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ヴィキ
結城の胸に顔を埋めたまま、目で時計の針を見やる
「……また、扉開いたかな」
「……また、扉開いたかな」
結城 晃
「そうみたいだ……」
KP
自然と視線は扉に向く。
ヴィキ
「……行こうか」
結城 晃
「うん」
言って少し名残惜しげに腕をほどく。
言って少し名残惜しげに腕をほどく。
ヴィキ
最後、離れる間際、その手を握る
KP
その手を握って笑う。
結城 晃
「まあ、悪くないな、アトラクションと考えれば」
ヴィキ
「そう、だね」
先刻、思い至ったまたも仮説に、少し不安を感じながら、それでもその手、指に自らのそれを絡めて微笑む
先刻、思い至ったまたも仮説に、少し不安を感じながら、それでもその手、指に自らのそれを絡めて微笑む
KP
その目を見れば、素直にそう思っているわけではないことは知れるだろう。
ヴィキ
「大丈夫。一緒に行こう?」
そっと手を引く
そっと手を引く
KP
後に続く。
いつものように。
いつものように。
ヴィキ
扉の把手を掴み、ひねる
KP
把手はわずかな抵抗ののちあなたの動きに従い回る。
ヴィキ
かちり、と音がしたのを確認して、そっと押す
KP
扉が開いた。
希望の花がかすかに輝いているように思えた。
視界は真っ白だ。
希望の花がかすかに輝いているように思えた。
視界は真っ白だ。
ヴィキ
部屋があるとかではない?
KP
部屋が、ある。
そう認識したとき、背後で扉が閉じた。
そして鍵がかかる音がする。
戻る道は閉ざされた。
そう認識したとき、背後で扉が閉じた。
そして鍵がかかる音がする。
戻る道は閉ざされた。
ヴィキ
わずかにその扉を振り返ってから、部屋を改める
結城 晃
「……」
KP
部屋は今まで通って来たものと比べればさらにシンプルだ。
白い壁、白い床。部屋の中央にはテーブルが置かれ、その上にはティーカップやポットが見える。
相変わらず、メーカー不明、素材ははっきりとしない、のっぺりとした家具たちとカトラリー。
部屋にはそれ以外の家具はない。ただ、殺風景な部屋の向こうに、一枚の扉だけが待っている。
時計の秒針が時を刻む音だけが、絶え間なく降り注いでいた。
白い壁、白い床。部屋の中央にはテーブルが置かれ、その上にはティーカップやポットが見える。
相変わらず、メーカー不明、素材ははっきりとしない、のっぺりとした家具たちとカトラリー。
部屋にはそれ以外の家具はない。ただ、殺風景な部屋の向こうに、一枚の扉だけが待っている。
時計の秒針が時を刻む音だけが、絶え間なく降り注いでいた。
ヴィキ
「今度は、何かな?」
テーブルの上のメニューを改めよう
テーブルの上のメニューを改めよう
KP
テーブルの上には、見慣れた2つのポットと2つのティーカップに砂糖やミルクピッチャーが置かれ、机の中央には、空のガラスのコップが一つだけ置かれている。
今までのような菓子類はないようだ。
テーブルの両側には今まで通り椅子が二脚あるが、テーブル上には片側の一人分だけ皿が置かれ、その皿の上に、白い封筒が一つ置かれている。
今までのような菓子類はないようだ。
テーブルの両側には今まで通り椅子が二脚あるが、テーブル上には片側の一人分だけ皿が置かれ、その皿の上に、白い封筒が一つ置かれている。
結城 晃
「少し様子が違うな」
ヴィキ
「そうだね。さっきのパイは結構ボリュームあったもんね」
「だからかな」
くすりと笑って、白い封筒に手を伸ばす
「だからかな」
くすりと笑って、白い封筒に手を伸ばす
結城 晃
「確かに。さすがにラーメンって気分じゃなくなった」
ヴィキ
「ラーメンは明日までお預けだね」
「あっくんが おデブになったら困るし」
「あっくんが おデブになったら困るし」
KP
封筒には宛名も差出人の名もない。
封筒に封はされておらず、開けば便箋が三枚入れられていた。
封筒に封はされておらず、開けば便箋が三枚入れられていた。
ヴィキ
封筒の中の便箋を取り出す
KP
几帳面な文字が万年筆で真摯につづられている。
いきさつが書いてある。
結城は夜の公園で狂信者達による神の召喚を目撃してしまい、心が壊れてしまった。
今二人がいるバーチャル空間を作り上げ、結城を救おうとしているのは、その召喚を阻止しようとしている者たちである。
彼は選択を迫る。
結城を連れてこの空間を出る事で危険な記憶と対面させるか、
ここにいる結城を閉じ込める事で彼の記憶を封じ込め、神の召喚を見たという記憶ごと今日の記憶を全て消し去ることで彼の心を守るか。
結城は夜の公園で狂信者達による神の召喚を目撃してしまい、心が壊れてしまった。
今二人がいるバーチャル空間を作り上げ、結城を救おうとしているのは、その召喚を阻止しようとしている者たちである。
彼は選択を迫る。
結城を連れてこの空間を出る事で危険な記憶と対面させるか、
ここにいる結城を閉じ込める事で彼の記憶を封じ込め、神の召喚を見たという記憶ごと今日の記憶を全て消し去ることで彼の心を守るか。
KP
手紙の最後の文字が視界に入った瞬間、あなたは瞬時に思い出す。
思い出す、というのもおかしな話だが、初めての事ではないだろう。
そこに在ったことさえ忘れていた景色が、鮮明な色彩を纏って焼き付いていく。
聞こえていたことさえ覚えていなかった声が、鮮烈な感情を伴って響いていく。
メモリー上になかったはずのものが、動き出す。
月のない夜に、二人で公園を横切ったとき、酔っ払いの騒ぐ声のようなものを耳にした。
不審に思った自分たちは、私服ではあったが、職質でもした方がいいか、などと言いながらそちらへ視線を向けた。
まず聞こえたのは、何かが軋むような巨大な音。
夜の静寂を引き裂いた音は、森林公園の中から続く。
結城が、先に動いていた。その時偶然一歩前にいた。
それだけだった。
地面が割れていくような鈍い轟音、木々の太い枝が呆気なく砕けていく悲鳴。
疑いようの無い異変に、二人してそちら側に意識を向けようと、した。
視界の端、木々の輪郭が大きく蠢き
「ヴィキ!」
思考回路が乱れる。
響いたその音が自分の名前だと認識したのは、身体が大きく傾いた後だった。
目の前に背中があった。
いつもは自分の後ろにいる結城が、前に出ていた。
大きな音が響く。自分が人形のようになすすべなく、身を守る動きの一切もなく倒れる音。
そして上にかぶさる、なにか暖かいもの。
顔に押し付けられた胸から、異様に早く乱れた心臓の音が聞こえる。
あなたの電脳が一瞬動きを止め、強制的にシャットダウンする。
無数のエラーが降り注ぐ中、終了処理はなかなか終わらず、あなたは目を見開いていた。
『吐き気がした』。
一瞬視界に入ったそれを、削除してしまわなければ、隔離してしまわなくては、正常に再起動などできはしない。
思い出す、というのもおかしな話だが、初めての事ではないだろう。
そこに在ったことさえ忘れていた景色が、鮮明な色彩を纏って焼き付いていく。
聞こえていたことさえ覚えていなかった声が、鮮烈な感情を伴って響いていく。
メモリー上になかったはずのものが、動き出す。
月のない夜に、二人で公園を横切ったとき、酔っ払いの騒ぐ声のようなものを耳にした。
不審に思った自分たちは、私服ではあったが、職質でもした方がいいか、などと言いながらそちらへ視線を向けた。
まず聞こえたのは、何かが軋むような巨大な音。
夜の静寂を引き裂いた音は、森林公園の中から続く。
結城が、先に動いていた。その時偶然一歩前にいた。
それだけだった。
地面が割れていくような鈍い轟音、木々の太い枝が呆気なく砕けていく悲鳴。
疑いようの無い異変に、二人してそちら側に意識を向けようと、した。
視界の端、木々の輪郭が大きく蠢き
「ヴィキ!」
思考回路が乱れる。
響いたその音が自分の名前だと認識したのは、身体が大きく傾いた後だった。
目の前に背中があった。
いつもは自分の後ろにいる結城が、前に出ていた。
大きな音が響く。自分が人形のようになすすべなく、身を守る動きの一切もなく倒れる音。
そして上にかぶさる、なにか暖かいもの。
顔に押し付けられた胸から、異様に早く乱れた心臓の音が聞こえる。
あなたの電脳が一瞬動きを止め、強制的にシャットダウンする。
無数のエラーが降り注ぐ中、終了処理はなかなか終わらず、あなたは目を見開いていた。
『吐き気がした』。
一瞬視界に入ったそれを、削除してしまわなければ、隔離してしまわなくては、正常に再起動などできはしない。
ヴィキ
視界を埋め尽くす赤の線と文字の向こうに、彼の体がその向こうを見せまいと覆いかぶさる姿が見える
自分が守らなければならないはずの人が……そう思っても、緊急避難処理に落ち込んだ機械の体は動作を拒絶する
自分が守らなければならないはずの人が……そう思っても、緊急避難処理に落ち込んだ機械の体は動作を拒絶する
KP
上に覆いかぶさった体は、死人のようにぐったりとしていた。
ただ心臓だけが、もがいて、暴れて、逃げ出そうとしていた。
ただ心臓だけが、もがいて、暴れて、逃げ出そうとしていた。
ヴィキ
彼の状態を走査しようと命令を下しても、全てのシーケンスは中断処理に阻まれる
出すことは叶わぬ声で彼の名を呼びながら、凍ったような表情のまま、動くことも叶わず
やがて、再起動処理の進行を知らせるシーケンスバーが満たされると同時、意識は文字通りスイッチを切るようにして闇に落ちた
出すことは叶わぬ声で彼の名を呼びながら、凍ったような表情のまま、動くことも叶わず
やがて、再起動処理の進行を知らせるシーケンスバーが満たされると同時、意識は文字通りスイッチを切るようにして闇に落ちた
KP
記憶のあなたのスイッチが、切れる。
同時にあなたは、思い至るだろう。
何を見たのかすら理解できない自分がこの状態だったのだ。
前にいて、あれを目撃した結城がどうなったか。
同時にあなたは、思い至るだろう。
何を見たのかすら理解できない自分がこの状態だったのだ。
前にいて、あれを目撃した結城がどうなったか。
ヴィキ
ああ、と小さく声を漏らし、3枚の便箋を胸元で握りしめた
くしゃり、という微かな音が響く
くしゃり、という微かな音が響く
KP
SANチェック。1/1d6
ヴィキ
CCB<=90 SANチェック (1D100<=90) > 4 > 決定的成功/スペシャル
[ ヴィキ ] SAN : 90 → 89
[ ヴィキ ] SAN : 90 → 89
クリティカル
KP
使わんかもしれんが、折角だからクリチケを差し上げよう。
ヴィキ
失敗を成功に変えられるんだっけ?
KP
このシナリオ内ではそれでいいや。
ヴィキ
了解
※ちなみに
メタですが、これって自分の記憶だけはお持ち帰りできるんですかね?
※ちなみに
メタですが、これって自分の記憶だけはお持ち帰りできるんですかね?
KP
できるが、しないこともできる。
ヴィキ
なるほど
ヴィキ
そのまま、彼の対面の席へと腰を下ろす
結城 晃
「何が書いてあった?」
KP
何かが書いてあったはずだ。
彼の声は言外にそう尋ねていた。
さっき〈心理学〉に成功したからな。
相棒の様子がおかしいことは知っているぞ。
彼の声は言外にそう尋ねていた。
さっき〈心理学〉に成功したからな。
相棒の様子がおかしいことは知っているぞ。
KP
ここシナリオには「長いこと読んでいたからさすがにばれるよ」って書いてあるんだけど、VOIDなら長文も一瞬!!
〈心理学〉成功して良かったな結城!
〈心理学〉成功して良かったな結城!
ヴィキ
そうなんだ
ヴィキ
「……うん」
「書いてあったよ」
「書いてあったよ」
結城 晃
「もしかすると……俺に関係あることじゃないのか」
ヴィキ
「さすが、最年少敏腕捜査官」
くすりと微笑んだ
くすりと微笑んだ
結城 晃
「茶化すなよ」
ヴィキ
「ごめん」
小さく視線を落とし、短く詫びた
小さく視線を落とし、短く詫びた
KP
秒針は夜を削ってゆく。
あなた方がこの部屋で語れる残り少ない時間を。
※劇中に時間制限はあるけど、メタ的にはないよ!(再)
あなた方がこの部屋で語れる残り少ない時間を。
※劇中に時間制限はあるけど、メタ的にはないよ!(再)
ヴィキ
「あっくん」
結城 晃
「うん」
ヴィキ
「ここに来てから、いろいろな文書、あったよね」
結城 晃
「そうだな。記憶を書き換えるとか、現実ではない体験とか」
ヴィキ
ん、と頷き
「それを一つ一つ見ていく内に、私の中で、また仮説が出来上がってね」
「それを一つ一つ見ていく内に、私の中で、また仮説が出来上がってね」
結城 晃
「うん」
ヴィキ
彼に、自分が推測した仮説を話す
今や、現実のものとなったその仮説を
見てはならないものを見てしまって、精神に致命的な不調を受けてしまった者の、治療のための空間ではないかということ
そして自分が、いわばその水先案内人ではないのかということ
今や、現実のものとなったその仮説を
見てはならないものを見てしまって、精神に致命的な不調を受けてしまった者の、治療のための空間ではないかということ
そして自分が、いわばその水先案内人ではないのかということ
KP
黙って話を聞いている。
その手がかすかに震えていた。
その手がかすかに震えていた。
ヴィキ
「私は、あなたがその治療を受けるべき人ではないか、と考えてた」
「だから、黙ってたの。ごめんね」
震えるその手に視線を落とし、もう一度詫びた
「だから、黙ってたの。ごめんね」
震えるその手に視線を落とし、もう一度詫びた
結城 晃
「あの事件で、俺は、何度も心が壊れかけた。同じようなことが起こったっていうのか?」
「俺は、覚えていない」
「俺は、覚えていない」
ヴィキ
「うん」
「でも、それは、やっぱり当たりだったみたい」
言って、皺の寄った便箋3枚をテーブルの上に広げた
「でも、それは、やっぱり当たりだったみたい」
言って、皺の寄った便箋3枚をテーブルの上に広げた
結城 晃
「……あ」
「文字が、読める」
「文字が、読める」
ヴィキ
「ね、あっくん」
落ち着いた声で、彼を呼ばった
「今は、大丈夫。静かに、少しずつ」
落ち着いた声で、彼を呼ばった
「今は、大丈夫。静かに、少しずつ」
結城 晃
「……うん」
ヴィキ
「思い出してみて。あの夜、何があったか……」
言って、彼の震える手に己の手を重ねる
言って、彼の震える手に己の手を重ねる
結城 晃
「あの、夜に?」
「駅へ向かってた……」
「駅へ向かってた……」
ヴィキ
「うん……2人で、デートして、そう」
「森林公園に差し掛かって……」
「森林公園に差し掛かって……」
結城 晃
「ああ、そんな気がする」
「……おかしいな、何があったのか、よく思い出せない」
「……おかしいな、何があったのか、よく思い出せない」
ヴィキ
ポケットにしまっておいたものと合わせて、これまでの手紙全てを彼の前に並べる
結城 晃
「これ、今までの部屋にあった?」
「何も書いてなかったはすじゃ」
「何も書いてなかったはすじゃ」
ヴィキ
「ごめん。本当は全部、書いてあったの」
「案内人である、私にだけ、見えるように」
「案内人である、私にだけ、見えるように」
結城 晃
「……なるほど。迂闊なことを知ると……」
ヴィキ
「……うん……そう、思って」
「……ごめんね」
「……ごめんね」
結城 晃
「そんな危険な状態なのか……」
ヴィキ
「私は、その時のことを思い出すことができた」
結城 晃
「残念、ここにいる患者には自覚がない」
ヴィキ
こちらを庇ったことまで思い出すことはない?
KP
手紙を読んだことで、自分に起きたことは何となく思い出したようだが、それについては覚えていない様子だ。
ヴィキ
「私は、全部思い出したよ」
「あなたは―――」
重ねた手に、微かに力が籠る
微かな震えを伴って
下唇を噛む
ほんの数秒、そのようにして黙ってから
「あなたは―――」
重ねた手に、微かに力が籠る
微かな震えを伴って
下唇を噛む
ほんの数秒、そのようにして黙ってから
KP
VOIDのあなたにとっては、とても長い時間だ。
ヴィキ
「あなたは、私を助けてくれた」
口を開いた
口を開いた
結城 晃
「俺が……」
KP
あなたの言葉を受け、ほんの一瞬混乱したような顔をする。
ヴィキ
「あの時の―――お姉ちゃんを取り込んだ、あの機械、覚えてる?」
あの時に受けた、心の衝撃も
あの時に受けた、心の衝撃も
結城 晃
「ああ……」
KP
あなたの手に、もう片方の結城の手が重なる。
ヴィキ
あの夜、そこにあったのは、それをも凌ぐ“何か”だった
結城 晃
「あれは、『在ってはならないもの』に見えた」
「そうだ、あの時」
「俺は、おれは何かを、見て」
「そうだ、あの時」
「俺は、おれは何かを、見て」
ヴィキ
重ねられたその手に、更に自分の手を重ねて
KP
言葉が止まる。視線が彷徨う。
結城 晃
「守らないと、と思った」
ヴィキ
その言葉に、ああ、とまた一つ息が漏れた
KP
そこまで言って、また視線が彷徨う。
結城 晃
「駄目だ、記憶がぼんやりとしていて」
「はっきりと思い出せない」
「はっきりと思い出せない」
ヴィキ
自分が同じ立場であったなら、自分もそうしただろう
なぜなら―――
彼が、自分のことを同じように考えていてくれたことが、嬉しくて
でも、それが悲しくて、申し訳なくて
閉じた瞳から、一筋、透明な液体が頬を伝った
なぜなら―――
彼が、自分のことを同じように考えていてくれたことが、嬉しくて
でも、それが悲しくて、申し訳なくて
閉じた瞳から、一筋、透明な液体が頬を伝った
結城 晃
「さっきの話からしたら、『思い出してはならないこと』なんだな」
ヴィキ
「うん……」
「あなたは、私に“それ”が見えないように」
「庇ってくれた」
「それが、今あなたがここにいる理由」
「あなたは、私に“それ”が見えないように」
「庇ってくれた」
「それが、今あなたがここにいる理由」
結城 晃
「そんな状態だっていうのに、俺はデートだなんだと浮かれて……」
KP
視線が最後の手紙の文面に落ちた。
ヴィキ
重ねた手に、力を込める
ゆっくりと、大きく首を振り
「ごめんね、あっくん。私が守ってあげられなくて」
「でも」
「ありがとう、あっくん」
彼の視線と合わせるように、1枚の便箋に視線を落とした
ゆっくりと、大きく首を振り
「ごめんね、あっくん。私が守ってあげられなくて」
「でも」
「ありがとう、あっくん」
彼の視線と合わせるように、1枚の便箋に視線を落とした
結城 晃
「それなら、良かったよ」
「俺にも君を守ることができた」
「いまいち記憶にないのが悔しいけど」
「俺にも君を守ることができた」
「いまいち記憶にないのが悔しいけど」
ヴィキ
その言葉に、気持ちに、雫がいくつも溢れた
結城 晃
「それで結局今、迷惑かけて守ってもらってたみたいだけど」
「……酷いよな」
「一番忘れなきゃいけないものと、絶対に忘れたくないものがセットになっているってことか」
「……酷いよな」
「一番忘れなきゃいけないものと、絶対に忘れたくないものがセットになっているってことか」
ヴィキ
「うん……」
「でもね」
「私は、嬉しかったよ」
「それに、よかった、って思ってる」
もう叶わないと思っていた
自分の、本当の心
その儚い、自らの棘鎖で縛り付けちた気持ちと想い
「私の、涙と気持ちを全部、あっくんに見せることができたから」
そして、それが受け入れてもらえるなんて
「あなたと、心を重ねることができたから」
「でもね」
「私は、嬉しかったよ」
「それに、よかった、って思ってる」
もう叶わないと思っていた
自分の、本当の心
その儚い、自らの棘鎖で縛り付けちた気持ちと想い
「私の、涙と気持ちを全部、あっくんに見せることができたから」
そして、それが受け入れてもらえるなんて
「あなたと、心を重ねることができたから」
結城 晃
「そう、だな……」
KP
けれどそれも、忌まわしいものと一緒に忘れてしまうのではないのか。
そんな諦めにも似た思いが過っていた。
自分の心がもはや少しの衝撃で砕けてしまうほどもろくなっているのを、結城自身が嫌というほど思い知っていた。
そんな諦めにも似た思いが過っていた。
自分の心がもはや少しの衝撃で砕けてしまうほどもろくなっているのを、結城自身が嫌というほど思い知っていた。
ヴィキ
そして、何よりも
「あなたを」
この世で一番大切な人を
「救うことができるから」
堪えようと思っていた
しかし、そうしようと思えば思うほど、雫は溢れ頬を濡らす
その言葉、意志は、溢れ出す雫は
彼にも自然に伝わるだろう
自分が、どちらを選択しようとしているか
「あなたを」
この世で一番大切な人を
「救うことができるから」
堪えようと思っていた
しかし、そうしようと思えば思うほど、雫は溢れ頬を濡らす
その言葉、意志は、溢れ出す雫は
彼にも自然に伝わるだろう
自分が、どちらを選択しようとしているか
KP
あなたが涙を流した時、結城は立ち上がっていた。
結城 晃
「忘れない」
「俺は、小さいころの記憶を失っても、君を完全に忘れなかった」
「今回もそうなる」
「俺はあの頃より強い。絶対忘れない」
「俺は、小さいころの記憶を失っても、君を完全に忘れなかった」
「今回もそうなる」
「俺はあの頃より強い。絶対忘れない」
ヴィキ
その言葉に、堪えていた表情が、
「……ひぐ」
ひきつるような、うめきと共に、崩れた
堪えようとするほどに溢れる雫と、抑えようとするほどに震え、歪んでゆく唇
「……ひぐ」
ひきつるような、うめきと共に、崩れた
堪えようとするほどに溢れる雫と、抑えようとするほどに震え、歪んでゆく唇
結城 晃
「記憶は消えても感情は残る……って……」
「泣くな。絶対忘れないから。なんならまずいもの思い出しても平気だから」
「泣くな。絶対忘れないから。なんならまずいもの思い出しても平気だから」
KP
言う声が少し涙に震えていたが、笑顔は崩さなかった。
ヴィキ
「無茶、言わないで、よぅ……」
泣くな、と言われたって、そんな
しかし、たまらず椅子を蹴立てるようにして立ち上がると、彼の胸に飛び込んだ
泣くな、と言われたって、そんな
しかし、たまらず椅子を蹴立てるようにして立ち上がると、彼の胸に飛び込んだ
KP
思わず身構えている気配がした。
少しよろめく。
少しよろめく。
結城 晃
「泣くのも今しかできないか……ああ、泣くのも、いいかもしれない」
ヴィキ
「あっくんが……」
胸に縋りついて、ひきつる喉で、必死に声を紡ぐ
「あっくんが、動けない、私の心、を……迎えに来て、くれた、の」
しゃくり上げる呼吸に幾度も遮られながら
「こ、今度は、ね」
掴んだ彼の襟を離さぬまま、涙で濡れた顔で彼を見上げる
「こ、今後は、私が……迎えに、行く、からぁ……」
胸に縋りついて、ひきつる喉で、必死に声を紡ぐ
「あっくんが、動けない、私の心、を……迎えに来て、くれた、の」
しゃくり上げる呼吸に幾度も遮られながら
「こ、今度は、ね」
掴んだ彼の襟を離さぬまま、涙で濡れた顔で彼を見上げる
「こ、今後は、私が……迎えに、行く、からぁ……」
KP
頬にあふれる涙を、指先でそっと拭う。
ヴィキ
とめどなく溢れる
「あっくんに……勇気、もら、った、からぁ」
「あっくんに……勇気、もら、った、からぁ」
KP
結城の目からも嬉しさと悔しさがないまぜになった涙が溢れていた。
ヴィキ
「受け、受け止めて、ね?」
震える喉と顔で、それでも精一杯、微笑んでみせた
その顔と口の端は、歪んだままであったけれど
それでも精一杯
震える喉と顔で、それでも精一杯、微笑んでみせた
その顔と口の端は、歪んだままであったけれど
それでも精一杯
結城 晃
「ああ……大丈夫」
「ここに来た時、『吊り橋現象』とか言ったろ?」
「俺の想いを甘く見るなよ。そんな浮ついたものじゃないこと、証明して見せるから」
「ここに来た時、『吊り橋現象』とか言ったろ?」
「俺の想いを甘く見るなよ。そんな浮ついたものじゃないこと、証明して見せるから」
ヴィキ
「……!」
その言葉に、息を呑むように
そして、その頬は涙のためだけでなく、微かに朱に染まっていた
その言葉に、息を呑むように
そして、その頬は涙のためだけでなく、微かに朱に染まっていた
KP
かき抱くようにしていた腕を肩に触れ、
ヴィキ
「……」
その動きに、何か、察するところがあったのかもしれない
自然と、その瞳を閉じ
唇を、突き出して見せた
幼さの残る心が見せた、精一杯の。
ちょっとおかしくも見えてしまうそんな表情で、しかし心は必死だったに違いない
その動きに、何か、察するところがあったのかもしれない
自然と、その瞳を閉じ
唇を、突き出して見せた
幼さの残る心が見せた、精一杯の。
ちょっとおかしくも見えてしまうそんな表情で、しかし心は必死だったに違いない
KP
柔らかいものがぎこちなく触れる。
ヴィキ
触れた瞬間、肩が微かに揺れ、震えた
KP
おそらく、結城もまたヴィキの必死さを笑える余裕などなかったのだろう。
最初は恐る恐る、そしてより強く優しく、口づけをした。
最初は恐る恐る、そしてより強く優しく、口づけをした。
ヴィキ
怯えるように、胸の前で縮こまった腕の先で拳を握りしめて、それでも必死にそれを受け止めた
やがて、解きほぐされるように、その腕は彼の背中へと回り
気が付けば、しゃくり上げるような震えと呼吸は穏やかに
ただ、彼とのそのひと時を、一生懸命に
自らに刻みつけるようにして、過ごした
やがて、解きほぐされるように、その腕は彼の背中へと回り
気が付けば、しゃくり上げるような震えと呼吸は穏やかに
ただ、彼とのそのひと時を、一生懸命に
自らに刻みつけるようにして、過ごした
KP
時計の針が無情に時を刻む。
朝が近い。
テーブルで、何かが落ちる物音がした。
腕がそっと解かれる。
朝が近い。
テーブルで、何かが落ちる物音がした。
腕がそっと解かれる。
ヴィキ
名残を惜しむように、その腕を伝い、撫でながら
体が、離れる
「もう、朝、だね……」
体が、離れる
「もう、朝、だね……」
結城 晃
「ああ、それじゃあ、これは君が」
KP
結城は手に持っていた白い花をあなたに差し出した。
エーデルワイス。『勇気』の花。
エーデルワイス。『勇気』の花。
結城 晃
「君に託す」
ヴィキ
その言葉からはすっかりと震えは消え、涙の後に赤く腫れた頬で、微笑む
「……うん」
それを受け取り、そっと、彼の指に己の指を絡める
「……ありがとう」
「……うん」
それを受け取り、そっと、彼の指に己の指を絡める
「……ありがとう」
結城 晃
「……ありがとう」
ヴィキ
2人で同じ言葉を重ねて
KP
指を絡め、囁く。
ヴィキ
なんだか、自然に
「ふふ」
と笑みが漏れた
「ふふ」
と笑みが漏れた
結城 晃
「大丈夫だ。君は間違っていない。俺は、君を信じている」
ヴィキ
「うん。私は、あなたの―――」
「“相棒”だからね」
「“相棒”だからね」
結城 晃
「相棒だから」
ヴィキ
言葉が重なった
それから、ほんの少しの間
なんとなく、2人で笑い合って
そして
「―――それじゃ」
振り切るように、口を開いた
それから、ほんの少しの間
なんとなく、2人で笑い合って
そして
「―――それじゃ」
振り切るように、口を開いた
結城 晃
「うん」
ヴィキ
「また、後でね」
結城 晃
「ああ、また後で」
「あしたの朝に」
「あしたの朝に」
ヴィキ
「うん。あしたの朝に」
顔は彼へと向けたまま、扉へと向かい、把手に手をかける
顔は彼へと向けたまま、扉へと向かい、把手に手をかける
KP
把手は軽い音をたて回る。
あなたの選択を肯定するように軽やかに。
あなたの選択を肯定するように軽やかに。
ヴィキ
その歩みに、もはや迷いはなかった
開いた空間へと足を踏み入れ
後ろ手に扉を閉めると、そっと鍵を―――
開いた空間へと足を踏み入れ
後ろ手に扉を閉めると、そっと鍵を―――
KP
扉が閉じるその一瞬、彼が何かを言いかけて、やめたのに気づいた。
ヴィキ
それに、一つ頷きを返し
「大好きだよ」
そう呟いて
「大好きだよ」
そう呟いて
KP
鍵が、閉じる。
KP
その先にもう部屋はなかった。
ただ、真っ白な空間だけが果てを知らずに続いている。
ただ、真っ白な空間だけが果てを知らずに続いている。
ヴィキ
そこを、一輪の花を携えて歩いてゆく
澱みのない、真っ直ぐな足取りで
澱みのない、真っ直ぐな足取りで
KP
地につくはずのつま先から―――溶けるように、感覚が消えていく。
センサーが意味をなさなくなる。
意識があなたの体の中に閉ざされる。
外界と遮断されたあなたの意識はそして、現実と接続する。
無機質な音、ばたばたと激しい足音と、いくつもの言葉を繋いだ誰かの声。
最初に起動した聴覚センサーに届いたのはあわただしい音。
センサーが意味をなさなくなる。
意識があなたの体の中に閉ざされる。
外界と遮断されたあなたの意識はそして、現実と接続する。
無機質な音、ばたばたと激しい足音と、いくつもの言葉を繋いだ誰かの声。
最初に起動した聴覚センサーに届いたのはあわただしい音。
ヴィキ
アイセンサーを保護する瞼を静かに開く
KP
見知らぬ部屋。白い天井。
そこまではあの記憶と一緒で、けれど、視界を焼くような強い照明。
横たわる自分を見下ろすいくつもの機械が、無機質な電子音を絶えず降らせてくる。
そこまではあの記憶と一緒で、けれど、視界を焼くような強い照明。
横たわる自分を見下ろすいくつもの機械が、無機質な電子音を絶えず降らせてくる。
ヴィキ
反射のようにしてアイセンサーに降りる、調光フィルタの動きを察して
そっと、身を起こす
そっと、身を起こす
KP
あなたの体には無数のコードが繋げられていた。
無理に起きれば外れてしまうかもしれない。
無理に起きれば外れてしまうかもしれない。
ヴィキ
取り付けられたケーブルにかかるテンションに、動きを止める
KP
「―――おはよう。気分はどうかな。無理をしない方がいい」
唐突に聞こえた声の方を向けば、白衣の見知らぬ男性が立っていた。
唐突に聞こえた声の方を向けば、白衣の見知らぬ男性が立っていた。
ヴィキ
そちらへとアイセンサーを向ける
KP
「VOIDを扱うのは初めてでね、うまくできているか自信がないんだ」
「エラーなどは出ていないかな? 記憶や意識の混濁……は、ないだろうか」
「エラーなどは出ていないかな? 記憶や意識の混濁……は、ないだろうか」
ヴィキ
「大丈夫です。問題はありません」
自動的にその人物の体格や表情がクローズアップされ、胸元にあるであろうIDをスキャンする
自動的にその人物の体格や表情がクローズアップされ、胸元にあるであろうIDをスキャンする
KP
胸元には「菱川 深白」と書かれたネームプレートが付いている。
作業着だからか、IDのようなものはないようだ。
作業着だからか、IDのようなものはないようだ。
ヴィキ
その名をバックグラウンドでデータベースと照合しながら
「……あなたが?」
小さく、問いかける
「……あなたが?」
小さく、問いかける
KP
菱川 深白。彼が務めている病院の名も分かる。
が、あまり外来に出ることはなく、主に研究員として働いているようだ。
男は優しげな顔を緩めた。
「ああ……君は大丈夫そうだね」
「僕は菱川 深白。君があの空間で読んだ手紙を書いたのは僕だ」
が、あまり外来に出ることはなく、主に研究員として働いているようだ。
男は優しげな顔を緩めた。
「ああ……君は大丈夫そうだね」
「僕は菱川 深白。君があの空間で読んだ手紙を書いたのは僕だ」
ヴィキ
視界の上をオーバーレイして流れるその情報を横目にしつつ
そっと、自らの手に視線を落とす
彼から託された、花があったはずの、手を
そっと、自らの手に視線を落とす
彼から託された、花があったはずの、手を
KP
花はなくなっていたが、
あなたが横たえられていた寝台のようなものの横、菱川がいた方にあるデスク上に、花がいけられた花瓶があった。
あなたが横たえられていた寝台のようなものの横、菱川がいた方にあるデスク上に、花がいけられた花瓶があった。
KPのつぶやき
シナリオにはないんですが、菱川さんが花瓶に入っていた花を参考にしていたのかな、と勝手に設定しました。
勿忘草は『真実の愛』でありヴィキの花。
『私を忘れないで』は彼女の不安かもしれません。
ガーベラは『希望』の花。
最後に託されたエーデルワイスは『大切な思いで』であり、『ゆうき』の花。
彼女はちゃんと連れて行っていたのです。
花瓶に入っていたのはどの花か? どれでもいいじゃない!
勿忘草は『真実の愛』でありヴィキの花。
『私を忘れないで』は彼女の不安かもしれません。
ガーベラは『希望』の花。
最後に託されたエーデルワイスは『大切な思いで』であり、『ゆうき』の花。
彼女はちゃんと連れて行っていたのです。
花瓶に入っていたのはどの花か? どれでもいいじゃない!
ヴィキ
それを視界に入れてから
「……彼は?」
もう一つ、尋ねた
「……彼は?」
もう一つ、尋ねた
KP
問われ、柔和に微笑んでいた顔が眉根を寄せ沈痛なものとなる。
そして、何も言わずに一つの方向を指さした。
彼の指が示した先には、ひどく大きなガラスがはめられた壁がある。
そのガラスの向こうでは、大勢の白衣の人間がひどく慌ただしい様子で動き回っている。
白衣の隙間に―――自分よりも多くのコードに繋がれて眠る、結城の姿が見えた。
そして、何も言わずに一つの方向を指さした。
彼の指が示した先には、ひどく大きなガラスがはめられた壁がある。
そのガラスの向こうでは、大勢の白衣の人間がひどく慌ただしい様子で動き回っている。
白衣の隙間に―――自分よりも多くのコードに繋がれて眠る、結城の姿が見えた。
ヴィキ
取り付けられているケーブルは外してしまっていいもの?
KP
外そうとするなら、真剣な顔で止められる。
「まだ、外しては駄目だ」
「まだ、外しては駄目だ」
ヴィキ
ぴたり、と手が止まる
KP
「君にひとつ訊かなくてはならないことがあるんだ」
ヴィキ
「……何でしょう」
KP
「……君一人に、あんなことをさせてしまって申し訳なかった。……君だって、苦しかったろう」
「何かを一人で抱えていくことは、苦しいことだ。誰かと分かち合えないことを、自分だけで背負っていくのは」
菱川は一度言葉を止める。
何かを思い出しているのだろうか、あなたと結城の姿を一度見て、口を開く。
「だから、……やっぱり、僕は君に問うよ。ここにはお茶もお菓子も無いけれど、これが最後の質問だ」
彼は微笑んだ。
「君が望むなら、もう一度君にこの機械を使うことができる。接続が終わったばかりの今なら、まだ間に合う」
「何かを一人で抱えていくことは、苦しいことだ。誰かと分かち合えないことを、自分だけで背負っていくのは」
菱川は一度言葉を止める。
何かを思い出しているのだろうか、あなたと結城の姿を一度見て、口を開く。
「だから、……やっぱり、僕は君に問うよ。ここにはお茶もお菓子も無いけれど、これが最後の質問だ」
彼は微笑んだ。
「君が望むなら、もう一度君にこの機械を使うことができる。接続が終わったばかりの今なら、まだ間に合う」
ヴィキ
「……私の、記憶を?」
なんとなく予感がして、そう尋ねた
なんとなく予感がして、そう尋ねた
KP
「そう」
「これを使えば、君も記憶にロックができる。この夜のことを全て忘れてしまうこともできる」
「ここには君と僕しかいないから。だから、君の思ったままに答えればいい。それが、君のためでもあるんだから」
「君はこの夜を忘れることができる。―――君は、どうしたい?」
「これを使えば、君も記憶にロックができる。この夜のことを全て忘れてしまうこともできる」
「ここには君と僕しかいないから。だから、君の思ったままに答えればいい。それが、君のためでもあるんだから」
「君はこの夜を忘れることができる。―――君は、どうしたい?」
ヴィキ
「……」
その問いに、ほんの数秒の沈黙
その間、自らの手に視線を落とす
彼からもらった勇気の花が、あったその手を
その問いに、ほんの数秒の沈黙
その間、自らの手に視線を落とす
彼からもらった勇気の花が、あったその手を
KP
あなたが結城に今夜の事を話せば、彼の心は壊れてしまうかもしれない。
ならばいっそ、すべてをなかったことにしてしまうのも、ひとつの選択だ。
ならばいっそ、すべてをなかったことにしてしまうのも、ひとつの選択だ。
ヴィキ
ほんの数秒、そうしてから
ケーブルを束にして握ると、一息に抜き取った
「ありがとうございます。先生」
「何から何まで、助けていただいて」
ケーブルを束にして握ると、一息に抜き取った
「ありがとうございます。先生」
「何から何まで、助けていただいて」
KP
「そうか……君は、強いな」
ヴィキ
その言葉に、首を振る
「私なんて、ただ泣くことしかできなかった、子供でした」
「でも、勇気をもらったから」
ガラスの向こうの彼に、視線をやる
「―――彼に」
「私なんて、ただ泣くことしかできなかった、子供でした」
「でも、勇気をもらったから」
ガラスの向こうの彼に、視線をやる
「―――彼に」
KP
眠っている姿が、白衣の群れの向こうに見えた。
ヴィキ
「それに、約束しましたから」
寝台から降り、パンプスを履き
楽にするためか、傍に解かれて置かれていた、スカーフを手に取り、自らの襟元に巻く
いつものように
彼の隣にある、相棒としてふさわしい姿に整えながら
「今度は、私が迎えに行く、って」
寝台から降り、パンプスを履き
楽にするためか、傍に解かれて置かれていた、スカーフを手に取り、自らの襟元に巻く
いつものように
彼の隣にある、相棒としてふさわしい姿に整えながら
「今度は、私が迎えに行く、って」
あなたはいくつかの検査を経て、「異常無し」と診断された。
終わるころには、朝日が昇っていた。
検査を終えた後、菱川はあなたに真剣な顔をしてこう伝えた。
たとえこの後、結城が目を覚ましたとしても、決して話してはいけないことがある。
『あの日、森林公園で儀式に巻き込まれ、邪神を目にしたこと』
『機械に繋がれ、バーチャル空間の部屋の中でともに過ごしたこと』
『記憶に鍵をかけたため、結城はあの夜から朝までの出来事を忘れていること』
その事実を伝えてしまえば、封じている記憶が戻り、また狂気に陥る可能性がある。
だから、決してその事実は伝えてはならない。彼をあの夜から守りたいのなら。
終わるころには、朝日が昇っていた。
検査を終えた後、菱川はあなたに真剣な顔をしてこう伝えた。
たとえこの後、結城が目を覚ましたとしても、決して話してはいけないことがある。
『あの日、森林公園で儀式に巻き込まれ、邪神を目にしたこと』
『機械に繋がれ、バーチャル空間の部屋の中でともに過ごしたこと』
『記憶に鍵をかけたため、結城はあの夜から朝までの出来事を忘れていること』
その事実を伝えてしまえば、封じている記憶が戻り、また狂気に陥る可能性がある。
だから、決してその事実は伝えてはならない。彼をあの夜から守りたいのなら。
KP
菱川は、ひとつひとつをゆっくりと丁寧に語った。
ヴィキ
それらの言いつけに、相槌を打つように頷きを返す
恐れも、後悔も無い
なぜなら、そんなことは必要ないから
彼が、勇気を出して私に歩み寄って手を差し出してくれたように
今度は、自分が彼の心を迎えに行く
時間はかかるかもしれない
でも、私たちは10年という暗く閉ざされた時間を乗り越えてきたのだから
恐れも、後悔もない
もう一度、一歩ずつ
一歩ずつでも、前に進もう
恐れも、後悔も無い
なぜなら、そんなことは必要ないから
彼が、勇気を出して私に歩み寄って手を差し出してくれたように
今度は、自分が彼の心を迎えに行く
時間はかかるかもしれない
でも、私たちは10年という暗く閉ざされた時間を乗り越えてきたのだから
恐れも、後悔もない
もう一度、一歩ずつ
一歩ずつでも、前に進もう
KP
説明の終わりに菱川は少しだけ笑い、
「……ただ、あの夜に帰り道や部屋で口にした話題に触れるだけなら、問題ないはずだよ。君だけが知っている秘密としてね」
そう、言った。
「……ただ、あの夜に帰り道や部屋で口にした話題に触れるだけなら、問題ないはずだよ。君だけが知っている秘密としてね」
そう、言った。
ヴィキ
「はい」
そう言って、菱川に頭を下げた
「ありがとうございます。私たちに―――」
「やさしい朝を、くれて」
そう言って、菱川に頭を下げた
「ありがとうございます。私たちに―――」
「やさしい朝を、くれて」
KP
菱川はしばらく黙っていたが、やがてゆっくりと頷いた。
「全力を尽くすよ」
「全力を尽くすよ」
ヴィキ
「お願いします」
KP
菱川がスタッフに呼ばれ部屋を出た後、あなたは彼の目覚めを待つために別室で待つことができる。
もちろん帰ることもできるが。
もちろん帰ることもできるが。
KPのつぶやき
ここで本当は探索者は疲れて眠ってしまい、部屋を移動するところなのですが、彼女はVOID。
目覚めていても問題はないなと判断しました。
目覚めていても問題はないなと判断しました。
ヴィキ
それから、彼が目を覚ますまでの時間
それが、どれほどのものだったか、それは重要ではない
その1人の女性はそこでただ、待ち続けた
どれほどの時も、もはや苦ではないというように、ただ静かに微笑みながら
それが、どれほどのものだったか、それは重要ではない
その1人の女性はそこでただ、待ち続けた
どれほどの時も、もはや苦ではないというように、ただ静かに微笑みながら
KP
朝もやが街を緩やかに照らし、やがて太陽が部屋を暖める。
カーテンの隙間から光が差し込んでくるころ、部屋の扉がノックされた。
扉を開ければ、菱川とは違う白衣の男性が立っていた。様子から言って助手だろうか。
「あなたと一緒に運ばれてきた方、目が覚めたらしいですよ」
カーテンの隙間から光が差し込んでくるころ、部屋の扉がノックされた。
扉を開ければ、菱川とは違う白衣の男性が立っていた。様子から言って助手だろうか。
「あなたと一緒に運ばれてきた方、目が覚めたらしいですよ」
ヴィキ
自分でも驚くほどの速さで立ち上がっていた
弾かれた椅子が転がる音を尻目に
「……会うことは、できますか」
弾かれた椅子が転がる音を尻目に
「……会うことは、できますか」
KP
「ええ、ですが……」
男は、先ほどさせられた約束を思い出させようというように、言葉を止める。
男は、先ほどさせられた約束を思い出させようというように、言葉を止める。
ヴィキ
「大丈夫です」
それに頷きを返し
「お願いします」
それに頷きを返し
「お願いします」
KP
男に案内され、廊下を抜けて、指定された一つの部屋へと辿り着く。
開いた扉の先、不意に、風が頬を撫でた。
開いた扉の先、不意に、風が頬を撫でた。
結城 晃
「どうした? そんなに慌てて」
KP
開いた窓の先の、うつくしい朝のひかりと淡い青の空を背景にして、
結城 晃
「―――おはよう、美姫」
KP
ベッド上の結城は、あなたをまっすぐ見て、笑った。
ヴィキ
その彼の姿に、ほんの一瞬、顔が歪みそうになり
それでもすぐにそれは消え、微笑み
「……うん。おはよう、あっくん」
もう、涙は流れなかった
それでもすぐにそれは消え、微笑み
「……うん。おはよう、あっくん」
もう、涙は流れなかった
結城 晃
「大丈夫? 怪我してないって聞いてはいたけど、アンテナ折れたりしてない?」
KP
結城は頭に包帯を巻いていた。
菱川によれば。
彼には、森林公園に行った記憶はない。
森林公園で、腐った木が倒れてくるのに気づいて、咄嗟に庇おうとし、怪我を負った。
『そういうことになっている』のだ。
菱川によれば。
彼には、森林公園に行った記憶はない。
森林公園で、腐った木が倒れてくるのに気づいて、咄嗟に庇おうとし、怪我を負った。
『そういうことになっている』のだ。
KPのつぶやき
ここ本当は『腐った枝』なんですけど、その程度じゃ怪我してくれないんですよVOIDは!
ヴィキ
その説明を電脳の裏で思い出しながら
部屋へと入り、彼のベッドの傍の椅子に腰掛ける
「大丈夫だよ。誰かさんが庇ってくれたおかげで」
悪戯っぽく笑う
部屋へと入り、彼のベッドの傍の椅子に腰掛ける
「大丈夫だよ。誰かさんが庇ってくれたおかげで」
悪戯っぽく笑う
結城 晃
「そうらしいけど、肝心の俺が覚えてないんじゃなぁ。俺がヴィキを庇うなんて、そんなレアなこと」
ヴィキ
「そうだよ、まったく」
頬を膨らませて見せる
頬を膨らませて見せる
結城 晃
「また俺の記憶に穴が開いた」
ヴィキ
「あっくんの頭蓋骨はチタン製じゃないんだから、無茶しないで」
結城 晃
「怪我は大したことないから、すぐ退院できるってさ。まったく、大げさだよなぁ」
KP
笑って着せられた病衣を引っ張る。
ヴィキ
「ダメ」
指でバッテンを作る
「油断しないで、しばらくはちゃんと安静にすること」
指でバッテンを作る
「油断しないで、しばらくはちゃんと安静にすること」
結城 晃
「あまり休むとバチが当たりそうだ……ああ、でも頭は少し痛いな」
「記憶が飛ぶくらいぶつけたんだもんなぁ」
「記憶が飛ぶくらいぶつけたんだもんなぁ」
ヴィキ
「でしょ。ほら、ちゃんと休んで」
言って、彼の体を幾らか強引に横たえさせながら、布団を掛ける
言って、彼の体を幾らか強引に横たえさせながら、布団を掛ける
結城 晃
「まったく、大げさなんだよ本当に……」
KP
言いながらも素直に寝かせられる。
ヴィキ
ぶつくさと呟く彼の頭
巻かれた包帯の白を、そっと指で撫でる
「……でも、守ってくれてありがと」
巻かれた包帯の白を、そっと指で撫でる
「……でも、守ってくれてありがと」
結城 晃
「いつも守ってもらってるんだ、これくらいしないとな」
「じゃあデートの続きはまた今度……」
「……?」
「じゃあデートの続きはまた今度……」
「……?」
ヴィキ
「うん……どうかした?」
結城 晃
「いや、昨日の、デートだった、んだよな、って」
「あれ?」
「あれ?」
KP
なぜ『続き』なんていう言葉が出たのか。
結城は困惑していた。
結城は困惑していた。
ヴィキ
その言葉に、封じるように収めるように言われた記憶が、ほんの微か、チラつく
「……」
数瞬だけの沈黙
でも、すぐに微笑んで
「女の子と、映画みて、ご飯食べて、カラオケまでしたんだから、デートでしょ、もう」
「……」
数瞬だけの沈黙
でも、すぐに微笑んで
「女の子と、映画みて、ご飯食べて、カラオケまでしたんだから、デートでしょ、もう」
結城 晃
「そうだよなー! あれ?」
ヴィキ
「ほら、もう無理に思い出そうとすると、怪我に障るよ」
結城 晃
「まあいいや、今度の休み行きたいとこ教えてくれ」
ヴィキ
「うん。吟味しておくね」
寝かしつけるように、彼の首元の布団をぽん、ぽんと叩きながら
「……大好きだよ」
そっと、口にした
寝かしつけるように、彼の首元の布団をぽん、ぽんと叩きながら
「……大好きだよ」
そっと、口にした
結城 晃
「大好きだ」
KP
言ってしまってから、びっくりしたように目を見開いた。
ヴィキ
一方的にこぼしたつもりの言葉にあった返答に思わずびっくりして口を抑える
結城 晃
「あれ、ごめん、いきなりだったからかな、いろいろ段階すっ飛ばした……ような」
ヴィキ
「あ、は……ええと」
「いや、こっちから言い出したことだし……っていうか、さすがに早すぎ……」
不意打ちに、しどろもどろ
「いや、こっちから言い出したことだし……っていうか、さすがに早すぎ……」
不意打ちに、しどろもどろ
結城 晃
「……え? いや俺ずっと好きだったから……」
ヴィキ
「……! ……!?」
おたおたとスカーフをいじったり、スカートを握ったり忙しい
おたおたとスカーフをいじったり、スカートを握ったり忙しい
結城 晃
「うっかりで告白とかありえねぇ~」
ヴィキ
「いや、ええと、望むところ……じゃなくて、え」
結城 晃
「やり直し。やり直しな! 今度の休みのルートは俺が選ぶから付き合え」
ヴィキ
「は、はい……」
ズバリと宣言されて、思わず飲み込まれるように頷いてしまった
ズバリと宣言されて、思わず飲み込まれるように頷いてしまった
結城 晃
「じゃあ怪我人は寝る!」
KP
頭から布団をかぶってしまった。
ヴィキ
「あ、ちょっと、あっくん!?」
「ちょっと、待って、今のノーカンになっちゃうの!?」
「せっかく勇気出したのにーー!」
布団の上から、ばしばしと叩きながら、訴える
「ちょっと、待って、今のノーカンになっちゃうの!?」
「せっかく勇気出したのにーー!」
布団の上から、ばしばしと叩きながら、訴える
KP
気をきかせて部屋を出ていた助手が慌てて戻って来る気配がする。
ヴィキ
「あ、いえ、お構いなくー!」
慌ててそちらに声をかけて
慌ててそちらに声をかけて
結城 晃
「あーもー、ぐちゃぐちゃだよ」
KP
布団から呻きながら出てくる。
ヴィキ
「もー……」
結城 晃
「悪かったって。不意打ちされたからつい」
ヴィキ
「私もびっくりしたよ……」
結城 晃
「変だな、ずっと言えなかったんだ。急に、つかえが下りたみたいだ」
「ありがとう。嬉しいよ」
「ありがとう。嬉しいよ」
ヴィキ
「わ……」
「私も……」
もじもじとスカーフをいじる
ちら、と彼の顔を上目遣いに見上げて
「……覚えてない、んだよね?」
つい、確認してしまう
「私も……」
もじもじとスカーフをいじる
ちら、と彼の顔を上目遣いに見上げて
「……覚えてない、んだよね?」
つい、確認してしまう
結城 晃
「公園でのこと?」
「いやー、残念ながら全然」
「いやー、残念ながら全然」
ヴィキ
「……だよね」
その言葉はしかし、落胆のものではなく
あまりにも早く訪れた誤算
その喜びに、自然と表情は緩んだ
「……うん」
一つ頷き
「大好きだよ、あっくん」
もう一度、口にした
何の迷いも、恐れもなく
彼からもらった勇気によって、心の視界は晴れやかに澄み渡っていた
その言葉はしかし、落胆のものではなく
あまりにも早く訪れた誤算
その喜びに、自然と表情は緩んだ
「……うん」
一つ頷き
「大好きだよ、あっくん」
もう一度、口にした
何の迷いも、恐れもなく
彼からもらった勇気によって、心の視界は晴れやかに澄み渡っていた
結城 晃
「俺もだよ」
KP
結城がヴィキの手を握った。
暖かさが伝わってくる。
暖かさが伝わってくる。
ヴィキ
その手に、指に、己のそれを絡めて
「……ありがとう。これからも、よろしくね」
「……ありがとう。これからも、よろしくね」
結城 晃
「うん、よろしく!」
ヴィキ
そうして、どちらからともなく、笑い合った
「ハワイ、再来週だからね。それまでにちゃんと治して」
「ハワイ、再来週だからね。それまでにちゃんと治して」
KP
近!?
ヴィキ
「春先輩と一緒に、すっごい気合い入れて水着選んだんだから」
そう言って、笑った
そう言って、笑った
結城 晃
「そうだよ、田尾さんに連絡しなきゃならなかったんだ」
ヴィキ
「えぇ~? まだ連絡してなかったの!?」
「ダメだよ、田尾さんも忙しいんだから!」
「ダメだよ、田尾さんも忙しいんだから!」
結城 晃
「なかなか捕まらないんだよなぁ……」
「春さん経由なら早いけど……」
「春さん経由なら早いけど……」
ヴィキ
「春先輩には言ってあるから、大丈夫だと思うけど……」
「もしスケジュールミスでお流れとかになったら、絶対に許さないからね!」
「もしスケジュールミスでお流れとかになったら、絶対に許さないからね!」
結城 晃
「あ、行くことに関しては問題ない」
「こっちの話こっちの話!」
「今の話春さんには内緒だからな!」
「こっちの話こっちの話!」
「今の話春さんには内緒だからな!」
ヴィキ
「……? 何? 何か企んでる?」
結城 晃
たぶんサプライズ企画してる。
ヴィキ
にやにやとして語ってくれない相棒に、また布団を叩く音と女性の声が響き
医者たちが、慌てて駆けつける騒ぎになったという
怒り、笑う彼女の目に、頬に
もう、涙は流れてはいなかった
医者たちが、慌てて駆けつける騒ぎになったという
怒り、笑う彼女の目に、頬に
もう、涙は流れてはいなかった
KP
たとえ、記憶を呼び起こすことはできなくとも、感情は残る。
いたずらをする子どもみたいに笑う彼の姿こそが、
―――君の選んだ、やさしい朝の答えだと、知る。
いたずらをする子どもみたいに笑う彼の姿こそが、
―――君の選んだ、やさしい朝の答えだと、知る。
人はどうしたって何かを忘れる生き物で、ある人はそれを悲劇と呼び、ある人は呪いと忌み苦しむ。
それでも、俺がたとえば何かを忘れてしまったとしても、
確かに君が覚えていてくれるのなら、そしてまた共に紡いでくれるのなら、
存外、―――忘れることなんて、怖くないのかもしれない。
君と俺があの夜に選んだこの朝は、
そうして、笑い合うこの朝は、
君がくれたやさしい朝だって、信じてもいいですか?
ヴィキ
結城がやさしい眼差しで見つめるその先で、彼女はコロコロと表情を変えながら、そして最後にはいつも目一杯の笑顔で笑うのだ
「うん。これからも、ずっと」
「うん。これからも、ずっと」
『やさしい朝をくださいね』
Aエンド
KP
ありがとうございました。シナリオクリアです。
ヴィキ
お疲れ様でした!
これは劇場版
これは劇場版
KP
ちなみに、結城さんが大事な話をするときも必ずしも「美姫」って呼ばないのは
今のヴィキが好きだからです。
今のヴィキが好きだからです。
ヴィキ
過去の全てがあって、今、彼女はヴィキだからね
KP
そう。美姫だから好きになったわけではない。
ヴィキ
好きでいてくれてありがとう
これは心からの彼女の気持ち
これは心からの彼女の気持ち
KP
さて……
【SAN値報酬】のお時間です!
【SAN値報酬】のお時間です!
ヴィキ
初期値から1しか減っていませんが!
KP
PC生還:1d5
KPC生還:1d5
両方達成! おめでとうございます。
KPC生還:1d5
両方達成! おめでとうございます。
ヴィキ
やったぜ
KP
強靭!!
ヴィキ
そのメンタルは実際強靭!
2d5 (2D5) > 5[2,3] > 5
[ ヴィキ ] SAN : 89 → 94
2d5 (2D5) > 5[2,3] > 5
[ ヴィキ ] SAN : 89 → 94
KP
ほぼ開始時と変わらないね!
さすがのメンタル
さすがのメンタル
ヴィキ
あっくんも回復しないのか
KP
KPCに回復はないねぇ
マイナスから現在値に戻されただけだからね。
よってあなたが私に回してくれればいいんだよ!
つってもこのSAN値じゃ減る一方だろうけどなぁ。
マイナスから現在値に戻されただけだからね。
よってあなたが私に回してくれればいいんだよ!
つってもこのSAN値じゃ減る一方だろうけどなぁ。
ヴィキ
かといって同じシナリオというわけにはいかんからな
何か療養用のシナリオ回せばいいんだな
何か療養用のシナリオ回せばいいんだな
KP
さて、説明の通り、もし万一ヴィキが結城に禁句を喋ってしまった場合。
結城はあの夜の事歩思い出すと同時に、1d6+4/1d96+4のSANcが発生します。(一回限り)
結城はあの夜の事歩思い出すと同時に、1d6+4/1d96+4のSANcが発生します。(一回限り)
ヴィキ
ナニソレ>暴力的なダイス
KP
いやー、たぶん大丈夫だろうと思ったけどちょっぴり冷や冷やした。
ヴィキ
もうそれを口にする必要はまったく無いし
その危険はもはや無いな
その危険はもはや無いな
結城 晃
その場で生えた感情じゃないからな!
ヴィキ
それがあったからこそ、ヴィキも迷わず選択できた
それでも一時でもそれを手放す、その不安で泣いてしまったけれど
勇気をもらったからね
それでも一時でもそれを手放す、その不安で泣いてしまったけれど
勇気をもらったからね
KP
ありがとう、いいRPでした。
好きを自覚できてよかった。
これを経たらハワイであんなんなるよね。
好きを自覚できてよかった。
これを経たらハワイであんなんなるよね。
ヴィキ
素晴らしいお話だった
ヴィキも全てのわだかまりをクリアにして、彼と幸せになれた
ヴィキのPLとしても、この物語を見ていた1人としても、すごく嬉しい
ヴィキも全てのわだかまりをクリアにして、彼と幸せになれた
ヴィキのPLとしても、この物語を見ていた1人としても、すごく嬉しい
KP
また今度プロポーズしようとして「あれっ?」ってなったら笑ってやってほしい。
ヴィキ
劇場でスタッフロールが流れる中で涙と鼻水拭きながらスタンディングオベーションですわ
未だかつて、これほどに幸せな2人は見たことがない
未だかつて、これほどに幸せな2人は見たことがない
KP
これをずっと見せられていた菱川さん……っておもうとちょっと面白いけど、私はすげー楽しかった!
ヴィキ
これも全て、暗く横たわる過去をくぐり抜けた先にあるという事実
なればこそ、彼らは『もう大丈夫』と信じることができる
なればこそ、彼らは『もう大丈夫』と信じることができる
KP
よりによってこのシナリオで告白すんの? しかも結婚申し込んじゃうの? ってKPがドキドキしたわ。
ヴィキ
あそこの谷と盛り上がりが、最高のエッセンス
KP
ヴィキが信じてくれて本当に良かった。
ヴィキ
あそこでのわだかまりの解決が無かったら、きっと今でも彼女の心には棘が刺さったままだったろうから
それは、あっくんが彼女の苦しみを前に、一歩踏み出してくれたからだよ
だから、彼女も勇気を振り絞って一歩、彼に歩み寄ることができた
2人は逃げなかった
本編でも、今回も
だから、幸せになる権利があり、そうなる約束された未来を手に入れることができたのだと思う
それは、あっくんが彼女の苦しみを前に、一歩踏み出してくれたからだよ
だから、彼女も勇気を振り絞って一歩、彼に歩み寄ることができた
2人は逃げなかった
本編でも、今回も
だから、幸せになる権利があり、そうなる約束された未来を手に入れることができたのだと思う
KP
そりゃ愛する人が目の前で泣いてたら、好きだって言っちゃうよ!
逃げるなんて選択肢はないんだ。
選択は常に前向き! 『逃げる』ならその方向に進むだけ。
逃げるなんて選択肢はないんだ。
選択は常に前向き! 『逃げる』ならその方向に進むだけ。
ヴィキ
逃げずにいれたのは、彼がいたから、そしてもしかしたら彼女がいたから
そんな2人が一緒にいるのだもの
もう、何も恐れるものはないよね
そんな2人が一緒にいるのだもの
もう、何も恐れるものはないよね
KP
子供のことについては、まあ、ヴィキと春さんでなんとか結城から発言引きずり出してw
さすがに「俺の内臓美姫のです」は日常会話でぽろっと出ない……
ヴィキ
だね
それでもいいと言ってくれた彼がいるから、今の彼女は100%幸せだし
もしそれが叶ったら、もう彼女の幸せメーターは針が吹っ飛ぶし、なんならバネも飛び出てぶっ壊れるな
それでもいいと言ってくれた彼がいるから、今の彼女は100%幸せだし
もしそれが叶ったら、もう彼女の幸せメーターは針が吹っ飛ぶし、なんならバネも飛び出てぶっ壊れるな
KP
いいねぇ、そんな未来が来ることを祈りつつ
次回はゴミ捨て場の結城を拾ってあげてください……
次回はゴミ捨て場の結城を拾ってあげてください……
ヴィキ
ああ、そうか
新婚早々、旦那をゴミ捨て場で拾うことになるのか
新婚早々、旦那をゴミ捨て場で拾うことになるのか
KP
そう考えるとひどいな。
ヴィキ
カブキチョで散々呑んで朝帰りしてきたみたいな有様だ
KP
やっぱそう思うよね。
さて、どうなるか。
では次回をお楽しみにー!
さて、どうなるか。
では次回をお楽しみにー!
ヴィキ
んがくっく
結城 晃
ジャンケンポン!
KPのつぶやき
思った以上に! ヴィキちゃんが!! 可愛すぎた!!!
いやー、眼福眼福。本当にこのシナリオ回して良かった。
今回完全にPCがPLというかKPを超えてきました。
ここで大事な発言をしてしまっていいのか?
告白なんかして、なかったことになるのはひどくないか?
そんな心配をするKPを軽く笑うように、出た言葉が「そんな浮ついたものじゃない」
思いはずっとそこにあるなら、いつどこで言ったかなんてきっと重要じゃない。
そうかぁ、それなら大丈夫だなぁ。
おかげで置いてゆかれる結城を安心して見守ることができました。
ありがとう、ヴィキ。
がんばったね、晃。
でも次はゴミ捨て場に落ちてるらしいです。えぇー?
それにしても、白い部屋系VOIDでやるのは大変だなってことがよーくわかりました。
人間とは異質な気絶のしかたとか、《目星》殺しになりかねないサーチ能力とかね。
でも楽しかったから懲りずにやるぜ!!
いやー、眼福眼福。本当にこのシナリオ回して良かった。
今回完全にPCがPLというかKPを超えてきました。
ここで大事な発言をしてしまっていいのか?
告白なんかして、なかったことになるのはひどくないか?
そんな心配をするKPを軽く笑うように、出た言葉が「そんな浮ついたものじゃない」
思いはずっとそこにあるなら、いつどこで言ったかなんてきっと重要じゃない。
そうかぁ、それなら大丈夫だなぁ。
おかげで置いてゆかれる結城を安心して見守ることができました。
ありがとう、ヴィキ。
がんばったね、晃。
でも次はゴミ捨て場に落ちてるらしいです。えぇー?
それにしても、白い部屋系VOIDでやるのは大変だなってことがよーくわかりました。
人間とは異質な気絶のしかたとか、《目星》殺しになりかねないサーチ能力とかね。
でも楽しかったから懲りずにやるぜ!!
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本作は、「 株式会社アークライト 」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。
Call of Cthulhu is copyright ©1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc.
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