【♪目覚めの森 ~ 鳥のさえずり】
語り部
前回までのゆうこや
この土地には子供がいない。桜は育たない。
『この土地は緩慢な死に向かっている』
先生ならきっとそんなむつかしいことばを言ったかもしれません。
そんな漠然としたものに包まれながらも、三人は りゅうのこども の家族を探してあげるため、みどりちゃんを連れて元滝のあった場所へ向かっています。
空には黒っぽい雲がひしめき始め、空気はひんやりとしてきました。
神社の桜は無事今夜を生き残れるのでしょうか。
しのぶ
リプレイ読んでてふと思ったんだが、しのぶがバイク神としてこの神社に君臨して、鎮守パワーで桜とか護ったりとかしたらすごいな、って思ったり思わなかったり
語り部
がんばって☆
雪花
しのぶくんが「あいあむごーっど!」って言いながら桜を護るの期待してます。
語り部
桜を伐るに空目してふいた。

【♪パズル】
語り部
出かけようとしたルークの足元に、見覚えのあるにゃんこが。
おにいさんてどんな猫さん?
ルーク
おにいさん: 地域をうろうろしている野良猫。エサはもらうがなれ合うつもりはない(飼い猫ではない)。気さくでいらんこと言いで、ルークによくいらないことを吹き込む。当人曰くイケメンだが(猫的に)フツメン。
語り部
白靴下、左耳の折れたぶちにゃんこがルークを見上げて何やらにゃーにゃー訴えていますよ。
ルークにはその『声』が聞こえます。
雪花
かわいい
ルーク
人間スタイルのままでも猫と会話(発話含む)はできますか? >語り部
語り部
そうね、変な人になること覚悟なら。
ネコには人の言葉ある程度わかるでしょうし。
しのぶ
ルドルフとイッパイアッテナ的な
雪花
子供の見た目なら微笑ましいはず>猫との会話
ルーク
人の言葉を相手に理解してもらうことはできるけど、猫語(?)を発話することはできないかんじ?
語り部
完璧に会話しようと思ったらネコにならないとだけど、人語をただのネコがどのくらい理解してくれるかにかかっております。
ルークと違って教養のあるニャンコではないので。
ルーク
なるほど了解。
しのぶ
人型だとネコ語しゃべれないのか
語り部
ある程度ふしぎやけものを使用するなら完璧な意思疎通もアリとします。
『オーイ、オーイ ワスレルナヨー』
と言っているのはわかります。
しのぶ
出かける時はーワスレーズニー
はむさん知らねぇんだろうなぁ、このフレーズ
ルーク
わすれるときはでかけずにー
雪花
知りませんね……。
しのぶ
はるか太古のアメックスのCMでそんなのがあったんだよ
アメリカンエクスプレスカード
雪花
(カード自体を知らないとか言えない)
しのぶ
というか、音声によるコンタクトなのだろうか>ネコ
語り部
ネコ集会でニャーニャー話してるし音声コンタクトしてるんじゃない?
※なんかそうでもないらしいですよ?

語り部
『ニャンゲンノマネ ヨリ ダイジ』
ルーク
じゃあ、<こころのぞき>で相手の意図を聞き取りましょうか。
ふしぎを6使用します。
語り部
『最近お前集会に出ていないだろ! ちゃんと出ろよ!』
『お前一番若いんだからさー』
なんと三歳のルークが一番若いというこの異常事態である。
しのぶ
ネコ集会をサボるネコは、ムラハチにされてしまう
語り部
『あと アンコロモチ 美味かったからまたクレクレ』
ルーク
「あのあの、ルークはだいじなようじがあります。神社のさくらをまもりたいのです」 かがみこんで、ねこさん相手におはなししてますよー、な感じ。
「なので、こんどは行くからゆるしてください。あんころもちはちゃんともっていきます」
雪花
かわいい
語り部
野性味の抜けたルークは集会をサボりまくっているであろうという勝手な語り部の押し付けである! ごめんね。
ルーク
問題ない!
ルーク
あ、「むすこさん」に話を聞いたところ、ルークはちがいのわかる猫であることが新たに明らかになりました。
いいとこの(好きな種類の)あんころもちは喜んで食うのに、嫌いな安あんころもちは差し出してもプイッするのだとか…… >ルーク
※ルークには実在のモデルがいるのです。
語り部
『サクラ? あのふにゃふにゃの木かにゃ?』
『枝で寝たら気持ちよさそうなのにちっさくて登れないにゃ』
ルーク
なんだかふにゃふにゃとうなずいているルーク。「さくらのかみさまをあめからまもりたいのです」
「あと、この竜のこどもの家族もさがしてます。ちっちゃいこがいっぱい」
なんだかまじめくさった顔をして猫相手におはなししている子供である。
語り部
『……よくわかんにゃいけどがんばれにゃ。りゅうはよく知らないけどさくらのことでなんかあったら手伝ってやってもいいニャ』
『とにかく伝えたにゃ。アンコロモチ……と集会忘れたらダメニャ』
ルーク
「かんしゃします」ぺこり。集会はいつあるかわかりますか?
語り部
そういえば今晩だったような気がする!
ルーク
ワーイ予定がいっぱいだー。猫の集会ということは夕ご飯よりあとみたいなイメージでOKですかね?
語り部
夕飯後から夜中ですね。
ルーク
了解です。
ちょっとした遅刻はきっといつものこと。
語り部
遅刻くらいは問題ではないのです、きっと。アンコロモチがあれば。
ルーク
アンコロモチで懐柔される野良猫たちの野生は大丈夫か。
雪花
(そもそも人間が何歳から言語能力を取得するかよくわかってないことを思い出した私は)
語り部
さて、おにいさんは境内のハトを追いかけて行ってしまいました。
しのぶ
あ、境内か
ということは、我々もいる前だったのか
語り部
いる前でした。
ただしネコ語はルークにしかわかんないです。
雪花
そっとにこにこと見守っているスタイル。
どうせ猫のいう事なんてよくわからないよー! ってスタイル。
しのぶ
必死で二人の会話をヒアリングしていたけれど、やっぱり判らなかったので、少しがっかりした表情
語り部
みどりちゃんもそっとにこにこ見守っている。ルークは子供だし、子供が動物に話しかけていてもおかしな光景ではないのです。
仲良しのネコなのかな? という顔で微笑ましく見られました。
ルーク
おにいさんに手を振って、さようならー、ってしてます。
語り部
さてさて、出かけてよいですか。
雪花
こちらとしてはオッケーです!
しのぶ
はーい
ルーク
おっけーです!
語り部
徒歩で、ということでしたね。冒険できて近道な表通りますか、回り道で平坦な裏を通りますか?
しのぶ
急がば大冒険
雪花
大冒険しましょう。
ルーク
大冒険しませう。
語り部
今昼過ぎですね。表を通ってゆくならトラブルがなければ夕暮れ前に到着できるでしょう。
雪花
トラブルがないことを祈りながら冒険します。

 
語り部
さて丘を越え林を抜け森を分け入り細く続く獣道じみた参道を、四人はえっちらおっちらと行くのでした。
それぞれ「けもの」はいくつ?
しのぶ
雪花
1
ルーク
そんなものは1。
しのぶ
あ、狩衣では厳しそうなので、出発前にトライアル用のレーシングスーツに着替えて行くよ
ルーク
ルークは出遅れたり迷ったりした場合、「ねこみち」でシレっと登場する予定です。
ふむ、であれば、ルークはみどりちゃんの気をひいておいて、雪花さんは「そらのみち」するとかどうかな。
しのぶ
それか、滝のとこが【町の外】扱いなら【どこかとおく】という手も
語り部
町の外ですよ。
けものが低いふたりがそういった手を使うなら、時間は短縮できそうですね。
では雪花とルークは、割れた板を踏み抜いたり足を滑らせたり崩れる砂に押し流されたりするイベントを華麗にスルーですね。
ルーク
では「ふしぎ」を5、「想い」を5使っておきましょう。
雪花
ふしぎを8点使用します。
語り部
あ、しのぶはそんな面々を尻目に軽々と歩いてゆけます。
ルーク
ルークはいつのまにか、目の前を舞った蝶…… いや、蛾だこれ。を追いかけていなくなっていたが、気が付くとしれっとそこにいる。
語り部
「あれ、ルークくんいつの間に抜かされたんだ?」
ルーク
「ちょうちょをおいかけてたらここにいたのです」手の中にでっかい目玉柄の蛾がいる。
雪花
気が付いたら、一瞬でワープしている。みどりちゃんが気付いたら大慌てだろうから気付かないことを祈るしかできない。
しのぶ
いや、一応翠に気付かれないように気を引いておくよ
雪花
ありがとうございます……!
ルーク
しのぶくんありがとう!
語り部
ではしのぶとみどりはバイク乗りとして熱く語り合った。
雪花
男同士の熱い友情ですね!
ルーク
熱いユウジョウ!
しのぶ
ユウジョウ!
しのぶ
姉妹車であるZ250の乗り味については、非常に気になるところだ
語り部
そう、楽しい会話をしていればついつい見えているはずのものが見えなくなってしまうものなのです。
そんなこんなで、思ったよりも早くひみつきち前に到着することができました。
しのぶ
場面変わったってことでいいのかな?
語り部
おーけー
幕間処理タイム

しのぶ
シーン登場により、しのぶ のふしぎを+15
シーン登場により、しのぶ の想いを+11
ルーク
シーン登場:ルーク のふしぎを+10した
シーン登場:ルーク の想いを+13した
雪花
シーン登場して、雪花 のふしぎを+17しました。
シーン登場して、雪花 の想いを+11しました。
【♪永伏山中】
【♪目覚めの森 ~ 鳥のさえずり】
語り部
では化石探しですが……
みどりは雪花の氷室の方だと言っています。(もちろんみどりはそこが雪花の生まれた場所だとか知りません)
そちらに向かうということで宜しいですか
雪花
了解です。氷室へ行こうぜ!
しのぶ
OKです
ヒムロー
ルーク
こちらもOKです。
語り部
距離は前述のとおり近いので、ちょっと歩けば到着することでしょう。
どれくらいの時間、どうやって探すかなにかプランありますか?
みどりは以前川が流れていたあたりを指さします。
雪花はもしかすると、そこに真っ赤な顔をして倒れていたみどりちゃんの姿を思い出すかもしれません。
雪花
「……あの時、みどりちゃん倒れてた……」とぼんやりと呟く。
語り部
「ああ、暑い日だったから……確かこの辺で見つけて」
みどりちゃんは岩の間をごそごそと探しています。
雪花
ではそれをしゃがんでじっと見ます。
しのぶ
「今の季節、熱射病には気をつけないといけませんね。クーラントの確認はしっかりと」
語り部
「……まあそう簡単に見つかるもんじゃないよな……」
雪花
ダンゴムシを見つける要領で探してみたいですね。
「あ、ダンゴムシいっぱいいますね!」
ルーク
ダンゴムシ! 思わずダンゴムシをコロコロして遊んでしまうのず。
語り部
「探してるのはダンゴムシじゃないんだろ?」
ルーク
「はっ、そうでした」
雪花
「探していたのはダンゴムシじゃなかった……」しょんぼり。
ルーク
「こう…… まるくてころころしたものは魅惑的で……」
しのぶ
虫は自慢のカウルを汚してしまうので苦手なしのぶ
前回来た時は、地面の下から感じたんだよね
語り部
そうです。
しのぶ
さすがにそれを掘り起こすのは、重機が必要なレベル?
語り部
子供が拾えるようなところにもあるくらいですから、もしかしたらもう少し見つかるかも? という希望は……微レ存?

語り部
「専門家ならどこにあるかとか分かるんだろうけどなぁ。化石の声でも聞こえれば別だけど」
雪花
「大人の力でなんとかならないの? みどりちゃん!」むちゃぶりしてみましょう。
化石に対してこころのぞきってできるのかな?
しのぶ
意識のあるモノであれば、いける……?
語り部
化石さんがしゃべっていれば……
千歳みたいなはっきりした存在ならなんか考えているかもしれないですけれど。
ルーク
「竜さん竜さん、家族のけはいはしませんか?」 竜の卵を取り出して反応がないかそこいらにかざしてみましょう。
語り部
ルークがそういうことをするなら、卵がほんのり暖かくなった気がします。『確実に気のせいです。霊的にってやつです』
しのぶ
その暖かさが一番強くなるところを探すんダ!
ルーク
どのあたりにもっていくと暖かくなる、みたいな具体的な反応はありますか?
しのぶ
ぴこーんぴこーん
語り部
ではへんげで4か6か8を目標値で。
しのぶ
判定は化石持ってるルークのみかな?
語り部
事情を(こっそり)聞いて卵に触れるならルークじゃなくても判定できますよ。
雪花
きゃっきゃと話しながら情報を聞き出しましょう。
しのぶ
では、ふしぎを7つかって、へんげ8
バイクレーダー
ルーク
卵を真ん中に円陣を組もう!
しのぶ
360度どこから襲われても対処が可能!
ルーク
「竜さん竜さん、家族の居場所をおしえてくださーい」きゃっきゃ
語り部
みどりは真面目な話かと思ったのにやっぱりごっこ遊びなのかな、みたいな顔で笑って見ています。
雪花
みどりちゃんをそっと円陣の中に加える。
外からほのぼのと観察できると思うなよ!!! >みどりちゃん
ルーク
「みどりちゃんも一緒にどうぞー」 そっと加えられたのを受けて。
語り部
「じゃあ俺も。龍さん龍さんどこですかー」
わりとノリのいい翠。
ルーク
「どこですかー」
しのぶ
もちろん我々の顔は真剣そのもんですよ
雪花
「どこですかー」
語り部
するとしのぶの肌にぴりぴりとした幻のような感覚が。
何かがこちらを見ている気がします。
しのぶ
「はうっ」
思わずびくっと背筋伸びる
そちらの方向はわかりますかね
語り部
わかりますね。ひときわ大きな岩が割れているあたり、地層の断面が見えています。
岩の陰に隠れていましたが、崖に地層がくっきりと見える部分があります。
おそらく地震の時に引き裂かれた大地の傷跡でしょう。
しのぶ
「そうか、断層……!」
思わずそちらへ駆け寄ります
ルーク
「ひらめきの予感!」一緒に突撃します。
竜の卵はちゃんと持っておく。
しのぶ
見た感じ、何か目立つものとかありますか
語り部
よーく見ると、特殊な形の石が、ある層に突き刺さっています。
しのぶ
どんな形だろう
語り部
これは……骨。ということはしのぶにはわかります。前にみどりの宝箱に入っていたものと形が似ています。
そのすぐ近くには、小さなとがった円錐状のものも。
しのぶ
「ありましたー! ありましたよー!」
振り返ってぶんぶん手を振る。
そして目の前に既に来ていたルークにびびる
ルーク
「これ? これが竜のほね?」 それらをのぞき込んで、カンカンの中にあった竜のほね? と見比べてみます。
語り部
ルークの目にはそれはよく似ているように見えます。
雪花
「でかしました!」
語り部
「あったって?」
「龍の骨? 化石!?」
「いや、うっそだろ? 本当に?」
しのぶ
「ですです! 龍の化石です!」
雪花
「すごいなぁ……!」感嘆。
ルーク
あと、竜の卵を骨にくっつけて反応を見てみます。
しのぶ
「びかーーって光って龍が復活したりしませんよね……?」
おそるおそる
語り部
卵の反応がゆるやかになりました。
今のところそんな気配はありませんが、この近辺に流れていた冷気にかすかに『暖かい』空気が混ざり始めています。
ルーク
「あれ? なんだかあったかい?」
しのぶ
「なんかほっとしますねー」
語り部
雪花がダメージを受ける類の物理的な温かさではないです。(念のため)
しのぶ
よかった。少し気になっていた
雪花
「なんか……眠くなってくるような……」うとうと
語り部
「ちょい休んで茶でも飲もうか」
「本当に化石なのか? これは」
言いながら翠は携帯で写真を撮りまくっています。
「うまくいったら記事になるかもな」
雪花
みどりちゃんの幸せが雪花の幸せです(たぶん)
しのぶ
「町おこし! ……になりますかね?」
そわそわ
ルーク
「うまくいったらすくーぷなのです。恐竜祭りできるかも」 おまつり! したい! と顔にかいてある。
語り部
「なるんじゃないか? 恐竜の化石なんて滅多に出ないし」
「お祭りかー。バイクと恐竜と桜の祭りだっけ」
雪花
町おこし、と聞いてちょっと顔が明るくなる。ぱあぁ!
「おまつり! おまつり!」
しのぶ
どのくらいのパーツが揃った化石なんだろう
語り部
さすがにそこまでは、きちんと発掘作業をしないとわからないと思いますが、
しのぶ
そりゃそうだよね
語り部
少なくとも安堵の気配は雄弁に家族の再会を物語っています。
雪花
よかった……。
しのぶ
「これでミッションコンプリート! ですね!」
小さくガッツポーズ
ルーク
「こんぷりーと!」 ガッツポーズ!
雪花
「コンプリート!」万歳!

語り部
「で、専門家がいるとか、言ってたっけ」
ルーク
「戻ってはせべさんにみてもらうことをていあんします」 ニャッと挙手。
語り部
「はせべ? しらないな。この町の人?」
ルーク
「恐竜にくわしそうなひとです。おとうさんのお客さんです」 詳しそう、のところに、強力にたぶん! と付け加える。
しのぶ
「長谷部さんは先生の教え子の方で、考古学などを修められているそうです」
ルークの解説を補足する
ルーク
「恐竜がすきだってほんとかみせてくれました。ルークよりはくわしい」
雪花
「とにかくすごい人なんだよ!」ぼんやりと。
語り部
「すごい? 考古学者? なるほど。お客さんっていつまでいるんだ?」
お茶ごくごく
しのぶ
いつまでなんだろう……
雪花
聞いてなかったね……
ルーク
「夕方あたりからくる、って聞いてます。いつまでかはわかんないので取り急ぎもどることを提案」
しのぶ
「そうですね」
と頷き
ルーク
見つけた骨のかけらを少しだけ失敬していきます。
語り部
「夕方か……帰るころには陽が落ちるな」
「よし、急ごう」
雪花
「いそごう!」
しのぶ
(ところで、龍のご家族は見つかったけれど、境内の桜の問題はどうやったら解決できるんだろう)
もうひとつの大きな問題がある意味ほったらかしなので、もんやりなしのぶ
真っ黒い雲が広がりつつある(?)空を見上げて、胸がざわざわ
語り部
また皆で帰る?
雪花
帰りましょう。
語り部
おそらく夕暮れにはたどり着けるでしょう。ただ、天候は明らかに崩れ始めています。
帰りはちょっと降られるかも。
しのぶ
うーん
神社に戻って、雨よけでもしてきてあげようか
ルーク
一番分かりやすく長谷部さんたちと会話できるのはしのぶくんだと思うので、それなら逆がいいかな。しのぶくんがルーク家へ行って、ルークが雨よけしてくる。
語り部
三人とも何らかの方法で高速移動するスキル持ってるからね。
ちょっと便利だなこれ。
しのぶ
ふうむ
雪花
そらのみちが使えたらなぁ……。
ルーク
ルークはルークの家では人間形態できないだろうしね。
しのぶ
それはそうだ
語り部
それはさすがに会話の違和感でバレそうだw
雪花
ですねぇ。
しのぶ
じゃぁ、ルークにこっそりと社殿のカギ渡して
「【社殿の中のボク】にかかっているカバーを使ってください。ちょっと良いモノのはずですから、ちゃんと固定すれば雨も通さないはずです」
と耳打ち。
カバーの固定は、しのぶの前後輪に装着されている、重機でも切れない超重チェーンロックを重しにどうぞ。
ルーク
こっそりうなずく。
語り部
では、どうする? 四人で普通に帰って町で二手に分かれる、ということでいいかな?
ルーク
そうなりますね。ここで二手にわかれよう。
雪花
オッケーです!
語り部
では、半分ほど行ったところで雨がぽつぽつとぱらつき始めます。
「予報より早いなー」
雪花
「もう少し持ってくれてもいいのにー」とぼやき頬を膨らませる。
しのぶ
ぞわわ、と走る怖気に身を震わせて、急ぎましょうと皆を急かす。
語り部
レインコートでも持ってくればよかったと文句を言いながらスマートフォンを覗き込んで、
「おいおい、話が違うぞ? ヤフーさんよ」
「早く帰ろう。大雨が来る」
しのぶ
「おっ……」
大雨、と呟いて、顔が更に青ざめる。
雪花
「しのぶくん、おちつこ?」と言っても落ち着けないんだろうなぁ……。と。
しのぶ
分け身だから問題ないはずなんだけどねぇ
語り部
遅れがちの雪花とルークの手を引いて、翠が少し早足になります。
「俺今晩帰るつもりだったんだけどな……」
そうこうするうちに雨粒が大きくなってきました。
【♪Raindrops#1 Aqua】
ルーク
「ニ゛ャッ! あめだー!?」
雪花
「雨だ
ー!」
しのぶ
「ひぃぃ、マフラーが、チェーンが、ミラーが、タンクが」
桜の前に自分が折れそうなしのぶ
雪花
「まって、しのぶくん」ツッコミ
しのぶ
雪花に、「クリリン、お前鼻が無ぇじゃねぇか」的なツッコミで目を覚まさせてもらうしか
ルーク
「けなみがー!」
雪花
「まって二人とも」
語り部
翠が雪花に上着を脱いでかけてあげます。
「風邪ひかれても困るし」
雪花
「ありがとう!」と言って、ちょっと照れますね。
語り部
空は急速に暗くなり、次第に勢いを増してゆく雨。
四人はいろいろ間に合うのでしょうか。
以下次回。
【♪「Reset」~「ありがとう」バージョン~】
語り部
というわけでおしまいでございます。
しのぶ
おつかれさまでしたー


コメント By.

ゆうやけこやけ

第一~二話『龍の眠る滝』『ともだち』
第三話『ふしぎなともだち』
第四~六話『ふたりのかげ』『たそがれのまど』『とびらをひらいて』
第七話 『さくら咲く頃』
第八話 『ふたりの娘』
第九話『みあげればそこに』
第十話『旅するゆうこや』 1 2 3 4 5 6
番外 こどもとTRPG 準備 『まいご』 『たからもの』 『化けニャン』

これは『インコグ・ラボ』が権利を有する『ふしぎもののけRPGゆうやけこやけ』の二次創作物です。