CoC『VOID』27（秘匿オープン版）

KP

本棚にモニター、それから机に椅子。
全ての情報が椅子の主にとって手の届く位置に集められている──　そう感じさせる部屋。
本棚に収められた三つのファイルには、衝撃的な情報が収められていた。衝撃的で、重く、苦しく、あなたたちの根幹を覆すようでいて、どこか予期していたような内容。

KP

……春さんが弄っていたモニターが、何かの映像を結び始める。
それはどこかの洋館のような場所だった。
玄関のベルが鳴る。それに応じる女性の姿が映像に映った。
女性の表情は不思議そうで、知った相手に対する気負いないものだった。知った相手の突然の来訪に戸惑うような、そんな。
しかし、その表情はすぐに驚愕にとってかわる。

KP

「あら、有馬さん。こんな夜中にどうされたんですか？　そちらの方は？
　……っ！　な、何を！」
有馬と呼ばれた男が、素早く銃を取り出したのが見えた。
抵抗も虚しく、女性を凶弾が貫く。

KP

その音に異変を感じたのか、小学生くらいの子どもが階段から降りてきた。

少年

「……どうしたの、かあさ──」

KP

有馬は側にいるもう1人の影にこう告げる。
「あの人間を殺せ、RK400」
RK400。そう呼ばれたその男の姿を貴方達はよく知っている。

赤星透也だ。

赤星 透也

「了解しました」

KP

赤星は命じられた通りに、その手に持ったナイフを子供に向かって振り下ろす。

KP

しかしその時、小さな影が赤星と子どもの間に割り込んだ。

少女

「やめて！」

KP

振り下ろされたナイフは、その小さな影に突き刺さる。

KP

その光景を見た有馬は──　動揺した様子でその影に駆け寄った。
「美姫！　美姫、なぜここに……！」
赤星は構わず、子どもに再びナイフを振り下ろす。しかしそれは急所を外れた。

KP

「RK400、はやく車を出せ！」

赤星 透也

「しかし、まだ任務が……」

KP

「放っておいてもそいつはどうせ保たない！　いいから、早くしろ！」
慌てた声で有馬が叫ぶ。少女を抱え、彼らは家を後にした。

結城 晃

「―――！」

KP

この光景を見た貴方の脳裏に、映像がフラッシュバックする。
自分は天城圭一の息子だ。貴方は有馬真二の子ども、美姫と昔から仲が良く、いつも2人で遊んでいた。
そんなある日の夜のことだ。突然有馬真二と見知らぬアンドロイドが家にやってきた。母親は射殺され、自分も殺されると思ったその時、貴方の前に美姫が飛び出してきた。──彼女が貴方を庇ったのだ。
美姫と自分を刺したアンドロイド……赤星透也は、貴方を冷たい目で見下ろしていた。
どうして気づかなかったのだろうか。貴方のトラウマの元凶はいつも貴方の隣にいたのだ。
どうして気づかなかったのだろうか。貴方の隣にいたこのアンドロイド──ヴィキは、貴方の幼なじみだったのだ。

SANC 1d3/1d6

結城 晃

CCB＜＝28 【SANチェック】 （1D100＜＝28） ＞ 39 ＞ 失敗
1d6 （1D6） ＞ 4
[ 結城 晃 ] SAN : 28 → 24

KP

というわけで、あなたは思い出します。あの女性はあなたの母親だ。

system

[ 結城 晃 ] SAN : 28 → 24

結城 晃

「あ、ああ、あああああ！」
悲鳴を上げてうずくまる。耳を塞いで、もう何も見ないように、思い出さないように。
あの重みは、ミキのもので、かあさんをころした、やつが、ずっと
ずっと、あの手が、俺を『守って』いた！
「かあさん！　……ミキ！」
吐く。

KP

ヴィキさん。
相棒の叫び声があなたの耳に突き刺さる。──その光景を見たあなたの脳裏に、映像がフラッシュバックする。
自分は有馬真二の娘であり、黄海夏央は貴方の姉だ。
貴方は天城圭一の子どもである天城晃と昔から仲が良く、いつも2人で遊んでいた。
そんなある日の夜のことだ。最近父親の様子がおかしいことを気にしていた貴方は、こっそり彼の後を追った。
そこで貴方は、見知らぬアンドロイドにナイフを向けられる晃の姿を目撃した。
貴方は怖かったのだ。自分の幼なじみが死んでしまうかもしれない、その事実が。
考えるよりも先に足が動いた。そのナイフは貴方を貫いたのだ。
……次に目を覚ましたとき、貴方はあの実験室にいた。自分はあの台にのせられており、周りには見たことのないような機器類が並んでいる。
そして貴方は、白衣を身にまとった人間たちに囲まれていた。彼らは一斉にこちらに目を向ける。その視線は冷たく、そして気味が悪いと感じた。
その集団の中央、ひときわ冷たい目線を向ける男──　それは、貴方の父親、有馬真二だった。
彼は、
「実験は成功だ」
そう言い放ち。
「大丈夫だ、美姫──　何も心配することはない。私がもう二度と、お前たちが傷つくことのない世界を作るから」
彼の眼はどこか遠い所を視ていた。
その眼をしたまま、彼は貴方の頬を愛おしそうに撫でた。
SANC 1d4/1d8。

ヴィキ

CCB＜＝79 SANチェック （1D100＜＝79） ＞ 70 ＞ 成功
よかった
1d4 （1D4） ＞ 2

ヴィキ

「……！」
自らの胸を
そこにある刺創を庇うように、抑え、呻く

結城 晃

「畜生、畜生！！」
喚いて拳を壁にぶつける。

春

「結城さん、ヴィキちゃん……」
ワオ、なんて、いつものようにおどけてみせる余裕なんてない。

田尾 麗

「……」

田尾 麗

かける言葉が出ない系ヒューマン。

KP

それはそう

ヴィキ

ちょっと待っててね
今ワイのとこにも銃弾が飛んできてる

system

[ ヴィキ ] SAN : 79 → 77

ヴィキ

薄目を開け
「……大丈夫」
拳を振るう結城の手を、そっと止める
「大丈夫、だから」

結城 晃

「ミキ……」

KP

しかしながら不定の狂気ですね……。まず1d6ヶ月で持続時間を。

結城 晃

1d6 （1D6） ＞ 1

KP

1d10で種別を。

結城 晃

1d10 （1D10） ＞ 8

KP

“支離滅裂、妄想、常軌を逸した振舞い、幻覚など”

〈精神分析〉に成功することで一時的に抑えこめますが、何か強くショックを受けるような出来事があれば、また再燃するでしょう。

結城 晃

目を見開いて、あの日の光景を見つめ続けている。
目の前には血の海。倒れる少女の重みを感じて、泣き叫ぶ。

ヴィキ

では〈精神分析〉ビーム
OKですか？

KP

どうぞ！　＞ヴィキさん

ヴィキ

ここで100Fですよ

結城 晃

やめろよー

ヴィキ

CCB＜＝81 〈精神分析〉 （1D100＜＝81） ＞ 89 ＞ 失敗

結城 晃

ヴィキの姿が、あの日の少女と重なった。
あの子は死んだのだ。死んだのだ……
床にうずくまって泣きじゃくる。小さな子供のように、存在しない少女の屍に話しかけている。

KP

結城の姿があの日の少年の姿と重複する──
あなたの声は震えただろう。

ヴィキ

では、抱き締めます

結城 晃

弱々しく暴れている。

KP

結城さん、貴方は狂気を抱えたまま行動することになります。しんどいけど行動はできる。

ヴィキ

具体的には？

KP

〈目星〉及び、戦闘時の命中判定に－20％。＞結城さん
誰かに〈精神分析〉をしてもらえれば、このペナルティは消えます。

結城 晃

思ったほどじゃないな！！
いけるいける！！！　たまに血の海が見えるけど！

ヴィキ

そういえば
記憶は全部取り戻したってことになるんでしょうか

KP

今分かっている範囲では全部取り戻した認識でOKです。父親や母親、姉の顔も思い出せる。

ヴィキ

と言うことは
有馬一家に何があったかも思い出せます？

KP

ただ、何かちょっと引っかかることがあったような気がする。

ヴィキ

引っかかるとな

KP

母親が事故に遭って入院していたような気がする。
＞何があったか
それから、父親の様子がどこかおかしかったような気がする。

ヴィキ

それ以上のことは？

KP

まだ思い出せない。

ヴィキ

了解です

ヴィキ

再度の〈精神分析〉って時間制限でしたっけ？

KP

ああーどうだったかな、すぐ出てこないので、この拠点の探索シーンが終わって戻る頃には再実行可能とします。

春

明らかに、言葉をひとつふたつかけて復帰できるような状態ではない。
……後ろ髪を引かれるような思いでひとまず映像を止める

ヴィキ

「大丈夫……大丈夫だよ」
背中をさすりながら、結城の耳元で穏やかな声で囁く
「アキラ、くん」

田尾 麗

こういう時、どう声を掛けたらよいものかと考えあぐねている。

KP

あなたが映像を止めようとしたとき、真っ暗だったモニターに、再び何かが映し出される。
それは先程の洋館ではなく、この場所だった。

ヴィキ

「私は、ここにいるよ」
微笑みかける

結城 晃

荒く息をついて、床の血だまりと死者を見下ろし続けている。

ヴィキ

その手を取り、自らの頬に当てる

結城 晃

「……う……ヴィキ……」
ぼんやりと答えた目は、何もない空を彷徨っている。
「ごめん、あの時、おれが」
「音に気付いてたら……」

ヴィキ

ゆっくりと首を振る
「私こそ、ごめんね」
「私が、お父さんを早く止められていたら―――」
「でもね、あっくん」
「私は、大丈夫。ほら、生きてる。ここにいるよ」

結城 晃

「ああ……生きて……」
ヴィキの頬を、何かを拭うように撫でた。
「痛かったよな……」

結城 晃

「ごめん、今まで忘れていて」
「……ミキ。俺は、大丈夫だから……」

ヴィキ

「うん。あっくん、男の子だもんね。強いんだもんね」
頷く
鮮明に思い出したある日のやりとりを思い出し。

結城 晃

言うなり、ヴィキの背後に向けた視線に緊張が走る。
刀を抜き、虚空に構える。
「俺が守るから」
その視線の向こうには、冷たい目をしたアンドロイドが立っている。
そう、見て取れただろう。

キョウ

結城さんが刀を抜いた瞬間、一瞬キョウの背に緊張が走り、微かに身構えた。

ヴィキ

では、その掲げた腕を、そっと押さえる
「うん。ありがとう」

春

「キョウ」
首を横に振ってそっと視界の外に一緒に下がる

キョウ

キョウはあなたに頷いて一歩下がった。

結城 晃

が、キョウの気配に気付いて、自分が何を見ていたかを悟る。

ヴィキ

「でも、私も強くなったよ。だから、もう大丈夫。一緒に、がんばろうね」

結城 晃

「そうだな、ミキは、ヴィキは、強くなった……俺よりずっと」
「ああ、俺も頑張らないと」

ヴィキ

「はい。一緒に頑張りましょう。相棒」

結城 晃

「すみません、皆さん。
ご迷惑をおかけしました」
背筋を伸ばす。震える指先を握りしめ、視界から血の海を追い出して。
「続けてください」
ヴィキの手を握りしめている。手を放したら、現実ではなくなってしまうとでも言いたげに。

ヴィキ

その手を優しく握り返す

キョウ

「いや、構わない。……まさか、こんな事になっていたとはな」

田尾 麗

「構わないよ。無理せず行こう。」

春

曖昧な笑みのまま、じっとお二人―――特に結城さんの様子を眺めていた、が。
「……うーん、わたしとしては一旦休憩を具申したい所ですけどねえ」
「時間もありませんし、ヴィキちゃん」
「ちゃーんと相棒を守ってあげてくださいね？」

ヴィキ

「はい、春先輩。私たちは大丈夫です」

結城 晃

（顔合わせのあの日、彼女の目を見たとき思いだしたのは、あの映画。
きっと美姫と一緒に見て、「なんか凄いシステムと名前が似ている」と盛り上がったのだ。）
（……その後の展開を見て、美姫はなんとなく落ち込んでいたかも知れない……）
（きっとその記憶が引っかかっていたのだ）

春

では、要領を掴んだのか慣れたような手つきでモニターを弄る。
映像再開していきましょう

KP

──映像にこの場所が映し出される。そこには目を閉じた『ヴィキ』と、その前で作業をしている1人の男がいた。天城圭一だ。

天城 圭一

「手荒な真似をしてすまない、それでもこれは、きっといつか君の役に立つ時がくる」

KP

その時だ。部屋の扉が勢いよく開かれる。
そこに立っていたのは有馬真二だ。
「天城……私の娘に何をしている？」彼は爛々と光る眼で天城を睨み、彼に〈拳銃〉を向ける。

天城 圭一

「有馬……考え直してくれないか」天城は悲しげに首を振った。
「お前の気持ちは分かる、でもこんなやり方では誰も幸せにはなれないんだ、人間もアンドロイドも──」

KP

その言葉を、一発の発砲音が遮った。
「うるさい、お前に何が分かる。才能を持ち、常に俺の先を歩き続けるお前に、何が分かるんだ……！」
天城圭一の倒れ込む姿と共に、映像は中断した。

結城 晃

唇を噛みしめて、叫び声を上げるのはこらえた。

ヴィキ

「……」
思わず映像から目を背ける

結城 晃

「……どうして……？」
呟いた。もう脳の芯が麻痺してしまったようだ。

ヴィキ

「ごめんね……」

春

一応、モニターにアクセスして映像データに改ざんの痕がないか調べてみます

KP

なるほど、〈コンピュータ〉または〈機械修理〉で判定。

春

CCB＜＝90 〈コンピューター〉 （1D100＜＝90） ＞ 48 ＞ 成功

KP

映像に改ざんの跡は見当たらないようだ。

春

直接結城さんに伝えるのは憚られる……ので。結城さんよりは冷静に見えるヴィキちゃんにこっそり検証データの共有を行っておく

ヴィキ

およそ、自らが想定していた出来事ではある
春先輩からの共有に、そっと頷きを一つ返す

KP

さて、モニターの映像はここまでのようだが、モニターからは何かのケーブルが伸びており、机の引き出しの中に繋がっているようだ。

結城 晃

また情報だぁー

春

「……モニターに接続している機器があるようです。そちらも調べてみましょう」
下手なことは言わず、その頷きに視線のみを返して話を進める

キョウ

「ああ……、そうだな」

春

情報を噛みしめてしまう前に、情報量で流してしまった方が今の結城さんには良いだろう、と判断した。

結城 晃

「……」

春

ということでケーブル辿ります！

KP

引き出しを開くと、そこにはノートパソコンがひとつ入っていた。その横に、何も書かれていないカードキーがひとつ。
起動してみる？　＞パソコン

春

しますします

KP

パソコンを開くと、それは初期化されていた。……〈コンピュータ〉または〈芸術：ハッキング〉で復元できる。

春

せっかくだし〈ハッキング〉しましょ
ポケットから何やら小型の機器を取り出し、人差し指から露出させた端子に接続
小型機器越しにパソコンに接続してハッキングを仕掛ける
CCB＜＝90 〈芸術（ハッキング）〉 （1D100＜＝90） ＞ 16 ＞ スペシャル

田尾 麗

ナイスハック

KP

あなたは初期化されたパソコン内に残された上書き前のデータの痕跡から、ファイル二つと、チャットログらしきものを拾い上げることができた。

KP

田尾 麗

おっ、うしろからなんだなんだします？

KP

後ろからなんやなんやしても構いません。

春

CCB＜＝75 【アイデア】 （1D100＜＝75） ＞ 99 ＞ 致命的失敗

KP

わぁお。

春

はーいよろしくおねがいします！

結城 晃

ワァオ

田尾 麗

はーい

春

ついに来たね

ヴィキ

CCB＜＝85 〈目星〉 （1D100＜＝85） ＞ 81 ＞ 成功
あぶね

田尾 麗

CCB＜＝85 〈目星〉 （1D100＜＝85） ＞ 57 ＞ 成功

KP

あなたは慎重にファイルを繋ぎ合わせ、欠損したヘッダを補っていた。補ってい……、　あ。

春

ありがとう仲間たち

田尾 麗

「……何か見つかったか？」と後ろから。

ヴィキ

私は相棒をヨシヨシしてるので、田尾さんにお任せしよう

春

「そだねえ、何かのファイル二つとチャットログを―――」
うっかりいつもの調子で返そうとして気が逸れる

KP

おおっと、手がすべった！　キーボードを誤ってタッチしてしまい、ストレージに書き込み操作が行われる。ファイルが一部欠損してしまったようだ。

春

「あ゛っ」

KP

やらかした悲しみでSANチェック。0/1。

春

CCB＜＝50 SANチェック （1D100＜＝50） ＞ 77 ＞ 失敗
得意分野でのやらかし、悲しいですよね
[ 春 ] SAN : 50 → 49

KP

悲しいですね……

春

ハッキングだけ直結特有の思考の速度で行って修復作業は邪念が混ざらないようにアナログ（キーボード）で行っていたらしい
結果やらかし

田尾 麗

「あ……」しっかり見てしまった

キョウ

キョウは気まずそうに目を逸らした。

春

〈コンピュータ〉技能で修復できるかな

KP

大事な所は欠損しないので大丈夫です。このまま出しますね。

春

はーい！

KP

成功したお二人は、そこに見覚えのある顔と名前を見つけた。
□佐久間彰人（サクマアキト）
生年月日//2022年4月20■
性別//男
違反行■■に施設からデータを盗み逃■。発見次第処■しデータを回■。

ニト

「あっ！」

KP

そこで、後ろから覗き込んでいたニトが声を上げる。

ニト

「パパ！　ママ！」

KP

そこには葉加瀬祐太郎（ハカセユウタロウ）、葉加瀬柚木（ハカセユズキ）の名前がある。……確かに、ニトやリトと顔が似ていた。

春

「えっ！？」思わず振り返る

KP

母親は10年前、父親は5年前の日付とともに『組織に加入』の文字がある。
ここで田尾さん、【知識】または【アイデア】。

田尾 麗

「そういえば、この名前……」と白瀬にパスしましょうか……

春

「……ニト、一緒に見ます？」
手招きして見やすいように高さ調整しよう
膝に乗せればちょうどいいかな

ニト

「う、うん」春さんの膝に乗せてもらいつつ、画面を食い入るように見る。

春

「ニト、この葉加瀬って人たちのことですか？」って指差しておこう……

ニト

「う、うん、そう！　パパとママだ！　間違いない！」

春

「……ワオ。おどろきのつながり」
「んー……そうですねえ、ニト。そういえばどうしてマッドサイエンティストを目指し始めたんですか？」
「ご両親の影響とか？」

ニト

「うん……、そうだよ。パパもママもすごい研究をいろいろしてて、ロボットのことにも詳しくて……、僕が家のものとかバラバラにして遊んでも、怒らないでいてくれたんだ……」ニトは肩を落として、その映像を指先でなぞる。

春

「……そっか。ニトもリトも、機械いじりの腕、凄いですもんね」
慰めるように頭を撫でている

ヴィキ

「……」
ニトのその言葉と様子に、俯き、下唇を噛む

ニト

「うん。……科学館、連れてってくれるって、言ったのにな……」

KP

この情報をもとに、【アイデア】/2＞を試みることができます。＞田尾さん＆キョウ

田尾 麗

その話聞きながら【アイデア】/2振ります
CCB＜＝50/2 【アイデア】 （1D100＜＝25） ＞ 52 ＞ 失敗

キョウ

CCB＜＝（75/2） （1D100＜＝37） ＞ 45 ＞ 失敗

春

「そうだニト。せっかくですからご両親のこと、聞かせてくださいよ」
寂しげな様子を励ますように腰に手を回して話しかけてます

ニト

「……うん、」
彼は有名な科学者だった父親と母親のことについて、ぽつぽつと語るだろう。優しかった二人のこと。家じゅうの物をバラバラにしても怒らなかったけど、危ないものに触りそうになった時だけはしっかり怒ってくれたこと。
VOIDの循環液の研究に関わっていて、すごい賞を色々もらっていたこと。
……突然いなくなったこと。

春

逐一相槌を打ちながら、決して急かすことなくゆっくりと耳を傾けている

ニト

ママがいなくなって、パパが働きながら僕達を世話してくれて、遊んでくれて、でもパパもいなくなって。
「……ママ、どこいったんだよ……」
「リトだって、ずっと待ってたんだぞ……」
苦しげで悔しげな声を漏らして、ニトは俯いてしまった。

春

ぎゅっと抱きしめる力を強くして、ぽんぽんと頭を撫でる

ニト

「……泣いてないし。泣いてない」撫でられるまま、涙声で言って、服の袖で涙を拭った。

春

「お母さん、優しかったんですねえ。ニトの口ぶりから、よーくお人柄が伝わってきます」
ニトの脈拍を接触面から検知。平常時のテンポを模したリズムでぽん、ぽん、と撫でて、少しだけ早くなっている鼓動を鎮めようとする。

ニト

「……」じっと、少年はあなたの手に身をあずけた。

結城 晃

ぼんやりと見つめている。
こどもが、泣いている……

KP

……ファイルはもう一つある。それは個人の日記のようだった。

ヴィキ

日記の内容は？

KP

□日記2（ファイル2）
こちらは欠損なく拾い出せたようだ。

キョウ

「彼女……？」

ヴィキ

「……母です」
小さく、つぶやいた

結城 晃

「……」

キョウ

「そうか、疑似人格の方は、まだ生きていたのか……」

春

「……疑似人格の方は残していた、ということ？」

ヴィキ

春先輩に、頷く

キョウ

「……」日記から溢れ出た内容の重さに、キョウはじっと口を噤んでいた。

KP

……拾い出せたファイルはあと一つ、チャットログだ。見る？

ヴィキ

春先輩がクリックしなくても、横から私が開こう

春

「……続けてテキストデータを表示しますね。チャットログです」

田尾 麗

見ましょうか。
ちょっとがっつり重い話だったし、ちょっと気を紛らわせたくなるというもの。

結城 晃

後ろから見ている。

春

じゃあ一緒にクリックしよ

ヴィキ

では、春先輩の手に、自らの手を重ねてクリックする

結城 晃

知っている人々の辿った凄惨な道を、どこか遠い出来事のように。

春

少し驚いたようにヴィキちゃんを見上げるものの
彼女が一番関係しているのだからということでちょっと位置を譲りましょう

KP

そのファイルは年が欠損しており、月・日だけが記録されている。
だが、直前直後にあったデータ（内容は読みだせなかった）と比較すれば、それが今年のものと分かるだろう。

KP

あなたは思い出す。

──何かに締め付けられるような感覚。
　息苦しい、けれどどこかあたたかい。
目覚ましのアラームが鳴る──

結城 晃

あったねぇ、そんなこと……

KP

傍らにいた赤星。
寝起きが悪く、少し頭痛がした。
一日目から、盛大な遅刻をしてしまった。

結城 晃

なるほどな。

KP

“夕食に睡眠薬でも混ぜてから首を絞めればいいだろう。お前なら指紋も残らない”
その文章が……、何気ない朝だった、その記憶に沿っていく。
その日、赤星がやり損じたという、きっと、その日だったのだろう。
彼は貴方を殺そうとしていたのだ。

KP

……ショックというよりも、ただただ悲しみだけが深まるかもしれない。
赤星が敵であることは、既に明確だったのだから。

結城 晃

哀しいなぁ

KP

結城さん、【アイデア】……、する？

結城 晃

CCB＜＝90 【アイデア】 （1D100＜＝90） ＞ 44 ＞ 成功
まあ……しなくても分かるけどさ。

結城 晃

首元に手を当てる。
「ヘタクソだなぁ、赤星さん」
「薬までもっといて、殺りそこねたってのかよ」
「……黒田さんまで失敗してんじゃないか……」

ヴィキ

「赤星さんは、抗っていた……」
あの時の、己の推測は間違ってはいなかった

春

「わたし達は命令に背くことが出来ません」
「……ですが、『命令遂行を失敗する』ことはある」

ヴィキ

「失敗してしまったのなら、仕方がない」

春

「命令の解釈も、……所詮はわたし達が受け取ったものでしかありませんし、ね」

キョウ

「……」貴方達が何を言いたいのか彼は察し、しかし、それにあえて反論することも、補強することもなかった。

結城 晃

遅刻。
悪夢。
あの日の最悪な目覚め。
「赤星さん……」
「俺たちを守ったら……あんたが破棄されるってのに」

田尾 麗

ニトリトちゃんの件、いつぞやの夜に話してくれた科学者を中心とした行方不明事件の関係だったのかな。
※直近ログさかのぼった

KP

そうかなぁと思いますね。

KP

……この部屋で気になるものは、これくらいのようだ。
貴方達の手元にはカードキー。あと残されている部屋が一つだけであることを考えると、その部屋の扉を開く鍵なのだろう。

ヴィキ

そのキーを拾い上げる

KP

キーの表面には何も書かれていない。

ヴィキ

表面にしばし視線を落とし
「皆さん」
皆を振り返る

春

ニトを抱きかかえたまま、曖昧な笑みを浮かべて視線を返す。

田尾 麗

静かにそちらに視線を移す。

結城 晃

黙って床を見つめている。

キョウ

無言で顔を上げる。

ニト

「それ、あの奥の部屋の鍵かな」目の端にまだ涙が滲んでいた。

ヴィキ

「あっくん。田尾さん。春先輩。白瀬さん。ニトくん」

結城 晃

のろのろと顔を上げる。

ヴィキ

「私の『父』のために、皆さんを巻き込んでしまって、ごめんなさい」

結城 晃

「美姫のせいじゃ、ない……」
ぽつりとつぶやく。
「一人で背負うな」

ヴィキ

首を振る

ニト

「そうそう、ヴィキのせいじゃないもんな！　なあキョウ、そうだろ？」

春

「そうそう。それに……生みの親って意味ではわたしも同罪になっちゃうじゃん？」あはは、と困ったように頬を掻く

田尾 麗

「構わないよ。そんなこと言ったら俺たちの私情にも巻き込んでるわけだし。」

キョウ

「そうだ。この件は俺の因縁でもある」

ヴィキ

「ありがとうございます」
「父は……、私たち家族を愛していました」
これまでのVOIDのものとは異なる、より確かな意思を瞳に宿して
「本当に……ただ、純粋に」
「すべて、思い出しました」
「私は、有馬美姫です」

結城 晃

「……うん」

ヴィキ

「……いえ、どうなんでしょう」
己の頬に手を触れる
「私は、知っています。父の姿を」
「母と、私たちに微笑みを向ける、その顔を」
「優しい、その顔を」

KP

そう、ここで、あなたは思い出すだろう。
何かに取り憑かれたような父の姿を。そんな父を心配していた自身の記憶を。
それが、モニター越しにあなたを可愛がってくれていた、“入院している母親”を失った日からだったことを。

結城 晃

「……」

田尾 麗

突然ココフォリアのスクロールが動いてメインタブの結構な過去までぶっ飛ばされてしまった。
今いい雰囲気だからこっちで静かに悲しみを記載しよう。

KP

悲しい。そして過去に飛ばされていることに気づかずログの進行を見逃すまである

田尾 麗

それなんですよ

KP

それな

田尾 麗

このいい雰囲気をぶち壊しては……ならない！！
※あとで秘匿見たときに笑ってくれの顔

田尾 麗

逆にここまで明確な爆弾らしきものが一つしかないのがおそろしいんだよなあ、俺たち
心ちゃんまわり、まだブラックボックスおおすぎやしないかい？

KP

箱＜さての

田尾 麗

SANが残る限り、どこまでも！！

ヴィキ

「そして……」
「母を2度も失った、その時からの、悲しみと絶望に暮れた父の背中を」
「その絶望の中で、私を救ってくれたことを」
「そしてその絶望が皆さんを巻き込んでしまったことも」
「でも……」
「私は、もう涙を流すこともできない。そんな父の絶望と、皆さんの過去に泣くこともできない」
頬を撫でる

ヴィキ

「今の私は、やっぱりもう、ヴィキでしかないんでしょう」
「かつて有馬の娘であった、ドロ課のVOIDとして、私は父が企むという恐ろしいことを、止めなくてはなりません」
「だから、皆さん。お願いです。改めて力を貸してください」

ヴィキ

なんだろ、言いたいことがごちゃごちゃしてて、結局何言いたかったのかわからなくなってきたぞ

キョウ

「……“巻き込んでしまった”と、いうのなら。俺達にも、責任はあるのかもしれないな」ふ、と。キョウが溜息をつくようにこぼした。
「一人の女が二度殺されるのを、黙って見逃した俺達にもな」

春

「……」
口を開こう……として、また何か言い始めたぞこの男とキョウさんの方を見る。
さあ、何が出る。まだ話していない事か、生真面目すぎる自責の念か。

結城 晃

変な信頼

田尾 麗

「全くだ。それにこちらとしても殴りにいかなければいけない理由もできたしね。」

結城 晃

「……お前は忘れちまったようだから何度だって言うけど」
「俺たちももう当事者だ。一人で背負うな。お前の親父が起こしたことだって、お前には何の関係もない！」

結城 晃

サングラスを外す。
「俺たちの立場は同じだよ。力を貸すんじゃない。一緒に行くんだよ」

ヴィキ

「……ありがとうございます、相棒」
微笑む

春

その様子を見て。……というか、全員の受け答えを見渡して。
やけにおおきな、おおきなため息を吐く
「…………暗い。空気が暗いんですよ皆が皆揃って！」
ぼやくようにそう言って　唇を尖らせてニトくんのつむじに顎を乗せる

ニト

「わぷっ」

春

「まずひとつ！　涙が出ようが出まいがヴィキちゃんはヴィキちゃんでしょ。今と昔で変わろうがそれで過去がなかったわけじゃあるまいし。というかそれ同じく泣けないわたしをさりげなーくのけものにしてなーい？」
おどけたように言いながらビシっとヴィキさんを指差し
「そしてふたつ！　皆が皆そろってなーにを見当違いに責任背負いこんでるんですか！　ふつーに考えて犯人が悪いでしょ犯人が！」
「元も含めて警察関係者がこれだけ揃ってるのに情けない、他人の犯罪と自分の責任はきちんと分けて考えましょう！」

ヴィキ

「えっ、あっ」
「いえ、決して春先輩に対して、そういうわけでは……」
しどろもどろに言いながら

キョウ

「……言ってくれるな」ふ、と彼は、ずっと引き結んでいた口元を緩めた。

結城 晃

「はは、まったくだな。
どうかしてるよ、俺たち」

田尾 麗

「……俺たちより春の方がずっとちゃんとしてるな。」

春

「そりゃー言いますとも。大人たちが勝手に凹んでって仲間外れのニトくんかわいそうじゃないですかー、ねー」

ニト

「レナ、いーたーいー」春さんのアクションで顎の下のニトがもごもごしている。

結城 晃

ニトくんもここで酷い目にあったもんな。

春

「おっとごめんなさいねニト。よーしよし、いたいのいたいのとんでいけ～」
大仰なくらいにひょうきんに振る舞っている

結城 晃

「春さんにはかないませんよ」

ヴィキ

「……そうですね」
「ごめんなさい、皆さん」
「そして、ありがとうございます、春先輩」

春

「……ん。まったくもー、手のかかる後輩ほどかわいいってどれだけ実感させてくれるつもりなのかなぁ～ヴィキちゃんは～」

春

ニトくんを抱きかかえてなければヴィキさんの頭も撫でていた所である

ヴィキ

よーしよしよしよし

ヴィキ

「す、すみません」
頭を慌てて下げかけてから
「……本当に、春先輩には敵いませんね」
苦笑

結城 晃

（だから苦手だったんだよなぁ、春さん……）

春

「ふっふっふ、先輩に勝る後輩などいないのだー」
「……なんちゃって」

ヴィキ

「はい。尊敬してます」

田尾 麗

やれやれと肩の力を抜いてその光景を見てましょう

春

「……お、おおう。そうまっすぐ言われると照れるというかバツが悪いというか……」

ヴィキ

そんな春先輩の様子を見て、ふふ、と笑って舌を出す

結城 晃

「おまえやっぱり美姫だ」

ヴィキ

「うふふ。どうでしょうか」
そんな幻が見えた、かもしれないが。

ヴィキ

「さて。それでは」
仕切り直すように
「改めまして、お付き合いいただけますか？」
言って指で挟んだカードキーを皆に見せる

結城 晃

「これだけ騒いでも人が出てこないんだ、ここには誰もいないんじゃないのかな」

ヴィキ

「そうかもしれませんね」

結城 晃

「堂々と行ってやるか」

春

「んー……どうかな」
「踏み込んだ先が待ち伏せに適した地形だからあえて待ってるのかもー？」
「……ま、それでももちろんついてくけどね。色々とほっとけるわけないじゃん」

キョウ

「勿論だ。……さっきも言ったな、これは俺達の因縁でもある。付き合わせろ」

ニト

「僕も僕も。僕はマッドサイエンティスト様だからな、他のマッドサイエンティストに出し抜かれるわけにはいかないんだい」

結城 晃

「別にマッドになる必要ないだろう」

ニト

「えっやだ。僕は最強のマッドサイエンティストになるんだい」

結城 晃

（『海賊王』的な奴だろうか……）

田尾 麗

「無論俺も最後まで付き合うさ。」

ヴィキ

「ありがとうございます、皆さん！」
「それなら、私たちの出番ですね。春先輩」
ポイントマンとしてのVOIDの出番を指して

春

「もちろん。いつもみたいにコンビネーション決めちゃお！」

ヴィキ

「はい！」
「マッドサイエンティストさんも、気をつけながらついてきてくださいね」

ニト

「おう！　気をつける！」

春

「じゃあニトもしっかりわたし達の後ろに隠れてくださいねー。マッドサイエンティストって発明品に戦闘を任せるものでしょう？」

結城 晃

うまい

結城 晃

「そうだな。本拠地で偉そうに構えているもんだな」

ニト

「そうだな！　行けっ、レナ！」

春

がおー！　とおどけてみせる

春

子供あやし技術を過去からラーニングした成果である！

ニト

得意げにふんぞり返る。

キョウ

「上手いな」

ヴィキ

なんとか28号みたいだな、とその掛け合いを微笑んで見てる

結城 晃

（春さんも子供が好きなのかな……）
ふと、彼女が見せてくれた子供達の風景を思い出す。
「終わらせないとな」
視界の端で胸にナイフを埋めた少女が、それを持った赤毛の男が影のように踊った。

キョウ

「ああ」

田尾 麗

「……まったく、ありがたいことだ。」
特にこんな雰囲気の時はとこっそり春に感謝する。

ヴィキ

「……では、行きます」
腰だめにウィンチェスターを構え、中央の扉へ

春

ホルスターから拳銃を抜き放ち、その隣をカバーする

結城 晃

あとに続く。

田尾 麗

では後方をカバーしながら追従しましょう。

キョウ

彼も銃を抜き、後に続いた。

KP

──貴方達は心を決め、残る、最後の一つの部屋の扉に、カードキーをかざした。