ログが真っ白だ!
シロ
足跡ペタペタペタペタ
シロ
こっちにもペタペタペタペタ
語り手
クロ
ヤーン
高瀬川の和樹
シロがクロいぞ
シロ
クロくないぞ!
風馬
遅くなりました!
高瀬川の和樹
お疲れさまです!
語り手
おいらっしゃいませ
高瀬川の和樹
豆腐スナックというよくわからないものを食べながら登場
春日 晴姫
クロッキーしてたらギリギリだ!!!こんばんは!
高瀬川の和樹
こんばんは春日さん!
シロ
おつかれさまですぅ
語り手
グロッキー
シャーリー
グロッキーです!
風馬
でろでろやん!
高瀬川の和樹
クロッキーでグロッキーとな
シロ
だれうま!!
シャーリー
10分伸びたから5分だけと思いました(こなみかん)
風馬
つまり1週伸びると3日半カンヅメに
シャーリー
流石に外には出ます(歯の痛みはなんとかなったんですけど今度は詰めものが今度は取れて泣きたい)
風馬
あらら
高瀬川の和樹
あらら、それは災難
シャーリー
割と泣いていい案件だと思うんです。
シロ
泣いていいよ
高瀬川の和樹
詰め物取れ友 ナカーマ
シャーリー
えーんえーん
語り手
ちなみに三日前に抜歯しました
風馬
皆さまお疲れ様でうす
高瀬川の和樹
ひえー お疲れ様です みんな歯が災難だ
シャーリー
お疲れ様です……。

シャーリー
ぺた!
語り手
いつものみんなと淡雪は、いとの神社へとやって来ました
ゆっくりと降り続ける雪の中、神社の鳥居はしんと立っています
シーン……へん……こう……?
高瀬川の和樹
「さぁて……」シーン変更かしら?
語り手
はっ
シーン変更なんてありましたね、そういえば!
さぁ夢を使いましょう
風馬
ふしぎとおもいYKS
高瀬川の和樹
そう、GMもPLも忘れてるなと
シャーリー
シーン切り替わるの遅いなって思ってた。
シロ
もはやルールが形骸化しつつある!
語り手
まぁ私のゆうこやなんてなりチャと紙一重ですし
高瀬川の和樹
そもそもゆうこやそういうとこありますしね
シャーリー
まぁこのぐらい気楽だと小さい子もやりやすくていい。
あと世界観すっき。
高瀬川の和樹
わっかる
シャーリー
ジブリとか好きな人好きだと思うんですよね、ゆうこや。
高瀬川の和樹
めっちゃわっかる この世界観唯一無二なとこあるむにむに
風馬
ゆうこやは癒し……
シロ
NPCズのを全部3に
[ シロ ] ゆめ : 32 → 7
あと淡雪の「このひとこわい」を「たいへんそう」に
シャーリー
(どうすればよかったんだっけと忘れたぽんこつ)
風馬
あわゆきと和樹とシャーリーを2→3で24使い切り!
[ 風馬 ] ゆめ : 24 → 0
シャーリー
思い出した!!!
じゃあ風馬くんと瑞樹さんを3に、淡雪さんを2に。かなぁ。15点消費。
[ シャーリー ] ゆめ : 17 → 2
風馬
シャーリーさん町大好きっ子になってるよ
高瀬川の和樹
というわけで夢を ゆり&お方様コンビへのつながりを2→3、シロを1→3、風馬くんを2→3で20点消費。
[ 高瀬川の和樹 ] ゆめ : 21 → 1
あれ?ずれて見てた ゆりコンビはなから3だった 淡雪を1→2にします
語り手
ここにいるのは淡雪だから、淡雪のを伸ばそう
淡雪からみんなへのつながりを2に揃えます
[ 語り手 ] ゆめ : 26 → 1
高瀬川の和樹
あ、そういえば瑞樹へのつながりどうなるんでしょう 個別? どこかといっしょ?
個別で生えると表があふれそうですが
語り手
個別に設けたいところですが、煩雑になってしまうので淡雪と同じということで
高瀬川の和樹
はーい
シャーリー
よいしょ
語り手
そして、誰ですか数字チップをボードの上のとこにほったらかしてる人は
ちゃんとお片付けしてください(ぷん
シャーリー
私じゃないです!!!
私はお片付けできるいい子(大嘘)
高瀬川の和樹
楽なんですもんよ
お片付けしました
語り手
ありがとうございます
シロ
必要なチップはコピーで用意して、必要なくなったら削除している私には無縁の話だ!

へんしん!
語り手
というわけで、今はお時間夕方です
高瀬川の和樹
では遠慮なく変身なしで登場しましょう。 人間いませんし。
シャーリー
こちらも~。
シロ
変身しないよ。
風馬
正体で出現できない命なので半変身で!
system
[ 高瀬川の和樹 ] ふしぎ : 31 → 48
[ 高瀬川の和樹 ] おもい : 26 → 43
system
[ 風馬 ] ふしぎ : 23 → 41
[ 風馬 ] おもい : 18 → 36
system
[ シロ ] ふしぎ : 53 → 76
[ シロ ] おもい : 4 → 20
system
[ シャーリー ] ふしぎ : 25 → 42
[ シャーリー ] おもい : 28 → 42

語り手
というわけで、神社の前です
高瀬川の和樹
「……こんな長い事、この姿で居んのも久しいなぁ」お社を前にして、ふとVAPEを取り出し、バニラの香りの煙をぷかりと吐く。
ゆり
「あんたたちは気楽でいいわねぇ。あたしなんてこのままで行くしかないわよ」
シロ
「きーちゃんのおさら、ひさしぶりにみたー」
高瀬川の和樹
「自分でも久々に見たような気がするよ」
ちびきつねさま
「私もだねぇ」
風馬
「そうだな」
シロ
「ゆーちゃんてニンゲンのマネしてなかったらどうなるんだ?」
ゆり
「駕籠よ」
シロ
「かごかー(ナンダソレ?)」
高瀬川の和樹
「いっぺんだけ見たっけか。最初に」
この人間、皿があるぞ!?
シャーリー
和樹さん人間じゃなかったんですか!?
高瀬川の和樹
なんと驚いたことに人間じゃなかったんですよ
シロ
びっくりだな。
シャーリー
☆そして瑞樹さんと和樹さんを間違えてたということに気付いた私は――(つながりを和樹さんの増やしたかった)
☆反省文を書こう――!
大変申し訳ありませんでした。
高瀬川の和樹
☆いいのよ
とーちゃんへのつながり増やしてくれるんでもそれはそれで嬉しいし

ゆり
「まぁ、あたしはこの姿を出してる時の方が昔から長いけどね」
高瀬川の和樹
「まぁ、物体連中の難儀なとこだわな」
ゆり
「何より、見たり触ったり食べたりするのが楽しいから、こっちの方がいいのよ」
風馬
「さわったり、たべたり」
シロ
「ごはんおいしいよな!!」
シャーリー
「おいしいです……」
風馬
「ゆりはよくたべるからな」
ゆり
「食いしん坊みたいに言わないでよ」
淡雪
「皆さま、よろしいですか?」
高瀬川の和樹
「おっと、いかんいかん。そうさな、行かにゃあならん」VAPEを仕舞って。
「まぁ、久々にゆりと話ができたおかげで、気も解れた。行くとしようか」
風馬
「ああ、いえ(社)に入るのか」
高瀬川の和樹
「ああ」
シロ
「いこー!」
シャーリー
ぴゅーっと飛んで空中で一回り。

語り手
みんながさく、さく、ぎゅ、ぎゅ、と雪を踏みながら参道を行くと、やがてあの小さなお社が見えてきました
そこは、相変わらず細かな糸が絹のように木やお社に巻きついています
シロ
「あれさわったら、おんなのことかみえる」
さむー
高瀬川の和樹
「そいつがあの中で眠る咲だろう、って話だったな」
淡雪
「ええ。恐らくは」
高瀬川の和樹
「……咲、か。春の名だなぁ」
シロ
「そうかぁ、はるをまってるのかな」
ゆり
「皮肉というかなんというか……」
風馬
「……あいつは、どうするのがいいんだろうな」
高瀬川の和樹
「かもしらんな。……”少しだけでよかった” 今も咲が、そう思っててくれりゃあいいんだが」
「……どうすんのがいいんだろうなぁ……」
ゆり
「どうにかするしかないでしょう」
シロ
「きいてみればいいじゃないかー」
トコトコ近づいて糸にペタリしてやろうかな。
風馬
「そうだな」
語り手
目の前には、社といっぱいの糸
高瀬川の和樹
「そうさな。少なくとも、俺らは雪をこのままにしちゃあおけん」
「それだけは、間違いがない」
シロ
「ふゆもいいけど、はるもなつもあきもすきだから、こなくなったらイヤだぞー」
シャーリー
「嫌です……」
風馬
「ふゆは朝になるのが遅いからな」
ゆり
「冬って海産物くらいしか美味しいものないしねぇ」
高瀬川の和樹
「冬の朝寝坊もいいもんだが、そればかりじゃあな」
風馬
「(やっぱりよくたべるじゃないか)」
ゆり
「何よ」
風馬の視線に。
高瀬川の和樹
「さて……、お方様。この夢の中で、ってことだったな」
ちびきつねさま
「そうだねぇ。その中であれば、もう幾らかの話や、風馬の言う襟巻きのこともわかるんじゃぁないのかね」
メシテロか? メシテロだな??
シャーリー
冬はお肉も美味しい(年中美味しい)
風馬
丸まる太った七面鳥だよ
シャーリー
から揚げ食べて~~~!!!
風馬
にわとり……?
シャーリー
正確には揚げたてのじゅわっとした火傷しそうなぐらい熱いから揚げたべたい。
風馬
いいですねぇ
シャーリー
熱さと比例して美味しいやつ。
高瀬川の和樹
結構前に食べた、えきそばにからあげ突っ込んだやつおいしかったな
別にあれベースはえきそばじゃなくてもいいと思うんだけど
シャーリー
あとうどんとかにホルモン突っ込んだのも美味しい。
風馬
みそ田楽たべたい……

高瀬川の和樹
「ちと、恐ろしい気もするが……。邪魔するぜ、咲よ。お方様、後ろを見ててくれるか」
社に近寄って、糸に触れてみます。
ちびきつねさま
「わかったよ」
シロ
その横で糸に絡まってる。
高瀬川の和樹
ハヤイ
シャーリー
かわいい。
一緒になって戯れたいなぁ。かわいい。
シロ
横糸だったらベタベタがとれなくなるかもしれないよ……
語り手
みんなは、そっと絹のように編まれた糸に触れました
すると、その視界はあっという間に真っ白になってゆき
高瀬川の和樹
「──っ、」
語り手
やがて、その白い世界の中に幾つかの色が
表示されるマフラーを巻いた雪だるま。
シロ
あらかわいい
語り手
そこは、糸も何もない、ただ静かにうっすらと雪の積もった社の前
一人の女の子が、小さな雪だるまに襟巻きをそっと掛けてあげていました
シロ
「にゃー」
風馬
「もどってきたな」
シャーリー
まっちろ!
シロ
「ゆきへったな」
風馬
「よかった。まだいたぞ」
シロ
邪魔するのも悪いししばらく雪に足跡つけてよう。
語り手
「……はい。これで寒くないね」
「あれ、でもあなたは暖かいとダメなんだっけ」
小さく首を傾げ
「うーん。でもまぁ、いいか!お母さんは雪が降っていたらマフラーしてきなさい、って言うもんね」
女の子は、いるはずのみんなが見えないように、雪だるまに話しかけます
「聞いてよ、クラスのみんな、いなくなっちゃった。お正月だから、田舎に行くんだってさ」
風馬
「おーい。おまえがさきか?」
シャーリー
見守ろう。
語り手
風馬の言葉にも、女の子は振り向きません
「うちはおじいちゃんもおばあちゃんも一緒に住んでるから、どこにも行かないんだって」
風馬
「ほら、きこえないみたいだろ?」みんなに振り返って
高瀬川の和樹
「らしいな。咲が見てる夢なのかもしれん」
シャーリー
「……おーい」小さな声で女の子に呼びかける。
シロ
「にゃ?」
すねこすってみよ。
シリアスクラッシャー
シャーリー
これ探索者だったらSANチェック入る奴だ。
風馬
洞川だったら回り込んで変顔するところだ
シャーリー
ふふwww
高瀬川の和樹
www
シャーリー
かわいい。

語り手
「ねぇ、あなた私のお友達になってよ」
ふと、名案を思いついたと言うように、雪だるまに振り向いて言います
高瀬川の和樹
「……そうか、寂しかったか」
語り手
「そのマフラーあげるからさ。そしたら、一緒にお外で遊べるでしょ」
シャーリー
ノーマンザスノーマン(プラネタリウムの演目)見たくなるシナリオだな……。
語り手
女の子が喋るのをやめると、たちまち境内は静かになってしまいます
シロ
すねにてごたえがあったらこすり続けるし、手ごたえがなかったらションモリして風馬のすねに戻るわ。
語り手
手応えはあるような無いような不思議な感じです
シロ
じゃあ不思議そうに耳をピコピコさせながら脛周りをウロウロ。
語り手
しばらくして
「……なんてね。お話だけでもできたらいいのにね」
女の子が見上げると、空からは小さな雪がいくつも降ってきます
「……でも、あなた春になったらいなくなっちゃうのか……」
「もう少しだけ、雪が降ってくれればいいのにね……」
白い息が、静かな境内に溶けてゆきます
シロ
「だめだよ……」
「そんなおねがいしたら、たいへんなことになっちゃうよ」
歩くのをやめて女の子の顔を見上げる。
語り手
ふと、女の子は何かに気がついたように、周りを見渡します
顔の辺りを、払うように手をはたはたと振り
「なんだろう、これ……糸?」
顔の辺りをか細い糸が漂っていたのが気になったようで、女の子は手袋の履いた手を顔の前へと持ってくると、微かに銀色に光る糸が漂っています
そのゆらゆらと揺れる糸は、風にそよぐように漂い
その端っこが、和樹に触れました
高瀬川の和樹
「よう、聞こえるか?」声をかけてみます。
シャーリー
「もしもーし……」
シロ
「カミサマクモのいと?」
語り手
すると、女の子はびっくりしたように辺りを見回しました
「え、誰?」
高瀬川の和樹
「よう、初めまして。今は正月なんだろう? 里帰りしてきたんだよ」
シロ
「お? きこえてるのか?」
語り手
「誰?どこにいるの?」
しかし、女の子には姿が見えていないようです
高瀬川の和樹
「見えないかい? ここにいるよ」糸にもう少ししっかりと触れてみますが、姿見えそう?
「あ、っつかやべ」慌ててふしぎ4点消費して完全変身になります。
語り手
残念ながら、女の子は不安そうに辺りを見回すだけで見えてはいないようです
糸は少しずつ広がり、みんなにも触れます
シロ
「わわわ、いと!」
風馬
「ここにもいとがあるのか」
高瀬川の和樹
「なんだ姿変え損か……、まあいいや。誰もいなくてさみしいのかい」
語り手
そう言われて、女の子は少しだけ顔をこわばらせて
「別に、寂しいんじゃないよっ」
高瀬川の和樹
「そうかそうか、そいつは悪かった。俺達は街に誰もいなくてさみしいんだ、ちょっと話でもしないかい?」
シロ
「でもどこにもつながってないってかおしてるぞ!」
シャーリー
「……本当です……」
語り手
「誰?他にも誰かいるの?」
シロ
「シロだぞ!!」
シャーリー
「シャーリーです……」
語り手
みんながそうして答えていると、頭の中に不思議な声が聞こえました
『わたしのいとを、すこしだけ……つなげてあげる。すこしだけしかできないけれど』
その声は、女の子には聞こえていないようで
風馬
「いと……くもか?」上を見上げて
語り手
空を見上げる風馬は、はるか高いところから、一本の細い細い糸がお社へと垂れているのが見えるでしょう
「お話……?」
キョトンとして
「もしかして、お社の神様?」
恐る恐るそう尋ねます
高瀬川の和樹
「あー、んや、違う。お社の神様に用事かい?」
シャーリー
「……」
語り手
「なんだ、神様じゃ無いのか……」
女の子はすこしがっかりしてから
「神様にお話できるの?それなら、お願いしたいことがあるんだけど」
高瀬川の和樹
「何だい?」
語り手
「ほんの少しだけ、雪を長く降らせてくれない?」
「暖かくなると、この子が溶けちゃうの」
シャーリー
良いのかなぁ……と戸惑ってる鳥がいました。
高瀬川の和樹
「……ほんの、少しだけ」ふ、と。少しだけ、声が重く、深くなった。
「ほんの、少しだけ。少しだけで、いいのかい」
「少しだけで、よかったのかい?」
シャーリー
”おとな“である和樹さんの方を見る。
語り手
「……うん、少しだけ。みんなが帰ってくるまで……」
高瀬川の和樹
その横顔は意識して気さくそうに出す声とは裏腹に、緊張していた。
「そうか……。みんなが帰ってくるまで。それだけで、よかったんだな」
語り手
「うん。みんなが帰ってくるまで……この子が溶けないように」
シロ
「かえってきたら、ゆきはおわっていいのか?」
なぜだろう、ちょっとムッとした。
かってだなぁ
シロ
そう思っちゃった理由もよくわかんないシロは、くうきよんでだまる。
シロの言は論点のすり替えなのである。いいがかりなのである。
高瀬川の和樹
でも人間から願いやおもいを投げられる側であるもののけとしては、その勝手さに思う所があるのは納得感ある

高瀬川の和樹
「なあ、もし。もしだよ」
「春になっても、その子がお前と遊びたがったら、どうする」
「春になっても、夏になっても、雪が、終わらなかったら」
「それでも、いいかい?」
語り手
女の子は、足元の小さな雪だるまを見やります
そして、少し考えるようにしてから
「この子も遊びたがってるのかな」
「でも、春は暖かくなって、夏は暑くなって……」
「雪は、降らないよ」
「雪は、冬にしか降らないから雪なんだよ」
「そうしたら、一緒には遊べないね……」
女の子が、そう呟いた時
シロ
「ふったもん」プンスカ
シャーリー
「だから冬が待ち遠しくなるんだと思いますよ……」
語り手
「大丈夫だ」
ふと、声が聞こえました
シロ
「にゃ?」
語り手
えっ、という顔で女の子は振り返りました
そちらには、お社が一つ
いつの間にか、お社の木戸の前にいる雪だるま
見ると、その雪だるまにも、糸が触れていました
「大丈夫だ」
もう一度、声
突然、白い風が舞い起こりました
高瀬川の和樹
「!」
語り手
それは、冷たい雪を纏った風
たちまち境内は真っ白に染まってしまいます
シャーリー
「……ぴゃっ!?」
木雨
そしてその風が晴れた時、そこにはもう一人、白い女の子がいました
「大丈夫だ、咲」
高瀬川の和樹
「くそ、ここにも来たか」
シロ
「わっ、わわ、でた!」
風馬
「おまえは……」
シャーリー
風馬くんのズボンの中にシュウウウ!
風馬
ズボンの中!?
シャーリー
ぽけっとのなか。
シャーリー
風馬くんのポケットの中が避難場所になってる。
ここはゆうやけこやけ、穏やかで優しい世界。
木雨
「私が、ずっとずっと、雪にしてあげる。ずっとずっと傍にいてあげる」
「そうしたら、ずっと一緒に遊べるよ。友達が帰ってこなくても、大丈夫」
高瀬川の和樹
「雪だるまよ。お前、ただただ溶けたくねぇのかと思ってたが」
「もしや、咲のためにそうしてんのか」
木雨
「お前たち、咲に触るなと言ったはずだぞ」
「糸は、私にも繋がってるんだ」
シロ
「だっておはなししたかったんだもん」
「おまえともおはなししたいぞ!」
語り手
「え?え?」
不思議そうな顔で、きょろきょろとする女の子
高瀬川の和樹
「そうは行かんのよ。それにだ、木雨」
「咲は言ってたぜ。──”少しだけでよかったのに” とな!」
木雨
「うるさいぞ」
「大丈夫だ、咲。私がずっと雪にしてあげるからな」
木雨が腕を大きく振り回すと、その手に絡んだ糸が引っ張られ、手繰られ、たちまち女の子を糸の玉のようにしてしまいました
「咲は言ったんだ。友達が帰ってくるまで、少しだけって」
シロ
「こんなゆきじゃ、みちもなくなっちゃって、かえってこられないじゃないか!」
木雨
「でも、私がずっと雪にすれば、咲だってずっと寂しく無いんだ」
「ずっとの方がいい」
「いいに決まってる」
風馬
「……それじゃあそべないぞ」
高瀬川の和樹
風馬くん鋭い ちょくちょく見せる鋭さが光るよなあ
シロ
そうだなー、と糸球を見つめる。
これじゃあ、大玉ころがしのたまになるしかなさそうだ。
シャーリー
ころろ……。
木雨
「咲は私とお話がしたいと言った」
「糸が繋がってれば、私と咲はずっと一緒にお話できる」
「出てけ」
「お前たちがいると、咲とお話できない。私は雪にしなきゃいけないんだ」
風馬
「なんで話ができないんだ?」
木雨
「お前たちが邪魔をするからだ」
「でてけ」
もう一度、木雨は言いました
シロ
「やだっ!」
「なんかちがうもん。ぜったい、なんかちがうもん!」
高瀬川の和樹
「断る。俺らは咲と話しに来た」
木雨
ぶわ、と木雨の着物が浮き上がり、強い風が吹き始めます
「咲は私とお話するんだ」
風馬
「みんなで話したほうが、楽しいぞ?」
木雨
「咲の中から出て行け」
風はどんどんと強くなり
みんなに張り付いていた糸が頼りなげに波打ちます
「出て行け!」
風馬
「ふきとばすのか……」
シロ
「おはなしできてないじゃん!! ちょっとっていったのに!!」
「ずっとじゃなかったもん!!」
木雨
もう一度強く叫ぶと、叩きつけるような雪がみんなと糸を吹き飛ばしてしまいました
シロ
コロコロコロコロ
高瀬川の和樹
「ぶっ……!」
語り手
目の前が、また真っ白に染まってゆきます

語り手
気がつくと、深い雪に佇むお社の前に戻っていました
高瀬川の和樹
「あー、くそ。やられた」
風馬
「すごい風だったな」
シロ
「わからずやぁぁぁぁ!」プンスカ
高瀬川の和樹
「ありゃあちと厄介だな。頑なになっちまってやがる。聞こえてねぇんだ」
シロ
「おはなししてるのにおはなしできてない!!」プンスカ
淡雪
「皆さま、大丈夫ですか」
ちびきつねさま
「ほんのいっときだったけれど、何か聞けたのかい」
風馬
「ああ……大丈夫、だよな?」ポケットからシャーリー出そう
シャーリー
「……ぷは」
高瀬川の和樹
「ああ、こちらは大丈夫よ。友達が戻るまで少しだけ、咲はそう願っていた」
「本当は、友達にいてほしかったんだろうな」
シロ
「かってにずっとにしちゃったんだ!」
淡雪
「そうだったのですか……」
淡雪は、白い息を吐いて、頭の上とお社の方を見やりました
その頭の上、みんなの上には『傘』と言う大きな墨で描かれた文字と、その字に遮られたたくさんの雪
そして、お社はすっかりと雪と氷に覆われてしまっていました
シャーリー
「……」
「人の心は難しいですね……」
高瀬川の和樹
「そうさなぁ」
「人でも人でなかろうとも、難しいもんだ……」
かねがなります
高瀬川の和樹
ところで0時ですが皆さま大丈夫かしら
語り手
おっといつの間に鐘が鳴った
高瀬川の和樹
なのです
語り手
うーむ、ここらにしようか
風馬
はぁい
シロ
はーい、おつかれさまぁ
語り手
ちょっとイベントの途中ではあるが
シャーリー
お疲れ様でした……。
高瀬川の和樹
お疲れさまでした!



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ゆうやけこやけ

第一~二話『龍の眠る滝』『ともだち』
第三話『ふしぎなともだち』
第四~六話『ふたりのかげ』『たそがれのまど』『とびらをひらいて』
第七話 『さくら咲く頃』
第八話 『ふたりの娘』
第九話『みあげればそこに』
第十話『旅するゆうこや』 1 2 3 4 5 6
番外 こどもとTRPG 準備 『まいご』 『たからもの』 『化けニャン』

これは『インコグ・ラボ』が権利を有する『ふしぎもののけRPGゆうやけこやけ』の二次創作物です。