OPENING ~ SCENE 2
SCENE 3-1
SCENE 3-2
SCENE 3-3
SCENE 4-1
SCENE 4-2
SCENE 5
SCENE 6 ~ ENDING
SCENE 3-1

DL
行く先は真っ暗なんだけど……
クリフ
誰も明かり持ってないの? 持ってないならカンテラつけるけど。
DL
クシィが、熱がほとんどないのにやたら光量のあるカンテラを取り出している。
ヨハン
「ほぉ」
DL
ぽちっと押すとぴかっと光る。
クリフ
「何だそれ! 火打石が要らないのか!?」
クシィ(DL)
「なに、過去の遺産ですよ。昔のカンテラみたいなものです」
クリフ
「昔ってなぁ、随分と便利なんだな」
クシィ(DL)
「ま、そういうことです」

進む彼らの視界に、何か白いものが揺らめいた。通路の奥で舞うように、誘うように動いている。
クリフ
雪とか? それとも白い布みたいな感じ?
DL
そうだね、光る白い布みたいだ。
クリフ
おバケ。
マグノリア
「あら、そんな非科学的なものをあなたは信じているの?」
クリフ
「ま、幽霊でもいいから先生に会いたいと思うよ」
DL
ちなみに塔の内装は、中世の上流階級の屋敷みたいなデザインになっている。外からは、俺らプレイヤーの目から見ると完全にハイテクな宇宙船ですが。
クリフ
で、今は重力が狂っているわけだけど、自分たちが立っているのは壁とかじゃなくてちゃんとした床なのね。
DL
床です。
クリフ
そういう風に作られているっていうことか。
マグノリア
その白い布に近づいてみるよ。
DL
他の皆さんは?
マグノリア
「マスターはここでお待ちください。危険物かもしれません」
クリフ
えーっと、クローバーがなーい。
DL
クローバーで何する気だ?
クリフ
お約束の《観察》《警報》
ヨハン
「危険ならばなおさら私が行かんとな。それに丁度今褌が汚れてきたところだ」
(一同笑)
マグノリア
「マスター、代えの下着ならこちらに(黄色い褌を出す)」
ヨハン
「黄色じゃ駄目だッ!」
(一同笑)
クリフ
デニムじゃないと!
ヨハン
「男が最後に身につけているものは褌だけだ。心のように真っ白でなくては」
マグノリア
今まで赤だったりデニムだったりしたのに(笑)
ヨハン
そんな事はもう忘れた。

マグノリアが近づくと、布のようなものは逃げるようにふわふわと奥へ漂ってゆく。
マグノリア
「(クシィに)さ、あれが何か説明なさい」
クシィ(DL)
「何を言っているんですか、さっきから」
ヨハン
「お前にはあの褌が見えないのか」
(一同笑)
クシィ(DL)
「何ですか、”Fundoshi”って。ヨハン様は疲れていらっしゃるのですか?」
マグノリア
マスターの服をふわっとめくって「これよ」
(一同笑)
クリフ
「よーするに、パンツだパンツ」
パンツって説明してるから、クシィにはブリーフか何かが舞っている光景が浮かぶ(笑)
マグノリア
それは疲れているかって訊きたくなるわな(笑)
ヨハン
「クシィには見えないらしい」
クリフ
3人には見えているの?
DL
うん。
マグノリア
「どうしましょう。付いて行きましょうか、マスター」
クリフ
このパターンは、アリス! ……の幻影。
マグノリア
それが褌の形を取るの?
クリフ
褌って言い張ってるのはヨハンだけだよ(笑)
マグノリア
でもマスターがそう言った以上、俺の中ではもう褌になるんだよ(笑)
クリフ
じゃあクリフは、二人がそう言うなら”Fundoshi”なのかなーって思ってる(笑)
DL
正確に布かどうかはわからない。きらきら光るものだ。
ヨハン
クシィに、そういう状況はどんなロステクなのかを訊く。
クシィ(DL)
「そんなものはロステクじゃない。何を非科学的なことをおっしゃるんですか」
ヨハン
「ロステクが作り出した幻影ではないのか」
クシィ(DL)
「そんなものはどこにも見えませんよ」
マグノリア
「マスター、こんな所でごちゃごちゃ言っていても埒が明きません。とりあえず追いかけましょう」
ヨハン
「あれが罠だとしても、追わねばならんな」
マグノリア
「飛び込むのもまた一興かと」
クリフ
とりあえず私は一番に着かなきゃいけないんだ!
ヨハン
「マグノリア、クリフ、遅れるな!」
クシィ(DL)
「あ、待って下さいよ」
クリフ
じゃあ私は7mで追い抜かす(笑)
マグノリア
じゃあ、8mで追い抜かす(笑)
DL
じゃあヨハンが「待ってくれー」(笑)
ヨハン
「みんな、待つんだ。俺を置いて行くなー」
クリフ
マグノリアにおんぶしてもらえばいいんだよ(笑)
マグノリア
じゃあ騎馬戦みたいにわーって。

バベル内のいくつもの角を曲がり通路を抜け、布のようなものはある扉の前で止まり、消えた。
マグノリアは先頭に立ち、扉を開ける。
中は明かりも無く、真っ暗闇だ。
マグノリア
「ああ、マスター。何故私には暗視機能などついていなかったのでしょう」(笑)
クリフ
「そこの影薄い男、名前なんつったっけなぁ。まあいいや。そのカンテラをこっちに寄越してくれ」
クシィ(DL)
「わかった……おぉっと!(ガシャーン)」
DL
真っ暗になった。
クリフ
「おいっ!」二発くらいどつく。
DL
じゃあ壁をがんがん殴った。
クリフ
「(ぼそっと)……痛い」
DL
なんでそんなクリフかわいらしいの(笑)
ヨハン
「クリフ、カンテラをつけてくれ」
クリフ
じゃあ、火打石出してカチカチカチカチカチカチカチカチ……。
マグノリア
「申し訳ございません。私がライトの魔術などを持っていれば良かったものを」
DL
カンテラが点いて、薄ぼんやりと明かりが広がるが、壁には届かない。結構広い部屋だね。
クリフ
カンテラ持ってるのは一人だけ?
ヨハン
うん。
クリフ
「うん」じゃないよ!(笑)
ヨハン
「まさかこんな状況に陥るとは」
マグノリア
ごめん、チェーンついてる首輪と自分の服しか持ってない。
クリフ
おいおいおい、敵地に乗り込もうってのに随分と暢気な人たち(笑)
じゃあ私は壁に手をつけて歩く。こうすれば必ず迷宮は抜けられると、前に先生が言っていたから(笑)
マグノリア
《ファイアーボール》でも撃つ?
クリフ
撃った瞬間しか見えないじゃん(笑)
DL
じゃあクリフは《観察》もしくは《運動》
クリフ
18で《観察》
DL
足元に何かが転がっているのに気付いた。
クリフ
「何だ、これは」拾う。
DL
いや、でかいもの。
クリフ
でかい?
マグノリア
カンテラで照らしてみれば?
クリフ
じゃあ、そのでかいものに沿ってカンテラを動かしてみる。
DL
人が倒れている。
クリフ
人?
DL
女性がうつぶせに。
クリフ
いろいろな可能性を思いつくけど、なんか一番なさそうでありそうなのが……まあ、いいや(笑)
「なんでこんな所に人がッ! おーい、ヨハン、人がいる」
DL
メイドさん。
クリフ
メイドさん!?
DL
嫌な思い出が(笑)
クリフ
離れたいけど、カンテラの光が届かなくなるとまずいので離れられず(笑)
ちょっとおたおたしてみる。
ヨハン
ひっくり返してみる。
DL
SFだね。
クリフ
SF?
ヨハン
SF?
クリフ
状態は?
ヨハン
機能しているかどうかを調べる。
DL
機能していない。
クリフ
えっ? えーと、クシィを呼んで「このオートマータは動いているのか?」
クシィ(DL)
「いや、機能は停止していますね」
クリフ
「死んでいるってことか」
クシィ(DL)
「『死』?(眉を寄せてから)まあ、そう言ってもいいですね」
クリフ
「(……俺もナチュラルに「オートマータが死んでいる」なんて訊くようになったのか。いかんな、このままじゃ)」(笑)
マグノリア
「どうして機能停止したのかはわかるかしら」
クシィ(DL)
「言ってみれば『自然死』じゃないでしょうか」
クリフ
「自然死? 老衰?」
クシィ(DL)
「解りやすく言うと、エネルギー切れです」
クリフ
「それは要するに、腹が減って倒れている状態ってことか」
ヨハン
「エネルギーさえあれば再起動も可能ということか?」
クシィ(DL)
「無理ですね。随分と時が経ちすぎています」
ヨハン
「……時?」
マグノリア
「昨日の今日のはず」
クリフ
「ちょっと待ってくれ。機械って一日二日で駄目になるモンなのか?」
クシィ(DL)
「まあ、余程のポンコツならそういうこともあり得るかも知れませんね。ですが、見てください」
クシィはSFの服の肩の部分を軽く掴み、引いた。服は指の中であっさりと崩れ、埃となって舞い散った。
クシィ(DL)
「繊維がぼろぼろです」
ヨハン
「昨日まで元気に動いていたはず」
DL
よく見ると、うっすらと埃をかぶっている。
クリフ
1.SFのお姉ちゃん。
(一同笑)
クリフ
2.ウラシマ効果。
ヨハン
3.もともとこういう服だった。
クリフ
どういう趣味だそれは(笑)
マグノリア
記憶のメモリーみたいなものってあるのかな。あるよな、ロボットだから。
再生するなら自分の体を提供するけど。
「規格外だけど、私の体に差し込めるかしら」
DL
差し込んでみる。
マグノリア
何かわかる?
DL
完全に中身が無い。”No file”
マグノリア
「駄目のようね」
クリフ
じゃあ、そのへんではっと息を呑んで、そのへんの地面を手探りで調べる。他に倒れてないかなって。
暫く行くと、広くて立派なテーブルがあり、その椅子に腰掛ける人影が見える。
マグノリア
近づいていく。
DL
カンテラ持って?
クリフ
わかったよ。隣ついて行くよ。
マグノリア
若干引っ張られている可能性もあるよね。こっち来いって。
椅子に腰掛けた状態で力なく垂れているのはモイラだった。彼女の服の繊維も同じく風化しかかっている。
彼女の片腕は外れて床に転がっていた。
ヨハン
「これは、俺はこの現象を知っている」
DL
あああ、なるほど(笑)
マグノリア
知っているの?
DL
ここは二百年後の世界だったのだ!
ヨハン
どうやらこれは、二百年前に一度壊されたらしい。
クリフ
そういう事なの?(笑)
「何だ、その二百年前ってのは」
マグノリア
「どうやら、マスターはおかしくなられたかも知れません」

マグノリア
「ここにこの二人がいるということは、あとの二人もいるのかもしれません」
クリフはモイラの頬に触れてみた。その肌に彼が知っているモイラの弾力はなく、乾いた音を立てて表面が割れた。人化のための樹脂がぼろぼろになっているようだ。
クリフ
「やっぱり、こいつらも機械だったのか……」
そう言った事で、こいつらのことを「機械」と意識していなくなっていたことに気付くわけだね。
ヨハン
なるほど。じゃあ、落ち込んでいるクリフの肩をポンと叩いて……
DL
そしたらクリフがぼろって。
(一同笑)
クリフ
いや、クリフは腰からぽっきり折れた(笑)
マグノリア
えー、みんなもう老朽化してるんだ(笑)
DL
現在の高さより低いところに行くと。
クリフ
じゃあ、あり得ない方向に曲がったクリフが「俺たちもこのままじゃヤバいぞ!」って言う(笑)
(一同笑)
マグノリア
もうアンタがヤバいよー!
ヨハン
「クリフ、折角あそこまでフラグを立てたんだから……」
(一同笑)
DL
ヨハンフラグをな(笑)
マグノリア
とりあえず2ルートは消えたね(笑)
クリフ
わかんないよー。アリス組の皆さんみんな双子かもしれないじゃないか(笑)

SCENE 3-2

テーブルの周囲には、エイスとブレンヒルドの姿もあった。全員、経年劣化による機能停止状態のようだ。
この部屋には他には何も無いようだ。
ヨハン
「(クシィに)時間を操るようなロステクはあるのか?」
クシィ(DL)
「そんなことは考えられません」
マグノリア
クシィが知らないだけって可能性もあるよね。
クリフ
クシィはあちこちに飛ばされまくってるから、知識だけは豊富なんだよ。結果的に産業スパイやってるから。
DL
そうだね(笑)
ヨハン
「クシィ、この部屋で何かわかることはあるか」
クシィ(DL)
「わかりません。特別な物は何も無いようですが……ちょっと待ってください」
クシィは何かに気付いたのか、壁の一部に取り付いて何かを調べ始めた。
クリフ
いかん。エキストラが動き出したってことは、クシィは死ぬぞ。
マグノリア
えー(笑)
クリフ
死亡フラグが立ってしまった!(笑)
DL
じゃあクシィが「バベルから帰ったら結婚するんです」って言ってる。
マグノリア
うわー(笑)
「そして、こんな仕事はもうやめます」
DL
「これが最後の仕事です」(笑)
マグノリア
クシィ~!(笑)
クリフ
「ヨハン様とはもう一緒に飲めなくなりますね」(笑)
DL
「ウエストエンドに店を開こうかと思って。そういう生活もいいかなって」
クリフ
「運び屋はもういいかなって」

DL
クシィは壁と机の間を行ったり来たりしながら何かごそごそしてる。
クリフ
「何やってんだ。何探してんだ? わかるなら手伝うぞ」
クシィ(DL)
「静かにしてください。……! そこの人! こっちへ来てください」
クリフ
「な、何だ?」
クシィ(DL)
「手を出して」
クリフ
はい。
DL
その手を取って、机にぱしっと叩きつける。
クリフ
「いッてーな、何するんだよ!」
クリフの手が当たったところがおぼろに光りはじめた。
クリフ
「うわ、何だよこれ、気持ち悪ィ」
クシィ(DL)
「これで何かが起きるはず……(何かスイッチのようなものを押す)」
マグノリア
何が起きるかはわからないってことだよね。
DL
そうそう。
すると、壁の一面が低い音を立てて震え始め、一筋の白い光がはしった。そこから壁がゆっくりと開き始める。
壁が開いた向こう側は、ガラスのようなものでこちらとは隔離されているが、もうひとつの広大な部屋だった。
突然の強い光で奪われていた視界が戻ったとき、彼らが見たものは……。
マグノリア
四人娘が入ったいっぱいのカプセルだ。
クリフ
怖い(笑)
マグノリア
ひとつのカプセルに四体がみっちり詰まっている(笑)
(一同笑)
DL
ひとつのカプセルに大量に詰まってる(笑)
クリフ
で、そいつらが一斉に目を開けてこっちを見てにっこり笑う。
(一同笑)
DL
一斉にカプセルを叩き出す(笑)
マグノリア
いえーい、SANチェックしなきゃ(笑)

DL
その部屋に広がる光景。マグノリアのそれは確かに近いよ。
マグノリア
あ、ほんと?
ヨハン
何が入ってるの?
DL
椅子に腰掛けている状態で、モイラとブレンヒルドとエイスとSFが。
クリフ
四パターンしかないんだ(笑)
DL
それぞれブロックごとに分けられて、ずらーりと並んでいる。壁全体に。
クリフ
「うぉ、何だこりゃあッ!?」
じゃあ私はギコになって「うお!なんかすごいところに迷い込んじまったぞゴルァ!」って言ってる(笑)
DL
きょろきょろしてる(笑)
ヨハン
さすがのヨハンも呆然としながら、
「もしこいつらが全て一斉に起動してクリフのフラグを立てたら……」
(一同笑)
マグノリア
まずクリフ争奪戦の潰し合いだね(笑)
クリフ
くそう。伝説の木の下でフッてやる。
マグノリア
そうしたらヨハンルートだよ。
DL
同じ数だけのヨハンが。
クリフ
怖いよー(笑)
マグノリア
しかも争奪戦をすることなく、全部が君に向かって(笑)
DL
すごい巨大なヨハンが現れたー、と思ったら、良く見たらたくさんのヨハンが組体操状態でできてて、それがばらばらばらーってほどけながら降ってくる。
ヨハン
怖。
なにそのレギオン。

マグノリア
道はあるの?
DL
いや、完全に格納庫か整備プラントなんだろうな。
ヨハン
椅子に座っているモイラとかの皮膚を触ってみる。
DL
ああ、中には入れない。完全に仕切られている。サンダラーにサンダーフェローで撃てば壊れるかも。
クリフ
壊して入る?(笑)
いまいち進む方向性がわからないので行動がまとまらない3人。
DL
ああ、格納庫からの光で部屋が明るくなったので見えるんだけど、椅子に座っていたほうの四人の首筋には「X」って書いてある。
マグノリア
初期ロットだ。
DL
よく解ったな。
マグノリア
そりゃまあ。試作段階だよ。

DL
全部姿勢を正して椅子に座った状態で、一タイプにつき、先のほうはかすんで見えないくらい並んでいる。
ぶっちゃけ言ってしまうと、それぞれ万単位の奴らがいそうだね。
クリフ
有事にはこの集団がぶわーっと出てくるわけですよ。
マグノリア
怖いなー。

SCENE 3-3

ふと気付くと、先ほどの食卓の上座に白い影が見える。
ヨハン
今度こそ捕まえて褌に。とびかかる。
クリフ
えーと、ヨハンにちょっとラリアットをくらわせて(笑)
マグノリア
「クリフ、私のマスターに何をしているのですか。あなたも私のマスターの敵なの?」
クリフ
「(二人を無視して)何を考えている……アリス」
DL
おおっ。ぼんやりした光が実像を結んで……
クリフ
ここで間違ってたら大笑いだよね(笑)
DL
ジョージ・ブッシュが現れた(笑)
(一同笑)
マグノリア
お前敵だったのかよー!(笑)
DL
「おっと、間違えた」ってアリスに戻った。
クリフ
ってことは何だ、今まで会ったジョージ・ブッシュもみんなアリスかっ! 自作自演?
DL
いろいろな人に変身する。今まで出てきた人全て(笑)
クリフ
今までそこにいたクシィが消えてる。

アリス(?)(DL)
「彼女たちはここで生まれました。そして私のために、あなたたちが知っているあの四人が生まれたのです」
ヨハン
「(倒れた四人を指して)あの四人は」
アリス(?)(DL)
「彼女たちは、ここで生まれ、死んでいったのです」
クリフ
「何のために?」
アリス(?)(DL)
「それは……私のためです」
クリフ
「言葉の意味が広すぎてわけがわからない」
ヨハン
「お前の望みは何だ」
アリス(?)(DL)
「私の望みはただひとつ。私を、殺して欲しい」
ヨハン
「何故死にたがる」
アリス(?)(DL)
「私が生きていることによって、他の人を苦しめる」
ヨハン
「何故そう言える」
アリス(?)(DL)
「私の力を利用しようとする人がいるから」
ヨハン
「どこに。そいつの名前を言ってみろ」
DL
クリフ、名前のランダム決定シート出して。
(一同笑)
アメリカによくある名前をランダムで決定できる表。本当はどうでもいいエキストラの名前を決める時などに使うものなのですが、なぜか重要人物までこれで決められてしまっています。
クリフ
えぇっと、本当にやるの?
DL
やるよ(笑)クラブの9。
クリフ
ちょっと待って。そんなに即出るわけないだろ(笑)
ヨハン
アリスがNow Loadingしてる(笑)
クリフ
えぇっと……男性? ジョンだね。
アリス(?)(DL)
「ジョンです」
ヨハン
出口の扉に手をかけて「じゃ、行って来る」
(一同笑)
マグノリア
短絡的~(笑)ジョンってどれだけいると思ってるんですか、マスター。
クリフ
ありふれすぎてるよ。
というか、このルールで名前が決まらないときに強制的に決定される名前が、そもそもジョン・スミスなんですが。
ヨハン
「では、お前を殺すには一体どうすればいい。首を刎ねればいいのか?」
アリス(?)(DL)
「この塔の最上階……そして彼女たちを救ってあげてください。彼女たちは今苦しんでいます」
ヨハン
「お前の力とはどのようなものなのだ」
アリス(?)(DL)
「私の力、それは概念を操る……」
アリスの言葉に突然雑音が混じり、その姿が消えた。
ヨハン
「概念を操る」ではわからん。
クリフ
いきなり電波状態が悪くなった(笑)
DL
そんな感じで消えた。
クリフ
うわー、質問し損ねた。ま、いいや。
DL
何か訊きたいことがある?
クリフ
先生を殺した理由。
DL
ああ。じゃあ、ヨハンの質問で消えてしまうから、その前に訊いたってことで。
クリフ
「田舎のしがない町医者なんかを殺したのは何故だ」
アリス(?)(DL)
「あの方も、私が殺したようなものです。私の能力をより完璧なものにするために……」
クリフ
「待ってくれ。先生はただの人間じゃないのか?」
アリス(?)(DL)
「あなたは何も知らないのですね。あの方は優秀な科学者でした」
クリフ
そうなの!?
DL
そう。
マグノリア
初めて知る真実(笑)
クリフ
いやあ、知らなかった。
アリス(?)(DL)
「元々は、プロジェクト・アリスの中枢の人物でした」
クリフ
そうだったのーっ?(笑)
DL
(笑)
クリフ
「先生が……ッ?」
アリス(?)(DL)
「彼女はその重荷に耐え切れず、逃避しました。そして、差し向けられた追っ手によって……」
クリフ
追われてるのに子供育てるなんて悠長なことやってたのかあの人は(笑)
マグノリア
だから足がついたんじゃない?
クリフ
てことは何だ、クリフが間接的に殺したようなもんだね。
DL
そうそう。そういう事だ。
クリフ
最悪。じゃあ、力いっぱいショック受けまくってる。がーんがーんがーん。
ヨハン
「責任者は誰だ」
アリス(?)(DL)
「ジョンです」
ヨハン
ああ、そうか。じゃあ、扉に手をかけて……
(一同笑)
マグノリア
短絡的ぃ~(笑)
クリフ
「ジョンって誰だ」
アリス(?)(DL)
「……私の父です」
マグノリア
えーっ。
(しばし沈黙)
クリフ
じゃあ、そういう質問した後で、ヨハンが「お前の力とは」って訊いて、ザザザーって。
DL
じゃあ、消えるんじゃなくて、画像がわずかに乱れる。で、今まで白い着物みたいなの着ていたんだけど、黒い着物に変わって表情も別人になる。
黒いアリス(?)(DL)
「私の能力が見たいのか? ならば今ここで教えてやる」
クリフ
「うわ、ヤバっ!」
ヨハン
「手っ取り早い。願ったり叶ったの展開になってきたようだな」
ヨハンが抜刀した途端、『金属はこの世で最も重い』と声がした。刀が突然重くなり、ヨハンは武器をとり落とす。
マグノリア
ごめん、俺も倒れる。
DL
そうだね(笑)
君は腰まで床に埋まった。
クリフもガンベルトが切れて銃が床に落ちる。
クリフ
ええい、この最強厨め!
DL
「なんだそれは」って言う(笑)
クリフ
クシィも体に機械埋めてるからぶっ倒れてそうなんだけど。
DL
ああ。後ろから悲鳴が上がった。マシンアームがもぎ取られて転がってる。
ヨハン
ひとつ忘れていないかい。この塔自体が金属でできていることを。
DL
ああ、うん。
ヨハン
塔が地面にずぶずぶー。
クリフ
もしくは、そのへんにあるオートマータたちがガシャガシャー。
DL
とりあえず、椅子に座っていたエックスナンバーの四体はつぶれた。
(しばし沈黙)
クリフ
……うん。親切にも見せて貰ったけど、この後どうしよう。
黒いアリス(?)(DL)
「(邪悪な笑みを浮かべて)さあ、次はどうしてくれようか」
ヨハン
「大きくはなれまい」
(一同笑)
マグノリア
次は小さくするのかい?
ヨハン
何故わかる(笑)
マグノリア
そして最後にぱっくり食べるかい?
長靴とか三枚とか。
ヨハン
小さくなったら「マグノリア」
クリフ
マグノリアに食わせるのか。そしたらマグノリアがダークに食われて。
マグノリア
そんな機能ついてないよ。喉の奥に発声装置がついているだけだよ。

黒いアリス(?)(DL)
「おっと、そうだった。鉄というのは貴様らの血液の中にも含まれているのだったな」
その言葉が聞こえた瞬間、クリフとヨハンは床に倒れた。
クリフ
つまり、その子が思いつかない限りは能力は発揮されないわけ?
DL
どうかな? まあ、君らは体が急にだるくなったんだろうな。
マグノリア
うーん、難しいところだ。
DL
何か言う事とかやることとかないのか、みんな。
クリフ
だって《意志力》とかで抵抗できないんでしょ?
(しばし沈黙)
ヨハン
じゃあ《話術》を使って、「お前の体の中にも鉄は流れているぞ!」
黒いアリス(?)(DL)
「残念だな。私の実体はここにはない。
……ふっ、つまらんな。こんな所で貴様らに倒れられてしまっては、ショーとして成り立たない。さあ、更に登って来い。私はそこで待っているぞ」
クリフ
「(苦い顔で唾を吐いて)ご親切なことで」

クリフ
そのへんに落ちてるクシィの腕とか拾って状態を見に行く。
「(クシィに)で、あんたはどうするんだ。まだ来る積もりなのか」
クシィ(DL)
「命がいくつあっても足りませんね……」
マグノリア
今ここでいなくなられても、困るんじゃ。俺たちが塔を登れないでしょ。
DL
……役に立たないな、クシィ。
マグノリア
そういう役どころなんだからいいんじゃない?
クリフ
……いや、十分役に立っていると思うけど。

SCENE 4-1
マグノリア
「とりあえず進みましょう。今はそれ以外ないですから」
廊下へ出た彼らは、特定の通路にのみ明かりがついているのを見る。
クリフ
「……こっちへ来いって事らしいな」
ヨハン
じゃあ、明かりのついている通路へ。
暫く明かりの導きにしたがって歩くと、広間に出た。その中央に誰かが背を向けて立っている。
ヨハン
「こんな所にいたのか、ヴィクトリカ」
DL
君ら今回鋭いなあ(笑)
クリフ
いや、それしかないだろう(笑)
DL
くるりと振り向く。
クリフ
なんか、ゲームのラストダンジョンのようだね(笑)

ヴィクトリカ(DL)
「ようこそ……待っていたよ」
ヨハン
待たれてもなぁ。
クリフ
「(軽いため息)いい加減教えてくれてもいいんじゃないのか? 俺たちも何も解らないまま戦うのは、もううんざりなんだよ」(笑)
ヴィクトリカ(DL)
「おそらく、このシナリオの終わり際に解るだろう」
(一同笑)
マグノリア
すごい一言を言いやがった(笑)
クリフ
「そうか、今話す気はないって言いたいんだな。しなりおとかワケのわかんねー事言いやがって」(笑)
ヴィクトリカ(DL)
「プロジェクト・アリスの能力についてはお前達もだんだん解ってきたのではないかな」
(しばし沈黙)
ヨハン
「とても凄い力だという事はよくわかった」

ヴィクトリカ(DL)
「昔々ある所に、一人の病弱な少女がいました。少女の名はアリスといいました。少女の父は研究者でした。その研究とは……
唐突だが、君らは平行世界というものを知っているかね?」
マグノリア
「なんですか、マスター」
ヨハン
「……ああ、そういえば天羅にもあったな」と、知ったかぶりをしている。
(一同笑)
マグノリア
「さすがマスター、なんて博識な」(笑)
クリフ
「知らねぇ。何だ、平行世界って」
ヴィクトリカ(DL)
「そうか。ではヨハンに説明してもらおう」
クリフ
「そうか、ヨハンは解るのか。凄ぇな!」(笑)
ヨハン
「あれは天羅に行った人間でないと解らないからな」
DL
「説明したところで君たちには解るまい」って(笑)
ヴィクトリカ(DL)
「ではわたしが説明しよう。
平行世界とは、この世界と全く同じ、もしくは似通った姿を持つ世界のことさ。
わたしも詳しい事は知らないが、当時の研究ではそれは無限に広がっていることがわかっていたようだ。
そこでは、この世界と微に入り細に入り異なった部分があるのだそうだよ。
だが、根源は同じなのだそうだ。
……何を言っているのか解らないか?」
マグノリア
「さっぱりだわ」
クリフ
「ま、よーするにどんな世界でも、リンゴは下に落ちるってことか?」
ヴィクトリカ(DL)
「世界によってはそれが上に落ちることもあるのだそうだ。そして、そういった世界は無数に存在する。それぞれが干渉することは決してない距離をおいてね」
マグノリア
「そのこととアリスと、何か関係があるの?」
ヴィクトリカ(DL)
「その父親は娘を研究に差し出した。娘を救おうとしたのだろうな。その研究こそが……」
ヨハン
「プロジェクト・アリス」
ヴィクトリカ(DL)
「そうだ」
マグノリア
すみませーん、て申し訳なさそうに手を上げる。話の内容がごっそり抜けた気がします(笑)
ヴィクトリカ(DL)
「プロジェクト・アリスとは、因果律をねじ曲げ、都合の良い結果だけを生み出すための研究技術。
つまり、平行世界の無限の可能性の中から、有利な結果だけを拾い集めてくるというわけだ。
そこにいたかも知れない、あったかも知れない、起こったかも知れないという可能性。その、わずかコンマ何%というパーセンテージをかき集めて100%にする。
それが、『概念』だ」

(しばし沈黙)
クリフ
そんなのSF知識のないクリフ君に解るわけないだろ!
DL
クリフの頭から湯気が立ってる。
クリフ
ぷっしゅ~(笑)
「ああ、そうだ、俺は先生の仇を探さなきゃ」って虚ろな目で言ってる(笑)
マグノリア
「現実を見なさい、現実を見なさい」って肩ゆすってる(笑)
クリフ
何も見えない聞こえない(笑)
ヨハン
ヨハンはまるで全てを理解したかのような表情でうなずいている。
DL
「そうだろう、やはりな」とか言ってる(笑)
クリフ
いや、プレイヤーはなんとなく解ったけどさ。

ヴィクトリカ(DL)
「君たちにこんな説明をしてもわかりはすまいな」
クリフ
じゃあ、頭から湯気をポコポコ出しながらクリフが「よーするに、自分の都合のいいように世界を捻じ曲げるって事だな?」
ヴィクトリカ(DL)
「つまり、そういう事だ」
ヨハン
「娘の病気を治すためだけに、その力はあまりに大きすぎる」
ヴィクトリカ(DL)
「そうだな。父親は当初、その能力で娘を治そうとしたのさ……だが、残念ながらそれは叶えられなかった」
マグノリア
「それはまた何故?」
ヴィクトリカ(DL)
「この計画の核となるアリスは、文字通り能力の『核』なのだよ。
無限に広がる平行世界の中にも、対存在がある。つまり、この世界に限らず、他の世界にもアリスがいるのだ。そのアリスを全て一点にかき集めればどうなる? アリスを中心に全ての世界が重なることになる。
つまり、アリスこそが『概念』を抽出するための蛇口みたいなものなのだ」
ヨハン
「全ての世界を縫いとめる、ピンだというのか」
ヴィクトリカ(DL)
「そういうことさ。
そして、この世界での大きな特徴は、『アリスが慢性的に病弱である』ということ。この点を変える事はできない。変えてしまったなら、この世界のアリスの存在そのものが危うくなってしまうのだ。
つまり、アリスそのものを変質させてしまえば、世界を縫いとめる力は消えてしまうということさ」
クリフ
じゃあ、まかり間違って病気が治っちゃったー、とか。
DL
いや、ちゃんとした手段で治るなら大丈夫だけど、概念の力を使って直そうとすると外れる可能性がある。
ヴィクトリカ(DL)
「なんとも皮肉な話さ。娘を救うために始めた研究が、その実なんの役にも立たなかったのだ」
クリフ
「で、その事とお前がここにいることとどういう関係があるんだ」
ヴィクトリカ(DL)
「わたし達はアリスの心から生まれた」
マグノリア
は?
クリフ
はい?
マグノリア
ぽかーんとしてるわ(笑)
(一同笑)
ヨハン
「馬鹿を言うな。お前はジョージ・ブッシュが作り出したのだ。お前は洗脳されているのだ」
クリフ
『わたし達』だから、要するにあの四人も含むってことだよね。
ヨハン
「お前はまた騙されているんだ」
マグノリア
「何を言っているの?」
ヴィクトリカ(DL)
「アリスは病弱で、表には出られない身だ」
マグノリア
慰め役でしょ?
クリフ
お人形遊びしてたわけだね。
ヴィクトリカ(DL)
「彼女たちは我々の後に生み出されたのだ」
マグノリア
「お待ちなさい。するとあなたもあの四人と同じシリーズだという事になるの?」
ヴィクトリカ(DL)
「そうだ。わたしとヴィクトリアが一番最初に生み出された」
クリフ
「ヴィクトリアもお前も、法王庁がらみで働いていたんだろう?」
ヴィクトリカ(DL)
「解らないかね。つまり、この研究そのものが法王庁の中で行われていたのだ。
いや、正確には法王庁の母体となった組織の中で」
クリフ
「つーことは……内輪もめってことか(苦笑)」
ヴィクトリカ(DL)
「ジョージから聞いていないのか? この世界にはもともと、新教と旧教というものがあってね」
マグノリア
そんな話はしていたね。
クリフ
でも、新教と旧教はもう全然関係ないぞー、みたいな言い方してたけどね。
DL
関係ないぞというか……。
マグノリア
内部で何か揉め事があるのかもしれないし。
クリフ
「で、そのアリスが生きていたのは何年前の話なのかな」
ヴィクトリカ(DL)
「二十年位前か」
マグノリア
「意外にお年なのね、アリスって」
クリフ
「二十年なのに風化してるのか、あの四体は」
ヴィクトリカ(DL)
「彼女達のボディーそのものは、彼らが作ったものではない。元々このバベルの中にあったものなのさ」
マグノリア
ああ、転用しただけってこと?
クリフ
要するに、兵器かもしれない四人に、適当に……
DL
心を与えたということだよ。
ヨハン
「バベル自体は元からあったものなのか?」
ヴィクトリカ(DL)
「どうやら、そのようだね」
クリフ
まあ、要するに、一番最初にバベルというなんだかよく解らない施設があって、中にオートマータがぎっちり入ってたわけだよね。
で、そこに二十年位前に旧教の連中が入り込んでアリス・プロジェクトをやらかした。
オートマータのうち四体に心を与え、どこから出てきたかわかんないけどヴィクトリアとヴィクトリカを作って……。
DL
いや、ヴィクトリアとヴィクトリカもここにいたんだよ。
クリフ
あ、そうなの?
DL
でも、さっき並んでいたオートマータの中にヴィクトリアとヴィクトリカはいなかった。
クリフ
まあ、特注品ってことかね。
マグノリア
オリジナルってこともあるよね。
ヨハン
てことは、天羅とテラに降りたのとはまた別の移民船ってことか。
クリフ
前にジョージ・ブッシュが言っていた移民船がどうのって話は、いつからあるか解らないバベルのことを指しているわけ?
ヴィクトリカ(DL)
「なるほど、クリフは今日は冴えているようだな」
クリフ
……ごめん、プレイヤーがべらべら喋ってるな(笑)
クリフはそんなに冴えてないぞ、多分。
DL
誰が喋ってたんだろう……クシィが喋ってる。
クリフ
ああ、いいよそれで(笑)
マグノリア
クリフにアンテナが生えてて、どこか遠い目をしながら喋っている。
クリフ
クリフが何か馬鹿な事言おうとすると、後ろからクシィが「なるほど、つまり……」って喋ってる(笑)
DL
「知っているのかクシィ!」ってみんな言うんだ(笑)
クリフ
いいよそれで(笑)
マグノリア
君のクリフはそんなんでいいの?(笑)
クリフ
だってSF知識ゼロの人に、そんな推理できるわけないでしょーっ(笑)
マグノリア
できるかも知れないじゃないか、前知識としてあるんだし(笑)

ヴィクトリカ(DL)
「その通りだ、この塔こそが宇宙船(ふね)なのだよ。墜落した、ね」
マグノリア
「墜落した……」
クリフ
「降りたんじゃなくて、堕ちたのか」
ヴィクトリカ(DL)
「そういう事だ」
クリフ
ああ、ざくっと刺さっちゃってるんだ。そういう事か(笑)
「で、ここで作られたからってここに戻ってきて……要するにアリスを守りたいと思っているわけか? 
意味が全然わからんのだが」

SCENE 4-2

マグノリア
「その話を聞く限りでは何が悪いとは思えないのだけれど……」
ヴィクトリカ(DL)
「我々は我々のために戦わなければならないのさ」
マグノリア
ごめん、根本的なことを訊いていい? ……プレイヤー発言にしちゃいけないな。
「アリスは、自分の生活を守っているだけなのかしら、それとも他に何かする積もりなのかしら」
ヴィクトリカ(DL)
「アリスの自意識なんてものはもう残っていないはずさ」
ヨハン
「では、今アリスを動かしているのは?」
ヴィクトリカ(DL)
「ここまで話をしていてわからないかね。ジョンだよ」
ヨハン
「それは解るが、ジョンは何のためにアリスを動かしている。死んだはずのアリスを」
ヴィクトリカ(DL)
「アリスは今深い眠りのうちにある」
クリフ
黒アリスがジョンで、白アリスがもしかしたら生き残っているかもしれない彼女の意思ってことか。
DL
ディーラー的に言うと大正解。
ヨハン
「ジョンは何がしたいのだ。何をしようとアリスの病気が治るわけでもない」
ヴィクトリカ(DL)
「ジョンは新しい世界を創造しようとしているのさ。この世界を一度終わらせて」
クリフ
「そこでは娘がちゃんと元気に生きているかも知れない……」
ヴィクトリカ(DL)
「全ての平行世界を統合し、新たな世界を創造する」
マグノリア
それはそれでいいんじゃないのーって思ってしまう(笑)
DL
マグノリアが「いいんじゃないですか?」って言ってる(笑)
クリフ
「私も分解されなくて済むかも知れませんし」(笑)
マグノリア
「私はマスターのお側にいられれば、それで……」
クリフ
「いや、マスターの側にいないお前だっているかも知れないぞ」
ヴィクトリカ(DL)
「マスターと敵対している君さえいるかもしれない」
クリフ
「むしろ、守護騎士仲間と一緒にいる確率のほうが高いだろう」
マグノリア
ああ、そうね。
ヨハン
そしてヨハンフラグを立てたクリフがいるかも知れない。
(一同笑)
DL
それをいいものとして受け入れてしまっているクリフもいるかも知れない(笑)
マグノリア
甘美な薔薇の世界だ(笑)
クリフ
そもそもテラに渡って来ていないヨハンもいるかも知れない。戦で大勝利を収めて(笑)
マグノリア
モイラとラブラブなクリフもいるかも知れない(笑)
DL
……いいけど君ら、いい事ばっか考えるな(笑)
ヨハン
いい事か?(笑)
クリフ
とりあえずクリフは子供の頃にのたれ死んでいる可能性が高いな(笑)
DL
そもそも、クリフがクリフとして存在している可能性すらあるかどうか。
クリフ
そうだね。

クリフ
「なんか乗せられたみたいでものすごくムカつくが、俺たちはそれを止めに来たわけだ」
DL
そうだね(笑)やっと語られた。
クリフ
内輪もめに引っ張り出された俺の超迷惑っぷりが(笑)
マグノリア
意気揚々とやって来たものの(笑)
クリフ
一応話を聞いてみたら、仇で間違いないらしいってことは(笑)
DL
とりあえずその点に関しては安心した(笑)
クリフ
となると、私超部外者かな(笑)
DL
いやいや、仇仇。
クリフ
……(疲れ気味に)もういいや。
DL
もういいんだ(笑)

マグノリア
「もう一つ聞かせてもらえるかしら。ジョンはジョンでこの世に存在しているわけよね。あなた達はアリスを守れればそれでいいのよね?」
ヴィクトリカ(DL)
「さて……どうなのかな」
マグノリア
「私たちがジョンを倒そうとどうしようと、あなたたちには無関係なのではなくて?」
ヴィクトリカ(DL)
「正直に言おう。わたしと奴らの間では、アリスを排除することに関しては折り合いがついていたのだ。
だが、我々には告げられてはいない、ジョージとジョンの間で伏せられていたアンフェアな秘密がひとつあってね。そのために我々は退く事ができない」
マグノリア
「あら、それは何かしら。新事実だわ。ジョンを排除しようとすると、アリスも排除されてしまうという事かしら」
ヴィクトリカ(DL)
「ジョンを排除するということは、同時にアリスを排除するという事だ。
我々はアリスを救うためにアリスを殺すつもりでいたんだ。
だが、わたしたちは今、わたしたち自身のために戦わざるを得なくなっている」
ヨハン
「アンフェアな秘密とは?」
ヴィクトリカ(DL)
「さあ……それについて今ここで語るべきなのか、どうなのか……」
彼女の背後に、三つの扉が現れた。
ヴィクトリカ(DL)
「残念ながら、ここで君たちに話すべきことではないようだ。あとは、君たちがそれぞれに聞き出すといい」
クリフ
「それぞれに?」
マグノリア
うわー、俺たちは俺たちでアンフェアな戦いのような気がする(笑)
(一同笑)
クリフ
扉を開けるとSFの群れがッ!

ヨハン
「娘の幸せを願う親心、解らんとは言わぬが、この地に住まう人々が築いてきたものを、そのような勝手で潰させるわけにはいかん」
ヴィクトリカ(DL)
「君たちはそうだろう。だからこそわたし達は口にするわけにはいかない。何故なら、それを口にすれば恐らく君達は手を引いてしまうだろうから……
お喋りはこれまでだ」

クリフ
じゃあ、そこでクリフが行こうとした扉の前に、「当然私が行く」みたいな顔でクシィがいる(笑)
DL
なんで(笑)
クリフ
四人いるのに扉みっつなんだもん。
DL
クシィは残るよ。
クリフ
あ、部外者って自覚はあるんだね。
(一同笑)
DL
非道い、クリフ非道いッ(笑)
マグノリア
いや、俺達が話している陰で、クシィは扉一つずつ勝手に開けて、ガチャッ、ぼーん(笑)
DL
離している隣でクシィが扉開けて入って、閉じた扉がガン、ガガガン! って揺れて、「ぎゃー」カチャッ。ぽいっ。
(一同笑)
マグノリア
真っ黒コゲになって(笑)
クリフ
そして「ここは私の扉ではないようだ」って言って隣に入る(笑)
DL
そうやってクシィは戦闘不能になった。
クリフ
で、それを見て戦々恐々としている私達が(笑)
DL
「一体この扉の向こうには何が!?」
「だからお前らが行けっつーの」ってヴィクトリカが(笑)
ヨハン
「では、どの扉を開けるかな」
ヴィクトリカ(DL)
「それぞれにふさわしい相手が待っているだろう」

ヨハン
「よし、私は当然真ん中の扉へ行こう」
DL
じゃあ、赤い扉だ。赤い扉があるよヨハン(笑)言って、ほら。
ヨハン
ん? じゃあ赤い扉を突き抜けた。
クリフ
流されたよ(笑)
DL
じゃあ、○って書いてあるほうに突っ込んだら泥水に落ちた(笑)
ヨハン
アメリカに行けなかった。
クリフ
泥が正解でセメントが不正解。
(一同笑)
DL
破った瞬間白いものが見えるから「これ正解なんじゃね?」って思ったら、コキャッて(笑)
マグノリア
じゃあ、ヨハンが飛び込んだのと同じ扉に飛び込む。「Master~」
DL
ヨハンが飛び込んだら扉はふっと消える。
マグノリア
「ああ、マァスタァ~」(笑)
ヴィクトリカ(DL)
「残る扉は二つ。どちらにする」
クリフ
「(ため息混じりにコインを弾いて)……表か。不吉だな」って言いながら扉に入る。
ヨハン
するとそこは風呂場で、「きゃー、のび太さんのエッチー!」(笑)
(一同笑)
クリフ
うわぁ、いいもん見た(笑)
マグノリア
え、小学生なのに?(笑)
DL
やっぱりロリじゃねーか(笑)

マグノリア
「まあ、仕方がないわ。敵の本拠地に入ってしまったのだから。
マスターが待っているの。私の邪魔をする者は全てなぎ倒していくわ」
クリフ
むしろマグノリア、壁を破壊してマスターが消えたほうに!
マグノリア
そこまで馬鹿じゃないから(笑)
クリフ
えー、やんないの? 前に第四話あたりなら楽勝でやりそうなんだけどな(笑)
マグノリア
空気読まないと(笑)

最後の扉が消えるのを見届けたヴィクトリカは、「頼んだぞ、お前達……」と呟いて姿を消した。

SCENE 5

マグノリア
僕らは暗い道を歩かされて、向こうにちっちゃく光が見えるわけだね。
DL
そう。で、君ら誰か戦いたい人いる? あ、ブレンヒルドはいないから。
(一同笑)
マグノリア
時空の向こうへ飛んでいった(笑)
クリフ
とうとう部外者宣言されたか……じゃあ同じく部外者宣言されたクシィに(笑)
DL
いやいや、わかったわかった、種明かしするわ。今の扉とか出してるのブレンヒルド。
ヨハン
なるほどね。じゃあエイスでいいや。
DL
「でいい」だと?(笑)
クリフ
そのへんの壁をくすぐるとブレンヒルドが。
DL
ぎゃー(笑)思い切り箒でひっぱたかれる。「このエッチ!」って(笑)
クリフ
壁から手がッ!
マグノリア
僕はモイラって言いたいけど、それは……
DL
モイラはクリフだな。
クリフ
え、そうなの?
マグノリア
でしょ?(笑)
DL
するとSFがマグノリアだね。
ヨハン
じゃあ、〈生きて再会する〉でチームでも組むか。
DL
離れていても君達の心は繋がっているからチームチップがある。
クリフ
なんか、最近チームフェイトが後ろ向きだよね(笑)
言葉は前向きだけど、動機がすごい後ろ向き。
DL
そうだね(笑)
マグノリア
モイラなら戦闘楽だったのになー。
DL
悪魔の種入ってるから?
マグノリア
いや、《フリーズ》で動けなくしたらあとは遠くから撃ち続けてれば(笑)
(一同笑)
DL
そういう時は『概念』が働くから大丈夫(笑)
マグノリア
そういえば、『概念』について訊くのを忘れたな。『概念』を使えるのはアリス一派だけ?
DL
そうだね。アリスの加護を受けた者だけ。
マグノリア
確実に俺達は使えない不利な戦いだね。
DL
まあ、言ってしまうと賢石というものがあってね。
マグノリア
そこまでネタバレしなくていいよ。

DL
ヨハンが真っ暗なところを歩いてゆくと、向こうに明かりのついた部屋が。入ると板の間で、四隅に蝋燭が立った、いかにも試合場ですみたいな所だ。
ヨハン
「ほほう。この私のために用意された決闘場か。なるほどここはいい所だ」
エイス(DL)
「我らが殺しあうには似合いの場所でございましょう」
ヨハン
「気が効くではないか、エイス(豪快に笑う)」
エイス(DL)
「いざ、参りましょう」
エイスの横に空間から浮かび上がるように巨大な刀が現れる。ヨロイが使うような野太刀の柄だ。
クリフ
オッさんに打ってもらった刀を捨てたなー!
DL
いやいや、さいしょからきっとそういう刀だったんだよ。
エイス(DL)
「新たに打ちあがった我が八連……斬艦刀」
マグノリア
うわー、我に斬れぬものなしだ!(笑)
エイス(DL)
「我に断てぬものなし」
DL
エイスがサムライ・トランスフォームすると指が伸びて、その伸びた指でヨロイサイズの刀を使う。
ヨハン
じゃあ俺もサムライ・トランスフォーム。
「武器を大きくすればいいというものではない。そのような物に頼るお前の心が未熟なのだ」

DL
マグノリアが進んでいくと、行く手に扉が。だからヨハンの場合はきっと障子があった。
マグノリア
「まったく、面倒くさいことをするのね」
DL
中は木漏れ日が差し込む庭園。そこにはテーブルがあって、椅子があって、ティーポットで茶を注いでいるSFがいる。
クリフ
良かった、私のところじゃなくて(笑)
SFにティーポットとテーブルってすごい嫌な思い出があるんだもん(笑)
DL
机の遮蔽物を無視して腰を撃ち抜かれた記憶が(笑)
SF(DL)
「いらっしゃいませ、マグノリア様」
マグノリア
「あなたがいたなんて。まあ、何となくわかっていたような気もするけれど」
SF(DL)
「お茶でもいかがですか」
マグノリア
「いいえ、私にはあなた達のようにそういう物を体内に取り込む機能はついていないから、お気遣いは無用よ」
SF(DL)
「かしこまりました。なにより我らはメイド。奉仕をする心はあれど、奉仕をされるいわれはございませんね」
マグノリア
「そうよね、その通りだわ。私の場合は、奉仕の対象はたった一人だけれどね。
さあ、何もしないのならどいてちょうだい。私はマスターのもとへ駆けつけなければならないのよ」
SF(DL)
「否。SFもアリス様にお使えする優秀なメイドでございますれば」
マグノリア
「……前から言おうと思っていたの。自分のことを「優秀」と言うのは、若干おこがましいのではないかしら。……そうね、自分で「美少女戦士」だと言い張る女の子のようよ」
(一同笑)
マグノリア
「自分で言ってしまっては廃るわ。もう少し奥ゆかしさを持つべきね、あなたは」
SF(DL)
「恐れ入ります。ですがSFは優秀なるメイドであるが故に」
(一同笑)
クリフ
話聞いてない(笑)
マグノリア
「まあ、それはそれでいいわ」
SF(DL)
「それでは始めましょう、マグノリア様。あなたのサービスが上か、私のサービスが上か……」
マグノリア
怖いよー、絶対負けるよ。
クリフ
給仕合戦でもするのか(笑)
DL
じゃあ、とりあえずバケツとモップを取り出す。
マグノリア
だから、私はマスター以外にご奉仕する気はないと言っているわ(笑)
DL
とりあえず重機関銃を取り出す。
マグノリア
とりあえず重機関銃(笑)
クリフ
しかもご丁寧にふたつ出したよ(笑)
マグノリア
じゃあ俺はスカートばたばたって振ってどーんと落として、「また割れたわ」
落とした瞬間にチャリチャリチャリーンって音がする(笑)
DL
じゃあ、新しい真空管を差し出す(笑)
マグノリア
「確かにあなたは優秀ね」(笑)
クリフ
この時点でSFにポイント1だね(笑)
SF(DL)
「その通りです、マグノリア様。では、始めましょう」

DL
クリフは暫く進んでいくと、いかにもテーマパークですって感じのゲートがある。
クリフ
「これは何の冗談なんだ……(頭を抱えてゲートをくぐる)」
モイラ(DL)
「兄ちゃん、やっぱりここまで来てくれたんだね」
マグノリア
伝説の木の下が待ってるぞー(笑)
クリフ
ちょっと待って、にぎやかな施設にモイラ一人しかいないんだよね?
DL
そうだね。ただ煌びやかにメリーゴーランドが回っていたり。
クリフ
私はモイラの姿を見てはっとして駆け寄ろうとしてから、ニヤリと笑う。
「なんだ、生きてたのかよ」
モイラ(DL)
「ボクはここでずっと待っていたよ」
クリフ
ずっと? 身の危険を感じる。その台詞はヤバい。
DL
とりあえずモイラはジェットコースターのレールの上にいる。
クリフ
え?(笑)
「おーい、お子様。危ないから降りて来いよ」
モイラ(DL)
「じゃあ、始めようか(呼ぶように)」
クリフ
「やれやれ……そうだな。前に「遊んでやる」って言ったもんな……付き合ってやるよ」
DL
クリフがジェットコースターの階段を上がっていくと、丁度折り良くコースターががーって来る。
クリフ
コースターの上で戦えっていうんだね……。
マグノリア
ドーン(笑)
DL
モイラがレールの上にいるから上ろうかなとしたら……
クリフ
よじよじしてたら轢かれた(笑)
マグノリア
ガシャーン!「兄ちゃ~んッ!」(笑)
それはそれでクリフらしいかなと思ってしまう。
クリフ
というわけで上半身が消し飛んだ。
DL
下半身の切断面から上半身が再生した。
ヨハン
心臓が残っていれば再生する(笑)
クリフ
プラナリアか私は(笑)
コースターにのっかる。
マグノリア
足場が悪い、めっちゃ不利な戦いをさせられている気がするんだけど(笑)
クリフ
まあ、「俺も付き合いいいよなー」とか思いながら。《ロデオ》持ってればいいのかも知れないね、こういう状況。
DL
じゃあ、ジェットコースターが滑り始めたところでそれぞれ戦闘が始まります。
クリフ
平行で進むのか。
マグノリア
ごめんよ、僕の君たちへの愛は届かないよ。

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