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こちらには
『夜は星を落とし易い』のネタバレがあります。

本編見る!
KP
リビングに戻ると、シローがぱっと顔を輝かせた。
シロー
「ミオおきた! ごはんたべよ!」
KP
テレビでは朝の子供向けアニメが流れている。
シローがチャンネルを変えたのだろうか。
フカヤ ミオ
「おはよう、シロー」
ミオはにっこりと笑った。
牧志 浩太
「……」
彼女を見てぱっと顔を輝かせる様子に、つい口元を歪めてしまう。
牧志 浩太
それから朝食の準備をする。
あまり時間をかけたくないので、パンなどを使って手早く済むメニューに、と考えていると、手が自然と目玉焼きを作っていた。
牧志 浩太
「食事にしたら、ここに行ってみよう」
新江ノ島水族館の周囲に、何か気になる目撃情報などがないか探します。
また、前に水族館に行ったときに気になることがなかったか思い出そうとします。
フカヤ ミオ
「そうだ、シローは『サクラ』って人のこと知ってる?
牧志の大事な人なんだけど、いなくなっちゃったみたいでね」
シローは首をかしげる。
シロー
「まきし、さっきもいってた。しらない」
KP
そういえば。
この部屋にはシローのために何枚か皆で出かけた時の写真が貼ってあるはずだ。
牧志 浩太
その写真に目をやる。
KP
あなたは写真に目をやる。
皆で行ったキャンプ、最近の水族館巡り。
そこには笑顔の佐倉の姿があった。
ミオの姿は……ない。
牧志 浩太
「シロー、覚えてないか? 佐倉さんだよ」
朝食を取りながら、キャンプの写真をシローに示す。
牧志 浩太
水族館巡りの写真を一枚、壁から外して持って行く。
KP
シローは渡された写真を見つめる。
ミオも横からのぞき込む。
二人で難しい顔をして「うーむむむむむ」と考え込んだ。
シロー
「しらない」
KP
シローも、自分に親しげに笑いかける青年の姿を見て困惑している。
フカヤ ミオ
「なんだ、サクラって男性だったんだ」
ミオは笑って、それからふと不安そうな顔で自分の部屋を見る。
KP
再び口を開いた彼女は、少し焦っているように見えた。
KP
「江ノ島かぁ。行ったよね、みんなで。
ボクがこの少し前に倒れてしまって、その埋め合わせに行き始めたんだっけ。
今度はシーパラに行こうよ。」
シロー
「シーパラ? どこ?」
フカヤ ミオ
「八景島だよ。イルカショーが素晴らしいらしいね」
シロー
「いきたい!!」
牧志 浩太
そういえば、新江ノ島水族館へ行ったときの写真に、何か気がかりなものは映っていないだろうか。
KP
写真には特に気がかりなものはうつっていなかった。

【アイデア】
牧志 浩太
1d100 90 【アイデア】 Sasa BOT 1d100→100→致命的失敗ファンブル
牧志 浩太
おぉーい
KP
なにぃ。
どうして記憶を辿ったり違和感を探ろうとする判定でことごとくファンブルするの牧志君。
牧志 浩太
全くだ。どうして。

KP
あの時ミオがとても嬉しそうだったことを思い出した。
いや嬉しそうなのは佐倉だったろうか? 記憶がはっきりしない……
「このアイスちゃんと味がする」などと謎な感想を言ったのは誰だっただろうか。
そういえばこの写真を撮ったのはミオだった。だから彼女は写っていないのだ。
いや、本当に?

あなたは自分の記憶がはっきりしないことに強い不安をおぼえた。
SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1

ミオは相棒ではないにしても知り合いではあったのだ、という気がしてきた。
牧志 浩太
1d100 64 《SANチェック》 Sasa BOT 1d100→60→成功
KP
……ふと、あなたは佐倉が海岸を歩いている時に「誰かに見られていたような気がする」と言っていたことを思いだした。
しかし江ノ島近辺は観光地。人は多く、視線の主を特定することなどできなかった。
牧志 浩太
そういえば行ったな、と何気なく思い出した。
佐倉さんと、シローと、フカヤさんと、
牧志 浩太
「そういえば、変なこと言ってたよな。
このアイスちゃんと味がする、だっけ?」

そう返して……、直後、それを言ったのが本当に彼女だったかどうか分からなくなった。
KP
「ああ、そういえば。
どうしてそんなこと言ったんだったかなぁ……」
ミオは首をかしげた。
牧志 浩太
本当に?
本当に彼女はそこにいて、
この写真を撮って、
今も一緒に佐倉さんを探してくれていて、
俺は彼女のことを忘れてしまっているだけで、
牧志 浩太
「違う……!」

それならどうして彼女は佐倉さんの部屋にいたんだ。
どうしてここに佐倉さんの部屋がないんだ。

佐倉さんは自分の部屋を人と共用したりしない。
だって自分の領域を侵されることを何より嫌って、
牧志 浩太
「……探し物してくる。
シローの身支度させておいて。準備できたら新江ノ島水族館に行こう」
自分でも驚くほど、苦しげで冷たい声だったように思う。
フカヤ ミオ
「あ、ああ、うん。そうだね。急ごう、シロー」
シロー
「うん! またすいぞくかん、いく?」
フカヤ ミオ
「ううん、今日は見るだけかな。人を探さなきゃならないからね。
帰りにちょっとだけショッピングモールに遊びに行こうよ」

言ってしまってから、あなたをすまなそうに見た。
「そんな場合じゃないかも知れないけど、連れて行ってあげてもいい?」
牧志 浩太
「いいよ。留守番させるのも悪いしな」
牧志 浩太
胸を押さえ呻いて、佐倉さんの部屋に入る。
ヒランヤとお守りがそこにないか探す。

彼女の姿を見ていたくなかった。
ないはずのものが自分の中に入ってくるのが、気味が悪くて堪らない。
KP
佐倉の部屋に入っていくあなたを、ミオは呼び止めようかと迷い、そしてやめたようだった。
フカヤ ミオ
「さ、上着着て。寒いからちゃんと着るんだよ」
シロー
「はーい」
KP
背後から二人の会話が聞こえてくる。それはいつもの光景に見えた。
ただひとつ、そこにいる人が違う、というだけで。
牧志 浩太
佐倉さんの部屋にヒランヤとお守りがあれば持ち出します。
また、室内に違和感がないか再度確認します。
KP
佐倉の部屋にヒランヤと勾玉は見つからなかった。
そういえば昨日家を出て行く時に身につけていたように思う。
室内はやはり佐倉の部屋そのもので、こうして見ているとやはり「ミオこそが異端なのだ」という気がした。
牧志 浩太
よしと出るかあしと出るか分からなくて怖いけど、忘れ物探しとRPついでに再判定を要求!!
フカヤさん人魚なのかなぁ。代わりに佐倉さんが人魚になっちゃうのだろうか。
KP
実は「クローゼットには男物の下着が入っている。確認したら女性がこの部屋の主のわけがない事が分かるはずだ」というのに気付く判定だったので、クローゼットを見に行く宣言をしたことでその情報は出ています。
牧志 浩太
部屋の中で少し、立ち尽くした。
すぐに途方に暮れている場合じゃないと思い直し、部屋を出る。
牧志 浩太
ベルトポーチを巻き、雨具を持ち、外に出る準備をする。
準備が整ったら、三人で水族館へ向かう。
牧志 浩太
向かう途中で、誰かの視線に注意しておく。

KP
玄関を出ると、隣の部屋の住人が丁度出てくるところだった。
エレベーターホールなどで会うと、挨拶してくれる人なつこい青年だ。
「こんちはー。こんな雨の中みんなでお出かけっすかー」
シローが手を振り、ミオが会釈をする。
KP
※ほんとはここおばちゃんと出会うんだけど、普通のオバチャンはこんな名前のとこ住居に選ばないよな、きっと……
牧志 浩太
※普通じゃない押しの強いオバチャンなら住むかも(VOIDのあの人みたいな)
牧志 浩太
「あ、おはようございます」
青年に小さく会釈をする。
牧志 浩太
と同時に、青年がミオに対してどう反応しているか確認する。
見知った人を見るような様子か、見知らぬ人を見るような様子か……。
KP
青年のミオへの反応は、普通に見知った人に対する反応だ。
「あー、先週は有難うございましたっす。教えて貰ったとおりの所にあったっすよ」
青年の言葉に、先週佐倉が「隣のヤツがスマホ落として半泣きになっていたので、暇だったからハッキングからの電波探知で見つけてやった」と言っていたのを思い出すだろう。
フカヤ ミオ
「そっかー、良かったね!」
ミオも自然に感謝を受け取っていた。
牧志 浩太
「そうだ、今朝この人を見かけませんでしたか?」
先程持ってきた、佐倉さんの写真を見せて聞く。
KP
青年はあなたが差し出した写真をのぞき込んで首をひねる。
「いやー、知らないっすね」
知らないはずがない。しょっちゅう顔を合わせて挨拶をしている。顔くらいは覚えられていてもおかしくない頻度だ。

佐倉の痕跡が消えているどころか、このミオという女がその場所に居座ろうとしている。
しかも、無関係な人々の記憶すら書き換えてだ。
そんな不気味な現象に背筋が寒くなるかも知れない。
SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1
牧志 浩太
1d100 64 《SANチェック》 Sasa BOT 1d100→3→決定的成功クリティカル)!
牧志 浩太
「そうですか……。ありがとうございます」
胸の奥が冷えていくのを感じた。

それくらいは予期していた。
そうだろうと思った。
シローの記憶をすら書き換えたのだ、この現象は。

大丈夫。
大丈夫だ。
まだこの世界は、佐倉さんが残したものは、佐倉さんを覚えてくれている。
牧志 浩太
まだ俺は、佐倉さんを覚えている。
牧志 浩太
「行こう。遅くなるからな」
ぐっ、と強く、下ろした拳を握る。
手を伸ばしてしまわないように。
シロー
「えのしま!! えのしまにいく!」
KP
皆でお出かけ、の楽しさのあまり口に出したらしいシローの言葉に、青年は少し考え込むような顔をした。
そしてあなたにこそこそと囁く。
「もうご存知かもしんないっすけど、あのへん最近不審者情報でてるから、シロー君気をつけてあげてくださいっす。
明るいうちなら大丈夫かなーって思うっすけどね。人多いし……」
牧志 浩太
「えっ? すみません、詳しく教えて下さい」
自分の考え事に気を取られていた所に入ってきた話に、思わず食いつく。

詳しく教えてもらえないようなら、ネットで不審者情報を確認する。
KP
小耳に挟んだだけだし、とすまなそうにする。
「調べると出てくると思うっすよ」

▼確認するなら〈図書館〉で判定。
牧志 浩太
1d100 82 〈図書館〉 Sasa BOT 1d100→95→失敗
KP
ありゃ。
なんか調子悪いな牧志君。
それじゃミオも調べてみようか。
牧志 浩太
牧志めちゃ調子悪いなぁ。喧嘩直後のこれでダメージ受けてる。
KP
あなたの検索結果は身元不明の死体のことで埋め尽くされていて、それに関する好奇のコメントばかりが引っかかった。
皆好き勝手言い合っている。
牧志 浩太
「フカヤさん」
牧志 浩太
「あの辺、不審者情報が出てるらしい。
シローのことが心配だ。ちょっと見てもらっていいか」

ということで調べて! と頼みます。
KP
1d100 60〈図書館〉 Sasa BOT 1d100→38→成功
KP
ミオも慣れない手つきで検索を始める。
フカヤ ミオ
「えーっと……あ、あった。これのことかな……」
KP
彼女は青年と楽しそうに話しているシローに背を向け、あなたにタブレットを見せた。

それは地域情報のコミュニティらしき掲示板の一種のようだ。
夜中0時以降になると現われる不審者について噂されている。
身長は180㎝以上、ぼろぼろの服を着ている、左右に大きく揺れて歩く、目はぎょろっとして大きく離れているという。
追いかけてくるため夜間の外出は控えた方がいい、とのことだった。
牧志 浩太
「ありがとう、助かった。
随分背が高いんだな……。夜だ、って話だけど気をつけよう。

……佐倉さんの件にも、関係あるかもしれないしな」

どの辺り、といった詳しい場所の情報はないだろうか。
KP
江ノ島、湘南一帯で希に目撃されているらしいが、0時以前の目撃例は今のところないようだ。
フカヤ ミオ
「そうだね、事故なのか分からないけど遺体が上がってるのも気になるし、
その人のことが心配なのは分かるけど、早いうちに帰ろう」
牧志 浩太
「そうだな。少なくともシローは帰さないと」
それだけ返し、青年に礼を言って別れる。

フカヤ ミオ
「あれ……車がないや」
KP
駐車場でミオが困惑した顔をした。
「高速で行けばすぐだと思ったのにな」

佐倉がなんとか買い直した車が姿を消している。
昨日乗って出かけたのかも知れない。
フカヤ ミオ
「どうやって移動しよう?」
牧志 浩太
「車で行ったのか、佐倉さん」

レンタカーの空きを調べる。
それもなければ、電車かタクシーの安い方で行こうと提案し、経路を調べる。
KP
車も電車も所要時間は大差ない。
だが電車の場合乗り換えはかなり多い。
車を使うべきだろう。

レンタカーを借りることはできる。
フカヤ ミオ
「あれ、ボクの免許証……どこ?」
ミオが運転席に座ろうとして、困った顔で言った。
KP
あなたが運転するしかなさそうだ。
KP
今更だけど牧志君ずっと「フカヤさん」呼びだから「フカヤ」と記載した方が良かったよな。
牧志 浩太
PLは名前かわいいからミオさんって呼びたい!!  でも「佐倉さん」の位置にいる人なら「フカヤさん」になるよな、ってなった結果なので、地の文はミオ希望です。
KP
あ、はーい。
牧志 浩太
「佐倉さんが持ってったんだろ。車、使ったみたいだからな」
自分の免許証があることを確認して、運転席に座る。
牧志 浩太
「……そうか、それなら海岸に、佐倉さんの車が停まってないか探せる」
シフトレバーの位置を確認しようとして、ふと気づいて呟く。
牧志 浩太
「そういえば、佐倉さんの持ち物以外に何か持ってないのかな。
今のフカヤさんにとって見覚えのない物とか、持ってないか?」
KP
ミオは困ったような顔で自分の持ち物を探る。
そもそもが、あなたから見て『彼女の持ち物である』ものは彼女の服くらいだ。
彼女自身の認識では佐倉の物は全て自分のもののようだが、佐倉がいつも身につけている物は、あなたの認識が正しいのだとすれば当然、佐倉が持ち去ったのでないのだ。
牧志 浩太
「そうか……。何か残ってれば、フカヤさんがどこにいたのか分かるかと思ったんだけど。

服のポケットに何か入ってたり、もしないよな。

そうだ、ハンカチとかある?
なければ途中でコンビニ寄るけど。距離あるしな」
牧志 浩太
そう口に出して、せり上がってくる焦りを抑え込む。
数度、手を握って、開く。深く息をする。

急がなきゃいけないけど、焦ってはいけない。
佐倉さんの手がかりを、痕跡を探さないといけないんだ。
焦ったら、見逃してしまう。

大丈夫。
世界は佐倉さんを覚えてくれている。
それなら、痕跡だって辿れるはずだ。
KP
ミオは指摘されて少し不安そうな顔をし、誤魔化すように笑った。
フカヤ ミオ
「うーん、ハンカチもティッシュもないな。ボクとしたことが。
ティッシュくらい買った方がいいかも。
ついでに飲み物買っていこうか」

牧志 浩太
出発しよう。
ラジオでニュースを流しておく。

現地が近づいてきたら、普段よりも周囲に目を配る。

海岸に佐倉さんの車が停まってないかとか、先程耳にした不審者がいないかとか。
牧志 浩太
期待薄だけど、一応東浪見と先輩にメッセージで聞いておこう。

「昨日の深夜以降に、佐倉さんを見かけなかったか。いなくなったんだ」
KP
東浪見からも波照間からも『佐倉』という人物については記憶がないと返事があった。
代わりに覚えているのは『フカヤミオ』という女性のことだ。
波照間に悪魔使い仲間のことを訊くなら、今所属しているサマナーは自分だけの筈だという。
牧志 浩太
「そうか、ありがとう。
この人を見かけたら教えてほしい」
二人に佐倉さんの写真を送信しておく。
KP
ミオは時折シローを振り返りながら話の相手をしている。
唐突に始まるしりとりなどにも乗ってあげていた。
牧志 浩太
「……」
後ろの席から二人の声が聞こえてくる。
それは穏やかで、決定的に間違っていることを除けば、なんだか自然な光景だった。
KP
今日は外出の必要がなければ出たいと思えない荒天だ。
雨脚は強く、そのためか道路はすいている。
対向車のはね水がフロントガラスにかかってきたりして走りにくい。
到着まではそういったことを加味して大体一時間半といったところだ。
牧志 浩太
前方に集中して、ハンドルを握る。

KP
前に皆で訪れた水族館は開館してはいるものの、止まっている車は少ない。
荒天のためだろうか。様々な報道がされているためだろうか。
牧志 浩太
前に訪れた水族館は、何だか閑散として、どこか冷たく見えた。

周囲に何か気になることがないか見回そうとして、上げられた声にはっと反応する。
シロー
「あっ!」
駐車場でシローが声を上げた。
「くるま! ある!」
KP
彼が指さした方向に、見覚えのある乗用車が止まっていた。
牧志 浩太
「佐倉さん! ……来たんだ、ここに!」

思わず、車に駆け寄る。
間違っていなかった。少なくとも、ここには来ていた!
牧志 浩太
車の前で足を止め、まずは周囲に何か痕跡が残っていないか探す。

どこかへ行った、とか、……連れ去られた、とか。
佐倉さん以外の痕跡が残っていないか、とか。
……何か、悪臭とか粘液とか、異様なものの痕跡が残っていないか、とか。

この雨では、望み薄かもしれないけど。

車の外に気になる痕跡がなければ、車内を覗き込む。
全体を見つつ、運転席周りを重点的に。何か残っていないか。
牧志 浩太
佐倉さんが、俺に何か残してくれていないかな……。
そんなことも、少し思った。
牧志 浩太
そういえば、車の扉は開くだろうか?
防犯装置が点いているようなら、開けるのはやめておくけど。
KP
車は間違いなくあなた方の物だ。
あなたも車の鍵は持っている。
あなた方は別行動を取ることも多いので、それぞれでキーは持っているのだ。

車の周囲に不審な痕跡は残されていない。

中にはポーチが残されていた。
パソコン、予備のスマートフォン、財布等まで残っている。
慎重な彼にしては珍しいことだ……。
フカヤ ミオ
「あっ、ボクのポーチ!」
あなたの背後からのぞき込んだミオが声を上げた。
KP
【POW】×6で判定
牧志 浩太
1d100 72 Sasa BOT 1d100→45→成功
今のあなたにとって『フカヤ ミオ』は、『知り合いだったかも知れない女性』です。
間違っても同居はしていないし、この荷物はフカヤのものではありません。
かわいそう
KP
佐倉が慎重派すぎ&二人の経験が複雑すぎて、ミオが「じぶんのもの」にほぼ触れられなかったり覚えていなかったりしてかわいそう。
牧志 浩太
かわいそう。
PCも起動できないし車の鍵もないんだもんなぁ。
KP
紅さんのことや隻眼の牧志のこと、佐倉の精神内でしか起きていないようなことはさっっっぱりわからん。
牧志 浩太
一番大事な記憶がわかんないんだもんな。そのせいで牧志が強くミオさんを拒絶しちゃうし。
悪いな、とは思って気は配るけど全然気を許さない。

牧志 浩太
「佐倉さんのポーチだ!」
声を上げたのは、フカヤさんと同時だったかもしれない。
言い咎めるわけではなかったが、何やら結果的にそうなった。
牧志 浩太
「珍しいな、全部残していくなんて。何があったんだ……」

ポーチを回収しよう。
ミニPCの起動の仕方、覚えているだろうか。
佐倉さんのことだから、もうパス変更しているかもしれないが。

中に入っている物を一通り確認する。
KP
中身はいつも通り。PCが開かないのもいつも通りだ。
最近彼が持ち歩いている記憶に関するメモも残されている。
ヒランヤ、勾玉、クリオネ、COMP、メインのスマートフォン等、彼が身につけているものはなくなっている。
フカヤ ミオ
「それ……もらってもいいだろうか?」
KP
傘をさしかけながら、ミオが遠慮がちにあなたに訊く。
牧志 浩太
「あ、ありがとう。……これは佐倉さんのだし、俺が預かっとくよ。

フカヤさんにとっては、自分の物に思えるのかもしれないけどさ。

このメモ、見たことある?」
彼女に記憶に関するメモを見せる。
フカヤ ミオ
「ああ……そうか」
ミオは哀しそうにして目を伏せる。
「キミが持っていてくれるなら、かまわない」
牧志 浩太
悪いな、とは思うけどさ。
彼女にもきっと、他にいた場所があって、他に大事な人がいる。

それなら、混ぜない方がいいんだ、きっと。
牧志 浩太
二人の経験が特殊すぎ&佐倉さんが慎重派すぎるせいで、牧志が全く自分の記憶を疑わず力強くNOしてて、ミオさんがよりかわいそう

でも今後【POW】判定の倍率下がってくるんだろうから、それによってはどうなるか分からないんだよな~。こわいな~。
フカヤ ミオ
彼女はパラパラとページを送る。
「確かにボクが書いた物のはずなのだけれど……」
時折腑に落ちないような顔をする。
「なんだろう、記載に謎が多いな、我ながら。
『もうひとりの牧志』って何だったろうな?」
牧志 浩太
その様子を見て……、ふと、彼女も俺みたいに、佐倉さんの記憶を半端に持たされて生まれてきたりしたのかな、という可能性に思い至った。

記憶を半端に持たされて。
俺みたいに、元の記憶なんてなくなっていて。

だとしたら、随分酷なことをしている。……でも。
牧志 浩太
「……すまない。ごめん。酷なこと、言ってるよな。

でも僕の記憶だけが頼りなんだ、今は。
だから、見失うわけにはいかないんだ」
牧志 浩太
ふと、もうひとりの俺を思い出した。
俺の代わりになろうとした俺。
俺と先輩は同時に存在できたけど、もし、譲れないものだったら。

俺はどこにも行けなかったのかもしれない。
牧志 浩太
何だか立ち位置が重なっちゃった。
フカヤ ミオ
「いや、いいんだ。
ボクたちにとって日常茶飯事だったよな、こういったことは」
ミオはメモの記述と自分の記憶の齟齬を見つめるようにして目を細めた。
牧志 浩太
「そうだな、そうだった。
こういう訳の分からないことが、本当に日常茶飯事だった。

何が起こってるのか……、分かるといいな。
俺達も元に戻って、フカヤさんも元いた所に戻れてさ」
KP
ミオの目には少し不安そうな光が宿っていた。
牧志 浩太
その不安そうな光に応えることは、できなかった。
伸ばせない手を、小さく握りしめた。
牧志 浩太
ここで「俺」に戻したのは彼女の存在を拒絶せずに、素の自分として謝りたかったからですね。
牧志 浩太
メモに何か気になることが書かれていないか、内容が変わっていないかなど、一通り確認する。
フカヤ ミオ
「これはボクじゃない」
KP
困惑したように彼女が示したページには、『海へ』と乱暴に書き殴られていた。
記載がある中で最後のページだ。
牧志 浩太
「これは……!」
そのページを裏返してみる。他に、行き先の分かるような記述はないだろうか。
牧志 浩太
「フカヤさん……、このメモ、自分で書いた、って言ったよな。

佐倉さんは昨日、俺と喧嘩して家を出てったんだ。
フカヤさんは、いつのことまで覚えてる?」

そう問いながら、車のナビにどこか目的地が指定されていないか確認する。
KP
あなたの問いに、ミオは額に指をあてしばし考え込む。
フカヤ ミオ
「そうだな、ボクは……昨日家に戻ったことまでは覚えている。
それまでの間に少なくとも喧嘩はしていないと思うな。
キミにとっては喧嘩だったがボクにとっては喧嘩ではなかった、という可能性もあるけれど、喧嘩のような要素はなかったように思うんだ」
牧志 浩太
「そうか……。
変だな。覚えてないだけなのかもしれないけど、それまでの記憶も同じじゃないんだ。

そういえば喧嘩したとき、佐倉さんの様子は変だった。
ひどく眠れてなくて、寝不足で苛々してたようだった。

あの時からもう、何かあったのかもしれない」
牧志 浩太
「……詳しく、聞いとけばよかったな……」
KP
車のナビは不思議な事に『水族館』ではなく『江ノ島展望台』にセットされている。
目的地まではかなり距離がある。江ノ島が目的地であればここで車を止めずにそのまま江ノ島へ向かった方が良いと思われるが……

叩きつける雨の中、黒々と沸き立つ海が見える。
ここからもう少し進んで江ノ島弁天橋を渡れば江ノ島に到着するだろう。
牧志 浩太
「目的地が展望台になってる。
展望台へ行くつもりだったのに、ここで車を止めたんだ。

ここで何か起きて展望台へ行けなくなったのか、それとも、なぜかここで車を降りて、展望台へ向かったのか……」
牧志 浩太
江ノ島展望台までのルートと、展望台と海からの距離を確認する。
江ノ島展望台は海辺から近いだろうか?
地形情報
KP
地形情報こんな感じになります。
牧志 浩太
ああー、水族館は陸地の方。ありがとうございます。結構離れてるなぁ。
KP
でも歩ける距離ではあります。一キロ半くらいかなぁ。
牧志 浩太
あ、そんなに離れてなかった。
KP
2キロはあるかも。
まあいけるいける。
牧志 浩太
ありがとうございます。イメージが明確になって助かる。
車ならそんなに時間かからないかな。
KP
ナビによると車で8分だそうです。
牧志 浩太
なるほど。
KP
観光地だから道もきちんと整備されていて歩きやすいみたいです。
(行ったことはないから間違ってたらごめんなさい)
サーファーの聖地ですね。
牧志 浩太
(いえいえ、こちらは更に土地勘が無い)
江ノ島自体は行ったことあるんですが、直後に急病をやってしまい記憶が無い
KP
それは哀しい
牧志 浩太
かなしい…… また行き直したいなぁ

牧志 浩太
駐車場の警備員と水族館の受付に、昨日の夜か今日の朝にこういう人が来なかったか、と、佐倉さんの写真を見せて聞く。

また、フカヤさんを示して、彼女が来なかったかとも聞く。
KP
水族館は広い観光用ビーチに建っているため見晴らしは良い。
展望台は江ノ島という小さな島の海の近くにある。
突然気が変わって降りたとしてもそれほど違和感のない距離だ。

あなたはこれが佐倉のメッセージだという予感をおぼえるかも知れない。
以前に皆で来た場所にあえて車を残したのではないかと。
KP
水族館の受付には心当たりがないと言われたが、
昨夜からこの車が止まっている事が分かる。
KP
ミオについては心当たりがないと言われた。
何しろここは観光地、人が無数に訪れるのだ。
余程特徴のある者でなければ覚えられてはいないだろう。
牧志 浩太
それもそうか。
礼を言って受付を離れる。
牧志 浩太
「……展望台、行ってみよう。

シロー、展望台へ行こう。
海が見られるぞ、天気悪いけどな」

車で橋を渡り、橋を降りたら手近な駐車場に車を停めて、後は展望台まで歩きます。

KP
荒天で海はひどく荒れ、水面は黒く濁っている。
また、ニュースのせいなのか天気のせいなのか、さすがに橋を渡る観光客も全くいない。
水族館から展望台までは徒歩で20分程度。
荒天のため少し時間がかかるだろう。

細い路地の両側に立ち並ぶ観光客向けの店は商売を諦めてしまったようで閉まっている。
階段が雨に濡れ、雨水が川のように流れ落ちていて足が滑る。
シローは珍しい荒天のお出かけにはしゃいでいた。

そろそろ昼過ぎだが、空は暗く周囲は夕方かというほどに暗い。
展望台までの道にもほとんど人はいない。
本来ここからは富士山やごつごつとした岩場が見え、海の間近まで降りて行けるのだが。
展望台からは雨に煙った海が見えた。

〈目星〉で判定。
牧志 浩太
1d100 98〈目星〉 Sasa BOT 1d100→100→致命的失敗ファンブル
牧志 浩太
おおない!?
KP
あらゃ
牧志 浩太
ミオかシローが気づいてくれないかな
KP
じゃあ【幸運】でも振っていいや。
牧志 浩太
ありがとうございます なんだこの調子の悪さ
牧志 浩太
1d100 60 【幸運】 Sasa BOT 1d100→20→成功
KP
あなたは階段を登り切ったところで気が抜けたか、雨に足が滑って派手に転んだ。
フカヤ ミオ
「あーあー、大丈夫かい? 頭を打っていないかい?」
KP
起き上がろうとしたあなたは、心配そうに屈むミオとシローの向こうに、奇妙な足跡を見つける。
KP
そこは丁度雨がかからない庇の下だ。
海へ降りて行ける階段のすぐ側でもある。
そこに、明らかに靴でついたわけではない、なにかの足跡だ。
つきかたからいって二本足の生物のようだが、人間よりもはるかに大きい。
熊か。いや、指が大きく開いた大きな足跡は熊のものとも違った。
だがサイズ感はその程度が予想される。
あなたは否応もなく、得体の知れない生き物が雨の中をうろついている姿を想像してしまうだろう。

▼《SANチェック成功時減少 1失敗時減少 1d2
牧志 浩太
1d100 64 《SANチェック》 Sasa BOT 1d100→8→成功
SAN 64 → 63
牧志 浩太
「痛っ、ああ、ごめんフカヤさん…… あれ?」

自然と彼女に謝って起き上がろうとして、ふっと視線の先にあるものに気づく。
牧志 浩太
「なんだ……、これ、随分大きい……、
まさか不審者って、これか?
いや、それにしても、大きすぎる」

背筋に怖気を覚えながら、これ、と彼女にその足跡を指し示す。
牧志 浩太
その足跡はどちらへ続いているだろうか。
KP
足跡は海の方向へ向いているように見える。
KP
ミオはあなたが指す方をのぞき込んで目を丸くした。
フカヤ ミオ
「なんだ、これは!?
駝鳥……熊……何か大きな生き物だな」
牧志 浩太
頷く。
「ああ……。何だか分からないけど、海へ向かってるみたいだ」

その足跡をスマートフォンで撮影しておく。
合わせて、何かメッセージやニュースが来てないか確認する。
牧志 浩太
「近づきたくはないけど、佐倉さんも『海へ』って残していた。

何か、関係ある……、のかもしれないな」
フカヤ ミオ
「ああ、言いにくいんだけどね、牧志。
その人のことがもの凄く心配なのは分かるんだ、こんな状況だしね。
だけどキミはキミ自身のことをもっと気にかけるべきだと思うよ」
KP
ミオとシローの目が心配そうだ。

あなたは自分が下着までずぶ濡れになっていることに気付くだろう。
風邪を引いてしまいそうだ……
牧志 浩太
「へ? うわ、ずぶ濡れだ」
言われて初めて気づく。
全く気づいていなかったのだ、余程心配に気を取られていたらしい。
牧志 浩太
「ありがとう、全然気づいてなかった」
初めて、彼女がいてくれてよかったと感じた。
さっきもだけど、自分は案外焦ってるらしい。

けど、参ったな。風邪で動けなくなるのは避けたいけど、今から出直したくもない。
牧志 浩太
「参ったな、今から出直したくない……」
牧志 浩太
先ほど展望台の上から見たときに、海辺にそのようなものの姿は見えただろうか。
KP
海辺には何か作業をしている人の姿がある。
波に流されないように看板か何かを括り付けているようだ。
少し歩けば降りて行けるが、海が近いのでシローは近づかせない方がいいだろう。
牧志 浩太
「よし、あの人に話だけ聞いてくる。
それから、どこかで着替えでも調達するよ。
ごめん、シローを見てて」

彼女にそう言ってシローを託し、近くにあの大きな生き物がいないことを確認してから、作業をしている人の所へ向かう。
KP
その人はすぐさまあなたに気付き、慌てたように寄ってきた。
がっしりした壮年の男は、ずぶ濡れになっているあなたに眉をひそめ、持っていたタオルを渡してくれた。

「ここで何をしてるんだ。
こんな天気なのにここまで降りてきてはだめだ、早く帰りなさい。
それじゃなくてもこのあたりじゃ人が死んでるんだから」
牧志 浩太
「あ……、ありがとうございます。
人が死んでいるって、身元不明の死体が上がったって話、ですか」
KP
「ああそうだよ、ニュースでやってるだろう?
あたしゃぁ何度か上がったやつ見たことがあるんだ。
全身酷い傷で、ズタズタにされてるんだよ。
ありゃあ普通の人間の仕業じゃあねぇ」
牧志 浩太
「俺、ここに来たらしい人を探していて。
黒い服の、こんな人なんです」

自分の身体で雨から写真を庇いながら、佐倉さんの写真を見せる。
KP
男は特徴的にしゃくれた顎を搔きながらあなたが差し出した写真に目をやったが、顔をしかめて知らないと答えた。
「人探しかい、こんな時になぁ。
奥さんとお子さん連れで?
いやいや早く帰んなさいよ。
危ないよ」
牧志 浩太
「そうします。
そうだ。上がったのは、どの辺りですか。
彼女達に、避けるように言っておきます」
KP
「このへんだよ!」
男はなかば悲鳴のように怒鳴って、背後を指した。
KP
「あのホトケさん見たせいかひっどい夢は見るし、なんだろうね全く。
とにかくあんたも早く帰んなさい。
あたしもさっさと仕事終わらせて帰りたいんだ」
牧志 浩太
小さく会釈して、周囲を見回す。
人の姿や人でないものの姿、あるいは何か残されたものはないだろうか。
KP
視界にはごつごつとした険しい岩場が広がっており、その間を縫うようにしてコンクリートでかためられた道が海へおりて行く。いつもは広い岩場の上までおりて波しぶきを身近で感じられる観光スポットなのだろう。

しかし今、波は道をひっきりなしに洗っており、渦巻き、叩きつけて荒れ狂っている。いかにも危ない。
岩場は暗く、とても何かを見つけられるような状態ではないし、何かあってもあっという間にさらわれるだろう。
KP
「とにかく!
早く帰んなさいよ!」
男は作業にもどって行く。
牧志 浩太
「暗いな……、」
一瞬、想像してしまった。
見慣れた後ろ姿が海へと降りていく所を。
黒いパーカー姿が、荒れ狂う波に揉まれて岩場に叩きつけられる所を。

その想像を振り切るように首を振り、周囲を見回しながら階段まで戻る。
牧志 浩太
「くそ……、雨が酷くて何も見えない」
KP
背後でばしゃんと水が跳ねる音がした。
牧志 浩太
咄嗟に振り返る。
KP
先ほどまで話していた筈の人物がいなくなっている。
ぽつりと靴だけが片方落ちていたが、波に攫われて消えていった。

〈目星〉をどうぞ。
牧志 浩太
1d100 98〈目星〉 Sasa BOT 1d100→76→成功
KP
悪天候でうねりぶつかりあう波の中に、泡のようなものがボコボコと浮かんでいるのが見えた。
直後、赤黒いものがじわりと広がったように思う。

▼《SANチェック成功時減少 1失敗時減少 1D3
牧志 浩太
1d100 63 《SANチェック》 Sasa BOT 1d100→77→失敗
1d3 Sasa BOT 1d3→2
SAN 63 → 61
牧志 浩太
「……」
その様子をじっと睨みながら、後ずさりするようにして階段まで戻る。
何が起きたのかは考えないことにした。……近づくべきではなさそうだ。
KP
急に後ろから腕を引かれた。
フカヤ ミオ
「戻ろう。ここにいちゃいけない。あまり見ちゃいけない」
KP
あなたの腕を掴んだミオは、真っ青になって冷や汗をかいているように見えた。

〈目星〉をどうぞ。
牧志 浩太
1d100 98〈目星〉 Sasa BOT 1d100→49→成功
KP
服で隠れているミオの首筋に、青緑色の丸いものが貼り付いているのが見えた。
牧志 浩太
「……?
フカヤさん。何だ、それ」
それを取ろうと手を伸ばす。
牧志 浩太
鱗かな~~~?
フカヤ ミオ
「えっ? あ、後にしないか? ボクは早くここを離れなきゃいけない気がするんだ」
KP
ミオはシローの手を握って後ずさる。
その視線は荒れ狂う海に釘付けだ。
どうしても見るなら見せてくれるけれど。
牧志 浩太
「……」見る。
KP
そこに並んでいるのは輝く鱗だ。
牧志 浩太
その鱗は急に出現したようだろうか。
ここに来る前にそんなものはあっただろうか。
KP
なかったように思う。
フカヤ ミオ
「き、キミもずぶ濡れだし、陽も落ちてきた。
シローも安全な場所に連れて行かなきゃ。
ボクは帰りたいよ」
牧志 浩太
「フカヤさん。それ…… 何だ?」
首筋の鱗を指しながら言って、彼女の反応を見る。
彼女はそれについて知っているようだろうか。
(可能なら、〈心理学〉で探りたい)
フカヤ ミオ
「鱗? え? なに?」
ミオは首に手をやって息を呑む。掻く。つまむ。
「なんだこれは? 鱗だって? 取れない」
呆然と呟いた。
KP
〈心理学〉は可能。
KP
Sasa BOT 🎲 Secret Dice 🎲
KP
彼女はあまりに想定外の事態に混乱している。
何故自分に鱗があるのか、彼女は知らない。
牧志 浩太
思わず、痣の張りついた自分の首筋にも手をやる。
そこに鱗があったりはしないだろうか。
KP
あなたの首筋に鱗らしき物はない。
牧志 浩太
「ごめん。そうだな、戻るか」

もしかして。本当に、そうなんだろうか。
佐倉さんの記憶を半端に持たされて。俺みたいに。
牧志 浩太
もう一度海の方を見る。
誰かや何かの影がないようならば、展望台の周囲で佐倉さんの痕跡を探してから、車まで戻りコンビニなどで着替えを調達する。
KP
展望台に彼の痕跡はなかった。
どんどん陽は落ち、周囲は暗くなる。
着替えはコンビニでは手に入らないな。
島を出て観光客向けの店などを探せばあるだろうか。
牧志 浩太
くそ、と呻く。
このままでは風邪をひく。
何でもいいので、島を出て一番手近な所で着替えを探す。
夜中
KP
リアルがすんげー時間ですぅ。
私は仕事のついでにやってるから延々返せちゃうけど
これからどう動くつもりかだけきいときたい!
ミオ「危険だから今日は帰ろうよ」
シロー「そろそろ帰りたいなぁ」
という状態ではあります。
牧志 浩太
仕事お疲れ様です。ほんとだすんげー時間だ。

ここからの方針悩んでるんですよね。
ちょっと読み返したんですが、今の所ここ以外に当たれそうな手掛かりが見つからなくて。
KP
ぶっちゃけます?
牧志 浩太
もし「現在では何をやっても進まない、とっとと帰った方がいい」だったらぶっちゃけて頂いた方がいいかな。それ以外だったらぶっちゃけ無しで。
KP
はい。
今日は帰った方がよいです。あぶないし。
一晩経つと出る情報もありますので。
牧志 浩太
ありがとうございます。助かる。
そしたら今日は素直に帰るということで。
怖いけど楽しいけど怖いけど楽しい。
KP
かえろうぜ!
ほっといたら何か出そうな夜の浜辺をずっと探し続けそうだもん!
牧志 浩太
明らかに危険なので0時までにはちゃんと撤退する! それまではたぶん探そうとしてましたね。ミオとシローを先に帰して。
KP
0時前に何か起きましたが!?

フカヤ ミオ
「今日はもう帰ろうよ……」
車で店を探すあなたに、ミオは疲れたように呟いた。
「その人のことも心配だけど、ボクはキミのことが心配だ。
またあそこに行くつもりかい? あの人が言っていただろう、危険だって……」
ミオは身震いをして無意識のように鱗を指先で掻いた。

「自覚している? キミ、蒼白なんだよ。
シローも疲れちゃったみたいだ、いっぱい歩いたもんね」
KP
シローは傘を持ったまま足元を見つめている。
そういえば昼食はとっただろうか?
フカヤ ミオ
「ねえ、帰ろうよ。皆休まないと。
明日明るい時間に出直そう?」
牧志 浩太
不意に、足元がふらついた。
濡れそぼった髪越しにシローと彼女を見て、そういえば昼食を取っていないことを思い出した。
牧志 浩太
「そうか、そうだな、ごめん。
家の鍵と財布だけ預けとく。
こんな時だけ任せて悪いけど、シローと先に帰って、」
そう言って佐倉さんのポーチから財布と家の鍵を取り出して、渡そうとする指がかじかんで鍵を取り落とした。

小さな金属音がその場に響いた。
牧志 浩太
「あ……、」

それでようやく、彼女が言った蒼白だ、ということの意味に気づいた。
牧志 浩太
「ごめん……、そうだな、出直すか」

帰宅します。
ふえないKPC
牧志 浩太
シナリオの雰囲気が違うのもあるけど、緋寒・深山は無下にできなかったのにフカヤさんは断固NOなのは、
 ・その現象が佐倉さんの位置を奪おうとしていること
 ・彼女に「佐倉さん」を見出すことができないこと
なんだろうなぁ…… とお布団の中で思ったのでした。
KP
そう、スタートは同じなのに随分違う方向に行ったなと。
あと彼らは「いっぱいいてもあたりまえ」だったから
例えばそこに本物の佐倉が戻ってきても、「ここはボクの部屋だから」と佐倉と争おうとはしないかな。
当たり前のように居座ろうとはする。
牧志 浩太
そうそう。スタートは結構近いんですよね。
「同時に存在できるか、できないか」「佐倉さんであるか、ないか」が明暗を分けている。
KP
男性に改変しても良かったんだけど、女性でやらせて貰いました。
そのせいでミオちゃんが気の毒なことになっちゃってるけど。
牧志 浩太
男性だったとしても、そこは変わらないからなぁ。位置を奪おうとしているとか、一番始まりの記憶と一番大事な記憶を持っていないとか。

より気の毒にはなっているけど、基本は変わらなかったと思います。
KP
でしょうね。
ミオが自分の立ち位置により混乱するだろう、という意味ですね。
牧志 浩太
そう、不整合が大きすぎて大層混乱している上に牧志が断固NOするせいでその気持ちを受け止める余裕がないから、そこは本当に気の毒。
KP
始まってから「これ良く考えたら『ふえる』と同じじゃん、失敗したなぁ」と思ってたら結構差が出て面白い!
牧志 浩太
スタート近いのに全く違って面白い!
あの時牧志が二人に絆された理由、「何だかんだで佐倉さんだったから」(劇中談)ですからね。
KP
そこ大事なんだなぁ……

KP
落ちた鍵をシローが拾う。
フカヤ ミオ
「……よろしい」
ミオがほっとしたように呟いて、小首を傾げてあなたの手に触れる。
「忠告を聞き入れてもらえて嬉しいよ。
キミが探している人だって、キミにそんな状態になっても探せなんて言わないだろう?
いや、その人のことは知らないけど」
睫を伏せる。
「キミの相棒だったというならきっと、そうなんだろう?
さ、帰ろう。まずは着替えを何とかして、食事して」

ミオは一瞬言葉を切って、首を振った。
「家に帰ろう」
ミオは泣き出しそうな顔をしていた。
牧志 浩太
「ごめん……、そうだな」
牧志 浩太
「ありがとう」

そのとき初めて、その人の顔を見た気がした。
どこか、現象のようにしか見ていなかったのだ。

触れられた手をそっと外し、帰路につく。

ひとこと
KP
自分の記憶だけを頼りに佐倉を探す牧志。
誰が何と言おうと、彼は存在したはずなのだ……


【置】CoC『ワンナイトショット』牧志&波照間&佐倉 1

もしかして:戻ったときにえらいことになる>服装

【置】CoC『おまえが猫耳メイドになるんかい』 牧志&佐倉(PC視点)

こんな状況だけど正気だ! 正気の佐倉さんが、いる!
助けを求め、巻き込まれた俺を助けようとしてくれている!
……大変だろうな正気でこの状況。後で憤死しないかな。

【置】CoC『迷い家は桜の先に』 牧志&佐倉 3

ふと色々な気になることがもやもやと頭の中に浮かびかけたが、全部投げ出して目を閉じた。

【クトゥルフ神話TRPG】
本作は、「 株式会社アークライト  」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。

Call of Cthulhu is copyright ©1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc.
Call of Cthulhu is a registered trademark of Chaosium Inc.
PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION 「クトゥルフ神話TRPG」


CoC『VOID』継続『阿煮町』本田&結城&ヴィキ&海虹 1

「いやぁお金ほとんど持たされてなくて……」

CoC『VOID』継続『AND/HAND』 ヴィキ&結城 1

「ギャップがすごく気持ち悪い……」