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こちらには『蒼天のシラユリ』
ネタバレがあります。

本編見る!
KP
あなた方は、作戦室にいる。
エミーリアはきちんとシャワーを浴びて、いくぶんすっきりした気分になっているだろう。
まあ……水はそんなに潤沢に使えるわけではなかったが。
エミーリア
新たな衣装は
ないのか
八重山 アカネ
アカネもシャワー借りたり身体を拭いたりします。
伊藤 加奈
「いいものでしょう? シャワー!」
KP
シャワーは格好ばかり、という感じではある。
エミーリア
「うん、ありがとう、加奈ちゃん」
ともあれスッキリした
八重山 アカネ
「ええ、気分だけでもないよりは大分ましね。ありがと」
千寿 有栖
「まったく……」
KP
有栖はあまりシャワーには好意的ではなさそうだったが。
有栖は双眼鏡を手にしていた。見張りから戻ってきたらしい。
エミーリア
なんでだろ
貴重な水が無駄になるからよ!
八重山 アカネ
「お疲れ様」
千寿 有栖
「…………」
KP
有栖は、不機嫌そうにあなた方を睨んで、無言で座る。
エミーリア
「あら……」
伊藤 加奈
「機嫌、悪そうですわね。そんなにシラユリを取られるのが嫌なんですの?」
千寿 有栖
「別にそんなんじゃ……
ないわよ……」
エミーリア
「えっ、あっ、そういうこと?
有栖ちゃん、大丈夫だよ。今日は私たちが足を引っ張らないようにするための訓練だから」
八重山 アカネ
「それはないでしょ。
理由があんでしょ、何かクソな理由。ここの誰も話してくれる気はないみたいだけど?」
エミーリア
「アカネさん、そんな」
千寿 有栖
「…………」
ちら、とアカネを見て、鼻をならして目を逸らす。
八重山 アカネ
「悪いわね、さっき忠告されたばっかりなのに。当てつけたくもなんのよ、いい加減」
伊藤 加奈
「ま!
美味しいご飯を食べれば嫌な気分なんて吹っ飛びますわよ!」
千寿 有栖
「…………」
KP
有栖は何かもの言いたげな顔をしたが、ちら、と加奈を見た。
千寿 有栖
「あんたみたいに単細胞じゃないから、無理」
そして小さなため息をついた。
伊藤 加奈
「はぁ、なんですってぇ!?」
エミーリア
「まぁまぁ、加奈ちゃんも。
晩御飯の準備、お手伝いしよう?」
獨芹 希
「そうだね、食事時くらいは仲良くして貰いたいものだ」
KP
希と瑞彩がお盆にのせた皿を運んできた。
香辛料の香りが食欲を刺激する。
エミーリア
「希さん」
やってきた希に気がつく
ではそれを受け取って配膳する
八重山 アカネ
「あら、そうね。配膳くらいは手伝わないと」
同じく、皿を受け取って配膳する。
「……案外悪くないわねカレー。クソ暑くても食欲が出そう」
KP
先輩パイロット二人組はなんだか睨み合っている。
カレー、サラダ、赤いゼリーに水の入ったコップ。
スプーンが四つに箸が一膳
あなた方の前にはスプーンが、有栖の前には箸が置かれた。
エミーリア
赤いゼリー
獨芹 希
「はい、どうぞ召し上がれ」
八重山 アカネ
「……お子様セットみたいなメニューね、いいけど」
希の前にあるメニューを確認する。同じメニュー?
KP
全く同じメニューだ。
ゼリーまでついている。
エミーリア
ゼリーは皿に盛られてる状態?
KP
いや、パッケージのままかな。
エミーリア
ふむふむ
メーカー名とか入ってるのかな
KP
入ってないかも。
レストランなんかでお子様セット頼むとついてくる、業務用みたいな感じの簡素な奴。
エミーリア
ふむ
獨芹 希
「ん、もしかしてゼリーは要らないかい?」
エミーリア
「いえ、大丈夫ですよ。いただきます」
八重山 アカネ
「まあ、頂いとくわ」いただきます
伊藤 加奈
「いっただっきまーーーーす!」
千寿 有栖
「いただきます……」
片瀬 瑞彩
「いただきます」
KP
それぞれに声を上げて、食事を始める。
エミーリア
「美味しいね!」
KP
加奈は素手で食べ始めた。
手で掴んで、雑に口に放り込む。
エミーリア
素手ぇ
エミーリア
「えっ、加奈ちゃん?」
思わず呆気に取られる
KP
カレーがついたままの手でサラダをむんずと掴み、それも口へ。
八重山 アカネ
「結構いけるわね。……スプーンでサラダ食べ辛」
手掴みしている様子をふーんと眺めながら、カレーを食べている。
エミーリア
「ダメだよ。綺麗に洗っても、手でなんて」
加奈の横に座る
伊藤 加奈
「ん? ずっとこれでやってきましたから」
エミーリア
「はい」
言って、スプーンを差し出す
伊藤 加奈
「ええー、面倒ですわ。
それにこうやって食べれば、草がカレー味になって美味いのですわ!」
エミーリア
「そんなこと言わずに。使ってみると、食べやすいものよ」
加奈の手を取って、お手拭きで拭き拭き
千寿 有栖
「無駄よ。
私たちが教えても全く覚える気がないのだもの」
エミーリア
「それなら、こうして……」
スプーンでカレールーを少し掬って、サラダにかける
伊藤 加奈
「ええー、手で食べた方が早いのですわ!」
エミーリア
「お嬢様は、手でなんてお食事しません。
はい、スプーンを握ってみて」
伊藤 加奈
「ええー? めんどくせーですわ」
エミーリア
「お嬢様は、そんな汚い言葉を使いません」
加奈の手を取って、スプーンを握らせる
八重山 アカネ
「フォークないの?」などと言いながら、スプーンで捉えづらい葉物野菜を指先でつまんで口へ。
千寿 有栖
「覚える気、ないのよ、加奈は」
呆れたようなため息をつく。
伊藤 加奈
「使う必要は無いので覚えませんですわ!!」
エミーリア
「それじゃ、お嬢様になれないよ」
KP
加奈は渋面になった。
そして握らされたスプーンをカレーに突っ込み……
びしゃっと跳ね散らかした。
エミーリア
「あらあら」
伊藤 加奈
「難しいですわ!!!」
エミーリア
じゃぁ、そっと加奈の手に自分の手を添えて
「大丈夫、教えてあげるから。ほら、一緒に、もう一度」
伊藤 加奈
「むううう」
エミーリア
「ゆっくりね」
KP
エミーリアさん。
〈交渉〉行ってみましょう。
丁寧にやってくれているので+20つけて。
エミーリア
〈説得〉はちょっとだけ振ってる
CCB<=55+20〈説得〉1D100<=75) > 39 > 成功
八重山 アカネ
おおー。
伊藤 加奈
「むむむむぅ。お嬢様は使うって本当ですの?」
エミーリア
「もちろん。スプーンだけじゃなくて、フォークやナイフも上手に使ってこそのお嬢様だよ」
伊藤 加奈
「うう、そ、そうなんですの? す、スプーン、くらいなら。
スプーンくらいなら、ら、楽勝ですわ!」
エミーリア
「うんうん」
伊藤 加奈
ざくり。びしゃっ。
KP
とにかく動作が雑である。
エミーリア
強く握ったりはしないで、あくまで優しく誘導してあげるよ
「はい、あーんして」
根気よく
伊藤 加奈
「あ、あーーーん」
エミーリア
大きく開いた口に、カレーとご飯を盛ったスプーンを差し入れる
千寿 有栖
「……おおー、加奈がスプーン使ってるわ。奇跡ね」
伊藤 加奈
ぱく。
「……う、ううん、量が小鳥のご飯ですわ。
お、美味しいのですけれど」
エミーリア
「大丈夫、慣れたら山盛りスプーンで食べられるよ。
少しずつ、練習しようね」
伊藤 加奈
「ううん、食事くらい伸び伸びとしたい……」
エミーリア
妹が欲しかったからさー
KP
カレーは素朴で優しい味がした。
けっしてプロのような整った味ではないが、素直に「美味しい」と思える味だった。
八重山 アカネ
「……根気あんのね」素朴で優しい味のカレーを口に入れながら、ぽつりと呟く。
エミーリア
自分のカレーが冷めるのも放っておいて、根気よく加奈の食事に付き合う
「あつあつの飲めるハンバーグ、手じゃ熱くて食べられないよ?」
伊藤 加奈
「飲めるハンバーグ!?
ハンバーグは食べ物ですわよ!?」
エミーリア
「ふふふ、さて、『飲めるハンバーグ』を前にしても、同じことが言えるかな?」
伊藤 加奈
「えええ、何ですの!? 気になりますわー!? 食ってみたいですわー!?」
エミーリア
「食う、じゃなくて食べる、ね。今度作ってあげるから、それまでちゃんと練習しようね」
千寿 有栖
「食事くらい静かに食べなさいよ……」
苦笑している。
片瀬 瑞彩
「あ、あの……
あの……カレー、美味しい、ですか?
希さんと一緒に……作ったんです」
八重山 アカネ
「……美味しかったわ、ありがとう」ふっと微笑む。
エミーリア
「うん、とっても。加奈ちゃんはどう?」
伊藤 加奈
「とってもうめーですわ!」
叫んでからちら、とエミーリアを見る。
エミーリア
「うまい、じゃなくて、美味しい」
伊藤 加奈
「美味しいですわ!!」
エミーリア
人差し指を立てて、お嬢様教育に余念は無い
「はい、よくできました」
片瀬 瑞彩
「よ、よかった……」
KP
瑞彩はふっと微笑んだ。
エミーリア
苦労しながらも匙でカレーをぱくつく加奈を、穏やかな瞳で見つめながら、口元についたカレーを拭ってやる
片瀬 瑞彩
「ご、ごめんなさい……私、こういう事しかできなくて……」
エミーリア
「とんでもない。ご飯を作れるのは、すごいことだよ」
伊藤 加奈
「とーっても……美味しいので、瑞彩はもっと自信を持つといいのですわ!」
エミーリア
「そうそう。そうでないと、みんなお腹が空いて困ってしまうもの」
伊藤 加奈
「そうそう、わたくしにはできませんもの!」
エミーリア
ねー、と加奈ちゃんと顔を見合わせてニコニコしてよう
八重山 アカネ
「そうね、それは同感。……優しい味、っていうのかしらね。久しく食ってないような味だわ」
千寿 有栖
「…………」
うつむいた。
KP
彼女の様子が気になる人は、〈目星〉または〈心理学〉を振っても良い。
エミーリア
CCB<=85〈目星〉1D100<=85) > 8 > スペシャル
八重山 アカネ
〈心理学〉オープン?
KP
オープンでいいです。
八重山 アカネ
CCB<=80〈心理学〉1D100<=80) > 16 > スペシャル
エミーリア
SPダブル
KP
では二人とも、有栖が何か苦虫をかみつぶしたような顔をしているのに気付いた。
エミーリア
「有栖ちゃんは、みんなのお姉さんだもんね」
そっとフォロー
千寿 有栖
「え? ええ。そんな積もりはないけど」
八重山 アカネ
「……」ちらりと一瞬視線をやるだけで、何も言うことはない。
エミーリア
「そう? いつも静かにたくさんのことを考えてくれてるでしょう?
みんなのことを、よく見ていてくれているみたいだもの」
千寿 有栖
「……そうでもないわ。
私はいつだって自分のことで精一杯だから」
エミーリア
「じゃぁ、私と同じだね。もう、色々なことが起こりすぎて、私も頭の中がいっぱい。
今度、いろいろ相談させてね?」
千寿 有栖
「……大人の人が、子供の私に?」
エミーリア
「だって、ここでは大先輩だもの。
有栖ちゃんだけじゃなくて、加奈ちゃんも、瑞彩ちゃんも、希さんも」
KP
有栖の目線は何となく上の空で、カレーの方を彷徨っている。
エミーリア
「私も頑張るから、いろいろ教えてね。
ね、アカネさん?」
千寿 有栖
「私にできることなら……」
八重山 アカネ
「そうね。頼りにさせてもらうわ」
千寿 有栖
「…………」
KP
出したい情報だしそびれてどうしようかなぁと考えるKp。
エミーリア
おや?
八重山 アカネ
むむ。何か追及しそびれたかな。
KP
まあ問題はないか。
エミーリア
「ありがとう! さぁ、じゃぁ私も美味しいカレー、冷めないように頂いちゃおうかな!」
とりあえずその後も、加奈ちゃんの様子をフォローしながら、一緒にカレー食べよう
KP
瑞彩が突然呟く。
片瀬 瑞彩
「あの……。…………リアさんと八重山さんが…………戦った怪物……覚えています……?」
エミーリア
「うん?
ああ……あの、お魚みたいな……」
片瀬 瑞彩
「えと、ええと……かぎ爪がついていた……魚みたいな怪物……ですよね……?」
八重山 アカネ
「あの魚みたいな奴?」
片瀬 瑞彩
「そう、その……」
伊藤 加奈
「そーですわね。
わたくし達が倒している怪物も同じ種類かと思いますわ」
エミーリア
「ん? みんなが戦ったことがあるのは違うの?」
千寿 有栖
「いいえ、同じものだと思うわ」
獨芹 希
「そうだね。あの魚が押し寄せてくる。」
片瀬 瑞彩
「…………えっと……
な、な、何か参考になるかな……って……思って…………」
エミーリア
「うん?」
小首を傾げて、瑞彩を見やる
KP
瑞彩は、背負っていたリュックサックを開く。
10cmほどの怪物のかぎ爪を取り出すと、手にとったままあなた達に見せた。
それは、あの化け物の爪のように見える。
エミーリア
「わ。
拾ってきたの?」
八重山 アカネ
「うわ。……奴らのね?」
片瀬 瑞彩
「はい。こ、これがあれば、あいつらのこと、何か、分からないかな、って思って……」
エミーリア
「大丈夫? 危なくなかった?」
片瀬 瑞彩
「ううん、拾ってきただけ……ですから……」
エミーリア
「うーん……」
八重山 アカネ
「いいわね。観察したら何か分かるかも」
千寿 有栖
「でもねぇ、だからってこんな爪一つ持ってきても」
八重山 アカネ
「あら、やらないよりはマシでしょ。殴り合ってもきりがないなら、別の手を考えるってのも悪くないわ」
片瀬 瑞彩
「そう、ですよねっ。ですよね……?
こんな私でも、役に、立ちたいから」
アカネの声にぱっと顔を明るくする。
エミーリア
「そうだね。
ありがとう、瑞彩ちゃん。
敵を知り、己を知れば百戦危うからず、って言うからね」
八重山 アカネ
「ええ。ありがとう、瑞彩。その発想は助かるわ」
千寿 有栖
「なんか顔色悪いわよ?」
片瀬 瑞彩
「で……で、も……でも……おかしいんです」
エミーリア
「おかしい?」
片瀬 瑞彩
「こ、これを…………怪物から…………
持ってきた時から…………おかしいんです」
KP
瑞彩は震えている。
エミーリア
「えっ。
だ、大丈夫? 何かバイキンとか」
片瀬 瑞彩
「な……なにかの……視線が……
なにかが……私をみて……みて……みて…………」
KP
瑞彩はびくりと震えると、ガチガチと奥歯を鳴らす。
瑞彩の視線はあなた達ではなく、あなた達の背後を見ていた。
エミーリア
背後を振り返る
片瀬 瑞彩
「います。
今も、ここに」
エミーリア
「えっ、ど、どこに」
八重山 アカネ
「落ち着いて。少しずつでいい、その時のことをゆっくり思い出して」
立ち上がり、彼女の側に寄って宥めながら聞き出そうとする。
エミーリア視点
KP
あなたは自分の背後を見る。
緑色の光がぼんやり空間を照らしている。
あなたの気配に気づいたそれは消え――いなくなった。
エミーリア
見えていた緑色の光が消えた?
KP
消えた。

アカネ視点
KP
あなたは振り返らない。
何かが背後で光ったような気がした。

片瀬 瑞彩
「もう嫌だ……。嫌ッ……!」
エミーリア
「……あら?」
背後を振り返ったまま、目を軽く擦る
八重山 アカネ
チッ、と小さく舌打ちを漏らす。
エミーリア
「瑞彩ちゃん?」
KP
瑞彩は持っていたかぎ爪を自分の腹に刺した。
エミーリア
「えっ」
KP
顔を歪ませ、しかし、かぎ爪に自分の腸をくぐり付け、そのまま――引っ張る。
大量の血と共に腸がちゃぶ台にあるカレーの上へ落ちていく。
加奈が音にならない悲鳴をあげる。
その声に合わせるように瑞彩は再び自分の腹の中にかぎ爪をいれた。
エミーリア
それを取り上げられるかな
取り押さえるとか
八重山 アカネ
「……! クソ!」それを取り上げようとできますか?
KP
あなた方は鉤爪に手をかける。
だが、もう彼女の腹は切り裂かれていた。手遅れだ……!
瑞彩の目は大きく見開き、大量の息と胃液を口から吐き出す。
エミーリア
「瑞彩ちゃん!」
KP
細い足が揺れる。自身の身体を支える機能を忘れ、彼女は前から崩れ落ちた。
エミーリア
体を支えよう
KP
彼女は一瞬だけ震えると、ただの肉となり果てた。
SANチェック成功時減少 1d3失敗時減少 1d5
八重山 アカネ
「クソ、クソ! やられた……! ああ、クソ……!」
エミーリア
「瑞彩ちゃん? 瑞彩ちゃん!」
八重山 アカネ
CCB<=61 《SANチェック》 (1D100<=61) > 59 > 成功
1d3 (1D3) > 3
[ 八重山 アカネ ] SAN : 61 → 58
エミーリア
1D100<=88 《正気度ロール》 (1D100<=88) > 53 > 成功
1d3 (1D3) > 1
[ エミーリア・マルガレータ・ヨハンナ・マリア・草加 ] SAN : 88 → 87
エミーリア
「なんてこと……
お医者さんは……!」
八重山 アカネ
「エミーリア、何かいた!? さっき!」
KP
キン、と甲高い音がする。
目の前の空間が圧縮されたかのように歪み始めた。
その歪みは少しずつ、しかし確実に大きくなっていく。
エミーリア視点
KP
苦痛で歪んでいるはずの瑞彩の顔は、何故か喜びに満ちていた。
あなたにはそのように、見えてしまった。

エミーリア
「瑞彩ちゃん……?」
アカネの声に反応が遅れる
KP
あなた達が逃げようと思っても、蟻地獄のように歪みに吸い込まれる。
八重山 アカネ
「手遅れよ……、クソ。何よ、あれ。クソ、クソクソクソ!!」喚きながら必死に逃れようとし、もがく。
KP
ぐしゃり、と音を立てて――あなた達は織り込まれた。
八重山 アカネ
「あ──、」
最後に漏れたのは、そんなあっけない声だった。
KP
…………。
KP
……。

KP
パ、とあなた達の世界が色づく。
エミーリア
「……はっ」
八重山 アカネ
「は!?」
叫んでがばりと身を起こそうとする。
エミーリア
周囲を見回す
片瀬 瑞彩
「あの……。
…………エミーリアさんとアカネさんが…………戦った怪物……覚えています……?
えと、ええと……かぎ爪がついていた……
怪物……ですよね……?」
KP
瑞彩が生きている。不器用な笑顔を浮かべて、あなた達の横に座っている。
エミーリア
「……えっ?
あれ……? ええと……」
八重山 アカネ
「は……? 何よあれ」
青ざめた顔で呟く。
「ええ、そうよ……、そう」
思わず、立ち上がって彼女の横に移動する。
KP
あなた方は確かに彼女が、化け物の鉤爪で自分の腹を貫くのを……見た。
あれは、限りなく現実の感覚として、あなた方の記憶に残っているというのに。
SANチェック成功時減少 1失敗時減少 1d3
エミーリア
1D100<=87 正気度ロール (1D100<=87) > 14 > 成功
[ エミーリア・マルガレータ・ヨハンナ・マリア・草加 ] SAN : 87 → 86
八重山 アカネ
CCB<=58 《SANチェック》 (1D100<=58) > 45 > 成功
[ 八重山 アカネ ] SAN : 58 → 57
片瀬 瑞彩
「…………ど、どうしたんですか……?
か、かか、顔色が悪い……です……よ……?」
エミーリア
「え、えっと……」
加奈や有栖、希の様子はどうだろう
伊藤 加奈
瑞彩は突然何を言い出しているのだろう、と訝しげだ。
千寿 有栖
あまり興味がなさそうだ。
獨芹 希
心配そうにしている。
エミーリア
「……?」
額を押さえる
何が起きているのか、理解が追いつかない
八重山 アカネ
「ねえ……、そうよ、鉤爪のある魚みたいな奴だった。それで、それがどうしたの?
ねえ、それで、どうしたの?」
片瀬 瑞彩
「ええ、だ、だから、あの化け物の一部でも……あれば」
KP
〈目星〉をどうぞ。
エミーリア
CCB<=85〈目星〉1D100<=85) > 81 > 成功
八重山 アカネ
CCB<=65〈目星〉1D100<=65) > 80 > 失敗
KP
エミーリアは瑞彩の背後に、彼女が持って来たリュックサックが置いてあるのに気付く。
エミーリア
では、彼女の手がそれに伸びる前に、咄嗟にそれを掴んでいた
片瀬 瑞彩
「えっ、いきなり、何、するんですか?」
KP
瑞彩は戸惑ったようにおろおろとあなたの顔と手を見比べている。
エミーリア
「あ……
ご、ごめんね、つい」
八重山 アカネ
エミーリアの横に移動する。
「この中、何か入ってる? 言い咎めてはないわ、確認したいだけ。化け物の一部を、どうしたの?」
KP
リュックは……軽い。
片瀬 瑞彩
「も、もし、もし……持ってこられたら……
何か役に、立つかな……って」
エミーリア
「……この中に、入ってる?」
片瀬 瑞彩
「えっ?
そ、そのリュック……。
こ、氷を運ぶ時……につかってるんです……」
エミーリア
「えっ」
片瀬 瑞彩
「……あ、あの……まだ予備があるので……
欲しいなら……ど、どどうぞ…………」
KP
おどおどと瑞彩は目線を泳がせる。
エミーリア
「あ、うん、ありがとう……」
言いながら、中を改める
氷が入ってるだけかな
KP
中は、空だ。
エミーリア
「……あれ?」
八重山 アカネ
「そうね、何か分かるかもしれない。殴り合ってもきりがないなら、別の手を考えるのがいいわ。
でも、危ないから、自分でやらないでね」
千寿 有栖
「そうよ。
あんたまた一人で運んでいるわけ!?
運ぶなら私も手伝うって言ったわよね!」
片瀬 瑞彩
「ごごご、ごめんなさいっ……!
つ、つかれてると……おもって……
せめて、少しくらい……役に立ちたいな……って」
KP
加奈は笑い、彼女はカレーを口に含む。
エミーリア
首を傾げながら、中身を手で探っている
「……無い……」
ポツリとつぶやいた
戸惑いの表情で。
八重山 アカネ
「やめなさいな。怒鳴ると余計に独りでやろうとするわよ、怒鳴られるのが怖くて。
萎縮してる相手を怒鳴っても、内容なんて聞こえやしないわ」
KP
あなた達の前にもあなたが食べていたカレーが置かれている。
瑞彩の臓物に犯されていないカレーが。
獨芹 希
「どうしたんだい、二人とも。
カレーが冷めてしまうよ」
KP
希が怪訝そうに、だが穏やかに言う。
エミーリア
「えっ、あ……」
千寿 有栖
「……そうね」
エミーリア
「ご、ごめんね、瑞彩ちゃん。返すね……」
片瀬 瑞彩
「は……はい……」
エミーリア
混乱の表情で、そっと軽いサックを彼女に返す
八重山 アカネ
「ああ、悪いわね。隅に何かいたような気がして。虫いないのよね、ここ?」
伊藤 加奈
「虫? 虫なんて叩き潰して差し上げますわ!」
千寿 有栖
「いるわけないでしょ、虫なんか。
いてたまるものですか」
ぶるっと震える。
エミーリア
「……」
先ほどまでの温かな雰囲気のままの周囲と、己の頭の中の温度差に、黙ってカレーに視線を落とす
KP
カレーは何事もなかったかのようにまだほんのり暖かい。
アカネ視点
八重山 アカネ
(チッ、何だか分からないけど、無かった事にされた。何かが監視してるってのは本当みたいね。現状を追及して欲しくないって所かしら。)

エミーリア
皿にぶちまけられたあの赤色が重なって見えるような気がした
KP
瑞彩がおどおどとあなたを見つめている。
何か気に触ったことをしてしまったのか、という風情だ。
エミーリア
「あ……」
彼女のその表情に、ほんの小さくだが震える手で匙でカレーを口に運ぶ
「……」
ゆっくりと咀嚼をし、しばし戸惑ってから、思い切って飲み下す
それを繰り返した
KP
加奈と有栖は、今度はゼリーをどちらがもらうか賭けをしよう、などという話を喧嘩腰でしている。
八重山 アカネ
チッ、と小さく舌打ちを落とす。何だか分からないけど、無かった事にされた。
何かが追及を嫌がってる。その何かに対して、何もできなかったことが悔しい。
「大丈夫よ、何もしてない。あんたのせいじゃないわ。ちょっとトラブルがあっただけ」低い声で言う。
片瀬 瑞彩
「は、はい……
あの、あの、ありがとう……ございます……」
八重山 アカネ
「いいのよ。あんたこそありがとう。カレー、美味しかったわ」
それに、何かが分かる糸口をくれた。何かに気づくきっかけを。
エミーリア
「うん、カレー、美味しいよ。ありがとう、瑞彩、ちゃん……」
片瀬 瑞彩
「……はい、それは、良かったです……
本当に、よかった……」
KP
わいわいと言葉をぶつけ合う加奈と有栖、おどおどとあなた方に頷く瑞彩、そしてゆったりとカレーを口に運ぶ希。
それは日常の風景のように思える。だからこそ、先ほどの瑞彩はなんだったのだろう。
その答えをあなたは見つけることができるだろうか。
和気あいあいの雰囲気の中、夕ご飯の時間が終わった。
エミーリア
「……」
ため息をつきながら、下げ膳を手伝おう
「気のせいかな……」
伊藤 加奈
「お皿洗うのめんどくせーですわ」
エミーリア
その様子に、小さく苦笑
「ダメだよ、加奈ちゃん。ちゃんとご飯をいただいたらお片付けしないと」
伊藤 加奈
「お嬢様はそういう事はしねーんですわ!」
千寿 有栖
「するわよ、普通に」
エミーリア
「そうだよ。私もお手伝いするから、一緒にお皿洗おうね?」
千寿 有栖
「まったく。『お嬢様』にも困ったものよね」
エミーリア
「ふふふ、お嬢様修行だね」
有栖ちゃんも一緒に、お皿洗いに行こう
二人のいつもの様子に、やっと心の震えが少しおさまった気がした
アカネ視点
KP
夕飯の片付けをしている最中、希がアカネに話しかけてくる。
八重山 アカネ
「あら、何?」
獨芹 希
「何故だろうね。だが、とても重要なことなんだ。
君とふたりで話したいことがあるんだ。整備室まで来てくれ」
八重山 アカネ
「あら、二人だけ? エミーリアと一緒じゃ駄目なわけ?
私達の状況は同じ。それなら、一緒であるべきだと思うけど?」
獨芹 希
「ああ。君一人でなくてはならないんだ」
八重山 アカネ
「聞くわよ。どうして?」
獨芹 希
「君たち二人のためだ。
それじゃ待ってるから。約束だ」

KP
希は手早く自分の食器を洗うと、下に降りていったようだ。
片瀬 瑞彩
「……」
伊藤 加奈
「おぉっともうこんな時間ですわ! わたくしは怪物を見張る仕事に戻りますの」
KP
加奈は高笑いをしながら、双眼鏡を片手に外へと飛び出していった。
千寿 有栖
「そう言って皿洗いが嫌なだけでしょ。あ、逃げた!」
エミーリア
「こら、加奈ちゃん!」
千寿 有栖
「エミーリアさん。あの子に何かさせようとしても無駄だと私は思うわ。
私や希が今までどれだけあの子に言って聞かせたと思う?」
エミーリア
「あはは……。確かに、大変かも」
苦笑
八重山 アカネ
「そうだ、エミーリア。さっきの地図持ってる? 冷蔵庫の場所忘れちゃって。酒無いのは分かってんだけど、せめて炭酸が欲しいのよ」
希が下に降りていったのを見届けて言う。
エミーリア
「でも、こう言うのもきっと、大切なことだと思うから……あ、はい。ちょっと待ってくださいね。あと少しで洗い終わりますから」
片瀬 瑞彩
「あの、有栖さん……食料の……チェックを……」
千寿 有栖
「ああ、はいはい、そうだったわね」
エミーリア
「いいよ、有栖ちゃん。こっちは任せて」
千寿 有栖
「ごめんなさい、エミーリアさん、八重山さん、あとはお願いします」
エミーリア
「うん。よろしくね」
KP
有栖はぺこりと頭を下げて下に降りていった。
八重山 アカネ
その言葉に返答をしない。あえて答えなかったように見える。
KP
ここミニゲームがあるんだけど
雰囲気的にあんまり合わないなw
エミーリア
皿が何枚割れたかチャレンジ
KP
そうそう
まあ景品は別の機会にお渡ししよう。
エミーリア
「アカネさん、私のスカートのポケットに地図なら入ってますから……」
皿洗いを続けながら、洗剤の泡がついた指で、スカートを指差す
八重山 アカネ
「エミーリア」
不意に名を呼ぶ。
エミーリア
「はい?」
八重山 アカネ
「ちょっと冷蔵庫までついてきてよ。さっきラムネ割っちゃったでしょ、またやったら怖いのよ」
エミーリア
「ええ、いいですよ」
八重山 アカネ
「ありがと」二人で冷蔵庫に移動します。
エミーリア
では、皿立てに洗いおわった皿を立てて、布巾で手を拭いてついていく
「有栖ちゃんと瑞彩ちゃんなら、慣れてるでしょうし、大丈夫だと思いますけど……」

KP
冷蔵庫には有栖と瑞彩がいるよ。
二人きりになりたいのかと思ったんだけど、違うのかな?
八重山 アカネ
冷蔵庫に着くと、エミーリアの服のポケットから地図を引き抜く。
エミーリア
「おっと」
ポケットに手を突っ込まれて、取りやすいように身をひねる
八重山 アカネ
エミーリアの前に立って、二人に見えない方向に地図を広げ、一番下のせいびしつの所を二度、とん、とん、と叩いて見せる。
エミーリア
「? どうかしました?
冷蔵庫、そこですけど」
八重山 アカネ
それから一度、下を指差して。
アカネ視点
KP
おおー、それやっちゃう?

八重山 アカネ
それから冷蔵庫、作戦会議室、見張り台、と順に同じように叩く。
エミーリア
「?」
アカネの意図が読めずに首を傾げる
八重山 アカネ
「何かあったら、後はよろしく」
そう言って地図を戻し、棚からラムネを引き抜くことなしに外に出る。
千寿 有栖
「? 何か用だった?」
エミーリア
「えっ? あ、アカネさん?」
八重山 アカネ
チッ、と小さく舌打ちを漏らし、大股で外へ。
アカネ視点
八重山 アカネ
改めて整備室へ向かいます。
KP
はーい
八重山 アカネ
「クソ。ガラじゃない」

エミーリア
「ああ、有栖ちゃん。食料のチェック、大丈夫? 何かお手伝いすること、ある?」
戸惑い気味にアカネを見送り、有栖に声をかける
千寿 有栖
「もうすぐ終わるけど、お皿、もう終わったの?」
エミーリア
「うん、全部終わったよ」
片瀬 瑞彩
「あ、ありがとう……ございます……」
エミーリア
有栖ちゃんは、ここで足止めしておくぜ
エミーリア
「いえいえ。こちらこそ美味しいご飯をありがとう」
千寿 有栖
「夜は別に、自由に過ごしてもらっても構わないわ……」
エミーリア
「そうなんだ。じゃぁ、どうしよっか。トランプでもして遊ぶ?」

KP
あなた方には夜時間に一カ所、探索する権利があります。
八重山 アカネ
ふむふむ。
エミーリア
それぞれ一箇所、別々に動いた方がいいかな
KP
それぞれ秘匿処理でNPCと話したりできます。
就寝前、穏やかな夜の時間。
アカネ視点
KP
ただあなたは今回はこちらでのイベントがありますので、探索はできません。
八重山 アカネ
ですよね。
エミーリアさんに伝わってないのに何かにバレるポンコツムーブしてしまった気配ッ!
獨芹 希
ふふふふ。

エミーリア
ちなみに、エミーリアはアカネさんもあの光景を見ていたことに気づいていません
KP
なるほど。
エミーリア
〈心理学〉ないしな!
自分だけがあの不可思議な現象を体験したと思ってますね
アカネ視点
八重山 アカネ
ああー。警戒しすぎて逆に情報共有をしくじったかな。>表

アカネ視点
KP
整備室に降りて行くと、希があなたを待っていた。
八重山 アカネ
「来たわよ」希と距離を取り、出口の扉の前で言う。
獨芹 希
「今夜はいい夜だ。君はどう思う?」
八重山 アカネ
「さあね。最低な夜だけど」
獨芹 希
「そうか……
少し長い話になる。
とても、とても重要なことでね。しっかり覚えてくれ。
椅子はそこにあるから腰掛けてくれ」
KP
希はあなたに椅子を勧める。
八重山 アカネ
「いいわよ。座る気分になんないの、最低すぎて。
立ってる方がハッタリが利くのよ、人間。動物もだけど」
獨芹 希
「そうか……」
KP
希はしずかに言った。
獨芹 希
「これから話すことは『騎士』であるエミーリアに伝えてはいけない」
八重山 アカネ
「それは『彼女』に? それとも、全ての『騎士』に?」
獨芹 希

「そうだね、『騎士』である者には伝えるべきではないよ。
同じ結果を、招いてしまうだろうから」
八重山 アカネ
「そう」
獨芹 希
「もし話してしまったら――。
君とエミーリアの魂は消失し、二度と生まれ変わることができなくなる」
八重山 アカネ
「そう。……繰り返してんのね?」
獨芹 希
「繰り返し?」
KP
希は怪訝そうに首をかしげた。
八重山 アカネ
「いいわ、聞かせて」
獨芹 希
「? ああ」
獨芹 希
「シラユリは人の魂を食って動いている。
まず『姫』の魂を喰らい、食べ終えれば『騎士』の魂を喰らう。
シラユリに喰われたものは、
二度と生まれ変わることができない」
八重山 アカネ
「はぁ? クソでしょ」
獨芹 希
「これはあらゆる宇宙に存在する君……
――というのは、少し分かりにくいね。
あらゆる並行世界に存在する君も対象となる」
KP
シラユリに喰われる――?
それは想像しがたい概念だった。
SANチェック成功時減少 1失敗時減少 1d3
八重山 アカネ
CCB<=57 《SANチェック》 (1D100<=57) > 35 > 成功
八重山 アカネ
想像してしまった。無数の自分がひとつひとつ捕まり、喰われていく所を。

八重山 アカネ
[ 八重山 アカネ ]SAN: 57 → 56
エミーリア
減ったぁ
エミーリア視点
KP
ふと、あなたは何かが森の奥へ行った気配を感じた。
怪物――だろうか? だが、誰もそれに気づいている様子はない。
エミーリア
森の奥に行った、ってことは、この基地から離れていったってこと?
あと、他のメンツは基地内にいることは確認できるのかな
KP
そうだね、行けばいるのは確認できるな。
エミーリア
では、それらを確認してから、なんとなくそれを追おうかな
明かりになるものとかあるのかしら
KP
夜の森は暗い。光源は月と大樹の穴からこぼれる光のみだ。
何の頼りもなければ迷ってしまうだろう。
KP
がさり、と何かが動く音が聞こえた。
エミーリア
「……! だ、誰?」
身構えて、誰何の声
KP
何者かが夜の森を移動してゆく、そんな音だ。
エミーリア
複数?
KP
〈聞き耳〉をどうぞ。
エミーリア
CCB<=85〈聞き耳〉1D100<=85) > 62 > 成功
KP
音はどんどん遠ざかって行く。
相手は一体のようだ。
エミーリア
基地からどのくらい離れてるかな
KP
そう遠くではない。
基地がある巨木から少し離れた、伐採された広場の辺りだ。
エミーリア
広場か
相手の姿、月明かりとかでわからんかな
KP
不自然に伐採された開けた場所の中央に立っているのは、瑞彩だ。
彼女は地面をじっと見つめている。
エミーリア
「あ……
びっくりした、瑞彩ちゃん。こんなところでどうしたの? 暗いし危ないよ?」
声を掛けて近づきます
エミーリア
てか、出がけに確認したけど、その時に瑞彩もいたんですよね?〉基地
KP
いや、各場所を覗いて確認したら分かる、という感じ。
エミーリア
うーむ、各所をちらっと確認して出て来たつもりだった
KP
確認したならいなかったんじゃないかな。
エミーリア
そっか
というわけで、近づきますよ
片瀬 瑞彩
「……!」
その背が跳ねた。
「……あ。あ……エミーリア……さん……」
エミーリア
「びっくりさせちゃったかな。大丈夫?」
微笑む
「お散歩?」
KP
そうだなぁ。〈目星〉してみる?
エミーリア
CCB<=85〈目星〉1D100<=85) > 6 > スペシャル
エミーリア
してみた
見つめてる地面とかに何かあります?
KP
何か想像がつくなら、それを宣言してくれたら補正がつくよ。
エミーリア
フヨウラ!
KP
地面に何か人工的な切れ目のような物がある。
エミーリア
人工的な切れ目
ここ、土じゃないのか
KP
そう、土にまっすぐな切れ目のような物がある。
エミーリア
ううむ?
イマイチ想像がつかない
具体的に切れ目とかどういう感じなんだろ
KP
まあまあ、彼女に訊いてみればいいぢゃあないかね。
エミーリア
正確な見た目の把握はさせてくれぇ
スコップで掘った跡とか、何かが切り裂いた跡とか
KP
ぶっちゃければここはシラユリが出て行くときに通る通路だ。
エミーリア
ああ、なるほど
片瀬 瑞彩
「どどど、どうしたんです……か……?
こ、こんなところに……?」
エミーリア
「うん、ちょうどお皿洗いが終わったところで、瑞彩ちゃんが出て行くのが見えたから」
「あ……ここ、ちょうどシラユリさんが出てくところなのかな?」
なんとなく頭の中で、位置関係を想像しつつ
片瀬 瑞彩
「は、はい……ここ、は、シラユリの、発射口……です」
エミーリア
「そうなんだ。外からじゃ全然わからないようになってるんだね。すごいな。
でも、こんなところで何を?」
片瀬 瑞彩
「よ、夜風にあたって……ました…………」
エミーリア
「そっか。でも、一人じゃ危ないよ?」
言って、彼女に近づいて並んで地面の射出口を見下ろす
片瀬 瑞彩
「…………」

アカネ視点
八重山 アカネ
「並行世界が実際にあって、そこまで全部食いに行くって? 荒唐無稽の塊で嫌んなるわね。どんだけ大食らいなのよ……」
獨芹 希
「ああ、そうだ。
信じられないかもしれないが、並行世界は存在する。
並行世界の中にはシラユリと会わなかった君達も存在する。
が、シラユリはそれらも喰らい尽くすんだよ」
八重山 アカネ
「あ、そう……。意味不明すぎてやんなるわね。
で? 四人ともそのクソロボの餌ってわけ?」
チッ、と大きく舌打ちをし、棚に上げるようにわざとらしく溜め息をつく。
獨芹 希
「……そうだ。
君がシラユリを操縦すればするほど、シラユリは君を喰らう。
今はまだ症状は出ていないだろう。
だが、これから先――操縦席に乗っただけで
君の身体と精神は焼かれるほどの苦痛を味わうことになる」
八重山 アカネ
「うぇ。クソでしょ……。死ぬまで拷問されてろっての?
そんなの、操縦しようがしまいが一緒じゃない。どうせ喰われておしまいなら」
獨芹 希
「終わることを考えないなら、そうかもしれないね。
苦痛から逃げる方法は死ぬことだけ。
……死ぬ方法も怪物に殺されるか。
呪いよって衰弱死するか。この二択しか用意されていない」
獨芹 希
「君が死ねば、その呪いは騎士であるエミーリアを襲う」
八重山 アカネ
「あ、そ。……チッ、真面目に地獄じゃないのよ」
獨芹 希
「しかしだ……
ある程度怪物達を倒せば、騎士と姫の役を解かれ、自分が好きな形で生まれ変わることができる。
大金持ちの子供だろうが。
絶世の美女だろうが。
世界を滅ぼす魔王でも、猫や犬でも。
なんでも選ぶことができる」
獨芹 希
「何体怪物を倒せばいいのか。
それは分からないが……私の観測範囲では『1ヶ月』耐えることができれば……と言ったところか。
……これはもう、聞いたことがあるんだったね」
八重山 アカネ
「死ぬか生まれ変われるか、拷問されながらチキンレースしろって?」
獨芹 希
「過酷だと思うよ……
だが、私達が怪物を倒せなければ――地球が滅びる」
八重山 アカネ
「あ、そう。どうでもいいわ」
獨芹 希
「アカネ。君は、降りたいのかい?」
八重山 アカネ
「そりゃあね。だって、生まれ変わるか拷問死か、殺されて死ぬしかないわけでしょ。未来世って信じてないの」
千寿 有栖
「その、人を試すような言い方どうにかならないの?」
KP
有栖の怒ったような声が聞こえた。
八重山 アカネ
「あら、聞いてたわけ」
千寿 有栖
「そんなの、思ったことも言えないでしょ……って思ったけど、八重山さんはあまり関係ないかもね」
獨芹 希
「すまない。どうしても癖がね。抜けないんだ」
八重山 アカネ
「無駄な疑いを生むからお勧めはしないわね。ま、癖ってのは分かるけど」
獨芹 希
「アカネ、安心していい。
有栖も『姫』だ。事前に君と同じ内容を伝えている」
八重山 アカネ
「あ、そう。それで、あんな面してたわけね」
獨芹 希
「この場にはいないが、瑞彩もだ。
知らないのは『騎士』であるエミーリアと加奈だけだ」
八重山 アカネ
「で? なんで態々片方にだけ伝えるわけ? 伝えない方が楽でしょうよ」
言いながら、意図を探ろうと、じっと希の眼を見る。

〈心理学〉で、まだ隠していることがあるか探ります。
KP
なるほど。いくつでしたっけ。
八重山 アカネ
80です。
KP
s1d100 80〈心理学〉1D100) > 16
獨芹 希
「他にも理由が、あってね……
それは今は言えないな、ごめん」
八重山 アカネ
「へぇ? 言えない理由くらい教えなさいな。
小出しにすると疑われるわよ。
伝えれば、じゃあもうお終いだって死のうとする奴くらい出るでしょ。どうせもう死んでるってんなら、余計にね」
獨芹 希
「あまり良い結果を生むとは思えないからさ」
八重山 アカネ
「はいはい。抱え込み癖は周囲を不安にさせるわよ。
人間、一人で抱え込めるわけないって大体皆分かってんだから」
千寿 有栖
「大丈夫よ、八重山さん。
あなたは心配しなくていいし、あのロボットに乗る必要は無い。
アカネさんも、エミーリアさんも、加奈も、私が死なせない」

エミーリア視点
エミーリア
「瑞彩ちゃんは、どこに住んでたの?」
KP
瑞彩は気まずそうに発射口を見下ろしている。
片瀬 瑞彩
「私は……覚えていないの……で……
ここに来る……前のこと、とか……」
エミーリア
「あっ……そうなんだ。ごめんね。
でも、お料理も上手だし、すごいね」
片瀬 瑞彩
「はい……」
その口元が少しだけ上がった。
エミーリア
うーん、遠慮しちゃって思い切ったことが聞けないな
エミーリア
「加奈ちゃんがね、ハンバーグを食べたいんだって。
私も作ってあげたいと思うから、今度一緒に作ってくれる?」
片瀬 瑞彩
「ハンバーグ……ですか。ええ……」
KP
瑞彩はひっそりと微笑んだ。
エミーリア
「ありがとう! お願いね」
にこりと笑って
ふと、脳裏にあの時の瞬間がよぎった
「……瑞彩ちゃんは?
何か、欲しいものとか……困ってることとか、無い?
私、新参者だけど、お話くらいなら聞けるよ」
片瀬 瑞彩
「いっぱい……あります……けど……」
エミーリア
「たとえば?」
片瀬 瑞彩
「私、それより……聞きたいことが……あって」
エミーリア
「ん? なぁに?」
片瀬 瑞彩
「シ、シラユリのパイロットになったこと……どう思いますか……?」
エミーリア
「うーん……」
不意の問いに、腕を組んで考える
「どう、かな。よくわからないことが多くて、まだしっかり理解できていないけれど。
ほら、私アカネさんみたいに頭よくないから」
困ったように頬を掻き
「でも、加奈ちゃんや有栖ちゃん……それにみんなが怖い思いしないで済むなら、頑張ってみようと思うよ。
腕前は、まだまだだけどね」
片瀬 瑞彩
「そ、そうですか……
あの……」
エミーリア
「ん?」
片瀬 瑞彩
「……で、では……私は戻りますので……」
エミーリア
「そっか。じゃぁ一緒に帰ろう?」
手を差し出す
片瀬 瑞彩
「…………」
KP
瑞彩はあなたをちら、と見上げた。
エミーリア
微笑んで、見返す
片瀬 瑞彩
「お、おやすみなさい……」
KP
瑞彩は逃げるように去って行った。
エミーリア
「あっ……瑞彩ちゃん……
うーん……。やっぱり、頼りないかなぁ、私……
もっと頑張らなきゃ」
呟いて、自分も基地へ戻ろう
KP
静かに波打つ海は月の光できらめいていた。
〈目星〉をどうぞ。
エミーリア
CCB<=85〈目星〉1D100<=85) > 45 > 成功
KP
あなたはその海の深くから怪物の気配がすることに気づく。
だがそこから陸に来る気配はない……。
エミーリア
「……!」
思わず身構え、様子を伺うようにしてから
時折振り返りながら、そこを後にしよう

アカネ視点
千寿 有栖
「でも1ヶ月……全部私達がシラユリに乗って、怪物をぶっ殺せば、私達もアカネさん達もシラユリから解放されるのよね。
お姉さん方がシラユリに乗ったのも……私達の所為なんだし」
八重山 アカネ
「所為? あんた達が呼んだわけじゃないでしょ」
千寿 有栖
「私たちの力が足りないからでしょ!?」
八重山 アカネ
「落ち着きなさいな。思う壷よ。
自分の所為だって抱え込む奴が出たら、全員でこの状況をなんとかしようと考えることもできない。
情報を分割して秘密を持たせようとする奴が出たら、団結してこの状況について考えようとすることもできない。
分割統治って嫌いなの。有効すぎてね。
一ヶ月で全員が解放される? そうしたらその次には誰が戦うのよ。
乗った奴だけ解放されるのかもしれないでしょ」
獨芹 希
「さあ、次の『騎士』と『姫』が喚ばれるのかも知れない。
それは、分からないけれどね……」
八重山 アカネ
「不確実ってことでしょ。仮定で義務を負うことはないわ」
千寿 有栖
「でも……!」
八重山 アカネ
「ただでさえクソな状況なんだから、余計な物を背負ったらお終いよ」
千寿 有栖
「……うっさいわね。私はもう決めてるの。
私が片をつけるから。八重山さんはもう乗らなくていいから!」
八重山 アカネ
「あ、そう。話さないでおこうと思ったんだけど、それじゃ一つ話させて。
さっきの食事の時、私の様子がおかしかったのに気づいた?」
千寿 有栖
「? 何だか顔色が悪かったように見えたけど」
八重山 アカネ
「“何かの視線を感じた”のよ。じっと、こちらを見てるようなね」
千寿 有栖
「視線?」
八重山 アカネ
「ええ。視線。
それがシラユリのものか、全く別のものなのかは分からないけどね」
千寿 有栖
「……そう。ほんと、クソだわ」

エミーリア視点
エミーリア
そうだ、先日話した端切れはもらってていいかな
KP
いいよー
裁縫道具なんかも、倉庫で【幸運】振って探していいよ。
エミーリア
やったぜ
CCB<=90 【幸運】 (1D100<=90) > 30 > 成功
エミーリア
あった
KP
可愛らしくて使いやすそうな裁縫道具が見つかった。
エミーリア
よしよし

エミーリア
エミーリアは人を疑わないから、探索者に向かないなぁ
KP
エミーリアさんのシーン終わりました。
エミーリア
終わりましたー
八重山 アカネ
のびてまーす
エミーリア
ぐでーん
八重山 アカネ
アカネは疑いすぎるからこれまた難しい
エミーリア
この二人、やはりどこかで衝突するのではw
アカネ視点
八重山 アカネ
「敵も、状況も、いま見えてるものだけじゃないのかもしれない。
私はそう思ってる。そう思わなきゃやってらんない。そうでなきゃ最初から詰んでる」
獨芹 希
「……そうなのかも、知れないね……」
八重山 アカネ
「だから、抱え込んで自滅しないで欲しいのよ。味方が一人いないのは致命的」
千寿 有栖
「……本気なの?
まさかあんたもあれに乗って食われようっていうんじゃないでしょうね」
八重山 アカネ
「ただで喰われてやる気なんかないわよ。ただ、不確実な一ヶ月後に賭けるよか、私達二人で別の道を探したいってこと。
このクソな状況をなんとかする道をね」
千寿 有栖
「……そうね」
KP
沈黙が降りる。
獨芹 希
「私からは以上だ。
『騎士』である加奈とエミーリアには話さないように」
八重山 アカネ
「そう。一つだけ教えてくれる?」
獨芹 希
「答えられることならね」
八重山 アカネ
「見たことあんの? 話して消えたところ」
獨芹 希
「私は……ないよ。
そうと知っているだけさ」
八重山 アカネ
「どうやって知ったわけ?」
獨芹 希
「それは、ここで知るべき事を最初から知っていた、そのうちのひとつに過ぎないよ」
千寿 有栖
「またそういう、煙に巻くような言い方を」
八重山 アカネ
「あ、そう。寝首をかかれないことを祈ってるわ、その方がマシかもしれないけどね」
獨芹 希
「……そうだね。そろそろ休んだ方がいい。
疲れているだろう?」
八重山 アカネ
「そりゃあね。
最後の手段として覚えとくわ、消えるってこと」
ひらりと手を振り、その場を去る。

去る直前に一度振り向いて、二人の表情を窺う。
KP
希は何を考えているのか良く分からない笑みをひっそりと浮かべ、有栖は物言いたげな顔であなたを見送った。

KP
八重山さんととあるNPCの相性が最悪だなw
八重山 アカネ
おおっとw
エミーリア
希さん?w
八重山 アカネ
半端に飲み込みがよくて半端に飲み込みがよろしくないせいで、ややこしいやつでお手数をおかけします。
KP
というわけで秘匿ターン終了。
エミーリア
はーい
八重山 アカネ
長くて失礼しました
エミーリア
いえいえ
KP
お待たせしました。

KP
あなた方は、大樹の穴近くに並べられた布団の上にいる。
近くにはバケツに入った大きな氷が用意されている。
風が吹くとひんやりとした心地のいい気分になった。
既に瑞彩は休んでおり、加奈と有栖、そして希はまだどこかでやるべきことをやっているのだろう。
部屋の反対側で瑞彩が寝息を立てているが、小さな声で話せば起こしてしまうようなことはないだろう。
KP
※本当に誰かに聞かれている、なんてことはないので、寝る前の情報交換、その他RP等どうぞ。
八重山 アカネ
※ありがとうKP
八重山 アカネ
「はぁ、クソでしょうが」
大きな溜息をついて、大股でその場に戻ってくる。
髪には数度掻き回した跡がある。
エミーリア
やすむ部屋は、寝室として別にあるのかな
KP
部屋、というほどのものではなく、穴の一角って感じかなぁ。
エミーリア
では、その奥の小さな机の上、仄かな灯りの下で何やら作業していたエミーリアは
「あら、おかえりなさい、アカネさん」
相変わらずの様子なので、何がクソなのかは聞かない
アカネ視点
KP
Ys8の、漂流村の寝室みたいな感じですかね。
八重山 アカネ
ふむふむ。イイ。

八重山 アカネ
「悪かったわね、さっきは。意味深なことしちゃって」
エミーリア
「えっ。
意味深……ですか?」
きょとん
八重山 アカネ
「あ、そう、全然伝わってなかったわけ……。クソ……」
大きく溜息をつき、舌打ちをする。
エミーリア
机の上には、いろいろな色の布の端切れが散らばっている
「えっと……ごめんなさい?」
困った顔
八重山 アカネ
「いいわよ、じゃあ言い直し。
皿洗い手伝わなくて悪かったわね。ちょっと希に呼ばれてたのよ」
エミーリア
「ああ、そうだったんですね。何か、シラユリさんのことで?」
八重山 アカネ
「そういうこと」
エミーリア
「お皿は大丈夫ですよ。途中まで有栖ちゃんもいましたから。
そうですか。何か、教えてもらえましたか?」
八重山 アカネ
「ええ、色々とね。
ところで、さっきカレー食べてた時のことなんだけど」
エミーリア
「はい?」
八重山 アカネ
元々小声で話していた声をさらにひそめ、内緒話をするような声になる。
「……見た? 瑞彩がリュックの中から、怪物の鉤爪を取り出したところ」
エミーリア
「……!」
息を呑む
八重山 アカネ
「そう、見たのね、その様子。カレーは無事だった?」
エミーリア
「アカネさんも……? ……いえ、ひどい……光景でした」
思いだし、口元を手で覆う
「でも、他の皆は気付いてないみたいで」
八重山 アカネ
「ええ……、同じものを見たわ、きっと。でも、全部なかったことになった。
そうよ、希は分からないけど、三人とも気づいてないようだった」
エミーリア
「ど、どういうことなんでしょうか」
八重山 アカネ
「分かんないわ。でもあの子は、その前に視線を感じたって言ってた。
エミーリア、あの時振り向いてたでしょ。何か見た?」
エミーリア
ちら、と視線で、寝息を立てる瑞彩の様子を見やる
片瀬 瑞彩
すやすや
エミーリア
「……いえ、私は何も……。あ、でも。
何か、緑色の光が、そこから去るように消えるのが見えたような……」
その光って、シラユリとか、魔物が消える時の光に似てたのかな
KP
そうだな、似ていたように思う。
エミーリア
「あれは……」
何かを言おうとしたが、飲み込んだ
八重山 アカネ
「何? 教えて」
エミーリア
尚もしばし迷ってから
「……シラユリさんが飛ぶ時や、あの怪物……が消える時の光に似ていたような……」
八重山 アカネ
「……チッ。そう、嫌な符合ね。覚えといた方がいいかもしれないわ」
エミーリア
「でも、私の見間違いかも知れませんし……」
八重山 アカネ
「見間違いかもって思ったことは、大概後で何か起きんのよ」
エミーリア
「そ、そうでしょうか」
八重山 アカネ
「そうよ。人が死ぬような事故って、大概そういう所から起きんの。
見間違いだろうって見過ごした所からね」
エミーリア
「えっ。
そんな物騒な……
怖いこと言わないでくださいよ……」
八重山 アカネ
「だから、何かに気づいたら教えてよ。見間違いだったらだったでいいんだからさ」
その表情は不思議と鬼気迫っている。
エミーリア
「わ、わかりました……」
その様子に、気圧されるように頷く
八重山 アカネ
「ありがと。あれを見てたのが私だけじゃないってことだけで、少し安心するわ」
エミーリア
「ううん……夢だったらよかったんですけど」
KP
少女の体が引き裂け、カレーに腸がこぼれ落ちる、凄惨な光景。
皆の悲鳴。
あれは決して、ただの夢や幻などではなかったはずだ。
八重山 アカネ
「夢だったとしても、ただの夢じゃないのよ、きっとね……。
 自分で言ってて、スピリチュアル染みてて嫌になるけどね」
エミーリア
「……
ここって、何なんでしょう。
私たちや、みんなはどうしてここで、そして戦わなければいけないんでしょう」
八重山 アカネ
「分からないわ。死んだ後でまだ死ぬかもしれない、クソみたいな場所だっていうけど。
分からないのよ。何も」
エミーリア
「ここが本当に辺獄だとして……死んだら、どうなるんでしょうか」
目の前で大人しく寝息を立てる少女が、その死に顔に最期に浮かべていた表情を思い出す
八重山 アカネ
「消えてなくなるのかもね。今度こそ」
エミーリア
「……」
八重山 アカネ
「……そのままじゃいけないわ、きっと。このまま戦い抜いて、その先に本当に何かがあるのかも、分からないんだもの」
エミーリア
「それは……」
八重山 アカネ
「分からないことが、多すぎるのよ。あの子は、それをなんとかしようとした。知ろうとした」
エミーリア
「その死が、消滅が救いとなるようなことって、あるんでしょうか……」
八重山 アカネ
「あるんじゃないの。死んだ方がマシなことって、幾らでもあるもの」
エミーリア
「そんなこと……
そんなこと、ありませんよ……!」
これまでに無いような、強い語気で、吐き出した
視線は、握りしめた自身のスカートの皺に落としたまま
「死んでよかった、なんて、そんなこと……!」
八重山 アカネ
「……あるの? 誰かが死んだのを、見た事」
エミーリア
「……。……。……」
唸るような音が喉の奥で鳴り、歯を噛み締める歯軋りが響く
いつかどこかの光景
色の無い、その記憶の光景
白い部屋の飾り気の無い寝台に身を起こして泣き崩れる母と、その肩をただ抱いて項垂れる父の姿
何もできず、ただ正体のわからぬ喪失感を胸に、それをただ見つめているしかできなかった光景
KP
妹さんか
エミーリア
そうそう
エミーリア
「……生きるしかないんです。どんな形だって」
ただ、それだけ吐き出すように呟いた
八重山 アカネ
「……
そうなのかしらね。生きる道がどこにもなくても」
エミーリア
「それは……!」
その言葉に反しようと顔をあげた時だった
片瀬 瑞彩
「……シラユリは! ……シラユリはそんなこと、しませんっ!」
KP
突然はっきりとした声が聞こえた。
八重山 アカネ
「瑞彩? 聞いてたのね」
エミーリア
「……瑞彩ちゃん?」
KP
瑞彩は寝息を立てている……
寝言のようだ。
エミーリア
「……寝言?」
八重山 アカネ
「……寝言ね。驚いたわ」
エミーリア
立ち上がり、彼女のそばへ行き、布団を直してやる
KP
瑞彩は嫌な夢を見ていたのか、寝苦しそうに布団を乱していた。
エミーリア
肩口までしっかりと布団を掛けてやって、落ち着かせるように、ぽんぽんと軽く叩いてやる
KP
瑞彩はそれ以上何か言うこともなく、また静かに寝息を立て始めた。
エミーリア
「……大丈夫」
落ち着いたその表情に、微笑みを小さく漏らし、そっと額を撫でる
八重山 アカネ
「……何だか気が抜けたわね。寝ましょうか、今後長丁場なんでしょうし。
悪かったわね、変な事言って」
エミーリア
「……いえ。
……アカネさんは先に休んでください。……私は、もうちょっと」
言って、机に戻る
八重山 アカネ
「そう。じゃあ言葉に甘えるわ」寝床に入る。
「ねえ、エミーリア」
エミーリア
「……はい?」
端切れを改めながら
背を向けたまま
八重山 アカネ
「知る事がないといいわね。死が救いになる時を」
エミーリア
「……」
小さな端切れをクシャりと握って
「……おやすみなさい、アカネさん」
八重山 アカネ
「……お休み」
小さく呟くように返して、目を閉じる。
KP
八重山はそのまま布団に入り、エミーリアもすべきことをしてから休んだだろう。

エミーリア視点
KP
あなたは夢を見る。
ぼこり。あなたが息を吐くと、それは泡になって上へ上へのぼっていく。
何故だろうか。あなたは暗い暗い――深海のどこかにいるような気がした。
「起きて。ねぇ、起きて」

あなたのすぐ側で、男性とも女性とも思えるような声が聞こえる。
複数のそれはまるで歌うように、あなたが起きることを望んでいる。

だが、あなたの身体は動かない。
エミーリア
「……」
ぼんやりとした頭で、声を聞く
KP
「起きて」

血の匂いがする。
歌声は悲鳴に変わり、人々の命が消えていく気配がする。
人の時代は終わった。
星辰は正しき位置に戻り、新しき恐怖が訪れる。
ああ。
主は来たる。
エミーリア
(誰……?)
「……!」
思わず開いた口から、泡が立ち上る
何か見えたりするのかな
KP
ぼんやりとしたイメージだけが見える。
エミーリア
(何を……?)

アカネ視点
KP
あなたは夢を見る。
あなたはシラユリのコックピットにいる。姫としてシラユリに乗っている。

騎士があなたの前で怪物を殺している。あなたからは騎士の背中しか見えない。

騎士は前を向いている。当然だ。前を見なければ怪物を殺せないのだから。
騎士は敵を殺している。当然だ。それが騎士の役目。人類を救う唯一の手段。

心臓が高鳴る。まるで全身を焼かれるかのような苦痛が身体の奥から伝わってくる。
騎士は前を向いている。
騎士はあなたを見ていない。
ぽつり、ぽつりと、脂汗があなたの太ももに落ちる。
八重山 アカネ
ずっと悪態をついていた。何にかは分からない。
ずっと泣き叫んでいた。何のためにかは分からない。
KP
今だけ。今だけはどんな表情をしても、騎士に苦痛がバレることはない。
騎士が世界を救うこの瞬間だけは。
あなたは自由だった。
八重山 アカネ
何の自由もなく縛りつけられているというのに。
もういっそ、やめてしまえと、目の前の騎士に言えたなら。
それでよかったのに。

伊藤 加奈
「起きろ起きろ起きろ~~~!!!!!」
KP
あなた達は加奈の声が目が覚めた。
外はまだ薄暗く、日は昇りきっていない。
エミーリア
「うわっ?」
八重山 アカネ
「ぐぎゃっ」
伊藤 加奈
「なんかっ! でっかい魚の巨人が出ましたわ!」
八重山 アカネ
「ああもう、クソ! クソが!」
エミーリア
思わず飛び起きる
寝不足の頭に鈍痛が走る
KP
その声を聞いた瑞彩は基地の外に出る。
希と有栖はここにはいないようだ。
エミーリア
「えぇと、加奈ちゃん……?」
八重山 アカネ
大股で寝床から飛び起きる。
伊藤 加奈
「ともかく見てみるのが1番早いですわ!」
八重山 アカネ
「ああもう! はいはい!」鈍痛をこらえながら、眠気の残る身体で上へと向かう。
KP
加奈は焦った顔であなた方を促す……
エミーリア
下着姿で寝床から這い出し、枕元に畳んだ服を見て少し迷ってから、
「ああ、もう!」
シーツを纏って、部屋から出る
KP
外に出ると、双眼鏡で海を覗いている有栖がいた。
その視線の先にはシラユリほどの大きさ――20mになった魚人がいる。
その巨体は既に陸からあがり、あなた達に向かってゆっくりと前進していた。
八重山 アカネ
「うわ、クソデカ」
エミーリア
「何、あれ……」
八重山 アカネ
「ああもう。今度は格闘戦ってわけ? クソでしょうが」
エミーリア
「大変……!」
八重山 アカネ
「っぷ、気色悪」
KP
鱗に覆われぬめぬめとした体、てらてらと光る体、漂ってくる異臭。
それはとても現実のものとは思えない悪夢の光景だった。
SANチェック成功時減少 1失敗時減少 1d5
八重山 アカネ
CCB<=56 《SANチェック》 (1D100<=56) > 14 > 成功
[ 八重山 アカネ ] SAN : 56 → 55
エミーリア
1D100<=86 正気度ロール (1D100<=86) > 75 > 成功
[ エミーリア・マルガレータ・ヨハンナ・マリア・草加 ] SAN : 86 → 85
エミーリア
日付リセットは?
KP
リセットしてください。
エミーリア
はーい

KP
といったところで本日はここまでです!
エミーリア
お疲れ様でした!
八重山 アカネ
お疲れ様でしたーーー!
KP
やっとクトゥルフになってきた。
八重山 アカネ
やったぜ。これはCoCだったんだ。
次回もよろしくシラユリ!
『魚人theクソデカバトル! ~夜中は勘弁なを添えて~』
エミーリア
これでようやく対等などつきあいだぜ
美味しいレモンティー
八重山 アカネ
あ、そういえば全然関係のない情報をお二人に
KP
はい
エミーリア
なんだろう
八重山 アカネ
ふるさとレモンですが、「コープ瀬戸内レモンのレモネード(粉)」という類似品を見つけたので見かけましたらぜひレモンティーしてみてください 

以上!
エミーリア
ふむふむ
八重山 アカネ
あれ飲みやすい系の紅茶と合わせると、本当に甘くて美味しいレモンティーが粉だけで生成できて冬の大正解なんですよね
エミーリア
加入してれば買えそうだよ
八重山 アカネ
という本筋に関係ないことを失礼しました
KP
なるほどなるほど、コープは一応入ってるから探してみよ。
ありがとうございます。
八重山 アカネ
いえいえ。こちらこそ突然のオススメ失礼しました。

コメント By.KP
なんとなく不穏な空気が漂い始めます。
ここには何が隠されているのだろう……?

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クラウドウォーカーで階段で防具なしでずっこけたら死ぬなぁ。
なんつーもんに乗ってるんだペルソナの連中は。

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