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こちらには『刻の牢獄』
ネタバレがあります。


波照間 紅

真・女神転生発のサマナーで悪魔退治屋。弓術を得意とする真面目な青年。
沖縄出身である。

宇宙に並々ならぬ思いを抱く。

このシナリオを始めた理由
随分と回数を重ねたねぇ、という話題の中で。
KP
メガテンCoCも80話程度はあるのだった。
もう本編より多いかも知れない。
波照間 紅
そう、ちょくちょくいつものを見返しては、一緒に歩んできた道の長さを感じています その度に毎回何かしら変化があるし

メガテン本編が22+30+53話だから、ま、まだセーフ(?)
KP
メガテンの壁はさすがに厚いなぁ。
でも確かこっちのシリーズ始まって一年経ってないんですよね。
波照間 紅
そうなんですよ、実は。生ログの日付を見て気づいた。
あれ? 案外最近だな? っていう
KP
あ、あとメガテン序盤は複数日で1ログになっていたりするので実はもっと多い。
波照間 紅
ああー、そういえばありましたね。
交渉が複数日に渡る場合とか、ログが1つになってた
KP
私がCoCモリモリやり始めてまだ一年経ってないのか……
おかげさまでもの凄く多く遊ばせてもらって日々楽しい!
波照間 紅
私もめっちゃめちゃ楽しい! いつもありがとうございます!
変化とドラマと盛り上がりがすごくて本当にめちゃめちゃ楽しい。複数人でやる卓も大好きですが、このシリーズ、タイマン故に深くじっくり掘り下げていける一面もありますし。
波照間をボコボコにもされてみたいなぁ。(?)
KP
ほほう……
アッタが頭抱えちゃうな。
波照間 紅
抱えちゃいますね。佐倉くんも波照間も、やっぱり牧志に関わったのがいけんかったのでは。というのが現実味を帯びてくる
KP
波照間さん結構つよいんで、ボコボコにするの結構大変そうだなと思う。
なんかいいのさがしてこよっと。
波照間 紅
わーい。よろしくお願いします。
でも実はPOWは一番低い。
KP
意外。
境界のなさはPOWの低さ故であるのか。
波照間 紅
そうなんですよ。POWが低い、初期正気度が低い、というのはもしかしたらそういうことなのかもしれない。
というわけなので、夜空をキーワードにしていろいろ探してみました。

KP
舞台は星空が美しく、時計塔がある田舎町です。
波照間さんは旅行又は仕事の途中で立ち寄ることになります。
どうしてここに来たんでしょう。
やっぱ星空だから冬かな!
と思ったら秋だった。9月上旬だ。
波照間 紅
星を、見に来ていた。

そういえば最近忙しくて、星を見ることが、望遠鏡を覗くことが減っていた。
減っていたと気づいてしまえば、あの降るような星空をどうしても見たくなって、なんとか時間を作って電車に飛び乗った。

最低限の荷物とCOMPと小型の望遠鏡を持って、その地に降り立つ。
波照間 紅
秋だった!
KP
コスモス咲いてるからな。
では星を見るのが目的、観光ですね。
波照間 紅
です。観光。

【プロローグ】

日が沈み、月が昇った。
雲ひとつない夜空の中で、星が流れる。
昨日と同じ場所に、昨日と同じ時間に、昨日と同じ星が流れ落ちる。

星にいくら願いを求めど、その願いが届くことはない。

来たる3度目の夜。
歯車は、歪み、止まり。
そして、また逆回転で回り出す。

月が沈み、日が昇った。
雲ひとつない夜空は、青空へとその姿を変える。
昨日と同じ場所に落ちた流れ星は、宇宙の塵へと還っていく。

そんな、繰り返されるときの中で、彼女は一人佇んでいた。

誰かを待つように。
誰かを想うように。

ただただ独りで、この歪んだ刻の中に在り続けていた。


刻の牢獄
きゅう助 様 作


波照間 紅
うおおおーーー、よろしくお願いします!
KP
夏の暑さがようやっと去りはじめた9月。
あなたは少し長めの休みを取って旅行に出ていた。

9月5日から9月12日までの一週間、
仕事を忘れて星を見に行く。

連れはなく、たったひとり車に乗り、
自由気ままに行きたいところへ行く。
そんな贅沢な時間だ。
キャンプ道具なんかも乗せて行くのだろうか。
それともゆく先々でホテルをとったのだろうか。
波照間 紅
仕事と大学で忙しい中、無理やり時間を空けて取った休みだ。

誰かを、それこそ牧志を誘おうかとも思ったが、日程を合わせるのが難しい。

それに、たったひとりでずっと星に浸っていたい気も、どこかあった。小さな頃不思議な友達に手を引かれて空を飛んだ、あの日のように。

街の灯りを離れて一週間、ずっと星空に浸っていたくて、車にキャンプ道具と食料を積む。
キャンプ慣れしているわけじゃないから、火の扱いをしくじっても食べられるような缶詰なども用意した。
KP
この季節は空が澄み始め、
普段は見えない暗い星ばかりで作られた
りゅう座やきりん座などの星座を見るには最適だ。

普段は見えないなにかも見えるかも知れない。

日常から遠く離れた地へと心は飛んで行く。
波照間 紅
まだまだ暑い時期。それでも、靄が取れ澄み始めた空、入道雲から形を変えていく雲、偶に傍らを過ぎるひんやりとした風に、秋の匂いを感じた。

きっと日常を遠く離れていけば、秋の香りも強くなるだろう。ひとまずの目的地の情報を調べる。気温や標高、山の方か海の方か。日本海か太平洋か。
波照間 紅
9月上旬ということですが、情景描写的にもうちょっと秋寄りかなーと思うので、リアル9月上旬よりも秋寄りで描写しています
KP
新潟あたりかな。


9月6日


KP
牧場や田園が連なる、都会からは離れた小さな町。
いや、集落といってもいいような小規模な住宅が見えてきた。
道行く人はある程度年齢の行った者達ばかりだ。

だが、大きな石造りの風車がある。
これだけは観光客を待つようにそびえてゆったりと回っている。
あなたは、ここから見える星空は素晴らしいという噂を聞いてルートに入れたのだ。

よく見たいところかもしれないが、昼を回ってだいぶ時間が遅くなってしまっている。
キャンプ場へはもう一山越える必要があるのだ。
波照間 紅
「この風車もすごいな」
風車を見上げ、スマートフォンで何度か写真を撮る。

もう少し眺めていたい所だが、時計を見ればあまり時間がない。何もない山の中で真っ暗になってしまうのは避けたいし、日がある内の方が道中の景色も楽しめる。

車に乗り直し、ガソリンスタンドがあれば給油して出発。
KP
街の外れに、かなり古くからありそうなガソリンスタンドがある。
半分廃墟に見えるが、人はいた。
ほとんど売り切れだらけの自販機が設置してある。
一応給油は可能だ。
波照間 紅
お邪魔します、と一声かけてガソリンスタンドに車を入れる。山を越える前に給油しておきたい。
KP
壁に、美しいコスモス畑が広がる丘のポスターが貼ってある。
これもまた随分と古そうで、端がくるくると丸まっている。
隅っこには『星空時計館』と書かれている。近所の名所だろうか。
無愛想な店員が手早くガソリンを入れてくれるだろう。
波照間 紅
給油されながらポスターとその文字を写真に撮る。後で調べよう。
KP
だいぶ陽が落ちてきた。テントを立てることを考えるなら急いだ方がいいだろう。
さもなければ真っ暗な中で食事の準備をすることになるし、星を見に戻ってくる時間がなくなってしまうかも知れない。
波照間 紅
おっと、時間がない!
店員に礼を言い、料金を支払って急いで出発する。この車は小さくはないが大きくもない、車中泊にはあんまり向かない。
KP
山を越え、何とか予定していたキャンプ地にたどり着く。
テントを立てる頃にはだいぶ暗くなりかけていた。
火をつけて食事をとる暇はなさそうだ。
もう頭上には一番星がきらめき始めている。
なにしろ今日はびっくりするほどの晴天、最高の天気だ。
星を見に行くなら今日を逃す手はないだろう。
波照間 紅
「あーあ、遅くなったな……」
仕方ない、焚火を楽しむのは明日以降だ。今日は手早く缶詰で済ませ、望遠鏡の準備と星を見に移動することを優先。

何より、きらめき始める一番星と、その合間に輝き始める星の数を見ていると、今すぐ駆け出したくてたまらなくなってくる。
KP
安っぽいカンヅメでも、こういった場所でひと工夫して食べると不思議と美味しく感じるものだ。
KPが日数管理をミスっていたので、ここから翌日になります。
この日は無事キャンプで就寝、一日周辺観光や、物資の調達をした、ということになります。



9月7日



KP
ちょっとした食事を終えたあなたは、車で再び道を戻る。
暗くなった山道を越えてゆくと、少し記憶が刺激されるかも知れない……
波照間 紅
ああそういえば、あの時も。コンビニのツナマヨおにぎりが、不思議と染みて感じたな。
傍らにもうひとりいたあの時を、暗い山道を行きながら思い出した。
KP
大体30分程度車を走らせると、先ほどの集落が見える。
村民は眠りについているのか、人里であっても暗闇に沈んでいる。
ただぽつぽつとところどころにある街灯だけが、ここが人の住む地であることを示している。
波照間 紅
ここは東京と違って、夜には真っ暗闇になるらしい。
ふと故郷の波の音を思い出して、それよりもっと静かな場所だと思った。

集落の傍らを通り過ぎ、目的地へ向かう。
東雲視点(ネタバレ!)
KP
目を開くと、見慣れた景色が広がっていた。
東雲 圓華
ほんの少し前の別れが胸を締め付ける。
あの波照間さんは私のことを少しでも覚えていてくれるだろうか。
出会うたびに思いは募って行くのに、三日経てば初めまして。
空しいし哀しいけれど、それでもあの人の優しさに触れたい。

波照間さんと会わないようにしてみたこともあったけれど、そうしたら寂しさで心が壊れてしまいそうだった。
この牢獄には波照間さん以外に変わるものはなにもないから。
いつもはいるはずのおじいさんも訪れないから。

ため息をついて星を見上げて願う。

どうか今度は一緒にいけますように。

叶うはずがないのに、祈らずにおられない。
私自身も繰り返し続けている。
この無限の牢獄で。

KP
目的地の風車の丘にたどり着く。
ここは住宅から離れており、小さな観光客向け駐車場があるが、あなた以外に天体観測に来た者はいないようで、ほかに車はない。

気がつけば周囲は無数の花で覆い尽くされていた。
さすがに冷たくなってきた夜風に揺れる花弁がかすかな音を立てる。
月明かりが辺りを照らしており、石造りの風車はその中に黒々とした影を落としてゆったりと回り続けていた。
丘は一面、美しいコスモス畑となっていた。
KP
※いきなりコスモス畑になったわけじゃなくて、気付いたって感じですね。
波照間 紅
「綺麗だな……」
つい、声が漏れる。

ライトを消して車を降り、一度目を閉じて、暫く待って開く。
眼が闇に慣れてくると共に、真っ暗闇だった所に、天から降るような星々を背景に、微かな月明かりに照らされて一面に揺れる花々が現われた。

星を見るのには月明かりがあるのが少し惜しかったが、冷たい風に揺れる一面の花々があまりに綺麗で、これもいいなと思えた。
KP
白、ピンク、赤、黄、黒。
様々な色のコスモスが綺麗に植え分けられ、咲き乱れている。

ふと、あなたは気付くだろう。
咲き乱れるコスモスの中、一人の人が天を眺めていることに。
波照間 紅
あ、と声が出る。先客だろうか。車がないということは、近隣の人かもしれない。
小型望遠鏡と三脚を抱えた姿で、その人に近づく。
東雲視点(ネタバレ!)
KP
誰かが近づいてくる。
東雲 圓華
ああ、波照間さんだ。

駆け寄りたい気持ちを抑える。
あのひとにとって私は見知らぬ人間。
いつかの彼は、幽霊のように見えたと言っていたっけ。

KP
雲一つない晴れ空の下。
あなたは月明かりに照らされた人影へと近づく。

近づくに連れて、その人影はより鮮明にあなたの目に映ることだろう。
それは、ほっそりとした一人の女性。
青白く見える肌、風で揺れる淡い銀の髪。
少し儚げな、翠緑の瞳は、空に広がる星を映していた。

あなたが声をかけると、彼女は、その視線をゆっくりあなたへと向けた。
コスモスの花弁がほんの一瞬だけあなたの視界を覆い、その向こうで彼女は優しげに微笑んでいた。


東雲視点(ネタバレ)
東雲 圓華
できる限りゆっくりと振り向いて、微笑んでみせる。
色も熱もない世界で、あの人だけが本当のものに見える。

波照間 紅
「今晩は、お邪魔しています」
女性
「星が綺麗な夜ですね。お会いできて嬉しいわ」
KP
彼女はひそやかに囁いた。
波照間 紅
「あ……、」
少し、どきりとした。心臓が微かに高鳴るのを感じる。
雲一つない晴れ間の下、月明かりと花と星々に挟まれて、その人は天を見上げていた。

風に揺れる銀糸の髪。儚げな瞳が月明かりを映して、まるで風景の一つのように美しかった。
「あ……、ああ。星が綺麗な夜ですね。あなたも、星を見に?」
心臓の音を誤魔化すように、三脚を…… コスモス畑の中には下ろしづらい。諦めて三脚を抱えたまま天を見上げる。
KP
おそらく二十代前後であろう女性はそっと頷いて、再び天を見上げた。
東雲視点(ネタバレ)
東雲 圓華
ああ、やはりこの人は私を知らない。
たったさっき私に優しく触れてくれたことも、一緒にお握りを食べたことも、私が言ってしまった酷い言葉も、この人にとっては起きていない、存在しない出来事なのだ。
あれを覚えているのは私だけ。

もう何度も体験して知りすぎるほどに知っていることなのに。
もう諦めよう、辛いだけなのだから割り切ろうと何度も思ったのに。
波照間さんへの想いは、空っぽになった私の中でまだ瑞々しい。
きっとこれが本当に枯れ果てたとき、私は完全に消えてしまうのだろう。

最初は、この人に助けてもらおうと思った。
この人が鍵だと思った。

けれど理解してもらおうとしても、たとえ理解してもらっても、
好かれても、嫌われても、(嫌われるのはとてもとても大変だったし、私自身も辛かったので、もう二度とやりたくない)
愛しても、愛されても、
三日経てば全てがなかったことになる。

それなら私は、思うままに彼と過ごしたい。
少しでも長く、少しでも多く。

女性
「あまりにも綺麗なので、誰かと見たくて」
小さなため息をつくようにまつげが震えた。
波照間 紅
「そうでしたか。あ……っと、僕も星を見に来たんです、ご一緒しても?」
不躾だろうかと考えながら、そう言って、彼女と同じ方向を見上げる。
そのささやかに震える睫毛を、澄んだ色の瞳を、ついちらちらと見てしまう。
女性
「ええ、勿論。
星は誰のものでもありませんもの……」
女性は小さく頷いて微笑んだ。
KP
【アイデア】
波照間 紅
1d100 85 Sasa BOT 1d100→90→失敗
波照間 紅
あらら。それどころではない!
KP視点(ネタバレ)
これは『夜中に女性一人が見知らぬ男性に話しかけられているのに、全く動じていない』ということへの違和感に気付いてもらうためのものでした。
それどころではなかった!

東雲視点(ネタバレ)
東雲 圓華
波照間さんは前回、UFOに乗った人たちと一緒に宇宙に行ったと教えてくれた。
本当のことかどうかは分からないけれど、可愛いらしい記憶。
私も一緒に連れて行って貰えたらいいのに。
空はこんなに晴れているのに。

KP
女性は天を見上げ、
女性
「UFOでも来たらいいんですけれど」と呟いた。
波照間 紅
えっ? ちょっと驚いた。勝手な先入観だが、そういうことを言うような人には見えなかったからだ。

案外遊び心のある人なんだろうかと思うとともに、そういえばあの時もこんな星空だったような気がするな、と思った。
「いいですね。光で星が見えなくなってしまいそうなのが、少し勿体ないですが」
その驚きで少し話しやすくなったような気持ちと、何となく感じる好意が入り混じって、顔はまだ赤かった。
KP
あなたの反応を見て、彼女は小さく笑った。
東雲視点(ネタバレ)
東雲 圓華
彼はこの程度のことで気味悪がるような人ではないと知っている。
少しは気にしたと思うけれど、そんなことよりも今はもっと突っ込んだ話がしたい。

属性が違う
波照間 紅
綺麗な女の人相手で波照間の挙動がいつもとだいぶん違ってて面白い
KP
だいぶ違う姿が見られそうで楽しみ。
波照間 紅
そうそう。これは面白い。
メガテン本編では活発だったり押しの強かったりする女性達が多かったですからねぇ。
KP
そういえばそうですね。
波照間 紅
ピクシーといいアッタさんといいラミア姉さんといいエンジェルさんといい。
KP
元気な子ばっかりでしたからね。
波照間 紅
そうそう。
85あるのにここでアイデア失敗するの面白すぎる 気もそぞろじゃないか
KP
実は見た目はエンジェルさんそっくり、なんてネタにしようかと思ったこともある。
波照間 紅
それは色々大変だ!(裸を思い出しちゃう)
藤江チーフと初めて出会った時の挙動といい、波照間年上の綺麗な女性にちょっと弱いんじゃないかってとこありますね。
KP
あー、確かに。
波照間 紅
あの時もだいぶんCHARMされてたし。

女性
「どこかへ行きたいから……」
KP
どこかへ。
そう呟いたとき、少し声が陰った。
女性
「そうですね……月が明るいと星は少し見づらいかも知れません。
でも、お顔がよく見えます」
KP
緑色の瞳が、じっとあなたを見つめた。
東雲視点(ネタバレ)
東雲 圓華
少しの悪戯心がそうさせた。
波照間さんがこういうストレートなのに弱いの、知っているんですからね!

波照間 紅
どこかへ、と。
その声に宿る響きが、少し気になった。

翠色の瞳が視界に広がる。

……心臓が激しく高鳴った。顔に熱が上っていく。
「あ……、ええ、」
じっと、見つめ合う格好になる。

翠色の宝石に似て煌めく瞳。長い睫毛。小さな口、薄い唇。思わず口元に視線が吸い寄せられては、不躾だと視線を彷徨わせる。
東雲視点(ネタバレ)
東雲 圓華
前に偶然こんな状況になったときとあまり変わらない反応をされた。

胸がチクリと痛んだ。

やめよう、こんな、ことは。
意図的に相手の心を操るようなことは。

これを哀しいと思える間は、きっと私は人間だから、心だけは人間のままでいよう。

いずれすり減って、消えてしまうのだろうけれど。

女性
「星を……」
KP
彼女はくすくすと笑った。
女性
「星を観に来たのではなかったの?」
KP
彼女はあなたが担いでいる望遠鏡……まだケースに入ったままだ……を見る。
女性
「りゅう座がよく見えますよ」
KP
ほら、あちらに。あなたの内心など意に介さないようなゆったりとした動作で、白い指が視線を空に導いた。
東雲視点(ネタバレ)
東雲 圓華
りゅう座はこれから三日間、いつだって綺麗だわ。
『ここ』に来るまで、りゅう座なんて知りもしなかった。
あなたが教えてくれたのよ、波照間さん。

ツッコミ不在
KP
※ここからなんとなくお喋りタイムです。
 満足したら終わります。してなくてもある程度の時間で終わります。

そっとイメージ曲
Akino Arai (新居昭乃) - Toki no shirabe (時の調べ)
波照間 紅
おおーーーありがとうございます 帰ったら聴くんだ
※はーい
見つめ合うと素直にお喋りできない状態だけどお喋りタイムだ
ところでこの空間ツッコミいないんですけど、「UFOでも来たら」って呟きに対して普通に「いるもの」として応えるんじゃない、波照間
KP
えーとほら、優しさ? そういうの当たり前に言う彼女への優しさと解釈しよう!
※そういえばそう
波照間 紅
※残念ながら素

波照間 紅
「あ……、ああ。はい。ええ」

ケースに入ったままの望遠鏡を見やる。これで遠い場所の星を覗きに来たはずなのに、今はこれで視界を狭めてしまうのが惜しい気がした。

コスモス畑の合間、どうにか踏み固められた通路を探し、そこに三脚を張る。
りゅう座の方向に向けて望遠鏡をセットし、雲台を向けた。
東雲視点(ネタバレ)
KP
彼はいつも通り、天体観測の準備を始める。
あなたがちょっかいを出したせいか、少しばかり動きがぎこちなかったが。
東雲 圓華
早く話したい。色々なこと、彼のこと。
北極星くらいなら、いきなり言い当ててもおかしくないわよね?

KP
女性は二歩離れた場所であなたを見ていた。
その視線には少なからず好意的なものが含まれていたと、
人の心を読むに長けていないあなたでも確信できただろう。

しんと静まりかえった空、天蓋を無数の輝きが満たす。
聞こえるのは風にざわめく花たちのささやき、聞こえ始めた鈴虫の音。
重々しく回る風車のきしむ音。
熱くなるあなたの頬に冷たい風が触れる。

女性は長いスカートを揺らし、屈んだ。
望遠鏡が饐えられた方向に視線を向け、北極星を見つけた、と嬉しそうに報告する。
波照間 紅
高鳴る心臓がその速さに反比例して、時間の進みを遅くするようだった。

あらゆる音が全身から入ってきて心を動揺させる。二人きりの世界の中に浮かんでいた。

声に反応して北極星の方向に望遠鏡を向けようとして、思いとどまり、望遠鏡から眼を外してそちらを見上げる。
「本当だ」

船乗りの星ポラリス

自分たちが星を見上げているような、星が極から自分たちを見下ろしているような気がした。

さざめく波の中にたったふたりで立っているような気がした。
女性
「ねえ、……」
東雲視点(ネタバレ)
東雲 圓華
思わず名を呼びかけた。
いけない、名前がまだだった。
早く彼に呼んで欲しい、もう誰が呼ぶこともない私の名。

KP
何かを言いかけた。
それからひと呼吸して、
女性
「私は、東雲圓華しののめまどか。お名前を聞いてもいいかしら」
波照間 紅
「……?」
何かを言いかけたことに気づいたが、問う度胸はなかった。
「東雲さん。僕は波照間、紅です」

東雲さん。
どこか纏う雰囲気に似合う、美しい名だと思った。
KP
女性は、東雲は嬉しそうに目を細めて笑った。
ずっと青ざめていた頬に、薔薇色の光が差したかのようだった。
東雲 圓華
「はじめまして、波照間さん。ありがとう」
KP
艶めく唇が、大事そうにあなたの名をなぞった。
波照間 紅
その瞬間、辺りに光が射したように感じた。

ずっとその人の頬に落ちていた影が、ふと和らいだような気がした。自分の動揺でいっぱいになっていた心に、安堵が波のように広がる。
東雲視点(ネタバレ)
東雲 圓華
話したい。聞きたい。
まだ途中までしか聞いていない故郷の話。
何度だって聞きたいお気に入りのお酒の話。
お仕事の話は嫌がるわよね。正直とても気になるけれど。何度、いつ聞いてもはっきりと答えてくれたことはない。でもこれは多分……
ちらっと彼の荷物を見た。
あの時に見た『あれ』に関係があるのでしょうね。

東雲 圓華
「ご旅行ね?
今丁度コスモスが全部咲いているの。最高のタイミングにいらしたわ」
波照間 紅
「ええ、そうです。そうなんですね、いい時期に来られてよかった」
東雲 圓華
「どちらからいらしたの? ここへは星だけを見に?
キャンプでしょう? このあたりにはお宿はないもの」
KP
突然、性急とも思えるような矢継ぎ早な言葉が飛んでくる。
彼女はあなたと話したがっているのだ、と思えるだろう。
波照間 紅
あまり人の来ない所なのだろう、今日も他に車を見なかった。
話したがってくれることをどこか照れくさく、嬉しく思ってしまう。
「ええ、そうです。向こうのキャンプ場にお世話になっています。東京から、最近忙しくて星を見たくなって。

東雲さんは、こちらの方ですか?」
東雲 圓華
「はい、この近くの町に住んでいま……す」
KP
彼女が口にしたのは、この集落ではなく、あなたがキャンプをしている場所にほど近い、旭町だった。
東雲 圓華
「兄が、星を見るのが好きでした。よく連れてこられるうち、ここが気に入ったものですから……
ほら、コスモスが綺麗でしょう?
色々なお花が植わっているのですけれど、この時期は特に。
風車が建ってしまったので、あちらの星は見えなくなってしまいましたけれど、
あの頃は、上は一面星の海、下に花の海のようで、本当に綺麗だった」
波照間 紅
「そうだったんですね。お邪魔しています」
町の名を聞いて、明日にでも足を伸ばしてみようかと思う。
「はい、本当に綺麗です。望遠鏡を覗くつもりで来ましたが、視界を狭めてしまうのが勿体なくなるくらいに。

何だか、海の上に立っているような気分になります」

懐かしそうにだろうか、寂しげにだろうか。語る彼女の横顔に月明かりが僅かに跳ねて、一面の星の海が見えるようだった。
東雲視点(ネタバレ)
東雲 圓華
『最近の』波照間さんは、星を見るよりこちらを見てくれる時間が長いみたい。
正直、とても嬉しい。

そう思うと同時に、とても不安になる。
『最近』は特に。
このままでは良くないことが起こるのだという予感がする。

KP
あなたの言葉を聞いて、東雲はほころぶように笑った。

彼女はそれから、あなたの話を聞きたがった。
家族の話、学校の話、日常の話、宇宙の話。
その話題は多岐にわたったが、あなたは少し不思議に思っただろうか……

【アイデア】
波照間 紅
1d100 85 【アイデア】(おちつけ波照間) Sasa BOT
闇司祭ファラリス
1d100→45→成功
波照間 紅
おちついた(出目に反映してて笑う)
KP
おちついた!
KP
少し冷えた頭で会話をしていると、
彼女の話があまりにもあなたの趣味や知識にそっていることに気付くかも知れない。


好きな動物の話になると、すぐに猫を飼っていることを言い当てられる。
宇宙の話をすると、少々マニアックすぎるかと思える知識にも反応を返される。

故郷の話になれば、南の方の出身だろうと当てられた。
あなたの仕事の話に話が向きそうになり、
あなたが説明に困りそうだな、と思ったときにはあっさりと話題が変わった。

何もかも全て、と言うわけではないとはいえ、
あまりにも話が合いすぎることが、少し気になったかも知れない。
これはカンがいいとか、知識が広いなどという言葉で片付くだろうか。

そもそも……
こんな夜に女性一人星を見ていたとして。
見知らぬ男がやって来たら少しは警戒するものではないだろうか。
本編見る!
波照間 紅
「……?」
随分話しやすい、と感じたのが最初だった。まるで導くように話を持っていき、こちらの興味を引き出す。

少し頭が冷えてくると、それはちょっとした違和感になる。随分とこちらの心を読むのが上手い。よく気がつく。
牧志と喋っている時の感覚に少し似ていたが、それ以上だった。知るはずのないことまで見えているようだった。

彼女の存在はあまりにも、人間離れしてすら感じられた。

話しながら、ひっそりと辺りに気を配る。何かに誘い込まれてはしないか。前にやってしまって、佐倉さんにたいそう心配とか世話をかけたのだ。少し反省した。
KP
彼女の周囲、この辺りについて考えてみるならば、彼女は一体どうやってここに来て、何をしているのかは気になるかもしれない。
また、ある程度の距離は詰めてくるのに、体が触れそうになるとさりげなくかわされていることに気づくだろう。

また、このあたりには何か、異界を思わせるような不思議な気配がある、と感じるかもしれない。
波照間 紅
まあ体は触れるくらいまで近づかれたらいくら何でも吃驚するとして、おかしい。

異界のような気配にようやく気づく。ここは…… 何処だ? 彼女は、何をしようとしている?

「……」
一面の星空に目をやり、星の動きから経った時間を推し量ろうとする。
また、星空や星の並び、辺りの風景に異変がないかを確認する。
KP
星空に特に異常はなく、時計の時間ともきちんと合っていた。
話し始めてから大体1時間半といったところだろうか。
今は夜の11時をまわったあたりだ。
だいぶ気温は下がり、肌寒くなってきている。

あなたが周囲を警戒し始めたのに気付いたか、
東雲の表情が少し陰ったように見えた。
東雲 圓華
「そろそろ、お帰りですか?
夜も遅いですものね……」
波照間 紅
「ああ、すみません。話している最中に、こんな」

名残惜しいと感じた。もっと、もっと話をしていたい。どこか陰りを瞳に宿すその人を、置いていきたくないと思う。

それでも一度芽生えた警戒心が、ちりちりと背を焼いた。

「……その、」
躊躇った。警戒しておきながら、不躾で、差し出がましく、きっと深入りするべきでもない。

「先程から、随分と辛そうで……、何か、お困りですか」

牧志のあれが伝染ったのかもしれない。
KP
小さく息をのんだ気配がした。
東雲視点(ネタバレ)
東雲 圓華
ああ、この波照間さんも気付いた。
いつだって気づくものね、私が普通の人間ではないなんてこと。

そんなことで態度を変える波照間さんではないのは知っているけど、
彼の中で少しでも長く人間でいたかったな。

KP
〈目星〉または〈心理学〉
波照間 紅
1d100 76〈目星〉 Sasa BOT 1d100→57→成功
KP
彼女が唇を噛んだ。泣き出しそうに眉を寄せた。身を震わせた。
だが、次には小さなため息をついて微笑んだ。
東雲 圓華
「いいえ、ありがとう波照間さん。
私はただここで待っているだけ。それだけですから。
ただ……」
東雲視点(ネタバレ)
東雲 圓華
波照間さんはここにいてはいけないひと。きっとそうなのだと思う。
けれどあと少しだけ。
少しだけ、側に。

KP
次の言葉をかなり長いこと躊躇っていた。
それは、恥ずかしい、などといった感情とは少し違うもののように感じられた。
ついに顔を伏せ、呟く。
東雲 圓華
「私は夜になればここにおりますから……
またお目にかかれたなら、嬉しいのですけれど」
波照間 紅
「……僕は、もう数日はここにいる予定です。また、来ます。

来ますから」

彼女が何者かはわからない。けれど、きっと差し出がましいことを言ってしまったのだ。僕は外から来ただけで、一週間のうちに帰らなくちゃならない。それなのに。

それ以上踏み込むこともできず、そう言うことしかできなかった。
東雲視点(ネタバレ)
東雲 圓華
言葉通りにきっと彼は来てくれる。
そのことが哀しく感じられた。
だって今までもそうだったから。
そうであり続けたから。

そして三日経てばまた他人なのだ。
忘れられる、ですらない。

出会ったこともない、他人。

胸が痛む。

KP
東雲は顔を伏せたまま髪を揺らした。どうやら頷いたようだった。
あなたが帰る準備をしている時にはもうほとんど喋らなかった。

彼女はあなたが帰るまでずっと、丘の上からあなたを見つめていたように思えた。
波照間 紅
何とも言えない、後悔のような痛みのようなものを感じながら、数度振り返り。
その場を去ることしかできなかった。

それなら、あんなこと言わなければよかったのかというと、
それもまた違う気がした。
KP
真夜中の山を越え、テントに帰り着いた頃には、
スマートフォンの時刻は9月8日の0時を回っていた。
波照間 紅
瞼の裏に彼女の最後の表情ばかりを思い出しながら、テントの中でひとり眠りについた。



9月8日


KP
9月8日、朝7時頃。
あなたは異常もなくすっきりと目覚めることができるだろう。
もう少し眠っても良いし、活動しても良い。
インターネットや町に出る等で調べ物もできるだろう。
※自由時間です。探索したいものや場所、探したいもの、行きたい場所などあれば言ってみてください。
思いつかないようであれば何か出します。
波照間 紅
夜になれば、そう彼女は言った。
頬を叩いて朝の心地よい空を見上げる。
気分を入れ替え、朝食をとってスマートフォンを取り出す。

異界から現界に戻ってきた時よりも不思議な気分だった。

あのコスモス畑について。
『星空時計館』について。
それから、前はなかったというあの風車についても。
彼女が告げた町についても少し調べてみて、それから、距離が離れていなければ、その町へ行ってみよう。
KP
まず、彼女が住んでいたという町だが、こちらは特に特徴も観光地もない小さな町だ。
食堂や小さなスーパーなどはあるので、食事を取ったり食材の買い出しをしたりは普通にできるだろう。
調べようと思うかどうかはともかく、彼女がここのどこに住んでいるか、などといったことを調べようと思うと困難を極めるだろう。
□コスモスの畑について〈図書館〉〈コンピューター〉
□「星空時計館」について〈図書館〉〈コンピューター〉
□風車について〈図書館〉〈コンピューター〉
それぞれについて調べることができる。
波照間 紅
ではそれぞれ〈図書館〉で調べます。
1d100 76〈図書館〉 Sasa BOT 1d100→55→成功
1d100 76〈図書館〉 Sasa BOT 1d100→32→成功
1d100 76〈図書館〉 Sasa BOT 1d100→33→成功
KP
さすが。
KP
コスモスの畑についてはネットで調べるとすぐに出てきた。
昔からこの地にある有名な場所で、星空が綺麗だと評判の地だ。
たまに写真を撮る人が訪れることもあったらしく、ここでの写真を上げている人も希にいる。
しかし風車ができてからは、彼女が言ったように見晴らしが悪くなったためか、
純粋に星を撮るために訪れる人は減ったようだ。

また、この町の観光客向け冊子(更新されていないようだ)には、
コスモス畑の管理人は秋野菊雄という名前であることが書かれている。
しかし連絡先などから、現在の土地主は三刻 終造という別の男性だということが分かる。
KP
星空時計館。
あの風車があるちいさな町に建てられている時計館だ。
世界各国から様々な時計を取り寄せ展示している、観光名所の一つであるらしい。
時計館の館長も自ら時計を制作しているようだ。

住所や問い合わせの電話番号なども記載されている。
開館9:00 閉館17:00。入館料300円。
時計館館長の名前は三刻 終造。
これについては前に見たポスターと似たような物が
町の掲示板や店頭に貼ってあったのですぐ分かった。
KP
風車について。
これについてはあまり情報が多くなかった。
数年前に建てられた観光用の風車であるらしい。

だが、観光名所、というには少々不穏な話題が目に入る。

建設責任者は三刻 終司という男性。
風車を建てた数週間後に殺害されているというのだ。
その事件は報道されていたようで、いくつか当時の報道についての情報もネットに残っているし、
図書館などを探して調べるなら当時の新聞が残されているだろう。
どうやら高所から突き落とされている。

しかし三刻 終司を殺した犯人は不明で、現在も捕まっていないようだ。
あ、報道について詳しく調べるなら別判定になります。
波照間 紅
「……」
何となく予感して、風車が建設されたのが、コスモス畑の持ち主が変わったより後かどうかを調べてみる。
また、秋野菊雄という人名についても当たってみる。

報道についても詳しく調べてみます。
KP
秋野菊雄についてはネットで調べても詳しい情報は出てきませんが、
近くにいる人々なら知っているかも知れません。
聞き込みをしますか?
※他の情報についても聞き込みができます。
波照間 紅
報道について調べてから、町に向かって食堂に行き、軽食などをとりながら話を聞いてみます。
KP
数年前の三刻 終司殺害事件についての記事が見つかる。
風車建設の数週間後に風車の前で遺体として発見された。
どうやら風車の窓から転落して死亡したようだが、何者かが逃げ去る姿を見た、などという話があったりして、
警察は他殺という線で捜査を進めているらしい。

しかしいまだ手がかりはないらしい。
そういえば交番に情報を求める古いポスターが貼られていたような気もした。
話をきくのは、朝に調査した内容についてひととおりでいいでしょうかね。
波照間 紅
その内容で大丈夫です。
KP
ちょうど暇な時間だったらしく、食堂の話好きそうなおじさんはあなたに色々と話してくれるだろう。
「コスモス畑、ああ、見事なもんだよねぇ。
前は女性の方が管理してたんだよね。今は旦那さんがやってるみたいだけど。
土地の持ち主は昔っから三刻さんだったはずだよ」
波照間 紅
「ええ、昨日偶然見かけて、見事なものでした。夜になるとまるで星と花の海のようで、夜が更けても綺麗なものなんですね。
そういえば、時計館の館長さんも三刻さんとおっしゃるのでしたか」食堂にはどんなメニューがあるだろうか。
KP
「風車ね、あれはねぇ……」
少し渋い顔をする。
波照間 紅
「……あれは?」水を向ける。
KP
「出るんだよ、コレがねぇ」
コレ。言いながら胸の前で手をぶらんとさせる。
波照間 紅
「えっ、幽霊ですか?」少しオーバーに驚いてみせる。
KP
「お客さん、そういうの好きなクチ? あったんだよね、そういう噂。
なにしろ、色々あったからねぇ、あの風車。
でもまあ、山で幽霊騒ぎなんていくらでもあるものだし、すぐなくなっちゃったけどね、そんな噂」
波照間 紅
「星を見にあれこれ回ってなんていると、結構見てしまうものでして。もうちょっと詳しく聞いても?」
KP
おじさんが持ってきてくれたメニュー表には、うどん、ラーメン、定食、炒飯など、バリエーション豊かに色々載っている。
波照間 紅
こういう時は定食を頂こう。一番店によってバリエーションが出る。
KP
定食が出てくるまでの間、おじさんは語ってくれた。
が、幽霊に関しては具体的な話はなかった。
そこで建設責任者が死亡していること、風車自体に良いイメージがない事などから立った噂話であるらしい。

「その時亡くなったひとの息子さんが星空時計館の館長さんでねー。
もともとは亡くなった終司さんが館長だったけど、そんなことがあったから後を継いだわけ。
そんななんとも暗い話がついて回っちゃったせいか、折角色々揉めた上で建ったってのに、マイナーになっちゃってね、結局余程の物好きしか来やしないんだ、あの風車」
波照間 紅
「揉めた?」
そんな予感はしていたが、揉めたという言葉が出てきたところで水を向けてみる。
KP
「ほら、綺麗なコスモス畑があるでしょ、あそこ。
あの一角潰して無理矢理建てたわけ。
映え狙ってってことらしいけど、かえって星目当ての客は減っちゃうし、いいことなかったよね」
波照間 紅
「ああ……。そういえば、聞きましたね。
あれが建つ前は、本当に星の海のようだったと。

そういえば、冊子にコスモス畑の管理人は秋野さんという方だとあったんですが、その方は反対されなかったんですか?」
KP
大盛りのご飯、山盛りのびっくりするほど瑞々しいキャベツ、シカ肉の串焼き、山菜の和え物と漬物が出てくる。
波照間 紅
美味しい! 臭みの少ない串焼きはうまく処理されているようで、東京ではまず食べられないような瑞々しいキャベツの食感とよく合う。米さえもほくほくとした存在感で、この米と塩だけでもう一杯食べたい。
KP
「そりゃあね、あの畑大事になすってたからね。でも土地の所有者が建てたいっていうんだから、どうしようもなかったろうね。
温厚な方だから表だっては言わないだろうけどさ。
ああ、風車っていえばねぇ……」
おじさんは声を潜める。
「例の殺人事件の頃に一人失踪してるんだよねぇ!」
波照間 紅
「えっ、失踪?」
定食の美味しさにうっかり意識が逸れそうになった時、その言葉が耳に飛び込んできた。
KP
「そうそう。若い男がね……犯人じゃないかとか騒がれてたけど結局見つからなかったな。
幽霊、その人だったりしてねぇ」
情報纏め。
・数年前、丘の持ち主であり星空時計館の館長であった三刻 終司が、半ば強引に建てた観光風車の前で殺害された。
・同時期に若い男が失踪したらしい。
・星空時計館の館長は息子の三刻 終造が継いだ。
・コスモス畑は今秋野 菊雅という男が管理している。
波照間 紅
お、まとめありがとうございます。
KP
現在昼あたり。昼食と考えて下さい。
波照間 紅
「そういえば、東雲さんという方はこちらに? 昨日お会いして、この町にお住まいだと聞いたんですが」
ちょっと話を向けてみます。住所聞いたりしないよ!
KP
「ああー、そんな名前だった!」
おじさんは手を叩いた。
波照間 紅
「わっ、何がですか?」
KP
「今言ってた、失踪した人だよ。知り合い?
えっ、会ったって?」
波照間 紅
「え、ああ、そうです。兄がよく星を見に来ていたという話をされていましたから、きっと妹さんだろうと思いますが……、そうですか、失踪……」

待っていると、彼女は言っていた。
KP
「ああー、妹さん?
妹さんがいたのかい」
そこまでは知らなかったらしく、話を聞きたそうに見えた。
※ただの話好きの野次馬根性です。
波照間 紅
「ええ、そうらしいんです。昨日星を見に来ていた所をお会いして。そういえば、失踪ということですけど、突然足取りが途切れてしまったとかですか」
あまり詳しく話すのも彼女に悪い。話を軽くそらして、失踪の方に話を持って行く。
KP
「いやあー、そこの張り紙見ただけだからねー」
おじさんは店の外、掲示板に貼られた張り紙を差した。
外に行かなければ詳細は分からないが、行方不明者の捜索を呼び掛けるもののようだ。
波照間 紅
その張り紙を見てみる。
KP
2年前の9月6日に失踪した、東雲時哉22歳についての情報提供を呼び掛けるポスターだ。
連絡先に東雲圓華とあり、電話番号も記されている。
波照間 紅
「そう、だったのか……」

待っている。待っているだけだから、と、彼女は言った。
あそこで、ずっと待っているのだろうか。
失踪した兄を。

ずっと。
「御馳走様です。美味しかった」
気がつくとすっかり定食を食べ終わっていた。戻る前にもまた寄ろう、と思いつつ、席を立つ。
お勘定を終えて外へ出て、先程の張り紙の内容と、連絡先の電話番号をスマートフォンで撮影しておく。
KP
「はーいご贔屓にー」
おじさんはニコニコと会釈をした。

まだ昼過ぎ。明るいうちに山を越えてあの小さな町へ行くこともできる時間だ。
どうしようか?
波照間 紅
因縁のありそうな時計館も気になるが、何より失踪したという人のことが気になった。

その町へ行ってみよう。
混乱するから
KP
※とっても紛らわしい感じになってきたので……
星見(ほしみ)町 風車・星空時計館・コスモス畑がある小規模な町
旭(あさひ)町 東雲が住んでいるという町。波照間がキャンプをしている。ほかに観光地らしきものはない。
って名前つけますね。

というわけで旭町(今ご飯食べてるのもここ)に行くという事でよろしいでしょうか。
波照間 紅
ありがとうございます ちょっと混乱してきたので整理

 ・今居るのは旭町
 ・食堂のおじさんから話を聞いたのは旭町
 ・東雲が住んでいるのは旭町

 ・コスモス畑があるのは星見町

で合ってますか?
KP
あってます!
ぶっちゃけ旭町、キャンプ地作る都合で生えたまちなので……
波照間 紅
東雲はこの町に住んでいるけど、おじさんは東雲のことを直接知らない で合ってますか?

※あっなるほど
KP
あってます。
波照間 紅
ありがとうございます。
KP
おじさんが知ってるのは、東雲という名の青年が失踪してたね、だけですね。
KP
なんか情報色々出てきてごちゃごちゃしてきたけど、あんまり情報や時間にシビアな話ではないです。
波照間 紅
開示ありがとうございます。RPに集中できてありがたい。

波照間 紅
では訂正!!
因縁のありそうな時計館に行ってみよう。
KP
ロマンスかと思いきや漂うサスペンス臭。
波照間 紅
ロマンスと入り混じる不穏とサスペンス!

ひとこと
KP
旅行中、星降る夜に出逢った美しい女性。
あまりにも臆する事なく親しみを見せる彼女に、波照間は胸の高鳴りをおぼえてしまうのだった。

牧志や佐倉だけじゃなくて波照間もボコボコにされたいなぁ、という中の人のリクエストにお応えして、夜空のもとタイマン勝負を仕掛けました。
血反吐を吐く準備はできたか? さあかかってこいッ!

※星空の元、美しい雰囲気での出逢いの物語ですから、そんな酷い事にはなりませんよ!?


【置】CoC『1100』佐倉&牧志 1

エゴで何が悪いんだ。

【置】CoC『夢の果てならきみが正しい』 佐倉&牧志 1

「……どう、なってんだ? 牧志?」
「俺のこと、分かってくれるんだな」

【クトゥルフ神話TRPG】
本作は、「 株式会社アークライト  」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。

Call of Cthulhu is copyright ©1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc.
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PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION 「クトゥルフ神話TRPG」


ゆうやけこやけ『たからもの』

こどももTRPG たからもの

CoC『ブルー・スターズ・セパレート』牧志&子供佐倉 1

佐倉さんは、物を知らない子供じゃない。……どうして、忘れかけていたんだろう。どうして、俺は。

CoC継続限収録シナリオ『探索者対抗!!二人三脚障害物レース』 牧志&佐倉

「こいつらが何なのかは全然分からないんだけどさ。何をさせたいのかだけは、分かる気がするんだ……」
「やだ。分かりたくない」