こちらにはキルキルイキル
ネタバレがあります。

全てが終わった後で。

8 のこされたもの



その動画は、ふらっとお薦め一覧に出てきた。

迅がバイトをやめた頃くらいから、ちょくちょく動画を上げているのは知っていた。今どうしてるんだろうな、なんて、懐かしむような気持ちで動画を見ていた。

幼馴染と一緒に、そいつのバイクで旅行に行く動画。その幼馴染が上げてる、フリーBGMを背景に紙飛行機を飛ばすだけの作業用動画。最近のでいうと、桜を追いかけて九州から北海道まで行くなんてことをいきなり始めてて、何やってんだって笑ったりした。

時を追うごとに、迅の雰囲気はどこか穏やかになって、幼馴染にどこか似てきていた。

そういう動画たちを、いつも歌が彩っていた。
沈む夕日の向こうを眺めているような眼差し。穏やかで、やさしい、迅の歌声。

その一番最後に、あの動画があった。
少しいつもと雰囲気の違う動画だった。

迅が部屋に座って、語り始める動画だった。


その中身は、怪談のような小話のような、少し不思議なものだった。
迅と幼馴染み自身を題材にした物語。あいつらが知らない部屋で目を覚ます所から始まって、少しずつ部屋が崩れていって、幼い頃の幻を見て──幼馴染の体に迅の脳味噌が入っていて、迅と幼馴染が実は一人だっただなんて、途方もないオチで動画は終わった。

迅、語ってみたでも始めるのか。最初はそう思っただけだった。けど迅の口調があまりに真に迫っていて、声があまりにも悔しそうで、俺は動画を最初から見直した。その動画には出典やメイキングが無かった。まるで本当にあったことを語るような余韻だけを残して終わった。いくつかコメントがついてたが、投稿者の返事はなかった。

まるでそのまま途切れてしまったように。

不意に嫌な予感が背筋を駆け上って、俺は家を飛び出した。迅の家なんて知らないけど探し回った。息を切らせて走るうち、俺は色んなことを思い出していた。

迅と、全然違う雰囲気の幼馴染。迅が倒れたこと。入院先で見た迅の顔が、幼馴染にひどくよく似ていたこと。動画の中で見る最近の迅が、少しずつあの幼馴染のように、穏やかになっていっていたこと。

アクションカメラ持ってるくせに、二人並んで映る動画が、ひとつもなかったこと。

ようやく見つけた家に向かって走る道の先、真っ赤な夕陽が落ちていく。終わりへ向かって坂を歩いていくような、あの静かな眼差しが見えた。


部屋の扉が、微かな軋み音を立てて開く。
夕陽の光にカーテンが揺らめいて、まるで海を見ているようだった。



作 闇司祭ファラリス 2022/5/24

墓参り

2022年9月19日

心残り
海野 迅
めたくそ今更のキルキルだけど、SAN値尽きる前に渡川家の墓に行きたかったです。ていうか行ったことにさせてください。
あそこには京の灰も撒いてあるんだ。
渡川 京
ぜひ!! それはぜひ最後に来ててほしいな
行ったとしてほんとに直前なんだろうな
海野 迅
未来が見えなくなったからあっちの京にもお別れが言いたいし。
つか、同じとこ行くから「今からこいつ連れて行くわー」ってお知らせというか?
(まあ、行ってみたら同じ人だったりするかもしれないんだけど)
というか前の京と同じとこ行けるかもわからないから、やっぱりお別れかも。
あと今の京を引き合わせておきたいとか、まあいろいろ複雑なアレコレがですね。
普通に死んだのとはまた違うから、やっぱりお別れかな。
渡川 京
お別れなのかそれとも同じ所へ行くのか、迅さんはどう思っているんだろう。色んな思いを抱えての再度の墓参りになりそうで。
番外編としてシーンでやってみたい気もしますし、迅さん単独の話になる気もしますし、どっちにしましょう?
海野 迅
いや、一緒に行きたいんだよね。
勿論灰のことなんかはいわないから、表向きはご先祖にご挨拶とかで。
渡川 京
おお、でしたらどっかでやります?ぜひ一緒に行きたいのもそれはそう
海野 迅
久しぶりにやりますか?
渡川 京
どのへんの時点の迅さん/京なんだろう
しましょうしましょう
海野 迅
最終話直前辺りがいいなぁ。
渡川 京
いいですな
海野 迅
久しぶりにキルキルのログ読み返していて、墓参りのとこ読んで、ああ来てなかったなと。
「また来る」って言ってたのに!
渡川 京
行かねば!
海野 迅
たまにこっそり足運んだりはしていたかもしれないけど、京も連れて行きたくなったんですよ最後の最後!!
渡川 京
なんでもない話なんかしながらさ。
海野 迅
なんならその墓参りから帰った後の最終回でもいいし
なんなら墓場でそのまま最終回でも
海野 迅
……それは家族があまりにもかわいそうか?
まあ死ぬと決まってないけど。
渡川 京
終わるときは海なんですよねぇ。ありえる。>墓参りでそのまま
あ、でもアフター話で六甲くんがなにかを見つけているから、墓参りから戻ってきてからですね
海野 迅
ああ、そうか。
渡川 京
さすがに六甲くん萩まで行ったの?っていうのはなさそうだし
海野 迅
たしかにー
じゃあ帰宅して……かな。
渡川 京
帰ってきて、いつもの空を見上げて、そこで……かもしれませんね

はじまり
渡川 京
よいしょ
海野 迅
こんばんは
さすがに最終話やった部屋を再利用するのは嫌だったんで、新規部屋ー
渡川 京
ですねぇ それは雰囲気があわない
あの場所あの時間は唯一
どうしましょう、最初の語りどっちが入れます?
海野 迅
では、ちょっと察しちゃった迅が墓参りを思い立っちゃう。

海野 迅
「なあ、いる?」
最初に話しかけたのがどちらからだったのか、正直分からない。
渡川 京
「ああ、居る」次に応えたのがどちらだったのかも、正直分からない。ただその声は、窓辺に座る影のように静かで、穏やかだった。
海野 迅
少なくとも今喋っているのは、『俺』の方だ。
「なあ……ちょっと心残りがあってさぁ、俺」
渡川 京
「心残り?」
海野 迅
「どうせ暇だろ。付き合え」
渡川 京
「そうだな。付き合うよ」
海野 迅
今『起きている』のはどっちだ。
どっちでもいいか……
なんとか現実で身を起こして、財布だけ持って。
渡川 京
どうしてか、夢を見ているような気がした。うつらうつらと、やさしい陽射しの下で、燃えるような夕焼けを待つ昼下がりに、夢を見ている気がした。
だから、本当にそう応えたのかどうかは分からなかったし、本当にそうしたのかも分からなかった。
でも、きっと、最後の最後に、そうしたのだろう。
海野 迅
顔を洗って歯を磨き、着替えて髪を整え。
そうやっているうちに自分が『迅』だったな、と思い出す。
何しろ、バイクの乗り方がよく分からない……
一度覚えたような気もするのだが……
「バイクは、やめとくか……」
独り言のようにつぶやいた。
渡川 京
「いい。俺が乗る」そう呼びかけたのは、『京』だった。
海野 迅
「大丈夫か?」
渡川 京
「大丈夫な気がするんだ。今だけは」
海野 迅
「行先、知ってるか?」
自虐的な問いかけ。
渡川 京
「知らないよ、『俺』は。案内を頼む、迅」
そう言って、室内に転がったメットを拾い上げ、積もった埃を払う。グローブとジャケットを身に着けるのも、随分と久しぶりなような気がした。
海野 迅
「そう、か」
海野 迅
「よし、じゃまずお前の実家だ」
渡川 京
「分かった」
どうしてか、気分が晴れやかで、穏やかなのだ。ずっと止むことのなかった頭痛も、今だけは収まっているような気がした。
たぶん最後だからだろうと、何となく気づいていた。
海野 迅
頭がすっきりして晴れやかだ。
深い霧が晴れたように。長い雨が止んだように。
「途中で手みやげ買っていこう。あと、仏花と、菓子」
「久しぶりにいくんだ、墓参りくらいしようぜ」
渡川 京
「ああ、そうだな」
軽く点検をしてバイクに跨り、ペダルを蹴り下ろす。随分放ってしまっていたというのに、バイクは応えてくれた。
海野 迅
バイクに『二人乗り』をして進む。
渡川 京
こんな気分になることは久しくなかった。隣に迅がいるような気がした。
海野 迅
「眠気覚ましに歌ってやる」
渡川 京
「ああ、頼む」言葉少なく応えて、よく晴れた空を見上げる。
海野 迅
流行の歌を、懐かしい歌を、自分の歌を、また昔の歌を。
思いつくままに口ずさむ。
渡川 京
迅の歌声にそっとコーラスを乗せた。
海野 迅
「このままどこまでも走ってくってのも悪くねぇ」
渡川 京
「ああ、いいな。走れる所まで走りたい気分だ」
海野 迅
「今日は、そうもいかねぇな、挨拶だ挨拶」
「お前も長いこと帰ってないんだろ?」
渡川 京
「そうだな。言われてみれば、ずっと帰っていない気がする」
海野 迅
「……さ……たまには、親孝行しとかないとな」
渡川 京
「……あっちにはもう居ないの、知ってるが。舞姉さん、元気だろうかな」
ぽつりと、独り言のように漏らした。
海野 迅
「頼りがないのは元気な証拠ってゆーだろ。大丈夫だ」
渡川 京
「そうだな」
海野 迅
「だいたいあっちにゃもう旦那がいるんだ、なんかあっても平気だろ」
見上げた空が僅かににじむ。駄目だ、運転中にこんな気分になるのは危ない。
渡川 京
「……大丈夫だ、涙くらい拭く。迅は泣いていろ」
「今更、我慢するでもないからな」
海野 迅
「絶対泣くぞあのバカ姉」
「…………」
きっと、泣いてくれるだろう、俺たちのために。
渡川 京
「……カエデさん、だったか。彼女は怒ってくれそうだな」
海野 迅
「絶対バレたくねぇな」
「あいつチビのくせに強ぇんだ」
渡川 京
「そうだな、力強い人だった」
海野 迅
涙を吹き飛ばすように笑う。
渡川 京
拭った涙が風に散った。
確認
海野 迅
終わったのいつだったかな
6月かな
渡川 京
ちょっと確認します
海野 迅
5月か。
渡川 京
”2022/05/24”ですね
海野 迅
じゃあ今は5月24日午前かな?
渡川 京
かな?

海野 迅
爽やかな春の風が吹き抜けてゆく。
花粉症もちじゃなくてよかった、と思った。
鼻水すすりながらだと気分が乗らない。
渡川 京
あの時の夏よりもまだ爽やかな風だった。あれから一年が巡ろうとしているのだ、と気づいた。
海に向かって走る道路は、青々とした木々に彩られていた。
海野 迅
「そういや……いっこ思い出したことがある」
渡川 京
「思い出したこと?」
海野 迅
「あの入院した時、少し前に」
「俺、大学にいて、よく知らないやつに話しかけられたんだよ」
「俺のこと、お前だって思ったらしくてさ」
「あいつ、お前のこと心配してたみたいで、随分じろじろ見られたぜ」
「まあ、そん時の俺には意味わかんなかったんで」
「超塩対応しちまったから……お前から謝っといてくれる?」
渡川 京
「ああ、もしかして学部の……。そうだな。今思えば、あいつらも随分と心配してくれていたような気がする」
「分かった。会うことがあったら謝っておく」一度目を伏せ、そう返した。
「……随分と、心配してくれていたな。学部の連中も……、迅の、友達も」
海野 迅
「ああ……そうだな……」
「入院しなきゃ気づけないことってのもいろいろあるもんだ」
渡川 京
「そうだな」
海野 迅
バイクはやがて懐かしい道を通り、京の実家へ。
実家では、『海野 迅』は引っ込んでおくことにした。
一言、お礼だけ言って。
そんな自覚はなかったが、やはり今思えば渡川一家は『育ての親』だったのだ。
渡川 京
海へ向かう道。その傍らに実家はあった。いままだそこにあるのが奇跡のように、変わらない佇まいで。
……迅の両親は引っ越していってしまったことを、『俺』は知っている。
海野 迅
「余計なこと考えんなよ、京」
「ここは俺にとっても家だ、気にすんな」
渡川 京
「……そうだな」
海野 迅
とーちゃんかーちゃんは諦めてくれていたらいいなって、思ってるよ……
ねーちゃんから話聞いてもどっちにしたって後悔するだろうしな。
渡川 京
久しぶりに戻った自分を見て両親は驚いたようだった。あのときよりも随分と老いたように見えたのは、きっと長く会わなかったがための錯覚なのだろう。
迅と一緒に挨拶したかったが、我慢する。
海野 迅
昼飯くらい食ってけばいいさ、そう言って迅は黙り込んだ。
『けど、後で墓参りだ。忘れんなよ』となぜか念を押された。
渡川 京
『分かってるさ』
昔馴染みの部屋は半分物置になりつつ、まだ残っていた。二階の元子供部屋、ベランダから外を見やれば、あの部屋の空の色はここから見た空の色なのだと気づく。
ここで昔、よく迅と遊んだ。
部屋に座り込めば、あのときの時間が流れるようだった。ご飯よと自分を呼ぶ親の声が階下から聞こえた。
……昼飯を食ったらお暇して、墓参りに行こう。そうでないと、ここから戻れなくなる気がしたから。
全てが変わってしまう前の時間から。
海野 迅
哀しいな
全ては起こってしまったんだ
渡川 京
起こってしまったんですよ……。
渡川 京
久しぶりに味わう食事を終えて、立ち上がる。少しの名残惜しさを引いて、渡川家の墓へと向かう。
どこからか、水の音が聞こえる気がした。
……両親が参ってくれていたのか、墓はそう荒れてはいなかった。
初夏の風が、木々を揺らして過ぎる。
海野 迅
「先祖への供養は大事だからな!」
今度は自分の番とばかりに、丁寧に草むしりを始める。
ほんの少し生えた草を、根まで取り除いて。
渡川 京
「ああ、そうだな」
薄々と、分かっていた。迅がここに置いてきたものがあることを。背を丸めて草をむしる迅を墓の横で眺めていた、そんな気がした。
薄々と、分かっていた。俺がここに置いてきたものがあることを。
……水の音が聞こえる気がした。
海野 迅
「お前のさ、じいちゃん、いるだろ、ここに」
訊かれもしないのに、理由を話し始める。
「チビの頃に随分世話になったからと思ってさ」
「まあ、ほら、こんな機会でもないと来ないだろ」
渡川 京
「ああ」
「……あのカメラ、結局直しきらなかったな。組み立てはしたが、絞りがばかになったままだった」
海野 迅
「そうか、帰ったら続きやろうぜ」
渡川 京
「そうだな。帰ったら、続きをしよう」
薄々と、気づいていた。迅がどうしてここに来ようとしたのか。俺がどうしてここに来たのか。──俺は。
それでもよかった。
それで、よかった。
迅の友人として生まれて死ぬ俺で、本当によかった。
海野 迅
買ってきた仏花を墓前に供え、菓子を並べ。
中に何故かチロルチョコをひとつ。
「ポケットに入ってたから」とまた訊かれもしないのに言う。
渡川 京
「ああ、そうだな」
だってそうだから、今ここにいる。迅の横で、俺の傍で、歌を抱えて、最後まで。
海野 迅
墓石に水をかけ、
ろうそくに苦労して火をつけ、線香をたて。
渡川 京
たなびく煙の向こう、墓の文字が滲む。どうしてか、誰かにふと謝りたくなった。
海野 迅
手を合わせ、長いこと黙っていた迅が、ぼそりと呟く。
「京……ありがとう」
「ありがとう、俺の友人でいてくれて」
渡川 京
「迅」
海野 迅
「いいんだ。これでいい」
渡川 京
「ありがとう、俺を許してくれて」
迅の言葉は俺への言葉のようでいて、俺への言葉ではないような気がした。きっといま謝りたかった誰かへの言葉で。
それでもその誰かはきっともういないから、俺が俺としていることを許してくれた迅へ、そんな言葉を呟くのだ。
海野 迅
「お前はここにいるよ」
渡川 京
「そうだな、俺はここにいる」
海野 迅
「さ、帰ろうぜ!」
言うと、チロルチョコを取って口に放り込む。
「あっま」
渡川 京
「そうだな。……日が暮れるまでに、どれだけ走れるか」
「昔は好きだったのにな」
海野 迅
「人間変わるもんだ」
「日々之成長! ってな」
渡川 京
「ああ、変わるもんだ。これだけ色々なことがあればな」
吹き抜けた風はただひんやりとして、何も言わなかった。
海野 迅
「俺は、後悔してない」
「まあ、……やりたいことはまだいくらでもあっけどな」
「ベストは尽くしてるつもりだ」
渡川 京
「ああ……、そうだな」
「俺も、」
「色々あったけど、結構楽しかったよ」
海野 迅
「ああ、そうだな」
渡川 京
「ああ、そうだ」
海野 迅
「帰ろうぜ、俺たちの家に」
渡川 京
「ああ、帰ろう」
海野 迅
「俺たちの居場所に」
渡川 京
「俺達の、あの部屋に」
「帰ろう」
海へ向かって駆け降りていく、あの道を見下ろした。
そろそろ
海野 迅
そろそろ畳みます?
渡川 京
ですな いつものやつ入れても?
海野 迅
もちろん!
部屋に戻ったらメール送って、ラスト話へ、かな。
渡川 京
ですな>部屋に戻ったら

渡川 京
バイクに跨り、ペダルを蹴り下ろした。燃えるような夕焼けに向かって、暮れていく空の下。
── 渡川京、海野迅 いつか、どこかの日に。二十三歳、夏。

おしまい
海野 迅
ありがとうございました!
渡川 京
ありがとうございました!
海野 迅
いいお墓参りでした、ありがとう!
渡川 京
久しぶりにこの二人をやってやっぱりめちゃめちゃ涙がでる
海野 迅
いやあ、言ってみるもんだなぁ!
渡川 京
お墓参りができてよかったです。この話が入ることで、全てを振り返って決着をつけた感じが強くなった。
あと学部の話とか拾ってくれたの嬉しかったですね!
海野 迅
なんでもないはなしがしたかったんですー!
心残りが晴れた……
渡川 京
京もあれからきっとずっと戻れていなかったけど、最後に実家に帰れましたしね。よかった。二人で『京』に挨拶できたのはよかった。
海野 迅
こともあろうに最終話後が未収録だったことに気付いてしまったので、これと一緒に収録しておこう。
渡川 京
そういえばリンクないなーって思ってたけど言い忘れていました ありがとうございます また読み返すんだ
海野 迅
京と京を逢わせておきたくて!!
いや、同一人物ぽいけど!!
それはそれで!!
渡川 京
そう、京が『京』に挨拶できたのは大きかったなと
京はほぼほぼ別人として認識していますね、この感じ
海野 迅
真実は結局よく分からないまま
渡川 京
分からないまま、海の底へ。
海野 迅
まあそれでもいいさ。迅は迅で京は京ってことに違いはない。
渡川 京
そうなんですよ。迅さんは迅さんだし、京は京だし、二人がずっと一緒に過ごしてきた友人であることは変わらない。
海野 迅
帰ったらバイクで話題に出た人々にメール書いたり電話したりしまくって、最後のメールを送った後でよくわからなくなって、みたいな感じかな……
渡川 京
そんな感じでしょうね。最後のメールをなんとか送り終えたところで最終話へ。
海野 迅
六甲くんが部屋に来た理由なんだっけな……
渡川 京
確か最後の動画を見てだったと思う
海野 迅
そうか、偶然気づいたんだ。
じゃあ、彼は向かっている途中で来たメールには気づかなかったのかもしれない。
渡川 京
動画を見て、家を飛び出して必死になって二人の家を探して、だから、部屋に飛び込んで「なにか」を見つけて、メールに気づいたのはそれからかもしれませんね。
呆然と目の前のものを見て、ふとスマホが光っていることに気づいて……。
海野 迅
最後のメッセージを読んでしまうのか、せつねぇ。
渡川 京
読んでしまうのです。気持ちをどこへぶつけることもできず、ただスマホの画面に涙が落ちる。
海野 迅
ごめんなー!
全部宇宙から来た虫野郎が悪いんだ。
渡川 京
まったくだ。
海野 迅
名残惜しいところだけど、この部屋は閉じるよ……
渡川 京
ありがとうございました……。
海野 迅
ありがとうございました!

おしまい
渡川 京
この回できてよかった…… 声かけてくださってありがとうございました
海野 迅
うん、ありがとうございました、本当に。
渡川 京
数か月ぶりだけど、京の雰囲気とか口調すぐ思い出せるものですね それだけ印象が強かったからなあ
海野 迅
一年やってたから、さすがに覚えてるなぁ。
しみついてる感じ。
(特徴がないとか言ってはいけない)
渡川 京
時系列的には5月だけど、今回でほんとに「1年続いた」ことになるんですね、2021年8月からだったから。
海野 迅
ああー、そうか、そういう意味では本当に丁度良かったなぁ。
お誘いしてよかったー
というか誘っていただいたんだわ。
一回終わったものに蛇足するのは、好みによるよなって思ったから
(今回は蛇足ではない!!)
渡川 京
私は蛇足バリアントインタールードif別世界線もろもろおいしくいただく人です
(ない!!)
今回は最終回より後に付け足したことで、最終回の描写を意識したもろもろできましたしね
海野 迅
ああ、それもまた良かった。
渡川 京
そうそう
海野 迅
既に決まっている終わりに向かって綺麗にまとめてゆくのもよいもの。
渡川 京
燃えるような夕焼けに向かって坂を下る話。
海野 迅
笑いながらね!
渡川 京
歌いながら!
海野 迅
しんみりしたところで私、海より来るものを邪神の眷属で潰してまいります。(スプラ3)
渡川 京
サーモンをランしてらっしゃいませ こちらはアマラ深界へ潜ってまいります(真3
海野 迅
いってらっしゃいませー
渡川 京
いってきまーす そちらもいってらっしゃいませ!
ありがとうございました!
海野 迅
ありがとうございました! 楽しかった!
渡川 京
楽しかった!!