クトゥルフ神話TRPG(6版) 真・女神転生 派生シリーズ
光を溶かす水 一覧
佐倉 光

「嫌だ……俺はここがいい……」
ぐいと引っ張る手を振りほどいた。
ぐいと引っ張る手を振りほどいた。
佐倉 光

「ここがいいんだ。放っておいてくれよ……」
牧志 浩太

「だめだ、ここはだめだ。出よう、佐倉さん匂いで惑わされてるだけなんだよ」
牧志はあなたを連れ出そうと、強く腕を引く。
その時、牧志の脚がふらついた。
牧志はあなたを連れ出そうと、強く腕を引く。
その時、牧志の脚がふらついた。
▼禁断症状の悪化
1段階目 技能値 合計-10%
指先が震え、細かい作業に困難を覚える。つま先が震え、脚に力を込めにくくなる。
視線が震え、物が見づらくなる。
1段階目 技能値 合計-10%
指先が震え、細かい作業に困難を覚える。つま先が震え、脚に力を込めにくくなる。
視線が震え、物が見づらくなる。
牧志 浩太

「っ、あ」
がくんと牧志の膝が折れ、彼は尻もちをつく。
がくんと牧志の膝が折れ、彼は尻もちをつく。
KP
あなたはこの神の庭から、連れ出されずに済んだ。
時が来るまで、ここでともに祈りを捧げていられるだろう。
時が来るまで、ここでともに祈りを捧げていられるだろう。
KP
佐倉さん、【幸運】で判定。これに禁断症状のマイナス補正は入らない。
佐倉 光

1d100 75【幸運】 Sasa 1d100→ 2→決定的成功(クリティカル)!
佐倉 光
こわいこわい
KP
幸運なことに、どうやら今日は彼らの入浴が長いらしい。
こうしている間に、彼らがここへ戻ってくることはなかった。
部屋を出て、もしそうするならば鍵を返すなりするまで、
あなた達は彼らに見とがめられることはない。
こうしている間に、彼らがここへ戻ってくることはなかった。
部屋を出て、もしそうするならば鍵を返すなりするまで、
あなた達は彼らに見とがめられることはない。
牧志 浩太

「っ、ああ、だめだ、出る」
牧志が這いずりながら、今度こそあなたを引きずって外へ出る。
牧志が這いずりながら、今度こそあなたを引きずって外へ出る。
佐倉 光

「待ってくれ、俺は……」
ずるずると引きずられるようにして部屋を出る。
ずるずると引きずられるようにして部屋を出る。
佐倉 光

「いやだ」
扉から出て床に伏して、床の冷たさに涙する。
ぜいぜいとのどを鳴らしながら震える指先を見つめ、周囲の情報と記憶を
扉から出て床に伏して、床の冷たさに涙する。
ぜいぜいとのどを鳴らしながら震える指先を見つめ、周囲の情報と記憶を
佐倉 光

「…………」
KP
開かれた扉から廊下の空気が鼻に触れると、ようやくあなたは我を取り戻すだろう。
あなたはあの中で、完全におかしくなっていた。
あなたはあの中で、完全におかしくなっていた。
佐倉 光

「……牧志……」
深呼吸しながら輪郭を得てゆく思考をようやっと捕まえた。
深呼吸しながら輪郭を得てゆく思考をようやっと捕まえた。
佐倉 光

「ごめん」
牧志 浩太

「……よかった、気がついたんだな。
しょうがないよ、俺も引き込まれそうだった、あれ」
しょうがないよ、俺も引き込まれそうだった、あれ」
佐倉 光

「むしろあんなところでよく正気保って俺を連れ出してくれたよ。
一度下に戻ろう」
言って階段の方を指す。
部屋に施錠して鍵を戻してから、階下で情報もらって作戦会議する!
一度下に戻ろう」
言って階段の方を指す。
部屋に施錠して鍵を戻してから、階下で情報もらって作戦会議する!
牧志 浩太

「ああ」
佐倉 光
うーんしかしこれは、脱出方法は手に入ったっぽいが解毒方法はなしかぁ。
とりあえず代理人の代理人は見つかったけども。
お気に召してはいただけるのやら。
教祖もジャンキーかー。
お花処分したら自滅しそうではあるけどー。
お花の世話係に解毒薬のこと訊きたいなぁ。
とりあえず代理人の代理人は見つかったけども。
お気に召してはいただけるのやら。
教祖もジャンキーかー。
お花処分したら自滅しそうではあるけどー。
お花の世話係に解毒薬のこと訊きたいなぁ。
KP
教祖もジャンキーなのでした。
神の半端な眷属と化しています。
神の半端な眷属と化しています。
KP
鍵を戻し、階下へ戻る。
変わらず静まり返る地下四階に戻ると、心臓が期待に疼いた。
帰ってきた。
牢へ戻ろう。
「水」を待とう。
あなた達の脳はここに戻ってくるという行為と「水」を紐づけてしまっていた。
「水」を求めて全身が熱を持つ。
口が喉が、勝手に開く。
変わらず静まり返る地下四階に戻ると、心臓が期待に疼いた。
帰ってきた。
牢へ戻ろう。
「水」を待とう。
あなた達の脳はここに戻ってくるという行為と「水」を紐づけてしまっていた。
「水」を求めて全身が熱を持つ。
口が喉が、勝手に開く。
佐倉 光

「…………」
佐倉 光

ごく、と喉を鳴らし、掃除用具部屋の扉に背を向ける。
佐倉 光

「俺、あの部屋で何も見ていなかったから、あそこで見たものを教えてくれよ」
牧志 浩太

牧志は首を上げて口を開き、「水」をねだるあの姿勢を取っていた。
そのまま口をはくはくと開閉して、話しづらそうにしながら話しだす。
そのまま口をはくはくと開閉して、話しづらそうにしながら話しだす。
牧志 浩太

「ああ……。あそこにあったのは、あいつらが言ってた、扉を閉じたり開いたりする呪文なんだ。
変な文字で書いてあったけど、解読のための本も、同じ部屋にあった」
変な文字で書いてあったけど、解読のための本も、同じ部屋にあった」
牧志 浩太

牧志はその言葉を諳んじる。
奇妙な抑揚を持つ短い文言。
奇妙な抑揚を持つ短い文言。
▼開扉/閉扉の呪文
既に施された魔術的施錠に対するキーコード。
これを唱えることで、対応する扉を開いたり閉じたりできる。
既に施された魔術的施錠に対するキーコード。
これを唱えることで、対応する扉を開いたり閉じたりできる。
牧志 浩太

「あの光る糸の解除も共通、らしい」
佐倉 光

「てことは、下で糸が解除できるなら上も解錠できるってことか」
佐倉 光

「これで出ることはできるな。
とはいえ」
とはいえ」
佐倉 光

「問題はその後か……
即入院でもできれば何とかなるかもしれないが、下手するとそのまま死ぬか回収されるぞ」
限界を迎えたあとに抱きかかえられたことを思い出した。
近場で行動不能になったら終わりだ。
助けを求めたとしても、すぐに助けが来るとは限らない。
即入院でもできれば何とかなるかもしれないが、下手するとそのまま死ぬか回収されるぞ」
限界を迎えたあとに抱きかかえられたことを思い出した。
近場で行動不能になったら終わりだ。
助けを求めたとしても、すぐに助けが来るとは限らない。
佐倉 光

「何とかこの状態からも抜け出しておきたいとこだ。
光る糸、使えねーかな。
例えばあの植物の管理人捕まえて解毒剤があるか訊く。
呪文知ってる奴があの部屋にいた奴だけなら、って条件付きだけど」
光る糸、使えねーかな。
例えばあの植物の管理人捕まえて解毒剤があるか訊く。
呪文知ってる奴があの部屋にいた奴だけなら、って条件付きだけど」
佐倉 光

「とにかくその呪文、教えてくれ」
牧志 浩太

「ああ、共有しておきたい」
牧志はその呪文を何度か諳んじる。
牧志はその呪文を何度か諳んじる。
▼開扉/閉扉の呪文を覚えることができた。
佐倉 光

「オッケーたぶん覚えた」
牧志 浩太

「脱出なんだけど、いくつか考えてはいた。ただ確実じゃない。
一つは、COMP。COMPが使えるようになったら、すぐに誰か呼んで連れ出してもらう。
ただ、これはCOMPの状態次第。
もう一つは、電話。
スマホ取り戻して電話が通じる所まで来たら、すぐに助けを呼ぶ。
ただ、これはきついかもしれない。
助けが来るまで待ってられるかどうか」
一つは、COMP。COMPが使えるようになったら、すぐに誰か呼んで連れ出してもらう。
ただ、これはCOMPの状態次第。
もう一つは、電話。
スマホ取り戻して電話が通じる所まで来たら、すぐに助けを呼ぶ。
ただ、これはきついかもしれない。
助けが来るまで待ってられるかどうか」
佐倉 光

「COMPなー。マグネタイトが残ってりゃ何とか。
最悪……」
ちら、と牧志を見て難しい顔で唸る。
最悪……」
ちら、と牧志を見て難しい顔で唸る。
佐倉 光

「これも確実じゃねぇなぁ」
牧志 浩太

「最悪?」
佐倉 光
最悪、の意図に気づきたかったら〈心理学〉だっ!
必要になったら渋々言うけど。
必要になったら渋々言うけど。
牧志 浩太

1d100 67〈心理学〉(気づいちゃうかなー?) Sasa 1d100→ 43→成功
牧志 浩太
気づいちゃった。
佐倉 光

あなたは以前、ラミアにマグネタイトを取られたことがある。
そういった手段により、マグネタイトのストックがなくとも喚ぶ事は出来るかもしれない。
だが佐倉は確実性と安全性の問題からそれを手段として挙げることを避けた、という事が分かるだろう。
悪魔は気紛れなものだ。
そういった手段により、マグネタイトのストックがなくとも喚ぶ事は出来るかもしれない。
だが佐倉は確実性と安全性の問題からそれを手段として挙げることを避けた、という事が分かるだろう。
悪魔は気紛れなものだ。
牧志 浩太

ああ、なるほど?
マグネタイトは元々「人間の生贄」を簡略化したものだ。
危険だけど、場合によっては大胆になるべき所かもな。
ラミアさんじゃなくて、『俺達』……浩子さんたちに頼むのは、どうだろう?
ラミアさんほどの力はないけど、もう少し御しやすいかもしれない。
もっと危険で、未知数でもあるけど。
マグネタイトは元々「人間の生贄」を簡略化したものだ。
危険だけど、場合によっては大胆になるべき所かもな。
ラミアさんじゃなくて、『俺達』……浩子さんたちに頼むのは、どうだろう?
ラミアさんほどの力はないけど、もう少し御しやすいかもしれない。
もっと危険で、未知数でもあるけど。
佐倉 光
現状の自分たちに悪魔が行動できるほどのマグネタイトがあるか分からない。
『うっかり吸いすぎた』なんてことになる可能性もある。
そもそも今の自分に悪魔を確実に御せる余裕があるか分からない。
だから不安定すぎて怖い。
『うっかり吸いすぎた』なんてことになる可能性もある。
そもそも今の自分に悪魔を確実に御せる余裕があるか分からない。
だから不安定すぎて怖い。
KP
そもそもこの状態の佐倉さんが悪魔を確実に御せるか分からない、ってのは確実にあるんですよね。
吸いすぎる可能性にしても本当にそう。
吸いすぎる可能性にしても本当にそう。
佐倉 光

「まあ有効かどうかはともかく電話はしよう。使えるようなら。
取り戻した時に状態確認すべきだったよな。
電話かけとくって手段もあったかもしれない……
いや、俺たちがうろつけること前提なら望み薄か」
取り戻した時に状態確認すべきだったよな。
電話かけとくって手段もあったかもしれない……
いや、俺たちがうろつけること前提なら望み薄か」
牧志 浩太

「だな」
牧志 浩太

「解毒方法か……、知ってるとしたら彼女か、あの二人組だろうな。
団長はあの調子だし、あの女の人は詳しいこと知ってそうにない」
団長はあの調子だし、あの女の人は詳しいこと知ってそうにない」
佐倉 光

「花の世話してる女にしろ、みはりにしろ、どうして俺たちみたいになってないのかってのはある。
一口も飲んでない状態なら惹かれることもないのか、それを防ぐなんかがあるのか」
一口も飲んでない状態なら惹かれることもないのか、それを防ぐなんかがあるのか」
牧志 浩太

「確かにな。
飲んでなければ嗅ぐくらいなら無事なのか、それとも何かあるのか」
飲んでなければ嗅ぐくらいなら無事なのか、それとも何かあるのか」
牧志 浩太

そう、いくつかの可能性について考えた。
佐倉 光

「まずは、上で荷物を回収するだろ。で、COMPや通信機器の状態を確かめる。
束縛の糸使って上で花を世話してる女捕まえてなんとか情報を聞き出して、有用な情報があればよし、なければそのまま逃げる、ってのが俺の考え。
仕返しはしてやりたいけど、あまり深入りすると俺達自身が帰る気をなくしそうで」
束縛の糸使って上で花を世話してる女捕まえてなんとか情報を聞き出して、有用な情報があればよし、なければそのまま逃げる、ってのが俺の考え。
仕返しはしてやりたいけど、あまり深入りすると俺達自身が帰る気をなくしそうで」
佐倉 光

「怖い」
牧志 浩太

「……」
牧志はじっと目を閉じ、少し考える。
浅く速い息を一度こらえ、大きく息を吐き、吸う。
牧志はじっと目を閉じ、少し考える。
浅く速い息を一度こらえ、大きく息を吐き、吸う。
牧志 浩太

「賛成。……それで行こう。
脱出が最優先だ」
脱出が最優先だ」
牧志 浩太

「俺も正直、怖い。
今だって、何のためにこんなことしてるのか、分からなくなりそうなんだ。
いや、分からなくなりかけてる」
今だって、何のためにこんなことしてるのか、分からなくなりそうなんだ。
いや、分からなくなりかけてる」
佐倉 光

「俺自身が敵になるなんてやりづらくて気持ち悪い」
自分の意志力だの魂の力だの、そんなものがクソの役にも立たない。
そんな状況は許しがたい。
こんなのは俺たちじゃない。
自分の意志力だの魂の力だの、そんなものがクソの役にも立たない。
そんな状況は許しがたい。
こんなのは俺たちじゃない。
牧志 浩太

「前も思ったけど、心をいじられるってキツいな」
牧志は拳を握り、小さく吐いた。
牧志は拳を握り、小さく吐いた。
佐倉 光

「早くここを離れよう」
牧志 浩太

「ああ、早く離れよう」
佐倉 光

「花への執着が強い女か。上で待ち伏せて、あいつらが正気でいられる理由を聞き出す、として……
教えないと花を潰す、ということにしたらどうだろうな。
そいつにしてみてもこの教団的にも花は大事なものなんだろうし。
俺たちに罰が下るとしたって奴らにノーダメージってわけじゃないだろ。
ただ、アレに漬けられてる俺たちが間違いなくそれをできるか、って話で……」
教えないと花を潰す、ということにしたらどうだろうな。
そいつにしてみてもこの教団的にも花は大事なものなんだろうし。
俺たちに罰が下るとしたって奴らにノーダメージってわけじゃないだろ。
ただ、アレに漬けられてる俺たちが間違いなくそれをできるか、って話で……」
佐倉 光

悪魔の力が借りられたら解決するんだけどな、そこ。
牧志 浩太

「花を人質に取るか……。
ここに厨房があれば、火でも放てたんだけどな。
確かに、あのリフトじゃすぐに人は呼べそうにない。人を呼ばれて制圧される前に、聞きだせる。
そう考えたら、ありだ。
……花を……。
…………マグネタイトが残ってて、誰か呼べたら楽なんだけどな」
牧志は小さく俯いた。恐らく、彼にもその自信はない。
ここに厨房があれば、火でも放てたんだけどな。
確かに、あのリフトじゃすぐに人は呼べそうにない。人を呼ばれて制圧される前に、聞きだせる。
そう考えたら、ありだ。
……花を……。
…………マグネタイトが残ってて、誰か呼べたら楽なんだけどな」
牧志は小さく俯いた。恐らく、彼にもその自信はない。
佐倉 光

「まずは使えるかの確認をしよう」
佐倉 光

「俺たちが解錠の魔法を使えることがバレると面倒だ。
下手すると最終日は外に出さないなんてことにもなりかねない。
慎重にやろう」
下手すると最終日は外に出さないなんてことにもなりかねない。
慎重にやろう」
牧志 浩太

「ああ。
物理的な鍵じゃなくて、呪文だったのは少しよかったな」
物理的な鍵じゃなくて、呪文だったのは少しよかったな」
佐倉 光

ではまず地下3階で人気が無いときを狙ってあの紐が解錠の魔法で排除できるか試そう。
KP
地下三階。
光り輝きながら扉を閉ざす紐は、こちらを窺うように扉の上で蠢く。
……いや、窺っているように見えるのは、視界が揺れるせいで生じる気のせいなのだろう。
光り輝きながら扉を閉ざす紐は、こちらを窺うように扉の上で蠢く。
……いや、窺っているように見えるのは、視界が揺れるせいで生じる気のせいなのだろう。
KP
扉の前であの呪文を唱えると、光はぴくりと鎌首をもたげ、するすると扉の脇に退いた。
それからまた暫く待つと、元のように光は扉へと絡みつく。
それからまた暫く待つと、元のように光は扉へと絡みつく。
牧志 浩太

大丈夫みたいだ、と牧志がこちらへ頷く。
佐倉 光

「この紐、持っていけないかな?」
再度呪文を唱えて扉の横にひいた紐に触れようとしてみる。
再度呪文を唱えて扉の横にひいた紐に触れようとしてみる。
KP
その状態では、紐は反応しない。
持っていくとすれば、誰かに絡めていくしかないだろう。
持っていくとすれば、誰かに絡めていくしかないだろう。
佐倉 光

「取ろうとすると絡まれるのかな?
そうすると、能動的に手を出した奴にしか絡まないのかも。
とすると使い勝手悪そうだな」
そうすると、能動的に手を出した奴にしか絡まないのかも。
とすると使い勝手悪そうだな」
牧志 浩太

「らしいな。
誰かに絡めるなら、絡まれた状態でそいつにタックルするとか?
それで絡むかどうかは分からないけど」
誰かに絡めるなら、絡まれた状態でそいつにタックルするとか?
それで絡むかどうかは分からないけど」
佐倉 光

不確定要素持って行くの嫌だし、置いていこう。
佐倉 光

そのまま地下2階でリフト部屋が開くのを待つ。
KP
地下二階で少し待っていると、如雨露を持ったあの少女がやってきた。
地下一階へ向かうのだろうか。
地下一階へ向かうのだろうか。
佐倉 光

「ちょっと上手く行く気がしないな。置いていこう」
佐倉 光

ということは、リフト係は部屋か。
佐倉 光

できれば先回りしたかったけど、仕方ないな。
少し間を置いてリフトに乗りたいと訴えてみるか。
少し間を置いてリフトに乗りたいと訴えてみるか。
佐倉 光
※管理部屋が無人になるのを待つつもりだったなんて言えないッ!(まちがえた)
KP
そっちか!(意図を取り間違えた)
失礼しました。
失礼しました。
佐倉 光
※思い切り「リフト部屋」って指定してるからKPに伝わらないの当たり前です。
KP
もう少し待てば、トイレなり入浴なりでリフトの管理室が空くタイミングもあるだろう。
どうする?
どうする?
佐倉 光

10分程度様子見て、出る気配がなければ「リフト使わせて」と願うかな。
前回の様子から、そんなさっさと戻りはしないんだろうけど、だからってのんびりしている暇もない。
前回の様子から、そんなさっさと戻りはしないんだろうけど、だからってのんびりしている暇もない。
KP
十分程度待ったが、まだ管理人の部屋から出てはこないようだ。
KP
「ああ、代理人さん。こんにちは」
あなたの声を聞くと、リフトの管理人は気安い様子で返す。
あなたの声を聞くと、リフトの管理人は気安い様子で返す。
佐倉 光

「上を見に……行きたくて」
吐息を漏らすように呟く。
途方に暮れたような、ただただ地上に惹かれているような不確かさを意識する。
吐息を漏らすように呟く。
途方に暮れたような、ただただ地上に惹かれているような不確かさを意識する。
KP
「ああ、前も行ってたっけね。
いいよ、行っておいで」
返す声は柔らかく、変わらず親愛のような強制力のような響きを湛えていた。
いいよ、行っておいで」
返す声は柔らかく、変わらず親愛のような強制力のような響きを湛えていた。
KP
「もうすぐだね。楽しみだろう?」
そんな声とともに、リフトが開く。
そんな声とともに、リフトが開く。
佐倉 光

「はい……」
虚ろに返してリフトに乗る。
もうここを通るのも最後にしたい。
虚ろに返してリフトに乗る。
もうここを通るのも最後にしたい。
KP
リフトが閉じる。
あなたはその時、奇妙な胸騒ぎを覚えた。
これで最後にする。外へ出る。
その決意に心が抵抗している。
あなたはその時、奇妙な胸騒ぎを覚えた。
これで最後にする。外へ出る。
その決意に心が抵抗している。
佐倉 光

ぎり、と歯を噛みしめた。
佐倉 光

水がもらえなきゃ俺は動けなくなる。ただの肉塊になる。俺たちはより良いものとなるために神のために自らの魂を鍛えているのだ。
この決意はただのみせかけで、逃亡ごっこなんだ。
足掻いているのは魂を清めて褒めてもらうためだ……。
この決意はただのみせかけで、逃亡ごっこなんだ。
足掻いているのは魂を清めて褒めてもらうためだ……。
佐倉 光

「……なわけ、ねぇだろ……!」
声を絞り出す。ヒランヤを握り深呼吸をする。そして空いている手で牧志の手を取る。
声を絞り出す。ヒランヤを握り深呼吸をする。そして空いている手で牧志の手を取る。
牧志 浩太

ぼんやりと前を見ていた牧志の眼が、はっとひらめいた。
牧志 浩太

「……!」
牧志はあなたの手を、強く握り返す。
縋るように。確かめるように。
牧志はあなたの手を、強く握り返す。
縋るように。確かめるように。
牧志 浩太

「そうだ……、そうだ。
俺達、そんなのじゃなかった。そんなのじゃ、ない」
俺達、そんなのじゃなかった。そんなのじゃ、ない」
佐倉 光

俺一人じゃ立てない。牧志一人でも立てない。
この手が、支え合う手になるか、引きずり込む手になるか。
今までのことを考えれば迷う余地などない。
この手が、支え合う手になるか、引きずり込む手になるか。
今までのことを考えれば迷う余地などない。
佐倉 光

「俺たちの今までを信じる」
牧志 浩太

「俺達の今までを、信じる」
KP
リフトは僅かな浮遊感の後、動きを止める。
するりと扉が開いた。
するりと扉が開いた。
佐倉 光

リフトを降りて倉庫へ。
KP
リフトを降りて倉庫へ向かうまで、廊下へ出てくる者はいなかった。
佐倉 光

自分たちの荷物と隠しておいた鍵を回収する。
まずはそれがあるかどうか、使える状態であるかどうか。
まずはそれがあるかどうか、使える状態であるかどうか。
KP
隠しておいた鍵がなくなっている。
……誰かがここを漁り、それを取り戻したらしい。
にも関わらず、他の荷物はほぼ無事だった。
財布や家の鍵、工具セットなど、全て揃っている。
金目の物も抜かれていない。
……誰かがここを漁り、それを取り戻したらしい。
にも関わらず、他の荷物はほぼ無事だった。
財布や家の鍵、工具セットなど、全て揃っている。
金目の物も抜かれていない。
佐倉 光

ちぇ。鍵取られたか。面倒だな。
牧志 浩太

牧志が自分の日記帳とペンを見つけ、すぐに開扉の呪文を書き留める。
牧志 浩太

「スマホはやられてるな。
本体は無事だけど、カードが壊されてる」
本体は無事だけど、カードが壊されてる」
KP
スマートフォンはさすがに警戒したものか、SIMカードが抜かれて壊されている。
佐倉 光

くそ、通信系駄目か。COMPはどうかな。
佐倉 光

COMPが反応するか、悪魔が喚べる状態にあるかどうか。
ストックしておいたマグネタイトはあるか。
《マッパー》は使用可能か。
あとはスマートフォン等が使える状態にあるか。
ひとつひとつ手早く確認する。
ストックしておいたマグネタイトはあるか。
《マッパー》は使用可能か。
あとはスマートフォン等が使える状態にあるか。
ひとつひとつ手早く確認する。
佐倉 光

さすがにこれが通信機器だとはバレていないと思うが……
KP
COMPが静かに反応する。いつも通りに。
アクセスエラーも何もない。コマンドさえ入力すれば、いつも通りに喚べるだろう。
《マッパー》も実行できそうだ。
あなた達を捕らえた彼らが、奇妙な液体に興味を示したのだろうか。
ストックしておいたマグネタイトが少し減っているが、まだ十分な量が残っている。
アクセスエラーも何もない。コマンドさえ入力すれば、いつも通りに喚べるだろう。
《マッパー》も実行できそうだ。
あなた達を捕らえた彼らが、奇妙な液体に興味を示したのだろうか。
ストックしておいたマグネタイトが少し減っているが、まだ十分な量が残っている。
KP
あなたのものも、牧志のものも、いつもの服は一揃いある。
洗われていないので少々臭うかもしれないが、汚されたりはしていない。
洗われていないので少々臭うかもしれないが、汚されたりはしていない。
牧志 浩太

牧志はいつものジャケットを羽織り、ほっと息をついた。
佐倉 光

いつもの服がひとそろい揃っているなら、ローブの上から羽織り、ポーチと腕輪を身につける。
まずは……
COMPを起動して悪魔召喚が可能か試す。
まずは……
COMPを起動して悪魔召喚が可能か試す。
KP
COMPは問題なく起動し、通信機能も動く。
ただの腕輪が通信機器だとは、彼らも思わなかったらしい。
それに、あなたのそれは「破壊することができない」のだ。
それは、単純な破壊によってそれを機能停止に陥らせることができない、ということでもある。
ただの腕輪が通信機器だとは、彼らも思わなかったらしい。
それに、あなたのそれは「破壊することができない」のだ。
それは、単純な破壊によってそれを機能停止に陥らせることができない、ということでもある。
佐倉 光

「喚ぶなら旭橋か古島かなぁ。壺川に意見を聞くのもアリだけど、俺たちが何かやらかしたときに止めてもらえる方がいいかも」
牧志 浩太

「それがいいな。俺達もそうだし、見つかった時の戦力にもなる。
まず壺川を呼んで意見聞いて、ってやってると、マグネタイトが無駄になるし。
それよりも、外に出てから、なるべく遠くまで連れ出してもらう分を残しときたい」
まず壺川を呼んで意見聞いて、ってやってると、マグネタイトが無駄になるし。
それよりも、外に出てから、なるべく遠くまで連れ出してもらう分を残しときたい」
佐倉 光

「攻撃魔法なんかあった方がいいかも知れないけど、今俺ラミア御せる自信がねぇ」
佐倉 光

「うーん。古島かな。こういう状況では大胆に動ける方が有り難いし」
佐倉 光

まずはダメ元でBarに救助依頼をしておく。
しかし大体こういう時って干渉がどーとか言って積極的に助けてくれねーんだよな。
お守り代わりだ。
しかし大体こういう時って干渉がどーとか言って積極的に助けてくれねーんだよな。
お守り代わりだ。
KP
救助依頼はBarに届いた……、ようだった。
助けに来てくれるのかどうかは、分からない。
助けに来てくれるのかどうかは、分からない。
佐倉 光

それから古島を喚ぶ!
喚んだら即「静かに!」ってジェスチャーだ。
喚んだら即「静かに!」ってジェスチャーだ。
KP
悪魔召喚のコマンドは正確にあなたの腕を走り、そして効果を齎す。
震える指先であろうと、あなたにとっては慣れたものだ。
震える指先であろうと、あなたにとっては慣れたものだ。
古島

佐倉さん!
驚きと安堵をいっぱいに彼女は、一瞬そう叫ぼうとした。
危ない所で自分の口を押さえ、出かけた声を呑み込む。
驚きと安堵をいっぱいに彼女は、一瞬そう叫ぼうとした。
危ない所で自分の口を押さえ、出かけた声を呑み込む。
佐倉 光

知った顔を見て、つい手を伸ばして触れたくなってしまった。
軽く手に触れて手触りを確かめたら視界がボケそうになった。
泣いてる場合じゃない。
軽く手に触れて手触りを確かめたら視界がボケそうになった。
泣いてる場合じゃない。
古島

牧志より小さく厚みのある掌の感触は、今度こそ幻ではなかった。
彼女は確かに、そこにいる。
彼女は確かに、そこにいる。
佐倉 光

『牧志、事情説明を頼む』
声を抑えて伝えた。
声を抑えて伝えた。
牧志 浩太

「……」
古島

「……」
牧志 浩太

牧志が事情を日記帳に書いて伝え、古島が涙を浮かべて頷く。
佐倉 光

そのまますぐに《マッパー》を試す。
周囲の地形は表示されるだろうか。
周囲の地形は表示されるだろうか。
KP
《マッパー》はコマンドに応え、周囲の地形を表示した。

佐倉 光

建物の外は無理か。
とりあえず動くことが分かっただけでも上々だな。
とりあえず動くことが分かっただけでも上々だな。
佐倉 光

倉庫のドアを開け、隣の部屋の様子を探る。
KP
三人いるので、判定は省略。
KP
隣の部屋からは、土を掘り返すさくさくという音や、水の滴が落ちる音など……、
人が何か作業をしているような音が聞こえる。
人が何か作業をしているような音が聞こえる。
牧志 浩太

ごくりと牧志が唾を飲んだ。
佐倉 光

そのまま女が出てくるのを待とうか。
出てきたら即足を扉に挟んで閉じられないようにしつつ押し入る。
出てきたら即足を扉に挟んで閉じられないようにしつつ押し入る。
KP
「きゃっ」
出てきた少女はあなたの姿を見て驚き、牧志が背後を塞いでいるのを見てもう一つ驚いた。
出てきた少女はあなたの姿を見て驚き、牧志が背後を塞いでいるのを見てもう一つ驚いた。
KP
「な、何。これが欲しいの?」
彼女は黒い蓮の花を切ったものを掴み、こちらへ突き出す。
彼女は黒い蓮の花を切ったものを掴み、こちらへ突き出す。
佐倉 光

反射的に呼吸を止める。
佐倉 光

「この花の中毒を治す手段を教えろ」
低い声で威圧してから、思い直す。
低い声で威圧してから、思い直す。
佐倉 光

「この素晴らしい花についてもっとよく知りたくてさ」
KP
「治す……、手段?」
腰を引きながら、彼女は困ったように目を瞬いた。
腰を引きながら、彼女は困ったように目を瞬いた。
KP
「そんなの、知らない。
ない……と、思う」
ない……と、思う」
KP
「あれば、団長に試しているはずだから」
佐倉 光

「団長に、試す?」
KP
「そう。
団長が話せれば、解毒? して、話せるようになるのかどうか分からないけど。
話せれば、団長が知っていたことを聞いて、もっとこの花をうまく使えるはずだから」
団長が話せれば、解毒? して、話せるようになるのかどうか分からないけど。
話せれば、団長が知っていたことを聞いて、もっとこの花をうまく使えるはずだから」
牧志 浩太

1d100 77 牧志の〈心理学〉 Sasa 1d100→ 65→成功
KP
おっと、マイナス補正の入れ忘れ。でも成功ですね。
牧志 浩太

「彼女が困ってるのは、本当みたいだな……。
すぐに答えたし、考えながら言ってるのも言い方に迷ってるって風だ」
すぐに答えたし、考えながら言ってるのも言い方に迷ってるって風だ」
佐倉 光

「団長が解毒方法を知っている可能性か……」
佐倉 光

「あの団長って、目を覚ますことはないのか?
俺たちの誘拐なんかを考えたのは団長じゃないのか?」
俺たちの誘拐なんかを考えたのは団長じゃないのか?」
KP
「ないみたい。
たまに起きて食事をとったりするけど、話したりすることはないの」
たまに起きて食事をとったりするけど、話したりすることはないの」
佐倉 光
うーむ。何とか団長を起こしてその知識を探る、って手段が出たけど、ちょっとリスクが高すぎるな。
例えば一週間ほっとけば影響から抜ける、というのが団長にも適用されたとしても、
こっちの持ち時間は二日だし敵の人数が多い。
実はこの女が矢祭町、祭司長である可能性ッ
例えば一週間ほっとけば影響から抜ける、というのが団長にも適用されたとしても、
こっちの持ち時間は二日だし敵の人数が多い。
実はこの女が
KP
矢祭町
架空田舎町ものCoCにありそう
架空田舎町ものCoCにありそう
佐倉 光

「今この団体を牛耳っているのは誰だ?」
KP
「牛耳っている?
誰もいないと思う。みんなで好きにやってるだけ。
あなた達や団長のお世話は、下の二人がやってるけど。
たぶん目的も、ばらばら」
誰もいないと思う。みんなで好きにやってるだけ。
あなた達や団長のお世話は、下の二人がやってるけど。
たぶん目的も、ばらばら」
佐倉 光
思った以上にぐちゃぐちゃだなここ
KP
色々とぐちゃぐちゃしている教団です。実行力だけはあるのが厄介。
佐倉 光
団長なんのためにいるんだろうね。
佐倉たちが逃げ出したらかわりに生け贄にされても不思議はないな。
佐倉たちが逃げ出したらかわりに生け贄にされても不思議はないな。
KP
詳しい背景事情は終了後にでもなのですが、団長がいるのは
「団長が夢で神と交信し続けていること」が儀式に重要だと彼らが考えているからだったりします。
あとは、単純に「仲間だから」という情緒的な理由。
「団長が夢で神と交信し続けていること」が儀式に重要だと彼らが考えているからだったりします。
あとは、単純に「仲間だから」という情緒的な理由。
佐倉 光

「……俺たちを捕まえて、儀式に使おうとしてるだろ?
集団の意思ってわけでもなく、団長の意思でもない?
それなら誰が何のためにやっているんだよ」
集団の意思ってわけでもなく、団長の意思でもない?
それなら誰が何のためにやっているんだよ」
KP
「下の二人は、神がくれる知識が欲しいみたい。
見張りとあの子と、それから外の人は、美貌とか、若さとか、便利な品物とか、そういう現世利益。
私は、この子の世話ができればそれでいい」
見張りとあの子と、それから外の人は、美貌とか、若さとか、便利な品物とか、そういう現世利益。
私は、この子の世話ができればそれでいい」
牧志 浩太

「外の? ……そういえば、俺達にあれを盛った奴がいるんだな」
佐倉 光

「馬鹿馬鹿しい。宗教団体とも言えない犯罪集団……」
思わず悪態つきそうになってため息をついた。
邪教ってそんなもんかもしれない。
わざわざ危険を冒して壊滅させようなんて考えすら勿体ない。
こんなの通報だ通報。
思わず悪態つきそうになってため息をついた。
邪教ってそんなもんかもしれない。
わざわざ危険を冒して壊滅させようなんて考えすら勿体ない。
こんなの通報だ通報。
佐倉 光

「あんたは中毒になったりしないのか? 毎日その花に触れているんだろ?」
KP
「精製する時は吸わないようにしてるし、触れないようにしてる。
この花だけなら大丈夫みたい」
この花だけなら大丈夫みたい」
佐倉 光

「へぇ……賢明だな。
飲みたくなることはないのか」
ふらふらと花に手を伸ばしつつあった自分を自嘲するように呟いた。
飲みたくなることはないのか」
ふらふらと花に手を伸ばしつつあった自分を自嘲するように呟いた。
KP
「別に。
……あなた達、外に出たいの?」
彼女はあなたの手に花を差し出す。
あなたの手は、自然とそれを握ってしまう。
……あなた達、外に出たいの?」
彼女はあなたの手に花を差し出す。
あなたの手は、自然とそれを握ってしまう。
佐倉 光

「当たり前だろ……他人の勝手な望みのために自分を犠牲にしたいヤツがどこにいるんだよ」
KP
「みんな夢が見たくて戻ってきた。それでも?」
佐倉 光

「そんなのは薬物が見せる幻だ。
……俺の望みじゃ、ない……」
吐き気とうずき始める渇望と手の震えと嫌悪感で気持ち悪くなってきた。
……俺の望みじゃ、ない……」
吐き気とうずき始める渇望と手の震えと嫌悪感で気持ち悪くなってきた。
佐倉 光

「時間の、無駄だな」
KP
「そうね。
私、解毒方法なんてないと思う。
神様がくれたものだもの。人の手には負えないのよ」
愛しそうなような、諦めを含んだような声で彼女は囁いた。
私、解毒方法なんてないと思う。
神様がくれたものだもの。人の手には負えないのよ」
愛しそうなような、諦めを含んだような声で彼女は囁いた。
牧志 浩太

「……行くか」
佐倉 光

「行こう。解毒方法がないのなら、時間が経てば経つほどまずい」
牧志 浩太

「ああ」
佐倉 光

リフトぶっ壊して行くってのも手だけど。
佐倉 光

まあ、人力じゃあな。
佐倉 光

足早に出口へ向かう。
KP
……エントランスホールは、変わらず静まり返っていた。
大いなる神の像が、あなた達を見下ろしている。
その視線は鋭く、温かい。
外へ出ようとするあなた達を咎めると同時に、その帰還を信じている。
大いなる神の像が、あなた達を見下ろしている。
その視線は鋭く、温かい。
外へ出ようとするあなた達を咎めると同時に、その帰還を信じている。
KP
震える視界が、込みあげる吐き気が身を揺らす。
閉ざされた扉の向こうには恐らく、大いなる祈りから永遠に断たれた荒野しかない。
それでも、あなた達は外に出ようとするのだろうか?
閉ざされた扉の向こうには恐らく、大いなる祈りから永遠に断たれた荒野しかない。
それでも、あなた達は外に出ようとするのだろうか?
佐倉 光

「古島、俺たち、おかしなこと言い始めるけど、すぐ動けなくなるからさ……
それまでに人がいる場所まで移動したいんだ」
それまでに人がいる場所まで移動したいんだ」
佐倉 光

「最悪、あの場所に戻らないようにしてくれればいいよ。
殴ってもいい、縛ってもいい、とにかく戻らないようにしてくれ」
殴ってもいい、縛ってもいい、とにかく戻らないようにしてくれ」
古島

「ああ。……牧志から事情は聞いた。任せてよ。
牧志が、佐倉さんがおかしくなっても、俺がいる」
古島は真剣な目で、あなた達を安心させるように、元気づけるように穏やかに笑った。
牧志が、佐倉さんがおかしくなっても、俺がいる」
古島は真剣な目で、あなた達を安心させるように、元気づけるように穏やかに笑った。
佐倉 光

神の像に背を向けて、鍵を手に扉に近づく。
牧志 浩太

牧志が呪文を唱えようと待機する。
KP
扉を戒める鍵穴が目の前にある。
その鍵を差し込んで回せば、牧志が呪文を唱え、扉は開くだろう。
その鍵を差し込んで回せば、牧志が呪文を唱え、扉は開くだろう。
佐倉 光

鍵を差し込む。強い意思を込めて回す。
俺たちは帰らない。
俺たちは帰らない。
佐倉 光

そういえば鍵が内側にあるんだな。
外からの戸締まりは必要ないってことか。
外からの戸締まりは必要ないってことか。
牧志 浩太

牧志が呪文を唱える。
KP
鍵が、回る。
錠前が外れる。扉を戒めていた鎖がほどける。
扉が、ゆっくりと外へ向かって開く。
──扉の向こうには、上り階段が続いている。
空気が、変わった。
この階段の上は、地上。外だ。そう、確信するだろう。
錠前が外れる。扉を戒めていた鎖がほどける。
扉が、ゆっくりと外へ向かって開く。
──扉の向こうには、上り階段が続いている。
空気が、変わった。
この階段の上は、地上。外だ。そう、確信するだろう。
牧志 浩太

「……外だ……!」
KP
ああ、外だ。
あなたは、あなた達は躊躇う。
ここを去って戻らなければ、もう二度と、あの素晴らしい輝きを見ることはできないのだ。
あの恍惚を味わうことはできないのだ。
この重く痛む肉体から、出ることはできないのだ。
それはこの仮初めの自由より、もっと不自由なことではないだろうか?
いますぐに古島を還し、真の自由のもとへ戻るべきではないだろうか?
その躊躇いに抗って外へ出るなら、【POW】×5でロール。
ただし、この判定には「自ら牢へ戻った、または自ら牢の外で『水』を飲んで気を失った回数」×5%がマイナス補正となる。
あなたは、あなた達は躊躇う。
ここを去って戻らなければ、もう二度と、あの素晴らしい輝きを見ることはできないのだ。
あの恍惚を味わうことはできないのだ。
この重く痛む肉体から、出ることはできないのだ。
それはこの仮初めの自由より、もっと不自由なことではないだろうか?
いますぐに古島を還し、真の自由のもとへ戻るべきではないだろうか?
その躊躇いに抗って外へ出るなら、【POW】×5でロール。
ただし、この判定には「自ら牢へ戻った、または自ら牢の外で『水』を飲んで気を失った回数」×5%がマイナス補正となる。
▼マイナス補正
3日目・5日目に連れ戻されたため、1・2・4日目の3回×5%=15%。
さらに禁断症状のマイナス補正(-10%)が入り、【POW】×5-25%でロール。
3日目・5日目に連れ戻されたため、1・2・4日目の3回×5%=15%。
さらに禁断症状のマイナス補正(-10%)が入り、【POW】×5-25%でロール。
※ここでKPは「持ち物を見つけたことによるボーナス」(+10%)を加算し忘れています。
佐倉 光
これは厳しいなぁー
佐倉 光

1d100 50 pow Sasa 1d100→ 47→成功
佐倉 光

あの牢で自分の意志を捨てて他人の欲望の踏みつけになる?
冗談だろう?
そんなのが幸せであるわけがない。
この痛みは俺のだ。
冗談だろう?
そんなのが幸せであるわけがない。
この痛みは俺のだ。
牧志 浩太

1d100 35 【POW】 Sasa 1d100→ 56→失敗
牧志 浩太

「あ……、」
ふっと、牧志が背後を振り返った。
ふっと、牧志が背後を振り返った。
牧志 浩太

「あ、ああ、ああ、違う、違うんだ……、
この辛さは偽物で、偽物なんだ……、よな?
夢なんか見なくてもいい、いいんだよな、本当に?」
牧志の眼から大粒の涙が溢れた。
彼の歩幅が一歩ずつ小さくなり、そして、一度、完全に止まる。
この辛さは偽物で、偽物なんだ……、よな?
夢なんか見なくてもいい、いいんだよな、本当に?」
牧志の眼から大粒の涙が溢れた。
彼の歩幅が一歩ずつ小さくなり、そして、一度、完全に止まる。
▼プレイヤー向け説明
※失敗しても外に出ることはできます。(牧志が止まってしまったのは演出)
※失敗しても外に出ることはできます。(牧志が止まってしまったのは演出)
KP
成功した佐倉さんは《SANチェック》無し。
失敗した牧志のみ、身を切る程の辛さに襲われ、それを振り切って外に出るため、
《SANチェック:成功時減少 1 / 失敗時減少 1d4+1》。
失敗した牧志のみ、身を切る程の辛さに襲われ、それを振り切って外に出るため、
《SANチェック:成功時減少 1 / 失敗時減少 1d4+1》。
牧志 浩太

1d100 40 《SANチェック》 Sasa 1d100→ 76→失敗
1d4+1 Sasa 1d4+1→ 3+1→合計4
SAN 40 → 36
1d4+1 Sasa 1d4+1→ 3+1→合計4
SAN 40 → 36
佐倉 光

「お前は間違ってない。戻らなくていい。
辛くても一週間耐えようぜ。
それだけでいいんだ……」
辛くても一週間耐えようぜ。
それだけでいいんだ……」
佐倉 光

「古島、補助頼むよ」
震える足を踏みしめ、牧志の手を引いて外に出る。
震える足を踏みしめ、牧志の手を引いて外に出る。
古島

古島が頷く。
座り込む牧志の背を背後から抱きかかえ、押し上げる。
座り込む牧志の背を背後から抱きかかえ、押し上げる。
KP
一歩、一歩。
やがて、今までとは違う、外の空気の匂いが少しずつ強くなる。
階段の明かりがなくなり、光が届かなくなり、辺りが真っ暗になる。
やがて、今までとは違う、外の空気の匂いが少しずつ強くなる。
階段の明かりがなくなり、光が届かなくなり、辺りが真っ暗になる。
KP
握った手さえ見えない暗闇の中、階段が終わった。
……古びた扉が一つ。鍵はない。
……古びた扉が一つ。鍵はない。
古島

古島がその扉を押し開けると、澄んだ夜の空気が鼻をくすぐった。
KP
……そこは、古びて壊れた建物の中だった。
大きく割れた窓から外の風が吹き込み、満月のまばゆい明かりだけがあなた達を照らしている。
辺りにぽつぽつと立つ建物にはすべて明かりがなく、草に埋もれた足元にけもの道の感触。
少し遠くに、道路の街灯が見えた。
外だ。
外の、世界だ。
大きく割れた窓から外の風が吹き込み、満月のまばゆい明かりだけがあなた達を照らしている。
辺りにぽつぽつと立つ建物にはすべて明かりがなく、草に埋もれた足元にけもの道の感触。
少し遠くに、道路の街灯が見えた。
外だ。
外の、世界だ。
佐倉 光

ああ。あぁ。ああ、外だ。自由だ。
これが俺達の世界だ。
これが俺達の世界だ。
佐倉 光

ほんの数呼吸だけ立ち尽くし、すぐさま足を速める。
《マッパー》を立ち上げて生きている人里への道を調べる。
再度BARに連絡。
いつも世話になっている病院に連絡。
《マッパー》を立ち上げて生きている人里への道を調べる。
再度BARに連絡。
いつも世話になっている病院に連絡。
KP
再度BARに連絡を入れると、すぐに応答があった。
「干渉」とやらの関係なのか、単純に通じていなかったのか、先程とは明らかに様子が違う。
曰く、かなり近い所まで足取りを絞り込んでくれていたらしいが、絞りきれていなかったそうだ。
あなたの連絡と《マッパー》により、彼らはあなた達の位置を特定できる。
「干渉」とやらの関係なのか、単純に通じていなかったのか、先程とは明らかに様子が違う。
曰く、かなり近い所まで足取りを絞り込んでくれていたらしいが、絞りきれていなかったそうだ。
あなたの連絡と《マッパー》により、彼らはあなた達の位置を特定できる。
佐倉 光

どこまで本当なんだか。
なんにせよ助けに来て貰えるならありがたい。
なんにせよ助けに来て貰えるならありがたい。
依存症について
KP
リプレイ一覧新メニュー、メニューで飛べるのめちゃめちゃ見やすくて助かっております
「あの話の内容を確認したい」「あの話を読みたい」って時に、スマホでもすぐ飛べる
「あの話の内容を確認したい」「あの話を読みたい」って時に、スマホでもすぐ飛べる
佐倉 光
やったー!
そういや昨日薬物依存についての動画見たんですけど、
普通は快感を得て、その快感がドーパミンを誘発するから、普通の人間は快感をもたらすことをしたくなるのに、
薬物はドーパミンを直接刺激するから、「薬物を得たからといって幸せになるわけではない」というのが目から鱗でした。
そっかー。
気持ちいいもの、楽しい体験ができるから欲しくなるという認識だったので、それは完全に認識違いしてたなぁ。
そういや昨日薬物依存についての動画見たんですけど、
普通は快感を得て、その快感がドーパミンを誘発するから、普通の人間は快感をもたらすことをしたくなるのに、
薬物はドーパミンを直接刺激するから、「薬物を得たからといって幸せになるわけではない」というのが目から鱗でした。
そっかー。
気持ちいいもの、楽しい体験ができるから欲しくなるという認識だったので、それは完全に認識違いしてたなぁ。
KP
なるほどなー!
それはこちらも認識違いしておりました。
快感をすっ飛ばしちゃうのか。
それはこちらも認識違いしておりました。
快感をすっ飛ばしちゃうのか。
佐倉 光
だから現象としては飽きながらパズルゲームを延々と続けてしまうのに近い、らしい。
KP
不快症状を和らげるために欲しくなる認識でいたけど、なるほど。
やりたくないのに続けちゃうんだ。
やりたくないのに続けちゃうんだ。
佐倉 光
まあ今回の水は快感も与えてくれるやつだったということで!
そういう意味ではそんじょそこらのお薬より随分マシな代物と言える??
(寝台で溶けてる人から目をそらす)
そういう意味ではそんじょそこらのお薬より随分マシな代物と言える??
(寝台で溶けてる人から目をそらす)
KP
ということでお願いします。
実際マレモンの黒い蓮よりは効果を和らげてあったりもするので。マシマシ。
(ただし溶ける)
楽しくないし幸せでもない、やりたくないのに続けてしまうの、それもそれで今度何かに使えそう。
実際マレモンの黒い蓮よりは効果を和らげてあったりもするので。マシマシ。
(ただし溶ける)
楽しくないし幸せでもない、やりたくないのに続けてしまうの、それもそれで今度何かに使えそう。
佐倉 光
なるほどー(マレモン読んだ)
最近脳をいじられすぎだと思いますっ!
溶けるのはアレンジだったのか……
最近脳をいじられすぎだと思いますっ!
溶けるのはアレンジだったのか……
KP
禁断症状の内容は完全に独自要素なんですが、溶けるのはあれマレモンの別なページが絡んでいます。
佐倉 光
終わったら教えてもらおう!!
KP
>脳を
それはそう。ごめんな佐倉さん。
一蓮托生・もぞもぞいう・コントローラー・光を溶かす水は完全にKPのせいですからね。
今度はもっと物理的に行かなければ。(?)
それはそう。ごめんな佐倉さん。
一蓮托生・もぞもぞいう・コントローラー・光を溶かす水は完全にKPのせいですからね。
今度はもっと物理的に行かなければ。(?)
佐倉 光

戻りたくなる衝動が起きる暇のないようにすべきことを詰め込んだ。
進め進めと、自分と牧志に言い続けた。
現れ始めた波照間や仲間たちや友人たちの姿を、古島に確認して幻覚と断じ、進み続ける。
自分たちが戻れなくなる程度まで距離を離す。それだけを考え、歩いた。
進め進めと、自分と牧志に言い続けた。
現れ始めた波照間や仲間たちや友人たちの姿を、古島に確認して幻覚と断じ、進み続ける。
自分たちが戻れなくなる程度まで距離を離す。それだけを考え、歩いた。
KP
見慣れたバンが道路の向こうから、街灯に照らされて向かってくる。
何度も何度もそんな幻が見えた。見えては消えた。
波照間や仲間たちが迎えに来た。
その度に古島が幻だと断じてくれた。
前へ向かうといつの間にか後ろへ向かっている。
耳の奥でわめく声の中、どちらへ進んでいるか分からなくなる。
そんな時も古島があなた達の背を押した。
何度も何度もそんな幻が見えた。見えては消えた。
波照間や仲間たちが迎えに来た。
その度に古島が幻だと断じてくれた。
前へ向かうといつの間にか後ろへ向かっている。
耳の奥でわめく声の中、どちらへ進んでいるか分からなくなる。
そんな時も古島があなた達の背を押した。
佐倉 光

見慣れたバンにおおいと声を上げ、古島に指摘されを繰り返し。
波照間さんだ、と声を上げては牧志に否定され罵倒され……ああ、全部まとめて幻だ。
やがて体の痛みと重みがのしかかってきて。
ふと踵を返しそうになり。
振り向こうとする牧志の腕を取り。
波照間さんだ、と声を上げては牧志に否定され罵倒され……ああ、全部まとめて幻だ。
やがて体の痛みと重みがのしかかってきて。
ふと踵を返しそうになり。
振り向こうとする牧志の腕を取り。
KP
戻るべきだ、そろそろ戻るべきだ、今日は戻るべきだ。
野生動物の危険だってある。連絡がついたから、場所が特定できたから、後は安全なあそこで戻って待つべきだ。
何度も何度も自身の声がそうわめき、牧志が背後を振り向く。
その度に古島がだめだと断じた。
野生動物の危険だってある。連絡がついたから、場所が特定できたから、後は安全なあそこで戻って待つべきだ。
何度も何度も自身の声がそうわめき、牧志が背後を振り向く。
その度に古島がだめだと断じた。
佐倉 光

「ほんとうに、来てもらえてよかったよ、古島……」
KP
最後に来た一台だけは、幻ではなかった。
波照間 紅

「佐倉さん! 牧志!」
牧志 浩太

「あ……、れ。また幻」
佐倉 光

次々ともっともらしい理屈をつけて押し寄せる誘惑を黙殺し、喚き返し、聞き流し。
吐き気がするほどの悪意を引きずって、最後の一台をぼんやりと眺めた。
期待するだけエネルギーの無駄だ……
吐き気がするほどの悪意を引きずって、最後の一台をぼんやりと眺めた。
期待するだけエネルギーの無駄だ……
古島

「違う、幻じゃない! おーい、こっち、こっち!
よかった、……助かったんだよ、二人とも」
古島があなたの手を引き、扉を跨がせる。
よかった、……助かったんだよ、二人とも」
古島があなたの手を引き、扉を跨がせる。
KP
悪意と絶望と渇きの中にあなた達は沈んでゆく。
沈んでゆく。
それでも二人は歩き続けた。
沈んでゆく。
それでも二人は歩き続けた。
KP
バンの扉が閉じる。
後部座席のロックが、かたん、と落とされた。
もはや理由を失った、戻らなければ、という衝動が指先を震わせた。
後部座席のロックが、かたん、と落とされた。
もはや理由を失った、戻らなければ、という衝動が指先を震わせた。
佐倉 光

もう大丈夫だ、という安堵と、二度と戻れない、という嘆きが、ないまぜになって目から流れた。
一気に全身が崩れ落ち、動く事を忘れて虚ろな肉塊に沈んでいった。
一気に全身が崩れ落ち、動く事を忘れて虚ろな肉塊に沈んでいった。
KP
…………
コメント By.佐倉 光
ついに脱出の時。
自分も、相棒も信じられなくなっても、まだ信じられる物は残っている。
ついに脱出の時。
自分も、相棒も信じられなくなっても、まだ信じられる物は残っている。
メインルート
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子供佐倉ルート
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塔牧志ルート
塔牧志&佐倉ルート
Nルート
N牧志&N佐倉ルート
波照間ルート
波照間(&東雲)ルート
佐倉~月影ルート
佐倉・アナザールート
【クトゥルフ神話TRPG】
本作は、「 株式会社アークライト 」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。
Call of Cthulhu is copyright ©1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc.
Call of Cthulhu is a registered trademark of Chaosium Inc.
PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION 「クトゥルフ神話TRPG」







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