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こちらには『それは月明かりの下で』のネタバレがあります。
アプリ版限定のシナリオで、2024年3月21日までは無料配信されています。
だいぶ好き勝手アレンジしてるので、実プレイの参考にはしないでくださいね!

ユキ

牧志家の猫。
人間に関する知識が豊富な代わりに猫としての力は弱めらしい。月を跳んで夢へ渡る力を持つ、ごく普通のにゃんこ。


キャットゥルフの呼び声
このシナリオを遊ぶきっかけは、いつもの真・女神転生派生CoCシリーズを置きで遊んでいる途中、定期卓がなくなってしまったことでした。
KP
本日置きに専念してもいいんですが、なんかリアルタイムやるのも楽しいかなと思うのですよね。
普段やらない殺意マシマシのやつとか、公式のやつとか。
牧志 浩太
おお、確かに。何かやります?

殺意マシマシのやつをやるのも面白いかも。実は手元にその名も「高ロス限」ってシナリオ集があります。

公式でいうと『奇妙な共闘』やったことないんですよね実は。面白そうなんだけど。
KP
今更ですが、個人的にはキャットゥルフとか『コーヒー一杯分の恐怖』とか気になってるとこですが。(どっちも公式。ただし2~4)

お、ロス限もいいな。
KP
『奇妙な共闘』知らないや。探してみる!
KP
共闘は3~5か。調整必要かな。そして時間が結構長い。
どっかでプレイヤー募集してやった方がいいかな?
牧志 浩太
ああー。ですね。それならちゃんと3~5PLでやりたい。>結構長くて3~5
牧志 浩太
キャットゥルフ! あれ気になるんですよね。まさかのユキさんPC化?
コーヒー一杯分の恐怖も気になる。

高ロス限見てみたけど、結構2PL以下のシナリオもあるっぽいです。
KP
キャットゥルフはですね、子供牧志とユキさん参加してもらうのもいいな。
牧志 浩太
あっいいな。キャットゥルフ、ルール持ってなくても大丈夫ならぜひやってみたいです。
KP
キャットゥルフ自体がドリームランドに縁深いルールっぽいし。
牧志 浩太
ですねー。
KP
お、じゃぁその設定でやってみますか~
牧志 浩太
じゃあそれで! キャットゥルフは気になってましたし、ユキさんと子供牧志ってのも面白そう。
クトゥルフフラグメント収録かぁ>キャットゥルフ
KP
猫たちは眠っている間ドリームランドをぶらつくものらしいです。
知らなかった。
ユキさんがあっちにいたのも当然だったのだ。
牧志 浩太
はーい!
そうかぁ。ユキさんにとっては勝手知ったるドリームランドだったんだな。

『ユキ』は、真・女神転生TRPG継続CoCのメインキャラクター、牧志浩太の記憶の中に出てきた白い飼い猫。とあるシナリオで、同シリーズPCの佐倉によってドリームランドにいたのが確認されている。
また、全然本編と関係ないのだが、KPのアイコンは「ゆうやけこやけ」に出てきた猫(?)の『カゲ』である。ということでKP口調がそのキャラクターに引きずられている。ねこはいます。
ユキ
ねこ!
KP
とーとつな思いつきへのお付き合い有り難うございます。
ユキ
こちらこそ、お声がけありがとうございます。猫だ!


KP
ふわふわにゃんこだ!
ユキ
いえす!
もっとシャープなイメージなんですが、AIさんが細い白猫出してくれませんでした。
今日やるのはキャットゥルフ(キャトルフ・キャットルフとも)。クトゥルフ神話TRPGの追加ルールである。
ラヴクラフトがこよなく愛した猫をPCとして遊ぶことができるのだ。
ルールは『クトゥルフ神話TRPG クトゥルフ・フラグメント』に掲載されている。
キャラクターシートは『キャラクター保管所』の【キャットゥルフ テンプレ】を使わせていただいている。
ユキ
【STR】2/【CON】10/【INT】14/【DEX】18/【EDU】17/【APP】11/【POW】12ですね。
ユキ
キャットゥルフテンプレート作って下さっている方めちゃめちゃありがたい……。
能力値について
猫探索者は、人間とは能力値のベースが変わってきます。
KP
ところで、キャットゥルフにおいては【SAN】の代わりに【SEN】【知覚力】)という能力値になります。
こちらが色々怖ーい物とか見て削られちゃうと……
野生に戻ってしまいます!
考えるのめんどくせってなっちゃうのかも知れない。
ユキ
なるほど!
KP
知的行動をとるのに必要な能力値、だそうです。
ユキ
どうにでもなーぁれって全部投げて野生に戻っちゃうんだな。
KP
大量の【SEN】を失った猫は、隣の猫を探し求めたり、鼠を大量にとりはじめたり、木の上に駆け上がって降りられなくなっちゃったりするのである。
ユキ
木の上ェ!
KP
猫は当然人間より賢い者も多いのである。人間は知らないのであるが。
ただ、人間の〈物理学〉30と猫の〈物理学〉30はちょっと意味合いが変わってきて……さすがに人間の理解力には及ばなかったりするのである。
まあそれくらいは人間にも花を持たせてやるのである。
ユキ
人間の理屈は人間の中で完結してるからねぇ。あたしたち猫にはよくわからないや。
KP
人間は我々が人間の蔵書をこっそり読んで知識を得ていたりすること、後ろで寝ながらテレビの知識を得ていることにも気付かないのである……
しょーがないのである。人間だから。
ユキ
しょーがないやつらだよねぇ。
まぁ、かわいいもんだよ。

血統
KP
さて、血統にうつるであるが、こちらはミックス(ドメスティック・ショートヘア)であるとお知らせいただいているのである。
自由な我々猫の中でも最も自由な者たちなのである。
ユキ
由緒正しい血統の雑種だよ。すごいだろう。

トリック
KP
トリックは猫の特技である。
2個基本で取れるほか、ミックスは、更に1個自由にとることができるのである。

また、「トリック:《使い魔》」を持っている場合は初期に魔法の取得も可能である。
が、ユキさんはそういうイメージはないだろうか?
使う場合は、ドリームランドの魔法に限定して使えるようになるのである。
無論、コストや条件は人間同様必要なので、ご注意なのである。
選んだ魔法を使えるようにするには習得ロールが別途必要である。
ユキ
《飼い猫》《ドア開け》《月への飛躍》で行きます。
好きで家にいるんだよ。ドアくらいへいちゃらさ。
《飼い猫》……飼い主がいる、ということ。ちょっぴり能力値補正がかかる。
《ドア開け》……鍵がかかっていないドアならば基本判定なしで開けられる。
《月への跳躍》……月を渡ってドリームランドへと行く猫を意味する。

技能
KP
では次、技能である。
大体は有り難いキャラシートを見て貰うとして……
猫には職業なんてないので、職業と興味の別はないのである。
技能もまた人間とは一部同じだが意味合いが変わってきたり、猫専用のものもある。
KP
〈噛み付き〉 は成功すると1d4ダメージ。再度の噛み付きに成功で犠牲者を殺せる
〈かわいらしさ〉人間に強い印象を与える。与えすぎると「うちのこにしちゃえ!」なんていう人間にいらぬトラブルをもらうかもしれない。
〈危険感値〉 いわゆるイヤーな予感である。第六感で危機を知るのである。
〈自然〉猫から見た身近な環境の一般知識。馴染みがない土地では半分。町では〈ストリート知識〉を使う。
〈睡眠〉眠っている猫は〈夢見〉技能でドリームランドに行ける
〈ストリート知識〉 どこのゴミ箱にどんな残飯があるか、どの通路なら安全に移動できるか、のような猫目線の町知識
〈地位〉猫社会における地位。猫集会ででかい顔ができる。
〈治癒〉傷ナメ能力。ロール成功で1、クリティカルで1d3回復可能。
〈洞察〉観察力。人間の態度などから詐欺師を見分けたりもできる。
〈投擲〉小さなものなら弾き飛ばせる。
KP
人間と共通する技能は書いてないんだけど
簡易的に書いてても結構あるにゃ!
ユキ
シナリオ的にはこれ持っとくといいよ みたいなのはありますかニャ?
あと〈目星〉〈聞き耳〉とかはあった方がいいですかニャ?
KP
推奨技能、みたいな項目はないのである。
あと、今日一日じゃ確実に終わらないのである。にゃあ……
〈目星〉《嗅ぎ分け》または〈追跡〉があるとカッコよく活躍できてスムーズであるが、べつに無くてもなんとかなるのである。
〈夢見〉はちょっとはあった方が便利だと思うのである。
しかしユキさんは月にわたるにゃんこなので多分それも問題ないのである。
ユキ
はーい!
KP
〈ナビゲート〉 帰巣本能と呼ばれるものであったり、暗闇での移動能力などである。
〈人間知識〉 人間の〈人類学〉〈考古学〉〈生物学〉〈化学〉〈地質学〉〈歴史〉〈法律〉〈医学〉〈博物学〉〈薬学〉〈物理学〉〈精神分析〉 などを兼ねるのである。すっごいかしこい!
〈引き裂き〉猫の後ろ足は相手を引き裂いたりはらわたを抉り出したりできるのである! 2d3+dbのダメージを与えるのである。
〈ヒス〉威嚇行動である! 不思議な物を見ることができる人間は「何この猫普通じゃない怖い」と思って逃げ出したりしてくれるのである。 これに抵抗するためには【幸運】ロールをする必要があるのである。
〈引っ掻き〉猫の前足の爪は鋭い! 1d3+db
〈人語(日本語)など〉真の緊急時、またはドリームランドでだけ話せる。
大体猫は一つの人間語しか知らないので、外国語が必要なら別途とって欲しいのである。
〈ヒプノーシス〉 《催眠術》トリック所持猫限定である。
〈敏捷〉素早く器用に立ち回れるのである。狭い陶磁器の間や台所のテーブルに飛び乗っても、物を壊したりしなくて済むのである。
〈みづくろい〉ペロペロなめて体を綺麗にするのがうまい猫である。泥を浴びた後なんかにやるのである。
〈目星〉猫には夜間ペナルティなんてないのである。
〈夢の知識〉ドリームランドに行ったことがある猫はとれるのである。
〈夢見〉一回の睡眠の間、ドリームランドに入り込んでそこに住む能力である。体は現実に残っているのである。
〈ヨウル〉説得力である。人間や他の動物とコミュニケーションする場合に使う、鳴き声に感情を乗せる力であるな。
KP
以上である! ふー。なっがい。
これを好きに割り振るのである。
ただし〈クトゥルフ知識〉〈ヒュプノシス〉は取得不可である。
KP
人間も「〈猫語(最大【INT】×1%)〉」をとることでコミュニケーション取れる場合もあるらしいのである。
ユキ
振りましたのである。
なぜ〈オカルト〉が高いか? おじいさんなる人間の横にいるうちに何かを嗅ぎ取ったのかもしれないのである。
KP
なるほどー。

名前
KP
では名前である。
これは別になくてもいいのであるが、たまに
・家族が普段利用する名前
・特別な特徴的で威厳のある名前
・猫自身は知っているが決して他者に教えない名前
の三つの名を持つ猫もいるそうである。
ユキ
名前? ユキだよ。安直だろ。でも嫌いじゃないよ。
教えない名前は何かって? 教えない。
KP
このルールの描写面白い。
「常に「もふもふ」の精神でプレイすることを忘れるな!」なーんて書いてある。
ユキ
それは面白い。

KP
キャラクター作成は以上である。

KP
ところで「カンキリ」はおじいさんであるか、コウタであるか、それともオカーサンであるか。
ユキ
「カンキリ」はオカーサンである。コウタとコウジは家の家族みんなの「コドモ」なのである。おじいさんはおじいさんである。
おじいさんは不思議な匂いがする。
今日一日で終わらなかったらまた来週なのである。幸い年代とメインPCが違うから置き卓とは並行可能なのである。
KP
ここでマキシコータがロストしたらそんときはそんときなのである……。
がんばれなのである。
ユキ
それは色々と困る。がんばるのである。

KP
では突発キャットゥルフ『それは月明かりの下で』始まりなのである。
ユキ
よろしくお願いしますモフゥ。
KP
よろしくおねがいするのであるよ。
浩太と浩司の年齢は自由です。
ユキ
はーい。しっかり決まってないから、なんとなく両方とも子供であるくらいで行きます。
あまり年齢差ないですしね。
KP
おじいさんこういちろうさんだったっけ。
ユキ
ですです。浩一郎。



それは月明かりの下で

内山靖二郎 様 作
イラスト ごりら坊 様


KP
季節は中秋の名月の頃。あなたは旅行中なのである。
バスケットに入れられてガタゴトとなにか巨大な乗り物に揺られ(バスや電車について知っていても良い)、田舎へと移動してきたのである。
今回は「おじいちゃん」と「こうた」と「こうじ」の三人しかいないのである。
なんということだろーか。誰が缶を切ってくれるというのか。
ユキ
バスケットの中でうとうとと転寝しているよ。缶はしばらくおあずけかぁ、こうたもこうじも何だか楽しそうだからいいけどね。
KP
詳しいことはまあ良く分からないが、子供たちは楽しそうである。
おじいさんに連れられ、古民家に移動中……ということは、おじいさんの話から分かっていても良いし、なんとなく連れられているだけでもいいのである。
ユキ
旅行くらい知ってるけどね。雪のない所に行くことだろ? 暖かくていいよね。
KP
とにかく、籠の中に入れられて長いことガタゴトして、たまに子供たちが気まぐれに話しかけたり指を突っ込んで撫でてきたりするのである。
こうた
「ユキー、旅行にいくんだよ。旅行、知ってる?」
こうじ
「ユキはしらないだろ、猫だもん」つんつん。

KP
なんかキーパーのキャラが強すぎるから口調普通にしようかな?w
ユキ
w どちらでもアリだと思います
KP
恐怖シーンとかあっても緊張感ないであるなぁ、と思ったのである。
まいっか、猫だし。
ユキ
猫だし。
あんまり緊張感がなかったらしれっと普通の口調になってもらっても。

KP
カゴが大きく揺れた、とおもったら、大きな乗り物から降りたらしい。
外は明るい緑で溢れていて、緑のにおいがするのである。
ユキ
いい匂い! 気持ちいいね。カゴから顔を出してうーんと大きく伸びをする。
KP
子供たちはいつもよりも元気に飛び跳ねるのである。
楽しくはあるが、長いことカゴごとぴょんぴょんするのも疲れるし、
カゴはおじいさんに持って貰いたいものであるな。
ユキ
カゴはおじいさんが持ってくれてるよ。よくかわいがってくれてさ、撫でてもらうと気持ちいいんだよね。
ユキ
こうじー、こうたがまた迷子になってるよ。連れ戻してあげな。
「ミャア」
KP
こうたくん、変な世界に紛れ込んじゃ駄目だよ……
KP
こうじがこうたを引っ張って戻ってきたころに、古くて大きな家に到着したのである。
おじいさんの知人が買った家で、
長期旅行の留守中にちょっと管理がてら貸してもらった、んだそうである。
ユキ
「ミュ」でっかい家だけど随分オンボロだねぇ。爺さんが言ってたビンボー旅行ってやつかい?
こうじ
「だからあにき、勝手にどっかいくなよ! 面白いカンバンとか道端のかたつむりはあとで。ったく、しょうがないあにきだなぁ」
こうた
「ごめんな、でも変な柄だったんだよ」
ユキ
ふーん、物好きだねぇ。でも探検したら面白そうだ。
KP
こうたは、近所に地蔵堂があり、そこに猫が多数集まっているのを見てつい足を止めてしまったらしいのである。
猫の集会場っぽいのである。
こうた
「それにいっぱいいたんだよ!」
こうじ
「何が」
こうた
「ねこ! 猫がいっぱい!」
こうじ
「猫? あー、猫。そう猫……」
気にしていないようなそぶりをしながら、こうじも猫のことは気になっているようだ。
ユキ
へぇ、じゃあ後でちょっと顔出しに行ってこようか。こういうの大事だからね。
KP
こうたは好奇心旺盛すぎるのである。まるで猫みたいなのである。
ところであなたのお気に入りの玩具もこの旅行に持って来たのだった。
なんだったであるか。
勿論、あなたのお気に入りの寝床も持って来たのである。
ユキ
なんだったかな。ネズミのおもちゃ? 機械の残骸? それとも藁細工の人形?
寝床はもちろん持ってきたよ。おじいさんの古い上着さ。くたくたになって気持ちいいんだよねぇ。
KP
この家には「猫専用の部屋」なんてのがあるそうで、興奮した子供たちはあなたの玩具と寝具を手にスキップしながら向かうのである。
ユキ
ああ、仕方ないねぇ、あんまり走ると転ぶよ。
一番のお姉さんだからね、後ろを見守るようについていってやろうじゃないか。
KP
PL向け情報。
おじいさんは知人の家を借りて孫二人を連れて秋の長期休暇に遊びに来ました。
おじいさんは色々ようじがあったりするので、子供二人は割と放任されそうな雰囲気です。
荷物はお父さんとお母さんが先に持って来てくれてあるので、いくつかのバッグがこの家にもうすでに置いてあります。
おじいさん昔のヒトだからそんなにガチガチに子供見てたりしない感じだし、ユキが賢いのも知っているのでそんなに心配してません。
ユキ
なるほどなるほど。
玩具は何なのか任意に決めてもいいのでありますか?
KP
いいのであります。
ユキ
玩具は藁細工のネズミだったね。近所のばーさんが作ってくれたやつだよ。
KP
お婆ちゃんのわら細工だ!
ユキ
yes!
何か分かったような眼でユキを見つめるお婆さんです。
お婆ちゃんのわら細工……これから何年も時が過ぎた後で、牧志兄弟は彼女の藁細工のお世話になるのであった。
KP
おじいさんは早速荷ほどきを始めたようである。
この家、そこそこ広いのであるが、人間の部屋より猫の部屋の方が広いのである。
この家を作った者はよくものごとというものが分かっているのである。
ユキ
なるほど、随分オンボロだなぁと思ったが、なかなかどうして道理を分かってる人間の家じゃないか。
そういうもんだよ、と満足げに髭を揺らす。
こうた
「広いなー」
こうじ
「広いな、探検しようぜあにき」
こうた
「しようしよう!」その後ろで子供達が早速探検しようとしている。
クロ
にゃあ。
KP
猫部屋の隅っこに不法侵入者がいるのである。
太陽の光が当たる特等席で丸くなって寝ていたのであるが、子供たちが駆け込んできたのを見て、のんびりと伸びをしたのである。
ユキ
おや、知らない猫だ。先住猫か野良猫か知らないけど、ほどよく威圧と丁寧さを交えて挨拶でもしようか。
「やあ初めまして。しばらくお邪魔するよ」
クロ
「なんだい、新入りかい。
勝手に人間連れてくるなよなぁ……やれやれ。
はじめまして、クロだ」
ユキ
「ユキだよ。まあ暫くの間居るだけだから、勘弁しておくれ」
KP
そのにゃんこの首に首輪はない。
クロ
「オレ小さな人間は苦手なんだよな。
じゃあな……」
ユキ
「ああ、また集会で会おうや。面出すから」
KP
ふい、と尻尾をゆらめかせて黒猫は子供たちの足元をすり抜けて出て行ったのである。
こうた
「あー、行っちゃった」
KP
あ。NPCネコの名前変えるか……
いや、まあいいか。
KP
猫部屋は広く、野良猫が入り込んでいたにもかかわらず綺麗だった。
あの猫はただの野良猫ではないのかも知れないであるな。
そうそう、この部屋、床にはカーペットが敷いてあり、キャットツリーなども設置してある。
日当たり最高、言うことなしである。
ユキ
こりゃあいいねえ。これだけ広い所で日向ぼっこしたらさぞかし気持ちよさそうだ。
足元はふかふかして心地いいし、登れそうな所もある。本当にこの家のやつは道理を分かってるよ。
KP
子供たちは家の探検に行きたがっている。
なにしろ珍しいものだらけなのだ、無理もない。
KP
見学はしてもいいししなくてもいい。
ちょっとずつ描写なんかあったりするのである。
ユキ
ひと眠りしようと思ったが、こうたもこうじもすっかり探検に行く気だ。仕方ないねぇ、ついていってやろうじゃないか。
ユキ
髭を揺らして立ち上がる。
こうた
「ユキも来るの? うん、いっしょに探検しような」
ユキ
撫でてもらって喉を鳴らす。おじいさんほどじゃないけど、こうたも撫でるのうまいんだよね。
こうじは力加減がイマイチだ。あと髭引っ張るのやめな。
そら、行くよ。
ユキ
というわけで、子供達の後をついて探検に出発します。

KP
適当にこちらで順番決めて流してもいいし、行く先をそちらで決めてもらっても構わない。
ユキ
では、猫部屋から土間に出て、外周からぐるりと回っていきましょう。
土間→キッチン→廊下→居間→納戸→寝室→書斎→洗面所→浴室→トイレ→広縁→応接間→仕事部屋、で猫部屋に戻ってくる感じで。

廊下・広縁に出た時に外に出られそうなら外も探検します。
KP
はーい


土間

KP
木の床が部屋の途中でいきなり途切れていて、屋内なのに土が敷き詰められている変な場所である。
古い道具が埃を被っていて、何か大きな丸い鉄のものに布がかけられていたりするのである。
KP
※かまどなんかがあるけど今は使われてない。
ユキ
おや土だ。早速軽く掻いてみて感触チェック。
土の感触は生活の質に直結するからね。
KP
大分踏み固められて堅い。
ひんやりと冷たいので、夏は良さそうであるが、今は秋。ちょっと肌寒そうである。
こうた
子供達はもちろん古い道具に手を出したがるし、かけられた布を外したがる。
ユキ
うーん、ちょっと冷たいし固いね。夏には涼しいんだろうけど。
虫かネズミでもいないかな? 道具の合間を探ってみよう。
KP
おっと、むいむいがいる。
カサカサ、と音を立てて逃げていった。
ユキ
おっと捕まえそこねた。
子供達が気が済んだら次行こう。
KP
子供たちはひとしきり不思議な道具を覗き回って、キッチンへと向かっていった。

キッチン

KP
キッチンはこの家の雰囲気にはそぐわない、木が少なくてツヤピカした所である。
袋に入ったカリカリは台の上に乗っていて、いつでも盗み食いができる状態である。あなたがそんなはしたないことをするかどうかは知らないが。
棚には美味しい猫缶が並んでいる。もちろん缶切りを使わなくちゃ開けられない。
ユキ
いやだなぁ、盗み食いなんかしないよ。腹が減ったら別だけどね。
KP
《嗅ぎ取り》〈目星〉をどうぞ。
ユキ
CCB<=70〈目星〉1D100<=70) > 59 > 成功
KP
おっ。
あなたは棚の奥に細長い包みを発見した!
あれは「ちゅーる」だ!
KP
この部屋にあなたの興味を引きそうな物はそれくらいだが、レンジや電熱湯沸かしや食洗機などもあって、意外と近代的にリフォームされた、人間には使いやすいキッチンなのである。
猫にとってはどうでもいいことであるが。
ユキ
「!」あれは! いやだなぁ、盗み食いなんかしないよ。あの袋ってやつは噛み切りにくいしね。

盗み食いしないならどうするって? 誰かを動かして開けてもらうのさ。それが流儀ってやつだろう。
ユキ
ぴょんと跳躍して棚の奥のそれをゲットしよう。そして子供達の前に差し出そう。開けておくれよ、これ。
KP
おっと。
〈ヨウル〉振ってみようか。
ユキ
CCB<=50〈ヨウル〉(説得) (1D100<=50) > 94 > 失敗
KP
無念である。子供たちは興奮しすぎてそれどころではなかったのである。
ユキ
だめだ はなしにならない!
KP
「あとでね」とか雑にあしらわれてしまったのである!
ユキ
まったくもう仕方がないねぇ! やっぱり子供達じゃだめだね、後でおじいさんにねだろう。
KP
あなたの気も知らないで、子供たちは廊下へと走って行ってしまったのである。
ユキ
全くもう。尻尾を振り振り後ろをついていこう。

廊下

KP
廊下は木陰で涼しい。おや、隅っこでさっきの猫が寝ている。
ユキ
ああ、確かに気持ちよさそうだ。あの場所覚えとこう。
起こす気はないが、子供達が騒ぐからどうだろうねぇ。
KP
おや、おじいさんが呼ぶ声がする。
ユキ
おや、ちゅーる取ってもらえるかもしれないね。戻ろう。子供達、迷子になるんじゃないよ。
おじいさんの声は誰を呼ぶ声だろうか。あたしかい? 子供達?
KP
おじいさんは玄関で皆を呼んでいる。
さっきの土の地面があった方だ。
ユキ
じゃあ、子供達の背中を頭で軽くこづいて呼ぼうかね。コンコン。
KP
あなたによばれて子供たちは声に気付き、土間へと急ぐのである。
この旅行中はおじいさんのいうことをよくきくこと! と言われているのである。
こうた
こうたは廊下の木目に夢中でなかなか気づかないが、こうじに腕を引っ張られて気づく。
ユキ
子供達の後ろを尻尾を揺らしてついていく。

KP
おじいさんは古い鞄を持っている。
あなたは知っている。こういうときのおじいさんは、ちょっと長いお出かけをするのだ。
ユキ
「ミャ」おや、お出かけかい?
KP
おじいさんはこどもたちにあれこれと注意をしている。
少し家を空けるので、ちゃんとおるすばんをすること。
ドアの鍵を開けっぱなしで遊びに行かないこと。
ごはんは台所においてあるレンチンのご飯を好きに選んで食べること。
こどもたちにお泊まりをさせるようだ。
何か急用なんだろうか。
あとは、火を使っちゃ駄目とか、おやつ食べ過ぎちゃ駄目とか、ユキのごはんはちゃんとあげること とか……いろいろである。
ユキ
おやおや。これはしっかりと面倒を見ておいてやらなきゃね。
大丈夫、任せなよ。ニャッニャッと頷きながら話を聞く。
あっ、でもちゅーるは取っておくれよ! ちゅーる!
ユキ
おじいさんに改めてちゅーる開けてくれアピールをします。
KP
よし、〈ヨウル〉+20だ。おじいさんとは以心伝心なのだ。
ユキ
CCB<=50+20〈ヨウル〉(説得)】 (1D100<=70) > 44 > 成功
あたしはずうっとおじいさんの横で話をしてたんだよ。通じないわけがないさ。
KP
おじいさんはあなたの鳴き声を聞いて、子供たちに「ゆきにちゅーるをあげていい」と言い渡してくれた。
これで安心だろう。
こうた
「はーい!」「はーい」子供達は素直に返事をする。言いつけられたことを後で忘れちゃうかどうかはともかく、聞く気はあるのだ。
ユキ
「ニャッ!」やった。後は子供達の面倒をちゃんと見て、ちゅーるを楽しみにするだけだね。
KP
おじいさんはあなたの首を優しく撫でて家を出て行った。
鍵はこうたに渡された。
ユキ
ごろごろと喉を鳴らして、家を出ていく姿を見送る。一緒にごろごろすればいいのに、なんだか忙しいねぇ。
KP
PL向け情報。
おじいさんは一日家を空ける、明日戻るからといって出て行きました。
ユキにそれが理解できたかどうかは……
ユキ
猫の時間感覚だからなぁ。あまり気にしていないかも。

KP
さて。それからが結構大変だった。
子供たちは新しい環境で危ないことをしたがるのである。
怪我をしちゃいそうなガラクタに手を出したり、危なそうな怖いお面に近づいたり。
KP
能面ってこわいよね。
KP
こうたなど勝手に家を出ようとしたりするのである。
こうた
二人とも言いつけはちゃんと守ったのだ。半分くらい忘れたし勝手に解釈したけど。
KP
とてもとても忙しくて、気がついたらハラペコになっていた……
ユキ
ああ、こらこら。あんまり遠くへ行っちゃいけないよ。それは尖ってるから怪我するよ。開けっ放しで外に出ちゃだめって言ってただろ、ああもう!
子猫を十匹集めたみたいだよ。忙しい忙しい!
KP
そんなフリーダムな子供たちに付き合ってあげていたら、部屋を見回るどころではなくなっていたのである……
こうた
「浩司、見て見て。ユキがぐるぐる回ってるー」「ほんとだ。ユキも楽しいのかな?」猫の心子供知らずである。
KP
それでも子供たちもお腹が空いたら、ご飯を食べなければならないことを思い出してくれたのであった。ついでにあなたのごはんとちゅーるのことも。
ユキ
思い出す前にエネルギー切れになられたら、あたしが飢え死にしちゃうよ。
思い出させるのにまたちょっと時間がかかった。
KP
このシナリオ、いつもやってるやつみたいに流れが決まっている奴じゃないので、人間に制約を受けない時間ならフリーダムに動いて構わないのである。
ユキ
なるほどなるほど。腹ごしらえしたら動こう。
KP
子供たちはそれぞれに食べたいカレーやらチャーハンやら持って来てレンチンして、あなたには猫缶とちゅーるをくれた。
ユキ
なかなかのご馳走だ。今日一日の働きの報酬をいただこう。
KP
ご飯が終わったらなんだかんだで疲れていたらしい子供たちは、寝室に敷かれた布団の上でひとしきり騒いで、そして静かになった。
結構長旅だったのだ。テンションもあげて騒いだ分疲れてしまったのだろう。
ユキ
全く、仕方ないねぇ。
さてと、それじゃ新しい縄張りを見て回ろうか。
昼はそれどころじゃなかったからね。
あとは、集会のありそうな時間になったら顔を出さなきゃ。
KP
今あなたがいるのは猫部屋。さっき決めたルートの通りに動く?
外に出たいのはやまやまだが、こうたは言いつけ通りに扉を閉めてしまったのである。
さすがに鍵がかかった扉と雨戸にはお手上げなのである……
写真だと廊下が外と面していそうに見えるんだけど、窓が有るだけなのである。
ユキ
開けられそうなドアやお勝手口、開いている窓などはないだろうか。
KP
ぱっと見はないのである……しかし!
昼間に黒猫が侵入していたのは確かである。
この家のどこかには入れるところがあるのかも知れないのである。
ユキ
集会にも行きたい。それに猫は自由なので、人間が扉を閉めても好き勝手に出入りしたいものである。
ユキ
よし探そうか。先程決めたルートで探ります。
KP
うん、これ浩司も巻き込むわ。ごめん浩司。

KP
さて、昼間のルートの続きと行こうか?
居間にはテレビがある。逆に言えばそれしかない。
あとは人間が好きそうな色々な品物があるだけだ。
ユキ
騒がしい子供達の面倒を見るのも嫌いじゃないが、一匹の時間っていうのはやっぱり自由で救われてなきゃいけないものだよ。
居間を覗いて、入れそうな隙間などがなければ納戸へ向かう。
KP
どっかのおじさんみたいな事言い出した。
ユキ
モノを食べる時は騒がしい子供達と一緒だったけども。
KP
納戸は真っ暗だが、猫の目にはとくに支障は無いのである。
ダンボールがいくつか置いてあるのである。
子供たちが見たら喜びそうな奇妙な道具が色々とおいてある。

……おや。
クロ
スヤスヤ
KP
寝てる。
ユキ
おや、また会ったね。この辺に入れる場所があるのかもしれないね?
ユキ
他猫の夢見を邪魔する気は無いから、起こしはせずにちょっくら納戸の中を探ってみよう。
段ボールの合間などに穴や隙間が隠れていないだろうか?
KP
床板に隙間が空いている。
人間には気づけないだろうね。
外気が流れているので、黒猫はここから侵入したであろう事が分かるのである。
ユキ
おやおや、いい感じじゃないか。早速そこに身を滑り込ませてみよう。
クロ
「いい夜だね」
KP
黒猫は起きていたらしい。あなたに声をかける。
ユキ
「やあ、起こしちまったかい?」
クロ
「まあね、随分とよく寝た」
KP
黒猫は大あくびをした。
ユキ
「そいつはよかった。集会の時間はそろそろかい?」
クロ
「集会まではもう少し時間がある。
どうしてオレがここで暢気に寝ていると思うんだい……」
ユキ
「ならいいや。あんたが特段寝坊助だったら困ると思ってね」
クロ
「ねえあんた、良かったらご飯を分けて貰えないかな。
なんせいつもカリカリをくれる人がいなくてさ」
ユキ
「いいよ。おや、あんたも家に住んでるのかい? 外暮らしかと思ったけど」
クロ
「そんなようなものかな」
KP
この子は半ノラです。
勝手に上がり込んでくつろいでるので、住んでいる人間が餌をやってました。
ユキ
なるほどなるほど。
KP
それなりに弁えてるので、その辺の物荒らしたりフンをしたりしません。
元々飼い猫だったのかも知れない。
ユキ
物言い的にもそういう感じがしますね。>飼い猫だったかも
KP
なんかゆうやけこやけやってるような気分になるなぁこれ。
ユキ
それは思った。KPはカゲだしPCは猫だし、割とそういう雰囲気。
まだこわいこと起こってないし。
KP
起こるかなぁ、そんなこと。
ユキ
クロを案内してキッチンに向かいましょう。
KP
キッチンのカリカリならあなたにも何とかなるだろう。
袋を倒せばたまに開くことがあるのである。
ユキ
「ほら、いっぱいあるよ」
台に登って袋を倒そう。
KP
袋の蓋が開いて、ザーッとカリカリが流れる。
クロは喜び勇んでカリカリを食べ始めた。
ユキ
見ていると腹が減ってきた。こちらも少し食べよう。
KP
正直、缶ほど美味しいとは思えないのだが。カリカリ。
ユキ
とはいえ、この缶というやつは固くて歯が立たない。厄介なものだよ。
クロ
「ふぅ、おかげでまともな飯にありついた。
長いこと町で暮らしてなかったから残飯漁りも大変なんだ、ありがとな。
気前がいいね、あんた」
ユキ
「そりゃあね、来たばっかりだもの。あたしだって喧嘩はしたくないんだよ。
どこに行っちゃったんだい? ここにいた奴」
クロ
「さあ、人間の考えることなんか分かんないよ。
オレここの飼い猫ってわけでもないしさ」
ユキ
「そりゃあそうか」
よいしょよいしょと頭で押して、カリカリの袋を立て直しておこう。
クロ
手伝おう。
KP
すっかり元通り……かどうかはともかく、カリカリの袋は立った。
ユキ
ひと仕事終えると、満足して台を降りる。いい仕上がりだ。
KP
さて、そこであなたは、廊下に何か気配があることに気付く。
ユキ
「ん?」
何奴。警戒心がもたげて尻尾を立てながら、廊下の気配を探ろう。
クロ
「どうした?」
ユキ
「向こうに何かいるんだ」
クロ
「ああ、確かに」
KP
廊下に、何者かの気配がある。
それは、夜中にトイレに行こうとする子供の物ではないようである。
足音がしないのである。
ユキ
何だろうか。猫か別な動物か人間か。足音がしないということは人間ではなさそうだ。
戸の隙間から廊下を見てみよう。
KP
廊下には何もいない。
窓から月明かりが差し込んでくるだけだ。
どうやら、気配は廊下ではなくて、もっと奥から漂ってくる。
ユキ
「ちょっと見てくるよ」
そっと廊下に踏み出し、奥の様子をうかがう。
KP
廊下に踏み出したあなたは、全身の毛が逆立って尾が膨れるほどの嫌な気配を感じた。
それは、廊下の奥、左側……
子供たちが寝ているはずの寝室から漂ってくる、冷気だ。
クロ
「おっ、なんだよ……
……!? なんだこいつは?」
ユキ
廊下の奥、左側に顔を向けて示す。
クロ
「(うわぁ、嫌な気配)」
ユキ
「あんたも知らないんだね」
あそこには子供達が寝ている。縄張りを侵される怒りが腹の奥から湧いた。

フーッ、と小さく漏れそうになる威嚇の声を押さえ、息をひそめて廊下を進む。
一歩一歩進んで、寝室の様子を外から窺う。
クロ
「(待ってくれ、置いていかないでくれよ)」
耳を寝かせて後を追う。
KP
寝室には布団が敷かれていて、ナイトスタンドがついており、うっすらと明るい。
そして子供たちが眠っている。
寝相はいつも通りに見える……が。
その側に、冷気を発する黒い人型の物がいる。
夜目が利くあなたにすら見通せない、まったくの黒い人影。
ナイトスタンドのほのかな明かりの中にいるにもかかわらず、闇を纏うそれは、子供たちの近くを両手でまさぐるような動きをしていた。
KP
SENチェック成功時減少 0失敗時減少 1D3
ユキ
何だ。
何だ、あいつは。
いや。子供達に、何をしようとしている?
CCB<=60 《SENチェック》 (1D100<=60) > 20 > 成功
KP
クロは縮み上がっている。
それはこのよのものではない。
ユキ
全身の毛が逆立つ。尾が自然と膨れ上がる。逃げ出してしまいたい、逃げ出すべきだと訴える寒気が止まらない。
KP
それは目を開いていた。だが、視線は定まらず何も見ていない。
〈洞察〉をどうぞ。
ユキ
CCB<=70〈洞察〉1D100<=70) > 35 > 成功
KP
おそらく「これ」には、自らが纏う闇のために何も見えていないのだ。
当然だ。人間は暗闇の中、ものを見ることができないのだから。
KP
「どこにいるんだ? 見えない……」
哀しげな声が聞こえた。
クロ
「……」
KP
黒猫は恐怖で凍り付いているようだ。
ユキ
そうか、探してるんだ。
何を? あの子たちの傍で、何を?
息を呑んでそれの挙動を見つめる。
KP
それは、何かを強く渇望するような響きを帯びていた。
あなたは見つめ続ける?
ユキ
探しているだけなら、見つめ続ける。
子供達に手を出すそぶりがあるなら行動を起こします。
KP
子供たちの寝息に気付いたのだろうか、影はゆらゆらと手を眠る子供たちの方へとゆらめかせた。
「そこにいる……?」
再び哀しそうな声。
ユキ
「!」
自分の姿を見せないようにしつつ、《ドア開け》で寝室の扉を開け閉めして威嚇します。
KP
寝室には入っていない?
ユキ
今の所、入りはせずに外から開閉します。

音を立てても影がこちらに興味を示さないようなら、寝室に入る。
KP
音を立てるなら、影は顔を上げあなたのいる方を見る。
しかし相変わらず見えてはいないのか、視線は定まっていない。
KP
「そこに、いる?」
呼びかけられた途端、あなたは尻尾を逆なでされるような不快感を感じた。
SENチェック成功時減少 1失敗時減少 1D4
ユキ
CCB<=60 《SENチェック》(1D100<=60) > 50 > 成功
[ ユキ ] SEN : 60 → 59
KP
その瞬間、あなたは自分がねじ曲げられるような、何か別のものに変えられるような、とてつもなく不快な感覚をもおぼえた。
しかし、それはあなたに影響を及ぼすことなく、消え去った。
クロ
「ヒャアアアアァァァァ」
KP
クロが情けない声を上げた。
ユキ
「グルルルル……」
気味が悪い。背筋を駆け上がるような不快感。尻尾を掴んで曲げられるような感覚。
何だ、あれは。
KP
「どこにいる……」
哀しげな声で呟いて、影は薄れて消えた。
そこに魂まで凍り付くような冷気だけを残して。
ユキ
「グルルルル…………」
それが消え去っても、しばらく唸り声が喉から漏れるのを止められなかった。
ユキ
こわいこと起きちゃった。
KP
おきちゃった。
KP
子供たちは変わらずすやすやと眠り続けていたが……突然、なにかにうなされたように「にゃにゃにゃぁ~」と猫の鳴き声に似た寝言を言い始めた。
それは、猫語での「さよなら」に近い発音だったように、あなたには思われた。
ユキ
思わず子供達の横に駆け寄る。
KP
子供たちは眠り続けている。起こす?
ユキ
手に毛皮を擦りつけて、ここにいると示す。
辺りを見回して、まだ何か居るのかと怒りの声を上げる。

起こす。
KP
choice こうた こうじ (choice こうた こうじ) > こうた
こうたが起きた。
何故か、泣いている。
よく見るとこうじも泣いているようだった。
ユキ
何が起きたんだい。何を見た。
擦り寄って毛皮を擦りつけて、何度か鳴いて聞き出そう。
KP
こうたはあなたの姿を見ると、急に手を伸ばして抱きしめてくる。
こうたは、かけがえのない何か大事なものが遠くに行ってしまう夢を見たのだ。
それが何なのかは覚えていない。ただ、とてもとても哀しかったのだ。
KP
※こうじも同じ夢を見ています。
KP
ごめんな、こうた、こうじ。
ユキ
全てが始まる前からもう因縁は始まっていたんだなぁ。
ユキ
いつもなら、ただ慰めてやるところだった。傍らで、そっと話を聞いて。悪い夢を思い出せなくなるまで。
けど今だけは、どうしようもなく悪い予感と、縄張りを侵された怒りが腹の中を渦巻いていた。
ユキ
数度唸って辺りを見回し、あの影の気配がまだあるか確認する。
KP
きっと気のせいだ。
あなたの毛皮を撫でて安心したように微笑んだ瞳が縦長だったことも。
不安そうに呟いた声の語尾が何となく舌足らずに聞こえたのも。
ユキ
「……」
気のせいだなんて思えるほど、猫の第六感は鈍くはないのだ。
KP
というわけで二人は、
・目が猫みたいに縦長になる
・なんか猫みたいなヒゲがある
・言葉の語尾がにゃになったり猫っぽいかんじになる
状態です。
この異変について、二人は全く自覚がありません。
当たり前のことなのです。
ユキ
あらまあ。傍から見ているとかわいいのにユキ視点ではもう完全に嫌な感じしかしない異変。

KP
という緊迫のシーンでおわっとこうか!
ユキ
ですな! 時間的にもちょうどいい!
一体何が起きているんだ怖いなぁ。
KP
がんばってユキさん。
クロちゃんあまり役に立たないから。
ユキ
頑張る頑張る。気負い過ぎてクロを置いていきそうになったけど。
KP
ただの話し相手なんで、置いてくなら置いてってもかまわんですよ。
ユキ
いやいや置いていきませんよ。
KP
今回はおじいちゃんかユキに巻き込まれた感じかなぁ?
それとも牧志自身の因縁かな。
ユキ
今回はおじいちゃんに巻き込まれた感じかなぁ?
発端おじいちゃんの知人っぽいし。
もしかすると、そもそも牧志家の男は因縁を背負っているのかもしれないけど。
KP
ほんにんがいないのに!!
これ、飼い主が成人で引っ越してきたところから始まる話なんで、色々無茶やっております。
ユキ
なるほど!! それはお手数をおかけしております
KP
まあおじいちゃんが猫化しても良かったけどさぁ……
みたいじゃん、猫化する兄弟。
ユキ
それはとても見たい。あと子供を守ろうと気負うユキさん(自認的にはお姉さん)も絵になりますしね。>猫化する兄弟
KP
そうそう、まあ多少無理があるけど人間にはきっと色々猫には見えない事情があるんだ!
子供たちと遊んでたら思ったより長くなっちゃった。
ユキ
子供たちの存在感を増すためにも大事なシーンでしたし。
KP
見たかったんで! KPが! こどもたちと戯れるゆきさん!
ユキ
PLもやりたかった! 楽しい!
あとやっぱり導入長めにある方が口調とかRPもこなれますしね。ユキさんPC化するのは初めてですし。
KP
こちらはこちらで、ルートがないシナリオやるの久しぶりでわたわたしてます。
自由に歩いちゃってください。猫だしね。
ユキ
こちらも久々のルートがないシナリオ&PC猫ということで色々考える事が多くて緊張! 守りたいこの子供たち。
KP
守ってあげて……大変なことになってるし。
ユキ
なってるし。当人たち自覚ないし。
KP
ではまた次回! ありがとうございました!
ユキ
ありがとうございましたー!

ひとこと
KP
猫が主役のクトゥルフの追加ルール、キャットゥルフ! ねこはかわいい。
今回はアプリ版限定シナリオ。猫の日記念で期間限定で無料公開中でした。
期間が終わったらアプリ版契約している人限定での公開になります。
クトゥルフ神話TRPGのアプリ版はスマホでも読みやすいし横断検索ができて超便利なのでお勧め!

このシナリオは事件のあらましと舞台とそこで手に入る情報が書かれた、基本的に『ルート』というものがないシナリオです。やることや情報がハッキリしていて遊びやすいシナリオなので、ルートがあるシナリオしかやったことないよ! って方も挑戦してみてはいかがでしょうか。


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【クトゥルフ神話TRPG】
本作は、「 株式会社アークライト  」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。

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Call of Cthulhu is a registered trademark of Chaosium Inc.
PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION 「クトゥルフ神話TRPG」


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