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こちらには
『それは月明かりの下で』のネタバレがあります。

本編見る!
ユキ
こんばんは! 猫みたいになっていく兄弟は傍目から見るとかわいいけど当のユキさんが猫だからそういうリアクションをしてくれない!
KP
こんばんはー
ユキ
よろしくお願いしますニャ
KP
よろしくお願いします!
KP
さて、夢の世界から戻ったあなたは、朝一でこうたが遊びに出てしまったのに付き合って、地蔵堂まで来ている。
茂みのかげに、昨日と同じ老猫が寝ていた……といったところ。
着々と猫化して行く少年達の運命やいかに!?
ユキ
いかに!
KP
模様がほとんど消えかけた猫は、ゆったりとあくびをした。

ユキ
「邪魔して悪いね。
爺さん、一つ聞きたいことがあるんだ。
ちょうど会えてよかったよ」白い尻尾を揺らす。
KP
猫は目を閉じたままで耳だけをぴくりと動かした。
ユキ
「ありがと。ここのお地蔵様が、元々森のどこにあったか知ってるかい?
あの亡霊のことを知りたいんだ。その場所になら何か、残ってるかもしれないと思ってね。
近づくなって言うだろうけど、そういうわけにもいかなくてね」
KP
「……」
猫は片目を開けて再び閉じた。知らないらしい。
「昔なー」
ユキ
ぴくり、と耳を動かして、話をじっと聞く。
KP
「よく世話をやいてくれたぁ、白猫がおったぁ。
あんたよぉにとる」
クロ
「そんな思い出話じゃなくてさぁ~! 地蔵さんのことだよぉ~!」
ユキ
「いいんだよ、クロ。今知りたいのは昔のことだもの」
KP
老猫はクロの失礼な態度を気にとめた様子もなく語り続けた。
「シロタエちゅーたのぉ……
わしが子供ん頃に、あの屋敷に住んどった。
なつかしいのぉ……」
老猫は呟くと、また眠ってしまったようだった。
クロ
「言いたいことだけ言って寝ちゃったよ」
ユキ
「あの屋敷……」ぽつりと呟く。
ユキ
あ、KP質問。屋敷は森の中にある認識で合っていますか?
KP
そうです。森の中にはあの屋敷が一軒だけ建ってる感じです。
ユキ
ありがとうございます。
ユキ
「そうだ、あの屋敷だよ。クロ、あの屋敷だ」
クロ
「にゃ?」
ユキ
「あの屋敷、森の中にあんだよ。
あたしらは近づいちゃいけない森に入って、あいつに会っちまったんだ」
座っていた姿勢から、ぐわっと立ち上がる。
「爺さんの話からしたら、あの屋敷は二十年前からあったんだ。爺さんが子供の頃ってこたぁ、そうだろ」
クロ
「えっ、えっ、屋敷関係あんの?
あ、ああそういうことになるかな?
そもそもあいつ屋敷に出たよね?」
ユキ
「そうだよ、そうだ。あいつはちゃんと戸締りしてるはずの家ん中に出た。
あんたが入ってるくらいだから、気にしてなかったけどさ。あいつは家ん中を探し回ってた」
少し焦ったように、たしたしと土の上を踏む。
クロ
「でででででも、オレがあそこに住んでて会ったのは初めてだしさ……」
クロ
実はクロは夜中にあの家うろついたことがない。
ユキ
「寝てたんじゃないのかい? あんた。いや、もしかしたら、あたしらが来た事であいつの注意を引いちまったのかもしれないよ」
クロ
「ああ、えっと、姐さん似てるんだっけ。
それで来ちゃった?」
ユキ
「かもしれない。見えないってのに毛皮の白の黒のが分かるのかね」
ユキ
~ただいまのほうしん~
 ・お地蔵様が元あった所へGOする(昼or夜)
 ・家の中で亡霊とシロタエの痕跡を探す
 ・ドリームランドの月の光が届く所に亡霊を連れていく
 ・お爺ちゃんが帰ってきたら、お爺ちゃんと居れば知人にも話を聞きたいけど猫なのよね。
クロ
「うーん、どうなんだろ。
見えてたら『みぃっけた!』ってなってさぁぁぁ、どこかに連れてかれちゃう?」
ガクブル
ユキ
「さぁね。あんたは黒いから大丈夫じゃないかい」
クロ
「そ、そっか、そっか! 良かった!
良くないよ! ユキさんもこの子達も連れてかれちゃうかも知れないじゃん!」
KP
クロは焦ってぐるぐると回り出した。
ユキ
「あんたいい奴だね。ありがと。
そうだよ、その猫の代わりにされてたまるもんか。同じ毛皮だってあたしはそいつじゃないし、あの子たちもそいつじゃないんだ」
クロ
「大体さ、そいつがそのシロタエってひとさがしてるとしたらさ、もういないかも知れないしさ。
どうしたらいいんだよぉ……探すったって」
ユキ
「ネズミ探しならぬシラミ潰しでやるしかないね。クロ、あんたあの家のことには詳しいかい?」
クロ
「えーと、どこになにがある、くらいなら……」
ユキ
「あたし、昨日部屋を全部見られてないんだよ。曖昧だけど何か物が残されてたところや、猫が住んでそうな所はあったかい?」
クロ
「ねこ、猫はさ、今朝ユキさんたちがいた部屋だけど……
物だったら、オレがいつも寝てる抜け道がある部屋か、本がいっぱいある部屋かなー」
ユキ
「本?」
クロ
「いかにも人間が好きそうな物がいっぱいあるんだよ。
埃だらけで、ずーっと人入ってない感じなんだけどさ」
ユキ
「人が入ってない……。入ってないのか。そんなら、昔の物が残ってるかもしれないね。
よし、家探しだ。クロ、付き合っておくれよ」
クロ
「わかったぁ!」
ユキ
2回行くのは時間がもったいないし、お地蔵様捜索は夜間にしておくかな。先に家探ししよう。
家が森の中にあるのがすっかり認識から抜けてたなぁ。
KP
描写が足りなかったと思います!
ユキ
いえいえ! こちらの認識違い! ヒントありがとうございます
こうた
「にゃにゃ~」
ユキ
「こうた……」
KP
こうたがぐるぐる、と喉を鳴らすような音を立てた。
よく見るとその耳は毛に覆われて、尖り始めていた。
ユキ
毛の色は?
KP
浩太君も浩司君も髪は赤茶けた薄い色だから、そんな色と白が混ざってる。
ユキ
「……」グルル、と唸って、その見慣れた色と白の混じった毛皮を睨んだ。
ユキ
「よし行くよ、クロ」
クロ
「ガッテン!」
こうじ
「ユキかえるのかにゃ? もう帰ろう、あにき。
駄目だよここで寝ちゃ」
こうた
「ふにゃあ~」
ユキ
寝そうなこうたの足をつんつんと頭でこづいて、帰ろうと促す。
KP
こうたは眠そうに目をこすって、こうじに手を引かれて歩き出す。
ユキ
先導するように、どこか焦った足取りでたったっと前を行く。

KP
家に戻ると子供たちは、カリカリを皿に空けて、あなたとクロとともに昼食を食べ始めた。
とっておきのちゅーるは数が足りなくなってしまったので半分こずつである。
こうじ
「あんまりおいしくにゃい。カンヅメの方がいいにゃあ」
KP
いつの間にかこうじのズボンの隙間からもまだらの尻尾が覗いていた。
ユキ
「ほんと……、変な感じだねぇ。いっそ、この子らと話せたらよかったのにさ。
変な声で鳴くばっかで、話はできないんだ」
彼らと同じようにカリカリを食べながら、子供達がカリカリを食べる姿を辛そうに見ている。
クロ
「だってなんか、猫になってるって感じともちょっと違うもんな」
こうた
CCB<=50 (1D100<=50) > 93 > 失敗
[ こうた ] 変異 : 3 → 4
こうじ
CCB<=55 (1D100<=50) > 69 > 失敗
[ こうじ ] 変異 : 2 → 3
ユキ
増えたぁ!
こうた
・毛繕いを始める。爪とぎを始める。猫耳がはえる。
KP
ご飯を食べ終わったこうたは、手の甲をぺろぺろと舐めては頭をこすり始めた。
ユキ
「ああ……。もしかしたら、だけどさ。
猫なんかじゃなくて、あいつが、人間が見てる『猫』なのかもしれないね」
クロ
「猫もどき、って言ってたっけ。
生きる力をなくしちゃうってことは、猫として生きることもできない、ってことか」
ユキ
「ああ。
人間は、あたしらの尻尾の先くらいしか見えてないみたいだからさ」
クロ
「オレが人間の子供嫌いなのは、あいつらがヤダっていってるのにやたら撫でてきたり、尻尾ひっぱったりするからなんだよ」
ユキ
「あるねえ。掴まれて持ってかれた事あるよ、あたし」
クロ
「猫攫いなんて引っ掻いちゃえ。
ぜんぜんわかってないものに変えられちゃうの、こわいな……」
ユキ
「それで捻じ曲げて、あいつが満足してるわけでもなさそうだしね。
知ってるよ、こういうのを誰も幸せにならないって言うんだ」
ユキ
二人の様子を確認して、猫っぽくなりつつある以外に気づく所はありますか?
どこか特定の場所に執着しているとか。
KP
ああー、それは今のところ見当たらない。
ユキ
つまり変異が進んでくると発生するんだな。>特定の場所に
KP
アラヤダ
まあそういうことですね!
KP
こうたは背を丸めて伸びをすると、柱に爪を立てて引っ掻き始めた。
ユキ
「よし行くよ。こうたの爪がボロボロになっちまう前に家探し開始だ」
クロ
「おっけー、本だらけの部屋こっちだ!」
ユキ
「こうじ、こうたを頼んだよ……」二人を見やると、ニャア、と一つ高く鳴いた。
KP
こうじは返事するように「にゃにゃにゃぁ」と鳴いた。
ユキ
兄のことを頼まれるのが弟の方なのだった。
ユキ
というわけで、本だらけの部屋に移動です。

KP
ここが人間たちに『書斎』と呼ばれている部屋であることをあなたは知っている。
『おじいさん』がいつもいる部屋、こうたが入り込んでは本を読んでいる部屋に雰囲気がそっくりだった。
あなたは、この部屋の中からほんのかすかに嗅いだことのない匂いを感じ取った。
ユキ
少し目を細めて室内を見渡す。あいつもこうたも、こういう部屋が好きだ。
嗅いだことのない匂いを辿る。その匂いはどこから?
KP
書斎には古風な文机があり、本棚にはとても古そうな本が並んでいる。
書斎の中、埃と古い本の香りの中にただようその香りを探し歩けば、大きな本に行き当たる。
分厚くて重い。
ユキ
それは何の匂い? 猫? 人間? その他?
KP
とても微かだが、人間の匂いのように思える。
クロ
「なんだい、本?」
ユキ
「ああ、ここから知らない人間の匂いがするんだ」ふんふんと匂いを嗅ぐ。
KP
そうだな、あなたは知っているだろう。
これは「アルバム」というものだ。
人間たちが、自分の姿をうつした紙をここに挟んで残していく。
こうたやこうじも、しょっちゅう自分たちの生まれた時の写真などを見ている。
あなたがまだ小さい子猫だった頃の姿なども、残されていた。
ユキ
不思議なもんだよねと思う。人間はあたしらよりも、昔とか、思い出とかってもんが大事なんだ。
そのくせ夢の中に思い出を置いといたりできないもんだから、こうやって外側に残しとく。
ユキ
ユキさんの写真、事件以後の浩太が家に帰った時も家にそのままあるんだろうな……。
KP
ユキさんの写真、佐倉が見たら「ああー」ってなるんだろうな。
ユキ
なるんでしょうねぇ。あの猫だ! って。
ユキ
「開けてみよう。手伝ってよ、クロ」
特に匂いの強いページなどはある? あれば、そのページを開いてみます。
KP
では折角なので【DEX】/2でどうぞ。
ユキ
【DEX】×5)/2?  (【DEX】×1)/2?
KP
あ、そうか。それなら×3あたりかな。
ユキ
CCB<=(18×3) 【DEX】 (1D100<=54) > 41 > 成功
KP
さっすが
ユキ
さすが猫、浩太とは段違いの【DEX】だ。
KP
あなたはアルバムを器用に引きずり出す。
クロも前足で突いたり頭で押したりして、アルバムをどうにか床に置いて広げた。

KP
それはある老人と真っ白な猫の記録だった。
猫がまだ幼い子猫の頃から、年老いた猫になるまで。
色々な場所で、色々な姿で、ひとりと一匹は笑っていた。
写真には日付が入っている。
日付……というものをあなたは知っているだろうか。
少なくともその写真は、こうたやこうじの赤ちゃんの頃の写真よりもずっと古い物に思えた。
ユキ
知ってるよ。むかしのことには小さい数字が書いてあるんだ。一番左のが一年なんだろう。
こうたが数字を数えてそう言ってたもの。
KP
一番新しい、痩せた白い猫が穏やかに目を閉じ、それを優しく抱いた老人の写真に入っている日付は、20年前の物だ。
猫の首には鈴がついた赤い首輪が巻かれていた。
ユキ
「やだねえ……。似てるなんて言われたから、何だか想像しちまった」
クロ
「ああ、昨日はおじいさん、いたなぁ。
あれがあんたの飼い主?」
ユキ
「そうだよ。あたしのともだち」
クロ
「ともだち?」
ユキ
「そうだよ、ともだち。あたしが産まれてから、ずっと横にいたんだ」
ユキ
ユキさんの過去を捏造していく!
ユキさんはスキルセットを見る感じ、生まれた頃から飼い猫で、人間を自分の家族だと思っているしちょっとムーブが人間っぽくなってる猫と思われます。
KP
そんな感じですよね。
ユキ
「……ほんとはさ、こうたとこうじが大きくなるまで、ずっと見ててやりたいんだ。でも、分かってんだよ。人間はあたしらよりずっと、大きくなるのが遅いもの」
クロ
「そっ……か……
で、でもこのままじゃ、あの子達の方が先に……」
KP
言いかけて耳を寝かせ言葉を飲み込んだ。
ユキ
「猫がしんみりしてる時に言うんじゃないよ。でもその通りだ。そんなこと言ってる場合じゃないね」
クロ
「ご、ごめんよ。
この猫か、シロタエさん」
ユキ
「何かもうちょっと書いてないのかい、これ。名前とか」
写真の周囲に名前や日付以外の記録などはありますか?
KP
あなたは文字が読める猫だしな。
写真に書いてあるコメントから、その老人が「中森弥太郎」という名であることを知る。
また、その写真を剥がして持って行くことはできるだろう。
ユキ
「悪いけど借りるよ」写真を咥えて剥がしていく。
裏にノリがついているだろうから、自分の毛皮にくっつけて運ぼう。
KP
また、あなたはそのにおいを覚えた。
かすかであろうとも、今後そのにおいがしたら嗅ぎ分けたり気付くことができるだろう。
ユキ
猫の名前は書いてある?
KP
「白妙」とある。
ユキ
「シロタエ、か。合ってるみたいだね」
写真の裏には何か書いてありますか?
KP
そうだなー、「白妙の具合が悪そうだ、心配だ」というようなことが書かれている。
ユキ
書斎の中に、他にその匂いがする場所はありますか?
KP
では、床に置かれていたこれまた立派な日記帳を見つけた。
ユキ
「おや。こいつは日記帳ってやつじゃないか」
クロ
「ニッキ?
手で書いた本か」
ユキ
「毎日とか、数日ごととかに開けるみたいだね」
日記帳を嗅いで、匂いの残るページがあればそこを開けてみます。
KP
〈人語〉いくつだっけ。
ユキ
60ですね。
KP
60か。じゃあ判定しよう。
ユキ
CCB<=60〈人語(ニャース)〉1D100<=60) > 61 > 失敗
ああっと、惜しい!
KP
おっしい。
達筆すぎて読み取るのは難しい。しかし、「白」という文字が読み取れる。
ユキ
浩一郎お爺ちゃんも日記はつけてたんじゃないかな。
ユキ
「字なのかいこれ?」顔をしかめながら拾い読みしていく。
白……が、心配。白……がいない。
見つけに……
KP
そんな文章でその本は終わっていた。
そこから先は、真っ白なページが続く。
クロ
「あれ、ここで終わりなんだ」
ユキ
「……見つからなかったんじゃないかねぇ。この人に何があったか分かんないけどさ」
どうしよう
KP
今すっっっげー迷ってましてね。
ユキ
お?
何かお手数をおかけしているかしら
KP
浩一郎お爺ちゃん今日帰ってくる予定だったんだけど、帰ってこさせるか否か。
もうドリームランドに行った時点でアレだし、おじいちゃん帰ってきてアシストしてくれてもよくない!?
ただ、孫の無惨な姿を見ることになってしまう。
ユキ
ちょっと可哀想ではある。
いたらユキさんは日記帳くわえて持っていくつもりだし話を聞きに行くつもりだけど、いない方がユキさんの奮闘が際立つのはありますね。
KP
そうなんですよねー。
よし、かえってこない!!
事情は他のヒトに訊くか、事後に!
終わってからおじーちゃんが写真見つけてもいいし。
ユキ
ああ、それは綺麗かもですね。
基本、おじいちゃんは顔が見えない背景人物くらいの立ち位置で、はっきり前に出てこない方が牧志家の物語としては綺麗な気がしています。
KP
そう、それもあって出したくなかった。
ユキ
ですね。主人公は浩太&浩司とユキさんの世代。

ユキ
「しっかし参ったね。確実にいないんじゃないか、もう。
もしかしたら、あっちには居るかもしれないけどさ」
KP
【アイデア】ー!
ユキ
CCB<=70 【アイデア】 (1D100<=70) > 59 > 成功
「いっそ、あたしが首輪巻いてそいつのふりしてやろうか。酷だけど」
KP
この白妙という猫は、もしかすると門を通ってあちらへ行ったのではないだろうか。
だがそれを知らない飼い主は、森に捜しに行ってしまったのだ。
見つかるはずもない、大事な相棒を。
ユキ
「……」ふと、日記帳を見下ろして黙り込む。
「そういえばここ、夢への道があるんだ」
クロ
「うん」
ユキ
「猫は門を通れるだろう。でも人間は…… 通れる奴はいるけど、猫よりずっと少ない」
クロ
「……うん」
ユキ
「もしかしたらこいつ、行っちまったんじゃないか、あっちに」
クロ
「シロタエが?」
かさなる立場
ユキ
ああー、そういうことだったのか。
夢への門があるのは人間の方が何かしたんじゃなくて、そういう意味だったんだ。
KP
きっとユキさんはね、浩一郎さんが亡くなった後、彼を探して向こうへ行ったんじゃないかなと……
ユキ
ああー………………………………
ともだちを、相棒を探して向こうへ跳んじゃったんだ。
こうたとこうじが大きくなるまで彼らを見ていられないことも、知ってたもんなぁ、ユキさん。それなら相棒を追いかけるよな。
浩一郎さんも因縁を背負っているから、それならあっちにいるかもしれないと思っちゃうだろうし。
KP
一緒に行ったこともあるかも知れないし。
ユキ
ありそう。おじいちゃんは色々知ってそう。

KP
死を目前にした猫があちらへ渡る時は、肉体がこちらに残るはずだ。
ユキ
「ああ。あたしらはさ、最期に夢を渡る時には、こっちに体を残していくだろう」
クロ
「そうか……でも、それも見つけてないんだ、この飼い主のヒト」
ユキ
「もしかしたら……。見つけられてないままだから、諦めらんなかったのかもしれない。
あたし、知ってるんだ。人間にはあきらめの儀式みたいなのがあるんだよ。
冷たくて白い花が咲いてる所で、お別れを言うんだ」
KP
クロは黙って写真を見下ろし、においを嗅いでいる。
クロ
「オハカ?」
ユキ
「そう。それ」
クロ
(たまにご飯食べに行くとこだ)
っていうのは言わないでおこっと。
ユキ
いいんですよ言っても。
クロ
「一杯美味しいの置いてあるの、お別れのご飯だったんだ。
でも笑ってることもある」
ユキ
「ああ、食いに行ってたわけだ」喉の奥で笑う。
クロ
「う……うん……」
ユキ
「いいよいいよ、どうせ置いてても腐るかカラスか何か食うだけだろ。
お別れ言って、想像した所でおしまいなんだ、ああいうのは」
KP
クロはほっと力を抜いた。
ユキ
「……よし、ちょっと方針が決まった。
夢への門の前に、こいつの骨か何か残ってるかもしれない。あー、まあ、猪に喰われてるかもしんないけどさ。
あいつを夢に連れてってやれりゃあ一番いいんだろうけど、それが無理なら、せめて。
叩きつけてやるんだ。“もう諦めろ。あの子はそいつの代わりにはならない” ってさ」
こうた
1d100 (1D100) > 10
こうじ
1d100 (1D100) > 92
[ こうじ ] 変異 : 3 → 4
ユキ
あーあー増えた。
KP
1d2 (1D2) > 1

KP
ガタガタ、と音がした。
ユキ
ぐるりとそちらを振り向く。
KP
何者かが屋内を歩いている。
軽い足音だ。
ユキ
子供たちの足音とは違う足音?
猫の足音っぽい? 人間? その他?
KP
いや、そう思うなら、少し様子はおかしいが子供の物だと気付くだろう。
廊下を歩き、キッチンを通り……
ユキ
「……何だい。何だか様子がおかしい……」書斎から顔を出してそちらを見遣る。
KP
土間を出て、外へ。
こうたの後ろ姿が、遠ざかって行く。
ユキ
「こうた!」
KP
〈ヨウル〉またはそれに類する技能!
ユキ
低いんだ〈ヨウル〉! 〈洞察〉でこうたの様子を推し量って+補正つきませんか?
KP
うーん、そうだな。
何らかの方法で気をひければいい。
それこそ引っ掻くとかものでつるとかでもよい。
ユキ
飛び出してその足元にタックルしよう。
ついでに超緊急時ってことで、『こうた!』と人の言葉で名を呼びます。
KP
ok、こうたはゆらゆらと歩いているのでタックルはできる。
〈人語〉で判定。
ユキ
CCB<=60〈人語(ニャース)〉1D100<=60) > 90 > 失敗
ユキ
ああーっ!
KP
大丈夫、止めることはできます。
KP
あなたは耳元で叫んだ。
こうたは目をぱちくりさせる。
こうた
「にゃにゃにゃあ?」
KP
たどたどしい「さよなら」を呟きながら、あなたを抱き上げて辺りを見回した。
ユキ
耳元で叫びながら全力でこうたを押し止める。
行くな、こうた。行くんじゃないよ。
家の方に首を向けて繰り返し鳴く。
こうた
「にゃにゃにゃあ」
KP
こうたはあなたを抱いて、解せぬ、という顔で首をかしげながら家に戻って鍵をかけた。
ユキ
はあぁ……。今日食ったカリカリごと肝が潰れるかと思ったよ、くそ。
ユキ
いうて猫なので内臓認識は曖昧。>胃腸肝臓
KP
あなたを抱いて撫でる手は、人間のほっそりしたものではなく、なんとなく丸っこい、歪なものになっていた。
ユキ
歪な手に撫でられながら低く唸った。
あいつがどれだけ相棒を好いてたんだろうが、やっぱり。

許しちゃあおけない。

KP
本日はここまで!
次回あたりで終わるかな?
ユキ
ありがとうございましたー!
かな? 雰囲気的に。
KP
ここでふらっと出てっちゃうのが、条件同じだったのにこうたなのがちょっとらしいなと思いました。
ユキ
なんですよね。らしい。危なっかしいなぁ全くでもあるし、そういうものに誘われやすいのも浩太っていう。
KP
最初はこうたの方に変異に+補正点けようかと思ってたんですけど、結局条件同じでやってるんですよ。
なのに変異早いのも出てっちゃうのもこうただった。
ユキ
なのにこうたの方が先に変異していくし出ていくっていう。因縁かな?
KP
因縁かも知れません。
ユキ
急速に変異していく兄弟が怖くてヒヤヒヤするけど、ユキさんの過去と現状(とたまに未来)も掘り下げられて楽しい。
ユキさんの未来と変に重なっちゃうところが少し面白い。
KP
いいですねぇ。
ユキ
でもユキさん現状、「浩一郎が先に死ぬ」ことは想像してないんですよね。人間は長生きすると思ってるから。
KP
ああー……
ユキ
そこ(人間の寿命への認識)はちょっと曖昧なんだ。
KP
自分よりずっとゆっくり歳を取るはずの人たちだもんな……
いなくなっちゃうなんて思ってなかったんだ。
ユキ
そう。猫よりずっとゆっくり大きくなって、ずっとゆっくり歳を取っていくと思っているから、まさか先にいなくなっちゃうなんて思ってなかったんだ。
KP
だからねー、この話ちらっと「ユキさん主役でやりたいな」と思ってたんですよ。
でもそうすると浩一郎さん飼い主になっちゃうし、それはちょっとボカしておきたいなぁと思ったので一度提案諦めたんですが。
「子供牧志で」って提案もらって「それだーーーーー!」って。
ユキ
なるほどーーーーー!
この話ユキさん主役、すごくはまって楽しいです。ありがとうございます。
KP
やって良かった。
ユキ
これはやれてよかった。ユキさん周りがすごくはっきりする。
KP
もうこれ、起きた事件やギミックはそのまんまなんですが、変異するのが子供だとか、引っ越すわけじゃないとか、KPのポカミスとかでシナリオからは大きく外れてます。
ユキ
調整ありがとうございます!
子供だったために傍から見てすごくかわいいことに。
KP
シナリオは13日まで無料で読めるので、それまでに終わったら見比べて笑ってやって欲しい。
ユキ
おっ、その時はぜひ見比べたい。
ちなみに、ほんのり程度なんですが、ユキさんの台詞はちょっと前の時の佐倉さんの台詞に重ねています。
KP
ああー……
ユキ
“もう諦めろ、代わりにはならない”。
PL的なお遊びの範疇を出ませんが、因縁が強くていいかなって。
KP
こっそり前の台詞に引っかけるのとか楽しいですよね……
ユキ
こっそり拾ったり引っかけたりするの、お遊びの範疇だけど楽しい。
こんな遊びも「いつもの」があるおかげで見返しやすくてさっとできる!
KP
いつもの役に立って嬉しい!
ユキ
めっっちゃくちゃ見返しやすいし生ログよりもずっと味わい深く楽しめるし本当にあって嬉しいです 助かっています
置き卓に至ってはDiscordのログじゃいつ何かあってアクセス不能にならないとも限らないし、そもそも昔のメッセージ見返しにくいUIだしで、本当に本当に助かっています
KP
よせやい照れるっ! ありがとうございます!
ユキ
よし、ではありがとうございました!

ひとこと
KP
『探しているもの』はなんなのか。
人間はいつだってちゃんと見えていないのだ。

ねこはついにそれの尻尾を見つけるのだった。


CoC『AND/HAND』佐倉&牧志 1

「死んだ隙に、か? 大胆過ぎる手口だな」
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【置】CoC『midnight pool』 佐倉&牧志 5

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【クトゥルフ神話TRPG】
本作は、「 株式会社アークライト  」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。

Call of Cthulhu is copyright ©1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc.
Call of Cthulhu is a registered trademark of Chaosium Inc.
PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION 「クトゥルフ神話TRPG」


Zephyranthes 第九話 『Alice in Mirror World』1

『Alice in Mirror World』1

CoCキャットゥルフ『それは月明かりの下で』 ユキ 1

気のせいだなんて思えるほど、猫の第六感は鈍くはないのだ。

真・女神転生 TRPG 魔都東京20XX 第二部 東京侵食 第二話 1

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