シロ
■■■■■20200125■■■■■
風馬
カァカァ
高瀬川の和樹
コーコー
語り手
ももももも
風馬
熊だ!
語り手
熊撃ちの女は面白いぞ
春日 晴姫
nullnull
アーアーーー
風馬
巫女だ!

語り手
さてさて、前回はレース祭りの内容を決めたところでした
いよいよクライマックスへ向けて、最後のつながり強化タイムです
改めて、繋がり表の使い方ですが
左縦一列に並んでいる駒の中から、自分の行を選んで、その左に並ぶ他者へ向けての繋がりを数字の駒を置いて設定します
それだけでOK、相手からの繋がりを気にする必要はありません
自動的に、横一行を計算すればもらえるふしぎ、
縦一列を計算すれば、もらえる想いとなリマス
風馬
20点ぶちこんでしのぶくんを3 → 5に
高瀬川の和樹
しのぶくん 1 → 3 10点
PC3人 3 → 4 21点 合計31点使用 残2点 これにて以上。

[ 高瀬川の和樹 ] ゆめ : 33 → 2
シロ
パーティーメンバー全員4にして夢消費24
:夢-24
[ シロ ] ゆめ : 29 → 5
ゆりさん3に
[ シロ ] ゆめ : 5 → 0
シャーリー
じゃあこっちはシロちゃんを8点消費で4にします。あとそうだな、風馬くんも4に上げておこう。16点消費。
[ シャーリー ] ゆめ : 18 → 2
語り手
こちらは、しのぶ → 風馬を5に、ゆりから和樹とシロを3に上げて終わり
[ 語り手 ] ゆめ : 34 → 4
風馬
わぁい開通
高瀬川の和樹
あれ? お狐さまからみんなへのつながりって1だっけ
語り手
おきつねさまは傍観者なので、全然上げてないんだな
シャーリー
こっち2になってました。
高瀬川の和樹
なるほど ってことはこちらのシート更新ミスだな
シロ
この表理にかなってるなー、美しいなー
高瀬川の和樹
この管理シートわかりやすいなあ
風馬
一目でわかる
語り手
あれっ相手と自分とで繋がりの数値が違うぞ!?
ってことが起きなくなるのも良い
高瀬川の和樹
うんうん
語り手
ではみなさま、繋がり強化はお済みですか?
高瀬川の和樹
おっけーです!
風馬
あ、前回のおもいふしぎ供出分
[ 風馬 ] ふしぎ : 45 → 25
[ 風馬 ] おもい : 52 → 28
シロ
ok
シャーリー
おっけー!

語り手
ではでは
場面は変わりまして
時間は夜
登場処理をお願いいたします
シャーリー
はーい
system
[ シロ ] おもい : 0 → 19
[ シロ ] ふしぎ : 0 → 22
[ シロ ] おもい : 19 → 13
っと
私大きくなっちゃいけないんだった
[ シロ ] おもい : 13 → 17
わんわん!
シャーリー
俺は鳥!
[ シャーリー ] おもい : 3 → 21
[ シャーリー ] ふしぎ : 6 → 23
no変身で。
高瀬川の和樹
完全変身でまいります。おもいから6点供出。
[ 高瀬川の和樹 ] ふしぎ : 0 → 23
[ 高瀬川の和樹 ] おもい : 0 → 18
[ 高瀬川の和樹 ] おもい : 18 → 12
風馬
完全変身
[ 風馬 ] おもい : 28 → 61
[ 風馬 ] ふしぎ : 25 → 57
[ 風馬 ] ふしぎ : 57 → 51
風馬
「かけっこもお祭りになるんだな」
高瀬川の和樹
「昔っからそんなもんさ。神さまに捧げるために走ったりしたんだ」
シロ
「はしるの楽しいよな!!」
ちびきつねさま
「今も昔も、祭りというものは、わくわくするねぇ」
高瀬川の和樹
「あぁ、そりゃあそうだな。色んな街の祭りに紛れ込んだが、どこもかしこも悪くなかった」
ゆり
「テンション上がるわねぇ」
「ホラ、町の人も段々集まってきたみたいよ」
語り手
ゆりの言葉通り、町の中からは思い思いの格好で、人がたくさん神社の鳥居をくぐり、わいわいと話しながら石段を上がってくるのが見えます
シャーリー
空から町を見てみます。
気分はくもじい。
シロ
こするー!
高瀬川の和樹
「おいおい、程々にしとけよぅ。怪我させんなよ」
シロ
「けがをさせるのは、にりゅう!!」
二匹の竜って事かな??
あの竜もケガさせてたしな!
高瀬川の和樹
「よし、ならいい」
シロ
ピューっと走って行きます。ヤッホゥ
語り手
「やぁ、今日は前夜祭で龍神様同士が張り合うんだとか」
「なんでも、世代交代の神事なんだそうだぜ」
「どちらが勝ってもおめでたい。ありがたいねぇ」
町の人たちは、特に疑問に思うでもなく、みんなにこにこと話しながら上がってきます
シロ
さすがふしぎ300のチカラ
シャーリー
ハートフル……。
高瀬川の和樹
「そうさそうさ、めでたいもんだ。あんたらどっちを応援する?」さりげなくその中に紛れ込んで話します。
語り手
「そうさなぁ、古き良き、本当の龍神さんにも頑張ってもらいたいが……」
「新しい時代の、これからを担う今の龍神様にも、頑張ってもらいたいねぇ。俺は」
風馬
なぞの曰くがついておる

風馬
ではそんなみんなの様子を見た後で、社殿に向かっておきますね
しのぶ
「風馬くん……こ、これは一体何事?」
風馬
「おまつりだ」
しのぶ
表の騒ぎに思わず顔を覗かせたしのぶ
「お祭りは、明日じゃないの?」
風馬
「しのぶと、カラスが競争するのを、みんなで見に来た」
しのぶ
「カラス?」
風馬
「カラス……じゃないのか、とにかく、あいつだ、りゅうだ」
しのぶ
「ああ、なるほど……って、えぇ!?」
「な、なんで町の人まで?見られたらいけないでしょ!」
風馬
「だいじょうぶだぞ」
宮司さん
「これはまた、何の騒ぎだい」
風馬
「みんな、しのぶとカラスに、がんばれっていってる」
シャーリー
「(がんばれ……)」
風馬
空のシャーリーに手を振る
「ぐーじ、競争して、おまつりする」
シロ
完全にあの竜の名前がカラスちゃんになっている件。
高瀬川の和樹
なっているけん。
宮司さん
「件の龍神さんとかい?それはまた、なんとまぁ、大仰になったものだね」
いつも穏やかな宮司さんも、思わず目をまん丸にします
「それで、皆こうして集まっているのかい……」
高瀬川の和樹
肝心の宮司さんに話がとおっておらぬ件
宮司さん
「それで、どうなんだね、忍」
しのぶ
「まだ、もう少し……」
シャーリー
軽く鳴き声を上げるけど届くかなどうかな……って反応をします。風馬くんに対して。
風馬
「シャーリーががんばれって」
しのぶ
「シャーリーさんも?」
思わず上を目庇で見上げます
風馬
「オレたちはしのぶ、お前にがんばれって」
しのぶ
「ありがとう、風馬くん、皆さん」
風馬
「なにか、手伝うか?」
宮司さん
「そうかね。ふむ……」
「そうだね、風馬くんには、お願いしよう」
しのぶ
「ありがとう、風馬くん」
高瀬川の和樹
同じこと言おうとしたけど宮司さんが言ってくれたのでお任せにある
宮司さん
「さて、そうか……」
「神事ならば、私が司る必要があろうね」
風馬
「ぐーじも、おまつりできるのか」
宮司さん
「そりゃぁ、私は宮司だからね」
しのぶ
「でも、ボクの支度はもう少しかかりそうなので、皆さんはお先に現地へ行っていてください」
シロ
「わんわん!!(がんばれ!)」
すごい毛がツヤッツヤしてる。
で、しのぶと宮司さんの足の間通ってまたシュッといなくなる。
風馬
それではスパンコールなスーツを着てレディースアンドジェントルメンと叫ぶ宮司さんの姿が
あれシロ分裂してる?
シロ
ちょっとだけ戻ってきた!
風馬
なるほど!
高瀬川の和樹
「あぁ、そうさなぁ、龍神さまの時代代わりの神事だ。俺ぁここに居合わせてよかったよ!」遠くから、人々に交じって話す和樹の声が聞こえてくるだろう。
風馬
「和樹―!先に山にいってってくれって!」
ゆり
「あら、そうなの?」
「間に合わなかったら、勝手に始めちゃうわよ?」
高瀬川の和樹
「分かったー!」するりと人々の間を抜けて、切り上げて山に向かいます。
宮司さん
「時代代わり、か」
「私の時は、こんなに賑やかではなかったな」
小さく苦笑をする宮司さん
シャーリー
なんだって!?
シロ
なんか意味深ー
風馬
「ぐーじ?どうかしたか?」
宮司さん
「いやいや、何でもないよ」
風馬ににこりと微笑みます
「それでは、準備をしなければね」
風馬
「ああ」

語り手
みんなが山の方へと向かった後
山へと向かうためにたくさんの人が境内を通る中
しのぶ
「風馬くん」
しのぶが風馬を呼びました
風馬
「しのぶ。何を手伝えばいい」
しのぶ
社殿の中へと招き入れると
「実は、後は細かな調整と増し締めだけなんだ」
「でも、キミにも準備が必要だと思って」
風馬
「オレの?」
しのぶ
そう言って、社殿の奥、佇むバイクの横には、衣紋掛けに掛けられた1着の装い
「ライダースーツ。それと、メットも」
風馬
よかった陣羽織じゃなかった
シロ
それはそれで似合いそうで格好いいけどね!
きゅーちゃんも呼んであげなきゃ! と中の人は思った。
しのぶ
「今日は、目一杯走るんだ。だから、キミにもしっかりとした装備をしてもらわないとね」
風馬
「みどりみたいな服だな」
しのぶ
「そうだね、翠さんはいつもしっかり装備してるから」
袖や胸、両脚の表面に銀の龍が走るそのスーツを手に取って、風馬に差し出します
「キミに、これを着て、ボクに跨ってほしい」
風馬
「……なんだこれ、繋がってるぞ?どうやって着るんだ?」
世話の焼けるにわとりですまんな
しのぶ
「ええと、まず服を脱がないと……」
着方を教えてあげます
風馬
では白ブリーフ1枚になった後に手とり足取り着せてもらおう
しのぶ
「そこまで脱がなくても良いんだけど……まぁいいか」
何故か気恥ずかしそうにしながら、風馬にスーツを着せ、ジッパーを上げる
「そして、ヘルメット」
風馬
「これもかぶるのか」
しのぶ
「これが1番大切なんだよ。メットの値段は命の値段、ってね」
上から、風馬にガボンと被せます
風馬
「なんか、見えにくいな……声が小さい」
しのぶ
「それだけ、防御も風防も完璧ってことだよ。走れば良さがわかるから」
言い、完全装備となった風馬を眺め
「うん、完璧。かっこいいよ」
風馬
自分の恰好を見ながら不思議そうに手をぱたぱたしている
しのぶ
「今はまだだけど、今夜、キミとボクは飛ぶんだ」
「地面スレスレのところをだけどね」
風馬
「飛ぶ」しのぶの目を見て同意
しのぶ
「うん」
頷き
「それじゃぁ、仕上げてしまうよ。宮司さんが祝詞をあげ終わるまでに間に合わなきゃ、出遅れちゃう」
言って、しのぶはまたバイクへと向かうのでした
風馬
静かに待っています

語り手
では一方こちらは山の方
スタート地点として設定された場所には、既にたくさんの人だかりができていました
シャーリー

人がたくさんいる~と空の上で思ってる。
シロ
なんかそれっぽい
風馬
へあぴん
語り手
流石に道路の上にまでは人は出てきていませんが、ガードレールの後ろで、みんな今や遅しと待っている様子です
道路の上には、既にスポーツカーの姿となったゆりの本身と、いつもと違う厳かな装いとなった宮司さん、そしてみんながいます
「すげぇ、FC……」
「イニDみてぇ」
シロ
そこで宮司さんがスポーツバイクで颯爽と参戦!
高瀬川の和樹
運転席で大きく伸びをして、「エキシビジョンで豆腐屋にでもなろうかね?」なんて笑ってる。
ゆり
「やめてよ、藤原とうふ店とかパンダカラーとか、冗談じゃないわ」
風馬
RX7でどこに豆腐積む気だ
高瀬川の和樹
そこはゆりに藤原とうふ店のアレになってもろて
シャーリー
シロ
得意げに道の端をテシテシ走ってる。
語り手
「おおっ、あのチビっこいのも走るのか?」
シロを見つけた人が声をあげたり
などとやっていると。
麓の方へと降る道の方から、どし、どし、という重たそうな足音が聞こえてきました
やがて、不思議な照明に照らされた道路の上、大きな影が姿を現します
シロ
「カラス!」
風馬
カニ改めカラス
シロ
カニはしのぶくんだよ。
風馬
あ、そっか
シロ
カニとカラスと豆腐の戦いが!
カラスが鳥と考えるとちょっと美味しそう!!
風馬
ちゃんこかな?
語り手
その姿を認めた、人だかりが、わっ、と湧きます
「おおお!マジで龍!」
シロ
「こここここここわくなんかないんだからな!!!!」
高瀬川の和樹
「おお、来やがったなぁ」
「二番手たぁいえ、俺も気合入れにゃな」
シロ
ピュッと和樹の足の間に隠れる。
シャーリー
「(隠れてますね……)」
高瀬川の和樹
「うお。そこにいると踏んじまうぜ、シロ」
シロ
あのでっかい足で踏まれるより和樹の足に踏まれる方が痛くないもん
高瀬川の和樹
「そりゃいいが、踏んじまったら俺が難儀だから横に座ってろ、横に」
「それか、なんなら膝に座っててもいいから」
シロ
横に座る!
語り手
『龍神!龍神!』
湧き上がる龍神コール
女の子
『ナァンダ、コリャァ……』
さしもの恐竜も、想像もしていなかった事態に、戸惑ったようにみんなの前に足を止めます
あ、見た目はオルニトミムスです
恐竜は、うるさそうに人だかりに向かって吠えますが、人たちはみんな返って盛り上がる始末
宮司さん
「来たね」
おずおずと進み、ゆりのスポーツカーと並んだ恐竜の前に、宮司さんが立ちます
女の子
『ナンダ、ジジイ』
宮司さん
「私は、お前さまが神になろうとしている社を司る、宮司だ」
自分よりずっと高いところから恐ろしい顔で見下ろされながら、宮司さんは怖がるでもなく、堂々と告げます
「この度の代替わり、祀る神を改める役だ。これから祝詞を上げるから、そこで大人しく待っておいで」
高瀬川の和樹
宮司さんかっこいいなあ
女の子
『ナンデ、オレサマガ ソンナコトキカナキャ イケナインダ』
『オレサマハ、ハシリタイ トキニハシル!ジャマスルナラ、フミツブシ チマウゾ』
恐竜が、大きな爪の生えた足を持ち上げ、宮司さんを踏み潰そうとします
語り手
でも、その時
周囲の空気が、ズシリと重くなった気がしました
それまでやいのやいのと騒いでいた人たちも、思わず黙りこくります
その重たい空気の真ん中、と思う方へと目をやると、そこには黒い瞳とした宮司さんが微動だにせずに立っていました
宮司さん
「これから祝詞を上げるから」
「……待っておいで」
女の子
何だかよくわからない、石のような空気の中、恐竜は怖気付いたように、持ち上げた足を静かに下ろしました
シロ
「……」こちらまでぴしっとなってしまう。
女の子
『……ナンダ、オマエ』
高瀬川の和樹
「……凄ぇ人だなあ」 思わず息を吐く。
語り手
恐竜の唸るような問いかけには答えず
宮司さん
「さて」
言い、大幣を宮司さんが持ち上げると
それまでの重たい空気が嘘のように消え去りました
シャーリー
大物だなぁ……。
宮司さん
大幣を捧げ、礼を繰り返し
幾度か大幣を振り
「掛けまくも畏き 伊射奈岐の大神……」
朗々とした声で、宮司さんは祝詞を奏上し始めました
高瀬川の和樹
「あぁ、あれがずうっと前から、俺らと共にあった人なんだなあ……」ぽつり、と運転席の中で呟いた。
ちびきつねさま
「……これは、驚いたねぇ」
ちびぎつねさまが、ゆりの膝の上でつぶやきました
「すごい神気だ。あの社に漂っていたのは、あの方のものだったのだねぇ」
高瀬川の和樹
宮司さんのだったの!?
シロ
この人前の話の時と同じ人なのかなぁ。
宮司さん
「筑紫の日向の橘の……」
女の子
恐竜も、もはや邪魔をしようとはしません
むっつりとしたままでしたが、大人しく祝詞を聞いています
宮司さん
「……払え給い清め給えと白す事を、聞こし食せと恐み恐みも白す……」
続いた祝詞は、やがて夜の山の空気に溶けるように終わり
更に幾度も大幣を大きく振ります
ばさ、ばさ、という音、大幣を掲げた宮司さんが身を折って首を垂れ
どうやら、祝詞は終わったようでした
女の子
『……オワリカ?』
宮司さん
「ああ、終わったよ」
頷きます
女の子
『ジャァ、モウハシッテモイインダナ!』
待ってましたとばかりに、爪で道路を掻きます
宮司さん
宮司さんは、その様子を見てから、つと山の下の方、神社のあるあたりを見て、そして次にスポーツカーに乗るみんなの方を見やりました
「忍は間に合わなんだか……」
「皆さん、始めてしまっても、よろしいかな?」
高瀬川の和樹
「……」同じように、神社の方を見やる。
シロ
「よんでくるか?」
シロ
多分要らないと思うけどな!
シャーリー
大丈夫ーと空から!
高瀬川の和樹
「いや……。あいつは来るさ。きっと、来る」
「来んわけが、ねぇ」
シロ
「そうか、そうだよな」
ゆり
「これであたしたちが勝った場合、どうなるの?」
シロ
「ゆーちゃんときーちゃんがカミサマになるのか?」
ゆり
「いやぁよ。趣味じゃないわぁ」
高瀬川の和樹
「俺ぁ旅人だからなあ。ここに座るのは性に合わんや」
シャーリー
指名制……?
ゆり
「ここの神様になれるんだったら、ちょうどいいじゃない。アンタ、ここの祭神になんなさいよ」
膝の上のちびぎつねさまを抱っこしながら
高瀬川の和樹
「おいおい、それじゃ俺らの町はどうなんだ」
ちびきつねさま
「ううん、そうだねぇ」
シロ
「みんなでひっこしてくるとか」
シャーリー
「(私は……冬は別の場所にいますよ……?)」
ゆり
「冗談よ。でも、後発のハンデはレースでは致命的よ?」
「ま、アンタらは信じてるんでしょうけど」
高瀬川の和樹
「ま、俺もやるだきゃやるさ。その上で、来ると信じてる」
「本当に俺らが勝っちまったら、そんとき考えらぁ」
ゆり
「いい加減ねぇ。まぁいいわ。それじゃ、神の座目指して走りますか」
シロ
「かみのざかみのざー」
宮司さん
そんなみんなのやり取りを見て、宮司さんは頷きました

宮司さん
「それでは、これより夜走りの神事を執り行う」
「双方、構え」
女の子
その言葉に、恐竜は身を低く身構えます
高瀬川の和樹
「おう」わずかに力を抜き、脚を定位置へ。
シロ
「みちをてらせっ!」
ゆり
ゆりのエンジンが、一度大きく吹け上がります
宮司さん
「五!」
語り手
『四!』
観客たちの声が上がります
三、二、一、とカウントは進み
高瀬川の和樹
スタート直前。一瞬だけ、神社のほうを振り返った。
語り手
きらり、と一瞬、そちらで光ったような気がしました
宮司さん
「始めぇ!」
宮司さんが大幣を振り下ろすと同時、恐竜は飛び出しました

※流れるノリノリの8ビートサウンド
語り手
やっぱり、BGMは8ビートだな、って
シロ
これ、ゆうやけこやけなのよね……?
語り手
走ってるのは全部あやかしだし、問題はないな?
シロ
そうだな!!
私只の重りでは?
高瀬川の和樹
シロはかわいい担当なので
シロ
こ、コース間違えないで済むよ!!
シャーリー
かわいいもんな。
シロ
上からだとレース状況見やすくていいなぁ。
高瀬川の和樹
コース間違えないで済む意外と重要では?

高瀬川の和樹
全く同時、クラッチを繋ぐ。アクセルを踏み込んだまま飛び出す。
シロ
転がらないように踏ん張る。
語り手
スキール音を響かせ、スポーツカーが走り出します
ゆり
「出遅れたわよ、和樹!離されたら承知しないんだから!」
高瀬川の和樹
「おうよ!」一瞬だけ出遅れたスポーツカーが、恐竜に食らいつくように疾走。
シロ
「がんばれーーーー!」
シャーリー
かわいい。
「がんばれ……!」
語り手
沸き立つ観客の前を、恐竜とスポーツカーが駆け抜けてゆきます
高瀬川の和樹
来ないか。一瞬だけそう思ったが、気持ちを切り替える。こうなれば、後ろを見ている間はない。
シロ
「いけいけー! かっちゃえー!」
高瀬川の和樹
「勿論!」
語り手
眼前の恐竜は、その長いストロークのために、いっそ穏やかにも見える駆け足で、しかしスポーツカーとの差を埋めることを許さぬ速さで走って行きます
頭から尾の先っぽまでを、ピンと一直線になるように下姿勢で、淡々と地面を掻いて疾駆する恐竜
コーナーでは、その鋭い爪を巧みに路面に引っ掛けながら、最短距離で曲がってゆきます
ゆり
「そんな出鱈目な……」
高瀬川の和樹
「あぁ、──走ってんのに、止まってるようだ。なァ、ゆり」進路を細かく調節しながら、その尾を只管に追いかけてゆく。
シロ
「すごいすごいすごい!」
びっくりしている。
なにしろ「みちおくり」をされた対象は恐怖で物事を考えられなくなる関係上、こんな速い速度で移動し続けたのは初めてなのだ!
高瀬川の和樹
「楽しいもんだなァ、こりゃ!」
ゆり
「言ってる場合か!」
「ってツッコむのも勿体無いわ。楽しみましょう」
高瀬川の和樹
「いいじゃねぇか。楽しんだもん勝ちだ」にぃっと笑う河童の笑みは、いつになく攻撃的だった。
語り手
和樹の前のメーター、速さを示すその針は、90の数字のあたりを行ったり来たりしています
先を走る恐竜、続くスポーツカー
距離は変わらぬまま、更にいくつかのコーナーを抜けた頃
高瀬川の和樹
「じれってぇ、俺もツバメになれりゃなぁ!」
ゆり
「あら、言ってくれるわね。四つ輪は、これだから楽しいんじゃないの」
高瀬川の和樹
「はっは、相手があれじゃじれったくてなぁ」
語り手
不意に、和樹の目に鋭い光が差し込みました
それは、サイドミラー、あるいはバックミラー
コーナーで位置が変わる度に、映る鏡の位置を変え、見えるそれは
獣を思わせる、両眼
ギラギラとした薄い青と翠に輝く瞳が放つ光が、ミラー越しに和樹の目を刺します
高瀬川の和樹
「!」不意に光が射しこんだ。目を細める余裕もなく、その光を受け止める。獣のようにつり上がったその両眼、機械の光は──!
「来たか!」
シロ
「きキキキキキきたー!?」
気絶してられないよもったいなくて!
語り手
見る間にミラーの中で近づくそれは、
気がついた時にはすぐ隣へと並び
一息もせぬ間に、駆け抜けてゆきました
高瀬川の和樹
ぎりぎりまでインを攻め、偶にミラーを擦りながら、ニッと笑う。先程までの攻撃的な笑みから、いつもの和樹の頼もし気な笑みに一瞬、すり替わった。
「あぁ、そうだ、行け! 俺らも行く!」
風馬
「行こう、あいつが待ってる」
シロ
「ふーちゃん!? あれふーちゃんだ!?」
語り手
その時、確かに見えたのはその獣の脇に閃く絵と文字
『忍』『龍』
の二文字、龍の背を踏み駆ける忍者の姿
あの惨たらしい傷を覆う、みやびやかな絵をひらめかせ、駆け抜ける瞬間
『失礼します!』
とだけ残す声
高瀬川の和樹
「あぁ、構うな、行け!」
もう一段。踏み込む。応えろ、ゆり。あいつらが行くなら、俺らも行く。
しのぶ
『行こう、風馬くん!』
風馬
能力<しあわせ>このPCを手に持つ、または抱えたキャラはあらゆる能力値を1増やせる。コスト0
しのぶ
しのぶのステが上がった!
シャーリー
キャッキャ!!!
シロ
人  馬

一  体
しのぶ
『高鳴る……ボクの胸が……250CC二気筒エンジンが!』
その高揚感は、風馬の胸にも飛び火して燃え上がります
風馬
「風が吹いてる……オレたちも風になろう」
語り手
しのぶはステ無いので、風馬のステ上昇してください
風馬
400CCになると思ったのに!
語り手
原型は原型なのだ!
シャーリー
なのだ!
ゆり
「……和樹、今何km/h?」
語り手
和樹の前のメーターは、100と90の間で揺れています
高瀬川の和樹
「90…… いや、100!」
ゆり
「ヒルクライムで、ニーハンが100出してんの!?……しかもこの音」
語り手
甲高く吠え猛るような音は、眼前で疾駆するバイクからのもの
ちびきつねさま
「まるで、龍の吠え声だねぇ」
ゆり
「スプロケの丁数変えた、って言ってたわね……めっちゃ高回転仕様に変えてきた、ってわけか」
高瀬川の和樹
「成程なァ。俺にはよくわからんが、”準備して来た”って訳か」
「しかし龍か、言いえて妙じゃねぇか。……ああ、ほっとしたら少し力が抜けた」
全身に力が入っていた和樹の背は、伸びる脚は、小刻みに車を操りながらも少しリラックスし、自然体となる。
高瀬川の和樹
「こいつぁ、楽しめそうだ」
ゆり
「悪い大人ねぇ。でも、あたしも乗ってきたわ」
高瀬川の和樹
「だろう。こっから本当の始まりだ」
シロ
「がんばれがんばれー! みんなはやーい!」
語り手
適度に脱力した和樹の腕が、河童らしい柔軟さを以て、シフトノブの上を踊ります
これまで以上にスムースなシフトワークで、更なる加速を駆けるスポーツカー
高瀬川の和樹
エンジンあるほうのレースはさっぱりわからんがスプロケの丁数変えるのはわからいでもない
ヒルクラ仕様なのかな
和樹&ゆりといい、風馬&しのぶといい、どっちもコンビなんだな
ゆり
その辺りは、次回にゆり先生がまたドヤ顔で語ってくれるさw>スプロケ
シロ
湖面を照らして輝く道を走り抜ける竜とバイクとスポーツカー
風馬
加速もコーナリングも、しのぶがそうしているのか、自分がそうしているのか区別ができないくらい、心が通じている気がする
しのぶ
(……すごい。とびっきりにピーキーに仕上げたはずのボクを、完璧に乗りこなしてる)
風馬
(昨日と全然違う、しのぶは、強い)
しのぶ
(勝てる。ボクたちなら、もっと速く、先の先へ伸びて行ける)

語り手
では、レース本番は次回として、本日はこれまで!
風馬
お疲れ様でした!
高瀬川の和樹
はーい! お疲れさまでした! 疾走感のあるゆうこや
シャーリー
お疲れ様でしたー!
シロ
おつかれさまー
シロ
そういえば前の話(しのぶがpcだったとき)で、しのぶはポテンシャルはあるがうまく走れていないって設定だったな。
風馬という相棒を得てリミッターが外れたと考えると熱いな。
語り手
そうなの
ちなみに、宮司さんは前回と同じ人だよ
高瀬川の和樹
なるほどなぁ
シロ
しのぶに好き勝手されたり嵐に翻弄されたりしていた宮司さんがこんな本性を隠していようとは。
高瀬川の和樹
いようとは。
語り手
ちなみに、Ninja250のヘッドライトを正面から見ると、本当にこんな感じで釣り上がった目に見えるんだよ
風馬
はえー
語り手
そしてロービームでは右目だけ点灯、ハイビームになると両目が点灯します
だから、普段のしのぶは左目が髪で隠れているんだね!
風馬
芸こま!
高瀬川の和樹
なるほどしのぶくんそういうこと!! 芸コマだ
語り手
今は本気モードなので、ハイビームで両目開眼
高瀬川の和樹
最高にかっけぇ
語り手
正直、この無改造で平成ライダーシリーズに出演できそうなルックスにやられて買った感ある>ninja250



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ゆうやけこやけ

第一~二話『龍の眠る滝』『ともだち』
第三話『ふしぎなともだち』
第四~六話『ふたりのかげ』『たそがれのまど』『とびらをひらいて』
第七話 『さくら咲く頃』
第八話 『ふたりの娘』
第九話『みあげればそこに』
第十話『旅するゆうこや』 1 2 3 4 5 6
番外 こどもとTRPG 準備 『まいご』 『たからもの』 『化けニャン』

これは『インコグ・ラボ』が権利を有する『ふしぎもののけRPGゆうやけこやけ』の二次創作物です。