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こちらには
『Switch』のネタバレがあります。

佐倉 光(子)

サマナーで悪魔退治屋。ハッカーでもある。
基本、知性・理性・効率、そういったものを重視する冷静な青年。

とある事件で子供に戻り、そして元に戻れなくなってしまった。
記憶はそのままだが、子供としての感情や衝動に引きずられることがある。

牧志とは友人。


牧志 浩太

お人好しで温厚、だが意思は強い好青年だったが……。
とある事情で二年より前の記憶の大半を失い、代わりに悪魔使い波照間紅の記憶を持っている。
首から胸へと続く奇妙な【契約】の痣がある。たまに痛むという。
生贄体質らしく、事件に巻き込まれることが多い。

佐倉とは友人。子供になってしまった佐倉と奇妙な同居生活をしている。

最近突然謎のCOMPとカードを授かりデビルシフターとして覚醒した。


こんばんは
佐倉 光
きましたー
KP
こんばんはー!
佐倉 光
宜しくお願いします!
KP
よろしくお願いしまーす!
ではでは、早速はじめてまいります。
佐倉 光
たのしみー
KP
同じく!
佐倉 光
CON減ってないけどHP減ってんだな―
がんばって生き残りたい!!
牧志 浩太
生き残ろう!!

KP
あれからあなた達は、牧志が悪魔使い──Bar所属のデビルシフター、あなたがそのサポートとして、悪魔退治の仕事を始めた。

何かあった時のため、というだけなら仕事など不要であっただろうが、「力」といっても使わなければ使い方を覚えられないものだ。

それに、Barからは定期的に仕事が回されてきた。
勿論受けるか受けないかは自由であったが、牧志を野に潜伏させないため、あちらで捕捉しておくことができるため、という意味合いもあるのだろうと、あなたは感づいていた。

それに何よりまあ、あなたも彼もなにかと物入りだ。
金はあって困るものじゃない。実入りが悪くなったとはいえ、そこらのアルバイトよりはずっと実入りがいい。
佐倉 光
せめて俺の方でできることはしておこうと、悪魔を口説く、情報調査、アイテムでの補佐などをすることにした。
COMPがなくなろうと、やれることは意外に色々とある。
牧志 浩太
それ以前に、困ってる人がいるんだったら受けたいしな。
困ってる人、というか、疲労困憊してる先輩とかも含めて。
牧志 浩太
俺はその辺のノウハウ── 「そっちの世界」との触れ方や流儀みたいなものをだいぶん忘れてしまっていたから、佐倉さんのサポートはすごく助かった。
牧志 浩太
そもそも、「僕」だって交渉が得意なわけじゃなかったし。
佐倉 光
波照間さん、大変そうだ。
俺はいないし牧志は新人なんだから、少しは加減すりゃあいいのに。
波照間さんには何かと助けて貰わなきゃならないんだ、こちらもできる限り手を貸さないと。
牧志 浩太
そういう所で真面目に仕事受けちゃうのが先輩なんだよな。知ってる。
佐倉 光
「外れたから暇になるかと思ったら、意外と忙しいな」
牧志 浩太
「佐倉さん、頼りになるし。どこかに忍び込んだりとかは、素早くなったぶん前より冴えてるんじゃないか?
あと単純に小さくて見つかりにくい」
佐倉 光
「人間相手なら割と『悪戯でした』って言えば何とかなるからな」
牧志 浩太
「ああ、それは俺にも先輩にも真似できないやつだな。結構、佐倉さんが行けば警戒解いてくれたりするし。
あと、逆に侮ってくれたりもする」
佐倉 光
「腕に任務書いとかないと俺が忘れちまうのがアレだけどな。
中身完全に大人のままなら楽なんだけど」
牧志 浩太
「以前、潜入目的すっかり忘れて犬と遊んでたしな」
佐倉 光
「もう忘れてくれよそれは……
悪かったって思ってるからさ……」
だってあいつ人なつこくてさー。
牧志 浩太
「まあ、そういう時は俺が言うって。着信音聞こえない対策にスマートウォッチ新しいの買ったし、最初の仕事の稼ぎで」
佐倉 光
「スマートウォッチってこうやって使うんだなー」
スマートウォッチ
佐倉 光
そういや前に、スマートウォッチ単体で電話までできる超小型スマホタイプの持ってたなぁ。
そういうの使ってるのかな。
KP
おおー。電話までできるのは便利。そんなのもあるんですね。
連絡取れることを重視してそうだし、使ってそう。
佐倉 光
しかし小学校はスマートウォッチ禁止である!!
塾行く子供だからって言い訳してなんとか鞄に入れて歩く許可は貰っている!
牧志 浩太
佐倉さん頑張った!!
佐倉 光
このタイプはすぐ電池切れするのが弱点です。
モバイルバッテリーが欠かせません……
KP
つまり持ってると困る時は電池切れしてしまえばいいと。シナリオ的には便利である。
佐倉 光
なんてこったい。
KP
使って欲しい時は積極的に色んな機能を持たせられるし、使われるとまずい時は電池切れ、便利では?
佐倉 光
べんりー!
佐倉 光
そして私が買ったのは一万くらいだったな。simカードはつかないけど。
KP
おお、試しやすいお値段。

牧志 浩太
「初めて使ったけど、使ってみると便利だよな」
佐倉 光
「さすがに腕で震えると気付くし。メモ腕に書かなくて済むから捕まったときに言い逃れしやすいし」
牧志 浩太
「ああー……腕に書くと目立つもんな」
佐倉 光
「フツー子供は腕に『ロック解除・資料撮る』なんて書いてねーからな」
牧志 浩太
「せめて『2時間目は図工』とか、それくらいだよな」
佐倉 光
「そこも暗号化すべきだったよなー。身にしみたわ」
牧志 浩太
「かといって、あんまりやりすぎると普段の会話とごっちゃになるんだよな、暗号化」
佐倉 光
「食事に置き換えたのはあれはミスだったよなぁ」
牧志 浩太
「あれはなぁ。聞かれてしばらくゲテモノ好きを見る目で見られたし、夕食の買い物間違えるし」
佐倉 光
「遠足の弁当のぞき込まれて『何だ普通じゃん』って言われたのいまだにちょっとショックだ」
牧志 浩太
「あー……」
KP
あなた達はそんな話をしながら、夜の街を歩いていた。
身にはほどよい疲労。懐には使い残りのストーン。
互いの間を吹き抜ける、穏やかな夜風。
街明かりに照らされながら歩く、爽やかな仕事帰りだ。
佐倉 光
「そろそろストーンが心許ないな。
次んとき買い足ししといてくれる?」
牧志 浩太
「OK。何がいい? 攻撃系と異常解除と……」
佐倉 光
「あと回復と復活尽きちゃって」
牧志 浩太
「それはまずいな。最優先で買い足しとく」
佐倉 光
「荷物持てる量も少ないからなぁこの体」
牧志 浩太
「比較的かさばらなくてよかったよな、ストーン」
佐倉 光
「石投げならけっこー自信あるからな。
もっと早くこうすりゃ良かったんだよ」
牧志 浩太
「確かにな。……先輩に買ってきてもらうってのもありだったのか?」
佐倉 光
「だな。
といっても石っていつでも手に入るわけじゃないし」
牧志 浩太
「あー、でも前先輩に頼んだら断られたっけ、直接の関係者じゃない相手に流すのはさすがに無理だって」
佐倉 光
「手榴弾みたいなモンだからな。まあしゃーねぇ」
牧志 浩太
「誰にでも売ったり渡したりできちゃったらまずいしな。見た目、わりと石だし」
佐倉 光
「一応ただ投げるだけじゃ発動しねーんだよ」
牧志 浩太
「そうなのか?」
KP
そもそもデビルバスターか、その経験がある人間じゃないと扱えなさそうだけど。>アイテム類
牧志 浩太
「そういえばストーン、あんまり使った事ないな」
佐倉 光
「『使う』って意志をもってぶん投げないとな。その時にちょっと魔力で後押しするんだ。「ひびを入れる」みたいなイメージってゆーかさ」
佐倉 光
「そのへんやらないとただの石だよ。
つーかそうじゃないと危ないだろ」
牧志 浩太
「確かにな。変な所で誤爆したら大変だ」
佐倉 光
ってことにしました。
KP
なるほどなるほど。

KP
そんな話をしながら、あなた達は何気なく角を曲がった。
勿論あなた達のことだから、前方に、曲がり角の先に注意を払ってはいただろう。
佐倉 光
普通に車にも注意しないとな。
視界狭いもん俺。
KP
その結果。
そこに大量の荷物を抱えた誰かがいることに先んじて気づき、正面衝突などという事態は避けられた。
が。
KP
「んのぇっ!?」
佐倉 光
「うわっ」
KP
その誰かは全く、全く、まぁぁぁったく気づいていなかったらしい。
あなた達の姿を目に入れるが早いか、びっくりして地面につまずいた。
コケた。
佐倉 光
「あっ」
牧志 浩太
「あっ」
KP
「のわぁあああああ」
荷物が大崩落を起こした。そして埋もれた。
「ああ、あー、ああー……」
荷物の中から顔を出し、おろおろと荷物を拾うのはどうやら男だ。が、拾うはしから腕に抱えた荷物がこぼれ落ち、目も当てられない状況だ。
佐倉 光
「おいおい、大丈夫か?」
KP
「あー、あああ、大丈夫です、あっ」
あなた達の足元にも荷物が転がってくる。
牧志 浩太
「大丈夫じゃなさそうだ……」牧志が呆気に取られて言う。
佐倉 光
「しょーがねーなーもー」
拾ってやろう。
牧志 浩太
牧志もあなたと一緒に男の荷物を拾う。
KP
「あっ、ああ、ありがとうございます」
スコン! 男の腕から落ちた荷物があなたの頭に当たりそうになり、牧志があわててそれをキャッチする。
牧志 浩太
「あっ、俺達がやりますから」
牧志は慌てて男を制止する。
佐倉 光
どんな物が落ちてるんだろう?
転がっていったりはしていないか?
KP
荷物は衣類だの食料品だのだ。やたら大きな物が多い。あなたの顔より大きいキャベツとか、牧志の手にもあまる玉葱とか、でかいティラミスとか。……好きなんだろうか、でかい物。
牧志 浩太
コロコロと転がっていく玉葱をどうにか牧志がキャッチした。
佐倉 光
鈍くさいおっさんだなぁ。
もしかしたら口から漏れていたかも知れない。
KP
「あはは、ごめんなさい……」
男は苦笑しながら、拾ってもらった荷物を受け取る。
どうにか全部拾い終えると、彼は人の良さそうな笑みを浮かべ、深々と頭を下げ……

【DEX】×5で判定。
佐倉 光
CCB<=(12×5) 【DEX】 (1D100<=60) > 75 > 失敗
牧志 浩太
CCB<=(8×5) 【DEX】 (1D100<=40) > 4 > 決定的成功/スペシャル
KP
あ、牧志覚醒編での神話知識も成長チェックつけてもらってOKです。成長ロール失敗で+1%されます。
佐倉 光
おっと。嬉しいのかどうか。
佐倉 光
通りの向こうの猫見てた。
牧志 浩太
「あっ!」
あなたが通りの向こうを行く猫を見ている間に、また転げ落ちた荷物を牧志が素早くキャッチした。
佐倉 光
「ん?」
KP
「あっ、すみません」彼は苦笑しながら荷物を抱え直す。
「助かりました、ありがとうございます」
今度は頭を下げるのはよしておいて、彼は懐から何かを取り出す。
「些細なものですが、荷物を拾って頂いたお礼です。
本当にありがとうございました」
彼があなた達に手渡そうとするのは、美しいひなげしの花をあしらった栞が一枚ずつ。受け取る?
佐倉 光
「え、いや荷物拾っただけだし」
牧志 浩太
「いいですよ、お礼なんて」
KP
「いえいえ。きっと何かしら役に立つと思いますので」
佐倉 光
「はぁ……」
もらっとくか。
KP
彼はあなた達に栞を渡すと、何度も会釈しながら去る。
牧志 浩太
「……うーん」受け取った栞を眺めて、牧志は困った顔をした。
佐倉 光
「栞ってあんま使わねーんだよな。読み始めたら大体読み切るし、
読み切れないのって大体紐ついてるし」
牧志 浩太
「俺は手帳に挟んでるかな、栞。家に置いてる方の分厚いやつ」
牧志 浩太
「お礼は嬉しいけど、これ何かの罠だったりしないよな? って疑いだす自分が複雑だ」
牧志は栞を陽に透かしながら、表に裏に眺める。
佐倉 光
「疑い深いなぁ……」
佐倉 光
「つっても、これくらいで栞、ってのもな。
広告が書いてあるわけでもないしなー」
牧志 浩太
「まあ、あの調子だと転んだが最後永遠に荷物拾ってそうな気もするから、それだけ困ってたのかもしれないけど」
佐倉 光
「ま、ただの紙きれにいつまでも警戒するのも何だし……」
佐倉 光
「なんか起きたら起きたで面白……」
牧志 浩太
「そういう所、らしいな」あなたが見せた挑戦的な笑みに、牧志は笑う。
牧志 浩太
「まあ、でも前みたいなのは困るかな」
佐倉 光
「たまになら刺激が欲しいよ。
休みごとってのは困るけどさ、さすがにそんなことねーし」
牧志 浩太
「じゃあ、今度は二人一緒で。人質は無しで頼む」
KP
そうやってあなた達は、不思議な出会いの話をしながら、改めて帰路につくだろう。
残念ながら、そこで記憶はふっつりと途切れている。
本編見る!
牧志視点(ネタバレ)
KP
目を覚ますと、目に入ったのは見知らぬ天井。
背の下には、覚えのない固いマットレスの感触。

どうやらあなたは、簡易ベッドのようなものの上で寝ている。
KP
ここは一体どこだろうか。頭がすこし、痛む。
直前の記憶は、とぼけた男と別れて帰路についた所で途切れている。
牧志 浩太
どこだ、ここ……。
真っ先にするのは周囲を見回すことだ。あと、佐倉さんの姿を探すこと。
KP
彼の姿はない。
見慣れない室内に、あなたは一人だ。
牧志 浩太
またやられた上に、佐倉さんとも離れ離れなのか。
力があっても、使う前に攫われたんじゃどうしようもないな。
まず、真っ先にやるのはCOMPが動くか確かめることだ。
KP
COMP、ない。あなたの腕には何もない。
牧志 浩太
……ただの腕輪にしか見えないだろうに、きっちり取られてるし。
他の持ち物を確認する。
KP
持ち物はなく、ジャケットのポケットも空だ。
牧志 浩太
丁寧に取られてるな……。やっぱり誰かに攫われた、で合ってそうだ。
突然急病になって誰かが病院に連れてきてくれた、って可能性もなくはないけど、それなら近くに置いてあるだろ、腕輪。
周囲を見回してみる。
KP
周囲を見回せば、そこは全体的に白で統一された、どこか病室を思わせるような部屋だった。
刃物こそないが、さまざまな計測器や心電図モニターなどがベッドの傍らに置かれ、そういう意味では病室よりも手術室に似ているかもしれなかった。
出入口は一か所しかなく、扉がひとつ。
そして、一つ目を惹くものがある。
牧志 浩太
ん? それを見てみる。
KP
それは見慣れたポーチだ。あなたのものより小さいそれは、佐倉のものではないか。
牧志 浩太
「!」
佐倉さんの、ポーチだけだって!? なんでポーチだけがここにあるんだ。佐倉さんはどうなった。
ポーチに血などはついていないか、中に何かメッセージが残されていないか確認する。
KP
中には見慣れた佐倉の持ち物があるだけで、メッセージだと思えるようなものは見当たらない。
佐倉の武器であるはずのストーン類も、ポーチの中に残されている。

一つ気になるのが、あの栞が半分程燃えてポーチの中に残っていることだろうか。
周囲に何かが燃えたりした跡はないのに、栞だけが燃えている。
牧志 浩太
「……」
武器まで残して。どうなっちゃったんだ、佐倉さん。
嫌な想像が頭の中にちらつく。拳を握って胸に当てて息を吸う。
大丈夫。大丈夫だ、俺だって持ち物はないけどこうやって生きてる、佐倉さんだって生きてる。
牧志 浩太
栞が燃えているのは、よく分からないな。
一応頭に留めておこう。
佐倉さんのスマートウォッチ、ポーチの中にあるだろうか?
KP
ある。しかし、充電切れらしく、まったく電源が入らない。
牧志 浩太
参ったな。連絡が取れるかと思ったのに。
モバイルバッテリー一緒に持っとくべきかもしれないな。
牧志 浩太
計器類を調べてみよう。
KP
ベッド脇の計器類は用途のよくわからない物が多い。黒く汚れた長い針のついたモニター、サイズ可変のヘッドギア……。
精々想像がつくのは心電図モニターらしい、吸盤のついたケーブルつきのモニターくらいだろうか。
牧志 浩太
……頭に刺さってたとかじゃないよな、これ?
自分の頭を探ってみる。
KP
幸い、頭を探っても出血の跡や特異な痛みはないようだ。外傷のせいではないらしい。
では、この偶にする頭痛は何なのだろう。
時折頭の中からノックでもするかのように、痛みがあなたの頭蓋を内側から叩く。
牧志 浩太
「ぐ……、」
得体の知れない痛みは恐怖を過らせる。
目を逸らすように、扉に近づく。
KP
扉に近づくと、気づくことがある。
ノブがなく、そこにあるのは [OPEN/CLOSE] と書かれたタッチパネルだ。
[UNLOCKED] の表示があり、どうやら鍵は開いているらしいが、少し開けて様子を…… ということがしづらいのは難点だろうか。
また、扉の横に内線電話が据えつけられている。
横に、内線番号が割り振られた表が貼られている。
《内線表》
001:本館 会議室 002:本館 実験場
101:東館 警備室 102:東館 実験室
103:東館 保管庫 104:東館 仮眠室
105:東館 医務室
201:⻄館 実験室 202:⻄館 資料室
203:⻄館 薬剤室 204:⻄館 事務室

あなたが今いるのは「201:西館 実験室」のようだ。
牧志 浩太
扉に聞き耳を立てようとする。
KP
扉は分厚く、向こうの様子は分からない。
そして、扉に耳を寄せたあなたは、うっかり傍らの内線電話に触れてしまった。
受話器が落ち、咄嗟に拾い上げようとした腕がコールボタンを押す。
牧志 浩太
「うわっ!?」
し、しまった! 早く切らないと!

KP
真っ暗な記憶のトンネルを抜けると、そこは雪国ではなく、見知らぬ天井の下だった。
KP
目を覚ますと、目に入ったのは見知らぬ天井。
背の下には、覚えのない固いマットレスの感触。

どうやらあなたは、簡易ベッドのようなものの上で寝ている。
KP
ここは一体どこだろうか。頭がすこし、痛む。
直前の記憶は、とぼけた男と別れて帰路についた所で途切れている。
佐倉 光
いてぇ……なんだよまた誘拐かよいい加減にしろよ。
いや、もしかしたらちょっと調子悪くてぶっ倒れたのを助けられたとかかも知れないし……
そうだとしたら俺の健康が別の意味で心配すぎる。
佐倉 光
「……あれ?」
牧志は?
KP
そこであなたはようやく気づく。牧志、いない。
周囲には誰の姿もなく、あなたひとりだ。
何、また誘拐なの? せっかく牧志が力を得たというのに、ストーンだって買ったし立ち回りも覚えたのに、ちょっと理不尽では? あなたはそう思うかもしれない。
佐倉 光
「やっぱ誘拐かなぁ……」
ごそごそとポケットを探る。
そもそも必要な道具入れたポーチ、どこだ。
KP
ポケットを探るならば、気がつくことがある。
ポケットに何も入っていない。ポーチもない。
身に着けていたはずのスマートウォッチもなく、ストーンもない!
佐倉 光
「あぁぁぁぁもーーーーー!」
佐倉 光
またかよ。またかよ。準備してもこうなるのかよ。
意味ねーじゃん!?
KP
そろそろストーンを肌に縫いつけるべきなのかもしれない。
痛そうだ。
叫んでも室内は静かで、誘拐犯が飛んでくることもなければ、あなたを心配する誰かが扉から出てくることもなかった。
佐倉 光
「はー」
そーゆーもんだよな。そういう事の方が多かった。知ってた。
肌ストーンはちょっと考えたくもないし、やったらやったで多分その腕ごと封じられそうで嫌だ。
佐倉 光
「そーいやハルカのやつに漏らしたときそんなこと言ってたなあいつ」
佐倉 光
「武器体に入れとけばなくならないよって……アホか」
ハルカ
佐倉 光
漫画かなんかの話題で、「主人公の武器がなくなったらどうする問題」について討論したことがあるんだよ。
KP
なるほど。
ハルカ
「銃なら細いからよっつくらいは入るよきっと」
佐倉 光
「放熱どうすんのさ。
腕にそんなもん入れたら、指の神経とか血管とか焼き切れちゃうだろ」
ハルカ
「撃つときだけ外に出せばいいんじゃない?
エネルギーは外から供給したら?」
というわけで撃つときは銃身ごと外に出して髪の毛からエネルギー供給。
ハルカ……ダブルクロスのキャラクター。機械化した腕に銃を収納し、戦闘時は展開したそれらに髪の毛を通して追加の電力を与えて使用する。

佐倉 光
よし、切り替えよう。
まずは周りを調べる。上手く行けば武器が出てきたり手に入ることもなくはない。
KP
周囲を見回せば、そこは全体的に白で統一された、どこか病室を思わせるような部屋だった。
刃物こそないが、さまざまな計測器や心電図モニターなどがベッドの傍らに置かれ、そういう意味では病室よりも手術室に似ているかもしれなかった。
出入口は一か所しかなく、扉がひとつ。
そして、一つ目を惹くものがある。
佐倉 光
「うーわ、嫌な感じの部屋」
KP
サイドテーブルの上に置かれた、布をかぶせられた何かだ。
布、というか…… あれ、牧志のジャケットじゃないか?
佐倉 光
「ん?」
近づいて手を出す。持つ。ポケットの中漁る。
KP
手を出して持てばポケットに重さを感じる。探れば手帳やボールペン、牧志のスマートフォンなどが出てくる。電池は切れている。
ジャケットの下にあるのは、見慣れた牧志のベルトポーチだ。
佐倉 光
「牧志のだ……」
KP
そして、もう一つ。
大人の二の腕に入るくらいの太さの、簡素な銀色の腕輪。
佐倉 光
「COMPだ……」
KP
そう、それは牧志の武器であるはずの、あの特異なCOMPだった。
佐倉 光
「っておい。牧志も丸腰かよ。
助けて貰うって期待は持たない方がいいな。こっちも動かないと」
KP
〈目星〉で判定。
佐倉 光
CCB<=88〈目星〉1D100<=88) > 80 > 成功
KP
日記帳の上に燃え滓のようなものが積もっている。日記帳に挟まっていた部分が一部燃え残っていて、どうやら先程貰った栞のようだ。
佐倉 光
「ん?」
なんだこりゃ?

栞は日記に挟まっている? それとも上に置いてあった?
KP
挟まっていて、日記帳が小さいので半分くらいはみ出ていた。
佐倉 光
ふむふむ。一応挟まっていた場所開いて見るけど、関係ありそうかな。
KP
白紙のページだ。栞を貰って、とりあえずなくさないように挟んだのだろう。
佐倉 光
なさそうか。栞自体に変わったとこないかな?
字が浮き出てるとかさ。
KP
特にない。ほとんど燃えてしまっていて、あしらわれていた花もなくなっている。
佐倉 光
COMPに触っても、反応してくれたりしないよね。一応腕に通しておこう。
KP
COMPは反応しない。あなたの腕には大きいが、腕に通しておくことはできる。
佐倉 光
荷物に他に気になるところがなければまとめて腰に巻いておこう。ぎゅっと。

それからベッド脇にある計器類調べよう。
KP
荷物に他に気になるような物はなく、あなたが普段よく見ている牧志の荷物だ。
前回から少し経って買ったポリ袋のロールもちゃんとある。
佐倉 光
お。荷物運ぶにも便利そう。
ものが増えたら使おう。
KP
ベッド脇の計器類は用途のよくわからない物が多い。黒く汚れた長い針のついたモニター、丁度あなたの頭にかぶせられるくらいのヘッドギア……。
精々想像がつくのは心電図モニターらしい、吸盤のついたケーブルつきのモニターくらいだろうか。
佐倉 光
「わかんね……」
KP
そう呟いても、返る声はない。
口数多い
佐倉 光
こっちの佐倉独り言多いな。
KP
確かに。なにかと情報共有する癖がついているからなのかな。
佐倉 光
いや単に子供だからですね!
大人佐倉は常時脳内口数多くて考えを纏めるときにもれる癖があるけど、子供佐倉はそれが全部盛漏れます。
喋って自分の情報を漏らすことに対する抵抗が弱まっている……
KP
なるほど単純に子供だからガードが弱まっている!

KP
〈目星〉で判定。
佐倉 光
CCB<=88〈目星〉1D100<=88) > 19 > 成功
KP
計器類を確かめていると、ベッドシーツに黒ずんだ汚れがついていることに気づく。あなたの寝ていた……。頭のあたりだろうか。
佐倉 光
「やだ不穏。
血かなーこれ。血かなー」
KP
【アイデア】で判定。
佐倉 光
CCB<=85 【アイデア】 (1D100<=85) > 35 > 成功
KP
見慣れているあなたには分かる。血痕だ、これ。しかも明らかに、落ちたというより飛び散った跡。
一人だし嫌な部屋だし血痕はついているし、何だか不安になってくる……。

SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1》。
佐倉 光
CCB<=71 《SANチェック》 (1D100<=71) > 79 > 失敗
[ 佐倉 光 ]SAN: 71 → 70
佐倉 光
「うわー。
やっぱ血じゃん。こわ」
自分の頭さぐって出血の跡や痛みがないか調べる。
頭痛はしていたけど、外傷のためじゃないだろうな?
KP
幸い、頭を探っても出血の跡や特異な痛みはないようだ。外傷のせいではないらしい。
では、この偶にする頭痛は何なのだろう。
佐倉 光
寝不足……寝過ぎ……その辺とは違うかな。投薬でもされたか?
「……牧志無事かな」
にわかに不安になった。

佐倉 光
ドアは開くだろうか? 近づいてドアノブをひねってみる。
KP
扉に近づくと、気づくことがある。
ノブがなく、そこにあるのは [OPEN/CLOSE] と書かれたタッチパネルだ。
[UNLOCKED] の表示があり、どうやら鍵は開いているらしいが、少し開けて様子を…… ということがしづらいのは難点だろうか。
また、扉の横に内線電話が据えつけられている。
横に、内線番号が割り振られた表が貼られている。
佐倉 光
「珍しいパターンだな」
《内線表》
001:本館 会議室 002:本館 実験場
101:東館 警備室 102:東館 実験室
103:東館 保管庫 104:東館 仮眠室
105:東館 医務室
201:⻄館 実験室 202:⻄館 資料室
203:⻄館 薬剤室 204:⻄館 事務室

あなたが今いるのは「102:東館 実験室」のようだ。
KP
それを見ていると、不意に電話から大きなコール音が鳴った!
内線電話には最低限の機能しかなく、一度取らなくては切ることもできない!
佐倉 光
電話をとる。
「はーいもしもし」
KP
電話の向こうから聞こえてきたのは──
牧志 浩太
「佐倉さん!?」
慌てたような、聞き慣れた声だった。
佐倉 光
「あ、牧志。ちょっと待って当てるから。
201号室!」
牧志 浩太
「え、なんで分かっ……ああー、もしかして佐倉さん、102号室?」
佐倉 光
「あー、そうだよ。
なんだ、102プッシュしたとかじゃないのか?」
牧志 浩太
「いや、ここの内線電話微妙に高い所にあって。探してたら落としちゃったんだ」
佐倉 光
「ああ、そうなんだ?
俺の方は鳴ったから取ったってだけだ」
牧志 浩太
「じゃあ本当に偶然か」
佐倉 光
「無事で良かったよ、ともかくは……」
牧志 浩太
「でも、そうだな。……無事でよかった。偶然に感謝かな」
牧志 浩太
「そうだ佐倉さん。もしかしてなんだけど、そっちに俺の荷物あったりしない?」
佐倉 光
「俺の方は別に怪我とかないよ。
牧志の荷物が全部こっちにあるぜ」
佐倉 光
「あ、そうそう。上着にCOMPに。
お前が置いてったわけじゃないんだな」
牧志 浩太
「そうか、無事でよかった。こっちも怪我はない。
ああ、俺は目が覚めたらここにいたんだ。佐倉さんも?」
佐倉 光
「ああ。今さっき起きたところ。ドアは開きそうだし電話使えるし、情報集めようと思ってたとこだよ」
牧志 浩太
「そうか。佐倉さんの荷物全部こっちに来てるし、まずは合流した方がいいな」
佐倉 光
「そういやさー。栞が半分燃えてたんだよ」
牧志 浩太
「栞って、もらったやつ?」
佐倉 光
「そう、花のやつ」
牧志 浩太
「そっちもか。佐倉さんの荷物に入ってたやつも、ほとんど燃えてたよ。
他の物とか焦げた様子はないのに、あれだけ」
佐倉 光
「なんだろーなー。火気もないしさ。意味深だ」
佐倉 光
「アレのせいって事も考えられるし、アレがお守り的にって可能性も……」
牧志 浩太
「どっちか分からないんだよな。後者だと思いたいけどさ」
牧志 浩太
「せっかく対策して戦えるようになったのに、結局こうなるってのは、何だか理不尽だな。
いや理不尽でいうと最初っから理不尽だけどさ、色々」
佐倉 光
「まあ互いに無事って事も分かったし、ちょい調べてみようかな。
お前これからどうする?
俺は、そうだな、ひとまず行ける部屋全部見てみようかと思ってんだ。
西館ってとこにいるんだろ? そっちいける方法も探すよ」
牧志 浩太
「ああ、俺もそうするつもり。幸い、鍵は開いてるみたいだし。
東館に行けそうな所があればそっち優先、そうじゃなければ情報探し。かな。
内線表って、そっちの電話にもあった?
あったんだよな、こっちが201って分かったんだし」
佐倉 光
「ああ、あるよ」
佐倉 光
「まずは構造の確認が優先だけど、警備室確認して、保管庫あたりのチェックかな……」
牧志 浩太
「内線か、なんとかして連絡取れないかな。次にどこへ行くとか、言えればいいんだけど……」
佐倉 光
「子機とかねーかな」
佐倉 光
「まあ各部屋に電話あんだろ。交互に移動しようぜ」
牧志 浩太
「ここにはないみたいなんだよな。
そうだな、そうするか。交互に動いて場所を確かめながら動こう」
牧志 浩太
「スマートウォッチ、充電切れ早いのが欠点だな……。」
佐倉 光
「こっちのスマホも電池切れてたぞ。
どんだけ寝てたんだろうな俺達」
佐倉 光
監視カメラありそうかな?
警備室なんて物があるならありそうな気もするけど。
KP
監視カメラを探すなら〈目星〉で判定。
佐倉 光
CCB<=88〈目星〉1D100<=88) > 64 > 成功
KP
天井から室内全体をカバーするように監視カメラが備えてあるのに気づく。
しかしながらこの室内には物が多いため、あなたの背丈なら計測機器などに隠れて移動することもできるだろうか。
扉を開けるのは見えてしまうだろうが。
佐倉 光
ふむふむ。まあ電話使った時点でバレバレだよな。
俺達に何をしたいのか良く分からないけど。
ドア開いてるってことは動いても文句ないって事だろ?
佐倉 光
牧志には「まず警備室見てくる。ついたら電話する」
って言って切ろう。
牧志 浩太
「分かった。俺はここに留まっておく」
牧志から了承の返事があり、そして電話が切れる。
佐倉 光
これでわざわざ待ち伏せするくらいなら扉ロックしてるだろ?
行ってみよう行ってみよう。

佐倉 光
まず廊下に出たら地形確認だ!
KP
廊下に出ると何枚かの扉が見える。
ちゃんと部屋には部屋番号が書かれており、【103】【104】【105】とある。あとトイレ。
窓はあるが曇りガラスで、しっかりとした格子が嵌っている。
格子の太さは何となく、牢屋を連想させた。
佐倉 光
「結局閉じ込められてはいるんだな」
廊下に曲がり角などはない?
KP
ない。まっすぐな廊下だ。
おや? 奥にあるのはエレベーターだろうか。
佐倉 光
ほうほう。エレベーターの所に地図やフロア表記等ないかな?
KP
階数表示を見るとここは二階らしい。下へ向かうボタンしかないところからすると、二階建ての建物なのだろうか。
ボタンの近くにはスリットのついた機械がある。あなたは以前に、似たようなものを見たことがある……。
佐倉 光
「あー、カードリーダーかよ。
ちぇ、PCがあればな」
KP
牧志と合流できれば、PCも手に入るのだが……。
佐倉 光
タラレバも割と言ってく。
佐倉 光
俺が大人だったらなー、なんてのはその筆頭だったね。
KP
確かに。
佐倉 光
さーて、諦めて探索しよ……
佐倉 光
「外出なきゃ合流できないとかだと面倒だな」
窓から外見て、建造物の作りを知ることはできないかな。
離れがあるとか渡り廊下があるとか別棟があるとか。
KP
残念ながら、曇りガラスであるため外の様子は伺えない。
採光の役にくらいしか立たない窓である。
こちらから外を見せない為なのか、あるいは、外からこちらを見られない為なのかもしれない。
佐倉 光
しゃーない最初の予定通り警備室見に行こう……

おつかれさまー
佐倉 光
ってとこで終わりかな?
KP
ですね。ありがとうございました!
途中シナリオ確認でテンポ悪くて失礼しました。
佐倉 光
いえいえー私も肉焼いてたし。
KP
肉! 調理お疲れ様です
次回から本格的に探索! KPは必要な処理を忘れない!
佐倉 光
必要な処理?? ナンダロ……
頭の中に何か埋められてるー!?
KP
ウフフ。
では、ログ取ります。ありがとうございましたー!
佐倉 光
ありがとうございました!

コメント By.佐倉 光
それぞれに力を得た。現状を受け入れて生きる決意をした。
準備Okとばかりに異変に巻き込まれなくてもいいじゃないか!

力を得たら早速バトルのあるシナリオに放り込まれる子供佐倉&シフター牧志チーム。南無。

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