【♪Heartbeat, Heartbreak】
GM
ではお次は佐倉光
佐倉 光
へーい
GM
あの不思議な出来事から離れ、佐倉は街を歩く。
夢の中のようなあの出来事の証拠は、もはや左手の篭手と懐の一枚のカードだけだ。
佐倉 光
あれは悪い夢。
だけどあの内から突き上げる万能感と高揚は悪くなかった。
ずっと居場所がない気がしていたけれど、ほんの少しの間、生きていると感じられた。
GM
そんなことをぼんやりと考えながら、しかし記憶を辿り街路を行けば、気が付けばそこは渋谷の裏路地。
大人の店や、なぜか外に価格表が提示してあるホテルなどが立ち並ぶ一角。
佐倉 光
憧れがなくはないが、今の自分には遠い場所だ……<ホテル街
GM
その並びにある、見るからにエスニックな装いを纏った店があった。
目的の占いの店だ。
佐倉 光
占いの店に入る。
やっと日常に戻ってきた気がする。
波照間 紅
秀吉書店www
GM
ちりりん、とドアベルが鳴る。
中に入れば、そこは待合室。
占いを希望する客はここで待ち、自分の番になったら奥のスペースへと移動し、占いを受けるのだ。
佐倉 光
まあここもいい加減慣れたものだ。他に客がいなければ奥に入る。
GM
天井から釣られたベールを掻き分け、奥へと進む。
やがて、幾重ものベールの向こうに、ランプの置かれたテーブルが見えてきた。
※上記画像
そして、最後のベールをくぐった瞬間。
突然横から霧吹きのように細かい水しぶきを浴びせられた。
佐倉 光
「ぶわっ! な、なんですか!?」
GM
「お前、くっせぇ」
言葉と共に、更に、二度、三度。
佐倉 光
「うわっ、えっ、くさ? なんだか分からないけどごめんなさい!」
今までにこんな仕打ちを受けたことはありますか? 
GM
そういえば、こんな人だった、と思い出すかも。
吹き掛けられるその向こうに、肌も露なショートカットの女性の姿があった。
なんだか怖さをおぼえてしまうようなやぶにらみのその表情のまま、無言で手にもった消臭スプレーを吹き掛けてくる。
【♪Electronica In Velvet Room】
波照間 紅
ひょーファンキー
佐倉 光
「今日はなんなんですかもう。ファ〇リーズは人に向けるもんじゃないって、前にも」
GM
「なんか肉が腐ったみたいなニオイする。オマエ。もう最悪」
佐倉 光
「ごめんなさい出直します」
と、外に出かけて足を止める。
「肉が腐ったにおい?」
GM
ああ、と頷き。
「なに?いまはやりの熟成肉にでもなろうとしてんの?興味深いけど、見えるとこではやんな」
佐倉 光
「流行ってるんですか熟成肉。聞いたことないです」
ここに来ると何だかいつもツッコミになってしまうなと感じた。
GM
「マジかよ。肉バルとかいかねーの? うまいんだぜ、アレ。オマエはまかりまちがってもそうならなそうだけどな」
佐倉 光
「にくばる……? ええちょっと意味がよく……」
「……臭いますか」
自らの体をくんくんとチェックしてみる。
GM
「お子チャマかよ。……お子チャマか。悪いな」
言い、顔を近づけて、女もすんすんと鼻を鳴らす。
「ああ、だいぶマシになったわ。んで? 何やらかしたん? 殺したオンナの死体処理とかだったら、もっと気の利いたトコ教えてやるけど。警察」
佐倉 光
「殺した……? ええと、僕はやってないけど……死んだ? いやもともとだしあれ」
ぶつぶつ。
GM
「なに、死体でも見つけた? スタンド・バイ・ミー? 懐かしいね」
代わらぬ早口の女性。
佐倉 光
「線路歩いたら危ないです。あと死体っちゃ死体ですけどいやちょっと待って」
勢いで喋りそうになった。
僕はやってなくて、猫にやらせようとしたら言うこと聞いてくれませんでした。
「えー、ちょっと水いただいていいですか」
GM
「高いよ。今」
言い、カーテンの奥へと引っ込むと、ばたむ、という冷蔵庫を閉める音がし、再び姿を現した女性の手には良く冷えたクリスタルガイザー。
佐倉 光
いただけるなら飲むよ。冗談なのかマジなのか分からない価格表からは目をそらしつつ。
GM
「で?今日は何?アタシ忙しいんだけど」
がらんとした店を背景に、女性が言う。
しかし表情は最初からここまでずっと変わらぬ眠そうな三白眼。
佐倉 光
荒唐無稽すぎて信じてもらえるわけはないけど、まあ、この人になら話しても大丈夫という変な安心感がある。
では、ポケットから悪魔カードを出します。
占いのテーブルのど真ん中にばん、と。
うん、見れば見るほどいつも見せてもらっているタローと同じような見た目だ。
「これ……なんだかわかります?」
GM
それをちろ、と視線だけで見やり、ふーん、ともらした。
「面白いことになってんね」
佐倉 光
「わかるんですか」
GM
「そりゃま、仕事柄」
佐倉 光
話を聞いてくれそうなので、電車で見た変な夢のところからかいつまんで説明します。
かくしか
GM
どーっと畳み掛けるように話しかける佐倉をよそに、女性はふーん、へー、そうかそうか、などと言いながら、雑誌をめくったり、そばのポットの中をあさって「あ、飴ちゃんきれてるわ」とかしている。
佐倉 光
いつもの事だし。こう見えて半分くらいは聞いてくれている。はずだ。多分。
三分の一くらいかもしれない。
その過程で変な篭手もらったことなんかも。
「外し方知りませんか……」
GM
「留め金。手首ンとこの」
どこやったっけなー、とか言いながら背後の書棚を探りつつ、はずし方を求める佐倉の声に、一つだけ返した。
佐倉 光
なんと。
言われた通り手首のところまさぐってみよう。
GM
探る佐倉の指先に、何かの突起が触れる。
それを捻った瞬間、重厚な見た目のその篭手は、かちゃかちゃと金属の触れ合う軽い音をさせながら『折り畳まれて』いった。
ちょうど先日佐倉がオンラインビデオで見た、アーマーをまとったヒーローのスーツのように。
気が付けば、重厚な篭手はすっかりと姿を消し、残ったのは手首にはまるブレスレットのみ。
佐倉 光
「えっナニコレ質量保存の法則どうなってんの」
しばらく呆然とそれを眺め、女性に礼を言う。
名前知ってるのかな? 
GM
ただの占い師、としか聞いていないな。
佐倉 光
了解
GM
「さて、と」
目の前で起きたことに目を白黒させる佐倉の目の前、テーブルの上に、ばん、と何かを置き、女性は言った。
それは、一組の古ぼけたタロットのようだった。
「それじゃ、”見て”みようか」
そして今日ここを訪れてから初めて、女性はにやりと笑ったのだった。
ってところで今日は〆ておこう
【♪LA PA PARADISE】
佐倉 光
お疲れ様ー
春日 晴姫
お疲れ様でしたー!
波照間 紅
お疲れ様でした! 物語、ハジマル!
GM
はじまる。

【♪Electronica In Velvet Room】
GM
占い師は、店の奥のソファに座る。
テーブルの上には、一組の古ぼけたタロット。
占い師はそれを手に取ると、まるでそれがトランプであるかのように手軽にシャッフルする。
佐倉 光
ふと、どう考えても軽すぎて当たりそうに見えないこの店に、どうして入る気になったんだっけ、と思った。
実際当たるし、買わされたお守りで実際日常生活が送れる程度に【劇的に】回復しているのだからいいんだけど。
GM
ファローシャッフル、マシンガンシャッフル、リフルシャッフル―――
まるでカジノのディーラーか何かのように、タロットがばららと軽い音を立ててシャッフルされてゆく。
「お好みのところで。ストップって言って」
タロットとはそんなルールだっただろうか
佐倉 光
手品かなんかか。
神秘性仕事しろ。
「ストップ」
GM
言われた瞬間。
「あ」
占い師の緊張感の無い声。
それと同時に、シャッフルミスか、一枚のカードがシャッフルの波の中から弾かれた。
カードはテーブルの上をくるくると回りながら滑り、佐倉の眼前でぴたりと止まった。
佐倉 光
それは何のカードでしょう
GM
タロットには、まるで空中浮遊をするかのように座したまま宙に浮くざんばら髪の裸の男が、鋭い視線でこちらをにらんでいる姿が描かれていた。
その男の周囲には、それを守るように幾振りもの刀剣が舞っている。
タロットの下部にはそのカードの名『Ⅰ:Magician』とある。
佐倉 光
「落ちましたよ」
拾って返そう。
波照間 紅
お、始まりのカードだな
佐倉 光
ろくでもないカード内容だったら「チェンジ」っていうつもりだったw
波照間 紅
春日 晴姫
www
GM
「触ったね」
佐倉 光
「え」
GM
占い師は、受け取らずに人差し指でテーブルの上をとんとんと叩く。
そこへ置けということらしい。
佐倉 光
はあ、じゃあ台に平行になるように置きます。
佐倉 光
あっ フツヌシさんちーす。物理反射は勘弁な。
GM
「全ては縁。オマエが止めたその瞬間、この札が弾き出されたことも。オマエがこの札に触れたことも」
「だから、これはオマエの札だ」
佐倉 光
「……」
何とでもいえるしテキトーな気がするが……
「これマジシャンですか? どう考えても肉体言語系なんですけど」
マジシャン、魔法使いっていったらもっとこう、ローブ着たりしてるもんじゃないのか。
全裸じゃん。
GM
「フツヌシは、刀剣の神。もっと言えば、斬る、切断する音『フツ』に通じ、あらゆるものを切り開ききっかけを与える神」
「あらゆる因縁を超越して、その現象を体現するという意味では、充分に魔術師ダロ?」
佐倉 光
ふーん
神様なのか、これは……
魔術師に剣、ねぇ。やはりぴんとこない。
※佐倉はタロットの知識ありません。
GM
「そして、魔術師の暗示は『創造、スタート、自信』。全ての物語の始まり、状況の無限性。自ら何かをはじめることで、より良い結果を引き寄せる―――」
「オマエ、何か新しいことに巻き込まれるってよ?」
占い師はさも楽しそうににやにやしている。
「いや、巻き込まれたあと、か」
佐倉 光
そういえば、と腕輪に目をやる。
あの謎の機械でネコを操っている間は不思議なほど何でもできる気がしていた。
「悪く……ないかも」
GM
「た、だ、し」
そんな佐倉に水をさすように、占い師が三度ひとさし指を振る。
立てた指で札の角をぴん、と弾く。
札は皇かなテーブルの上で、再びくるくると回る。
そして、まるでそれを狙っていたかのように、佐倉の目の前で今度は上下逆にぴやりと止まった。
ぴたり
ぴやりってなにさ
佐倉 光
ヒヨコがニヒルに笑った
春日 晴姫
かわいい>ぴやり
GM
「こうなれば、意味は逆になる」
佐倉 光
上下直そうとしていた手を止める。
逆ってことは……? 
「創造しない、始まらない、自信ない……」
とりあえず「ない」をつければ逆になると思っている
GM
「魔術師の逆位置。暗示は『自信がない、中途半端、消極的』。自らを信じて、自ら行動を起こせば物語は力強く動き出す。しかし、自信も能力も足りず、全てにおいて決断を他人頼りにしたりすれば、その消極的な態度は全てを中途半端なままに終わらせる……」
「オマエ、どっちなんだぁ?」
佐倉 光
中の人的に耳が痛いw
波照間 紅
ヒロイックなセッションでは中の人のことは棚に上げるべしと心得たり
それにしても正位置逆位置の使い方がうまい>GM
佐倉 光
こういうお話はいかにもペルソナキャラっぽくてイイな。
GM
だぶぴ
佐倉 光
「そりゃあ、こっちでしょう」
とカードを正位置に戻す。
GM
「マジかよ。自分がゴミだとか意味がないとか、何かってーとそういじけてたビョーキはもう治ったのかぁ?」
いかにも疑わしげな視線を向けてくる。
佐倉 光
明日から本気出すの。
GM
それが逆位置だってんだよ
佐倉 光
最初に正位置だっんだから正位置なんですよ!? 
佐倉 光
「そんなの……まだよく分かりませんけど」
「というか、化け物について何か知ってるんですか?」
GM
「そんなの、昔からそこらじゅうにいるだろうよ」
「たまたま、オマエが『本当の姿』を垣間見ちまっただけだ」
佐倉 光
いる、のか。
少しほっとする。
「本当の姿、ってことは、あんなのが実はあちこちに普通の顔して潜んでいる、とか」
まさかなハハハ
GM
「わかってんじゃん。そういうこった」
佐倉 光
その言葉を聞いて猫のカードを見る。
「……なるほど」
GM
「そういうのは、どこにだっているもんだ。ヒトの中にも。ヒトの心の中にも」
「ま」
それはおいといて、と占い師は再び札を指で弾く。
札は三度くるくると回る。
「とにかく、オマエは新しい何かに巻き込まれた。でも、今日あったことを忘れて、このまま帰って飯食って風呂入って一発抜いて明日の朝まで寝こけて、今までの日常に帰るのもアリだ」
「―――んが」
「もし変わった何かを受け入れる、新たな道を探ってみる、ってんなら―――裏渋谷の『Wisdom faction of the star』ってBARに行ってみな」
言い、指で札の回転をぴたりと止める。
札は、真横を向いた状態で止まった。
波照間 紅
お、あそこに集合することになるのかな
GM
「どっちを選ぶかはオマエ私大」
次第
佐倉 光
私大は金かかるんで……
佐倉 光
「裏渋谷?」
裏渋谷って何のことだか分かります? 
GM
最近流行りの言葉だね。
渋谷の奥まった場所で、奥渋谷とも言われる。
渋谷駅から道玄坂、井の頭通りを上がって、ハンズのあたりから外側の、比較的閑静なエリアだ。
佐倉 光
ふむふむ
波照間 紅
裏だと別世界っぽいのに、奥だと一気に奥多摩感
佐倉 光
わかる
GM
「裏渋谷も知らねーのかよ。ほんとにいまどきの若者かオマエ?」
めんどくさそうに眉をひそめながら、テーブルのすみに置かれたこの店の名刺の裏に、ボールペンを走らせる。
「ホラよ」
言って放られるカードには、簡単な手書きの地図。
佐倉 光
「病院暮らし長かったんで」言いながら受け取る。
※中の人も知らない
「ありがとう……」
そこに行けば何かが始まるということか。自分が主人公のゲームが? 
GM
「んじゃ、見料。5000円な」
佐倉 光
「……今度は手加減してくれるんじゃなかったんですか……」
言いながら5000円を出す。
GM
「毎度」
それを人差し指と中指で挟み取り、器用に折りたたむと自らの胸元に差し入れる。
佐倉 光
まあ、ゲーム開始にあたってガチャでも引いたと思えば。
今回はそれなりに有意義な話が聞けた気もするし? 
GM
「で、他にもなんかあるんか?面倒ごとに巻き込まれんなら、そのテのドウグも譲ってやるぜ?もちろんリョウシンテキ価格で」
佐倉 光
「ドウグ? 例えばどんな?」
おっ、マグネタイト屋さんかな? アイテム屋さんかな? 宝石屋さんかな? 
GM
「人差し指で引き金引くだけで、相手の脳天をハジける、ロシア製のおもちゃとか」
佐倉 光
「それ、持ってたらお巡りさんに怒られる奴ですよね」
波照間 紅
それ50%の確率で暴発しない?
春日 晴姫
こわ
GM
「持ってるだけなら関係ねぇよ。見つからねぇようにしとけば。ただし間違ってもウチの名前出すんじゃねぇゾ」
佐倉 光
実際売ってるなら欲しい所だけど、15マッカじゃ無理だよなー
GM
「ま、それは冗談としてだ」
「オマエが自分で道進むってんなら、必要になるものとかさ。そうなったらその時にまた来な」
言い、掌でしっし、と追いやる。
佐倉 光
「……ありがとう」
このモードになったら何を訊いても無駄なので店を出る。
【♪STOP】
GM
では、
春日晴姫
春日 晴姫
はーい

【♪Heartbeat, Heartbreak】
GM
明治神宮をあとにした晴姫の手には、不思議な糸束がある。
社殿から出て、陽光に晒されたそれをよく見ると、風に泳ぐ蜘蛛の糸のように、きらめく一筋がひらひらと伸びているのが見える。
それをたぐって見ても、不思議な事に端は見えない。
ただひとつの方向へとゆらめいているだけのように見える。
『あなたと因縁を結んだ者へとあなたを導く糸』だと菊枝は言った。
春日 晴姫
これは、あの二人の元へ続いているのだろうか…。
GM
糸の泳ぐ先は、確かに南よりやや西方に向かっているように見える。
原宿から渋谷はそう遠くない。
糸を手繰りつつ渋谷へ向かったとしても、それほど時間はかからないだろう。
春日 晴姫
ゆっくり渋谷に向かいます。
GM
糸をたぐりながら渋谷を目指す。
特徴的な形状の建物―――代々木体育館の横を過ぎ、その角を曲がり道沿いに進めば、やがてNHKホールが見えてくる。
糸は、その正面、ちょうど2.26事件の慰霊碑が佇む角を曲がるように、導くようにたなびく。
GM
まだまだ強い日差しを遮るクヌギの木陰の下、細い道を行けば、小学校の横を通る。
ちょうど小学校の敷地が終わろうかというところで、糸はまた異なる方へと流れた。
そちらは、いかにも裏路地といった風情だ。
路地を覗き込むならば、そこがすぐ行き止まりになっているかのように見えるが―――。
春日 晴姫
「…?」
覗き込む。
GM
では、佐倉 光
佐倉 光
ほい
何か始まるとか、あまり深く考えずにとりあえず地図の場所に行ってみる。
GM
占い師のカードに書かれた地図に従ってBARへと歩いていると、目的地まであと少し、角を曲がって路地に入ればすぐといったところで、一人の少女が件の路地を除きこんでいるのが見えた。
佐倉 光
少女ってトシだっただろうか。
春日 晴姫
細かいことはいいんだよ(21歳成人女性)
GM
女性にしておこう
もちろん、佐倉はその人物に心当たりがあるぞ
佐倉 光
その横はさっさとすり抜けて奥へ進もう。
さっきも会ったな、程度にぼやっと。
「行き止まりか……?」
道を間違えたかな、と地図を確認する。
GM
晴姫は、手元のカードを見ながら首をかしげている少年の姿に気付く。
春日 晴姫
「…どうしたの?」
佐倉 光
春日にちらっと視線を送って、「あ、ども」と軽く会釈。
春日 晴姫
「えっと、ども…」
佐倉 光
「ちょっと道に迷ったみたいで。このへんにBARがあるって聞いたんですけど」
「知りませんか」
カードを見せる。
春日 晴姫
BARの道順を携帯で調べてもいいですかね?
GM
もちろん
しかし、
表示されるのはまさしくこの路地の奥だ。
ナビを起動したなら、その瞬間『目的地周辺です。ナビを終了します』だ
春日 晴姫
「…この辺みたい…」
佐倉 光
「もう潰れてる、とか……」
「路地一本間違えたとか、建物の向こう側とか……か?」
周囲を見て回ってみる。
佐倉 光
【俺の五つ星】に依頼出そう。行ったことないけど。
GM
路地の奥へは行かずに?
佐倉 光
ああ、奥も行ってみるよ。
隠し路地とか、壁っぽい扉とか、そんな演出してる店かもしれないし。
GM
奥へと向かうなら、その突き当たりのところ、二階のところにBARという小さな張り紙は見えるだろう。
佐倉 光
ゲームはもう始まっているということか……ッ
そういやこれもパソコンだっけ……と腕輪を見る。
こいつにもナビとか乗ってるのかな? 
見る>張り紙
GM
BARと書いてあると
佐倉 光
電話番号とかのってないのか
その真下に入り口っぽいものは? 
GM
その建物の横に、いかにも古ぼけた、塗装もはがれ錆びの浮いた階段が見える。
佐倉 光
なるほどここかな? 
GM
カードと見比べると、ここであるように思える
佐倉 光
BARって字面から想像してたのと比べると……
「ボロいな」
言いながら階段を上る。
もう毒喰わば皿までだ
GM
晴姫はどうする?
春日 晴姫
ぴょこぴょこと後ろからついていく。
GM
では、糸は少年のあとを追うように二階へとなびいている
佐倉 光
「あれ、おネーさんも目的地ここですか」
さっきのことを考えると、この人について行くとろくな目に遭わない気がする。
春日 晴姫
「お酒が飲みたくって」ついていく言い訳。
この子が逃げようとするなら他の言い訳もする次第だ。
佐倉 光
「こんな……」まだ高いお日様を見上げる。
昼間っから飲もうって? 夜の商売の人……っぽくはないなぁ。
佐倉 光
佐倉の中で春日は「昼間から飲んでるオトナ」ということになりました。
GM
言いながら階段を登って行くと、ほどなく踊り場のような場所。
目の前には一枚の古ぼけたドア。
『Wisdom faction of the star』という、独特な星型の描かれた札と、OPENの札。
佐倉 光
とりあえず本当に目的地のようなので扉を開けてみよう。

【♪STOP】
春日 晴姫
「おじゃまします…」
GM
からんからん、というベルに取り付けられたベルの音。
直後、店内からやたら大きな男の声。
【♪youthful lunch】
GM
「―――だから言ってやったのさ「君はイントネーションのイントネーションが違うけどね」ってな!!」
そして、大きな笑い声。
佐倉 光
「ごめ……んください」いつもの癖で反射的に謝りそうになったのを誤魔化す。
春日 晴姫
びっくりして佐倉くんの後ろに隠れる。
佐倉 光
「オトナの人が幼気な少年に隠れないでくださいよ!?」
波照間 紅
むつかしいことをおっしゃる!w>イントネーションのイントネーションがちがう
GM
よくあるアメリカンジョーク的なあれ
アメリカ人「日本に来て間もないとき日本人にこう言われたのさ」日本人「この単語のイントネーションが違うよ」ってね、だから言ってやったのさ「君はイントネーションのイントネーションが違うけどね」ってな!!
GM
木の内装の店内は、薄暗い、よりはいくらか明るい照明。
いくつものテーブル。それに据えられたイス。
自然と視線が向かうであろう先には、カウンター席に二人の男性の姿。
黒い礼服のようなものに身を包んだ長身の黒人が、隣の青年の背中をばんばんと叩きながら、上機嫌にげらげらと笑っている。
もちろんその青年に見覚えはある。
後姿だが。
波照間 紅
波照間であってる?>GM
GM
あってる。
佐倉 光
「……あっ」
くるりと回れ右を……したら春日にぶつかりそうになった。
春日 晴姫
「ぴゃっ」
慌てて〈回避〉
佐倉 光
おっとっと。観葉植物なんかに突っ込みそうになって抱き上げつつ態勢を立て直す。
GM
「聞いているかね、コウ?全然呑んでないじゃないか!」
波照間 紅
「呑んでる呑んでますってぇ、みんながみんな泡盛ガブガブ呑むわけじゃないんれすからね」 青年はしたたかに酔っているようだ。 
GM
言いながら酒瓶でもって波照間のグラスに酒を注ごうとするが、ふらついたその酒瓶の口はグラスとは見当違いのところでどぼどぼと酒をこぼす。
波照間 紅
酒がどぼどぼと流れていくのを見てけらけら笑う。
GM
「おや、そんなこと言って、もうグラスが空いているじゃないか!もっとやりたまえよ、さぁさぁ」
どぼぼぼぼ
佐倉 光
なるほど私の連れは昼間っから飲んでる駄目大人二人ということだな! 
波照間 紅
駄目大人しかいねぇ!
春日 晴姫
「神社エールください
「ジンジャエールください」気が付いたら席に座って注文している自由な大人。
GM
「……はいよ」
いつの間にそこにいたのか、晴姫の座る席の横に、禿頭の黒人の男。
トレイの上のジンジャーエールのボトルとグラスを、テーブルに置いてゆく。
佐倉 光
考えてみりゃこんなとこに入ったの学校にバレたらまずい……か? 
場所動かしてしまった調度品なんかをもとの位置にキチッと戻して、店の中を観察。
春日 晴姫
「あ、もう一つあちらの少年にお願いします」大人だったらやってみたいアレをここぞとばかりにする。
佐倉 光
「えっ、僕はそろそろ失礼を……」
春日 晴姫
あちらの少年というのは、佐倉くんだ。
GM
「……はいよ」
またいつの間にかそこにいた禿頭の男が、佐倉の前にボトルとグラスを置いてゆく。
波照間 紅
こんなに飲まされたことは久しくないのだ。
佐倉 光
「あ、すみません」ぺこぺこ
春日 晴姫
「ふふっ」笑顔。
波照間 紅
「あら、お客さん」 ふんにゃりとした顔で新しく入ってきた二人を見る。見覚えがあるだろうが、したたかに酔った頭で気づくかどうか。
GM
「―――ははははは……はー……ん?」
さんざん笑って疲れた男が、波照間の声に背後を振り向く。
その動きに酔った足が付いてこられず、カウンターに背中と肘で寄りかかると、酔った目の焦点を無理やりに合わせようとするように、目を細める。
それがやぶにらみのように見えて、長身の体格のよい黒人ということもあって、なかなかの迫力だ。
波照間 紅
「ふにゃぁ」 男が去るとテーブルに崩れ落ちる。
GM
「んんんんんんー?」
言いながら、その男がふらついた足取りで酒瓶を片手に、佐倉と晴姫のテーブルへと近づいてくる。
やぶにらみのままで
やがて近くまで来ると、男は更に見極めようとするかのように佐倉と晴姫の顔へ交互に目いっぱい顔を近づけて、見定めるかのようなそぶり。
佐倉 光
こういうトコってあれだろ、さんざん調子よく飲ませておいて、出る時に法外な料金請求するアレなんだろ。
一万五千円しか残ってないぞ……
「ごめんなさい、僕お金ないんで……」
帰ります、と言いたいところだが怖くて動けない。
春日 晴姫
「私もお金ない…です…」
GM
「気にすることはぁない。俺のおごりだ」
言いながら、無造作に酒瓶をジンジャーエールの入ったグラスに注ぐ。
その間も男は二人の顔をにらみ付けていたが、突然
「おお!キミたちかぁ!」
大きな声で叫ぶと、手を打った。
佐倉 光
「はぇ!?」
春日 晴姫
「???」
GM
「どうだね、私の贈り物が役に立っただろう?」
酒臭い息で大きく笑う。
佐倉 光
贈り物?? 最近誰かに何かをもらったことはあっただろうか……
春日 晴姫
「…フルーレ、ですか?」
GM
「勘がいいね、お嬢さん!そう、その通りだ!少年には、そのイカした篭手とトモダチを贈ってやったろう!?」
佐倉 光
「えっ、ああ」
まさか、【これ】か。腕輪をちらりと見る。
GM
男は満足そうに頷き、佐倉と晴姫の肩をばんばんと叩き、やおら背後を振り向くと
「コウ!ブラザー・コウ!」
「見たまえ、心強い仲間が来てくれたぞ!」
そうがなりながら、またふらついた足取りで、カウンターへと戻って行く。
「聞いているのかね、コウ!?」
今度はカウンターに突っ伏す波照間の背中を、ばんばんと叩き、起こす。
佐倉 光
ぶらざわこうさんっていうのか……
波照間 紅
「げふぁっ」 変な声を出しながら起き上がる。
春日 晴姫
「ええっと…」波照間くんが痛そう。
「痛そう…」
春日 晴姫
「……」
GM
「大丈夫だ、お嬢さん。聞きたいことがあるんだろう?よし、説明しようじゃぁないか」
言い、カウンターの上のクラッカーの乗った皿を酔った手つきで乱暴に引き寄せる。
勢いで数枚のクラッカーが床に落ちる。
が、そんなことを気にせずに皿から二枚のクラッカーをつまみ上げ、
「ええと、このクラッカーが、あっちの―――いや、こっちの世界?いや、違ったか、どっちだったかな」
波照間 紅
「うえぇ……」 ゾンビのような声で水に手を伸ばし、どうにか飲み干す。むせた。
GM
「ああー、うん。コウ、僕は少しばかり酔っ払ったようだ。キミが説明してやってくれ。ほら、さっきのクラッカーとクラッカーのやつ」
無責任に言いながら、クラッカーの皿を波照間の胸元に押し付ける。
佐倉 光
「……ええと、僕、帰ります」
今日は酔っ払いのオトナしかいないようだし。
春日 晴姫
「…私も…」
シラフの大人だよ!
GM
「ああ、待て!待て!ブラザー・コウの話はここからが面白いんだから―――」
そして、彼らの『説明』が無事に終わるのは、すっかり日が暮れてからのことだったという。
ってところで〆ようか。

波照間 紅
すっちゃかめっちゃかや。
佐倉 光
お疲れさまでしたー
波照間 紅
お疲れさまでした!
こいつぁひでぇ。
春日 晴姫
おつかれさまでした
GM
最後ただただ勢いに任せたノリだったけど、説明と会話の時間がなさげなタイムだったので!w
次回は説明は終わった、ってところからはじめるよw
佐倉 光
いいんじゃない? 
波照間 紅
いいんじゃないでしょうか
春日 晴姫
いいと思いますよ!ディスコに移動しますー。
波照間 紅
同じ内容繰り返すのもなんですしね。
GM
みんながナイ神父を怖がらないようにと気遣って。
佐倉 光
別の意味で怖いわ。
それにバレたら補導されちゃう




真・女神転生 TRPG 魔都東京20XX 第一部『魔都・渋谷異聞』 1

今、この地に一つの変化が訪れようとしていた。混沌の街に、それを知らせる鶏鳴が響く―――

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藤江 綾



魔都・渋谷異聞

東京侵食


続編 CoCペルソナ