TRPGリプレイ Zephyranthes 第七話 『crossroads』1


OPENING

DL
はい、では始めよう。
クリフ
カードをくれカードを。
ヨハン
うわー、また悲惨な手札になった。
DL
とりあえず今回の主人公であるクリフ君。
クリフ
へーい。
DL
表へ出ろ。
(一同笑)
クリフ
え、外?
マグノリア
あ、兄貴の呼び出しだ。
DL
終わったら呼ぶから……いや、シナリオが終わったらじゃないよ。
(一同笑)
マグノリア
わー、すげえ。約二時間外に出っぱなし。
お前が主人公って言われたのに(笑)
DL
本当に「クリフはんがー!」になるな(笑)

クリフのプレイヤーが退場します。
以下の会話はクリフには聞こえていません。
DL
いいですか、いきます。
ヨハン
レコードシートは?
DL
……はないけど(笑)まあまあ気にしないで。
余ってるやつあったら渡してあげて。
行きます。

君ら(ヨハン&マグノリア)が一等客車でうろうろしているとだね。
また「ミウーラさーん」
って来るよ。
ヨハン
「マグノリア、扉を開けなさい」
マグノリア
「お客様です、マスター」
メッセンジャー(DL)
「電報です」
ヨハン
受け取って。
DL
またいやな予感がする電報が来た。
ヨハン
サムライ・ブレードをペーパーナイフ代わりにして開ける。
マグノリア
何、君は大根とかもそれで切っちゃうのかい?
DL
武士の魂で。
ヨハン
中に何か書いてある?
DL
また厳命がきました。
マグノリア
使いっぱだな(笑)
DL
「名医と呼ばれているビリー・ロンという男をウエスト・エンドまで護衛すること。

彼はある聖人の治療を行うための切り札的存在であるから、くれぐれも粗相のないように。

尚、これは護衛任務遂行補助のため、極秘任務とする。
教会関係者においてもその一部を除き、口外は無用である。

彼とは次のユーノスという駅で合流予定。
列車が駅に到着次第、行動を開始せよ。

尚、当方からの護衛も一名派遣される。
協同して事にあたれ」
ヨハン
新たに派遣される護衛の名前は書いてある?
DL
護衛の名前はSF
ヨハン
えすえふ……?

扉を開けてクリフを呼びに行くディーラー。
DL
次の方どうぞ~(病院の受付風に)
クリフ
はいはーい。
マグノリア
ねえおねーちゃん、レコードシート余ってない?
クリフ
レコードシートはコピーし損なったやつしかないんだよ~。
……あ、あった。
まともなのが。
ヨハン
まあ、これ(コピーし損なったやつ)で隠れてるのはDL経験点チェックだけだからいいよ。
(一同笑)
DL
そーかそーか。
クリフ
それは私は困らないねー(笑)
DL
じゃあディーラー権限でDL経験点を発行します。
ヨハン
そしてプレイヤーたちの反乱が起こった。
クリフ
私がヴィクトリカにぼてくられて(第六話)からどれぐらい時間が経ったんだろう。
DL
一週間。
いや、三日。
クリフ
まだ体が痛い。
DL
じゃあ君行動にハンディキャップ。
いやむしろバックファイアみっつ(笑)
クリフ
ぐわぁ。
腕が取れかけてるから。

SCENE 1

DL
このシーンの標的は貴様だ。
(クリフにカラミティー・ノワールをパス)
クリフ
標的? 撃たれんのかー(笑)
マグノリア
クリフはんが~!
クリフ
うぉぁ~!(断末魔の演技)
マグノリア
そうか、シーン1からいきなり大ピンチか。
ヨハン
ガンナーがスナイパーに撃たれたー。
マグノリア
とんだ洒落だね(笑)

DL
これは、いつも君が見ている夢の中だ。
キャストの過去に関しては、プレイヤーが決めた大雑把な設定に、ディーラーが肉付けをして細かな部分に手を加えるといった方法をとっています。

クリフはかつて、生きるために人を殺していた。

荒んだ心のまま引き金を引き、人間の命は銃の的に過ぎない。
まさに今の彼が最も嫌うクズ野郎だったのだ。


だがそんな彼を救ってくれたのが、一人の旅の医師だった。
彼女は瀕死で倒れていた彼を助け、行き場をなくしていた彼に医師としての道を教えた。

クリフは彼女に感謝し、尊敬していた。
しかし、どうしても彼女の一つの信念には共感できずにいた。

「死んでいい人間なんていない」

彼女は傷を負った人間は誰でも分け隔てなく救った。
それがクリフにはとても危うく、また空しい行為に思えたのだ。


その日の患者は、人殺しの賞金首だった。
DL
君は先生のそういったポリシーに納得できないから、ぶんむくれながらも言われたとおりの器具を手渡す。

見えるのはこうこうとした明かりに浮かぶ診察台。
上で苦痛にわめき散らしているのは賞金首の男だ。
クリフ
「なんでこんな奴治すんだよ」
DL
その問いかけもいつもの事なんだけれども、君の先生であるその女性は言う。
ゆったりと微笑んで、いつものように。
クリフの師(DL)
「うーん、それはねえ。
至極簡単なことなのよ、クリフくん。
(人差し指を立てて)いい? ……」
DL
彼女は何か話し始めるんだけど、その先がいつも思い出せない。

何故ならば、その夢の中ではいつもすぐに血生臭い記憶の映像にすり変わってしまうからです。
賞金首は奇跡的に命をとりとめた。
賞金首は銀の牙を持ち、黄色い肌をした目の細い男だ。

長い療養生活の間に男は次第に穏やかな表情になり、救われたことで心を入れ替えたかに見えた。

だがクリフは男を信じていなかった。
自分がそうであるように、クズ野郎は所詮変われなどしない。
信じられる人間など、そう多くはない。


そして、その日は前触れもなく訪れる。
DL
ゆっくりと広がってゆく血だまりの中に倒れ伏す師。

そのそばに立つ、銀色の牙を持つ男。

その男は東洋人特有の切れ長の目を細めて、にっこりと微笑んだ。
無言でヨハンを見るクリフ。

ヨハンに視線が集中し、笑いが起こる。
マグノリア
良かったな、牙がなくて(笑)
ヨハン
みんな同時に向くから「おお?」
って思った(笑)

DL
クリフはその男を知っていた。
そして恐らく師も知っていた。
そしてその男も自分たちのことを知っていただろう。

「だから言ったのに。あれほど言ったのに」
クリフの中で声が響く。
歪んでゆく視界。

そしていつものようにクリフは夢の中で意識を失う。

DL
で、君はふっと目を覚ましました。
クリフ
汗びっしょりで起き上がって、
「またいつもの夢か……」
DL
周囲が騒がしい。
クリフ
え、自分の部屋?
DL
違う。
君はカジノに来て、卓が空くのを待っている間に椅子に座ったまま寝こけてしまったようだ。
クリフ
じゃあまず財布の紐を確かめる。
DL
大丈夫です。
喧騒はいつものことなんだけれども、今日はどうも様子がおかしい。
クリフ
そのへんをぐるっと見回して《観察》
マグノリア
どういう騒がしさかわかれば野次も飛ばせるのにな(笑)
DL
そりゃ《観察》してくれんとなあ。
クリフ
しょぼいカード出していいかなあ(笑)
DL
今日はシナリオ半分しか書いてきていない。
起承転結の承まで。

クリフ
11。
「何だ何だ、何か面白いことでも起きてんのか?」
DL
そうすると声が聞こえる。
男の声(DL)
「お、おいッ、婆さん大丈夫か!」
クリフ
婆さん? こんな所に婆さん? そのへんの人ごみを「ちょいとごめんよ」
ってかき分けて声の方に行く。
DL
どうやら一人の老婆が倒れてしまったようです。

その老婆は、このカジノでよく出会う、三度の飯よりギャンブル好きと豪語していた老婆です。
君自身もそれなりに付き合いがあります。
クリフ
「何だよ、婆さん飲み過ぎは駄目だって言っただろう」
DL
「かッ、かはッ!」
て言いながら床でばたばたしてるね。
けっこうやばい。
クリフ
そいじゃ気道確保して……
DL
判定してください。
クリフ
《医術》のマニューバってどんな効果だっけ。
《医術》……肉体ダメージを一つ、ふや……癒すことができる。
DL
増やす……(笑)
マグノリア
え、藪医者ってことか? もしかして(笑)
クリフ
《藪医者》ってスキル持ってんだよ(笑)
あと、《応急手当》判定にアドバンテージを得るって書いてあるな。

とりあえずこれ(絵札)で17。
かなりやばげって言ってたからアドバンテージも入れておくか。

27で〈正義感〉使って「おい、婆さんしっかりしろ、大丈夫かッ!」
DL
あー、カラミティー・ルージュぼーん。
クリフ
きゃー。
DL
ちょっとここにある器具では足りなさそうだね。
クリフ
「おい、病院だ病院。
何ぼさっと見てやがンだ、そこ、手伝えッ!」
DL
君がそういう風に慌てていると、アナウンスが流れます。
アナウンス(DL)
「次は停車駅、ユーノス、ユーノス。
停車予定期間は一週間です」

……あ、三日でいいや。
三日にしよう。
って言われた(笑)
(一同笑)
クリフ
「いつもこのアナウンサーはいい加減だな(笑)
いや、そんなことはどうでもいいんだ! とにかく病院だ病院」
DL
周りの連中は上の空です。
客A(DL)
「お、おい、ユーノスっていったら……」
客B(DL)
「そうだ、奇跡の名医のいる町!」
客C(DL)
「婆さん、まだ死ぬなよ! 今すぐ名医様に診せてやるからな!」
クリフ
そこまで保つのか?
DL
それをやるのが君の仕事だ。
クリフ
じゃあ人工呼吸。
マグノリア
熱いベーゼを婆様に(笑)
DL
チッスを(笑)
クリフ
違う。
これは人・工・呼・吸。
判定したほうがよろしい?
DL
いや、大丈夫です。
クリフ
カラミティー・ルージュにも負けずに一生懸命やってるよ。
たまに心マッサージしたり。
DL
《観察》もしくは《話術》で自ら訊くか。
クリフ
次の町の医者についてかな。

交渉系せっかく取ったのに《挑発》しかないでやんの(笑)普通に《話術》で16。
DL
その名医はどんな病もたちどころに治してしまう奇跡の医師らしい。

それだけじゃなく、外科的手術も心得ている。

更に奇妙な道具で、しかし確実に治療してしまうのだそうだ。
クリフ
ほほう。
DL
君がそんな噂話を耳に挟みつつ婆さんをえっちらおっちらやってると、やがて列車はユーノスに到着します。
クリフ
その間に周りの連中に担架を用意させよう。

SCENE 2

DL
次のシーン。
全員登場です。
まあ、ただ、登場の仕方っていうのがひとつありまして、クリフさん。
クリフ
はい。
DL
担架で老婆を運んでいると……君ら(ヨハン&マグノリア)はどうする? 早速行動を起こす?
マグノリア
そりゃあ、ねえ。
ヨハン
じゃあ早速、降車口に。
DL
クリフが婆さんを運んでいると、列車が止まるや否や降りようとしているヨハンとマグノリアが目に入ります。
クリフ
「ふーん。
またあいつら何かロクでもないことに引っかかったんじゃないだろうな(笑)
……まあいい、そんなのは関係ない。
病院に連れて行くのが先だ」
ヨハン
「は、早く開けろ!」
(一同笑)
マグノリア
早く開けろって言うんなら、まだ減速中なのかまわずに扉を力ずくで開けて、ヨハンかかえてホームに飛び降りる。
クリフ
「(素で驚いて)何やってんだあいつら」
(一同笑)
マグノリア
「さ、マスター」
DL
はい、また次のシーンに行きます。
ヨハン
早え。
マグノリア
シーンプレイヤーも決まらずそのまま飛ばされてゆく。
DL
まあ、今のはインターミッションですから、ただの。

SCENE 3-1

DL
登場は全員です。シーンプレイヤーはクリフ。
老婆を運び出してプラットホームに横たえると、一緒に来ていた数人の男が医者を探しに町へと駆け出して行きます。
クリフ
もちろん列車内の医者は呼んでも無駄って事ね。
DL
むしろ自分がやったほうがいいかも知れんなぁと思う。それまでの応急処置はね。
というわけでもう一度判定。
マグノリア
ヨハンがうつろな目をしている。
ヨハン
暇だなと思って。
DL
大丈夫、君らは当分暇だよ(笑)
クリフ
17の、アドバンテージ入れて27。
ぼんぼんいいカードが出ていっちゃうんですけど。
DL
カラミティー・ルージュぼーん。
クリフ
やっぱりな(笑)
かといって応急処置で終わらせるのは私のプライドが許さん。
DL
ああ、待って。今の成功してていい。
カラミティー・ルージュを回収する)
ただ、やはり手持ちの器具では足りないね。
自分がいつも持ち歩いている医療バッグを持って来ればいいかも知れんな。
クリフ
はっ。知ってる奴が。
えーと、ヴィクトリカはいる?
DL
ヴィクトリカはいない(笑)
クリフ
いないのかよ(笑)
DL
そういえばここしばらく姿を見ていない。
クリフ
あー、いないのかあいつ。
どこほっつき歩いてんだこの忙しいときに。
じゃあ近くの奴に、これこれここの部屋に俺の医療器具があるから勝手に開けて持って来いと。
DL
自分で行ったほうが早いんじゃない?
クリフ
そースか。常に息吹き込んでないと死ぬかなと思って。
マグノリア
周りの奴にやらせればいいじゃないか。
クリフ
じゃあ周りの奴にやり方教えて……それこそ近くの診療所か何かの看護士でも呼んでそいつにやらせよう。
で、自分は部屋にダッシュ。

DL
部屋に戻って必要な器具を選定する。
慣れたものです。なぜならそれは先生の下で身につけた技術ですから。
そして君が「よし、持って行こう!」ってところでカラミティー・ルージュでした。
鞄の取っ手がぶちぶちっと切れた。
クリフ
えー? 最悪。
DL
ガシャーン、ばらばらばらばら。
手で持っていこうと思えば持っていけるけどね。
クリフ
持っていけるけど、こんな所にぶちまけちゃったら洗浄・消毒からやり直しじゃないか。
DL
まあ、必要なものは鞄の中に残っているみたいだ。
クリフ
それじゃ鞄を抱きかかえて……
DL
ただし、そうすると、抱えるのにガンベルトが邪魔かな。
クリフ
そういうオチですか(笑)わかりました、外して行きましょう。
DL
あっさり外していく?
クリフ
予備の弾丸とかはまず置いて行くとして、銃一丁くらいは持っていけないかなあ。
DL
持っていける。
ヨハン
口にくわえて。
DL
そうだね。
マグノリア
それはそれで怖いな(笑)
クリフ
危ないよ(笑)
DL
君は少し逡巡した後、そうやって持っていった。

そろそろ車外に出るなって所まで来たら、列車の外から声が聞こえる。
名医(DL)
「急患の方がいらっしゃるのはこちらですか!」
やじ馬(DL)
「へえ、そうなんでさ先生。
あ、あの、握手させてもらっていいですかい?」
名医(DL)
「そのような事を言っている場合ではないでしょう!」
DL
どうやらその、名医様とやらが来たみたいだね。
なんか、名医の声には聞き覚えがあるなーと思う。
クリフ
ああ……。
(なるほど。気付かないほうがいいな)とりあえず、握手させろって言った男に跳び蹴りをかます。
DL
がしゃーん。
クリフ
跳び蹴りをかまして現れつつ、ごろごろ転がって《ヒップホップ》で起き上がる(笑)(新しいマニューバを取ったので使ってみたかったらしい)
DL
それで、どうする?
クリフ
婆さんのところに行って、相手の顔も見ずに……
DL
周囲に人だかりができているせいで、名医の手元くらいしか見えない。
クリフ
どうせ相手の顔なんか見ませんよ。
とりあえず相手の手元を観察する。大丈夫そうかな、と。

DL
(ヨハンとマグノリアを見て)暇そうだ(笑)白いチップ(クリフのパワーチップは白)だけがどんどん減っていくね。
クリフ
カラミティー・ルージュがぼこぼこ飛んでくるから(笑)
ヨハン
チップくれよチップ。
マグノリア
チップくれよチップ。
DL
なんでお前ら出来の悪いホテルマンみたいなの(笑)
マグノリア
ここまで暇なのありえないぞ~。

クリフ
10。
〈正義感〉で「こいつが本当に名医ならいいが、まずかったら俺が代わらなきゃ」
と思って見ている。
DL
君の目の前で奇妙な行動をしますね。
まず自分の鞄の中から麻布を丸めたものを取り出してほどきはじめる。
中から現れたのは、実に几帳面に布の内側に設けられたそれぞれのポケットに収められた金属の棒だった。

名医がおもむろにそれを数本抜き取ると、それが金串のような鍼であることがわかります。
周りにいるギャラリーたちも「ざわ……ざわ……」
野次馬(マグノリア)
「何だ、あの道具はよぅ。あんな物じゃ治んねーよ」
DL
その感想は君(クリフ)も同じです。
そんな治療法は見たことがありません。
名医がすっと手を動かした瞬間に、数本の鍼はそのまま老婆の体の各所に突き立てられます。
クリフ
「おい、何やってんだよッ! 殺す気かッ!?」
DL
周りの人たちもどよめいている。
名医は君に背中を向けたまま、「いいから黙って!」
……すぐに名医は鍼を抜き取ります。
また悲鳴が上がるんだけれども、それすらも気にせずに名医様は老婆の体を軽くゆすります。
そうするとおばあちゃんの目がパチッと開きました。
老婆はゆっくりと身を起こすと、「あれ、私のカードは? いい手だったのに」
と言って自分の手を見つめて呆然としています。
クリフ
おばあちゃんの目の前に指出して、「これ、何本に見える?」
DL
「二本」
って言う。
クリフ
「……(間)……大丈夫だったようだな」
(一同笑)
マグノリア
今の間は何(笑)
クリフ
何が起こったか解らなかったからね(笑)
DL
君が手を出して、老婆が「二本に決まっているじゃないか」
って言ったところで、数瞬の沈黙の後、割れんばかりの歓声が沸き起こります。
野次馬(マグノリア)
「さすが名医様だぜ!」
DL
しかも鍼が刺さった跡とか一切ないです。
名医(DL)
「いやいや皆さん、そんな、やめてくださいよ。
ちょっと私は汽車に乗らなければならないので(体を起こす)」
クリフ
そこで相手の顔は見える?
DL
見える。
クリフ
「あんた、大した腕だな!」って握手を求める。
名医(DL)
「いえいえ、この程度、まだまだですよ。
このような技術を持っていても、まだまだ救えない人はいる」
DL
振り向いたその男は、眼鏡の奥で、東洋人独特の切れ長の目を更に細めてにっこりと微笑んでいた。

クリフ
「(はッ! こ、こいつはッ!)」
DL
君の体にびびびっと電撃が。
クリフ
うーーーーん、ここはやっぱ考えずに抜いちゃうかしらねえ? どっちかな~。
どーちーらーにー。
DL
男は自分がビリー・ロンだと名乗るね。
クリフ
顔は間違いなく夢で見ているそいつなわけね?
DL
というか、先生殺害の現場に君もいたってことで。
クリフ
そいつがやったことに間違いはない。
そして、相手も自分の顔を知っているはずだ。
DL
と、君は思うね。
クリフ
ちょっと目を細めて、自分の銃にさりげなく手を伸ばしつつ、「俺の顔に見覚えはないか?」
ビリー(DL)
「……はっ? いや……失礼ですが」
眼鏡をくいって上げながら顔を近づけてくる。
「どこかでお会いしましたか?」
クリフ
「……そうか。
もっと東の地で会ったような気がしたんだがな」
医療器具が入っていた鞄を観察する。
DL
普通の鞄だけど。
ただ、君の顔を見たとき、一瞬意外そうな顔をして、すぐににやりと笑ったような気がする。
ヨハン
……。
マグノリア
寝ないでヨハーン。
クリフ
虚ろな目をしてる(笑)
マグノリア
ああ、今遠くへ旅立って行く! 僕たちを置いてどこへ行くのヨハーン!
クリフ
なんか、タイマンシーンが続いているからねえ(笑)
名医はそのまま行こうとする? それならすれ違う瞬間に、「俺はあんたのことを一晩だって忘れたことはない」
ってつぶやく。
DL
(意外そうに)ええー!? ああ、そっか。
結構静かだな、クリフ。もっとドンパチになるかと思ってた。
クリフ
ドンパチ?
マグノリア
君が突然抜くかって。
クリフ
そりゃーね、やっぱ衆人観衆ん中ではね。
マグノリア
ああ、月のない夜には気をつけろよみたいな(笑)
DL
そっかー、そっかー。
クリフ
あ、何? ブチ切れて欲しかったの?
DL
そうだね。俺の中ではそういう予定だった。
じゃあ君ら(ヨハン&マグノリア)の出番は当分なしだ。
クリフ
ええー?
ヨハン
だと思った。
マグノリア
本当に暇つぶしにキャラ作る?
(一同笑)
ヨハン
俺はその銃を刀ではじき落とそうかなとか色々考えてたのに(笑)
マグノリア
俺も色々考えて、出るのはここだと思ってたけど(笑)
クリフ
いや、そこで抜くほどさすがに阿呆じゃないですよ。
DL
あ、ほーなんだ。
じゃあ野次馬散った。散ってった散ってった。
野次馬(マグノリア)
「いやあ、婆さん良かったなあ」って婆さん連れて行く。
DL
よし、誰もいなくなったぞ(笑)
クリフ
(そういう問題じゃないんだけど、まあいいか(笑))
去っていこうとすると、「待て」って声をかけて、銃に手をかける。
ビリー(DL)
「はい?(振り返る)」
クリフ
「俺はなぁ、お前のことを一晩だって忘れたことはねえんだよッ!(銃口を向ける)」

SCENE 3-2

マグノリア
「マスター、あの方じゃございませんか?」
ヨハン
「うむ。
どうやら背格好といい、何よりあの独特の顔」
DL
君は毎晩毎朝見てる(笑)
ヨハン
「どうやらあれに間違いないようだな。
……はっ、クリフ、何をやっている!」
(笑)
マグノリア
マスターのために、二人の間に入る。
クリフ
おー、何かやる? ただ入るだけ?
ヨハン
マグノリアが入るだけ(笑)
マグノリア
「あなた、何をしているの。その方は私たちの知人よ」
クリフ
じゃあマグノリアの肩口でガィィン! って弾丸が弾ける。
DL
すげえ(笑)
マグノリア
「あら、危なかったわ、どきどきしたわ(少し泣きそうな顔になって)マスター? マスタ~」
ヨハン
「(険しい顔で)動くな」(笑)
マグノリア
クリフの腕をつかんで銃口を自分の胸に当ててる(笑)
ビリー(DL)
「何をするんですか。あなた、大丈夫ですか」
マグノリアに声をかける。
マグノリア
「ええ、大丈夫よ。
たかだか銃の弾一発くらい、傷一つないわ」
ビリー(DL)
「(クリフに)あなたいったい何をするんですか。
いきなり銃を抜いて撃つなんて」
クリフ
「それをあんたに言われるとは思わなかったな。
あんたは無抵抗の女を殺したことがあるだろう」
ビリー(DL)
「何を言っているんです?」
マグノリア
「あなたの勘違いよ。この人はお医者さまなのよ」
ヨハン
「何を言っているんだクリフ、落ち着け!」《話術》で失敗。
「その人は神に仕える神聖な身だぞ」
DL
あ、神に仕える神聖な身だって言うんだ。
クリフ
すんごい据わっちゃった目でマグノリアを見つつ、
「人殺しの俺だって医者だぜ」
マグノリア
「何かの間違いよ。いきり立った心を静めなさい。そんなに怒っていては冷静に話が出来ないわ。
その銃をおろしなさい」
手を思い切りつかみながら。
クリフ
うーん、じゃあもう一発撃っちゃう。ガィィン!
マグノリア
「このままだと私は全裸になるわよ」
ヨハン
何故か脱げてく(笑)
(一同笑)
マグノリア
ガキーンって撃つたんびに一枚ずつ脱げていく。
クリフ
別にボタンとか狙ってないぞ(笑)
ヨハン
ダメージで服が脱げるのはアーサーくらいだ(笑)
DL
上のほうからキーンって鋭い音が聞こえてくる。
マグノリア
どのへんに来そう?
ヨハン
真上?
DL
真上。
マグノリア
ふっと見上げて、「何かしら」
DL
何もしないのであれば、マグノリアとクリフの間にズドーン! って何かが落ちる。
マグノリア
クリフ、腕、大丈夫?
DL
ぼきって。
(一同笑)
クリフ
また大怪我か(笑)
マグノリア
あ、じゃあ離すわ(笑)で、これ幸いとクリフとの距離をとりつつすぐ後ろにいるロンさんを庇う。
クリフ
じゃあ後ろに吹っ飛ばされてもっかい《ヒップホップ》で起き上がるわ(笑)
マグノリア
ロンさんをカバーしながら
「腕を折っても良かったんだけど、さすがに取れそうな勢いで落ちてきたから離してあげたわ」
DL
もうもうとあがる土煙。
その中でゆらりと人影が身を起こす。
ヨハン
刀を構える。
マグノリア
「マ、マスター、た、たぶんお仕事の仲間だと思います」
DL
身を起こしたのはフリルのドレス。
クリフ
やはり。
DL
既にハードガントレットも装備した状態で。
マグノリア
やっぱりこの人なんだ。
ヨハン
「何だ、お前か(刀を納める)」
クリフ
「ヴィクトリカ、お前まで邪魔をする気かよ」
DL
ヴィクトリカはクリフの方に背を向け、ヨハンとマグノリアに向かって構える。
クリフ
……あっれー? 状況が読めないわー?
DL
(含み笑い)
マグノリア
「(冷静に)マスター、戦力的に……不利です」
(一同笑)
ヴィクトリカ(DL)
「退け。その男は抹殺しなければならない」
ヨハン
なんとかトラップ。
DL
《デーモントラップ》
マグノリア
じゃあ構える。
※ヴィクトリカは悪魔の種が入っているため、蒸気魔術《デーモントラップ》によって動きを封じられます。
ヴィクトリカ(DL)
「退かないのであればお前たちであっても容赦はしないぞ」
ヨハン
「抹殺するだと? それをされてはわれわれが困る。
いったいどんな事情があるか。
いや、お前に事情はありそうにないな」
(一同笑)
DL
「なにおぅ?」っていう(笑)
ヨハン
「またどうせ何かくだらない短気でも起こしたのだろう」
ヴィクトリカ(DL)
「(小さく笑う)そう思うかね、ヨハン神父」
ヨハン
「ああ、そう思うね」
ヴィクトリカ(DL)
「まあいい、貴様がわたしのことをどう思おうが知ったことではない。
わたしはその男を殺す。
神の名の元に」
ヨハン
「ならば私はこの男を守る。
神の名の元に」

一同

かっこいいー!
クリフ
「おい、そいつを殺すのは俺だ」
ヴィクトリカ(DL)
「好きにしろ」
クリフ
「なら遠慮なくやらせてもらうぜ」
マグノリア
カタカタカターって頭からすごい音を出しながら、
「ちょっとお待ちなさい、ふたりとも。もうちょっと話し合う余地があると思うわ」
クリフ
ビリーは何もしない?
DL
おろおろしてるよ。
クリフ
おろおろ(笑)
マグノリア
「あなたは人違いをしているのよ、クリフ。
それにヴィクトリカも、落ち着きなさい」
ヴィクトリカ(DL)
「残念ながらそうではない、マグノリア」
クリフ
「たとえそいつが記憶を失っていたとしても、その手に付いた血は落ちねえんだよ!」
ヨハン
「知った風な口をきくな!」
(一同笑)
DL
お前が言うな~(笑)
マグノリア
この状況下でこの二人には言わないんでしょう? 一応護衛だって。
ヨハン
内緒にしてろって命令だからね。
マグノリア
難しいねえ。
クリフ
だってプッツンしろって言われたから(笑)
後で闇討ちにしようかなと思ったら。
……一応事情を聞いてからぶっ放そうと思ってたんだけどさ。
マグノリア
「ま、マスター。なんだか向こうはやる気満々です。
どうしましょう」
ヨハン
「仕方があるまい。
ではここは《話術》で」
マグノリア
何だろそのロールプレイしつつシステムも言ってしまう(笑)
※しばらく悩むキャストたち。
DL
何もしないのかい? しないんであれば戦端が開かれるけど。
マグノリア
開かれちゃうんだ(笑)
クリフ
やる気満々ですよ。
……ええと、じゃあいいかい? どうしようかな、どっちにやろうかな。
でもマグノリアには効きそうにないな、キャラ的に。
マグノリア
何がだよ。
わかんないだろ。
クリフ
《挑発》
マグノリア
ああ、どうだろ。判定なら効いちゃうよ。
クリフ
ていうかね、マグノリアを逆上させるような言葉をぱっと思いつけない。
DL
ヨハンをなじればいい。
マグノリア
ヨハンも一緒に《挑発》されちゃうよ。
(一同笑)
クリフ
範囲攻撃になってる(笑)
マグノリア
別に範囲攻撃でもいいんじゃないの?
DL
範囲攻撃にするってマニューバがあるから、それはやめたほうがいいかもしれない。
クリフ
《シャウト!》とかね。
じゃあ、ヨハンさんに《挑発》
16で、
「何だ、そのデカブツは飾りモンか? そういや最近抜いてねえよな」
DL
確かに(笑)
ヨハン
「馬鹿者、これはただの刀ではない、神の愛を守るための盾なのだ!」
クリフ
かっこいー!
ヨハン
はい、《挑発》受けた。
(一同笑)
ヨハン
《挑発》された。
ムキー! って(笑)
クリフ
じゃあ次の判定にハンディキャップね(笑)
マグノリア
ムキー……(笑)
クリフ
ムキーって、猿じゃないんですから(笑)
ヴィクトリカ(DL)
「クリフ、おしゃべりはそこまでだ。
始めるぞ」

DL
【冷静】が一番高いのはマグノリアだったね。
どうぞ。
クリフ
はっ、またパーティー内戦闘。
最近多いよね(笑)
DL
そうだね(笑)
マグノリア
クリフはともかく、まずヴィクトリカだ。
クリフ
酷いや~。
DL
ヴィクトリカはダイレクトに君たちの命に響いてくるからな(笑)
クリフ
私はさすがに殺せないからなあ。
マグノリア
ヴィクトリカに《デーモントラップ》を仕掛けます。
DL
お。
マグノリア
23で《意志力》回避できます。
DL
びしっと止まった。
マグノリア
「あなたにこちらに来られてはマスターの身が危ないの。
あなたにはおとなしくしていてもらうわ。
もう一人のほうはどうにかなりそうだから」
ヴィクトリカ(DL)
「敵に回すと実に厄介な奴だよ、君は」
マグノリア
ああ、なんかカッコいいね。
ゲストの時はいつもかっこいいね。
クリフ
えっと、じゃあ(マグノリアを指差して)障害物?」
マグノリア
完全に物扱い?
クリフ
というか、ビリーの前に立ちふさがっている?
マグノリア
完全に君の射線上にいる。
DL
ハンディキャップ一個で当ててもいいよ。
クリフ
残念ながら《跳弾》は持ってないんだよなあ。
ヨハン
《デーモントラップ》はどれだけ効くの?
マグノリア
このシーン中か。
クリフ
戦力がなくなった。
一人でがんばろうか。
DL
カラミティー・ルージュを飛ばしてもよかったんだけど、あまり飛ばすのもな。
マグノリア
さすがに始まって三十分でキャスト二人を殺すディーラーもいないだろう。
DL
さーあ、それはどうかな(笑)ヴィクトリカが一歩近づいてパーン! ってやった瞬間に君ら二人死ぬからな(笑)
マグノリア
ついでに後ろの奴(ビリー・ロン)もぱさーって。
クリフ
うーん、じゃあマグノリアに当たっても平気なのは知ってるけど、あんまりがんがん当てるのも何なので……
マグノリア
来いっ。
バッチ来い。
クリフ
10、18、更に……ああ、ノーマルでアドバンテージが入るマニューバ持ってないんだよな。
DL
その前にちょっとカラミティー・ルージュを買い戻しておこうか。
マグノリア
いつまでも持たれているとどきどきしちゃうね。
俺もどきどきしちゃうね。「じゃあ、ルージュで!」
この人本当に私を殺る気だわ。
DL
もう白いチップが3点しかないよ。
※パワーチップとして使用しているクレイポーカーチップは、各色20枚ずつあります。
つまり現時点でクリフはパワーチップを17点持っていることになります。
クリフ
え、それ以上もらえないの?
DL
そうだね。
クリフ
とりあえずマグノリアを避けつつ撃つよ。18。
マグノリア
じゃあ《カバーリング》《鉄身》を組み合わせて守ります。
カラーリング……
DL
カラーリングじゃないよ。色変わってどうする(笑)
クリフ
あ、ごめん今のちょっと待った。当てない。
DL
あれ? 失敗? まあいいや。
※ここで突発トイレ休憩。
クリフ
やる気満々で行動しても勝てないんだよねえ、こいつらには。
マグノリア
俺にはたぶん普通に勝てるよ。俺は反撃する手段ないし。
クリフ
ヨハンが怖いんだよね、ヨハンが。
マグノリア
だって、俺との距離が5mくらいでしょ。ヨハンがもうちょっとでしょ。
ヨハンが全力移動しても1カットじゃ君には届かない(笑)
クリフ
一応《零距離射撃》持ってるから至近距離でも威力落ちない。
マグノリア
勝てると思うよ、ヨハンには。
クリフ
至近の時にアドバンテージ入れる奴、取ろうか取るまいか迷ったんだけどねー。
マグノリア
問題なく勝てると思うんだよなー、ヨハンには。
まずカバーリングを成功させるには君との対決に勝たなきゃいけないんだよね。
クリフ
大丈夫、自動的失敗だから。
フェイトを言いたいがために失敗してるから。

クリフ
「お前はそいつが何をしたか知っているのか!」
これでスートをハートに変えて判定失敗(フェイトを使って演出するためにわざと失敗を選択)
マグノリア
「さあ、そんなことは私には関係ないわ。
私はマスターのご命令どおりに動くだけだから。
あなたの事情は知ったことではないの」
クリフ
「お前も結局ただの機械ってことかよ(吐き捨てる)」
マグノリア
「さあ、それはどうかしら」
ヨハン
クリフに6m近づく。
(一同笑)
DL
6m近づいたら密着するよ。
むしろ通り過ぎるよ。
クリフ
それなら普通に[マイナーアクション]で近づいて斬れるんじゃないの?
DL
殴るんであれば止めようかね。
とりあえずクリフが撃ったんだったら、マグノリアの《カバーリング》カラミティー・ルージュで封じて……
君が動こうとした瞬間、ある現象が起こった。
クリフが(《二丁拳銃》の構え)パンパーンって撃ったんだけど、その弾が空中で弾かれた。
クリフ
今一丁しか持ってない。
DL
じゃあ(上で)パン(下で)パーンって撃ったんだけど(笑)《カバーリング》しようとしたマグノリアの目の前で弾丸が弾かれて地面に突き刺さった。
マグノリア
弾いたのは誰?
DL
弾丸だね。
マグノリア
どこから飛んできた?
DL
君の背後から。
マグノリア
「ロンさん、あなた?」
DL
ロンさんは「……へっ?」
って顔をしてる。
マグノリア
「あら、誰かしら。
……はっ、これはマスターの奇跡の力かもしれない!(きらきらした目でヨハンを見る)」
ヨハン
そしたら俺は「俺がやった」
みたいな笑顔をする。
DL
満足げにしているけど、君はタネに気づいた。
ビリーさんの腰のところから硝煙を上げる一丁の銃が。
みんながビリーを見ていると、「俺じゃないよ」みたいに首を振っている。
クリフ
それは私はわかる?
マグノリア
あら、食えない男。
クリフ
うーん、まだデュエル中?
DL
いや、終わっていいよ。
クリフ
「あんた、硝煙臭いんだよ」
DL
言う? そしたら……みんな《観察》して、早く。
(一同笑)
マグノリア
失敗しやした。
クリフ
このむやみやたらと高い3レベル《観察》で見破って見せようではありませんか。17。
ヨハン
失敗。
DL
お前17を見てから決めただろう(笑)
マグノリア
誰か成功すりゃいいかなーみたいに(笑)
クリフ
でも今ここ(クリフとヨハン&マグノリア)敵対してるよ。
ヨハン
違います。
ダイヤがなかったんです。
DL
じゃあクリフは気づく。
腰の銃を持っているのはビリーではない。
ビリーの背後から華奢な手が伸びていて、そいつがビリーの銃を使って撃ったらしい。
マグノリア
あー、あれだ。
もうひとりのヴィクトリカが出てくるんだ。
DL
なんじゃそりゃ。
ヨハン
ケヴィン!
(一同笑)
DL
「バレちゃしょうがないな」
前回のマネージャー職でつけていた眼鏡をかちゃって外す。
「おやおや、あなたたちの勘はまだまだ鋭かったようだね」
ケヴィン……ヴィクトリカの友人で、第六話に登場。
普通の少年である。念のため。

SCENE 3-3

DL
ビリーの背中の方から……
?(DL)
「失礼いたしました。火急の事態であると判断されましたため、勝手に拝借させていただきました」
DL
そう言ってビリーの影から現れたのは、ひとりのメイドさんでした。
マグノリア
その瞬間に、「キャラがかぶる!」って言っちゃう(笑)
DL
そうだね。向こうもダウナー無表情系。
クリフ
ロボ顔?
DL
いや、人化されてる。
マグノリア
くそ、電波系がまた一人。
ヨハン
「ああ、なるほど、お前が」
?(DL)
「はい、お待たせいたしました。
(ヨハンたちの前に行く)SFと申します。
聖人アリス様のお側で優秀なメイドをさせていただいております(一礼)」
マグノリア
「これはご丁寧に(お辞儀を返す)」
クリフ
えー。しょうがないなあ。
ちょっと敵が増えて分が悪いし、こっちの味方は麻痺ってる。
ヨハン
「どうやら心強い味方が来たようだ。
さあ、こんなところで立ち話もなんだから、法王庁が取った極上特別室へ」
DL
なんだそれ(笑)SFはクリフたちのほうへ向き直るよ。
SF(DL)
「(スカートのすそをつまんで一礼)いらっしゃいませ、お客様。
主に代わり、SFが御用向きをうかがいます」
マグノリア
「立派なメイドさんだこと」
クリフ
「人形には用はない。
用があるのはそっちの男のほうでね。
そいつの昔の罪を償ってもらうんだ」
SF(DL)
「SFの護衛任務には関係のないことと判断いたします」
ヨハン
「どうやらクリフには何かわけがあるようだな。
後で話を聞こうじゃないか。
とりあえず今は退け」
クリフ
《話術》で言ってくんないと退かない。
(一同笑)
ヨハン
ええい、この我侭ぶりっ子が。
マグノリア
ぶりっ子ではない(笑)
ヨハン
(ルールブックをめくっている)
マグノリア
どうしたんだい。
DL
《奇跡》で無理やり話を聞かせようと(笑)
クリフ
ヨハンにどんなコネを持ってたかな。信用だったかな。
DL
意外に結構みんなイレギュラーに動くから面白いな。
ヨハン
「天にましますわれらの父よ、御名の尊まれんことを、御国の来たらんことを、御旨の天に行わるる如く地にも行われんことを。
本日のわれらの糧を、本日のわれらに与え給え。
われらが人に赦す如く、われらの罪を赦し給え。
われらを試みに引き給わざれ、われらを悪より救い給え。
……人はパンだけで生きるのではない、神の口から出る全ての言葉によって生きる。
……もし右の目があなたに罪を犯させるのならば、それを抉り出して投げ捨てなさい。
全身が地獄に投げ入れられるよりは、体の一部を失うほうがましだからである。

……台詞が長いからといって同時にお菓子を食いだすのはやめなさい……AMEN.」
(一同笑)
ヨハン
はーい、じゃあ虎の子出しちゃいまーす。
クリフ
それじゃあ礼儀として本気で抵抗しようか。
……でも、ここで調子に乗ってこんなカード出したら、私後で痛い目見そうだな(笑)
マグノリア
今回は退いておけば? いつ何があるかわからないでしょ。
ここは君の中で大事かい?
ヨハン
「今ここで彼を失うわけには行かない。
彼は信仰の父にとってとても大事な人なのだから」
クリフ
「そいつの手が血に汚れていてもか。神様も随分寛大になったもんだぜ」
それから、えーと……
DL
ウワァァン、モウコネエヨーって言う。
クリフ
(笑)それから、「ヨハン、人を説得するのにいちいち神様の力を借りるのはやめろ」
(一同笑)
マグノリア
ごめんねヨハン。
俺がアドバンテージあげる奴早くとっておけばそんなことにはならなかったはずなのにね。
クリフ
「あんたの命は預けておく」銃をしまって去っていくぞ。
あ、ヴィクトリカは?
ヨハン
ヴィクトリカはぐるぐるに縛ってから列車からぽいって。
ヴィクトリカ(DL)
「どうやらこの場ではオレも退くしかないようだな」
って言って、とうって飛んでいく。
マグノリア
「まあ、なんて自分勝手な子なのかしら」
クリフ
お、おいっ、事情を聞かせろ~(笑)なんかみんな微妙に俺の知らないことを知ってるっぽいぞ~(笑)
マグノリア
「(ヴィクトリカがへこませたホームを見て、クリフに)これの始末はあなたに任せるわ」
DL
クリフ逃げたんでしょ?(笑)
クリフ
いなくなったよ。

ヨハン
「(ビリーに)どうやら騒ぎは収まったようだ」
ビリー(DL)
「な、何だかよく解りませんが、ありがとうございます」
ヨハン
「極上特別一等室に向かおうではないか」
クリフ
装飾が増えてる(笑)
マグノリア
何で一等を入れちゃうの。
極上特別でいいじゃないか(笑)もしくはロイヤル・スゥィートとか。
SF(DL)
「当大陸横断鉄道に、そのような客室は用意されておりませんので、そういったお部屋にご案内することは不可能であると判断いたします。
ヨハン
「用意しておけと言っただろう!」
SF(DL)
「特等車両のほうに一室設けさせていただきましたので、そちらへどうぞ、お客様」
ヨハン
「特等車両では少々狭い」
マグノリア
「十分、十分ですよ」
ヨハン
「マグノリア、仕方があるまい、あまり文句は言うまい」
SF(DL)
「人間の言葉に『分相応』というものがあると記憶しております」
ヨハン
「君は優秀だねえ」
SF(DL)
「その通りです、ヨハン様。
わたくしは優秀なメイドとして教育されておりますので」
ヨハン
「しかし、いまここでそんなことを思い出されてもどうしようもない」
SF(DL)
「申し訳ありません」
クリフ
面白いなこの子(笑)

ヨハン
では早速その特別……しゃちょうに。
(一同笑)
DL
ぶはーって煙吐き出して、バスローブのままブランデーくりんくりん回しながら葉巻吸ってる人がいる(笑)
マグノリア
シャム猫傍らに(笑)
ヨハン
「あれが特別社長です」
「うわー、初めて見たー」
(シャッター音)
(一同笑)
マグノリア
一番上の階の夜景を見ながら。
DL
「もうすぐこの町の全てがワシの手の中に」
とか言いながら(笑)
クリフ
後ろから「待ちな」
って誰かが現れるよ(笑)
マグノリア
町って。
列車だからな、これ。
ヨハン
金貨が入った袋を持って「お土産売り場はどこだべ」って。
DL
じゃあ売ってる。
「大陸横断せんべい」とか「大陸横断まんじゅう」とか。
クリフ
煎餅(笑)なんでそんなに天羅風なのよ。
DL
「大陸横断鉄道」って毛筆体で書いてあるTシャツがある。
クリフ
サムライ多すぎ。
マグノリア
つか、内職しているサムライが多すぎ。
DL
貧乏長屋で内職してるの。
※このリプレイでは当たり前のように天羅人が現れていますが、本来テラの人は天羅という大陸の存在すら知りません。
もちろん貧乏長屋や大陸横断まんじゅうはギャグです。念のため。
ヨハン
「いや、いいものを見たなあ。
あれはこの列車にしか乗っていないんだ(笑)さ、行くか」
SF(DL)
「妄想はそれまでにしませんと、時間がなくなってしまうと判断いたします」
マグノリア
「それでは行きましょう」
クリフ
(手札を見て)2を追い出したら2が帰ってきた。
DL
移動します。
ヨハン
早速その豪華な部屋のベッドにばたーんって(飛び込む)。
クリフ
話を聞くんじゃなかったのか(笑)
DL
じゃあセーブをするかどうか訊かれる。
クリフ
『セーブをしないでゲームを終わりますか?』
マグノリア
『今までのデータが全て消えてしまいますがよろしいですか?』
ヨハン
はい。
クリフ
思わず連打(笑)
マグノリア
うわっ! 終わったー。

DL
特等客室内です。
ちなみにビリーさんは別室です。
SF(DL)
「お勤めご苦労様です、ヨハン神父」
マグノリア
ビリーさんの部屋の隣とかって感じ?
DL
うん。
SF(DL)
「護衛の期間中はこの部屋を自由にお使いください」
ヨハン
「ビリーを守るためには我々も特別」……どこだっけ?
マグノリア
「特別客車ですよ」
ヨハン
「特別客車に」
SF(DL)
「維持コストはそちらでお支払いください」
ヨハン
「NO! 断る」
(一同笑)
クリフ
前回しこたま儲けたじゃないか。
マグノリア
あっという間になくなるでしょ。
ヨハン
法王庁にツケる。
これは法王庁の仕事だから。
DL
で、何か話すことはあるかな?
マグノリア
どこまで行くかっていうのは?
DL
ウエストエンドまで。
クリフ
長いねー。
マグノリア
この秘密を誰にも言わないという自信がなくなってきた。
ヨハン
「その聖人アリスさんとやらは……」
マグノリア
知らないのか君。
DL
うん、聞いたことがない。
ヨハン
「……もうやばいのかね?」
SF(DL)
「はい、あまりよろしい状況ではないと判断いたします」
ヨハン
「あまり聞いたことがないが、いったいどのような方なのかね」
SF(DL)
「混迷のまっ只中にあるこの世の中を救う力を持った方でございます」
ヨハン
「そういう抽象的なことを言われても解らないな」
SF(DL)
「アリス様の御事につきましては、これ以上話すことを許可されておりません。
また、ヨハン神父が知るべきことではないと判断いたします」
ヨハン
「ビリー」
がらがらがら(扉を開けるしぐさ)
(一同笑)
DL
ビリーはいない。
ヨハン
おや?
「あの男は自分が命を狙われているというのに……ええい、聞かぬ男だ」
DL
そこでギーバタン(シーンが閉じる音)
マグノリア
あー。