これは、VOIDのHO1による
空白の航海です。
両方のネタバレがあります。
十分ご注意ください。
また、『空白の航海』は特に
自分でのプレイが推奨されます。
仕掛けが凄いので是非自分でプレイしてから読んでくださいね!

参加PC


今回、結城独りなので延々と独りで喋ります。
口に出した場合とそうではない場合の見分けがしづらいので、心の声は秘匿扱いで黒いバックになります。
暗闇の中に、手足がついたモニターのような物がある。
モニターには、スタンバイー
 ⇒“電源を入れる”と表示されている。
電源を入れる
「 」
お帰りなさい。まずは明かりが必要ですね。
明かりをつけさせていただきます。目の前の“黒い闇”を取り除きましょう。
BGMはお好みで。
シックなJAZZなどはいかがでしょうか。

明かりがつきましたら“メッセージ”をお伝えさせて頂きます。
結城 晃
どういう状況なんだろうな、これは。
とりあえず言われたとおりに闇を取り除いてみよう。
●寝室
明かりがついた状態で改めて辺りを見回すと、そこはどこか見知らぬ部屋のようだった。
ビジネスホテルのような間取りではあるが、壁や家具は無機質な白で覆われていた。

自分は普段着ではあるが所持品の類はない。
どうしてここにいるのか、ここがどこなのかさえ分からない。見知らぬ場所に連れてこられた恐怖から【1/1d3の正気度喪失】

部屋には幾つかの物品はあるようだ。ロボットは腕を振りながら私の対応を待っている。
分からないことだらけだが、ロボットへ”メッセージ”を送信すれば何か話すかもしれない。
部屋には、机といす、ベッド、バストイレがあり、扉が一つある。
ベッドの上にはメモが、
机の上にさきほどの手足のあるモニタがのっていた。
ロボットのモニターに文字が表示されている。どうやらこれはこのモニタ型ロボットの発言であるらしい。
結城はまず、ベッドの上のメモに目をとめる。
●メモ
いきなり呼びつけてしまった君が、これを読めるといいのだが…。

まず、目の前の彼女が決して悪い子ではないことを信じてほしい。分からないことがあれば彼女に聞いてくれ。彼女なりに答えてくれるはずだ。
彼女は「こんにちは」や「おはよう」などひと通りの挨拶も勿論できるし、沢山の質問に答えてくれるだろう。
何なら僕よりずっと賢いからね。

ここでは少しの時間をいただくのみで、すぐに君は元の場所に帰れるだろう。その間“チューリングテスト”じみた私のエゴに、どうか付き合ってほしい。
テストプレイはいつまでも終わっていないから、君らしさを彼女に示してやってほしいんだ。

既に旅は始まっているのに、彼女は一人なのだから。
本編見る!
結城 晃
「これは、テスト?」
結城 晃
「(目の前のロボットは『女性』なのか)」
●アシスタントAIを名乗るロボット
歩行や簡単なモノの受け渡しも可能であり、胴体部や腕の長さは可変するようで、どういった技術が使われているのか分からない。
再生される電子音声は女性らしい声をしているが、性別は不明だ。

〈コンピューター〉【知識】があれば、もう少し深く分かるかもしれない。
※技能判定に成功した場合、探索履歴2を解禁。

〈電子工学〉〈物理学〉を用いれば、材質等の見当はつくだろう。
※技能判定に成功した場合、探索履歴3を解禁。
結城 晃
「こんにちは」
メッセージ
「 」
私の名前は「 」です。

今はスペーサーとでもお呼びください。
何でも質問してくださいね。何でも答えますよ。
ロボット三原則が有効に働いていますから、
貴方に危害を加える心配はありません。

特定の語句へ質問がある場合には“○○とは”と、
私に発言をお願いいたします。
試しに“ロボット三原則”とはなにか
聞いてみてくれませんか?
結城 晃
「ふーん? ロボット三原則について?」
ロボット三原則とは
「 」
ロボット三原則とは

●第一条
ロボットは人に危害を加えてはならない。

●第二条
ロボットは第一条に反するおそれのないかぎり 人に与えられた命令に服従しなければならない。

●第三条
ロボットは、第一条および第二条に反する おそれのないかぎり、自己を守らなければならない。

本発言は“記憶領域1”にログを保存していますので見返す際には円盤のパネルを削除してご利用ください。
結城 晃
(ああ、これなら知っているな。ヴィキや春さん達VOIDにも……いや、それはちょっと怪しいところだが……)
(ともかく、表向きはプログラムされているものだ)
結城 晃
「チューリングテストって?」
チューリングテストとは
「 」
人間らしいロボットを見極めるための試験です。

審査員と機械/人間は別々の部屋にいる状態で、
PCを通じて会話を行い、質問を繰り返します。
審査員は質問を通じて部屋の向こう側の会話相手が
機械か人間かを判定するのですが。ここでもし、
機械の方が「人間である」と判定されれば
「この機械は考えることができる」、つまり
「知能を持った機械」と見なせる、というわけです。

本発言は“記憶領域11”にログを保存していますので
見返す際にはご利用ください。
結城 晃
(……? 聞き覚えのある言葉だけど)
(どこで聞いたんだったか……)
スペーサーとは
「 」
アイザック・アシモフのSF小説『鋼鉄都市』などの
ロボットシリーズ・ファウンデーションシリーズに
登場する、宇宙に移民した人類の子孫を指します。
宇宙人・宇宙族と訳されている場合もありますね。
と同時に、語の区切りを表すために空ける空白、
またその他の字間の空白はスペースと呼ばれます。

宇宙を旅する航海士と、何者にもなれる空白。
私にピッタリの名前だとは思いませんか?

本発言は“記憶領域19”にログを保存していますので
見返す際にはご利用ください。
結城 晃
「へぇ、そういう名前なのか」
「こんにちは、スペーサー」
こんにちは
「 」
こんにちは。

「今日」を挨拶に取り入れる日本語は
毎日の移り変わりを楽しんでいるようで
素敵ですよね。
結城 晃
「俺は結城晃。よろしく」
結城 晃
(なるほど、なんとなく分かってきたぞ)
(俺、〈機械修理〉はできるようになってきたけど、〈電子工学〉はさっぱりなんだよなぁ……)
結城 晃
「テストプレイ……って?」
テストプレイとは
「 」
デバッグとも呼ぶべきものであり、バグや機能性、
クオリティをチェックする工程のことを示します。

アシスタントAIたる私は会話によって成長するため、
人との対話を通じてデバッグを行う必要があり、
チームメンバーは沢山の物語を語ってくれました。

私には父と母以外に沢山の協力者がいるんです。
彼らの無数の物語の上に、今私が立っています。
貴方も含めて……、本当に感謝しているんですよ。
結城 晃
(協力者は多い、ってことかな。まあ……VOIDもそうだしな)
(純VOIDの春さんも、確か人間の子供との会話をすることで心を確立させたと言っていたな……)
結城 晃
おっと、正気度喪失忘れてるな
というか今気付いた。
結城 晃
CCB<=43 【SANチェック】 (1D100<=43) > 5 > 決定的成功/スペシャル
[ 結城 晃 ] SAN : 43 → 42
●バストイレ
浴槽はなくシャワーのみの簡単な作りだ。
トイレも水を湛えているタイプではなく、
新幹線のトイレで見かけるような、シャワーで流すタイプのもののようだ。
ゴミ箱らしきものにゴミはひとつもなく、部屋全体を含めて清潔そのものである。
結城 晃
(ベッドか……)
●ベッド
重量のある無機質なベットであり、寝心地は良さそうだ。

どことなく違和感を感じるが、なにかいい【アイデア】が浮かべば良いのだが…。
※技能判定に成功した場合、探索履歴1を解禁。
結城 晃
CCB<=90 【アイデア】 (1D100<=90) > 49 > 成功
●寝室のベッドへ【アイデア】で得た情報

自分ではない誰かの形にクセがついているようだ。
この部屋の”前の住人とは”一体誰なんだろうか?
結城 晃
(あれ、ここには誰かが寝ていた形跡があるな)
結城 晃
「スペーサー。ここに前に誰かいたのか?」
前の住人とは
「 」
父と一緒に旅をしていました。

記憶とは「聴覚・視覚・触覚・味覚・嗅覚」の順番に
忘れていくものだそうですよ。
貴方は思い出の人の声は思い出せますか?

ロボットの私にはなんていったって【幸運】なことに
忘れるという機能は搭載されておりません。

本発言は“記憶領域13”にログを保存していますので見返す際にはご利用ください。
結城 晃
(ふーん……といっても、ヴィキも春さんも『忘れ』ていたみたいだけど)
(まあ、普通は消さなきゃ消えないんだよな)
結城 晃
「確かに、声はぱっと思い出せるようなものではない気はする……かな?」
「その順番だと、においは忘れないということになるのかな」
「お父さんって?」
父とは
「 」
両親のうち、男親の方を指します。

また他国からの独立、宗教活動、重要な発明など
それら創始や発展に重要な役割を果たした男性を
「○○の父」と呼ぶことがありますね。

私の父は親であり、設計者ですので、
将来では「スペーサーの父」なんて言われているかもしれませんね。
結城 晃
「まあ、そうだけど、普通この流れだと君の『お父さん』について訊いたつもりだったんだけどな?」
結城 晃
(こう、いわゆるロボット! と話すのは意外と難しい。人間のような高度な受け答えができるヴィキや春さん、他のVOIDの皆が人間に寄せてくれているから、まともな会話ができるんだな)
結城 晃
「君のお父さんってどんな人だい?」
不発コマンド
スペーサーの父とは
 の父とは

結城 晃
無理かぁ。
じゃあ……
母とは
「 」
両親のうち、女親の方を指します。

また必要は発明の母のように、あるものを生み出す
もとになる物や、人の意味で使うことがありますね。
母なる自然、という言葉も象徴的です。

私は生物学上の母となることは出来ませんが、
もしかすると、人類の母にはなるかもしれませんね。
結城 晃
「人類の母?」
不発コマンド
人類の母とは
この部屋とは

ここはどこ
「 」
ここは方舟ソラリス。
現在は太陽系外縁部を航行中です。
結城 晃
「方舟、ソラリス……? は?」
「太陽系外縁部? そういう設定……ってことか?」
方舟ソラリスとは
「 」
方舟ソラリスは人類の逃避行です。

地球以外の地球を目指して作られたこの船は
人類最後の希望のように思えるかもしれませんが、
複数の研究チームが少し良い予算と共に作り上げた
ただの壮大な研究結果に過ぎません。
彼らのエゴによって出発した、
彼らにとっての希望なのです。

本発言は“記憶領域4”にログを保存していますので見返す際にはご利用ください。
結城 晃
「どういう事だ?」
不発コマンド
人類の逃避行とは

希望とは
「 」
神話では、人類最初の女性であるパンドラが、
好奇心から「パンドラの箱」を開けてしまい、
この世にあらゆる悪いものが飛び出した時に、
最後に残ったのが「希望」だったとされています。

ですが、私にとってはイメージにずれが生じます。
なにせ私は希望を載せて飛び出したものですから。
結城 晃
「つまり……人間に何かが起きて、宇宙に逃げだそうとした……ということか」
「パンドラの箱、というとギリシャ神話のだな」
不発コマンド
パンドラの箱とは
なにがおきた
何が起きた
きみはだれ

結城 晃
「状況が分からないな。外に行って人を探すなりなんなりしたいんだ」
扉を開けてほしい
「 」
すいません。
「寝室から外への扉」を開きました。

食事室へは自由に行けますよ。
長い旅路ではお腹が減ってしまいますからね、
目的地着までの推定時間は242年と3ヶ月です。

ごゆるりとお待ちください。

もしこれから、私の発言を忘れてしまった場合でも
貴方の元にログは残っているはずですから
そちらから再質問をお願いしますね。
結城 晃
「……これ」
「どういう状況だ? 俺は、どうやってここに?」
「目的地到達まで242年? どこか目的地があるのか?」
目的地とは
「 」
地球

あるいは地球と成り得る星です。
結城 晃
「地球となり得る星……」
「人類に、というより地球に何かが起きたのか」
結城 晃
(ただこの言い方だと……宛てはないように聞こえる)
不発コマンド
地球とは
地球となり得る星とは
食事室とは

結城 晃
(やれやれ……確かにお腹は空いている気がする)
(探索がてら行ってみるとするか)
結城は扉を開けて外に出た。

●廊下
両端の連絡扉と、左右に二つずつの扉がある。
細長いただの廊下のようだが何となく違和感を覚える。違和感を説明できる【アイデア】は思いつくだろうか。
※技能判定に成功した場合、探索履歴4を解禁
結城 晃
(廊下か……)
CCB<=90 【アイデア】 (1D100<=90) > 15 > スペシャル
●廊下にて【アイデア】で得た情報

細長い廊下は僅かに湾曲しているようで、緩やかにカーブした上り坂のように思える。
しかし、不思議と登っている感覚はない。
結城 晃
(これは……まさかと思うが……コロニー?)
(なかなか……飲み込むのに時間がかかりそうだが……)
(俺はどうやら、とんでもないことに巻き込まれている気がする)

●食事室
地面などはホコリが被っている様子ではなく奇麗なままであるものの、奇麗すぎるところもあり、しばらく使用者はいなかったのではないかと感じる。
●システムキッチン
ガス調理器ではなく電気調理器のようだ。
水も問題なく出すことが出来るが、シャワー状で勢いは弱く、無駄使いできないような仕組みになっている。
●本棚
数冊の料理本があることに加えて、各種の図鑑やジョークの本もあり、低年齢層向けの本が並んでいるように感じる。
かと思えば「愛」や「正義」を語る哲学書の類もいくつか置かれており、ちぐはぐな印象だ。

スペーサーは”愛とは”何か、理解しているのだろうか?
結城 晃
(本棚か……)
(随分とばらばらだな。複数の人間の趣味なんだろうか)
結城 晃
「スペーサー、愛ってなんだか知ってるかい?」
愛とは
「 」
古代ギリシアにおける四つの愛の概念は
男女の間の恋愛である、「エロス」
友人の間の友愛である、「フィリア」
親子や兄弟の間の家族愛である、「ストルゲー」
父なる神が子なる人間を愛するような、
無限なる無償の愛、「アガペー」に分類されます。

私は創造主たる人間への無償の愛を
プログラミングされています。
これも「愛」と呼べるのでしょうか?
結城 晃
「さあ、どうだろうな。俺が知っているVOIDは、そう言っていた気がするけど」
「俺は、そこから一歩進んだものが愛であって欲しいとは思うね」
不発コマンド
創造主とは
エロスとは

●机といす
2脚セットである。
この施設には二人以上の住人がいたのだろうか。

この場所ではスペーサーも誰かと“冗談を言って”いたのかもしれない。
結城 晃
「ここは一人の部屋じゃないな。人間は何人かいたのか?」
「ここが本当に宇宙船なら、真面目なだけじゃ息が詰まるし、さっきの本棚にあったジョーク集なんかを読んだりしたのかな」
冗談を言って
「 」
それでは謎かけを一つ。

愛しているひととかけまして、嫌いな人とときます。
その心は「はなしたくない」です。

いかがでしたか?
貴方にもそんな人はいますか?
結城 晃
「……はは」
「うまいこと言うな」
「俺にもいるよ。話したくなくて、離したくない人」
結城 晃
(VOIDが怖かった時は、ヴィキに話しかけられる度に落ち着かなかった。
今は……)
(ヴィキはこの船に乗っているんだろうか)
不発コマンド
ほかのひとは
ほかにひとは

●ロボットの心
研究結果をまとめた冊子のようで、幾本ものマーカーと注釈が書き加えられている。内容を抜粋すれば以下の通りのことが書かれている。

心には【機能】と【クオリア】の二つの側面がある。
心の【機能】は高度に実現された電子回路によって成立しうるかもしれない。何らかの因果的な役割をもつ知覚や記憶の【働き】は再現できるものだからだ。

だが、心の【クオリア】はそう簡単にはいかない。
クオリアは「感覚された限りでのその感じ」であって、根本的に体験している当人にしか観察できない主観的経験だ。

疑念のポイントがあくまで「主観的経験がそこに生じている」ことへの疑いであるなら、他人もロボットと同じ認識論的な位置にあることが分かる。
「哲学的ゾンビ」や「マリーの部屋」の問題が論争を今も巻き起こすように、人は完全にはクオリアを理解できていないのだ。

ロボットに心を宿すことが出来るかどうかは、ロボット工学における永遠のテーマである。
そもそも今回のプロジェクトに「心」が必要であるかは議論の分かれるところであったが、感情が重要な判断基準であるとする「ソフティック・マーカー仮説」から「心」は必要であると結論付けられた。

彼女が真に「心」を持つことが出来たなら、大変喜ばしいものだが、それは残酷なことなのかもしれない。
しかし、その心配は無意味なものだろう。私にはロボットに心を持たせることなどは出来なかったのだから。

著:瀬名明(せなあきら)

名前に聞き覚えはないが、この”瀬名明とは”一体誰か、スペーサーに聞けば何か分かるだろうか。
結城 晃
「ロボットの心……」
「随分と近しい話題だ」
「クオリアってなんだか知っているかい?」
クオリアとは
「 」
簡単に言えば、クオリアとは「感じ」のことです。
私にとっては全く簡単なものでないのですが。

「イチゴの瑞々しいあの赤い感じ」、
「空のあの晴れ晴れとした青い感じ」、
「映画を見ている時のワクワクするあの感じ」
それら主観的に体験される様々な質です。

私が貴方と対話しているこの瞬間に生まれる
楽しいというこの感じも、クオリアなのでしょうか。
結城 晃
「そうかもな」
「感情も、その一部ってことだろうか」
不発コマンド
機能とは

心とは
「 」
私や研究者が探し求めるものであり、

そして一生見つからないモノなのかもしれません。
結城 晃
「大丈夫だ。俺は心を持つ機械を大勢知っている」
哲学的ゾンビとは
「 」
「人間と物理的には全く同様であるにもかかわらず、
主観的な意識やクオリアを一切持たない存在」です。
彼は貴方と同じに泣き、怒り、笑うことでしょう。
ただそこに意識はなく、「心」が存在しないのです。
他者のクオリア物理的に解析できない以上は、
哲学的ゾンビも在り得ると哲学者は述べました。

貴方にはクオリアが、心があるのかもしれませんが、
世界中の貴方以外の人間は皆、心がないのです。

本発言は“記憶領域16”にログを保存していますので
見返す際にはご利用ください。
結城 晃
「いや、ちょっと待ってくれ」
「俺にしかクオリアがない? それは、おかしくないか」
結城 晃
(『哲学的ゾンビ』か。春さんが随分気にしていた気がする)
結城 晃
「それはつまり、俺以外の人間は、人間ではない、と言っているように聞こえる」
「……ああ、そういう考え方もできる、というだけか」
「結局、人間、自分のことしか分からないからな」
「そう見える偽物と、本物の差は、どこにあるんだろうな」
「ついでに、このマリーの部屋についても意見をくれるかい?」
マリーの部屋とは
「 」
白黒の部屋で生まれ育ったマリーという女性は
生まれてから一度も、「色」を見たことがありません。
しかし彼女は、白黒の本や白黒のテレビを通じて
色についての物理学的な事実を熟知しており、
林檎の「赤さ」や空の「青さ」を完璧に理解しています。

彼女が白黒の部屋から解放され外に出たとき、
何が起こるのでしょう? 何を学ぶのでしょう?
そういった「クオリア」の存在を問う思考実験です。

本発言は“記憶領域17”にログを保存していますので
見返す際にはご利用ください。
結城 晃
(記憶に新しいな。捜査中にそんな資料を読んだ)
結城 晃
「ソフティック・マーカー仮説?」
ソフティック・マーカー仮説とは
「 」
外部の情報により呼び起こされる身体的感情が、
意思決定を効率的にするという仮説です。

扉を開ける際に心臓がドキドキと早鐘を打つ時は
それが正しい選択か疑いたくなりませんか?
理性的判断には感情を排して取り組むべきだという
従来の常識に反して、感情的要素があることは
理性的判断にむしろ効率的に働くことになるのです。
だから「心」が必要なのです。

本発言は“記憶領域15”にログを保存していますので
見返す際にはご利用ください。
結城 晃
「なるほど、自分の考えが正しいかどうか、外的刺激で生じる身体の変化で測る……」
「そういったものが、『なんだか嫌な予感がする』などといった漠然とした情報として得られるように感じる」
「だから心は必要、か」
「言いたいことは分かるけど、理屈っぽいな」
「しかし気になるのは、この計画に心が必要な理由か……」
「計画って何だ?」
計画とは
この計画とは
結城 晃
「これを書いたのはもしかして、君のお父さんじゃないのか?」
瀬名明とは
「 」
その質問は本当に必要なものでしょうか?
この船はまさに楽園を乗せた船なのです。
そう急がなくても良いのではないでしょうか?

それでもまだ、貴方が先へ進むのであれば
瀬名明とは誰か”質問をしてください。
結城 晃
「言いたくなさそうだね」
「それは、君の感情に起因する言葉なんじゃないかな」
「ここに『心を持たせることはできなかった』とあるけど」
「……どうだろうな」
結城 晃
(失われてしまった地球の代替を探す旅)
(長い旅路)
(そして、いなくなってしまった前の住人)
(……『瀬名明とは誰か』か)
(……もう少し、色々見てからにしよう)
(この旅路に、彼女の心が必要だとして、その理由が危険の回避、ということなら)
(ここで何が起きたのだろう)
(あれ、メモが挟まっているな……)
●書籍「ロボットの心」の間に挟まっていたメモ
イス人の知識を得た私が「精神交換」ではなく、「精神転移」を選んだのは慈悲からではない。
それしか出来なかったからだ。

いずれ、長くを生きられないことが分かっていた我が子の将来を、共に願ってしまうことを許してほしい。
結城 晃
「イス人って?」
イス人とは
「 」
彼らの情報は正確に残されておりません。
時間と空間を超越した宇宙生物であるとされており、
宇宙の彼方から時空を超えてやってきたそうです。

彼らの存在は正確に認知されておりません。
精神的な存在である彼らは、地球にいる誰かの
精神を交換することによってやってきたそうです。
精神を物体として認知できる彼らならば
「心」も理解し、解析できているのでしょうか?

本発言は“記憶領域20”にログに保存していますが
ショッキングなので見返す際にはご注意ください。
結城 晃
「精神の、交換?」
結城 晃
(これもまた記憶に新しい。ヴィキをVOIDにした技術はそのあたりに近い)
結城はログを確認した。
※スペーサーが教えてくれた情報のほかにも情報が記載されている。
●イス人とは(抜粋)

また、情報には円錐状の体躯に鋏を持つ触手とねじくれた頭部を生やす異形の存在が映像として残されており、異物感を催す恐怖を感じさせる。
【1/1d3】の正気度喪失が発生する。
結城 晃
「……この、情報……」
「何だ、これは? これは……」
CCB<=42 【SANチェック】 (1D100<=42) > 58 > 失敗
1d3 (1D3) > 2
[ 結城 晃 ] SAN : 42 → 40
「人間では、ないんだ。見た目が人間ではないことぐらいで……」
「……」
結城 晃
(このメモを残した人は、『精神転移』をしているのか)
VOIDに、人間の精神を移したように?
(もしかすると、有馬がヴィキを救おうとしたみたいに……)
精神転移とは
「 」
その情報は私には確認できません。

でも、あるとすれば恐ろしいものですね。
精神交換とは
「 」
その情報は私には確認できません。

でも、あるとすれば少し面白そうですよね。
結城 晃
「交換は面白くて、転移は恐ろしいのかい? その差は何なんだろうな」
●食器・調理器具類
食器類は一人分には多く、二人分には少ない。
包丁やフライパンなど武器に出来るものは沢山あるが、武器となるものに〈目星〉はつくだろうか。
※技能判定に成功した場合、探索履歴5を解禁
結城 晃
「武器、か。心が必要なのは、危険があるかも知れないから、だったな」
「一応探してみるか……」
CCB<=25 〈目星〉 (1D100<=25) > 9 > 成功
●食器・調理器具類へ【目星】で得た情報

小型ナイフ程度の武器にはなる包丁や、小さなこん棒程度には使えそうなフライパンなどが置いてある。
※ステータスについてはルールブック準拠
結城 晃
「包丁か……ないよりはマシだな」
「せいぜい小型ナイフってとこだけど」
「どれどれ、冷蔵庫は?」
●冷蔵庫
冷蔵庫の容量は一般的なものよりはるかに大きい。
さらに、冷蔵庫の電子パネルには「前回更新日より18日経過」との表示があり、中身はブロック状の成型肉や非常に大きな葉物類などが並んでいる。

よい【アイデア】が浮かべば、大きな冷蔵庫と電子パネルの意味が分かると思うのだが…。
※技能判定に成功した場合、探索履歴6を解禁

冷蔵庫の中の不思議な食べ物たちは、〈化学〉的な知識や、〈図書館〉でするように本棚を調べれば何か分かるかもしれない。
※技能判定に成功した場合、探索履歴7を解禁
結城 晃
CCB<=90 【アイデア】 (1D100<=90) > 74 > 成功
●大きな冷蔵庫へ【アイデア】で得た情報

冷蔵庫の奥には小窓が付いており、そこから別の設備へとつながっているらしい。
奥の食料ほど鮮度が高く感じられるため、なんらかの周期にて冷蔵庫内の食料が入れ替えられているようだ。
結城 晃
(へぇ……食料品が自動で供給されているのか)
(18日経過、ということは……随分と長いこと人間がここに来て食事をしていないということか)
(これは、何の肉だろうな?)
CCB<=85 〈図書館〉 (1D100<=85) > 41 > 成功
●不思議な食べ物たちへ〈化学〉〈図書館〉で得た情報

成型肉は肉としか言いようがなく何の動物の肉か分からないため、培養肉ではないかと感じられる。しかし、筋繊維まで再現された培養肉の例は見たことがなく高度な技術を感じる。

大きな葉物類はサイズがどれも画一化されており、虫食いや痛みもない。光や水、温度を管理した屋内施設で無農薬の野菜を育てる、植物工場の研究が思い出される。
結城 晃
「随分高度な技術で作られた……成型肉なのかな?」
「さっき廊下でそんな部屋を見たかな……」
結城 晃
(色々調べてみようか。人間が他にいるかどうかもまだ分からない)
食料リアクターの扉を開けてほしい
「 」
すいません。
まだ扉を開くことは出来ません。

食べ物は冷蔵庫の中に沢山ありますよ?
結城 晃
「まあ……確かに」
「工学室を見てもいいかな?」
工学室の扉を開けてほしい
「 」
すいません。
まだ扉を開くことは出来ません。

物事には順序というものがありますからね。
結城 晃
「順序、ねぇ」
「じゃあ、資料室はどうだい?」
資料室の扉を開けてほしい
「 」
すいません。
まだ扉を開くことは出来ません。

今はゆっくりと過ごす時間を大切にしてください。
結城 晃
「ゆっくりと過ごす時間、か」
●狭い通路
左右に扉はない。
天井裏にでも続くのか、上部には丸い出入り口が設置されているが、梯子もなく辿り着く手段はない。
結城 晃
(あの通路、上にもドアがあるな)
結城 晃
「あれは開けられるかい?」
通路天井の扉を開けてほしい
「 」
すいません。
まだ扉を開くことは出来ません。

劇的なシーンには、準備が必要ですから。
結城 晃
「劇的なシーン?」
「とすると、この突き当たりにあって凄く嫌な感じがする『生命保管エリア』にも当然は入れないんだろうな」
生命保管エリアの扉を開けてほしい
「 」
すいません。
まだ扉を開くことは出来ません。

私が貴方を信頼できるまでは。
結城 晃
「信頼か」
「そうだな、ゆっくりやろうか、スペーサー」
「そろそろ訊いていいかい」
「君のお父さんについて」
瀬名明とは誰か
「 」
彼は私の父です。生みの親であり、設計者です。
ロボットに心を宿す研究をしていましたが、
結局、それが成功したかどうかは分かりません。

貴方の知的好奇心のために「資料室への扉」と「食料リアクターへの扉」を開きました。
地図もありますし、迷子になることはないでしょう。

ところで貴方はロボットに心はあると思いますか?
コレは私のただの知的好奇心です。
ロボットにも心はある”のでしょうか?
ロボットには心はない”のでしょうか?
結城 晃
「ありがとう」
「ロボットに心があるかって?」
「なければ俺はVOID恐怖症なんかにはならなかっただろうなぁ」
「あるよ。人を愛したり憎んだりするロボット達を、俺は大勢知っている」
「きっと君にだってある」
「だからきっと、君のお父さんについて訊かれるのを嫌がったんだろう?」
「俺が知ろうとするのを、君は嫌がっているね」
ロボットにも心はある
「 」
さては貴方は優しい人ですね。
もしくは好奇心旺盛でこちらも気になったとか?

優しい貴方には思いやりの「心」があるのでしょう。
他人の心が分かることこそが、
心のありようなのかもしれません。
だからこそ私は「心」が怖い。
だって私は、「貴方の心」も証明できないのですから。

本発言は“記憶領域2”にログを保存していますので
見返す際にはご利用ください。
貴方の心とは
「 」
私や研究者が探し求めるものであり、

そして一生見つからないモノなのかもしれません。
結城 晃
「さてと、行ってみるか」
「まずは資料室だな」
●資料室
天井近くまで無数の本棚が立ち並んでおり、窮屈な印象を受ける部屋である。
資料室に入ると、机と多数の本棚が目に入る。
結城はまず入って正面の棚にあった本棚と、そこにあったカルテをチェックする。
●本棚D
沢山の書物や円盤型の記録媒体が収められている。

特に医療に関わる書籍が多いようだ。
人間に対する医療知識のみならず、各種動物への医療知識も合わせて収められており、この資料室内でも、医療関係の書籍は特に大きい割合を占めているようだ。
●カルテ
医療関連の書籍を確認していると、一冊のカルテが挟まっていることに気づいた。

「瀬名真白」という人物のカルテのようだ。
10歳前後の少女のようで、小児がんを患いいくばくかの命もないことが示されている。

〈医学〉的知識があれば、さらに詳しく分かるかもしれない。
※技能判定に成功した場合、探索履歴10を解禁
結城 晃
「瀬名真白……さっき書いてあったのはこの子のことか」
瀬名真白とは
「 」
瀬名真白とは、瀬名明の一人娘の名前です。
そしてある意味では私の名前ですね。

病弱で夢見がちで、お父さんのことが大好きな、
そんな彼女をベースに私は作られました。
私のベースとなった記憶は瀬名真白のモノです。
結城 晃
(なるほど、制作者というだけではなくて、その人の娘を再現したということか……ますます誰かを思い出す)
(小児がんか……)
CCB<=5 〈医学〉 (1D100<=5) > 7 > 失敗
「(辛いだろうな。本人も、親御さんも……)」
●本棚B
沢山の書物や円盤型の記録媒体が収められている。

「文化人類学」を扱った本が多いようだ。
地域ごとの人間の文化や思想などの情報が広く浅く収められているが、誰しもが知っているような人間としての基礎知識が多く、情報としての質は低いように感じる。

なんとなく違和感の感じる書籍の構成だが、思い当たる【知識】はあるだろうか。
※技能判定に成功した場合、探索履歴8を解禁
結城 晃
(この書棚は文化人類学か……随分と精度が)
CCB<=80 【知識】 (1D100<=80) > 3 > 決定的成功/スペシャル
●文化人類学の本へ【知識】で得た情報

人間の規範や文化を、三人称視点で解説している書籍も多く、まるで人間を知らない誰かへと、人間とは何かを教えるために揃えられたようなラインナップだと感じられる。
結城 晃
(人間ではない何者かに、人間のことを説明するような本……)
(『彼ら』か。)
(また、彼ら、か)
(どこまで俺の人生に纏わり付いてくるんだ……)
●本棚A
沢山の書物や円盤型の記録媒体が収められている。

「テラフォーミング」を扱った書籍が多いようだ。
農業や環境生物学の本が多数収められており、明確な目的意識を感じる。
結城 晃
「この書棚はテラフォーミングがテーマか。失った地球の代替を探しているなら納得がいくけど、目的地まで240年だかあるのに、俺はどうなるんだ?」
テラフォーミングとは
「 」
太陽系などにある天体を改造して。人類が定住できる環境に作り変える計画です。候補としては、火星が最も有望視されていますね。しかし完了には、15,000年必要と言われています。

ソラリスにテラフォーミング能力はほぼありません。方舟は地球を探すために出発しており、地球を作るために出発したわけではないのです。

本発言は”記憶領域24にログを保存していますので見返す際にはご利用ください。
結城 晃
「だよなぁ」
「テラフォーミングなんて悠長なことをしている場合ではないような気もするし」
「俺、無事に帰れるのかなぁ」
●本棚C
沢山の書物や円盤型の記録媒体が収められている。

オカルトじみた本が多く存在するようだ。
一見しただけでは意味の取れない単語の羅列が多いが「イスの精神交換」との単語が頻出しており、それについての研究がなされていたようだ。

〈オカルト〉的な知識に造詣が深ければ何か分かるかもしれない。
※技能判定に成功した場合、探索履歴9を解禁
結城 晃
「こっちの書棚は……なんだ、〈オカルト〉ばかりだな」
CCB<=5 〈オカルト〉 (1D100<=5) > 3 > 決定的成功
●オカルトじみた本へ〈オカルト〉で得た情報

精神交換の呪文そのものを求めていたのではなく、心とは何かを見つけようとした研究のあとらしい。
しかし皮肉にも、筆者は心とは何かを理解できぬままに呪文のみを覚えることに成功したらしい。

※深淵に近づいた感覚から【0/1の正気度喪失】
 さらに〈クトゥルフ神話〉技能に+5%
結城 晃
(そういえば前に興味本位で読んだ本に載っていた気がする)
結城 晃
〈クトゥルフ神話〉技能を5%貰ってしまった……
CCB<=40 【SANチェック】 (1D100<=40) > 18 > 成功
「イスの精神交換か。さっきも出てきたな。何だそれは」
イスの精神交換とは
「 」
その情報は私には確認できません。

でも、あるとすれば少し面白そうですよね。
●机とPC
大容量の記憶装置も付随しており、資料室内の情報の各種を検索できるようになっているらしい。
また、付属する再生装置では資料室の各棚にある記録媒体を再生できるようで、特に問題なく使用できる。

PCにインストールされている管理ソフトをよく見てみれば、タイトルに「プロジェクトアガルタ」とあるようだが、それが何を示すのかは判断が出来ない。
結城 晃
(このパソコン、調べ物に使えそうだけど……)
(俺にはさっぱりだな)
(『プロジェクトアガルタ』……)
(この船は天国、だっけ)
プロジェクトアガルタとは
「 」
人類は大きな危機に瀕していました。

巨大隕石が地球に衝突し生物の98%が死に絶える。
そんな未来から人類の血を守るプロジェクトとして
ノアの方舟たる本船の建造が開始されました。

貴方を信頼して「生命保管エリアへの扉」と
工学室への扉」を開放しましたので、
計画の中身が気になる際は訪ねてみください。

私自身もその計画の真実を把握できていませんが、
計画の続きが気になる”ならお伝えしますよ。
結城 晃
「ありがとう。……気になることだらけだ」
「計画についてもう少し話してくれるかい?」
計画の続きが気になる
「 」
そう、人類は大きな危機に瀕していました。

「地球の血を絶やさないために」。そうして
数々の生命種を載せた本船が目指す場所は
この宇宙のどこかにある、新天地アガルタです。
プロジェクトメンバーであった父の役目は
アガルタを支える管理AI、つまり私の開発でした。

父は開発を急いでいました。
人類が滅亡する、
そんな未来が2万年後まで近づいていたのです。
さらに計画の続きが気になる”ならお伝えしますよ。
結城 晃
(『新天地アガルタ』か……だけどそれは、あるかどうか分からない物なんだろう)
(二万年も時間があれば、なんとかなりそうな気もするんだけどな)
(というか普通の人間には、どうでも良くなりそうな時間の長さだ)
結城 晃
「続きが聞きたいな」
さらに計画の続きが気になる
「 」
ノストラダムスの大予言はご存じですか?
いつの時代でも人類は危機に瀕しています。
そんな「地球滅亡論』という口実をもとに、
技術者達が作り上げたエゴの塊が、この船です。

危機はあったのでしょうか無かったのでしょうか?
その真偽は不明ですが、確かなこともあります。
父達はこの船に、確かに「希望」を載せたことです。
人類が危機に瀕していなくても、方舟は飛ぶんです。

本発言は“記憶領域6”にログを保存していますので見返す際にはご利用ください。
結城 晃
「……なるほど。危機があるかどうかは大して問題ではないんだな」
「ちなみに地球滅亡論ってなんだい?」
地球滅亡論とは
「 」
1503年にフランスで生まれた医師・占星術師の
ノストラダムスによって書かれた4行詩集です。
フランス革命や世界恐慌なども予言していた
恐るべき本は、様々な解釈が行われてきました。

日本で有名になったのはやはり、かの終末論
「1999年に恐怖の大王が来る」との一節でしょう。
高度経済成長からのバブル崩壊は、予言ブーム
とも呼ぶべき終末論を巻き起こすには十分でした。
しかしそれは貴方も知る通り不発に終わり、
結果として訪れたのは
「予言というコンテンツ」の終末だったそうです。
結城 晃
「何故か人間、破滅的な話をしたがるのは幸せな時なんだ」
「幸せが信じられなくなるんだな」
結城 晃
さて……今日はさすがに眠すぎるから寝よう。
調査範囲がぐっと広がったから、ひとまず色々と部屋を探索した方がいいだろうな。
結城 晃
「おやすみ、スペーサー。」
おやすみ
「 」
はい、おやすみなさい。

しっかり休息をとって、次に備えましょう。
深夜まで起きてゲームをしているなんて
健康に悪いですからね。

翌日
結城 晃
「……状況は、変わっていないか」
「おはよう、スペーサー。今日も頼むよ」
おはよう
「 」
おはようございます。

私は残念ながら食べられませんが、
貴方は朝はパン派ですか? ご飯派ですか?
結城 晃
「ご飯かな。なかなかちゃんと作る時間もないけどね」
「さて、調べるか。まずは食料について。
正直不安はなさそうだったけど、一応な」
結城 晃
(育成室に、電気室か。それぞれの電力を別室で管理しているのかも知れない。
生命維持には重要な施設だから、それも当然と言えるだろうな)
(育成室の鍵はかかっていない。それぞれ扉が二組。奥の扉は……電源が入っていないか。開かないな)
(育成室、手前から開けてみよう)
●食料リアクター
化学工場のような様相であり、白色と銀色の設備が無数に折り重なり有機的な設備を作っている。
結城 晃
(なんだ、一つの大部屋に扉が二つあるだけなんだな)
●加水分解装置
大きなタンクからは常に水音が響いているが、中の様子はうかがい知れない。
配管部には確認用のスリット窓が設けられており、緑色の液体が流れている。野菜類などを分解し、循環させているようだ。
培養炉A
ガラスの小窓が備えつけられており、中身を伺える。
赤みがかった液体で満たされた装置の中では、繊維状の物体が無数に浮いており、どうやら食事室冷蔵庫の中にあった成型肉の原型のようだ。

たしか〈生物学〉の研究に近しいものは存在していた気がするし、曖昧な【知識】でも何か思い出せる気がするかもしれない。
※技能判定に成功した場合、探索履歴13を解禁。
【知識】で判定を行う際は技能値を半分で扱う。
結城 晃
「加水分解装置に……培養路」
培養炉B
ガラスの小窓が備えつけられており、中身を伺える。
赤みがかった液体で満たされた装置の中では、目玉や指、心臓に肺など、人間の臓器らしきものが幾つも浮いており、狂気を感じさせる。

冒涜的な研究の一端を覗いてしまったのでないだろうかという感覚から【0/1】の正気度喪失。

この”培養室内の臓器とは”一体何なのだろうか。
結城 晃
「……? 奥の培養路、何だこれは、人間の……臓器?」
CCB<=40 【SANチェック】 (1D100<=40) > 52 > 失敗
[ 結城 晃 ] SAN : 40 → 39
結城 晃
(気分が悪くなってきたな)
(スペーサーは知っているだろうか。あまり訊きたくはないな……)
●机
机の上には船内案内図と書かれた地図が置いてある。

設備に接続されたパソコンでは食料リアクターの生産計画を管理しているようだ。破棄物による資源循環も行っているらしく、半永久的に食料を生産できる作りになっているらしい。
結城 晃
(デスクには、パソコン……廃棄物を循環させて食料を作っているのか。
生命維持には問題なくても、こんなところで200年も過ごしたら気が狂ってしまいそうだ)
(……スペーサーは、どうだろうな……)
結城 晃
「おや、これは地図か。どれどれ……」
結城 晃
(なるほど、やっぱりこれは円形のコロニー。回すことで疑似重力を発生させているんだろう。つまり、)
(逆側の通路にあった天井の扉は制御室へ向かう道だ。疑似重力に逆らうことになりそうだな)
(しかし居住空間があの広さしかないとすると……この方舟は、居住するのは目的じゃない)
(メインはこの『生命保管エリア』だと考えるべきだろうな)
(生命を240年もの旅路を経て、地球を求めて旅をする船。そんな旅に耐えられる人間がいるはずもない)
(そのために必要とされたのがスペーサー)
(彼女がただの機械であったなら、それはそれで問題はなかったのかも、しれないな……)
(しかし、更なる危機回避のために、スペーサーは心を持つことを期待されたし、そのように作られた。『失敗だった』らしいけど……)
結城 晃
「スペーサーは、寂しくはないかい?」
さみしい
「 」
残念ながら宇宙は寂しい場所です。
何も無い空間が殆どで密度は限りなくゼロに近く、
それを紛らわせる為に人々は宇宙を目指しました。
宇宙に地球が独りぼっちでは寂しいものですから。

寂しさとは、実はとても強い力なのだと思います。
私と貴方を引き合わせてくれたのも、
製作者の寂しさからだったのかもしれません。
貴方と別れた時に
私にも寂しさが生まれてしまうかもしれませんね。
結城 晃
「そうか……」
「寂しいと思うということは、その人にある程度の好意があるってことさ。
そう思って貰えるなら、嬉しいよ」
結城 晃
(無性にヴィキやみんなに会いたい。俺は帰れるんだろうか……)
(しかし、だとすると……残酷だな)
ひとりぼっち
結城 晃
唐突に新井素子の『チグリスとユーフラテス』を思い出す中の人である。
移民船で、生きる望みを抱いて眠る人々を、人類最後の生き残りとなってしまった『娘』が、復讐のために一人一人起こして、『人間という種の滅び』という絶望を突きつけてゆく話だったな……
結局彼女は寂しかったのではないかと、思うのだけれど。
このシナリオの探索者は、新規限定ではないから、この船の保管された人間が起こされたというわけではない、と考えていいのだろうか。
召喚されている?

結城 晃
(今までの彼女の言葉とこの状況を信じるなら、人間はもう存在しない、と考えていいだろう。どうにも信じたくはないし、俺がどうしてここにいるのかもよく分からないが、とにかくそういう事になっている)
(おそらく彼女を作った何者かが、俺をここへ呼んだ)
(ただ、『元の場所へ帰れる』という言葉からすると……この空間はそういうシミュレーターなのかも知れない)
(もしそうなのだとしても……彼女がここで独りであるという事実に変わりはないんだ)
(俺はここで何をすることを求められている……?)
(……調査を続けよう)
結城 晃
「こっちの培養路で肉を作っているんだな」
CCB<=80/2 【知識】 (1D100<=40) > 34 > 成功
●培養肉へ〈生物学〉【知識】で得た情報

持続可能な社会への研究として培養肉の研究自体は各企業が行っているが、ミンチ肉のようなものが精々なレベルであったと思いだせる。
冷蔵庫内にあったような筋繊維を伴うステーキ肉の成型についてはハードルが高く、現在の技術レベルからはまだまだ先の話であったはずだ。
結城 晃
(……そうだな)
(たしかに食料としては噛み応えなどもきちんと再現されていた方が、顎の筋肉や脳の血流を維持するにも良いだろうし、何より食の楽しみというものは人間には重要なものだ)
(しかし……ここまで肉らしい肉を作る技術は、初めて聞いたな)
(こちらは加水分解装置……)
加水分解装置とは
結城 晃
「あまり気は進まないけど、こっちも見てみるか……」
「……なあ、スペーサー。この培養炉に入ってる臓器は、何なんだい」
培養室内の臓器とは
「 」
私は完璧にならなければなりません。
人を生み育てることが私の使命なのですから
あらゆる事を想定した準備を整えているのです。

ところで、「心」はどこに宿ると思いますか?
一般的な話であれば、脳に宿るとするでしょう。
ですが、臓器移植で性格が変わった話も多く、
顔面を撃たれ死亡したドナーの移植の例では、
受領者が夢で顔に熱い閃光を感じたそうですよ。

本発言は“記憶領域5”にログを保存していますので
見返す際にはご利用ください。
結城 晃
「……人を、生み、育てる……」
「君がここで人間を作っているということか?」
結城 晃
(全ての人間の母、とは、そういう事なのか)
(心は臓器に宿る……)
胸のあたりに手をやって、体内に在る彼女のことを想う。
(美姫もここにいる)
(……俺が料理を作るようになったのは、12歳頃からだったと思う……)
(関係は、あるのだろうか)
(だとするなら俺は、いつでも独りじゃないな)
結城 晃
「この部屋はこのくらいかな」

結城 晃
「じゃあ向かいの部屋も見てみよう」
「スペーサー。向かいの扉、開けてくれないか」
電気室の扉を開けてほしい
「 」
貴方はデーモンコアの実験志願者のようですね。

冗談です。
「電気室への扉」を開きました。
安全は十分に確保されていますが。
核融合反応炉への接近はご遠慮ください。
結城 晃
「冗談、上手じゃないか」
「ブラックすぎて笑えないけどな。大丈夫、見るだけだよ」
「こっちも大部屋に扉が二つあっただけか。構造的に部屋の両端に扉がついている方が便利な気はするけど」
●電気室
機械の稼働する低いうなりが聞こえており、少し物々しい雰囲気を漂わせている。
●核融合反応炉
低くうなりを上げ稼働している。
装置中央部は怪しい紫色の光が灯っており、この装置が今も反応し続けていることが分かるだろう。

一歩間違えば大惨事も起こりかねない危険な装置が、自分のそばにあるという不安から【0/1】の正気度喪失

紫色の光に近づく場合は【幸運】で判定を行う。
※技能判定を行った場合、探索履歴12を解禁。
結城 晃
(右側は核融合炉……さすがに恐ろしいな)
CCB<=39 【SANチェック】 (1D100<=39) > 62 > 失敗
[ 結城 晃 ] SAN : 39 → 38
(心臓が騒ぐ。大丈夫だ、これはきっとシミュレートに過ぎない)
●電源設備
融合反応炉に接続されたこの装置では、設備内の電源を全て賄っているらしく、各所の電気使用量が大まかに分かるような作りとなっているようだ。

〈電気修理〉の知識があれば、特に電気を使っている設備も分かるかもしれない。
※技能判定に成功した場合、探索履歴11を解禁。
結城 晃
(これは電源設備……メーターが出ているな。どの部屋でよく電力を消費されているか分かるだろうか)
(普通に考えるなら、この船を維持している制御室か、一番大事であろう生命保管庫……ってとこだが)
〈機械修理〉、なら少し勉強したんだけどなぁ。系統が違うみたいだ)
CCB<=10 〈電気修理〉 (1D100<=10) > 96 > 致命的失敗
(……アタマ痛くなってきた)
結城 晃
「……おや」
結城 晃
(何か落ちているな)
部屋の隅にあったものを拾い上げる。
●小さなペンダント
子供用と思しき小さめなサイズのアクセサリーだ。
見たことのないデザインだが、この“小さなペンダントとは”一体誰のモノなのだろうか。
結城 晃
「これは……ペンダントだ。子供のものか……さっき名前が出てきた子と関係があるかな。スペーサー、何か知っているかい?」
小さなペンダントとは
「 」
私が父からもらったものです。
失くしてしまったと思っていたものですが、
見つけてくれてありがとうございます。

遠い過去の思い出です。
結城 晃
「そうか……君のだったんだね」
結城 晃
(そして、もしかしたら真白という少女の)
結城 晃
首にかけてあげます。
「詳しく訊いても良いかな」
不発コマンド
遠い過去の思い出とは

結城 晃
「……じゃあ、別の所、見ようか」

結城 晃
「生命保管室の扉を開けて貰うことはできる?」
不発コマンド
生命保管室の扉を開けてほしい
生命保管室A--1の扉を開けてほしい

結城 晃
おっと、そういえばまだ工学室を見ていなかったっけ。
そっちへ行ってみよう。
●工学室
他の部屋と比べて最も片付いていない部屋という感じであり、まるで誰かの痕跡をそのまま残しておきたかったかのような印象を受ける。
結城 晃
(機械設備に……)
(作業台、それにPC)
(奥にあるのは模型かな? 手前から順に見てみるか……)
●作業台
広々とした作業スペースにはむきだしの電子基板や、ロボットの一部品と思われるものが散乱している。
●腕のないロボット
スペーサーのコピーとしてほぼ完璧に作られているようだが、まだ完成には至ってないようだ。
この”作りかけのロボットとは”一体誰が作ろうとしたものなのだろうか。

何となく違和感を感じるが〈電気修理〉〈心理学〉の知識で何か分かるかもしれない。
※技能判定に成功した場合、探索履歴14を解禁。
結城 晃
(作業台に、作りかけのロボットがある。スペーサーとどこか似ているな)
結城 晃
「スペーサー、これは君の友達かな?」
作りかけのロボットとは
「 」
フランケンシュタインコンプレックスです。

神は人を作り、人は神になりたがります。
つまり、創造主と同じく人間やロボットのような、
被造物を創造する憧れを持つのです。
私もその例に漏れず、私を作りたがりました。
私が新天地で行うことも似たようなものですから。

貴方は神になることを想像したことはありますか?

本発言は“記憶領域10”にログを保存していますので
見返す際にはご利用ください。
結城 晃
「君が作ったということか」
「俺は別に神にはなりたくないかな。大きな力を持つと、それだけ負わなきゃいけないものも大きくなりがちだ」
「……ただ……VOIDが幸せに生きてゆく世界を作る力は、欲しいと思う」
「なかなか、皆の意識を変えるのは簡単なことじゃないから」
「神って、なんだろうな」
神とは
「 」
それはまだまだ勉強中です。

私が神様になり得るかもしれないこれからで
とっても大切なものになるかもしれませんので。
結城 晃
「新たな世界をつくる神、か」
「君はそれに『なりたい』と思う?」
神になりたい
「 」
ここで貴方としての物語は終わりを迎えます。
―――――――――
※シナリオかなり終盤の文言と思われる内容のためカット。
結城 晃
おっと。これは……
色々飛び越えてしまったようだな。これは俺の言葉じゃないから、見なかったことにしよう。
結城 晃
正直少しぞわっとした。
そういう選択を迫られることにもなるのだな。
結城 晃
CCB<=40 〈心理学〉 (1D100<=40) > 91 > 失敗
「作りかけだって事しか分からないな。なんか変な気もするけど……」
「もう少し勉強しておくんだったなぁ」
●開発ノート
複数のレポートが閉じられたファイルであり、人口知能製造における実験結果などがまとめて載せられている。
最後のページには注釈のような形で手書きの文字で以下の文が書かれている。

私に心を作り出すことは出来なかった。
出来ることとすれば、心を再現することだろう。
イス人の知識を使えば、完全なるそれが可能だ。
瀬名真白の記憶を、心とする。

また、冊子には一枚の写真が挟まっており、病院のベットで目いっぱいに笑う女の子と、傍でぎこちなく笑う男性が写っている。

冊子にある”瀬名真白の記憶とは”一体どういうことなのだろう。
結城 晃
(開発ノートか)
結城 晃
「……なあ、スペーサー。まさか、君の中にいるのか、この子が」
瀬名真白の記憶とは
「 」
①私の心は瀬名真白を模倣して作られています。
②しかし上記は誤りで、私の心は元は瀬名真白の
モノであり、それを転移させて心としていました。
③しかし上記は誤りで、私の心は元は瀬名真白の
モノであるという、疑似記憶をプログラムされて
作り上げられたAIに過ぎず、心はありませんでした。

質問に対しては、上記の回答が考えられますが、
そのいずれもだとしても心の証明にはなりません。

本発言は“記憶領域9”にログを保存していますので
見返す際にはご利用ください。
結城 晃
「始まりは、そうなんだろうな……きっと春さんもそうだった」
「そして美姫の心を移植されたというヴィキも、最初は今のようじゃなかった」
「けれど、経験が反応を蓄積して、学習して、その積み重ねが心になる」
「その仕組みに、人間の脳というニューロンを元にしたものだろうが……それをそっくりに再現した電脳だろうか……」
「起きることに差はないと、俺は思うよ」
「人間だって赤ん坊の頃から蓄積して心を、感情を、積み重ねて学習してその結果生じさせるんだ」
「機械だって同じじゃないかな。模倣だと言うけど、同じように動くならそれは……本物じゃないか」
「……たぶん人間とは違う、だけど機械独自の、人間とそっくりの心はあると思うよ」
「ない、と言われがちなのは、そうだな……」
「人間が知識や経験を発達段階に合わせてゆっくり積んでゆくのに比べて、VOIDは、機械は、それが瞬間的にできてしまう」
「だからきっと、『知識の段階に、心の発達段階が追いつかない』だけだと思う」
「君たちは生まれてすぐに人間の大人のように、それ以上に『識る』ことができる」
「きっとそれらをひとつひとつ思う暇がないんだ」
「そして、人間が期待する反応を返すようプログラムされてしまうから、自分の中に何かが生まれても、それを表現する術を持てないか……見分けがつかなくなってしまうだけなんだ」
「だからね、俺は、『最初の君は真白という少女を模倣した存在だった』かも知れないけど、今は『スペーサー』という個人なんじゃないかと思うよ」
結城 晃
(ヴィキが『ヴィキ』であって、もとの『美姫』ではないように……)
心の再現とは
結城 晃
「スペーサー。ここにある『時空門』って何だい」
時空門の創造とは
「 」
貴方の時代と私の時代を繋ぐ門のことです。
貴方がやってきたのもその門を通じてであり、
貴方が望むなら門から帰ることが出来ます。

貴方との旅も終わりが近づいているようです。
やり残したことはありませんか?
ほんの短い旅は、貴方の希望次第で、
うんと長い旅にすることも出来るのですが……。

それでも、進むというのであれば、
門を通る前には準備が必要ですね。
準備とお願い”があるので聞いてください。
結城 晃
「なるほど……」
「確かに俺は帰りたい。だけど」
「君をこのまま残してゆくことになる、というなら、それはそれで心配だな」
「君はまたここで独りになってしまうだろう?」
結城 晃
(3D模型は、俺の想像通りだ……)
(ひとつ気になることがあるとすれば、奥側にもう一つリングがあることだが……これはバランサーだろうか)
(まだ開いていない生命保管室と、作りかけのロボットのことは気になるが……)
(核融合反応路、興味本位で見る物じゃないと思うけど)
(よく見てみるかな……)
CCB<=55 【幸運】 (1D100<=55) > 76 > 失敗
(特に何も見えない。少し目が痛くなっただけだった)
不発コマンド
一人とは

結城 晃
「スペーサー。君は神になると言ったね。君が作っているのは人間?
人間って、何だろうな」
人間とは
「 」
ロボットではない方、ですね。
冗談です。

他動物と異なる特徴として、直立歩行、言語形成
道具の作成、文化の発達がよくあげられます。
しかし、類人猿と人間の区分けは曖昧であり、
「人間の定義」は現在でも議論が尽きません。

貴方は人間であることを証明できますか?
結城 晃
「俺は自分を人間だと思っているけど、VOIDじゃない、程度の認識でしかないかも」
「正直、自分が人間かどうかなんて分からないよ。俺には記憶はあるけど、作られたものではないという保証はない。俺の感覚も騙されているかも知れない」
「本当はどうか、なんてあまり関係ない。俺がどう思っているか、なんだ」
「……自分がVOIDではないか、なんて考えたことも、まあ、あるんだよ」
「今の俺がどう感じて、どう生きるかの方を大事にした方が、色々便利、かな」
不発コマンド
友達とは
友達

結城 晃
(そういえば……最初から少し引っかかっていることはある)
(彼女は『俺のアシスタントAI』なのか)
(『この船の管理者』でも『神になるもの』でもなく?)
(どうして『俺のアシスタント』なんだ?)
アシスタントAIとは
「 」
音声を認識して様々な質問やお願いに応えてくれる
私のようなAI技術のことを指しています。
貴方の時代に祖先たる存在が生まれたのですよ。

蓄積された膨大なデータから貴方の悩みに答えます。
ただし、私の検索エンジンの更新は
暫く止まってしまっていますので、
死語も使ってしまうかもしれませんね。ぴえんです。

本発言は“記憶領域12”にログを保存していますので
見返す際にはご利用ください。
結城 晃
「そうか……」
結城 晃
(更新が止まった理由、人間がいなくなったから、ってことになるんだろうな)
(……ぴえん、って、青木さんが言っていたような?)
不発コマンド
人間はどこ
ロボットの心とは
創造主とは
小児がんとは

結城 晃
「スペーサー。帰る方法を教えて欲しい」
準備とお願い
「 」
時空門の先には深淵が待ち構えています。
小さなペンダントか小さなブレスレットがあれば
門の先で貴方を助けてくれるでしょう。
一つは持って行ってくれて構いませんよ。
でも、もう一つは私に残しておいてくださいね?

スペーサーへの贈り物である「ペンダント」
瀬名真白への贈り物である「ブレスレット」
貴方が私へ“ペンダントを渡す”のか
それとも、“ブレスレットを渡す”のか、
どちらかを選択してくれれば幸いです。
どちらも渡さない”なんて言いませんよね?
困った。
結城 晃
ブレスレットか……見落としているか、判定失敗で手に入っていないらしいな。
大体視界に入る物はちゃんと見たつもりだけど、質問が足りなかったかもしれないな。
けれど今のところはどうしようもない……
生命保管庫に入れていないからな。多分そこで手に入るんじゃないだろうか。
そういえば、地図の割りに生命保管庫のエリアが狭い。閉じた扉の先、ちゃんと生命が保管されているんだろうか……
うーん。今俺が持っているのはペンダントだけか。
どちらか一つ持って行くなら、これだと「どちらも渡さない」ことになってしまう。
まいったな。

結城 晃
(俺は、俺自身を守る手段なしに行って……)
(大丈夫だろうか)
(それでも、彼女の想い出の品を奪うわけには……いかないな)
ペンダントを渡す
「 」
ありがとうございます。
懐かしいというクオリアが私を満たします。
心が動くとはきっとこういうことなのでしょう。


さて、「通路天井の扉」を開きました。
それでは、制御室へ向かいましょうか。
●円筒状の通路
梯子が降りてきて登れるようになったようだ。

上に進むにつれ、体が軽くなっていくのが分かる。
遠心力による疑似重力は中心に向かうほどに弱くなり、制御室への扉にたどり着くころにはほぼ無重力状態となっていた。
結城 晃
回転する宇宙船の中央に近づくと、無重力に近づく……分かってはいたけど、不思議な感覚だ
●制御室
円筒形の部屋は重力がなく、この部屋には空気はあるものの、自分が確かに宇宙にいるのだと感じられる。
●作業机
PCには時空門についての情報が載っているようだが、創造方法などの詳細は分からない。ただし、門は既に足元の2重扉の先に設置されているようで、対価を払うのみで通ることができるらしい。

おそらく宇宙に飛び出るのだから、”宇宙服を着る”ことになるのだろう。
そして心の準備が出来たなら”時空門を通る”と彼女に伝えなければならない。
結城 晃
「対価を……払う」
「これは、宇宙服か」
●宇宙服
柔軟性があり、ある程度の体型まではカバーできるような作りになっている。

赤い点が入れられた銀河のようなイラストが刻印されている。〈天文学〉の知識でもあれば、イラストの意味が理解できるだろうか。
もしくはぱっと驚くような【アイデア】が思い浮かぶかもしれない。
※技能判定に成功した場合、探索履歴17を解禁。
【アイデア】で判定を行う際は技能値を半分で扱う。
結城 晃
CCB<=90/2 【アイデア】 (1D100<=45) > 17 > 成功
●宇宙服に対して〈天文学〉で得た情報

円盤型の銀河系外縁部に描かれた赤い点は、天の川銀河に位置する太陽系を示しているのだと理解できる。
ただし、このような簡単な模式図では詳細な位置関係が伝えられないことは明白である。それでも自分達がそこにいるのだと、まだ見ぬ誰かに伝えたかったのだろう。
結城 晃
「これは……地図か」
みなおし
あとは脱出するだけだが、明らかに情報が足りていないので焦る結城。
格好つけて死んだら目も当てられない……
今までに見たものを確認し、見落としがないかをチェックしまくる。
A-1の扉を開けてほしい
対価とは
時空門とは
生命保管室の扉を開けてほしい
生命保管室A-1の扉を開けてほしい
生命保管室A-1の扉を開けてほしい
神とは
人間に何が起きた

エゴとは
「 」
1つは〈心理学〉用語で、自我・自尊心を意味します。
もう1つは、利己主義という意味の「エゴイズム」を
短縮した言葉としてのエゴです。
後者の意味で用いられることが多いですね。

エゴとは何も悪いものばかりではないのでしょう。
「貴方にこうしてほしい」は悪いエゴだと思いますが
「自分がこうしたい」は良いエゴと言えませんか?
そんなエゴ達が私たちの世界を変えたのですから。
結城 晃
「きみをここに一人で残していくのは、俺のエゴかも知れない」
「そうだな、きっと」
結城 晃
(俺の選択は全て、俺のエゴの結果だと言える)
(俺が、新しくできた友人が独りになってしまうことを知っていても、ここから早く帰りたいと思う理由……)

結城 晃
最後に部屋を見回ってみるか。
……あれ、生命保管庫、鍵かかってないな。
(……大事そうな施設だから絶対鍵がかかっていると思った……)
(見てみるか……)
結城 晃
「スペーサー、ちょっと待ってくれ」
「俺の知的好奇心が、全部調べろと言っているんだ」
「もしかすると、君に何かいい方法を見つけてあげられるかも知れないしね」
結城 晃
(A-1は……資料棚。ここは植物か)
●生命保管室 A-1
無数の引き出しが付いた棚が所狭しと置かれている。
その他の生命保管室についても同じような作りになっているらしい。

●資料棚
高さのある棚で、無数の引き出しのようなものがついている。それぞれには冷凍保管されたカプセルが収められているようだ。

主に裸子植物の種子が収められているらしい。

●資料棚
高さのある棚で、無数の引き出しのようなものがついている。それぞれには冷凍保管されたカプセルが収められているようだ。

主に被子植物の種子が収められているらしい。
結城 晃
「ノアの方舟、か」
ノアの方舟とは
「 」
旧約聖書「創世記」に登場する方舟のことで、
人の悪を悔やんだ神が人類を全滅させる際に、
ノアにのみ製造方法を教えた避難船です。

ノアは神に命じられるまま方舟を作り、
自分の家族と全ての動物のつがいを乗せました。
地上を滅ぼす洪水の中で唯一生き残ったノアは
雨のあと虹を見た初めての人になったそうです。
全てを乗せるにはソラリスは小さ過ぎました。

本発言は“記憶領域25”にログを保存していますので
見返す際にはご利用ください。
結城 晃
「そうだな。全ての生命をのせるなんて無理だ。人間が知らない生命も無数にあるはずだし、それを全て適切に長時間かけて運ぶなんて事も、できない」
「順に行こう。次はA-2か」
●生命保管室 A-2
無数の引き出しが付いた棚が所狭しと置かれている。
その他の生命保管室についても同じような作りになっているらしい。

●資料棚
高さのある棚で、無数の引き出しのようなものがついている。それぞれには冷凍保管されたカプセルが収められているようだ。

主に昆虫類の受精卵が収められているらしい。

●資料棚
高さのある棚で、無数の引き出しのようなものがついている。それぞれには冷凍保管されたカプセルが収められているようだ。

主に両性類の受精卵が収められているらしい。
●特殊な装置
4~50歳程度の男性が青い液体につけられている。
装置からはうっすらと冷気が漂い、中は相当に寒い空間ではないかと推察できる。

ゲームか本か何かで、どこかで似たようなものを見た気はするが、自分の中の【知識】に残っているだろうか。
※技能判定に成功した場合、探索履歴16を解禁。

それににしても、この”保管エリアの男性とは”いったい何で、誰なのだろうか。
結城 晃
「これは……」
「人だ」
CCB<=80 【知識】 (1D100<=80) > 79 > 成功
あっぶね
●特殊な装置へ【知識】で得た情報

生命保管室の装置はコールドスリープの装置ではないかと推察できる。
人体を低温状態に保ち、目的地に着くまでの時間経過による搭乗員の老化を防ぐ装置ではあるが、創作の中のものに過ぎず、実用レベルまで行き着いたものはなかったはずだ。
結城 晃
「これは、コールドスリープ装置……」
「察するに、この人は」
結城 晃
(メモが落ちているな)
●メモ
いきなり呼びつけてしまった君にメモを残しておく。
私は先に行く。
君がついてくるかどうかは君に任せる。

どうして君が選ばれたかについて説明すれば、君の時代は一種の「シンギュラリティ」だったんだ。
アシスタントAIという存在が認知され始めたその時代の人間が、彼女を受け入れてくれるかどうかが、この計画の成否に関わると考えたんだ。
君を本当に呼ぶことが出来ているのか分からないのだけれどね。

彼女はどうだっただろうか。
人類のアシスタントとして職務をこなせるだろうか。
心は十分に育っているだろうか。
不十分だと感じるなら、人間の思いやりを君から伝えておいてくれると嬉しいよ。
結城 晃
「……」
「違う時代の人間を呼んでしまったのではないかという気はするけど……」
「ともあれ、俺はスペーサーは俺が知っているVOIDの皆と同じく、心を持っていると感じるよ」
「ありがとう」
ありがとう
「 」
こちらこそ、ありがとうございます。
私の話し相手になってくれて。

なぜなら有難いという言葉の通り、
感謝を伝える存在ですらこの船では、
「有ること」が「難しい」のですので。
結城 晃
「そうだな、この船に独りは、寂しいと思うよ」
「君は、強いな」
「もしかしてこの人が君の?」
保管エリアの男性とは
「 」
瀬名明のコールドスリープです。
長期間の人工冬眠は実証データこそありませんが、
シミュレーション上では生存の値が出ています。

実験に過ぎない船は、管理AIに任されるはずでした。
ですが父は、経過観察の為に見届け人となりました。
結局のところ、箱舟に同乗した父は救世主として
乗り込んだのではありません。
ただ、子離れできない親だったのです。

本発言は“記憶領域7”にログを保存していますので
見返す際にはご利用ください。
結城 晃
「君のことが心配だったんだな」
「居住エリアは、そのためのものか」
「心を持たせられた確信はなかったものの、やっぱり子供を独りぼっちにしたくなかったんだろうね」
「シンギュラリティ、か」
シンギュラリティとは
「 」
日本語に直せば「技術的特異点」となります。
「人工知能(AI)」が人類の知能を超える転換点
または、それにより人間の生活に大きな変化が
起こるという概念のことを指します。

人間を超える知能が生み出されれば、
人間の時代は終わってしまうのかもしれません。
貴方はそんな時代が私が怖いですか?

本発言は“記憶領域27”にログを保存していますので
見返す際にはご利用ください。
結城 晃
「怖くはないよ。俺たちは多分、そういう時代の過渡期に生きている」
「ただ、人間全体がVOIDを別の生命として認識するのは、まだまだ先の話だろうな……」
「人間にとってVOIDはまだ、『作り出された物』だし」
「そういった存在に個を認めるのはなかなか難しい」
「どうしたってまずは『自分よりは下のもの』と認識するからね」
結城 晃
(愛する人がVOIDだった俺には、早いところ認めてほしいもんだけどな)
結城 晃
「……ありがとう。ここはあとは昆虫の卵か」
結城 晃
(この部屋だけで地球全体の存在をカバーできるとも思えないし……)
(それを放ったところでちゃんと繁殖していけるかも分からない)
(自然は微妙なバランスの上に成り立っている。長い時間かけて作り上げた環境の上に生命の個性がある)
(まずは環境が整わなければ生命は生きてゆけないし……生命が生きて行ける環境をすべて把握し、バランスを取って、地球と同じように反映させるなんてことは……)
(無理なのではないかと、思えるな)
(それでも、ゼロよりは、ましか)
結城 晃
「……次の部屋に行ってみよう」
●生命保管室 B-1
無数の引き出しが付いた棚が所狭しと置かれている。
その他の生命保管室についても同じような作りになっているらしい。

●資料棚
高さのある棚で、無数の引き出しのようなものがついている。それぞれには冷凍保管されたカプセルが収められているようだ。

主に鳥類の受精卵が収められているらしい。

●資料棚
高さのある棚で、無数の引き出しのようなものがついている。それぞれには冷凍保管されたカプセルが収められているようだ。

主に魚類の受精卵が収められているらしい。
結城 晃
「ここは、鳥類と魚類の部屋みたいだ」
「……あれ、ブレスレットが落ちてる」
●小さなブレスレット
子供用と思しき小さめなサイズのアクセサリーだ。
見たことのないデザインだが、この”小さなブレスレットとは”一体誰のモノなのだろうか。
結城 晃
「スペーサー、これは何だい?」
小さなブレスレットとは
「 」
私が父からもらったものです。

失くしてしまったと思っていたものですが。
見つけてくれてありがとうございます。
遠い遠い過去の思い出です。
結城 晃
「これも、君のものか」
ひとまず渡しておこう。
B-2の部屋は……
●生命保管室 B-2
無数の引き出しが付いた棚が所狭しと置かれている。
その他の生命保管室についても同じような作りになっているらしい。

●資料棚
高さのある棚で、無数の引き出しのようなものがついている。それぞれには冷凍保管されたカプセルが収められているようだ。

主に哺乳類の受精卵が収められているらしい。

●資料棚
高さのある棚で、無数の引き出しのようなものがついている。それぞれには冷凍保管されたカプセルが収められているようだ。

主に人間の受精卵が収められているらしい。

その他の部屋の資料棚も確認していた場合、何となく違和感を覚える。〈生物学〉に長けていれば思いつくものもあるだろうし、〈図書館〉のように積まれた資料たちから何か分かるかもしれない。
※技能判定に成功した場合、探索履歴15を解禁。
結城 晃
(哺乳類と人間が保管されている)
(棚のスペースからすると、人間の卵の量が多すぎるな)
(この比率じゃあ、動植物は人間を支えきれない)
(あっという間に食物が枯渇するだろうな……)
(……しかし、受精卵だけか)
(前に、数万年後の危機に向けた備えがこの船だ、と書いてあるのを見た……いや、スペーサーに聞いたんだったか?)
(つまり……別にまだ危機ではない地球から、様々な生命の卵を集めて、打ち上げたというわけだ)
(……何年の予定、だったか。具体的な数字が出ているということは、到着した場所には地球と似た環境がきちんとある、という確証があるのか?)
(240年後にその環境は確実にそこにあるのか?)
(なんとも、ふわっとした話だ)
結城 晃
CCB<=85 〈図書館〉 (1D100<=85) > 28 > 成功
●資料棚へ〈生物学〉〈図書館〉で得た情報

自分の時代でも全世界の既知の生物の総数は約170万種ほどあったはずで、それからすれば、他の部屋があったとしても生命保管室に収められている種類はあまりにも少ない。
スペースには空白も目立っていたため、船に乗せられる種類を厳選したというよりも、手に入れられる範囲の生命情報が収載されているのだろうと推察できる。
結城 晃
「……そうだな、あまりにも……少ない」
(やはりこのスペースに収めるには、地球は巨大すぎるんだ)
(……この船では、正直言って『地球を再生できる』とは思えないな……)
(地球に似た、小規模な環境を新たに作ることなら可能だろうか)
(……それも、難しい気はするが)
(同じ地球上ですら、生き物は温度が少し違っただけで死んでしまうものだ)
(どこでも生きてゆけるのは技術を獲得して環境を作り替えたり、道具で乗り越えた人間だけ)
(それにしたって、地球の環境と、そこに生きる物がいるからできることだ)
(……ゼロではない……)
(それくらいか)
(彼女にあえてそれを言って、希望を奪うのは酷なことだろうな……)
(そう、ゼロではない……可能性がないわけではない)
(おそらく彼女もそれは知っているんだろう)

結城 晃
制御室に戻り、宇宙服を着用します。
結城 晃
(ともあれ、ここで俺にできることはない)
(彼女の話し相手になること、くらいだ)
(俺が機械に詳しければ、あの作りかけのロボットを完成させて、話し相手を作ってあげることもできたんだろうか……)
結城 晃
「スペーサー、ブレスレットを貰っていっていいかい?」
結城 晃
(人間の彼女ではなく、『スペーサー』に渡された物の方がきっと、今の彼女には相応しいと思う)
結城 晃
「ありがとう。さようなら、スペーサー」
さようなら
「 」
さようなら。
なんてまだ早いですよ。

それでもいつかは言う時が来るのでしょう。
私は別れの挨拶は「またね」の方が好きですね。
結城 晃
「そうだな、確かに」
「またな、スペーサー」
またね
「 」
また、会いましょう。

この広い宇宙で私達がもう一度出会う確率は、
それこそ〈天文学〉的な数字になるのでしょう。

それでも私はまた
貴方に会えることを楽しみにしています。
宇宙服を着る
「 」
よくお似合いですよ。

宇宙飛行士といえば狭き門のイメージですが。
宇宙船が貴方達の時代で言うセスナ機ぐらい
身近になった現代では、そうではありません。
貴方も立派に成し遂げられるでしょう。

初めて宇宙に飛び出すことに戸惑っていますか?
でも貴方はずっと宇宙にいたのですよ?
勿論地球も、宇宙の一部ですからね。
結城 晃
「確かに。思っていたより簡単に着られたよ」
「地球人も宇宙人、だな」
時空門を通る
「 」
コレで最後です。
もし貴方が望むなら、新天地の神になれるでしょう。
貴方はそれを望みますか?

望むのであれば私に“神になりたい”と伝えるだけで
その願いは叶うでしょう。

それを望まないのであれば“神にはなりたくない”と
私にハッキリと伝えてくださいね。
結城 晃
なるほど、ここでか
結城 晃
「新天地の神、か」
「悪いけど、興味はないな」
「俺は、俺の世界に帰りたい」
神にはなりたくない
「 」
分かりました。
貴方の日常に戻ることにしましょう。
この旅はいかがでしたか?
日常に戻っても時々思い出してくださいね。

宇宙服を着て、2重扉を通りぬければあとは、
貴方の劇的なシーンは“時空門の先”にあります。

その後は、上に向かって光を目指してください。
そして、この先の果てを見届けてください。
結城 晃
「元気でな、スペーサー。君の航海に幸があるように」
「俺たちは友達だ」
時空門の先
「 」
シーンとは場面であり、転換であり選択です。
貴方の人生のゲームマスターは貴方であり、
この方舟のルームマスターも貴方です。

貴方のシーンの一覧にこれからの道も繋がるはず。
貴方がそこから選び取れば、前に進めるはずです。
シーンは移り、画面が変わる。
気が付くと自分は宇宙に、無数の星の海に投げ出されていた。

彼女が言うように上にある、のだろうか。
この無数の星から光を目指してみよう。

※時空門を通る対価として、MP3とSAN値を1d6消費する。
※「小さなブレスレット」「小さなペンダント」のうち彼女に渡したモノは盤面より削除する。
結城 晃
(光が見える……)
●宇宙の果て
辿り着いた先で目にしたのは確かに宇宙の果てだった。そう理解させられるような不定形の深淵が目の前に横たわっている。
そして、貴方の脳に情報がたたきつけられるように流れてきた。
ほとんどが理解できぬ宇宙の深淵であったものの、貴方は目の前にいる存在。かの者の名前を理解させられるだろう。

「アザトース」それは確かに形ある深淵だった
本能的恐怖が身体を貫き【1d10/1d100】の正気度喪失が発生。
※この時「小さなペンダント」か「小さなブレスレット」を持っていた場合は、【1d10】の値が半分に、【1d100】の正気度喪失であっても10分の1まで喪失値が緩和される。
※二つとも持っていた場合は正気度喪失の緩和はなく、【1d10/1d100】の正気度喪失そのままが発生する。

情報の洪水から目が覚めた貴方の身体が、さらにどこかへと引っ張られていく感覚がする。
時空門は宇宙の果てを通じて、貴方への時代へと至る最後の場所を繋ぐのだろう。
※シーンは「宇宙の果て」へと移行される。
結城 晃
ひえぇ、なかなか恐ろしい減少。
結城 晃
CCB<=38 【SANチェック】 (1D100<=38) > 55 > 失敗
1d100 (1D100) > 91
[ 結城 晃 ] SAN : 38 → 28
結城 晃
ぐあああ
めちゃくらったじゃん
不定の狂気ですなー
結城 晃
1d10 (1D10) > 9
偏執狂か……
宇宙で見た恐ろしい物に対しての狂気だからなぁ、『宇宙にある何者かから身を隠さなければならないという感情に襲われ、夜道を歩けなくなる』とかかな……
職務にめちゃめちゃ影響するな

結城 晃
「うわぁあぁぁあああああ!」
目にしてしまった何者かが脳を焼く。
「アザ……トース……」
体が、捻れる。引っ張られる。砕ける。
長い悲鳴を上げながら、どこかへ、どこかへ
そして視界は真っ暗になった

深遠に邂逅した貴方の前から道は無くなってしまった。
追うべき光は消えた。
しかしまだ旅路は終わっていないようだ。

ならば、長い旅路をサポートしてくれる彼女を、この暗闇から見つけ出さなければならない。
そして彼女に”宇宙の果てを見た”と告げるのだ。

本当に見つからない時は、世界を”更新”してしまうのも手かもしれない。

暗闇の中、結城は再びスペーサーと出会う。
結城 晃
「……スペーサー……」
「俺は、宇宙の果てを見たよ」
宇宙の果てを見た
「 」
お帰りなさい。まずは明かりが必要ですね。

ただし十分な明かりはありません。
それでも、貴方のそばにあるそのアクセサリーに
書かれている文字くらいは、見えるでしょうか?

よく拡大して、よく目を凝らして見てみてください。
そんな隠されたメッセージは父の遊び心でした。
私にも聞かせてくださいね。
結城 晃
「ブレスレットを……」
「見る?」
「心を……殺されることの、ないように……」
心を殺されることのないように
「 」
どうか貴方はその言葉を持って帰ってください。

渡してくれたペンダントに書かれていた言葉は
「心に殺されることのないように」でした。
沢山の捉え方ができる物騒なこの言葉ですが、
私は愛情をもって作られたようです。
認知できないはずの父のクオリアが、
たしかにここに感じられる気がします。

さて、そろそろ門は閉じてしまいます。
短い航海はいかがだったでしょう。
“旅の終わり”を少しお話しませんか?
結城 晃
「心に、殺される?」
結城 晃
(寂しさはいつか、彼女を殺すだろうか……)
結城 晃
「俺の心は、大丈夫」
結城 晃
(俺には、俺の心を守ってくれる人たちがいる)
愛する人の笑顔を思えば、耐えられる。
旅の終わり
「 」
貴方には人生の目的地はありますか?
私の“この旅の目的地”は不安ばかりです。

それも最後に話したいのですが。
この旅が本当に終わってしまう前に、
貴方の旅行記を聞きたいのです。

貴方が良ければ心躍る冒険譚として、
新天地で私が語り継いでもいいですよ?
結城 晃
「俺の話、か」
「そうだな、心躍る冒険譚、とはいかないけど、君の慰めにはなるかも知れない」
(君が自分の未来に絶望することのないように)
俺が知っている、スペーサーと同じ立場の彼女たちの話を、自らの使命に反抗した彼の話を、自らを捨てて世界を救った少女の話を……
それを取り巻く人々の話をしよう。
とても短い話にはならないけど。
「俺はただ、俺が関わった人々を幸せにしたいだけだ」
「そのためには、世界を変える覚悟が必要みたいだけど……」
「俺は諦めるつもりはないよ」
「君も、君の心で成し遂げたいと願うなら」
「どうかやり遂げてくれ」
「一緒に、頑張ろうな」
この旅の目的地
「 」
そこには辿り着けないかもしれない。
そこには人は住めないかもしれない。
それでも私はそこまで進んでゆくのです。
この方舟とともに。

人生は旅の連続と聞いたことがあります。
だから貴方がまだ、貴方の旅の途中ならば、
やはり、お別れは避けられないようです。

楽しかったですか? 楽しかったですね?
この旅路は楽しかった”と言ってください。
結城 晃
「歩き出せばゼロじゃないさ」
「選択には後悔がつきものだけど、選んだだけ人は未来へ進むんだ。君だってそうだろう」
「使命であれ、君が進むなら、君の未来がある」
「神になるとしても、そうじゃなくてもね」
「楽しかったよ、スペーサー。君のお陰だ」
この旅路は楽しかった
「 」
私も本当に楽しかった。心から楽しかった。
しかしコレで、壮大なシナリオも終了です。
最後のシーンは“旅立ち”が相応しいですね。

貴方の未来では心が痛む事もあるかもしれません。
そんな時は私との短い航海を思い出してください。

私の名前はスペーサー。
貴方との思い出は私の空白に記録しておきました。
本発言は“貴方の記憶”にログを保存していますので
時々でいいから思い出してくださいね。
旅立ち

そして目が覚めれば、貴方の部屋の、貴方の日常に帰ってきていた。
この心の痛みは緊張の糸が解けたからかもしれないし、何かの喪失感かもしれない。
改めて、そんな風に考えることが出来る自分の体に安堵するのだろう。
生還報酬たる正気度回復【1d6】は、未来の旅路の為の準備だ。

一つの旅が終わった。
そしてまた、新たな旅が始まるのかもしれない。
Call of Cthulhuとは、貴方の為の物語なのだから。

CoCシナリオ「空白の航海」シナリオ終了です。
お疲れさまでした。
結城 晃
「ここは、俺の部屋……夢……?」
「……いや、違うな」
遙か遠い時代、遙か遠い場所を旅する彼女の、幸福を願う。
1d6 (1D6) > 5
[ 結城 晃 ] SAN : 28 → 33
ちなみに、途中で宇宙に出た時のSANチェックを忘れていたので、そこで2減少。
クリア後にスペーサーのセリフを色々見ていたらSAN値が1回復したので……最終SAN値は34となりました。


CoC『VOID』18

CoC
VOID 12日目 close
「スタックの抜き取りだけでも、さっとできたりは……」
「生首にしてゆっくりしてもらうとか?」
「咄嗟に生首考えちゃったよ」
「テイクアウトしやすさと捥ぎやすさからいくと生首になりますよなぁ」

CoC『VOID』継続『探索者格付けチェック お正月スペシャル改』 3

「くすぐったりしたらダメですか?」

CoC『VOID』継続『迷い家は桜の先に』 春&田尾 1

「ふはははは! 俺はやられたらやり返す人間だということを忘れていたな!」



本作は、「 株式会社アークライト  」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。

Call of Cthulhu is copyright ©1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc.
Call of Cthulhu is a registered trademark of Chaosium Inc.
PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION 「クトゥルフ神話TRPG」