こちらには
『対の棲みか』
『地獄はやさしい』
『鱗の眼』
ネタバレがあります。

佐倉の視点を追加しました。
このリプレイには、本シナリオのほか、『地獄はやさしい』『鱗の眼』のネタバレが含まれます。
本編見る!


『対の棲みか』
かなむら様 作




あるもの全て、取り戻すんだ。


クトゥルフ神話TRPG
「暗点の記」


牧志 浩太
なるほどそう来る!! 熱いイントロだなぁ
KP
佐倉から叡智を得たことにより、
牧志から夢を剥ぎ取り、夢の世界へと逃げ去ったシャン。
止めなければ、牧志は全てを失うだろう……
取り戻すしか ない

KP
時間は少し、遡る。
牧志は現実味のない感覚のなか、巨大な貝殻の上に横たわっている。
それが現実の出来事なのか、それとも夢の中の出来事なのか、今の牧志には判断できなかった。
牧志 浩太
「……」ぼんやりと、空を見上げている。
KP
自らの中からごっそりと、攻撃的な感覚がそぎ落とされているのを、牧志は感じ取る。
そしてそれ以外の感情も少しずつ減っていっている、あるいは奪われているようにも感じた。
牧志 浩太
失った、と感じる。佐倉さんも、同じような状態になっていたのか。
爆発力、のようなものだ。腹に力を込める時のあの感覚。そういうものが、欠けてしまったように感じた。
その感覚を、どこか冷静に受け取る。
KP
牧志の目の前で、魔方陣から立ちのぼった光が佐倉に纏わり付くようにして吸い込まれてゆく。
ばらばらに別れたもう一つが、元の姿へと戻ってゆく。
それは幻想的な風景だったが、牧志はその風景をうまく現実のものとして理解できない。
ひどくぼんやりとしている。そう感じる。
牧志 浩太
「(佐倉、さん)」
開いた唇から呼んだ名は言葉になっただろうか。……まるでヴェールをかけたように、何もかもがぼんやりとしている。
佐倉 光
「! おい、牧志、牧志、大丈夫か!」
牧志 浩太
「……待てっ……!」
辛うじて最後に残った怒りを振り絞って、声を出した、ような気がした。
KP
そんな最後のひとしずくをも容赦なく搾り取り、そいつは口の端をつり上げるように笑った。


牧志 浩太
おおーーーーーーー!!!!!!
ありがとうございます!!!
KP
あっ、服装替わっちゃってる……まあ夢の存在だし……
牧志 浩太
まあ夢の存在ですし
牧志 浩太
怒りとは、このままじゃいけないっていう感情だ。
何か別の状態を望み、そのために手を伸ばす感覚。
……それが、奪い去られていく。

KP
いくらかはっきりとした意識の中、皇津様と佐倉の会話が聞こえた。
何が起きたのか、と問う佐倉に、皇津様が話しかけているようだ。
牧志 浩太
その声を、地に足がつかないような感覚の中、ぼんやりと聞いていた。
■佐倉視点
KP
銀の髭をたたえた老人があなたに語りかけてくる。

KP
このあたりで前回ラストの会話してます。
ぼんやりはしていますが、会話は可能なので加わっても良いですよ。
牧志 浩太
お、分かりました。

牧志 浩太
「佐倉さん」
少しよろけながら、二人の元へ向かう。
佐倉 光
「無理するなよ、だいぶ辛そうだぞ。
俺の時より酷くやられているみたいだ」
牧志 浩太
「いや、いいよ。大丈夫。……まだ大丈夫、ってくらいかもしれないけどな」
手を握ったり開いたりして、どうにか自らの肉体の感覚を確かめる。
KP
体を動かしたりするのは大変億劫だった。
まるで、遠くにあるかのようにぼんやりとして頼りない。
牧志 浩太
このまま眠り、諦めたくなる。あの穏やかな地獄の気配が、俺を呼んでいる気がする。
……それでも。
怒りを奪われた自分が、どうしてまだ望むのか、自分でもよく分からなかった。

KP
佐倉は、牧志の夢が奪われてしまった事、夢の世界へと追う事は牧志にはできない事を知ると、自分が行くと宣言する。
牧志 浩太
「佐倉、さん」
眠りの誘惑を振り切って、声を出す。
佐倉 光
「ああ」
牧志 浩太
「前と逆だ。頼みたいことがある」
佐倉 光
「言ってみろよ」
牧志 浩太
「俺が倒れそうになったら、諦めそうになったら、自分で自分の望みを見失いそうになったら」探るように、己の胸に手を当てる。
KP
佐倉はふらついているあなたに肩を貸す。
牧志 浩太
「引っ張っていってほしい。最後まで」
佐倉 光
「なんだ、そんな事なら。
フィジカル系じゃなきゃいくらでもやってやる」
牧志 浩太
「よかった」
ふっと、本当に心の底から安堵したような顔で、笑った。
「それなら、大丈夫だ」
佐倉 光
「お前が嫌だとか言っても引きずってくから大丈夫」
牧志 浩太
「ああ。その時はぜひ頼む」
佐倉 光
「とはいえ、一緒には行けないんだったな。
皇津様、具体的にはどうしたらいいんです?」
KP
「ええ、説明が必要でしょうね。
何か疑問があればどうぞ」
銀髪の女性は優雅に腰掛けたまま微笑んだ。
牧志 浩太
ぼんやりとした感覚をたぐるようにして、記憶を引き寄せる。
「佐倉さんが、夢の中へ行く……、って言いましたよね。どうやって、行くんですか?」
疑問を発する牧志の横顔からは、先程の藻掻くような様子も消え去って。目つきは半分眠っているかのように静かだった。
KP
「夢の世界は大変広いですから、まずは私のゆかりの地へおいでなさい。
そこまでは送ってあげましょう」
牧志 浩太
「その後は?」
KP
「あなた次第ですよ」
言って皇津様は佐倉に微笑みかける。
「その地で知識を得て、どうするか考えなさい」
牧志 浩太
「アドリブだな。結構大変そうだ」
佐倉 光
「ま、そういうのは得意だから何とか。
……で、皇津様。COMPって持って行けないかな。いつも俺が持ってる……」
牧志 浩太
ですよね>COMP
KP
「夢の世界はとても不安定なもの。あなたがいつも心を通わせているものたちも、いつも通りとは限りません。
夢の力で歪む可能性もありますよ」
佐倉 光
「……悪魔使いに、悪魔使うなっていうのかよ……」
KP
別に出してもいいかなとは思ったんだけど、なんかテーマブレそうだから却下ね。By.のーでんす
牧志 浩太
ふふふふ
牧志 浩太
「皇津様。ええと……、俺はその間、何かできますか?」
探るように指先を動かしながら。危機感を少しずつ失っていくような感覚の中で、自分が何をしたいかを探る。
佐倉さんを助けたかったはずだ。俺は。
KP
「そうですね、望むなら、ですけれど。
あなた方の意識を繋ぐ事はできますよ」
牧志 浩太
「望みます。多分……、そうだったはずだ。それをする事で、どういう助けになりますか」
KP
「互いに会話ができます。知恵を交換する事も、状況の共有もできるでしょう」
牧志 浩太
「そうか、一緒にいられる……」
KP
「ですが……」
牧志 浩太
「だけど?」
佐倉 光
「頼む」
KP
返答を聞かずに佐倉は即答した。
牧志 浩太
「え? 佐倉さん。最後まで聞いた方が、いいんじゃないのか」
佐倉 光
「まあな……けど、余程の事がない限りは、繋いで貰った方がいい」
KP
皇津様はかすかに頷いたようだった。
「強く繋がればそれだけ影響を受けやすくなってしまいます。
もしもあなた方の精神を冒すようなものがあった場合、その影響も受けるでしょうね」

KP
PL情報。
互いに会話する・最低限の繋がりを望むなら、互いの《SANチェック》の影響は受けません。
会話他、近くの感覚や感情の動きなど、深い場所で繋がる場合は、互いに起きた《SANチェック》の影響をわずかですが受けます。
佐倉的には浅い方でもOKです。彼は会話がしたいだけなので。

牧志 浩太
「俺が佐倉さんの邪魔になってしまうことは、ありませんか? ほら、俺……。今、こんな状態ですから」
KP
「そうですね、もしもあなたと繋がっているシャンがなにか危険を冒すならば、あなたを通じて佐倉光さんになんらかの影響が出る可能性は、ないとはいえません。
ただ、話すだけであれば問題はないでしょう」
牧志 浩太
「佐倉さん……、」少し躊躇うようにして、息を吐いた。
佐倉 光
「ああ」
牧志 浩太
「一緒に歩いていたいんだ。でも、勝手かな、とも思う。佐倉さんに何か、危険が及ぶかもしれない。
それでも俺は、佐倉さんと一緒に歩いていたいと思う。
……構わないかな」
随分と迷うように、困ったように視線を伏せた。それでも結局は、言うことはあまり変わらないようだった。
佐倉 光
「構わねぇよ。
未知の世界へ行こうってんなら、人数多い方が気楽だろ?」
牧志 浩太
「そうだな。その方が怖くはない……、かもしれない。
二人だけのパーティだけど、よろしく」
佐倉 光
「ああ」
牧志 浩太
押しが弱くなった牧志くん
佐倉 光
「それに……
……」
■佐倉視点
佐倉 光
今の状態で牧志を一人にするのは危険だ。
とにかく話をして常に自分の意識を保っていないと、あっという間に持って行かれる。
それは俺がよく知っている。
牧志の意思を保つには、話し続けていた方がいい。
万一の時もすぐに気づける。
気づいたからといって、何ができるわけでもない、かもしれないけどな……

牧志 浩太
「佐倉さん?」
佐倉 光
「ナカマの状態は、把握しとかないと、な?」
牧志 浩太
「そうだな」ふっと、異界に向かういつもの彼の様子が頭の裏を過った。
「アナライズできたらいいんだけどな、俺。今減ってるのはMPかな」
KP
「もう少し根源的な部分でしょうか……」
では、繋がりは深い方希望で良いですか?
牧志 浩太
「え、皇津様、用語分かるのか」
そんなこと言いつつ、深い方でお願いします。
KP
了解です。後悔しませんね?
牧志 浩太
しません。
KP
ok

佐倉 光
「そういや……
今俺どうなってんだ? 合体してるんだよな?」
牧志 浩太
「そうだ。そういえば、一つになって全部知ったはずなのに、無事そうだな」
KP
「あなたに影響を及ぼさないように、かたく閉じてあります。
ただ、それはいずれ開くかも知れない不安定なもの。あなたに馴染ませてしまった方が安全でしょう。
知識と力を得て、人から遠ざかるか……
決めるのはあなたですよ」
佐倉は黙り込んだ。
それから、首を振る。
佐倉 光
「保留にさせてくれるかな」
牧志 浩太
「いいのか? ずっと望んでたんだろ、佐倉さん」
佐倉 光
「今それどころじゃないだろ……」
牧志 浩太
「そうだな、……ごめん」

以下PL情報:
ダオロスの叡智ボーナスを以下①②の2つから選択可能。PC・佐倉両者可能である。
これは今(導入時点現在、皇津様の前で)決めなくてもよく、セッション内のどこかでこれというものに与えてもよい。
①技能成長
希望する技能1種に対して、希望する値の成長分をつけることができる。上限99%を突破することはできない。
あわせて、[獲得した技能値の半分の値(端数切り上げ)]の〈クトゥルフ神話技能〉を得る。
例)〈目星〉に50%の成長を希望する場合、25%の〈クトゥルフ神話技能〉を得る。

②ステータス増加
希望するステータス1種に対して、希望する値を増加させることができる。上限値を超えてもよい。
【POW】を増やした場合、対応するだけの正気度が増加する。
あわせて、[増加させた値×10]の〈クトゥルフ神話技能〉を得る。
例)【STR】を3点増加させる場合、30%の〈クトゥルフ神話技能〉を得る。
牧志 浩太
はーい!
これ、セッション中に必要になったタイミングで決定することはできますか?
例えば、突然何か技能が必要になったから、その技能を上げるぜ! みたいな。
KP
できるよ
牧志 浩太
わかりました。では現状保留で。
KP
何故牧志も得られるかと言えば、もうひとりの牧志通して、叡智取ったシャンの影響を受けているからですね。
ところで佐倉はもうひとつ、自分の理想の姿と合体した事で、不都合な情報なんかを書き換えてもいい……つまり、例えば病弱じゃなくなる、とかそういうのも可能らしいんですが
まあ不要かな!!
牧志 浩太
ありがとう佐倉くん!!
佐倉は既に叡智を理解しており、また、牧志も佐倉を通じて叡智の片鱗に接触している。
そのため、皇津様の加護のもと、叡智を少し思い出す、あるいは獲得することが可能である。
この処理が行われた場合、以降、神の名程度であれば、再度触れても、完全に思い出すことはなくなるだろう。
KP
PL情報的にはこうです。
牧志 浩太
さっきの情報ですか? >こう それとも、これから別情報が出てくる?
KP
あ、さっきの情報ですね。
皇津様に影響を消して貰うとき、ついでに力を貰う事ができるよって感じですね。
牧志 浩太
おっと、分かりました。触れそうになったタイミングで処理をするぜ! っていうのはOKですか?
KP
無論ok
牧志 浩太
ではそれで行きます。現状まだ保留。
KP
ほか、なにか訊いておきたい事はありますか?

牧志 浩太
「夢の世界、っていうけど。誰の夢の世界なんですか?」
KP
「夢の中、あるいは潜在意識の向こうにある、人間の意識によって作り出されたイデア(理想的な観念)の世界です。
佐倉光さん、あなたが以前訪れたのもその一部なのですよ。
とある神の叡智を得て、あなたが作り上げた世界……まだどこかに残っているかも知れません。
とはいえ……探す暇はないでしょうね」
佐倉 光
「行きたくもねぇからいいよ……」
牧志 浩太
「繋がっているのか、夢が。……、すみません、図々しいかもしれませんが。他に何か、あなたの力を借りることはできますか」
KP
「そうですね……私のゆかりの地へ向かったなら、ヌグス=ユグという男の助力を得ると良いでしょう。
私の神殿で必要な物があれば、自由にお持ちいただいて構いませんし、調べ物もご自由に」
牧志 浩太
「ありがとうございます。……他に何かあるかな、佐倉さん」
佐倉 光
「質問はいくらでもあるけど、急いだ方がいいんだろ?
情報も大事だけど、動かねぇと始まらねぇよな」
牧志 浩太
「そうだな。……それじゃ、佐倉さん。任せる……、いや、違うな。
俺達、行ってきます」
皇津様の方を振り返って、宣言。あえて、己を奮い立たせるように。
佐倉 光
「いってきます!」
KP
「ええ、それでは……」
女性はすっと立ち上がる。
立ち上がったその姿は、白い髭をたたえた老人のものとなっていた。
老人の前に、ふわりと見覚えのある箱が浮かぶ。
寄せ木細工の箱。縁の箱だ。
「これはお前たちが必要とするときに、お前たちの元へ戻そう」
牧志 浩太
「ありがとうございます」
KP
皇津様は佐倉に目線をやり、佐倉は応えるようにその傍らに立つ。
そして、牧志に向かって手を伸ばした。
牧志の表面を軽く撫でるように、掌が舞う。
同時に、あなたの意識は遠くなって行く。
牧志 浩太
その掌の感触を受け入れる。
■佐倉視点
KP
目の前で牧志の姿が消え去った。
皇津様は、彼は自分の家に戻ったから安心して良いという。
夢の世界への転送は速やかに行われた。
夢の世界で牧志と心を繋ぐイメージを持てば、繋ぐことができると教えてもらえる。
佐倉 光
心とか言われてもな。
手を繋ぐイメージでいいか。

KP
あなたは、自室のベッドに横たわっていた。
体は重いが、起き上がる事はできそうだ。
とはいえ、全身がだるく、感覚も随分と薄い。
無理に動かない方が良さそうだ……
牧志 浩太
かすかに眼を開いて周囲を見回す。
机と本棚、鞄が目に入る。それから、ベッドサイドのテーブルに置いた、一式の携帯工具。
本棚には電子工学の本と、天文学の本が収まっていた。大学の課題のノートが、机の片隅に置かれている。
それから、佐倉さんの連絡先を収めたスマートフォンが、自分の手元に。
……これはきっと、俺の望みを集めた場所。

KP
何か大事な物を傍らに置いたり、お茶飲む程度なら問題ないよ!
何かしたい事があればどうぞ。
牧志 浩太
お茶! お茶大事!
ちなみに今やるかは未定ですが、手記を書いたりすることは可能ですか? >表
KP
それくらいなら可能でしょう。
牧志 浩太
お、わかりました。どっかで使おう。

牧志 浩太
いつも飲んでいる麦茶のポットを引き寄せて、随分と遠くなった感覚に苦労しながら喉を湿らせる。大きく息を吐けば、少し落ち着いた。
KP
またたきのたびに、瞼の裏に不安定な光がはしった。
いや、これは、直接『視えている』のだろうか……
ぐらり、と頭の芯が揺れる。
目を閉じると、ここではない風景がぼんやりと視える……
それはあまりにも現実とかけ離れており、不快に感じられた。
牧志 浩太
朧げに見える風景を追う。これがきっと、佐倉さんが『いる』場所なんだろう。
奇妙な風景に思考がねじれるような感覚を覚えながら、それでも追いかけた。

それがきっと俺の望み。
KP
その視界の主は丘の端に建てられた修道院へと迷わず向かってゆく。
そこでは黄色い僧帽をかぶった修道士たちが祈りを捧げていた。
そこに並んだ聖堂は、忌まわしい気配を漂わせるものと、清らかで高貴な様子をしたものが混在していた。
人にとって善きもの悪しきものの区別なく、あらゆる神がそこでは信じられているように思えた。
皇津村に建てられていたものに似た聖堂もそのなかに見つけることができた。

視界はぼんやりとしている。
だがその人物が、そこで植物を受け取り、魔女についての話をしているのが分かった。

その人物は、何かを求めている。
何かを作るために、何かを求めている。

ふと、その視界が鏡の方を向いた。

そこにうつったのは佐倉ではなかった。

すっかり歪みきったあなたの顔が、視えた。


牧志 浩太
「お前は……、」
発した声が随分と乾いた、色のないものに聞こえた。
その姿を、ただ眺める。
僅かな焦りが腹の奥で動いた。早く。あれを、なんとかして── いや。
あそこに行かないと。
視界の先へ向けて、藻掻くように手を伸ばす。
もうひとりの牧志
『宇宙の彼方、アザトースのみもとへ』
KP
その声を聞いた、途端。
あなたの指先が誰かに掴まれた気がした。

牧志 浩太
思わず、振り返る。
佐倉 光
『おし、繋がったな!』
KP
佐倉の声が聞こえた。
牧志 浩太
「佐倉、さん……」いちど、呆然とその声を聞く。
俺はさっき何をしていた? あそこへ、行こうとして。行かなければならないと感じて。

その瞬間、他のすべての望みを、忘れていた。
「そうか、佐倉さん……。ごめん、ありがとう。助かった」

強い繋がり の効果
・互いの《SANチェック》時、共有が起きる
・互いに〈精神分析〉〈心理学〉説得スキル を使う場合は+10の補正が入る
・その他、判定に補正が入る場合がある
※繋がりについては、シナリオにない特殊処理をしています。
牧志 浩太
イエーイ!! つよいつながり!!(ゲームがちがいます)
つよいつながり……ゆうやけこやけ より。繋がりが強ければ起こせる奇跡も大きくなるんだよ。

佐倉 光
「なんか、混乱してるか? 大丈夫か?」
牧志 浩太
「大丈夫。あー、さっき、出てきたんだ。もう一人の俺……、その眼をみたら、あっちへ行かないといけないような気がして。
でも、佐倉さんが来てくれて思い出した。俺の望みはこちらにある。大丈夫」
少し気弱そうなたよりない声で、それでも「大丈夫」と繰り返す。
佐倉 光
「やっぱりな……」
牧志 浩太
「佐倉さんの時と、同じやつだな? あれ」
佐倉 光
「そう、俺の時も、独りだとあっという間に吸い上げられている感じがして。
誰かと喋っていた方がいいと思ったんだ」
牧志 浩太
「そうだったんだな。おかげで……、助かった」
佐倉 光
「だから、そうだな、駄弁ろうぜ。
いつもみたいにさ」
牧志 浩太
「いいな、賛成。話すことなら、いっぱいあるしさ。喋りながら、歩いていこう。
そしたら、きっと直ぐだ」
佐倉 光
「そうそう。俺も実況するから」
牧志 浩太
「いいな、……夢の世界に潜ってみた実況、だ。山伏電法で流したら、きっと、うける」
佐倉 光
「ははは、カメラ持ってくるんだったな」
■佐倉視点
KP
あなたが降り立った地は夜のようだ。周囲は真っ暗で、上空の方だけがぼんやりと光っている。
太陽や月といったものはここにはないようだ。
あなたの目の前には黒い石を積み上げて作られた窓のない建造物がある。
現在あなたの周囲にある光源は、この建造物から放たれる光だけだ。
正面には両開きの青銅の扉があり、あなたを招くように開く。
佐倉 光
皇津様は「まずは自分の神殿に送る」と言っていた。ならここがその神殿なんだろうな。
周囲を警戒しつつ中に入る。

KP
あなたには佐倉の声の他、周囲の物音と気配が感じられる。
佐倉が喋りながらも足早に歩いているのが分かるだろう。
牧志 浩太
「今、どこだ? 皇津様のゆかりの所?」
佐倉 光
「ああ、黒い石で作られた建物に入ったとこ。
勝手に扉が開いたからお邪魔したとこだよ」
牧志 浩太
「そうか」眼を閉じて、その物音と気配を感じ取ろうとする。
あの日、電話越しにやったように。
■佐倉視点
KP
中には誰もいなかった。
部屋の中央には『テーブル』と『椅子』が置かれており、壁際には『本棚』『大きな箱』『小さな箱』がある。
部屋にはその他寝床や食料品などもあり、生活に使った形跡があるため、普段は誰かが住んでいるのではないかとわかる。
佐倉 光
神様が言っていた人は不在か。時間がないんだ、悪いけど先に調べさせてもらおう。

KP
爽やかな空気とともに、微かな香のかおりが感じ取れた。
牧志 浩太
「いい香りだな」
佐倉 光
「ああ、残り香かな……
この部屋、『テーブル』『椅子』と……壁際に『本棚』『大きな箱』『小さな箱』がある。
寝床や食料品もあるし……誰かが住んでるみたいだな」
牧志 浩太
「夢の中で物食べたら、どうなるんだろうな?」
佐倉 光
「さあ……」
KP
佐倉が何か手に取ったらしい。
鼻腔にほんのりと林檎の香りがした。
牧志 浩太
「……いい香りだ。林檎?」
佐倉 光
「っと、食べ物見てる場合じゃねぇよな」
牧志 浩太
「それ、何だ?」
佐倉 光
「林檎だよ。一個貰っていくか」
牧志 浩太
「そうだな。異界で食べ物食べるのは怖いけど、それはそれとして役に立つかもしれないし」
■佐倉視点
佐倉 光
ヨモツヘグイか。春日さんが随分気にしてたっけ。
まあそんときゃそんときだな。

佐倉 光
「さてと、真面目に調べるか」
牧志 浩太
「本棚が気になるな。何か役に立つ知識がないかな」
言いながら、遠い感覚の中でかさかさに乾いたようだった思考に、少しだけ水が注がれるように感じた。佐倉さんと歩いている、二人で。いつも通り。なんだか楽しいという感情は、まだ失っていない。
佐倉 光
「本棚本棚……っと。
■佐倉視点
KP
本棚の前に立つと、あなたの手があなた自身の意思とは全く関係なく動き、二冊の本を選び出す。
嫌な感じはしなかったが、やはり突然の人知を超えた出来事に、あなたは動揺するかも知れない。

佐倉 光
「……!」
KP
佐倉が何かを『手に取ってしまった』感覚がある。
彼の意識に反して、手が動いたようだ。
KP
強くリンクしてるからこんなのも分かるよ!
SANチェックの共有について
KP
SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1
佐倉 光
CCB<=58 《SANチェック》 (1D100<=58) > 23 > 成功
牧志 浩太
こちらも《SANチェック》かな?
KP
これの共有はありません。
牧志 浩太
お、はーい
KP
共有の場合、それぞれに違う値での判定となります。
牧志 浩太
なるほど。
牧志 浩太
伝わりぐあい違いそうですしね。>違う値

牧志 浩太
「……佐倉さん?
勝手に手が動いたような気がしたけど」
佐倉 光
「いや、多分これ読め……ってことなんだろうな?
勝手に手が動いて本を取ったんだ。
えーと……【黄金の蜂蜜酒の製法】?」
牧志 浩太
みんな大好き黄金の蜂蜜酒だー!!
05【黄金の蜂蜜酒の製法】(独自設定あり)
黄金の蜂蜜酒にはいくつかの効能があるが、ドリームランドにおいては、宇宙の風に乗って旅行する道具を作るために使われる。
ふさわしい道具は小舟といった乗り物、あるいは空飛ぶ靴などである。

黄金の蜂蜜酒を作るためには、5種類の特殊な材料と、少なくとも1週間の醸造期間と20MPが必要である。
5種類の特殊な材料とは、基本的には、薬草、菌、火、闇、土である。
醸造期間に関しては魔術によって短縮可能である。この魔術はこの本に記載されている。

この蜂蜜酒を塗った道具は世界の縁を越え、宇宙の風を受けて、別世界へと旅立つことができる。

黄金の蜂蜜酒の材料はいくつか考えられる。
牧志が作りたいと考える場合、現在最も手に入れやすい材料は以下のとおりである。
・神に祝福された薬草の搾り汁
・特別な菌類(地下世界・菌類の森で手に入る)
・鬼火(地下世界・トォーク山脈でとらえられる)
・地下世界の闇が凝(こご)った瀝青(れきせい)の水(地下世界・瀝青の海で手に入る)
・死者の肉で作られた土(瀝青の海の果てから地下世界を抜けた先の地上・ズーラで手に入る)
進行
牧志 浩太
おおおお。ドリームランドの冒険の気配!!
KP
と、いうわけで……
シナリオ進行度は、このアイテムの集まり具合ってことになります。
牧志 浩太
なるほどなるほど。アザトースの御許までシャンを追いかけていくわけですね。
KP
全部集まったらラストは近いぞって事ですね。
牧志 浩太
了解です!
KP
RPの加減はこちらを参考に……

牧志 浩太
「……」
■佐倉視点
KP
あなたはこれを作らなければならないと強く感じる。
佐倉 光
神様ナビ手厚すぎるのも善し悪しだな。

佐倉 光
「これ作れって事か……
材料は……これとこれが近そうだな……」
牧志 浩太
ふと、何かを思い出すように額に手を当てたのが、佐倉にも感じ取れたかもしれない。
佐倉 光
「どうかしたのか?」
牧志 浩太
「……俺、さっき見たって言っただろ。もう一人の俺の顔」
佐倉 光
「ああ」
牧志 浩太
「『宇宙の彼方へ、アザトースの御許へ』そいつはそう言ってた。もしかしたら、あいつも同じ物を求めているのかもしれない。
佐倉さん、気をつけて。どこかであいつと会うかもしれない」
佐倉 光
「それなら、捕まえられるかも……いや、ダメか、箱もないし。
まあ……行きながら考えるか……」
牧志 浩太
「そうだな……」
声が少し、不安そうに揺れた。
■佐倉視点
佐倉 光
(迂闊な事を言って不安がらせるのも良くないな……)

佐倉 光
「とっ捕まえれば、神様が何とかしてくれるだろ」
牧志 浩太
「……そうだな。そう考えとく」
佐倉 光
「[神に祝福された薬草の搾り汁]ってのは、『これ』でいけそうだな」
KP
佐倉が腰に下げたポーチに軽く触れた。
そこにはアルニカの汁が入っているのだ。
牧志 浩太
「そうか、あと四つだな」
佐倉 光
「大丈夫だって、悩んだってしゃーねぇ」
牧志 浩太
「そうだな。動いてるのは佐倉さんなのに、俺が怖がっても、仕方ない」
佐倉 光
「そうそう、気楽に突っ込み入れてくれていればいいよ。
神様からのヒントはもう一冊。読むぞ」
牧志 浩太
「ああ、頼む」
佐倉 光
「【ドリームランド地誌】……地図だ」
06【ドリームランド地誌】
ドリームランドの地図と、その土地の情報、情報を引くための索引が整備された本。
土地の特徴がわかった上でこの本を見れば、ドリームランドの土地について調べることができそうである。
神や人、クリーチャーの名前、その他キーワードで調べることもでき、それらの所在地について理解することもできる。
おいでませドリームランド
牧志 浩太
便利!
KP
しかしKPがドリームランドのるるぶを持っていないのだった!
牧志 浩太
おおっとぉ! PLは持っているのに!
KP
持ってなくても行けるんだけど……ションボリだ!
買うほど出番あるかなぁ……! って思うと4000円越はぽんと買えませんでしたッ
牧志 浩太
それはそう……! でも読んでいると面白いからどこかの機会に……!
KP
アプリ版に来てくれたらなぁ。
牧志 浩太
ですねぇ。
あれこそサッと引きたい
※結局原作小説と漫画版ざっと読んで、情報不足だなと思ったのでルールブックも買いました。
買って良かったと思いますよ!

牧志 浩太
「随分と、色々助けを残してくれたんだな」
佐倉 光
「これは借りていこう」
牧志 浩太
「だな。よし、ここからは見知らぬ土地の大冒険……、か」
揺らぐ身体をどうにか起こして、机から謎解きに使っていたノートと、ペンを引き寄せる。
白いノートを広げ、佐倉の現在地と状況を記していく。
佐倉 光
「書き物?」
牧志 浩太
「ああ。現状、整理して書いておこうと思って」
佐倉 光
「そうだな、記録するのも自分の現状把握の役に立つし……
後で読んだら面白そうだ」
牧志 浩太
「いいな。冒険小説になるかもしれない。俺、文才ないけど」
佐倉 光
「謎解きで力借りる機会もあるかも知れないしな」
牧志 浩太
「ああ、その時は……いくらでも力を貸すよ。二人で、考えよう」
それから端の方に、手記のようにして小さな走り書きを入れる。
……どうしてか、これを書き留めておかなくてはならないような気がしたのだ。

“俺は、牧志浩太。友達の佐倉光と一緒に、持っていかれた俺の一部を蟲から取り戻すために動いてる……”
KP
フラグだ!!
牧志 浩太
使うかどうかは未定のフラグ!

佐倉 光
「あ、そうだ、早速……」
KP
佐倉はぺらぺらとページをめくり始める。
■佐倉視点
KP
ではあなたは、ここが地下の世界である事を知る事ができる。
佐倉 光
だから暗いのか。
KP
ほか、地図と土地ごとの詳細が記されているため、大まかな特徴か名称が分かれば調べる事もできるだろう。

佐倉 光
「ここはドリームランドの地下みたいだな。
材料を集めるには地上へ出なきゃいけないけど、方法はそんなに多くないみたいだ……」
牧志 浩太
「さっき、地下世界と地下世界を抜けた先、って書いてあったな」
KP
ほか、ドリームランド地誌で調べたいものなどあれば。
牧志 浩太
材料の入手場所それぞれについて調べてみます。
KP
あなたが見た光景がどこか、製法関連についてなども知る事ができます。
牧志 浩太
お、では
 ・最初に見た光景
 ・最初に見た光景の中で出てきていた植物
 ・[世界の縁]
 ・黄金の蜂蜜酒の製法
 ・材料の入手場所それぞれについて
 ・地上への出方
 ・アザトース
について調べます。
佐倉 光
「神殿に、黄色い僧帽か……
多分、だけどそこは地上世界の東部にある[ユスの修道院]ってとこじゃねぇかな。
随分遠いぜ。
行くなら一ヶ月はかかりそうだな……その景色って、いつどこで見たんだ?」
牧志 浩太
「そこに村にあったのと似たような神社があって、そこであいつが何か植物を受け取ってたんだ。ついさっきだったよ、佐倉さんが俺の手を取ってくれる直前」
佐倉 光
「あいつはそんな遠くに居るのか……
ってことは、邪魔はされないだろうが、邪魔もできねぇな」
牧志 浩太
「地道に道具集めしていくしかない、ってことか」
佐倉 光
「ユスの修道院には、シャンが信じるアザトースの神殿があるみたいだな。
様々な神に加護された薬草を育てているって書いてあるし、そいつが『神の加護を請けた薬草』を手に入れたとみて間違いないだろう」
牧志 浩太
「アザトース……」
佐倉 光
「アザトースってのは、白痴の神……とある。
起きれば世界がぶっとぶって書いてあるぜ」
牧志 浩太
「起きただけで世界が滅ぶのか?」
佐倉 光
「少なくともここにはそう書いてある。やべーな」
牧志 浩太
「ああ。そんなのに会いに行こうとしてるのか、あいつは」
佐倉 光
「創造神とか、その割りに歌と踊りが好きとか、変にかわいげのある情報もあるけど。
人間は近寄ったらヤバいってことだけは確かだな……レベルいくつなんだろこいつ」
牧志 浩太
「ちょっと想像できないな。レベル99か?」
■佐倉視点
佐倉 光
正直熟読したいような興味深い情報の塊だな。そんな場合じゃないと分かってはいるけど……

佐倉 光
「……まあ、興味はあるけど置いとこう。
とりあえずあいつをアザトースに会わせたら、もうひとりの牧志がぶっ壊れるみたいだ。
そうなっちゃったら困るし、さっさと止めないとな」
牧志 浩太
「ああ。それまでに止めないと、な。……やっぱり、危機感がなくなってきてるな。まだ、焦る気持ちはあるんだけど」確かめるように数度、手を握って、開く。
「そんな話聞いたら、普通は危機感を覚えるし、焦るよな?」
佐倉が「そう」なっていた時の状況と、その時に自分が感じたことを記憶から引き寄せて、照合する。
佐倉 光
「まあ……普通はそうなんじゃないかな……」
佐倉 光
興味が先に立つたちなのでちょっと自信ない。
佐倉 光
「そうだな、そういえば、いつもより……
急ごうか」
■佐倉視点
佐倉 光
(牧志の受け答えが随分と淡泊な気がする。
何のために繋いでもらった? 異世界の知識に気を取られている場合じゃないぞ)

牧志 浩太
「……佐倉さんは興味が先に立つたちか。それもそうだな。
ああ、急ごう」
佐倉 光
「何、俺喋ってた?
思考が漏れる癖、なおったつもりだったんだけどなぁ」
牧志 浩太
「喋ってた。そういえば、いつもより、って」
佐倉 光
「えーと、次次!
黄金の蜂蜜酒の製法か……この本より多分さっきの本の方が詳しい。
大体俺たちが採りに行けそうな材料はピックアップしたぜ、メモっといてくれ」
牧志 浩太
「ああ、分かった」頷いて、ペンを走らせる。
KP
というわけで先ほどの四種ですね。
佐倉 光
「しかし、靴か船があった方が良い……ってどういう意味かな?
海を越えるなら確かに船は必要そうだけど」
牧志 浩太
「空飛ぶ靴や小舟については、何か書いてあるか?」
佐倉 光
「いや、それについては……
■佐倉視点
KP
あなたがそのことについて考え始めた途端、微かな鈴の音が聞こえた。椅子の方からだ。
佐倉 光
行ってみる。

佐倉 光
ん?」
KP
微かな鈴のような音がした。
佐倉は部屋の一点に目をやっている。
牧志 浩太
「佐倉さん?」
佐倉 光
「今、音が……」
■佐倉視点
KP
椅子には荷物を入れるに丁度良さそうなずた袋が置いてある。中身は空のようだ。
音は椅子の下から聞こえる。
佐倉 光
椅子の下をのぞいてみる。

KP
彼は本を持ったまま立ち上がって、数歩歩いた。
そしてかがみ込む。
■佐倉視点
KP
椅子の下にはサンダルが一足置いてあった。
佐倉 光
手に取ってみる。
KP
ぼんやりと光るサンダルの底には、虹色の貝殻が貼り付けられていた。
貴方はこれを履いてみたくなる。
佐倉 光
はいはい……必要なんだろうな。書いてたし。

佐倉 光
「あった、靴。
椅子の下に置いてあったみたいだ」
牧志 浩太
「えっ、そんな所にか?」
佐倉 光
「神様ナビ、手厚いな」
牧志 浩太
「ああ。……随分と力を貸してくれたんだな」
佐倉 光
「なんか前からの知り合いみたいだったな。
靴底に分厚い貝殻がはってある。これ履けるのか? どっちかっていうと美術品っぽいけど。
おっ、袋借りよう……」
KP
佐倉がゴソゴソと靴を履き替え始めたのが分かる。
牧志 浩太
「ああ、そういえば話してなかったっけ。前に、少し話したことがあるんだ。あの人のいる所に招かれて、海と墓場しかない場所の小さな白い家で、なんでもない話をした……」少し懐かしそうに、声が聞こえる。
KP
あの瓶(AF)っていまどうしているんだろう。
牧志 浩太
あー、そういえば持ち物欄に記載してませんし、データ的にも処理してませんでしたね。持っていても構いませんか?
KP
勿論構いません。っていうかむしろ持ってて。
牧志 浩太
おっではぜひ。

佐倉 光
「神様と話した事がある? 随分羨ましい体験してるなぁ。
詳しく。」
牧志 浩太
チャラ、と牧志の手元で、何か硬いものが揺れてぶつかる音がした。
「とは言っても、そんなに大した事はしてないかな。……あの人はずっと、人の生と死を見つめてきたって言ってたよ。俺の話を聞きたがって、そうだな、あの時したのと同じ話をしたんだ」
佐倉 光
「ああ、あの、何食べるとかそういう?」
牧志 浩太
「好きな食べ物は何か、俺はどこから来たのか、家族や友人をどう思っているか、……願いを一つだけ叶えてあげるとしたら、何がいいか」
佐倉 光
「人生相談のような……なんでそんなことになってんだ?
そういや牧志にはあの神様、女の人に見えていたのか?」
牧志 浩太
「ああ、長い銀色の髪の女の人に見えていたよ。ソルシエさん、って名乗ってた。その人の身体を借りてた、ってことらしい」
牧志が微かに眼を細めたのが、感じ取れるかもしれない。遠い友人を思い出すような、あるいは遠い昔を思い出すような口調だった。
佐倉 光
「どうやって会ったとか、まあ訊きたい事は色々あるけどさ……」
■佐倉視点
佐倉 光
のんびり話している場合でもないし、後で移動しながら訊こうかな……話題が尽きて話ができなくなった時なんかにも使えるかも知れないし。

牧志 浩太
「どうやって会ったか、は分からないかな……。気がついたら、あの場所にいたし」
佐倉 光
「っと、サイズよし。
これがどうして必要……」
■佐倉視点
KP
履いた途端、靴はふわりと浮いた。あなたは突然の出来事にバランスを崩すだろう。

佐倉 光
「うわ!?」
KP
佐倉が転んだ。
牧志 浩太
「佐倉さん?
何か、あったのか?」
佐倉 光
「いってぇ……
いや、そういうことか、すげぇぞこれ。
空飛ぶ靴を手に入れた!
えっ、なんだこれただのサンダルだよな? どうなってんの?」
牧志 浩太
「それが、空飛ぶ靴ってことか」
牧志の声は淡々としていて、今一つ佐倉のテンションについてきてくれないようだ。
■佐倉視点
佐倉 光
まずいな、できる限り急がないと。
出てから慌てなくて済むように、地図を頭にたたき込んでおこう。

佐倉 光
「……んー。
おう、移動手段ヨシ」
牧志 浩太
「……うーん、ごめん。なんだかずれてるな。リアクション不足か、俺?」
佐倉 光
「まあな、気にすんな」
牧志 浩太
「そうか……」
佐倉 光
「目の前にいねーんだからテンション上がらなくても仕方ないだろ。
俺がひとりで楽しんでやる」
KP
わずかではあるが、佐倉が無理に明るく振る舞っているような気配はあった。
また、あなたの話を聞きながら、地図を何度も確認しているのも、あなたには分かるだろう。
牧志 浩太
「……ごめん。でも、ありがとう」微かに、笑む。無理をさせている苦しさはあったが、でも、随分と遠くなってしまった心を、その声が少し持ち上げてくれるのだ。
■佐倉視点
佐倉 光
声に出してルート確認だ。
覚えるにもいいだろうし、牧志にも興味を持って考えてもらえれば、少しは持って行かれるのを抑える事ができるかも知れない。
ナビゲートしてもらえると助かるしな……

佐倉 光
「地上へ出るには、上にある洞窟を抜けなきゃいけないな。
その手段は、まあこの靴でOkと」
牧志 浩太
「この、瀝青の海の果てってやつか」
佐倉 光
「そう、そのあたりに出られる。
なんか俺たちが知っている海とは違うみたいだけど。
一番近いのは菌類の森。ささやき声が聞こえるってさ」
牧志 浩太
「不気味な感じだな。襲ってきたりしないといいんだが」
牧志 浩太
某卓粘菌「リーチェのもり?」
KP
ナカマが一杯
佐倉 光
「それからトォーク山脈。山登らなきゃいけないみたいだけど、飛べりゃ関係ねぇだろ」
牧志 浩太
「登山する羽目にならなくてよかったな」
佐倉 光
「ズーラってとこはちょっと危険かもな。死者がうろついてるらしい。ぞっとしねぇな。
COMPやっぱり持ってくるんだったかな……」
牧志 浩太
「夢の中で召喚できるのか? 別な物が召喚に介入してくるかもしれない」
佐倉 光
「おすすめできません、って念を押されたからな……
[世界の縁]はまんま世界の端みたいだぜ。端とかあんのかここ」
牧志 浩太
「なんとなく……、天動説みたいだな。大きな盆の上に世界が乗っている、あのイメージ」
佐倉 光
「夢なら何でもありってことかもな」
牧志 浩太
「かもしれないな。それか、人間の直感はいくら地球が丸かろうと、そういうイメージを捨てないのかもしれない」
佐倉 光
「視界には平たい地面しかないしな」
牧志 浩太
「天動説は天動説で、それなりに整合性が取れていたんだ。その整合性が破れる証拠が見つかるまでは」
星について語る時の口調は、少し楽しそうで懐かしそうだった。
佐倉 光
「ああ、意外とちゃんとしてんだよな、天動説……」
牧志 浩太
「そう、必ずしも直感と、宗教的なものだけで出来てたわけじゃない。あれはあれで正しい仮説だった」
■佐倉視点
佐倉 光
まるで波照間さんみたいな話をしているな。
そういえば、自分を保たなきゃ行けないときに、他人の記憶は手がかりになるのか……?

KP
最近読んで、信じる人がいるのも笑えないなと思った。
牧志 浩太
その時点で観測できる範囲の事象では、十分に天文現象を説明できる仮説ではありましたからね。実際に地球を観測するまで、地動説も「よりよい仮説」でしかなかったわけですし。

佐倉 光
「……Ok、大体の場所は把握した。行けるぞ」
牧志 浩太
「……あ、すまない。そうだな、行こう」
佐倉 光
「あ、ちょっと待ってくれ……」
KP
箱とテーブルがまだなんだコレが。
牧志 浩太
おおっと。
そういえば探索場所一覧が出てましたね。
[テーブル/椅子(済)/本棚(済)/大きな箱/小さな箱]
KP
椅子にはずた袋と靴、本棚にはヒントの本二冊がありました。
■佐倉視点
KP
テーブルには手紙が置いてある。文章の内容から言って、皇津様からだろう。
佐倉 光
変に身近な手段使うんだな……
KP
皇津様からの手紙には、皇津村の人間は救う事ができなかったと記されている。
シャンを確実に滅ぼすには仕方なかったとのことだ。
佐倉 光
牧志は救う事を望んでたっけ。
何が悪影響を与えるか分からないし、あえて今伝える必要はないな。

佐倉 光
「テーブルに手紙がある」
牧志 浩太
「手紙?」
KP
手に取って、開いている感覚が伝わってくる。
佐倉 光
「神様からだ。本当に面倒見がいいな。
部屋にある物は好きに使っていいとか、神官に助力して貰えとか、聞いた事がざっと書いてある……」
牧志 浩太
「本当に色々してくれるんだな。全部終わったら、改めてお礼を言おう」
佐倉 光
「そうだな、お参りしとかないと……っつっても、あの村また沈んじまったな。
あ、村について書いてあるぜ。
『以前は生態系の保持が大切だと思っていたので封印のみに留まったが、再発したため、根源的対処を取った。』。
『今回は魔女たちともどもシャンを消滅させた。二度と復活することはないだろう。
土地が完全に清められたと考えられる段階に達したら、また人間あるいはほかの種に開放することもあるかもしれない。』。
だってさ……」
牧志 浩太
「う、うーん、生態系の保持……。神様っていうか、学者さんみたいだな」
佐倉 光
「なるほど? 神様にとっての人間は、俺たちにとってのアリみたいなものなのかもな」
牧志 浩太
「かもしれないな。神様は、俺達を覗き込んでる学者みたいなもの、なのかもしれない」
佐倉 光
ノーデンスさんはウルトラセブンさんかーって思った。
牧志 浩太
割とそういうところあるみたいですしね>旧神関連
牧志 浩太
「……」また、手を握ったり、開いたりしている感触が伝わってくる。
佐倉 光
「大丈夫か?」
牧志 浩太
「いや。俺だったら少し悔しく思うのかどうか、ちょっと考えてたんだ。それだけだよ。大丈夫」
佐倉 光
「……ああ……
とりあえず喋っていよう。その方が異変にも気付きやすいし。
俺の時は、黙って独りで立っていたらあっという間に持って行かれていたからな……」
牧志 浩太
「そうだな。まずいと思ったら言ってくれ。何か変だって思った時も、遠慮しないで教えてほしい。俺がどういう感じだったか、覚えていたいんだ」
佐倉 光
「分かった……」
牧志 浩太
「うん、頼む」
佐倉 光
(知らせた方が良い、か。その方が理解できる……そうだな)
「少し、ノリは悪くなってる感じはするな。淡泊って言うか」
牧志 浩太
「ああ……、現実感があまりないんだ。遠くなってる感じ、っていうのかな。攻撃的な感情、怒りとか、が持っていかれてしまったのは、たぶん佐倉さんと同じだと思う。そのせいで、地に足のついてない感じがする」
数度、ペンを走らせる音がした。
その速度と筆致は何となく、牧志が謎解きをしている時の音に似ていた。図書館で、顔を並べて一緒に謎解きの話をした時の。
佐倉 光
「そうか……取り戻さないと、な……」
KP
じわりと怒りの感情が伝わってきた。
牧志 浩太
「ああ……。取り戻したい。佐倉さん、……ありがとう」
その眩いばかりの感情を、目を細めて受け取った。これが、怒り。自分からは失われてしまったもの。爆発するような、原動力。

佐倉さんのおかげで、それがどんなものだったか少し思い出せた気がする。
佐倉 光
「あとは……シャンさえ追い出しちまえば、奪われた夢は戻ってくるだろうって書いてある。
つーか、あの村あのヤバい蟲がいっぱいいたってことだよな……出てきたのが一匹で良かったぜ……
良くねぇけど」
牧志 浩太
「本当にな。でも、佐倉さんが一緒に滅ぼされてしまわなくてよかった」
佐倉 光
「俺『悪魔使い』で『魔女』じゃねぇからな。見分けてくれて助かったぜ……」
牧志 浩太
「ああ」
牧志 浩太
牧志くんの最後に残るところ、「底抜けなところ」じゃないかという気がしてきました > 「佐倉さんが一緒に滅ぼされてしまわなくてよかった」
KP
なるほどなぁー
牧志 浩太
あのシャンが残ったから牧志くんがこの状況なのに、その状況で「よかった」って言うところ
佐倉 光
「手紙は大体こんなとこだ」
牧志 浩太
「裏に何か書いてあったりもしないか?」
佐倉 光
「いいや、何も」
KP
雑な言葉と裏腹に、彼が手紙を丁寧に畳んで、感謝を込めて片付けるのが感じられる。
牧志 浩太
その様子に微かに笑みを浮かべる。
「そうか。テーブルには他に何もない?」
佐倉 光
「ああ……あと気になるのは箱かな」
牧志 浩太
「大きいのと小さいのか」
佐倉 光
「大体こういうの選ぶ昔話だと、小さい方が正解だよな。
牧志ならどっち開ける?」
牧志 浩太
「じゃあ小さい方かな。最終的には両方とも開けるし、それなら小さい方が持ち運びやすい物が入ってそうだ、くらいでいい」
KP
佐倉が箱のような物に手をかけた。
そのサイズは掌に乗るくらい。
■佐倉視点
KP
箱を開けると、綿が詰め込まれている。
割れ物が入っているようだ。
それはガラスか何か、透明な素材で作られたイルカだ。中には液体が入っている。

佐倉 光
「……うん? なんだこれ?」
牧志 浩太
「何があったんだ?」
KP
フワフワと柔らかいものをかき分け、つるりとしたものに触れる。
佐倉 光
「大体10センチくらいの、イルカの置物だ」
牧志 浩太
「その置物のことは、本に書いてないか?」
佐倉 光
「置物か? これ……透明な物でできてて、中に液体が入ってる。
あ、説明書がついてるわ」
牧志 浩太
「丁寧だな」
佐倉 光
「【聖水のイルカ】だってさ……」
07【聖水のイルカ】
虫や魔物や亡霊といった、望まぬ邪悪な存在に取りつかれた相手に対してこれを用いる。
相手に投げつけて割り、中に入った聖水を浴びせかけることで、取りついたものを消滅させる。
ドリームランドもしくはドリームランドから繋がるかなたの宇宙でしか用いることができない。
■佐倉視点
佐倉 光
なるほど、花の汁には別の用途があるし、今は箱もないからな。お手軽で助かる。
問題は、俺が投擲とか得意じゃない事かな……

まれによくある
牧志 浩太
ドリームランドでアイテムというと、名前忘れたんですけど描写がどう見ても ひもQ な食べ物があって、卓の最中「ひもQ」「ひもQ」って呼んでたことを思い出します
佐倉 光
緊張感www
牧志 浩太
神秘の食べ物なのに頭の中で完全にひもQになってました

牧志 浩太
「これももしかして、使えるのか? シャンを追い出すのに」
佐倉 光
「そうだな、使えそうだ。貰っていこう」
牧志 浩太
「ああ。何とかなりそうな感じが見えてきたな」
佐倉 光
「これをぶつけるのか……結構近づかないと自信ねぇな。
殴っていいよな?」
牧志 浩太
「いいと思う」
今一つぴんとこない様子ではあったが、そう返ってくる。
佐倉 光
「冗談だよ……シャンは殴りたいけど。
で、さっきの質問。俺なら両方かな」
KP
言いながら、何かまた箱に手をかけている。
牧志 浩太
「賛成。どっちか片方って前提はないしな」
佐倉 光
「おっ、何だコレ。
大量の宝石が入ってる」
牧志 浩太
「えっ? 宝石? ……精霊と交換するわけじゃないよな?」
■佐倉視点
佐倉 光
また波照間さんみたいなことを……
悪魔が使えればな。

KP
佐倉の指先が何か硬い物に触れると、あなたの心にも何か、支えられるような感覚があるだろう。
佐倉 光
「見た事ないな、こんな石。
……ほら、アルニカの花、光り方があれに似てる」
牧志 浩太
胸に手を当てて、その感覚を辿る。
「……不思議な感じがするな。何か、支えられてるような。
少し、ほっとする」

青い宝石
PL情報:1つにつきMP5点が入っている。
牧志 浩太
魔晶石だ! 20倍拡大デストラクションしよう!
KP
物騒!
牧志 浩太
でも実際にやったらファンブルする気がする
※そういうもんである。

佐倉 光
「お守り代わりに貰ってくか……」
具体的にMPいくつ必要とか書かれてないなぁ。
適当でいいか……一握り。
消費MPは20なので全部を賄おうと思えば4つ必要である。
牧志 浩太
「ああ、それがいい
悪い物じゃないよ。たぶん」
佐倉 光
「神様が用意してくれた物みたいだしな、必要って事だろうし」
牧志 浩太
「ああ」
■佐倉視点
KP
足音がする。誰かが神殿に入ってきたようだ。

佐倉 光
「!」
牧志 浩太
「佐倉さん?」
佐倉 光
「誰かが部屋に入ってくる」
■佐倉視点
KP
入ってきたのは温厚そうな中年男だった。顔立ちはそう年老いてはいないが、髪の毛が白髪であり実際の年齢よりも老いて見える。

KP
「客人か、これは失礼した。しばらく外していた」
柔らかい、男性の声がする。
牧志 浩太
「話に出てきた神官、かな」
牧志の声に焦った様子はなかった。呑気なような、いまいち瞬発力が足りないような声だった。「隠れた方がいいよな、たぶん」そう言いかけたらしかった。
佐倉 光
「ああ、そうか……
お邪魔しています、俺たち……俺は、皇津様の導きでここにいます」
牧志 浩太
「ノーデンス様だ。その名で分からないようだったら、そう言って」
佐倉 光
「ええと、ノーデンス様、というお名前でもあるようです」
KP
「ノーデンスに導かれし者よ、何かお役に立てることはあるかな?」
男性の声が答える。
佐倉 光
「なんか優しそうな人だ」
牧志 浩太
「あの人の知り合いみたいだしな。似ているのかもしれない」
佐倉 光
「あ、すみません、俺、ここにいないもう一人と喋ってるんで、たまに独り言を言うかも知れません」
KP
「ああ、遠い友人にもようこそと」
牧志 浩太
そうか佐倉くん、傍から見たら独り言状態なんですな。
KP
だから「俺たち」って言いかけて言い直した
牧志 浩太
なるほど。
佐倉 光
「俺たち、黄金の蜂蜜酒っていうのを作らなきゃならなくて……」
KP
佐倉は男に簡単な事情説明をする。
そしてこの部屋から持って行きたい物も見せた。
男は快諾し、更に食料や飲み物など、必要そうな物を用意して持たせてくれた。
牧志 浩太
「ありがとうございます」その優しさに、思わず声を発していた。
佐倉 光
「俺の連れが、『ありがとうございます』って」
KP
「縁を結んだ者に助力は惜しまないよ。
ところで、先ほど聞いたもう一人の君の友人についてだが……
彼もまた【黄金の蜂蜜酒】を作るつもりなのだろうね。
ユスの修道院では、様々な神の祝福を受けた薬草を栽培しているはずだし、これは黄金の蜂蜜酒を作る上でよく使われる材料なのだ」
牧志 浩太
「やっぱり、目的は同じなのか」
KP
「また、黄金の蜂蜜酒には大量の精神力が必要、魔女にその協力を仰ぎ、また材料のひとつを手に入れるつもりかもしれない。
そう、そしてシャンが黄金の蜂蜜酒を作るつもりなのだとしたら、考えられる目的はひとつだ」
佐倉 光
「アザトース……」
KP
「シャンは、宇宙の彼方にある、アザトースの宮廷へ向かうつもりなのだろう。それが彼の信じ敬愛する存在なのだから。
ここから東部までは非常に離れているが、宇宙へ出る方法はそう多くはない。
君も黄金の蜂蜜酒を作り、宇宙へ向かい、アザトースの宮廷にたどり着く前にとらえるしかないのではないかな」
佐倉 光
「そのつもりです。色々ありがとうございました」
牧志 浩太
「ありがとうございます。助かりました」
KP
佐倉があなたの言葉を伝えると、男性は励ますように佐倉の腕に軽く触れた。
その暖かさは、あなたにも伝わってくるだろう。
牧志 浩太
自然と、唇に微笑みが浮かんでいた。
支えられているって感覚は、随分とほっとする。さっきから身体が重くてたまらないし、諦めて寝てしまいたい感覚も消えないけど、それでも、……俺のしたいことはそうじゃないっていう確信を、信じていられるのだ。
佐倉 光
「よし、出発するぞ、牧志!」
確かめるように名を呼ぶ。
■佐倉視点
佐倉 光
なるべく名前を呼ぶように心がけよう。波照間さんの記憶の事もあるし……な。

牧志 浩太
「ああ、出発しよう。佐倉さん」
その声は相変わらず淡々としていたけれど、どこか先程の熱のような温かさを宿していた。
「いい人だな。いい人っていう尺度が合うか分からないし、蟻みたいな俺達を見下ろす学者のような存在なら、いい人、なんて形容が合うのかすら分からないけど。
それでも、俺は俺の尺度で、いい人だって思っておく。その方が俺達にとっていい」
■佐倉視点
佐倉 光
今は疑っている余裕がない。
純粋な善意だと信じるしかないんだ。

佐倉 光
「嫌な感じがしなくて、助けてくれるなら、いい人ってことでいいだろ」
牧志 浩太
「ああ。そうだ」
その口調は少しばかり分析的で、佐倉がしたように牧志もまた、理性を手掛かりに道を掴もうとしているようだった。
■佐倉視点
KP
世界は真っ暗だが、あなたが履いている靴がはなつ光が僅かに周囲を照らしている。
また、目が慣れれば暗闇でもある程度のものは見る事ができるかも知れない。
暗い世界にぼんやりとした燐光がわずかに見える中、黒々と大きな影と、それを縁取る光が見えた。巨大な山があるらしい。
佐倉 光
後で行く事になる山だな。まずは北回りで行こう。

KP
佐倉の足が地を蹴る。
二歩目にはもう足は大地を離れていた。
牧志 浩太
その足の力強さと、燃えるような怒りと、希望を感じた。
大丈夫だ。怒りは、力はここにある。俺の手元になくても、ここにある。

だから、大丈夫だ。
そう信じていられた。
何度も、そう言い聞かせた。
KP
風が肌に沿って流れてゆく感覚がある。
高揚する佐倉の心をつたって、大地が悠か下へ遠ざかってゆく光景が見えるようだった。
佐倉 光
「こりゃいいな、すっげえスピードだ! 必要な物なんてすぐに集まるぜ!
いけるいける!」
牧志 浩太
今にも、散り散りに、ばらばらになってしまいそうでも。
自分がなんだったか、分からなくなってしまいそうでも。

それでも俺達は肩を組んで、走っていける。

「ああ、行ける。……行ける!」
記憶を手繰り、高揚したときの自分の声を、誰かの声をなぞって、声を張り上げた。
おしまい
KP
本日はここまで!
牧志 浩太
お疲れ様でした!
KP
お疲れ様でした!
本当に神殿出るのに三時間かかっちゃった。
牧志 浩太
ですねー、情報量が多いのもあるしRPで盛り上げまくったのもあるし
でもその分盛り上げたし、ぼんぼんフラグも立てました いやぁ楽しみですね
KP
と言うわけで次回からはアイテム集めです。
やる事は結構単純ですので、RPに集中してくださいなー
牧志 浩太
いえーい 色々話したいし盛り上げたいし壊れたいしあれこれしたいですね
KP
あれこれ!!!
牧志 浩太
そうあれこれ!
KP
佐倉が色々な風景に興奮して実況忘れたらどついて下さい。
牧志 浩太
どつくという概念が消えちゃってるので横からひっそりツッコミを入れます。
KP
はっしまった! どついていただけない!
牧志 浩太
ない! 攻撃的な感情なしでドツキツッコミを入れられるほどにはお約束を会得していない!
自分の感情が曖昧になりかけているぶん、興奮している佐倉くんを見ているだけで楽しい が先に来ちゃってるのでツッコミが入れられない
牧志 浩太
牧志くんの冷静な声で気づいていただくしかない
佐倉 光
佐倉も異常には気付いているけど、あえて気付かせた方が良いのか分からないから、最初は流してたよ。
牧志 浩太
ですよね。>最初は流してた その辺の佐倉くんの感情の動きもあとあと知りたいなぁ。
佐倉 光
そのへん、心の機微には疎いからね。
割と本気で困っている。
また自分を見失っていれば声をかけようと思っているけど、「お前感情薄いぞもっと笑えよ」はちょっと違うじゃん?
もう明るく話しかけるしかない。
牧志 浩太
それはそう。糾弾したいわけではないでしょうしね。佐倉くんが超困っている楽しい。
佐倉 光
そしてやっぱりドリームランドの資料欲しいなぁ。
ちゃんと調べよう……
牧志 浩太
あのルルブはあるとファンタジーな気分に浸れて楽しいですぜ
佐倉 光
このぶんだと3~4日かなぁ?
牧志 浩太
ですかね? RP盛り倒していきたいので、もしかしたらもうちょっとかかるかもですが。
佐倉 光
総合で4日はいくんじゃないかと……
盛ってこ!
牧志 浩太
盛ろう! 会話しよう!
佐倉 光
会話するのが牧志を留める手段だから、会話は大事なんだぜ!
(ってことにした)
牧志 浩太
いいと思います

牧志 浩太
ちなみに、「ごめん」は牧志、「すまない」は波照間/紅さんなのは、今回と以降もだいたい一緒です。
佐倉 光
はーい。注意しておかなきゃ。
牧志 浩太
しちめんどくさいRPでお手数をおかけします 拾わなかったからといってどうということはないので
KP
いちいち波照間さん漏れてるって指摘するのも何だしね、都度なんか考えよう……
それはそれとしてRPの意図を説明してもらえたら、佐倉が気付かなくても私がニコニコします。
牧志 浩太
わーい。ありがとうございます。>ニコニコ
ではちょこちょこ出していくことにします。

佐倉 光
たぶんバーを出てぼやっとしてたら自分が誰か分からなくなりかけた経験で、「これ一人だとヤバい」って気付いた。
牧志 浩太
あのバーの外にいた時、結構ヤバかったんですな そういうシーン今回もやっていきたいなぁ~ >一人だとヤバい
それでいうと、今回の牧志は先に佐倉くんのケースを見ているから&奪われた感覚が激しかったから、自分がおかしいだろうことに気づいていて、記憶の中の自身と照合して何がおかしいのか見つけようとしているんですよね。
KP
がんばれ牧志君……
いっぱいいろいろあるけどがんばれ……
牧志 浩太
いやぁ楽しみですね 頑張るぜ
果たして今回の手記冒頭はフラグになるのか。
KP
最後の最後に役立ったらいいなー
牧志 浩太
いいですねぇ活かしたい

KP
佐倉もいつもなら「上位存在? ふざけんな!」ってなりそうなんだけど、なんか素直に聞いてる。
牧志 浩太
そういえば確かに。佐倉くんはその辺どういう所から来てるんだろう。>なんか素直に
KP
・「上位の存在が在る」ということは今までの経験から理解した。
・利用するまでもなく色々助けてくれるから毒気抜かれてる。
・恩を受けたのは確かなので感謝の念はある。
が、合わさってあんな感じですね。
ガチでいい人達だから。
牧志と同じかコレ。
牧志 浩太
一番目はある意味知ってしまったが故かぁ。
2番目はちょっとかわいいぞ。
牧志くんのせい&牧志くんの周囲のせいで少し毒気を抜かれつつある……? >佐倉くん
KP
解毒されてる!?
牧志 浩太
「牧志くんの周囲にはいい人が多い」に上位存在まで加わっちゃったわけで
KP
ちょっとでも「力上げるからもっと踊りな?」みたいな気配を感じたらピキピキするけど、ノーデンスさんそんな感じじゃないから……
「縁があるから助けてあげるね。あ、でも最低限ね。あとは自分で頑張ってね」
そんなんだから反発する感じではない。
牧志 浩太
超越的ではありつつ、ひたすら穏やかに助力してくれますもんな、今回のノーデンスさん
KP
割と凄い事やってくれてるけどね……
牧志 浩太
そういうところはやっぱり上位存在。
KP
っていうか、簡単に村のシャン全滅させてるのに、目の前で牧志が乗っ取られるの見過ごしたの? ってのは、佐倉がファンブルしたから……ってことに
牧志 浩太
ってことに。人間もろとも全滅させるのは簡単でも、うまいこと力加減するのは難しいのかもしれませんし。
KP
お住まい遠いですからね。
牧志 浩太
そうそう。
牧志がぼんやりしている間に、
さ「こんな力があるなら、なんで牧志助けてくれなかったんだよ!」
こ「君がおかしくなったのに気を取られた隙にやられちゃったメンゴ」
さ「ぐぬぬ」
って会話してたんじゃないかな……

KP
私も続きやりたいんだよぉ~!
牧志君が何を見て何を掴むか知りたいんだ……
牧志 浩太
私も超やりたい! 佐倉くんがそんな牧志くんを見てどう思うかも、牧志くんがどうなってしまうのかも、その先に何を見て何を掴むかも、超見たい
KP
割と得て帰ろうと思えば、色々得られるシナリオ……(理想の姿とダオロスの知識)
佐倉はムキムキとはいわずとも、スポーツマン佐倉になる事だってできたかも知れない。
牧志 浩太
できたかもしれない。望むだけの知識を手に入れることも、健康な佐倉くんになることも。
でも、それよりも牧志くんを取り戻すことを優先してくれる佐倉くんが熱い。
KP
あ、後回しにしただけなんだからね!
月影くん
「……ツンデレ?」
KP
次元を越えてツッコミしてくるんじゃねぇw
牧志 浩太
そのツッコミに適役過ぎて。>次元を越えて
月影くん……佐倉が『地獄はやさしい』を経験した場合の関係者。
KP
けどまあ、牧志にはガチで好意持ってるからツンデレで間違いないな。
いつもは割と裏にある損得勘定が消し飛びがち。
牧志 浩太
損得勘定も、仕事も抜きで付き合える友人なんですよね。そのために佐倉くんが命を賭けてくれたのは本当に熱い。
KP
これから「どうして一人で行くなんて言っちゃったんだろう」って後悔しまくるかも知れないw
牧志 浩太
佐倉くんのいつにない所がいろいろ見られて楽しいなぁ~
KP
これを経た後で波照間さんと会話するのも楽しそうである。
牧志 浩太
ああー、それは楽しそう。
佐倉くんとの関係性も牧志くんの個の強さも随分と変わって、この間に牧志くんと波照間との会話も随分変わってそうではあるんですよね。
きっと、共通の友人にまつわる話ができるんじゃないかなぁ。
波照間はちょっと、兄が少し遠い所へ行ってしまったような寂しさを感じるかもしれないけど。でもその変化に否と言うことはないと思います。
KP
なるほどなるほど……
波照間さんにとってはまだ『紅さん』なのかなぁ。
牧志 浩太
牧志くんとのその後の会話を通じて、牧志くんが個を確立していっていることを知り、彼の変化を通じて波照間もちゃんと気持ちを切り替えるでしょうけど、それでも彼の「兄」は紅さんだけですからね。それはそれとして寂しさはある。
牧志くんが「後輩」で、紅さんが「兄」と、立ち位置が違うのがちょっと効いてるんですよね。
でもきっと、それは尾を引き続けるものではなくて、ちゃんと過去に対する寂しさで終えると思います。
KP
それもどっかでやりたいですよねー!
牧志 浩太
そのへんどっかでぜひやりたいなぁー!
KP
それこそダブルPC話に盛り込めたら良いな……
牧志 浩太
いいなぁ ぜひぜひ。
牧志くんと波照間はお兄ちゃん仲間でもあるんですよね。



CoC『AND/HAND』佐倉&牧志 2

仲良しデートの邪魔するのはどこのどいつだ。

CoC『静寂舞手』佐倉&牧志 9

「神頼みか、皇津様かこっちかどっちに声が届くかちょっと自信ないなー……」
「いっそどっちでもいいよ。助けてくれるなら」

【置】CoC『midnight pool』 佐倉&牧志 1

「僕の仕事、何だったんですか?」
「悪魔退治屋。報酬の多寡は分捕った金次第」
「え? 悪魔って言った? 退治? ぶんどるってそれ強盗では?」

【クトゥルフ神話TRPG】
本作は、「 株式会社アークライト  」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。

Call of Cthulhu is copyright ©1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc.
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PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION 「クトゥルフ神話TRPG」


CoC『VOID』継続『やさしい朝をくださいね』春&田尾 1

「こーいうのは誰かに肯定されて初めて、それに価値を認識し始めるものなんだから」

ゆうやけこやけ 『まいご』

こどももTRPG まいご

ダブルクロス 第五話『Blood Sword Girl』1

「そ。ほら、私ってば期待されてる新人だから?」