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こちらには
『夜は星を落とし易い』のネタバレがあります。

本編見る!
フカヤ ミオ
「いやだ……」
ミオが呟いた。
「……こんなの、ウソだ」
牧志 浩太
「…………」
くしゃりと手の中で紙が音を立てた。
そうか、彼女は、望んだんだ。
それ以外のことを知らなかったとしても。
牧志 浩太
「望んだんだな、君は」
フカヤ ミオ
「ああ、ああ、そんな……」
KP
ミオは何度も首を振って呟き続けた。
過去の自分が行ったことを突きつけられ、混乱しているようだ。
フカヤ ミオ
「ごめん……ごめん、なさい……」
牧志 浩太
「入れ替われればよかったんだ。
居場所が欲しいとか、そういうのですらなかった。

そこにいるのが俺だってことにも、意味はなかったんだ」
最悪だ。そう、小さく吐き捨てる。
KP
ごめんよ牧志ー!
牧志 浩太
ごめんなミオさん!
KP
怒って当たり前なんだよ。
牧志 浩太
近しさの故にかなり彼女に同情していたから、その分ギャップが大きい。
KP
ミオは首を垂れた。
フカヤ ミオ
「相棒なんかじゃなかった。
ボクはキミたちに酷いことを、した」
牧志 浩太
「……そうだな、もう少し付き合ってもらうよ。

このお呪いとやらが、全ての原因なんだろう。
それをどうにかする手段を探す」

胸の奥に苦いものが広がった。
それは失望だったのか、自分達の存在に意味がなかったことへの怒りか。
それとも、勝手に心を傾けて、勝手に裏切られたと感じたことに対する自嘲か。

仲間だと思っていたんだ、同じ化け物仲間だって。
でも君は、親を殴ってくれなかったみたいだ。
牧志 浩太
LOVEじゃないのに何となく漂う失恋ムード。
フカヤ ミオ
「探さなきゃ……」
ふらりと立ち上がり、部屋を出て行こうとする。
牧志 浩太
もう一つの扉が気にかかる。
彼女がそこへ向かおうとしているなら、一緒に向かう。
彼女が外に出ようとしているなら、引き止めてその扉へ向かう。
フカヤ ミオ
「ここは、書庫だよ」
ミオが扉を開ける。
KP
そのほとんどは現代の書物が詰まった物だったが、
古い本がいくつも詰まった本棚がひとつあった。

▼本棚を調べる  〈図書館〉または〈目星〉
牧志 浩太
1d100 98〈目星〉 Sasa BOT 1d100→38→成功
KP
背表紙がボロボロになった本を見つけた。
表紙に書かれていたであろうタイトルは薄くて既に読み取れない。
フカヤ ミオ
「この本、ボクは何度も手に取った気がする」
KP
ミオが戸惑うように呟いた。
一枚のメモが挟まったページがある。
牧志 浩太
「……」
そのメモを見て、いつものように表側と裏側を確認する。
KP
走り書きがあった。
父は私が産まれる前に変異して水の底、母は5年前に海に呼ばれていると言って入水した。
私も早く両親の元に行きたいのに、いつまでたっても魚になれないのは、人魚だから?
それとも、役立たずだから?
KP
比較的新しいメモのようだった。
フカヤ ミオ
「ああ……そうか、ボクは、これだった」
KP
ミオはあなたがメモを手に取っている間に本を見て呟いた。
【ボロボロの本】
御星様に仕える深き者の間には、時折、非凡なる美しき人魚の如き存在が眠る。
彼らは通常の者よりも変異する時が遅く、人間として生を受ける時間は他を凌駕する。

真珠のような輝きを放つ鱗を身に纏い、特に浜辺に漂着する鱗は、海辺に住む人々にとっては「お守り」として至極の価値を持つ。

これらの個体は、通常の深き者に比べ、人間に近い感性を有し、人間の味方となる者も稀に見受けられる。
しかしながら、完全なる人魚の存在は数百年に一度と言われるほどの稀有なるものである。
KP
人材の才を見抜けなかった御星様無能って話?
牧志 浩太
って話かも。
ミオ
「これだったのか」
ミオはよろけて座り込んだ。
牧志 浩太
「そうか……」
牧志 浩太
「君は、俺達に近くはあったんだ。

でも、それが君にとっては辛かったんだな。
それが、俺達にとっても悪かったんだ」
座り込んだ彼女に、手は伸ばさなかった。
本をめくる。例の【お呪い】について、何か手がかりはないか。
KP
本棚を見ると、この本のすぐ近くに古い紙束が入っているのが見つかった。
それは黒ずんでいて、墨でしたためられたもので、フチは崩れかけている。
【古い紙の束】
かつて神に選ばれ、魚となりし人間の運命を変えんとする試みを詳らかにせん。
その呪文の一端を示す。言葉は神秘の調べに満ち、文字は古今を結ぶ懐古の架け橋なり。
其の真理を解き明かすには、深い洞察と古典への探求が求められん。

「啓じし者よ、神々の選びし鱼として踊りし水辺より、人間の姿へと還りたまえ。我らが祈りの言葉に身を委ね、輝きを失わぬまま、陸地に戻りし者よ、この世に再び生を受けよ。神の加護よ、其の姿を人に返し、運命を変えん。天より聞け、魚の魂よ、人の姿へと還れ。」

此の古呪文を綴る者の願いは、神々の力が其の響きに宿り、選ばれし者を人間へと還らしめんことなり。

然れども、神秘の奥義を解き明かし、言葉の力を借りんとする者は、精神を捧げ、困難多き道を歩むことを知らねばならぬ。
古の文献と精神の継承が如何に大切なるか、心得し、選ばれし者の希望となることを願わん
PL情報
コスト
SAN値 1D3+1
MP   1MPにつき成功率5%上昇
【POW】-1の永久喪失で成功率に+50
KPよりPLへ
この呪文を牧志が使って失敗した場合、ミオがもう一度同じ魔法を使ってくれます。その場合の成功率は100%になります。
諸事情から、「ミオが使ってくれると成功率100%」という情報を渡しています。
牧志 浩太
「……!」
その一文が視界に触れて、目を見開く。
牧志 浩太
これだ。
これがあれば、佐倉さんを元に戻せる。
牧志 浩太
でも、どうして、これがここにあるんだ。
海を望んだはずの彼らの所に。

まさか、いたのか。
彼らの中にも、望まなかった人達が。
シローをあいつに託した人みたいに。
フカヤ ミオ
「ああ、思い出してきたよ……」
ミオはずるずると本棚に寄りかかり、立ち上がった。

「あそこだ。きっと彼はあそこにいる。きっとあの場所に」
「この廊下の奥、絵が掛かっていただろう。
外して、壁の切れ目を探すんだ」
KP
ミオは扉の方を指した。

※ミオを置いていってもかまいません。自力で移動します。
牧志 浩太
「分かった」
頷いて、彼女に肩を貸す。
廊下の奥の絵を外し、壁の切れ目を探す。

その間中、彼女の方に油断なく意識を配っている。
KP
ミオは酷い頭痛がするのか青ざめて頭を押さえている。
肌は真っ白で、体のほとんどを覆い始めている鱗は、青みを失って真珠色に輝き始めていた。

彼女の様子を注意深く見ていたあなたは、スカートの下でほとんど彼女の太ももは癒着してしまっているだろう事に気付く。

【POW】×3で判定!
牧志 浩太
1d100 36【POW】 Sasa BOT 1d100→50→失敗
KP
この女性は、あなたにとっては親しい友人だ。
……たったさっきそんな感情も潰えた気がしたのに、何故かそんな感情がわき上がってくる。
KP
塗られてもいいし、自覚して苦しんでくれてもいい。ここまできたらもうお好きな方で。
牧志 浩太
これ呑まれかけて思いっきり抗うRPしてもOKですか?
KP
いいですよー
今更友人だと思いたくないでしょうしね。

牧志 浩太
ああ、どうして俺はここまで来たんだっけ。
そうだ、彼女を助けないといけなかったんだ。
いまにも海に呑まれようとしている、
大事な、

相棒の、
牧志 浩太
「違う」
彼女に肩を貸していない方の手で、ベルトポーチに入った工具箱を開き、そこからマイナスドライバーを抜く。
牧志 浩太
「違う……、」
逆手に振り上げて、
牧志 浩太
「違う!」
自分の太腿に突き立てた。
力の限りに抉り抜く。その痛みと、その鈍い輝きが連れてくる記憶を引き掴む。

思い出せ。思い出せよ。
もう裏切られたはずだろ。

曲げるなよ。せっかくちゃんと悲しんだんだ。
俺も、彼女も。
怒り
KP
割とここまで来てもシナリオはミオに割と同情的なんだよね。
一方的に感情書き換えられて周囲の人の記憶雑に書き換えられてKPC奪われかけてるんだから、PCは怒ると思うんだホント。
牧志 浩太
まだ彼女が望んでいなかったなら救いはあったんだけど、やる気だったからなぁ。
まだ居場所を望んでそうしたなら救いはあったし、望んでいなかったなら救いはあったんだけど、徹頭徹尾「御星様のため」で、こちらに何の価値も感じていませんでしたからね、彼女が。
過去の自分が罪人だった彼女は辛いと思うけど、牧志は怒るのよ。
あとやっぱり、そこにいるのが彼女ではありえなさすぎたのが大きくて。
佐倉さんでなければできなかったことが、牧志の歩いた道の色んな所に絡んじゃってますからね。
それを奪われるってことは牧志自身の記憶を奪われることになってしまう。
KP
ミオが解き方まだ思い出せないから仕方ないんだけど、それで怒っているところにこの魔法の追い打ちがくるのほんとたちが悪い。
牧志 浩太
本当に。遠慮なく抗いRP許可ありがとうございます。
KP
よし! ドラマチックな一幕貰ったとこで切りがいいのでネヨウお互い!!
牧志 浩太
ですなー! 寝る! お休みなさいませ、ありがとうございました!
KP
ここは絶対塗られるより抗う方見たいし。
ありがとうございました!
牧志 浩太
この工具箱もある意味佐倉さんとの発端に関わる品なのです。(言いつつ寝る)
それでも彼女に肩は貸したり、「彼女の悲しみも」曲げるな、って言ってるあたり、本当にただの敵と見なしたわけではないんだけど。
KP
わかる。わかる……
ありがとう牧志。

フカヤ ミオ
「牧志!?」
ミオは突然のあなたの行動に驚き叫んだ。
「どう……」
言いかけ、ミオは頭を押さえて呻く。
「……『おまじない』か。こんな時に。
ごめん。ボクはまだ解き方が分からない」

あなたの足に突き立った工具を見つめてミオは唇を噛んだ。
「キミは、キミの相棒の危機を救いに来た。間違ってもボクのためじゃあない。
ボクは……キミの友達なんかじゃあない……キミの相棒の場所に割り込もうとした化物だ……」
ミオは胸元で手を握る。
「この気持ちも全部、その人のものなんだ。ボクのじゃない。
だったらなおさら、このままなんて駄目だ」

ミオは呪文のように繰り返し始めた。
あなたの本当の目的と、自分の本当の立場。
自分は他人と立場を入れ換えようとしたに過ぎないことを。
KP
ミオは壁の切れ目を探り当て、そこを力一杯ずらそうとする。
「キミは進まなきゃならない!」
牧志 浩太
「ああ……!」
痛みを堪え、呻くような怒りを漏らす。
俺達を、彼女をねじ曲げようとしている力に。
彼女自身の望みに。
牧志 浩太
一言獣のように吠え、彼女の肩にしがみついて身を引き起こした。
その壁の切れ目に体重をかけ、そこを力一杯ずらす。
KP
壁はある程度の力を加えると簡単にずれ、その向こうには緩やかに下るスロープがあった。
扉を開けると、天井に据えられた明かりがぼんやりと道を照らす。

しばらく石造りの道に見えていたそこは、天然の洞窟を削り出したものであることが分かる。
加工された部分が次第になくなり、洞窟は下へ下へとくだる。
潮の香りが、波の音が、洞窟内を充たし始めた。
牧志 浩太
工具をベルトポーチに戻す。
彼女に肩を貸したまま、片手で懐中電灯を取り出し、足元に向けながら慎重に進む。
KP
そしてやがて、洞窟は少し広い場所にたどり着く。
そこは天井がなく、植物に覆われた上部から光がわずかに差し込む場所。
海水が道のはてを沈めている。

水が打ち寄せる場所に、人間が一人、下半身を水に沈めたまま倒れていた。
佐倉光だった。
牧志 浩太
「佐倉さん!」
叫び、一瞬駆け寄りたくなる。
それを堪え、慎重に進む。

彼女を少し離れた場所に下ろし、彼に近づく。
牧志 浩太
夢の外で、ずっと見たかった姿だった。
牧志 浩太
ここでミオさんを下ろして近づくあたり、牧志の動きがもう彼女を信用していない所ある。
KP
無理もない。
KP
近づいてみると、佐倉の体は鈍く輝く青黒い鱗に覆われていた。肌色を保っているのは最早胸から腹にかけた僅かな部位と掌、顔の中央くらいしかない。
その部分の皮膚もうろこ状にひびが入り、変異は完成間近だった。
脇腹にはぴったりと閉じた鰓があり、下半身は完全に巨大な魚類のそれになっていた。なだらかに落ち込んだ下腹部に臍はなく、つるりとした太い尾びれに繋がっている。
そこが足だった形跡はもはやなく、僅かに差し込む光の中、水に沈んで揺れていた。
手の指の間には僅かな水かきが生じ、肩甲骨の下あたりから背鰭がうっすらと生えている。

一度夢の中で見た姿だった。
だが、目の前に横たわるそれは紛れもなく現実で、海底へと彼を引きずり込む力はもうほとんど完成しているのだと思い知らされる。
もう彼は、地上で生きられる姿ではない。

SANチェック成功時減少 1失敗時減少 1d2
牧志 浩太
1d100 59 《SANチェック》 Sasa BOT 1d100→28→成功
SAN 59 → 58
KP
あなたの声に反応し、佐倉の瞼が動いた。
瞼が幾度かゆっくりと開いたり閉じたりを繰り返し、胸が震え、僅かに開いた口から空気が漏れた。
やがて、絞り出すように声を上げる。
佐倉 光
「牧志……? 来てくれた……のか……」
牧志 浩太
「来ないわけ、ないだろ」
彼の上半身を抱え上げ、呼びかける。
ほとんど鱗に覆われた身体に触れる時にも、躊躇いはなかった。

普通の人間なんて、ここにはひとりもいない。
KP
あの夢の時のような熱さは感じず、鱗に覆われた体はひやりと冷たかった。
ぐったりした体は重く、濡れた髪が額に貼り付いている。
波がかかると鰓が空気を求めてぴくぴくと震える。
彼は衣服を身につけておらず、少し離れたところに脱ぎ捨てられた衣服とともにお守りが落ちていた。
佐倉 光
「……ごめ……ん…………」
声がかすれ、息が詰まる。

骨格が、筋肉が、内臓が、容赦なく形を変える。
それは恐らく、精神の形まで新たなうつわに合うように歪めながら。
彼の全身に痛みをもたらしながら、変異は完了しようとしている。

佐倉の左腕についたままのCOMPが、アナライザーを表示したままになっている。
妖鬼と人間の表示がちらついていた。
牧志 浩太
「佐倉さん!」
叫ぶ。引き止めようと彼の身体を掴む。
牧志 浩太
「大丈夫だ、見つけたから!」
見つけたんだ、引き戻す方法を!

あの呪文を、使うことはできるだろうか。
KP
できます。
牧志 浩太
「ミオ」
佐倉さんの背に手を伸ばし、あの呪文を頭の中で諳んじながら、振り返ることなく一度だけ聞く。
牧志 浩太
「『お呪い』の解き方、思い出せないか」

ここで、邪魔されるわけにはいかないんだ。
牧志 浩太
返答を待たずに、呪文を唱え始める。
変化していく身体を両腕で抱えて、声は祈りというより叫びに近かった。
牧志 浩太
あんなに往生際が悪いくせに。
こんな時だけ諦め顔で、行かせるものか。
牧志 浩太
呪文を使用します。
MP10と【POW】1を消費して100%にします。
※PL情報は確認済みです。
牧志がけじめをつけたいようなので。>【POW】消費
KP
あなたの叫び声に応じ、ミオは岩場に身を横たえたまま声を上げた。

はじまりはただの叫び声だった。だがすぐに魂を絞り出すような悲鳴へと変わり、そして旋律を得る。それは人のものではなく、美しくも不気味な歌だ。
悠か天空へ届けとばかりに人魚は歌う。その体を急激に鱗が覆い、足が尾びれとなる。

あなたの頭にかかった霧が晴れる。

あなたが唱え始めた呪文と人魚の歌がひとつとなり、洞窟に響き渡った。
KP
▼あなたの魂そのものを削り出した呪文に失敗はない。正気度を1D3+1 消費。
牧志 浩太
1d3
Sasa BOT 1d3→2
SAN 58 → 55

KP
ミオと「お別れ」がしたいですか?
それとも一言掛け合うくらいでいいですか?
牧志 浩太
一言掛け合いたいです。
言いたいことがあるので。
それで十分かな。

※けじめをつけたい:ちゃんと袂を分かったんだから今更頼らないの意
KP
そうか……なるほど。

牧志 浩太
背を抱えた手に力を込める。
一言一言刻みつける声が人魚の声と絡み合い、ふたりの化け物が歌う。
牧志 浩太
佐倉さんを奪おうとした彼女への。
不甲斐なく記憶を奪われかけた自分への。
佐倉さんを奪い、俺の記憶を奪い、彼女をそんな所へ追いやった、『神』とやらへの。

あらゆる怒りをねじ込み、投げつけるように、自らの魂を言葉へと込める。
牧志 浩太
力ある祈りが、自分自身を狂気の底に削られていく感覚をもたらす。
それでも、言葉を止めない。

魂くらいくれてやる。それ以上のものはやらない。

牧志 浩太
PLはこの後に何かあるかもとか、【POW】減って今後大丈夫なのかとか大層迷ったけど、牧志の意志が固かった。
しかしなんかこう、牧志はこの行く先に魔きしがいそうな気しかしない。
KP
二匹の化け物のコーラスが最後の一音を奏でる。
沈黙が訪れた。
やがて、佐倉が苦痛のうめき声を上げ始めた。
佐倉 光
「う……うぅ……」
KP
美しくも悍ましく伸びた鰭が焼け焦げたように縮み落ちる。
指の間にできていた水かきがしなびてひび割れる。
佐倉 光
「ーーーーー!」
佐倉は反り返り悲鳴を上げたのだろう。しかし声は出なかった。

全身の鱗が乾いて反り返り、まるで風化した塗装のようにばらばらと剥げ落ちる。
魚の尾がばくりと裂ける。流れ落ちる血が海を染め、ぶよぶよと不定形になったにくが見る間に足の指一つ一つを形作る。
鰓がぴたりと閉じられると同時、佐倉の悲鳴は音となって喉から飛び出した。

それは悍ましい変異だった。
骨がねじ曲がり、肉が砕け、臓器がうねる。
魚が死に、人が生まれる。

SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1D2
牧志 浩太
1d100 55 《SANチェック》 Sasa BOT 1d100→69→失敗
1d2 Sasa BOT 1d2→2
SAN 55 → 53
牧志 浩太
「佐倉さん!」
名を呼ぶ。いまやあらゆる霧が晴れ、はっきりと呼べるようになった名を。
水掻きの合間から生まれ出す手を取り、握る。
KP
全てが収まったとき、あなたの腕の中には、血や鱗だった物の残骸にまみれた全裸の佐倉が横たわっていた。
佐倉 光
「まき……し……」
KP
苦痛の下で微笑んであなたの手を握り返した佐倉は、そのまま目を閉じてしまう。
おそらく変異の衝撃で気絶してしまったのだろう。しかしその胸ははっきりと空気を取り込んで上下していた。
牧志 浩太
佐倉さんの身体を抱え上げ、処置が必要な傷が残っていないか確かめる。
傷があれば処置をし、血や水をぬぐって自分のジャケットで彼をくるむ。
牧志 浩太
「ああ……、」
そうしてようやく。
牧志 浩太
「よかったぁあああ」
彼の身体を抱きしめ、怒りに溢れていた顔を歪め、情けなくぼろぼろと泣いた。
今度こそ何もかもを取り戻せた喜びに。
お詫びの品について
KP
ぶっちゃけますと。
シナリオではミオはこのまま去りますが、そのときに「お詫びの品(?)」を置いてくんですよ。
しかしそれに頼ることを牧志はヨシとするかな……って。
しないようなら、代わりにここで佐倉からそのアイテムを出すか、別のシナリオで何らかの別のものだそうかなと。
牧志 浩太
ああー。
佐倉さんを取り戻すのに頼りたくなかっただけで、彼女の余韻を手にすることについては問題ありません。

むしろ、彼女の余韻を穏やかなものにできるから、丁度いいんじゃないかな。
KP
なるほど了解。
牧志 浩太
「終わってしまえば、ただ相容れないだけ」終わった後まで恨むつもりはないので。
牧志にとっては、ありえたかもしれない自分自身でもありますしね。

KP
ばしゃん、と水が鳴った。
何か大きな物が水に飛び込んだ音だ。
牧志 浩太
水が鳴る音に振り返る。
ああ、彼女かな、と何となく分かっていた。
KP
真珠色の大きな尾びれが水を叩く。
人魚
「間に合って本当に良かった。
迷惑をかけたね……ごめん」
KP
一糸まとわぬ姿になった、ショートボブの赤毛の人魚が言った。
言う間にも彼女の皮膚はひび割れ鱗と化してゆく。
牧志 浩太
「いいや、収まる所に収まってよかった。
全く、短気な神ってのも困るよな」

困ったように、彼女に笑いかける。
何もかもが終わってしまえば、後はただ相容れないだけだった。
牧志 浩太
「元気でな。
向こうに行ったら、できれば神にもうちょっと気が長くなるように言ってほしい」

ひらりと手を振る。別れの意を込めて。
できれば、もう二度と会わないといい。
人魚
「そうだね……」
人魚は寂しそうに微笑んだ。
「人間としてのボクにとっては、この数日間が一番楽しかった……なんて言ったら、キミは怒るだろうな」
牧志 浩太
「いいや。
こんな会い方しなかったら、友達になれたかもしれないのにな」
フカヤ ミオ
「さよなら……牧志」
人魚はひらと手を振った。
牧志 浩太
「さよなら、ミオ」
KP
ミオの足首から膝までの線は滑らかで、透明な水晶のような輝きを放っているかのようだった。
その肌は白く、いつの間にか輝き始めた星の光をやわらかく反射している。
指先には、宝石のような鱗が一つ一つ丁寧に並び、透明な水滴が指の先に滴る光景が目に浮かぶようだった。

一度振り向いた彼女の瞳にはもう、あなたを相棒と呼びたがった娘の光は見えない。
彼女は星に仕える為に、その命を魚へと変えた。
その魚の中に、人間だった頃の想いが残っているかはもう、うかがい知ることはできない。

柔らかなレースのような尾びれが水を跳ね上げ、きらきらと光る。
小さな泡がぼこりと弾けたのを最後に、その姿はどこにも見えない。
彼女を飲み込んだ海は、その水面に輝く星空をただ静かに映していた。
牧志 浩太
星の光に照らされて光り輝く人魚の姿は、何もかもが収まるべき所へ収まったと思わせた。

裏切られた痛みと微かな感傷を、波がさらっていく。
静かになってゆく海を、少しの間見ていた。

もうその海が人を呑むことは、少なくともしばらくはないのだろう。


【ED:命を星に還す水平線】

両生還にて閉幕


牧志 浩太
袂を分かってから呼称が「ミオ」に変わっているのは、もはや佐倉さんの位置に重なることはないからですね。
KP
お土産はそこに脱ぎ捨てられた彼女の服に置いてありました。
ミオのひときわ光る真珠色の鱗です。
持っていると何故か、心が守られ落ち着く気がします。
牧志 浩太
なるほど。
ちょっとした感傷と共に、その鱗は持っていることでしょう。
KP
それから数日が過ぎた。
あれから謎の遺体は上がらなくなった。
世間的には全てが謎のままに事件は終わり、江ノ島の人々の不安は凝り続けたかも知れない。

しかし人間社会はせわしないものである。
あっという間に事件は忘れられ、サメか何かの仕業だったということになるだろう。

佐倉はあれから体調不良で二日ほど寝て過ごしたが、三日目には本調子を取り戻していた。
牧志 浩太
「おはよう、佐倉さん」

佐倉さんの部屋に収まる当人は、今度こそ正しくその部屋の住人。
黒いパーカーの中にあるのは、黒い髪と白い肌。

少し見上げる位置の猫背のシルエットは、今度こそ何の違和感もなく、正しくそこにあるべき人のそれだった。

目玉焼きを焼きながら、その名を呼べる安堵を噛み締めて呼びかける。

あれから、日記帳を何度も何度も読み返した。
そこに書かれた軌跡が俺の中にきちんとあることを、喜んだ。
佐倉 光
「おはよう。……あの、さ。
もし、万一、でいいんだけどな?」
その日佐倉は、もの凄く言いづらそうにして口火を切った。
佐倉 光
「俺の目覚まし時計、まだ持ってくれてる?」
牧志 浩太
「ああ、何かと思えば。もちろん」
佐倉 光
「ごめん! アレは完璧に俺が悪かった!
ありがとう!」
佐倉は頭を下げた。
佐倉 光
「何か察してるから守ってくれたんだろうけど、あれ大事な物なんだよ。
言ったことあったかな?
ガキん時に親から貰った誕生日プレゼントなんだ、あれ」
牧志 浩太
「確か、どこかで聞いた気はするな。壊れてるんだけど捨てづらいって。
どこだっけ……

……そっか、よかった。
あんなもの守ったせいであんなことになっちゃったかと、少し後悔してたから」
目玉焼きを皿に盛る。
佐倉 光
「いや……守ってくれて良かったよ。
なくなったら割とショックだし」
佐倉 光
「けど、あの時は本当に、この時計見る度にあのヤギ野郎がちらついて最悪な気分になってさ……
色々重なってたんだろうな」
牧志 浩太
「そうか、ならよかった。
……色々重なってたんだろうな。
忘れちゃってたみたいだし、あの時から呼ばれてたようでもあるし」
牧志 浩太
「運が悪かったな。今に始まったことじゃないけどさ」
そう、軽く苦笑する。
佐倉 光
目玉焼きを見下ろして、ふと考え込む。
「最近目玉焼き率高くない?
俺、何か話したっけ」
牧志 浩太
「ああ、目玉焼き? 食べられなかったって言ってたよ。食べられなかったけど、嫌な記憶じゃないって。
だから、きっと大事な記憶だったんだろうなって話をしてた」
佐倉 光
「そうか……ありがとう」
佐倉 光
「海底に目玉焼きはないもんなぁ、ほんと、戻ってこられて良かったぜ」
牧志 浩太
「海底には魚卵しかなさそうだ」
そう言って、小さく笑う。
牧志 浩太
「本当に……、取り戻せてよかった。
結局両方とも魚になっちゃったら、俺、置いていかれるだけじゃないか。酷い話だよ」
佐倉 光
「あの時のこと、俺はほとんど覚えてないんだけど、改めて教えて貰えるかな」
食卓につく。
佐倉 光
「あと、何故か俺の部屋にあった女物の服とか」
牧志 浩太
「ああ」
食卓について、静かに話し始める。
海の底にいる神のせいで、佐倉さんが海に引き込まれ、魚に変えられかけていたこと。

佐倉さんの存在が消されかけていて、代わりにミオという女性がその位置に置かれていたこと。
シローも他の人達も佐倉さんのことを忘れていて、俺の記憶も書き換えられそうになっていたこと。

俺が忘れてしまったらお終いって状態で、本当に怖かったこと。

結局、彼女は本当のことを思い出して、人魚になって去っていったこと。

……この出来事自体が彼女のせいだったことだけは、何となく伏せた。
佐倉 光
「魚になるのって目茶苦茶痛いし苦しいし、頭はぼーっとするし苦しいし、割と最悪だった。
けど水の中に入ったらそのまま陸に戻れなくなりそうで、苦しいの我慢して陸にいたんだよ」
牧志 浩太
「そうか……。佐倉さんも、耐えてくれてたんだな。
本当に、間に合ってよかった」
佐倉 光
「それで女物の服が……そういうことか。
よく江ノ島にいるなんて分かったな……いや、待てよ?」
佐倉 光
「お前、もしかして夢の中で俺と会ってない?」
牧志 浩太
「会ってる。海の中で人魚になって泳いでる佐倉さんと会ったよ。
……変に綺麗だったけど、やっぱりあれは間違ってたな、今思うと。

あのおかげで俺、佐倉さんを見失わずに済んだんだ」
牧志 浩太
「痛てっ、」ふと、太腿のあたりを押さえて顔をしかめた。
佐倉 光
「ん? どうしたんだ?」
牧志 浩太
「ああ。ちょっと派手にやったから、打ち身が残ったみたいで」
佐倉 光
「……ああ、最近歩き方がおかしい気がしてたけど、怪我してたのか」
牧志 浩太
「ちょっとな。大したのじゃないから、もうちょっとしたら痛みも引くと思う」
佐倉 光
「そうか……」
佐倉 光
「お前またなんか無茶やっただろう」
言いながらあなたの視線がさした辺りに手をかざす。
その手が微かに発光した。
牧志 浩太
「今回はそんなに無茶じゃないけどな。刃物持ってなかったし……あ、ありがとう」
KP
1d100 49 ディア応急手当 Sasa BOT 1d100→73→失敗
KP
いつも大事なところで不発だなお前のディア応急手当
牧志 浩太
傷、見る?
見るなら牧志は抵抗とかしない。
佐倉 光
「やっぱりうまくいかねぇな。傷あんのか? 見せろよ」
牧志 浩太
ズボンをずらし、太腿の傷を見せる。
その傷、血が滲んだ傷と強い内出血の合わさったものは、刃物ではない物を全力で抉り込んだことによるものらしい。
平たく小さな形から、おそらくはマイナスドライバーだ。
佐倉 光
「うわ、えぐ……なんでこんなことしたんだよ……って愚問だよなぁ」
今度こそ集中して痛々しい傷に手をかざす。
佐倉 光
「俺の所に来てくれるまでに、ものっっっすごい無茶したな」
KP
少し痛みが弱まったような気はした。
牧志 浩太
「ありがとう、少しましになった。
こうしないと、記憶を持っていかれそうだったからさ。
佐倉さんも無茶してくれてたんだから、今回は互いに無茶したおかげで助かった、ってところかな」
佐倉 光
「メモに時計捨てるなって追記しとかなきゃな」
言ってメモを開き、佐倉は首をかしげる。
佐倉 光
「書いた覚えのないメモがある」
牧志 浩太
「車の中に、荷物と一緒にそのメモが残ってたんだ。海へ行きたくて書いたのか、俺に向けて残してくれたのかは分からない。
でも、それとあの車のおかげで、佐倉さんの行き先が分かった」
佐倉 光
「ああ、これは俺の字。汚ねぇけど。
たぶんわけわかんなくなってから書いたんだな」
佐倉は手帳を開いてあなたに見せた。

手帳にはその乱暴な「海へ」の後に丁寧な字で「ごめんなさい」とだけ書いてあった。
いつ書かれたものかは良く分からないが、おそらくミオのものだろう。
牧志 浩太
「これは……」
佐倉 光
「これ、何だか知ってる?」
牧志 浩太
ふと、表情に陰りがさす。
星の光にきらめく尾びれを揺らして、去っていったあの最後の印象を、思い出した。
牧志 浩太
「ああ、それは彼女のだな。
結果的に迷惑かけたから、ごめんってさ。
佐倉さんに直接謝れなかったから、そこに残していったんだと思う」
かくしごと
牧志 浩太
〈心理学〉したら何か隠したのが分かるかもしれない。
KP
えーーーー
それは振れと言っているのか。
牧志 浩太
判定無しで分かってもよい。
お任せします。
KP
分かりたいw
そこはやっぱり相棒として分かりたいな。
KP
ミオさん一番酷い事した佐倉に謝ってなかった。
牧志 浩太
そして牧志も隠匿した。
KP
まあ書けたタイミングには、自分が本当は何を望んで何をしたかなんて知らないから、漠然とした罪悪感で書かれたものではあるが。
牧志 浩太
でも結果として「ごめんなさい」で合ってたんだよなぁ。
KP
誰がそうしたかは分からなくても、自分が彼の場所にいることは分かりかけていたから。
牧志 浩太
でも結局それをしたのは自分自身で、しかも一番酷い理由だったわけだから。正しく謝れてしまったわけで。

牧志 浩太
妙に滑らかにそう言ったとき、そこに何か隠し事の匂いを感じるだろう。
少し滑るような口調の裏に、複雑な痛み。
佐倉 光
「……」
佐倉 光
「そういうことに、しとこう」
話したくなったら教えてくれるだろうし、教えてくれないなら牧志だけの痛みなんだろう、それは。
牧志 浩太
「ごめん。怒ってもいいけど、恨んでほしくはなくてさ」
それだけ言って、口を閉じた。
牧志 浩太
いつか今回の出来事が「そんなこともあった」になったら、ぽろっと話すのかもしれない。
佐倉 光
「俺のマグがいつの間にか割れてる理由も、話せるようになったら頼む」
牧志 浩太
「あー。それは彼女がうっかり割った」
佐倉 光
「あれちょっと気に入ってたってのになー。まあ、いいか」
KP
日常の軽さを取り戻した会話の向こうで、テレビが江ノ島での行方不明事件についてああでもないこうでもないと口さがなく繰り返していた。


真相は、あなたと
海に消えた人魚だけが知っている。

おわり



牧志 浩太
ありがとうございました、怖かったけど楽しかった!!!!!!!
すごく楽しくて味わい深かった…… ありがとうございます……
怖かったけど情景が綺麗なのもよかった。
最後に去っていく彼女の姿も、海の中を泳ぐ佐倉さんの人魚姿も綺麗だった。
KP
ありがとうございましたー!
では忘れないうちに報酬!
牧志 浩太
はーい!
報酬
両生還にて閉幕
SAN値回復:1D10
ミオが生きている:1D5
AF:ミオの鱗→持ち続ける限り【POW】に+1の補正
牧志 浩太
1d10+5 Sasa BOT 1d10+5→7+5→合計12
間違えた!
1d5 Sasa BOT 1d5→4
7+4=11回復ですね。
53+11=64。65スタートだったから、ちょっと(1)だけ傷が残った。
KP
結構ザクザクくらってたなぁ。
牧志 浩太
実はあと1で不定だったんですよね。
KP
ああー。
成功でも1ってダメージ多かったですしね。
牧志 浩太
そうそう。それでじわじわ削られて、あと大きめの《SANチェック》の失敗でざっくりもっていかれました。
あとやっぱり、正気度が70行かないのは《SANチェック失敗しがちですね。
KP
実は一部ダメージ軽減してるんすけど(今更そんなのでこんなにダメージくらわないよと思った奴とか)、それちょっとは影響したかもなぁ。
牧志 浩太
おお、そうでしたか。
色々慣れちゃってますからね牧志は。
おかげで不定にぎりぎり入らなくて、より綺麗な流れになったかも。
KP
割とくらうダメージが起きていることに対して大きすぎるなぁ、と思うことも多かったので。
牧志 浩太
なるほどなるほど。
KP
まあ代わりに佐倉が人間に戻るところとかでチェック入れたりしてますけど。(ただし基本成功時はダメージ0になっていた)
ほんとはあんなにグロくないです。
牧志 浩太
全体的にCoCみが上がってて大層よかった。
派手な発狂が楽しいときもあるけど、今回は熱いRPメインにさせてもらったので、不定に入らなかったおかげでRPの整合性が取れてよかった。
KP
ああー、それはよかった。
カッコよかった!

成長処理
牧志 浩太
記憶を思い出すファンブルで2回、〈目星〉で1回かぁー。
佐倉さんの記憶にかかわるものということで、一番最初に「彼女はそこにいた人じゃない」と気づいた理由というところの、〈コンピューター〉上げてもいいですか?
KP
なるほど、いってみましょう!
牧志 浩太
1d100 1 コンピューター成長判定 Sasa BOT 1d100→99→致命的失敗ファンブル
KP
うーんこの
牧志 浩太
1d10 成長 Sasa BOT 1d10→9
牧志 浩太
1d100 10 コンピューター成長判定 Sasa BOT 1d100→31→失敗
KP
余程悔しかったんだろうな。
牧志 浩太
1d10 Sasa BOT 1d10→8
KP
爆上がりした
牧志 浩太
めっっちゃくちゃ悔しかったんだな。
1d100 98〈目星〉成長判定 Sasa BOT 1d100→80→成功
牧志 浩太
コンピューター1→18にて終了。
ものっっすごく悔しかったらしい。

記憶
最近ログが貯まってて……
牧志 浩太
置き卓をすごいスピードで進めすぎなのです怖かったし楽しかったし怖かったし楽しかったんだもん…… 佐倉さんが牧志の記憶もろとも消えてしまうかと……
KP
楽しんでいただけたなら何より!!
大丈夫牧志の記憶からは消えてませんでしたし!
「大事な人」まで行っても一応KPCの記憶は消えちゃうわけではありません。
優先度が変わっていた可能性は……あるけど。
牧志 浩太
そう、もっと世界を書き換えるほどの力があったり、牧志の記憶に整合性を取れてしまうほど書き換えが丁寧だったら、もっと危なかっただろうな、と思います。
牧志も佐倉さんも、「自分の方が狂っていた」っていう経験もあるものだから。
KP
書き換えが雑すぎたから……>記憶
もうちょっとケアしたれよ神。
牧志 浩太
書き換え丁寧だったら本当に危なかった。
色々とケアが雑だったのが牧志と佐倉さんにとって幸いだった。
KP
周りの人の記憶も書き換える・関連書物読めなくする(実は改変でついた機能)、なんて結構強力なのに、ただただ雑。
関連書物読めなくなる……KPCについて書かれたメールや日記がまともに読めなくなります。
というのも、読めちゃうとそこにミオがいることと矛盾が生じてしまうからですね。あくまで改変されるのは記憶のみですから。
このへん、はっきりとシナリオにあるわけではないんですが、会社や学校のネームプレートはそのまま残っているので、文章や写真などの記録はそのまま。
しかし元々のKPCの情報にアクセスできてしまうと不都合であることと、最初に来たメールが「文字化けしていて読めない」状態だったことをヒントに、「書いてあるのに読めない」ことにしました。
牧志 浩太
でもケアが雑だったもんだから、「書き換えられたら自分の記憶まで失ってしまう」という恐怖と怒りがついてきた。
KP
で、入れ替えたにもかかわらず二人とも魚になりかけていたので、お付きがふたりになっちゃうし。
そうなったら多分佐倉の方は適当に捨てられただろうし。
牧志 浩太
ひどいはなしなのよ。
それもあって牧志は余計に怒ってた。本当に佐倉さんの扱いがどうでもいいんだもん。
KP
牧志を怒らせたのがとにかく大失敗。
というかそもそも変異直前だったヤツを見限ったのが無能すぎる。
牧志 浩太
そう。神が短気すぎる。
入れ替えたのに二人とも魚になりかけてるもんだから、牧志はただただ相棒を失ってしまうことになりかねなかったわけで、そりゃ怒るのよagain。
でも、影響力が強くて「大事な相棒が誰だったか」が書き換わってしまったら、優先度が変わっていた可能性は…… あるんですよねぇ。
正直、ミオが何歳なのかはよくわかんないんですよね。
KP
牧志君序盤ちゃんと抵抗してるのに、思いだしファンブル2連発してるから「じゃあさすがに段階1かな……」ってなってるんですよね。
それで知り合いになってた。
牧志 浩太
あのファンブル二連発はなんだありゃだけど、そのおかげで牧志の「書き換えられる」って恐怖が出たし、結果としていい演出にはなった。
でもなんだあのファンブル

分岐について
牧志 浩太
そういえば、もし優先度が変わっちゃってたら、間違ってミオさんに呪文を使ってしまう可能性もあったんですか?
KP
それは大丈夫。
たぶんやろうとしたらミオに止められます。
ミオは海に行きたいから。
牧志 浩太
なるほど。
あと、時間切れ的なものはあったんでしょうか。ミオさん結局人魚になっちゃうようだし、取り戻せなかったら本当に置いていかれるだけ?
KP
ない。です。
最終的にある分岐は最後だけかな。
結構探索者達自身は安全なシナリオなんですよ、実は。
牧志 浩太
あ、ないんだ。佐倉さんを失ってミオさんも海に戻ってしまう分岐はないんですね。
時間切れとか、完全に書き換えられてしまってKPCロスト展開があるかと思って怖かった怖かった。
でもその怖かったも含めて楽しかった。
なんだったんでしょう? 分岐
KP
最後、魔法が失敗したらミオが使います、ってのありましたよね。
牧志 浩太
ありましたありました。
KP
あれ100%成功するのは本当なんですが、かわりにミオが殺されます。
牧志 浩太
ああー、そうなんだ。もしかしてあれミオに使わせたら何か分岐があるかな? と思ってたんですが、殺されちゃうんだ。
KP
シナリオに詳細書いてないのでよくわからないんですが、ミオが使うのは多分神への裏切りと見なされるんじゃないかな?
うろうろしてた魚人が魔法を使い終わったミオを殺してしまい、PCとKPCは一応襲われずに済みます。
正確には、
ミオが魔法を使う
魚人が現れて戦闘になる
探索者たちに害が及んだりする前に、ミオが魚人に腹を貫かれ、両者は揉み合いながら海の中へ
という流れになります。
牧志 浩太
なるほどなぁ。出てこないと思ったらその枠だったんですね。
KP
人魚不在になったことで、御使いの選定は終わらないので、死人が暫く出続けます。
傷がついて打ち上げられる死体は、選定不合格者らしいんですよね。
これもシナリオに記載ないので推測ですが、5人目の犠牲者が「変な夢を見る」と言っていたりする&ミオ死亡エンドの場合は「選定が終わるまで暫く死人が出続ける」という記載があるからですね。
ツバつけられたのは佐倉だけど、もしかしたら他にも何人かツバつけられた候補者がいたが、変異に失敗して死んだのかもしれない。
牧志 浩太
なるほどなぁ。
自分が彼女を拒否したせいで彼女が殺されてしまうのは後味が悪いし、死人も出続けてしまうから、牧志がけじめをつけたおかげで綺麗な終わり方になったかな。
KP
ですねぇ。
これミオが死んだら牧志君酷い傷を負うなと思った。
でもまあ「100%成功するよ」と明示するって事はなにかあるよって察してくれるかなと思いました。
実はシナリオではそんなこと明示していいなんて書いてない。
牧志 浩太
とはいえ明示しなかったら迷わず【POW】消費してたから、そもそもその展開自体がありませんでしたしね。
KP
お、そうでしたか。杞憂だったかな。
【POW】減るけど補助アイテム貰えるから大丈夫だよ なんてこと分かんないから、悩んでしまう原因になるかなと思って明示しました。「佐倉は」大丈夫だよ って。
牧志 浩太
あれ失敗して佐倉さんを失うわけにはいかないから、何かしら100%になるようにはしてましたし。ミオが使ったら100%! ってなければ迷わず【POW】消費でした。
KP
なーるほどーーーーー

ミオの鱗
KP
AFのミオの鱗、具体的には【POW】+1の加護を得ます。
牧志 浩太
おおー。減った分が戻った。
KP
だから「イラネ」って言われると困るなーと思って。
牧志 浩太
なるほど。
あの貝殻の小瓶に……入れたら喧嘩しそうだし、どうやって持とうかな。
KP
違う神様の使いだからなぁw
方法はお任せします。扱いに困るようなら貼り付けちゃうけど。
牧志 浩太
受け入れはしないのでくっつくのはNOです。「出来事のひとつ」として、いつも持っている日記帳の表紙にでも埋め込んでおくかな。
KP
なるほど。了解です!
牧志 浩太
暗黒の海へ去った彼女が残したのが人間としての心(【POW】)を守る鱗っていうのが、何となく相容れない、もう会わないということを示すようでもあって美しい。

ミオ
牧志 浩太
あっそういえばあのmioカウンタなんだったんですか?
感情の書き換えられ具合?
KP
ですです。最終的に3の「友人」までいってましたね。
牧志 浩太
なるほどなるほど。
KP
【ミオへの好感度表】
好感度0 知らない女だ。
好感度1 知り合いのような気がしてきた。
好感度2 少しずつ「他人である」という違和感が消え始めている。
好感度3 親しい友人のようにも思える。
好感度4 絆のようなものすら感じる。
好感度5 自分にとって非常に大切な人だ。
牧志 浩太
なるほどな~~~!
KP
最後の判定失敗で+2されてます。
牧志 浩太
3でとどまったから「親しい友人」までは行ったけど「相棒」は侵されずに済んだなぁ。
KP
そうなのだ。それもあってキレイに終わりましたね。
「こ、ここで失敗しちゃうかー! 頑張って欲しかったー!」って思ったので、「抗っていい?」って質問に全力でOk出しました。
牧志 浩太
ありがとうございます! 【POW】×3は結構きつい!
あそこでは抗えた方が絶対にRPに整合性が出て綺麗ですからね。
KP
そうそう。あの流れの後に友人になっちゃうとぐちゃぐちゃだ。
流れによってはミオに早めに解除させるのもアリかなと思いました。
そしたらそうする前に「抗う」って案が出たので、その方が絶対面白いと。
牧志 浩太
そうなんですよ。あそこで抗えないとぐちゃぐちゃになっちゃうから。
「牧志は刃物で腕に刻むくらいはやるよな~」って思ってたので近い事やれて満足です。
持ち物に刃物ないから余計にひどいことになったし。
KP
ミオがどういう条件でお呪いの解除できるのかは書いてないんですよねー。
ラスト茶番用に解除については書いてないんだろうなと思ったので、牧志に声かけられてこれ幸いと歌って貰いました。
牧志 浩太
ああー、書いてないんだ。てことは流れ次第で任意なんですね。
あれ解除しないと最後の呪文を邪魔されるかもと思って、ああいう流れになりましたが、あそこも綺麗に流れたなぁ。
KP
アレがなかった場合、ミオはKPCが助かるのを見届けた後で脱衣して変身して指パッチンで解除して帰ります。
牧志 浩太
あれ本当に綺麗な流れで良かった。美しくて怖気があって、ああただの綺麗なものじゃなくて神話生物なんだな、っていうのがひしひしと感じられて。>歌まわり
KP
魚に戻って記憶も取り戻さないと解除方法も分からないんだろうなと思った。
牧志 浩太
あそこで「解き方を」って呼びかけたのは、今の彼女を最後に少し信じたかったから、というのもありました。
KP
それに人間としての全精神振り絞って答えました。
あれ勝手にセイレーンか何かとイメージダブらせました。
シナリオのミオちゃんあんな特技持ってないよ! 普通に綺麗な人魚だから!
牧志 浩太
ありがとうございます! 美しい!
化け物と化け物の二重奏できたし。
KP
いい子のミオやりながら、ごめんな牧志とミオ(とついでに佐倉)と思ってた。
牧志 浩太
今回牧志は動揺せず怒りを貫き続けてましたからね。派手に不定ってたら貫けなかった。

いやぁ、あのギャップは楽しかったです。ひっどいはなしだ。おかげで牧志がミオに抱く感情が大層複雑になっちゃった。
KP
牧志の感情の冷えっぷりがかわいそ面白かった……ごめん。
牧志 浩太
まさかの展開でこちらもやってて大層面白かった。いやぁ牧志ってこんな顔するんだな。
KP
後は迷ってた事って言うと、最後にミオが自分もしくは牧志の記憶を消していくってのもちょっと考えました。
それはさすがに卑怯すぎるなと思ってやりませんでしたけど。
牧志 浩太
ああー。それは消されなくてよかったですね。
(紅さんの)失恋の思い出が!
KP
「自分という異物の記憶なんて牧志から消えた方がきっといい」と考えるかなと少し悩んだんですよねー
あとは「相棒と思いこんで、最終的に自分でも友人だと思っていた人に二度と会えなくなるのが辛いから自分の記憶消す」とか。
牧志 浩太
ああー。それはそれで切なくて美しい。
KP
ただまあ、色々やらかして切ない美しいで消えるのもずるいでしょと思ったので、そのまま抱えて去って貰いました。

KP
実は、無理矢理自分を魚に近づけようとしたことで人としての心を失い、最後に会話することもなく去るパターンも考えたんですよね。
牧志に許す気もこれ以上会話する気もなければそうしようと思っていた。
牧志 浩太
なるほど。
KP
シナリオのミオちゃんは許される前提っぽいから、行動やノリがもっと軽いんですよな。
結構彼女については改変というか、色々描写積んでます。
牧志 浩太
なるほどなぁ。ちょっとそのまま許すには牧志と佐倉さんが歩んできた道が重すぎたんだ。
積んでくれたおかげで色々重なったり大層複雑な感情を抱くことになったり変な感傷が出たりして楽しかった。ありがとうございます。
さすがに「全部お星様のいうとおりで、奪っておきながら自分達のことはどうでもよかった」は牧志の尻尾を踏んじゃったからなぁ。
KP
お呪い解除も
別れがたくしそうにする探索者に
「キミまだそんなこと言ってるの?
あっ、ボクのお呪いのせいだね、ごめん」
で、指パッチンで解除です。
牧志 浩太
かるーい。
KPCが新規だとか、KPCとの関係性がもっと軽かったらそれもあったかもしれないけどぉ。
友達の代わりに謎のかわいこちゃんが出現! えっなになに? みたいなノリなのかなぁ。その割りに取り戻しにはいくの謎だけど。
KP
牧志君はやられなかったけど、彼女への感情弄られますからねぇ。
マックス弄られると「彼女はとても大切な人だ」になってしまうし。
牧志 浩太
ですねぇ。>弄られる

にしてもノリが軽いのは意外。記憶の向こうにいた自分自身がそんなのだったミオさんの悲哀がメインなのかな? と思ってたから。

謎のかわいこちゃんとボーイミーツガールしてたら実は人魚だった…… さみしい…… するには彼女のやってることがあんまりだよなぁっていう。
突然出てくるのはいいけど他人をのっとらないでいただきたい。
のっとりがなかったら、まだそういう雰囲気になってもおかしくないんですけどね。
KP
割と「ごめんごめん」言う割に「ミオの肉体的なつらさ」に描写が振られているだけで、彼女自身が探索者たちに迷惑かけてることをあまり反省したり悩んだりしてるように見えないんですよね。
んで「相棒と呼ぶほどに好きな牧志を、実は裏切って苦しめていたことを悩んで後悔するミオ」については私が勝手に盛り倒しました。
なんかそうしないと牧志に対して失礼だよなと思ったので。
一応ミオさんエンディングまでは人間だしね。

ついでに言えばラストで歌ったのと感情が見えなくなったのは改変です。
牧志 浩太
なるほどなぁー。乗っ取りと人死にがなければほんとに「突然出てきたトラブルメーカー、好きだと思ったら魔法でした!」でも合ってたと思うんだけど。

そこで軽かったら牧志がキレてただろうから、ナイス改変ありがとうございます。
おかげですごく重苦し楽しくなった。
人が好きな牧志が人懐っこくていい人そうな彼女をひたすら拒否するの、しんどいのよ。
KP
また新たなシーンを見てしまった!
牧志 浩太
また新たな牧志を見てしまった。
あと、牧志ここまで遠く離れてもまだ「自分が化け物」って意識あったんだ!? って驚くPL。
KP
いい加減忘れても良くない!?
化物っていうなら、猫に機械に恐竜に吸血鬼に子供に人魚に死体に、佐倉の方が余程ヤバい感じにネジ曲がってるけど!
牧志 浩太
ところがどっこい忘れてなかった!
ミオさんが自分(紅さん)と同じ立場じゃないか、と牧志が思ったことでより強調されたのはあるかもだけど。
途中のミオさんは自覚の有無が違うだけで、割とそのものでしたからね。
ラストで歌ったシーンは凄絶さと美しさが同居しててすごくよかったなぁ。ありがとうございます。

牧志 浩太
それなりに心を傾けて裏切られた相手が、結果として自分が拒否した=優先順位をつけたせいで死んだら牧志は酷い傷を負ってたでしょうね……
KP
結果的に袂を分かっても、平和的な別れで本当に良かった。
牧志 浩太
あれ死んでしまうとまでは思ってなかったからPLは相当迷ったんですけど、結果として牧志の意思を尊重してよかった。
KP
佐倉はずっと気絶してて事情知らないからその傷を分け合えないし。
牧志 浩太
その傷はたぶん佐倉さんには分けないでしょうしね。
KP
そりゃKP余計な気を回しすぎたなぁ。
牧志 浩太
いえいえ。100%! 明示されたおかげでPLは迷うし楽しかったです。
いいあんばいの明示だったと思いますあれ。
ギリギリまで迷いましたもん。その大事な【POW】失っていいの? って。
KP
【POW】大事なんだよなぁ!
牧志 浩太
なんだかんだで牧志のPOW大事なんですもん。
結構なにかと明暗を分ける微妙な値。
KP
そうそう。
ちなみに佐倉は陸でやせ我慢してたから死にかけてた。って設定。
牧志 浩太
そう佐倉さん耐えててくれたんだなって。間に合ってよかった。
その大事な【POW】自分の意地で失っていいの? 佐倉さんと自分の生死に影響するかもよ? ってだいっっっぶん迷ったけど、牧志の意思が固かった。>けじめ
KP
ありがとうございますー!
コスト重すぎるよなぁー、でも一応報酬で補填されるし、まあなんとか……
と思っていたら、ミオとの仲がすごい勢いで冷えていって、
「ミオの助けなんて要らない」って蹴られたらどうしようかと大分迷いました。
最悪佐倉の鱗にするか、何か別のシナリオでどさくさに【POW】補填要素入れようかと。
牧志 浩太
怒りはするけど恨みはしない関係性だったから大丈夫。
そう思うと結果として仲は冷えたけど綺麗にまとまったんだなぁ。
KP
本当に一番良い流れだったと思います。
牧志 浩太
ですねぇ。よかった。
牧志 浩太
今回は紅さんが失恋する話だった(語弊)
あくまで恋愛ではなく、「相棒になれなかった」二人のはずなんだけど、微妙~~~に失恋っぽさのあるムードが……ある……
KP
一番仲良くなった辺りで、言うの迷って別のセリフにしたやつがありましてー
「キミに相棒と呼んで貰うのは随分大変なんだな。
ボクも相棒と呼んで貰えるように頑張るとしよう」

言ってたら、言った直後にあの真相シーンだった。
牧志 浩太
それ言ってたらひどいはなし度がよりアップしてたなぁ。
KP
あとは「何をしたら相棒と呼んで貰えるんだい、キミの相棒はどういうことをしたんだい」って佐倉や波照間のこと訊こうかちょい迷った。
牧志 浩太
それ聞かれてたら牧志が余計に「からにこもる」してただろうから、言わなくてよかったかも。
その記憶の有無は牧志にとって砦なので。
KP
一応人間としてのミオはミオ自身の好意で牧志を助けようとしていたのは本当なんだけど、それのどこまでが植え付けられた記憶なのか、自分でも良く分からなくなってた。
牧志 浩太
悲しいなぁ。そう、彼女は彼女として好意を持ってくれていたんだろうな、というのが何となく分かる流れではあったけど、記憶を失う前の彼女があんなだったものだからそんなことに。
KP
一応、記憶を失う前の彼女はそれにしか価値を感じられない生活をしていたんだろうな、とは思いますね。
両親いなくなっちゃって寂しくて、早く海に行きたいのに全然変異起きないし。
牧志 浩太
そうそう、こちらもそうだろうなと思うし、牧志もそれには思い至っていました。彼女の周囲に、それしか価値観がなかったんだろうと。
KP
神様に「お前みたいな出来損ない要らないわ。お前の代わりにツバつけたから入れ替われ」って言われるし。
牧志 浩太
だから本当に怒っていた対象は、彼女というよりも「神」でもある。
KP
一週間前にツバつけられた佐倉は様子おかしくなってたわけですねー。
で、呼ばれて海に行ったところをミオにつかまった。
牧志 浩太
ですよね。それで苛立ってた。
ミオは「それにしか価値を感じられない所に置かれていた」「自分の記憶を持たず、他人の記憶に振り回されている」「化け物」という点である意味本当に唯一の「仲間」になりえたんだけど。

でも牧志は……というより紅は、彼女に一緒に親を殴ってほしかったんですよね。
KP
彼女はそもそも海で生きたかったわけで、住む世界が違っていたのだなぁ。
人として生きて、自分が酷い事したのに気付いたけど。
牧志 浩太
違っていたんですよね。その点で仲間にはなれなかった。
生みの親を殴った感触だけは共有できなかったんだ。
牧志が一時的に『紅』という存在であったとき、彼は自分として相棒とともに進むために、自分を作った人間を決意を込めて殴り殺している。

改変などについて
KP
どさくさで大体裏話したかなぁ?
あっ
牧志 浩太
あっ?
KP
最大のやつ。
このシナリオそもそも江ノ島の話ではありません。
牧志 浩太
ですよね。元は場所決まってたんですか?
KP
PCたちが住んでいる町がそもそもそういう言い伝えのある海辺の町って前提でした。
渋谷からそれなりに簡単に行けて、浜辺とか海辺があって、洞窟なんかもありそうなところが、江ノ島まで行かないとなかったんだー!
牧志 浩太
ああー。そうそう、舞台が決まっていると継続でやるときに要改変あるある。(ティラノの時の意図せぬ東京湾スペクタクルとか)
調整ありがとうございます。
KP
あちこち探して、江ノ島ならそれっぽい地形もあるし、水族館があるから再訪する理由もあるし、オォッケェ! ってなりました。
物騒な言い伝えつけちゃって江ノ島の皆様ごめんなさいの気持ち。
観光地なのにあんな事件起きたら……
Googleマップとにらめっこして色々探しましたよ海岸ー。
もう東京湾で恐竜暴れたし東京湾でもよくね!? って思いかけましたけど。
牧志 浩太
おおお、それは大調整ありがとうございます、明るい観光地に実は薄暗い言い伝えと経緯が……。っていうのはとてもCoCらしくて好きです。

KP
行方不明のKPCさん探すところ大分シナリオと違うんですよね。
牧志 浩太
ああー、そうなんですね。図書館の流れとかも違う?
KP
まずいなくなったときに探す場所が「職場や学校」
そこの人が皆「KPC? しらない。ロッカーに名前あるけどこれ誰知らない」って言う。
図書館辺りは割とそのままです。流れがちょっと違うけど。
牧志 浩太
あーーー。佐倉さんの職業上!
そう、家の中にシローがいるから「記憶が消されている」がいきなり判明しちゃいましたもんね。
職場、牧志じゃアクセスできないし。
KP
「周りの人からも消されている」が提示できればいいんだろうと思ったから、シローとエレベーターホールであったお兄ちゃんからその辺の情報出しました。
あとは牧志君が割と早くに「海に行けばいい」ってヒント掴んでくれたから。
佐倉のメモとか壁に貼ってある写真とか、誘導できるところフルに使って「海に行こう」って流れにした感じですね。
牧志 浩太
ですねー。シローから佐倉さんの記憶が消えてしまって、ミオを慕っているのは大層異様でよかった。
KP
もともとのシナリオだと、喧嘩は外でしてて、その喧嘩別れしたところから、周囲の人に訊いたらなんか海行ったのかなこれ? って分かる流れでした。徒歩で行ける距離だし。
牧志 浩太
なるほど。
KP
割と今回泥縄してます。
牧志 浩太
泥縄とは思えない程情景が美しかったし異様さが光っててよかった。
KP
ヤッターーー!
変異はじっくり描きたいのは多分癖なんじゃろなと思います。
牧志 浩太
変異じっくり描きたい、めっっっちゃめちゃ分かりますね 変異描写大好き
変異描写たっぷりじっくりみっちりもっちり吸えたのも楽しかった
KP
足が割れる? 鱗が剥がれる? そんなのグロいにきまってるじゃねぇか!
などと思ってしまう。
牧志 浩太
魚が死に人が生まれる。あのシーン「やったー戻ったー!」だけで終わらない所があって好きです。
KP
やったー!
佐倉戻したら気絶させてミオに喋らせたいんだけど、佐倉の異常描写やりすぎて牧志がミオの話聞いてくれなかったらどうしようとちょっぴり加減悩んだりはしました!
牧志 浩太
なるほど!
あの辺急速に冷えた分色々とお手数をおかけしましたが、本当に綺麗な流れになってよかった。
あと江ノ島のところ、「えっ対岸? どっちに行くか決めないとタイムロスでまずいことになっちゃうんじゃ?」って思ったけど案外近かった。
KP
650mらしいですあの橋
徒歩で行く観光客も多いんだって。
牧志 浩太
いいなぁ行きたい。
KP
ほんと綺麗なとこでした。
※Googleマップで舞台選びに歩き回った
牧志 浩太
ようやく移動できるようになったしまた行こう……
たぶん一番先に想像する橋が差し渡し4kmあかしかいきょうおおはしなのがいけなかった。
KP
なっがい。
徒歩一時間かかるじゃない。
牧志 浩太
基本高速道路だけで徒歩NGですね。
KP
でしょうねっ!
それは規模感が違いすぎる。
泥縄しながらでも格好がつくのが置き卓のいい所だ!
※いつも泥縄してる人
牧志 浩太
わかる!!!(忌胎の時は泥縄改変しすぎてお騒がせしました)
KP
あれもほんと楽しかった!
絶対最後に酷いシーンくるなと戦々恐々しながらやるの楽しかった!
牧志 浩太
よかった! あれはほんと改変をかけすぎて背景事情・描写がゴチャゴチャになったもんだから、途中の紛らわしさと導線でお手数をおかけしましたが、最終的に楽しくなってよかった。
今回、あの話も割と後を引いてましたね。
KP
色々カスタムしてキレイにはまるとほんと楽しいですよね!
牧志 浩太
ですねー!

その頃の佐倉
気がついたらあの洞窟に放り込まれてて、逃げられるほどの体力もなく、ひたすら自分が変異し続けるのをうっすらとした意識の中で認知し続け、苦痛のあまり服を脱いで海に入ったが、陸から離れることに危機感を覚えて上半身は出したままでいた、という感じの流れです。
その夢現の間に夢で牧志と会いました。

あと、この時に変異しきる前に海に入ったりすると溺れるし、変異に耐えられなかったら死んで、あの謎死体になるんじゃないかなぁ。という勝手な想像。
もしかしたら自分の近くで体が裂けてゆくのと苦しさに耐えきれず、海に飛び込んでいったあのおじさんの声を聞いているかも知れないんだなぁ。

KP
選定について、目の前でさらわれたおっちゃんも佐倉と同じように洞窟に連れ込まれたかも
って追記で書きましたが、あれ海に引き込まれた直後に血が出てるし、普通にあそこでズタズタにされたのかも?

あのモンスター結局何やってるのか良く分かりませぬ。
人間を海に引きずり込んでるのはあいつらしいんだけど、KPCも自分を引きずり込んだのは魚人だとは言ってないしよーわからぬ。(佐倉がそう言っているのは『そうなんじゃないかな』とKPが思ったため)

引きずり込んだ瞬間になんか基準に達してなくて、洞窟行の前にポーイされたのかもしれない。
牧志 浩太
あそこで普通に殺された感じですよね。
引きずり込んでみて違ったらポイー程度なのかも。人間のことなんか気にもしてないでしょうしね。
KP
神話生物のやることなんか良く分かんないですよね!
牧志 浩太
わかんないですね!
その意図なんか人間の感性ではきっとわからない。
KP
引きずり込んで当たりなら洞窟行、外れならポーイを1d10+3回以上繰り返して、運良く変異者が出たら終わる……
周辺住民かわいそうすぎる。
牧志 浩太
多い多い。
全くイヤーな災難すぎる。

その頃の隻眼牧志くん
佐倉は精神の中に、別世界の荒野にいた牧志を抱えています。佐倉自身に知覚されないため彼がどういう状態かはまったく語られないわけですが……
KP
そういえば、まだシナリオ途中で、見える状況が全てじゃなかったから言えなかった「隻眼の牧志」について。
あの時は佐倉は変異しかけてて完全に気絶してたから、隻眼の牧志も気絶していたかな。
佐倉と一緒に夢現の中で不確かな夢を見ていたかもしれないし、変質に巻き込まれて消えかかっていたかも知れないなぁ。(発生のこと考えると消えはしないかもだけど)
牧志 浩太
ああー。宿っている肉体そのものがねじ曲げられていたから、一緒に不確かな夢を見ていたかもしれない。

牧志から佐倉さんの記憶が消えなかった理由が「特に親しかったから」らしいので、隻眼牧志からも佐倉さんの記憶は消えていなかっただろうから、記憶を失って消えることはなかっただろうけど、変質に巻き込まれて己を見失いかけてはいたかもしれない。
牧志 浩太
彼がもといたのは「何もない世界」だから、むしろ何もない深海はそれに近かったかもしれないし。
KP
なるほどー。なにもない世界となにもない海。深みに引きずり込まれかけていたのかもしれないんだ。

次の予定
牧志 浩太
あ、そうだ「夢の中ならきみは正しい」なんですが、めちゃくちゃ面白そうだしカオスだしドリームランド大冒険なんですけど、軽いというよりも「狂った世界の中を冒険するおはなし」の感が強いですね。
KP
そうなんだ。
まずはいっちょ筋トレ、でもいいし、狂った世界に行ってもいいです!
狂った世界って佐倉が苦手な属性だなぁ。(理屈でわからないもの嫌い)
佐倉の不定残りどれくらいだろうか……
2ヶ月程度?(適当)
牧志 浩太
ですかね?(適当)
KP
どっちも現実逃避で記憶ぶっ飛ばす展開が見えなくもない。
どっちの方が良さげ、というのがなければ、折角前から話題に出ている筋トレにしましょうか?
何が待っているのかさっっっぱり分かりませんが。
牧志 浩太
候補いくつかありまして、
 ・なぜかKPCの生首と街を歩くおはなし「デートorデッド」
 ・筋トレ
のどっちかあたりを軽くやってから夢の世界がいいかなー? と思っております。

筋トレはほんとにミニゲームシナリオなんで、リアルタイム向きな気もしてます。
ので、置きでやるならデートorデッドがいいかな? と。
KP
オァ
生首。
牧志 浩太
そう生首。
KP
何故だ。
じゃあ突然の生首お願いします。
牧志 浩太
前と同じく「タイマン限2」のシナリオですね。
はーい!
いつから開始しましょう?
KP
欠損ってレベルじゃねぇぞ。
いつでもー
牧志 浩太
わーい。ではチャンネルだけ作って、明日あたりからゆるやかにはじめてまいります。
KP
今日はさすがに今回のログ先に纏めるかなー。
はーい。
というか今日は寝なさいって時間だ!
楽しみ! よろしくお願いします!
牧志 浩太
よろしくお願いしまーす!
KP
このシリーズ(喫茶食堂さんのシナリオ集)変なシナリオが多いぞ!?
牧志 浩太
ドシリアスなシナリオもありますよ!
ただ、ドシリアスなのは新規向けだったりロスト率が結構高かったりするんですよね。
おし、始めたくなっちゃうので寝ます! おやすみなさいませ、ありがとうございました!
KP
おやすみなさいませーーー!

ひとこと
KP
牧志君の覚悟の一言を見たときにゾクッとしてしまいました!
そして同時に「やるのか。大丈夫かこれ?」と随分悩みました。


CoC『AND/HAND』佐倉&牧志 3

「牧志。この一件、『貸し』な」

【置】CoC『満を持して今日も俺は眠れない』 佐倉&牧志 6

「アァァァァァァァァァァァ!」
「うわっ!? ちょ、佐倉さん!?」

【置】CoC『俺の恋人が庭からボコボコ生えてくるんだが!?』佐倉&牧志 3

皆を並ばせて写真撮るわ。
良く考えたらこの状況面白すぎるし。

【クトゥルフ神話TRPG】
本作は、「 株式会社アークライト  」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。

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PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION 「クトゥルフ神話TRPG」


CoC『VOID』継続『咆哮するバンダースナッチ』 本田&結城&ヴィキ&海虹 1

あ~~~あっくんだ!

【置】CoC『青白い馬』 波照間&東雲 1

「随分、静かな夜ですね」

CoC『対の棲みか』『第三話 暗点の記』牧志&佐倉 1

力はここにある。俺の手元になくても、ここにある。