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こちらには『スプーキィ・ポルカ』
ネタバレがあります。


牧志 浩太

お人好しで温厚、だが意思は強い好青年。
首から胸へと続く奇妙な【契約】の痣がある。たまに痛むという。

佐倉とは友人。


佐倉 光

サマナーで悪魔退治屋。ハッカーでもある。
基本、知性・理性・効率、そういったものを重視するいつもは冷静な青年。

牧志とは友人。

KP
曖昧な夢からまどろみへ。
まどろみから、ぼんやりした意識へ。
あなたはゆっくりと目を覚ます。
窓の外からだろうか、やわらかい日差しとともに小鳥のさえずる声が聞こえてくる。
重い瞼を開いた先に広がるのは、割と見慣れた風景。佐倉の部屋だった。
牧志 浩太
「ん……」
吸血鬼の夢を見ていた気がする。俺が吸血鬼になって、逃げ回る佐倉さんを……。
……この間の日記をまとめていたからだな。

ぱち、ぱち、と数度目を瞬いて、寝ぼけた意識のまま身を起こす。
「あれ?」
部屋をぼんやりと見回しながら、昨日起きたことを思い出そうとする。はて、遊びに来てそのまま寝落ちたりしただろうか。
牧志 浩太
わーーー開始だ! よろしくお願いします!
KP
いきなりの開始! よろしくお願いします。
KP
※あなたは部屋に立っていた。

遮光カーテンの隙間から漏れる光が踊るテーブルにはモンエナのカンがいくつか並び、立ち上げっぱなしのPCはかすかなファンの音を立て。
部屋の隅にきっちりと本が並べられた本棚、作りかけの立体ジグソー、コーヒーシブがこびり付いたジャックフロストが描かれたマグカップ。
牧志 浩太
辺りをなんとなく見回して、ここにいる理由を思い出そうとする。
KP
……どうしてここにいるのかさっぱり思い出せない。
牧志 浩太
おかしいな。記憶が飛ぶほど呑んだっけ? 実際、そんな体験をしたことはないんだけど。
佐倉視点
KP
あなたは目覚めた。
珍しく早起きをしたのには理由がある。
牧志が昨日から突然行方不明なのだ。
昨日夕方に会おうという話をしたのに時間になっても来ず、探していたあなたは水道工事をしていた路地で牧志が大事にしている工具箱を拾った。

随分夜遅くまで探したのに、見つかったのは謎の壊れた香水瓶くらいのものだった。
今朝方になって家に戻ったあなたは、少しだけ仮眠を取ることにしたのだった。
佐倉 光
寝られるわけがない。
しかし休まないと色々な物を見落とすだろう。
休息は必要だ……

佐倉 光
奥の扉がガチャリと開いた。
いつかは青いゲートがあったところだが、今は普通に寝室に続くドアだ。
ドアの向こうからは、眠そうな目をした佐倉がのそのそと大あくびをしながら出てきた。
そしてだるそうにカーテンを引き開けて、うなり声なのか何なのか良くわからない声を漏らしながら伸びをする。
牧志 浩太
「あ、佐倉さん。おはよう」
眠そうな佐倉さんに声をかける。
佐倉 光
佐倉は部屋の隅にあるコーヒーマシンの水を入れ替えてスイッチを入れると、あなたの横を通ってトイレへと向かっていった。
佐倉は返事もしない。あなたに見向きもしない。
寝ぼけているのだろうか。
牧志 浩太
「あれ?」
うーん、随分眠そうだな。
とりあえずベッドにでも腰掛けて、佐倉さんが戻ってくるのを待つ。
佐倉 光
ほどなく佐倉は戻ってきた。そして頭を掻きながら出来上がったコーヒーを手に取って飲み始める。
相変わらず彼はあなたの方を見ない。
そしてスマートフォンを手に取ってすいすいと指を滑らせ、ため息をつく。その顔はどこか不安そうに心配そうに見えたかも知れない。

「ったく、今度は何があったんだよ、牧志……」
佐倉視点
KP
朝になったが牧志から連絡はない。
佐倉 光
飯食って情報集めたらまたあの路地に行ってみよう。

牧志 浩太
「佐倉さん? おーい、佐倉さん」
名前を呼ばれて振り返る。
あれ? 俺、気づかれてない?

佐倉さんの前に回り込んで、手を振ってみる。
KP
手を振ろうとして、あなたは気付くだろう。
自分の手が、見えない。
手どころか、あなたの身につけている衣服も、体も、全く何も見えない。

佐倉はため息をつくとPCデスクの前に座り、珈琲を飲みながら何やらキーボードを叩き始めた。
牧志 浩太
「──え?」
は、と異常に気づいた。

自分の目の前で手を振ってみる。自分の手で、自分の衣服や手に触れてみる。
感触を辿り、今の自分が着ている服や、持っている物を確認しようとする。スマートフォンや家の鍵などはあるだろうか。

そこに手があるはずなのに、見えない。
脚があるはずなのに、見えない。

何だ、これ?
KP
触れれば感覚はある。
服も着ている。
家の鍵やスマートフォンは……なさそうだ。

あなたはここにいる。
いるのに、見えない。
あなたは、透明人間になってしまったらしい。

SANチェック成功時減少 1失敗時減少 1d4
牧志 浩太
1d100 69 《SANチェック》 Sasa BOT 1d100→51→成功
FANBOX開設したで
SAN 69 → 68


クトゥルフ神話TRPG
『スプーキィ・ポルカ』
ぷらば 様 作


牧志 浩太
「え、ええ、何だよこれ」
家の鍵ないし。スマートフォンもないし。
え、またなくしたり取られたりした?
裸じゃなくてよかったって、そうじゃない。

そうじゃなくて。
つまりそれって佐倉さんにも見えてないってことで。気づいてないってことは、声も聞こえてないってことだ。

佐倉さんのスマートフォンか、操作しているPCを覗き込み、現状を把握しようとする。

今、何日だ? 俺が最後に覚えてる時から、何日経っている? 俺、最後に何をしてたっけ?
KP
アイデアどうぞ
牧志 浩太
1d100 90 【アイデア】 Sasa BOT 1d100→23→成功
KP
佐倉が頬杖を突きながら弄っているPCのすみに日付と時計が表示されていた。
あなたが最後に覚えている日の翌日。
昼間のことは思い出せる。
確か、一人で……
※行動は任意。
牧志 浩太
(あの時は……、確か、一人で参考書を買いに行ってた)
それくらいだ。ショッピングモールの本屋で参考書と一緒に面白そうな本を冷やかして、それからちょっとした買い物して、牛丼食べて。
大したことはしていない。していなかった、はずだ。 

どうして、こんなことに?
ポケットを探る。日記帳とペン、入ってないだろうか。
KP
ポケットにメモ帳などは入っていないが、ふと思い出した。
夜は、何をしていただろう? 思い出せない……
牧志 浩太
「何、してたっけな……」
佐倉 光
「ああ、波照間さん? そっちはどう?」
佐倉が突然PCに向かって喋り始めた。
牧志 浩太
おっと、佐倉さんが通話してるみたいだ。見えていないとなるとつい漏れてしまう独り言を止め、PCの画面を見ながら、通話に聞き耳を立てる。
佐倉 光
「ああ。……ああ、そうか」
少し声が暗くなった。
「ああ……分かってますよ。……いやそんなわけないでしょ……ああ。……工具箱。けどそれだけで…………ああ。お願いします。それじゃ」

佐倉は耳に差し込んだ小さなイヤホンを指先で叩いた。
どうやら波照間と通話をしていたようだ。
牧志 浩太
「佐倉さん……、」
相手の声は聞こえなかったが、
何となく、内容は察せられた。

きっと、波照間さんに俺を探してもらっているんだろう。
俺がこの状態ってことは、俺が消えてしまったように見えてるんじゃないか。

「佐倉さん、」
俺はここにいる。そう伝えたくて、見えない手を彷徨わせる。見えないだけなのに、自分が消えてしまったような感覚に陥る。

佐倉さんのスマートフォンが傍らにあれば、それを持ち上げてみる。無ければ手近にある小物、何でもいい。
KP
あなたの手はスマートフォンに触れる。
しかしなんということだろう。動かせない!
非力になったにしても限度という物があるだろう。
牧志 浩太
「……え」
触れる。触れた。動かせない。
え、どういうことだ。俺、見えないだけじゃないのか?
筆談でも、最悪何か投げたり引っ張ったりして存在を伝えようと思ったのに、盛大に当てが外れて肩透かしを食らう。

佐倉さんの髪を引っ張ってみる。
佐倉 光
「牧志……どこ行ったんだよマジで……」
佐倉は心配そうに呟いた。
KP
あなたは彼の髪に触れようとする。
その指先が頭に触れた時。

佐倉は怪訝そうな顔をした。
佐倉視点
KP
突然あなたの額がひやりと寒くなった。自然の風というには少し冷たすぎた気がする。
佐倉 光
ん、エアコンなんかついてないよな?
窓が開きっぱなしになっていただろうか。
顔を上げる。

KP
〈目星〉どうぞ。
牧志 浩太
1d100 89〈目星〉 Sasa BOT 1d100→99→致命的失敗ファンブル
牧志 浩太
わお
KP
あらぁ
佐倉 光
佐倉はあなたをまっすぐに見た。
だがすぐにその視線はあなたを見ていないことに気付くだろう。
こんなに目の前にいるというのに、彼には一切見えていないのだ。

ずっとこのままだったら?
あなたの背筋に怖気が走る。

SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1
牧志 浩太
1d100 68 《SANチェック》 Sasa BOT 1d100→95→失敗
SAN 68 → 67
佐倉視点
KP
エアコンなどついているはずもなく、窓はきちんと閉っていた。

佐倉 光
「ついてないじゃん……」
佐倉は不思議そうにぼそりと呟くと、自分の頭の、あなたが触れたあたりに何度か触れた。
牧志 浩太
「佐倉、さん……、」
途方に暮れたように呟く。

目の前に佐倉さんがいるのに、気づいてもらえない。
物にも触れられない。

まるで俺ひとり別の世界に置いていかれたようで、寒気がした。

ずっとこのままだったら、不意にそんな恐怖が襲う。
ずっと、ずっと。目の前で俺を心配する佐倉さんを眺めながら、ラグビーしてる東浪見を眺めながら、教室の隅っこに座って授業を聞きながら。

見てももらえず、何もできないまま。
牧志 浩太
「佐倉さん……! 俺、ここだよ!」
堪えられなくなって、思わず全身で彼に飛びついた。

※佐倉さんにタックルします
KP
あなたは佐倉に飛びつく。
佐倉に触れることはできたが、やはり佐倉の体はびくともしなかった。
佐倉視点
KP
突然全身を悪寒が走り抜けた。
寒い。
芯から冷えるような冷気が塊になってあなたにぶつかった。
同時、あなたの体になんとも言えず嫌な感覚があった。
何者かがあなたの内部に触れようとしたかのような。

佐倉 光
「寒っ!?」
佐倉は叫んで身を縮めた。
KP
【POW】対抗を行います。こちらは15。
牧志 浩太
こちらは12。>【POW】
KP
12か。なら-15で35かな?
牧志 浩太
かな。
1d100 35 【POW】対抗 Sasa BOT 1d100→48→失敗
KP
佐倉は首をかしげて、立ち上がった。
あなたの体は弾き飛ばされてしまう!
佐倉はふとスマホに目を落として何やら指を滑らせる。

シンプルなお天気アプリだ。
今日の天気は……晴だ。気温はそれほど低くはないようだ。

佐倉は部屋のすみ、小さな冷蔵庫の側にある電気ケトルの方へ行くと、水を入れて湯を沸かし始め、近くの棚からカップ麺を一つ取ってビニールを剥がし始めた。
牧志 浩太
「えっ……?」
意外な反応に、弾き飛ばされて尻もちをついたまま、佐倉さんの様子をまじまじと見る。

寒い、だって?
えっ……、その反応は予想外というか、その。

さっき少し思い浮かべたものが、頭の中に戻ってきてしまう。
誰の目にも映らず。
何に触ることもできなくて。

ただ一人、世界を見ていて。

……俺、死んじゃった?
えっ?
あんなに色々潜り抜けてきたのに、気づいたら死んでるなんて、あり?

あー、でも、佐倉さんが俺のこと探してるってことは、死体は上がってないんだよな?
KP
佐倉はカップ麺に卵を割り入れてお湯を注ぐ。
尖った醤油の香りがし始めた。

……あなたは、とても空腹であることを否応なく思い出すだろう。
このチープな香り。空腹にこの上なく響く。
牧志 浩太
「……腹減った……」

いや、前言撤回。腹の減る幽霊なんて文字通り地獄だ。腹が減るんだから俺は生きてる、はず。

ちょっと分けてもらおうと思って、そこに箸が一膳しかないだろうことと、スマートフォンに触れられなかったことを思い出す。

佐倉さんが麺を掬い上げる時を狙って口を寄せ、口で直接分けてもらいにいこうとする。

うーん。
人間、見えないと思うと羞恥心やら何やらが吹き飛ぶなと思う。
牧志 浩太
中の人までお腹が減りました
KP
おなかすいた……
KP
ずるずる。麺を啜り始めた佐倉の隙を狙って食べに行こうとする。
……駄目だ、手応えがない!
嗅覚をざくざくと刺激する濃い醤油の香りをより強く感じただけだった。
目の前でツヤツヤした卵黄を纏った麺が佐倉の口の中に消えてゆく。嗚呼。
佐倉視点
KP
なんだか口元がひやりとする。
佐倉 光
何だろうな、隙間風?

牧志 浩太
「うえぇ……」
あまりの仕打ちに、思わず情けない声を上げてしまう。

腹減った。透明人間のまま飢え死になんてありか。嫌だ。嫌過ぎる。この調子じゃ、水も飲めないんじゃないか。

透明人間にこんな弊害があるとは思わなかった。
人間、少しくらい食べなくても生きられるが、水を飲めないのは致命的とか、いやな知識が頭の中をちらつく。

だめだ。何もしないでいると考えが悪い方に悪い方に向かってしまう。この状態、自分から出たものはどうなるのかとか、最低だ。やめよう。
KP
この部屋には、
中央にごちゃごちゃと物が置かれたテーブル(今佐倉が食事中)、
佐倉が食べながら見ているスマートフォン、
玄関やトイレ、逆側には寝室へ続く扉がある。
ほか、本棚や冷蔵庫などもあったりはする。
牧志 浩太
余計に心細くなってくる気持ちを振り払い、まずは佐倉さんが見ているスマートフォンの内容を確認する。

とりあえず行動だ。動こう。動いていれば気も紛れる、はず。
まずやることは状況の把握と情報の入手だ。

KP
そこまでシリアスじゃないけどやっぱりかわいそうなことになる牧志であった。
牧志 浩太
なのであった。
空腹という危急の問題がやってきちゃったせいで、強制的に孤独から気持ちを切り替えることができたのはいいのか悪いのか。
そしてINT/EDUのせいでいらんことが思い浮かんでしまう。
探索先が佐倉さんの部屋というのも面白い。
KP
なんやかや出番多いな佐倉の部屋。
牧志 浩太
ちなみにあんまりにもあんまりなので開示すると、牧志が考えそうになったこと「自分の体から出た尿は飲めるのかな……」
KP
飲めるか、までいっちゃったか。
でもコップとか持てないし……
牧志 浩太
ないですからね……。第一それで耐えようにも限界があるし……。
そこまで考えてしまって「最低だ、やめよう、切り替えよう」になった牧志でした。

KP
佐倉の部屋はいつも通り片付いているが、テーブルの上は珍しく雑然としている。
手書きのメモが数枚……だがこれはあなたが行きそうな場所などを書き付けたものだ。
ひとつひとつにバツ印がつけられている。

開封されたエネルギーバーの箱。ひとつなくなっている。
カラのペットボトルがいくつか。
こういう物も、あなたが知っている彼なら都度きちんと片付けるのだが……

ペットボトルに混ざって小さな瓶がある。
高さは中指の長さ程度、調味料瓶のようにも見える。

【アイデア】 または 〈目星〉
牧志 浩太
(……探してくれてたんだな)
その様子を見て、しんみりとした気持ちになる。
せめて、俺がここにいることだけでも伝えられたら、随分気持ちが楽になるし、佐倉さんや先輩の知恵を借りることもできるんだけど。
牧志 浩太
(あれ?)
見回していてふと違和感に気づく。
あの瓶、何だろう?
1d100 90 【アイデア】 Sasa BOT 1d100→6→成功
KP
よく見ると表面に細かい模様が刻まれた綺麗な香水瓶のようにも見える。
綺麗な金属の蓋が閉じられている。
佐倉の家にこんな物があること自体奇妙な気はする。
また、模様に紛れて見づらいが、この瓶にはひびが入っているようだ。
牧志 浩太
(あれ?)
こんな物あったかな。佐倉さんが持っていそうな物にはあまり見えない。

よく見ようと、何気なく瓶に触れる。
KP
やはり触れても動かすことはできない。
中身は空のように見える。
だが瓶に触れた時、奇妙な感覚があった。
この感覚を知っているような気がする。
どこで見ただろう。いつ見ただろう? 少し前のことだったような気がするが……
牧志 浩太
「……ん?」

これ、どこかで見たような気がする。
こういう感覚って、結構大事だ。

不本意だけど色々あったせいで骨身に染みてしまったのもあるし、そもそも工学やってると、ネジ一本の違和感に気づいて大惨事を防いだなんて話もよく聞くし。逆もあるけど。

どこだったかな……。
どうせ動かせないから、遠慮なく瓶を触りながら思い出そうとする。
KP
確か先日の旅行より前、佐倉が入院していた頃だったような気がするが……
考えれば考えるほど勘違いだったような気もしてくる……
※これ以上は【リアルアイデア】で出てくるようなら、ってとこですね。
牧志 浩太
「何だったかな……」
うーん、と頭の中でリストアップ。

佐倉さんが捕まった瓶はもっと大きかったし、こんな所にあるはずないか。魂を捕まえるのに使ったのは、紙箱だったし。

ザントマンの砂が入ってた、薬を作るのに使った瓶? こんな形してたかな。
KP
見た目というより雰囲気かな。
見つめていると何だか不安になってくる。

佐倉が食事を終えてカラの容器をゴミ箱に放り投げ、寝室の扉を開け、中へ入っていく。
牧志 浩太
「うーん……」
夢の中で瓶を見たような気もするが、どうだったかな。
すぐに思い当たらないが、勘違いとは考えにくいし、ここにあることに違和感もある。
頭の中に留めておくことにする。

本棚をちらりと見て、違和感のある本などがないか確認してから、一人では扉が開けられない可能性を考えて、佐倉さんが扉を開けた後ろについて寝室へ向かう。
KP
部屋の本は見慣れたラインナップだ。
最近増えたらしい本は……雪女伝説に世界の吸血鬼に関する本だが、
研究書というよりは娯楽用に書かれたもののようだ。

寝室へ向かうと、なんだか急速に体がだるく重くなってくる。
部屋の扉を越えたあたりでふらついてくるレベルだ。
このままあまり進むと体が動かなくなってしまうのではないかと思った。

佐倉はどうやら着替えを始めたらしい。
佐倉の寝室はシンプルなもので、ベッドとちょっとした棚、少しの服が入ったタンス程度しかない。
ベッド横にシンプルなスタンドと古い目覚まし時計。
棚にはヒランヤを始め色々な物がきちんと並べられている。
……なんだか違和感がある。
牧志 浩太
「……っ、」
扉を越えた辺りで急激な怠さを感じて、思わず一歩下がる。
これは、不味い気がする。

……俺、幽霊どころか、地縛霊?
いやいや、生きてる。腹も減るんだから生きてるって。

扉の前から寝室をじっと見て、違和感の正体を探る。
KP
棚にはヒランヤ、傷一つないカメラ、佐倉が奇妙な夢を見ていた時に記録用に書いていたノート、先日の旅行で買ったボードゲームと薄いアルバムがきちんと並べられている。
あなたはここに、佐倉がある程度大事にしているものが並べられていることを知っている。
違和感の正体はその一番左端、ヒランヤの隣にあった。

あなたの工具箱が置いてある。

そういえばこれは昨日持って歩いていたはずだが……
牧志 浩太
その棚には、佐倉さんの大事な物が並べられている。

そこには知っている物が増えていて、何となく懐かしさを覚えた。
あのノート、楽しかったボードゲーム、アルバム、俺の…… あれ?
牧志 浩太
「工具箱だ」
あれ、確か昨日持って出てたはずだよな。
そういえばさっきも、工具箱の話をしていた。佐倉さん、拾ってくれたのか。

……俺は、いつ、どこであれを落としたんだ?
KP
昨日持って出たのは間違いない。
だがどこで落としたか全く覚えていない。
そもそも落とすようなことや、どこかに置き忘れるようなことなどあっただろうか?
ぼんやりと途切れてしまった記憶は何も語らない。

そうこうするうち、佐倉は着替えを終えて部屋を出て行った。
扉が……閉じる。
かちゃん、と金具がかかる音がした。
あ、さっきの部屋に入らないって意味だったのかな?
牧志 浩太
「……」
落としたことも、置き忘れたこともないはずだ。
覚えてる…… 限り。

寝室に閉じ込められる前に、元の部屋に戻る。

あ、紛らわしくてすみません。寝室の入り口から寝室内を見る感じでした。
KP
では、部屋を出ようとした佐倉にぶつかってよろけてる間に置いていかれた。
本編見る!
牧志 浩太
「うわっ。……あ」
あ。
置いてかれた……。

扉が開けられるかどうか、一応試してみる。
KP
あかない。
ものすごく軽いはずのドアノブですらびくともしない。
そして体はどうしようもなく重い。
牧志 浩太
しまった。
やらかしたかもしれない。

……扉、すり抜けられたりしないかな。
一応、試す。
KP
扉に張り付いてみる。
念じてみる。
……扉は扉である。
あなたは明らかに人外になっているのに、すり抜ける力は持ち合わせていないようだった。残念。
牧志 浩太
不自由すぎる。世界から無視されるなら、俺だって無視できてもいいじゃないか。

この状態で寝室の奥に向かうのは怖い。
仕方なく、また突き飛ばされないように扉の脇に座り込んで室内を眺める。

佐倉さん、目覚まし時計使うんだな。意外。

室内を見回す。他に違和感のある物はないだろうか。俺の工具箱をよく見てみるが、何か異変はないか。
KP
そういえば、あなたがこの部屋で佐倉として寝たとき、目覚ましがなった記憶はない。

室内にはほかに違和感はないが、工具箱の蓋が少し浮いているなと感じた。半開きなのだろうか。
牧志 浩太
近寄れそうなら工具箱に近寄って中を覗いてみる。
動けなくなりそうなら、近寄るのはやめ、目覚まし時計を見てみる。
KP
蓋が歪んで浮いているようにも見える。体が怠くてかなわないが、触ってみる?
牧志 浩太
なるべく腕を伸ばして、触れてみる。
KP
ちなみに目覚ましはキャラクターものだ。あなた方が子供の頃に放映されていたアニメのキャラクターが描かれている。
KP
あなたが工具箱にふれると、微かに動いた気がした。
牧志 浩太
「えっ……、動かせる?」
俺の物だから?

工具箱の蓋をずらそうと試みる。
KP
あなたの動き全てが反映されるわけではない。器用なことはできそうにない。それでもなんとかかんとか、少しずつずらすことはできる。
中に何か入っている、ということではなく、落とすか何かして蓋が浮いているだけ、のように見える。
牧志 浩太
「何だ、何か入ってるわけじゃないのか……」
身体が重くて、怠くてかなわない。随分苦労した割に大したことじゃなかったような気もする。

とはいえ、「俺の物」なら動かせるかもしれない、っていうのは収穫だ。ここには工具箱くらいしかないが。
それに、蓋が動いてるなんてちょっとしたことから、佐倉さんが何か気づいてくれるかもしれない。

……これ、落としたのか。
牧志 浩太
改めて目覚まし時計を見てみる。キャラクターものの目覚まし時計なんて、何だか珍しい気がする。
KP
目覚まし時計は大事に使われている形跡がある。
おや、システムメッセージだ。『追求しても良いけど背景アイテムだよ!』だそうだ。
追求するなら【アイデア】

あと、工具箱についても【アイデア】
牧志 浩太
1d100 90 【アイデア】>目覚まし時計 Sasa BOT 1d100→63→成功
1d100 90 【アイデア】>工具箱 Sasa BOT 1d100→55→成功
KP
目覚まし時計は、その古び具合と大切にされている様子から、幼い頃に買って貰った物をそのまま使い続けているのだろうと思える。
新しい物好きであり、あまり物に執着しない佐倉の性格から言ってこれは少しばかり異質に感じる。

それはさておき、この工具箱、動かすことはできるのだ。
落とすことができれば結構大きな音が出て隣の部屋にも聞こえるのではないだろうか?
牧志 浩太
そうだ。

これを落とせば、佐倉さんに気づいてもらえる。
少なくとも、大きな音を出せば、何かと思って見に来るのは間違いない。

このまま寝室の中で動けなくなるなんて勘弁だ。
向こうに人がいる物音がすることと、佐倉さんが通話中でないことを耳を澄ませて確認してから、手を伸ばし、工具箱を落とそうとする。
KP
あなたが触れると工具箱が少しずつずれ、棚からはみ出してバランスを失ってゆく。
1d100 69 Sasa BOT 1d100→92→失敗
牧志 浩太
「ぐっ……!」
身体が怠い。腕が軋む。あらゆる不快感を必死に我慢して手を伸ばす。
佐倉さん。頼む、気づいてくれ。
KP
わずかずつわずかずつ、箱がずれて、ついに棚の上から飛び出した!
工具箱は床にぶつかってひっくり返り、がしゃんと結構大きな音がして中のドライバーが散らばる。
佐倉視点
KP
寝室から何かが落下して散らばる音がした。
佐倉 光
さっきから起きている謎の現象から言って、悪魔が入り込んでいるのかも知れない。
武器とCOMPを手に取って寝室へ向かう。

KP
ややあって扉がゆっくり開き、向こう側から銃口が飛び出す。
殺意だ。
殺意があふれ出している。
牧志 浩太
それが何か、誰か考える前に、反射的に身構える。
KP
扉が勢いよく開き、COMPを展開させた佐倉が扉の向こうで銃を構えていた。
銃口で部屋の中を探るように動かし、そしてゆっくりと踏み込んでくる。
彼はすぐに部屋の異常に気付いたようだ。
眉根を寄せ、油断なく構えたまま身をかがめて床に落下した工具箱を見つめている。
その右手がアナライズのコマンドを打ち込んだのが見えた。
牧志 浩太
重たい身体を持ち上げ、佐倉さんの前に出る。
銃口は困るから銃からは身を躱し、アナライズの範囲に入るようにしながら、COMPのモニターを覗く。

俺のこと、検知してくれたりしないかな。
俺とは分からなくても、今の俺がどういう状態かだけでも、分かるといいんだけど。

COMPが反応しないようなら、寝室から出るのを優先する。
KP
COMPはちかちかと光っていた。【ERROR】【外道】【幽鬼】【邪神】の表記が明滅している。
佐倉 光
「何かいやがるのか?」
佐倉は銃を構えたまま、緊張している。
「おい……姿を現せ。牧志を連れ去ったのは貴様か」
COMP表記を見て舌打ちをする。
「チッ、悪魔だとしてもDARKかよ」
佐倉視点
佐倉 光
DARKの奴ら話通じねぇからな。最悪力ずくで排除だ。
あまり害はなさそうな気はするけど、邪魔だ。

牧志 浩太
COMPが俺を「捉えて」くれたことに少し安堵する。
世界から無視されるこの感じ、結構堪える。
COMP、今はお前だけが俺を見てくれるよ。
「姿を現せるものなら現したいし、話せるものなら話したいんだけどな」
つい弱気な声が漏れる。っていうか、俺、そんなことになってるのか?
一応、俺をこうした何かが一緒にいて、そっちが反応してるって可能性も視野に入れつつ、それはそれで複雑。

佐倉さんは扉の前に立っているのだろうか。
佐倉さんの横をすり抜けて寝室を出られそうなら、ひとまず寝室から出る。この身体の重さは堪える。
KP
佐倉はしばし警戒していたが、反応がないことや、COMPの表記が【ERROR】を主体として不安定なことなどから、今襲われるような悪魔がいると言うわけではないと判断したらしい。
佐倉はかがんだまま手を伸ばして散らばった工具を拾い集め始める。
あなたは拾っている間ならすり抜けて居間に戻れるだろう。
居間に戻るとみるみる体の不調が治ってゆく。
牧志 浩太
「やっぱり、この辺にいないと調子悪いんだな、俺」
寝室がよくないのか、この辺にいないといけないのか。後者なら、うっかり家の外に出て締め出されたら不味い。外の状況は知りたいけど、気をつけよう。

……後者なら、ほんとに地縛霊だな。
いや、生きてるって。

改めて、居間を見回す。
先程と変化はあるだろうか。
KP
この辺にいないと調子が悪い、ということを意識して考えてみるなら、テーブルの上……ペットボトルの周囲から離れると調子が悪くなることに気付くだろう。
佐倉視点
KP
部屋に何かがいる気配はない。
《アナライズ》も何度かかけていると不安定な表示が直っていく。
エラーだったのだろうか。
佐倉 光
そんな訳あるか。
何かがいるのは確かなんだ。

KP
ガチャン、と音がした。
奥の部屋から銃を肩にかけた佐倉が出てきた。
COMPは展開したままだが警戒は解いている。
左手にあなたの工具箱を持っていた。
工具箱をテーブルの上に置いて、佐倉はPCデスクの前に座った。
何か調べ物を始めたらしい。
佐倉 光
「くそ、むしろなんかいろよ。牧志の場所吐いてけよ……」
牧志 浩太
(あの瓶か?)

空のペットボトル?
いや、その中に混じっていたものがあったはずだ。

いかにも意味ありげな瓶が俺の現状に関係あるっていうのは、割とありそうだ。
(くそ、佐倉さんに聞けたらな)
佐倉さんの背後から、調べ物をしている画面を覗く。
KP
佐倉は行方不明者の情報を見ている。
その中で、一つの情報に興味をひかれたようだ。

『イヴェン・フォーレ 男性
国際ヴァイオリンコンクールで準優勝したことがあるらしい。
小さな楽団のコンサートマスターだが、1週間前から姿が見えず来週に控えた公演が危ぶまれている。』
顔写真も掲示されている。
細面のひょろっとした金髪碧眼の男性だ。年齢は20代くらいだろうか。
牧志 浩太
(そうか、行方不明者の中に俺と似たような事例がないか、探してるのか。……?)

佐倉さんはどうして、この情報に着目したんだろう。佐倉さんが興味をひかれたなら、何か違いを感じ取っているはずだ。

詳細がないか視線を走らせる。
KP
期間と場所、だろうか?
あなた方の行動範囲の近くに彼の目撃情報が集中している。
あなたと同じ事象に巻き込まれた、またはあなたの行方不明に関与していると見ているのかも知れない。
だが近所で悪魔が出たという情報もなく、情報集めは徒労に終わったようだった。
佐倉視点
佐倉 光
収穫はナシ……仕方ねぇ、足で稼ごう。
出かける準備をしよう。

KP
スマートフォンに、大通りの通行止めについての通知が飛び込んできた。
そういえばそんなことをしていたような気がする。
牧志 浩太
覚えておこう。同じ被害者かもしれないし、敵かもしれない。
通行止め? そんなこともあったような。つられるように、その内容を見る。
KP
水道管の補強工事だそうだ。
それほど気になるような内容ではない。

佐倉が席を立って、ようやくテーブルの上を片付け始めた。
見るからになんとなく上の空だ。
その手がボトルに当たる。ボトルが転がる。
佐倉 光
「あ、やべ」
KP
ごろごろ、と少し重い音がした。
ペットボトルに混ざってあの謎の瓶が転がってゆく。
あっ。テーブルから飛び出した。
牧志 浩太
「あっ」
割れたらまずいんじゃないか!?
咄嗟に瓶を受け止めようと地を蹴る。
KP
瓶はあなたの手をはじいて床に落下した。
がちゃん、と嫌な音がする。
瞬間、あなたの背筋になんとも嫌な感じの悪寒が走った。
瓶は割れてはいないようだが、あなたはそれに引力のような物を感じる。
佐倉視点
佐倉 光
関係あるかどうかは分からないけど、何故か気になるシロモノだ。
手がかりかも知れないし、割れたらまずいな。
まあ、もとからひびは入ってたけどな……

佐倉 光
「あーあー、割れたかな」
佐倉が慌てて瓶を拾い上げる。
牧志 浩太
ひっ、と喉が痙攣した。
見えない身体を悪寒に震わせる。
……俺、あの中に捕まってる、とか、ないよな?

背筋に走る悪寒に、いつか見た夢を思い出した。
手が届かなくて、力が足りなくて、佐倉さんの入った瓶が目の前で砕け散る、あの夢。

思い出しそうになって首を振る。
今は目の前のあれのことだ。あれが何なのか、佐倉さんが口走ってくれないか。
KP
【アイデア】どうぞ。
牧志 浩太
1d100 90 【アイデア】 Sasa BOT 1d100→9→成功
KP
確かにあの瓶にはさっきより大きくひびが入っており、入れ物としての役割を果たしてはいないように思えた。

そして、あなたはふと気付く。
ほんの僅かだが自分の手が見える。
空気が歪んでいるのか、と思える程度、ほんのかすかなものではあるが。
牧志 浩太
「あれ……?」
不意に気づいた。手が、見える。
変化はといえば、あの瓶に大きくひびが入ったことだ。
「もしかして本当に、俺、あの中に捕まってるのか」
瓶に手を伸ばしてみる。触れたり、動かしたりすることはできるだろうか。
KP
瓶を動かすことは相変わらずできないし叩いて音を立てたりもできないが、意識してみると自分の体がうっすら見えるようになっていると同時に、先ほどまで不確かだった自分の存在が少しはっきりしたように思えた。
牧志 浩太
自分の姿が見える。それだけで、事態が動いた気がした。相変わらず世界には無視されているけど、少なくとも世界の中に、自分がいる姿が見える。

(見える、って大きいな。
見えないと、自分はここにいるって分かってるのに、いないように思えてくる。
牧志 浩太
……佐倉さんにも、見えたりしないかな?)
佐倉さんの目の前に手を差し出したり、肩に触ったりしてみる。
KP
佐倉の目の前に手を出すと、佐倉は一瞬目をぱちくりさせた。
佐倉視点
KP
目の前になんとなく冷気が通った、そんな気がした直後、
突如また冷気の塊が肩に触れた。

KP
そしてあなたが肩に触れた途端、
悲鳴を上げて払いのけ、壁を背にして周囲を警戒し始めた。
佐倉 光
「くそ、やっぱり何かいやがる……!」
牧志 浩太
「! ……佐倉さん!」
見えてる。触れられてる。相変わらず物は動かせなくても、それだけで随分進んだ気がした。
牧志 浩太
考える。
どうしたらいい、あの瓶を壊させればいいのか? でも、あの悪寒は無視できそうにない。ただ壊していいのかどうかが分からない。

考える。
佐倉さんに俺の存在を知らせられないか? モールス信号? いや、さすがに使ったことないし。

もう一度佐倉さんの肩を叩いて、目の前に手をかざす。
警戒でもなんでもいい、こっちに目を向けてくれれば、もしかしたら俺が見えるんじゃないか。
KP
あなたが「こちらを見てくれれば」と願いながら彼の肩に触れたとき、佐倉の視線が一瞬、あなたの方を見た。
そして彼は驚愕する。
しばらく、佐倉は恐怖と怒りと困惑を目に宿してあなたの方を見ていた。
しかしあなたは気付くだろう。彼はあなたを見ていない。あなたと目は合わないし、何かを見たという反応ではない。
佐倉はやがて目をあなたから引き剥がすように全然別の場所に一瞬視線を送ると、ひっきりなしに瞬きをした。
佐倉は素早くアナライズを叩き、油断なく周囲に目を配っている。

あなたには分かる。
あなたは無意識のうちに彼の行動を操ったのだ。

なんだか喉も乾いてきた……
佐倉視点
KP
あなたの視線をねじ曲げた力は、急激に失せていった。
佐倉 光
動きが操られた!?
大した力のない悪魔だと思っていたが、こちらに影響を与えてくるようなら放っておくわけには行かない。
だがこちらからは見えないし《アナライズ》にマトモにかからない存在、どう倒せばいい。

牧志 浩太
これも佐倉さん視点をすごく見てみたいお話
KP
内心描写入れながらやろうかなと思ってたのについいつも通りやっちゃった。
牧志 浩太
置きだと特に、描写がPC視点になりますしね
牧志 浩太
(やった、見てくれた、……あれ?)
牧志 浩太
何か見えたにしては様子がおかしい。これは、見えたからこっちを向いたんじゃなくて。

微かに見える自分の手を、恐々と見下ろす。
(え? 俺、佐倉さんを操った? え?)
何だそれ、本格的に幽霊じゃないか。吸血鬼の次は幽霊? えっ? これを使ってもうちょっと瓶にひびを入れてもらえないかな、いや、でも、いいのかこれ?

混乱しはじめる思考を強制的に止めたのは、喉の渇きを覚えたことだった。

あ、まずい。そうだった。棚上げしていた問題が頭をもたげてくる。

本棚を見てみる。何か違和感のあるもの、見慣れないものはないか。
(いや、普通に瓶を開けてもらえばいいのか?)
KP
あなたは自分が幽霊になったと自覚してしまった。
実は死んでいるのではないかという疑いが芽生えてしまう。
SANチェック成功時減少 1失敗時減少 1D4
いやー、描写的にダメージこんなに入らないなw
牧志 浩太
1d100 67 《SANチェック》 Sasa BOT 1d100→62→成功
SAN 67 → 66 まあ成功しましたし

(だから、腹減って喉の渇く幽霊なんて無しだ、無し!)
胸に手を当てて一度、深呼吸。肺に空気が溜まって出ていく感覚に集中する。

(よし、大丈夫。……俺は、大丈夫だ)
嫌な考えから無理やり思考を引き剥がす。
KP
※ここから、なんとか佐倉に気付いて貰うためあれこれ試してみようのコーナーになります。
佐倉の危機感によりストーリーが進行します。
好きに暴れてね。

ストーリーには全く関係ないけど、背景アイテムの描写や調査もできます。
KP
半ばギャグシナリオだしいいかー、の情報開示。
牧志 浩太
わーい。ドタバタしていきたい。
牧志 浩太
佐倉さんの行動を操れる、これは結構役に立つかもしれない。
負担とかあるかもしれないけど、今はちょっと危急の問題が迫ってきている。

佐倉さんの肩に手を触れ、目の前のキーボードで文字を打ってもらうように念じる。
「まきし」と。
KP
【POW】対抗! 35で頑張れ!
失敗しても行けますが、目茶苦茶頑張らないといけないのでMPを消費します。

佐倉の意思はかたく、ただただ人の影響を受けることを何より嫌う。
何度か自分の行動を操られたときには強い不快感と怒りを露わにしていたはずだ。
そんな彼の気性を知っているあなたならば、それが容易なことではないことは想像がつくだろう。
牧志 浩太
1d100 35 【POW】対抗!  Sasa BOT 1d100→56→失敗
アカーン!
KP
あなたは念じる。
「指示通りにキーボードを打て!」
佐倉視点
KP
突如、あなたの指が引きつって震えた。
指先が引っ張られるように動き、不格好に踊る。
あなたの意思を全く無視してキーに降りようとする。
佐倉 光
体が操られる!
くそ、何なんだよ、何なんだよ、さっきから!
牧志に何かあったんだ、一刻も早く調べなきゃならないんだ!
俺は今お前のような雑魚悪魔に構ってる余裕はねぇんだよ!

KP
佐倉は途端、指先を引きつらせ奥歯を食いしばってぷるぷる震え始めた。
歯を食いしばり聞くに堪えない悪態をつきながらあなたの干渉に抵抗している。
何とか、指先をキーボードに触れさせることに成功した。
だがなかなか思った通りに指を操ることができない。
肉体はないと思われるのに、汗が浮いてきたような心地がする。
佐倉の指は硬く重い。
それを何とか、自分の名前を意味するキーへと誘導、誘導……
なかなかうまく行かない。
あっ、ずれた。
一本指打法なら何とか……?
佐倉視点
KP
あなたの想いとは全く関係なく、指はキーボードに降りて彷徨う。
そして全く芋の分からない言葉を打ち込もうとする。
指が引きつり、一本だけが動こうとする。引きつって痛い。

KP
攻防はどれだけ続いただろう。
実際の長さはほんの数秒だったに違いない。
だがもう何時間も戦っているような気がした。
佐倉視点
佐倉 光
渾身の力と魂をこめて叫ぶ。

俺の、中に、勝手に、入って、来るなぁっ!

佐倉 光
「くそがぁ!」
KP
佐倉は叫んで最後にキーボードを叩いた。
途端あなたの気力がふつりと尽きる。

肩で息をする佐倉の目の前のモニタには、謎の言葉が表示されていた。
『amhbjjushogkx』

MPを1消費してください。
牧志 浩太
「無理! 佐倉さん強い!」

叫んでその場にひっくり返る。
頼もしい精神力と自らへの拘りが、今はちょっと恨めしい。
いや、ちょぉぉぉっと恨めしい。

MP 12 → 11
牧志 浩太
佐倉さんに何かしてもらうのは、よっぽど単純なことじゃないと無理そうだ。
例えばあの瓶、もう一度払い落としてもらうとか。

しくじって本当に割れたら、どっちに転ぶか分からない。これは保留。
最後の手段として頭に入れておこう。
牧志 浩太
うーん、本当にモールス信号でも打ってみるか。
うろ覚えだけど、SOSは一番打ちやすいパターンだって聞いたことがある。

トントンツーツーだっけ、トントントンツーツーツーだっけ……。

※佐倉さんの肩を叩いて、SOSしようと試みます。
(ただし、うろ覚え)

(先輩部屋に来ないかなー、先輩ならもうちょっと御しやすい気がするんだけど)
牧志 浩太
本当に詳しいわけじゃなくて、雑学の範疇ということで、うろ覚え。
KP
佐倉は立ち上がって周囲をしばらく警戒した後、
あなたに打たされた謎の文字列をにらみ付けて、
そこに意味を見出そうとなにやら考え込んだ。
佐倉視点
佐倉 光
いや待て。
さっきからの怪奇現象。
何か意味があるなんて事は無いだろうな?
何かの暗号?
KP
何度眺めても、あなたには意味のない羅列にしか見えなかったが……
佐倉 光
俺には読み取れない、何らかの深い意味があるかも知れない。
思い出せる限りの暗号パターンを当てはめてみよう。

KP
あなたの手が肩に触れる。
込められたのはうろ覚えのモールス信号。
佐倉視点
KP
あなたの思考を突如訪れた悪寒がぶった切る。
悪寒は全身を駆け巡り、あなたが組み立てていた暗号の手順を吹っ飛ばした。
ああまた最初から考え直しだ!
佐倉 光
邪魔すんなクソが!
こんな時に牧志がいたら何か見えたりするのかなぁ。
……俺はその牧志を探してんだよ畜生。
わけの分からない異変にかまっている場合じゃないんだ!
KP
ひたすらに焦りがつのる……

KP
「助けて欲しい。自分に気づいて欲しい」
そんな祈りを込めた手は……
佐倉 光
「ゴーストか? 
くそ、こんな忙しい時にうるせぇ。
それどころじゃねぇんだよ!
マグネタイトならやるからどっか行け!」
佐倉が羽織ったパーカーに阻まれてしまった。

佐倉はテーブルの方に流動体が入った容器を乱暴に置いた。
KP
うん、残念ながらシナリオに「モールス信号とか無理」ってかいてる!
牧志 浩太
じゃあしょうがない!
牧志 浩太
「うわっ」
佐倉さんひどいな! と思ってしまうが、その焦りが自分のためだと思えば怒る気にもならない。

……久しぶりに見た気のする、鈍色の流動体。
それを見て、ごくりと息を呑む。

今なら食べられたりしないかな、これ。
喉もだけど、さっきから腹も減ってしょうがないのだ。

流動体の入った容器に触れてみる。
KP
……流動体は動かないし、あなたの空腹感が癒えたりもしなかった。
【アイデア】どうぞ。
あ、佐倉の判定抜けてる。
佐倉 光
1d100 70 危機感 Sasa BOT 1d100→30→成功
1d100 70 危機感2 Sasa BOT 1d100→32→成功
牧志 浩太
1d100 90 【アイデア】 Sasa BOT 1d100→98→致命的失敗ファンブル
KP
あっ……
牧志 浩太
なんだか今回ファンブル多い!
牧志 浩太
悲しい。少し期待しただけに、とっても悲しい。空腹感がいや増す……
KP
きっと自分はいわゆる悪魔ではないのだ。
もっとわけの分からない何かなのだ。
だからマグネタイトも反応しないのだ。
このまま空腹で死んでしまったらどうしよう。
そもそも空腹を覚える幽霊なんて異常じゃないか。

元に戻れるのだろうか。
そんな絶望があなたを襲う。
牧志 浩太
悲しい。
このまま、世界にも佐倉さんにも無視されたまま一人で飢え死になんて、悲しすぎる。

力が抜けたような気がして、座り込んでしまう。
悲しい。寂しい。ひもじい。腹減った……。

……少し絶望に浸ってから、のそのそとまた立ち上がる。
どれだけ絶望しても腹は減る。
KP
うぅん。
ここで分かる情報って
「悪魔がマグネタイトを必要とするのはマグネタイトによって実体化したり力を振るうからだ。
マグネタイトを必要としない自分は、そういった方法とは別の手段でこんな状態になっているのではないか」
だったんですよね!
牧志 浩太
なるほどなー!
KP
まあ情報としては間違ってないよ!


ひとこと
佐倉 光
何故か透明になってしまった牧志、
余裕がないときに部屋に現れた謎の悪魔に苛つく佐倉。
互いに必死なだけなのに……!


【置】CoC【タイマン限2】収録シナリオ『Look,LOOK Everyone!』 佐倉&牧志 2

「さーて、実験……じゃなかった、食事を始めよう」
「い、いただきます。佐倉さん、こぼさないように頼む」

CoC『風のさびしく、呼ぶ声』佐倉&牧志 4

「隠したいと思う理由って大体碌でもないでしょ?
で、今回の事件に関係があるとしたら。だいぶキナ臭い」

【クトゥルフ神話TRPG】
本作は、「 株式会社アークライト  」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。

Call of Cthulhu is copyright ©1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc.
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PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION 「クトゥルフ神話TRPG」


ダブルクロス 第十話『道なかば、嵐は来る』 1

「どうか我々に退けられたフリをしていただけないでしょうか」

ゆうやけこやけ 『まいご』

こどももTRPG まいご

ダブルクロス 第六話『胞子の島』1

今回はシナリオクラフトです。
偶然同じ航空機に乗っていた大人たち。突如のワーディング、コントロールを失う飛行機。目の前には空飛ぶ超巨大キノコが……