こちらには『静寂舞手』のネタバレがあります。
※他のシナリオにも言及していますが、明言されていないものなどは除外しています。


本編見る!
KP
あなたは彼に笑いかけ、扉へ向かって歩き出す。
……部屋を出ようとすると、部屋の奥の暗がりから、誰かがすすり泣く声が聞こえた。
佐倉 光
「……?」
振り向いてそちらを警戒。
「さっきまで誰もいなかったよな」
けもの
「イナカッタ」
佐倉 光
「影からわいたんじゃねぇのか……」
KP
軽やかに、石畳を踏む音。
その音と共に、泣き声が近づいてくる。
佐倉 光
泣き声の年齢と性別はどの辺だろう。
KP
それは、少女の痛ましい泣き声だった。
その声が少女のものと分かったと同時、影の中からすらりと脚を伸ばして、美しい少女が現れ出る。
彼女はとめどなく涙を流し苦痛に泣き叫びながら、不気味なほどに軽やかなステップを踏み続けている。
時折彼女はテーブルや壁にしがみつこうとし、そのたび正確なステップを踏み続ける足…… いや、おそらくは赤い靴に引きずられていく。
赤い靴……葬儀に赤い靴を履いて出た少女カーレンは、死ぬまで踊り続ける呪いをかけられてしまう。
カーレンは恩人の看護もできず、その葬式にも出られず踊り続けた。
疲弊したカーレンは遂に首切り役人に懇願する。どうか足を切り落として欲しいと。
佐倉 光
「被害者か……?」
牧志視点
牧志 浩太
咄嗟に、踊り続ける少女を止めようと手を伸ばす。
KP
あなたはそのとき自らの爪のことも忘れていた。しかし爪は少女を切り裂くことなく、それどころか少女はするりとあなたの手をすり抜ける。

けもの
咄嗟に、獣が少女に手を伸ばそうとした。
佐倉 光
手は出さない。そんな余裕はないんだ。
そしてやはり、童話における赤い靴は不吉だ。
KP
『ゆるして! ゆるして!』
しかし泣き叫ぶ少女は、するりと獣の前を、その様子を見ているあなたの前を通り過ぎる。
あなたは気づく。
彼女の白かった肌が、赤黒い斑紋に覆われて干乾びていく。
佐倉 光
「あれは……
あの、ノートに記載が」
けもの
CCB<=(18×1) 【INT】 (1D100<=18) > 60 > 失敗
KP
あとこの【INT】×1、どうも部屋単位で1回振ればいいようなので、次回からその処理にします。
佐倉 光
はーい
KP
まるで遺跡から出土したミイラのように、彼女の肌が、脚が、腕が、萎れていく。
けもの
「グ……、」
KP
彼女はとうとう、その脚が折れて倒れ伏した。
けれど死して倒れてなお、動き続ける靴は止まらない。
佐倉 光
「牧志、彼女に触れるなよ。
危険かもしれない。
首切り役人の斧はここにはないんだ……」
けもの
「ア……、アア。ゴメン……」
咄嗟に手を出してしまったことに気づいたのだろう。獣は長い爪の生えた手を、悔しそうに強く、強く握り込んだ。
佐倉 光
「くそ……!」
KP
萎れて枝のようになった足を軽やかに引きずりながら、靴は踊る。
SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1
佐倉 光
CCB<=69 《SANチェック》(1D100<=69) > 26 > 成功
けもの
CCB<=70 《SANチェック》(1D100<=70) > 96 > 致命的失敗
[ けもの ] SAN : 70 → 69
悔しかったらしい……。
佐倉 光
精神ガタガタになっとる……
なにげに今まで牧志の方が正気度高かったんだな。
KP
ですねぇ。

KP
「あは、あははは、あははははははは!!」

忌々しい『魔女』の声が、部屋の暗がりのいたるところから哄笑のように響く。まるで、死してなお踊る少女に喝采を上げる悪趣味な群衆のようだった。
「あなたがたも踊ってくださいよ! 死ぬまで、ここで! あははははははは!!!」
牧志視点
牧志 浩太
(くそ、)思わず手を強く握りしめていた。

佐倉 光
結局、どれが正解かなんて分からない。
こうした悪趣味な死のアイテムの中を、正解を求めて這いずり回るしかない。
正解なんかないのかもな。
ああ、そうだろう、あいつはそれが楽しいんだ。
けもの
堅い毛に覆われた獣の掌から、わずか、血が滲む。
佐倉 光
牧志を見上げる。
その手に触れて精神を集中する。
《ディア》しまーす。
KP
HPダメージまでは行っていませんが、《ディア》はOKです。
佐倉 光
CCB<=40 《ディア》〈応急手当〉 (1D100<=40) > 48 > 失敗
光はこの闇に押しつぶされているように頼りなかった。
だからって諦めてられるか。
けもの
たよりない光が、影をわずかに照らす。
あなたがそうする頃には、獣の掌に滲んだ血はもう止まっていた。
「……アリガト……」
強く力の入っていた手から、僅かに力が抜ける。
KP
「めでたし、めでたし」

あなたの決意に水をさすように、そんな声と、手を打つ音。
その声でふっと、辺りに静寂が戻ってきた。
佐倉 光
靴は消えたのかな?
KP
横たわる少女のミイラがどろりと溶け、真っ黒な流動体になると、床の影に染み込んで消えた。

周囲はふたたび沈黙を取り戻す。
テーブルの下にあった靴はそのまま残っています。少女は消えた。
KP
あれ? 【INT】×1じゃなくて×2だ どこで間違えたんだ……。
失礼しました、これも次回から直します。>獣の記憶
佐倉 光
はーい
KP
何か別の判定とごっちゃになってしまったようで 失礼しました。
佐倉 光
「……牧志。あの子は人間じゃなかった。
少なくとも、救えるようなものじゃなかった。
忘れよう……」
けもの
「……ゴメン。オレ、ケイソツ」
獣はわずかに背を丸め、肩を落とした。
「トメテクレテ、タスカル」
佐倉 光
「いや、まあ、そこが牧志だしな」
なんとなく、黒い本棚が見えた気がした。
何だこの記憶?
「っと、忘れてる場合じゃないこともあるな。
さっきの子、ノートの記述と同じだった」
けもの
「ノート……」
獣は散り散りに消えていく記憶を懸命に引き寄せながら、かろうじて、強い痛みのような感情だけを思い出したようだった。
佐倉 光
〈心理学〉ー!
このへんで記憶について気付いておきたい。
KP
おっ、どうぞ。
佐倉 光
CCB<=55 〈心理学〉 (1D100<=55) > 31 > 成功
けもの
あなたは獣がそう呟いた時の、たよりない響きに気がつく。同時に、ぞっとするような事に── 気がついてしまう。分かってしまう。まるで己がことのように感じ取ってしまう。
記憶が、雑多な思考と曖昧な考えに紛れて、覚える端から── 埋もれていく。消えていく。ものを覚えていられない!
それはもどかしく苦しかった。覚えていられないことそのものよりも、なによりも、あなたの言葉に応えられないことが。あなたと共に作戦を立てられないことが。
それが何より苦しかった。
佐倉 光
「そうか……まいったな」
結構頼りにしてんのに、という言葉を飲み込んだ。

けもの
CCB<=(77/2) 〈心理学〉 (1D100<=38) > 34 > 成功
牧志視点
牧志 浩太
結構頼りにしているのに。声に出なかった言葉の内容に、なんとなく気づいてしまった。
……もどかしいな。

佐倉 光
察するなよもうw
せっかく飲み込んだのに。
けもの
察しちゃった。
佐倉 光
「こまめに状況を確認していこう。
思い出せることもあるかも知れない。
あの部屋の消える道具みたいに、消えない記憶もあるかも知れない」
けもの
「……ウン。ワカッタ」
ごめん、という言葉を獣は飲み込んだらしかった。もどかしそうに、頷く。

そういえば先程日記帳を探していたのも、きっとそういうことなのだろう。ままならない記憶を書き留めておきたかったのだ。
佐倉 光
「どっかに筆記具があればいいな」
けもの
「アア。ペン、ホシイ」
獣の爪で字が書けるようには見えなかったが。
佐倉 光
代筆するよ、そうなったら。
「じゃあ、都度説明するから。
分からなくなったら言ってくれ……」
って会話も忘れるのかもな、と思いつつ。
けもの
「アア……。」
牧志視点
牧志 浩太
この会話だけでも何かに留めていられれば、と強く思う。
どれだけ強く思っても、雑多な思考に押し流されて頭の中から流れていってしまうんだろうと分かる。

佐倉 光
「よし、次はアリスの扉だ」
ポーチからガラス細工を出し、扉へ近づく。

KP
ボール・ルームを抜け、向かって左手の部屋だ。
扉にはやはりアール・ヌーヴォー調の装飾が施してある。この部屋のデザインは、懐中時計を覗き込みながら走るウサギやトランプの四つのマーク、キノコやドードー鳥などの雑多なモチーフで構成されていた。

あなたの目線の高さあたりに、何かをはめ込むくぼみがある。
佐倉 光
「……よし。不条理ってやつが一番嫌いだけど。
仕方ねぇ」
今まで不条理まみれだったし、今更かもなぁ。
ガラス細工を凹みにはめ込む。
KP
ガラス細工を嵌めてみると、かちりと小さな音がして開錠されたようだ。
あなたはふと、傍らの巨大な獣が小さく見えたような気がした。いや、扉の向こうの風景が大きいのだ。
まるで巨人の住まいのようだった。洋風の部屋を、10メートルくらいの身長の人間を基準にして作ればこうなるだろうか。
それはまるで自分が小さくなったかのような錯覚を覚えさせた。

SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1
佐倉 光
CCB<=69 《SANチェック》(1D100<=69) > 23 > 成功
けもの
CCB<=69 《SANチェック》(1D100<=69) > 36 > 成功
CCB<=75/2 〈母国語(日本語)〉 (1D100<=37) > 39 > 失敗
CCB<=(18×2) 【INT】 (1D100<=36) > 14 > 成功
佐倉 光
き、記憶はあるのに喋れない!
けもの
ない!
佐倉 光
もどかしすぎる!
牧志視点
牧志 浩太
(うわ、でっか……。遊園地のトリックハウスみたいだ)

けもの
「……」
獣はすこし呆然としたように巨大な風景を見上げていた。
佐倉 光
「なるほど、いきなり小さくなってるとは想定外」
けもの
「タカイ」
佐倉 光
「つーか、小さくなってる、というより小さい設定だな」
振り向く。潜ってきた扉のサイズは?
KP
潜ってきた扉だけが普通の大きさだ。
佐倉 光
「この部屋が馬鹿でかいだけだな」
けもの
「タカイ?」
獣は不思議そうに上を見上げる。
佐倉 光
「そうだな? とりあえず進むか」
なんとなくの違和感を感じつつも、壁沿いに移動しながら部屋を観察。
KP
色あせた埃っぽい絨毯の上を、あなた達はネズミのように移動する。
机の脚は人間二人分ぐらいの太さがあるし、柱はうっかり壁かと思うほどの大きさだ。
佐倉 光
「ったく、掃除しろってんだよ」
少し咳き込みつつ進む。
不思議の国のアリス……少女アリスは、不思議なウサギを追いかけて奇妙な世界に迷いこむ。
喋る草花や虫やドア、不条理な出来事、とんちんかんな登場人物達にあふれたワンダーランドへと。
とくに印象的なのは、体を小さくする飲み物と、体を大きくするケーキ、喋るトランプとヒステリックな女王など。
KP
壁沿いに移動していると、成人女性の腰の高さほどの大きさに齧り取られた穴を見つけた。
……想像したくないが、想像してしまった。例えばこの部屋が普通の部屋だと思えば、この穴は。
ネズミの穴ではないか。
あなたはそこから、巨大なネズミが顔を出すさまを想像してしまう。
佐倉 光
「やべぇな。
くそ、壁沿い、危険か?
セオリーが通じねぇな」
KP
ではそこで〈目星〉
佐倉 光
CCB<=85 〈目星〉 (1D100<=85) > 42 > 成功
けもの
CCB<=84 〈目星〉 (1D100<=84) > 12 > スペシャル
KP
穴の中に、何か落ちているのを見つけてしまった。小瓶のようだ。
穴の大きさと骨格の関係上、獣では入れそうにない。回収するならあなたが向かう必要があるだろう。
佐倉 光
「……あー、くそっ。
嫌なもの見つけちまった。拾ってくる」
けもの
「キヲツケテ」
獣は頷いて、何かがあれば対応しようとしてか、穴の傍に立つ。
佐倉 光
「なんかあったら声あげるから、こいつで引き戻してくれ」
腕に括られた紐を軽くあげる。
けもの
獣は小さく頷いて、紐を軽く引いて確かめる。
佐倉 光
「よし……行くか」
今日も私服なんだよなぁ……!
軽くかがんで、なるべく頭を入れないように穴の中に手を伸ばす。
距離はどれくらいだ? 火かき棒で引っかけて取れないか?
KP
あなたは暗い穴の中を探るように、火かき棒を伸ばす。身体を屈め、腕をいっぱいに伸ばして、あともう少し……、

かつん、と棒の先に硬いものが触れた。
火かき棒で引っかけて取るなら、【DEX】×5】で判定。
佐倉 光
CCB<=(9×5) 【DEX】 (1D100<=45) > 44 > 成功
「もう……少し……」
KP
かつ、かつ、と数度音を立てながら、いっぱいに伸ばした腕が痛みを訴えるのを感じながら、何度か失敗したあと、あなたはそれを引き寄せることに成功した。
佐倉 光
すぐさまそれを左手に握り込んで身を縮め、体を穴の外に出そうとする。
KP
その時だった。
握り込んだ手に、ぞわりと湿った、嫌な感触が触れる。
佐倉 光
「引け!」
叫んで火かき棒をかざし、頭を庇う。
どっちの腕だっけ、紐。
KP
左手ですね。
佐倉 光
ならよし。右腕で頭庇いつつ、左腕が引かれる感じだ。
KP
あなたは叫ぶ。
けもの
獣は咄嗟に紐を引く。
佐倉 光
自分でもさがる努力は勿論するけど。
KP
あなたの身体が穴の外へと引きずられる。
果たして、そこからぬうと顔を出したのは、あなたが想像した通りのものだった。

ひくひくと動く鼻先。
鞭のようにしなる巨大な髭。
ざり、と足音が響いた。
今まさに穴から出てこようとしているのは、真っ赤な眼をした、熊にも勝る大きさの、巨大な鼠だった!
佐倉 光
「おい!」
TALK……
KP
ここで獣は〈回避〉
佐倉 光
無理そうだな!
けもの
CCB<=16 〈回避〉 (1D100<=16) > 68 > 失敗
牧志視点
KP
穴の傍にいたあなた達目がけて巨大な鼠が突進してくる。あなたは咄嗟に避けようとするが、ままならない。
牧志 浩太
(うわっ、鼠!?)

KP
ネズミの口から甲高い声がほとばしり出た。
「ネコなんてもうたくさんだ! もうたくさんだ!」
ネズミは甲高い声を上げながら、穴から出たあなたの方へ、猛然と突進してくる!
佐倉 光
ハスターの歌じゃなかった。
佐倉 光
「おい、話をッ。
くそっ!」
けもの
「ガッ!」
獣が咄嗟にあなたの前に出る。
佐倉 光
火かき棒を構えて身を守る。
反射的にCOMPに指を滑らせて、舌打ち。
KP
「ヂュッ!?」

大きさはそう変わるまいに、やはり獣は恐ろしいのだろうか。獣の姿を見た途端、ネズミは引き攣ったような悲鳴を上げた。
けもの
「ガァッ!」
怯えるネズミを威嚇するように、獣はあなたを庇って声を上げる。
佐倉 光
「おい鼠! 喋れるのか?」
KP
しかしネズミはそれどころではなかった。支離滅裂にわめきながら、家具をよじ登り天井の隙間へと消えていく。
後には不気味な静寂が残るばかりである。
SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1
佐倉 光
CCB<=69 《SANチェック》(1D100<=69) > 29 > 成功
けもの
CCB<=69 《SANチェック》(1D100<=69) > 20 > 成功
佐倉 光
「ちぇ、TALK失敗かぁ」
KP
鼠人間じゃなくて普通の鼠なので。
佐倉 光
悪魔かも知れないじゃん!!
あと中身人かも知れないからねー
けもの
「ムリ」
鼠を追い払った獣は、少し肩で息をしながら、鼠が戻ってこないか注意深く天井を見つめていた。
佐倉 光
「サンキュ、牧志。頭に穴開けられなくて済んだ。
無理? TALKが?」
牧志視点
牧志 浩太
(完全にびびらせちゃったから無理そうだ、ごめん、って言いたいんだけど、言葉がうまく出てこない)

けもの
獣は何かを伝えようと腕を動かすが、どうにも要領を得ない。
佐倉 光
「……なんかさっきから、随分カタコトになってる気がするな。
また頭がぼんやりするのか?」
けもの
獣は肩を落として頷く。
佐倉 光
「そうか……俺の言うことが分かるだけ、いいと考えよう」
牧志視点
牧志 浩太
(佐倉さんの言葉はちゃんと分かるんだ。
もし、それが分からなくなったら……、 ……その時はその時で、なんとかするしかないか)

けもの
「ワカル」
あなたの言葉は分かる。そう、獣は頷く。
佐倉 光
「俺には何となくお前の考えることが解るようだし、何とかなるさ」
左手を開いて瓶を観察。
KP
それは栄養ドリンクほどの大きさの透明な瓶だ。
『DRINK ME』と書かれたタグが瓶の口についており、中には無色透明の液体が入っている。
佐倉 光
「やだ。
なんでこう、得体の知れない物を飲み食いしなきゃいけないんだ」
けもの
「……」獣はふと、巨大な家具を見上げた。
佐倉 光
部屋をぐるりと見回す。小さい身長でなければ入れない穴のような物はもうないだろうか。
KP
ぐるりと見回すが、あとは天井の隙間くらいだ。
佐倉 光
「分かってるよ……」
ため息をつく。
けもの
「……ノム?」
あなたから瓶を受け取るような仕草を見せる。
佐倉 光
「大怪獣襲来みたいになるなぁ。
半分飲んでみるよ。すぐに瓶を置くから、後は野となれ山となれだ」
けもの
「ワカッタ……」
佐倉 光
「とはいえ、紐で繋がってるんだから。
二人とも飲まないと危険か、これ」
けもの
「アア?」
あなたの言葉に、確かに、と頷く。
牧志視点
牧志 浩太
(そうか、片方だけ飲んで大きくなったら危ないもんな)

佐倉 光
想定の効果が出るなら、だけどな。
あと、原典版のイラストを思い出すともの凄く嫌な予感はするが……
原典版(ジョン・テニエル画)のイラスト……大きくなるという茸を食べると首だけが伸びる。
佐倉の中のヒトはこっちを思い浮かべちゃっている。

ケーキで大きくなるシーンでは普通に体が大きくなっていた。部屋一杯に詰まることになるが。
佐倉 光
息を止め、瓶の中身を半分飲んでみる。
口に含んだら飲み下す前に、牧志に瓶を渡そう。
けもの
獣の長い爪が瓶にかつんと当たる。
牧志視点
牧志 浩太
(つくづくこの手、不便だな。爪は長いし、物はうまく掴めないし。手っていうより、前脚って感じだ)

佐倉 光
飲ませなきゃ駄目かこれ?
けもの
獣は困ったように口を開けた。
佐倉 光
じゃあ口の液体を飲まないようにして瓶の中身をそこに開けるか……
できれば同じタイミングで飲むのは避けたいんだけどな。
けもの
渦巻く虹のような色をした液体が、獣の口の上に開けられる。
KP
あなたは液体を口に含んで…… 驚く。
それはあなたが感じた事のないような美味しさだった。
チェリータルトやカスタード、パイナップルやトフィー、七面鳥のローストや熱々のバタートースト、甘い香りにさくさくとした菓子の味、たっぷり脂のしたたる肉料理の味、さまざまな味わいが舌の上に踊る。早くそれを舌へ喉へ広げたくてたまらなくなる。
牧志視点
牧志 浩太
(え、なんだこれ、美味しいっていうか、美味しいんだけど何だこれ)

KP
液体を飲み下す?
佐倉 光
うーん。飲むしかないよなぁ。
嫌だけど。
ストーリーに従った行動、絶対に取らなければならないというわけでもないと思うんだよなぁ、とふと思った。
だいたい従うと碌な目に遭わない……
KP
それを飲み下すと、強烈な酩酊のように頭がぐらぐらと揺らされる。
強い眩暈に思わず、あなたは目を閉じてしまうだろう。
牧志視点
KP
目の前で佐倉がどんどん大きくなっていく。2メートル、3メートル、5メートル…… あなたは金色の紐で宙づりにされる。
幸い腕や首が締まってしまったりはしないが、部屋にちょうどよい大きさになった佐倉の腕に、あなたはぷらんとぶら下がっている。
牧志 浩太
(えっ、俺には効かないのか)

KP
次に目を開けると、目の前にあるのは腰ほどの高さのテーブルだ。
その上に何かが置かれているのが見える。
佐倉 光
「うぇー」
牧志はどうなった?
KP
金色の紐の先を目で追えば、そこには何か小さなものがぶら下がっていた。高さはせいぜい、あなたの膝くらいまでだろうか。もふもふとした小さい獣だ。かわいい。
佐倉 光
「あれ、効かなかったのか?」
言いながら抱き上げてテーブルに乗せよう。
けもの
「ナカッタ」
抱き上げられて獣は一瞬驚き、テーブルの上に乗せられたのに気づく。
KP
テーブルの上に乗っているのは、美しい金色の鍵だった。
佐倉 光
「こう小さくなると、あの毛並みもなんか柔らかく感じるなー」
KP
堅い毛はあなたに比して細くなり、細やかで柔らかく感じる。もふもふ。
佐倉 光
耳の後ろとか掻いてやろw
佐倉 光
自分が猫になった時嫌がったことをやろうとする奴。
KP
ふふふ 佐倉さんの行動もかわいい
牧志視点
KP
毛皮をかき分けて指があなたの耳の後ろを掻く。気持ちいい。
牧志 浩太
(あ、気持ちいいなこれ)
KP
思わずわふっと声が漏れた。

けもの
獣は気持ちよさそうに耳を寝かせる。ワフッ、という声はちょっと犬に似ていた。
佐倉 光
「うわー」
(子犬みたいでちょっと可愛い)
佐倉 光
素直な照れ顔がないw
KP
佐倉さんらしいといえばらしい。>素直な照れ顔ない
佐倉 光
「鍵……」
鍵かぁ、となんとなく嫌な予感に駆られつつも、鍵を拾う。
KP
鍵を手に取ると、再び強い眩暈があなたを襲う。
ん?
あなたは予感する。

獣がテーブルの上に置いていかれるのではないか。
佐倉 光
クッキーは!? と思いつつ抱き上げる。
KP
魔女の勝手なアレンジを感じながら、あなたは咄嗟に獣を抱き上げる。
佐倉 光
このままだと、どうなる?
当然……あ、まずい。
体が縮小してゆき、手の中のフワフワの獣がどんどん大きさを増してゆくのをちょっとした絶望とともに感じて……
牧志視点
KP
あなたを抱き上げた佐倉がどんどん小さくなっていく。はっと嫌な予感がした。このまま小さくなったら、彼はあなたに圧し潰されるのではないか。
牧志 浩太
(えっ、まずい!)咄嗟に手足を突っ張り、佐倉さんを圧し潰さないように堪える。

KP
……あ。
気づけば最初と同じように、全ての家具が規格外に大きい光景が広がっていた。
けもの
そして……、あなたの上で、獣が家具に手足を突っ張り、あなたを潰さないようにぷるぷると震えていた。
佐倉 光
「……あ、サンキュ、助かった……」
けもの
「ニゲテ……」
だいぶん苦しそうだ。獣の身体の下から出た方がいいだろう。
佐倉 光
慌てて這い出す。
けもの
「ヨ、ヨカッタ……」
べちゃん。
力尽きた獣が床に突っ伏す。
佐倉 光
「まさか鍵取っただけで元に戻るとは」
KP
あなたの手にはちゃんと鍵がある。普通の大きさだ。そういえば、小さな鍵があるな、と思ったのだった。
けもの
CCB<=(90/3) 【アイデア】 (1D100<=30) > 96 > 致命的失敗
佐倉 光
致命……
けもの
何かに気がついたような気がしたが、どうも気のせいだったようだ。頭の中がぐねぐねと混濁する。
牧志視点
KP
言葉を捕まえることにすら困難を感じる。気を抜けば自分の名前すら忘れそうだ。
牧志 浩太
(くそ。俺は牧志、俺は牧志、俺は……)

佐倉 光
〈心理学〉で見抜けは……しないか。本人が忘れてるんじゃな。
KP
忘れているということが詳しく分かるくらいですね。
で、ファンブルペナルティ。
次の部屋で〈母国語(日本語)〉/2ロールに失敗すると、一言どころか何も喋れなくなります。
成功したら普通に三言まで喋ってかまいません。
佐倉 光
なかなかそれはきついぞー
KP
〈心理学〉を活用していってね。

佐倉 光
「くそ、他の家具も見てみたかったな」
ほか、この部屋に気になるものはあるかな。
テーブルよじ登るのは……大変そうだ。
KP
床には何もなく、巨大な本棚などはあるが、あなたたちの手が届く高さではない。
つるつるして装飾のついたテーブルをよじ登るのは困難だろう。ネズミでもあるまいし。
佐倉 光
「もしかして、一本飲まなかったせいか?」
つってもなぁ。ま、やっちまったもんは仕方ない。
けもの
「ワカラナイナ」
あなたの手の中にある金色の鍵を、獣は見遣る。
「ヒゲ?」
佐倉 光
「血はついてないみたいだけど。
ここでこうしていても仕方ないし、進むか……」
鍵に何か書いてあったりはする?
佐倉 光
髭? 鍵束じゃないからセーフだよ!!
KP
何も書かれていない。美しい装飾のついた金色の鍵だ。
佐倉 光
では部屋から出よう。
さっきの鼠穴、よく探したらなんか隠れてるのかなぁ……

KP
あなたたちは部屋を出る。何が起こると予期していただろうか?
しかし、何も起こらなかった。赤の女王も、ペッパーミルも夫人も、何も出てこない。
そんなこともあるらしかった。
佐倉 光
「随分密度の薄い部屋だな?
今までに比べるとスカスカすぎて、何か見落としているんじゃないかと不安になるな……」
けもの
「ウン……」
佐倉 光
燭台?
うーん。
ひとまず先に、ヒゲの部屋行ってみるか。
KP
その部屋は城の地下室のような、少し装飾のついた扉で閉じられていた。ガラス細工を嵌めるくぼみはなく、ただ鍵がかかっている。
佐倉 光
「おや、違うパターンだな」
けもの
CCB<=75/2 〈母国語(日本語)〉 (1D100<=37) > 18 > 成功
佐倉 光
やったね!
根性を見せたな。
けもの
CCB<=(18×2) 【INT】 (1D100<=36) > 38 > 失敗
佐倉 光
しかし覚えてない!!
KP
おお。喋れなくなるかと思ったら。根性を見せた!
覚えてないけど喋れる!!

けもの
「クボミ、ナイナ」
直前の部屋のことはなんとか覚えているのか、獣は扉を見て応える。
佐倉 光
さっき手に入れた鍵を取り出す。
「これか」
KP
その鍵で扉を開けられそうだ。
佐倉 光
差し込んで回す。
青髯。青髯。ずっと昔に読んだきりで、どんな話かは忘れてしまった。
ハッピーエンドだった、気はするんだが……
けもの
「……」あなたが鍵を回すのを、獣がじっと見ていた。
牧志視点
牧志 浩太
「青髭」の粗筋を思い出していた。俺達に、助けに来てくれる兄はいない。

佐倉 光
扉の向こうには何があるんでしょうねぇ。嫌だなぁ怖いなぁ。
ハッピーエンドだけど死人は一杯でてる!
KP
ラテン語が読めて弓で助けに来られるお兄ちゃーん! いない!
佐倉 光
たすけてぇ!
佐倉 光
扉を引き開ける。
KP
扉を開けた途端。
何かに引きずり込まれるようにして、手に持っていた鍵が床に落ちてしまった。
……ぽちゃん、と水の音が響いた。
佐倉 光
「あっ」
けもの
「アッ」
佐倉 光
慌ててかがむ。
KP
あなたは慌てて鍵を拾い上げる。これまでの部屋よりもさらに暗くてよく分からないが、すっかり濡れてしまったようだ。
部屋の中は真っ暗だ。扉から数メートルの長さすら目視できない。暗がりの中で濡れた床だけが、ほんのわずかな薄明りを反射し、その形を浮かび上がらせている。
佐倉 光
「あーあ。……ん?」
明かりが必要かぁ?
けもの
「クライ……」
獣も特に夜目が利いたりなどということはないらしく、辺りを困ったように見回している。
佐倉 光
「闇は、影は、まずいか……」
舌打ちをして脇に鍵と火かき棒を挟んで、マッチを擦り、蝋燭に火をつけよう。
佐倉 光
最初にマッチを全部擦った場合どうなるんだか気になる。
あと何部屋あるか分からないからなぁー
KP
マッチを擦ると、壁の一角に笑うあなたたちと、東浪見と、ミントの顔が映し出された。
あなたが初めて、皆で食事なんてしてみようかという気紛れを起こした、あの日。
佐倉 光
楽しそうにしてるな、二年前の俺にこんな光景見せたって、フェイクだと笑うだろう。
けもの
獣は少し眼を細めるようにしてその幻を見遣り、見入ってしまう前に目を逸らした。
佐倉 光
「楽しかったよな」
ぼそりと呟いて、火を蝋燭に移す。
けもの
「アア、タノシカッタ……
サクラサン、クルノ、オドロイタ」
佐倉 光
「俺もだよ」
今になっても、どうしてあんな気まぐれを起こしたのか分からない。
きっと、ハロウィンで浮かれていたせいだ。
今回は回復あるんだろうか?
KP
SANチェック》に成功で1、失敗で1d3のSANを回復します。
(※すみません、処理が逆でした。説明と例文で記載が逆になっているのにつられたようです)
佐倉 光
あ、そうなんだ。
KP
よりSANが低い方がSANが回復しやすい処理ですね。失礼しました。
佐倉 光
そんな気がしたんだよね。
CCB<=69 《SANチェック》(1D100<=69) > 31 > 成功
[ 佐倉 光 ] SAN : 69 → 70
けもの
CCB<=69 《SANチェック》(1D100<=69) > 47 > 成功
[ けもの ] SAN : 69 → 70
SANが仲良し。
佐倉 光
ログ読んでて、もともとある人の方が回復しちゃうの? と思ってた。
KP
なんですよね。言われてみれば逆だよなぁ。
例文が1d3/1表記になっていたのに盛大につられましたね……。
佐倉 光
プレイ中に気付かなかったお陰で得しちゃった。
減らしておく?w
KP
いや、過去のミスは巻き戻さない主義なのでそのままで大丈夫です。
佐倉 光
はーい

KP
……やさしい幻が薄れて消えてしまう前に、あなたは蝋燭に火を移す。
マッチが燃え尽きて、幻が消える。
蝋燭の光が辺りを照らす。
佐倉 光
蝋燭の火を掲げて、周囲を見回す。
KP
いままで幻を映していた壁は…… 赤かった。
赤かった。
あなたが鍵を落とした水面もまた赤かった。
佐倉 光
「……これ」
鉄臭い?
KP
ねっとりとした赤い水面。その赤は本能的に人間を竦ませる色。ぞっとするようなおびただしい赤を視界に入れた途端、思い出したようにむせかえるような血の臭いが押し寄せた。
SANチェック成功時減少 1失敗時減少 1D2
けもの
CCB<=70 《SANチェック》(1D100<=70) > 4 > 決定的成功/スペシャル
[ けもの ] SAN : 70 → 69
佐倉 光
CCB<=70 《SANチェック》(1D100<=70) > 52 > 成功
[ 佐倉 光 ] SAN : 70 → 69
増えた分減った……

牧志視点
牧志 浩太
(うっぷ……、「青髭」の部屋なら、ここにあるのって……)

けもの
「アオヒゲ……、」
獣がぽつりと呟いた。
佐倉 光
「なんだここ? ツマノシタイってやつか?」
KP
あなたがそう口に出したとき、部屋の中央に垂れ下がる、カーテンのようなたっぷりとした布に気づいた。
佐倉 光
「何だ?」
KP
なんだろうか、この布は。
佐倉 光
「うわー。心底めくりたくねぇ」
呻いて、近寄る。
「こういうのより、ゾンビが襲ってくる方が大分マシだ」
布を火かき棒で引っかけてめくる。蝋燭は左手だ。
けもの
「ゾンビモ、コマル……」
KP
あなたは蝋燭で照らしながら、そのきらびやかな布を、火かき棒で一息にめくる。
佐倉 光
鍵はポケットに入れたかな?
KP
鍵はポケットに入れてて構いません。
白いものが見えた。
それは、すっかり血の気を失った、生白い人肌だった。
垂れさがっているのはカーテンなどではなく、ドレスを纏った貴婦人たちだったのだ。
けもの
「……アオヒゲハ、ツマヲ、コロシタ。
タクサン」
佐倉 光
うぐ、と喉の奥で声を押し殺す。
KP
ぱっと見ただけで顔が崩れ落ちている者もいれば、まだ腐敗の始まっていない仮面のような死に顔を晒している者もいる。
体格も人種も様々な貴婦人たちは、あなたたちの目の前で、ただ黙って天井から吊るされているのだった……。
SANチェック成功時減少 1失敗時減少 1D3
佐倉 光
CCB<=69 《SANチェック》(1D100<=69) > 18 > 成功
けもの
CCB<=69 《SANチェック》(1D100<=69) > 95 > 失敗
1d3 (1D3) > 2
[ けもの ] SAN : 69 → 67
佐倉 光
ただの腐肉だってのに、どうしてこんなに恐ろしげに見えるんだ。
けもの
「……」
あなたの呻きを受け止めるように、獣の眼は少し苦しげに震えていた。
佐倉 光
「こんなの作り物だろ? 俺たちを脅すためのお化け屋敷なんだからな、ここは」
けもの
「アア……」
獣は、僅かに拳を握り込み、頷く。
佐倉 光
何か手がかりはないだろうか……
例えば、種は。例えば、鍵は。例えば……
目をそらしたい気持ちをこらえて観察する。
死体に特に何もなければ、部屋の壁際とか見てみる。
KP
死体をよく確認すると、吊るされた六体の死体にはすべて、赤く輝くどす黒いアザのような不気味な斑紋が浮き上がっているのが見えた。
佐倉 光
あー、やっぱり?
KP
あなたは気づいてしまう。
それらは女たちの青白く血の気の失せた、あるいは腐った肌の中を、アメーバのように蠢きながら、緩慢に這い回っていた。
……這い回っていたのだ。生き物のように。
確認した佐倉さんのみ、《SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1
佐倉 光
CCB<=69 《SANチェック》(1D100<=69) > 21 > 成功

佐倉 光
「こいつ……」
けもの
「ドウ、シタ?」
佐倉 光
「まただ、あの痣……ノートに書いてあった奴だ」
けもの
獣が少し嘔きながら、あなたの見る方を覗き込もうとする。
佐倉 光
やめとけ、と遮る。
「見なくていい、後で説明する」
けもの
「……ワカッタ」
佐倉 光
「しかし、寄生生物みたいな物、か?」
KP
あとここで〈医学〉が振れます。
佐倉 光
CCB<=5 〈医学〉 (1D100<=5) > 5 > 決定的成功
なぬ。
KP
なんと。
佐倉 光
初期値クリティカルだー!
けもの
CCB<=(31/2) 〈医学〉 (1D100<=15) > 52 > 失敗
KP
荒野の牧志のこれ(〈医学〉31)を思い出した……?
佐倉 光
なるほど?
描写見てRPしよう。
KP
こんな真っ赤な水面の上に吊るされているのだ。きっと、首をかっ切られて血を抜かれたのだと、思ったかもしれない。
しかし。
彼女らにそんな傷はなかった。
腐り果てた死体はまだしも、一番新しい死体にすら、傷も打撲痕もなかった。
死体は首を吊るされてなどおらず、ただ腰に回したロープで吊るされているだけだ。窒息死の兆候も、なかった。
佐倉 光
滴る血もないのか。
KP
血が滴ってさえいなかった。まったく傷も死因もないまま、あらゆる血を喪った死体だった。
……あまりに不可解だ。
佐倉 光
佐倉の頭がぐらりと揺れた。
何事か呟いていると思えば、早口に死体の不可解な点を挙げていた。
牧志視点
KP
佐倉の頭がぐらりと揺れた。次に顔を上げたとき、そこにいるのは彼ではなかった、とあなたは感じる。
牧志 浩太
(……佐倉さん? いや、)

佐倉 光
「おかしい。外傷もない。括られているわけでもない。すると、やはり佐倉さんが考えていた寄生生物的な……」
牧志視点
KP
あなたの隣に誰かがいるような気がした。片方だけしかない眼を開き、その誰かが滔々と喋っている。
牧志 浩太
(いる……。いたんだ。ちゃんと、いた)
喉が震えるのを感じながら、その誰かに話しかけようとする。

佐倉 光
「ものが……」
喋りながら目をぱちくりさせる。
牧志視点
KP
言葉が途切れる。幻が霧散する。話しかけようとして開いた口は、ほんの一瞬間に合わなかった。
牧志 浩太
(あ、)

けもの
「……サクラ、サン?」
獣が目を瞬いてあなたに呼びかける。
佐倉 光
「……え?
どうかしたのか?」
けもの
「オボエテ、ナイノカ?」
獣はあなたの眼をじっと覗き込む。その内側に何かを確かめるように。
佐倉 光
「覚えて? ああ、この死体がおかしいって、話か?
おかしいよなぁ、括られてるわけでもない傷もない、なのに血はなくなってる」
佐倉 光
佐倉的には何故か自分で気付いたことになってます。
佐倉 光
「やっぱ、中にいるものに吸い取られたって考えるべきかなー。
鬱血の感じから言って、窒息したわけでもないよなぁ……
……ん? なんで俺こんな事知ってんだ?」
けもの
「…………」
獣はあなたの言葉に応えず、じっと、あなたの眼を覗き込む。その中に何かを探すように。
それから何かを言葉にするべきか、少し迷ったようだった。
佐倉 光
「……何だよ?」
〈心理学〉しちゃう?
KP
あなたは〈心理学〉しちゃってもいいししなくてもいい。
佐倉 光
しないでおこうかな!
夜も遅いしね!
けもの
「……ヨカッタ」
ふっと、獣が微笑んだように思えた。
きっとその事も、次に聞こうとした時には忘れているのかもしれないけど。
佐倉 光
「お、おう……? 前に読んだ漫画の知識かな?」
KP
獣の態度についての疑問だけが、あなたの中に残ったのだった。

KP
獣は何が起こっていたのか気づきましたが、佐倉さんにそのことを伝えるべきかどうかちょっと迷った隙に忘れてしまいます、ということで。
佐倉 光
荒野牧志君、いま中でゲームを隣で見てる人みたいになっちゃっているのではw
KP
口を出したさが爆発して介入しちゃったか。>ゲームを隣で見てる人
佐倉 光
もっと爆発してくれていいぞ!
おしまい
KP
というわけで、えらい時間になりましたが本日は以上!
ありがとうございました!
佐倉 光
おしまい!!
ありがとうございました!
KP
メッチャミス多くてすみません!!
佐倉 光
いえいえー
イレギュラー多いし仕方ない
KP
ありがとうございます 後になってから「そういうことかこの記述ー!」って気づく!
KP
いやーまさか出るとは初期値クリティカル
佐倉 光
出るとはなぁー。
KP
しかもそこでふと牧志は〈医学〉13くらいあったような……って見たら31あるんですもん
佐倉 光
前回伸びましたからねー
察した牧志君。しかしすぐ忘れちゃう牧志君。
KP
はっきり察したけど、獣状態でうまく言葉にできないのもあって、言葉にするべきか、するならどう言葉にするか迷った瞬間に忘れちゃった。
佐倉 光
すぐに〈心理学〉したら教えてもらえたかも知れないのにねぇー
KP
のにねぇー。
そして彼の存在がそこに出てきたことを覚えている人はいなくなってしまうのだった。
佐倉 光
まあきっとこれからそんな機会いくらでも……
あるといいね……(あんま出ないクリティカル
KP
逆にすごいところで大ファンブルしたときに出てくるかもしれないし。
佐倉 光
前回のファンブルで出そうか迷ったんですが
素のままの方が楽しそうだったのでそのままにしときました。
KP
前回のファンブルはあっちの方が楽しかっただろうと思いますしね。
佐倉 光
異界で悪魔と殴り合ったり死体見ても平気な佐倉がこういう所でSAN値ゴリゴリされるのは、やっぱり多少なりとも『呑まれている』んだろうなぁ、と思います……
KP
『呑まれている』かぁ……。
全力で雰囲気をこしらえに来てますしね魔女が。
佐倉 光
しかし奥二部屋で何も収穫がないのが気になるッッ!
KP
あとはこちらの佐倉さん、「失いたくない日常」の形を知ってしまったぶん、少し弱くなっているのももしかしたらあるのかなー、と思ったりしました。
上位存在に弄ばれる恐怖を知ってしまったのもあるかもしれないけど。
佐倉 光
それは……あるかも
自分一人でなら迷いなく突っ込めてもね。
KP
そうそう。失いたくない日常を知ってしまったのは強さにもなるし弱さにもなるのかもしれない。
佐倉 光
あと今は自分に何かあったら牧志が頑張ってくれてしまうであろうことは知っているからね……
一人で突っ込むこともできなくなっているだろうな。
KP
牧志はもし佐倉さんに何かがあったら頑張ってしまいますね……。あの時もあの時もそうだったように。
佐倉 光
自分もそうするだろうし。
KP
『対の棲みか』の時に、互いにそうするんだとはもう分かっている二人ですしね。


ひとこと
佐倉 光
従うべきか? 従わざるべきか?
食うべきか? 食わざるべきか?
不条理なんて大嫌いだ。

変に和んだ後は見える地雷へ。
どう考えたっていいこと起こりっこない!
しかしそんな最中の初期値クリティカル。
そうしたらもう彼の出番でしょう!


CoC『欠落コディペンデント』牧志&佐倉 7

おいていかないで

【置】CoC『骨組みだけの宇宙』 佐倉&牧志 1

「……大丈夫だよ。手を握ってても大丈夫。だから、いつもみたいに話そうよ」
「ああ……努力する……」

【置】CoC『忌胎』 佐倉&牧志 5

危険な悪魔を排除し、牧志を救う。
それしかない。

【クトゥルフ神話TRPG】
本作は、「 株式会社アークライト  」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。

Call of Cthulhu is copyright ©1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc.
Call of Cthulhu is a registered trademark of Chaosium Inc.
PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION 「クトゥルフ神話TRPG」


CoC『信仰、或いは真実の縮図』1

「私が戻ってくるまでせいぜい生きていろ」

【置】CoC『ワンナイトショット』牧志&波照間&佐倉 1

もしかして:戻ったときにえらいことになる>服装

CoC『VOID』継続『やさしい朝をくださいね』春&田尾 1

「こーいうのは誰かに肯定されて初めて、それに価値を認識し始めるものなんだから」