こちらには
『欠落コディペンデント』
ネタバレがあります。

本編見る!
KP
もの凄く間が開いた前回のあらすじ!

奇妙な施設に閉じ込められ、内臓を取られ、呪いをかけられた二人。
先人たちの痕跡を辿って探索を行う。

麻薬の密売、社員を騙して組織に依存させようとする男。
いまだ姿が見えない警察官たち。

そんな中、2Fへと向かったエレベーターが停電により落下。
モニファは赤寧を救うため暗闇をひた走ったのだった。
モニファ
そうか、警察官は死体もまだ出てないのか
KP
そうですね。
まあ腐乱死体の中にないとも言い切れませんが……

KP
現在地、地下エレベーター前。
モニファ
しばらくしてようやく立ち上がる
瀬戸 赤寧
「大丈夫、大丈夫……今まで大丈夫だったんだから大丈夫」
モニファ
目元は赤く腫れたままではあったが、顔を拭って
瀬戸 赤寧
「リップの一本でもあればいいのに。
そうしたら少しは気合いが入るのにな」
モニファ
「吾輩たちの荷物もどこにもないぞ……吾輩の工具……」
瀬戸 赤寧
「そうだね……行こう。
無い物ねだりしても仕方ないわ」
モニファ
「さっさとおさらばするんだぞ」
階段へと向かいながら
瀬戸 赤寧
「うん」
モニファ
「んでも、さっきのは何だったんだぞ。罠にしては、何を仕掛けてくるわけでもないし」
瀬戸 赤寧
「罠、だったのかな」
モニファ
「わからないぞ。
なら、先に進むだけだぞ」
KP
階段を登る?
モニファ
あ、B1Fをホールから見渡す限り、変化はなし?
KP
ないようですね。
モニファ
じゃぁ階段を上がろう
で、1Fの様子も確かめてから、何も無ければ2Fへ
KP
1Fにも変わった様子はない。
モニファ
では2Fへ
モニファ
あれ? そういえば
階段は2Fまでだったんだっけ?
KP
階段は2階まで。
二階の出口側が塞がれていた。
モニファ
2Fのエレベーターから出てすぐにことが起こったのか
KP
そういうことになる。
モニファ
で、階段も2Fまでか
KP
だからこのフロアに足を踏み入れたことがあるのは、あなただけだ。
モニファ
じゃぁ、一応階段から出るところで〈聞き耳〉しながら2Fに入ろう
KP
相変わらずフロアはしんと静まりかえって人の気配がない。

間取りは1Fと同じだ。
Eの部屋には【監視室】と書かれたプレートがある。
モニファ
ほうほう
KP
床には今までと同様、何かを引きずったような血の跡がある。
モニファ
「監視室……」
モニファ
そういえば、B1Fの電源を復帰させた時、カメラはダウンしたままだったかな
KP
そうだね。復旧作業は行っていないだろうし。
モニファ
ふーむ
モニファ
とりあえず、Eの部屋の前で〈聞き耳〉かな
KP
部屋の中からはかすかな機械のうなりが聞こえるが、人の気配はない。
モニファ
機械の唸りとな
鍵はかかってるかな
KP
かかっていない。
モニファ
じゃぁ、そっと開けて中を確認しよう
KP
あ、ごめん、カードキー付いてた。
モニファ
持ってるやつで開くかな
KP
今持ってるのはエレベーターのカードキーだったはず。
通しても反応がない。
モニファ
共通ではないか
うーん

モニファ
じゃぁ、順当にAから行くか
KP
部屋の中に人の気配は感じられない。
扉を開けると、古い紙の香りがする。
モニファ
パピルスかな
KP
この部屋は綺麗に片付いている。
天井まで届く本棚に囲まれた書斎のような部屋だ。
本棚には古めかしい外国語の本が並んでいる。
そして部屋の一角には机があり、そこにも本が置いてあるようだ。
本棚のチェックを行うなら
〈図書館〉or〈目星〉
モニファ
机は別判定?
KP
机の上にはボロボロの古書が置かれている。
モニファ
グリモアかな
タイトルとか、パッと見てわかる内容はあるかな
KP
装丁はアラビア語のような文字で書かれているのが分かるが、アラビア語がわかったとしても読み取れないだろうと思えるほどに傷んでいる。
辛うじて、タイトルの下にアラビア数字の【1】が読み取れる。
KP
よく見る?
モニファ
手に取るかということかな
KP
そういうことです。
モニファ
ふむふむ
それなら手に取ってみようか
だってグリモアの危険性とか知らないし
KP
手に取って開いてみると、本文も痛んでいてまともに読める状態ではない。

だが、達筆な字で書かれた古いメモが挟んである。
黄ばんだ紙は分厚く、インクは変色している。
軽く数十年は前の物のようだ。
モニファ
読めるのはメモだけか
なんて書いてあるかな
〈最高神トートの召喚〉
・トート神は死者の導き手であられる。決して再生の見込みのない、毒で穢れたはらわたを捧げること。
・儀式の際には、穢れたはらわたで櫃を一杯に満たすこと。
・最後に切り出したばかりの生者の心臓を捧げることで、神が願いを聞き届けてくださる。
・はらわたや心臓を切り取るには、ナイル川の水と聖なる灰で清めた青銅製のナイフを用いる。呪文は切り取る時に随時唱えてもいいし、柄に彫り込んでおいても効果がある。
瀬戸 赤寧
「再生の見込みのない、穢れたはらわた……」
言って、自分の腹のあたりに触れる。
モニファ
「ウェ」
瀬戸 赤寧
「やだ」
モニファ
「まだ、そんなに時間たってないはずだぞ。間に合うぞ」
瀬戸 赤寧
「うん」
モニファ
「ていうか、なんでトートが最高神なんだぞ。
それに、ドゥアトの話なのにオシリスが全く出てこないのもおかしいぞ」
瀬戸 赤寧
「また何か変なこと書いてあるんだ」
モニファ
「この宗教、変だぞ」
瀬戸 赤寧
「でたらめの宗教か……」
モニファ
「あと、このナイフって、多分これのことだぞ。
これが吾輩の手元にある限り、儀式は進められないはずだぞ。
今は少しでも手掛かりを探すぞ」
本棚に向かう
KP
あ、ちょっと待った
あなたが持っているナイフの詳細情報によれば柄は真鍮製だ。
モニファ
あれ、そうか
また別にあるのか
レプリカなのかな
瀬戸 赤寧
「ここになにか役立ちそうな本、あるかな」
モニファ
CCB<=85〈図書館〉1D100<=85) > 32 > 成功
「全部は調べる暇無いけど……」
瀬戸 赤寧
CCB<=75〈図書館〉1D100<=75) > 26 > 成功
KP
きっちりと並んだ古書の中に、少し飛び出して仕舞われているものがある。
開いてみると、達筆な字で書かれたメモが挟んであった。
臓器の取り替えについて。
・使用した術者は最後に自らの心臓を捧げなければならない。
・特別なナイフが必要。
・壊れた臓器と健康な人間から取り出した臓器を入れ替えると3日欠けて体に馴染む。
KP
これは先ほどの「最高神」について書かれていたメモと同じ人物が描いたもののように思える。
モニファ
「……」
メモは、アカネに見えないように、ポッケに仕舞う
瀬戸 赤寧
「ん、何か書いてあったの?」
モニファ
「い、いや何も無かったぞ」
瀬戸 赤寧
CCB<=5〈心理学〉1D100<=5) > 53 > 失敗
「……本当に?」
じっ、と目を見つめる。
モニファ
「……何も無いぞ」
CCB<=15〈隠す〉1D100<=15) > 54 > 失敗
思わずそっとポッケの上から手を当ててしまった
瀬戸 赤寧
……じっ、とそのポッケを見る。
「見せてくれないの?」
モニファ
「だ、だから何も無いってば……」
CCB<=5〈言いくるめ〉1D100<=5) > 65 > 失敗
モニファ
無理だねぇ
瀬戸 赤寧
「……分かったわ。
見せても良くなったら、見せてね……」
ふっと目を逸らして囁くように言った。
モニファ
「うん……」
思わず言ってしまってから
「あわわ、違うぞ、何も無かったんだぞ」
瀬戸 赤寧
「もういいから……」
モニファ
しかしどうしたものか
KP
SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1D2
モニファ
CCB<=74 《SANチェック》 (1D100<=74) > 75 > 失敗
1d2 (1D2) > 2
[ モニファ・ナジャ・オサハール・アケナテン ] SAN : 74 → 72
KP
突如視界が砂漠となり、腕全体が灼けるような痛みに襲われた。
あなたの感覚は鋭く現実として空気の熱さと腕全体を覆い尽くした傷の痛みを容赦なく伝えてくる。
その痛みは耐えがたく、正常な思考を奪う。
モニファ
「いで」
慌てて誤魔化すように振っていた腕を押さえて疼くまる
瀬戸 赤寧
「モニファ!」
モニファ
「だ、大丈夫……毎度のやつなんだぞ」
KP
腕を覆っていた傷は綺麗に消え去ったが、
疼くような痛みは纏わり付き続けた。
モニファ
腕をさすりながら、Aの部屋を出て行く
一体、どうすれば良いのだ
目を合わせられぬまま

モニファ
次はBかな
KP
部屋の中には相変わらず人の気配がない。
モニファ
そっと開けてみる
KP
今までの部屋の様子から考えれば、ここは随分と清潔で質素、生活感がない部屋だ。使用されていないのだろうか。
綺麗に整えられたベッドと机がある。
立ち込めていた血の臭いがここでは感じられず、久しぶりに清潔な空気を思い出すだろう。
モニファ
「……客室?」
KP
処理的な話をすると、ここでは仮眠をとることもできる。
1D3時間寝ることで、1D3の回復ができる。
モニファ
なるほど
今は必要はないなー
探索ポイントはあるかな?
KP
よく見るなら〈目星〉
モニファ
CCB<=85〈目星〉1D100<=85) > 11 > スペシャル
KP
ベッドと壁の隙間にカードキーが落ちていた。
誰かが寝転がった時にでも落としたのだろうか?
モニファ

ベッドの上によじ登って、隙間に手を突っ込む
何か書いてるかな
瀬戸 赤寧
「なに? どうしたの?
寝るの?
疲れたもんね……」
モニファ
「そんなワケないぞ。
なんか、落っこちてたんだぞ」
瀬戸 赤寧
「あっ、違うの?」
モニファ
「こんなとこじゃ、休むに休めないぞ」
瀬戸 赤寧
「一応部屋には鍵がかかる……って、そういう事じゃないわよね、ごめん」
モニファ
「……別に怒ってないぞ」
なんだか、二人の空気がギクシャクしているような気がする……
KP
カードキーには何も書いていないので、どこのものかは分からない。
モニファ
とりあえずポッケに入れておこう
他には何もないかな
KP
ないようだ。
SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1d2
モニファ
CCB<=72 《SANチェック》 (1D100<=72) > 57 > 成功
KP
気がつけば傷は腕だけでなく全身に刻まれていた。
命を奪うほどではなく、表皮を切り裂くだけの傷が無数に。
一部剥き出しになった肉に触れたり、付着した砂がこすれたり、上から新たな傷が刻まれる時は、より強い痛みが襲ってくるためか、夢の向こうであっても痛みが残る。
幻覚が消えた後にさえ、その痛みは現実の顔をして残り続けている気がした。
いや、これは錯覚なのだろうか。
もうあなたには判断が付かない。
夢が現実を侵蝕しつつあるように思えた。
モニファ
思わず、自分の両手、両腕を確かめていた
そこに傷などが無いことを確かめて、ようやく息を吐いた
瀬戸 赤寧
後ろからそっと腕を包むように抱く。
モニファ
「わ」
瀬戸 赤寧
「痛くないよ、傷なんかないんだよ……大丈夫」
囁くように、お呪いのように呟いた。
モニファ
「うん……
このくらい、大丈夫なんだぞ」
彼女に比べれば、たかが幻などどうだというのだ
瀬戸 赤寧
「休まなくて大丈夫?
……ううん、休んでも意味はないんだよね。ごめん」
モニファ
「……大丈夫だってば」
そっと腕の中から抜け出して、Bの部屋を後にする
時間が惜しい……が、急いだとてどうにかできるものなのだろうか
気ばかりが焦る

モニファ
次はCかな
KP
Cの部屋に〈聞き耳〉を立てる。
相変わらず、人の気配はない。
この建造物に人間はいるのだろうか。
一階層下にある部屋と似た間取りで、ベッドや机などが整然と置かれている。
薄暗くてぱっと見何があるのか良くわからないが……
モニファ
マグライトあったよね
点けよう
瀬戸 赤寧
「照らすよ」
モニファ
「うん。頼むぞ」
KP
ライトの光が闇をはらう。
〈目星〉
モニファ
CCB<=85〈目星〉1D100<=85) > 76 > 成功
KP
床にくしゃくしゃの紙が落ちている。
モニファ
拾い上げて、アカネが照らす光の中で広げる
KP
破り取られたような形跡のある紙だ。シワだらけになりところどころ血で汚れてはいるが、ペンのインクの光沢で何とか読み取れるだろう。
見覚えのある筆跡だ。
今までに何度も目にした、緋月が書き残した文章。
文章は見るからに乱れていた。
緋月 伊吹
ああ、だめだ、きづいたら死のうとしている。
ごめんなさい、死ぬしかないんです、わたしはもうらくになりたい。
死んだほうがいい 
死にたい

アオキがこれをよんでいるということは
わたしはもう死んでいます。
じぶんで死んだか、ないぞうがダメになったのかはわかりませんけど

つぎは あなたです にげて

つかまる
死ぬ

あなたもおそらく
こころがこわれて

いたくて、つらくて、しぬ

いやです
いやだ

あおき

わたしはあなたに
いきてほしいです

ごめんなさい

さきにいきます
KP
心情をそのまま文字として吐き出したような、悲痛な叫び声のようだった。
モニファ
「……」
KP
SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1d2》 拷問チェックです。
モニファ
CCB<=72 《SANチェック》 (1D100<=72) > 71 > 成功
KP
いたい。つらい。
文字から伝わる情報が呼んだかのように、あなたの腕が傷に覆われてゆく。
それは風が吹く度に叫び出したくなるほどの苦痛を伴っているのだろう、【あなた】は喉が涸れるほど叫び続けている。
しかしそれは現実のあなたにとってはやはり遠い夢であり、あなたは半ば傍観者だった。
あなたが読んだのは紙の表側だ。
モニファ
裏側にも何か書いてる?
幻覚に煩わしそうに腕を払いながら、紙片を裏返す
KP
裏にも文章が書かれている。
が、どうやら順番で言えばこちらの方が先に書かれたのだと分かる。
文字は今読んだ物ほど乱れていない。

それは最初は罫線にきっちりと整列するように書かれた、丁寧な文字だった。
緋月は短剣を使い神を殺せば呪いが解けると確信していた。
だが彼女の精神はもはや耐えられる状態ではなかったのだ。
KP
文字は急激に崩れ、彼女の正気が奪われてゆく様を物語っていた。
モニファ
「そうか……」
凄惨な文言であるにも関わらず、その声はむしろどこかぽかんとした、間の抜けたような、詰めていた息を吐き出すようなもの
「そうだったんだぞ」
瀬戸 赤寧
「気付いてたんだ。
気付いてたのに、間に合わなかったんだ……」
モニファ
「あわ」
思わず気が緩んだところに、声を聞いて思わず慌てた声を出した
瀬戸 赤寧
「ってなによ、人をオバケみたいに。
……これさっき言わなかった?」
モニファ
「や、そうでなくて」
気まずそうにポッケから、先刻隠した紙片を取り出す
瀬戸 赤寧
「あ、さっきの。
見ていいのね」
モニファ
「うん……」
バツが悪そうな顔で、差し出す
瀬戸 赤寧
紙きれをじーっと見る。
モニファ
「ごめん……
もしかしたら、もう手遅れなんじゃ無いか、って思ったら、つい……」
瀬戸 赤寧
「……そっか。これに使われたんだ。
あたしの中身。
……うん、分かった。
教えてくれて、有り難うね」
モニファ
「うん、ごめん……」
瀬戸 赤寧
「謝らなくていいよ。
教えてもらってたらあたし、不安でおかしくなってたかも知れないもの。
バレバレだったしね」
モニファ
「あう。
で、でも、まだ手遅れじゃ無いかも、って思ってちょっとホッとしたぞ……
吾輩、アカネを助けるためなら、神様だってなんだって蹴っ飛ばしてやるぞ」
瀬戸 赤寧
「そうね……
って蹴っ飛ばすんじゃ駄目っぽいけど」
モニファ
「言葉のアヤだぞ」
瀬戸 赤寧
「はいはい、頼りにしてるからね」
オデコナデナデ。
モニファ
「ほんとだぞ! 吾輩本気だぞ!」
なでなでされながら
KP
おっと。この部屋にもベッドがある。
よく見るなら〈目星〉
モニファ
CCB<=85〈目星〉1D100<=85) > 95 > 失敗
あぶね
瀬戸 赤寧
CCB<=65〈目星〉1D100<=65) > 32 > 成功
えっへん
モニファ
なでなでされてて気付かなかった
瀬戸 赤寧
「お、待って待って、あそこになんかあるし」
モニファ
「ん?」
瀬戸 赤寧
身をかがめてベッドの下をのぞき込む。
モニファ
香箱座りする猫のような姿勢で、並んで覗き込む
瀬戸 赤寧
「わー、バッキバキのスマホだよ」
KP

スマートフォンが落ちていた。画面はヒビだらけになっている。
触れた感じ、このヒビは落とされてついたばかりの物ではなく、大分前からヒビだらけのまま使われていたようだ。
電源は入る。操作もできそうだ。
だがアンテナは立っていない。
残念ながら通信関係は無理そうだ。
モニファ
「またバキバキのスマホだぞ……」
瀬戸 赤寧
「でもこれは壊されたっていうより、壊しちゃった、って感じね」
モニファ
「ロックはかかってないんだぞ?」
瀬戸 赤寧
「うん……あ、開いた。
今時珍しいね」
モニファ
「なんで誰も彼もスマホそんなに落っことすのか、吾輩いつも謎なんだぞ」
KP
スマートフォンの壁紙には、蒼井と、小さな子供を抱いた若い女性がうつっている。
蒼井の表情は、写真を撮っている誰かに何か文句を言っているかのような顔だ。
モニファ
「……」
瀬戸 赤寧
「あー……えっと、なんて言っていいのか分からないけど……
なんか、納得しちゃった……」
モニファ
「奥さんも、小さな子供もいるのに……」
瀬戸 赤寧
「うん……なんとか知らせてあげられないかな」
モニファ
「……気の毒だけど、ここから出られたら、必ず伝えるぞ」
KP
写真には雑多な家族写真らしきものが大量に残っており、それと同じくらい親しそうに仕事や遊びをする男女が数名写った写真がある。中には仏頂面の緋月の顔も多数あった。
それとは別に、ここで撮ったらしい写真が多数。
下の階で見た多数の死体、棺、本棚や机、部屋。
調査写真だろう。様々な角度から撮られていた。
腹を裂かれた死体の写真や、緋月と思われる手がUSBメモリや資料を持っている写真も入っている。
写真に目新しい情報はなさそうだ。
モニファ
「これは……証拠ってやつなんだぞ」
KP
ほか、最新の通話が録音されているが、相手は緋月だ……
モニファ
録音は聞けるかな
KP
あなた方が既に聞いたことがあるものだ。
緋月が自死する直前の会話と思われる。

一番最近使ったアプリは、ボイスレコーダーだ。一件だけ録音が残っている。
モニファ
それも確認しよう
KP
息の上がった、男の声が切れ切れに聞こえる。
蒼井 継実
「この音声データは圏外から回復したらクラウドに自動保存される仕組みだ。
もしずっと圏外のままなら、ロックをかけていないこのスマホを、誰かが蒼井探偵事務所まで届けてくれるのを祈る」

「事務所のみんな。聞いてくれ、この調査はヤバい。すぐに手を引け」

「俺たちは潜入の日に薬を嗅がされ、意識がないうちにイブが狙われて内臓を抜かれた。
信じられないと思うが俺だって信じられなかった。でも写真に残した通りだ。
この組織の地下には内臓を抜かれた死体がゴロゴロしている」

「うちの頼れるエリートぼっちを元に戻すために奔走した結果、臓器を盗ったのは調査対象の黒田と白波だとわかった。
黒田の野郎、白波のためにフレッシュな内臓が欲しいらしい。イカれてやがる」

「イブ、頑張ったんだ。
アイツすごく優秀だろ。
だから内臓ももうちょっとで元に戻せそうだった。
ほんとによくやった。
けどあいつは、俺が思っていた以上に精神的に追い込まれていて……
それで、自ら、命を断った」

「イブ……」
KP
男の声は数十秒途切れた。
蒼井 継実
「あいつを連れて帰りたいが、黒田に見つかった。
俺は追われている。
すまないみんな。おそらく帰れない。
イブが死んで臓器がダメになったから、黒田は代わりに俺のを使おうとしているんだと思う」

「折角足を負傷させたのに、なんだあいつ化物かよ」

「警察に言ってもおそらく無駄だ。
頼むからみんなは関わるな。俺たちの死体も探さなくていい」

「っ! クソ、見つかった!」
KP
切羽詰まった声とともにガシャン、という音が鳴る。
この携帯電話が床に落下したのだろう。
再生が、終わった。
モニファ
「……
やっぱり」
瀬戸 赤寧
「う……」
KP
赤寧は少し息を詰め、ゆっくりと吐いた。
彼の末路を思い出したのかも知れない。
モニファ
「大丈夫だぞ」
しかし、小柄な少女の言葉には、その逆に先刻までと打って変わって、力が籠っていた
その両の瞳には、暗い部屋の中、アカネの手に持った灯りが反射していたが、それはどこか燃えている炎を連想させたかもしれない
「アカネのお腹の中身が、何のために取られたのかわかった。
そして、その目的のために、アカネは生かされてる」
瀬戸 赤寧
「うん……」
モニファ
「だったら、蹴っ飛ばして取り戻すだけだぞ」
瀬戸 赤寧
「儀式をなかったことにする……」
モニファ
「この人たちは死んじゃったけど、アカネは助かるかもしれない。吾輩にとっては、それだけで充分だぞ。
絶対、許さないぞ」
瀬戸 赤寧
「うん……うん、そうだね。
モニファはちゃんと的が見えてれば、やっつけてくれる」
KP
SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1d2
モニファ
CCB<=72 《SANチェック》 (1D100<=72) > 17 > 成功
KP
肩口にナイフがねじ込まれる。
血が噴き出す。ぶちぶちと何かが切れるような異音がする。
強烈な不快感の向こうに痛みがあった。
冷たい刃の向こうで、鳥の顔をした男がこちらを見ている。
だがそれは、幻に過ぎない。
モニファ
幻覚の向こうのトキの頭に光る、黒い瞳を見返すように睨みつける
おもむろに両手を上げると、幻を振り払うように強く一度、自らの両頬を打った
ぱあん、という快音を響かせてから
「よし」
と息を吐いた

KP
以下次号!
お疲れ様でしたー!
モニファ
お疲れ様でした!

コメント By.KP
得た情報をつい隠してしまうモニファ。
微笑ましくも低レベルな戦いが繰り広げられる……!

TRPGリプレイ CoC『対の棲みか』『第二話 うたかた箱』牧志&佐倉 2

もうやめた方がいいんじゃないのか?

TRPGリプレイ CoC『対の棲みか』『第一話 霧謬の見』牧志&佐倉 2(終)

「佐倉さん? 俺、何かやっちゃったのか?」

TRPGリプレイ CoC『欠落コディペンデント』モニファ&瀬戸 7

「あわわ、違うぞ、何も無かったんだぞ」



本作は、「 株式会社アークライト  」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。

Call of Cthulhu is copyright ©1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc.
Call of Cthulhu is a registered trademark of Chaosium Inc.
PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION 「クトゥルフ神話TRPG」