こちらには『静寂舞手』のネタバレがあります。
※他のシナリオにも言及していますが、明言されていないものなどは除外しています。


本編見る!
佐倉 光
あ、靴回収する宣言前回忘れてるんですが、持ってていいでしょうか?
KP
あ、大丈夫ですぜ!
持って行く感じだったのに宣言確認してなかったから。
牧志視点
KP
あなたの指はどこも傷ついていないのに、焼けるように『傷口』が痛む。指はもはや骨ごと潰されたかのようだ。
痛い。 痛い痛い痛い。
痛くて意味のあることが何も考えられない。
牧志 浩太
(痛い、痛い、痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い────)
KP
不意に目の前が真っ暗になる。
痛みが急にすっと引き、代わりに妙な息苦しさを覚える。
牧志 浩太
(痛……、くない? 何も見えない、何だこれ)
KP
痛い。
呼吸が浅く早くなり、再び目の前が暗くなる。

ふと、暗闇の中、誰かがあなたの右手を握った気がする。
感触は『傷口』のある辺りをなぞる。

痛い、と思う。たしかに今、あの激痛が戻った。
けれどまた痛みは消えて、狭い箱の中に詰め込まれているような息苦しさに襲われる。
牧志 浩太
(痛い、痛い、痛い痛い、──痛くない、痛い、痛くない、痛い、痛い、)
点滅し転換する感覚に混乱する。何だこれ、俺はどうして、どうなって。
KP
痛みが感じられるとき、なぜか呼吸は楽になる。
逆に息苦しくなれば、指から痛みはすっと消える。

そうやって激痛と鎮静を繰り返し、いつしかあなたは狭苦しい真っ暗な場所で静かに息だけしていた。

佐倉の声が聞こえない。
牧志 浩太
(……佐倉さん?)
声が、聞こえない。ここに来てからずっと混乱して混濁する中で、佐倉さんの声だけはちゃんと聞こえていたのに。
手探りで辺りを探ろうとする。どこ行ったんだ、佐倉さん。

KP
……ふっと、目が覚める。

あなたはエントランスの床に寝かされていた。
怪我をしたはずの手はスツールに乗せられ、血が出ていたはずの指には手当てが施されていた。

HPを1回復してください。
system
[ 佐倉 光 ] HP : 8 → 9
KP
傍らを見遣れば、あなたのポーチとザックがあった。
佐倉 光
「……」
自分が置かれている状況が、直前の記憶と繋がらない。
俺はあそこで、死んだ、ような。
違う。何者かの声がした。
あれは夢ではなかったのか?
KP
と、あなたの手首に触れる、誰かの手の感触がある。
佐倉 光
びくりとして手を引くと同時に起き上がろうとする。
相手は何者だ? 牧志か?
違う。あいつの手じゃない。
KP
そこにいたのは、見知らぬ老いた男だった。

刈り上げた頭にハンチングを被り、60 代か、70 代ぐらいに見える。
ポケットの多いベストを着ており、使い込まれた猟銃を肩にかけていた。
半田 亮司
「目を覚ましたか」
佐倉 光
「……誰?
どうしてここに?」
あの屋敷だよな? ここは。
半田 亮司
「俺は半田亮司。あの忌々しい『シーカー』に……、いや。君は『シーカー』の被害者だな?」

佐倉 光
この名前……
ハンター・猟師だ!
KP
そのとぉおり!
NPCは割と分かりやすいネーミングにしているそうで。
佐倉 光
助かるけど、牧志の敵では!?

KP
その名前を聞いて【アイデア】
佐倉 光
「シー、カー?」
額を抑えて起き上がる。
CCB<=85 【アイデア】 (1D100<=85) > 1 > 決定的成功/スペシャル
ピコーーン!
KP
犠牲者たちのノートで、名前を見た。頼れる外科医だ、とあったか、
佐倉 光
やっぱそうか、聞き覚えのある名前だと思った。

佐倉 光
「……僕を助けてくれたのは、あなたですか?
僕は、連れと一緒に庭にいて、糸車に手を刺されて。
……牧志は!?」
ようやく頭がはっきりしてきた。
半田 亮司
「落ち着け。牧志というのが、君と一緒にいたもう一人だな?」
佐倉 光
「もうひとり?」
違和感を覚えた。
「え、ええ、そうです」
半田 亮司
「あまり悠長にはしていられん。そいつは何処だ? まず、三人でここを出るぞ」
佐倉 光
「僕と一緒に庭にいた筈なんですけど」
そうか、このひとは牧志を目撃したわけじゃないんだ。
半田 亮司
「一緒に?」
佐倉 光
「僕の連れ、ちょっと変わってまして……
今は、一見熊か狼か何かみたいな姿してるんです」
訊きたいことだらけだが、まずは牧志が誤射されないように説明をしないと……
半田 亮司
「何を言っているんだ。君はずっと」
彼は不思議そうに、あなたの手の向こう。金色の紐が繋がっていたはずの、そちらを指す。
「それを引きずって、一人で歩いていたじゃないか」
佐倉 光
「そうだ、紐が」
KP
紐の先を、見る?
佐倉 光
見る。
歩いて……? 何を言ってるんだ。
色々辻褄が合わない……
KP
そこに、あの金色の紐はなかった。
代わりにあなたの手首に巻き付いているのは、死人の髪のように縺れた、ぼろぼろの紐だ。

その紐はどう見ても切れる寸前だと言うのに、どういうわけかあなたの手首から離れない。

……嫌な、予感がした。どうしてか、ひどく嫌な予感がした。
その先を、見る?
佐倉 光
見るよ!
「牧志?」
KP
そこに、あの獣の姿はなかった。
紐の先に結ばれていたのは、継ぎはぎだらけの、動物のミイラだった。
頭部は草食獣、腕の代わりにイヌ科の大型獣と思われる前足。
胴体はほとんど骨と皮になった状態の、これは馬か何かだろうか。脚は鹿のように見える。
佐倉 光
「……は? 鵺?」
KP
人間の子供ぐらいの大きさに切り貼りされて制作されたその死骸は、血の一滴も残っていないほどに干からびており、──奇妙な斑紋が、その身体中を埋めつくしていた。
不気味にうっすら発光するそのまだら模様は、まるで意思を持つかのように、悍ましく肌の上を蠢いていた。
SANチェック成功時減少 1失敗時減少 1d4+1
佐倉 光
自分が倒れる前に見た光景を思い出し、想像が嫌な方向に繋がってしまう。
CCB<=68 《SANチェック》 (1D100<=68) > 42 > 成功
[ 佐倉 光 ] SAN : 68 → 67
「おいまさか、殺された……
にしちゃちっちゃいけど、ど、どうなってる? 牧志? おい、冗談」
半田 亮司
「……そうか、そういう事か。酷い話だ。シーカー、悪趣味な野郎め……
落ち着いて聞いてくれ。奴は催眠と幻覚を使う。きっと、君は彼の幻を見させられていたんだ」
佐倉 光
「幻覚……? あれが幻覚?」
自分を元気づけてくれた不器用な腕の感覚、戸惑うような声、アレが全部幻覚?
半田 亮司
「そうだ。奴は犠牲者を自分の精神世界に閉じ込め、苦しめ、絶望させ、その体液を喰らう」
佐倉 光
「いや、だってさっき俺をゾンビから守って」
どう解釈したらいい。
俺が見ていた牧志が全て幻? 俺がここに来てから見ていた牧志は全部俺の思い込み?
それとも
あれは現実で、庭に出てからが幻?
冷静に考えられない。
ズキズキする頭を押さえて呻く。
半田 亮司
「落ち着け。ここからは推測になるが、君は奴に声をかけられた時、もう一人と一緒にいたな?」
佐倉 光
「そう、です……」
半田 亮司
「君と一緒に行動していた彼は、君から見て本物に見えたか?」
佐倉 光
「姿は別として、本物に見えました……」
そうだ、最初に確認した。お前はアリスか、って。
KP
彼はそのとき、確かに「ボブ」と、そう応えたのだ。
佐倉 光
それだけじゃない。あいつは間違いなく牧志だった。
半田 亮司
「あの時、俺は確かに君達二人が消えたのを見た。奴は犠牲者の精神を自らの精神世界に閉じ込める。……何か、他に異変はなかったか。普段と異なる事は」
佐倉 光
「普段と、異なる……
そ、そうだ、僕はあいつの考えていることがよく分かる気がした……
まるで心が読めるみたいに。
でもおかしい、あいつは人間の姿じゃなくなっていた。僕は人外の気持ちなんて分からないのに」
交渉なんて運だしー
「あとは……あいつの記憶や、言葉が……
ずいぶんとぼやけていたように思います」
半田 亮司
「そうか。憶測混じりになるが、こういう事かもしれん」
彼はとん、と自分のハンチング帽を叩いた。
「奴は君を催眠状態にした上で、彼の精神を肉体から抜き。
何の遊びかは分からんが、君の頭の中に閉じ込めたんだ」
佐倉 光
「頭?」
佐倉 光
あれ、俺の頭の中に牧志二人いることにw
そりゃ窮屈だな。
KP
なんですよ。とても……窮屈!
佐倉 光
「ちょっ、ちょっと待ってください」
半田 亮司
「どうした」
佐倉 光
「どうしてそんな突拍子もない話になるんです?」
普通こっちに詰めた、とかならんか?
と謎の人形を持ち上げる。
触れるのは怖いので、紐を腕に巻いて短くして。
半田 亮司
「ああ、そうか。すまんな。順を追って話そう」彼は一度息を吸い、その場に膝を立てて座り込む。
佐倉 光
「僕もあなたに訊きたいことが沢山あるんです……」
牧志が俺の頭の中にいる、だって? 酷い冗談だ。
もう一人いるかも知れない?
いや、いないかも知れない。
同じように消えちまったんじゃないのか?
半田 亮司
「奴は犠牲者からその精神を抜き出し、自分の精神世界に閉じ込め、苦しめ、絶望させ、その体液を喰らう。以前はそれだけだった。だが、奴はその手管をより進化させたらしい。
歩いたり、怪我をしたり、そういった肉体の刺激がある方が、より恐怖が深くなると── 奴はそう考えた」
微かに、その皺の寄った拳に力が入ったのが見えた。
佐倉 光
口を開きかけたが、やめた。
まずは話を聞くべきだ。
頷いて先を促す。
精神世界だって? デヴァ・ユガよりたちが悪いじゃないか!
いいや、焦ってはいけない……
ゆるゆると意識的にゆっくりと呼吸をして、気を落ち着かせようと試みる。
老人が何者かを考えれば。
何故彼がここにいるのかを考えれば。
いくつか想像はついた。
しかし彼はどうやってここに来た?
半田 亮司
「同時に、奴はどうするのが最も、恐怖を、絶望を深められるかを、常に練り続けてきたんだ。様々な国で、地域で、繰り返し繰り返し人間を喰らいながら……。きっと、その結果が君達の現状だ」
佐倉 光
「……」
半田 亮司
「状況は、ままならなければいい。
距離は、より近ければいい。
心は、通じ合えばいい。
刺激の源となる肉体は、一つあれば十分だ」
佐倉 光
「俺一人の体に対する刺激で、二人分の苦痛を精製する……?」
半田 亮司
「そうだ。いや、そうなんじゃないか、という程度だ。妙に心が分かるようだ、と言ったな」
佐倉 光
「ああ……
そういう、ことか……!」
佐倉 光
まだ混乱してて口調が定まらないw
KP
それはそう おっちゃん突拍子もないのよ
佐倉 光
おっちゃん自身信じていいかも分かんねーけど、とりあえず情報は欲しいのよ!
佐倉 光
つまりは、あの夢の世界で願ったことと同様の現象を悪用されている、ということだ。
半田 亮司
「何か、心当たりがあるようだな」
佐倉 光
「辻褄が、合います、一応は」
決めつけるのは危険だが、可能性の一つとしては持っておくべきだ。
噛みしめた歯の隙間から細く息を吐く。
考えなくてはならない。混乱している場合じゃない。
こんな状況ではんだに逢えたのは地獄で仏と言わざるを得ない……が。
あの『魔女』は言っていた。
希望を与えて、奪うと。
半田 亮司
「そうか。……奴が喰らうのは人間の体液だ。そいつの肉体も、ここのどこかに保管されているだろう。
君を助けられたのはいいが、俺の干渉は奴にバレちまっただろう。状況が変わる前に、そいつを探しに行くぞ」
言うと、彼はすっと立ち上がる。
佐倉 光
「はい。移動しながらでもいいんですが、2、3訊かせて下さい。
あなたは、下村さんたちのお知り合いですよね? ここについてもあの方々から?」
半田 亮司
「ああ、その件か。……疑っているんだな? 俺がどうやって、ここに辿り着いたか」
佐倉 光
「はい、正直なところ」
半田 亮司
「俺は奴の気配を追っていた。30年程な。そうしてようやく、奴が君に声をかけるのを見つけた。
すぐに飛び出して助けに入っても、奴に逃げられておしまいだ。……悪かったな、少し使わせてもらった。『門』の魔術を使って、奴がここに君達を転送するのを追いかけてきたんだ」
佐倉 光
「……なるほど。もうひとつ。
僕がこの人形を引きずって歩いていた、と言っていましたよね。この館に入ってからずっとそう見えましたか」
半田 亮司
「そうだ。とはいえ、この目で実際に見たのは途中からだがな。『門』を通じて君を追尾している間、ずっとそう見えていた」
佐倉 光
つまり、こうだ。

この館は現実か異界かなんだかよくわからないが、どこかには存在する。

俺たちはそこに送られ、牧志は肉体を隠されて精神は俺の頭か、とにかく俺の精神と繋がれていた。
今はどうしてかそれが途切れている。

俺は一人芝居をしながらここを探索していた……ということになるが。
そういえばカーテンを引き裂いたのは俺、あのゾンビも本物か分かった物じゃない、となると……牧志の爪が現実に影響を及ぼしたことは、ないのかも知れない。
「……ありがとうございます。なんとなく理解できました」
半田 亮司
「そうか。突拍子もない話で悪いな」
佐倉 光
「いえ……割と僕たちこういうことに慣れてるんで。
ただ、ちょっと混乱してて……
さっきまで隣にいると思ってた奴が消えてて、本当はいなかった、と言われると、さすがにびっくりしますよ」
半田 亮司
「無理もない。つくづく悪趣味な奴だ」
佐倉 光
腕に巻き付けたさきにぶら下がる『人形』を見下ろす。布で巻いてザックに収めておこうかな。
ちぎれ飛んだりしても嫌だけど、得体の知れない動く痣も怖いからな……
半田 亮司
「そいつは…… ちと調べても構わんか。妙に腹が膨れているな」
その『人形』をみとめて、彼は目を留める。
佐倉 光
「え、あ、はい」
『人形』をぼろ布に乗せて差し出す。
「狼さんに猟師さん、か……いや、お医者さんか」
思わず呟いてしまった。
半田 亮司
彼はあなたの承諾を得ると、A4程の大きさのよれた紙を取り出して、『人形』の胴体に巻き、その上から『人形』を掴んだ。
『人形』の上で蠢いていた斑紋が、紙に触れたとたんに動きを止める。
佐倉 光
「ん?」
そうだ、大事なことを忘れていた。
自分もアレに冒されていたはずだ。
半田 亮司
「ああ、これか?」彼はあなたの視線に気づいて、紙を少し持ち上げてみせる。
佐倉 光
確認したいことだらけでぼろぼろ後から出るw
KP
それはそう。
佐倉 光
このおっちゃん、魔法持っててわざわざここに来てるって事は、敵の差し金でなければ、何か凄く嫌なことがあったんだろうな。
佐倉 光
「もしかして、僕の体にいた奴も、それで何とかしてくれたんですか?」
半田 亮司
「いや。俺が見た時には、君にはこいつは見当たらなかったよ。君が見たのが幻覚だったのか、奴が隠れているのかは分からんが……」
佐倉 光
「……そうですか……」
それでは安心ってわけじゃないな。
俺の恐怖が見えただけならいいんだが……
半田 亮司
彼は医療用のメスを取り出すと、『人形』の腹をその柄でコツコツと叩く。
「開けるぞ」
彼は言うなり、人形の腹にメスの刃を押し当てる。
腹が、果実を剥くようにぴっと弾けて破れた。
腹の中からは、何かの種のように見える大きな粒が出てきた。
胡桃に見た目と大きさが似ているが、うっすらと透けており中に胚のようなものが見えた。

見間違いでなければ、僅かに動いている。
SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1
佐倉 光
CCB<=67 《SANチェック》 (1D100<=67) > 74 > 失敗
[ 佐倉 光 ] SAN : 67 → 66
半田 亮司
「コイツは……、『悪魔の木』か。血液を吸って巨大化して、蔓と巻きひげで動物を取り殺す」
佐倉 光
「悪魔の木? ああー……」
これのことか。
半田 亮司
「知っているのか?」
佐倉 光
「血を吸って2階分くらい育つ植物の種子があると……」
半田 亮司
「こいつの事だろうな。腹の中に入れておけ、血に触れなきゃ安全だ」彼は言うと、元のように人形の腹に種を押し込む。
佐倉 光
「止める方法も書いてあったな、確か。
アルカリ水溶液?
これがあれば二階へ行けるんじゃないかと考えていました。
階段が壊れていたので」
エントランスなら階段見えるよね。
KP
周囲を見回す?
佐倉 光
見回す。
KP
では、いくつか処理。

まず、【アルカリ水溶液】の入手方法について考えるならば、
【アイデア】【知識】〈化学〉〈博物学〉〈他の言語:英語〉のいずれかで判定。
佐倉 光
CCB<=95 【知識】 (1D100<=95) > 12 > スペシャル
小便は駄目だなぁ、と考えていた。
他に、限定された場所で手に入るアルカリ性の物、というと……
灰、はどうだっただろう?
灰は石鹸や洗剤代わりに使われた物だ……
KP
では、あなたはいくつかの雑多な【知識】を思い出す。

アルカリの語源はアラビア語で『灰』。焼却灰を水に溶かせば、アルカリ性の水溶液が得られる。これは植物の繊維を軟化させ、野菜のあく抜きなどに使われる。また、小麦の麺に作用させると麺の性質を変化させ、伝統的な小麦麺の中には木の灰で作る木灰そばというものがある。
ASH
佐倉 光
〈英語〉ってなんだろー
KP
語源がらみですね。>〈英語〉
佐倉 光
なるほどー。そして灰で正解だやったぜ。
KP
いえーす。
おそばの情報は元シナリオにはありません。灰からアルカリ水溶液で連想したKPが追加しました。
佐倉 光
その【知識】、牧志経由じゃないのかな。
KP
その可能性が大。
ダイレクトに波照間経由かもしれないけど。
佐倉 光
あ、確かにー

佐倉 光
「灰か……大量にあったな、あの部屋に。
あとは、入れ物と水かぁ……」
半田 亮司
「水か? 少しなら持ってきているぞ」
彼は、瓶入りの蒸留水をひと瓶渡してくれる。
佐倉 光
「あ、ありがとうございます。
この種が育つのを止めるのに、アルカリ水溶液が必要で、灰を水に混ぜるとできそうだと思いまして。
……」
少し間を置いて、半田にまっすぐ向き直り。
「ありがとうございます、本当に色々」
半田 亮司
「構わない。……あいつらのようにはなってほしくないからな、君達には」彼はハンチングのつばを少し下げて、目を伏せた。
佐倉 光
そうか。やはりな。
弔い合戦か、それに近い物なのかも知れない。
「僕が幻を見ていたというなら、この屋敷をちゃんと見られていないかも知れないな……半田さん、一回は一応全部回ってみたんですが、半田さんはいかがですか?」
半田 亮司
「俺はまだだ。この廃墟を取り巻いていた影の切れ目を探すのに手間取ってな」
佐倉 光
「そうか……」
KP
……廃墟?
あなたがいた屋敷は不気味で薄暗くこそあったが、廃墟のようには見えなかった。
佐倉 光
今は?
KP
今は?

あなたは周囲を見回す。
彼の言葉に顔を上げれば、そこはもはや、あなたが見ていた、童話じみた薄暗い屋敷ではなかった。

天井は抜け落ちていた。壁すら崩れかけ、何もかもが雨ざらしになっていた。
佐倉 光
そうすると、もう一周すべきかな?
「…………うーん」
だから布があんな簡単に引き裂けたんだなぁ、と納得。
KP
木製の家具は長い風雨にボロボロになっており、調度品や小物があると見えていた場所には何もない。
あなたはふと、ポーチの中を探ることを思いつくだろうか。
佐倉 光
そうだね、道具は確認したい。
ポーチと袋の中身を確認しよう。
ノートをこの人に見せた方がいい気もするしな……
KP
そこには、いくつかの変化があった。
まずガラス細工。そこにあったのはガラス細工ではなく、ただ似た大きさの石ころがいくつかだ。
続いてマッチ。
箱のようなものはあるが、そこにマッチはなく、埃だか砂だかが溜まっているだけだ。
続いて、蝋燭。
蝋燭の代わりにそこにあったのは、小さな黒い鍵だ。
佐倉 光
「……は???
燭台に刺してあった蝋燭……
いや変わりすぎだろ」
鍵には何か特徴はあります?
KP
それ以外の品物に変化はなかった。燭台は古びて汚れが溜まっており、ぼろ布は風雨にさらされて朽ちているが、全てあなたの手元にある。
佐倉 光
靴がボロくなって靴底剥がれやすくなってたりはしないかな。
KP
赤い靴はひどく色あせているが、テーブルの下にあったため履けそうな状態のままだ。
……と、確認すると少し剥がれた靴底から、石ころがひとつ落ちてきた。
佐倉 光
「お」
石を取り出してよく見よう。
KP
汚れて石ころのように見えたのは、誰かの名前が裏に刻まれた台座つきの石だった。指輪か何かから取れたものらしい。
その名前は、削れてしまってもう読み取ることができなかった。
あのノートは、それらの雨ざらしになった品物の中にあると、なるほどこれが本来の状態と分かるように、違和感がなかった。
佐倉 光
では、ノートと薬袋を渡してみようかな。
「これを見つけて、あなたの名を知ったんです」
半田 亮司
ノートを受け取ると、彼は文章にさっと目を通し……、あるページで、その手が止まる。

それは下村という名の二人が記録を刻んだページだった。
「……」
くしゃりと、ノートのページが音を立てた。知らず知らずのうちに力が入ったらしかった。
「そうか……」
彼はそれだけ言ってノートを閉じる。
佐倉 光
〈心理学〉する!
KP
お、ではクローズドで振ります。
佐倉 光
申し訳ないけど、敵味方の判断をさせて欲しいんだ!
55です。
シークレットダイス
KP
シークレットダイス sCCB<=55 〈心理学〉 (1D100<=55) > 71 > 失敗

半田 亮司
ノートのページに皺が寄るとともに、彼の横顔にも、何かをこらえるように皺が寄った。彼はその何かを、目頭を押さえて押しとどめ、外に漏らすことはなかった。
KP
〈聞き耳〉
佐倉 光
CCB<=60 〈聞き耳〉 (1D100<=60) > 1 > 決定的成功/スペシャル
佐倉 光
なんか今日は前回の反動か。
女神に「しょうがないなー」って言われてる気がする。
半田 亮司
では、きっとあなたに聞かせるつもりではなく、思わず漏れ出てしまったその呟きを、あなたは明確に聞き取る。

「下村……。敵は取るからな……」
佐倉 光
「……
僕たち、そのノートにある本のページを探してます。
どう役に立つかは分からないけど……」
半田 亮司
「イステの歌、か」
彼は数度目元を揉んで、顔を上げる。
「アレは、唯一ただひとつ、奴の情報が書かれている書物だ」
佐倉 光
「情報?
退散の呪文とかじゃないのか」
半田 亮司
「この章の正体は俺にも分からん。俺が見つけたものには抜けが多くてな」

彼はそう言うと、『イステの歌』と題された抄本を取り出してあなたに示す。
佐倉 光
「えっ」
半田 亮司
掠れたラテン語の書物は、無骨な字で書かれた和訳と下線で埋め尽くされていた。その字はなかばインクが変色しており、何年も、何十年も繰り返し研究されてきたと思わせる。
佐倉 光
「俺も持ってます、そういうの」
袋から本を出して見せよう。
「ここを作った『魔女』? 『シーカー』? に燃やされたとノートにはありますが」
半田 亮司
「この恒夫とケイという二人組……、相当優秀だったんだろうな。俺はこの書物に出会うのに十年、意味を取るのにもう十年かかったよ」
佐倉 光
何となく……探偵さんを思い出したな。
半田 亮司
「奴が燃やした物の燃え残りがそれか。……その章を探すべきだろうな。そこにないということは、まだどこかに遺されているかもしれん」
佐倉 光
「情報か……」
たしかに情報は武器だ。
そしてこの人の覚悟もきっと本物なのだ……。
半田 亮司
使い込まれた猟銃と目元の深い皺からは、彼が三十年の年月を、どのように過ごしたかが伝わってくるようだった。
佐倉 光
「さっきの種で二階に上がれるか試す前に、一階の部屋を見て回りたいです。
衝撃で崩落したりしたら困るし、目が曇っていた僕が見落とした物があるかも知れません」
半田 亮司
「賛成だ。もう一人も探さなければならんしな」
佐倉 光
「二カ所ほどベッドがあったなぁ、そういえば。
僕……俺もできる限り協力をします。
俺は佐倉。
半田さん、宜しくお願いします」
悪魔使いって名乗ろうか、一瞬考えたけど、やめた。
どうせCOMPは使えないし。
半田 亮司
「ああ、宜しく頼む。佐倉」
彼はあなたに利き手を差し出す。
佐倉 光
その手を握って頷く。
このひとの善意が利用された物ではないことを願うばかりだ。
半田 亮司
彼は皺の寄った手で、あなたの手を強く握った。少し高い体温を感じる、大きな手だった。

佐倉 光
というわけで全面協力の立場を取ることにしたぞ!
KP
佐倉さんが本名を名乗った!
佐倉 光
名前は名乗ってないけど!
きっと名字は知ってるんだろうと思うけど、「信頼します」って宣言だよ。
KP
一人称も切り替えて本名を名乗るの、「信頼する」って宣言なんだな、って思いましたよ。そして彼はそれに利き手を差し出すことで応えたのだ。

KP
さて、周囲を見回すならば、「灰かぶりの部屋」だったのだろう場所には石造りの暖炉が残っており、灰がこんもりと積もっている。
佐倉 光
灰を集めよう。さっき貰った瓶の中に入れて……
本当は別々に持ち歩いた方がいいんだが、インベントリにあまり余裕がないw
(牧志、俺の中にいるのか? いるなら答えろよ)
KP
あなたの中からは、何の声もしなかった……。
牧志視点
牧志 浩太
手探りで辺りを探ろうとする。どこ行ったんだ、佐倉さん。
KP
手を伸ばして探ってみると、今いる場所はロッカー程度の広さしかない縦長の箱状の何かであることがわかる。
身体の右側から、何か棒状の機構があなたの身体を押して いる。
牧志 浩太
(何だ、これ? どこかに閉じ込められてる?)
あの時まで佐倉さんと一緒にいたはずなのに、あの後何があったんだ?
あの時に起きたことを思い出そうとしてみる。
KP
思い出そうとすると、あなたは気づく。
酸欠気味ではあるが、頭が妙にすっきりしている。
平常通りの思考が戻ってきたよう だ。 物を考えても、混濁した別の思考に邪魔されることはない。

自分が獣になっていた時の出来事も、はっきりと思い出せる。
よく思い出そうとすると、思い出したくないことを思い出してしまうかもしれないが……。
牧志 浩太
(あれ、)
思い出そうとして異変に気づいた。いや、異変じゃない。普通に物が考えられる。
思考が纏まる。飛躍しないし、跳躍しない。記憶を辿ろうとすると、ちゃんと順番に思い起こせる。雑多な思考の中に流れていってしまう、あの感じがない。

それが分かったとき、ひどく安堵した。
俺が、ちゃんと俺に戻ったような気がした。
自分が自分の思う所にちゃんとあるような感覚。これで動ける、そう思った。

一度、真っ暗な中で目を閉じる。
静かに息を整え、もう一度目を開く。
KP
暗闇の中で静かに息を整えていれば、やがてほんの少しだけ目が慣れてくる。
あなたの右サイドが開く機構になっているようで、わずかに外の明かりが見えた。

右側からあなたを押すように引っかかっている棒状の機構は、手で簡単によけられるだ ろう。
牧志 浩太
(何だこれ? ロッカー?)
ロッカーの中か何かに閉じ込められている? 外の様子を確認する。
KP
外から物音などはしない。
牧志 浩太
爪が当たるかもしれないと思いつつ、その機構を押しのけて外へ出る。
KP
外へ出ようとすると、肌に布の感触が擦れるのを感じた。
あなたの五本の指は滑らかに動き、棒状の機構を押しのける。
牧志 浩太
「えっ?」 思わず声が出た。
KP
あなたの声は滑らかな人の声だった。あなたの喉が慣れた形をしていることが、通る空気の感触で分かる。
あなたの口に溢れる牙はなく、鋭さのない歯が舌に当たる。晴れ上がった思考は、何の困難もなく人の、あなたの言葉を手繰り寄せた。

どうやらあなたは、人の体に戻っているらしい。
牧志 浩太
(戻った、のか)
慌てて口を塞いだ手に、毛皮の感触はなかった。思考が戻ったのもそれでか、と納得する。
今度こそ安堵した。あの人形たちと戦っている時の俺は、なんだかおかしかった。人の言葉を忘れそうになっていた。

爪がまるで豆腐でも突くように、簡単に肉の中に入っていった、あの感触を思い出してしまう。
ぬるつく液体が絡みつく感触に妙な興奮を覚えて、あのとき俺は……
牧志 浩太
(あー、やめよう。今は目の前のことだ)
記憶を振り払う。何だか分からないけど、とにかく元に戻ったんだ。
開く所を開けて外に出てみる。
KP
扉のような機構を押し開けて出てみれば、燭台に照らされた薄暗い部屋に出る。
振り返ってみれば、あなたがいたのは、大きな柱時計の振り子の部分だったことに気づく。 棒状の機構はどうやら、時計の振り子だったらしい。
牧志 浩太
(へっ?)
予想外だ。時計の中に詰め込まれてたのか、俺。確かにこの大きさなら入るだろうけど、あんな所に入る経験をするなんて思わなかった。
改めて自分の手を見下ろして、何か変な所がないか確認する。それから、室内を見回す。
KP
あなたの手に異常はない。ついたはずの血も怪我もそこにはない。いつも通りのあなたの身体だ。
そうして確認していると、かちり、とどこからか音が聞こえた。
牧志 浩太
振り返る。
KP
あなたが抜け出た箱の中で、時計の振り子が動き始めた。
上部の時計の時刻は11時40分を指している。 かちり、と時計が一分進んだ。

どこからか地鳴りが聞こえ、くすくすと笑い声が聞こえてきた。
牧志 浩太
息を呑む。嫌な感じがする。
こんな状況で時計の音は、否が応にも焦りを呼び起こす。
時間制限、とかじゃないだろうな。あの魔女ならやりそうだ。
KP
室内を見回せば、室内にはあなたがいた柱時計と、燭台が立てられた机がひとつある。それから、頑丈そうな扉がひとつ。
牧志 浩太
扉に手をかけて開くか確認する。
KP
部屋の扉は、内側からは開かないようだ。外は静まり返っている。
牧志 浩太
机に何かないか見てみる。
KP
机を見ようとして柱時計から視線を逸らすと、ふと柱時計の下に何か落ちているのに気づく。
牧志 浩太
それが何か確認する。
KP
それは一枚の紙だ。あなたが抜け出して振り子が揺られるようになったので、どこかに引っかかっていたものが落ちてきたのだろう。
牧志 浩太
その内容を見てみる。
KP
引きちぎられた紙には日本語でも英語でもない綴りのアルファベットが躍る。
本のページのように見える。下辺に弓なりに裂かれた跡がある。
あなたはその綴り方に何か覚えがあるような気がした。

あなたは思い出す。あの、ここに迷い込んだ人々の苦痛と絶望が綴られたノートのことを。
優秀な翻訳家が唯一翻訳できなかった文章。
──そうだ、見覚えがある。

ラテン語だ。

あなたは気づく。
人の言葉すら手繰り寄せるのに苦労するほど混乱し混濁していたはずなのに、今、獣と化していたあの時の出来事が、どうしてかはっきりと思い出せる。
牧志 浩太
(思い出せる? あんなに頭がごちゃごちゃしてたのに、まるで普通に考えられていたみたいだ)
KP
あなたがその不整合を訝しんだとき、
あなたの前の柱時計が、かちりと音を立てた。

11時45分を指した水平の長針が目に入る。
ぐらりと頭が揺らされたように感じ、あなたは思わず目をつぶる。
牧志 浩太
(うわっ、)
KP
真っ暗になるはずの視界に、人の姿が見えた。
柱時計の前に、誰かが座り込んでいる。
牧志 浩太
(えっ、)思わずそちらを見ようと目を開く。
KP
目を開けば人の姿は消えた。幻だ。
その幻の中で、柱時計の前に立つ男は、振り子の下に座り込んだ黒髪の女性に呼びかける。
あなたに気づいた様子はなかった。
牧志 浩太
(気づいて、ない?)
KP
「ケイ、お前はここに隠れていてくれ。俺は大丈夫だから」
「何言ってるの、誰も何も大丈夫じゃない。私も恒夫もこのまま死ぬの。だったらせめて、一緒に」
「諦めるな。大事なページはここに隠しておこう」
牧志 浩太
(ケイさんと恒夫さんって、あのノートに出てきた……。前に起きたことなのか、これは?)
KP
よく手入れされ、爪を切られた綺麗な男の手が視界に映る。
彼が振り子の裏側に紙を隠したところで、時計が動き始める音がした。

時計が46分を指すと、ケイと呼ばれた黒髪の女性の姿が消える。
先ほどまでと変わらない様子で、振り子が動き出した。
牧志 浩太
あのノートに書いてあったことを思い出せば、ケイさん達、この後……。
やりきれないような気持ちになりつつ、机の上の燭台を見てみる。持って行ったら明かりにならないかな。
KP
短い蝋燭が立っている、古びたデザインの燭台だ。
どうも中が空洞になっているようで、裏返してみると蝋燭を立てる部分は中空の鉄パイプのようになっており、その中に丸めた紙が詰め込まれている。
広げてみると本のページのようだ。上辺と下辺が裂かれており、書いてあるのは先程と同じ綴り方の文字だ。
牧志 浩太
! これ、さっきのページの一部か?
裂かれている所をつなぎ合わせてみる。
KP
裂け目はぴったりと合う。同じページの一部のようだ。
あなたがそれを確かめたとき、
柱時計が、かちりと音を立てた。

長針が持ち上がっていき、11時50分を指す。
酩酊したように、ぐらりと頭が揺らされる。

今度は視点がかなり低い。
見下ろせばそこには、血の気のない白い女性の足が見えた。この幻は彼女の、ケイの視点なのだろうか。

「ごめん。手伝ってくれ。この手じゃうまく丸められないんだ」
困ったようにそう言うやつれた金髪の男は、こちらに近づいてきてケイを抱き上げた ようだ。

彼のしなやかな手指はどこも傷ついてなどいなかったが、女性は俯いて涙を流す。
彼女の涙は白い足にぽとりぽとりと落ちて、その肌をゆっくりと滑り落ちた。
女性は何も言わず、渡された紙きれを丸めて燭台の裏の空洞に押し込む。
恒夫はやつれた顔で礼を言って笑う。

時計が動き始める音がした。
時計が51分を指すと、先ほどまでと変わらない様子で振り子が動き出した。

あなたは不整合に気づく。
牧志 浩太
(……あれ、)
そうだ。ケイさんは上半身しか人に戻らなくて、恒夫さんの手はイラクサで血だらけになって。

ケイさんには脚がちゃんとあった。恒夫さんの手には傷なんかついていなくて。

館の中を歩き回った俺達が見たのは、あの「魔女」が見せた悪趣味な作り物で。
KP
もしかして。
牧志 浩太
もしかして、全部。
──それは。そんなのって、ない。

思わず握りしめた拳の中、爪が食い込んで掌がわずかに痛んだ。
怒りを覚えながら、ページの残りがどこかに隠されていないかと、机を探す。
KP
机の上には紙束が置かれている。 美しい筆記体で書かれた古びた紙は何かの草稿だろうか。
ぱらぱらとめくってみれば、紙の間からはらりと紙が落ちてくる。
どうやら本のページのように見える。上辺に弓なりに裂かれた跡がある。
牧志 浩太
そのページを……、さっきのページと合わせてみる。
KP
ページはぴったりと合い、本の1ページと言える形になった。
かちりと、柱時計の音がする。

長針の角度はどんどん垂直に近づいてゆく。また急に眩暈がするような感覚がし、頭の中がかき乱される。
柱時計が11時55分を指した。
牧志 浩太
(あともう少しで、12時だ。12時、魔法の解ける時間)
咄嗟に扉へと走る。
KP
扉へと走る前に、思わず目を閉じたあなたの視界に、また幻が映る。
その幻は先程と同じ低い視点だった。
やはり彼女を抱き上げて机の上に乗せて、恒夫は今度は草稿の中に紙きれを隠すように指示していた。

「なるべく下のほうに。うん、ありがとう、ケイ」
「恒夫、」
「さ、もう腕が限界だ」

視界が男のよれたシャツで潰れる。ゆっくりと歩き始める彼の胸で、ケイは悲痛な声を振り絞る。
「置いて行かないで、ひとりになんてしないで、いやだ」

どさ、と音がして彼女はは再び振り子のところに降ろされた。
足の存在を無視して、両腕だけで這うようにして出てこようとするケイを押しとどめ、恒夫は肩掛け鞄から出し た古びたノートをケイに押し付けた。

「続きを書いて、ケイ。俺たちがいたこと、生きていたこと、誰かに伝えて」
「いやだ! 行かないで!」
「終わらせてくる」

駄目だ無駄だ帰ってこいと声を枯らして叫んでも、恒夫は戻ってこなかった。
暫くして、失意に呆然とする彼女の前に現れたのは『魔女』だった。

「ケイムさん。これはこれは、なんとみすぼらしい姿!
両腕が腫れ上がった貴女の相棒もなかなかの醜さでしたけど、うふふ、これはこれは……
身体が真っ二つだなん て、傑作ですねえ」

「恒夫っ、恒夫に何をしたの」
「喋れもしないラテン語で何か唱えようとするのでね。面白くって……
遊んであげていたら死んだので、美味しく吸わせていただきましたよ」

「……! このっ!」
「今頃本は暖炉で燃えていますし、あの男の残骸も燃えてなくなっていることでしょう。
あなたは…… ふふふ。もう少し美味しくなってから食べましょう。まだ食べごろじゃあありませんからね」

魔女は愉し気に消えていき、ケイは震える手でノートに何かを書きつけた。
そして、ノートをジャケットの胸元に押し込んで、両腕の力だけで這い出していく。

そこで柱時計が56分を指す。彼女と『魔女』の姿は消え、柱時計の前に静寂が戻った。
牧志 浩太
「くそっ……!」
思わず声が漏れる。

(ケイさんに脚はあったんだ。二人とも無事だった。
それなのに、ページも見つけていた、それなのに。
それなのに……、あいつ、どこまで!)

怒りが頭の中を吹き荒れた。あの激情とは違う、俺の怒りだった。
やりきれない気持ちが頭の中を渦巻いて、それを怒りにするしかなくて怒っているって自覚があった。

少しだけ不安もあった。
佐倉さんはラテン語、読めたっけ。俺は読めない。
前はすらすら読めたって記憶があるのに、今見ても全然分からない。
その不安を頭から追いやる。今は、佐倉さんと合流する方が先だ。

佐倉さん、……いるよな? どこかに。

扉へ向かう。
魔法は解けてやしないか。
KP
あなたは、ふと音を聞き取った。
外から、二人分の足音がする。

分厚い扉は頑丈で、しっかりと閉ざされている。それなのに、外から足音が聞こえる。

あなたがそれに違和感を覚えた途端に、ぐらりと景色が揺らぐ。
二回瞬きをするうちに、部屋の内装が一気に風化した。
天井には隙間が見え、扉は存在しているものの雨ざらしになり劣化している。所々小さな穴が開き、うっすらと光が見えていた。
牧志 浩太
(ああ、そうか)
ようやく分かった。あの血や人の髪だけじゃない。全部作り物だったんだ、最初から。たぶん、俺も。

……あれ、ってことは俺、獣の物真似してたのか?
考えるのはやめよう。この扉なら体当たりすれば破れないかな。
ひとまず、その穴から外の様子を窺う。

KP
ここで〈聞き耳〉
佐倉 光
CCB<=60 〈聞き耳〉 (1D100<=60) > 10 > スペシャル
佐倉 光
埋め合わせか!?
次回これで禊ぎは済ませたからってファンブル連発してくるんじゃないだろうな!?
KP
かすかに、誰かが歩くような物音を、あなたは聞き取る。

そして。
佐倉 光
足音がしたと思われる方を見る。
牧志 浩太
「…………、」
地面の下からかすかに聞こえた、それは確かに牧志の声だった。
佐倉 光
「牧志?」
地面の……した?
KP
あなたは気づく。溢れ出して地面を汚す灰に隠れて、微かに…… 何か蓋のような形が浮き上がっている。
佐倉 光
ほうほう
「牧志? そこにいるのか?
半田さん!」
半田 亮司
「どうした。それは…… 地下か?」
彼は振り返ると、あなたが見ているものに気づいたようだった。
佐倉 光
「そうだと思います。下から足音と、あいつの声が聞こえた気がします」
奥の二部屋気になるんだがなー。特にアリス部屋ー。
半田 亮司
「そうか。下がっていろ、確認する」
彼はあなたに合図すると、その場に屈み込み、灰を払う。
佐倉 光
火かき棒構えて後ろで待機。
半田 亮司
彼が蓋を引き開けると、そこには薄暗い石造りの階段が、下へ向かって伸びていた。
佐倉 光
「こんなとこに? 蒸し焼きになりそうだ」
KP
あ、暖炉の中ではなく、風雨のせいで暖炉から溢れた灰に隠れていた感じです。
佐倉 光
ああなるほど。
中に入ろうとするが、暗そうだな。
「マッチも蝋燭もないしな……」
半田 亮司
彼は光を絞った懐中電灯を取り出すと、暗い階段の向こうを微かに照らす。
佐倉 光
おおー、文明の利器!
KP
奥から微かに、時計の音だろうか、カチ、カチ、と聞こえる……。
佐倉 光
こちらは私物一つもないんだよな確か。
KP
ない。
佐倉 光
「時計……
時計、か……」
嫌な予感が、する……
半田 亮司
「行くぞ」
佐倉 光
「はい」
KP
あなたは彼の先導で、薄暗い階段を下りていく。

KP
突き当りにひとつ部屋があり、その前に何かが折り重なるように積まれている。
佐倉 光
何だろう。
KP
……それは、無数の干乾びた人間の死体だった。
下の方は風化して、ほとんど砂と化していた。
SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1
佐倉 光
CCB<=66 《SANチェック》 (1D100<=66) > 71 > 失敗
[ 佐倉 光 ] SAN : 66 → 65
しくじれば牧志もこんなふうになるかも知れない。
そう思うと心底ぞっとした。
俺自身のほうは、分からないが……
いなくなる理由もないし、潜んでいるのではないだろうか。
半田 亮司
彼はじっと、その死体の山を見つめていた。
KP
そこで、〈目星〉
佐倉 光
CCB<=85 〈目星〉 (1D100<=85) > 19 > 成功
佐倉 光
このへん、牧志は牧志で何かあるんだなぁ。
KP
なんですよね。今回は出せないけどそれなりの探索パートがあるので、対の棲みか第三話のときみたいに、牧志視点で補完しようと思います。
佐倉さんからある程度状況が見えるように改変しようかな、とも思ったんですけど、このパートはちょっと無理そうだった。
佐倉 光
終了後のお楽しみだ!
KP
雨晒しになったその扉はなかば朽ち、所々に小さな穴が空いている。
半田が懐中電灯をその穴に向けたとき、穴の向こうに一瞬、何者かの眼が見えた。

あなたが知っている色の眼だった。
牧志視点
牧志 浩太
まずは穴から外の様子を窺ってみる。
KP
あなたが扉から外を覗いたとき、外からぴかりと強い光が差した。
牧志 浩太
(うわっ、)思わず扉から離れる。

佐倉 光
「牧志?
そこにいるのか?」
牧志視点
KP
外から、あなたの名を呼ぶ声がした。
それは、佐倉光の声だった。
牧志 浩太
(……佐倉さん……!)

牧志 浩太
「佐倉さん?」

応える声。それは、確かに牧志の声だった。
歪んでも、濁ってもいない。彼の声。
「そこに、いるんだな?」
KP
ここでPL向け宣言。
【けものしぐさ】【ひとしぐさ】の各ルールは、ここで適用解除となります。
佐倉 光
はーい

佐倉 光
「良かった、生きてて。
……」
牧志視点
牧志 浩太
(ああ、いたんだ、無事で、動けて)
あの幻の映像が頭を過った。一度強く目を閉じ、開き、映像を振り払う。

牧志 浩太
「ああ……、よかった。佐倉さん、無事だったんだ」その声は震えていて、少し縋るようで、それでも強かった。牧志の、声だった。
佐倉 光
「半田さん、扉の向こうにいるの、さっき話した俺の仲間だ」
KP
あなたは気づく。その心がまるで自身のもののように分かると感じていた、あの感覚がなくなっている。
佐倉 光
そうか、繋がりは切れたんだ。
それは……どうしてだ?
「さっきの話なら、食うまでは繋いで、俺を痛めつけるのが最善に思えるが……半田さんが介入したからか?」
半田 亮司
「そうか。あの様子だと、肉体に戻れたようだな。……俺の介入で奴の催眠と術が破れたから、だといいんだがな」
佐倉 光
「あ、そうだ、鍵!」
心底そうであることを願いつつ、黒い鍵を取り出して扉に当ててみる。
KP
積み重なった死体が邪魔で、扉まで近寄れない。
佐倉 光
そんなに積み上がってるのか。
半田 亮司
「二人とも、下がっていろ」
佐倉 光
「はい。牧志も扉から離れて」
牧志 浩太
「えっ? 分かった」
扉から離れる気配。
佐倉 光
こちらも下がる。
半田 亮司
半田が流れるような手つきで猟銃を構えた。
次の瞬間。

衝撃が周囲を切り裂いた。
積み重なった死体の中央めがけて、銃弾が放たれる。
牧志 浩太
「うわっ」
佐倉 光
(何でもできるのかこの人)
佐倉 光
時計って事は、こっちでは七匹の子ヤギやってたのかと思ったけど、それにしちゃ反応が普通だったな。何やってたんだろ。
牧志 浩太
ちょっといろいろ。
半田 亮司
荒っぽい一撃のおかげで、積み重なった死体はバランスを崩して雪崩をうち、扉の前から障害はなくなっていた。
佐倉 光
そう見るや扉に駆け寄って鍵を開ける。
牧志 浩太
「佐倉さん!」
扉が開く。鍵を開けようとしたあなたはしたたかに扉にぶつかった。HPダメージは無いが、いたい。
佐倉 光
「いってぇ!」
牧志 浩太
「わっ、佐倉さん!? うわっ、ごめん」
佐倉 光
「額割れるかと思った」
牧志 浩太
「割らなくてよかった……」
佐倉 光
「てかいいんだよそんな事は! 無事か? 体に変な痣出てないか?
俺お前が死んだんじゃないかと思って
めっちゃくちゃ心配したんだからな、馬鹿野郎!」(泣きながら怒ってる)
牧志 浩太
「……ごめん。でも、佐倉さんが無事でよかった。
突然いなくなってさ、俺も驚いたんだ。気がついたら人間に戻ってるし、時計の中に閉じ込められてるし……」
佐倉 光
「時計のなかぁ?
後で詳しく教えろよな」
牧志 浩太
「そう、時計の中。でっかい振り子時計みたいなやつ」
そういえば、彼は手に何か持っているようだ。紙か何かに見える。
佐倉 光
振り子時計か、やっぱり七匹の子やぎだ。
「何だ、それ?」
紙を指す。
牧志 浩太
「……ここで見つけたんだ。蝋燭の中に隠してあってさ。たぶん、あのノートに書いてあったやつだと思う」それは、ちぎれた本のページのようだった。
「……」彼はすこし目を伏せる。
佐倉 光
さらっと重要アイテム!
「すげえ! 見つけたのかよ!
これで………
どうした?」
佐倉 光
未だ半田さんの紹介が有耶無耶だ。
半田 亮司
半田は再会が終わるまで待っててくれてる。
牧志 浩太
「ごめん、大したことじゃないんだ。これを見つけたとき……、これを隠した人の記憶かな、見せられてさ」
佐倉 光
「……後で教えてくれ」
牧志 浩太
「うん。……会えてよかった。佐倉さん、心配させて、ごめん」
彼はあなたの眼を向かい合うようにまっすぐに見て、あなたの存在を確かめた。
佐倉 光
「ほんと、良かったよ、マジで……」
目のあたりを素早く拭いた。
「あ、そうだ、あのノートに名前が載ってた人に助けてもらってさ……」
と半田を見る。
KP
あなた達はようやく、正しく再会できた。
話がひと段落するのを待ち、話を向けられた半田が口を開こうとした。
そのとき。
がちっ、と一際大きな音がして── 牧志の背後にあった柱時計の針が、十二時を指した。
時計の鐘の重たい響きが、空間を揺らした。

KP
……というところで、本日は以上!
またすごいところでヒキ ありがとうございました!
佐倉 光
魔法が解ける!
牧志 浩太
おかしいなー牧志にかけられていた魔法はもう解けたはずなんだけど。
佐倉 光
ありがとうございました~!
今度は俺がどうにかなる気がしてならない!
KP
果たして何がどうなることやら。
そして三人揃い、KPの処理速度が…… 落ちる予感!
佐倉 光
半田さんの安心感よ
それだけに途中で脱落しそうで怖いよこの人!
KP
ウフフ。
佐倉 光
この人の善意(?)は信じることにしたけど、だから全面的に安心かっていうとそんなことはないな!
と思う佐倉である。
KP
悪意マシマシの場所にいることには変わりありませんからね!
あ、たぶん確定でここからKPの処理速度が落ちます 描写と牧志・半田のRPをちゃんと入れること&佐倉さんのアクションにちゃんと応えることを重視したいので、リアクションが~遅れて来るよ~状態になるかもしれませんが、ご容赦ください。
佐倉 光
はーい
KP
それを補うためにKPは先行入力したり、描写を片方の窓に置いたまま会話したりするので、例によってKPの入力中は気にしないでください。
佐倉 光
はーい。基本気にしてないので大丈夫です!
KP
ありがとうございます!
ここからは特にそういうケースが増えそうで>先行入力
ココフォ、どういうときに入力中表示になるのか、いまいちわかってない
佐倉 光
ニキが明らかにキーボードから手を離してても「入力中」になってるなぁ。
KP
なるほどなぁ。もしかしたら入力欄に何か入っているだけでも入力中になってたりするかもしれませんね。
佐倉 光
入力欄にカーソル入ってるとそうなるのかなと思って、いつも考え事とかするときはカーソル外してるな。
KP
そうそう、こちらもPL時はわりとカーソル外すようにはしてます。
佐倉 光
そういう時は大体名前欄に置いてるけど、それも入力中になっちゃうのかなー
まあ二つのブラウザで入ってみてみれば良いんですけど。
KP
確かに。片方ログイン無しで入れば分かるかな。
よし、それではログを取ります 今日はありがとうございました
佐倉 光
ありがとうございました!

佐倉 光
今回しばらく出ないかなーと思ってた泣きながら怒る奴出番きたなぁ。
KP
あの表情といい佐倉さんが本名を名乗るところといい、今回は感慨深い回でしたね
佐倉 光
しばらく本気で死んだのかと思ったから取り乱したわ!!
佐倉が。
KP
そりゃそう!
いやぁ佐倉さんをめっちゃ揺さぶれてKP楽しかったごめん。
その間の牧志の動揺や挙動は終了後の牧志視点にて。
佐倉 光
最近ゆさぶられっぱなしだよ!?
腕の先に死体!? えっ牧志死んだ?
えっ生きてる? ほんと?
俺の頭の中?
最近そこに一人消えたばかりなんだけど!?
えっやっぱり死んだ!?

ってなって大変精神衛生上よろしくなかった。
KP
そう、腕の先にいたのが死体になっててまず魔女さん最高に趣味悪いし、「最初からもう一人なんていなかった」でもう一段ぶちかまされた後、生きてる? って思ったら頭の中!? で荒野牧志のことと重なってしまうのとても良かった
佐倉 光
なんか普通の探索者は喰らわない二段目くらう事が最近多い気がするんですが!?
魔女そこまで見越した?
KP
いろんなこと背負い過ぎたんですよ佐倉さん。いいと思います。
佐倉 光
そろそろちょっと倒れるかも知れないね!
KP
魔女さんそこまでは知らないっぽいんですが、二人がいろいろ背負ってるせいで目をつけたのかもしれませんねぇ。
佐倉 光
そこもSAN値と同じで、巻き込まれれば巻き込まれるほどに、変なのに目をつけられる確率が上がりそう。
KP
上がりそう。明らかに変なのとの縁が増えていくでしょうしね。
佐倉 光
温泉行ったり酒飲みに行ったりしなきゃ……
KP
といって酒飲みに行った結果変なことに巻き込まれたワンナイトショット……。
佐倉 光
しかし酒飲みに行って変なのに遭遇したばかりだしー
KP
雪国の温泉にでも行く?(雪国シナリオ
※また何かには巻き込まれる
佐倉 光
なるほど!
温泉入ればきっと心の傷も痣も癒えるって!!
KP
心の傷はともかく痣は……
あ、ちなみに牧志ですが、佐倉さんの頭の中にいたせいで佐倉さんの思考と自身の思考、脳の働きが混ざってしまってグチャグチャになっていたようです。
佐倉 光
そういう理屈だったのかー
KP
なのです。魔女が追加で演出突っ込んでそうな気はしますが。
佐倉 光
そのうち理性失ってモンスターと化した牧志から逃げなきゃならないシーンでもあるのかと思った。
KP
そういう風に見えそうな方向で少し描写を盛りました。
そういうのも・それはそれで・やって・みたい
佐倉 光
バイオハザードになってまう。
しかしこんな早く戻るなら、口数少なくなったシーンでもっと不安になっとけば良かったな。
KP
あー、確かに。そこは事前に尺が分からない難しさですね。
佐倉 光
あと、毎回「サクラ、サン」って区切ってくるから、実は牧志じゃない可能性? でも会話は間違いなく牧志だしなー……
で、前回最後に呼び捨てにされたから、この人か!?
いやでも誰。
って割と混乱しました。
KP
今回序盤はそのへん分からないのが醍醐味だろうなーと思って、呼称統一したり(ラスト一か所ミスったけど)いろいろしました。
佐倉 光
姿変わっちゃうシナリオでは統一した方が楽しいですよねー
黒猫の時も絶対「佐倉」とは書かないでやった!
KP
ですよね!!
佐倉 光
「あれこいつまちがいなく中身彼だけど、万が一……」って思っちゃう。
KP
実は牧志じゃないんじゃないかとか、獣になっちゃうんじゃないかとか、そういうタイプのブラフはちょっと意識して盛りました。
半田はあれ導入時の、牧志と佐倉さんが互いに呼び合ってる所でしか名前知らないんですね。それであんな呼び方になった。>前回ラストの「サクラ!」
佐倉 光
なるほど。
館の中では佐倉しか発言してないか、下手すると脳内会話か。
KP
牧志は精神だけだったから、実際に発言してたのは佐倉さんだけだったんじゃないかなー、と思ってます。佐倉さんがミイラつれて独り言言いながら廃墟を歩き回ってる。
佐倉 光
やだホラーだ。
KP
YESホラー。
佐倉 光
今までのシーン一人芝居と考えると、なかなか……楽しいですね。
とくに戦闘の所とか。
……あれ、怪我……
KP
実は牧志のHPは元に戻っています。ってコマ差し替えちゃったからログに残ってないな。
佐倉さんは物理的に怪我をしていますが、女の手にやられて怪我をしたんじゃなくて、勝手に歩き回って自滅したんだと思いますアレ。
佐倉 光
しくしく……
KP
そこシナリオに明言がないんですが、「歩き回らせたり怪我をさせたり」ってあったので、そういうことなんじゃないかなーと。
緊迫する戦闘かと思ったら全部幻だった。魔女め。
佐倉 光
あれか、壊れている家具が壊れているように見えなくて怪我したか。
KP
それはありそう。
佐倉 光
VOIDでありましたね、そんなこと……
KP
壊れている家具に突っ込んじゃって怪我したとか。
ありましたねえ。>VOID 狙いすましたファンブルによるホログラムリアリティショック!
あ、あと、今回牧志パートの再確認をして判明したこと。
佐倉 光
はい
KP
牧志当人が記憶できていたのか、佐倉さんの思考を通じて記憶できたのかは分かりませんが、獣状態中は忘れてしまっていた探索中のこと、人間に戻ると思い出せるっぽいです。
つまり、ファーストキス事件のことも思い出せちゃう……。
佐倉 光
あー
あと、〈医学〉知識のとことかも
KP
そう。あれも思い出せてしまう。
佐倉 光
ファーストキスは、忘れてていいぞ……〈医学〉知識のとこ、普通に隣にいたんじゃないのかw
KP
いたかも。>隣に
もしかしたら牧志はその瞬間、隣に存在していた彼のその姿や声をはっきりと見ているかもしれない。
佐倉 光
牧志。
君は唇を塞いだ不快な感覚と、自分に似た別人のことを
見ていてありありと覚えててもいいし、
二人詰め込まれていた衝撃で忘れてしまっていてもいい。
KP
ファーストキス事件については忘れておこう。(佐倉さんだけが覚えてる方が面白いと思います)

自分に似た別人のことは、そこに「いた」ということだけ覚えている、というくらいの塩梅でいこうかと。その時どんな顔をしていて何を言っていたかは思い出せないんだけど、「いた」という確信に近い感覚がある。
今更佐倉さんに突然伝えることはしないけど、佐倉さんがそのことでダメージを受けていたら、どこかで何かしら言及することはあるかもしれない、くらいで。
佐倉 光
はーい
キス などについて連想しそうになったら全力で話を逸らそうとする佐倉が。
KP
牧志の記憶が蘇らないよう必死で話を逸らそうとする佐倉さんが! 面白い。

その根拠も牧志の「理由のない確信」に過ぎないから、断言することはできないけど、でも当人はそこにいたと確信している、くらいの雰囲気で。>「いた」という確信
佐倉 光
それに関してドンベコミしてたら慰めてもらえる!
死んだかもって思った話は多分すると思うからその辺で話が出る可能性があるかもね!
KP
そう!
どん凹みしてたら横で不思議と確信した顔で慰めてくる、くらいの。
ですね! 楽しみ。
佐倉 光
次回の佐倉、まともに話せるのかな!? 楽しみ!
KP
またもイベントの気配ッ!
次回とてもとても楽しみ
佐倉 光
ファートキスは肉体にされた訳ではないので、実質ノーカンではないのか!?
※思い出したら不快なのは多分変わらない。
KP
なるほど!?
果たして精神と肉体どちらがファーストキスの基準なのかというややこしい命題が
※思い出したらショックなのは変わらないし感触の記憶も変わらない


ひとこと
佐倉 光
衝撃の情報が次次と叩きつけられ、佐倉の感情が乱れに乱れ、
今回はひたすら焦ったり泣いたりしてました。
狂気に落ちたわけではないにしろ、
だいぶ正気に戻るまでに時間がかかりましたね。
酷い冗談だ……

と思ったらまたジェットコースター。
なるほど絶叫マシンだこのシナリオ!


CoC『meow!!』牧志&佐倉 1

猫とこっくりさんやっている奇妙な青年は、おおいに人目を集めたようだ。

【置】CoC『スプーキィ・ポルカ』牧志&佐倉 2

「いるのか? 牧志」「佐倉さん……、俺、いるよ。ここにいる」

CoC『静寂舞手』佐倉&牧志 11

本編よりダークサマナー臭い台詞吐いてるなって思いました。

【クトゥルフ神話TRPG】
本作は、「 株式会社アークライト  」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。

Call of Cthulhu is copyright ©1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc.
Call of Cthulhu is a registered trademark of Chaosium Inc.
PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION 「クトゥルフ神話TRPG」


BEAST BIND トリニティ キャラクターメイキング

開始前

CoC『わすれんぼうのおうさま』栗原・黒枝・羽生・伊豆見 1

「なぁ!? 俺のツッコミ聞いて!?」
「正気じゃやってられないからでは?」

【置】CoC『夜は星を落とし易い』 牧志&佐倉 1

「おはよう牧志。
……どうしたのさ、怖い顔しちゃって。また悪い夢でも見たの?」