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▼カリスの事情▼


カリスともうひとりについて
一柱の女神がいました。
何を思ったかは彼女にしか分かりませんが、ある時彼女は己を二つに裂きました。
それにより彼女は、幼いカリスと、乱暴なサメカリスというふたつの神格に別れました。
カリスが眠ればサメカリスが、サメカリスが眠ればカリスが。ふたりは互いを知ることなく、自分の真の姿も忘れて過ごしていました。

とある事件をきっかけに元に戻った彼女は、それぞれを好いてくれた人たちとの繋がりを大事に思い、再び自分を二つに分けたのでした。


こんばんは
語り手
風馬
語り手
いらっしゃいませ
高瀬川の和樹
こんばんはー
語り手
こんばんはー
風馬
こんばんは!
高瀬川の和樹
今回はシーンに見入って夢を投げ損ねない!
シロ
こんばんー
語り手
果たしてそううまく行くかな?
結局投げ損ねている。
シロ
シーン開始処理からだー
高瀬川の和樹
だー
語り手
ДА
シャーリー
います
語り手
昔いまし
高瀬川の和樹
こんばんはー

語り手
では、シーンの切り替えによって、登場処理でございます
高瀬川の和樹
お時間帯はいつかしら
[ 高瀬川の和樹 ] ふしぎ : 30 → 45
[ 高瀬川の和樹 ] おもい : 9 → 21
語り手
奇しくも夕方です
高瀬川の和樹
おもいでの世界みたいですしね、半変身で参りましょう
おもいから2消費。
[ 高瀬川の和樹 ] おもい : 21 → 19
風馬
[ 風馬 ] ふしぎ : 30 → 43
[ 風馬 ] おもい : 15 → 29
おもいふしぎで完全返信
[ 風馬 ] ふしぎ : 43 → 41
[ 風馬 ] おもい : 29 → 27
シロ
[ シロ ] ふしぎ : 19 → 34
[ シロ ] おもい : 20 → 33
ヒトになっとかないと不便そうなので~
半分にしよう。
おもい2でへーんしん!
[ シロ ] おもい : 33 → 31
シャーリー
[ シャーリー ] ふしぎ : 27 → 40
[ シャーリー ] おもい : 11 → 22
ではこちらも想いから2消費で半変身。
[ シャーリー ] おもい : 22 → 20

語り手
さてさて
みんなは猫のお産に関する本や、そのための寝床の準備に追われました
ようやく落ち着くころには、お日様は海の近くまで傾いて、空は朱と青のまだらに染まっていました
高瀬川の和樹
「おや。普通に時間が過ぎた」
カリス(?)
もう一人にカリスは、みんなが拵えてくれた木箱の寝床の中、ふかふかの布団の上にそっと、おなかの大きな猫をおろしました
カリス
「それはきっと、
たぶん、あの時の本当の時間に近づいているから」
高瀬川の和樹
「そうか……」
シロ
ようやっと理解したのであちこちから暖かいタオルとかひたすら集めている。
高瀬川の和樹
「頑張れよ、ミーコ……」
風馬
「……苦しそうだ」
語り手
猫は、最初は落ち着かないように、柔らかい布団の上で立ったり座ったりしていましたが、もう一人のカリスに諭されたり、何よりもそれすらしんどくなってきたのか、やがてその寝床の真ん中で丸くなりました
シャーリー
「……そうですね……」
語り手
耳を澄ますと、うるる、という唸るような声が、目を閉じた猫の喉から漏れているのが聞こえます
高瀬川の和樹
騒がせないように距離を置き、見守る。
シロ
持ってきたタオルの山の上で伏せてる。
カリス(?)
「ミーコ、大丈夫か……」
もう一人のカリスは、不安げに猫の傍にいてやろうとしますが
語り手
本を読んだもののけは、そうすることで却って猫が落ち着きを無くし、お産をやめてしまうことも知っています
高瀬川の和樹
「あんまり近くに寄ってやらねぇ方がいい。
子供を産むってのは、いちばん無防備だから、いちばん何も寄らせたくねぇんだと」
カリスの肩をそっと叩き、本のページを示す。
カリス(?)
「そう、なのか……」
高瀬川の和樹
「ああ。信じてやれ、ミーコだって大人なんだろう。ひとりでやれるさ」
カリス(?)
「大丈夫なのかな……」
なおも幾度も振り返りながら、カリスはみんなのところに戻ってゆきます
シロ
「ヒマー、じゃなくて、きになるけど、うごくことなくて、うぅ」
落ち着かない気持ちを発散するためにタオル掘ってる
シャーリー
「そう……ですね……」
語り手
やがて
猫は、低く、それでも大きな声で、うなー、と唸るような吠えるような声を上げ始めます
それは、長く長く、何度も何度も
そして、猫のお尻のあたりから、とぱっと赤い塊が吐き出されました
たちまち、寝床の中、布団の白の中に赤黒い色が染みてゆきます
高瀬川の和樹
「うお」
大人な顔をしていても、哺乳類のお産など目の前で見たことはないのだ。つい声が出る。
シロ
「にゃ!!!」
ゆり
「血くらいで、慌てないの」
その反応に、ゆりが諫めるように言葉を吐きますが、その手は握りしめられて、白くなっています
風馬
「ケガ……じゃ、ないのか?」不安そうに
高瀬川の和樹
「おう、悪りぃ悪りぃ……」握った手がぷるぷるしている。
シロ
「ダイジョブ?  ダイジョブ??」
シャーリー
「どうでしょう……」
加須 茜
「破水、したんじゃないかな……
本当、一大事だ……」
カリス
「ミーコ、がんばれ……」
語り手
みんなが見守る中、猫の叫ぶような声は、なおも続いて
時折寝床の中で手足を突っ張るような動きを見せます
その都度、見守るみんなに緊張が走ります
そんな中、ふしぎなことに気付くでしょう
最初は、見間違いかと思うかもしれません
見守る先の、猫のお産の光景が、ぶれるように重なって見えるのです
声をあげながら、苦しむように身もだえる姿
シロ
シュレディンガーのねこ
語り手
そして、片方はようやく、猫のお尻のところから、血に塗れた何かの頭のようなものが見え始める一方で
もう片方は、落ち着かぬ様子で立ち上がったり、やはり横になったり
シロ
「に、にゃ??
にゃんかヘン」
風馬
「ちがうのが、2つあるぞ」
カリス
「ああ……
やっぱり、ダメだよ。
『ほんと』の方に、引っ張られてる」
何かを悟ったようなカリスが、辛そうに息を吐きます
高瀬川の和樹
「本当……、か」
シャーリー
「……」
語り手
やがて、目の前の光景は
まるで時間を一瞬一瞬切り刻むように、いくつもの光景が飛ぶように過ぎて行きます
風馬
「……でも、おれたちいるぞ」
シロ
「そうだよー!」
ゆり
「それでも、足りないの?」
語り手
みんなの前の光景の中で、猫はとうとうお産をやめてしまい、ただただ血を流しながら、弱ってゆくのが、より色濃く見えるように
みんなの前で、恐らくはかつてあった出来事が、やはり変えられぬ過去として、現実になろうとしています
シロ
「だめー!」
風馬
「和樹」
高瀬川の和樹
「おう。

……なあ、カリス。ここは思い出の世界なんだろう。
本当は全部、もう終わっちまったんだ。互いにどうすりゃあいいのか、分かんねぇまま。
もののけにだって、きっとかみさまにだって、起きた事だけは変えらんねぇや。

それでもさあ。
悪い夢だけでも変えて、いい夢にすることに、意味はあるかな?

それとも、それってどうしようもなく、ひどいことなのかな」
シロ
「いやだよう。いやだよぅ。がんばったんだよ。がんばってるんだよ」
カリス
「そうだよ……
もう一人のボクは、頑張ったんだ」
シャーリー
「……難しいですね……」
カリス
「そりゃぁ、色々なことがあったんだと思うけど、それでも一人だけでも、頑張ったんだ」
シロ
「かえちゃおう!!」
語り手
例え、記憶の中の世界であっても
いえ、むしろだからこそ、それを変えることは難しいのかもしれません
それこそ、神様のような大きな力でもない限りは

シロ
奇しくもカリスが関わった不思議事件そんな感じの話だったよねって。
ただあれは事実には干渉していなかった。
夢をいじることで関わり方を変えただけ。

高瀬川の和樹
「それで、いいのかな。ほんとうの世界で死んじまったそいつのことを、思い出だけ変えていいようにしたら、忘れちまうことになんねぇかな。
俺が考えすぎなのかな?」
ゆり
「逆に、大きな後悔だけが残る……そんなことになるかも、しれないわね」
ゆりはそう言いますが
加須 茜
「でもさ、こんなに頑張ったんだよ、この子。それが報われないままなんて、残酷すぎない?」

高瀬川の和樹
〈PL意図〉
表ですが、そんなにゴネるつもりはありません。
単に「下手に大人なせいで考えすぎる人」してるだけなので、少し話したら「いや、やっぱり目の前の頑張った奴を助けよう」方面に行きます。
語り手
なるほどなるほど
メタいことを言ってしまえば、おおきなふしぎを起こせば、変えることはできるでしょう
少なくとも、この記憶の世界では
シロ
実際、都合のいい夢にすることの是非はわかんないからね。

風馬
「……死んじゃうのか?」
シャーリー
「……ままならないです……」
シロ
「やーーーだーーーー!
しんじゃうの、やだ!!!!」
高瀬川の和樹
「後悔、か……。そうだな……。そうかもな、こいつ、もういねぇんだもんな。
傷が残ろうが、忘れようが、忘れまいが、そいつが何か思えるわけじゃねぇんだ。
それなら、ちょっとでも心が明るくなりゃあ、それでいいのかもしれん。

おわかれ、なんて、そんなもんだ」
語り手
本来、この場にはいなかったはずのみんな
『ほんと』へと揺り戻されようとしている今、もう一人のカリスには、みんなのそうした会話も聞こえてはいないようで
カリス(?)
彼女は、ただ固唾を呑んで、猫の姿を見守っています
風馬
じゃあ話しかけよう

高瀬川の和樹
というわけで、和樹は「おおきなふしぎで目の前の猫を助けよう」については最終的に賛成です。
風馬くんの会話待ちかな。
風馬
ちょっと悩んでて、助けられないけど黒カリスが塞ぎこまない方向にもってくことはできないかなと
高瀬川の和樹
なるほど
シャーリー
ふむふむ
シロ
しかしこのパーティー犬が一匹必要なんじゃないかって事件に当たりまくるな。
ななくさくんをスカウトするべきだったかもしれぬ。
シャーリー
ふふ
ななくさくん……シャーリーの中の人が前に担当していた「いぬ」のキャラクター。

風馬
「お前……
あのねこの、ともだちか?」
カリス(?)
風馬が声を掛けると
もう一人のカリスは、振り向きません
まるで聞こえていないようでした
ですが
どこからか、まるで今目の前に見えている、この不思議な世界そのものから聞こえるように、声が
『ミーコ……』
『お前も、一人だもんな』
風馬
「なんでだ? みんないるぞ」
カリス(?)
『ノラで……いつも、港で魚をくすねて、一人で頑張って生きてきたんだ』
風馬
「ずっとみてたのか」
カリス(?)
『たまに、俺様がくすねてきたソーセージ、わけてやったこともあったっけ』
風馬
「なんだ。やっぱりともだちだったのか」
語り手
風馬が語り掛け、世界から返るもう一人のカリスの声と共に
みんなの前には、いくつもの光景が浮かび上がります
シロ
「に、にゃ!?」
語り手
それは、猫とカリスが、何かイタズラをしたのか、怒る町の人から追いかけられたり
雨が降る中、閉まったお店の軒先で、ソーセージを分けっこして食べる光景だったり
風馬がともだち、と言う通り、
二人がいつも一緒にいるような光景ばかりでした
カリス(?)
『でも、お前、ママになるんだなぁ』
『そうしたら、お前もう一人じゃなくなるな』
『……よかったな』

シロ
他の友達どうしたんじゃ。
サメカリスにとってはそれほど親しくはなかったのかな。
ヌートリアちゃんとかもぐらちゃんとかきつねさんとかからすさんとか

風馬
「ひとりじゃないぞ、お前数えるのにがてか?
うーん、きこえないのか。おーい、かりすー!」表かりすを呼ぶ
カリス
「な、なに?」
風馬
「こいつはオレの声聞こえないみたいだ。サメの声じゃないとだめか?
あのねことともだちなのに、ひとりしかいないっていってるぞ」
カリス
「……うん」
難しそうな顔で、カリスは唸ります
「ボクたち、一人だったことなんて、ないんだ」
風馬
「そうか、かりすもいるもんな」
カリス
「ヤタ兄ちゃんや、ぴーなつ、リルカもいたし、白露だって」
シャーリー
「……ですね」
カリス
「なんで、そんなに一人だ、って思っちゃうんだろう」
高瀬川の和樹
「だよな……。なあ。一つ思ったんだ。
もう一人のこいつも、その友達と話してたのか?」
カリス
「うん、きっと……。だって、みんなからももう一人のボクのこと、聞いたことあるもん」
高瀬川の和樹
「そうか……。なのに、こいつには見えてなかったんだな」
風馬
「なんでだ? なんでみえないんだ」
ゆり
「結構、難しい性格……っていうの? なんかツッパってる感じだものね、この子」
高瀬川の和樹
「どうだろうな、なんで見えなかったのかはわかんねぇけど。

思ったんだ。いまここで一緒にこいつを助けられたら、助けたいって思う奴がいるよって知らせられたら、見えるようになんねぇかな」
加須 茜
「なるほど……。自分がそうしたように、か」
シロ
「たすける!!」
シャーリー
「助けましょう……」
風馬
頷く
ゆり
「やってみましょうか」
シロ
「いるんだよっておしえる!!」
高瀬川の和樹
「おう」頷く。
「俺達もお前も、お前の友達だって、ここにいるんだ。お前達を助けたいんだよ」
カリス
「……うん。そうだよ。そうだね」

語り手
では、そういう意思決定ができたところで、本日は締めますか
風馬
はーい
高瀬川の和樹
ですね!
シロ
はーい
シャーリー
ありがとうございます……
高瀬川の和樹
風馬くんのおかげでナイス流れに! ありがとうございます
シロ
助ける理由ができてナイス
風馬
風馬は実際生き物の生死にそこまでピンときてないからねこよりカリスがきになったらそっち行くんだよな


コメント By.シロ
怖い方のカリスが助けたかった猫は本当はどうなったか。
知っていても何とかしたい。
でも何とかしたら、この子の心は軽くなるんだろうか?

ゆうやけこやけ

第一~二話『龍の眠る滝』『ともだち』
第三話『ふしぎなともだち』
第四~六話『ふたりのかげ』『たそがれのまど』『とびらをひらいて』
第七話 『さくら咲く頃』
第八話 『ふたりの娘』
第九話『みあげればそこに』
第十話『旅するゆうこや』 1 2 3 4 5 6
番外 こどもとTRPG 準備 『まいご』 『たからもの』 『化けニャン』

これは『インコグ・ラボ』が権利を有する『ふしぎもののけRPGゆうやけこやけ』の二次創作物です。