TRPGリプレイ CoC『CoC6:都市伝説課 おまけシナリオ よ⇔×そ! 迷▼≠役∀都市▱説課へ!』柘榴&枇榔 3

こちらには
ようこそ! 迷冥市役所都市伝説課へ!』および
『よ⇔×そ! 迷▼≠役∀都市▱説課へ!』
ネタバレがあります。


本編見る!
体調が悪い
KP
こんばんはー!
神津 樹
こんばんはー
柘榴ざくろ
こっちね
ヒロ大丈夫かな?
KP
一瞬違う人が出た
大丈夫かな? だいじょばなかったらご無理はなさらず
とりあえずカフェインの入っていないコーヒーを入れてゆっくり待機の構え
枇榔ヒロ
すみません、失礼しました
KP
こんばんは、大丈夫ですか?
枇榔ヒロ
ちょっと、今日はスマホから失礼いたします
KP
おっと、体調問題ですか? わかりました、アカンってなったらご無理なさらず 出先だったら温かいところにご避難ください
枇榔ヒロ
体調ですね
ワクチンのが少しあと引きずってる感じです
ありがとうございます
KP
それはお疲れ様です、眠気が来たりしたらいつでもお知らせください
では準備よければ始めてまいります 今回は戦闘!
枇榔ヒロ
そうだ、戦闘だ
柘榴ざくろ
バトル!!
KP
そうなんですよ スマホから戦闘大丈夫ですか?
アカンかったら今日マモブルにしますが
枇榔ヒロ
そ、それはむしろ結局マモブルしたくなっちゃう流れ
チャパレは入れてます
KP
マモブルは19日にやるから!
ではとりあえず始めてまいります、諸般の理由でやっぱ無理ってなったら「タンマ!」してください
枇榔ヒロ
はぁい
むしろスマホだからトイレだろうがベッドだろうが、どこでもできる

KP
歪に生やした手足を引きずって、粘液質の塊はあなたがたへと迫ってくる。
柘榴ざくろ
ワンテンポ遅れて銃を構える。
枇榔ヒロ
レーザーの電源を入れ、赤い光点で相手をポイントする
KP
相手の【DEX】は10。距離は現状、近接攻撃が届く程度の距離しかないと見ていい。
(直前で人形がこちらに飛んできていたため)
柘榴ざくろ
至近!
枇榔ヒロ
レーザーポインターあるので大丈夫!
KP
枇榔さんは攻撃回数1or連射だから、銃撃ラウンドがあるのは攻撃回数2の柘榴さんのみ。
枇榔ヒロ
はぁい!
KP
銃撃ラウンド、柘榴さん。
柘榴ざくろ
柘榴、いっきまーす!
CCB<=70〈ショットガン〉1D100<=70) > 90 > 失敗
[ 柘榴ざくろ ] 装填数:5 → 4
柘榴ざくろ
あれれぇ
枇榔ヒロ
先輩ビビりすぎ
柘榴ざくろ
慌てて撃った銃は当たらない。
KP
弾丸が粘液質の塊を僅かに掠めたが、突き出した足の指を吹き飛ばすだけに終わった。
枇榔ヒロ
そのくらいじゃダメージにすらならんか
KP
なりませんね。いっぱいあるので。
柘榴ざくろ
「うわわ」
KP
むむ、なんだかIME不調かキーボード不調か、句読点が重なりがち
柘榴ざくろ
みんな体調不良かな!?
KP
我がPCまで体調不良は困る!
KP
通常ラウンド。【DEX】17、枇榔さん。
柘榴ざくろ
「す、すばやいっ」
枇榔ヒロ
20発、斉射
CCB<=185〈ライフル〉1D100<=185) > 16 > スペシャル
KP
相手は〈回避〉しない。ダメージを。
枇榔ヒロ
40d6+80 (40D6+80) > 116[1,1,5,3,2,3,6,2,5,3,4,2,4,2,1,1,3,2,6,4,4,2,1,1,2,4,2,4,4,3,2,4,3,5,3,1,1,6,2,2]+80 > 196
196点

枇榔ヒロ
サプレッサーの効いた、スパパパ、という軽い連続音とマズルフラッシュ
キンキンキンという空薬莢の落ちる音
KP
粘液質の塊であったものが、一瞬で吹き飛んだ。
子供の手であったものも、足であったものも、髪であったものもあるいは頭であったものも。
それはもはや塊の形を取り直すことすらできず、しゅうしゅうと音を立てながら溶けて消えてゆく。
後に残るのは、派手な弾痕で形を変えた学校の廊下だけだ。
柘榴ざくろ
「お見事ぉ~」
ぱちぱち
「いつもながら凄まじいね」
枇榔ヒロ
「素直に当たってくれれば、なんとかなるんですけど」
言いながら、減った弾倉をタクティカルリロード
KP
柘榴、あなたがスマートフォンを持っていれば、そのスマートフォンが一度鳴るだろう。
柘榴ざくろ
「あっ」
出てみる。
「もしもし?」
KP
「もしもし。ぼく、さとるくん」

ノイズの向こうに、微かに声が聞こえた。
柘榴ざくろ
「さとるくん!
良かった、無事だね!」
枇榔ヒロ
やりすぎだ、って怒られる?
柘榴ざくろ
多少は仕方ないよー>やりすぎ
KP
「ありがとう。君達は……、そんなに、力強い子達だったんだね」

それはどこか、眩しいものを見ているかのようなやさしい声だった。
柘榴ざくろ
枇榔と顔くっつけて二人で聞いてようか。
枇榔ヒロ
ぴとっ
柘榴ざくろ
「強かった、って。
……こっちのボクたちはちがったんだね」
枇榔ヒロ
「さとるくん、一体何があったの?」
KP
「ぼくから話してもいい、でもきっと御先稲荷が教えてくれる。

あの教室に行ってみて」

それだけ言って、電話は切れてしまった。
枇榔ヒロ
「えっ、御先さん?!」
柘榴ざくろ
「あの教室、って。
うーん、図書室?」
枇榔ヒロ
さっきの教室では
柘榴ざくろ
そうなんだろうな
枇榔ヒロ
「先輩、こっち」
柘榴ざくろ
「あ、うん」
枇榔ヒロ
そちらへ行こう
柘榴ざくろ
枇榔についてくよ。

KP
その教室へ行く。
スマートフォンのあった机の上に、何か紙のようなものがある。
柘榴ざくろ
「あっ、あれって」
枇榔ヒロ
50音?
KP
それは何の変哲もない十円玉と、五十音が書かれた紙だ。五十音と、鳥居と、はい・いいえ。
枇榔ヒロ
「御先さん……」
柘榴ざくろ
「やろうよ!」
紙を机の中央に置いて、十円玉を鳥居に置いて。
枇榔ヒロ
「はい!」
言って席をかがーっと引っ張って来て、並んで座る
指は10円玉の上
柘榴ざくろ
この場合、「こっくりさん」って呼べばいいのか、「御先どうかさん」って呼べばいいのか。
枇榔ヒロ
ならわしとしてはこっくりさん呼びでは
柘榴ざくろ
「じゃあいくよ……やり方合ってる?」
枇榔ヒロ
「大丈夫」
柘榴ざくろ
「じゃあ、せーの……」
枇榔ヒロ
「こっくりさん、こっくりさん、おいでください」
柘榴ざくろ
「こっくりさん こっくりさん おいでください」
枇榔ヒロ
「おいでになりましたら、はい、のところへ」
柘榴ざくろ
「おいでになりましたら はい のところへ」
KP
あなた達は机を囲み、十円玉へと指を伸ばす。
ふと、誰かの気配を感じた。
しかし、感じた気配はすぐに霧散してしまう。
その気配は、どこか遠くにいるように感じる。

十円玉が鳥居の位置へと移動した。
柘榴ざくろ
「あ、あれ、動いてはいるけど……」
枇榔ヒロ
「なんだか弱々しい感じ……
ええと、あなたは御先さんですか?」
恐る恐る訊ねる
KP
十円玉は鳥居の位置にとどまったまま、動かない。
枇榔ヒロ
「あれ……」
柘榴ざくろ
「うーん……
先輩、答えてくれたらラムネ菓子おごりますからぁ。
……駄目かぁ」
枇榔ヒロ
「どうしよう……
とりあえず、貴子さんたちのところへ戻りましょうか。
脱出してからでも」
柘榴ざくろ
「そうだね、この紙と10円は持っていこうか」
丁寧に畳んで荷物に入れる。
枇榔ヒロ
では貴子さんたちのところへ
柘榴ざくろ
それじゃ学校を出て、二人と合流して神社に帰ろうか?
八千代 貴子
「あっ、お帰りなさい」
あなた達の姿を認めると、八千代貴子は大きく手を振る。
柘榴ざくろ
「ただいま、もう大丈夫ですよ」
やったのはヒロだけどね!
八千代 貴子
「やっつけちゃったんですか? すごい!」
彼女はきらきらと眼を輝かせる。
枇榔ヒロ
「ええ、今のうちに神社へ避難しましょう」
お稲荷さんのところなら、通じるかもしれないし
柘榴ざくろ
たしかにねー
御先さんを訊いてお稲荷さんってかえされてた理由も気になるしねー
八千代 貴子
「わかりました。おばぁちゃん、行こう」
八千代貴子とその祖母を連れ、あなた達は神社へ戻る。
枇榔ヒロ
鳥居をくぐって、ようやく一息ついて、肩の力を抜く
仁科 悟
「おかえりなさい!」少年があなた達に駆け寄り、貴子の姿もあるのに気づいて安堵する。
「ありがとう、職員さん」
枇榔ヒロ
「いえいえ、これがお仕事だからね!」
柘榴ざくろ
「うん、学校にいた怖いのもやっつけたよ。
このお姉ちゃんがね!」
八千代 貴子
「ごめんね、心配かけちゃって」貴子はそう少年に微笑んで、屈みこんで少年の頭を撫でる。
仁科 悟
「ううん、よかった。職員さんすごいねー」
八千代 貴子
「うん、すごいね」
柘榴ざくろ
(あのひとも、変な運命に巻き込まれなければ、こんなふうに生きて行けたんだ……)
枇榔ヒロ
「そういえば、皆さんお知り合いなんです?」
ちょっと照れて頭を掻きながら
仁科 悟
「うん、お姉ちゃんとはここで会ったの」
八千代 貴子
「知り合い、っていうわけじゃないんですけど、ここで遊んであげてたりしてて」
枇榔ヒロ
「へぇ~、そうなんですね」
柘榴ざくろ
「そっか、それは良かった」
枇榔ヒロ
なんとなく、それぞれが孤独に苦しんでいた、自分たちが経験した過去を思い出し、
今のそうではない様子に安堵したように微笑む
柘榴ざくろ
「そういえば、御先さんのことはみんなに訊いたんだっけ……?」
中の人がガチで忘れている。
枇榔ヒロ
いや、まだ聞いてはなかったかと
柘榴ざくろ
「あの、御先どうかっていう都市伝説課の職員、知りませんか?
駄菓子が大好きでいつも食べてる女の人」
枇榔ヒロ
「というか、他の職員さんのこと、知りませんか」
神島 令 
「職員さんですか? いえ、特には……」
そう言いながら、彼は無意識にか本殿の方を見遣るように向いた。
柘榴ざくろ
「御先さん以外にいたっけ……」
枇榔ヒロ
実はそもそもそこ気になってて
柘榴ざくろ
ここの御先さんもういない説?
枇榔ヒロ
我々数ヶ月それなりに職員さんとして過ごして来たけど、他の職員と会ってるのかな、って
柘榴ざくろ
それは……わかんない!
KP
他の職員さんはなんとなくいたりいなかったりしている。「さとるくん」がいたこともあったし、いなかったこともあった。
枇榔ヒロ
人数数えるのはタブーだとしても、その辺りどうなのかな
柘榴ざくろ
いたらしい。じゃあざっくり訊いた。
枇榔ヒロ
さとるくん本人と会ったことあるんだ!
KP
いた。しかし、じゃあどんな顔だったのか? というといまいち記憶に残っていない。
枇榔ヒロ
なるほど
柘榴ざくろ
「枇榔、本殿に行ってみよう。
なんだかすっっっごく気になるんだ」
なんでみんな本殿の方を見るんだろう?
そういえばさっきもそうだったような……
枇榔ヒロ
「そうですね、行ってみましょう」
柘榴ざくろ
「さっきから、御先さんの事を訊くとみんな本殿の方を見てるんだよ、無意識っぽいけど。
何か関係あるかも」
枇榔ヒロ
「えっ、気付かなかった」
KP
本殿に向かう。
そこには誰の姿もなく、ただ静まり返っている。

そこで、あなたは違和感に気づく。
鐘が釣り下がっているはずの場所に、朱塗りの机がひとつ、置かれている。
柘榴ざくろ
「おおー、これって」
枇榔ヒロ
「これは……いかにも……」
柘榴ざくろ
「だよね」
紙を出して机に広げる。銅貨を出して置く。
「ここでなら聞こえるかな」
枇榔ヒロ
「試してみましょう」
指を硬貨の上に置く
柘榴ざくろ
「こっくりさん こっくりさん おいでください」
枇榔ヒロ
「おいでになりましたら、はいのところへ」
柘榴ざくろ
声を揃えて唱える。
KP
五十音の紙の上に十円玉を置いて、その上に人差し指を乗せる。声を揃える。
ちりん、と何か鈴のような音色が聞こえて来る気がした。
ぐらり、と視界が揺れた。
枇榔ヒロ
「うぇ……」
柘榴ざくろ
「なんだぁ!?」
KP
目の前の視界が、徐々に変化していく。

KP
枇榔。
はっと意識を取り戻すと、あなたは変わらず本殿の前にいた。

そこには、あなたしかいなかった。
枇榔ヒロ
えっ
それは困るw
「えっ?」
思わず、辺りを見渡す
KP
戸惑うあなたに、声がかけられる。

「ねぇ、枇榔」
それは、「御先稲荷」の声だった。
KP
個別イベントなんだ 柘榴さん、ごめんな!
柘榴ざくろ
おう! サイト整備しつつ見物してるよ!
ダブクロが上がったぜ!
KP
ダブクロ!! ありがとうございます!
枇榔ヒロ
「御先さん……?
御先さん! どこですか?」
KP
そこには、「御先稲荷」がいた。いつも結っている髪を下ろし、どこか虚ろな、寂しそうな雰囲気で。
枇榔ヒロ
いた
思わず駆け寄る
「御先さん、大丈夫ですか?! ……それと」
……何だっけ?
何かを、忘れてるような
御先稲荷
「そっか、そっか。それで合ってるんだね。恕子、きみは」
彼女はいつもの人懐こい笑顔を浮かべ、こちらへ近づいて来る。
枇榔ヒロ
「御先さん、一体何が起こってるんです?」
御先稲荷
机の傍らに、向かい合うように椅子が二つ生じていた。
彼女はその片方に腰かけ、反対側の椅子をあなたにすすめる。
枇榔ヒロ
勧められるままに腰を下ろす
御先稲荷
「多分、もう気がついているだろうけど。ここは、君がいたところじゃなくて……、まぁ、また別の世界かな」
枇榔ヒロ
「ええ、なんとなくは。でもあまりに違いすぎちゃって……」
御先稲荷
彼女は手を組み、困ったように微笑む。
「きみがそう言うのなら、君の世界はきっと、こんなふうじゃないんだろうね」
枇榔ヒロ
「ということは、今目の前にいるのは、こちらの御先さん……
御先さん、教えてください! 一体何があったんですか? 私たちで、何かできることはありますか? あなたは無事なんですか」
思わず、矢継ぎ早に訊ねてしまう
御先稲荷
「大丈夫、無事だよ。でも、ここひどい状態でしょ? わたしもいろいろ頑張ったんだけど、なかなかうまくいかなくて。ここでみんなを守るのが、精一杯なの。
わたしは、自発行動が取れないからさ。最後の指示に従ってるんだ。『市民を守れ』、って。……ああ、誰に言われたんだったかな」
彼女は困ったように首を傾げ、寂しそうに指先をもてあそぶ。
柘榴ざくろ
なるほどな……
この御先さん大人っぽいんだよなー
枇榔ヒロ
「御先さんも、ですか……実は私たちも、何か大切なことを忘れてしまっているような」
御先稲荷
「そう、そうなんだよ。もっとさ、頼りになる誰かがいた気がするんだ。でも、どうしても思い出せなくて」
枇榔ヒロ
胸にわだかまる喪失感に、手を当てる
そして、自分たちが救うことの出来なかった人たちが、過ごしている、この世界をどうにか救いたいという焦燥感
御先稲荷
「ねえ、“枇榔”きみは……、いま、幸せ?」
彼女の指先が、あなたの胸を指すように伸びる。
枇榔ヒロ
「えっ……私ですか」
自分のことを尋ねられ、思わずキョトンとする
御先稲荷
「うん」
枇榔ヒロ
「……はい。お陰様で……、あ、私たちの世界の皆さんのお陰で。……先輩にも。
色々あったけれど、私は私として、職員さんとして、ここにあることができている、みんなのために働くことのできる今が、堪らなく好きです」
微笑んでこたえる
御先稲荷
「……そっか」
彼女は噛みしめるように、自らの胸に手を当てて、いちど目を閉じた。
「それなら、君の世界がこんなふうじゃないのは、君達のおかげなんだね」
枇榔ヒロ
「ど、どうでしょう……? っていうか、この世界の私たちは、どうなっているんですか?
それが、こっちに来てからずっと気になってて」
御先稲荷
「この迷冥市がこんなになったのは、『神様』が来てからなんだ。『神様』……この世界の君だよ、恕子。世界を恨んで、憎んでしまった、君」
柘榴ざくろ
知ったら《SANチェック》もんの事実がありそうで。
枇榔ヒロ
「……えっ。
でも、じゃあ先輩は?」
御先稲荷
「19年前、だったかな。わたしは君を助けたかった。でも、手を取れなかった」
枇榔ヒロ
「私は、先輩が助けてくれたから、こうして今、いられるんです。
こちらの先輩は、一体。
えっ、御先さんが、助けてくれようとしたんですか」
御先稲荷
「そうだよ。でも、ほら。わたしは動けないから。
知らないんだ、君の先輩がどうなってしまったのか。でも、きっと……、一緒にいってしまったんじゃないかな。
手を離すことだけは、なかっただろうからさ」
枇榔ヒロ
「こちらの先輩は、助けることの出来なかった私を、今でも助けている……? 私たちとは違った形で……」
顎に手を当てて、考え込むようにつぶやく
御先稲荷
「ねえ、“枇榔”」 不意に、彼女はあなたの名を呼ぶ。
枇榔ヒロ
「あ、あ、はい」
御先稲荷
「君と君の先輩を巻き込んで申し訳ないと思っているよ。でも、お願いがあるんだ」
彼女は、あなたの手に何かを握らせる。

それは、小さな鍵だった。小さな、新品のように光る、銀色の鍵。
それから、ラムネ菓子が、ふたつ。
枇榔ヒロ
その鍵は見たことある鍵?
KP
見たことがある。ひどく古ぼけていたあの銀の鍵に違いない。新品のようである以外は、そっくりだ。
枇榔ヒロ
「こ、これ……」
柘榴ざくろ
なるほど?
KP
鍵を目にした、そのとき。
あなたの脳裏に、不意にある名が落ちた。
枇榔ヒロ
見覚えのある鍵に、思わず声が漏れた
KP

「 - - - - 」



「きさらぎ」


柘榴ざくろ
パパー!
枇榔ヒロ
「きさらぎ……さん」
思わず、口に出していた
御先稲荷
あなたはその名を呟いた。
彼女が、大きく目を見開く。
わずか、沈黙が落ちる。
「……きさらぎ」
枇榔ヒロ
「……なんで、なんで忘れてたんだろ」
KP
あなたのうちに記憶が蘇る。
 「きさらぎ」、「きさらぎ先輩」。
 どうして忘れていたのだろう。いまや、その存在を、顔を、表情を、はっきりと思い出せる。
御先稲荷
「そう、そうだ、そうだった。なんで忘れてたんだろう、でも、しっかり思い出せない」彼女は悲しそうに首を振る。
そして、あなたに向き直る。
「君の先輩に伝えて。電車を降りないでって」
枇榔ヒロ
「えっ。
それは、どういう……」
KP
ぐらぐら、ぐらぐら、辺りの景色が歪みだす。
御先稲荷
歪んでいく景色の中で彼女が叫ぶ。
枇榔ヒロ
「あれ、御先さん?」
御先稲荷
「203で、その鍵を使って。空に翳すだけでいい。ごめんね、ごめんね恕子。わたしたちではどうにもならなかったのに、君達に」
KP
耐え難い眠気に襲われるように、瞼が落ちてゆく。
世界が歪む。
枇榔ヒロ
「203」
覚えのある数字
「わかりました」
その最中で、それでも鍵と菓子を確かに握りしめて、頷いた
「大丈夫です。私達も、職員さんですから!」
届いたかわからないが、そうハッキリと告げて微笑んだつもり
御先稲荷
彼女が微かに笑った気がした。
KP
そしてすべては闇に呑まれた。

KP
枇榔。あなたは、はっと気づく。
そこは先程の神社の本殿で、傍らには柘榴がいた。

柘榴。
共に「こっくりさん」をしていたはずの枇榔が一瞬ぼんやりと遠い所を見たかと思うと、眼を瞬いた。
十円玉には動いた形跡もなく、机は変わらずそこにある。
枇榔ヒロ
「……はっ?」
柘榴ざくろ
「どうしたの?
うーん、やっぱり反応ないね……」
枇榔ヒロ
「あれ……ここは? 御先さんは?」
辺りを見回す
柘榴ざくろ
「ここなら反応あるかと……え?」
KP
辺りを見回しても彼女の姿はない。
枇榔ヒロ
「うわ、先輩だ」
柘榴ざくろ
「ども、柘榴です。さっきからいるでしょ隣に。
どうしたの、眠い?」
枇榔ヒロ
「……
私、御先さんに会ってました」
柘榴ざくろ
「えっ?
今、どこに?」
枇榔ヒロ
「えっと……多分、ここに」
目の前の本殿を見上げる
柘榴ざくろ
「ボクには見えなかったし、声も聞こえなかったなぁ。
仲いいもんね、先輩と」
枇榔ヒロ
鍵と菓子は手の中にありますか?
KP
あなたが手を開けば、あの鍵とふたつのラムネ菓子が、手の中にあった。
枇榔ヒロ
では、それを柘榴に手を開いて見せながら
「……ふふ、そうですね」
柘榴ざくろ
「それ、今もらったの?
って、鍵……
それ、あれ?」
枇榔ヒロ
「……先輩、聞いてください」
柘榴ざくろ
「うん?」
枇榔ヒロ
言って、手の中のそれを挟んで、柘榴に聞いた話を告げる
「……それと、電車から降りないで、と」
柘榴ざくろ
「電車?
っていっても、ボク、電車になんて」
KP
「きさらぎ」の名前は出す?
枇榔ヒロ
あ、もちろん
「きさらぎさんです。覚えてます?」
柘榴ざくろ
思い出せるのかな?


「きさらぎ」。


KP
その名を聞いた時、あなたの脳裏にありありと蘇る。
飄々とした笑み。
導くような手のひら。
柘榴ざくろ
「……あ、あああ!」
KP
アナウンスの声。
どうして忘れていたのだろう。どうして忘れてなどいたのだろう。どうして、そんなことができたのだろう。
今や何もかもを、はっきりと思い出せる。
柘榴ざくろ
「きさらぎさん!」
枇榔ヒロ
頷く
柘榴ざくろ
そうだよ、どうして忘れちゃってた?
あのひとはボクを作り上げてくれた。
忘れるなんて、ありえないのに。
ボクがボクなのはあのひとがいたからなのに。
「きさらぎさんのこと、忘れてた。
絶対おかしいよ……こんなの。
ボクをボクにしてくれたのはきさらぎさんなのに。
だからボクはキミを助けに行けたのに」
枇榔ヒロ
胸に下げたお守り袋の口を開け、小さく折り畳まれた紙片を取り出す
何度も折り畳まれて、その折り目から裂けかけたり、角がボロくなったところを何度も丁寧にセロテープで補修したそれを広げると、そこにはクレヨンで描かれた和柄半分のシャツを着た青年の姿
柘榴ざくろ
かいてた!
枇榔ヒロ
「……先輩」
柘榴ざくろ
「うん……
都市伝説が忘れられるってことは、『死ぬ』っていうことだ」
KP
都市伝説にとって忘却とは死だ。
ならば、死とは忘却であるのか。
枇榔ヒロ
広げられたその横に、紙箱を置く
英語でさまざまな文言が記され、目立った文字で『5.56mm』と記載されている
いくつもの金属の筒が触れあうかちゃり、という音が響いた
「貴子さんや、悟くん、神島先生」
更に、装弾の減ったマガジンを取り出し、開けた紙箱から弾薬を一発ずつ取り出しては装填してゆく
「……この世界では、私たちが救えなかった人たちが、生きてる」
柘榴ざくろ
「うん。
そうだね……」
枇榔ヒロ
「だから、もう一度、今度こそ助けましょう」
ちり、かちゃ、という小さな音がいくつも響く
静かな境内に。
柘榴ざくろ
「そうだね、うん。絶対」
枇榔ヒロ
「そして、救われなかった、この世界の私たちのことも」
柘榴ざくろ
「うん……
都市伝説課にあった書類のこと、覚えてる?」
枇榔ヒロ
「あの文字化けしてたやつですね」
柘榴ざくろ
「そう。
あれはきさらぎさんのだ」
枇榔ヒロ
「……そうですね」
柘榴ざくろ
「誰かが、変な文字を書き加えて。
きさらぎさんを……消そうとしたんだ。
それがあの書類に対してされたことなのか、
何か別のことがあの書類に現われたのかは分からないけど。
ボクは許さないよ。
きさらぎさんを、消そうとするなんて」
柘榴ざくろ
それ犯人ボクでは??
枇榔ヒロ
「そうですね。
それをしたのが、私たちなのか、それとも違う誰かなのか、それは分かりませんけど。
でも、もう思い出しました」
柘榴ざくろ
「うん。もう忘れない」
枇榔ヒロ
「御先さんも、ここでみんなを守って戦ってくれてる」
柘榴ざくろ
「無事で良かったね」
枇榔ヒロ
頷き
「そして、私たちもここにいる」
言って、SCARに装弾の終わったマガジンを差し込み、コッキングレバーを引き、戻す
「やりましょう。都市伝説課、総力戦です」
柘榴ざくろ
「203号室か……
うん、迎えに行こう」
枇榔ヒロ
「ええ。救いましょう、全部。だって私たちは」
柘榴ざくろ
「無敵の職員さんだからね!」
枇榔ヒロ
ばしゃん、というレバーの戻る音が境内に響いた
柘榴ざくろ
今度こそやべーの見る展開かな!
まあまだ34あるしへーきへーき
枇榔ヒロ
前回は鍵使ってたらやべーの見るって話だったからなー
柘榴ざくろ
今の二人をバトルでぶっ飛ばせばビターエンド、
鍵で戻って救うならトゥルー……的な?
枇榔ヒロ
どうなんだろ

仁科 悟
あなた達が本殿から降りると、仁科悟が「あれ、どっか行っちゃうの?」と、駆け寄ってくる。
枇榔ヒロ
「悟くん」
柘榴ざくろ
「うん、ちょっと行かなきゃいけないところがあるからね」
仁科 悟
「そっか、戻ってきたら一緒に遊んでよ!」
神島 令 
「こらこら、邪魔しちゃいけません」
柘榴ざくろ
「そうだね。何もかもうまく行ったら……」
枇榔ヒロ
「いいですよー。
戻ってきたらね」
仁科 悟
「やった!」
柘榴ざくろ
「皆さんの応援がボクたちの力ですから。
みんなに伝えてくれると嬉しいな」
仁科 悟
「わかった!」
神島 令 
「どうか、お気をつけて」
八千代 貴子
「あら、お仕事ですか? 帰ってきたらたくさんお話しましょうね。あの時は本当に、ありがとうございました」
枇榔ヒロ
「貴子さん……」
柘榴ざくろ
「うん、無事で良かったです。
お婆ちゃんにも宜しくお伝えください」
あのとき迫ってきた彼女の鬼気迫る笑顔は、こちらの穏やかな笑顔に書き換えられつつある。
あの貴子さんは、幸せになれたのかなぁ。
彼女の言う、天国で。
枇榔ヒロ
「今度も、必ずお助けしますからね」
広げていた紙を綺麗に折りたたんで、もう一度お守り袋に戻す
KP
「まあまあ、行ってしまうんですね。まだお若いのに、本当に頑張って……」静江もまた、あなた達をそう見送る。
枇榔ヒロ
「職務ですから!」
胸を張って、笑顔で応える
柘榴ざくろ
「それじゃ、行ってきます」
枇榔ヒロ
「行ってきます!」
八千代 貴子
「行ってらっしゃい」
仁科 悟
「いってらっしゃーい!」
神島 令 
「行ってらっしゃいませ」
KP
「行っていらっしゃい。お元気でね」
そんな声が、あなた達の背を送る。

KP
高台から見下ろせば、見慣れた町の片隅に、薄暗い街灯に照らされたアパートがあるようだった。
柘榴ざくろ
「因縁、かぁ。
なかなかこういうのって、変わらないものなんだな」
枇榔ヒロ
「大きな流れっていうのは、そんなに変わらないものなのかもしれませんね。
でも、ほんのちょっとのボタンのかけ違いで、その先が大きく変わることもある……」
柘榴ざくろ
「うん。
キミがボクを願ってくれなくても、
きさらぎさんがいなくても、
ボクはここにいなかった」
枇榔ヒロ
「……そして、私も。
だから、私たちの『今』に、ただ感謝を」
柘榴ざくろ
「うん。
行こう、枇榔」
枇榔ヒロ
「行きましょう、先輩」
KP
あなた達は互いにひとつ決意を固め、踏み出す。
全ての因縁の始まった、あの地へと。

KP
本日は、以上。
枇榔ヒロ
お疲れ様でした!
KP
お疲れ様でした!
柘榴ざくろ
おつかれさまでしたぁー!
枇榔ヒロ
今日はご心配おかけしてすみませんでした
柘榴ざくろ
「無理では???」って言いまくっていた中の人です。
枇榔ヒロ
御先さんとのシーン終わりぐらいからようやく少し回復してきました
今はiPad
KP
いえいえ、どうかごゆっくりご休養ください だいぶん無理なかんじではないですか
本当に 卓日程はまた組めるので大事にしてください
柘榴ざくろ
からだもこころもだいじに
枇榔ヒロ
ありがとうございます!
柘榴ざくろ
やっぱ枇榔つええ。
KP
連射はフルパワーでぶち込める状況だとほんとにダメージがすごい
そりゃ粘液も残らないし廊下には派手な弾痕が残るというもの
枇榔ヒロ
ぶっ放せてンギモチヨガッタデス
柘榴ざくろ
ほぼ初かな?
KP
かな?
枇榔ヒロ
二十発は初めてですね
親父の時は十発だけだった
柘榴ざくろ
なんだかんだ撃てる機会なかったもんね。

コメント By.柘榴
ここにはあるものもあればないものもある……
ついに枇榔の戦闘力が発揮される!

シナリオの性質上、具体的なこと一個も書けません……

TRPGリプレイ【置】CoC『blood red decadence』Side:B 牧志&佐倉 5

ああ、楽しみだ。楽しみで、憎い。
どうして逃げたりしたんだよ、佐倉さん。

俺の獲物なのに。

TRPGリプレイ CoC『誰がロックを殺すのか』 Heavy Howling 5

「負けてらんねーよな。悪意に屈して膝をつくなんて……そんなの、全然ロックじゃねえ」



本作は、「 株式会社アークライト  」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。

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