高瀬川の和樹
「俺のシートが消えちまったって? そいつぁ厄介なもんだな。まあシートが無くても俺は死にゃしねぇんだ、なんとでもなるさ」
ゆり
「バケットシートならあるわよ」
高瀬川の和樹
「ゆり……」
シャーリー
しゅっしゅ
風馬
こっこ
シロ
わんわん
高瀬川の和樹
かっぱっぱ


語り手
前回はレース開始でした
風馬
ごぼう抜き
語り手
残念、まだ恐竜は先頭だ
真っ暗な夜の山道……ではなく、もはや立ち並ぶ不思議な神社の灯籠にも似た灯が並ぶ中を、恐竜、バイク、スポーツカーが駆け抜けてゆきます
シャーリー
ハートフル……。
シロ
ハートフルレース
風馬
「前にも後ろにも、光が飛んでいくな」
しのぶ
『だから言ったでしょ?まるで地面スレスレを飛んでるみたいだ、って』
風馬
「ああ……気持ちがいい」
語り手
不意に、前方を走っていた恐竜の後ろ姿が掻き消えます
風馬
「あれ?」
しのぶ
『風馬くん、コーナー!』
風馬
「今度は、一緒にやろう」
しのぶ
『行こう!……でも、わかるよね?ブレーキはダメだよ。二段落としで!』
語り手
しのぶと繋がった風馬ならば、その意味がわかるでしょう
エンジンの回転を落とさずに、エンジンブレーキを利用して曲がることを
風馬
小さく頷き、ハンドルを握りなおす
ゆり
「……和樹、減速!」
更に後ろを走るスポーツカーのナビシートで、ゆりが小さく叫びます
高瀬川の和樹
「おう!」
その声がした時には、既にコーナリング態勢に入っている。
シロ
ゆりの膝でポヨンポヨンしてる。
語り手
気がつくと、目の前に迫っていたバイクのテールに、ぶつかりそうになりながら減速をしコーナへと進入するスポーツカー
風馬
自然に重心を移動する、体重が軽いのでかなり身を乗り出している
ゆり
「……あの子たち、とんでもない走り方するわね……」
「和樹、気付いてた?」
こめかみから一筋の汗を垂らして、ゆりが唸ります
シャーリー
なんだなんだ?
高瀬川の和樹
「あん?」
ゆり
「……ブレーキランプが点灯してなかったのよ」
「……つまり」
シロ
しっているのかゆり!!
っていわなきゃいけないきがした。
シャーリー
な、なんだってー!?
高瀬川の和樹
「つまり?」
ゆり
「ノンブレーキでコーナーに進入してるってこと!」
高瀬川の和樹
「──全速力で突っ込んでった、ってことか。は、無茶する」
「河童だって、そんな泳ぎ方は滅多にしねぇよ!」
ゆり
「いいえ、全速力ってワケじゃぁないわ。確かに減速はしてた」
「だから、危うくオカマ掘るところだったんだけどね」
シロ
「(のんぶーれーきーでこーなってすごいんだな??)」
なんだかわかんないけど今度やってみようと思った。
風馬
肉体のエンブレとは
シャーリー
「(すごいんですね……)」
シャーリー
今日も僕らのシロちゃんがかわいい
シロ
シャーリーさんどこに居るんだろ
シャーリー
空の上……かな……。
ゆり
「スプロケットの丁数を変えた、そしてこの甲高いエキゾーストノート……」
「ガチガチの高回転型にセッティングを変えてきた、てのはわかってたけど」
「和樹、高回転型セッティングのメリットとデメリットは?」
ちびきつねさま
「なんだかすごいんだねぇ」
風馬
河童に無茶を聞きおる
語り手
全くでw
シロ
人間でもある程度ライダースキル持ってなきゃ分かんない。
高瀬川の和樹
「俺に言わすな。勿体ぶらねぇで自分で言え。っつか運転中なの忘れてんだろ!?」
シロ
ド正論。
ゆり
「語るわよ!語らずにおれますか!」
高瀬川の和樹
「この状況で咄嗟に出てくるか! 俺ぁ初心者だぞ、初心者」
風馬
車もまぁ。。
時速100kmで山道をMTで駆け抜ける初心者
高瀬川の和樹
中の人はエンジンの無い二輪車しか分からないんですよ
シロ
初心て?
高瀬川の和樹
和樹はゆりブーストが入ってるから
ゆり
「いい?高回転型にするメリットは、パワーバンドが上方にズレる、つまり高回転域でも容赦なくパワーを引き出すことができる」
「簡単に言うと、最高速度が伸びるってことね」
「でも、デメリットもある」
「それだけ、低回転時のトルクが細くなるのよ」
「つまり、下手にブレーキングして回転数を落としたら―――」
風馬
こんだけ弄ってたら中速域でもスカスカでは
シロ
スヤァ
高瀬川の和樹
「あぁ。登れなくなるってことか」
ゆり
「ええ。一気にパワーが落ちて、速度を立て直すのにとんでもないタイムロスが出るわ」
シロ
「足をシャカシャカすると、ちゃんとふまないから、すべっちゃう??」
ちょっと違う。
ゆり
「だから、彼らはブレーキングしない。一段……いえ、恐らく二段はギアを落として、エンジンブレーキだけで速度調整と荷重移動してコーナーへ進入してるのよ!」
高瀬川の和樹
「ははは、無茶しやがる。この勾配と角度だぞ」
ゆり
「全くだわ。ただでさえ荷重がフロントに向きにくいヒルクライムでそんな真似……」
「下手したら曲がれずに岩壁かガードレースにぶっ刺さるわよ」
「それどころか、あれだけの高回転セッティング、恐らく中回転域だってスッカスカ……。下手が真似したら、走行中にエンストしてハイサイドね」
シロ
「ゴチンしたら痛いぞ」
はい斉藤かー、たいへんなんだな!
正直絡める気がしないから茶々を入れてるだけ。
シャーリー
車系ややこい……。
シロ
中の人も「ぼんやりこんなかんじかなー」程度にしか分かってないよ。
高瀬川の和樹
「痛いじゃすまねぇよ。つんのめって吹っ飛ぶかぶち当たってお終いだ」
ゆり
「エンブレだけだと、当然ブレーキタイミングも相当にシビアなはず。イカれてるわよ、あの二人!」
「……いえ、イケてる、かしらね。むしろ」
高瀬川の和樹
「イカれてるで合ってんだろ。1980年代のレースかよ」
高瀬川の和樹
と発言したはいいがここ2022年で合ってんのか?(ゆうこやの年代とは)
風馬
恐怖心の薄い無機物でよかった
語り手
というわけで、ゆり先生のバイク講座終わり
高瀬川の和樹
もののけに無茶を言いおるこの飛乗物 なんですよ シャーリーとシロはPC的にもわかるわけがないというかついてく和樹が変
シロ
へーん
高瀬川の和樹
中の人は先日路上でS800Mを見てビビりました(四輪
語り手
今は2021年の年末です
高瀬川の和樹
年末かー
シャーリー
あー、年越しそば……。
高瀬川の和樹
そういえばそうだった
シャーリー
たべたい……。

風馬
標高が上がるにつれて、街の明かりが見渡せるようになる
シャーリーも同じ景色を見ているだろう
ふと、シャーリーの飛び方が目に入る
「……しのぶ」
シャーリー
大空を飛び回っている生命です。
しのぶ
『……うん』
風馬
「この先で、すごく強い風が吹く」
しのぶ
『分かるの?』
風馬
「ああ、あいつは、地面にしがみついて走るだろう」
「でも、オレたちは」
「オレたちなら、風に乗って走れる」
しのぶ
『……そうか!』
シャーリー
駅伝が見たくなるやり取りだなぁ。
風馬
というわけで最後の直線でパワーリフトしませんか!!
語り手
マリカ並のショートカットしますか
高瀬川の和樹
「はっ、あいつら── トんでやがる」
彼らが”何かをする”。その気配を感じ取って、深く笑む。
ゆり
「何?何よ?これ以上の無茶はやめてよ、見てるだけで寿命が縮むわ」
高瀬川の和樹
「やるだろ。あいつら、飛ぶ気だ」
「っつか、千年存在して来た奴の寿命ってなんだよ、寿命って」
ゆり
「概念的な何かよ!何か!」
風馬
後輪のトルク>空気抵抗+前輪の接地抵抗
語り手
むしろコーナー直前で加速して、つづら折れ一つパスしますか
風馬
マリカかな?
アップでショトカとはイカレてるぜ
語り手
では、フラグ立てときますね
女の子
『アイツラ、ナニカスルツモリダナァ?』
しかし、恐竜はほくそ笑みます
『デモ、ザンネンダッタナ!オレサマハ、シッパイナンテシナイゼ!コノママオサラバダゼ!』
語り手
蹴り足に更に力を込めて、恐竜の後ろ姿がタイトコーナーの向こうに掻き消えます
コーナーのガードレール間近には、いつかの風で倒れたものか、落石注意の三角看板が、ガードレールによりかかるようにして、倒れています
その有様はまるで―――
しのぶ
『風馬くん!』
風馬
「……あれを蹴ろう」
しのぶ
『行こう!』
しのぶの意志が、加速を求めて伝わってきます
風馬
目いっぱいアクセルをふかして看板に突っ込む
しのぶ
『吹け上がれ、ボクのエンジン!レッドゾーンのその先まで!』
ゆり
「んなぁっ?コーナー前でまた加速!?」
高瀬川の和樹
「……はは、」
「本当に、飛びやがる」
語り手
がん、という短い音
路面からの抵抗を失ったエンジンがから回る、更に甲高いエキゾースト
それは、逸話の龍の叫びにも似て
空を追うシャーリーの目の高さまで、駆け上がる一台のバイク
シロ
「とんだぞ!」
語り手
全員の視界の中で、その光景は、まるでテレビのスローモーションのように緩やかな放物線を描いて
高瀬川の和樹
続くコーナーは川の流れ。空は水。龍神は水神。──彼らを追って空気を泳ぐ河童の眼に、そのとき龍神が見えた。
シャーリー
レイレイ様!? 言いたかっただけです。
高瀬川の和樹
「”鹿児川”ァ、俺ぁ、龍を見たぞ」
風馬
ほんの一瞬だけ、視界が空と雲だけになる
シャーリー
「(おお……)」
しのぶ
『飛んだ……ボクの、バイクとしての、ボクの力だけで!』
シャーリー
目の前の景色に目を奪われてしまう。
風馬
「このまま、走り抜けよう」
「みんなを、つれて」
シロ
ああー、ここにnpcとはいえルークと雪花が居ればよかったな、と思うシロのなかのひとです。
語り手
舞う一台と一基の下を、谷間が過ぎて行きます
やがて、徐々に高さを失って降りてゆく先は、2つのコーナーを抜けた先の路面
しのぶ
『着地、する……!』
風馬
シートに密着するように姿勢を低くする
語り手
やがて、どん、という衝撃
突然戻ってきたグリップに、タイヤが左右に暴れようと揺れます
シャーリー
わお……。
風馬
「大丈夫だ」金属の棒のように風馬の腕がハンドルを支える
まぁ金属の棒なんですが
高瀬川の和樹
まぁ金属の棒なんですが にふいた
しのぶ
『風馬くん』
風馬
「しのぶ」
しのぶ
『ボクも……』
『噛めッ!ボクの足!』
風馬にだけ聞こえるしのぶの声と共に、タイヤは一度だけ甲高い音を立てて、しかし路面をしっかりと捉えました
語り手
空中で充分に高めていた回転によってたちまちに速度を回復して、バイクは駆け出しました
女の子
『ニャ……』
『ニャニィィィィィ!?』
背後から恐竜の叫びも聞こえた気がします
『ズルイゾ、オマエラーーーー!』
風馬
ほとんど頂上手前、街の明かりを背負って駆ける
シロ
道無視して空飛んだのはちょっとずるいんじゃないかなー、みちのけ思います。
風馬
道は切り拓くものさ☆
語り手
最高標高地点を示す標識を横目に、ポッカリと開いたガードレールの隙間を抜ければ、そこからは空に引かれた光の道
シロ
道があるなら良し。
語り手
後続を引き離したバイクは、最早ウィニングランの有様で、悠々と駆け降りてゆきます
歓声を上げる町の人たちが見上げるその上を、走り抜け
風馬
「……楽しいな」
しのぶ
『うん……走る、って最高だ』
高瀬川の和樹
「っと、見てる場合じゃねぇ!」一瞬逸れそうになった態勢を立て直す。余所見はいけない。
ゆり
「ぐわっ」
ぽかんと空を見上げていたゆりは、唐突に振られた勢いでガラスにおでこをぶつけました
シロ
「ピャッ」
ガラスにビターン、足下にぽろっ。
高瀬川の和樹
「あぁ。悪い悪い」
語り手
やがて、光の道を降り切ると、そこはゴールの恐竜博物館の前でした
風馬
「あれ、ここなのか」
語り手
その駐車場の一角へと、バイクは停車します
しのぶ
後続はちょっと待ってねw
シロ
うっかりうっかり

しのぶ
「ここがゴールだったんだね……」
風馬
「しのぶ」
しのぶ
「うん」
いつの間にか、人の姿を表していた少年は、頷きます
シャーリー
ゴールに向かってぴゅいっと飛びます。
風馬
「やったな」
しのぶ
その声に、少しぽかん、としてから
「……うん」
上気した顔で少年は大きく頷いて微笑みました
「ありがとう、風馬くん」
「キミのおかげで、ボクは……」
風馬
「いや……しのぶは、最初からすごかった」
しのぶ
「ボ、ボクが?そんなことないよ!」
風馬
「オレには神様とか、勝つとかよくわからないけど」
「しのぶと走るのは、楽しかった」
しのぶ
「うん……」
風馬
「しのぶが走るのをみてたみんなも、楽しそうだった」
しのぶ
「ボクも、さ。なんか神様とかどうでも良くなっちゃってたよ」
「そう、かな。だったら、ちょっと嬉しいかも。ちょっと恥ずかしいけど」
頭を掻く
「風馬くん」
右手を差し出す
風馬
「ああ」その手を握る
しのぶ
「キミは、ボクの初めてのライダーだ。それも、とびっきりの!」
「本当に、ありがとう」
風馬
「オレも……ありがとう」
「しのぶのおかげで、わかったんだ」
しのぶ
「えっと?」
風馬
「オレは空を飛びたかったんじゃない」
「風に、吹かれたかったんだ」
しのぶ
しのぶは、その言葉に、何かに気づいたような顔を一瞬してから
それから、もう一度微笑んで
「そっか」
「いい風、だったね。とっても」
風馬
「今までで、一番いい風だった」
しのぶ
二人の言葉が重なって
語り手
さや、と穏やかな風が、もう一度吹き渡って行きました
高瀬川の和樹
シーンが美しすぎて、逆に「ゆめ投げでここに割り込みたくない」気持ちが働いてゆめが投げられない現象
シロ
あるある
シャーリー
いいや、俺は夢を投げるね!

語り手
―――そうしていると
ドスドスドスという足音、エンジン音が近づいてきます
風馬
そちらに目を向けます
語り手
大きな身体を揺らして、恐竜。
そしてスポーツカーが続いて駐車場へと入ってきました
高瀬川の和樹
「よぅ。結局俺らはドベか、まぁ楽しかったぜ」その後ろへ滑り込んでくる。
ゆり
「まぁ、色々面白いものも見れたし、構わないんじゃない?」
高瀬川の和樹
「おう。地面を泳ぐってのも面白ぇもんだな」
風馬
恐竜の様子はどうでしょう
女の子
恐竜は、悔しそうに唸っています
風馬
「カラス」
女の子
『カラスジャネェ!』
風馬
「おまえ、すごいな」
シャーリー
「すごいです……」
女の子
『スゴ……スゴクナイ!オレサマハマケタ!』
風馬
「1回だけだ」
「あれを何回もやって、何回も勝った」
しのぶ
「そういえば、そうだね。ボクこれまで一回も勝ったことなかったよ」
女の子
『ソ、ソウカナ……』
シロ
「はやかったぞ。かっこよかったぞ」
風馬
「オレたちは二人だけど、おまえ、一人で勝ってたんだな」
女の子
『ソ、ソウダゾ!オレサマハヒトリナンダゾ!……ヒトリ……』
最後だけ、ちょっとしょんぼりとしながら。
風馬
「だから」
「おまえとしのぶなら、誰にも負けない」
女の子
『オレサマト……ソイツ?』
大きな首をもたげて、しのぶを見やります
しのぶ
「ちょっと怖い……」
風馬
「おまえも、走るのが好きなんだろ?」
女の子
『ソウダゾ!オレサマハシルノダイスキナンダ!』
風馬
「じゃあ、しのぶと一緒だ」
高瀬川の和樹
「龍神コンビか。いいじゃねぇか」こきこきと腕を鳴らしながら降りてくる。
女の子
『コンビ……』
恐竜は小さくつぶやいて
『……ソウカ!』
何かを思いついたように言うと
どろろん、という音と煙と共に、その姿がかき消えました
風馬
「うわ」
女の子
そして、その煙を割って飛び出してくるのは……
ピンクのジャンパーに首輪だけの女の子でした。
その子は、そのままの勢いで
しのぶの首ったまに飛びつきました
高瀬川の和樹
「あ」
しのぶ
「うわぁぁぁぁぁっ!?」
女の子
「決めたぞ!オマエ、俺様のヨメになれ!」
しのぶ
「ッはぁァァァァ!?」
「な、なんでそんなことに!?ていうか、キミ女の子だったの!?っていうか、その格好……!……うぅん、困るぅ」
シロ
わーいおめでたー
ある意味どっちも物質っぽいしだいじょぶだいじょぶー
いや、生きてるかも知れないけど。
(もうなんかあったら「おめでたー」って言ってやることにした。)
風馬
「そのしのぶに乗っても走れないぞ」誤解
シャーリー
「あーかあーおきいろのーいしょーをつけた……」
高瀬川の和樹
「っ、くく、はは。そうくるか」
風馬
「カラス……じゃないのか、しのぶ、こいつは何て名前なんだ?」
しのぶ
「知らないよぉッ」
風馬
「名前つけてやるか?」
語り手
おっ
シロ
何故か毎回発生する名付けイベント。
しのぶ
「名前って、そんな……」
風馬
「オレも、きつねが決めてくれたぞ」
女の子
「何だ?何かくれるのか?」
しのぶの首にぶら下がったまま、期待に満ちた目で見つめてきます
しのぶ
「えぇ……?う~~~ん」
語り手
名前、公募しましょうか
シャーリー
公募
高瀬川の和樹
公募!
語り手
いや、ここはしのぶが決めるべきか?w
シャーリー
その発想はなかった。
シロ
女子だから「かける」はないかなー
シャーリー
風馬くんでもいいのでは?
シロ
ソダネー
風馬
にわとりじゃないやつの名前はよくわからん!
シャーリー
じゃあ公募!?
高瀬川の和樹
しのぶくんか風馬くんがつけるのが絵にはなる 外野からわいのわいのしたいが名前の案が出ない

しのぶ
「えぇっと……」
「じゃぁ、恐竜だから……」
女の子
ん?ん?とワクワクとしているような女の子から目を逸らしながら
シロ
「りゅーちゃんだな!!」
シロ的法則。
風馬
きょーちゃんじゃないのね
高瀬川の和樹
「りゅーちゃん? いや待て、なんか聞き覚えがあるぞその名前」
シロ
「あれ、そーだっけ」
高瀬川の和樹
「東京らへんに旅に行ったときに、なんかそういう名前の奴がいたような……」
しのぶ
「りゅう、だと男の子みたいだから」
「タツミ……とか。美しい、龍で、龍美」
女の子
「タツミ!」
「タツミ!タツミ!」
高瀬川の和樹
「タツミか…… いいんじゃねぇか」
風馬
たくみじゃなくてよかった
シロ
「(りゅーちゃんがタツでみーちゃんだな)」
いや待てもうみっちゃんはいるのだ。
シャーリー
どさくさに紛れてシロちゃんの上にちょこんと着地。
シロ
モフ
シャーリー
もふ……。
女の子
「で、……タツミ、って何だ?」
きょとん、と皆を見渡す女の子
風馬
「おまえがタツミだろ?」
女の子
「俺様、タツミなのか?」
高瀬川の和樹
「おう。お前の名前さね」
女の子
「俺様の名前……」
「俺様、タツミか!?」
両手で己の顔を指差して。
風馬
「そうだ」
シロ
「たっつー」
タツミ
「そうか!俺様はタツミだ!」
シャーリー
そうだぞ!!!
風馬
「それからタツミのヨメ?がしのぶだ」
タツミ
「そうか!俺様のヨメはしのぶか!」
しのぶ
「キミ女の子なんだから、ヨメは、キミの方!」
風馬
「ああ、オレは風馬」
シャーリー
「私はシャーリー……です……」
高瀬川の和樹
「和樹だ。いいじゃねぇか、しのぶがヨメでも」
タツミ
「よろしくな!フーマ!シャーリー!カズキ!あと、白い丸っこいの!……と、おばはん!」
風馬
「シロだ!!」
あれシロさん離席?
ゆり
「……轢くわよ」
「あたしはゆり。忘れんじゃないわよ」
タツミ
「そうか!シロとユリ!」
シロ
「わん!」
失礼しました
高瀬川の和樹
「おう、宜しくな」
タツミ
「で、ヨメのしのぶ!」
しのぶ
「わかったよ、ヨメでいいよ……」
風馬
「オレたちはヨメじゃないから……友達だな」
タツミ
「トモダチ……」
風馬
「えーと、仲間?だ」
タツミ
「トモダチなのか?」
高瀬川の和樹
「おう。友達だ」
タツミ
「群みたいなもんか!」
シロ
「ムレ!」
「いっしょにはしろー」
タツミはおとな低そうだから追っかけても平気だね!
タツミ
「おぅ、走るぜ!」
「俺様、群に入れた!」
「群だ!群だ!」
言いながら、飛び跳ねながら、みんなの周りを恐竜の女の子……タツミは駆け回りました
高瀬川の和樹
「見事なもんだ」噛みしめるように、その様子を見てひとこと。
「……どっちが龍神になるじゃなく、両方で組めばいい」
高瀬川の和樹
この結論はだいぶんゆうこやらしいと思った>どっちが勝つじゃない
シロ
きゅーちゃーん、今ですよー! 今来たら生きてる動く喋る恐竜とお話しできますよー
風馬
きゅーちゃんにはなんとか服を着るよう調教していただきたい
シロ
そこはヨメにがんばっていただいて
シャーリー
ヨメ、ファイト
シロ
シロは多分「ヨメってなんだろー」って思ってる。
ゆり
「なんか、ぜぇんぶ美味しいとこ風馬に持ってかれた気がするわぁ」
風馬
いつものように無表情でみんなを見ている
高瀬川の和樹
「いいじゃねぇか。今回の主役はあいつらだ」
ゆり
「ま、それもそうだわね」
しのぶ
「風馬くん」
風馬
「どうした」
しのぶ
ようやくタツミから解放されたしのぶがやって来ます
「風馬くん、すごく素敵な人たちと友達なんだね」
駆け回るタツミとシロをみんなが笑っている姿を眺めながら。
風馬
「………」しばらく首をかしげる
「……いつも、そうだぞ」
しのぶ
「……うん!」
そうして二人は微笑みました
語り手
そんなことをしていると、もう一つエンジン音
河崎 翠
「おぉ~い」
語り手
やって来るのは、一台のバイク
風馬
「みどりだ」
シロ
ヒャホーウ。
みっちゃんだかこめかこめー
モフモフのままだけどな!
語り手
運転席に座る翠と、その後ろには
雪花
「やっと追いついた!」
シャーリー
エアコン女だ!
語り手
そして雪花の背負うリュックから飛び出した黒猫が一回転して
ルーク
「みなさん、おみごとなはしりだったのです」
シロ
そのへんもスルーできちゃう空間なのか。
風馬
お祭りだからね!
シロ
シロもシロのままでイイネ!!
語り手
実際、そうなんです

高瀬川の和樹
「よう」
風馬
「みててくれたのか」
雪花
「見てたよー!しのぶくんが、ビューン、って!」
シロ
「そらとんだぞ!!!」
雪花
「翠ちゃんのえあこん、全然遅いんだもん。すぐ置いてかれちゃった」
シロ
雪花ちゃん……
風馬
エアコン……
河崎 翠
「そりゃ、お前らが相乗りするからだっての……」
高瀬川の和樹
「ああ、相乗りされちゃ無理もねぇなぁ。お疲れさん」
河崎 翠
「お前らの走りがスゴイからさ。いてもたってもいられなくなって、乗り出したらこいつらが……」
ため息一つ
シロ
「みんなではしったほうがたのしいからな!」
タツミ
「おぅ!楽しいぞ!」
シャーリー
思考が雪花に危うくつられかけてた
シロ
えあこんとアイスにしはいされた?
風馬
寒ない?
シャーリー
雪女だから……。
「わーすごいね、このえあこん!地上走るんだー!」「あの……今は私がPCなんですが……」とか一人芝居が頭の中で。

タツミ
「お前らも来たのか!俺様はタツミだぞ!」
雪花
「……たつみ?」
シャーリー
「すごいです……」
風馬
「たつみだ」
ルーク
「たつみさん、なのです?」
タツミ
「おぅ!タツミだ!で、これはヨメのしのぶだ!」
言い、しのぶの首にしがみつきます
雪花
「ほほぅ?」
顎に手を当て
ルーク
「ほほー?」
顎に手を当て
河崎 翠
「やるじゃねぇか、隅に置けないな」
風馬
かわいいねえ
高瀬川の和樹
かわいい!
しのぶ
「これには色々事情がありまして……」
少しゲンナリしながらするしのぶ
語り手
そんな積もる話をしながら、夜は更けて……
ひと夜の前夜祭を楽しんだ人たちも町へと帰ってゆき……

語り手
そして、新しい朝がやって来ました
シロ
きゅーちゃーーーーーん!
風馬
「こけこっこー!!!」
ゆり
「枕食べなさい!枕!枕ァァァ!」
怒ったように風馬の口に枕を押し込むゆり
風馬
「んががが」
語り手
そんないつもの朝
シロ
スヤスヤ
高瀬川の和樹
「ふあぁ、お前ら朝が早ぇ」いちだんと眠そうにしながら。
「っつか腰痛ぇ、腕痛ぇ、脚痛ぇ……」
シロ
「ふーちゃん寝たか?」
「あたしはねてないぞ」
風馬
「んぐぐぐ」(ねてないぞ)
ゆり
「途中でダウンしても知らないから」
ちびきつねさま
「今日もみんな早起きだねぇ」
「でも、ちょうどよかったかもしれないよ」
シャーリー
起きてる!
風馬
「もが?」
高瀬川の和樹
「あん?」
ちびきつねさま
「聞いてごらん」
※ちょっと祭囃子っぽくないけど
「今日は、いよいよお祭りの日なんだ」
高瀬川の和樹
「……あぁ、そうか、今日だったな。なんか昨日全部終わった気分になってたぜ」
風馬
「むがむがもごご」(おまつりの音だ)
シロ
「けっきょくだれがかみさまなんだー?」
ちびきつねさま
「さて、どうだろうねぇ。よかったらみんなで見に行ってみようか」
シロ
ねむーい。いくけど。
風馬
「んぐ」(いく)
ゆり
「枕は置いて来なさい……やりすぎたあたしが悪かったから」
風馬
「……ぷは、味がしないな」
高瀬川の和樹
「そりゃそうだ。ってて」身体を起こして、筋肉痛に呻く。
語り手
そうしてみんなが宿から出てみると
そこは、賑やかで華やかなお祭りの景色に町が染まっていました
※「大判焼き」が売られている縁日の様子が背景に表示された
風馬
大判焼き文化圏

シロ
足!!!
シャーリー
足だー!
ゆり
「シロ、耳出てる」
シロの耳をそっと上から押さえつけ
シャーリー
「どうどう……」シロちゃんに。
シロ
はしりたいよぅ、こすりたいよぅ。
高瀬川の和樹
「おお、いいねぇ。祭りだ」
風馬
完全変身!
[ 風馬 ] ふしぎ : 51 → 47
[ 風馬 ] おもい : 61 → 57
語り手
たこ焼き、焼きそば、イカ焼き
ヨーヨー釣り、お面屋さん、射的
カラフルで魅力的なお店が並ぶ中を歩いていると
たくさんの人たちが行き交う中で、いろいろなお話が聞こえて来ました
「ーーー昨日、なんか変な夢みてさ」
「お前も?俺もーーー」
「なんか、今年の奉納舞は、一風変わってるらしいね」
「そうなの?」
「なんか、バイクだけじゃないんだってさ」
そんな声が聞こえてきます
ゆり
「仕込んどいて何だけど、都合よく忘れるものね」
シロ
「わすれるなんてもったいないなー」
ゆり
「まぁ、いいじゃないの。全部が全部忘れたわけじゃぁなさそうだし」
高瀬川の和樹
「あぁ。残るもんは、ちゃんと残るさ」
シャーリー
「……そうですね」
ちびきつねさま
「奉納舞かぁ。気になるね」
「ゆり、あそこのたこ焼き」
風馬
揚げ玉たっぷり
ゆり
「当たり前のように買ってもらおうとすんな」
高瀬川の和樹
「おう。お方様、なんなら俺と分けるか」
ちびきつねさま
「和樹は良い子だねぇ」
シロ
お方様はシリアスなのかそうじゃないのかたまに分かんない。
語り手
そんなことをしながらのんびりと神社へと向かうところで、今日は〆
高瀬川の和樹
おつかれさまでした!
風馬
お疲れ様でした!
シロ
お疲れ様ー
シャーリー
お疲れ様でしたー!


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ゆうやけこやけ

第一~二話『龍の眠る滝』『ともだち』
第三話『ふしぎなともだち』
第四~六話『ふたりのかげ』『たそがれのまど』『とびらをひらいて』
第七話 『さくら咲く頃』
第八話 『ふたりの娘』
第九話『みあげればそこに』
第十話『旅するゆうこや』 1 2 3 4 5 6
番外 こどもとTRPG 準備 『まいご』 『たからもの』 『化けニャン』

これは『インコグ・ラボ』が権利を有する『ふしぎもののけRPGゆうやけこやけ』の二次創作物です。