今日は、女二人で飲み会です。
古賀 咲夜
今日は輝夜も出かけていて暇だし……たまにはひとり気分転換にと夜の街を歩く。
最近不気味なほどに事件もないし(隣町で何かあったらしいけどうちには関係ないし)
たまには知らない店で飲んでみようかな。
関係ないことはないな。ひとり派遣してたわ。
まああの子なら大丈夫でしょ。実力はあるから。
蕨 洋美
ポケットに手を突っ込んだまま、夜の街を歩く
台風が過ぎ去って、気候もだいぶん秋らしくなってきた
涼しくなってきた夜の風に、少しだけ首を窄めて歩く
その姿勢は、完全に繁華街を歩くチンピラのそれだ
道ゆく男が、ほんの一瞬開かれた胸元に目をやるが、そこと捲られた袖から除くタトゥを見て、慌てて視線を逸らして道を譲る
悠と阿修雷は、なんでも新しくできた友人の家にお泊まりで遊びに行くらしい
普段はなんのかんので大人のふりをしていなければならないから、こうして思い切り羽を伸ばセル夜は久しぶりだ
たまには、目一杯泥臭い店で焼き串と煙草の煙に塗れて一杯やるのもいいだろう
目的の店が見えてきて、冷える風から逃れるように小走りになって、脂と煙で汚れたガラスの引き戸に手を掛けた時
ちょうどその時に同じように伸ばされた手とぶつかってしまった
古賀 咲夜
「(ついでにショッピングしてたら、随分遠くまで来ちゃった……)」
蕨 洋美
「おっと」
古賀 咲夜
「あら、ごめんなさいね」
蕨 洋美
「いやいや、悪いね。……お先にどうぞ?」
古賀 咲夜
「お先、どうぞ?」
蕨 洋美
「おっと」
「それじゃ」
言って、引き戸を開けると、ボーイが案内をするように平手で店の中を示す
「どうぞ?」
古賀 咲夜
ずいぶんがっしりした、羨ましいほどの体型の人だ。
「では、遠慮なく。ありがとうございます」
こういう時は譲り合うのは時間の無駄というもの。
さっさと好意に甘えるべきだ。
蕨 洋美
「いえいえ、どういたしまして」
古賀 咲夜
店内に入ると……結構混んでる。
人気店なのだろうか。
まあでもそういう時間、だしな。
店員
「ぃらっしゃーせーー!2名様でスカー?」
黒Tシャツにタオルを金髪の頭に鉢巻に巻いた店員が、威勢の良い声を掛けてくる
古賀 咲夜
「えっ、ああ、いえ?」
同時に、しかもあんなアクションで入れば連れに見えてしまうのも当然だろうな、と思った。
蕨 洋美
「ああ、別々。空いてるかい?」
店員
「1名様、お二人でーーーー」
店員は、少し店内を改めてから
「すぃませーん、ちょっとカウンター埋まっちゃってましてーーー」
「テーブル席なら、おひとつだけ空いてるんですがーー」
蕨 洋美
「なんだ、そうなのかい?」
古賀 咲夜
「あらら……」
手に持った買い物袋を見下ろす。
今から移動は、正直嫌だなぁ。
「あの」
蕨 洋美
「ん?」
古賀 咲夜
「もしお嫌でなければ、テーブルでも構いませんが」
どうせ一人で飲むつもりだったのだ。
喋らずに飲むならテーブルでもカウンターでもたいして変わらないだろう。
蕨 洋美
「ああ……」
「そうだね、あたしは構わないよ」
古賀 咲夜
「あっ、相席で大丈夫ですー」
「ありがとう」
店員
「すぃませーん。こちら、どぞーーーー」
案内されるのは、壁際の小さなテーブル席だ
いかにも安っぽい、丸い座面が組んだ金属パイプの上に乗せられた椅子が2つ、あるのみ
古賀 咲夜
「(思ったより狭いな……荷物置けないなー、ちぇ)」
諦めて足下に荷物を置いて、入り口に近い方へ。
蕨 洋美
「あ、荷物こっち渡しなよ。後ろに荷物カゴがあったよ」
古賀 咲夜
「あら、ありがとうございます♪」
この人なんか気さくで話しやすいな、と思った。
紙袋三つほどを彼女の後ろの荷物籠に入れさせて貰う。
蕨 洋美
「いいっていいって。よっ……と」
身を捻って、背後の荷物カゴへと受け取った荷物をそっと入れる
古賀 咲夜
大手衣料品店の袋が二つと、まあまあのブランドの袋が一つ。
中身は全部服だ。
「ふー、やっと落ち着いたーぁ」
店員
「こちら、お通しになりゃーす」
いかにも間に合わせの枝豆が入れられた小鉢を置く
「お飲み物はー?」
蕨 洋美
「ああ、あたしは生で。お姉さんは?」
古賀 咲夜
「あ、私も生で~」
店員
「生2丁、いただきましたーーーァ」
『ありがとうございまーーーす』
注文を伝票に書き入れつつ吠える店員の声に、店内の店員皆が返事を返す
古賀 咲夜
「……ありがとうございます~」
蕨 洋美
律儀にそう返す女性の姿を見て、思わず小さく笑ってしまう
古賀 咲夜
それは特に気にする様子もなく、枝豆を幸せそうに食べ始める。
「あ、結構美味しい」
蕨 洋美
その姿に、また小さく噴き出す
古賀 咲夜
「……あー、なんかすみませんね、騒がしくて」
「独り言でちゃうの、クセなんですよね」
「あんまり気にしないで下さい」
蕨 洋美
「ああ、いや、ごめんよ」
「あんまり美味そうに枝豆食べてるから、つい、ね」
古賀 咲夜
「今日お昼抜いちゃってたから、浸みるなーって」
言いながらメニューを手に取る。
蕨 洋美
「なるほど、華金てワケだ」
古賀 咲夜
「はなきん……?」
「……ああ、はなきん……」
あまり縁のない言葉だったのでぴんと来なかった。
蕨 洋美
「華の金曜日。……あれ、これもいい加減古い言葉かね」
古賀 咲夜
「あ、いえ、あまり休みが安定しない仕事なので」
蕨 洋美
「そうなのかい。OLさんてやつかと思ったんだけど、見込みちがいかね」
古賀 咲夜
「……うーん、OL、ではないけど……」
店員
「生、お待たせしましたーーー」
割り込むように、ジョッキが2つテーブルに置かれる
よく冷えて汗をかいたジョッキから、水滴が垂れる
古賀 咲夜
「はーい、ありがとう♪」
「来ましたよー、お酒」
蕨 洋美
「おっ、待ってました」
古賀 咲夜
メニューをひとまず脇へ置いてジョッキを手に取る。
蕨 洋美
同じく、手に取る
古賀 咲夜
口をつけようとして……
古賀 咲夜
「折角ですから、乾杯しません?」
蕨 洋美
「ああ。そりゃぁいい」
「それじゃ、奇妙なご縁ってやつに」
ジョッキを掲げる
古賀 咲夜
「では、N市の平和にかんぱーい」
(外の仕事がないって素敵)
蕨 洋美
「おっと、大きく出たね。それじゃ、N市の平和と商売の繁盛を願って」
古賀 咲夜
「しょうばいはんじょー!」
ジョッキを軽くぶつける。
蕨 洋美
ジョッキを打ち合わせ、まずは一気に2/3ほど一気に開ける
古賀 咲夜
ごくごくと喉を鳴らして飲む。
蕨 洋美
「……っかーーーーーーーっ」
古賀 咲夜
「生きてるぅぅぅ」
「ちゃんとした仕事が終わった後にお酒が飲めるって最高~」
蕨 洋美
「生きてるってやつだねぇ」
思わず言葉が被り、びっくりしたような顔で女性を見る
古賀 咲夜
「あら」
「お疲れ様です」
蕨 洋美
「ああ、お疲れ様。お互い普段は大変みたいだねぇ」
古賀 咲夜
「そうですねー、あ、まずちょっとご飯頼んで良いですか?」
蕨 洋美
「ああ、もちろん」
言いかけてから
「そうだ、奇妙なご縁ついでに、勘定はバキッと割りでどうだい?」

「後で勘定計算するのも面倒だろ?」
古賀 咲夜
「あ、いいですね~」
蕨 洋美
「話がわかるね!」
古賀 咲夜
「いいんですか? 私、食べますよ~」
蕨 洋美
「おっと。それならあたしも、こう見えていわゆる肉食系ってやつでね。こいつは負けられないね」
古賀 咲夜
「ではワリカンで!」
蕨 洋美
「いいね」
古賀 咲夜
お刺身とお豆腐は外せないな……
揚げ物もいいなぁ。
相談しながら決めよっかー
蕨 洋美
「串、適当に頼んでいいかい?」
「ここは焼き物が旨くてね」
古賀 咲夜
「あ、いいですねー、つくね食べたいなぁ」
「あ、ここのお店ご存知なんですね? じゃあお勧めに従ってみようかな~」
「私ここ初めてなんですよ」
蕨 洋美
「ああ、確かに」
古賀 咲夜
お店近く?
蕨 洋美
そうだね、アルパインスタイルの近くの駅前繁華街とか?
古賀 咲夜
すると化学調味料モリモリのチャーハンが出てくる中華料理店も近くにあるんだな。
蕨 洋美
そうなるな
古賀 咲夜
蕨さんとこはおとなしくやってるし、UGNとぶつかったこともないから、顔まで知らないんだなー
コードネームくらいはしってるかも?
蕨 洋美
支部長なら、蕨クラスの人間だったらコードネームも知ってるだろうね
古賀 咲夜
そうねー
蕨 洋美
一応設定としてはそれなりにFHで名前が通っている感じなので
古賀 咲夜
お互いコードネームは知ってる、顔や本当の名前までは知らない?
古賀の名前はさすがに支部長だし漏れてるかな
蕨 洋美
そうそう
お互いコードネームだけ知ってるって感じで行こうか
蕨のコードネームは『ザ・バンカー』
鉄壁の守りで部下を死なせたことがないことから
古賀 咲夜
こちらは『箱入り娘』でございます。

蕨 洋美
「あんた、どっちかって言うと、お洒落な店のが似合ってそうだ」
古賀 咲夜
「そんなことないですよー、いつも缶ビールで宅飲みしてますから」
(飲みに行く暇がないことが多くて……)
蕨 洋美
「あっは、なるほど。いいね。んじゃ飾りっ気なしに女同士、肉食って酒を入れようかい」
「まぁ、そう言うことなら任しときな。じゃぁつくねと……。あ、おーい!注文、いいかい?」
手を挙げて、店員を呼ぶ
やってきた店員に、つくね、シロ、かしら、タンなど、定番のところを頼みながら
「あんた、今夜飲むってことは、明日休みだろ?」
女性を見て問う
古賀 咲夜
「ええ、そうです」
呼び出しがかからなければ!
今晩は事件を起こしてくれるなよFH!
蕨 洋美
「OK。じゃぁ、全部塩で……味噌、つけておくれ」
最後に付け加えて、オーダーを終える
古賀 咲夜
「美味しそうですねぇ……」
最後の枝豆を名残惜しそうにつまんで。
蕨 洋美
その言葉に、ふっふっとほくそ笑んでから
「ああ、楽しみにしといでよ。損はさせないさ」
ちゃんと古賀さんの頼みたかったものももちろん注文しておいた、ってことで
古賀 咲夜
ありがとー
蕨 洋美
「あんた、名前は?」
古賀 咲夜
「私ですかー」
蕨 洋美
「せっかく相席になったんだ。名前も知らないんじゃ話もしづらいからね」
古賀 咲夜
「古賀っていいますー」
立場上もっと警戒すべきかな、と思わなくもないけどめんどくさい。
蕨 洋美
「古賀さんね。あたしは蕨ってんだ。山菜の、あの蕨」
空中につらつらと指で字を描きながら
古賀 咲夜
「蕨さん、へぇー」
変わったお名前だな、と思ったけど口には出さない。
「蕨さんもお仕事大変、なんですか?」
蕨 洋美
「ああ、まぁね。自営業ってやつでさ。最近は入ってくる価格も上がってきてるし、まいっちまうよ」
古賀 咲夜
「今日は疲れた者同士、ぱーっとやりましょ」
蕨 洋美
「そうだね。一丁パッと憂さ晴らししようじゃないか」
古賀 咲夜
古賀さん意外と外面はいい。
蕨 洋美
こっちは本業の店がある分、ある程度ごまかしなしに言えるな

蕨 洋美
「古賀さんは勤め先、この辺なのかい?駅前のオフィス街とかかね?」
古賀 咲夜
「えーっと、もうちょっと……モール街? のほうの」
蕨 洋美
「ああ、あのアーケードの」
古賀 咲夜
「そうそう、清掃業務やってまして~」
蕨 洋美
「おっと。そりゃ意外……ああ、いや失礼」
古賀 咲夜
「そうですか~?」
「清掃と言っても、雑巾持って自分で作業する方ではなくて、管理とか割り振りとか、そんな感じですけど」
古賀 咲夜
テキトー言ってる
テキトー言ってるけど、実感はこもっている。
蕨 洋美
「洒落たいいもん着てるし、さっきの荷物もなんとか言うブランドのモンだろ?もっとこう、いいとこのOLさんかと思ったよ」
「ああ、なるほど。イベント運営とか、そう言うやつかね」
古賀 咲夜
「そうですねー、立場上どうしても適当な格好するわけには行かなくて」
「面倒だなーって思うんですけど、現場の様子見に行くと汚れちゃうこともありますしねー」
蕨 洋美
「なるほどねぇ。通りで見た目よりタフな感じがしたもんだ」
言いながらジョッキを空け
「さて、とお代わりを……古賀さんは飲み物、大丈夫かい?」
ペースは早い
古賀 咲夜
「いただきます」
「えーと、次は……これにしようかなー」
日本酒を指す。
蕨 洋美
「おっと」
またも意外そうな顔
「いいね、いける口、ってやつだ」
ニヤリと笑う
「こいつは、サワーとかヌルいこと言ってる場合じゃないね」
と言うわけで、熱燗で2合注文
古賀 咲夜
「おっ、蕨さんも明日とか気にしなくて大丈夫な感じですかー」
「やりましょやりましょ」
蕨 洋美
「ああ、定休日ってやつでね。棚卸しもこないだ終わったし、のんびりできるさ」
蕨 洋美
古賀さんて、割と酒ぐいぐい行く感じ?
古賀 咲夜
飲む。
蕨 洋美
よしよし
古賀 咲夜
めっちゃ飲んでめっちゃ食べる。
ストレス性のやけ食いに近いとか言ってはいけない。

古賀 咲夜
「販売ですかー、ファッション系とか……」
お洒落な格好してるしな、と思った。
蕨 洋美
「いやァ、こんな身なりだろ?そんな小洒落たもんじゃないよ……」
届いた酒を持ち、古賀の猪口に注ぐ
「まぁ、一杯」
古賀 咲夜
「ありがとうございますー」
こちらも徳利をもらって蕨のお猪口に注ぐ。
何も考えずに、誰かと喋りながら飲めるってなんて素敵なんだろう。
子供達と飲むわけに行かないし、上司と飲んだら胃に穴が開きそうだし。物理で。
きっと声をかけたのは、人恋しかったからなのだ。
蕨 洋美
「ああ、ありがとうよ……とっと」
「それじゃ、改めて」
古賀 咲夜
「かんぱーい」
蕨 洋美
それから、いくらか呑み進めてから
「ああ、そうそう。商売の話だったね」
古賀 咲夜
「そうそう、お洒落だなーって」
蕨 洋美
「お洒落ぇ?あたしがかい?」
古賀 咲夜
「スタイル良いですしね」
「アパレル系なのかなって」
古賀 咲夜
暴れる系って誤字った。
まちがってない。
蕨 洋美
守る系です
古賀 咲夜
そして古賀さんは、そこまでスタイル悪くはないけど、わりと不健康な感じになっている。
蕨 洋美
髪とか傷んでしまっているのだろうか
古賀 咲夜
そうだね。
蕨 洋美
蕨は化粧も最低限度のものだけなので、かなりあっさりめです
古賀 咲夜
お時間的に目の下のクマ隠してたファンデとか落ち気味かも。

蕨 洋美
「いやァ……そう真正面から言われると、どうにも照れちまうね」
頭を掻く
「こんなあちこちに墨入れたアパレル系なんて、そうそう居ないだろ?」
蕨 洋美
少し腰を浮かして衣紋掛けに掛けていたジャケットから、何かを取り出す
古賀 咲夜
「あ、そうかしら」
蕨 洋美
それは、小さな革製の名刺入れだ
そこから1枚取り出し
「あたしはこう言うもんだよ」
差し出す
古賀 咲夜
「あら、お名刺頂戴いたします」
受け取って
「へぇー」と意外そうな声を上げる。
蕨 洋美
『株式会社アルパインスタイル』
『アウトドアギアショップ:アルパインスタイル』
『代表取締役・店長 蕨 洋美』
とある
古賀 咲夜
「アウトドアショップですか~、なるほど~、社長さん!」
蕨 洋美
「ま、社員は社長以下1名。あとはバイトが二人だけの小さいもんだけどね」
「と言うわけで、ただの山だしだよ、あたしは」
古賀 咲夜
「へぇー、素敵ですね~、キャンプ用品とか、バーベキューセットとか、売ってるとこですか」
蕨 洋美
「ああ、もちろん。抑えてるよ」
「最近はキャンプブームだかアウトドアブームだかでね。おかげさまで潰れずにやれてるよ」
古賀 咲夜
「キャンプかぁ~、いいなぁ~、行きたいなぁ……」
名詞を丁寧にしまう。
「あ、ごめんなさいね、私ご覧の通りオフなので名刺持ってないの」
古賀 咲夜
こういう時に出せる名刺も持ってんのかなー、古賀。
蕨 洋美
ダミー企業の名刺とかあるのでは

蕨 洋美
「良ければ、見繕ってあげるよ。店も近くだから、もしよかったら遊びに来るといいさ」
「ああ、いいさいいさ。呑みの席で、こう言うかたっ苦しいのも何だからね」
古賀 咲夜
「へへー、今度見に行きますね~。おっ、割と近くだ」
蕨 洋美
「ああ。古賀さんなら、山ガールとか映えそうで、いいんじゃないかね」
古賀 咲夜
「残念ながらあまり時間がなくて」
「何かお部屋に置いてキャンプ気分味わおうかな……って」
輝夜とキャンプ、したいなぁ。
蕨 洋美
「なるほど。最近は部屋キャンプってのも流行ってるらしいからね。いいんじゃないか」
「でも、山はいいもんさ。今度少しでも時間できたら高尾あたり行ってみな。それだけでも癒されるってもんさ」
古賀 咲夜
「あ、寝袋!」
「寝袋良いの買わせてもらお!」
泊まり込みのお仕事に。
蕨 洋美
「寝袋だけかい?」
「寝袋だけやハンモック泊なんてのもあるにはあるが、初心者にはあまりオススメできないよ?」
古賀 咲夜
「あはは、ちょっと」
「仕事にも使いたいなー、なんて」
簡易寝台硬くて寝づらいんだもん……
蕨 洋美
「仕事……」
ちょっと怪訝な顔をしてから
「ああ、なるほど、イベント系だったっけ?会場設営とか大変そうだねぇ」
「それなら、安いのでよければ銀マットくらいサービスしてあげるよ」
古賀 咲夜
「行かせていただきますっ」
蕨 洋美
「ああ、待ってるよ」
古賀 咲夜
もともと高めのテンションが少し上がってきた。
酔ってきたのかも知れない。
蕨 洋美
「……なかなか、大変そうな仕事だね」
古賀 咲夜
「本来管理の仕事なのに、人手不足で現場に行かされることが多くて……」
蕨 洋美
その様子を勘違いしたのか、気遣うような声
「なるほど、それで……ちょっと待ちなよ」
またジャケットのポケットを探り、小さなスプレーボトルを差し出す
古賀 咲夜
「?」
蕨 洋美
「化粧水。キャンプってのは焚き火にあたったりして乾燥するからね。あたしも持ち歩いてるんだ。使いさしで悪いけど、良けりゃあげるよ」
「設営やらで外で寝泊まりするんなら、持っておくといい」
GM
まにあい!! こんばんは
古賀 咲夜
こんばんはー
GM
出先からログだけ読ませて頂いてましたが、これはしっとりしたいいやりとり
蕨 洋美
いらっしゃいましー
GM
古賀さんの表の顔って初めて見るから、それも含めて面白い
お邪魔しまーす
蕨 洋美
UGN支部長様ご来店
GM
またアンリが困る>今度店を覗いて
顔は合わせたくないから、普通に店通ってる時に古賀さんとか鶴ヶ島さんが来たらめっちゃ逃げ隠れするよ
古賀 咲夜
顔見知りだもんなー
GM
「あっちの関係者にここまで出入りされるとか想定外なんさ~」ってスポっと逃げる
古賀 咲夜
普通ないよなぁw

古賀 咲夜
「あら、あらら」
「いただいていいのかしら」
「嬉しい、ありがと~♪」
蕨 洋美
「もちろん。でも、そいつも実はうちの売り物でね。気に入ったらウチでリピートしておくれ」
古賀 咲夜
「ふふ、銘柄教えて下さいね~」
早速手の甲にシュッとやってみる。
蕨 洋美
「ああ、構わないよ」
古賀 咲夜
「あ、さらっとしてて良い感じ」
蕨 洋美
「ああ、なんのかんのと小難しい薬が入ってないんでね。いわゆるオーガニックってやつだから、多少使いすぎてもいいやつさ」
古賀 咲夜
有り難く使わせていただこう……ありがたやありがたや
「何かお返しできると良いんだけど、うーん」
蕨 洋美
「気にしなくていいよ。よかったら今度店を覗いてくれるだけでいいさ」
古賀 咲夜
「そうね、是非!」
串と刺身をつつきながら
蕨 洋美
「ま、生意気なバイトがいるような、洒落とは無縁の店だからね。接客とかは期待しないでおくれ。そもそもあたしからしてこんなだからね」
古賀 咲夜
「その方が気楽だなって思っちゃいますよ~」
「お店で、「いらっしゃいませ~」って寄ってこられると逃げちゃう方なので」めんどくさいから。
蕨 洋美
「はっは、それなら絶対大丈夫だよ。気楽においでな」
「あいつらも、もうちょっと商売のことに意識を向けてくれりゃ苦労はないんだけどねぇ……」
腕組みで唸る
少し顔が赤い
身内語りを始めるあたり、少し酔っているのかもしれない
古賀 咲夜
「あら、アルバイトさんのお悩みですね~?」
「いいですよ~、なんか親近感」
PL1
見学!
GM
おっいらっしゃいませ!>見学
古賀 咲夜
タイムリーだねぇバイトボーイ。
そしてバイトガール。
蕨 洋美
いらっしゃいませー
GM
確かに両方ともバイトだ>PL1さんのPC

蕨 洋美
「ああ、そうなんだよ……わかるかい?」
言いながら、ストレスを感じたか片手で灰皿を手繰り寄せ
古賀 咲夜
「うんうん。うちもそうなので」
蕨 洋美
「あ……っと。コレ、やってもいいかい?」
ちょっと気遣うように
コレ、と言いながら何かを挟むように指を2本立てる
古賀 咲夜
「どうぞ~。私も吸うので」
蕨 洋美
「おっと、そうなのかい?それも意外だけど、嬉しいね」
言いながら、灰皿を二人の間の位置に動かす
古賀 咲夜
「たまーに、なんですけどね」
職場には子供達がいるから吸わないことにしてるのよ
仕事忙しい、つまり吸える機会がない。
もともとそんなに吸う方じゃないしね。
蕨 洋美
銀のシガレットケースを取り出し、中からちょっと形が歪な一本を取り出し、
ポケットから取り出したZIPPOを、まるで映画のバタフライナイフのように指の間で転がしてから、火を点ける
かちゃかちゃかちゃという小君良い金属音
「ふーーーー」
煙を1つ吐いてからZIPPOを閉じると、かきん、と言う高い金属音
古賀 咲夜
こちらはごく一般的な紙巻きタバコ。
GM
細い煙草吸ってそう(イメージ)>古賀さん
古賀 咲夜
そんなかんじ
GM
細い指先に細い煙草が似合う
PL1
古賀さんピアニッシモスリム似合いそう
GM
あああ~~~~~~~ わかる
わかるオブ分かる

古賀 咲夜
「なんか他人って感じがしないですね~」
蕨 洋美
「いやぁ、全くだね」
古賀 咲夜
「職場に若い子がいるからなかなか吸える機会なくって」
蕨 洋美
「お、流石、古賀さんはちゃんとしてるね。あたしは割と気にせずやっちまう方でね」
「親父がそうだったからかね。まぁ、色々あるだろうが、今日のところは目を瞑っておくれ」
古賀 咲夜
「ここ禁煙じゃないから大丈夫ですよ~」
言いながら新しくお酒頼もうとしてる。
蕨 洋美
「ありがとうよ」
ふー、ともう一度吐き
「今度は、焼酎、どうだい」
古賀 咲夜
「普段コーラばっかり飲んでるから、お酒が美味しい……」
PL1
コーラ無料
古賀 咲夜
飲ませられている、のが半分である。
もう半分は触発されて飲んでる。
蕨 洋美
「そいつはあんまり良かないね。じゃぁ、今日は酒でコーラを流しきっちまうといい」
古賀 咲夜
「じゃあもっかい、今日の出逢いにかんぱーい」
蕨 洋美
「ああ、乾杯」
GM
UGN支部長同士って表の顔どうなんだろう? 
 ・同じカヴァー会社
 ・カヴァーの立ち位置は異なるけど、顔見知りではある扱い
 ・表で出会っても互いに知らないふり
古賀 咲夜
知らない振りの方が安全そうではあるなー
FHの襲撃受けることもあるし
蕨 洋美
名前が知られてる人だったら面割れてるかもしれないけど、基本は連鎖的に情報が漏洩することを警戒してるのでは
GM
確かに あんまり関係性を露わにすると組織構造とかFHに気取られそうですしね 襲撃も受けがちだし
とすると表で出会っても知らんふり、カヴァーの立場もそれぞれかな
アカリの表の顔とは……(アンリの方は表の顔はフリーター)
それこそあのビルの管理事務所の社員、が普通に表の顔なのかな
さすがに顔が多すぎるので働いてはいなくて、名義があるだけだろうけど。>表の顔
蕨 洋美
管理事務所の職員は本業忘れるくらい普通にありそう

蕨 洋美
「しかし、そうか。古賀さんも苦労をね……。やっぱりバイトなのかい?」
古賀 咲夜
「そうねー、バイト。もう、若いからみんな無茶で……」
「困っちゃうのよね……」
蕨 洋美
「わかるよ、わかる」
「ウチは、特に住み込みなもんでね。オンとオフの切り替えができない、ってやつなのかね」
古賀 咲夜
「駄目って言っても聞かないし、任せなさいって言ってもがんばっちゃうし」
蕨 洋美
「ああ、やる気ってやつのアップダウンがわかりにくいんだよねぇ」
古賀 咲夜
「あら、住み込み」
「それは、大変ねぇ」
蕨 洋美
「ああ、そうなんだよ。住み込み」
古賀 咲夜
「今時珍しいわね~」
蕨 洋美
「まぁ、いざって時に目が届くから、そこは良いんだけどねぇ」
古賀 咲夜
「ふふ、なんだかお母さんみたいな言い方」
蕨 洋美
「よしとくれよ。たまに自分でもそう思っちまうことがあるんだから」
「ま、こんなのが母親じゃ、あいつらが可哀想ってもんだろうけどねぇ」
GM
おかぁちゃん!
古賀 咲夜
「そう? 頼りがいあるなって思いましたよ?」
「私もしっかりしなきゃな~」
蕨 洋美
「そうかねぇ」
小さく苦笑する
「いやぁ、古賀さんこそしっかりしてそうだし、リーダーとしてはあたしなんかより、よっぽど優秀なんじゃないのかい」
古賀 咲夜
「やる気のアップダウンなんてそれこそ、一緒に住んでいたら分かりそうな気がするのだけれど」
「……んー……」
「どうかしら。いつもいつも結局みんなに頼り切りだから」
「全然なってないんだけど」
蕨 洋美
「なるほど」
「……いいんじゃないのかい」
「任せるってのもさ」
古賀 咲夜
「……任せる、かぁ……」
子供達に頼り切りにならざるを得ないこの状況を、『任せる』なんて軽々しく言ってしまって良いものだろうか。
「うーん……」
蕨 洋美
「ウチもさ」
新しい一本に火をつけながら
「身内の自慢するみたいでみっともないんだけどね。割とどっちも仕事の方では優秀でね」
古賀 咲夜
「うんうん」
蕨 洋美
「あたしは、そっちの方ではあまり決め手ってやつを持っていないもんだから、あいつらに任せてみると、これでうまく行くことも多いもんでね」
少しだけ、酔ったような遠いめで。
古賀 咲夜
「うん」
PL1
BGMがしっとりした
GM
いいなぁ、この会話
古賀 咲夜
立場的にはちょっと似てるんだよな。
GM
立場がちょっと似ているからこそ、の会話ですよね
蕨さんのちょっと酔ってるとこ圧倒的にセクシーなんだよな
PL1
わかる

蕨 洋美
「ウチは男と女の二人なんだけれど、特に女の方なんかは頭も良く切れるんでね。そこは頼りにしているよ」
古賀 咲夜
販売とか凄く上手そうなのに、バイトの子の方がすごいのかー。
蕨 洋美
「男の方は、まぁ勢いだけってところもあるけれど、腕っ節だけはあるからねぇ」
古賀 咲夜
力も結構ありそうに見えるけどなぁ……
蕨 洋美
「ま、どっちも頭は硬いところがあるから、そこだけかね。あたしがたまに口を差し込むのは」
蕨 洋美
割と保護者としてリーダーとして、これでいいのか、と思い悩みながらの生活なんですよ
GM
蕨さんのいないFH組もそうだけど、FH組のいない蕨さんもそういう、悩んでるような一面が見えてきてすごくいいな
互いに一緒に居るときには見えてこない一面が見えてくる

古賀 咲夜
「信じてるのねー、バイトの子達のこと」
「信頼。そう信頼」
蕨 洋美
「信頼……なのかねぇ」
古賀 咲夜
少しとろんとした目でうんうん、と頷く。
「よく見てるんだなって。やっぱりお母さんみたい」
蕨 洋美
「いやぁ……本当のお袋さんなら、もっとちゃんとしてるもんだと思うけどねぇ。でも、ありがとうよ」
古賀 咲夜
「大人なのに、子供達に頼って……って」
「ずーっと悩んでいてですねー」
蕨 洋美
「古賀さんもかい」
古賀 咲夜
「大人にできることはもっともっとあるはずで、守ってあげなきゃいけない立場でー」
「なのに、その力が私にないってゆーのが」
「悔しいんですよね~」
GM
そうなんだよな、大人一人子供二人の構成なんだよな、どっちも
PL1
そうこっちは大人同士で深いところがみえてくるんよなあ
GM
そうそう これは大人同士でないと見えない一面

蕨 洋美
「ああ……」
「あたしも、前はそんなだったねぇ」
古賀 咲夜
「蕨さんもですかー?」
蕨 洋美
「ああ。何の因果か、割とリーダーを任されることは多くてね。どうしても考えちまうんだよねぇ。リーダーなら、他の面子の誰よりも全部こなせないと、ってさ」
古賀 咲夜
「わかります~。どうして私リーダーなんかやってるんだろ」
「私何もできないのになぁ」
蕨 洋美
「そりゃ」
「古賀さんこそがリーダーに向いている、って思われてるんだろうさ。上がよっぽど無能じゃなきゃね」
PL1
上(リヴァイアサン)
古賀 咲夜
「せいぜい鬼上司の説教聞いて、現場でお手伝いして……それくらいしかできないからなぁ」
蕨 洋美
「それだって、きっとリーダーじゃなきゃできない仕事ってやつさ」
古賀 咲夜
「うーん」
「男の子の方、このお仕事に巻き込むにはちょっと幼いし、女の子の方は馴染みすぎててそれはそれで心配だし」
蕨 洋美
「馴染んでるんなら、余計に頼れるんじゃないのかい?」
古賀 咲夜
「もっと人がいれば無理させずにすむのになぁ~」
「んー、ずっとここにいて欲しくないんですよね~」
「もっと別の仕事して、広い世界を見て欲しいなって」
GM
蕨さんも背負い込んじゃうタイプなんだなぁ 本編中でも、「他の物に受け止めさせる」鶴ヶ島さんに対して、「自力で全て受け止めきる」蕨さん、最後には部下の命も何もかも自分で背負い込む人だよな、って思ってた
蕨 洋美
目ん玉避けても守ろうとしますからね
GM
そうそう
部下を死なせたことのない蕨さん、何かあったらそれこそそれまで背負い込んでしまいそうな危うさがある
そして古賀さんは古賀さんでまっすぐに二人のことを想うよきリーダーなんだよなぁ……
蕨 洋美
チームに死者が出るなら、最初に死ぬのは自分でなければならない、とは誓っているところはある
GM
蕨さんそういうとこありますよね

蕨 洋美
「キャリアアップってやつかい。なるほどねぇ」
「でも」
「やっぱり、古賀さん。あんた、リーダーに向いてるよ」
古賀 咲夜
「そうかなー」
「新人リーダーだから、うまくできてるのかわかんなくて」
蕨 洋美
「そうさ」
古賀 咲夜
「前任者、引き継ぎもなしでいなくなっちゃったから」
襲撃で死んだから。
蕨 洋美
「あたしはさ」
「もう、割り切っちまってるんだよ」
GM
ジョッキ!
しらんジョッキだ
PL1
4杯目!
古賀 咲夜
ドイツビールだったかな?
GM
ほほう
蕨 洋美
ゴブリンエールかな
PL1
ゴブリンなのか
GM
そんなこと言って最後には全部受け止めて背負い込むじゃん蕨さん……
いま調べたけどチェコみたいですね>Starobrno
公式webが言語の壁
古賀 咲夜
ぜんぜんちがったわー

蕨 洋美
「リーダーだなんだ、っても、所詮は人間一人。できることなんて、限られてるもんだ」
「それなら、せいぜい自分のしなきゃならないとこだけはきっちりこなす。後は得意なやつがやればいい、ってね」
「開き直った、って言ってもいい」
古賀 咲夜
「……」
蕨 洋美
「でも、あんたはあくまでリーダーとして全体を見ようと足掻いてる」
「あたしもそうしようとは思っちゃいるが、不向きってやつなのかね、うまく行かないから」
古賀 咲夜
「そう……」
蕨 洋美
「あんたの方が、よほどリーダーだよ」
古賀 咲夜
「余所の芝生は青い、ってやつなのかしらね?」
「往々にして人の方ができてるように見えちゃうもの」
「だから、きっと蕨さんとこも、その優秀なアルバイトさん達にはできないとこ、蕨さんがきちんとやってるから」
「おみせがちゃんと回ってるのよ」
蕨 洋美
「ふっ」
「そうなら、いいんだけれどね」
古賀 咲夜
ちょっと手元が不安定。
いつもより酔いが早いみたい。
お猪口の向こうに手を伸ばして……
ちょっと触って倒してしまったかに見えた、が、お猪口はくるりと回って体勢を立て直す。
「……(あっ、つい)」
GM
古賀さんはみでてる
普段からオーヴァードぐらししてるからうっかり……
蕨 洋美
これ、お互いオーヴァードであること、勘付くような流れにします?
古賀 咲夜
気付かなくても良いけど、次回の時には気付くのよね?
蕨 洋美
もちろん、ここではお互い突っ込まない感じで
そうそう
古賀 咲夜
まあ、気付くけどスルーとかで
蕨 洋美
じゃぁ、スルーするけど気付くって感じにしよう
古賀 咲夜
えーん、一方的にドジって尻尾出したぁ

古賀 咲夜
「……さて、と、そろそろお暇しようかなぁ」
「ちょっと飲み過ぎちゃったみたい」
蕨 洋美
「おっと。大丈夫かい」
気遣う声をかけようとして、垣間見えた
倒れかけた猪口が、不意に立ち直るところが
「……」
古賀 咲夜
ニコニコ
蕨 洋美
「古賀さん、あんた……」
酔いが、いくらか引く
古賀 咲夜
「?」
見られちゃったかなぁ……
ヴェロニカが脳内でツッコミを入れた気がした。
蕨 洋美
その脳裏で、今まで話したことがいくつも、『別の』つながり方を見せる
「なるほど」
「……確かに、少し飲みすぎちまったかね」
「最後に、冷えたやつで頭をしゃっきりさせて、退けるとしようかね」
言って、古賀に焼酎のグラスを差し出す
古賀 咲夜
「……」
さっさと帰りたいところだが、荷物は蕨の後ろだ。
蕨 洋美
古賀が手に取るならば、氷はすでに溶け、すっかり緩くなっていたはずのそれは、汗も曇りに変わるほどに冷えたものになっていた
古賀 咲夜
「……ああ……」
蕨 洋美
「……なるほど。確かにお互い苦労もあるみたいだ」
古賀 咲夜
「そう、みたいね」
蕨 洋美
言い、自らの手に取ったグラスも、見る間に凍えてゆく
古賀 咲夜
「便利ねぇ、それ」
蕨 洋美
「あんたのも」
古賀 咲夜
「デスクに座ったままで珈琲が淹れられるわ」
ドヤッ
PL1
珈琲も作れるようになるか……
GM
古賀さんがうっかりチラ出ししたから、あえて軽く示したのかな、蕨さん
蕨 洋美
そうそう
GM
いいすな

蕨 洋美
「いいね。あたしのも、夏場はこれで重宝するもんさ。代わりに」
「どっか、他で吐き出さないといけないけれどね」
新しい一本を口に加え、その先端を指でつまむとたちまちに煙が上がる
古賀 咲夜
「……便利~」
蕨 洋美
「……あんたがどう思ってるかは知らない」
「けどね」
「あたしは、今日あんたと話せてよかったと思ってるよ」
PL1
行きずりだけど対等感出すなあ
GM
いいなぁ
古賀 咲夜
「……そう」
「まあ今日はオフだし、ね」
蕨 洋美
「そう言うことさ」
古賀 咲夜
「良いお話も聞かせて貰えたし」
蕨 洋美
「ああ。お互いに」
古賀 咲夜
「……楽しかったわ」
蕨 洋美
「あたしもさ」
「……会計、頼むわ」
店員を呼び
古賀 咲夜
「みんな、あなたみたいな人なら良いのに」とぼそりと呟いた。
蕨 洋美
「気が合うね」
古賀 咲夜
「またオフの時にお店にお邪魔するわ……」
蕨 洋美
「ああ」
「信じちゃくれないかもしれないが。あたしに取っちゃ『そっち』が本業でね」
「待ってるよ。化粧水と寝袋。見繕っとくからさ」
古賀 咲夜
「うん、お願いね」
古賀 咲夜
何でアルパインスタイルはおとなしいのにうちの地区忙しいんですか!?
おかしくないですか!?
GM
他におとなしくないセルがいっぱいあるからだよ
あと物語の主人公たるN市の運命
最後ちょっとだけ出て古賀さんと話したいような蛇足なような
古賀 咲夜
出ても良いのよ!?
GM
いいの!?
古賀 咲夜
看板に乱入歓迎って描いてたじゃないですか
GM
ヤター じゃあ蕨さんと別れた後ちょっとだけ出て会話したいな
(Q: なんでN市にいるの? A: 当人も不本意(あんまりアカリの姿でN市に寄りたくない)なんだけど呼ばれたとかのUGN的やむを得ない事情)
外に出てちょっと歩くと電柱のかげに居て、軽く古賀さん窘める感じでお話したい

蕨 洋美
仲良くしよう、とは言えない
手酷いものは蹴るつもりでいるが、任務によっては決してそうできない可能性もあるのだ
「カフェと酒場もやってるから、気軽においでな」
古賀 咲夜
こうやって話せるのはオフの時だけだ。
仕事で出会ったなら、例え彼女であろうと、彼女が大事に思う『アルバイト』であろうとも……
うちの子供達を守るためにも、手加減などできない。
「仕事が忙しくないときに、ね」
蕨 洋美
「ああ。『副業』が無い時ならいつでも歓迎さ」
古賀 咲夜
ではお財布から半額出してー
荷物を受け取って、さようならしよう。
蕨 洋美
背後から荷物を取り、手渡して
共に店を出て
「それじゃ、また」
古賀 咲夜
「うん……また、ね」
「……ふー」
一人で歩き始め、ため息をつく。
「楽しかったのになぁ~」
「いい人だったのになぁ~」
みっつの紙袋がとっても重い。
蕨 洋美
別の方向へと去ってゆく
「奇妙なご縁、か」
「もっと頭の硬い連中ばかりだと思っていたんだがね」
「どこも、同じ、か」
繁華街を抜け、住宅街へと入った所でふと、足を止める
加えた煙草からゆっくりと、煙が夜空に立ち上ってゆく
「でも、なかなか面白い話を聞けたもんだ」
月を見上げながら、つぶやく
「あいつらの将来、か……」
しばらく、煙を棚引かせてから
頭をガシガシと掻く
「やっぱあんた、立派なリーダーだよ。古賀さん」
呟いて、住宅街の中へと歩き去った
こちらは終わります
古賀 咲夜
駐車場へ向かう。
あ、飲んでるからまずいわ……
経塚 アカリ
「……随分、疲れてるようさ」

駐車場の傍らの電柱の陰。ふっと、少し前に聞いた声がかかる。表では知らぬふりを通しているが、知った声だ。
古賀 咲夜
だれか素面で運転席に座ってくれる人いないかしら。
経塚 アカリ
素面……かなぁ。N市に呼ばれて来ているタイミングだしきっと珍しく素面かもしれない。手が震えてるの隠しとこ。
古賀 咲夜
そうかこいつも酒飲みだった!
「ああ、経塚さん……経塚さんか……」
「今日、このへんだったのね、お疲れ様」
経塚 アカリ
「ああ、呼ばれてね。お疲れ様。回そうか、車」
古賀 咲夜
「今から支部に戻る所なんだけど、支部に用事ある?」
あれ、私休みじゃなかったっけ。
荷物置きに行くことにしよ。
経塚 アカリ
「少しだけ。明日にしようかと思ってたが、別に今日でも構わないさ」
古賀 咲夜
「あー、それじゃ、運転席に座ってくれないかしら」
「運転は車がやるから……」
「さすがにこの状態で運転席に座っていたら、捕まっちゃうわ」
経塚 アカリ
「了解」素直に運転席に座る。

……N市に呼ばれて来る時だけは、珍しく酒を抜いて来るのだ。”アレ”相手に隙を出さない自信がないし、変な所から感づかれても困る。
あまり長くそうしていると”死んじゃう”ので、一日が限度だが。
古賀 咲夜
アレって鬼上司のことかな?w
経塚 アカリ
YES。
鬼上司の前に飲酒状態でエントリーできないじゃん
古賀 咲夜
では荷物をぽんぽんとトランクに放り込み、助手席に座ると、車に「支部へ」と命じる。
車はすいと走り出すだろう。
「ままならないものね……」
経塚 アカリ
「そうさね、ままならない。……立場がなんだろうが、結局、人と人がそこにいるだけなのかも、しれないさ」
古賀 咲夜
「……なんか、何もかも知ってるみたいな言い方」
「そうね、アカリさん現場上がり、か」
経塚 アカリ
「ああ」
古賀 咲夜
現場で彼女と出会ったことがあるのだろうと解釈した。
「ほんと、めんどくさい……」
経塚 アカリ
「……寝てるといいさ。着いたら起こす」
古賀 咲夜
「そこまで迂闊じゃないわよ?」
「でも、ありがと」
経塚 アカリ
「それは失礼」
古賀 咲夜
黙って街の明かりを見つめる。
「UGNとか、FHとか、ほんと、めんどくさい……」
経塚 アカリ
また前を向いた男の耳についた大きな耳飾りが、小さく揺れた。
古賀 咲夜
呟いて、目を閉じた。
眠ってはいないが、そのまま車に身を任せることにしたらしい。
経塚 アカリ
「……」
勝手に走っていく車の中、街の灯りを見ていた。彼女の呟きを聞きながら、ふと……、あの事件と、面白い奴だ、と思った少女のことを思い出した。
古賀 咲夜
きっと、「遊びに行く」べきではないのだ。
情が移れば、戦いづらくなる。
しかしそれは、うちのスタッフを危険にさらすことになる。
しかし……
彼女が悪人だとは、どうしても思えなかった。
古賀 咲夜
寝た方が良ければ寝る。
経塚 アカリ
どっちでもおっけーです雰囲気
蕨 洋美
鶴ヶ島かな?
経塚 アカリ
YES
古賀 咲夜
なんと今FHとUGNが噂の少女の家で鑑賞会しているなんて
PL1
そっちは絶賛ホラー上映会なんだよなあ
古賀 咲夜
子供の方が進んでるという。

鶴ヶ島 絢子
『じゃぁ、みんなで友達になっちゃえばいいじゃん。それで全部解決』
アカリの脳裏
古賀 咲夜
友人になりたいと、思った。
同じような悩みを抱えた、彼女と。
蕨 洋美
「つくづく、面倒臭いもんだね。大人ってやつは」
どこかで、空を見上げて、誰かが呟いた
経塚 アカリ
「は、……無茶を言う。でも、やっちまうんだろうさ、あいつなら」

ふと、呟きが漏れた。意外とその日は遠くないのかもしれない。そのとき── ずっと生きるために生きてきた自分に、選ぶ道は残っているのだろうか。
ああ、面倒臭いもんだ。酒を抜くと憂いた気持ちになってよくない、あっちへ戻ったら泥になるまで呑もう。
男の溜息が、空に溶けた。
古賀 咲夜
「めんどくさいわねぇ、おとなって……」
呟いて、女は今度こそ眠り始めた。

同級生Y
「ね、ねえ少年、一緒にトイレいかない?」
金髪おさげの少年
「あ、うん、僕もちょっと血は……」
「一緒にあっちでアクション映画観ない?」
鶴ヶ島 絢子
「ちょっとちょっと、どこ行くの。これから1番エグいとこなのに」
わしっ
金髪おさげの少年
こっちにゃタッピング&オンエアがあるんだよ!
鶴ヶ島 絢子
「見逃したら損するよぉ」
PL1
シアタールーム2があるマンションやべえ
古賀 咲夜
子供は多分朝まで映画鑑賞。朝方にインド映画とか流してる。
鶴ヶ島 絢子
インドのホラー映画かー

古賀 咲夜
本日の飲み会これにて終了。
PL1
ぱちぱちぱち!
経塚 アカリ
おつかれさまでした、いい会話だった…… この裏で子供ズがオールナイト映画鑑賞してるのコントラストが最高でいいな
少年Y
「バーフバリ!バーフバリ!」
同級生Y
「バーフバリ!バーフバリ!」
古賀 咲夜
バーフバリが消し飛んだ。
PL1
間違って少年に、間違ってはいないけど
GM
間違っては無いけど立場が明確に
鶴ヶ島 絢子
「ストゥリー 女に呪われた街ってのがあるよ。インド映画」
金髪おさげの少年
「ホラー疲れたよ~」
GM
さすがホラーに詳しい
鶴ヶ島 絢子
「じゃぁ、さっぱりめに残穢でも見ようか」
炒飯娘
「そういえば前に住んでたマンションで……」
鶴ヶ島 絢子
「実体験?いいね~~蝋燭持ってくるね」
金髪おさげの少年
鑑賞会は終わらない……
GM
おさげ少年がへろへろになってしまう……
金髪おさげの少年
苦手なのは流血だからー
では本日はここまで!!
鶴ヶ島 絢子
特大の流血ってことでシャイニングでも流しとこう

鶴ヶ島 絢子
バッテリー切れそう
GM
充電切れ!
鶴ヶ島 絢子
お疲れ様でした!
PL1
おつかれさまでした!
GM
そこであえて流血流しちゃう
金髪おさげの少年
おつかれさまー
GM
ありがとうございました!

コメント
もしUGNの古賀さんとFHの蕨さんが出会ったら、結構気が合うんじゃないかな、みたいな話はだいぶ前から出ていました。
立場似てますし、考え方がある程度柔軟ですしね。
今回子供チームが仲良くなったのと、大人チームで『マタンゴ』することになったのもあり、じゃあ本当に飲み会してみようか、と。

古賀のプライベートは自分でも割と想定していなかった動きになりましたね。なんだぁ、結構ぐいぐい行くじゃないか、とか、服買うのか(汚れてもいいユニクロ服大量&そこそこいいコート×1)ー、とか、結構呑むのね……とか、煙草もやるのね……とか。
知らなかった。

結構安定しているように見えた蕨さんが悩みを持っていたり、『アルバイト』たちを頼りにしているところが見えたりして、楽しかったですねぇ。
子供二人と、それに援護をする大人。構成としてはふたつのチームは似ています。だからこそ悩みも似てくるんですね。面白い。

あまり力を使ってどうこうしようとしない蕨、『悪いこと』をしないならある程度目をつむりたい古賀、命令でもない限り二人がぶつかることはないでしょう。
だといいなぁ。

最後にアカリさんも現れて、これで番外編全員登場です。アカリさんの立場がどんどん微妙になっていく……『運転』ありがとう


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本作は、「矢野俊策、ゲーム・フィールド」が権利を有する「ダブルクロス」の二次創作物です。