こちらには『静寂舞手』のネタバレがあります。
※他のシナリオにも言及していますが、明言されていないものなどは除外しています。
本編見る!
KP
あなたたちは軽口を叩きながら、次の部屋に向かう……。
残りは二部屋、ⅠとⅡだ。どちらへ向かう?
残りは二部屋、ⅠとⅡだ。どちらへ向かう?
佐倉 光
えーと、どっちも中は不明瞭だったな……
KP
情報窓をご参照ください。>中の様子
佐倉 光
部屋の進行でアイテムが増えるかと思ったけどそんなこともなさそうだし、どちらからでも大して違いはなさそうかな……
んじゃ順当に1からだ。
「遠い部屋から行こう。
だいぶヤバそうだからな、この樹」
正直距離はそんなに変わらない気もするが……
んじゃ順当に1からだ。
「遠い部屋から行こう。
だいぶヤバそうだからな、この樹」
正直距離はそんなに変わらない気もするが……
牧志 浩太
「賛成、最悪近ければ枝がヤバくても、なんとか行けるかもしれないしな。……何だろうな、あれ?」何か箱状の構造物らしいものに目を凝らす。
佐倉 光
「タンスか本棚か……行ってみりゃ分かるさ」
牧志 浩太
「だな」
佐倉 光
移動しよう。
KP
あなたたちは枝の半分が落ちていささか不安な様相となった木の上、残る枝を慎重に伝っていく。先程の枝より少し太い枝だが、ミシ、ミシリと進むたびに嫌な音がして、ひやりとすることだろう。
佐倉 光
「行った先で折れるなんて事になってくれるなよ……」
牧志 浩太
「それは困るな、なんとか保ってくれよ……」
佐倉 光
さっき黄金の紐が巻き付いていた腕をちらと見る。
「せめてあのクソ頑丈な紐でもありゃ、少しは使えただろうに、COMP並に使えねぇな」
「せめてあのクソ頑丈な紐でもありゃ、少しは使えただろうに、COMP並に使えねぇな」
牧志 浩太
「扉に挟んでも切れてなかったもんな、あれ。今思えば、幻だったってことなんだろうけど」
佐倉 光
「まあ一応、あのキメラ人形はついてきてたからな……」
牧志 浩太
「俺があれだったと思うと、結構複雑」
KP
近づけば、どうにか損傷の少なそうな床を見つける。
崩壊した扉は完全に曲がってしまって押しても引いてもどうにもならないが、窓のガラスが外れてなくなっており、そこから這って入れそうだ。
崩壊した扉は完全に曲がってしまって押しても引いてもどうにもならないが、窓のガラスが外れてなくなっており、そこから這って入れそうだ。
佐倉 光
じゃあ、残ったガラスの様子にもよるが慎重に通ろう。
通ることでガラスが体に刺さりそうなら、ぼろ布を元ガラス細工の石に巻き付けてそれで割って排除しよう。
通ることでガラスが体に刺さりそうなら、ぼろ布を元ガラス細工の石に巻き付けてそれで割って排除しよう。
KP
なるほど、そうするならばガラスが刺さってしまう危険はないだろう。
牧志 浩太
「ここ、なんとか入れそうだな……。あ、いいなそれ」あなたがガラスを排除する様子を見て、牧志が納得する。
佐倉 光
「ガラクタもけっこー役に立つもんだな」
牧志 浩太
「だな。持っててくれてよかった」
佐倉 光
「適度に捨ててくのは必要、しかしながらどんな物にも使い途がある。
悩ましいとこだよなー」
悩ましいとこだよなー」
牧志 浩太
「モンハンで何捨てるか悩んでる時の気分だな、なんか」
佐倉 光
「モンハン? ああ、なんか人気のヤツ。阿久津さんがやってたな」
牧志 浩太
「そうそう。最大四人くらい集まってやる狩りゲー」なんて話をしながら、室内に一歩、足を踏み入れた。
KP
あなたたちは身体を折り、窓から室内に足を踏み入れる。
佐倉 光
「さて、ここには何か……」
KP
二人とも、【POW】×5>で判定。
佐倉 光
CCB<=(15×5) 【POW】 (1D100<=75) > 94 > 失敗
牧志 浩太
CCB<=(12×5) 【POW】 (1D100<=60) > 8 > スペシャル
佐倉 光
お。一人失敗。
牧志視点
KP
壁の中身や柱を見るに、鉄筋は用いられていない構造らしい。
風化した床は埃を被っ てささくれ立っており、元は磨かれた木製のフロアだったことが伺えた。
屋根はほとんど崩落しており、うっすらと月光が差し込んでいる。
部屋の奥には、何も入っていない水槽がぽつんと置かれているようだ。
風化した床は埃を被っ てささくれ立っており、元は磨かれた木製のフロアだったことが伺えた。
屋根はほとんど崩落しており、うっすらと月光が差し込んでいる。
部屋の奥には、何も入っていない水槽がぽつんと置かれているようだ。
牧志 浩太
「奥に何かあるな。水槽?」
KP
あなたは前を見ながら佐倉に呼びかける。応える声はなく、佐倉は痛みを堪えるような表情をしていた。
KP
──頭をふたつに割るような酷い頭痛が、あなたを襲う。
牧志の姿が、傍らに無かった。
みすぼらしく崩壊した室内に、──部屋の奥で何かが揺れている。
牧志の姿が、傍らに無かった。
みすぼらしく崩壊した室内に、──部屋の奥で何かが揺れている。
佐倉 光
「……くそ、何だ?
牧志?」
牧志?」
牧志視点
牧志 浩太
「佐倉さん」 呼ぶ声に応える。
KP
彼はあなたを見ていなかった。視線を彷徨わせ、部屋の奥を見る。
KP
崩壊した室内に、上品で物静かな寝室の様子が重なって見える。
佐倉 光
幻には完全に飲まれるわけではないのかな。
これは幻である、と自覚を持ちながらも幻が見える感じだろうか。
これは幻である、と自覚を持ちながらも幻が見える感じだろうか。
KP
実際の風景と二重映しになって幻が見える感じです。
KP
呼びかける声に返答は無かった。あなたは彼の姿を探す。
部屋の奥で何かが揺れている。
あなたは、それを見るだろうか。
部屋の奥で何かが揺れている。
あなたは、それを見るだろうか。
佐倉 光
きっと、これは現実ではない。
牧志も隣にいる……筈だ。
しかし奥に見えるものに惹きつけられる。
万一。
何かの手がかり、だったら。
今までのことを考えればそんなことはない、と思えるのだが……
どうしても、気になる。
あらゆる可能性を考える必要が、ある……
ふらりと踏み出した。
牧志も隣にいる……筈だ。
しかし奥に見えるものに惹きつけられる。
万一。
何かの手がかり、だったら。
今までのことを考えればそんなことはない、と思えるのだが……
どうしても、気になる。
あらゆる可能性を考える必要が、ある……
ふらりと踏み出した。
牧志視点
KP
佐倉が一歩踏み出す。彼の眼は完全にあなたを見ていなかった。何かここならぬものを見ていた。
KP
たゆたっている細長い何かが、水流に流されてぐるりと上を向いた。
それは、
それは、
佐倉 光
水流?
水槽か何かがあるのか。
水槽か何かがあるのか。
KP
部屋の奥にある大きな水槽の中で、穏やかにたゆたうそれは。
牧志 浩太
腹から下半身を切り取られた、牧志の死体だった。
佐倉 光
「……は!?」
KP
──水流に流されるまま指先がたゆたう。もはやどこを見ることもない眼が、水の流れの偶然でさかさまにあなたと向き合った。
牧志視点
KP
彼の眼が驚愕に見開かれた。ひびの入った何もない水槽から一歩前、空中に手をつくようにして、彼はその中の何かを見つめていた。
牧志 浩太
(そうか、さっきの俺と同じだ……! 何かを見せられてる)
佐倉 光
「あ、いや、違う違う、おかしいだろ、おかしいだろこれは」
KP
今しがた切り取られたばかりかのように、その腹からは真っ赤な血が煙幕のように広がり、水槽を柔らかく染めていた。
佐倉 光
「いくらなんでも急すぎるぞ……!」
言葉に出しながら水槽に手をつく。
「これは、あれだ、あのノートにあったやつ。
シャツを作り損ねたせいで下半身なくなって身を投げたっていう話だ、過去の」
言葉に出しながら水槽に手をつく。
「これは、あれだ、あのノートにあったやつ。
シャツを作り損ねたせいで下半身なくなって身を投げたっていう話だ、過去の」
KP
水槽を境に、あなたと彼は向き合う。
まるでやさしく泳ぐかのように、彼の身体がふわりと反転した。
まるでやさしく泳ぐかのように、彼の身体がふわりと反転した。
佐倉 光
「くそ、こんなの現実じゃない……!」
KP
あなたは叫ぶ。もう一歩、踏み出す?
牧志視点
KP
あなたは気づく。
わなわなと唇を震わせる彼の前、水槽のガラスとの一歩の距離に、床に大穴が開いている。
もし、ここから彼が一歩踏み出せば。
わなわなと唇を震わせる彼の前、水槽のガラスとの一歩の距離に、床に大穴が開いている。
もし、ここから彼が一歩踏み出せば。
牧志 浩太
「佐倉さん、危ない!」
KP
あなたの声に、彼が気づく様子はない。
佐倉 光
踏みとどまるかなぁ。
どういう状態なのかは分からないけど。水槽ってアクアリウムの馬鹿でかいようなヤツ?
どういう状態なのかは分からないけど。水槽ってアクアリウムの馬鹿でかいようなヤツ?
KP
そんな感じです。四角い巨大な水槽。
佐倉 光
そのガラス面に触れて、中身見つめてる感じかな。
拳を強く握りしめて叫ぶ。
「牧志! 返事をしろ! 見えてるなら俺の横っ面殴れ!」
目の前の光景が現実ではない、ということを言葉にして自分の耳で聞く。
人間は自分の言葉の影響を強く受けるためだ。
言霊、というやつだ。
プラシーボ効果とも言う。
拳を強く握りしめて叫ぶ。
「牧志! 返事をしろ! 見えてるなら俺の横っ面殴れ!」
目の前の光景が現実ではない、ということを言葉にして自分の耳で聞く。
人間は自分の言葉の影響を強く受けるためだ。
言霊、というやつだ。
プラシーボ効果とも言う。
KP
あなたは叫ぶ。
叫ぶ。
現実などではない、これは幻だ、そう拳を握りしめる。己に言い聞かせるかのように。
次の瞬間。
叫ぶ。
現実などではない、これは幻だ、そう拳を握りしめる。己に言い聞かせるかのように。
次の瞬間。
牧志視点
牧志 浩太
手を伸ばして振りかぶる。
あの時人形の肉を抉った爪を思い出した、いや違う、あれは幻だ。
「佐倉さん、ごめん!」
佐倉さんの頬めがけて、手を叩きつける。
あの時人形の肉を抉った爪を思い出した、いや違う、あれは幻だ。
「佐倉さん、ごめん!」
佐倉さんの頬めがけて、手を叩きつける。
牧志 浩太
「ごめん」
皮膚が危険を感じる一瞬前に、そんな声が聞こえた気がした。
皮膚が危険を感じる一瞬前に、そんな声が聞こえた気がした。
KP
──次の瞬間。
頬に、痛みが走った。
上品な寝室も水流も死体も消え失せ、みすぼらしく崩壊した室内があなたの視界に戻る。
頬に、痛みが走った。
上品な寝室も水流も死体も消え失せ、みすぼらしく崩壊した室内があなたの視界に戻る。
佐倉 光
「ぶ」
牧志 浩太
あなたの横には、あなたの頬を力一杯叩いたらしい牧志の姿があった。
「うわ、ちょっとやりすぎたか?」
「うわ、ちょっとやりすぎたか?」
佐倉 光
「……
この馬鹿力ぁ」
ひりひりする頬を撫でる。
この馬鹿力ぁ」
ひりひりする頬を撫でる。
牧志 浩太
「ごめんごめん。でも、気づいてくれてよかった」彼は安堵するように、ふう、と息を吐く。
佐倉 光
「サンキュ、助かった」
牧志 浩太
「何度呼んでも聞こえてないみたいでさ、……さっきの俺も、多分こうだったんだな」
佐倉 光
「くそ、ロクでもねぇもん見ちまった」
牧志 浩太
「何を見たんだ?」
佐倉 光
「……
お前の死体」
それ以上は思い出したくもなかった。
お前の死体」
それ以上は思い出したくもなかった。
牧志 浩太
「俺の? それで佐倉さん、あんなに驚いてたのか……。今更っていうか分かってたけど、ほんとに趣味が悪いな、あの魔女」
KP
ふと前を見ると、前の床に穴が空いていた。あのまま一歩踏み出していれば、落ちていただろう。
目の前の彼の光を宿した眼に、ふと、あの濁った眼を思い出してしまった。
《SANチェック:成功時減少 0 / 失敗時減少 1D3》
目の前の彼の光を宿した眼に、ふと、あの濁った眼を思い出してしまった。
《SANチェック:成功時減少 0 / 失敗時減少 1D3》
佐倉 光
CCB<=64 《SANチェック》 (1D100<=64) > 40 > 成功
佐倉 光
「おー、マジで危なかったな」
牧志 浩太
「うわ、穴だ。やだなそういう物理的トラップ」
佐倉 光
「絶対本物じゃないってのは頭で分かってんだけど。
なかなか、頭で考えるままには動けないもんだよな……」
(あのノートの人、下半身ないのにあんなでかい水槽よじ登って飛び込んだのか?)
(いや、リアルではあったんだろうけどさ……)
なかなか、頭で考えるままには動けないもんだよな……」
(あのノートの人、下半身ないのにあんなでかい水槽よじ登って飛び込んだのか?)
(いや、リアルではあったんだろうけどさ……)
牧志 浩太
「幻でも、見たら驚くよな……」なんだか実感のある呟きだった。
牧志視点
牧志 浩太
(さっきも驚いたしな……)
佐倉 光
さっきのヤツのことか……
牧志は崩れる俺を見たとか言ってたな。
牧志は崩れる俺を見たとか言ってたな。
KP
改めて室内を見回してみる?
佐倉 光
見てみよう。
KP
改めて室内を見回す。
壁の中身や柱を見るに、鉄筋は用いられていない構造らしい。風化した床は埃を被ってささくれ立っており、元は磨かれた木製のフロアだったことが伺えた。
屋根はほとんど崩落しており、うっすらと月光が差し込んでいる。
部屋の奥には、砂埃に覆われた水のない水槽がぽつんと置かれていた。
幻を振り払った今なら、穴を避けて近寄ることができるだろう。
壁の中身や柱を見るに、鉄筋は用いられていない構造らしい。風化した床は埃を被ってささくれ立っており、元は磨かれた木製のフロアだったことが伺えた。
屋根はほとんど崩落しており、うっすらと月光が差し込んでいる。
部屋の奥には、砂埃に覆われた水のない水槽がぽつんと置かれていた。
幻を振り払った今なら、穴を避けて近寄ることができるだろう。
佐倉 光
「リアルにも水槽あったのか」
近づいてみよう。
マジで死体がある可能性も、あるけどな……
穴から距離を取って足元に気をつけながら進む。
近づいてみよう。
マジで死体がある可能性も、あるけどな……
穴から距離を取って足元に気をつけながら進む。
牧志 浩太
幻でも水槽を見たのか、と聞こうとして、なんとなく思い出したくなさそうなのに気づいてやめる。あの幻、趣味が悪いだけだし。
KP
それは、高さにして2mほど、幅にして4mほどある大きな水槽だった。しかし奥行きはあまりないように見える。
……その中に、砂埃に覆われた何かが入っている。
……その中に、砂埃に覆われた何かが入っている。
牧志 浩太
「……水槽……」
佐倉 光
「ああ」
ため息をつく。
マジであったのか。
そうすると中身。
考えたくもないが……
ため息をつく。
マジであったのか。
そうすると中身。
考えたくもないが……
KP
中身をよく見てみる?
佐倉 光
中に踏み込んで探ってみる。
KP
結構高さがあるので、中に入るならばよじ登るなりする必要があるだろう。脚立や台にできそうなものは近くにないが、足場にできそうな人間なら横にいる。
牧志 浩太
「結構高いな。登れそう?」
佐倉 光
ああ、でもそうすると中から出るの大変そうか。
KP
他に入る方法を探すなら〈目星〉。
佐倉 光
CCB<=85〈目星〉1D100<=85) > 39 > 成功
ダイスぶん投げ
KP
ダイス演出がハデで一瞬びっくりする
佐倉 光
一応前のに戻すこともできるんですよね。
KP
あ、ほんとだ演出戻せるんですね。
個人的にはこれはこれで嫌いじゃないですが、シナリオ上あんまりにもそぐわない時は戻すかも。
個人的にはこれはこれで嫌いじゃないですが、シナリオ上あんまりにもそぐわない時は戻すかも。
佐倉 光
設定の在る場所からいって、部屋全体の設定になるのかな? これ。
KP
ぽいですね。
KP
古ぼけた水槽には所々にひびが入っており、よく見れば半分割れている箇所を見つけた。ここを割って開口部を確保すれば、乗り越えなくても入れそうだ。
佐倉 光
「よし、割ろう」
さっき使った即席ボーラで何とかしよう。
さっき使った即席ボーラで何とかしよう。
牧志 浩太
「また石の出番だな」
佐倉 光
「あまり振り回すと布が破れそうだから、ちょっと控えめに。
さっきの火かき棒でもありゃ、遠慮なしでできたんだけどなー」
さっきの火かき棒でもありゃ、遠慮なしでできたんだけどなー」
牧志 浩太
「渡しちゃったもんな、あれ」
KP
引っ張るだけで引き裂けてしまった布なのだ、そんな懸念もあるだろう。あなたは怪我をせぬよう慎重に水槽を割る。
佐倉 光
布を少し長めに持ち、少しだけ勢いをつけてガラス面に叩きつける。
まあ裂けちゃったらまたパーカーを犠牲にしよう。
まあ裂けちゃったらまたパーカーを犠牲にしよう。
KP
パリン、と微かに音がして水槽のひびが広がる。数度繰り返していれば、十分な開口部を確保できた。
佐倉 光
「Okちょっと潜ってくるか……」
足元に落ちたガラスなどに気をつけつつ進もう。
足元に落ちたガラスなどに気をつけつつ進もう。
KP
内側に向かって飛び散ったガラス片は中にあるなにかに刺さったようで、さいわい跳ね返ってくることはない。
あなたは内部のなにかに近づく。
……ここまで近づけば、それが何か分かる。
それは、折り重なるように積まれた人間の死体だった。
あなたは内部のなにかに近づく。
……ここまで近づけば、それが何か分かる。
それは、折り重なるように積まれた人間の死体だった。
佐倉 光
積まれてるのか
KP
身長は、160cmほどだろうか。三体の死体は髪型や靴、体型などからして全て女性のそれに見える。ばさばさになった髪とミイラ化した肌、恐怖に見開かれた目や口が、あなたに向かって彼女らに与えられた苦痛を物語っていた。
……その皮膚の上を、うっすらと輝く、あの不気味な斑紋が……、
腐肉にたかる蛆のように、ぬるぬると動き回っているのを、あなたは見てしまった。
佐倉さんのみ、《SANチェック:成功時減少 1 / 失敗時減少 1D3》
……その皮膚の上を、うっすらと輝く、あの不気味な斑紋が……、
腐肉にたかる蛆のように、ぬるぬると動き回っているのを、あなたは見てしまった。
佐倉さんのみ、《SANチェック:成功時減少 1 / 失敗時減少 1D3》
佐倉 光
「くそっ」
CCB<=64 《SANチェック》 (1D100<=64) > 79 > 失敗
1d3 (1D3) > 3
[ 佐倉 光 ] SAN : 64 → 61
CCB<=64 《SANチェック》 (1D100<=64) > 79 > 失敗
1d3 (1D3) > 3
[ 佐倉 光 ] SAN : 64 → 61
牧志 浩太
「佐倉さん、何かあったのか?」
あなたが上げた声に、水槽の外から牧志が呼びかける。
あなたが上げた声に、水槽の外から牧志が呼びかける。
佐倉 光
「女の死体が三体。あの噛み跡? とかいうやつがついてる。見なくていい」
否応もなしにあのノートを思い出してしまう。
さっきの牧志の死体。あれは彼女らが辿った運命だったのかも知れない。
否応もなしにあのノートを思い出してしまう。
さっきの牧志の死体。あれは彼女らが辿った運命だったのかも知れない。
牧志 浩太
「分かった。……」少し躊躇いながら、口を開く。
「一応、確認。その死体って、どんな格好をしてる?
服装とか、……髪型とか」
「一応、確認。その死体って、どんな格好をしてる?
服装とか、……髪型とか」
佐倉 光
「今までの死体と同じだ、ミイラ化してて……」
と、外見の特徴を伝える。
と、外見の特徴を伝える。
牧志 浩太
CCB<=90 【アイデア】 (1D100<=90) > 48 > 成功
佐倉 光
気付いちゃったね。見たもんね。幻。
牧志 浩太
「……ケイさんだ」
一番上に重なっていた死体の特徴を告げたとき、予感していたように、溜息をつくように呟いた。
一番上に重なっていた死体の特徴を告げたとき、予感していたように、溜息をつくように呟いた。
佐倉 光
「だろうと思ったよ」
頭がぐらぐらする……
頭がぐらぐらする……
牧志 浩太
「ここに、来て……、あのノートに書いてあった通りに、ここで死んだんだな……」牧志の声は、怒りと痛みが入り混じっているような声だった。
佐倉 光
「そうかお前、幻で彼女を見たんだったな……」
牧志 浩太
「ああ……。二人とも、生きようとしてたんだ。恒夫さんが殺されたっていう、あの時まで。殺されたっていう時も、ケイさんの眼は怒りに燃えていた」
佐倉 光
当然遺体に下半身はあるんだろうな。
KP
遺体には下半身がきちんと揃っている。干乾びた両脚から靴まで。
佐倉 光
そうだろうよ
「どうやって入ったのか、気になるところだけどな。
下半身がないと信じていた人間が、地下からここまで登ってきて、水槽に入り込むなんて事ができるのか?
構造違う可能性もあるけどさ」
「どうやって入ったのか、気になるところだけどな。
下半身がないと信じていた人間が、地下からここまで登ってきて、水槽に入り込むなんて事ができるのか?
構造違う可能性もあるけどさ」
牧志 浩太
「どうなんだろうな。魔女がここまで持ってきたとしたら、丁寧なことだけど」
佐倉 光
そのくせ水はきっちりはられていたのか、それとも幻に殺されたのか。
さっきのプラシーボ効果の逆、ノセボ効果は、容易く人を殺すんだ。
死体をよく見ることはできる?
何か持ってたりしないかな。
さっきのプラシーボ効果の逆、ノセボ効果は、容易く人を殺すんだ。
死体をよく見ることはできる?
何か持ってたりしないかな。
KP
おっ、その宣言があるなら気づくことができます。
女性の手が何か握りしめている。死してなお決して奪われまいとするように、骨を絡めてしっかりと。
女性の手が何か握りしめている。死してなお決して奪われまいとするように、骨を絡めてしっかりと。
佐倉 光
では両手を軽く合わせて
自分の手をぼろ布でくるんでから……と思ったけど硝子割るのに使ったヤツじゃ危ないな。
袖を伸ばして自分の手をくるみ、遺体の手を開かせよう。
自分の手をぼろ布でくるんでから……と思ったけど硝子割るのに使ったヤツじゃ危ないな。
袖を伸ばして自分の手をくるみ、遺体の手を開かせよう。
KP
手を開かせると、握り込まれていたものがノートのページを畳んだものだと分かる。開いてみる?
佐倉 光
開いて見よう。
KP
ページを開くと、何も書かれていないそのページの中から、ざらりと灰がこぼれ落ちた。
その灰が彼女の遺体にかかると、遺体の上を這っていたいやらしい斑紋が、その周囲を避けるように動いた。
何かに効果があるのかもしれない。
その灰が彼女の遺体にかかると、遺体の上を這っていたいやらしい斑紋が、その周囲を避けるように動いた。
何かに効果があるのかもしれない。
佐倉 光
「灰?」
それ以上零さないように慎重にまとめる。
それ以上零さないように慎重にまとめる。
KP
ノートのページで掬うことで、あなたは灰をこぼさずに集めることができるだろう。
佐倉 光
マッチ箱の出番か!?
(何が何でもガラクタを役立てようとするムーブ)
(何が何でもガラクタを役立てようとするムーブ)
KP
なるほど、空のマッチ箱に入れていくこともできるだろう。
佐倉 光
他に何もなさそうなら水槽の外に出よう。
KP
この中に他にあるのは、あなたたちには小さい女性の靴や、衣服や、干からびた死体や斑紋、それだけだった。
佐倉 光
じゅあ、牧志に中で見た物を説明して、灰を移すの手伝って貰おう。
牧志 浩太
CCB<=90 【アイデア】 (1D100<=90) > 97 > 致命的失敗
佐倉 光
「……で、中でこんなの見つけたんだ。
ケイさんが大事そうに持ってたんだけど、何の灰だろうな、これ」
ケイさんが大事そうに持ってたんだけど、何の灰だろうな、これ」
牧志 浩太
「灰? どうして、そんな物を……。もしかして、大事な人の遺灰とか、そういう。
あの暖炉の大量の灰、もしかしたら……」
あの暖炉の大量の灰、もしかしたら……」
佐倉 光
「うーん……その可能性もあるのか?
ゾッとしねぇな」
ゾッとしねぇな」
牧志 浩太
「……分からないけど、灰になって初めてなにかあいつに対抗できたんだとしたら、凄いけど、辛いな」あなたが持つ小さな箱を見て、目を伏せる。
佐倉 光
「いや、でも焼かれたもの、本のことしか書いてなかったし」
牧志 浩太
「うーん、それもそうか……」
佐倉 光
「さすがに焼き殺されてたら書くよな?」
牧志 浩太
「確かに。じゃあ、そういうわけでもないのか」
KP
真顔で言うけどこの男、【アイデア】でファンブっているのである。
佐倉 光
一応可能性としてはある。
……とはいえ、本が焼け残っているのに骨も残さず灰ってのはないだろ? と佐倉は思った。
……とはいえ、本が焼け残っているのに骨も残さず灰ってのはないだろ? と佐倉は思った。
KP
それはそう。骨とか残ってませんでしたしね。
佐倉 光
二周も漁ったからね。さすがに骨があったら気付くよ。
KP
確かに。二回漁ってますもんね。
佐倉 光
「何だか分かんねぇが、役に立つのは確かだ」
牧志 浩太
「だな。……使わせてもらおう」
KP
この部屋に、他に気になるものはなさそうだ。
佐倉 光
「そろそろ行くか」
マッチ箱はさらに紙きれで包んで、灰がこぼれないように。
マッチ箱はさらに紙きれで包んで、灰がこぼれないように。
牧志 浩太
「だな。あと一部屋か……」
佐倉 光
「そろそろ樹がヤバそうだ。急ごう」
牧志 浩太
「賛成!」
佐倉 光
では急いで戻る!
KP
ミシミシと嫌な音を立てる枝の上を、あなたたちは慎重に、急いで渡る。
二人とも、【幸運】+20%>で判定。
二人とも、【幸運】+20%>で判定。
牧志 浩太
CCB<=60+20 【幸運】 (1D100<=80) > 8 > スペシャル
佐倉 光
CCB<=75+20 【幸運】 (1D100<=95) > 16 > スペシャル
佐倉 光
めっちゃ気をつけた。
KP
その枝は比較的安定しているようだった。
あなた達はしっかりとした足元を、無事に渡り切り──
渡り切った直後、何の前触れもなく、突然枝が付け根からもぎ折れて地面に落ちた。
あと一瞬遅ければもろとも落ちていただろう。
二人とも《SANチェック:成功時減少 0 / 失敗時減少 1》
あなた達はしっかりとした足元を、無事に渡り切り──
渡り切った直後、何の前触れもなく、突然枝が付け根からもぎ折れて地面に落ちた。
あと一瞬遅ければもろとも落ちていただろう。
二人とも《SANチェック:成功時減少 0 / 失敗時減少 1》
牧志 浩太
CCB<=62 《SANチェック》 (1D100<=62) > 33 > 成功
佐倉 光
CCB<=61 《SANチェック》 (1D100<=61) > 4 > 決定的成功/スペシャル
無駄クリしてる……
無駄クリしてる……
KP
クリティカルは最低値を減少、0ですな。
佐倉 光
「三度目となると、なんか意図を感じざるを得ないな」
牧志 浩太
「前触れがないと余計に怖いな。これも魔女の思惑だって?
ちょっとありそうで嫌だな。それならそれで、余裕ぶってるうちに利用するしかないけど」
ちょっとありそうで嫌だな。それならそれで、余裕ぶってるうちに利用するしかないけど」
佐倉 光
「意図的なら最後の部屋も漁らせてくれるだろうし、そうじゃなきゃラッキー。灰を渡してこよう」
牧志 浩太
「だな」
佐倉 光
「ここで枝落としてエンドなんて、どう考えても『面白くない』からな……」
半田 亮司
作業に没頭していた半田が、あなたたちの姿を見て顔を上げる。
佐倉 光
「戻りました」
牧志 浩太
「ただいま、戻りました」
半田 亮司
半田は何か難航しているらしく、頭皮を掻いたのか帽子が少しずれ、唇に噛んだ跡があった。
「何かあったか?」
「何かあったか?」
佐倉 光
苦戦しているな……
向こうの部屋で手に入れた灰を、自分が見た効果を伝えつつ渡す。
向こうの部屋で手に入れた灰を、自分が見た効果を伝えつつ渡す。
半田 亮司
「そうか。……そいつの事は可哀想だったが、その灰は役に立つな。きっと、本を燃やしたって奴だろう。呪文が書かれたページが、灰になっても力を残しているんだ」
佐倉 光
「呪文のページ? 切り取られた部分はそれじゃなかったって事ですか」
牧志が見つけていた3つの紙片を指す。
「確かにノートに呪文って書いてあったな……」
牧志が見つけていた3つの紙片を指す。
「確かにノートに呪文って書いてあったな……」
半田 亮司
「ノートを読ませてもらったが、彼女は翻訳者だったそうだな。きっと、呪文のページに当たりをつけて、書き写したんだろう」
佐倉 光
「なるほど……」
半田 亮司
「正確に写せていれば、写しでも力を持つからな」
佐倉 光
「コピーはともかく、その情報を失った媒体も力を持つ、か。どういう理屈なんだよ」
とにかく灰を渡そう。
とにかく灰を渡そう。
半田 亮司
彼は灰を大事そうに受け取り、傍らに置いた。
佐倉 光
「じゃ、後一カ所行ってきます」
牧志 浩太
「行ってきます」
半田 亮司
「ああ。こっちは任せろ」
半田は灰の入った小箱と、自身の指先を見つめて、何かを考えているようだった。
半田は灰の入った小箱と、自身の指先を見つめて、何かを考えているようだった。
佐倉 光
〈心理学〉してみる?
なんか色々悩んでるねおじいちゃん。
可能なら55。
なんか色々悩んでるねおじいちゃん。
可能なら55。
KP
お、いいでしょう。こちらで振ります。
シークレットダイス
KP
シークレットダイス sCCB<=55 佐倉さん〈心理学〉 (1D100<=55) > 60 > 失敗
シークレットダイス sCCB<=77 牧志〈心理学〉 (1D100<=77) > 58 > 成功
シークレットダイス sCCB<=77 牧志〈心理学〉 (1D100<=77) > 58 > 成功
佐倉 光
た、対抗? いや牧志か。
KP
です。>牧志の
牧志 浩太
「……半田さん、何か考えてたな」枝の上を歩きながら、牧志がふっと口を開く。
佐倉 光
「ん、そうみたいだな。
大分苦戦してるように見えたけど」
大分苦戦してるように見えたけど」
KP
半田の横顔は随分と色々なものを抱え込んでいるように、あなたには思えた。
佐倉 光
「無茶しなきゃいいけどな、半田さん」
牧志 浩太
「……何かするかしないか、考えてるようだったんだ、半田さん。自分の指を見つめて何か考えてた」
佐倉 光
「助けられるかも知れなかった俺たちを、そのままある意味見捨てて利用したことにも責任感じてそうだしさ」
牧志 浩太
「俺もそう思う。そこのとこ割り切れる人じゃなさそうだよな」
佐倉 光
「まー、せいぜい俺たちは負担が軽くなるようにできる限り役立ちそうな物を探す、無理はしない、って努力しよう」
牧志 浩太
「だな」
佐倉 光
「さしあたって……」
行く手の一本残った枝を見つめる。
「落ちないように行こう」
行く手の一本残った枝を見つめる。
「落ちないように行こう」
牧志 浩太
「……一番最後か。この時点でもうバランス悪そうで嫌だけど、行くしかないな」一度息を呑み、枝の上に踏み出す。
KP
ミシリ、ミシリと嫌な音を立てる枝の上を、あなたたちは伝って歩く。
崩壊した扉を前のように蹴破れば、室内に入れそうだ。
崩壊した扉を前のように蹴破れば、室内に入れそうだ。
牧志 浩太
「よし」牧志が一歩前に出る。
佐倉 光
「気をつけろよ、今までのパターンからするとまた……」
牧志 浩太
「……だな。互いに、様子がおかしかったら呼びかけるなり叩くなりしよう」
落ちないように注意しながら、少しだけ勢いをつけて扉を蹴破る。
落ちないように注意しながら、少しだけ勢いをつけて扉を蹴破る。
KP
すっかり崩壊した扉はあっけなく内側へ折れ、その隙間から室内へ入れそうだ。
佐倉 光
入ろう。
牧志 浩太
室内へ入る。
KP
二人とも、【POW】×5>
佐倉 光
CCB<=(15×5) 【POW】 (1D100<=75) > 20 > 成功
牧志 浩太
CCB<=(12×5) 【POW】 (1D100<=60) > 33 > 成功
佐倉 光
パスした
KP
そこは、がらんとした部屋だった。調度品の残骸や壊れた棚などが、部屋の中に散乱している。
奥に朽ちたかまどのようなものがあるが、建物の構造からして見た目が綺麗だったとしても、実際に使用できるものではないのではないかと思う。
奥に朽ちたかまどのようなものがあるが、建物の構造からして見た目が綺麗だったとしても、実際に使用できるものではないのではないかと思う。
牧志 浩太
「……今度は、大丈夫そうだな」
佐倉 光
「かまど……か。
……見えなくて良かった、と思う。
どう考えてもヘンゼルとグレーテルじゃねぇか」
……見えなくて良かった、と思う。
どう考えてもヘンゼルとグレーテルじゃねぇか」
牧志 浩太
「俺や佐倉さんが太らされて、魔女に食べられるのか? 嫌過ぎるな」
佐倉 光
「食われる方ならまだしも、魔女だときついからさ」
牧志 浩太
「……あー……。考えたくないな。
獣になる幻を見せられてた時、爪が佐倉さんを裂いちゃうんじゃないかと思って、ずっと怖かったんだ」
獣になる幻を見せられてた時、爪が佐倉さんを裂いちゃうんじゃないかと思って、ずっと怖かったんだ」
佐倉 光
「あー……
正直俺も。
悪意がなくても本能がどうしても避けるってゆーか。
芸の途中でくしゃみするライオン? とか思い出してさ……」
正直俺も。
悪意がなくても本能がどうしても避けるってゆーか。
芸の途中でくしゃみするライオン? とか思い出してさ……」
牧志 浩太
「だよな。そのつもりがなくてもうっかり、なんてやりそうで」
佐倉 光
佐倉は多分某ゲームやったことはない。
※ライオンのくしゃみで人死にが出る
※ライオンのくしゃみで人死にが出る
KP
●●●●は牧志もやったことなさそうだなぁ。みんなでワーワー遊ぶ系ゲームがメインっぽい。
牧志 浩太
「どこかで訳が分からなくなって佐倉さんを食っちゃうんじゃないかって気も、ずっとしてた。だからって離れていたら、喋れなくなりそうで」
あなたと共に室内を見回しながら、そんな呟きが落ちた。
あなたと共に室内を見回しながら、そんな呟きが落ちた。
佐倉 光
「離れたくても離れられないどころか、精神がくっつくとか言うわけわかんねぇ状態だったけどな……
ま、今度そんな機会があっても、適度な距離保ってりゃいいんだよ。
……ったく、本当に死んだかと思ったんだぞ……」
ま、今度そんな機会があっても、適度な距離保ってりゃいいんだよ。
……ったく、本当に死んだかと思ったんだぞ……」
牧志 浩太
「本当にな。……互いに、生きててよかった」
佐倉 光
「牧志が俺の中にいるとか言われて、けどそっちの方が不安だった。
呼んでも返事しねぇし、あいつみたいに消えたんじゃないかと」
呼んでも返事しねぇし、あいつみたいに消えたんじゃないかと」
牧志 浩太
「……」あいつ。その言葉を聞いて、牧志がふっと口を閉じた。
佐倉 光
「普通の行方不明じゃなくて、頭の中に消えちまったらもう、どうしようもないじゃないか」
軽くため息ついて、とりあえずその辺に使えそうな物が残っていないか探し始める。
軽くため息ついて、とりあえずその辺に使えそうな物が残っていないか探し始める。
佐倉 光
しかしそういえばメガテンにはサイコダイバーって職業もあったなぁ。
KP
なるほど、頭の中に消えちゃっても探せる?
佐倉 光
精神世界に捜しに行くイベントが結構あるんですよね。
牧志 浩太
少し、沈黙が落ちた。
何かをたっぷり思案してから、ふっと牧志が呟くようにあなたの名を呼ぶ。
「……佐倉さん」
何かをたっぷり思案してから、ふっと牧志が呟くようにあなたの名を呼ぶ。
「……佐倉さん」
佐倉 光
「どうした?」
牧志 浩太
「消えてないよ」
佐倉 光
「……え?」
一瞬、何を言っているのか分からない、という顔をする。
一瞬、何を言っているのか分からない、という顔をする。
牧志 浩太
「根拠はないんだけどさ。あいつは、きっと消えてない」
その声には、不思議な確信の響きがあった。
あなたを慰めようとか、気休めとか、そういうものではなく、ただ足元に落とすような、そこにある事実を確かめるような声だった。
その声には、不思議な確信の響きがあった。
あなたを慰めようとか、気休めとか、そういうものではなく、ただ足元に落とすような、そこにある事実を確かめるような声だった。
佐倉 光
佐倉も何かに思い当たってから、牧志を見て長いこと考え込んでいた。
「……分かったよ」
ぽつりと呟いてから、苦笑する。
「たまには自分の感覚より、お前を信じてみるってのもいいかもな。
なかなか、難しいけどさ」
「……分かったよ」
ぽつりと呟いてから、苦笑する。
「たまには自分の感覚より、お前を信じてみるってのもいいかもな。
なかなか、難しいけどさ」
KP
自分の感覚と理性を信じる佐倉さんだもんな!
佐倉 光
「悪い。急がなきゃならないときに。さっさと調べちまおう。
ありがとう、牧志」
ありがとう、牧志」
牧志 浩太
「いいよ。なんとなく言いたかったんだ」
砂埃だらけの場所をあなたと共にうろついていた彼の横顔には、少し埃が乗って、煤けたようになっていた。
砂埃だらけの場所をあなたと共にうろついていた彼の横顔には、少し埃が乗って、煤けたようになっていた。
佐倉 光
よーし、いいイベントいただいた。
牧志 浩太
丁度いい機会だった。
KP
周囲を探し回っていると、崩れた棚や調度品の合間に、何か鈍い光を見たような気がした。
また、かまどには雨ざらしの薪がくべられており、その合間に何か光るものが見えた。
また、かまどには雨ざらしの薪がくべられており、その合間に何か光るものが見えた。
佐倉 光
「かまどにもなんか見えたな。そっち見てくれるか?」
棚や調度品を探ってみよう。
棚や調度品を探ってみよう。
牧志 浩太
「分かった。そっちは頼む」
KP
では佐倉さんの方から順番に。
崩れた棚や調度品の間に、太く丈夫そうなロープを見つけた。これらは朽ちてはおらず、身をあずけたとしても大丈夫そうに見える。
また、その合間に金属製の金具のようなものが落ちている。
【知識】/2または〈博物学〉で判定。
あなたが登山やクライミング、あるいは本格的なキャンプなどのアウトドア経験があるなら、判定無しでよい。
崩れた棚や調度品の間に、太く丈夫そうなロープを見つけた。これらは朽ちてはおらず、身をあずけたとしても大丈夫そうに見える。
また、その合間に金属製の金具のようなものが落ちている。
【知識】/2または〈博物学〉で判定。
あなたが登山やクライミング、あるいは本格的なキャンプなどのアウトドア経験があるなら、判定無しでよい。
佐倉 光
アウトドア? 無茶言っちゃいけない。
「お、いいものあるじゃん。言ってみるもんだな」
「お、いいものあるじゃん。言ってみるもんだな」
牧志 浩太
「何かあったのか?」
佐倉 光
「嫌な記憶とセットになってるけど、役立ちそうだ」
ロープで降りようとしておちたもん。
ロープで降りようとしておちたもん。
KP
ああー。
佐倉 光
落下はしなかったけどおかげで怪我はするわ大事な物落とすわで酷い目に遭ったんだ……
「やっぱ体に引っかける金具なんかもないと危ないよなー」
「やっぱ体に引っかける金具なんかもないと危ないよなー」
以前のシナリオで佐倉はロープによる登攀(下り)で失敗して、いろいろ酷い目に遭っている。
佐倉 光
CCB<=95/2 【知識】 (1D100<=47) > 40 > 成功
KP
それらは登山用の丈夫なカラビナだ。キーホルダーについているようなものとは質が違い、体重をかけたとしてもびくともしないようなものだ。
有名なアメリカのメーカーのもので、このブランドのスポーツウェアを着ている人は時々街にいるかもしれない。
有名なアメリカのメーカーのもので、このブランドのスポーツウェアを着ている人は時々街にいるかもしれない。
佐倉 光
「お、カラビナだ。
これ、何とかなるんじゃねぇか?」
これ、何とかなるんじゃねぇか?」
牧志 浩太
「お?」かまどの中を探し回っていたらしい牧志が振り向く。
佐倉 光
「使い方は……一応動画で見たことはある」
多分そんな動画見ようと思った動機があの酷い経験。
多分そんな動画見ようと思った動機があの酷い経験。
牧志 浩太
「凄いな、そのロープ本格的なやつじゃないか? もうちょっと早いタイミングで欲しかったなー、命綱」
佐倉 光
「まったくだなー。今回も帰りには使えねぇけど、ないよりゃましだ」
枝に引っかけながら戻れば、少しは安全かも知れないな。
枝ごと落ちれば意味ねーんだけどさ。
枝に引っかけながら戻れば、少しは安全かも知れないな。
枝ごと落ちれば意味ねーんだけどさ。
牧志 浩太
「帰りじゃなくても、どこかで役に立つかもしれないしな、それこそ。で、こっちは……」
KP
というところで牧志サイド。
砂埃を被ったかまどには使われた形跡や煤の類がまったくない。そもそも、ここに排煙設備はないのだ。こんなところで火を焚けば煙だらけになる。
そのかまどには薪がくべられているが、雨ざらしになっており、こちらも燃えそうには見えない。
牧志、〈目星〉。
砂埃を被ったかまどには使われた形跡や煤の類がまったくない。そもそも、ここに排煙設備はないのだ。こんなところで火を焚けば煙だらけになる。
そのかまどには薪がくべられているが、雨ざらしになっており、こちらも燃えそうには見えない。
牧志、〈目星〉。
牧志 浩太
CCB<=84〈目星〉1D100<=84) > 94 > 失敗
KP
何か光ったような気がしたが、気のせいだったかもしれない。
佐倉 光
あぶない!
牧志 浩太
危うくまたファンブルするところだった!
牧志 浩太
「かまどに薪があったけど、雨ざらしで燃えそうな感じじゃなかった。そもそも、火をつける物もないしな。
で、何か光ったような気がしたんだけど、見つけられなくてさ。佐倉さん、ちょっと見てもらっていい?」
で、何か光ったような気がしたんだけど、見つけられなくてさ。佐倉さん、ちょっと見てもらっていい?」
佐倉 光
「ああ、分かった」
CCB<=85〈目星〉1D100<=85) > 82 > 成功
CCB<=85〈目星〉1D100<=85) > 82 > 成功
佐倉 光
あぶな
KP
さっきから出目が危ないなあ
佐倉 光
しかし今日はそこまで酷くもない。
牧志 浩太
これからの出目がこわい。
佐倉 光
帰りにダブファンとかやめてねぇ~
佐倉 光
よくよくのぞき込んでみよう。
KP
薪の間をよく覗き込んでみると、月の光がさした一瞬、そこで何かがきらりと光った。
佐倉 光
「ここか……」
薪をどけてかき分けてみよう。
薪をどけてかき分けてみよう。
KP
古びたプラスチック製の小瓶がひとつ、薪の間に転がっていた。その瓶の鈍い光沢が、かろうじてあなたの眼に留まったものらしかった。
佐倉 光
「おっ、あったあった」
KP
ラベルには「閃光粉」と日本語で書いてある。
【知識】/2〈博物学〉〈写真術〉/2〈化学〉のいずれかで判定。同一情報。
【知識】/2〈博物学〉〈写真術〉/2〈化学〉のいずれかで判定。同一情報。
佐倉 光
「我ながらこんなのよく見えたな」
CCB<=95/2 【知識】 (1D100<=47) > 9 > スペシャル
マグネシウムかな?
CCB<=95/2 【知識】 (1D100<=47) > 9 > スペシャル
マグネシウムかな?
牧志 浩太
CCB<=75/2 【知識】 (1D100<=37) > 69 > 失敗
「閃光粉?」
「閃光粉?」
佐倉 光
「光るんだろうな。
待てよ、なんか見覚えあるな。確か……」
待てよ、なんか見覚えあるな。確か……」
KP
それを実際に使ったことのある人は少ないだろうが、学校の授業や化学の本などで、現象のほうは聞いたことがあるのではなかろうか。
それは、昔のストロボによく用いられた粉だ。
硝酸カリウムと粉末マグネシウムを混ぜてあり、炎色反応を用いて眩しい白の閃光を生み出す。
それは、昔のストロボによく用いられた粉だ。
硝酸カリウムと粉末マグネシウムを混ぜてあり、炎色反応を用いて眩しい白の閃光を生み出す。
佐倉 光
「マグネシウムの混合物で、炎色反応起こすヤツだな。
ストロボに使われたヤツだ。
光、ってことは、役に立ちそうだな。
半田さんも閃光弾であいつの動き止めてたし」
ストロボに使われたヤツだ。
光、ってことは、役に立ちそうだな。
半田さんも閃光弾であいつの動き止めてたし」
牧志 浩太
「そうなのか? ああー、そういえばやったな、マグネシウムに火をつけると光るやつ。あれか。
授業でやったのは、リボンに火をつけるやつだったけど」
授業でやったのは、リボンに火をつけるやつだったけど」
佐倉 光
「ネットで良く話題にしてる奴がいるな。そんなメジャーな実験なのか」
佐倉 光
授業出てないから知らない。
牧志 浩太
「結構。中学校だったかな、確かそのへん」
佐倉 光
「へー……」
牧志 浩太
「その後クラスの奴が盗み出して、ひと騒ぎになったけど」
牧志視点
牧志 浩太
(先輩の学校たまに結構はじけてるよな、こう思うと)
佐倉 光
「どうなったんだ?」
牧志 浩太
「あー、バレてこってり絞られてたよ」
佐倉 光
「まあ、気持ちは分からなくもない」
動画で見るだけでもびっくりしたし。
動画で見るだけでもびっくりしたし。
牧志 浩太
「見たらもっと試してみたくなるとか、イタズラしたくなるのは分かるよな。盗み出すのはないなって思ったけど」
佐倉 光
「今度やってみるか……」
牧志 浩太
「お、その時は一緒にやりたい。
もしかすると、その前にここで試すことになるかもしれないけどさ」
もしかすると、その前にここで試すことになるかもしれないけどさ」
佐倉 光
「観察する暇なさそうだしさ」
牧志 浩太
「それはそう。落ち着いてやれそうにはない」
佐倉 光
マグネシウムリボンはやっぱり印象的なんだよなぁ。
KP
なんですよね。光るし。銀鏡反応と並んで印象的な気がします。
佐倉 光
銀鏡反応は知らないなぁー
覚えてないだけかな?
覚えてないだけかな?
KP
銀使う関係でそこそこコストがかかるので、全員向けにやってない可能性もありますね。
KP
さて、ここに他にあるのはがらくたと役に立たないかまど、あと雨ざらしの薪くらいだ。
佐倉 光
「よし、ここでめぼしい物はこのくらいかな。
腹括って帰るか」
腹括って帰るか」
牧志 浩太
「結構色々集まったな。これで魔女と大決戦か……。よし、行こう」
佐倉 光
戻ろう。
木の枝を渡る。
木の枝を渡る。
KP
いいかげん枝が落ちるのを何度も見てきたあなた達は、どういう時にどこから折れるのか、少しずつ分かってきたような気もする。それでもやっぱり落ちるのだろうな、とは思うが。
【アイデア】-20%で判定。
【アイデア】-20%で判定。
佐倉 光
CCB<=85-20 【アイデア】 (1D100<=65) > 94 > 失敗
佐倉 光
ファンブルじゃなくて良かった!
さっきからきわどいな。
さっきからきわどいな。
KP
ほんとに。出目がスレスレを行っている。
牧志 浩太
CCB<=90-20 【アイデア】 (1D100<=70) > 9 > スペシャル
佐倉 光
ここなら多分大丈夫。確信持って踏み出す。
牧志 浩太
「佐倉さん、多分そっちから折れそうだ。反対側から行こう」牧志があなたに手を差し出す。
佐倉 光
「あ、そう? そうか」
素直に従っとこう。
「たまには自分の感覚より……」
素直に従っとこう。
「たまには自分の感覚より……」
牧志 浩太
「俺の感覚も佐倉さんが見つけた情報のひとつ、ってことでいいんじゃないかな」
佐倉 光
「……なるほど?」
うまいこと言うな、と思った。
確かにそれを信じようと選択するのは俺だしな。
それなら、さっきの、牧志の言葉を信じることにした俺の判断は間違っていないと信じたいもんだ。
「っと、いけね、急がなきゃ」
うまいこと言うな、と思った。
確かにそれを信じようと選択するのは俺だしな。
それなら、さっきの、牧志の言葉を信じることにした俺の判断は間違っていないと信じたいもんだ。
「っと、いけね、急がなきゃ」
KP
せめてもとロープを枝に巻きつけ、あなた達は牧志の感覚に従って崩壊しつつある枝の上を辿っていく。
幸い、崩れていく所を踏むことなく、どうにか崩壊しきる直前に幹へとたどり着いた。
幸い、崩れていく所を踏むことなく、どうにか崩壊しきる直前に幹へとたどり着いた。
佐倉 光
よりによって補助アイテム最後に回しちゃったかw
まあそんなときもある。
まあそんなときもある。
KP
枝はすべて落ちてしまい、もう立てる場所はこの幹の上しかない。戻ると、半田があの薬の小瓶の蓋を開くところだった。
半田 亮司
「戻ったか」
佐倉 光
「ただいま……あれ、その薬」
半田 亮司
「不甲斐なくて悪いが、時間が足りなくてな。少し、時間を作ってやろうとしていた所だ」
佐倉 光
「……まずはこっちの収穫から。少しは時短になるものがあるかもしれないし。
ロープと、マグネシウム混合物です。
枝は全部落ちたから、あとはこの場にある物で何とかするしかないかな……」
言って、アイテムを見せよう。
ロープで穴から下に降りてみる、なんてルートもあったかも知れないな。
ロープと、マグネシウム混合物です。
枝は全部落ちたから、あとはこの場にある物で何とかするしかないかな……」
言って、アイテムを見せよう。
ロープで穴から下に降りてみる、なんてルートもあったかも知れないな。
半田 亮司
「閃光粉か、これは使えるな」半田は言い、小瓶を受け取る。
「……そのロープは君達が持っているといい。何かあった時の命綱になる」
「……そのロープは君達が持っているといい。何かあった時の命綱になる」
牧志 浩太
「……半田さん?」牧志が何かを感じ取ったように、呼びかけた。
佐倉 光
「……無理しようとしてませんか。
そりゃ無理しないと色々難しいのは分かりますけど」
そりゃ無理しないと色々難しいのは分かりますけど」
半田 亮司
「察しがいいな、君達は。……あいつらも、君達のように聡い奴だったよ」半田は戻らない昔を懐かしむかのように、いちど目を伏せる。
佐倉 光
シモムラさんたちのことか
「俺、こう見えても悪魔使いです。牧志は魔術についてちょっと知ってます。何かお手伝いできることがあるかも知れない」
「俺、こう見えても悪魔使いです。牧志は魔術についてちょっと知ってます。何かお手伝いできることがあるかも知れない」
半田 亮司
「そうか……。三十年前に知り合っていれば、一緒に奴を追えたかもな。
大丈夫、少し過去に戻って時間を作ってくるだけだ。過去を弄ろうという気はない」
彼は蓋の開いた小瓶を持って、そのたゆたう中身を見つめる。
それは、その行為にリスクがあることを、どこかで承知しているような眼だった。
大丈夫、少し過去に戻って時間を作ってくるだけだ。過去を弄ろうという気はない」
彼は蓋の開いた小瓶を持って、そのたゆたう中身を見つめる。
それは、その行為にリスクがあることを、どこかで承知しているような眼だった。
佐倉 光
「猟犬に追われるって言ってましたよね……」
半田 亮司
「これは希釈されている。なに、戻るとしても一日か、せいぜいが数日だろう。大丈夫だよ」
牧志 浩太
「……」何か言いかけて、きっと止めようとしたのだろう、それでも言い切った言葉の強さに、何も続けられなくなったようだった。
佐倉 光
一日。数日。それで、どうするつもりだ?
「過去を変えずに、時間を作ることなんかできるんですか?」
「過去を変えずに、時間を作ることなんかできるんですか?」
半田 亮司
「それだけ時間を作れれば、終わっていない翻訳もできる。加工のコツも掴める。……過去は変えなくとも、俺の頭の中のものだけは残せるからな」
佐倉 光
大丈夫なのか、それは……
そんな都合のいい話があるのか?
大体そういうことをするなら時間の流れが変わって……過去が変わるんじゃないのか?
そんな都合のいい話があるのか?
大体そういうことをするなら時間の流れが変わって……過去が変わるんじゃないのか?
半田 亮司
「任せていてくれ。これには俺が適任だ」
力ずくで止めたりしないのならば、彼はそのまま小瓶の薬を呷る。
力ずくで止めたりしないのならば、彼はそのまま小瓶の薬を呷る。
佐倉 光
どうなんだろう。
自分が戻って何かできるのか、というと、難しいところだ。
どうせ悪魔は使えない。
翻訳ができるわけでもない。
知識もない。
多少、この館のことが分かった状態で二周目をやっても……半田さん以上の成果が出せるとは思えない。
「くそ……」
ギリ、と奥歯をかんだ。
自分が戻って何かできるのか、というと、難しいところだ。
どうせ悪魔は使えない。
翻訳ができるわけでもない。
知識もない。
多少、この館のことが分かった状態で二周目をやっても……半田さん以上の成果が出せるとは思えない。
「くそ……」
ギリ、と奥歯をかんだ。
佐倉 光
うーん。止めたいけどどうしようもないなぁー。
牧志 浩太
数度迷い、何か考え、小瓶を呷る様子に手が出かけて……。出しかけた手が、悔しそうに握られた。
佐倉 光
「今ここで一番知識があるのは、半田さんだ。
半田さんの判断を……信じる。
本当に、それしかないんですね?」
半田さんの判断を……信じる。
本当に、それしかないんですね?」
半田 亮司
「考えている時間も惜しいからな。……これが一番いいんだ。この後君達にも危険を負わせるんだ、今くらいは俺に任せてくれ」
半田はどこか苦笑するような、温かみのある表情を一瞬浮かべた。
そして一息に薬を呷ると、胡坐をかいて目を閉じる。
その様子はただ目を閉じているようにしか見えず、傍目には何の変化もないように感じられた。
半田はどこか苦笑するような、温かみのある表情を一瞬浮かべた。
そして一息に薬を呷ると、胡坐をかいて目を閉じる。
その様子はただ目を閉じているようにしか見えず、傍目には何の変化もないように感じられた。
佐倉 光
黙って待つ。
牧志 浩太
「……くそ……」空になった小瓶を見て、悔しそうな声を漏らす。
シークレットダイス
半田 亮司
S1d100 (1D100) > 3
牧志 浩太
「あれが一番いいなんて言ってたけど、半田さん……、自分で背負うって顔、してたな。
……悔しいな。無茶したんだって分かるのに、そのまま助けてもらうのって。どうしていいか分からなくなる」少し視線を落としながら、牧志が呟く。
……悔しいな。無茶したんだって分かるのに、そのまま助けてもらうのって。どうしていいか分からなくなる」少し視線を落としながら、牧志が呟く。
あなたは無力です
佐倉 光
やり方聞いて自分で行くっていえば良かったのか! などと思った。
KP
でもこの面子、ラテン語読めるのが半田だけなんだ!
佐倉 光
そうなんだよなー。
聞いても無駄だって一蹴されそうだったけど、訊くくらいはしても良かったかも。
聞いても無駄だって一蹴されそうだったけど、訊くくらいはしても良かったかも。
佐倉 光
「信じて待つしかねぇよ……
そもそも何が起こるかも、どんな危険があるのかも分かんねぇんだよ」
そもそも何が起こるかも、どんな危険があるのかも分かんねぇんだよ」
牧志 浩太
「……もし佐倉さんが行くって言ったら、どうしてたんだろうな、俺。止めてたかもしれない。そんなことを考えてた。
でも、半田さんのことは止められなかったんだ」
でも、半田さんのことは止められなかったんだ」
佐倉 光
「牧志……」
牧志 浩太
「そうだよ、大丈夫な筈がない。でも佐倉さんがそうしてたんならもっと強く止めてただろうって、俺は」
佐倉 光
「さあな、俺だってこの判断が正しかったかどうかなんて分からないし、お前が行くと言えば止めたかも知れない。
けど、俺やお前が戻ったところで、半田さん以上に役に立てるとは思えない。
この考えだって間違っているとは思わない。
気に病むな。決めちまったんだ、信じるしかない」
けど、俺やお前が戻ったところで、半田さん以上に役に立てるとは思えない。
この考えだって間違っているとは思わない。
気に病むな。決めちまったんだ、信じるしかない」
牧志 浩太
「……そうだな。ありがとう、佐倉さん。決めてから言っても仕方ないよな。分かってるんだ、何かを優先しなきゃいけない時、俺はやっぱり誰かを優先するだろうって。
そういう時、誰かを見捨ててでもそうするだろうって。でも改めて、なんだか実感してさ」
そういう時、誰かを見捨ててでもそうするだろうって。でも改めて、なんだか実感してさ」
佐倉 光
「人間、エゴを捨てるなんて無理だよ。
そうできてるんだ。そういう生き物なんだ。
できなくてもそれはお前が悪い奴だからじゃない。普通の人間だからだ」
そうできてるんだ。そういう生き物なんだ。
できなくてもそれはお前が悪い奴だからじゃない。普通の人間だからだ」
牧志 浩太
「普通、か」
佐倉 光
「COMPにお前カオス寄りねって判定されてる俺に言われてもって思うかも知れないけどさ。
常に公正に、自分に近しいかどうかも全部取っ払って判断できたらそりゃ、人間じゃねぇんだよ。
聖人、魔人、そういう超越者だ。
そんなの真似できないからって悩むな」
常に公正に、自分に近しいかどうかも全部取っ払って判断できたらそりゃ、人間じゃねぇんだよ。
聖人、魔人、そういう超越者だ。
そんなの真似できないからって悩むな」
牧志 浩太
あなたの言葉に手を伸ばし、抱き込んで受け止めるように、少しのあいだ沈黙が落ちた。
「変な言い方かもしれないけどさ。そんな佐倉さんだから、すごく腑に落ちる気がした」
一度、そう言ってふっと笑む。
「変な言い方かもしれないけどさ。そんな佐倉さんだから、すごく腑に落ちる気がした」
一度、そう言ってふっと笑む。
佐倉 光
「凡人は凡人らしく、悪あがきか神頼みでもしようぜ?」
牧志 浩太
「神頼みか、皇津様かこっちかどっちに声が届くかちょっと自信ないなー……」首筋の赤い痣を軽く掻く。
佐倉 光
「いっそどっちでもいいよ。助けてくれるなら」
(前回あいつには助けられてるし……)
(前回あいつには助けられてるし……)
佐倉 光
佐倉は知らないけど、いつもたすけてくれてるし。
真・女神転生TRPGで彼らを導いて色々と助言をくれたりする酒場の神父。彼を『覗いた』波照間は赤い三つの瞳を見ている。
牧志 浩太
「まあ確かに。いっそ頭上で空中戦でも、俺達と半田さんが助かるならそれでいい」
佐倉 光
「それじゃー頼んでみるか……」
右手を目の前にかざし、赤いアザを見つめる。
「ここにいるのもあいつか、そうじゃないかは知らないけど」
右手を目の前にかざし、赤いアザを見つめる。
「ここにいるのもあいつか、そうじゃないかは知らないけど」
KP
あなたの指先に刻まれた痣は、今でも生々しい傷のような赤い色を保っている。
牧志 浩太
その様子を見て、無意識にか首筋の痣に手を当てた。
佐倉 光
「俺たちは生き残った方が楽しいと思うね。
俺たちを生かしたいなら半田さんが役に立つぞ」
皮肉っぽく囁いて、半田さんの無事を念じた。
「あのイルカあたりが応えればラッキーなんだけどな……
あいつは比較的話が通じる方だ」
俺たちを生かしたいなら半田さんが役に立つぞ」
皮肉っぽく囁いて、半田さんの無事を念じた。
「あのイルカあたりが応えればラッキーなんだけどな……
あいつは比較的話が通じる方だ」
KP
あなたの祈りは“あれ”に届いたのだろうか、届かなかったのだろうか。あなたの知る由もないことだが、耳の奥でなにものかの嘲笑が響いた気がした。
佐倉 光
オーディエンスは無視だ。
いや本人かも知れなくて、それなら俺はたいした道化だが、それで助かるなら何でもいいや。
いや本人かも知れなくて、それなら俺はたいした道化だが、それで助かるなら何でもいいや。
牧志 浩太
「佐倉さんらしいな、その交渉。……はは、聞いてると何だか、大丈夫な気がしてきた」
少なくともあなたの言葉は、牧志の眼に宿っていた痛みを、少しなりとも和らげたようではあるらしかった。
少なくともあなたの言葉は、牧志の眼に宿っていた痛みを、少しなりとも和らげたようではあるらしかった。
たすけてニャル様
佐倉 光
半田さんを助けろとか素直に言わないのは、彼にもアザつけられても面倒だからだな!
KP
一度牧志にアザつけられちゃいましたもんね。
佐倉 光
あれは対象を指定しなかった俺が悪いけどね。
KP
知ってて対象指定せずに言ってくるニャル様もニャル様である。
佐倉 光
知ってても頼んじゃったかもしれないし。
KP
そもそも選択肢のないとこまで追い込むニャル様がニャル様なのである。
まあ今思えば、半田さんも色々業を負ってるわけだし、佐倉たちを助ける機会を見送ったわけだし、痣の一つや二つ負ってくれても別に良かったかも知れない。
KP
そんな会話がひと段落して、ふと辺りが静かになったころだろうか。
半田の瞼がぴくりと動いて、目を開いた。
半田の瞼がぴくりと動いて、目を開いた。
KP
というところで、今回は以上!
佐倉 光
ありがとうございましたー!
KP
お疲れ様でした!
KP
次回にはクライマックスに突入すると思います。
佐倉 光
たのしみー
KP
楽しみ! 処理ややこしいからKPがんばる
佐倉 光
今日は良い流れをもらってニコニコしてる!
KP
そう、今回なにかといい会話が多かったなって!
荒野牧志がらみの流れといい、佐倉さんを優先してしまうことを気に病む牧志といい
荒野牧志がらみの流れといい、佐倉さんを優先してしまうことを気に病む牧志といい
佐倉 光
そう、ラスト会話も良かった……
KP
基本の性根がお人好しであることと、それでも誰かを優先して誰かを見捨てるという、人間が人間として方向性をもって動くために当然のことと、そこに殺人の覚悟を決めたことのある青年の記憶が絡むわけで、そこに相手が佐倉さんだったからこそ腑に落ちる流れ、本当にいい会話だった
佐倉 光
そしてついに自主的な神頼み(?)を選択肢に入れる佐倉。
KP
そう、佐倉さんが神頼みを!
でも話運びは完全に交渉のそれでふふっとなっちゃった
でも話運びは完全に交渉のそれでふふっとなっちゃった
佐倉 光
脅迫してないだけ譲歩して……いや脅迫かこれ?
KP
半分自分達を盾にした脅迫のような気も……する!
ニャル様相手に交渉(脅迫?)を仕掛けてくる佐倉さん、ニャル様ニコニコしてそう
ニャル様相手に交渉(脅迫?)を仕掛けてくる佐倉さん、ニャル様ニコニコしてそう
佐倉 光
渋谷の酒場にいるニャル様が助けてくれりゃいいんだがw
KP
渋谷の酒場にいるニャル様、メガテン本編や続編ペルソナの方に目を光らせるのに夢中なんだろうな~
佐倉 光
丁度忙しくなるであろう時期ですしねー
KP
デヴァ・ユガは正式オープンするし群馬では何か盛大に事態が動いているし。
コメント By.佐倉 光
最終局面へ向けて情報集め。
必要ない道具なんてありはしない。
無駄なことなんてありはしない。
最終局面へ向けて情報集め。
必要ない道具なんてありはしない。
無駄なことなんてありはしない。
【クトゥルフ神話TRPG】
本作は、「 株式会社アークライト 」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。
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