一日目
PC1 結城 晃
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ハンドアウト説明
貴方はアンドロイドに対し恐怖心を抱いている。
また、貴方は優れた頭脳と才能の持ち主だ。【INT】を18固定とする。
アンドロイドからは遠のいた生活を送ってきた為、〈電子工学〉/〈電気修理〉/〈機械修理〉に技能を振る事ができない。
そしてアンドロイドと密室に2人きり、もしくはそれに近い状態になった時、強制で1d6/1d10のSAN値チェックが入る。発狂した場合、貴方はアンドロイドに対して破壊衝動をおこす。
貴方はとある事件に巻き込まれた被害者である。
当時12歳だった貴方の最後の記憶は、視界いっぱいに広がる鉄臭い赤と、油の香り、そしてその中に倒れている自分の母親だ。幼かった貴方にとってその光景はあまりにも衝撃的で、体は1ミリも動かなかった。そんな貴方に向かってナイフを持った機械の手が伸ばされ、そして──
次に目を覚ました時、貴方は病院のベッドの上にいた。事件に巻き込まれた貴方は酷い怪我を負ったが、幸いなことに病院に運ばれ命は助かったらしい。
しかし事件のショックからか、貴方は事件前の記憶を全て失ってしまった。自分の両親や、自分がどのような日常を送ってきたかさえも。そしてあの機械の手の記憶は貴方に恐怖心を植えつけたのだ。
そんな貴方の病室に通っていたのが今の父、黒田矢代である。彼はこの事件の担当で、貴方に親身になって接してくれた。退院後本来であれば施設に行くはずだった貴方を、彼は自分の息子/娘として引き取ったのである。
その頃に赤星透也と出会った。どうやら彼は黒田に恩があるらしく、昔から頻繁に貴方達の家に訪れていたのだ。記憶を失った貴方にとって彼らは、本当の家族のようにも思えたかもしれない。
貴方はその頭脳と才能を活かし最年少で刑事となった。今回の異例の抜擢もその才能が認められた為である。
貴方はこの10年の間であの事件のことを調べようとしたかもしれない。しかし情報規制がされているのか大した情報は出ず、元いた家も放火によって焼けてしまい何も残っていない。
黒田に一度事件について聞いたことがあるが、「お前に話すことは何もない」と言われたきり、どんなに説得しても話してはくれなかった。
そんな貴方も今は立派な刑事だ。この立場であれば、事件について何か知れるかもしれない。
貴方はシナリオ内の日時の当日、HO2との顔合わせ、そして登録の為に警視庁に向かうこととなっている。黒田はもちろんのこと、アンドロイド嫌いの貴方を心配してか赤星もついてきてくれるようだ。
貴方にとっては憂鬱でしかないが、今の警察の制度に逆らうわけにもいかない。
1.記憶を取り戻すこと。
2.10年前の事件の真相を掴むこと。
□黒田矢代(くろだやしろ) / 52歳
貴方を引き取った現役の刑事。元捜査一課。10年前の事件の担当だったらしい。
誰に対しても厳しく接するが、本当は優しい人物であることを貴方は知っている。料理が得意。
□赤星透也(あかぼしとおや) / 32歳
貴方の兄のような存在。昔からよく貴方の面倒をみてくれた。元捜査一課。いつでも明るく楽観的な性格。見た目とは裏腹に思慮深い一面も持つ。
キャラクター作成
また、このシナリオ独自の特徴表をお送り致します。こちらで1D6をお振り頂き、結果をこちらで知らせ下さい。
※追加:秘匿はシナリオ上で明かされるまで、明かしてはいけません。
公開HOの範囲で分かる内容は明かしても構いません。
あなたは誰かの世話をするのが得意だ。子供などは割と好ましく思う。
〈製作(料理)〉、〈芸術(掃除)〉の初期値を40%に設定する。
また、〈説得〉に+15%のボーナス。
こんなの出ました! どうぞ。
なんとなく余所余所しかったり、近づくのを嫌がったり、を見えるようにやるのはOkですかね。
だとするとまずい情報を得てしまった気がしなくもないけどw
とにかく了解です!
今更どうしようもないことなんですが、特徴表一行目のAX400っていうのが、
デトロイト知っていると一発でその意味が分かってしまうやつなんです。
もし今後また回す機会があればご参考に。
で、もし想像通りなら立場的に大変美味しいので、全力で乗っかったプレイをさせていただきます。
特徴表の作者とシナリオの作者がちゃうんですな
想像通りだったら知らない振りしつつ全力でのっかって頂けるとKP幸い!!
いつものヘッポコ臭がいたします。メガネの男の子ですね。
自分の性分に逆らおうとしています。
たぶん料理とか初期値だけではなく自分でもやってるのは、「AI(ロボット)の世話になんぞなってたまるか」という強い意思の表れでもあります。
家事マシンはともかくAI載ってる奴とは絶対関わりたくありません。怖いもん。
割と繊細な〈日本刀〉使い男子って、ビーストバインドのトモキとキャラ被るなぁ……
キャラ被ってもシナリオでなんやかやあるのできっと大丈夫だと思っております。
データは改めて確認してお返事しますね。
実はアイツめちゃくちゃ垂れ目で迫力ないので、それを隠すためでもあります。
HO1 結城 晃(ゆうき あきら)
人間 男 22歳
身長 170cmくらい
■能力値■
HP:12
MP:11
SAN:50/99
STR CON POW DEX
13 10 11 15
APP SIZ INT EDU
8 14 18 16
■技能■
●《回避》 80% ●《組み付き》 65%
●《日本刀》 95%
●《応急手当》85% ●《聞き耳》 65%
●《精神分析》-14% ●《追跡》 80%
●《図書館》 85%
●《製作(料理)》50%
●《言いくるめ》-10% ●《信用》 0%
●《説得》75% ●《値切り》 -10%
●《母国語》 65%
●《芸術(掃除)》40% ●《心理学》40%
■その他■
【特徴】
※貴方は優れた頭脳と才能の持ち主だ。INTを18固定とする。
※アンドロイドからは遠のいた生活を送ってきた為、電子工学/電気修理/機械修理に技能を振る事ができない。
AX400
あなたは誰かの世話をするのが得意だ。子供などは割と好ましく思う。
製作(料理)、芸術(掃除)の初期値を40%に設定する。
また、説得に+15%のボーナス。
才華爛発
あなたは才能に溢れている。SIZとAPPを除いた全てのステータスに+1
その代わりその才華爛発さを周囲に疎まれ、能動的下記精神系技能に-15%の補正が入る
▽交渉系技能、精神分析
優秀すぎて困ってしまいますねほんと。
人に遠ざけられ続けたため、人と関わるのが苦手。
本人格好いい警官になりたいためクールを気取っているが、どうにも隠しきれない保父さん気質である。
腹が空いた人がいれば料理を振る舞いたくなり、傷とみれば手当てせずにはいられず、泣いている子供がいれば慰めざるを得ない。そして色々な物語を暗記しており、つい語ってしまう。
こんな『軟弱な』自分を変えようと武道を学んでいる。
HO1 個別導入
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ニコロ・パガニーニによる24のカプリース。その最終曲。
このヴァイオリンの旋律が好きだと話してくれたのは誰だっただろうか。
……そんなことを考えながら貴方は目の前の光景をただ呆然と見ていた。
過去の情景かな。
動揺する顔はまだ作ってなかったなぁー
鉄臭い中に、ほんの少しだけ油の香り。
そして、こちらに近づいてくる、何者かの姿。
窓の外は土砂降りで、雷の光がその手元を照らした。
「こっち……こないで……」
がたがたと震え、少しでもその場から離れようと試みる。
動けるなら、体を引きずるように、じりじりと後ろへ。
何かに締め付けられるような感覚。
息苦しい、けれどどこかあたたかい。
死ぬ?
死ぬのか、おれは。
体を動かそうと、締め付ける何かをはねのけようと、暴れる。
どうしてこんな目に遭わなければならない!?
どうして、どうして、どうして!
貴方の耳に、アラームの音が響く。
貴方は思い出す。夢だ。ここは自室、眠っていたのだ。
だるいし気持ち悪いし、明らかに起きるべきではないタイミングでの目覚め。
「くそ、ヤなこと思い出した」
黒田と同じ捜査一課に所属する彼は、今度から貴方と同じ課に所属することになっている。
貴方がこの家に来た頃からここに出入りしており、黒田が忙しい時はよく貴方の面倒を見ていた。
「たまには可愛い女の子に隣にいて欲しいよ」
時刻を見れば11時をまわろうとしていた。寝坊してしまったようだ。
「……うわ。最終防衛ライン突破」
何度目のスヌーズだったのだろう。
「すんません。着替える」
さっさと着替えて身支度を調える。
昨日きちんと洗って畳んでおいた服を手に取り、昨日作って置いた弁当を持って。
>軽く家の探索ができる。せずに慌てて出てもいい。
キルキルのおもいで
家は片付いていないと嫌だ。
掃除洗濯は得意だからな。
昨日寝ぼけて何か落としただろうか。
CCB<=25 〈目星〉 (1D100<=25) > 93 > 失敗
ひでーな
ゴミばっかじゃねぇか。
はっ、こんなコトしてる場合じゃない。
テレビはつきっぱなしになっていたりするのかな。観る。
【アイデア】で判定。
「おっと、こんなの観てる場合じゃない」
テレビを消す。
まったく、なんでこんなに雑然としているんだ。
机の上にもなんかあるな……
赤星さんが置いてったのかな。
時間的にもう昼食である。
と思ったけど遅くなるかもだし持ってくか。
気遣いに感謝しつつゴハンかっこんで、流しでざっと洗ったら出よう。
テーブルからサングラスを取って装着。
よし、出発だ。
十分のんびりしてしまったな……
小走りに車の方へ向かう。
「ごめん遅くなった」
スーツケースをトランクに入れ、助手席に乗り込む。
胸ポケから目覚ましのハッカ飴を出して口に放り込む。
だから膨らんでるんだ。
基本的には自分用だしね。
……子供が泣いてたらあげちゃうけど。
車はそのまま都内を走っていく。車窓から見える街の景色はいつもと変わらず高層ビルが立ち並び、その下では傘をさした人々がアンドロイドを連れ歩いている。霧も少しでているようだった。
AIなんていつ人間を裏切るか分からないじゃないか。
そう、あの日のように。
「……ずいぶん寝苦しそうだったけど、また昔のことを思い出していたのか」
「なにかあればすぐ言えよ、相談くらいはのるから」
アンドロイドだって、そうだ。
都合の悪いことを消して、素知らぬ顔で笑っているかも知れない。
……信じられるわけがない。機械なんて。AIなんて。
「どんな奴、なんだろうな」
過去の事件のことを調べたい、と思ったとき、一般人では手の届かないものだと知った。
だから、刑事を志したのだ。
自分の全てを注いで、何もかもに耐えて。
しかし、耐えられるだろうか。
『相棒がアンドロイドである』という絶望的な状況に。
「どんな奴だって、機械だ」
「所詮は機械なんだよ」
「どんな奴だって、大して変わらないさ……」
その場に、重い沈黙が落ちた。
約20年ほど前、家庭用ロボットを販売してから業績を伸ばし続けている会社だ。今や知らぬ人はいないだろう。アンドロイドは人々にとって生活の一部となったのだから。
生活を機械なんかに明け渡してなるものか。
家政婦アンドロイドですら入れたくなかったから家事を自分でしているくらいなのだ。
「まったく、なんでよりによって……」
アンドロイドなんて、身震いするほど嫌い……
いや……もっと違う感情。
死の恐怖と隣り合った、どす黒いもの。
「仕事だもんな。
辛い仕事でも我慢するのが社会人ってもんだ。
やれるよ、俺だって」
「でなければ、何のためにいままで……」
レンズ越しに街の風景を見る。
人間とアンドロイドが並んで歩き、協力しているその世界は、とても歪に見えて仕方なかった。
「東京都のみなさんこんにちは!10月15日12時ちょうどをおつたえします!今日もはりきって生活をしましょう!では今日の運勢から!」
毎日やっている占い番組だ。あなたは何の気なしにそちらに耳を傾ける。
あなたの星座だ。こんなもの気にするようなものでもないのだろうが、憂鬱な気分をいや増す。
まあでも、赤なら隣にあるな。
とりあえず困ったら赤星に押しつけよう。
「信じてないけど、やっぱ悪い結果だと気になるのって、やっぱ信じてることになんのかなー」
なんとなく赤星に言われるとそうかな、という気がする。
手持ち無沙汰に携帯端末でメモを書く。
『最悪の日の始まりかも知れない』
書き終わってから、ため息をつき、せめて気分を明るくしようと、よく行く料理系のSNSへ。
明日の飯を考えよう。
たまには揚げ物でもしてみるか……
休みには焼き菓子でも作ろう。
一個400kcal? 見ない事にしよう。
「……」
SNSを閉じる。
駄目だ。こういう軟弱な精神で絶望に耐えられるか。
しばらく料理は、やめよう。
「俺は、変わるんだ」
最近は「アンドロイドによる殺人事件」と「アンドロイド破壊事件」の話題でもちきりだ。そんなニュースを聞きながら、あなたは思い出すのだろう、あの日のことを。何度でも……。
奴らに心などないのだから。
何故人は機械に心を見いだそうとしてしまったのだろう。
何故便利な道具のままにしておかなかったのだろう。
「AI作ったヤツにこのニュース聞かせてやりたいよ」
「人間の敵を作っただけじゃないか……」
機械は道具だからまだそんなに不快ではない。
AIなんていう心だか知性の模造品が最悪だ。
どうしてそんなものを作ってしまったんだ。
どうして、そんな醜悪で信頼に値しないものを機械につけてしまったんだ。
「機械は。道具のままで良かったじゃないか……」
大人だからね!!
次回はHO1&2の個別導入になります。
他HOの導入がまだ終わっていないので、
本編ルームにお戻り頂いて、しばらくお待ちください。
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本作は、「 株式会社アークライト 」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。
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