こちらには
CoC『キルキルイキル』の
かなりガチなネタバレがあります。
▼女の人 の事情▼
女の人 の事情(超ネタバレ)
あるところに、加須 茜という女性と、烏座 美穂という女性がルームシェアしていました。
二人は友人で、ずっと一緒にいました。
しかし実はふたりは一人のいびつな処理をされた烏座の体に二人分の意識が無理矢理に詰め込まれた状態であり、『烏座 美穂』は加須 茜が死んだ友人を自らの内に作り出したものだというのでした。
歪んだ体で二人の精神は抱えきれず、どちらかは死ななければ長くは生きられない体だということを知った二人。
烏座は加須のことがずっと嫌いだったと告白。
殺されるのだと覚悟を決めて目を閉じた加須は、烏座の体で現実に目覚めることになります。
烏座が何を思っていたか、加須にはもう分かりません……
何を思っていたか知りたい人は緊張に満ちたリプレイをどうぞ。
ちなみにこの時の加須さんの中の人は語り手、烏座さんの中の人は風馬くん、KPはシャーリーさんでした。
二人は友人で、ずっと一緒にいました。
しかし実はふたりは一人のいびつな処理をされた烏座の体に二人分の意識が無理矢理に詰め込まれた状態であり、『烏座 美穂』は加須 茜が死んだ友人を自らの内に作り出したものだというのでした。
歪んだ体で二人の精神は抱えきれず、どちらかは死ななければ長くは生きられない体だということを知った二人。
烏座は加須のことがずっと嫌いだったと告白。
殺されるのだと覚悟を決めて目を閉じた加須は、烏座の体で現実に目覚めることになります。
烏座が何を思っていたか、加須にはもう分かりません……
何を思っていたか知りたい人は緊張に満ちたリプレイをどうぞ。
ちなみにこの時の加須さんの中の人は語り手、烏座さんの中の人は風馬くん、KPはシャーリーさんでした。
▼カリスの事情▼
カリスともうひとりについて
一柱の女神がいました。
何を思ったかは彼女にしか分かりませんが、ある時彼女は己を二つに裂きました。
それにより彼女は、幼いカリスと、乱暴なサメカリスというふたつの神格に別れました。
カリスが眠ればサメカリスが、サメカリスが眠ればカリスが。ふたりは互いを知ることなく、自分の真の姿も忘れて過ごしていました。
とある事件をきっかけに元に戻った彼女は、それぞれを好いてくれた人たちとの繋がりを大事に思い、再び自分を二つに分けたのでした。
何を思ったかは彼女にしか分かりませんが、ある時彼女は己を二つに裂きました。
それにより彼女は、幼いカリスと、乱暴なサメカリスというふたつの神格に別れました。
カリスが眠ればサメカリスが、サメカリスが眠ればカリスが。ふたりは互いを知ることなく、自分の真の姿も忘れて過ごしていました。
とある事件をきっかけに元に戻った彼女は、それぞれを好いてくれた人たちとの繋がりを大事に思い、再び自分を二つに分けたのでした。
こんばんは
シロ
キマシタ
高瀬川の和樹
コンバンハー
ヘチナ
る!
烏座 美穂
おまえちゃう
高瀬川の和樹
へっちー!
シャーリー
もぐ
語り手
わ
よしおそろいだ
よしおそろいだ
高瀬川の和樹
クライMAX
加須 茜
茜は、美穂に問いかけました
烏座 美穂
「楽しかった……ことも、あったよ」
加須 茜
「そ、そうか……」
その声は、少しホッとしたような
その声は、少しホッとしたような
烏座 美穂
「そんなことを聞きに来たの?」
加須 茜
「あ、いや……うん。それも、あるんだけど」
戸惑いのような表情と声
なんていえば、いいんだろう
そんな声が聞こえてきそうな顔
戸惑いのような表情と声
なんていえば、いいんだろう
そんな声が聞こえてきそうな顔
烏座 美穂
いつものように涼しい顔
加須 茜
相手が、本当にそこにいたのか
それとも、それは、自分の生み出した幻だったのか
それは、どこからも答えなど出ない疑問
それとも、それは、自分の生み出した幻だったのか
それは、どこからも答えなど出ない疑問
複雑
シロ
ちょっと前に【卓すき】で「うちよその定義」についてアンケートとってみたんだけど、それにコメントくれた人がいてね
「どんな関係だろうと、相手が死んだときに大きく感情が動くのがうちよそ」
ここの二人そういう言い表し方ができるなぁと思った。
「どんな関係だろうと、相手が死んだときに大きく感情が動くのがうちよそ」
ここの二人そういう言い表し方ができるなぁと思った。
高瀬川の和樹
それがどんな感情であろうと、「大きく感情が動く関係性」かぁ~~~ 確かに
シロ
「キライだけど生きて欲しかった」んだよね。何故か。
いや、「ただの仕返しだよ」って言うかも知れないけど。
いや、「ただの仕返しだよ」って言うかも知れないけど。
シャーリー
複雑な関係
高瀬川の和樹
「何か、聞きたかったんだろう。
何かの真意を。そうじゃねぇのか」
横から、そう大きくはない声で、静かに言う。
何かの真意を。そうじゃねぇのか」
横から、そう大きくはない声で、静かに言う。
加須 茜
ああ、と声が漏れる
「あんたは……
あんたは、本当に美穂だった、のか」
「あんたは……
あんたは、本当に美穂だった、のか」
烏座 美穂
怪訝そうに首をかしげる
「別の誰かに見える?」手をひらひら
「別の誰かに見える?」手をひらひら
加須 茜
「……」
ほんもの?
語り手
でもこれって本当に答えなんて出ないよなぁ
シロ
「キライな加須ちゃんを作った」のはどうしてかな。
そう。出ないよな。そんなの本人にも多分わかんないもの。
本物か偽物かなんて。
そう。出ないよな。そんなの本人にも多分わかんないもの。
本物か偽物かなんて。
加須 茜
「ごめん。変なこと聞いた」
烏座 美穂
「……で、最近どうなの?」
加須 茜
「最近は……そうだな……
あれからずっと、旅してるよ」
あれからずっと、旅してるよ」
烏座 美穂
「バイク乗りたいだけじゃないの?」
加須 茜
その言葉に、小さく苦笑
だいじなことは?
シロ
・鳥座さんは本物だったのか?
・鳥座さんは自分をどう思っていたのか?
ふたつはバラで考えんといかんな。
で、ひとつめって大事なのかな。
・鳥座さんは自分をどう思っていたのか?
ふたつはバラで考えんといかんな。
で、ひとつめって大事なのかな。
シャーリー
うーーーん
シロ
そして二つ目は素直に答えてくれないぞ絶対。
というか、複雑すぎて答えようがないのかもね。
というか、複雑すぎて答えようがないのかもね。
加須 茜
どっかで当人で落とし所を見つけないとなぁ
シロ
今目の前にいるのは死んだ彼女の魂かも知れないし、ただの加須の望みなのかも知れない。
加須はなんて言って欲しいんだろうな。
※中の人がご本人な時点で「ただの望み」じゃないんだよな。
加須はなんて言って欲しいんだろうな。
※中の人がご本人な時点で「ただの望み」じゃないんだよな。
シロ
なにか言って欲しくて来たのか
なにか伝えたくて来たのか
なにか伝えたくて来たのか
別卓のお話
シロ
この点、うちの男ども(海野と渡川)は単純で迷いがなかったですね。>本物?
高瀬川の和樹
ですねぇ。最初から最後まで迷いがなかった。
なんならどちらかに迷いが生じたときは、いつもどちらかが迷いを払ってた。
なんならどちらかに迷いが生じたときは、いつもどちらかが迷いを払ってた。
加須 茜
「バイク乗りが目的地を探すのは、バイクに乗りたいから……。そう言ったっけ。
ただ。
どっかに、あんたの『カケラ』が落っこちてるんじゃないか、って。
なんか、必死に駆けずり回ってる」
ただ。
どっかに、あんたの『カケラ』が落っこちてるんじゃないか、って。
なんか、必死に駆けずり回ってる」
烏座 美穂
ふっと笑う
「こんなとこまでこなくてもさ」
「こんなとこまでこなくてもさ」
加須 茜
「うん」
烏座 美穂
「こんな大きなの探しに来なくても」
加須 茜
「うん」
烏座 美穂
「鏡みなよ。
家にあるでしょ」
家にあるでしょ」
加須 茜
「ああ。
そこには、今はいつもあんたが映ってる。
その向こうに、あんたがいるのかな」
そこには、今はいつもあんたが映ってる。
その向こうに、あんたがいるのかな」
烏座 美穂
茜の顔の前にこぶしを突き出す
デコピン
デコピン
加須 茜
「あでっ」
烏座 美穂
「私はここにいたんでしょ」
指を下におろして胸元を指す
「まだここにいる」
指を下におろして胸元を指す
「まだここにいる」
加須 茜
下ろされた指の先、蛍石のペンダントが光る
それをしばし、ぼんやりと見やってから
「そう……か。
……そうだな。
あたしが探してたのは、いつか、一緒に手を引いて山に遊びに行った、ちんまい美穂じゃない。
そうだった。
いつも一緒で、喧嘩したり、それでも憎まれ口叩き合いながら、隣にいたルームメイトだった。
それなら、ずっとそこにいたんじゃないか……
あたしにとってのあんた―――美穂は、あんたなんだから」
それをしばし、ぼんやりと見やってから
「そう……か。
……そうだな。
あたしが探してたのは、いつか、一緒に手を引いて山に遊びに行った、ちんまい美穂じゃない。
そうだった。
いつも一緒で、喧嘩したり、それでも憎まれ口叩き合いながら、隣にいたルームメイトだった。
それなら、ずっとそこにいたんじゃないか……
あたしにとってのあんた―――美穂は、あんたなんだから」
往きて帰りし
語り手
なんか当たり前なことに落ち着きそうでハラハラ
シロ
青い鳥青い鳥
往きて帰りし物語よ
往きて帰りし物語よ
加須 茜
茜にとっての本物は、どこまで行っても、その美穂なんだよなぁ、って妙に納得してしまった語り手
高瀬川の和樹
それはそれでとても落とし所 結局答えはそれしかない
シャーリー
うんうん
シロ
わざわざ長い旅をして、自分の中に戻ってきたという、なんとも綺麗な王道。
でもさー、彼女は「死んでいる」はずでね。
自分の中でも二度と会えない筈だった人だからね。
無駄じゃあないよね。
でもさー、彼女は「死んでいる」はずでね。
自分の中でも二度と会えない筈だった人だからね。
無駄じゃあないよね。
烏座 美穂
「何いってんだか。そろそろ帰って、お客さんといっしょに」
加須 茜
「ああ、ごめん。
ごめんな、せっかく送り出してくれたのに」
笑いながら、でも目からは涙が溢れました
ごめんな、せっかく送り出してくれたのに」
笑いながら、でも目からは涙が溢れました
烏座 美穂
「忘れられてなくてよかった」
加須 茜
「美穂―――」
烏座 美穂
「茜ちゃん」
加須 茜
「ありがとう。あんたといられて、よかった」
烏座 美穂
「さよなら。やっとお別れだね」
加須 茜
「ああ。今度こそ、な」
そう、笑顔で告げると
そう、笑顔で告げると
語り手
その小さな部屋は、光に溶けるように、薄れ、消えて行くのでした
語り手
第一不思議空間しまいますね
風馬
「コケっ!?」
高瀬川の和樹
「ありがとよ。カレー、美味かったぜ」
烏座 美穂
「どういたしまして」
シロ
「ゴチソウサマ! わん!!」
烏座 美穂
「ふふっ、じゃあね」
シャーリー
「ごちそうさまでした……」
烏座 美穂
「おそまつさまでした」
加須 茜
「久しぶりに、美味かったよ」
烏座 美穂
「ちゃんと食べなよ」
加須 茜
「わかってるよ、もう」
シロ
シロは何も分かんないから、中の人がしゃしゃりたくなって雑談で野暮な事を言いまくってしまうんだ。すまんな。
高瀬川の和樹
和樹はいろいろわかるけど、二人の事情は本当にはわかりませんしね。
語り手
そうして、みんなが気がつくと
そこは、満月の照らす池の前でした
でも、そこにちびぎつねさまの姿も、誰かの姿も無く
やはり『道の続き』なのかもしれません
そこは、満月の照らす池の前でした
でも、そこにちびぎつねさまの姿も、誰かの姿も無く
やはり『道の続き』なのかもしれません
高瀬川の和樹
「忘れられてなくてよかった……、か。
結局、そういうことなのかもな」
結局、そういうことなのかもな」
シロ
「おいしかった!」
高瀬川の和樹
「おう! あのカレー美味かったな」
風馬
「うまかった!」
加須 茜
「おいしかったでしょ」
高瀬川の和樹
「カレー作りたくなってきたカレー。野外炊飯にゃカレーってお約束があんだ」
シロ
「……ダレ」
加須 茜
「え?」
風馬
「あか……え」
高瀬川の和樹
「お、元の顔? に戻ったのか。なあ、茜、って呼んでいいのかい」
加須 茜
彼女は、みんなの疑問に、水面を覗き込んで
ああ、と呟きました
「そうそう、あたし、茜」
ああ、と呟きました
「そうそう、あたし、茜」
高瀬川の和樹
「なんつか、印象変わるなあ」
加須 茜
「これで、やっと、今の本当のあたしに追いつけたってことなのかな」
風馬
「いれかわったのか!?」
加須 茜
「入れ替わったっていうか……まぁ、そんなとこかもね」
シロ
「むー。
お泊まりとかしないのか」
一生懸命会いに来たのに、あっさり帰るんだな、ってことにくび傾げてるシロ。
お泊まりとかしないのか」
一生懸命会いに来たのに、あっさり帰るんだな、ってことにくび傾げてるシロ。
高瀬川の和樹
「あれでよかったんだろう。長居しすぎねぇ方がいいこともあんのさ」
加須 茜
「そういうこと。あとは先に進むだけなんだよ、きっと」
カリス
「仲直りできたっていうことなのかなー」
シャーリー
「……かもしれません」
シロ
「そっかー」
高瀬川の和樹
「んで、一件落着ムードだが、カリスの件が片付いてねぇな」
加須 茜
「そうそう、おかげさまでね。
あたしの都合に付き合わせちゃってごめん。次は、カリスちゃんの番だね」
あたしの都合に付き合わせちゃってごめん。次は、カリスちゃんの番だね」
カリス
「ボクの番かー」
シロ
「サキがあるぞ」
道を示す。
道を示す。
高瀬川の和樹
「そういやお方様いねぇな。まだ中か、ここ」
ゆり
「つまりそういうことなんでしょうね。
ゲームの中間地点、的な?」
ゲームの中間地点、的な?」
カリス
「でも、輪っか無いよ」
語り手
カリスの言葉の通り、そこには最初にくぐった輪っかもありませんでした
シロ
「ミチはあるぞ」
風馬
「じゃあ大丈夫だな」
語り手
シロの言葉の通り、道の気配は確かにありました
ですが、それは目の前の池の中へと続いているような感じがします
黒々と、夜の闇に溜まった池の水
鏡のように、満月の姿を映しています
ですが、それは目の前の池の中へと続いているような感じがします
黒々と、夜の闇に溜まった池の水
鏡のように、満月の姿を映しています
高瀬川の和樹
「おや、水の中。サメがいるってこたぁ、ってことかな」
語り手
それに思い当たったならば、判定も必要ないでしょう
風馬
「水の中か……」ウッってなってる
高瀬川の和樹
「まぁ、なんなら俺が連れてくさ」
語り手
シロの道を辿る力と、水を辿る力があれば、この先も進めるかもしれません
シャーリー
「なるほど……ですね……」
シロ
なるほど!!
語り手
というわけで、シロの《みちおくり》と和樹の《みずのみち》、それぞれ半分の消費で、先へと進めます
カリス
カリスも使えるけど、まぁそこはそれ
高瀬川の和樹
ワーイ
高瀬川の和樹
鏡のように静まり返った水面に、手を触れる。
「シロ、先導頼むぜ。後からみんな連れて泳いでくから」
「シロ、先導頼むぜ。後からみんな連れて泳いでくから」
シロ
「わん!!」
シロ
あった、12ということは6か。
高瀬川の和樹
18/2=9ふしぎ消費で《みずのみち》使用! 全員連れていくぜ!
シロ
一声吼えて道を歩いて行く。白い毛が水の中、花のようにふわりと広がる。
[ シロ ] ふしぎ : 25 → 19
[ シロ ] ふしぎ : 25 → 19
高瀬川の和樹
平たい鏡のように静まり返った水面を見つめ、広がる白い毛を見つめる。
シロ
背が立たなくなっちゃったら浮いちゃって道から離れちゃうな、と少し迷ったが、更に歩く。
高瀬川の和樹
「すげぇや。ここ飛び込んでいいとか最高だろ」
そう言うと、美しい放射線を描く飛び込みのポーズで、鮮やかに飛び込む。
その後ろに波の道を連れて。
[ 高瀬川の和樹 ] ふしぎ : 39 → 30
そう言うと、美しい放射線を描く飛び込みのポーズで、鮮やかに飛び込む。
その後ろに波の道を連れて。
[ 高瀬川の和樹 ] ふしぎ : 39 → 30
語り手
水の中にみんなが飛び込むと
みんなはシロと和樹が生み出す、不思議な水の流れに導かれて
息もできるまま、青い道を辿ってゆきます
みんなはシロと和樹が生み出す、不思議な水の流れに導かれて
息もできるまま、青い道を辿ってゆきます
風馬
「わっぷ」
語り手
そこは、水の中の洞窟のようで、先の方に光がかすかに見えています
シャーリー
「……!」
高瀬川の和樹
シロの後を追い、鮮やかに水を掻いていく。
なんだか久しぶりに河童らしい動きだ。
なんだか久しぶりに河童らしい動きだ。
シャーリー
「この感覚……ちょっとだけ空に似てますね……」
高瀬川の和樹
カリス編だし、意図的に変身を解きます。
超久しぶり
超久しぶり
語り手
久しぶりのカッパモードだ!
シロ
久しぶりだ!
高瀬川の和樹
そう! むちゃくちゃ久しぶり!
シロ
もはや違和感があるレベルだ!
高瀬川の和樹
なんと河童だったんですよこの和樹
風馬
人間じゃなかった!!
語り手
ふと、遠くに何か大きな影が横切りました
シロ
「ピャッ!」
ぷかー
ぷかー
語り手
シロが止まると、そこで道もパタリと止まってしまいます
ぷかりと水の中に漂うシロに、みんなでポスポスとぶつかってしまいます
ぷかりと水の中に漂うシロに、みんなでポスポスとぶつかってしまいます
高瀬川の和樹
「うぉっとっと」ポスポスポス
動きを止めたために、波の道が大きな花のように広がる。
動きを止めたために、波の道が大きな花のように広がる。
ゆり
「ちょっと、いきなり止まらないでよ」
カリス
「あ! ボクみたいなのがいる! いる!」
高瀬川の和樹
「おうおう、ほんとだ。でけぇなぁ」
シロ
「コワイコワイコワイコワイコワイ」
カリス
「大丈夫だよ、ボクたちシロみたいに小さいのは食べないから」
高瀬川の和樹
「んじゃ俺達程度の大きさのは?」
カリス
「……うん」
ゆり
「どっちの『うん』なのよ」
シロ
うんって言った。うんって言った。
絶対に人間には化けない。
絶対に人間には化けない。
語り手
でも、そのサメのような大きな姿は、
みんなの方へは向かってくることはなく
体全体をうねるように動かすと、その奥へと進んで行ってしまいます
みんなの方へは向かってくることはなく
体全体をうねるように動かすと、その奥へと進んで行ってしまいます
カリス
「あ、あ、行っちゃう」
ゆり
「そういえば、人なんて骨だらけで普通食べないとかなんとか」
シロ
「ほんとぉ?」
高瀬川の和樹
「まあ、大体何某かのうっかりだわな。うっかりでも嬉しくねぇけど」
ゆり
「サーフボードに乗ってる人が、好物の海がめに見えるかららしいわね」
風馬
「ゆりはくるまだからたべられないかもしれないけどな!」
ゆり
「私のこと狙ったら、逆に捕鯨船に化けてやっつけてやるわよ」
高瀬川の和樹
「……毎回ハリ飲んじまう鯰のじいさん、元気かなぁ。
なんか前にも同じ事言った気がするけど、つい思い出しちまうんだよな。憎めねぇっつか、なんつかさ」
なんか前にも同じ事言った気がするけど、つい思い出しちまうんだよな。憎めねぇっつか、なんつかさ」
シロ
恐る恐る先へ進む。
シャーリー
「……恐ろしいですね」
語り手
呑気に川底で泡を吐いているなまずの姿を思い浮かべたりしつつ
みんなは、大きな影を追って進んで行きます
みんなは、大きな影を追って進んで行きます
語り手
それは、明かりの方へと泳いで行き
のんびり泳いでいるようで、でもその速さはかなりのもので
段々と小さくなっていってしまいます
のんびり泳いでいるようで、でもその速さはかなりのもので
段々と小さくなっていってしまいます
シロ
「マーテー」
おそるおそるじゃ追いつけないので全力で走ってる。
おそるおそるじゃ追いつけないので全力で走ってる。
語り手
それを必死に追いかけていると、ふと
みんなは、周りにいくつもの影が、並ぶように泳いでいることに気がつきました
それは、どれも先ほどの姿に似ているけれど、それよりは全然小さなサメたちでした
みんなと並んで、光を目指すサメたち
みんなは、周りにいくつもの影が、並ぶように泳いでいることに気がつきました
それは、どれも先ほどの姿に似ているけれど、それよりは全然小さなサメたちでした
みんなと並んで、光を目指すサメたち
シロ
「おー、きょうそうだー」
風馬
「こどものサメがいるな、あれがおかあさんか?」
語り手
シロと風馬が、その小さな影のようなサメたちに意識を向けると
ほんの瞬きの間に、それらはみんな、人の姿になっていました
裸ん坊のその子たちは、女の子も男の子も混じっていましたが、どれもどこかカリスに似ています
ほんの瞬きの間に、それらはみんな、人の姿になっていました
裸ん坊のその子たちは、女の子も男の子も混じっていましたが、どれもどこかカリスに似ています
高瀬川の和樹
「おや。小さいカリスだ」
カリス
「ほんとだ……」
語り手
しばらくの間、その子たちと一緒に、光を目指していると
突然、その子たちは、一人、また一人と
ぱちんと弾けるようにして、泡になって消えていってしまいます
突然、その子たちは、一人、また一人と
ぱちんと弾けるようにして、泡になって消えていってしまいます
シロ
「あれ!?」
シャーリー
「あっ……」
語り手
やがて、最後の一人が消えてしまう頃
カリス
「なんか……」
語り手
カリスが、小さく呟きました
カリス
「ボク、知ってるような気がする」
風馬
「なにをだ?」
高瀬川の和樹
「知ってるって、あいつらをか?」
カリス
泳ぎながら、光を目指しながら、小さく頷き
「ずっと……昔に」
「ずっと……昔に」
語り手
そう、小さな泡と一緒にその言葉を吐き出す時には
もう、光はみんなの目の前でした
もう、光はみんなの目の前でした
シロ
「でぐちだ!」
語り手
みんなは、その光に飲み込まれるようにして進んで行きます
そして気がつくと
ばしゃん、という大きな水音と共に
みんなは、見知らぬ神社の境内におりました
そして気がつくと
ばしゃん、という大きな水音と共に
みんなは、見知らぬ神社の境内におりました
語り手
夏の盛りなのか、強いお日様がジリジリとみんなの濡れた肌を炙り、
セミたちのうるさいくらいの声が、じーわ、じーわ、と耳を打ちます
みんなの後ろには、ちょろちょろとか細い水音を立てる、手水舎があります
どうやら、そこから出てきたようです
セミたちのうるさいくらいの声が、じーわ、じーわ、と耳を打ちます
みんなの後ろには、ちょろちょろとか細い水音を立てる、手水舎があります
どうやら、そこから出てきたようです
高瀬川の和樹
「おお。どこだこりゃ」
シロ
「ジンジャだ!」
風馬
「きつねのいえみたいなとこだな!」
シャーリー
「ですね……」
カリス
「ここ……
ここ、ボクんちだ」
ここ、ボクんちだ」
風馬
「かりすのいえなのか!」
語り手
カリスがそう呟き、風馬が驚いたところで、本日は締めるといたしましょう
語り手
よし、24時!
シャーリー
はーい
お疲れ様でした~
お疲れ様でした~
風馬
おつかりす!
高瀬川の和樹
お疲れさまでしたー!
シロ
おつかれさまー
コメント By.シロ
何をしにここへ来たんだろう?
茜が答えを出すのを、皆はじっと待っていました。
『当たり前の事』ってなかなか気づけないんですよね。
何をしにここへ来たんだろう?
茜が答えを出すのを、皆はじっと待っていました。
『当たり前の事』ってなかなか気づけないんですよね。
第一~二話『龍の眠る滝』『ともだち』
第三話『ふしぎなともだち』
第四~六話『ふたりのかげ』『たそがれのまど』『とびらをひらいて』
第七話 『さくら咲く頃』
第八話 『ふたりの娘』
第九話『みあげればそこに』
第十話『旅するゆうこや』 1 2 3 4 5 6
番外 こどもとTRPG 準備 『まいご』 『たからもの』 『化けニャン』
これは『インコグ・ラボ』が権利を有する『ふしぎもののけRPGゆうやけこやけ』の二次創作物です。