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こちらには『刻の牢獄』
ネタバレがあります。

本編見る!
KP
山を越え、星見町へ。
星空時計館は町のはずれ、あの風車が見える場所に建っている。
まず目に入るのは小ぶりな時計塔を模した中央部分。
これが時計をテーマとして建てられたものであることが良くわかる。
建物全体は綺麗なレンガ造りで、正面玄関の他にガラス窓がいくつかきらめいていた。
看板は日時計を模したもので、『星空時計館』と書かれている。

裏には駐車場もあるようで、そこそこ大規模だ。
前庭には石造りの水時計が設置されていた。
時計館には時計販売店も併設されている。
時計販売店には懐中時計から腕時計などの多種多様な時計が展示販売されている。
スタンダードなオルゴールや仕掛けのついた壁掛け時計から、中には『これは時刻を確認できるのだろうか』と思えるような奇妙な時計まで。
この小規模な町において、なるほどここ目当てに来る人もあるだろう、と思えるほどの品揃えだった。
中に入ると、天井から吊るされた淡色のランプが店内を照らし、様々な時計が展示されていた。
展示されている時計の秒針は見た限り全て止まっており、店内では秒針の音の代わりに美しいオルゴールの音楽が流れている。
右側には受付と受付スタッフらしき人物が探索者を見て笑顔で「いらっしゃいませ」と頭を下げた。

入館料は300円である。
閉館時間は17時なので、2~3時間程度は見る余裕があるだろう。
波照間 紅
へぇ、と思わず声を上げた。正直内容にあまり期待はしていなかったが、これは思った以上だ。

確かに、ここまで珍しいものがあるのなら、これを目当てに来ても十分だろう。

何処だったか、あるオルゴール館を思い出した。どこにでもあるようなものかと思ったら、巨大な自動演奏楽器がバンド演奏を奏でたり、生きているように動く自動人形があったり……。

こういうのは名前では分からないな、そう思う。

まだ日も高い。パンフレットを貰って荷物に入れつつ、中を見て回ることにする。
波照間 紅
いいなあPLこういうの行きたい
KP
いいですよねー、楽しそう。
KP
まず入ってすぐの一階。
壁かけ時計から柱時計。ガラスケースに入れられた古めかしい懐中時計まで、様々な時計が展示されている。
やはり時計の針は全て止まっており、展示されている時計の横には、制作者や制作日が記載されたプレートなどが置いてある。

凝った題名が付けられた物も多く、ひとつひとつが『時を知る道具』としてだけではなく、芸術品として作られた物であると感じられるだろう。
波照間 紅
それらの一つ一つに目を惹かれる。そういえば腕時計なんてものも持たなくなって久しいが、何か買っていってもいいかもしれないな、と思った。
KP
広い階段を登れば2階。
こちらにも似たような展示がずらりと並ぶ。
日本だけではなく海外の作家の手による、どう見ても装飾の方が文字盤よりサイズも存在感も大きいような作品も並ぶ。
それでもやはり時計という要素はこの作品群には必要であったのだろう、そう思わされる作品ばかりだった。
しかしやはり全ての秒針は止まっている。

また、3階へ登る階段の前には今までと違い警備員が立っている。
あなたを見ると微笑んで軽く目礼をした。
波照間 紅
ほとんど装飾品のように見えるのに、それでも「時計」だと感じさせる作品群を、ひとつひとつ見上げながら眺めていく。
のぞき穴から見る極小の時計。壁一面を占める巨大な装飾時計。精緻な彫刻の腕がよく見れば時刻を示しているもの。
大小様々な複数の時計が同期して動き、それが一つのテーマを描き出すという作品。

気づけばすっかり引き込まれていた。

警備員に微笑んで目礼を返し、三階へ。
時計という芸術作品と、芸術作品という時計。
それなら、三階には何があるのだろう。
KP
奇妙なとけいが描写されとる……
波照間 紅
PLが見たいロマンを入れました
KP
あなたが階段を上り3階に着くと、そこには1階や2階よりもずっと小さな個室があった。
個室には一つ、人の背丈以上もある大きな柱時計が展示されていた。

微動だにしない振り子。止まったままの秒針。
店内で流れていたオルゴールの音は遠のき、この場所だけ時の中に取り残されてしまったかのような、そんな感覚さえ覚える。
柱時計の横には、他の展示品同様に制作者や制作日の書かれたプレートが取り付けてある。
このフロアは外から見た時計塔の中に当たるのだろう、広さは狭いが、随分と天井が高い。
その中央に据えられた2メートル半はある柱時計は、毎日手入れがされているのか埃一つない木製だ。

他の展示品同様に時計の針は止まっており、振り子も動く気配はない。
振り子や時計盤はガラスがはめられた扉の向こうにあり、扉は鍵で施錠されている。

金属のプレートには
「制作者:四代目星空時計館館長 三刻 終司(みこく しゅうじ)。
制作日:不明」
と刻まれている。
時計に対して……
【知識】/2でどうぞ。
波照間 紅
1d100 42 【知識】÷2 Sasa BOT 1d100→80→失敗
KP
では、立派な時計に見えた。
時計を見ていると、後ろから階段を上る足音が聞こえた。
登ってきたのはキッチリとしたスーツに身を包んだ若い男性。
歳は30代前後といったところだろうか。

男性の首からは、ネームタグが下げられており、そこには「星空時計館館長 三刻 終造」と書かれていた。

「いらっしゃいませ、私のことはお気になさらず、どうぞごゆっくり当時計館を楽しんでいってくださいませ」
男はにこやかに言うと、あなたに軽く会釈をした。
波照間 紅
「ああ、お邪魔しています」
その名を見たときに、頭の中をこれまで聞いた話がよぎった。
しかし、今ここに関係のある話ではない。
「三刻さん……、ということは、こちらの作品は、館長のご親戚かどなたかが?」
作品のプレートを見ながら。
KP
「はい、これは前館長、私の父の作です」
男性は答える。
「いつ作ったものかは分からないのですが、いくら修理せど針は動かないのですよね。
そう言えば、この近くの山の……丘の上の風車はご覧になりましたか?
あの風車も父の指示の下造られたものなのですよ」
波照間 紅
「そうだったんですか。展示のために敢えて、かと思いましたが、動かないんですね。
ええ、行きました。丘に風車がゆっくりと回って……。あの中には、何かあるんですか?」
KP
「風車の中には父の作った時計が飾られているそうなのです。
ですが、風車の扉は父にしか開けられず……父亡き今、その時計を見ることも叶わないのでしょうね」
波照間 紅
「そうでしたか……、ぜひ、一目見てみたかったですね」
大きな柱時計を眺めながら、この館と合わせて話題にすれば、もう少し人も来たんじゃないかと思った。それがいいことかどうかは分からないが。
KP
「私の知る限り最後の作品なのですよ」
男性は少し無念そうに見えた。
波照間 紅
少し言葉を切って、その巨大な柱時計を見上げた。
KP
柱時計はじっと動かず、この部屋ごと時というものから切り離されているかのように見えた。
何故だろう、じっと見つめていると時間の間隔がおかしくなるような錯覚をおぼえる。
それはあまりにも芸術的なその造形のためだろうか、精巧に刻まれた文字盤のせいだろうか。
それでもふとまばたきをすると、それはただの動かない時計なのだった。
波照間 紅
不思議な感覚を覚えた。これを見ていると時間を忘れる…… 忘れる?

いや、忘れるというくらいの言葉では言い表しにくい。

時を歪められていくような気がした。
KP
「申し訳ごさいません、お邪魔をいたしました。
では当館をごゆっくりお楽しみください」
男性は軽く会釈をし、ゆっくりと階段を降りてゆく。
波照間 紅
「いえ、お会いできて嬉しく思います」
階段を降りていくのを見送る。
館長自ら話を聞けるなんて、なかなか贅沢だ。

展示はここまでで終わりだろうか。
KP
そうですね、これで終わりのようです。
今は大体16時くらいでしょうか。
波照間 紅
最後にショップなどがあれば、軽く回ってポストカードなどを買っていく。
「結構すごかったな、時計ってテーマであそこまで色々やれるのか……」
KP
展示されていた奇妙な時計の写真を5枚程度チョイスしたポストカードが売っていた。
最上階の時計も一枚入っている。
波照間 紅
まだ陽が落ちるまで時間があるようなら、陽があるうちにあの風車に行ってみよう。
KP
陽は陰り始めてはいるが、まだ明るい。
風車も近いし、今すぐに行けば明るいうちに見る事はできるだろう。
波照間 紅
ポストカードを買っていき、外の様子を見る。
まだ明るいのを確認して、風車へ向かう。

KP
そこには昨晩見たものとは、また違った風景が広がっていた。

晴れた空の下、夕暮れの光に照らされながら咲き誇る、色鮮やかなコスモスの花たち。
風に乗って回る大きな風車。

しかし、そこに昨晩出会った彼女の姿はない。
聞こえる音は風の音と、風車の回る音だけだった。
※探索も可能です
東雲視点(ネタバレ)
東雲 圓華
道を歩いて登ってくる姿を見ると心がときめいた。
昼間は話が通じないけれど、やはり嬉しい。
「こんにちは、波照間さん。昼間も綺麗なのよ」
聞こえないと分かっていてもつい話しかけてしまう。
といっても、私には何色、とか分からないのだけれど。

波照間 紅
風に乗り、緩やかに風車が回る。

夕陽にきらめく羽根の回転を、真っ赤に染まる外壁を、素直に美しいと思った。

風車に近寄って、よく見てみる。
話に聞いた、中へ入る扉はどこにあるのだろう。
東雲視点(ネタバレ)
東雲 圓華
何を見ているのかしら。
前にもこの風車が気になると言っていたことがあった気がする。

KP
石造りの塔に四つの羽がついた大きな風車だ。
風車の背は高く、羽の長さを除いても20m以上はあるということが分かるだろう。

風車には扉がひとつ。扉は開かないようだ。
また、窓などはなく、扉には鍵穴なども見当たらない。
風車の裏側は半ば森と化している。

あなたはこの風車に、ただならぬ気配を感じ取る。
昨日感じた異界じみた気配は、この風車から感じた物だったのかも知れない。


※ところで、KPとんでもないミスをしていました。
 ここで死んだ建設責任者、転落死ではありません。刺殺されています。
波照間 紅
「……」
ふっと、その気配に気づく。

辺りに誰もいないのを確認して、鞄から僅かにCOMPを覗かせる。
起動するようであれば、矢筒に似た形のそれを引き抜き、蓋を開く。

弓を展開する。
《マッパー》。異界の気配の正体を探ろうとする。
東雲視点(ネタバレ)
東雲 圓華
あれは……なに?
前にも、そう、私がここから連れ出して欲しいとお願いした時にも見た、あの不思議な弓。
あれにはパソコンみたいな物がついているみたい。
多分お仕事に関係があるものだと思うのだけれど……

波照間 紅
あ、しまった、訂正
波照間は《マッパー》持ってないや
KP
ありゃ
なかったっけ。そうかー。
波照間 紅
《アナライズ》はあるけど《マッパー》ないんでした、勘違い
KP
COMP展開します?
波照間 紅
展開はします。拡大解釈ですが、スキルだけ変更する。
波照間 紅
「……」
ふっと、その気配に気づく。

辺りに誰もいないのを確認して、鞄から僅かにCOMPを覗かせる。
起動するようであれば、矢筒に似た形のそれを引き抜き、蓋を開く。

弓を展開する。
風車に向かって《アナライズ》。異界の気配の正体を探ろうとする。
KP
COMPにエネミー・ソナーが表示される。
エネミー・ソナーにエラーが出ており、モニタには魔力濃度の異常が表示されていた。
風車の部分だけが高濃度の魔力を溜め込んでいるように見える。
波照間 紅
「……」
結果を確認してCOMPを戻す。
彼女の周囲に感じた気配は、彼女自身ではなく、この風車のものか?

この風車の前で彼女の兄が消えたという。彼女は異界の主ではなく、巻き込まれただけか?
それなら、あの会話は……。

答えが出ない。
KP
コスモス畑に佇むのはあなた一人だ。
夕暮れが急激に周囲の熱を奪ってゆく。
では【知識】ロールをどうぞ。
波照間 紅
1d100 85 【知識】 Sasa BOT 1d100→68→成功
KP
改めて見上げてみると気付く。
この風車が回る速度は周囲の風速や方向と一致していない。
これは観光用のものだ、風力を動力に変換するような実用的なものではなく、何らかの力で自ら回っている物なのだ。
これだけ風車に興味を持っているなら周囲も見るかな。
〈目星〉をどうぞ。
波照間 紅
1d100 76〈目星〉 Sasa BOT 1d100→80→失敗
おおっと
そういえば中には時計が収められているという。
この風車を動かすのと同じ力で、時計が動く……、風車の傍らに立ちながら、そんな想像をした。
KP
ほか、見たいところありますか?
周囲にはコスモス畑ほか、風車の後ろは森になってますね。
波照間 紅
風車の裏側を見て、解説のプレートなどがないか探したあと、日が落ちる前に森を少し散策してみます。
東雲視点(ネタバレ)
東雲 圓華
あっ、そっちは……
止めたいが、今の自分には何もできない。

KP
解説のプレートなど、観光客向けの説明や展示がないかと歩を進めたあなたの目に、思いがけぬ物が飛び込んでくる。
「KEEP OUT」と書かれた黄色いテープ。

半ば森と化し、木々で覆われた風車の裏側。
そこは黄色のテープで封鎖されており、向こう側には赤い……折れ曲がったコスモスの花が見えた。
嫌な予感がする。先を見るべきだろうか?
波照間 紅
「(まさか……、現場か)」

背筋が、ひやりとした。
テープの向こうを覗き込むようにして、その先を確認する。

殺人事件と異界の気配と、失踪した兄と、彼女。
朧気な想像は浮かんだ。しかし、今の所すべては想像に過ぎない。

気になった。
彼女に一体、何が起きたのか。
例え外から来て帰っていくことしかできなくても、僕は……。

>先を見ます。
KP
折れ曲がった赤いコスモスの正体が、嫌でも理解できた。
赤いコスモスは、飛び散った赤黒い液体によってその姿を染められただけ。

地面には、コスモスを赤黒く染めたであろう液体が染みついていた。

嗅ぎ慣れたくはなかった鉄錆びのにおいが鼻をくすぐる。
あなたは嫌でもこの液体が血痕であることを理解するだろう。
血はかなりの広範囲に広がっていた。

SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1》
波照間 紅
1d100 69 《SANチェック》 Sasa BOT 1d100→49→成功
「……な、」
いちど、絶句する。

その光景は、異界の外でそう見るとは思わなかったものだ。
無意識に、鞄に差したCOMPに手を重ねていた。

何か。
人間と思われる何かが死んだばかりの新鮮な跡。

事件が起きたのは、数年前ではなかったか。これは、一体……。
東雲視点(ネタバレ)
東雲 圓華
「見ないで、欲しかったな……」
波照間の横にしゃがんで膝を抱える。

ここで何があったかは良く覚えていない。
ただ、とても怖くて、痛かったことと、ひたすらに呪詛を浴びせ続けられたこと。
「お前が悪い」「死ね死ね死ね」「人殺しめ人殺しめ思い知れ」「罪人に裁きを」「この卑怯者」「私の父を返せ家族を返せ」「忘れたふりをするな」「お前の罪を思い知れ」「痛みの一部でも与えてやる」「お前のせいだお前のせいだお前のせいだ」「人の大切なものを奪ってのうのうと生きやがって」
それで分かったのは、人殺しの私は最低で、罰を受けるのだとということ……

KP
現場をよく見る、最近の出来事について考えるなどができます。
行いたい行動について宣言して下さい。

血痕についての詳細〈医学〉
折れ曲がったコスモスを観察〈生物学〉〈博物学〉
地面の異常をよく見る〈追跡〉〈目星〉
現場の状況から起きた事を推理する〈心理学〉(KPが振ります
バリケードを観察する【アイデア】

ここに書いていないことについても、調べたり考えたりできます。
波照間 紅
>地面の異常をよく確認します。
1d100 76〈目星〉 Sasa BOT 1d100→45→成功
KP
血で柔らかくなった地面には二種類の靴の跡がある。
男物の靴と女物の靴だ。
また、足跡以外にも刃物で地面を切ったような跡が複数。

靴跡を追うならば、靴跡は両方が道路からやってきているが、
道路の方へ戻っていったのは男物の方だけだ。
そして道路から先は途絶えている。
ここで車に乗ったのだろうか。
波照間 紅
「……、」
男物の靴と女物の靴の足跡、それから戻っていった靴。
失踪したのは若い男、ではなかったか。合わない。もう片方の足跡はどちらへ向かっている?

>女物の靴の足跡がどこへ向かっているか確認します。
>バリケードを観察してみます。
1d100 85 【アイデア】 Sasa BOT 1d100→61→成功
KP
女物の靴の足跡はどこへも向かっていない。ここで途切れている。

職業柄、そういったものをよく見るあなたは、バリケードテープに違和感をおぼえる。
寄れて曲がっている。キープアウト、の文字はマジックで書いたものだ。
貼り方が雑だ。業務用のテープだ。
これは警察が貼った物ではなく、素人が貼った物だろう。
波照間 紅
「……?」
違和感がある。まさか、まだ警察にすら届けられていない?

周囲を警戒しながら、遺体や凶器、持ち物など、それ以外のものが残されていないか周囲を確認する。

>一応血痕とコスモスについても調べてみます
1d100 10〈博物学〉 Sasa BOT 1d100→60→失敗
1d100 5〈医学〉 Sasa BOT 1d100→93→失敗
KP
血痕は尋常ではない範囲に広がっている。
これが一人分の出血だとしたら、おそらく生きてはいないだろう。

また、周囲のコスモスは自然に折れたものではなさそうだ。
波照間 紅
男女の二人組がここに来たか、女性がいる所に男が来て、女性の方が殺された。男は女性の遺体を持ち去って車に載せ、車で去った……?

不意に嫌な予感がした。
そうと決まったわけじゃない。昨日だって彼女はひとりでここにいた。
けれど。

まさか、彼女が。
KP
陽は落ち、光が消え失せてゆく。
じきに森は真っ暗になってしまうだろう。
波照間 紅
急いで森から離れ、その現場のことを警察に通報する。

それからコスモス畑の中に昨日のように三脚を張り、彼女がまた来ないかと、その場で待つ。
KP
星見にあったのは、警察署、というか駐在所だった。
あなたは事件らしい形跡について訴えかける。
警察官は緊張した顔であなたの話を聞き始めるが、突然何だか対応が冷たくなったと感じるだろう。
いつからだ。
あの風車の事を口に出してからだろうか。
波照間 紅
「……あの風車に、何か?」
KP
あなたがそんなことを口にすると、あからさまに態度が冷たくなった。
早く帰らせようとする、そんな雰囲気が感じられるだろう。
「ご協力ありがとうございました。
あとはこちらで対処しますので、心置きなく観光をお楽しみ下さい」
そう言われて追い出されるだろう。
周囲からの視線を感じる。
話を聞いてくれた警察官からだけではない。
受付からも、通りすがりの人からも、冷たい視線を感じる。
波照間 紅
どうやらあの風車には、随分な因縁があるらしい。
誰かに詳しい話を聞きたい所だが、今は得策ではなさそうだ。

ひとまず、コスモス畑へと戻ることにする。
その道中、尾行者がいないか数度後ろを振り返る。
KP
あまり好意的ではない視線は感じるものの、追われてはいないようだ。

あなたはコスモス畑に戻る。
大体時間は18時くらいになっていた。
……晩ご飯はどうしたかな。
波照間 紅
町に食堂やコンビニなどがあればそこで食べるし、なければ後回しにして、キャンプ地に戻ってから食べよう。
KP
食堂や、夜遅くに閉ってしまうスーパーならある。
波照間 紅
食堂で夕食にしてから、コスモス畑へ向かう。

話を聞けそうな様子なら軽く話を振ってみるが、好意的でない視線を感じるなら、周囲に人がいれば〈聞き耳〉を立てるだけに留める。
KP
余所者だ、早く帰ればいい。そんな言葉が漏れ聞こえる。
話を振ろうとすると避けられるだろう。
今日昼食を食べた旭町の人とは大分対応に差がある。

そういえば、ここの人は全体的に年齢層が高く、若者の姿がない。

コスモス畑に着いたのは19時頃。
だいぶまわりは暗くなっており、星が輝き始めている。
東雲の姿はなかった。

何時頃までここにいる?
そうそう、食事中にスマートフォンで調べ物などもできる。
波照間 紅
お。では、食事をとりながら、
 ・時計館の3階にあった作品のこと
 ・風車の中にある時計のこと
 ・星見町で新しい殺人事件のニュースや、不審者の話題がないか
 ・星見町について
 ・東雲時哉について
 ・三刻親子について詳しく
あたりを調べてみます。

「……、」
まさか、そんなことは。そんなことはないよな。

焦り始める心を落ち着けようと、星を見るつもりで三脚を張り、望遠鏡を三脚にセットする。

どうか来てほしい。
そう祈るように、夜遅くなるまでその場にいるだろう。23時を回るくらいまではそこで星を見ている。
KP
・時計館の3階にあった作品のこと
こちらについては情報がない。
観覧した人が写真をネットにあげていたりするが、その程度だ。

・風車の中にある時計のこと
これはネットだと出てこない。知られていないのかも知れない。

・星見町で新しい殺人事件のニュースや、不審者の話題がないか
ここ数ヶ月の事件や事故のニュースはなかったようだ。少なくともネットには。

・星見町について
旅行者はそこそこいるようだが、星見町自体の評判はあまり良くない。
排他的だ、余所者に冷たい、といった感想がちらほら出てくる。
かなり魅力的と思える観光施設があるにもかかわらず人が少ないのはそのせいなのかも知れない。

・東雲時哉について
2年前に失踪届が出ている、ことまでは分かるが、別段有名人というわけではなかったらしく、情報はなかった。

・三刻親子について詳しく
こちらはネットでの調査ですね? 〈図書館〉または〈コンピューター〉で判定。
波照間 紅
1d100 76〈図書館〉 Sasa BOT 1d100→63→成功
KP
・三刻 終司について
「星空時計館」の元館長であり、風車建設責任者。
風車建設以外に建設経験はなく、時計館の方が本職である。
2年前に殺害され、それ以降は息子が時計館を継いでいる。

・三刻 終造について
「星空時計館」の現館長。
ネットには特にこれといった情報はない。
波照間 紅
風車建設の経緯については何か出てきますか?
KP
そうだなー、ネット上にはほとんどない。
【アイデア】どぞー
波照間 紅
1d100 85 【アイデア】 Sasa BOT 1d100→13→成功
KP
星見町は排他的な土地のようだ。
若者もほとんどいない。
ネットワーク上に情報が流れにくいのはそのせいだろうか。

現地の住民に話をきくならば、旭町で聞いた方が有益かも知れない。
ということで、食事は旭町でとったことにしてもよい。
波照間 紅
お、前後してすみません。
ではそうします。昼食をとった食堂に戻ろう。

KP
ではあの話し好きのおっちゃんの店に戻って夕食をとりつつ調べ物をしたと。
波照間 紅
昼食が美味しかったのでまた来た話をしつつ、話を聞いてみます。
KP
「ごひいきありがとうねー」
おじさんは今日のお勧めはシシ鍋だという。一人用の準備があるそうだ。
「おっ、何か訊きたそうだね。お客さんも好きねぇ」
波照間 紅
「それをお願いします。実はあの風車を改めて見に行ったんですが、風車について聞こうとしたら……」

・星見町について
・風車建設の経緯について
・三刻終造について
・コスモス畑について
・秋野氏について

話を聞いてみます。
KP
・星見町について
「あー、あそこねぇ、いやーな思いしたってお客さん一杯いるんだよね。
大きな声じゃ言えないけど、最近あそこ変だよ。
っていうのもねぇ……」

・三刻終造について
「『星空時計館』あるじゃない、あそこ。
あそこの館長が代替わりした2年前。
新館長の終司さん、怪しーい宗教勧誘してたってもっぱらの噂でねー」

・風車建設の経緯について
・コスモス畑について
・秋野氏について
これは昼間に聞いたとおりだ。
波照間 紅
「怪しい宗教……、ですか?」
気になった。その言葉が出たとき、さりげなく水を向けてみる。
KP
「そうそう、聞いた事もない新興宗教。
星見には結構入った人多かったみたいだよ」
波照間 紅
「それ以前は、そんなに変でもなかったんですか?」
KP
「まあ田舎だとはいえ色々観光地あるじゃない、あそこ。
だから余所の人に冷たくはなかったんだよ」
波照間 紅
「それが、2年前から……、ですか」
KP
「さすがにそこまではわかんないけどね、関係ない事はないと思うなぁ」
波照間 紅
「……ありがとうございます。何なんでしょうね、一体」
KP
食事を終えると、外は暗くなっていた。
鍋は大変野性味溢れて美味だった。
波照間 紅
美味しかったことを言い、会計を終えてコスモス畑へと急ぐ。

彼女は。
彼女は、また来るだろうか。

まさか。まさか、そんなこと。

KP
コスモス畑に到着したのが19時頃。
望遠鏡を組み立て、待つ。
東雲視点(ネタバレ)
KP
波照間は何かをずっと待っている様子だ。
時折周囲を見回している。
1時間、2時間。待ち人は現われない様子だ。
東雲 圓華
私を待ってくれているの?
だったら嬉しいのだけれど。

横に寄り添うように座る。
私はすぐ側にいるのよ、波照間さん……
時が経つごとに、彼が待っているのが自分だと確信できて嬉しくなってしまう。

あと少し。あと少しで波照間さんと話せる。

波照間 紅
寒々しく冷えてくる空気を感じながら、じっと、待った。

彼女が現われることを。
東雲視点(ネタバレ)
東雲 圓華
さあ、そろそろ時間。
目の前にいきなり現われるわけにはいかない。
立ち上がって距離をとって、彼の後ろへ。
深呼吸をして声をかける。

KP
21時頃になって、かなり冷え込んできた頃。
背後から声がかけられた。
東雲 圓華
「また、来てくれたんですね」
KP
振り向けばそこに、嬉しそうに微笑む東雲圓華の姿があった。
波照間 紅
「東雲さん、」

確かに聞こえた声に、はっと振り返る。
声が明るく躍っていたのを自覚する。

よかった。彼女は、生きていた。
そう思うと同時に……、

幽霊の噂を。昨日感じた違和感を、思い出していた。
東雲 圓華
「そんなにここが気に入ったんですか?」
悪戯っぽく笑って言う彼女は、やはり少し青ざめていた。
幽霊ではないのか、そんなあなたの想いを裏付けるように。
東雲視点(ネタバレ)
東雲 圓華
波照間さんの口から、誰を待っていたのか聞きたくなった。
景色を見ていたと言うかしら?
誤魔化すかしら?
少なくとも景色を見ていただけではないことは知っているのよ。

ああでも、あの跡は見ているのだものね。
あれのことを訊くつもりなのかも知れないわ……

波照間 紅
「ええ、……いえ。あなたと、もう少し話したくて」

彼女なら、笑ってくれるんじゃないか。そんな感覚で、本音がするりと出た。

彼女ともっと話したい、それは間違いのない感情だった。彼女のことが気になっていた。
だから、彼女と兄に何が起きたのか調べて回ったし、ここに明確な異変を感じていながら、今日もここに来たんだ。
KP
東雲は、虚を突かれたように目を丸くして、それから心底嬉しそうに破顔した。
東雲視点(ネタバレ)
東雲 圓華
その言葉はあまりにも嬉しくて。
そのためにここで何時間も?
ああして寒いのを我慢して?

東雲 圓華
「そう、そうですか。私もです」
KP
声のトーンが上がった。
その青白いとすら思える頬に光が差したようにも見えた。

彼女は昨日と同じようにあなたと色々話をしたがった。
※何か訊きたい事があれば、雑談の中で話した事にして訊いてみてかまいません。
波照間 紅
昨日と同じように、色々な話をした。ずっとそうしていたいような気が、どこかでしていた。

その中で、
「そういえば、昼に時計館を見に行ったんですよ。そうしたら、館長さんにお会いして。
日があるうちに、このコスモス畑と風車を見に来たんです。確かに星を見るには邪魔ですけど、夕暮れに羽根が輝いて、これはこれで美しかったですよ」
などという話を振って、静かに反応を見た。
KP
あなたが時計館の館長と会った話をすると、東雲は目を伏せた。
東雲視点(ネタバレ)
東雲 圓華
ああ……あのひとと会ったのね……
私にを与えた、あのひとと……

東雲 圓華
「そうですか……あの時計館からもここはよく見えるでしょう? 昼間にもいらしたんですね……」
KP
彼女には驚いた様子はなかった。
東雲 圓華
「そうですね、ここは昼間も綺麗です。コスモスがよく見えますものね……」
KP
そう言った東雲の顔は少し陰っていただろうか。
KP
波照間さんはあまり突っ込んだ質問しなさそうだなぁ。
波照間 紅
割と遠慮がありますからね。
とはいえ、このままただ話しているわけにはいかないと思っているので、突っ込んではいきますよ。
波照間 紅
「そういえば……、」

僅か、息を呑む。ぐっと拳を握り、決意して、ひとこと。
「お兄さんを、ここで待っているんですか」
東雲視点(ネタバレ)
東雲 圓華
ああ、この波照間さんも気付いたの。
そうよね、ポスター、貼って貰っていたもの。

でも、違うわ。
兄さんは、二度と戻らない。

東雲 圓華
「……」
KP
東雲は一瞬息を呑んだように見えた。
その瞳があなたをじっと見つめた。
東雲 圓華
「……いいえ。いいえ。兄には会いたいですけど、違います。
私の兄の事、ご存知なのですね」
波照間 紅
「ええ、……すみません、不躾だとは思いましたが。

人捜しのポスターを見ました。あなたの名があったのを、見ました。ここで失踪されたと、そう聞いて。

帰ってくるのを待っているのかと思ったんです。ずっと」
東雲 圓華
「もう、諦めているんです、兄の事は」
KP
東雲は首を振った。
東雲 圓華
「ずっと、もう戻ってこないと思いながら、ポスターを剥がす気にはなれなくて」
東雲視点(ネタバレ)
東雲 圓華
兄さんが死んだことを思い出してすぐに私は死んでしまったから、
あのポスターを剥がしてもらうことはできないわね…… 

波照間 紅
「……それでは、
誰を、待っているんですか。
こんな所で、ずっと」

ずっと。
彼女が幽霊かもしれないと思っていたせいか、そんな言葉が口を滑り出ていた。
東雲視点(ネタバレ)
東雲 圓華
あなたです、波照間さん。
私はいつだってずっとあなたを待っているの。

でも私は罪人
波照間さんはどう思うかしら。
私が身勝手な理由で人を殺したと知ったら。
自分の欲のために人を殺す薄汚い卑怯な最悪の存在だと知ったら?

KP
東雲は一瞬、泣き出しそうな顔をした。
唇が開いて、小さな震える吐息を漏らす。
東雲 圓華
「あ……あの……私が……」
KP
視線があなたから外れ、天空を彷徨った。
手が落ち着きなく自身の髪の先をなでつけた。
東雲視点(ネタバレ)
東雲 圓華
いや。知られたくない。

東雲 圓華
「言葉にするのが……難しくて。
ごめん……なさい……
ただ、ここにいると、きっと逢える……から……」
KP
あなたに背を向けると、かすれた声で呟くように答えた。
あからさまな動揺が見て取れる。

再びあなたに向き直ったときには、
言葉に焦りはあるものの、平常に戻っているように見えた。
東雲 圓華
「わ、私の事は、いいじゃありませんか。
それより、あの、弓道、されるんですね」
KP
その視線があなたの腰のあたりを彷徨って。
そして彼女はかすかに息を呑み、あなたの顔を見た。

あなたは、弓道をすることについて彼女に話していただろうか……?
東雲視点(ネタバレ)
東雲 圓華
いけない。
波照間さんは、これが弓だということも、弓道を嗜むことも、今回は言っていなかった。
どうか気付かないで。気付かないでください。

KP
これもkpc視点楽しそうだから後で書こう。
波照間 紅
わーいやったー! 立ち位置が色々ありそうでとても気になる
波照間 紅
泣き出しそうに唇を震わせる様子に、どうしようもなく、その痛みを止めたい、どうにかしたいという感情が入り乱れた。

「昼に、聞きました。この風車が作られたとき、随分な因縁があったと。

それで……、見に行ったんです。風車の裏側、森になっていたんですね」

裏側。
そこで何があったかには触れず、その場所に、触れる。

話して、いなかったかもしれない。
以前なら気軽に話しただろうが、「それ」に気軽に触られたりすると困るという事情が今はある。
KP
あなたが話し始めて、一瞬ほっとしたような顔をした彼女は、あなたが風車の裏に行ったという話をし始めたと気付くと再び落ち着かなく髪の毛を弄り始めた。
東雲 圓華
「ああ、裏の……
怖いですね、人を襲う動物でも、いたのでしょうか。
風車の事は、よく、知りません。
風がなくても回っていること、くらいしか……
波照間 紅
見たんですね。あの……、血痕を。
あれを見たとき、僕は……、怖くて、怖くて。

あなたが、殺されたんじゃないかと」
落ち着きなく髪を弄る様子から、視線を外さない。
東雲視点(ネタバレ)
東雲 圓華
ああ駄目、怪しまれる。
死んだのは私。けれど違うと言わなければ。
ああ違う、そもそも人は死んでいないことにしなければ。

東雲 圓華
「あ、あの、間違えました。
動物を殺す趣味のある、人がいるのか、と。
事件なんて起きていませんもの。そうでしょう?」
KP
彼女は居心地悪そうに空を見ている。
東雲視点(ネタバレ)
東雲 圓華
これ以上追求しないで。
もうこれ以上は話せない。
もう顔を見て喋る自信がない……

東雲 圓華
「大丈夫です、私は、こうしてここにいますから……」
波照間 紅
「あなたが何者か、とか……、そういうことを、問い質したいんじゃない」

一度ふっと視線を落として、そして再び、真っ直ぐに彼女の眼を見る。
不思議な輝きをしたその眼を。
「ただ……、あまりに辛そうで、ずっと、泣きそうに見えるから。

力に、なりたいだけなんだ」
東雲視点(ネタバレ)
東雲 圓華
優しい言葉に涙が溢れそうになり、
全てを話してしまいそうになった。

そう、きっと波照間さんなら。
きっと、このひとなら……

波照間 紅
前に一歩踏み出した。意図せす、手が触れかけるかもしれない。
KP
手が触れる。
ひやり、と冷たかった。
それは、ただ寒いから、などといったものではなく、明らかに『体温というものが存在しない』冷たさだった。
東雲視点(ネタバレ)
KP
波照間の手が触れている。
その感覚はなくとも、熱は感じなくとも、触れているのは分かる。
東雲 圓華
ぼんやりしてしまう。
波照間さんと触れている部分が暖かいような気がしてしまう。
このままずっと

はっと気付く。
波照間さんに私の手が触れている。
いつか波照間さんが言っていた。
私の手には温度がない……

KP
東雲はあなたの手を見つめ、一瞬我を忘れたような顔をした。
そして慌てたように手を後ろに回す。
東雲 圓華
「ご、ごめんなさい。
今日はもう遅いですし、お帰りになった方がいいでしょう。
ほら、怖い野生動物がいるかも、しれませんし」

「私は……物騒なお話より、あなたの事が聞きたいです。
また明日、もし、お時間があれば」
KP
東雲さんウソがド下手くそ。
波照間 紅
「そうか……」
一瞬触れた手を見つめて、それから彼女に視線を移す。

手ひどい、あまりにも悲しい拒絶だと感じた。

「僕のことを、話していないようなことまで分かっているのにも、何か理由があるのかな」
穏やかな表情を浮かべようとして、少し気弱な、困ったような顔になってしまった自覚はある。
もう少し頼りがいのある顔をしたかった。
東雲視点(ネタバレ)
東雲 圓華
いけない、いけない、いけない、ああ、どうしよう。
知られてしまう、気付かれた、私の
私の
私の正体
私の、私が人殺し
とっくに生きていない化け物
最低の

KP
東雲は息をのんで、首を振った。
手があなたの方へ伸ばされかけた。
目から涙が溢れる。
その唇が何か言葉を発しようとした。
だが、彼女は恐れを目に宿して後ずさった。
東雲 圓華
「ごめんなさい」
KP
東雲はよろめいて逃げ出した。
波照間 紅
「あっ」
思わず、その背を追いかける。
考えたり思ったりするより先に動いていた。
東雲視点(ネタバレ)
KP
あなたはコスモス畑から出た途端、風車の前に戻っていた。
東雲 圓華
すぐさま裏手へと駆け込む。
あの黄色いテープと血痕の横で声を殺して泣く。

KP
【DEX】×3で判定どうぞ。
波照間 紅
1d100 15 【DEX】 Sasa BOT 1d100→6→成功
KP
おお、意地だ。
波照間 紅
わお、頑張った 息を切らせてめちゃめちゃ頑張ったな
KP
うーーーん。それなら。
KP
コスモスの花の間を縫って、飛ぶように駆けるその背を追う。
月影のもとどこまでも走ってゆく後ろ姿は、くっきりと浮かび上がって
街灯もないこの丘でもよく見えた。

足元の不安定な土を踏み固められただけの道でも、
あなたはまっすぐ前を見据えて走り続けた。
目をそらすことなく、ただひたすらに。

東雲はコスモス畑に覆われた丘を駆け下りた。
その足がコスモス畑の外の地面を踏んだ途端、その姿がぼやけた。
またたきのうちに、彼女の姿は消え去っていた。
物音もなく、空中にかき消えるように。
SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1
波照間 紅
息を切らせ、肩で息をし、名を呼ぼうとした声は出ない。
喉が冷たい外気を吸って裂けそうに痛んだ。足を掬われかけて転びそうになるのを、無理矢理に地面を蹴りつけて走った。

視界が狭まっていく。
何もかもを意識から追いやって目の前の、浮かび上がるような後ろ姿を追いかけた。

伸ばした手を届かせようと、一歩大きく跳んだ時──

彼女の姿が消え去った。
勢い余って地面の上に転がる。

「っ、痛てて……」
土まみれになったポロシャツの襟を払い、デニムの裾を叩いて立ち上がると、そこにはもう誰もいなかった。
1d100 69 《SANチェック》 Sasa BOT 1d100→10→成功
波照間 紅
さすがにキャンプに来るのにいつものシャツとスラックスじゃなさそう、ということで微妙に服装が変わっております。
シャツの色は一緒。
KP
コスモス畑は沈黙に覆われた。
月明かりのもと、ただあなたが設置していた望遠鏡だけがぽつりと残されていた。
9月8日深夜、彼女がそれから姿を見せる事はなかった。
波照間 紅
望遠鏡の傍ら、途方に暮れてひとり立ち尽くしていた。
ただ花ばかりがさざめく音の中、遠い星々が痛いくらいに美しかった。

やがてひどく冷たい風が吹きつけて、自分を我に返らせる。
望遠鏡を引きずるようにして、コスモス畑を後にした。
イベント早まった
波照間 紅
そういう事態だの幽霊だのに慣れてる人でお手数をおかけします……。
KP
コレ系のイベント、まだ先の予定だったのよね!
波照間 紅
なんと!! CoC的には色々予期想定しすぎなんですよねデビルバスター、というか、波照間。
KP
まあ慣れてるからこそコレでも行けるだろうって思っちゃった。
追いかけるの成功しちゃったし。
あと目の前で人が消えたダメージ本当は1/1d3とかなんですよね!
予期してた人が消えたくらいでそんなショック受けねぇなって思っちゃった。
波照間 紅
シナリオ的にあれでしたらこのへんの流れ、ログとっといてもうちょっと後に起こったことにさせていただきますが
KP
いえ、大丈夫です。
波照間さんならきっと大丈夫。
波照間 紅
ありがとうございます、お手数おかけします。きっと大丈夫ってなんだろう、それはそれでドキドキ。
消えたというか、彼女に拒絶されたことで+1点くらいダメージ受けそうではある、この感じ。
KP
ただ、シナリオままだと間延びするから、イベント早めた方がいいか、それとも波照間さんに焦燥を味わっていただくか……
波照間 紅
焦燥感と無力感を味わうのもそれはそれでアリ
波照間さんの優しさと圓華のバカ正直さがこの事態を招いてしまったのだ……


ひとこと
KP
甘酸っぱいロマンスかと思いきやとんでもないものが出てきてしまう。
一体ここで何があったのか?
波照間の思いは届くのか?


CoC『静寂舞手』佐倉&牧志 6

「馬鹿野郎!」

【置】CoC『ヒナドリ ・ イングレイヴド 』 牧志&佐倉 2

「佐倉さん、俺は牧志浩太。牧志、って呼んでよ。」

【置】CoC『しんでなんかないよ』 牧志&佐倉 4

もう、認めるべきではないだろうか?
彼はもうこの世のどこにもいないのだ、ということを。

【クトゥルフ神話TRPG】
本作は、「 株式会社アークライト  」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。

Call of Cthulhu is copyright ©1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc.
Call of Cthulhu is a registered trademark of Chaosium Inc.
PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION 「クトゥルフ神話TRPG」


CoC『VOID』継続『空白の航海』ヴィキ 1

「必ず、幸せになれるだなんて、そんなこと言い切れないよね」

CoC『VOID』継続『靴下が履けない』結城&ヴィキ

『うん。ちょっと横断歩道渡れなくて困ってるお婆さんと、気分悪そうにしてるおじいさんと、風船取れなくて困ってる子がいて』
『……イベント起きすぎじゃない?』

CoC『VOID』継続『AND/HAND』 ヴィキ&結城 1

「ギャップがすごく気持ち悪い……」