TRPGリプレイ Zephyranthes 第五話 『平凡な日常』1

今回予告

目覚める危機、集められる願い。
そして待っているのは……

次回、テラ・ザ・ガンスリンガー第五話『平凡な日常』
ヴィクトリカは心境の変化でこのシナリオのみキャラクターの性格が変更されています。
ヴィクトリカ
〈騎士の誇り〉〈誇り高い〉〈ダークを狩る〉が入った。
クリフ
姉ちゃん(ヴィクトリア)に乗っ取られたか。
ヴィクトリカ
(笑)ああ、なるほどね。

OPENING

キャスト ヨハン
DL
はい、じゃあヨハンだ。ヨハンのフルネーム何だっけ。
ヨハン
ゲンノジョー・ヨハン・ミウラ。
ヴィクトリカ
三浦弦乃丞だったの? 本来。
ヨハン
うん。
DL
まず、車内アナウンスが流れる。
「次の停車駅はミーアシティ、ミーアシティ。停車予定時間は四日となっております。車内清掃のため、ミーアシティでのご宿泊をお願いします」
その後、君の部屋を誰かがノックする。
ヨハン
じゃあ……。
DL
俺が開けるか。マグノリアががらがらってドア開けて、「マスター、電報です」
ヨハン
電報? わかった、受け取る。
DL
とりあえず差出人は法王庁ね。
ヴィクトリカ
もう法王庁がメインキャストだね。
DL
それが一番動かしやすいの(笑)
内容確認しちゃうかい? それとも破り捨てるかい?
(一同笑)
ヨハン
確認するよ、もちろん。
ヴィクトリカ
俺はもう自由だー!(破るしぐさ)
DL
良かった。破り捨てるって言ったらその時点で「キャラクターシートちょうだい」って言ってたよ。
ヴィクトリカ
手紙をちょっと破いたら、ヨハンのキャラクターシートにもビリッて。
DL
内容は、「親愛なるヨハン神父。ミーアシティにてひとりの信徒に協力すべし。詳しくはその者に訊くが良い。では君の健闘に期待する」とだけ。
ヴィクトリカ
でも差出人の名前がない。
ヨハン
じゃあ「信徒の名は?」って電報を打ち返す。
DL
「まあ、その信徒は君のところに来るだろう。とりあえず泊まっているホテルの名は教えておくように」って電話で言われる。
(一同笑)
ヨハン
だったら何故最初電報で来るんだ。
DL
ばーかだなー、電報の方が早いと思ったんだよ。
ヴィクトリカ
でも電話は外には繋がっていないんだよ。内線だけなんだよ。だから君に依頼をした人はこの鉄道に乗っているんだ(笑)それこそ電報打つなら……
DL
お前が来いよ(笑)
ヨハン
依頼人探すのが今度のクエストか?

キャスト クリフ
DL
大陸横断鉄道はマザータウンに着いて、君がサルーンを探し町をはかいしていると……
クリフ
えっ、破壊してんの?(笑)
DL
徘徊。目の前にいる女の子が、突然胸を押さえながらその場にうずくまります。
クリフ
「おい、どうしたんだい、お嬢さん」
DL
苦痛に顔をゆがめています。
ヴィクトリカ
持病のシャクが……。
DL
シャクって胸かぁ?
クリフ
応えは返ってこない?
DL
うん、ちょっと苦しそうだね。
クリフ
えーと、往来で何ですが、軽く触診をば。
DL
おお、いいぞいいぞ。難易度10だぞ。難しすぎるかい?
クリフ
いや、それがねー。手当てできるカードを持っていないんだなこれが。
ヴィクトリカ
じゃあ早速パワーチップを使って(笑)
クリフ
触診だから《観察》かな。
DL
状態はかなり危険だな。他に何か知りたい?
クリフ
そうだな……呼吸の状態とか脈の状態とか。
DL
かなり脂汗かいて、呼吸が浅くなっている。そして胸を押さえている。
クリフ
胸を押さえている……そんな事言われても、クリフは知ってても私(プレイヤー)は知らんわッ!
DL
よくある現象の逆のパターンだな(笑)じゃあ君がおろおろしていると……
ヴィクトリカ
クリフにもわからないの?
DL
ここは外だから、もう少し落ち着いた場所で調べないと解らないかな。
クリフ
んー、とりあえずマズそうってことはわかるわけ? 近所に医者か駅かホテルか、そのへんの寝台ありそうな所はないかなっと探す。何普通の医者みたいな事してんだこの人。
DL
医者だろ(笑)君がそうやっているとですね、一人の女性が「エッセル、どうしたの!」って駆け寄ってきます。
クリフ
「ああ、良かった。こいつの知り合いか、あんた」見りゃわかるか(笑)
女性(DL)
「すみません、エッセルを家に運びたいんです。手を貸してください!」
クリフ
「それはもう勿論。で、どこへ運べばいい?」
ヨハン
報酬はスイス銀行へ。
(一同笑)
DL
なんでちょっとゴルゴちっくなの(笑)「自宅へ運びます!」
ヴィクトリカ
そしてそこの焼却炉まで。
DL
え、死んじゃうの?
ヴィクトリカ
ペスト患者は焼かないと。
DL
ペストじゃないから。しかもどうして死ぬ前に焼こうとするの(笑)
ヴィクトリカ
暗黒時代にはそういうことがあったんだよ。
クリフ
別に顔に斑点出てないし。
ヨハン
斑点が出てからじゃ遅いんだッ!
(一同爆笑)
クリフ
危ねー。
ヴィクトリカ
魔女裁判並だね。
DL
君は少女を連れて、少女の家へと向かいます。

キャスト ヴィクトリカ
DL
そんなこんなで夜になっています。
ヴィクトリカ
もう夜なの?
DL
そうね。で、外で何かしてて、ホテルに帰ろうとする途中、路地裏のほうから悲鳴が聞こえてきます。「ぐわぁー!」
ヴィクトリカ
そっちの方へ走って行く。
DL
良かったー……そうすると、一人男が立っているんだけど、その胸には手が伸びている。その手の中心めがけて光が集まって、種みたいなものになります。
ヴィクトリカ
その手は男の後ろからそれをやっているわけ?
DL
そう、誰かが。
ヨハン
その男はおもむろに「これが本当の、喉から手が出る」
(一同爆笑)
DL
ヨハン、胸から手が出てる。
ヴィクトリカ
じゃあ全部マニューバくっつけて倒す。
ヨハン
余計なこと言うんじゃなかった(笑)
DL
その種を掴んで手を引き抜くと、男の体自体には別に穴が開いていたりするわけじゃないんだけど、男はちょっとシオシオっとする。
ヴィクトリカ
ミイラみたいになった?
DL
ミイラってほどまでじゃないけど。そのまま倒れる。
ヴィクトリカ
「貴様、そこで何をしている」どんなヤツですか相手は。
DL
小柄で、フードのついたローブみたいなのを着ているからちょっと性別や年齢はわからない。君の身長は?
ヴィクトリカ
130センチ。
DL
君より少し高いくらいかな。150か160くらい。そして、高めの、声変わりするかしないかの男の子の声。
「丁度いい、お前からも奪っておくか」《回避》判定してください。目標値は13。
ヴィクトリカ
14。
DL
君のほうに一気に近寄って手を伸ばす。君が防ぐなりしたときに、カツンって音がした。
ヴィクトリカ
弾いた時に? 固いわけだね。
DL
向こうがぴたっと止まって、舌打ちしながら「人間ではないのか」
ヴィクトリカ
「それはこちらの台詞だ。貴様、ダークだな」
?(DL)
「さあ、それはどうかな。思い込むのは勝手だが。こっちは機械人形なんかに用はないんだ。このへんで失礼させてもらうよ」
ヴィクトリカ
「待ちたまえ。今ここで君を逃がすわけにはゆかない」
?(DL)
「何だ、俺を止められるっていうのかい?」
ヴィクトリカ
「試してみるかね?」
?(DL)
「お前と本気でやりあったら時間がいくらあっても足りなさそうだ。悪いが今日はこの辺で失礼させてもらうよ」壁の上にジャンプして、姿を消す。
ヴィクトリカ
そんな芸当は僕にもできそう?
DL
(笑)うーん、ちょっと無理かな。まあ、モノがあればできるけど。
ヴィクトリカ
モノ?
クリフ
追わないでくれとディーラーが言っている。
DL
ロステクのマシンアームとか。
ヴィクトリカ
ああ、なるほど。その時は彼のマシンアームは見えた?
DL
いや、見た目人間っぽいかな。
ヴィクトリカ
とりあえず舌打ちをしてから倒れた男のところへ行きます。
DL
はい、カラミティー・ルージュ。後ろから「人殺しよーッ!」て声が聞こえる。
(一同笑)
ヴィクトリカ
またこんなんだ(笑)
DL
今までシーンとしていたのに、わらわらと人が現れる。「人殺しだって?」
ヴィクトリカ
そうくるんだったら、「その通りだ。そこの人、シェリフを呼んでくれたまえ」
DL
その女の人は若干混乱しています。周りで、「シェリフを呼べ、シェリフ!」ってな話が聞こえてくる。
ヴィクトリカ
《話術》。自分のホーリーシンボルを見せて、
「私は法王庁の聖堂騎士団の者だ。安心してくれたまえ」〈騎士の誇り〉
「即座にシェリフを呼んでくれたまえ。それからここの現場には誰も立ち入らないように」と言って自分も現状確保にあたる。
DL
次やりたい人っ。
ヴィクトリカ
はーい。
DL
いいよ。
ヴィクトリカ
いいんだ(笑)じゃあとりあえずチームチップに三点。
ヨハン
いやまだですよ。
ヴィクトリカ
あ、そか。まだチーム組んでなかった。
(一同笑)
ヴィクトリカ
いけないいけない、俺がワンマンチームになってしまうところだった。

SCENE 1

キャスト ヴィクトリカ
DL
保安官事務所で、シェリフから事情を聞かされてます。
ヴィクトリカ
聞かされている。
DL
聞かされ……ちがう、聞かれているんだ(笑)
ヨハン
いいか、お前はな……。
クリフ
自分のしたことが解っていないのか?(笑)
ヴィクトリカ
俺は容疑者として捕まっているの?
DL
どっちかっていうとそんな感じもするね。
君の見せたホーリーシンボルに対しては「いいか、こんなもんはなァ、どこだって偽造できるんだよ!」
ヴィクトリカ
「なるほど。素人目には解らないかもしれないが、問い合わせてもらえばすぐ解るはずだ」
シェリフ(DL)
「本当だなー? 電話してやろうじゃねえか」
ヴィクトリカ
「我ら聖堂騎士に虚偽の報告はない。ところでさっきの男だが死因は何だ」
シェリフ(DL)
「さあなァ、血みたいなのを抜かれたような感じだな。干からびて死んでいる」
ヴィクトリカ
「ほう」
シェリフ(DL)
「いや、血はあるのか? うむ……」
ヴィクトリカ
「私の友人に一人医者がいる。彼に見せてみようと思うが、どうだ」
シェリフ(DL)
「こっちにも医者がいる。そのくらいはできる!」
一応マザータウンだよ。
ヴィクトリカ
あ~、ヤブヤブ。ブラックジャックって知ってる?
(一同笑)
DL
クリフ、ブラックジャックだったの?
クリフ
凄いねー(笑)
ヴィクトリカ
報酬は一千万$だ。
DL
そんな話をしていると、保安官事務所の人が「チーフ、電話代われって言ってます」シェリフが電話とって、「私じゃない」とヴィクトリカに電話を渡してくれる。
ヴィクトリカ
「もしもし」
電話の声(DL)
「シュバリエ、現在あなたの身元を管理しているのはヨハン神父なので、そちらへ問い合わせてください。こちらではあなたに関しては一切関知しません(電話を切る)」
ヴィクトリカ
要するにオレはヨハンの揮下に入っているってことだね。
DL
第一話の終わりにそう言わなかったっけ?
ヴィクトリカ
いや、別に揮下に入れるとは言ってないけど。じゃあそのへんの手続き全部すっ飛ばしてヨハンに連絡を取る。

ヴィクトリカ
そういえばヨハン、君は信徒に会いに行かなくていいのかい?
ヨハン
順番が来ないから。
(一同笑)
ヴィクトリカ
もう日付が変わろうとしているけど。
DL
そこまでじゃない(笑)
ヨハン
廊下で掃除の人がごしごしやっているところに起きて出る。
(一同笑)
ヴィクトリカ
会いに行ったんじゃねーのかよ(笑)
DL
清掃員が「お客さん、早く出て行ってくださいよ」
ヴィクトリカ
いや、清掃員が立っているヨハンの足に、ガッ、ガッ、ガッ、てブラシぶつけてる。

SCENE 2

キャスト クリフ
DL
君はさっき助けた少女の家にいます。
クリフ
なんだか知らんが夜まで居座ってしまった。《医術》で詳しく見てみるんだけど、またパワーチップ使わないと診られないんだなこれが。
DL
フェイト使えばパワーチップが戻ってくるじゃないか。
クリフ
〈正義感〉だね。「目の前の病人は放っとけねぇな」
病状に見覚えは? どんな感じ? ただ脂汗流している?
DL
うーん、全身締め付けているみたいな、ひきつけみたいなのが。
ヴィクトリカ
痙攣している?
DL
そうそう。
ヴィクトリカ
とりあえず帯を持ってきて噛ませなければ。
クリフ
舌を噛んでしまう。……みたいなことをやって。さっきの女の人に「この人はこういう病気持ちなのかい?」
女性(DL)
「三ヶ月前くらいからです。突然こんな症状を起こすようになりました。この町のお医者様には原因が解らないと言われます」
クリフ
「この症状は大体どれくらいで治まる?」
女性(DL)
「長くて二時間です」
ヴィクトリカ
クリフには本当にこの症状に見覚えがない?
DL
うん。
クリフ
じゃあもう本当に、舌を噛まないようにとか、暴れて自傷しないようにとか、その程度しかできんなぁ。
「医者に解らんとなると、何か怪しいのか絡んでいるかも知れんな。俺には呪いとか邪悪な力とか働いていても解らんからな」
DL
このゲームで邪悪な力を感じられる奴がいるのか?
ヴィクトリカ
オレは聖堂騎士団だけどそんな機能はついてない。
DL
人間ほど敏感でもないしね。
ヨハン
そんなマニューバがあるわけないと感じるよ。
(一同笑)
ヴィクトリカ
なかったっけ? ダークの存在知る奴。
DL
君がそうやって悩んでいると、エッセルの症状は治まってきて、落ち着いていくね。
クリフ
やれることが何もないな(笑)体力の回復を待って話を聞くか。
女性(DL)
「申し訳ありません、名乗り遅れましたが、私リグリットと申します」
クリフ
「そういやこっちも名乗ってなかったな。流れ者のクリフってもんだ。別に覚えなくてもいいぜ」
リグリット(DL)
「先生に助けていただかなかったら、エッセルは危険な状態になっていたかも知れません。ありがとうございます」
クリフ
「しかし、こんなのをしょっちゅう起こされるんじゃたまったもんじゃないな……三ヶ月前からって言ったな。三ヶ月前に何か……そうだな、獣にかじられたとか虫に刺されたとか、そんな事はなかったか?」
リグリット(DL)
「虫はちょっとわかりませんが、獣はないと思います。これといって思い当たることもありませんし」
クリフ
そらもー、町の医者にわからないものがぱっと見て解るわけがないのであった。どーしよっかなあ。
ヴィクトリカ
このままマザータウンに腰を落ち着けてじっくり治療を。
クリフ
それも手だな(笑)
DL
エッセルの目が覚めて、話を聞けそうだ。
クリフ
じゃあ話を聞いてみるか。部屋にノックして入って「気分はどうだい?」
エッセル(DL)
「ありがとうございます。先生のおかげで……」
クリフ
「いや、俺は何もしていない」謙遜じゃなく。
DL
(笑)おいおい、そんな事言うなよ。「だいぶ落ち着きました」
クリフ
「なんか厄介な病気持ちみたいだが……」なんで笑うの(笑)
ヴィクトリカ
病気持ちって言うとなんかマイナス方向だな(笑)
クリフ
だって実際にそうなんだもん。
「あんたもこのままでいいって事はないだろうし、ちょっとお節介焼かせてくんねぇか?」
エッセル(DL)
「は、はあ。でも町のお医者様には見ていただきましたが、誰にも原因が解らないと言われました」
クリフ
「医者に解らない原因なら、医者じゃない奴に見せてみようって話だ。俺の知り合いに変なことを知っている奴が二人くらいいるから、そいつらに相談してみるよ」
DL
すごい偏っている知識だけどね(笑)
クリフ
「というわけで、知っていることを全部話してもらいたいんだが……まず、その発作が出る前に何か変わったことはないか? 目の前が暗くなるとか」
エッセル(DL)
「予兆はないのですが、発作が起こっている間は何かに締め付けられているようになるんです」
クリフ
「それが二時間ほど続く、と。発作の間隔はどれくらいだ?」
エッセル(DL)
「間隔が短くなってきている気がします。前は三日に一回ほどだったのですが、最近は一日一回は必ず起きるのです」
クリフ
「(かなりやばそうな感じだな……)知ってそうな奴に話を聞いてみるから、まあ期待しないで待っててくれよ」ってふらぁっと出てく。
DL
出てゆく前に《観察》判定。難易度10。
クリフ
じゃあこれで成功。
DL
フェイトは使うかい?
クリフ
〈遊び好き〉なんだけど。人の不幸を喜ぶのか(笑)
DL
アメリカンな家に良くある、家族の集合写真とかの中に、ひとつ気になる写真を見つけます。マグノリアに良く似た女性が写っている。
クリフ
そりゃ面白いなあ。頭に角はある?
DL
いや、それはちょっとないかな。
クリフ
「ちょっとこの写真、借りて行っていいかな」
リグリット(DL)
「その写真に何か?」
クリフ
「いや……俺の知り合いにこの写真のことを良く知っていそうな奴がいるんだ」
リグリット(DL)
「彼女を知っているんですか!?(詰め寄ってくる)」
クリフ
「さあ、彼女自身か彼女の知り合いかはまだ俺にもよく分からんが、たぶん知っているんじゃないかと思う」
リグリット(DL)
「あの、ぶしつけですみませんが、会わせていただけませんか?」
クリフ
「そうだなー、今頃掃除でもしてんのかな」
ヴィクトリカ
ヨハンの足をガッ、ガッ、てやってるんだ(笑)
リグリット(DL)
「お願いします、前に事故で行方不明になった家族かもしれないんです!」
クリフ
「事故で行方不明……? それはかなり違うような気もするが、会ってみるかい。俺は今からそいつの上司のところに行くんだ、何ならついて来いよ」
リグリット(DL)
「あ、あの、すみません、エッセルを一人にするわけには……」
クリフ
あ、そか。
DL
今ずるずると「はい」って言いそうになった(笑)
ヴィクトリカ
そしたらクリフがエッセルを容赦なく担ぎ上げて「よし、姉ちゃん着いて来な」
リグリット(DL)
「発作も起きたばかりですし、明日の11時ではいかがでしょうか」びくびくしながら言ってる(笑)
ヴィクトリカ
もちろんエッセルもびくびくしてる。
クリフ
ごめん今素で忘れてた(笑)いや、着いて来たそうだったから。
リグリット(DL)
「その方が泊まっているホテルの名前を教えてください。明日十一時にそちらへ伺います」
クリフ
しかし、あいつがどこに泊まるかなんて知らないぞ。
DL
いや、わかるから。
クリフ
おや、なんか知らんがメモがある。「ここだ」
DL
君たち親しいお友達が三人しかいないんだからさ。
クリフ
……親しいの? えー、毎度毎度巻き込まれているだけだけどな。
ヴィクトリカ
多分に腐れ縁が。
クリフ
こいつらと関わっていると死にかけるし。
リグリット(DL)
「よろしくお願いします」
クリフ
ふらふらーっと出て行く。

SCENE 3

キャスト ヨハン
DL
君はいやいや追い出され、ホテルの一室でくつろいでいます。
「あー、信徒探しに行かねえとなー」
ヨハン
ホテル・ライオンキングで休んでいる。
DL
かっこいい(笑)
ヴィクトリカ
どんなんだよ。三越のデパートみたいな彫像がある。
DL
ロビーに何とかロックみたいなのが置いてあって、時折猿が子どもを掲げている。
ヴィクトリカ
上半身裸でライオンの扮装した奴がうおーってやってるんだ。
ヨハン
上演している。
DL
そんなのを見せるショーを一日一回やってる。
ヴィクトリカ
常駐している。
ヨハン
おかげさまでロングラン40周年。
(一同爆笑)
DL
ロングラン過ぎだ(笑)この町ではもう見ていない人はいないっていう勢いだね。
ヴィクトリカ
もう名物だ。
DL
そう君がくつろいでいると。
ヨハン
お酒飲みながら。
ヴィクトリカ
人に会わなきゃならないんじゃなかったのか。
クリフ
演劇見てる場合じゃないだろ。
DL
お部屋にノックがあります。
ヨハン
開ける。
男の声(DL)
「ど~も~、法王庁の者です」
ヨハン
「あ? お前が依頼人か?(戸惑い気味)」
男の声(DL)
「依頼人って言うのは少しおかしいんじゃないですかねェ。失礼しますよ~(勝手に入ってくる)
いやあ、どうも、お初にお目にかかります。わたくし、クルーガと申します(名刺を渡す)」
ヨハン
名刺をちらっと見る。
DL
法王庁の探索課って所の人らしい。
ヨハン
「拙僧にどんな用かね」
DL
探しているものを一緒に探してほしいなーっていう協力依頼ですね。
クルーガ(DL)
「いや~、でもまさかこんな所で異邦の兄弟、ヨハン司教に会えるとは。いや、今は巡回使徒でしたっけぇ? いや、光栄です~(握手を求める)」
ヨハン
ちくっと。
ヴィクトリカ
手のひらに画鋲が。
ヨハン
大丈夫、こっちは海栗持ってたから。
(一同笑)
ヴィクトリカ
お前も痛いんじゃないか。
DL
肉を切らせて骨を断つついでに自分の骨も斬っちゃってるみたいだね。
ヨハン
「その仕事は神の威光を更に増すものですかな?」
クルーガ(DL)
「もちろんそうですよ。そうでなければ我々が動くわけがないではありませんか」
ヨハン
「それは素晴らしい。よろしい、協力させてもらいます」
クルーガ(DL)
「詳しいお話を少ししますと、まず私たちの課が何をしているのか知っていますか?」《エチケット・リージョン》で判定。
ヨハン
ないよ。
ヴィクトリカ
え?
DL
プリーチャーだから持ってるでしょ?
ヴィクトリカ
プリーチャー始めから持ってなかったっけ。
DL
そうか、スキルファクターだからないんだ、この人(笑)《事情通》でもいいよ。
ヨハン
《エチケット・ノーブル》ならある。
DL
うわ、要らねー(笑)
ヴィクトリカ
ノーブルってのは貴族(ダーク)のノーブルとは違うからな。
クリフ
ノーブルぐらい俺も持ってるよ(笑)
DL
君らは上流世界で恥をかかない程度の知識を持っているんだ。
クリフ
助けになんないねえ(笑)
DL
ヨハンのアーキタイプはサムライなんだっけ。
ヨハン
メインはプリーチャー。
DL
なら持ってるんじゃないの? ……ああ、ごめん、持ってないね。スキルファクターで取らなくちゃいけないのか。まさか君がそんなナイスなキャラだとは思いもしなかったよ。
ヨハン
《事情通》で10。〈神への愛〉を使って「同じ神に仕える者同士、話せば解るはずだ」
DL
ロステクとかそういう関係のものを探して収集して、神の教えを広められるようなものであれば懐に入れ、そうでないものは封印する。そんなところ。君がいる聖堂騎士団とはまたちょっと違う。
ヴィクトリカ
聖堂騎士団は実働部隊ですから。
ヨハン
「そういえばそういう課もありましたな。で、今回探すのは失われた古代魔術の何かですか」
DL
魔術はない(笑)いや、魔術も探すかな。
「そうですね、ロステクを探しているんですけど、その手助けをしていただきたいなと。よろしくお願いしますよ」
ヨハン
「よろしい。では全てを話したまえ」
DL
するとそこにまたノックが。こんこんって。
ヨハン
「入りたまえ。君を遠ざける鍵はない」
DL
誰かわからないのに(笑)ホテルのボーイだ。
ヴィクトリカ
不審者だったらどうするんだ。
ヨハン
どっちにしても入れる。
ヴィクトリカ
神の愛は寛大だ。
ヨハン
勿論歓迎はこの日本刀だ。
(一同笑)
ボーイ(DL)
「お客様、お客様に保安官事務所からお電話がはいっております。カウンターへお越しください」
ヨハン
「この町の保安官に知り合いなんかいないんだがな。保安官まで私に頼み事かな(高笑い)」
マグノリア(DL)
「そうですね、さすがですマスター(目がきらきらしている)」
ヨハン
「済まないが、少し待っていてくれ。それとも一緒に行くか?」ひとつの受話器を二人で持って(笑)

ヴィクトリカ
「ヨハン神父かね。私だ、ヴィクトリカだ」
ヨハン
「なんだ。お前は保安官事務所で何をやっているんだ」
ヴィクトリカ
「まあ、色々と事が起こってな。とりあえず私の身元を証明してもらいたい。このホーリーシンボルも何の役にも立たない。嘆かわしいことだ」
ヨハン
「ホーリーシンボルよりもそれを持っている人間の方が重要なんじゃないのか。
で、お前はこの私に保安官事務所まで足を運べというわけだな?」
(一同爆笑)
ヴィクトリカ
「この電話で君が一言私の身元を証明すると言ってくれればいいだけのことだ」
ヨハン
「うむ、では代われ」
シェリフ(DL)
「もしもし」
ヨハン
「ヨハンだが」
シェリフ(DL)
「こちらの書類にサインをお願いしたいので……」
(一同爆笑)
DL
ヴィクトリカには、シェリフが受話器のほうに書類を向けてるのが見える(笑)保安官的には、見えるもんなら見てみろよ、みたいな感じだ。
ヴィクトリカ
電話越しにやって。にゅって。
ヨハン
「ではもっと近づけろ」
(一同笑)
シェリフ(DL)
「ご迷惑かと思いますが、こちらへお運びいただきたいのですが」
ヨハン
「まったくだな。仕方がない」グーグルを振り返って……
クリフ
グーグルって誰(笑)
ヴィクトリカ
ググっちゃうのかい君(笑)
DL
何を検索するつもりだ(笑)
ヨハン
誰だっけ。
DL
クルーガ(笑)
ヨハン
グルーガ。グルーガを振り返って……グルーガにコネを作りたいんだけど。
ヴィクトリカ
【COOL】か。相手があなたに惹かれていることを意味する。興味のようなライトなものから、恐怖のようなダークなものまで。
DL
彼めっちゃ興味しんしんだよ君には。
ヨハン
グルーガに、「部屋に戻って話の続きをしようか」
DL
グ、じゃなくてク。クルーガ(笑)「とりあえず保安官事務所に向かいましょう」
ヨハン
「いいのか? 私はそんなに急いでいないから……」
クルーガ(DL)
「今の電話を聞いた限りでは、電話の方も教会関係者ですよね。手伝いの手が多いほど私は助かります」
ヨハン
「あなたがそこまで言うのなら。この話はまた延びることになります」
クルーガ(DL)
「ええ、まあ、多少の延びなら」
ヨハン
「わかりました。ではこの話の続きは保安官事務所で」

SCENE 4

DL
保安官事務所にヨハンが来た。
ヴィクトリカ
紅茶のティーソーサーとカップを持って
「遅い。何をモタモタしていた」
ヨハン
「何故こんな所にいる」
ヴィクトリカ
「ん? それを話せば長くなる。ちと厄介な事件に巻き込まれたようでな」
ヨハン
「お前はいつも厄介な事件に巻き込まれているな」
ヴィクトリカ
「ははははは、君に言われたくはないよ、ヨハン」
ヨハン
「それらはみんな法王庁がらみだ」
(一同爆笑)
シェリフ(DL)
「ここにサインをお願いします」
ヴィクトリカ
受け取りのサイン。
DL
受け取り(笑)
クリフ
荷物か(笑)
ヨハン
断るッ!
ヴィクトリカ
そしたらパチキ。
DL
サインしないと帰れないよ。
ヴィクトリカ
帰るよ。帰れないなら帰れないなりに。
ヨハン
「このホーリーシンボルが本物であることは保障するが、人格までは保障できない」
ヴィクトリカ
ヨハンヨハン。以前のヴィクトリカを引きずるな。
ヨハン
ではまあ仕方がない。さらさらさらっと。
ヴィクトリカ
「汚い字だな」
ヨハン
仕方ない。天羅文字だから。
クリフ
いつも公式文書はマグノリアが書いてくれてるんだね。
ヨハン
……マグノリアか。
ヴィクトリカ
君が書かないと意味ないから(笑)
DL
じゃあ、ヨハンの手の上にマグノリアが手を添えて書く。
ヨハン
そうしたら今度はマグノリアが法王庁の所属である証明書にサインをする(笑)
ヴィクトリカ
余計に手間かかっとるやん。
DL
一枚書類をムダにしてるよ(笑)
ヨハン
引取りも終わったから、じゃあさっそく「クルーガ、一体私たちは何をしたらいいのかな」
クルーガ(DL)
「ちょっと外に出ましょうか。ここだと人目もあるので」
ヴィクトリカ
「ヨハン神父、彼は何者だ」
ヨハン
「クルーガといって法王庁探索課の人間だ。君も聞いておきなさい、関係者なのだから」
DL
今のヨハン言い方がかっこよかった。
ヴィクトリカ
ちょと人格者っぽかったね。
ヨハン
じゃあ雑踏の中で「一体どんな話なのかな」
(一同笑)
DL
ホテルに向かって歩いていた君(クリフ)は、保安官事務所から見覚えのある三人が出てくるのを見た。
クリフ
「これはいい、手間が省けた。(声をかける)おーい、そこの」
ヴィクトリカ
「取り込み中だ」
クリフ
「こっちだって急いでんだよ!」
ヴィクトリカ
「そうだ、君に見せたいものがある」
クリフ
「あん?」
ヴィクトリカ
「ある男を検死していただきたい」
クリフ
「検死かァ……男だろ?」
DL
男に興味ないんだ(笑)
ヴィクトリカ
「大丈夫だ。あの死体の状況を見るに、男でも女でもさして変わらんぞ」
クリフ
「あー、じゃあまあ、無駄だと思うが……これこれこういう症状について話を聞いたことはないか?」
ヨハン
「ないな」
ヴィクトリカ
「残念ながらそういったことは聞いた事がないな」
クリフ
「神父、ないって言うな。もうちょっとがんばれ」(笑)「一応お前を頼りにして来たんだから」
クルーガ(DL)
「お二人のお知り合いですか?」
ヨハン
「まあ……」
クリフ
「あ? 何だこいつ」
クルーガ(DL)
「ああ、わたくし法王庁のクルーガと申します」
ヴィクトリカ
法王庁の人間だからそんなに変な格好はしていない。
DL
普通の神父みたいな格好なんじゃないの。
ヴィクトリカ
俺たちの中で法王庁のキャラクタは、なんだろ、荒木飛呂彦キャラみたいなかっこうしてるから。
DL
巡回神父みたいな格好してると思うよ。
ヴィクトリカ
凄い格好してそうだなオイ。
DL
そんなこと言ったら君もそんな格好してるってことになるぞ。
ヴィクトリカ
普通にゴシックロリータの格好してるよ。普段からずっと。
クリフ
俺が知っている法王庁の人間、こいつら(ヨハン&ヴィクトリカ)だからなぁ……。こいつもどうせ変人なんだろうという目で見る。
クルーガ(DL)
「今とても考えが読めた気がしますが、私はいたってノーマルですよ。見てくださいこの、どノーマルな法王庁の服」
ヴィクトリカ
それが法王庁では異端なんだよ。
DL
みんな改造しちゃってるんだ(笑)
クリフ
かえってノーマルなヤツほど怪しい(笑)とりあえず《観察》してみるか。
ヨハン
「何か用事があるのではなかったのか?」
クリフ
あっ、流された(笑)
「ふたつみっつ訊きたい事があるんだが……検死か。検死は急ぐよな。腐っちまうもんな……」で、マグノリアはどこだ。
DL
ヨハンがいる所常にいるよ。
ヨハン
標準装備だから。
DL
トイレに行ってても見てるから。見るなってドア閉めたら窓からじーっと見てるから。
ヨハン
何その怪談話(笑)
ヴィクトリカ
ヨハン神父神経まいってるんじゃ。
DL
ヨハンがちょっとでも見えていないと不安になる子だから。
クリフ
ヨハンにさっき預かってきた写真を押し付けて「ちょっとこれ見といてくれ」
ヴィクトリカ
「……ほう、これは確かにそっくりだな」
クリフ
「(ヴィクトリカに)ああ、この検死についての代金はお前に請求するからよろしく」
ヴィクトリカ
「別に構わんぞ。ああ、法王庁づけにしておいてくれ」
DL
うわあ、体のいいプレイヤーたちの財布になりつつある(笑)
ヴィクトリカ
「領収書をきってもらってくれ」
クリフ
「わかった(笑)じゃあそういうことで」
ヨハン
俺はその写真について何かわかるかな?
DL
マグノリアによう似とるな、角があれば本人だな、と。
クリフ
裏返したら何か書いてあるとか。
ヴィクトリカ
「マグノリア、君はどう思う」
マグノリア(DL)
「私も一部記憶が抜けているところがあるので、はっきりとは解らないのですが……」
ヨハン
「どうやら到着早々また何か厄介ごとに巻き込まれたようだな」〈危険を楽しむ〉《観察》で15。
DL
写真自体は普通の写真なんだよ。
ヨハン
写真から何か読み取れる情報はない?
クリフ
どこで撮られた写真だ?
DL
十年くらい経っている写真かな。
ヨハン
情報はそんなものか。クルーガに「ではここでは何ですからホテルに帰って話の続きでも」
クルーガ(DL)
「(時計を見る)大分時間が遅くなってしまったので、どうです、皆さん三人一緒に昼食をとりながらお話しするというのは」
ヨハン
「よし、それでいいだろう」
DL
ああ、クリフが検死行く前でいいかい。
クリフ
うん? ああ、結局行ってないよ、まだ。
DL
クルーガが帰さないように君の手をがしっと掴んでるんだよ(笑)「どうでしょう」
クリフ
「男に掴まれるのは好きじゃない」
ヨハン
「この話はまた明日ということで」
DL
ストーリーフェイトを。ヴィクトリカには〈真犯人を探す〉クリフには〈エッセルの病の原因を探る〉

SCENE 5

DL
では検死のシーンです。
ヨハン
「私も検死に立ち会うか」
ヴィクトリカ
みんなで押しかける。
(一同笑)
DL
わらわらと。
クリフ
「邪魔だ、素人は出てけ」
ヨハン
「ふむ、これが検死か」(笑)
クリフ
「久々に医者らしいことをするな」アルコールか何かで手を消毒してだな。
ヴィクトリカ
そこで俺がメスの刃を向けて渡す(笑)
DL
「ぎゃー!」とにかく判定してください。
クリフ
《観察》っと。15。どんな死に方をしている? 血を抜かれているとか?
DL
いや、干からびていると表現したほうがいいかも知れない。
ヴィクトリカ
メスを入れた瞬間に、「血が出ないな……」
DL
血は出る。全部解剖して言えるのは、精気を吸われて干からびちゃった、みたいな。
クリフ
打撲とか、そういう外的要因ではないなというのがわかるわけか。
「こりゃ俺の範疇じゃないが、こんな殺し方をする奴は許せねぇな……」〈正義感〉。
ヴィクトリカ
「それについては同感だ、クリフ。確かにこの害者は我々の範疇にあるようだ」
ヨハン
「害者の身元は?」
DL
普通のサラリーマン。一般人だ。
ヨハン
「ただの通りすがりをやられたのか。辻斬りか……」
クリフ
斬ってないから。
ヴィクトリカ
「What’s TSUJIGIRI?」(笑)
クリフ
「Year? pardon?」(笑)
DL
うわあ、外人どもめ(笑)
ヨハン
「辻斬りは辻斬りだ」
ヴィクトリカ
TSUJIGIRI? ummm…TSUJIGIRI is …ah just TSUJIGIRI.
(一同爆笑)
ヴィクトリカ
それでTSUJIGIRIって何だよって話になる(笑)
クリフ
「とにかくTSUJIGIRIという現象らしいぞ、これは」(笑)
ヴィクトリカ
「超常現象だな。やはりヨハン神父を連れてきて良かった」(笑)
DL
うわー、間違えた事教えてる(笑)
ヴィクトリカ
テラにおけるこの病名はTSUJIGIRIになった。
クリフ
とりあえずホトケさんを片付けよう。
DL
これと同じような死体が最近いくつか見つかっているらしい。

全員

それを言えよ!(笑)
ヨハン
「今回初めてじゃないって事か」
クリフ
「検死するまでもなかったんじゃないのか……?」
DL
君たちが見たのは初めてだろ?
ヴィクトリカ
そうだけど。保安官も教えてくれよ。
クリフ
非協力的な町だな。
DL
(笑)そうですね。
ヴィクトリカ
マザータウンは他人に対して冷たいのだ。
DL
東京砂漠だね。
ヨハン
「今日はいろいろあって疲れた」
ヴィクトリカ
「じゃあライオンキングに戻って寝るか」

SCENE 6

DL
ライオンキングの朝です。
ヴィクトリカ
ボクは朝食を優雅に食べてるよ。
DL
丁度時間になると、リグリットとエッセルと、あとひとり男の子が来る。
エッセル(DL)
「おはようございます、先生」
クリフ
「エッセル、昨日は大丈夫だったか。よく眠れたかな?」
エッセル(DL)
「はい、十分眠れました。ありがとうございます」
クリフ
「そりゃ良かった。ところでその子は誰だ?」
エッセル(DL)
「紹介します。私の家族のブランといいます」
DL
見た目十歳くらいかな。
ヴィクトリカ
オレに直感のひらめきはない?
DL
出てるの? ここに。ホテルの前だよ。さっき飯食ってるって言っただろ?
ヨハン
約束の時間が十一時なのに飯食ってるって遅いよな。
ヴィクトリカ
ブランチだよブランチ。
クリフ
実は二回目とか。
ヨハン
また食ってるのか。
ヴィクトリカ
燃費が悪いから。
ブラン(DL)
「昨日はエッセルがお世話になりました」
クリフ
「あ、どうもはじめまして。で、エッセルの病気のほうはどうも心もとないんだが、きのう預かった写真の方は、似ている奴に会わせることはできる。まあ、入ってくれ」

DL
飯を食ってる人。君はクリフとプラス三人が入ってくるのを見た。
ヴィクトリカ
ちゃんとドルチェを食い終わった後に……
DL
君は別に食ったからって満腹感を感じることはないんだよね。
ヴィクトリカ
うん。ただ、食ったものを分解してエーテルに変えるような装置はついてるからな。ドラえもんみたいに。
クリフ
何でもいいんだな、要するに。
DL
激マズ料理食っても気にならない。
ヴィクトリカ
いや、味覚はついてるよ。
DL
そういう遊び機能ついてるの(笑)
ヴィクトリカ
超高級機ですから。
クリフ
贅沢だなぁ。
DL
まあ、試作段階の機体ってそういうものじゃないの。とりあえず付けてみるかーって。
ヴィクトリカ
詰め込めるものは詰め込んでしまえってのがこのタイプだから。

クリフ
「何だ、神父は来ていないのか。ならこっちから行こう」
ヴィクトリカ
オレがどんどん置いてかれる(笑)
ヨハン
ヨハンはライオンキングを観ている。
(一同笑)
ヴィクトリカ
じゃあロビーにいるじゃん(笑)
DL
じゃあヴィクトリカもライオンキング観ながら食ってるんだ。
ヴィクトリカ
ティーラウンジみたいな所で。……ティーラウンジって。大西部のホテルにそんなモンあるのか。って思ったけど、マザータウンならあってもおかしくないか。
DL
まあ、どんなホテルがあってもいいじゃないか。とにかくこの町では、このホテルでライオンキングを演っているというのが名所。
ヴィクトリカ
奇跡のロングラン40年(笑)
クリフ
何代やってるんだ主人公。
ヨハン
主人公三代目ライオンキング。この前襲名式があった(笑)
DL
なんだろう、これは。歌舞伎俳優?(笑)
ヴィクトリカ
ライオンキング獅子だから、連獅子舞うんだろ(笑)
DL
ライオンキングだからみんなで動物の持って踊るんじゃないの?
ヴィクトリカ
やっぱ連獅子でしょう。赤と白で。
DL
さすが40年。
クリフ
わけわからん。

DL
少年に何かを感じるかどうか。《観察》判定。
ヴィクトリカ
解るとしたら直感的なものだと思うんですが。
DL
《意志力》……12ぐらいかな。
ヴィクトリカ
15。
DL
少年の声には聞き覚えがあるよ。
ヴィクトリカ
じゃあ、入ってきたときには気づかない。少年の声が聞こえてきたことで慌てて立ち上がる。台詞は吐かないけどこれでフェイト。
DL
クリフが、ブランとエッセルとリグリットをつれて入ってくる。
ヴィクトリカ
昨日オレが会った人物に一番身長が近いのは誰?
DL
一番近いのはブランかな。今聞こえてくる会話は、先生のおかげでエッセルが助かりました、ありがとうございます。
ヴィクトリカ
ティーカップを置いてそっちに歩いて行く。
クリフ
「何だ、今頃飯か?」
ヴィクトリカ
「ブランチという習慣があるのだ。さて、そちらが君が昨日話してくれた人たちか」
クリフ
「ああ、そうだ。こちらからリグリット、エッセル、ブラン。このエッセルが変な病気にかかっているみたいなんで、ちょっとヨハンに見てもらおうかと思ってな」
ヴィクトリカ
「なるほど」リグリット、エッセルを素通りしてブランの前に立つ。
クリフ
「何だ、知り合いか?」
ヴィクトリカ
「(ブランの目を見て)……どうかな」
ブラン(DL)
「ど、どうも、はじめまして」
ヴィクトリカ
「はじめまして、ヴィクトリカです」異常はない?
DL
とくにないね。
クリフ
「(ヴィクトリカに耳打ち)何ピリピリしてんだよ、お前」
ヴィクトリカ
「私の思い違いだといいのだがな(小声でつぶやく)」
DL
《観察》判定とかしてみる?
ヴィクトリカ
してみようかな。
クリフ
ヨハン神父はまだ演劇を見て感動している。
DL
昨日も観たんでしょ?
ヴィクトリカ
ひとり観客席でスタンディングオベーションで「ブラボー!」ってやってるんでしょ。
ヨハン
「これぞ生命の神秘ッ!」
DL
しかもまだ途中ででしょ(笑)
ヴィクトリカ
ああほら、歌舞伎見慣れてるから、途中で「いよっ、ナントカ!」なんてのがあるから言ってしまうんだろ。
ヨハン
言ってしまうね。「天羅を離れて久しくこのようなものは観ていなかった」
クリフ
ライオンキングって天羅出身の人が作ったのか(笑)元の題名「ジャングル大帝」とかいうんじゃないの?
ヨハン
あの神様が作ったやつ。
ヴィクトリカ
16。
DL
手を握った瞬間に、こいつは人間じゃないかも、と思った。
ヴィクトリカ
その手を少し力を入れて握りながら「(私の勘が告げている。この少年は危険だ)」
DL
あと、昨日抜き手を防いだときの感触もコイツだな。
ヴィクトリカ
しばらく手を見てからブランの目を見てにやりと笑う。
クリフ
「(ヴィクトリカの様子が変だな。後で訊いてみよう)」
ブラン(DL)
「(小声で)昨日はお世話になりました」
ヴィクトリカ
「良かった、君のほうから会いに来てくれるとは思わなかったよ」
ブラン(DL)
「いいえ、今日は別にあなたに会いに来たんじゃないんです」聞こえるか聞こえないかの声で。
クリフ
「……なんだこいつら」
DL
若干この二人の空気はおかしいよ。
ヴィクトリカ
オレらのまわりにはでっかい書き文字でゴゴゴゴゴゴゴゴって。
クリフ
女の子二人はそんな二人を見てもなんとも思っていない様子? 気づいていない?
ヴィクトリカ
そういう色々なやり取りがあったにもかかわらず、実時間で三秒くらいしか経っていないから。
DL
なんかちょっと長く握手しているなと思った。エッセルが「お友達になったんですか?」
ヴィクトリカ
「まあ、そのようなところだ」
エッセル(DL)
「ではブランをこれからもよろしくお願いします」
ヴィクトリカ
「よろしくお願いするよ、ブラン」
ブラン(DL)
「こちらこそ」

DL
(ヨハンに)ライオンキング、ライオンキング、このままだと来てくれるまで置いてかれるぞ(笑)
クリフ
じゃあライオンキング(ヨハン)飛び越えてマグノリア呼びに行くか。
DL
飛び越えてって、舞台に上がっちゃってるよ、一般の人が(笑)
ヨハン
すっと立ち上がって後ろも見ずに「深き罪に囚われた哀れな子羊がやって来たようだ」
(一同笑)
DL
かっこいいよ。
ヴィクトリカ
かっこいいけど、相手をいきなり罪まみれにするな(笑)
DL
ちょうどライオンキングがシーンとしているところで大きな声で言っちゃうんだ(笑)じゃあ舞台を乗り越えやってきました。
クリフ
本当に乗り越えたの?(笑)
ヴィクトリカ
違う。俺たちはヨハンのほうに向かっているだろ。ヨハンは俺たちのほうに向かってくるだろ。その間には何がある? 舞台やて。
DL
クリフは少し躊躇するだろ。でもヨハンとマグノリアは構わすよっこいしょって上がる(笑)
ヴィクトリカ
オレも容赦なく上がっていく。
クリフ
俺は普通の人なんで後ろで待ってる。
ヴィクトリカ
それは駄目だよ。
クリフ
駄目だよっつわれても(笑)
ヨハン
舞台の上から「どうしたクリフ。そこでは話がわからんぞ」
(一同爆笑)
クリフ
「つーかお前らが下りろよ!」
DL
舞台は彼らがいないものとして進んでいるから。すごい自然に。
クリフ
あ、じゃあまあいいか。
ヨハン
それがこの40年間続けてきたライオンキングの凄いところであるし、40年間見つづけた観客が凄い。
ヴィクトリカ
彼らはもうオートメーションされちゃってるから、半分寝ているような状況でやってるから。
DL
ちょっとしたハプニングも、どうせ演出だろう、みたいな。
ヴィクトリカ
オレらにそもそも気づいていない。話してると普通に横から歩いてきたキリンに轢かれたりするから。
DL
ハイエナがぶつかってきて、「邪魔だよ」とか言われる。
ヴィクトリカ
そんな事言われないよ。いきなり轢かれて、なんだよと思っても、無表情なハイエナがいるだけだよ。
DL
無表情っていうか、没頭してるんだな。
クリフ
「つーわけで、この人を見てもらいたいんだが」
ヨハン
(笑)「どれどれ?」その三人から何か感じるものはある?
DL
すげー漠然とした問いだな(笑)
ヴィクトリカ
それはもう真相を言えと言っているようなものだ(笑)
クリフ
いやー、リグリットに恋の予感を感じちゃったりするかも知れないじゃん。
ヨハン
雰囲気とかは。
DL
仲のいい家族なんだなーって。
クリフ
「うーん、そうか。期待はしていなかったが、やはり役には立たなかったか」
DL
うわー、壮絶に酷い言い方してる(笑)
ヴィクトリカ
どうするヨハン神父。否定されてるぞ。
クリフ
ダメモトだからな、そもそも。
ヨハン
「医者でもわからないものを素人のこの私が診てもな」
クリフ
「いや、医者にわからないからお前らに見せたんだ」
ヴィクトリカ
「苦しいときの神頼みとは、調子のいいことを言ってくれるな」
ヨハン
「神は自らを助ける者を助く」
クリフ
「まあ、それは置いておいて。マグノリアマグノリア、ちょっとおいで」
マグノリア(DL)
「あら、何かしら」
クリフ
「この人たちに見覚えは?」
マグノリア(DL)
「うーん、さあ?(首をかしげる)」
DL
リグリットとブランは「マグノリア!」って近づいてきます。「今までどうしていたんだ!」
ヴィクトリカ
名前知られてるね。
ヨハン
マスターシーンだ(笑)
リグリット(DL)
「無事だったのならどうして連絡しないの!」
ヴィクトリカ
マグノリアの反応は?
DL
ぽかーんとしている。何言っているのかしら、この人たち。
マグノリア(DL)
「私はあなたたちを知らないんですけれど、あなたたちはどなた?」
クリフ
「ところで根本的なことを訊くが、マグノリアはオートマータなんだが、あんたの家族ってのもオートマータなのかな?」
リグリット(DL)
「そうです。10年前の事故で行方不明になった、私たちのマグノリアです」
クリフ
「……ということらしいが、神父」
ヨハン
「ふむ」
DL
ふたりは、「本当に忘れちまったのかよ!」「だから、知らないと言っているじゃない」みたいな押し問答をしていると、リグリットがブランを「ちょっといいから」って少し離れたところに連れて行って、二人でぼそぼそと話し出します。《観察》判定かな。15ね。一応舞台の上だし(笑)
ヴィクトリカ
ボクはブランをマークしているんで《観察》するぞ。「(ヤツだ、ヤツが犯人に違いない!)」〈真犯人を探す〉失敗。
クリフ
「さっきからヴィクトリカは不穏なことを言っているし、マグノリアのまわりがおかしいことになってるな。ちょっと面白そうだ……いかんいかん、ここは遊んでいる場合じゃないんだ」〈遊び好き〉失敗。
ヨハン
うーん。
DL
15は高すぎる? 12くらいにしようか?
ヴィクトリカ
15は若干高いよ。平均能力値が7か8くらいで、それに7以上のカード出して、更にスートも合わせないととなると……。
クリフ
……あっ。能力値足せるんだっけ。
ヴィクトリカ
そうだよ。
クリフ
すぽっと忘れてた。
ヴィクトリカ
じゃあどうやって15とか出すんだよ(笑)カード単体で出そうと思ったらエースかワイルドカードしかないやんけ。
クリフ
だからさっきアホみたいに高いカード出してたんじゃないか(笑)
DL
面白い子だなー。
クリフ
こんな大変な判定だったかなーって思いながら出してたよ。
DL
このステータスは何の意味があるのさ(笑)
ヨハン
「遂に迷える子羊であるマグノリアの過去を知る時が来たのか。これも神のお導きだ」
DL
10年前に……壊れて……直すしかない……みたいな話が聞こえてくる。
ヨハン
「どうやらあの二人は真相を知っている」
リグリット(DL)
「(戻ってくる)エッセル、今日はこの辺で失礼しましょう。マグノリアの居場所も確認できたことですから」
ヴィクトリカ
病気なのはエッセルだっけ?
クリフ
そうだよ。
ヴィクトリカ
ヨハン神父引き止めて。
ヨハン
ん?
リグリット(DL)
「それではこのへんで失礼させていただきます」
エッセル(DL)
「本当にいいのですか?」
リグリット(DL)
「ええ、覚えていないようですし、時間もこれからあるでしょうから。おいおい思い出していただければ構いません」
クリフ
「力になれなくて悪かったな」
リグリット(DL)
「いいえ、充分です。家族の居場所がわかっただけでも。失礼します」頭を下げて三人は帰っていった。

クリフ
「(三人を見送ってからヴィクトリカに)……でだな。さっきごちゃごちゃ言っていたのは何なんだ。あのボウズに見覚えでもあんのか?」
ヴィクトリカ
「まあ、そういったところだ」
クリフ
「何だ、教えてくれないのか」
ヴィクトリカ
「今この現時点において君たちに話すべき内容ではない」
DL
ウラもとれていないしな。
ヨハン
「それでも聞いておく価値があるのではないのかな。アデプテル・ヴィクトリカ」
ヴィクトリカ
「シュバリエと言ってくれ。うーむ。単刀直入に言おう。昨夜の事件、あの小僧が犯人かも知れん……恐らくそうだ……間違いない」
ヨハン
「なるほどな。問題の根は深そうだ」
クリフ
「ん? よくわからんが、あのボウズが人間ではないとでも言いたいのか? まあ、人間にあんな事はできないだろうしな。かといって、そいつが犯人だったとして、何故そんなことをするかと訊きに行って、はいそうですかと答えてくれるとは思えん」
ヴィクトリカ
「無論だ」
ヨハン
「今は確証もないし、何の手がかりもない。こんな話は胸にしまっておこうではないか。む、次のお客さんが来たようだ」