TRPGリプレイ ダブルクロス3rd 第十一話『嵐に告ぐ』 7


こんばんは
八雲 乾風
たいき!
阿修雷
お前じゃない
八雲 乾風
アッハイ
鶴ヶ島 絢子
お待たせしました!
GM
コンバンハ!
阿修雷
こんばんは!
GM
悠くんまだかな
鶴ヶ島 絢子
すみません、今私のエサを用意してくれてます
阿修雷
たべてないんかーい
GM
こんばんは!
GM
ないんかーい
そんな気がした
結雲 悠
ねこではない。
鶴ヶ島 絢子
今お風呂から帰ってきたとこで
阿修雷
さっぱり
GM
なるほど お風呂は重要
結雲 悠
角川ヤバいね……ってちょっと震えてたところ。
GM
そうなんですよね かなり大きなことになってるようで
鶴ヶ島 絢子
あまりの恐ろしさに、今日新たに増えたサメたちもブルブルしてます
結雲 悠
紐引いただけだろうがっ! ネタが内輪すぎる!
ともあれ遅くなりました。
GM
お疲れ様です、調理とか片付けとか大丈夫ですか?
結雲 悠
大体片付いたのでこちらは大丈夫です。
お待たせしました。
GM
はーい
では、よろしくお願いします
結雲 悠
よろしくお願いします!

GM
賽は投げられた。
道は切り開かれた。
振り返れば、そこには荒れ狂う嵐のあるばかり。
もはや、戻ることはできない。
たとえ望んだとしても。

GM
あなた達は〈一族〉の本拠地たる城を目前としている。
巨大な動きとなった〈反乱〉の制圧の為、本来そこに座している〈幹部〉たちは、その多数が城を離れている。
その隙を縫って、あなた達はそこにいた。
鶴ヶ島、あなたはそこであなたを待つ人がいることを知っている。
あなたの祖父、いや、あなたはその人が真にあなたの「祖父」であるのか、あるいはもっと旧い存在なのか、あなたは知らない。
結雲 悠
「ここがそんなすごい一族の本拠地……」
まっぷたつのけん
鶴ヶ島 絢子
具体的にはどんなところなんでしょう
本当に城?
GM
おっと描写中、少しお待ちを。
鶴ヶ島 絢子
失礼しました!
GM
いえいえ、遅くてすみません!
結雲 悠
というか描写終わってから投下しようとしていた僕の文章がミスタッチで放り込まれちゃったのがぶった切ったよね。ごめん。
鶴ヶ島 絢子
ズバァ
どっかの剣
シーン切りなら任せろ!
どっかの剣…… 妖刀シーン切り丸。

GM
「城」と呼ばれるそこは、地上を見るならば小さな屋敷だ。
しかし、その地下には広大な空間が広がっている。
あなた達がいた空母よりも遥かに巨大。まさに「城」、あるいは「迷宮」と呼ぶにふさわしい地下の大邸宅。
そこであなたの「祖父」は、あなたを待っている。
待たれていることを承知で、それでもあなたは行かねばならない。

なぜならば、常にあなたを穏やかに抑圧してきたその人が、反乱のただ中であなたを待つということは。
それが、あなたとの「対話」に応じるというメッセージだからだ。
鶴ヶ島 絢子
「……」
身震いがする
結雲 悠
「思ってたより小さいな」
鶴ヶ島 絢子
「見た目はね」
その震えは、緊張や恐怖のそれより、遥に深くから這い上がってくるもののように思えた
鶴ヶ島 絢子
「……」
阿修雷
「……さっさと行くぞ。どうせ気づいている」
鶴ヶ島 絢子
「そうだね。間違いなく、もう見られてる。
例え目がそこに無くても」
阿修雷
何人きてるんだろう?
鶴ヶ島 絢子
総力戦?
GM
遊撃戦だ。
大きな戦力こそいないが、あなたの顔見知りであるものは全員がここに揃っている。
ヴェロニカ
「なんか、毛先がピリピリする」
ミノリ
「城攻めというには人数が心もとないな」そう、ミノリが朱い剣を提げて言う。
白岡 久喜
「一騎当千というやつじゃ。委細なかろ」
阿修雷
「城攻めならそうだろうが、吸血鬼狩りなら十分だろう」
結雲 悠
「みんな鶴ヶ島みたいなヤツなら攻撃が通じないんじゃないの?
ていうか喧嘩に来たんだっけ?」
阿修雷
「コミュニケーションですよ、悠くん」
赤嶺 アンリ
「お話合いwith拳ってやつじゃないんさ?」
蕨 洋美
「来るなら守る。来ないなら攻める。簡単だろ」
GM
というあたりで登場している人は侵蝕率をどうぞ。
侵蝕率
結雲 悠
1d10 (1D10) > 4
[ 結雲 悠 ] 侵蝕率 : 63 → 67
赤嶺 アンリ
1d10 (1D10) > 2
[ 赤嶺 アンリ ] 侵蝕率 : 84 → 86
阿修雷
1d10 (1D10) > 10
[ 阿修雷 ] 侵蝕率 : 64 → 74
鶴ヶ島 絢子
1D10 (1D10) > 5
[ 鶴ヶ島 絢子 ] 侵蝕率 : 62 → 67

いるひといないひと
古賀 咲夜
私いるのかしら?
GM
PCじゃない皆さんは居ても居なくてもいい。
古賀 咲夜
じゃあ後方支援してようかしら。
GM
古賀さんは後方支援向きでしょうしね。
八雲 乾風
ニーカいるみたいだしいるぜ
GM
何らかの通信手段でリモート支援とかでもいい。今の所通信は通じているようだ。
リチャード
私も後方支援ですね
古賀 咲夜
後方支援系のキャラしてるのに能力はガチ前衛系のリチャードさん。
GM
まあファータイルさんみたいな立場のオーヴァードが直接力を振るう時点で通常の事態ではないですし。
リチャード
アンリさん除く大人組はそれ以外にもたくさん仕事あるとおもうの
赤嶺 アンリ
俺仕事ないんさ~
古賀 咲夜
仕事して♪
相手の戦力を寝技で引っこ抜くとかでもいいのよ♪
赤嶺 アンリ
吸血鬼相手の酒…… うーん、グラッパ?(葡萄)(安酒)
ヴェロニカ
ウチは前線しかいないなぁ
結雲 悠
キリストの血であるワインなら効くかなぁ?
そっち方向の吸血鬼かは知らんけど。
聖なる力が効くのって要は神に呪われたからだしな。

GM
さて、「祖父」からのメッセージは明確だ。
ここまで来い。来て話に応じるなら、あなたの我儘の理由を「ちゃんと聞いて」やろう。
鶴ヶ島 絢子
「……やっぱり、いるか」
まるで、地表にまで滲み出る影が見えるようだ
あやすように設えられたそれらが、自らを絡めとる触手のように不気味に思えた
GM
あなたは「祖父」の部屋を知っている。
縫いぐるみや甘いものをいっぱいに準備して、いつまで経っても幼子を甘やかすようにあなたを待っていた部屋だ。
「城」の、一番奥。
鶴ヶ島 絢子
「行こう。目的地は、一番奥。
道は、知ってる」
結雲 悠
「うん」
赤嶺 アンリ
「ん」
阿修雷
「絢子」
赤嶺 アンリ
「ハデな里帰りさねぇ」うーん、と酒臭い男が伸びをする。
おちた?
阿修雷
あれニキおちた?
GM
あら?
結雲 悠
いやちょっと
阿修雷
鼻から牛乳した?
鶴ヶ島 絢子
ごめん、ちょっとチキンが
リロイジェンキンスした
GM
どういうこと
(やはりお食事タイムを取るべきではないだろうか、GMはいぶかしんだ)
鶴ヶ島 絢子
いえ、すみません
大丈夫

鶴ヶ島 絢子
「うん」
アシュレーに振り向く
阿修雷
「魔法などない」初めてあなたの背に触れる
鶴ヶ島 絢子
「魔法なんて、ない」
当てられた、その手の感触
阿修雷
始めは冷たく、次第に互いの体温の輻射熱でぬくもりが感じられるようになる
鶴ヶ島 絢子
「……ありがとう」
阿修雷
軽く頷き、中に促す
鶴ヶ島 絢子
その温もりを背に、一歩踏み出す
「行こう、みんなそれぞれの想いのために」
大型拳銃を取り出し、装弾を確かめつつ
阿修雷
友達の反抗期を見に行く会
結雲 悠
今日の月は紅い

GM
小さな屋敷の扉に鍵はかけられていなかった。
扉を引くならばたやすく開くし、外から屋敷を破壊しようと望むなら、それもまた、たやすい。
鶴ヶ島 絢子
扉の前に立って、しばし
「あ、そうか」
八雲 乾風
「えっ?」
鶴ヶ島 絢子
気づいて、引き戸の取っ手に手をかけて引きあける
「ごめんごめん、そういえば自分で開けたことなかったや、この扉」
阿修雷
嘆息
赤嶺 アンリ
「普段はどうやって開けてんさ?」
鶴ヶ島 絢子
「いつも私がここへ来ると、誰かが中に立って開けてくれてた。
当時は何も疑問に思わなかったな」
結雲 悠
黒いのが開けてくれるのかなーと思ってた
阿修雷
「おいジンノーシェの犬、エスコートしてやったらどうだ?」
結雲 悠
いぬよばわり
八雲 乾風
「えっあっご、ごめん、俺が先に入ろうか?」
赤嶺 アンリ
「うーん、素直」
ヴェロニカ
「あんたなんでいっつもそんな偉そうなのよ」
八雲を押し除けて、先に入る
八雲 乾風
「うわっ、ニーカきをつけて」
結雲 悠
「こういう言い方しかできないからさ……」
少しばつが悪そう。
鶴ヶ島 絢子
「大丈夫。私が奥に行くまで、多分何もないよ」
ニーカと気遣う八雲の声に応えて。
「たぶんね」
八雲 乾風
「そっか、よかった……たぶんなの!?」
鶴ヶ島 絢子
「気まぐれな人だから」
赤嶺 アンリ
「んー。酔っ払いと気が合いそうで合わなさそうさ」
鶴ヶ島 絢子
いや、そう装っていただけだ
今なら、その異様が肌を突き刺すように染み込む気配でわかる

GM
扉を開けると、そこはがらんとした誰もいない小さな家だ。
そらぞらしい生活感を宿した室内に、不似合いに大きな地下への扉。
鶴ヶ島 絢子
真っ直ぐに廊下を進むと、不意に現れる鉄扉
結雲 悠
「おー、魔王城っぽい」
鶴ヶ島 絢子
鉄扉にそっと手を掛け、押す
GM
微かな軋み音を立てて扉が開く。
……微かな黴と血の臭い。吸血鬼の居城として演出されたその向こうに、こちらを窺う無数の視線の気配があった。
鶴ヶ島 絢子
「……いる」
赤嶺 アンリ
「うわぁ、いっぱいいるんさー」
鶴ヶ島 絢子
中は暗い?
GM
中は見慣れた薄暗さを宿している。
ぽつりぽつりと続く蠟燭型のランプが、あなた達を奥へといざなう。
ここが薄暗いことにも、以前のあなたは疑問をもっていなかった。そういうものだった。
結雲 悠
ただならぬ気配に身震いをする。
鶴ヶ島 絢子
いかにもといった風の石造りの階段を下る
襲ってきたりする奴はいるのかな
GM
こつ、こつと足音が響く。
豪奢なつくりのロビー、さりげなく飾られたワインと、食堂や使用人の部屋。
中央に、下へと続く大きな階段。

その階段へ向かおうとした時、不意に天井から降ってくる刃の気配を感じた。
GM
※演出なので、誰が反応してもよい。
蕨 洋美
少女の天辺を目指して降り来たる刃が、不意に張り出した氷に阻まれる
鶴ヶ島は狙わないかな? むしろ
ミノリ
ふっ、とミノリが剣に手をかけて上を向いたのと、張り出した氷が刃を阻んだのはほぼ同時。
GM
「お帰りなさいませ、お嬢様」そこには笑みを張りつけて刃を握る使用人がひとり。
氷に阻まれると、あっさりと刃を引っ込めてみせた。
蕨 洋美
唇から細く紫煙を吐き出しながら
「変わった出迎えもあったもんだ」
GM
「少々いつもと違うお帰りのようですから、いつもと違うお出迎えがよろしいかと思いまして。
お祖父様がお部屋にてお待ちでございます」
鶴ヶ島 絢子
「うん、わかってる」
そちらへと視線も向けずに頷く
GM
「それはそれは、お祖父様もさぞかし喜ばれることでしょう」
結雲 悠
変な奴らだ。
嫌な感じに変だ。
ユニークと言うよりむしろ、相容れないもの。
阿修雷
「お出迎えどうも、おかげで安っぽい緊張感を与えられることなくリラックスできました」にっこり
GM
「お喜び頂けて何よりでございます、お客人」
鶴ヶ島 絢子
「ありがとう。もう下がっていいよ。それと。
狙ったのが私だったのは、良い判断だったね。……友達に手を出したら。
殺すから」
阿修雷
「友だというなら少しは信じろ、挑発に乗るな」
鶴ヶ島 絢子
「わかってるって」
GM
「それはそれは。良いお友達を得られて、お祖父様も嬉しいことでしょう」
その使用人が闇の中へ消えると同時に、どこからともなく声が響いてくる。
「お帰りなさいませ、お嬢様。
ご友人にはケーキがよろしいでしょうか? それとも、ワイン?」
結雲 悠
(ケーキがいいな)
鶴ヶ島 絢子
「鉄臭い黒すぐりソースのケーキも、ここの地下で黴びてるビンテージもいらない。皆にも伝えなさい」
結雲 悠
(おいしくなさそうだな……)
阿修雷
「なんだ、せっかく良いチョコレートケーキのひとつも口にできるかと思ったのに」
八雲 乾風
「いやこんなところで出されたもの」
鶴ヶ島 絢子
「ケーキっていうより、ミートローフ? 生の」
白岡 久喜
「うまいのんか、それ」
結雲 悠
阿修雷の先生が好きそう?
衛藤 ゆき
実は私ヴィンテージや熟成肉ってあんまりなの
やっぱり新鮮なのがいいわぁ
結雲 悠
そっかー
阿修雷
「あなたが言うと回答に迷いますが」
赤嶺 アンリ
「焼いたらうまいかもしれんさねぇ」ひらりと剣を持たない方の手を翻した。
鶴ヶ島 絢子
「雰囲気が大切なんでしょ。持って回った言い方で、バカみたい」
小さく吐き捨てるように呟く
GM
「あらあら、あらあら、あらあら。
お嬢様はご機嫌斜めでいらっしゃるわ」
声はささやくようなくすくすという笑い声に変じ、闇の中へ溶けていく。
それでも、どこかから観察しているような視線は消えない。
阿修雷
「怒りは恐怖の裏返し。洋美さんの氷壁のようにしていればいい」
蕨 洋美
「うまいこと言うね」
鶴ヶ島 絢子
「わかってるよ。
でも、油断はしないで」
ミノリ
「ああ」
八雲 乾風
「なんでみんなこんなところで平気でいられるかな……」
ミノリ
ミノリの持つ剣が、城全体にたゆたう血の気配に微かに反応している。
鶴ヶ島 絢子
ひそひそ、くすくす、と漏れ聞こえる囁きの中を、どこまでも降ってゆく
結雲 悠
血の匂いが濃すぎて落ち着かない。
阿修雷
「さて、見届けてやるか」
GM
階段を降りると、下り調子になっている長い廊下へ辿り着く。
無意味に折れ曲がり、枝分かれする迷宮状の廊下だが、あなたは道を知っている。
ヴェロニカ
「アナジ、私のそばを離れちゃダメだよ」
八雲 乾風
「う、うん」
阿修雷
イラッ
結雲 悠
仲いいな
鶴ヶ島 絢子
戸惑いも迷いもなく、道を選び進んでゆく
GM
薄暗い廊下は、下るほどにさらに暗くなっていく。
時折、軽くちょっかいを出すように傍らの部屋から血の刃が飛んできたり、廊下の向こうに待ち伏せがあったりした。
下るほどにその頻度が増えていく。
結雲 悠
「なんなんだよさっきから……」
血の刃を撃ち落としながら。
赤嶺 アンリ
「友達連れてきたから気になってんじゃないさ?」
飛んできた刃を掴むと、炎に変えて投げ返した。
白岡 久喜
「ちまちまと小うるさいのう」
無造作に血の糸で繋がった血珠を暗闇に打ち込みつつ
その向こうで濡れて潰れる音には見向きもせずに呟く
結雲 悠
「あ、また。
いいの? 殺して」
鶴ヶ島 絢子
「いいよ。さっきちゃんと言ってるんだから」
GM
潰れるものがあろうが彼らの態度に変化はなく、数が減ったようにも思えない。
阿修雷
「もとより、人などここにはいないだろう」
結雲 悠
「そもそも死なないから気にしない?
そういうものかなぁ。
痛いことされたら嫌いにならない? 普通」
鶴ヶ島 絢子
心根の底の底まで一族に心酔した者たち
彼らにとっては、自らの生死すら些末事なのだろう
自らが、蟻地獄や蜘蛛の巣めいた何かの奥へと踏み入ってゆく
そんな妄想が背筋をするりと撫でては去ってゆく
GM
無数に枝分かれする薄暗い廊下は、何かの虫の巣のようでもある。
くすくすとさざめく声は廊下に反響して個性を失い、虫の羽音か鳴き声のようにも聞こえてくる。
鶴ヶ島 絢子
ここへと訪れた事は、実はそう多くはない
表へと出てからは、好んで戻ろうと思ったことはない
暗がりから現れては去る者たちのことを思う
一族の女であったはずの母は、自分を守るように遠ざけていてくれたように思う
父に出会ったからなのだろうか
そして、自分がとうとう、決別を告げようと思ったのも、両親のそうした姿を見て育ったからだろうか
ここにずっとあったならば、自分も彼らと同じようになっていたのだろうか
暗がりから再び現れ、貼り付けたような笑みで仲間に打ち倒される者を横目で見ながら、歩を進める
結雲 悠
父母からして異端者だったか
鶴ヶ島 絢子
一族の女なのに、普通の人間の父と結婚したからなぁ
阿修雷
「えぇーっ!? きみはそんな高貴な一族の血筋なのかい?」
鶴ヶ島 絢子
マスオさんの声が聞こえた
結雲 悠
マスオさんだな
GM
超わかる
GM
どれだけ歩いたのか。腰までを暗闇に浸けるほどの暗さとなったあたりで、分かれ道に使用人がひとり立っていた。
笑みをかたどった仮面をつけていて、その顔は見えない。
「お帰りなさいませ、お嬢様。お祖父様からの伝言がございます」
鶴ヶ島 絢子
「何?
急いでるんだけど」
GM
「世界が欲しいのならば、当主の座は空けてある。と」
そう言って使用人は、細く長い指で分かれ道の片方を指さした。
わだかまる闇の底へ続く階段の先は、以前にあなたが一度だけ訪れた「儀式の間」だ。

そちらを行けば儀式の間へ。
逆の分かれ道を行けば、祖父の部屋へ辿り着くだろう。
結雲 悠
「究極の選択ってやつ?」
赤嶺 アンリ
「せかいのはんぶんをやろうってやつなんじゃないさ?」
阿修雷
「正直欲しいですか? こんな世界」
鶴ヶ島 絢子
「そう、ありがとう」
使用人に短く答えて、儀式の間と真逆の道へと進み出す
GM
そうでございますか、と使用人は頭を垂れ、あなた達を見送る。
蕨 洋美
「いいのかい? 向こうの方が簡単だったんじゃないかね」
鶴ヶ島 絢子
「別に、世界が欲しくてここに来たわけじゃないし」
阿修雷
「私も召使になる気はないですね」
鶴ヶ島 絢子
それに、と胸中で呟く
文字通り自らの身も心も、一族へと捧げる
当主になる、ということはつまりそういうことなのだ
なんとなく、それは理解していた
「きっと、そのための、儀式の間だった」
GM
分かれ道を行けば、扉がひとつ見えた。
扉には、「おじいちゃんの部屋」と書かれた可愛らしいプレートが掛かっている。
鶴ヶ島 絢子
その扉の前で、足を止める
記憶の中のそれと、変わらぬままだ
阿修雷
「直筆だとしたら笑えるな」
結雲 悠
鶴ヶ島が書いたヤツ?
鶴ヶ島 絢子
「私が書いたんだよ」
阿修雷
「くくっ、そうか」
結雲 悠
だった。
鶴ヶ島 絢子
「みんな、いい?」
結雲 悠
「いいよ」
髪をほどいている。
白岡 久喜
「ここで帰ったら、ずいぶんと気合の入ったピンポンダッシュじゃの」
阿修雷
「……確かに、しっかり見届けたいですからね」眼帯を外して飲みこむ
赤嶺 アンリ
「50回くらい繰り返しておじいちゃんイラッとさせてみるさ?」
蕨 洋美
「あまり気にするタマじゃなさそうだけどねぇ」
赤嶺 アンリ
「んー、確かに。気ぃ長そうなんさ」
言いながら、剣の上で僅かに炎を這わせた。
ヴェロニカ
「ピンポンで足りないなら、ぶち抜いてやるまでよ」
阿修雷
「準備万端だな……」
鶴ヶ島 絢子
皆の言葉を受けて、手を掲げる
ミノリ
赤い剣に手を這わせ、ミノリは短く頷く。
サオリ
「ああ」返事をしたのはサオリだった。
鶴ヶ島 絢子
宙空で握り拳を作り
やたら軽く、リズミカルに扉をノックした
「おじいちゃーん♪」
妙に明るい、甘ったるい声音で
当時のように。
おじいちゃん
「はあーいー。おじいちゃんだよー」
帰ってきたのは、当時そのままの間の抜けた、甘ったるい声だった。
鶴ヶ島 絢子
「入っていーい?」
おじいちゃん
「いーいよー。お友達も一緒かい?」
鶴ヶ島 絢子
「うん。一緒でいーい?」
おじいちゃん
「いいよー」
鶴ヶ島 絢子
「わーい、ありがとう♪」
言ってから
「それじゃ、行くよ」
扉の取っ手に手をかけて
引き開ける
鶴ヶ島 絢子
ドアの前での異様なやり取りは、きっと祖父と孫の間での約束事だったのだ、たぶん
GM
扉は、勿体ぶったように重かった。
いや。もしかすると、無意識にあなたの手が重かったのかもしれない。
阿修雷
「存分に言ってやれ、邪魔はしない」
その手を取って手伝う
鶴ヶ島 絢子
「……うん、ありがとう」
乗せられた手の温もりに、更に力を込めて
隔てていた扉が開き、対峙する
GM
扉が、開く。
室内は以前にあなたが訪れたときと変わらず、可愛らしい縫いぐるみや玩具にあふれていた。
しかし、縫いぐるみは何もかも古びており、玩具にはうっすらと埃が積もっている。
どことなく、空々しく冷たい雰囲気が室内にたゆたっていた。

そしてその奥には、赤い革張りの椅子がひとつ。
椅子の上には、あなたの「祖父」が悠然と腰かけてこちらを見ていた。

その姿を見たあなた達は、否応なしに気づくだろう。
一人の人間に似た形をしているそれは、恐るべき旧きオーヴァードである。
その全身から漂う気配が、名乗らずともそう知らしめている。
おじいちゃん
「やあ。よく来たね、絢子。それに、お友達のみんな」
それが口を開く。柔和な口調と裏腹に、発される声と同時に吹きつける空気すら重量を伴っていた。
GM
鶴ヶ島絢子、あなたは知っている。
あなたの「祖父」が、そういった重みを露わにすることそのものが、そうないことだ。
鶴ヶ島 絢子
全身に鳥肌が立ち、冷や汗が噴き出る
これまでも、祖父が『怒っている』と口で言ったことはあった
だが、その時ですら、今ほどのものではあるまい
衛藤 ゆき
どうしたのかしらねー?(起源種
阿修雷
これまで平然としていた阿修雷も一瞬たじろぐ
ミノリ
ミノリの剣を持つ腕に、知らぬうちに力が入る。
ヴェロニカ
ぶわ、と毛という毛が逆立ち、頭の両端から垂らした毛髪が、威嚇するねこの毛のように膨らみ臨戦体制をとる
蕨 洋美
「……こいつは……」
赤嶺 アンリ
「……」いやん、とも何とも言うことなく、無言で息を呑む。
八雲 乾風
「や、やば……」
白岡 久喜
「……」
歯噛みするように牙を鳴らす
身に注がれた血液、一度滅ぼされた者の恐れと緊張が、全身を支配する
鶴ヶ島 絢子
皆が固まる中で
しかし、それが故に推して口を開いた
「……うん。来たよ、おじいちゃん」

真祖、世界の闇の王
その存在と、相対するために
一歩、踏み出る
GM
あなたは、一歩踏み出した。

GM
というところで、本日は以上でございます。
鶴ヶ島 絢子
ちょうどいい!
阿修雷
お疲れ様でした! クライマックス!
GM
YES! クライマックス!
ありがとうございました!
金曜だと開始が押しても大丈夫という安心感!
鶴ヶ島 絢子
確かに!
ドアの前でのやり取りは、幼い鶴ヶ島が自衛のために身につけた甘えムーブだったに違いない
たぶん、目の前でヘマした一族の者が、笑顔の祖父に容赦のないトーチャリングされてるのを見たので
阿修雷
お、媚媚幼女いいぞ
GM
ああー、それはやべぇ
鶴ヶ島さんはおじいちゃんのそういうとこ幾度となく見てるだろうしなぁ。
鶴ヶ島 絢子
祖父は頭を垂れる者には優しかった
そうでない者には容赦がなかった
GM
それを誰よりも近くで見ていたからこそ、自衛のための甘えを真っ先に覚えたんだなぁ
結雲 悠
ニュッ
ちょっと調子悪かったので横になって見てたら終わる直前にね落ちたらしい。
GM
なんと、お大事に
阿修雷
あらら。お大事にです
GM
お布団でゆっくりお休みなさって
鶴ヶ島 絢子
お疲れちゃんだぜ
GM
では、ログを取ります。ありがとうございました!
鶴ヶ島 絢子
お疲れ様でした!
結雲 悠
ありがとうございました!

コメント By.結雲 悠
遂に世界を裏から操るものとの決戦。
人は見えぬ糸を断ち切ることができるのか。

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ダブルクロス


本作は、「矢野俊策、ゲーム・フィールド」が権利を有する「ダブルクロス」の二次創作物です。