こちらには
『対の棲みか』
『地獄はやさしい』
ネタバレがあります。



『対の棲みか』
かなむら様 作




あるもの全て、誤りがない。


 クトゥルフ神話TRPG
「霧謬の見」


牧志 浩太
意味深な始まりでわくわくしますね

牧志 浩太

『地獄はやさしい』の事件に巻き込まれた探索者。それ絡みの割と大きな事情を抱えている。
人並み外れた頭脳を持っている。記憶に惑うこともあるが、お人好しで温厚、だが意思は強い好青年。
佐倉とは友人。

【地獄はやさしいネタバレ】牧志が抱える事情
元エピソード『地獄はやさしい』波照間

牧志はとある事件の影響で『ショゴスの【紅】』だった時期がある。【紅】はその時に悪魔使いの波照間紅と世界を救う大立ち回りをしている。
最終的に世界を救い、彼は牧志浩太として復活する事はできたが、波照間紅の記憶が85%上書きされた状態であった。牧志浩太自身の記憶はほとんど失われてしまっている。
そのため以前は悪魔使い【波照間】・強靱な【紅】としての記憶に振り回される事もあったが、最近は落ち着いてきている。

波照間が成人であり、飲酒も運転も行えるため、その記憶も持っている。
また、波照間の一人称は『僕』である。


KP
とある晴れた昼下がり。
今日は休日。あなたは郵便受けがコトリと鳴るのを聞いた、気がした。
牧志 浩太
「?」ふと、音を耳にして振り返る。それくらいのことだった。
音の源が郵便受けというのなら、何気なく手を伸ばすだろう。
KP
郵便受けには、手紙が一通。
宛名に「牧志浩太様」とあるが、明らかに 波 と書きかけた形跡がある。
牧志 浩太
その字に見覚えはあるだろうか。
KP
佐倉の字だ。
鉛筆で走りがいたような、雑な字。

佐倉 光

自らの無力さ故に、時に我を忘れて知と力を強く求めるサマナーで悪魔退治屋。(普段悪魔とアイテムに頼りきりなので本人は役立たず)
基本、知性・理性・効率、そういったものを重視する冷静な青年なのだが、興味を持った物には危険を顧みずに突っ込んでしまう危うさがある。

牧志とは友人。自分が接する危険なものに牧志を関わらせたくないと思っているが……

佐倉は悪魔退治屋になる以前、謎の病に冒され虚弱であり、病院で寝たきり生活をしていた。その時期のことを彼自身は思い出したくもないほど嫌っている。
彼が力を渇望するのはその時期の苦い記憶に起因する。


牧志 浩太
「佐倉さん?」佐倉さんが手紙なんて珍しい。佐倉さんでなくても、この昨今、手紙なんてそうそう受け取らない。
KP
奇妙な事に消印も切手もなく、投函した者の姿もない。
裏返せば、差出人のところに更に雑な字で佐倉の署名があった。
牧志 浩太
少し奇妙に思いながら、ともあれ宛名は自分で合っているようだから(違う人に送りかけた痕跡があるけども)土産物のペーパーナイフを持ってきて開封する。
KP
自室に戻りますね?
牧志 浩太
戻る前に、投函した者の姿が近くにないか確認します。あと、郵便受けに他に何かないか。
また、インターホンのカメラには投函者の姿は映っていませんか?
KP
郵便受けにあるのはそれだけだ。
郵便屋が走り去る音も聞こえなければ、悪魔の姿すらない。
インターホンのカメラが録画されているタイプのものであるならば
あなたが『音を聞いた』と思ったその時も、郵便受けに近づいた者などいないのだ。
牧志 浩太
では、自室に戻って手紙を開封します。

KP
中からは、一枚の紙と、鉛筆。
鉛筆はごく一般的なHBのもので、削られたてのように木の部分がわずかに毛羽立っている。
紙のサイズはA4くらいだろうか、きちんと折りたたまれている。
KP
鉛筆はステッドラーかな!
牧志 浩太
「……鉛筆?」手紙に鉛筆。もしかして、新しい謎だろうか。それにしては、妙に急いでいるようだけど。
紙を開いて中身を確認します。
KP
開かれた紙は、黒く塗られていた。
真っ黒ではなく、何らかの図を描いて、後で消しゴムで消したような。
どうやらそれは地図のようだ。右上に「ハルカノ工房」とだけ走り書きが残されている。
KP
地図では文具店になっているけど、工房と書いてたって事で……
牧志 浩太
文具店兼工房かもしれない
牧志 浩太
「何だこれ……、地図?」一応光に透かすなどして、黒く塗られた部分に何か書かれていないか確認します。また、消しゴムで消された部分に鉛筆の跡などはありませんか?
KP
消された部分を読み取る事はできないが、一度地図を記して、消したのだろうと見て取れる。
また、その地図は見知らぬ街を書いた物だが……
よくよく見ると、渋谷のはずれの地形にほんの少し似ている、と思える。
牧志 浩太
白い部分と消された部分を同封された鉛筆で軽く擦ってみますが、鉛筆の跡が浮いてきて読めるようになりませんか?
KP
電話だ。
牧志 浩太
「って、うわっと」すっかり謎解きモードに入っていた所に電話がかかってきて、思わず鉛筆をお手玉してしまう。電話に出る。
KP
その番号は、最近知ったばかりの佐倉の番号。
牧志 浩太
「はい、牧志です。佐倉さん?」
佐倉 光
『牧志? 牧志なのか?』
牧志 浩太
「うん、俺。牧志。佐倉さん?」
佐倉 光
『どうして……いや、それはいい……
俺は今、異常事態に巻き込まれてる。もしかしたらお前も巻き込むかも知れない。
だからさきに謝っとくぜ、悪い』
KP
その声は、いつもよりは僅かに沈んで、警戒を滲ませているように聞こえた。
牧志 浩太
「異常事態? 分かった。さっき送ってきた地図、それに関係あるのか?」
佐倉 光
『地図? 何のことだ?
俺はそんな物送ってないぞ』
本リプレイには、本シナリオの他、『地獄はやさしい』のネタバレが含まれます
本編見る!
牧志 浩太
「鉛筆で描かれた消しかけの地図と、ハルカノ工房……、いや、心当たりがないならいい。何が起きてるんだ?」
佐倉 光
『わかんねぇから『オーディエンス』! ってやってんだ。
今どこにいるのか分からん。ここに来た経緯も分かんねぇ』
牧志 浩太
「目が覚めたらいたってやつか、また」
佐倉 光
『もういい加減慣れてきたな』
牧志 浩太
「あんまり慣れたくないな」
佐倉 光
『例によってCOMPはねぇし。
呪われてるんじゃねぇかって気がするぜ……
……で、折角だし、しばらく話し相手になってくれないか』
牧志 浩太
「もちろん。どこにいるか分からないっていうけど、閉じ込められてるのか?」
佐倉 光
『いや、そういうわけじゃないが。
辺りは暗くて濃い霧に覆われてるんだ。どこかの町のようにも見えるが。
かなり近づかないと物も見えない。一寸先は闇って感じだ』
牧志 浩太
「……そういう意味の、何処か分からない、か。COMPはないんだったな、他の持ち物は?」
佐倉 光
『今が昼間だ、ってんなら、この暗さはないな……昼だろ、今。
ああ……いや、何もない、みたいだ』
牧志 浩太
「ああ、こっちは昼だ。……異界みたいだな。話を聞いていると」
自然、背筋が伸びていた。異常事態。この電話が、今の彼との唯一の繋がりだ。
佐倉 光
『正直、俺の目がおかしいのか、周りが暗いだけなのかよくわかんねぇんだよ』
牧志 浩太
「前者の可能性はあんまり考えたくないけど、考慮しとく必要はあるな」
佐倉 光
それから、と言いかけて一瞬止まる。
「さっきから『なにもない空間』がところどころにある。空地というわけではなく、奇妙な虚空が広がっているんだ。
何も存在しない、まるっきり何もない場所が、この周辺にいくつかある。
こんなのは異界でも初めてだな」
牧志 浩太
「まるで、『作られてないみたいな』そういう、感じ?」
佐倉 光
『ああ、さて、どうだろうな……
空き地というわけでもなく、まるで消されたみたいに本当に何もない』
KP
佐倉の電話から数歩歩いた音がした。
牧志 浩太
ふと、手元の地図に視線が落ちた。所々、消された、地図。
佐倉 光
『今俺の目の前に、店があるんだ。
通りと同じで、人の気配もしねぇしよく見えねぇけどな……』
牧志 浩太
「店……、看板とか、あるか? 店の名前とか。どんな店?」
佐倉 光
『えーと……
『ハルカノ工房』……って書いてある。
……と、思う』
牧志 浩太
「『ハルカノ工房』……」読み上げて、一瞬だけ、沈黙。
「佐倉さん」
佐倉 光
『どうかしたのか』
牧志 浩太
「俺の手元にある地図、佐倉さんがいる所の地図かもしれない。同じ店名が書き込まれてる」
佐倉 光
『さっき言ってたやつか。どうして俺が送った事になってるんだ? メールか? 紙か?』
牧志 浩太
「紙。A4くらいの。鉛筆書きの急いだ字、佐倉さんの字で、俺の宛名が書かれてた。なぜか、鉛筆まで一緒に入ってた」
佐倉 光
『俺の字?
俺そんな物書いてないぞ……』
牧志 浩太
「消印も切手もないから、たぶん直接投函だ。誰が入れていったのかは分からない。届いたのはたぶん、つい先程」
佐倉 光
『キナ臭ぇな……巻き込んだと思ったら、もう巻き込まれてんのか』
KP
ではそこであなたは
▶地図に対して〈目星〉
▶地図に対して【アイデア】〈母国語〉
情報は二つ出ます。
牧志 浩太
CCB<=84 〈目星〉 (1D100<=84) > 53 > 成功
CCB<=90 【アイデア】 (1D100<=90) > 31 > 成功
KP
お見事。
消したうっすらと何か建物が書き込まれていたようなあとを見つける。
何かを書き込んだあと、消しゴムで消したようだ。
筆跡から、この地図を描いたのが佐倉であると気づく。
佐倉が時々「架空の町の夢」を見ると話していたことを思い出す。
この地図はその町の特徴に似ている。
KP
既に出ていた情報もあるけど、確信になりました。
佐倉 光
夢の話、なんてそんなしょーもないの話すくらい仲良くなってんだなぁ
牧志 浩太
ですねぇ 熱中する事だけじゃなくて、なんでもない話をなんでもない時にするくらいに。

牧志 浩太
「……なあ、佐倉さん。こないだ、夢の話をしてたよな。知らない街の夢を見る、ってさ」
不意に出てきた夢の話に似合わず、語尾は鋭く声は低かった。
佐倉 光
『ああ、したっけそんな話。
疲れてるときなんかにたまに見るんだよな。
それが……』
牧志 浩太
「何度か話をして、……見覚えがあると思ったら、この地図。あの夢の話に出てきたやつに似てる」
佐倉 光
『……は? 俺の夢の地図?
……いや……言われてみりゃこの店、見覚えある、ような?』
牧志 浩太
「気のせい、かもしれないけどな。渋谷のはずれの地形に似てる気もする……。夢は記憶の整理だっていうから、その二つは矛盾にならないか」
佐倉 光
『ここ俺の夢だとしたらロクなもんじゃねぇな』
牧志 浩太
「碌なものじゃない?」
佐倉 光
『穴だらけで人っ子一人いない、昼から黒い霧に覆われた町なんて碌なもんじゃないだろ。
……あのな、牧志……
そんな碌でもない場所なのに、俺は何故かここを居心地がいいと思っている、気がするんだ。
同時に、何かが狂っていっている気もする……』
牧志 浩太
「……佐倉さん……」
佐倉 光
『歩くだけで、細切れにされていく気分だ。
ここでこうしている間にも、指先から崩れてってるみたいな嫌な感じがする』
牧志 浩太
「嫌すぎるな……。さっさと出ないと。でも、少なくともマップは手に入れたんだ。現在地も分かる。少しは前進した、はずだ」
佐倉 光
『ああ、お前に電話が繋がって、ほんと、良かったよ。
正直独りじゃお手上げだ』
牧志 浩太
「……ああ。電話、繋がってよかった」スマートフォンに充電ケーブルを刺しておきます。
KP
貴方のスマートフォンは、充電を開始する通知音を鳴らす。
佐倉 光
『さて、と。俺はこんな状態だから……情報の整理はそっちに任せる』
牧志 浩太
よし、行ける。スマートフォンをスタンドに置いてスピーカーモードにし、両手を自由にする。謎解きに使っていたノートとペンを引き寄せて、音を立てないように、掌を打ち合わせて気合を入れた。
「ああ、任せてくれ」
KP
ちなみに、電話越しでも〈心理学〉〈精神分析〉は可能です……が、お持ちじゃなかったっけ。
牧志 浩太
〈心理学〉はお持ちです 〈精神分析〉はありません
KP
ふむふむ了解。

牧志 浩太
「こんな脱出ゲームあったな。二人一組でやるやつ」
佐倉 光
『俺、ゲームあまり詳しくないんだ』
牧志 浩太
「そうなのか? ……そういえば、俺なんで知ってるんだろう。どこかで聞いたのかな。まあいいか」
もれる
佐倉 光
その割りに前回ゼルダの話とかしちゃったなって思った。
中の人が漏れる漏れる。
牧志 浩太
中の人ねぇ 漏れますね 波照間もそんなゲームに詳しくなさそうなのに漏れる漏れる(15%の記憶のせいにするPL)
佐倉 光
こーたくんゲーム嗜んでたか。
牧志 浩太
ゲーマーっぽくはないけど、波照間よりも交友関係が広そうな雰囲気なので、話題としてどこかで聞いたりちょっとやったりしてたのかな、と。
佐倉 光
みんなとスマブラとかはやってそうなかんじかー
牧志 浩太
そうそう やりこみはしないけど、集まってスマブラとかオーハン(…)とかはちょっとするくらいの

佐倉 光
『ただ、そうだな、ひとりが爆弾解体して、ひとりが説明書読んで指示するヤツなら知ってるぜ』
牧志 浩太
「それにも似てるかもな」
爆弾解体のゲーム
完全爆弾解除マニュアル : Keep Talking and Nobody Explodes
二人で行うゲーム。スチームやコンシューマで遊べる実在のゲーム。ひとりはゲーム画面で『爆弾』のみをみることができ、もうひとりは『爆弾を解除する説明書』のみを見る事ができる。
爆弾担当はトラブル対処しつつ爆弾がどういった物で、どんな計器がついているかを説明する。
説明書担当は、その説明のみで、爆弾の種類と解除方法を見つけ出して説明しなければならない。
二人のコンビネーションと経験、何より情報把握・伝達能力が大事なゲームである。
慣れるまでは死屍累々。互いに通じる符合や時間短縮の工夫を詰めていく必要がある。
面白いよ!

佐倉 光
『リアルで遭遇したくねぇな、爆弾』
牧志 浩太
「ゲームならいいけど、リアルで爆弾解体はいやだな……」
佐倉 光
『さしあたってこの目の前の店か。『ハルカノ工房』なんてリアルにゃないぜ」
「俺が知らないだけかも知れないけど』
牧志 浩太
「ああ、今の所唯一の手掛かりだ。入れそうか? 店」
佐倉 光
『ああ、鍵なんかはかかってない。人がいるかどうか……も全然わっかんねぇけどな。霧で』
牧志 浩太
「厄介だなその霧」
佐倉 光
『開けるぞ』
牧志 浩太
「ああ、頼む」
KP
金属の音がする。
牧志 浩太
向こうの物音に耳をすませる。情報量は多い方がいい。
佐倉 光
『……多分、だけど、誰もいない、と思う。
店んなかも霧でなんも見えねぇ。
……パーツショップか? ここは』
牧志 浩太
「パーツショップ? COMPの?」
佐倉 光
『いや……んー。
カオスな品揃えだな……』
KP
電話の向こうからは、色々な物品を持ち上げたり動かしたりする音が聞こえる。
佐倉 光
『うわすげぇ、子供の頃死ぬほど欲しかったポケコンがある。
こっちはレトロPC、COMPの部品に……
増設メモリに、強化パーツに……
持って帰りてぇ』
KP
佐倉が電話の向こうでため息をついた。
佐倉 光
『もう潰れてて手に入らないクソレアなパーツまである。これ俺の趣味にぴったりなもんばかり置いてるぞ。リアルでねぇのかこの店』
牧志 浩太
「やっぱり、佐倉さんの夢なんじゃないか、って気がしてきたな。なんでその地図が俺の手元にあるのか分からないけど」
佐倉 光
『ん……?』
KP
カタカタ、と何かを動かす音がする。
佐倉 光
『俺の趣味と関係ねぇもんも混じってんな』
牧志 浩太
「関係ない物? ……何があったんだ? もしかしたら、手掛かりになるかもしれない」
佐倉 光
『鏡に……珠、これ水晶か? カードに……』
KP
彼はそれらの物品について見えないなりに詳しく描写する。
【知識】/2〈オカルト〉〈人類学〉
牧志 浩太
CCB<=(75/2) 【知識】
〈オカルト〉は引き継いでいない!!  (1D100<=37) > 8 > 成功
やる気を出した!
KP
お見事!
説明されたその『奇妙なもの』は、呪術的な要素を持つものが多い、特に夢や次元に関わるものが多いようだと気づく。
牧志 浩太
「……ん?」ふと何かに気づいたように、声を上げる。
佐倉 光
『どうした?』
牧志 浩太
「それ……、何か引っかかるな。共通点があるような気がする。少し待ってくれ、思い出してみる……」
佐倉 光
『おう、その間もうちょっと見とく。
PCのパーツに呪具なんて組み合わせ、変、とも言い切れねぇか。
COMPもある意味呪具だな』
牧志 浩太
暫くして、声を上げる。「……思い出した」
佐倉 光
『おう、頼むぞ名探偵』
牧志 浩太
「夢や次元に関わる呪術に纏わる物だ。分野は少しずつ違うが、その意味では大体が共通している」
佐倉 光
『へぇ……そうなのか。
なんかここにいると頭がぼーっとして働かねぇんだよな。
やっぱ寝てんのか、俺は』
牧志 浩太
「ああ。寝ているのか、夢を見させられているのか分からないな。他に、当面の役に立ちそうな物はあるか?」
言いながら、ノートに情報を書き留めていく。
佐倉 光
『ああ……なんかメモが挟まってる。
……んん?』
牧志 浩太
「どうした? 佐倉さん」
佐倉 光
『……俺の字だな? これ。
まあ、夢の中なら、書いた覚えのないものがあっても不思議はねぇか……?
まあいい、とにかく、読むぞ』
牧志 浩太
「ああ、頼む」
KP
佐倉はメモが挟まっていた物について説明する。
大きさおよそ30センチ、10キロほどの重さの物質。
黄色い卵のような形をしており、笛の音が内側から鳴っている。
【夢のクリスタライザー】についての説明。
KP
メモの最後に、投げやりな字でこう書いてあったらしい。
一応、役立つかもと思って纏めたけど、ややこしい事になりかねないな。
このまま置いていこう。
佐倉 光
『それから……
『このメモ見たって事は、行動を再開しているんだろう。
この町には、[ペットショップ/スケートリンク/図書館/映画館]がある。
一回消したけど、牧志に再現して貰え。
そこ行く時は気をつけろ。
手がかりでもあるが、危険でもある

幸運を祈る』」

「……ってこれまるっきり書いたの俺くせぇな』
牧志 浩太
「……その書き方、佐倉さんっぽいな。身に覚えはないんだろうけど、やっぱり佐倉さんなんだな」ふ、と電話口の向こうから、微かな笑みを感じる声。
佐倉 光
『なんのこと言ってるか分かるか?』
牧志 浩太
「えっと、俺の手元にある地図なんだけど。所々消しゴムで消した跡があるんだ。何もない虚空っていうのは、そのことなんじゃないか」
佐倉 光
『なるほど?
……俺どこにいるんだマジで』
牧志 浩太
「鉛筆で描いたからか跡が残ってて、なぞれば描き直せそうだ。そのことなんじゃないか」
佐倉 光
『この店ひととおり見たけど他なんもねぇな。
外に出る』
牧志 浩太
「頼む。最悪、その呪具をどかすなり壊すなり、無効化してみることも考えよう。何が起きるか分からないから、まだ保留だけど」
佐倉 光
『面倒な事になる、って俺が書いたんなら相当なんだろうな。
本当に俺なら、だけど』
KP
ガチャガチャと金属音がした。
佐倉 光
『……で、さて、どうするか……』
牧志 浩太
「もしかしたら、今いる佐倉さんじゃなくて、夢の佐倉さんかもしれないしな。あー、でもそれだと、夢に入ろうとしてるのと向きが逆になるか」
佐倉 光
『夢の俺が俺に指示してる? ただの自問自答だな。
夢の俺か? お前に助けを求めたのは』
牧志 浩太
「ドッペルゲンガーかもしれない」
佐倉 光
『嫌な事言うなよ……COMPねーんだぞ』
牧志 浩太
冗談か何か分からない内容を言っては、えーと、と地図に向かったのか微かに紙の音。
あ、地図が書かれた紙の裏も見てみますが、特に何もない?
KP
裏には何もない。
牧志 浩太
「声だけで悪いけど、伝えておく。地図に書かれてる範囲だと、こういう風に道が走ってて、三角形と……」図形の組み合わせで地図の道の走り方を伝えようと試みます。
佐倉 光
『ふーん……さすがにここの地形と一致しているかはよく分かんねぇな、霧で見えねぇし。
ただ、さっきの店から出て多分大きな交差点のあたりで道が途切れてんだ』
牧志 浩太
「途切れてる? さっき言った虚空になってるってことか? 店の前を出てまっすぐ行った大きな交差点の、奥側だな?」
佐倉 光
『ああ、そんな感じだな……』
KP
一瞬何かを考えるような間があった。
佐倉 光
『……いや、やめとこう』
牧志 浩太
「……佐倉さん?」〈心理学〉で何を思っていたのか推し量れますか?
KP
訊くなら普通に答えてくれるけど、振ってみる?
牧志 浩太
お、じゃあ普通に聞く。
佐倉 光
『ああ……もしかしたら、写真でも撮れば、って思ったんだ。
電話が通じるなら、そういうデータも普通にそっちに飛ぶだろ?
……ただな、何故か、お前はここを見ない方が良い気がする。
理由は分かんねぇけど、な』
牧志 浩太
「そうか……。夢や呪術の話かもしれないんだ、そういう予感は大事かもな。あ、でも一つ試してみてほしい」
佐倉 光
『何だ?』
牧志 浩太
「送らなくてもいいから、写真撮れるか? 写真に映った街に霧があるかどうかで、佐倉さんの眼がおかしいのか、本当に霧があるのか分かるかもしれない」
佐倉 光
『確かに……でもそれ俺が見るんじゃあんま意味なくねぇか?』
KP
言いながら、何か操作する音がして。
牧志 浩太
「手元はちゃんと見えるんだろ、さっきの様子からして。なら、遠くが見えづらいだけなら意味は……」
佐倉 光
『……いや、やめておいた方が、良い気がするな……
根拠はないが、記録を残してはいけない気がする。
気持ち悪いな』
牧志 浩太
「うーん、そうか。
やっぱり、さっきのメモを書いたのは佐倉さんで……、忘れてるだけで、本当は色々覚えてるのかもしれないな」
佐倉 光
『記憶喪失ってことか。
思い出せば脱出できるのかもな?』
牧志 浩太
「ああ。アクセスできないだけで、記憶は残ってるのかもしれない。思い出せたら話が早そうだ。
なんで忘れたのか、が気にかかるけど……」
佐倉 光
『何だか寒気がする。急いだ方が良い気がする』
牧志 浩太
「とにかく、じゃあ方針転換、交差点の話に戻る。そこ、多分だけど、消しゴムで消されている場所だ。……試しに描き入れてみる。何か変化があったら、すぐ教えてほしい。不味かったら止める」
佐倉 光
『OK頼むぜ』
牧志 浩太
手紙に同封されていた鉛筆を手にとって、鉛筆の跡をなぞって交差点の先に建物を描き入れてみます。
佐倉 光
『……うわぁ!?』
CCB<=57 《SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1》 (1D100<=57) > 93 > 失敗
[ 佐倉 光 ] SAN : 57 → 56

牧志 浩太
「佐倉さん!?」
佐倉 光
『目の前にいきなり影が……
建物か? あれ。
よく見えねぇけど……建物っぽく見えるな。何か描いたのか?』
牧志 浩太
「……ああ、多分それで合ってる。俺が描き入れた建物だと思う。鉛筆の跡をなぞって、地図の消された所に建物を描いたんだ」

その建物が[ペットショップ/スケートリンク/図書館/映画館]のどれかは分かりますか?
佐倉 光
『待ってくれ、近づいてみる』
牧志 浩太
「ああ、気をつけて」
佐倉 光
『……』
牧志 浩太
(手掛かりでもあるけど、危険でもある、とあった。それに、“守護者” の話…… 物理的に離れてるってのも、歯がゆいな)
KP
さて、ここでルールのお話です。
牧志 浩太
おっ特殊ルールだぁ
KP
ここでの移動時、佐倉は消耗します。
あなたが何らかの方法で移動に関する補助をする場合、その消耗を抑える事ができます。
使える技能は、
道を正確に伝える〈ナビゲート〉
危険な状態から〈隠す〉〈隠れる〉
襲撃者への警戒を強める〈戦闘技能〉
などがありますが、ほか何か使えそうな物があればそちらでも構いません。
消耗するのは佐倉の正気度です。
以上、何かできそうであれば宣言の上判定して下さい。
牧志 浩太
なるほどなるほど。
〈聞き耳〉で向こうの物音を聞き、一緒に襲撃者を警戒することはできますか?
KP
なるほど。〈聞き耳〉OKです。
判定どうぞ。
牧志 浩太
CCB<=84 〈聞き耳〉 (1D100<=84) > 37 > 成功
「気をつけて。音くらいしか手掛かりがないけど、俺も一緒に警戒する……」

ふ、と息を吸う。胸に手を当て、自分の呼吸と心音を落ち着けて、電話の向こうの物音に耳を澄ませる。異界を歩く足音を思い出し、目を閉じ、全方位を警戒する。……できるはずだ。僕はそれをやったことがある。
KP
あなた自身のものではない記憶が、あなたを助けてくれる。
佐倉 光
『ああ、行くぜ……』
KP
今回佐倉の消耗はなし。
佐倉 光
『ペットショップ……のように見えるな。檻が並んでる。
硝子ケースの中にも何もいねぇけどな。
中に何があるかは入らないと分かんねぇ』
牧志 浩太
「よりによって、一番剣呑なやつ引いたな……」
佐倉 光
『あとな……
この建物の北側。なんもねぇ』
牧志 浩太
「何もない? さっき言った虚空か?」
佐倉 光
『そんな感じだ』
牧志 浩太
建物以外の場所には、何か描き入れられそうな跡はありますか?
KP
跡はないね。描くのは自由だ。
牧志 浩太
一瞬ラミアさん描いたら向こうに出るかな、と思って、何が起こるか分からないからやめておこうと思い直す。だいたい俺に絵心はないようだし。
「その辺も消されてるみたいだ。跡が残ってないから、何かあったかどうかは分からないけど。
……怖いから後回しに、って言いたい所だけど、あんまり時間かけたくないな。どうする?」
佐倉 光
『そうか、道を描いたら道が出る、建物を描けば建物が出る……ってことか?』
牧志 浩太
「ああ、それで合ってると思う。メモの内容とも、いま起きた事とも一致する」
佐倉 光
『魔法の地図だな』
牧志 浩太
「建物が落ちてきて、佐倉さんがつぶれたりしなくてよかった」
佐倉 光
『変なとこに変なもん描くなよ?』
牧志 浩太
「……一瞬考えたけど、変な事になったら大変だし、やめとくよ」
佐倉 光
『そうだな……一考に値するかも知れない』
佐倉 光
建物が降ってくる、か、そんなこともあったな……
牧志 浩太
そうそう
建物が降ってくる……真・女神転生のキャンペーン第二章第二話で、ひとり電脳世界に意識ごと放り込まれた佐倉は、降ってきた(?)ビルに潰された事がある。
佐倉 光
『ま、見てみるしかないだろう。手がかりがあるようだしな……
ひとまず中見てみる』
牧志 浩太
「ああ、頼む」

KP
がちゃり、とノブをひねる音がする。
佐倉 光
『こん中も霧まみれでよく見えねぇな……
……あぁ?
何だコレ?
俺がいる?』
牧志 浩太
「へ?」
佐倉 光
『俺が檻に入ってるぞ?
記憶に新しいな』
牧志 浩太
「前の、猫の時みたいにか?」
猫の時……『meow!!』での出来事。佐倉が檻に入っているシーンがあった。
佐倉 光
『待て、何か言ってる。
『膨らんでいる、膨らみ続ける腹の中にいる』。
『膨らむ腹や空鬼(くうき)から隠れている』……?
空鬼って何だよ、おい。
いや、聞けって俺の話。
お前何者だ?
……っ? 何だ、誰だ?』
牧志 浩太
「佐倉さん? 佐倉さん、何かあったのか?」
佐倉 光
『お前誰だ。
牧志、俺じゃない、別のヤツが……
人間、じゃねぇ、蟲?
いやサルか? 空間に穴開けてやがるぞ!?
……! おい待て! どこへ連れてく気だ!
ちくしょう、さっきからちらついてたのはこいつか!』
牧志 浩太
「佐倉さん、何があったんだ。佐倉さん!?」
KP
ただならぬ佐倉の様子に、何かが起きた、それを佐倉は止められなかった事が伝わるだろう。
[佐倉]《SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1D3》 [牧志]《SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1
牧志 浩太
CCB<=58 《SANチェック》 (1D100<=58) > 26 > 成功
佐倉 光
CCB<=56 《SANチェック》 (1D100<=56) > 80 > 失敗
1d3 (1D3) > 1
[ 佐倉 光 ] SAN : 56 → 55

牧志 浩太
佐倉さん、佐倉さん、と呼びかける。呼びかけることしかできない。向こうで何が起きているのか見えないのが、歯痒くてならなかった。
佐倉 光
『ああくそ、逃げられた。
悪い、牧志。なんか色々起きた』
牧志 浩太
「いや、いいよ。詳しく教えてほしい」
佐倉 光
『ああ、ちょっと待ってくれ……
まず、この店には、俺そっくりのヤツがいて、檻に入ってた。
そいつは、なんか、言ってたな……膨らむ? 腹がどうとか』
牧志 浩太
「さっきの、膨らみ続ける腹の中にいる、膨らむ腹や空鬼(くうき)から隠れている……、ってやつか」
佐倉 光
『そう、それだ。空鬼ってのがなんのことかはよくわかんねぇが。
そうしたら、蟲とサルのあいのこみてーな悪魔が来て……
……檻やぶって、中の俺っぽいヤツを引き裂いた空間の向こうへ連れてった。
……この説明で分かるか?』
KP
少し、自信のなさそうな声。
牧志 浩太
「ちゃんと把握できてるか自信はないけど、想像はできる。連れていかれたそいつは? 消えちゃったのか?」
佐倉 光
『ああ、消えちまったよ。今はもうどっちもいない。
ただな、俺がこっちにいる間。
たまに視界の端でちらついてたヤツがいた気がした。それ、あの悪魔のような……あいつだ。
俺はアイツを見ていたんだ』
牧志 浩太
「霧だらけでよく見えないのに、そいつは見えたのか……」
佐倉 光
『だから、気のせいかも知れない、と思ったんだ。
ただ嫌な気配はしていたからな……
それと、もうひとつ。
クソどーでもいいことなんだけど、いなくなった方の俺、妙に体格が良かった』
牧志 浩太
「いや、この状況だし情報は何でも欲しいな。体格?」
佐倉 光
『健康そうに見えたな、うん。
檻に入ってたわりにな。
ぶっちゃけ今の俺より強そうだった』
牧志 浩太
「……まさか、ショゴスじゃないよな……。いや、だが、俺は外見は同じだったか……」電話口の向こうで何か小さく呟いた。
佐倉 光
『そうだな、強いて言えば……』
牧志 浩太
「しいて言えば?」
佐倉 光
『病院にいた頃の俺が、そうだったらいいと思った俺、かも、しれない。
相変わらず根拠はねぇけどな……
って、病院とか言ったって意味わかんねぇよな?」
どうだろう、波照間さんにもおそらく話した事はないのではないだろうか。
「俺、昔病弱でさー、ずっと寝たきり生活してたんだよ。
そん時、まあ色々あって、思ったわけよ。『健康に生まれたかったな』って。
今はこーして元気だからあんま関係ねーけどな』
牧志 浩太
何気ない調子で言いだされた言葉に、微かに息を呑む音が聞こえるだろう。……それは確かに、聞いたことのない話で。でも、ふと。一番最初のあの日の全てが始まった後の時の、うずくまっていた彼の姿を……、思い出した。
「そうだったのか……」
貧弱なボウヤ
牧志 浩太
聞いたことはないはずだけど、覚醒時(ガキの時)に、覚醒前の佐倉くんに一度だけ会ってるんですよね。>波照間
佐倉 光
そうそう。みっともないとこは見られてる。
あと、交差点で泣いてるとことか。
牧志 浩太
覚醒時だから印象は強く残っていると思うし、その様子を思い出して符合するんじゃないかな、と思って表の感じになりました。
佐倉 光
捨てろよそんな黒歴史!!
忘れていいぞ!!
牧志 浩太
印象強い出来事があった時のことって強く覚えちゃうよね!

佐倉 光
『うん、まあそんな大事な話じゃないからそこは忘れてくれていいぞ。
ただ、さっき連れてかれた俺が、俺の理想とか、希望とか、そーゆーもんだったかも知れないってことだよ』
牧志 浩太
「あー、何かごめん。で、そうだとすると、さっきの店もそうだっただろ、あったらいいなって感じのさ。断定とか思い込みはいけないけど、可能性としてはあるかもしれない」
KP
気付いていそうですが、一応【アイデア】どうぞ。
牧志 浩太
CCB<=90 【アイデア】 (1D100<=90) > 36 > 成功
KP
あなたは、佐倉が今いるという謎の世界は、
『佐倉が願うものが存在する』のではないかと思う。
牧志 浩太
「……居心地がいいような気がする、って言ったよな。そういうことかもしれない。願うものが存在する夢の中なら」
佐倉 光
『なるほど……? 俺の意のままってことか?
そんなふーには見えねぇけどな。
つーかむしろ、そっちの地図に書いたもんが出てるんだろ?』
牧志 浩太
「可能性はある。ほら、あるだろ。明晰夢の操り方みたいなの。夢の中で夢だと気づけばいいってやつ。もしかしたら、夢を作る時点で思い通りパワーが尽きたのかもしれないけど」
佐倉 光
『意味ねぇじゃねぇか……』
牧志 浩太
「でもこの地図、字からしたら元々佐倉さんが描いたはずなんだよな」
佐倉 光
『……ふーん……
俺にはピンとこねぇが』
牧志 浩太
「……ちょっと試してみようか。こっちで何か描いたらそっちに出てくるのかどうか」
佐倉 光
『ああ、頼む』
牧志 浩太
「生き物は何かあったら困るし、描ける自信がないな…… うーん」迷って、何もない所に雪だるまを描いた。
佐倉 光
『……
なんかいきなり雪だるまが出てきた』
牧志 浩太
「え、本当に出たのか? 雪だるま」
佐倉 光
『脳天気な顔がちょっとムカつく』
牧志 浩太
「ごめん、他に描ける物が思い浮かばなかったんだ……」
KP
電話の向こうから「ヒーホー!」という声が聞こえてくる。
牧志 浩太
うーん、魂の兄弟の声がする。
佐倉 光
『へぇ……そっちに描いたもんがこっちに出るのか。
ますますどこだよここ……』
牧志 浩太
「でもそうすると、俺が自由に描いても反映されるみたいだな。佐倉さん、何か欲しい物あったら言ってくれ。努力はする」
佐倉 光
『欲しいもの、ねー。
自由とか』
牧志 浩太
「それ絵に描くのは難しい」
佐倉 光
『絵で描ける物? 大体ペットショップはどうしてペットショップになったんだ?』

牧志 浩太
ペットショップ、鉛筆の跡にはペットショップと分かる物が含まれたりしていましたか? 建物の四角だけ?
KP
四角だけ、でしたね。
線をなぞったんですよね?
牧志 浩太
です。
KP
あ、そうそう、一応念のため訊くけど
雪だるまは、とにかく何も考えずに「雪だるまを描いた」でいいかな?
牧志 浩太
お?
であってます。とりあえず描けそうな物を描いた感じ。
KP
はい了解ー

牧志 浩太
「そうなんだよな。俺は建物らしき四角をなぞっただけで、ペットショップと分かるものはなかったはずだ」
佐倉 光
『へー、じゃあなんでそいつはペットショップになったんだろうな?
牧志がなぞっただけだっていうなら、前に描いたヤツのせいか?』
牧志 浩太
「かもしれない。この地図を描いた? 佐倉さんは、ここにどんな建物があるか知っていたようだし」
佐倉 光
『描いた物が出る、というよりは、考えた物が出る、って感じか?』
牧志 浩太
「考えたもの……、そうだ、さっき声が聞こえたよな。そっちに出てきたのは、ただの雪だるま? 魂の兄弟、あー、じゃない。ジャックフロスト?」
佐倉 光
『また寒気がしてきたな……
ああ、雪だるまのせいじゃないぞ』
牧志 浩太
「って、あんまり考えてる時間もなさそうだな。そこには他に何もなさそう? なら、次をなぞってみる」
KP
ぶっちゃけ、どっちが意識にのぼっていたか、ですね。>魂の兄弟かどうか
牧志 浩太
なるほど。じゃあ思わず魂の兄弟を連想してしまっていたかもしれない。
佐倉 光
『あからさまなジャックフロストだぞ。
一瞬悪魔が出たかと思った』
牧志 浩太
「俺が描いたのは……、ただの雪だるまだ。手がついてて、丸が二つのやつ。考えた物っていうの、案外合ってるのかもしれない」
佐倉 光
『なるほど……』
牧志 浩太
「ちょっと、試してみる」図書館のことを考えながら、四角をなぞってみます。
佐倉 光
『……!
通りの向こうに、またビルが出てきた』
牧志 浩太
「図書館の事を考えながら、なぞってみたんだ。それが図書館だったら、合っているかもしれない。さっきのは多分、何も考えなかったせいで、一番最初の物を連想してしまったのかもしれない」
佐倉 光
『なるほど……?』
牧志 浩太
「COMP出せないかな……」試しに、佐倉さんのCOMPを描き入れてみる。
佐倉 光
『おっ。
COMPだな!』
牧志 浩太
「やった。動きそう?」
佐倉 光
『……うーん、駄目だな、電源入らねぇ。
くそ、またイージーモードじゃねぇ』
牧志 浩太
「駄目かー……。残念。イージーモードになるかと思ったんだけど」
佐倉 光
『けど、段々分かってきたな。頼りになるじゃん、名探偵。
このまま頼むぜ』
牧志 浩太
「ああ、上向いてきた。頑張ろう、名助手!」
佐倉 光
『おし、次行くか!』
牧志 浩太
「ああ!」
向こうの音に耳を澄ませながら、電話越しに声を合わせると、佐倉さんがすぐ横にいるような気がした。
佐倉 光
『お前に電話して良かったよ』
牧志 浩太
「俺も、佐倉さんの電話を取れてよかった」
動ける。話せる。横にいる。大丈夫だ、行ける!
KP
果てなき距離と空間を隔てた二人はともに歩き出す。

KP
本日はここまで!
移動判定は次回!
牧志 浩太
お疲れ様でしたーーー! 佐倉くんと牧志くんがバディになってる!
「お前に電話して良かったよ」がとても大きい
KP
いやー、こういうのも楽しいなぁ。
KP見てて割とハラハラしている!
牧志 浩太
楽しいですねー! このシステムは面白い
KP
ああもうなんも言えん。
続きが楽しみです! としか!
牧志 浩太
割とハラハラしてるんですか 一体何が起きてるんだ 怖いし楽しみだ
KP
割と、この二人にそれぞれマッチしてるよこのシナリオ。
3話通しての話ですけども。
牧志 浩太
楽しみだけど怖ぁ でもすごく楽しみですな????


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