こちらには
『ようこそ! 迷冥市役所都市伝説課へ!』および
『よ⇔×そ! 迷▼≠役∀都市▱説課へ!』の
ネタバレがあります。
本編見る!
KP
心地よい眠気があなた達の意識を、頭の底の方から包み込んでゆく。
意識が、落ちていった。
意識が、落ちていった。
KP
「次は迷冥市役所前~、迷冥市役所前~。お降りのお客様は…….」
アナウンスが聞こえる。目を開けるならば、そこはいつも通りの電車の中だった。
アナウンスが聞こえる。目を開けるならば、そこはいつも通りの電車の中だった。
柘榴
「んん……きさらぎさん……」
KP
空は明るく、街はどこも壊れていない。
あなた達が知るカフェの位置はいつも通りで、“神様”の姿もない。
あなた達が知るカフェの位置はいつも通りで、“神様”の姿もない。
枇榔
「むにゃ……」
柘榴
「ん……あれ……
夢?」
夢?」
枇榔
記憶は残ってる感じです?
KP
電車の中を埋める人々の喧騒が、なんだか懐かしいとすら感じるだろう。ああ、自分たちは無事に戻ってきたのだと安堵する。
自分たちのよく知る迷冥市へ。
自分たちのよく知る迷冥市へ。
KP
※というわけで、向こうの世界での記憶は全て残っています。
枇榔
「えーっと……」
柘榴
「ここは……ボクたちの」
枇榔
「だといいんですけど」
柘榴
「……覚えてるの?」
枇榔
「覚えてますね。ついさっきまでのことみたいに」
柘榴
「そっ……か……」
枇榔
隣に座ってるひとはいるかな?
KP
枇榔の隣には柘榴、柘榴の隣には枇榔。
その横は、少し座席が空いていて、知らない人が座っている。
その横は、少し座席が空いていて、知らない人が座っている。
柘榴
お互いもたれ合うように寝てたね。
枇榔
知らない人に、なんとなく
「あの、すみません。私たち、どこから乗ってきましたっけ?」
なんて
「あの、すみません。私たち、どこから乗ってきましたっけ?」
なんて
KP
「え? いや知らないなあ。俺も寝てたし」
『迷冥市役所前に着いたら起こしてください』と書かれたTシャツを着たその人は、寝そうな目を擦って返す。
『迷冥市役所前に着いたら起こしてください』と書かれたTシャツを着たその人は、寝そうな目を擦って返す。
枇榔
「あ、そうですか。……ところで、次は市役所前ですよ」
KP
「おっと、いかんいかん」
その人は慌てて荷物をまとめて立ち上がる。
電車が次第に速度を落としていく。
その人は慌てて荷物をまとめて立ち上がる。
電車が次第に速度を落としていく。
柘榴
超ローカルで便利なシャツだなぁ。
KP
プシュー。
空気の漏れる音がして、電車のドアが開く。
空気の漏れる音がして、電車のドアが開く。
枇榔
「……これ、なんて報告します?」
SCARを背負い直して立ち上がる
SCARを背負い直して立ち上がる
柘榴
「うーん……神様を倒して世界を救いました?
神様を倒した、は違うなぁ」
神様を倒した、は違うなぁ」
KP
あなた達は、電車を降りますか?
枇榔
「……あ」
ぴたりと自然と足が止まった
脳裏に、あの言葉
『電車を降りないで』
自然と柘榴の袖を掴んでいた
ぴたりと自然と足が止まった
脳裏に、あの言葉
『電車を降りないで』
自然と柘榴の袖を掴んでいた
柘榴
「……あ……そっか」
足を止める。
「え、でも、それってつまり……?」
扉上の路線図を見上げる。
足を止める。
「え、でも、それってつまり……?」
扉上の路線図を見上げる。
KP
この列車は環状線だ。
降りなければ、どこかで一巡して、まあ何だろう。
たまにうっかり車庫に行くやつもいるけど。
降りなければ、どこかで一巡して、まあ何だろう。
たまにうっかり車庫に行くやつもいるけど。
枇榔
「なんで、なんでしょうね」
柘榴
「いつ降りればいいんだろうね?」
もう一度席に座る。
もう一度席に座る。
KP
『電車を降りないで』
そう、誰かに言われたことを思い出す。
このまま乗り続けたとしてもただ、いつも通りの街並みを眺め続けるだけ。
そう分かっているのに、あなた達は電車に乗り続ける。
柘榴
ぼうっと見慣れた町並みを見つめ続ける。
KP
頭ではわかっているが、どうにも引っかかることがあるのだ。
だからこそこうして電車を降りずにいる。
しばらく揺られて景色を見る。少しずつ客が減り、住宅街を過ぎたあたりでまた乗って。
ぐるぐる。
ぐるぐる。
だからこそこうして電車を降りずにいる。
しばらく揺られて景色を見る。少しずつ客が減り、住宅街を過ぎたあたりでまた乗って。
ぐるぐる。
ぐるぐる。
柘榴
「サボりだ、って怒られちゃうね」
枇榔
「……」
KP
……
ザザッ── と、放送設備が鳴った。
ノイズの混ざったアナウンスが入る。
ザザッ── と、放送設備が鳴った。
ノイズの混ざったアナウンスが入る。
柘榴
「ん」
「次はきさらぎ、きさらぎ」
柘榴
「あれれ」
KP
柘榴。
気づけばここには、あなたしかいなかった。
隣にいたはずの、枇榔の姿はない。
気づけばここには、あなたしかいなかった。
隣にいたはずの、枇榔の姿はない。
柘榴
「きさらぎさん?」
どの、きさらぎさん?
どの、きさらぎさん?
KP
先ほどまでいた電車の人々は、忽然と姿を消している。
電車はゆっくりと失速していき── やがて一つの駅へと止まる。
電車はゆっくりと失速していき── やがて一つの駅へと止まる。
柘榴
「……きさらぎ駅」
席を立って扉の前へ。
駅の名前が読みやすいように。
席を立って扉の前へ。
駅の名前が読みやすいように。
KP
そこは、真っ暗な無人駅のような気味の悪い場所だった。
扉の前に進み出れば、朽ちかけた駅名標が目に入る。
『きさらぎ』と読めるような読めないような、そんな文字を描いていた。
電車は止まり、扉を開く。
扉の前に進み出れば、朽ちかけた駅名標が目に入る。
『きさらぎ』と読めるような読めないような、そんな文字を描いていた。
電車は止まり、扉を開く。
柘榴
「きさらぎさァん」
声を上げる。
声を上げる。
KP
遠くのベンチに誰かが座って、ぼんやりと暗い空を眺めている。
呼ぶ声を聞いてか、赤い瞳をこちらに向けて少し驚いた顔をするだろう。
呼ぶ声を聞いてか、赤い瞳をこちらに向けて少し驚いた顔をするだろう。
柘榴
「あっ、やっぱりきさらぎさんだ」
KP
「おどろいた、こんなところにやってくるなんて」
瞳を細めて笑うのは「きさらぎ」だ。
彼はあなたを見て、不思議そうに首をかしげている。見知らぬ人を見るように。
瞳を細めて笑うのは「きさらぎ」だ。
彼はあなたを見て、不思議そうに首をかしげている。見知らぬ人を見るように。
柘榴
「うん、センパイが迎えに行けって(超意訳)」
きさらぎ
「先輩? 君は誰だい?」
柘榴
「ボクは柘榴だよ。
えーっと、あなたが救ってくれるはずだったラクガキ。
……の、救って貰ったバージョン、っていうか。
203号室にうろうろしてた、半端者の怪異だよ」
えーっと、あなたが救ってくれるはずだったラクガキ。
……の、救って貰ったバージョン、っていうか。
203号室にうろうろしてた、半端者の怪異だよ」
枇榔
並行世界のきさらぎさんなのかな
柘榴
たぶんそう
きさらぎ
「……?」あなたの名前を聞いて、彼は不思議そうに首をかしげる。
「不思議だね。
初めて聞いたはずなのになんだか、懐かしい気持ちになるよ」
「不思議だね。
初めて聞いたはずなのになんだか、懐かしい気持ちになるよ」
柘榴
「ボクにとってのきさらぎさんは、お父さんなんだ」
きさらぎ
「そう……、なのかい?」
柘榴
「うん」
子供のように頷く。
「こっちでもそうなれば、良かったな……ってそれどころじゃないや」
子供のように頷く。
「こっちでもそうなれば、良かったな……ってそれどころじゃないや」
きさらぎ
彼があなたを見る眼はどこか頼りなく、見知らぬ者を見る眼をしていた。
彼はきっと、あなたの記憶そのものを持っていないのだろう。
彼はきっと、あなたの記憶そのものを持っていないのだろう。
柘榴
「色々間違っちゃった『かみさま』はもう、いないよ……
帰ろうよ」
帰ろうよ」
きさらぎ
「何処へだい?」
彼は、不思議そうに眼をまたたく。
彼は、不思議そうに眼をまたたく。
柘榴
「あなたがいた所へ。
人の噂の中へ。
囁かれる怪奇の中へ。
迷冥市役所都市伝説課へさ」
扉から手を差し伸べて招く。
人の噂の中へ。
囁かれる怪奇の中へ。
迷冥市役所都市伝説課へさ」
扉から手を差し伸べて招く。
きさらぎ
「都市──」
彼は、大きく眼を見開いた。
それから「ああ、」と言葉を漏らす。
「そうか、君は。
ありがとう、こんなところまで迎えに来てくれたんだね」
ベンチから立ち上がり、彼はそう、柔らかく微笑んだ。
頼りなく揺らいでいた姿が、眼が、形を取り戻していく。己を取り戻していく。
あなたの知る彼の姿へ。
彼は、大きく眼を見開いた。
それから「ああ、」と言葉を漏らす。
「そうか、君は。
ありがとう、こんなところまで迎えに来てくれたんだね」
ベンチから立ち上がり、彼はそう、柔らかく微笑んだ。
頼りなく揺らいでいた姿が、眼が、形を取り戻していく。己を取り戻していく。
あなたの知る彼の姿へ。
柘榴
「そっちじゃちょっと巡り合わせが悪かったみたいだけど……ね」
きさらぎ
「厄介事に巻き込んでしまってごめんね、柘榴。
ありがとう」
彼はあなたのもとへと近づいてきて、扉越しに数度、子供を褒めるように頭を撫でた。
ありがとう」
彼はあなたのもとへと近づいてきて、扉越しに数度、子供を褒めるように頭を撫でた。
柘榴
「ボクの方が助けられてるから、たまにはね」
きさらぎ
「そんなことはないさ、きっと。君はきっと助けているよ。私達を、いつもね」
柘榴
「うん、ボクたちは職員さんだから」
きさらぎ
「そうか。そうだね、そうだったね、柘榴」
彼はこちらへ踏み出すことなく、もう一度、名残を惜しむようにあなたの頭を撫でた。
彼はこちらへ踏み出すことなく、もう一度、名残を惜しむようにあなたの頭を撫でた。
柘榴
乗らなくても大丈夫、ってことかな。
彼が自分を取り戻すことさえできれば。
彼が自分を取り戻すことさえできれば。
きさらぎ
「さぁ、帰らなきゃ。さよなら柘榴。
君が幸せに生きていけるように」
その時あなたは気づくだろう。
この電車は、この扉はこの世界とあの世界の境だ。
世界は再び、分かれていく。
それでも、あなたの言葉で「きさらぎ」たることを取り戻した「きさらぎ」は、あの世界で、人々と共に歩んでいくのだろう。
君が幸せに生きていけるように」
その時あなたは気づくだろう。
この電車は、この扉はこの世界とあの世界の境だ。
世界は再び、分かれていく。
それでも、あなたの言葉で「きさらぎ」たることを取り戻した「きさらぎ」は、あの世界で、人々と共に歩んでいくのだろう。
柘榴
「こっちはもう大丈夫。
枇榔もいるから。
きさらぎさんたちも、元気でね」
枇榔もいるから。
きさらぎさんたちも、元気でね」
枇榔
やったぜ
柘榴
ここでも降りるなってことだったんだろうね。
きさらぎ
「ああ。元気でね、柘榴。枇榔」
柘榴
手を振る。
KP
瞼が、少しずつ下がっていく。眠気が襲う。
ああ、お別れだ。
寂しい、というのは確かで、それでも自分がよく知る場所へと帰る感覚。
もう二度と会うことのない彼へ、さよならを。
ああ、お別れだ。
寂しい、というのは確かで、それでも自分がよく知る場所へと帰る感覚。
もう二度と会うことのない彼へ、さよならを。
柘榴
「さよなら、きさらぎさん……みんな……」
ふらりと席に座り込む。
ふらりと席に座り込む。
KP
『きさらぎ』の姿が遠くなる。
走り出す電車が、あなたをどこかへ運んでいく。
走り出す電車が、あなたをどこかへ運んでいく。
KP
ふと、目を開けると、そこは前と同じ電車の座席。古ぼけた赤い電車ではなく、元々乗っていたままの電車。
枇榔の隣で、すっかり眠りこけていた柘榴が目を開いた。
「次は迷冥市役所前~、迷冥市役所前~、」
再びアナウンスが聞こえる。
ああ、今度こそ降りる時のようだ。
枇榔の隣で、すっかり眠りこけていた柘榴が目を開いた。
「次は迷冥市役所前~、迷冥市役所前~、」
再びアナウンスが聞こえる。
ああ、今度こそ降りる時のようだ。
枇榔
「……あ、起きました?」
肩の上で身じろぎを感じて、声を掛ける
肩の上で身じろぎを感じて、声を掛ける
柘榴
「んん……きさらぎさん……」
枇榔
「もうすぐ、市役所前ですよ」
柘榴
「あれぇ……?」
枇榔
「……結局、何もありませんでしたね。
御先さん、なんであんなこと言ったんだろ」
御先さん、なんであんなこと言ったんだろ」
柘榴
「夢……?」
柘榴
ループかな??
KP
ループ(環状線の意)
柘榴
だれうま
枇榔
「結局3周くらいしちゃいましたよ」
柘榴
「ここは……ボクたちの……だよね?」
枇榔
「そうですよ。さっき戻って来たじゃないですか。
それで結局降りないでみたけれど、何もなくって。
先輩は寝ちゃうし」
それで結局降りないでみたけれど、何もなくって。
先輩は寝ちゃうし」
柘榴
「ボク、あっちのきさらぎさんに会ってきた……と思う」
枇榔
「え?」
柘榴
「たぶん」
KP
今度はローカルTシャツの彼はおらず、同じ席には「石田散薬」と書かれたTシャツの男が座っている。
柘榴
「ずっと乗ってたらきさらぎ駅に着いてさ」
ってかくしかしよう。
ってかくしかしよう。
柘榴
石田。
枇榔
日野の近くなのかな
KP
Tシャツはシナリオに関係ありません。
KPが変なTシャツ好きなだけです。あとループじゃなさを出したかった。
KPが変なTシャツ好きなだけです。あとループじゃなさを出したかった。
枇榔
ただの土方歳三好きな人だった
KP
石田散薬ぽち袋とかはあるみたいだし、お土産品かもしれない。
枇榔
「そうなんですか……? 先輩、ずっと寝てましたけど」
柘榴
「ボクの夢? うーん……」
枇榔
「でも、それが本当だったら良かったですね」
柘榴
「まあ……そうだったとしても、ボクが覚えてたらきっと向こうのきさらぎさんもいずれ帰ってきてくれると思う。
囁く噂の中に在るものだからね、都市伝説は」
囁く噂の中に在るものだからね、都市伝説は」
枇榔
「そうですね」
言って、立ち上がる
両肩のSCARを背負い直し
「それじゃ、今度こそ帰りましょうか」
言って、立ち上がる
両肩のSCARを背負い直し
「それじゃ、今度こそ帰りましょうか」
柘榴
「うん、降りよう。
ボクたちの迷冥市に帰らなきゃ」
ボクたちの迷冥市に帰らなきゃ」
枇榔
「あ、それで報告の件なんですけど―――」
なんて話しながら、電車が速度を落としてゆくのを感じる
なんて話しながら、電車が速度を落としてゆくのを感じる
KP
電車は次第に速度を落とす。
プシュー。
ドアが開いた。
プシュー。
ドアが開いた。
柘榴
ホームに降りる。
「……引っかけとかないよね?」
「……引っかけとかないよね?」
KP
ホームに降りれば、清々しい朝の光があなた達の顔を照らした。
澄んだ空気の中に、見慣れた市役所の建物が見える。
澄んだ空気の中に、見慣れた市役所の建物が見える。
柘榴
「ボクなんだかんだでまだセンパイのこと良く分ってないからさぁ。
こういう時にイタズラとかするひと?」
こういう時にイタズラとかするひと?」
枇榔
「何言ってんですか」
KP
するかもしれないなー、とは思うが、洒落にならない悪戯は、まぁ、内輪ではやらないんじゃないかな? なんて思ったりもする。
内輪以外? しーらない。
内輪以外? しーらない。
柘榴
ヒャッ
枇榔
「私たちのことも含めて、本当に全部分かってる人なんて、いませんよ。
―――都市伝説なんですから」
笑って、改札へと向かう
―――都市伝説なんですから」
笑って、改札へと向かう
柘榴
「んー、まあ、そうだね」
こちらも改札へ。
こちらも改札へ。
KP
いつもの改札にカードをタッチすると、いつものように改札機の扉が開く。
枇榔
こちらの肩から下がるものに何故か注意も払わない、交番の警察官の前を通り過ぎて
KP
市役所の建物に入って、奥の廊下へ入って、数回曲がれば。
見慣れた都市伝説課の扉がある。
見慣れた都市伝説課の扉がある。
枇榔
そのノブに手を掛けて、ほんのいっとき、隣に立つ彼の顔を見やる
柘榴
にこりと微笑んで目を合わせる。
枇榔
それに微笑みを返して、ノブを回す
柘榴
「ただいま戻りました!」
枇榔
「戻りました!」
KP
ノブが回る。
扉を開けば、『きさらぎ』が一人で書類整理をしていた。
扉を開けば、『きさらぎ』が一人で書類整理をしていた。
柘榴
「ただいまー、きさらぎさん!」
きさらぎ
「お帰り。随分早かったんだね」
『きさらぎ』は、いつもと変わらない様子で微笑む。
『きさらぎ』は、いつもと変わらない様子で微笑む。
柘榴
「ええー、もんのすごく大変だったんですよ!」
きさらぎ
「そうかい? 三十分も経っていないじゃないか」
柘榴
「おおー、怪奇現象」
枇榔
「体感時間では3日間くらい経ってるんですけどね」
肩をすくめる
でも、そんなもんなんだろう
なんたって、都市伝説なのだから
肩をすくめる
でも、そんなもんなんだろう
なんたって、都市伝説なのだから
御先稲荷
「ただいまー! あれ、早かったね?」
その後ろから、御先稲荷が元気よく入ってくる。
その後ろから、御先稲荷が元気よく入ってくる。
枇榔
「あ、御先さん。おかげで助かりました」
御先稲荷
「えっなになに? 何かしたっけ?」
柘榴
「三日分頑張ったのでごほうびください」
きさらぎ
「はいはい。報告書類書いてからね」
御先稲荷
「えっなになに、お菓子?」
きさらぎ
「御先稲荷にじゃないよ。まあ、いいけど」
柘榴
「ほーこくしょですかぁ。
語れば長いお話なんですよね」
語れば長いお話なんですよね」
きさらぎ
「それじゃ、短めの要約で」
柘榴
「世界が平和になりました」
枇榔
「ですね」
柘榴
「……だめ?」
きさらぎ
「……」きさらぎはふと、あなた達の眼を見た。
「はいはい。今回はそれでいいとしましょう。
でも、報告書のフォーマットでお願いね」
「はいはい。今回はそれでいいとしましょう。
でも、報告書のフォーマットでお願いね」
柘榴
「はぁい……」
柘榴
クールだった『先輩』はどこへやらだな。
枇榔
「あ、私は備品(SCAR)の整備があるので、そちらは先輩にお任せしますね」
ちゃっかり言って、手慣れた様子でロッカーを開けている
ちゃっかり言って、手慣れた様子でロッカーを開けている
柘榴
「えっずるい」
きさらぎ
「こらこら、先輩に押しつけないの。一人でやる時に困るよ」
柘榴
「そうだよー。そろそろ覚えないと」
きさらぎ
あなたがロッカーをいつものように開けると、そこには隠し武器庫の代わりに外された電車の扉が入っていた。
きさらぎからの「ダメです」というメッセージだろう。
きさらぎからの「ダメです」というメッセージだろう。
枇榔
「……」
柘榴
「電車を降りてはイケマセン」
御先稲荷
「あーあ、ダメですだってー」
枇榔
「私たち、二人で一つなのに……」
柘榴
「だから二人でやろうね」
きさらぎ
「そういうこと。済ませたら昼食連れていってあげるから」
柘榴
「わーいやったぁ! ボクカレーがいい!」
きさらぎ
「いいよ。和風カレー? 欧風カレー? スパイスカレー?」
枇榔
「私は和風で!」
柘榴
「和風!!」
枇榔
被った
きさらぎ
「了解。それじゃ、頑張って済ませようね」
柘榴
「頑張りまーす!」
枇榔
「しょうがないなー」
柘榴
真面目に書くととんでもねー文章量になるな。
御先稲荷
「ねぇねぇ、カレーせんべい欲しい」
きさらぎ
「服を油染みだらけにするからダメ」
御先稲荷
「えぇー」
柘榴
どんな食べ方してるのセンパイ
枇榔
「カレーせん、美味しいのこないだ見つけましたよ」
御先稲荷
「えっ本当?
教えて教えてー」
教えて教えてー」
枇榔
「駅前のコンビニで―――」
なんて話しながら、PCを立ち上げる
飴色のブラウン管モニターが乗った、一見年代物のPCが立ち上がるのを待ちながら
※多分、IBM5100とかの都市伝説級のPCだったりするんだろう
※未来人ジョン・タイターが探しに来たやつ
なんて話しながら、PCを立ち上げる
飴色のブラウン管モニターが乗った、一見年代物のPCが立ち上がるのを待ちながら
※多分、IBM5100とかの都市伝説級のPCだったりするんだろう
※未来人ジョン・タイターが探しに来たやつ
柘榴
「ちょっとぉ~真面目にやって」
そんなことをワイワイ話しつつ
そんなことをワイワイ話しつつ
枇榔
都市伝説って、超越的なのに、その危うさも思い知った出来事だった
そんな所感もそれとなく入れようかな、と向こうのきさらぎさんの件を打ち込んでから、ふと、隣に座る柘榴の顔を見やる
書き残すべきか、どうか
そんな所感もそれとなく入れようかな、と向こうのきさらぎさんの件を打ち込んでから、ふと、隣に座る柘榴の顔を見やる
書き残すべきか、どうか
柘榴
「……どうかした?」
枇榔
「……いえ、なんでも」
柘榴
「んー、うーん、ここはもう少し臨場感を……」
枇榔
BackSpaceキーを押し下げ、その件をざっと消去し
「……そんな丁寧に書いてたら、カレーが晩御飯になっちゃいますって」
「……そんな丁寧に書いてたら、カレーが晩御飯になっちゃいますって」
柘榴
「あっそれはこまる」
KP
【幸運】に失敗するといらんところまで消してしまって悲しみを味わう。
枇榔
CCB<=90 【幸運】 (1D100<=90) > 3 > 決定的成功/スペシャル
柘榴
つよいいしが
枇榔
めっちゃ正確だった
KP
強い! ついでに筆が進んだ。
エンディングですがせっかくなので成長チェックして構いません。
エンディングですがせっかくなので成長チェックして構いません。
枇榔
ありがとうございますw
枇榔
自分たちのことも、あまり触れないでおくかw
ただ時の神をやっつけました
ただ時の神をやっつけました
柘榴
じゃあこちらはその文に目を通して、何も言わないでおく。
枇榔
確かにその神が滅せられたことだけは、しっかりと『記録』しておく
ロアとして、残るように
そんな感じでいいかな?
二人で目配せしつつ、『報告』の内容を書き留めた
ロアとして、残るように
そんな感じでいいかな?
二人で目配せしつつ、『報告』の内容を書き留めた
きさらぎ
「きさらぎ」は報告書を見て、うん、と頷くと、あなた達を昼食に連れていってくれるだろう。
そしてまた、いつもの「都市伝説課」の日常が始まるのだ。
そしてまた、いつもの「都市伝説課」の日常が始まるのだ。
KP
あれは、あったかもしれない結末の一つ。
それでも自分たちは、確かにここで生きている。
相談者が来れば、口をそろえてこう言うだろう。
「ようこそ! 都市伝説課へ!
本日のご相談は何でしょうか?」
それでも自分たちは、確かにここで生きている。
相談者が来れば、口をそろえてこう言うだろう。
「ようこそ! 都市伝説課へ!
本日のご相談は何でしょうか?」
クトゥルフ神話 TRPG
ようこそ! 迷冥市役所都市伝説課へ!
「case,4 きさらぎ駅」
── END.
柘榴
ありがとうございましたー!
KP
ありがとうございました!
枇榔
ありがとうございました!
今度は都市伝説課ニューヨーク支部へ出張の話ですって?
今度は都市伝説課ニューヨーク支部へ出張の話ですって?
生還報酬・成長略
枇榔
サメちゃんぬいぐるみ、せっかく大小持ってるのに活かしてないなぁ
背中で魅せるガンガールRPGライクに、射撃の度に尻肉の代わりに揺らそうと思ってたのに
背中で魅せるガンガールRPGライクに、射撃の度に尻肉の代わりに揺らそうと思ってたのに
枇榔
ちなみに私がNY出張NY出張と言っているのは、ゴーストバスターズ・アフターライフを見終わったばかりだからです
KP
なるほど!
柘榴
ナルホドナー
枇榔
なんかこう、向こうでゴーザと戦っているところに、乱入したりしたら面白いな、って
KP
枇榔さんのSCARが火を噴くぜ
柘榴
こっちがバスターされちゃう存在なのではw
枇榔
我々パスポートとか無さそうだし、同じ都市伝説のパンアメリカン航空914便さんの力を借りて密入国とか
あ~
ゴーストトラップに巻き込まれないように気をつけないとな
あ~
ゴーストトラップに巻き込まれないように気をつけないとな
柘榴
まずはボクの英語力を使って、向こうの掲示板に「Syokuinnsann」の噂を広めなきゃ。
枇榔
ショクニン=サン
職人じゃないわ職員よ
アフターライフ、ゴーストバスターズ初代~2を見た人にはおすすめできる映画だった
職人じゃないわ職員よ
アフターライフ、ゴーストバスターズ初代~2を見た人にはおすすめできる映画だった
柘榴
ほうほう。
オボエトク
オボエトク
枇榔
あのメガネでひょろっとしたメンバー『ロイド』の孫娘が主人公のお話
柘榴
これやっぱ最初で電車降りちゃうときさらぎさん復活ないまま終わるんじゃろね
枇榔
どうなんだろ
柘榴
あときさらぎえきで降りちゃう
枇榔
KPに降りますか? って言われた瞬間、リアルアイデアで御先さんの言葉思い出した
KP
あれ、電車降りちゃうと
・こっちの世界のきさらぎさんは無事だけど
・向こうの世界のきさらぎさんが消滅します。(自分が「都市伝説課のきさらぎ」であったことを思い出せないので)
で、向こうのきさらぎさんが消滅した余波で、こっちのきさらぎさんがラストに吐血します。
きさらぎ駅は実は無関係です。シナリオに扉越しのシーンはないのですが、扉越しの邂逅が美しかったので。
・こっちの世界のきさらぎさんは無事だけど
・向こうの世界のきさらぎさんが消滅します。(自分が「都市伝説課のきさらぎ」であったことを思い出せないので)
で、向こうのきさらぎさんが消滅した余波で、こっちのきさらぎさんがラストに吐血します。
きさらぎ駅は実は無関係です。シナリオに扉越しのシーンはないのですが、扉越しの邂逅が美しかったので。
枇榔
吐血
柘榴
うッ
KP
リアルアイデアナイス。
日程があいたからログ読みタイム設けるかヒント入れようかなーとも思ったんですが、「降りますか?」って前置きしたらお二人なら何かあるって思ってくれるかなって。
日程があいたからログ読みタイム設けるかヒント入れようかなーとも思ったんですが、「降りますか?」って前置きしたらお二人なら何かあるって思ってくれるかなって。
柘榴
さすがだヒロ。スポンと忘れてたよこっちは。
訊かれるってことはなんかあるなとは思ったけど。
訊かれるってことはなんかあるなとは思ったけど。
枇榔
その時、枇榔に電流走るーーーって感じだった
やったぜ
やったぜ
KP
やったぜ!
柘榴
「ねーだからボクのヒロは最高なんだよ」なでこなでこ
すっかり忘れてた不定執着。
すっかり忘れてた不定執着。
枇榔
きさらぎさんに「なんでそんなにべったりしてるの」って言われそう
KP
きさらぎさんはニコニコしながら見てます。
柘榴
カレーも意見が違ったらヒロに合わせてたね!!
枇榔
そこも息がぴったりな辺り、さすがやなって
柘榴
和風カレーってどんなの? って中の人が思ったからでした。
KP
なるほど。
枇榔
出汁カレーなんじゃないのかな?
柘榴
出汁たっぷりでーシカ肉でー
山菜入ってんの。ぜんまいとか。
山菜入ってんの。ぜんまいとか。
KP
和風カレー:出汁ベース+野菜ゴロゴロのtheカレーライス
欧風カレー:ビーフ濃いめの肉多いカレー
スパイスカレー:いわずもがな
欧風カレー:ビーフ濃いめの肉多いカレー
スパイスカレー:いわずもがな
枇榔
本当はGOGOカレーとかチャンピオンカレーとかの、ウスターソースマシマシの金沢カレーが好きなんだけど、ちょっと今色々センシティブですし
KP
って感じでイメージしてました。
柘榴
にゃる。
たべたい。
たべたい。
枇榔
食べて応援! できるならしたいなぁ
KP
したいなぁ もうちょっと後のフェイズそう
コメント By.柘榴
ぐるぐると環状線に乗り続ける二人。
本当に全ては終わったのだろうか……
ふたりの繋がりを再確認する話だったと思います。
職員さんは海を越えるか?
ぐるぐると環状線に乗り続ける二人。
本当に全ては終わったのだろうか……
ふたりの繋がりを再確認する話だったと思います。
職員さんは海を越えるか?
本作は、「 株式会社アークライト 」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。
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