OPENING~SCENE 6
SCENE 7 二百年後の邂逅
SCENE 8 遥かなる楽園
SCENE 9 鏡に映る敵
SCENE 10 神は試練を与え賜う
SCENE 11 前門の砲後門の悪魔
SCENE 12 そうだ、西に行こう
SCENE 13 起きなかった未来 新たなる過去
ENDING

SCENE 7 二百年後の邂逅

キャスト ヴィクトリカ
ヴィクトリカはケヴィン少年に連れられて、彼が住んでいるというデウスシティへ向かう道すがら、彼らの町は頻繁にマシンに襲われるのだという話を聞く。
ケヴィン(DL)
「ヴィクトリカみたいに強い奴がいてくれれば町のみんなも助かると思うんだよ」
DL
最初はうまく動かなかった体も、少しずつ調子を取り戻しているようで、今は問題ないような気がする。
ヴィクトリカ
さすが法王庁製だな。メンテナンス・フリーだ。町の外がすぐ博物館?
DL
町はずれに博物館って感じだね。しばらく廃墟が続いて、その一角に人が住んでいるところがある。
ヴィクトリカ
……アキバだ。
DL
アキバだよ。
元々このシナリオを組んだとき、発想の出発点は「秋葉原にある交通博物館が閉館する」というところでした。
ヴィクトリカ
じゃあとりあえずイレイサー99でも。
DL
そっちかよ(笑)じゃあゾクのハチマキをもらった。
ケヴィンの家に向かう二人。ケヴィンは町が近くなったところで立ち止まる。
ケヴィン(DL)
「ヴィクトリカ、頼むから人間の振りをしててね」
DL
そういえば、いつものでっかいガントレットは持ってるの?
ヴィクトリカ
いや。それは後でかっこいい演出でもと思っている。
ヴィクトリカが周囲を見回すと、家はあちこち破壊されていて、壊れた機械の破片が散乱している。
ケヴィン(DL)
「それは、襲ってきたマシンの破片なんだよ」
ヴィクトリカ
「オートマータが人を襲うとはな」
ケヴィン(DL)
「ヴィクトリカは知らないかもしれないけど、この町ではマシンは敵なんだから、本当にバレちゃだめだよ!」
ヴィクトリカ
「そうなのか」
ケヴィン(DL)
「でも、そんな日ももうすぐ終わりなんだ。もうすぐ強い悪魔様が……」
ヴィクトリカ
「悪魔様? ……ヨハンには聞かせられんセリフだな」
ケヴィン(DL)
「悪魔様があいつらを倒してくれるから!」
ヴィクトリカ
「悪魔、ね。こっちに来る前はその悪魔と戦う組織にいたのだがな」
その時、少女の声が響く。
「愚かしいと思いませんか」
どこから聞こえたのかも良くわからず、ケヴィンには聞こえなかったという。
ヴィクトリカ
「空耳か……まだ聴覚素子の調整が終わっていないようだな」

町に近づいたヴィクトリカたちは、騒がしい音を耳にする。
ヴィクトリカ
高笑いが聞こえる?
DL
うん(笑):「神の裁きをー!」って声が聞こえる。
ヴィクトリカ
ヨハン、何か叫んで。オレが飛び出していってぶん殴れるような一言を。
ヨハン
(笑)
DL
さーあ、どうやって収拾をつけよう(笑)
ヴィクトリカ
よーし、やってやるぜヨハン。
ヨハン
「出て来い悪魔ども! このヨハン神父が神の威光とともに来たぞ!」
ヴィクトリカ
「……何をやっているんだアレは」
ケヴィン(DL)
「あ、あいつらが攻めてきたんだ!」
DL
周囲の建物から、黒い格好をして本を持った大人たちがわらわらと現れて「ヤツらが攻めてきたぞー」ってそれぞれ悪魔召還をしている(笑)
ヴィクトリカ
ヨハンには見覚えがある?
DL
皮ジャンにメットしてるよ(笑)
ヴィクトリカ
ああじゃあ解らないな、よし(笑):「ソロモンの悪魔か!」って言って、悪魔を呼び出しているほうを殴りに行こうとする。
ケヴィン(DL)
「ちょっと待ってよ! あれは味方だから殴っちゃだめだよ! この街を守ってくれる悪魔様と悪魔使いだよ!」
ヴィクトリカ
「どういうことだ。ソロモンの悪魔ではないのか、アレは」
ケヴィン(DL)
「ソロモンの悪魔……? よくわかんないけどとにかく駄目だよ!」
そうこうしているうちに、町の外からバイクに乗った男たちが銃を撃ちながら侵入してくる。
DL
弾丸の出る銃じゃなくて、キラっと光ったらやられている、みたいなのを。
ヴィクトリカ
ブラスターね。じゃあロステクっぽい銃を撃ちながら来る、と。
「これはまた随分と騒がしいところに出てきてしまったな。で、オレはどうしたらいいんだ」
DL
ケヴィンはすがるような、何かをものすごく期待しているような目で見ているよ。
ヴィクトリカ
そうか……でも悪魔なんだよなー。フェイトで〈ダークを狩る〉があるんだよなー。
DL
ちなみに、ヨハンが連れてきた隊の中には、博物館で襲ってきたようなマシンが何体かいるよ。
ヴィクトリカ
ああ、じゃあ今は、そのオートマータと悪魔が前衛戦としてぶつかりあっている状態だね。
DL
うん、そんな感じだね。
ヴィクトリカ
じゃあそこに《韋駄天》《スピードスター》その他諸々を組み合わせてそいつらをまとめて吹き飛ばす。イベントでやっていい?
DL
いいよ(笑)
……ヴィクトリカは女の子の姿をしているけど、博物館に展示されていたのは多分みんな知っているから……。
デウスの男(DL)
「マシンだ! マシンが攻めてきたぞ! 暴走オートマータだ!」
ヴィクトリカ
「双方静まれ!」
DL
ヨハンは何かする? 見たことあるけどぼろっちいのがいるよ。
ヴィクトリカ
ぼろっちいのか(笑)
DL
ぼろっちいの。何年も放置されていたから。
ヴィクトリカ
大丈夫、このドレスはケプラー繊維が織り込んであるから、そう簡単にはぼろぼろにならない。
ヨハン
メットをしたまま「ヴィクトリカ、ヴィクトリカじゃないか!」
ヴィクトリカ
「なんだこのジャギ!」
(一同笑)
ヨハン
「この私を見忘れたか!」
メットをとると、キューティクルのかった長い黒髪と髭がこぼれ落ちる(笑)
ヴィクトリカ
「ヨハン貴様、二百年という時を経ても尚生きているとはな。貴様は化け物か」(笑)
ヨハン
「二百年? 何をわけのわからないことを言っている。二百年もたっていたら私が生きているわけがないじゃないか!」
ヴィクトリカ
「経ってんだよ!」
ヨハン
「ええい、不思議なことを。まさか二百年も私が落下していたというのか」(笑)
ヴィクトリカ
「お前に何があったのかはわからんが」
ヨハン
「空が紫色になってから何があったのかお前は解っているのか?」
ヴィクトリカ
「色々あったぞ。だが今はそのような昔話をしている時ではないようだ」
DL
周りでは悪魔使いとモヒーな男たちの戦闘が始まっている。
ヴィクトリカ
もう始まってるの? このイベントほったらかしで?
DL
うん(笑)
ヴィクトリカ
じゃあ今度はその人間どもを張り倒しておく(笑):「静まれっつってんだろうが」
ヨハン
「ええい、何をやっているヴィクトリカ! 我らの怨敵である悪魔がすぐそこにいるというのに!」
ヴィクトリカ
「いや、どうやら事情はそこまで単純ではないようだ。おまえのことだ、また神だ何だと崇められていい気になっているんだろう」
ヨハン
「単純も何もあるか。悪魔がいれば狩る、それが我々の、法王庁の使命だッ!」
ヴィクトリカ
「お前どっか変なスイッチ入ってるな(笑)」
ヨハン
盛り上がってる(笑)
ヴィクトリカ
「とりあえず落ち着け。この狂信者どもを一回退かせるんだ」
ヨハン
そこではっと我に返る。
DL
我に返ると二人ともふたつの集団に遠巻きに武器を向けられている。
ヴィクトリカ
全員? ほら見なさい(笑)
ヨハン
お前はまるで自分が関係ないかのように言うな(笑)
DL
今のは主にヴィクトリカのせいだと思うんだが(笑)
ヨハン
「事情が変わった、双方とも手を引け!」
マキナの男(DL)
「ヤツらやっぱり悪魔使いの仲間なんじゃないのか?」
「あの女は向こうから来たのを見たぞ。デウスのヤツじゃないのか?」
デウスの男(DL)
「あの少女、素手であんなに大勢の悪魔を倒したぞ」
「ヤツは人間じゃない、俺たちの敵だ!」
「誰だ、あんなのを連れて来たのは!」
ヴィクトリカ
じゃあケヴィンを指差す(笑)
DL
ケヴィン逃げてる(笑)
ヴィクトリカ
じゃあヨハンを指差す。
ヨハン
「(デウスの人たちに)ええい、そのような悪魔どもに心を奪われおって! 悪魔どもに何をそそのかされたのか知らんが、そのようなことをしていると魂まで地獄に落ちるぞ!」
しかし人々はヴィクトリカたちを敵と認識し襲い掛かってくる。

DL
だーって、ぶん殴っといて話聞けって無茶じゃん。
ヴィクトリカ
ヨハンが動かないのが悪いの(笑)
ヨハン
何かいい奇跡はないものか……。これかな。
マキナの村人に対して《話術》に《奇跡》を組み合わせて使います。「天にまします我らの父よ(略)AMEN」
……うーん、何て説得すればいいんだろう。
(一同笑)
ヨハン
「忠実なる神の子羊たちよ。事情は変わった、今は戦うべき時ではない! いったん町へ戻るぞ!」
ヴィクトリカ
オレの居場所がなくなった。
マキナの男(DL)
「それではその少女は我らの味方なのですか」
ヨハン
「そうだ、神の下僕だ!」
ヴィクトリカ
居場所ができた(笑)
マキナの男(DL)
「ヨハン様の仰せだ、みんな、戻るぞ!」
マキナの人々はヨハンの言葉にしたがい撤退を開始する。
マキナの男(DL)
「鉄槌は下された、近々貴様らに終末の時が訪れるであろう!」
ヴィクトリカ
高笑いしながら引きずられる。
ヨハン
では次はエクスシティにでも行ってみるか。
ヴィクトリカ
そうだね。エクスシティに行く。
(一同笑)
DL
ねーよそんなの(笑)じゃあ交通博物館がエクスって名前だから。

SCENE 8 遥かなる楽園

マキナの教会に戻ったヨハンとヴィクトリカは、それぞれの状況を話し合った。
ヨハン
「状況を整理しよう。俺は二百年後の世界に来たということは理解した」
ヴィクトリカ
「マキナとデウス、ふたつの町が争っていると。片や機械使い、片や悪魔使いだ。そもそもこのいさかいの発端は何なんだ」
イリア(DL)
「(ヨハンに耳打ちをする)この方も神の使徒なのですか?」
ヨハン
「うむ、法王庁直属の神の僕だ」
イリア(DL)
「ヨハン様が仰るのでしたら間違いないのでしょうけれど……(不安そうに)」
その時、ヨハンの服に紛れ込んでいたらしい二百年前にもらったゼフィランサスの花が落ちた。それを見たイリアは目を丸くする。
イリア(DL)
「な、何ですか、それは! 植物なのですか?」
ヨハン
「そうだ。見たことないのか? これではなくとも花くらいあるだろう」
DL
そういえばここに来てから植物ってものを見たことないような気がする。
ヨハン
「なんと、あれからそんなに荒んでしまったのか……私がついていながら」
(一同笑)
ヴィクトリカ
ヨハンいなかったじゃん(笑)
イリア(DL)
「さすが神の使徒ですね。このような物を天からお遣わしになるなんて。あの、これ、いただいてよろしいでしょうか?」
ヨハン
「それがお前にとって必要ならば持って行くが良い」
イリアの話によると、デウスの町には水がある。デウスの者達は残り少ない水を独り占めして、マキナに悪魔をけしかけることで水に近づけないようにしているのだという。
ヴィクトリカ
それは真実なの?
DL
少なくともイリアさんはそう思っているね。
イリア(DL)
「なんと罪深いことでしょう。神の名を騙りながらその実、行っていることは……」
ヨハン
神の名を騙る、とは?
DL
悪魔使いって「神の名において」って悪魔を使役するでしょ。
ヴィクトリカ
悪魔を縛るために神の名を持ち出すってのがソロモンの悪魔の使い方だから。つまり「悪魔を使うために神様の名を持ち出すなんて!」って怒っているわけだな。
ヨハン
それは俺も怒るね。
ヴィクトリカ
「それは確かなことなのか? その水が出たって話はどこから入ってきたんだ」
大昔このあたりには水が豊富にあったと言われている。だがある日、いきなり水が消えた。
いきなりなくなるわけがないので、そこには本当はあって、隠しているんだろうという話になっているようだ。
ヴィクトリカ
「それは君たちの想像でしかないのではないかな」
イリア(DL)
「それでもすがるしかないのです」
ヨハン
「今この町の水はどこから?」
イリア(DL)
「枯れかけた井戸があり、そこで命をつないでいます」
ヨハン
井戸の底の岩盤を打ち抜けば……
ヴィクトリカ
何故オレのほうを見る(笑)
DL
がんばれ削岩機(笑)
ヴィクトリカ
「事実関係をはっきりさせたいんだが、向こうの町に水があるといってきたのは誰だ?」
イリア(DL)
「ここ四十年は誰もいません」
ヴィクトリカ
「(呆れて)何故そんなものを信じ続ける」
このマキナとデウスは箱庭のように孤立した世界で小競り合いを繰り返してきた。しかし、西にはもっと開けた地があり、豊かな楽園であるという伝説があるという。
ヴィクトリカ
「まるでオレたちの世界のような話だ。何故その山を切り崩そうとしない」
五十年ほど前にマキナの勇敢な男達が一団を組み西へ向かった。しかし途中で悪魔によって壊滅状態に陥り、西を目指す者はいなくなった。また、その頃からマキナとデウスの関係が悪化したらしい。
ヴィクトリカ
「まあ、いい。では向こうの町にも行ってみようかな(立ち上がる)」
イリア(DL)
「何をしに行かれるのですか?」
ヴィクトリカ
「向こうにも話を聞きに行ってくる」
イリア(DL)
「そんな無茶な、向こうに行くなんて……」
ヨハン
「まあ待ちたまえ。この町のオートマータはどこの技術だ」
イリア(DL)
「近くに遺跡があり、発掘したものを直して使っているのです」
DL
それから数人技術者がいて、その人たちがかろうじてつぎはぎで作ったりしている。だからあんなにしょぼい作りなんだね。
イリア(DL)
「ヴィクトリカさんは二百年前のオートマータなのですよね? 技術研究所のほうに顔を出していただけませんか?」
ヴィクトリカ
「断る(即答)」
イリア(DL)
「そんな、何故ですか?」
ヴィクトリカ
「オレは自分の体を弄繰り回されるのが嫌いだし、お前らのような連中に力を与えるためにそこへ行く積もりはない、それだけのことさ」
イリア(DL)
「ヨハン様……(助けを求めている)」
ヨハン
「ヴィクトリカ、今この時代に目覚めたのも神の意思だろう。君の尊い行動は犠牲にはならないはずだ。行ってきなさい」《話術》で9。
ヴィクトリカ
「うるっせえな。オレはこんな狭いところでうじうじしている連中に力を貸す気は毛頭ねえんだよ」14で拒否。
ヨハン
シスターにアメリカンなお手上げポーズ(笑)
ヴィクトリカ
ヨハン神父も大分テラの所作に慣れてきたな(笑)
イリア(DL)
「そうですか……無理強いをするわけにはいきませんよね」
ヨハンを教会に残し、ヴィクトリカはひとりデウスへと向かった。

SCENE 9 鏡に映る敵

ヴィクトリカはデウスへ向かう途中、彼女が目覚めた博物館に立ち寄った。
ヴィクトリカ
ひとまずきれいな格好に着替えよう。多分トランクがどこかに発掘品として残っている。開け方知っているのはオレだけ、みたいなのが。
DL
じゃあ、ドライバーとかでこじ開けようとした跡がたくさん。
ヴィクトリカ
オレはそれ開けて中から自分の着替えを出して着替えている。
DL
お着替えしていると、奥のほうで音がする。
ヴィクトリカ
そっち見る。
DL
はっ、て凍り付いてるのはケヴィンだね。
ヴィクトリカ
「ケヴィーーーーン! この痴漢!(手に持っている万年筆を投げつける)」
DL
じゃあ服の肩んところに刺さって壁に縫いとめられてあわあわしてる(笑)
ヴィクトリカ
「覗きとは良くない趣味だな」
ケヴィン(DL)
「(縫いとめられたままで)ヴィクトリカ、戻ってこれたんだね! 良かった、無事なんだ!」
ヴィクトリカ
「お前たちのほうの話も聞いてみたいと思ってな」
ケヴィン(DL)
「(聞いてない)ヴィクトリカ、あいつらに捕まって何かされたかと思ったよー!(泣)」
ヴィクトリカ
「わかったから、とりあえず落ち着け」
DL
今の格好は?
ヴィクトリカ
そうだなー、じゃあ下着姿で。
DL
ケヴィンは、見ちゃいけないと思いつつもつい見ちゃって、んで目が離せなくなってじーっと見て「……本当に、マシン……?」って言ってる(笑)
ヴィクトリカ
「残念ながらその通りだ。さて、改めてデウスの町へ案内してくれるかな(着替えながら)」
ケヴィン(DL)
「でもヴィクトリカ、本当に僕たちの仲間なのかな」
ヴィクトリカ
「ここでひとつはっきりさせておこう。オレは今この時点で、君たちの仲間でも、マキナの連中の仲間でもない」
DL
ケヴィンは疑い深そうな目で見ている。
ヴィクトリカ
「君が案内しなくとも、わたしはデウスの町へ行けるがな(出て行こうとする)」
ケヴィン(DL)
「(少し迷って追いかけてくる)……ちょっと待てよ、外は危ないんだ……ああ、そうか。君は強いんだっけ」

二人はデウスの町へ向かった。正面から入ろうとしたヴィクトリカを止め、ケヴィンが町の裏側から自分の家へと案内する。

ケヴィンの家だという廃屋の前に立ったとき、ヴィクトリカは妙な気配を感じた。禍々しい気が溜まっているようだ。
ヴィクトリカ
「いけ好かない場所だな」
ケヴィン(DL)
「……ここ、僕の家なんだけど」
(一同笑)
ヴィクトリカ
「なんとも言えずいい雰囲気だな」(笑)
ケヴィン(DL)
「そうだろ? 僕のお気に入りの場所なんだ!」
ヴィクトリカ
「ここは一体? ……君の家だったね」(笑)
ケヴィン(DL)
「そうだよ」(笑)
ヴィクトリカ
「いかんいかん、どうもRAMユニットにエラーがあるようだ」(笑)
廃屋に視線を戻したときにはもうあの禍々しい気は消えていた。

ケヴィンに導かれ入ってゆこうとするヴィクトリカの耳に、再び少女の声が響いた。
少女の声(DL)
「神の使徒がこんな所に何の用かしらね……(くすくす笑う)」
ヴィクトリカ
ばっと後ろを振り返る。
DL
誰もいなーい。
ヴィクトリカ
あちこち警戒する。
ケヴィン(DL)
「何やってるの? ここは誰も知らない道だから、誰も見てないと思うんだけど」
ヴィクトリカ
「そうか」
ケヴィン(DL)
「とりあえず来てよ。汚いところだけど」

家の中はとくに怪しいところもなく、簡素な生活環境が整えられてた。ケヴィンはここに一人で住んでいるのだという。
この町も寂れている。頻発する戦いで人が死んでゆくのだ。
水源のことを訊くと、マキナ側で聞けた話とまるで同じような話が聞けた。つまり、二つの町は互いに相手の町に水があると思い、争い続けているのだ。
ヴィクトリカ
「つまり君たちは自らの目で確かめることもせず、偽りの情報に踊らされ続けているというわけだ。なんともおめでたい話だ。それで何人の人間が死んだ?」
ケヴィンは町の墓へと案内してくれた。見渡す限りの墓標がふたつの町の長きに渡る愚行を物語っていた。
ケヴィン(DL)
「ちゃんとお墓がある人だけでもこれだけいるんだ」
ヴィクトリカ
「実に愚かしいことだ」
ケヴィン(DL)
「ヴィクトリカは二百年前の世界に生きていたんだよね? 二百年前もこんな酷かったの?」
ヴィクトリカ
「……そうだな。今と同じ荒れ果てた大地が広がっていた」
ケヴィン(DL)
「そうか、やっぱり……」
ヴィクトリカ
「しかし、決定的に違うところがひとつあった。当時、皆は荒野を拓き先へ進むために力を合わせていたものだ。君たちのように愚かしく互いにいがみ合ったりはしていなかった」
ケヴィン(DL)
「その話が本当だとしたら、僕たちはどうしたらいいんだろう」
ヴィクトリカ
「そうだな、まずはお互い話し合う場が必要だな」
ケヴィン(DL)
「話し合う場か……でも僕たちみたいな子どもが何を言ったって大人は聞いてくれないよ」
ヴィクトリカ
「マキナはどうにかなると思う。カリスマがいるからな。偽りだが。こっちの町をどうするかだな……」
ケヴィン(DL)
「それに、止めるなら早くしないと」
ヴィクトリカ
「総攻撃の準備が始まっているのかー」
DL
そうだー!
ヴィクトリカ
「ええい、何故それを先に言わーん!」(笑)
ケヴィン(DL)
「だって訊かなかったからーっ!」
ヴィクトリカ
「この町のトップが集まっているところに案内せい」
ケヴィンは道すがら、総攻撃について説明してくれた。この町でも特に有力な悪魔使いが儀式を繰り返し、「大悪魔アスモデウス」を召喚しようとしているのだと。

町を歩くヴィクトリカたちはデウスの者に見咎められる。
デウスの男(DL)
「おい、どこへ行く」
ヴィクトリカ
「この馬鹿げたことをやめさせに行く」
デウスの男(DL)
「お前はさっきの……マキナの連中の手先だな!」
ヴィクトリカ
「いや、そのつもりはないが」
ケヴィン(DL)
「違うよ! 僕たちはこの戦いを止めに来たんだ!」
しかし、デウスの者は彼女を敵とみとめ、険悪な雰囲気になってきている。とうとう一人が悪魔を召喚した。
ヴィクトリカ
そのへんのマンホールの蓋外して悪魔が出てくる魔方陣に乗せてオレの力で押さえつける(笑)
DL
ガタガタするマンホールの下から「オレサマ オマエ マルカジリ」って声が聞こえるよ(笑)
ヴィクトリカ
いや、悪魔が手を出したところで蓋で力いっぱいはさんで、穴の底から「AAAAAAAGH!」って悲鳴が聞こえる(笑)
「まあ落ち着け」
デウスの男(DL)
「こいつ、悪魔様を!」
 
ヴィクトリカ
「この町の連中は話し合いをすることもできないのかね?」
デウスの男(DL)
「何を話し合えというのだ!」
ヴィクトリカ
「この戦いを止めるために」
デウスの男(DL)
「奴らは水を独り占めしているんだぞ!」
ヴィクトリカ
「残念ながらそれはない。向こうの町にも水源などないのだ」
デウスの男(DL)
「貴様の言葉など信用できるか! 我らの悪魔様を倒した貴様など!」
ヴィクトリカ
「解っていないな。このような連中はただ使われるだけの道具に過ぎない」マンホールの蓋開けて殴って悪魔を消滅させる。
DL
「ギャアアアアア」って消えた。
ヴィクトリカ
「単なる道具に信仰を寄せるのも、これを道具にして殺し合いをするのも、また愚かしい話だ」

SCENE 10 神は試練を与え賜う

マキナの教会でくつろいでいたヨハンの耳に、町のほうで何か騒ぎが起こっているのが聞こえてきた。

様子を見に行ったヨハンが目にしたのは、何やら喜び騒ぐ人々。どうやら何かが完成したようだ。
ヨハン
「シスター・イリア、彼らは一体何を?」
DL
イリアさんも連れて来ちゃったのね。
ヨハン
町の案内人として。ヴィクトリカにはケヴィンがついているから。
ヴィクトリカ
同じように動く必要はないんだよ(笑)
DL
じゃあオプションとしてついてきたイリアさんがナビしてくれるよ。下にメッセージウィンドウ出して、「ここは宿屋です。入りますか? はい・いいえ」
(一同笑)
イリア(DL)
「私も良く知らないのですけれど、悪魔達の住む背徳の町を滅ぼすために、前々から大規模な実験が行われていたと聞きます」
ヨハン
イリアに聞こえる程度に呟く。「悪魔どもを滅ぼすためとはいえ、このような物の力を借りるのは神の御心に適うものなのだろうか」
イリア(DL)
「(呟く)神の声はもう届いていないのかも知れません。このような世界をお見捨てになったのも神なのですから」
ヨハン
「神は試練を与え賜う」
二人はしばし沈黙した。
ヨハン
「できればあの町の悪魔に心を奪われた人々も助けてやりたいが、それにはどうすれば」
思い悩むヨハン。やがて一際巨大な建造物から、轟音とともに巨大な砲台が伸び始める。
ヴィクトリカ
あれはヴェルヌじゃないのか?
DL
近い形はしてるね。何を撃ち出すのかは解らないけど。
ヴィクトリカ
オレのガントレットが入ってるかもしれん。かっこいいかもしれんな、それ。

ヨハンは砲台根元の工場に入り、事情を聞くことにした。
マキナの男(DL)
「ああ、ヨハン様、お会いできて光栄です。サインください! これですか? これは我々の技術を総結集して作り上げたものです。どうですこの輝きは!」
ヨハン
「見たところ大砲のようだが」
マキナの男(DL)
「ええ、よくぞきいて下さいました。これは着弾地点に時空の歪みを発生させる装置なんです。これで奴らを一網打尽にしてやりますよ! 見ていて下さい、きっと神のご加護がありますよ! でっかいご加護が」
ヨハン
「できるのならば神のご加護はこのようなものを使う前に発揮させて欲しいが」
砲台を見つめるヨハンに、リーダーらしい壮年の男が話しかけてくる。
マキナのリーダー(DL)
「ヨハン様、我らに檄を下さい!」みんなに何か一言言ってくれって言ってる。
ヴィクトリカ
敢えて言おう、カスであると。
(一同笑)
ヨハン
「(しばらく悩んで)ではまずシスター・イリアから一言」
イリア(DL)
「(声を震わせながら)か、か、神のご加護がありますようにっ!」
ヴィクトリカ
場内が一気に沸いてる。
DL
うん。「イリアちゃーん!」(笑)
ヴィクトリカ
もうヨハン出てくるスペースないわ(笑)
ヨハン
そっと舞台の片隅でパン食ってる(笑)
DL
本当に何も言わない?
ヨハン
「このような物を完成させた君らの努力は買おう。だがたとえ悪魔に心を奪われた者たちでも、救われる機会は有るべきだ。
ここはわたしに任せよ。かの町の者共を正しき信仰の道に戻して見せようぞ」
ヨハンの言葉に人々は戸惑いざわめき始める。
イリア(DL)
「ヨハン様、何を言っておられるのですか?」
ヨハン
「この箱庭のような世界がもしかしたら悪魔の企みかもしれないと思ってな」
イリア(DL)
「そうかもしれません。でも私達にはこの世界が全てなのです……西にあるという楽園が本当にあれば良いのですが」
ヨハン
「ならばその西へ行ってみるしかないではないか」
DL
その言葉はイリアだけに向けて言っている?
ヨハン
みんなに言っちゃおう。「そうだ、西に行こう!」
DL
そうだ、京都、行こう。みたいなノリで(笑)
ヴィクトリカ
(サウンドオブミュージック「私のお気に入り」を口遊んでいる)
(一同笑)
関東で流れているCMにそんなのがあった。
ヨハン
「もしもデウスシティに豊かな水源があるのなら、食物なども豊富なはず。それがないということは、水があるかどうかも疑わしい。西へと未来への希望を求めるべきではないのか」
マキナのリーダー(DL)
「しかし噂によると、デウスシティにも不穏な動きがあるといいます。もはや我々にそのような余裕はないのです」
ヨハン
「デウスシティがなにかしてくるというのならこの私が止めて見せよう。私はそのために遣わされたのだから!」
どよめく人々。そして、マキナのリーダーが決断する。
マキナのリーダー(DL)
「ヨハン様がそこまでおっしゃるのでしたら、我らは今日の日没まで待ちましょう」
ヨハンは一人、デウスシティへと歩きだす。

SCENE 11 前門の砲後門の悪魔

殺気立ったデウスの人々と悪魔に囲まれたヴィクトリカ。
その時、斥候の翼持つ悪魔がマキナの砲台を発見した。
デウスの男(DL)
「奴らはやはり我々を滅ぼすつもりなのだ!」
ヴィクトリカ
「落ち着けぇぇぃッ!」
DL
ヨハンはともかく、ヴィクトリカはマシンで、しかも女の子の姿だしなあ。
ヴィクトリカ
手近な悪魔の首根っこつかんで肉に指食い込ませながら、「落ち着けと言っているッ!」
DL
とりあえず威圧された。
ヴィクトリカ
「マキナシティは馬鹿が抑えているはずだ。落ち着くのだ、今ここで争いを起こしてもしょうがない。
……そうだ、西へ行こう」
(一同爆笑)
ヴィクトリカ
ちょっと今デウスの町とマキナの町で距離を越えてシンクロニシティが。
DL
(サウンドオブミュージック「私のお気に入り」を口遊んでいる)
ヴィクトリカ
ヨハンは人間だから無理だけど、オレはマシンだから喋りながらバックに音楽が流れている。といったことも可能(笑)
ヨハン
大陸横断鉄道にJR東海ってかいてある。
(一同爆笑)
デウスの男(DL)
「西? そんなものは伝説だ!」
ヴィクトリカ
「何故そう思う」
デウスの男(DL)
「この五十年だれもそんな物を見た者はいない!」
ヴィクトリカ
「見た者がいないのではない、貴様たちが見に行こうとしなかっただけだ!」
動揺する人々。見た者がない西の世界。そして、見ていない物はもう一つある。マキナシティにあるという水源だ。
ヴィクトリカ
「そうだ、目を覚ませ。今こそ我々は手に手を取り合ってあの山を越えなければならんのだ! そうだ西に行こう!」
デウスの男(DL)
「しかしその前に奴らを何とかしなければ。五十年ほど前に同じことを言って西へ向かった者たちがマシンどもによって殺されたのだ!」
ヴィクトリカ
「案ずるな! 今向こうの町は馬鹿が一人説教を繰り広げているはずだ! 必ずや奴らも止まる!」
と、ケヴィンの家の方から禍々しい気配が膨れ上がり始めた。
にわかに空がかき曇り雷鳴轟き、巨大な悪魔が実体化し始めていた。
どうやら地下にこもって大悪魔召喚をしていた悪魔使いたちがとうとう術を完成させたらしい。
彼女らの目の前に、見上げるような大きさの、大悪魔アスモデウスが発現したのである。
ヴィクトリカ
「止めてこい!」
デウスの男(DL)
「しかし、もう動いてしまった!」
ヴィクトリカ
「自らの手で過ちを犯すつもりか!」
何人かが慌てて走って行った。ヴィクトリカもそれを追う。
だがやがて悪魔は翼を広げ、マキナシティの方へと飛び去って行った。
ヴィクトリカ
飛んじゃったよヨハン。こうなったらもうオレは止められないよ。何とかして。
ヨハン
俺も止まらないよ。
ヴィクトリカ
とりあえず、空飛べる悪魔呼べる奴いたよね。そいつに連れて行ってもらおう。
DL
じゃあ見張り台の青年が。
ヴィクトリカ
運転手さん、あれ追って下さい。
DL
五百円です(笑)
ヨハン
ワンコインタクシーだ。
DL
ちなみにワンコインは魂一個ね。
ヴィクトリカ
あ、まじで? はい。(パワーチップを出す)
DL
そういう手があったかッ!
パワーチップはキャストの魂や希望の力です。
デウスの見張り(DL)
「すみません、あなた重すぎます。重量オーバーです」悪魔がぜーはーぜーはーいってる。
ヴィクトリカ
追いつける?
DL
追いつけるって言うかね、博物館の上で待機してる。
ヴィクトリカ
「おい運転手、あそこには何かあるのか?」
デウスの見張り(DL)
「さあ、あそこには古い物があるくらいしか。閉館されていますし。そういえばあなたはあそこで発掘されたんでしたね」

その頃、悪魔アスモデウスを見たマキナシティではパニックが起こっていた。
DL
尺を合わせてるよ。がりがりがりがり……(笑)
ヨハン
「ええい、あのような貧相な輩にこの私が負けるわけがなかろう! そこで見ていろ、ここに神の威光を輝かせて見せようぞ!(走って行く)」

DL
二人とも、《観察》判定をよろしく。
ヴィクトリカ
16。
ヨハン
失敗。
DL
ヨハンは背中向けてて見えなかったけど、ヴィクトリカには、マキナシティの馬鹿でかい砲台に何かが集まって行くのが見える。
その光景に何故か見覚えがある。砲台の周囲が妙な歪み方をして、渦を巻いている。すげー見覚えがある。(絵を描いている)
ヴィクトリカ
ああ、なるほどね。「はっ。これはまさか大陸横断鉄道で見た、あの漏斗のような雲か!」
DL
まさしくそれだ。って、しまった、事情分かる人がいない!
デウスの見張り(DL)
「あ、あれは何だ! 奴らの新兵器か!」
ヴィクトリカ
「どうやらそのようだな」
デウスの見張り(DL)
「くそ、やっぱりやるしかないんですよ!」
ヴィクトリカ
「落ち着けと言うに。見ろ、今あの馬鹿がこちらに向かっている!」と言った後に、ん、こっちに向かっていいのか? と思う(笑)
ヨハン
「気づいてないから(笑)」
DL
二人して悪魔の方に向かってる? しまった砲台を止めるやつがいない!
ヴィクトリカ
「時空を歪めるのは分かったけど」
DL
アスモデウスがいるあたり、野良悪魔や暴走マシンがワンダリングモンスターのごとくうろうろしてるね。
ヴィクトリカ
おいおい、あれを一番止めなきゃいけないんじゃないかよ。あんなもんが撃たれたからオレたちこんな所に来たっぽいぞ。
DL
ご名答!
ヨハン
俺はそんなのには気づかずに、博物館の上にいる悪魔だけを見て突撃してる。
ヴィクトリカ
じゃあ石を投げる。
ヨハン
「なんだヴィクトリカ」
ヴィクトリカ
ボディランゲージで戻れって言う。止めてこーい。
ヨハン
後ろをふっと振り向く。「ああ、あれはもしかしてあの時の! あれが撃たれたことで時空が歪んで私はこっちへ?」
ヴィクトリカ
うなずいている。
ヨハン
「止めなければ、あの暴走を!」180度Uターン。
ヴィクトリカ
格好悪いなあ、ヨハン。
ヨハンが貧乏くじを引いたのは、きちんとシナリオを詰めてこなかったDLに責任がある。申し訳なし。
DL
向こうの方からバイクに乗ったイリアさんが。
イリア(DL)
「ど、どうしたのですか、ヨハン様」
ヨハン
「あの砲を止めるのだ! 解らんか、あの砲はおまえたちの考えているような効力を発揮しないぞ!」
イリア(DL)
「な、なんですって? 何を言っておられるのかよく……」
ヨハン
「あれは二百年前に災厄をもたらしたのと同じものだ!」
イリア(DL)
「よく解りませんが、とにかくあれを止めなければならないのですね?」
ヨハン
「そうだ」
イリア(DL)
「わかりました、とにかくお乗り下さい」
ヴィクトリカ
あの砲が放たれたからこそこの世界はこのような様相になってしまったのだ。
DL
ついでに言うと、あの砲が撃たれて、アスモデウスはじめ悪魔やマシンが現代に来てしまったわけだ。ちなみにアスモデウスの得意技は毒ガスでーす。
ヨハン
あの砲台を止める。
ヴィクトリカ
砲台の機械を壊して。
ヨハン
機械を操っている人たち……
ヴィクトリカ
を斬り殺す。
(一同笑)
DL
まあ、それでも歴史は変わるかもしれないけどな(笑)
ヨハン
待て、待てぃ、お前ら!
ヴィクトリカ
ちょwwおまwwwwその砲台テラヤバスwwwwwwww
DL
そんな最後にwつけて喋られても(笑)
ヴィクトリカ
神キタコレwwwって言いながら(笑)
ヨハン
じゃあ、萌えーーーって突っ込む。
(一同爆笑)
ヴィクトリカ
何に萌えちゃってるんだ(笑)
ヨハン
大砲萌えーーーーって。
ヴィクトリカ
で、砲身の中に入って行くんだ。
ヨハン
それは、この世界と同時に俺もどうにかなっちゃうから(笑)

イリアのバイクは真っすぐに砲台の制御室へ突っ込んでいった。
イリア(DL)
「しっかり掴まっててくださいね!」
ヴィクトリカ
すげえ。
ヨハン
元スケバンじゃ。
マキナのエンジニア(DL)
「ヨハン様、何を!」
ヨハン
「お前達は騙されている、この砲台の設計図を作った者たちに!」
マキナのエンジニア(DL)
「これは皆で作った物ですが」
ヨハン
「ということは、俺たちをこんな世界に呼んだのはお前達か」
DL
ふと思い出した。二百年前、クシィが重要プロジェクトから外されたとかぶちぶち文句を言っていたのを。
ヴィクトリカ
転送装置云々言ってたな。
DL
まあ原因としてはあの辺だろうな。
ヴィクトリカ
とりあえず帰ったらあの男を何とかせねばならんな(笑)
DL
いや、あの男外されてるから。
ヨハン
あの男にその場所を聞いて阻止しに行かないと。
DL
そのプロジェクトが二百年で変なふうに歪んで、この砲台を作る土台になったのかもしれない。
タイムパラドクスばりばりだけど、外伝だから気にしちゃだめ。
ヨハン
「私も詳しいことはわからん」ロステクの知識を披露して、タイムパラドクスについて1から説明する。
DL
そんな暇あるか(笑)隣でエネルギーチャージ60%完了! とか言ってる。
ヨハン
じゃあエネルギーを抜く。
ヴィクトリカ
コルク栓をポンて(笑)
マキナのエンジニア(DL)
「しかし奴らはもう悪魔を出して来ているのです! 我々も戦わねばやられてしまう!」
ヨハン
「この砲では我々にも被害が及ぶと言っているのだ!」
しかしこの砲がそんな災厄をもたらすと証明できない俺がいる。
……とりあえず一回撃ってみれば解るから。
(一同爆笑)
ヨハン
このシナリオも終了する(笑)
DL
説得しきるなり破壊して止めるなり好きにしてください。
ヨハン
じゃあ破壊して止める。
ヴィクトリカ
動力炉を壊しなさいよ。
DL
下手に壊すと君ら帰れなくなるかも知れない(笑)
ヨハン
「あのような穢れは私が必ず払って見せる。だからそれまで待っていろ。私を信じて!」《話術》で20。
マキナのエンジニア(DL)
「解りました。我々は貴方を信じましょう」

ヴィクトリカ
ヨハンヨハン、俺のパンチを撃ち出して。
DL
うーん、ここはロステクの工場だから、拾われて来たがらくたの中にヴィクトリカのパンチが紛れている。
ヨハン
「今あの悪魔と戦う神の僕がいる。皆の者、かの者に力を分けてくれ」って撃ち出させる。チーム結成。悪魔アスモデウスを倒す。
ヨハン
多分俺が行かなくても大丈夫だよ。
DL
いいの? 一応ラスボスだよ。
ヨハン
そうか、じゃあ行く。
DL
歩いて行ったら本当に着く前に戦闘終わっちゃうよ。大丈夫、イリアさんスピード狂だから(笑)

DL
(アスモデウスのデータを準備している)しまった、ヴィクトリカには毒効かない!
ヴィクトリカ
効かないよ。浴びてから「涼しいな」って言ってやろ。
DL
隣の運転手が気絶して、呼ばれていた悪魔もギャーって墜ちるよ。
ヴィクトリカ
じゃあ空中を走る。ええー、どうやって?(笑)
DL
どうやって? パワーチップ50点くらい使えば。
ヨハン
大丈夫大丈夫、アメリカンアニメ的に。
ヴィクトリカ
このあたりに悪魔とかいっぱい飛んでるんでしょ? 木の葉渡りを使って、そいつらを踏み台にして、一発殴ってはそいつら蹴って戻る。
ヨハン
6匹くらい踏むと1UPする(笑)
DL
じゃあ踏んだ悪魔が墜ちてゆく。だってキックの一発一発が「ごじゅうななー!」「はちじゅうー!」
ヴィクトリカ
いやもっとソフトにやってるから。体重120㎏で。
ヨハン
ソフトじゃねえ(笑)

ヴィクトリカ
悪魔が吐いた毒の霧を割って47ダメージ。
DL
あんまり痛そうじゃないね。
ヴィクトリカ
そいつの顔面を蹴って、その辺飛んでるどうでもいいような罪もない悪魔に飛び乗って……「ちぃっ、浅いッ!」
DL
いや、悪魔である時点で罪なんじゃないのか。ヨハンはヴィクトリカのガントレットを撃ち出した。どうする?
ヨハン
バイクに乗って向かう。
DL
またイリアさんに運転しろと。
イリア(DL)
「解りました!」
ヴィクトリカ
シートに座った瞬間顔付きが変わる。「掴まっていなッ!」
DL
私の前に立つなー! って。
ヴィクトリカ
ミンチにすっぞコラァ!
DL
うわあ、変なキャラになった! まともな聖職者を出そうと思ってたのに!
(一同笑)
ヴィクトリカ
君がスピード狂だって言うから(笑)
ヨハン
じゃあ俺バイクの後ろに立って腕組みしてる。
ヴィクトリカ
バイクが跳ねる(笑)
ヨハン
その反動で一度飛び上がって一回転してまた立つ。
DL
普通に向かってちゃ間に合わないな。研究所のカタパルトでイリアのバイクを撃ち出してもらおう(笑)
ヴィクトリカ
じゃあ空飛んでるんだ、君も。やった。イリアさんどうするんだろ(笑)
ヨハン
俺だけ飛ばせばよかったんじゃないか。と思いつつ。
DL
運動判定! 失敗したら落ちるよ。
ヴィクトリカ
カタパルトが足を放してくれないんだ(笑)
ヨハン
すごい勢いで、びたーん!
DL
目標値は10。低いな、まあいいか。
ヨハン
「いざ鎌倉へ!」〈武士の誇り〉
DL
テラどころか天羅にもないだろ鎌倉(笑)
ヨハン
毒の霧が出ていて、バイク飛んでるんだからそこへ行くしかないよね。
DL
ああ、そうか。イリアさんに、あれは毒だとか言うかい?「それではせめてこれで口を覆ってください」って自分の聖衣のすそを引き裂いてくれる。
ヨハン
「ではこれで」って自分のを裂いてイリアに渡す(笑)
ヴィクトリカ
交換してる(笑)
DL
で、じゃあ無謀な人間二人が……しまったー、毒防ぐマスクでも研究所で渡すんだったー! がんばってください。というわけでバイクは毒霧の中に突っ込んでいきました。

DL
悪魔の攻撃! ヴィクトリカには毒が効かないとふんで、パンチを食らわします。38。
ヴィクトリカ
避けた。
DL
私のエースが~。
ヴィクトリカ
オレのエースが~。
ヨハン
毒くらうとどうなるの?
DL
まともにくらうと、そのカットはハンディキャップ発生。次のカットで気絶。
ヴィクトリカ
きついなあ。攻撃をさっと避けた。オレが今まで乗っていた悪魔がパンチくらう。
DL
緑の液体が飛び散った。はい、次。
ヴィクトリカ
飛来する物体に気づいていいかな。
DL
何かがきらっと光った。
ヴィクトリカ
それは見覚えがあるね。
DL
そうだね。
ヴィクトリカ
「待ってたぜッ! 随分と用意がいいことだ」にやりと笑って飛んでくるガントレットを受け止める。
DL
キャッチ判定! 《運動》とかそのへんの、キャッチに使えそうなものがあれば。《格闘》とかでもいいよ。目標値は16。……簡単すぎるかな。
ヴィクトリカ
成功。飛んできたパンチを蹴り上げて、空中でばらけたのをキャッチする。
DL
それはメジャーアクションだね。じゃあ装備した。ちょっと古ぼけてるけど。
で、次。ヨハンさんの乗ったバイクがそこに突っ込んでくるわけだ。
ヨハン
悪魔に《奇跡》を使います。
「天にましますわれらの父よ、御名の尊まれんことを、御国の来たらんことを、御旨の天に行わるる如く地にも行われんことを。本日のわれらの糧を、本日のわれらに与え給え。われらが人に赦す如く、われらの罪を赦し給え。われらを試みに引き給わざれ、われらを悪より救い給え。
……人はパンだけで生きるのではない、神の口から出る全ての言葉によって生きる。
……もし右の目があなたに罪を犯させるのならば、それを抉り出して投げ捨てなさい。全身が地獄に投げ入れられるよりは、体の一部を失うほうがましだからである。
……イエズスはこう話し終えると、心を騒がせ、断言された。「はっきり言っておく。あなたがたのうちの一人が私を裏切ろうとしている」
DL
それは何の祈り?
ヨハン
アドバンテージをふたつ入れて、悪魔のメジャーアクションにはハンディキャップを与えます。
DL
あー、悪魔立場ねぇー。避けられない、かな。このアクト中ずっと?
ヨハン
持続2カット。
DL
うーん、じゃあ《意志力》判定は負けました。悪魔苦しんでるね。んで、ヨハンの祈りがドップラー現象をともなって過ぎ去っていった(笑)
ヨハン
「これが神の力だ!」
DL
「だー!」って言いながら、そのままバイクは交通博物館に突っ込みます(笑)
ヨハン
ガシャーン!
ヴィクトリカ
君はそれでいいのか(笑)
ヨハン
仕方がないから。
DL
ある意味かっこいいけどね。

DL
悪魔パンチ。今突っ込んで行った……やっぱりいいや。それやってしまうと……
ヴィクトリカ
何、交通博物館に攻撃?(笑)
DL
しようかと思ったけどやめた。
ヨハン
博物館は悪魔が手を下すまでもなく惨劇になってるから(笑)
DL
悪魔はヴィクトリカに攻撃。33。
ヴィクトリカ
ハンディキャップで24だ。
DL
がんばってるのにっ。固定数値と大して変わんないっ。
ヴィクトリカ
《回避》《バタフライ》で25。
DL
紙一重でさくっとかわされた。はあ、私のカードがどんどんヘボくなってゆく。
ヴィクトリカ
「二百年経っても悪魔ってのはしょっぱいな」
アスモデウス(DL)
「我を縛るのも神の言葉、そして今神の下僕どもが我に敵するかッ!」
ヴィクトリカ
「オレは自分の意思でここにいるだけだ。決して神の僕でも何でもない。そこン所間違ってもらっちゃ困るぜ」(ガントレットを受け止めて):「逢いたかったぜ、相棒ッ!」それから殴る。
DL
固定数値だと痛いよなー。38で《回避》。
ヴィクトリカ
PD12下げて58ダメージ。
DL
痛ぇー!
ヴィクトリカ
何しろこの武器にはブレスのスキルがあるからな。武器修正が21ですよ。
DL
一応この世界にしては馬鹿みたいにHPがあるのにゴリゴリ削られていくよぅ。巨大生物なんだし、超巨大武器とかつけとけば良かった。
アスモデウスのHPは300。大物のくせに攻撃がしょぼいのはアスモデウスのデータを作ってこなかったせいなのです。失敗失敗。

DL
次はヨハンさんですがー。
ヨハン
毒を受けている?
DL
毒は受けてないよ。
ヴィクトリカ
マスクをしていたし、一瞬通っただけだから大丈夫だよ。
DL
それに、2カットも3カットも残っているようなものじゃないから。
ヴィクトリカ
あとはこの空まで君がどうやって上ってくるかだ(笑)
ヨハン
俺は《奇跡》を使うから。
ヴィクトリカ
俺が怪我をしたら。
DL
そういう方向で行くのね。じゃあ暇だったらその辺に埋まって気絶してるイリアさんを助けてあげてください。

DL
悪魔パンチ。21。
ヴィクトリカ
21か……たまにはダメージ受けてみるか。20で《回避》。
DL
PDをゼロにしてください。
ヴィクトリカ
がふうッ! 痛かった。どうしよう、ヨハン(笑)
(一同笑)
ヴィクトリカ
たまにはって受けた攻撃が凄い痛いよ。
DL
低いな。19。
ヴィクトリカ
痛ぇー。内臓破裂だ。チームチップ使って嘔吐感まで下げる。口からなにか液体を吐き出して、【希望】の判定には成功。
DL
悪魔が、にやぁって笑っている。はい、ヨハンさん。
ヴィクトリカ
オレの方が【冷静】高いよ。
DL
あ、そうなんだ。じゃあ吐きながら攻撃。
ヴィクトリカ
悪魔の攻撃で回転しながら吹っ飛ばされて、そのへん飛んでる悪魔の背中に着地する。「何ニヤけてんだコラァ!」50で命中。
DL
差分値27で命中。
ヴィクトリカ
PD下げてダメージ72。
DL
グボァ~、痛ェ! 悪魔が膝をついた。
ヴィクトリカ
博物館の上に膝をついた(笑)
DL
殴られた悪魔が血みたいに吐き出したのが毒霧だね。
ヴィクトリカ
(笑)
DL
……ああ、ヨハンは大丈夫。そこまで降りてはこないから(笑)アスモデウスの周囲にいる悪魔が毒にやられてぼろぼろ落ちてく。今度から……つーても次で沈むだろうけど、攻撃の時ハンディキャップね。
ヴィクトリカ
足場がなくなるってことだな。
ヨハン
博物館の中でワイヤーか何か探す。
DL
ワイヤーぐらいならある。
ヴィクトリカ
あ、オレ着地します。
DL
悪魔さんの攻撃。毒霧を吐く(笑)でもヴィクトリカには効かないし、ヨハンはさっきの布で口を覆っているのでダメージだけ。意志力判定で10以下なら普通のダメージ、成功したら、山札からカード引いた数値の半分がダメージ、ということで。やっぱり精神ダメージかな。
ヨハン
12で成功。「このような悪魔が放つ毒で神の使徒たるものが傷つくことはない」
DL
ダメージは[怒り]憎しみがわく。このカットのアクションにハンディキャップ。
ヴィクトリカ
君は逆上してしまったわけだ。「なんだコラァ!」って。
ヨハン
そのまま受ける。「おのれーッ!」
DL
となりでイリアさんが咳き込んでる。

ヴィクトリカ
チームチップ使ってもいいですか。メジャーアクションを増やします。
DL
さっきからチームチップがモリモリ減るね。しかもヨハンのばっかり(笑)
各キャストのチップは色分けされていて、チームチップに供出した数がわかるようになっています。何故かヨハンが大量に出したチップから使ってゆくヴィクトリカ。
ヴィクトリカ
(ヨハンのが減ったことでヴィクトリカのチップと同数になる)ほら、これで世界は丸くなった(笑)
ヴィクトリカ
まず、増えたメジャーアクションで、《韋駄天》を使って悪魔の体を駆け上る。
DL
悪魔は抵抗するよ。《運動》ってのはアクティブすぎるかな……。21。
ヴィクトリカ
23。
DL
じゃあ巨大な腕に振り払われそうになりつつ駆け上った。
ヴィクトリカ
更に、《スピードスター》と組み合わせて攻撃。45。
DL
21。
ヴィクトリカ
24で命中。PD24下げて、64。
DL
……はい。次。
ヴィクトリカ
まだかッ!
DL
一応世界を滅ぼした悪魔なんで……それにしちゃ弱いけどね(笑)はい、ヨハンさん。
ヨハン
とりあえず博物館の屋根の上に登る。
DL
悪魔は今膝をついてるから、屋根からなら届くかもしんないね。ということにしようよ。しかしその前に沈むような気がしてならんのですが。
ヴィクトリカ
膝をついて休もうとしたところをまたアッパーカットで起こされたから。
ヨハン
普通に足を攻撃する。
ヴィクトリカ
別にこの人飛竜じゃないから(笑)じゃあ落とし穴作っといて。
ヨハン
落とし穴か。ネットが要るな。
ヴィクトリカ
買ってくるの忘れた。もしくは本持ってくるの忘れたから調合した瞬間に燃えないごみでしょ(笑)65%は低いよ。

DL
28で悪魔パンチ。
ヴィクトリカ
高いな。
DL
一応デカキャラなので。見上げるような大きさだと思ってください。
ヴィクトリカ
今きっとオレは奴の肩の所にいる。29で《回避》。
DL
(カードを引いたら酷い手札になった)うわ、負けた。やっぱりヴィクトリカレプリカ出せばよかった。
ヴィクトリカ
ハンディキャップ3ついて51で命中。
DL
ちっ(笑)反撃技持たせとくんだった。《回避》23。
ヴィクトリカ
相手の攻撃を、飛竜に追いかけられた時のダッシュ緊急回避で避けて、67で攻撃。
DL
……うわ。沈んじゃった!(笑)ヨハンさん本当に走り回ってるだけで終わっちゃったー!
ヴィクトリカ
肩の上から「蛇震掌!」って頭のこっちからこっちに抜けるダメージを。
ヨハン
屋根の上から町の人に見えるように「うおー!」って。
(一同笑)
DL
あたかも私が倒しましたみたいに。
ヴィクトリカ
叫ぶヨハンの背後でズズズズズって悪魔が崩れていく。
ヨハン
じゃあそれで。
DL
じゃあそれで。近くまで武装を持ってきていた男たちが「うぉぉぉぉ、ヨハン様ー!」
ヨハン
「神の奇跡が今ここに下った!」

SCENE 12 そうだ、西に行こう

ヴィクトリカ
デウスの人達もここに来てるの?
DL
うん。双方、戦うべきなのか、それともどうしたらいいんだろう。みたいな感じで、一応武器は持って来ている。
ヴィクトリカ
オレはデウスの町の人達の前にとうって飛び降りる。とうって。
ケヴィン(DL)
「すごいやヴィクトリカ、本当に倒しちゃったんだね!」
ヴィクトリカ
「うむ。主にオレ一人でな。……ヨハン」
ヨハン
「私の援護あってこそだ」
ヴィクトリカ
そうそうそう。
DL
つーかね、ヴィクトリカがパンチするとPDが無きに等しいからね。
ヴィクトリカ
27とか普通に下げるからね(笑)でもね、ヨハン神父のチェーンソーの方がよっぽど凶悪だよ。減らされたPD回復しないもん。
ヨハン
どんどん削ってくから。

DL
悪魔が沈み、集まった人々は戸惑った目で互いを見ている。
ヴィクトリカ
ヨハン演説して。
ヨハン
はーい。「天にまします我らが父よ」
ヴィクトリカ
ええーっ、祈っちゃうの?(笑)
ヨハン
「今、皆の心を惑わせていた悪魔は死んだ。この悪魔は皆の憎しみの心から生まれてきたものだ。
今こそ西へ向かい、新たなる大地を目指すべき時。人は皆生き残るのだ。
さあ、武器ではなく鍬を取って、憎しみを祈りにかえて、西に希望を見いだすのだ! 
そうだ、西へ行こう」
ヴィクトリカ
(サウンドオブミュージック「私のお気に入り」を口遊んでいる)
ヨハン
《話術》で35。「まだ見ぬ希望の地へ、真なる神の信仰を広めに行くのだ!」
DL
じゃあそこで歓声が上がる。「ヨハン様ー!」
ヴィクトリカ
「諸君、不安に思うことはない。何故ならば、君達の祖先はかつて、巨大な山脈を越え、西を開拓するという夢を、一度ではあるが実現したのだ!」18。
DL
人々は「そうだ、西へ行こう!」「西にはきっと希望の地がある!」
ヴィクトリカ
それにつけてもボクが気になるのは、さっきからボクの脳裏に聞こえている女の子の声だ。
ヨハン
俺には聞こえないからどうでもいい。
ヴィクトリカ
(手札を見て)あー、今戦闘したくねえ。
ヨハン
それは俺もだ。
DL
あ、じゃあその女の子と戦闘する?
ヴィクトリカ
する? 何者なのか分からないけど。
DL
あなたたちは私を楽しませてくれました。とかいって(笑)

ケヴィン(DL)
「ヴィクトリカも一緒に西へ行こうよ」
ヴィクトリカ
「残念だがオレは戻らねばならない。何故ならば、オレ自身がまだ西の端を見ることが叶っていないからだ」
ケヴィン(DL)
「そうなの? これからうまく行きそうなのに。どこへ帰るの?」
ヴィクトリカ
「二百年、その昔にな」
えー、でもオレ帰れるのか? オレが帰るとそれこそタイムパラドクスが発生するんじゃねえのか? オレは二百年間ずっとこの歴史の中にいたのに。
ヨハン
俺は帰る手段が全く分からないから、帰るという発想がない。
DL
あれ、でも機械止めたじゃん。
ヴィクトリカ
もっかいあれ撃てばいいんだよ。
ヨハン
同じことがまた繰り返される。
ヴィクトリカ
いや、悪魔がいない所で撃てばいいんでしょ。オレらだけ帰れれば。
ヨハン
10%で。
ヴィクトリカ
ちょろって。
DL
それこそそんな感じで。
ヴィクトリカ
でも実際オレ帰ってもしょうがないんだよね。
DL
って思ってる? そしたら脳裏に女の子の声が。
ヴィクトリカ
はっ。電波が。 の声(DL):「お疲れ様、よくやってくれたわ」ヴィクトリカ:「誰だ、オレに話しかけるのは」……ってヨハンの横で言ってる。
(一同笑)
ヨハン
ああ、かわいそうに、疲れたのだなと思う。まさかあの毒が今頃……。
ヴィクトリカ
で、実際どうなの?
DL
ほんとうにどこからか話しかけてくるって感じで姿も何も見えないね。
ヴィクトリカ
「お前は誰なんだ」
少女の声(DL)
「私が誰かなんてどうでもいいことよ。あなたたちを元の世界に戻すの、結構大変かもしれないわ。でもあなたたち頑張ってくれたみたいだし、ちょっと私も張っちゃおうかなっ(やたら軽いノリで)」
ヴィクトリカ
誰だっ(笑)誰だろう。
ヨハン
その横で俺は直立不動で歓声を浴びて手を振っている(笑)

SCENE 13 起きなかった未来 新たなる過去

ヨハン
列車の窓から入ってみる。窓から出てここに来たんだから、窓から入れば戻れるんじゃないかと思った。
DL
うん、古い列車だね。ヴィクトリカはどうする?
(一同笑)
ヴィクトリカ
オレは歴史をたどってここに来たんだから戻る訳には行かないんですよ。
少女の声(DL)
「まあ、そんな細かいことはどうでもいいじゃない(笑)」
ヴィクトリカ
あれー?(笑)それもまた感動的な話になるかなーなんて思っちゃったんだけど(笑):「オレはこの時代に残るぞ」って。
DL
あ、そうしたい? いいけどさ、あの大崩壊はないんだから、今ここに二人いること自体がおかしいんだよ。
ヴィクトリカ
はっ。これは因果律の訴求性で元に戻れるんじゃないですかボクたちは(笑)
ヨハン
そのうち気づいたら列車にいるんだよ。
ヴィクトリカ
ねっ。じゃあ帰ろうかな。
ヨハン
戻っちゃおっかな。
DL
二人で戻っちゃおっかな。って博物館の前でぶつぶつ言ってるわけだね(笑)
ヴィクトリカ
いいのかこんなんで(笑)
ヨハン
そうだ、過去へ行こう(笑)
DL
とっととマキナシティ行けお前ら(笑)
ヴィクトリカ
 「そうだあの砲台を使うんだ」
ヨハン
砲台は分かったが理屈が全く分からないからどう使えばいいのか。
ヴィクトリカ
じゃあオレが1から10まで説明する。
ヨハン
よし、120%撃とう(笑)
DL
この町がそのまま丸ごと現代に。
ヴィクトリカ
かっこいいなあ。それむしろ救いにならないか?
DL
なるかもね。
ヨハン
西に行くよりは。
ヴィクトリカ
じゃあそれで。いやいやいやいや(笑)

マキナのエンジニア(DL)
「あれを使ったからといって時間がつながるという保証はありませんよ。第一本当に繋がるんですか?」
ヴィクトリカ
「現に過去に一回繋がった」
マキナのエンジニア(DL)
「一回繋がった? まだこれを撃ったことはないんですよ」
ヴィクトリカ
「……細かいことは気にするなーッ!」
マキナのエンジニア(DL)
「そ、そうなのですかッ!」
ヴィクトリカ
「大丈夫だ。わたしの予測が正しければ、時間軸の訴求性が働いてうんぬんかんぬん」
マキナのエンジニア(DL)
「しかしならば何故そんな時代に通じてしまったのでしょうか」
ヴィクトリカ
「それはさっきからわたしの頭にデムパを送ってきている女に関係あるのではないかな」
ヨハン
「私には詳しいことは分からない。ただ神を信じるのみだ」
マキナのエンジニア(DL)
「分かりました、あなた方がそこまで言うのなら。しかし万が一何かあっては困りますので、人のいない、博物館の方で撃ちますから」
DL
ということで、出力弱めでぶっ放そうかって話になった。
ヴィクトリカ
砲身の中へいそいそと入って行く。……そういうもんじゃないのか?
ヨハン
イリアに後を託そう。「すまない、私はもう……」
DL
じゃあイリアさんが「そ、そこまで思い詰めていたなんてー!」

ヨハン
「私はもう一緒に行くことができない。だが君ならきっと彼らを救いの地へと導くことができるはずだ」
イリア(DL)
「ええ、きっと。あなたのおかげでこの地にも信仰が戻りました。皆、神を信じて生きて行けることでしょう」
ヨハン
「いいことだ。とてもいいことだ」
DL
普通に布教した! じゃあ、そのまま砲身に入っちゃっていいかな?
ヴィクトリカ
いいよ。正しい使い方なのか分からないけど。
DL
いや、正しくない正しくない(笑)そんな事したら周りの技術者に止められるから。「そんなことをしたら本当に死んでしまいますッ!」
ヴィクトリカ
ボクらはプリンセス・テンコーだね。
ヨハン
「では一体どうすれば」
マキナのエンジニア(DL)
「とりあえず、最初撃つ予定だった所からちょっとずらして、博物館上空で撃ちますんで、博物館で待機していてください」
ヴィクトリカ
ああ、なるほどなるほど。
マキナのエンジニア(DL)
「うまく行けば帰れるのかも知れません。本当にそんな事が起きるとは信じ難いのですが。まあ失敗しても被害が出ないような規模で撃ちますので」
ヴィクトリカ
出るとすればオレたちだけだ。
ヨハン
彼の肩をぽんと叩いて「気にする必要はない、我々には神の加護がある。君は君のやるべきことを果たしたまえ」
マキナのエンジニア(DL)
「わかりました」

ヴィクトリカ
「じゃあな、ケヴィン」
ケヴィン(DL)
「ヴィクトリカ、向こうに行っても友達でいてくれる?」
ヴィクトリカ
「もちろんだ」
ケヴィン(DL)
「僕のこと、忘れないでよ」
ヴィクトリカ
「うん。さらばだ、遠い未来の友人よ」
ケヴィン(DL)
「うーん、君の言うこと時々よく分からないけど」
ヴィクトリカ
「二百年前から来たって言ってんだろうがッ!」
ヴィクトリカ
博物館の中へ行こう。当然大陸横断鉄道の客車の中へ。
DL
おっ、分かってるね。窓からは、ケヴィンとイリアが心配そうにこちらを見ているのが見える。
しばし後、遠くで何かが発動する深い響きが聞こえた。
ヴィクトリカ
「ヨハン、これで入植が始まる前のテラに飛ばされたらどうする?」
DL
不吉なことを(笑)
ヨハン
「そうなったら東から来た者たちに新たな布教を。東へ向かうか」
ヴィクトリカ
「……そうだな」
壊れた博物館の天井から、あの紫色の雲が見えた。次第に列車は光を帯び、物体としての重さをなくしてゆく。車窓から見える人々の顔や景色もぼやけて消え、見えなくなってゆく。
ヴィクトリカ
「さらばだ、遠い未来の友人たちよ」
ヨハン
「運命に立ち向かう者たちに神のご加護を」
ケヴィン(DL)
「ありがとう!」
イリア(DL)
「私達はこの地で強く生きて行きます! あなた方もご無事で!」
ヴィクトリカ
まあ、ボク達の歴史はパラレルワールドになっちゃうけどね。
DL
まあね。

そして、窓から見えるものすべてが白い光に溶けて消えた。何も見えないが、ただ二人の乗客にはこの列車が走っているように感じられた。

やがて前方の、機関車両の方に通じるドアが開いて、一人の長い金髪をなびかせた少女が入って来た。ヨハンを毒から救い、この世界に導いたあの少女である。

彼女は事情をぽつぽつと説明してくれた。
彼女は貴族の一人ではあるが、この災厄を引き起こしたわけではない。ただ、人間が滅亡してしまっては彼女の暇を慰めるものが無くなるため、面白そうな人間(とオートマータ)を呼んで見物していたのだと。
ヴィクトリカ
「すべて貴様の思い通り、というわけだな」
貴族の少女(DL)
「思い通り、って、結果的にあなた達の世界は助かったんだから、いいんじゃないの? だって私は人間がどうなったって関係ないのよ」
ヴィクトリカ
「あとは貴様を倒すだけだな(笑)」
ヨハン
「今回は貴様のちょっとしたお遊びに付き合ったが、助けられた人もいたことだし、今回ばかりは許してやるとするか」
DL
ヨハンも助けられてるんだけどな、一応(笑)
ヴィクトリカ
うん。
ヨハン
俺はそんなこと気にしないから。俺が助かるのは神の意志だから。
DL
なるほどね。貴族に助けられたのも全て神の導きであると。
ヨハン
「お前は知らないだろうが、お前の行動は全て神の意志だったのだ」
貴族の少女(DL)
「まあ、それでもいいわ。よくやってくれたし、このまま帰っていいわよ」
ヴィクトリカ
「貴様ごときに言われずとも我々は帰るさ」
貴族の少女(DL)
「あとはこの子に任せていれば、元の場所まで連れて行ってくれるから」
少女は軽く列車の壁を叩くと、姿を消した。
ヨハン
「なにを馬鹿な。帰ることも全て神の意志なのだよ」
ヴィクトリカ
負けず嫌いだね(笑)
二人は永劫とも思える時間、時の線路を辿り続け、いつしか深い眠りに落ちて行った。

時の果て、無人の交通博物館に一人の少女が現れた。
彼女は西風の花を携え、同じ名を持つ列車にささやきかける。
「これで、行きたかったところへ行けるね」
完全に機能が停止している筈のジェネレーターが、軽い唸りを発して永遠の沈黙へ墜ちた。
少女は「最後の大陸横断鉄道」と刻まれたプレートに指を滑らせ、睫毛を伏せた。
「Zephyranthes……もし希望が断たれていなかったら、あなた達はどこまで行けた?」

ENDING

キャスト ヨハン
DL
ふっと目が覚めると、懺悔室で寝ていたらしい。
ヴィクトリカ
さっきの吐き気はまだする? 何かを忘れているような気がするな。
DL
吐き気がしたような気はしたんだけど「あれ、気のせいだったかな?」
ヨハン
「おや、いけないいけない、まだお勤めの最中だというのに」
ヴィクトリカ
懺悔するほうに入ってるんでしょ(笑)
ヨハン
「入りなさい、神の僕よ」って言うと俺が入ってくる(笑)
DL
(笑)じゃあ、そう言うとクシィさんが酒持って入ってきて、「まだ言い足りないんですぅ~」
ヴィクトリカ
がんがん飲んで(笑)
ヨハン
そこで酒盛りを始める。
DL
酒盛りしているダメオトナ……じゃなくてダメ聖職者が。

キャスト ヴィクトリカ
DL
はっとわれに帰ると、目の前でクリフが咳込んでいる。
クリフ(DL)
「あっれー、風邪ひいたかな……そういや、向こうでなんか声聞こえなかったか?」
ヴィクトリカ
「声? どんな声だね?」
クリフ(DL)
「……あれ、俺の気のせいかな」
ヴィクトリカ
「クリフ君、君はこの真昼間から白昼夢を見ているようだね」
クリフ(DL)
「いやあ、最近飲みすぎててさー」
ヴィクトリカ
「程々にすることだ。それでは二百年後の未来に……」
DL
覚えてんの?
ヴィクトリカ
ああ、忘れてんのか。
DL
忘れててもいいし、うっすらと覚えていてもいいけど、はっきりと覚えているのはやめて欲しい。
ヴィクトリカ
なるほどなるほど。空を見て「ううむ、晴れているな」
クリフ(DL)
「さっきから晴れてたじゃねーか。何言ってんだよ?」
ヴィクトリカ
「何故だろう。こう、紫色の空がだな。ぱーっと……」
クリフ(DL)
「お前、大丈夫かアタマ。お前こそ真昼間から飲んでンじゃねーのか?」
ヴィクトリカ
いやいやしかし、よく考えたらボクの体は二百年経っているんだよな。
DL
いや、経ってない。
ヴィクトリカ
あれ? 新品? それすらも手がかりにはならないのか。「うむ、おかしいな。何か大切なことを忘れているような気がするのだが」……忘れちゃったじゃないかケヴィンのこと! 忘れないって言ったのに。
DL
その時、見たような男の子が歩いてゆく。
ヴィクトリカ
思わず「ケヴィン!」って声をかける。
ケヴィン(?)(DL)
「へっ? なんで僕の名前知ってるの?」
ヴィクトリカ
「……いや、なんでだろう」
ケヴィン(?)(DL)
「ふーん、変な子だなあ(去ってゆく)」
ヴィクトリカ
「何故だろう。何か大切なことを忘れているような気がする」

キャスト ヨハン
DL
男二人酒飲んでぐちぐち言っているところで、懐から布キレがひらっと……ああ、口に巻いてたのか。首に汚い布キレが。
ヨハン
それを取って「この布キレは……なんだろう。何かとても良い事があったような」
ヴィクトリカ
良い事なのか。良い事なんだ(笑)
DL
そしたら、「ヨハン神父も隅に置けないね~」ってすっかり出来上がったクシィが。
ヴィクトリカ
一発で女物だと見抜かれたぞ。その切れ端が。
ヨハン
「そうだなー、うーん、そういや外されたプロジェクトとやらの場所はどこにある?」
クシィ(DL)
「え~、一応~、あのー、なんだ、ほら、企業秘密ってヤツかぁ? でもちょっと特別に教えてやるとだなァ」と言ってべろべろべろべろ喋ってる。
ヨハン
「よし、お前の無念はわかった。そのプロジェクトは絶対完成しないだろう」
(一同笑)
クシィ(DL)
「頼みますよォ~、ヨハン神父~」
ヨハン
「これは全て神の意思なのだ」

DL
では、スタッフロール。
ヨハン
炎を吹き上げつつ崩壊してゆく工場をバックに。
(一同爆笑)
ヴィクトリカ
法王庁の攻撃を受けて(笑)
DL
未来を変える要素がイベントで潰されちゃったよ(笑)
最近ヴィクトリカの周りには、なぜか仲良くなったらしい少年が居つくようになりましたとさ。
ヴィクトリカ
居ついちゃったんだ(笑)

誰一人として、この世界が死んだことを覚えていない。
誰一人として、たった二人の旅人が二百年の時を越えて未来の荒野に希望をもたらしたことを知らない。
ただ、時を越えたふたつの西風の花だけが、二度と交わることのない二つの時代を繋いでいる。


END