突発フリートークのお時間です。
『月が見ている』最終話までのネタバレがありますが、バレトーク前には一応予告入れます。その関係で先にイラストについて書いちゃいます。
大体本編やアフターで語ったようなことを纏めただけ、みたいな内容。
イラストについて
ラフ画決まるまでめちゃくちゃ苦労した。
ラフの時点でそこそこ良い感じにまとまったので、これ、ペン入れて色塗ったら、「ラフの時はあんなに良い感じだったのになー」ってなるパターンだと思ったので、それは回避すべくいろいろ頑張った。
こんな真面目に描いたの久しぶりでは。
ちなみにいつも左手から刀出してんのに刀が出てるの右手になってるけど、これキャンバス裏返したままで学生服のボタン描いちゃって色も塗ってしまったから、じゃあいっそ絵をひっくり返しちゃえ! なんて安易な手段を取ったらこうなった。完成してあぁぁぁぁぁぁってなった。
って思ってたけど、下絵の時点で逆じゃねーか! 何故ここでボタン直さなかったんだッッ!
まあ……人鞘だし。右手からだって出るさ……。
腕がむけちゃうとこ一度描いてみたかったので満足。本当はもっと派手に割れてるイメージで、最初指が変形して反り返ったりする感じに描こうかと思ってたんだけど、グロくなりすぎるなと思ったのでこんな感じに。
本当は服の袖も溶けて肉塊になってる、ぐらいやりたかったんだけど。
け、決して上手く描けなかったから諦めたわけではないんだぞ! ほんとだぞ!!
首の所の影つけあきらかにヘンだし、刀に人鞘の反射光とか影入れ忘れてるし、今度そのへん含め描き直そうかな……
無銘の刀
長いこと鬼を斬ることしか考えずに彷徨っていた刀。エゴに支配された魔物状態だったと言ってもいい。
その頃の人鞘は適当すぎる作りで、ただ戦闘の時にあると便利だから作っておくか程度のもの。
が、ある時人間の少年と関わってしまい、それからつきまとわれ、自覚なく半魔となっていった。(もともと素質はあったのだろう)
魔剣は元来戦いを好む種だが、無銘の刀は『鬼を斬ること』のみに特化しており、特段戦いを求めるというわけではない。戦いになると高揚はするが、鬼絡みであったり、人間が襲われている時でもない限り、自ら喧嘩を売ったりするようなことはない。
『月が見ている』事件以来、友樹の姿を借りて彼になりすまし続けることになる。自覚はないがかなり感情豊か。
長いこと鬼を狩るというエゴに支配され続けていたが……
友樹
明るい少年。高校二年生。スポーツも勉学もそこそこ。
ゲーム好き、マンガ好き。
人当たりが良いので割と好かれやすいが、モテはしないらしい。
彼はただ不運だった、それだけだった。
初期設定では眼鏡をかけていた。(使われることも言及されることもほぼなかったが、一応無銘の刀は彼の形見として破壊されたメガネを持っていた)
序章まで
鬼を狩りに街に入ったときに友樹と出会う。
おそらく魔物に襲われた友樹を、『人間を守る』エゴに従い救ったのだろう。
一年ほど友人として関わることになる。このときから既に無銘の刀は半魔化していた。友樹と絆が芽生え、彼を通して人間に興味を持ち始めていた。
当人は「五月蠅いと思っている」しか自覚していない。しかし彼自身自らに芽生え始めた感情に気付かず、友樹への好意を自覚していなかった。
友樹が突然「肝試しに行くから一緒に来い」と言いだしたのについて行ったのも、友人である彼の身を案じたがためなのだが、それもその時点では「何故そうしたのかよく分からない」状態だった。
友樹の死体を目の当たりにし、彼の遺言を聞き、よく分からない感情が爆発すると同時に友樹の肉体を喰らってしまう。(本来魔剣はそうした存在ではない)
それは彼の死を認めたくないがためであり、「失いたくない」「共にありたい」「友樹の存在を残したい」といった感情の発露であった。
友樹を喰うことで人間の肉と混ざり合い、より強く感情を暴走させるようになる。鋼に肉が混ざることで、合金として、もしくは霊的に、半魔としての覚醒を強く促す事態となり、人間的な感情として憎しみや怒りを強く感じるようになった。
あまり変化しないこと
人間についての知識は最低限はあるし、日常生活に支障のないレベルでの行動もできる。
学校では目立たぬよう、家でも何一つ変化のない平穏な日々を。
家族とも当たり障りなく接している。確実に友樹とは違う部分もあるはずなのだが、家族からそれを指摘されることはなく、本人も演じきれていないことに気付いていないことが多いので問題になることはない。
食事は必要ない。食事の模倣はできるが、人鞘の中に貯まってゆくのでたまにトイレで破棄している。ゆえにかなりの小食。
最低限の模倣として、家での食事はとっている。
学校では食べていないことがバレないように&あまり人と関わりたくないが為に屋上でひとり時間を潰していること多々。(エイプリルフール回以降、食事をしてみてはガッカリしている、なんてことがあるとかないとか)
恋愛関係は全く興味がない。そもそも肉の体に興味がない。
美しい装飾の鞘なら心惹かれることもあるが、意思を持った鞘などというものはないし、普通の鞘だと動けなくなってしまうので、鞘に収まっておとなしくしていることはまあないだろう。
体内に刀をしまえる特異体質の人間がいたら、もしかするとそんな感情を抱いたりする……かもしれない? DXのブラックドッグならあるいは。
だとしても結局生殖能力はないので、あくまで模倣でしかないのだが。
模倣の一部として友樹が遊んでいたらしいゲームもやっていたが、『オウガ・ハンター』という、ハンターとなって様々な武器で鬼を狩るゲームだけはやっていて楽しかったので、最近はもっぱらそれだけ遊んでいる。
武器が色々出てくる、鬼を倒すゲーム だから楽しいのだ。(本人は『楽しい』の自覚がまだあまりなく「ストレスを感じない」と語っている)
メイン武器は太刀。ひたすらオフラインで遊んでいたのでパーティープレイのお作法が分からない。
防具は二の次でとにかく武器を多種作り、一度作った武器(とくに太刀)は処分しないスタイル。
当時リアルでモンハンライズ発売前だったので、それを元ネタにしたエピソードが多い。
いやー、まさかちょっとした小ネタのつもりがあんなんなるとは……
第一話まで
友樹の模倣をし続けることで友樹の存在を残そうとしている。
割合まだ「友樹の真似」をしている状態であり、人間との関わりも上っ面のもの。一年の付き合いで得た情報を元に器用にそつなくこなしていた。
そんな上っ面の付き合いで友人関係がそのまま続くはずはなく、友人は友樹本人の頃より少し減っているが、トモキはそれを面倒くさい付き合いが減ってラッキー程度にしか思っていない。(その割には『不思議と友人が多い』)
白良浜、雨宮、三上は事件までただの友人だった。親しく会話したりする程度の仲ではあるが、不思議と互いのことをよく知らない状況にあまり疑問を持っていない。
真田は『何故か気になる』教師だ。実は記憶の底に眠る光景が彼を気になる存在たらしめているのだが、それについては全く自覚がない。
第二話まで
この頃になると自らの感情を自覚したり、膨れ上がった感情に振り回されたりすることが多くなってきて、友樹の真似ができなくなってきている。
友樹ならどうするか、人間らしく振る舞うためにはどうしたらよいのか、よりも、自らの思いを根拠に行動したり発言することが多くなっている。
同時に、ただの模倣であった人間としての立場を、以前に増して守りたいと思うようになっている。
それは、人間としての生に馴染み、それを守ることが当たり前になってきているからだ。
半魔仲間とは上っ面の付き合いではなく、自らの言葉で語るようになり、彼ら個人にも好意を抱き、それを自覚するようになる。
だが、この世界の真実を知り、全てが偽りであることを知り、自分が立っている場所の危うさを知り、偽りである自らと重ね合わせて苦悩するようになる。
偽物は存在していて良いのか?
その安らぎは偽りであっても守られるべきものか?
忘れられた真実はどうなるのか?
真田が鬼であることを知り、友樹を殺したのが鬼ではないことを知り、自らの『鬼を狩る』という使命を捨て去って仇討ちを選ぶ。
それはまぎれもなく、無銘の刀、彼自身の選択だった。
死から救ってくれた雨宮には感謝し、彼女に忠誠を捧げると誓った。
……だが、友人として彼女を想うときの方が力が涌いてくるのは、何故だろうか。
第三話まで
偽りの世界を破壊するのか、守るのか。
友樹を殺したのは何者なのか。
それを考えながら皆と行動することになる。もはや喜怒哀楽は人間と同様になっているし、ほぼ自覚している。そのため感情に流されることが非常に多くなっている。
真田に協力したい。白良浜を手伝いたい。雨宮と共にありたい。三上を守りたい。苧環を救いたい。安高や八街のことを知りたい。
彼自身の欲望と感情が彼を突き動かす。
もはやトモキは友樹とはいえない。
そのためか、彼は自分が『友樹の肉体を喰らってしまったこと』を大変後悔するようになっている。
本物があるべき場所に偽物の自分が居座っていること、そのために、本来友樹と関わる人々が、彼の死を知ることなく生きているということに。
遺体でも残れば、彼の死は人間の知るところとなり、家族や友人は彼の死を悼んだだろう。
だが、友樹の遺体は跡形もなくなり、残ったのは自らの存在も不確かな偽物だ。友樹が受けるべき感情を、行動を、友樹を踏みつけに隠した偽物の自分が享受し続けている、という思いに、トモキはもはや耐えられなくなっていた。
そのため、一刻も早くこの世界を出て、友樹の両親に彼の死を伝えること、それが彼の望みとなってゆく。
自分はあくまで名無しの魔物。トモキという名は友樹のものだ。彼に返さなくてはならない。
安高のことは最後の最後まで完全に信じることはできず、彼が絶望のうちに消滅したことには深い悔恨の念を覚えている。
終了後
世界が変わった後に、彼が「真田 遊馬」になったのは、
真田の家族でありたいという思いと、皆が呼んでくれた名のなかで借り物の名である「トモキ」ではない方で「アズマ」、がおそらく魂の奥底に引っかかっていたためだろう。
今の人鞘は随分長いこと使っている。記憶の奥底に引っかかっている少年の姿が根の部分に投影されているが、本人がそれを知ることはないだろう。
彼は魔を狩る刀のままだが、偽物であったとは言え果てしなく長い時間人と関わり続けたことで人間を理解し感情を得たという経験からか、新たな生では人と積極的に関わり、彼らを守る道を選んでいる。性格は温厚。
随分と昔から半魔化し、魔を狩る刀として暗躍していた。その際にくらみつはという名の龍神と関わり、勝手に彼女の守護についている。
彼自身が打たれた里の近所に住んでいた真田と出会い、教師を目指す彼を追って都会へ降り、教師としての道を歩み出した。そこに大先輩である天羽々斬こと天野が赴任していたのも理由の一つである。
教師としての仕事をしながらも、生徒や近隣住民に害が及ぶような魔物の気配があれば天野について駆けつける。
元のキャラ絵
Picrewで作ったキャラをもとにしています。
【君の世界メーカー】
https://picrew.me/ja/image_maker/54346