し、すこうしだけ、惜しくなっちまいそうだ」
ニハル
「草!草!おいちぃ!」
シロ
くさ言うな
シャーリー
(あやうくシャーリーちゃんがオホーツク醤の話をし始めてツボってしまいました)
ツヅミ
「もうずーっとパンばっかしだったから、ご飯美味しいね」
ツクハ
「ツヅミ、しれっと私のイナリに手を出すんじゃない!」
語り手
「おぅ、倅」
高瀬川の和樹
「何よ、親父」
シロ
「そっかー」
「でかけるじかんかー」
語り手
「まぁ、そう言うねぇ。一杯やってけ」
言って、差し出すのは和樹がお土産に持ってきたお酒の瓶
高瀬川の和樹
「お、いいねぇ」はにかんだように笑って、瓶を受け取る。二人の盃に酒を注いで。
シロ
いいねぇ、親子で酌み交わす酒
語り手
賑やかな席
みんなが笑って食べてしている、音と声に紛れて
「みんな、いい顔で笑ってらぁ。あの、渦の真ん中の娘っこまでな」
少しとろんとした目で瑞樹が見る先には、木雨
高瀬川の和樹
「ああ、そうだ。何よりも美味ぇ酒の肴よ」
木雨
「咲、その汁もの熱いぞ。私が冷ましてやろうか」
「しょ、しょっぱくなっちゃうから、大丈夫だよ」
シロ
べんりだ
語り手
「昨日までの、縮こまってこわばった面は、どっかに溶けて消えっちまったなぁ」
高瀬川の和樹
「ああ」
「あいつは溶けやしなかったが、溶けたなあ」
シロ
「とけてないのにとけた??」
首をかしげてる。溶けてないのに何言ってるんだろうなぁ。
語り手
「ああ、そうだぜ」
瑞樹は、シロの言葉に頷いて
「……お前らのおかげだ」
賑やかさの中に、紛れさせるように、小さく和樹の耳に聞こえるくらいの声で、そっと呟きました
高瀬川の和樹
その言葉がそっと耳をくすぐったが、気づかないふり。

風馬
「もうさみしくないな……あ」食事の手を止めてお方様に
「そうだ、きつね」
ちびきつねさま
「ん?なんだい?」
お稲荷さんを口に咥えたまま
風馬
「おそなえって、どうやるんだ?」
ちびきつねさま
「うん?……ああ」
「蜘蛛神さまかい」
風馬
「くももたべるだろ」
ちびきつねさま
「風馬の気持ちで、伝えるだけでいいんだよ」
シャーリー
「蜘蛛様……」
「ありがとう……ですか?」
ちびきつねさま
「ありがとう、一緒に食べよう、と」
風馬
取り皿にごはんとおかずを盛り付けて
ちびきつねさま
「そうしたら、いつもこの町を見てくれている蜘蛛神さまにも届くはずさ」
風馬
上を見上げて
「くもも、つかれたか?ありがとう、一緒にたべてくれ」
語り手
ふと
高瀬川の和樹
「ああ、じゃあ酒も。……あいつ生まれて何年目だ? まあいいや」盃をもうひとつ借りて、その取り皿の横に酒を添える。
語り手
みんなの見ている前で、
きらり、ふわり、と
細い細い糸が揺れたような気がしました
神の年齢
シロ
年齢気にしちゃう……
年齢自体はめっちゃ高いけどお子様なんだよなぁ
風馬
のじゃロリってこと?
高瀬川の和樹
のじゃらないからなあ
シロ
年齢ン百歳の幼児って感じだ。
高瀬川の和樹
むしろのじゃロリはツクハっぽい
語り手
のじゃバブ
風馬
ツクハ確かに
シャーリー
わかる
高瀬川の和樹
とはいえ相手神様だし、古来の価値観やもののけ・神様の価値観ならそんなの関係ないないしそうなんだけど和樹はもう習慣化してますね

語り手
「また、何処か流れて行くんだろう?」と瑞樹。
シロ
川流れは十八番だ
高瀬川の和樹
「ああ、そうよ。まだ旅の途中だしな。それに俺らにゃ、帰る場所ができちまった」
「まあでも、たまに実家、実家か? に面ぁ出せて、親父の面も見られて、よかったよ」
語り手
へ、と瑞樹は笑って、鼻の下を擦りました
「ま、今宵一晩くらい、ゆっくりしてけ。先は長いんだろ」
高瀬川の和樹
「おう、そうさせてもらうよ」
語り手
そして、瑞樹は和樹の盃にまた一杯のお酒を注ぎ
「母さま、お取りしますね」
淡雪
「ありがとう、綴」
淡雪は、そんなみんなの様子を、何処か嬉しそうに、優しい顔で眺め
語り手
夜は、更けて行くのでした
寒く厳しい冬は終わり
楽しい夜も終わり
そして、再びの旅立ちの朝は、もうすぐそこまで
……今日は、ゆっくりおやすみなさい

おやすみなさい
語り手
締めます
シロ
おつかれさまー
ありがとうございました!
風馬
お疲れ様でした!
高瀬川の和樹
お疲れさまでした!
情景がほんとに美しくて好き
シャーリー
お疲れ様でした!
風馬
友情と親子愛×2が沁みるぜ
語り手
賑やかがやがやなSE入れとけばよかった


コメント
深い悲しみの雪景色はおしまい、暖かい春がやって来ます!
寂しくて凍り付いていた木雨
また何か考えて思い詰めていた淡雪
全部の心を溶かして、次回は大団円!
河童親子の酒もまた良いですねぇ。


ゆうやけこやけ

第一~二話『龍の眠る滝』『ともだち』
第三話『ふしぎなともだち』
第四~六話『ふたりのかげ』『たそがれのまど』『とびらをひらいて』
第七話 『さくら咲く頃』
第八話 『ふたりの娘』
第九話『みあげればそこに』
第十話『旅するゆうこや』 1 2 3 4 5 6
番外 こどもとTRPG 準備 『まいご』 『たからもの』 『化けニャン』

これは『インコグ・ラボ』が権利を有する『ふしぎもののけRPGゆうやけこやけ』の二次創作物です。